説明

レーザー光学系とこれを有するリペア装置及び方法

【課題】高速で、且つ実時間でリペア作業をレビューしながらリペアできるレーザー光学系付きリペア装置を提供する。
【解決手段】基板570をリペアするためのレーザービームを発生させるレーザー発生装置501と、レーザー発生装置から発生したレーザービームを反射させてレーザービームの進行経路を変更させるスキャンモジュール510と、レーザービームを基板にフォーカシングされるように圧縮させる対物レンズ560と、スキャンモジュールでスキャンされたレーザービームが対物レンズの入射範囲にあるように案内するリレーレンズ530と、基板のリペアされる過程を実時間で撮影するレビュー光学系550と、スキャンモジュールを調節する制御装置519と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
レーザー光学系とこれを有するリペア装置及び方法に係り、より詳細には、レーザーを用いて基板に対して特殊パターン、マーキング、修正などのリペアを行うレーザー光学系とこれを有するリペア装置及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、レーザーを用いて対象物に特殊パターンを形成したり所望の模様をマーキングしたりすることができ、例えば、半導体ウエハーまたは液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display:以下、“LCD”という。)パネルに回路などのパターンを形成することができる。ただし、このようなパターンやマーキングを形成する上で欠陥が発生することがあり、歩留まりを高めるためには、対象物体を検査して欠陥を見出し、当該欠陥を解決する必要がある。
【0003】
いままで開発された欠陥除去のための装置は、作業用ステージ(Stage)上にLCDパネルあるいはマザーガラス(Mother Glass)を載置した後、ステージまたはレーザー光学系の装着されているガントリー(Gantry)全体を移動させ、CCDカメラを用いて実時間でレビューしながらリペア工程を行う構造を有する。しかし、このような構造では、マイクロ単位の微細なピクセルをレーザーリペアするために、レーザーシステム全体を作業経路に沿ってマイクロ単位に反復して移動させなければならず、リペア作業に時間がかかるという問題点がある。
【0004】
また、スキャンモジュールを用いるレーザーリペア装置も開発されている。このようなリペア装置は、レーザー光学系の装着されているガントリー及び作業ステージを動かすことなく所望のレーザーリペア作業を行うことができるが、F−thetaレンズを使用する光学系の構造的特性の上、CCDカメラを用いて実時間レビューができないという問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、基板の欠陥を、新しい構造のレーザー光学系を用いてリペアすることによって、基板の欠陥を高速で処理すると同時に実時間でリペア過程をレビューできるレーザー光学系を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このために、本発明の一側面に係るレーザー光学系は、
基板をリペアするためのレーザービームを発生させるレーザー発生装置と、
前記レーザー発生装置から発生したレーザービームを反射させてレーザービームの進行経路を変更させるスキャンモジュールと、
前記レーザービームが前記基板にフォーカシングされるように圧縮させる対物レンズと、
前記スキャンモジュールでスキャンされたレーザービームが、前記対物レンズの認識範囲にあるように導くリレーレンズと、
前記基板がリペアされる過程を実時間で撮影するレビュー光学系と、
前記スキャンモジュールを調節する制御装置と、を含む。
【0007】
また、前記基板は、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display:LCD)であり、前記レーザービームは前記LCDの欠陥をリペアすることができる。
【0008】
前記対物レンズは、前記レーザービームを前記LCDのピクセルサイズにフォーカシングされるように圧縮させることができる。
【0009】
また、前記スキャンモジュールは、X、Y方向の2軸に前記レーザービームの進行方向を変更させることができる。また、前記スキャンモジュールは、2個のスキャンミラーを含み、前記2個のスキャンミラーが連続して前記レーザービームをスキャンするように設置され、いずれか一方のスキャンミラはX軸をスキャンし、他方のスキャンミラーはY軸をスキャンすることができる。
【0010】
また、前記スキャンモジュールは、2つのスキャンモジュールを含み、各スキャンモジュールは1個のスキャンミラーを含み、いずれか一方のスキャンモジュールはX軸をスキャンし、他方のスキャンモジュールはY軸をスキャンすることもできる。
【0011】
また、前記スキャンモジュールは、1個のスキャンミラーを含み、前記スキャンミラーを用いてX、Y軸をスキャンすることもできる。
【0012】
また、前記制御装置は、基板上において、前記対物レンズから出射するレーザービームのスポットの位置を調節するためにスキャンモジュールの角度を調節する。
【0013】
また、レビュー光学系は、レビューのための照明装置、レーザー光学系またはレビュー光学系の焦点を補正するオートフォーカシング装置、LCDリペア過程を実時間で撮影するレビューカメラを含む。
【0014】
また、上記のレーザー光学系は、レーザー光学系を画像対画像光学系またはスポット光学系に切り替えるように着脱自在に設けられるチューブレンズをさらに含むことができる。
【0015】
この場合、チューブレンズがレーザー発生装置とスキャンモジュールとの間に装着されると画像対画像光学系となり、取り外されるとスポット光学系となることができる。
【0016】
本発明の他の側面に係るリペア装置は、
前記レーザー光学系と、
前記レーザー光学系が装着されるガントリーと、
前記基板が載置されるステージと、
前記レビュー光学系で撮影されたリペア映像をディスプレイするモニターと、
を含む。
【0017】
本発明のさらに他の側面に係るリペア方法は、
基板をリペアするためにレーザービームを発生させ、
前記発生したレーザービームをスキャンモジュールで反射させてレーザービームの進行経路を変更させ、
前記レーザービームが前記基板にフォーカシングされるように対物レンズを通してレーザービームを圧縮させ、
前記スキャンされたレーザービームが前記対物レンズの入射範囲にあるように、リレーレンズを通してレーザービームを案内し、
前記基板がリペアされる過程をレビュー光学系を用いて実時間で撮影し、
前記撮影された映像を実時間でディスプレイする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、スキャンモジュールを用いた画像対画像の大面積高速リペア作業が可能になると同時に、レーザーの照射される領域及びその近傍に対する実時間映像を獲得できるため、リペア作業中に実時間でレビューすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施例によるレーザー光学系付きリペア装置を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施例によるレーザー光学系の構造を示す図である。
【図3】本発明の他の実施例によるレーザー光学系の構造を示す図である。
【図4】本発明のさらに他の実施例によるレーザー光学系の構造を示す図である。
【図5】本発明のさらに他の実施例によるレーザー光学系の構造を示す図である。
【図6】本発明のさらに他の実施例によるレーザー光学系の構造を示す図である。
【図7】本発明の一実施例によるレーザー光学系を有するリペア装置を用いてLCDをリペアする様子を示す図である。
【図8】本発明の一実施例によるレーザー光学系付きリペア装置の動作過程を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の好適な実施例について説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施例によるレーザー光学系付きリペア装置を示す斜視図である。以下、図1〜図3を参照して説明する。
【0022】
リペア装置1は、ステージ100、ガントリー300、レーザー光学系500、モニター700を含む。
【0023】
ステージ100は、基板(Substrate)が載せられるもので、固定した形態でリペア装置1に設置されることもでき、移送装置によって移送可能な形態で設置されることもできる。ステージ100を移送可能な形態にすることは、ステージ100上の基板にレーザービームが照射されるような領域へと移動させるためである。
【0024】
ここで、基板は、電気回路が組み込まれるもので、絶縁基板の表面に導体パターンを形成できる絶縁材料からなる。また、レーザーを基板に照射することによって、基板を削磨(ablation)、炭化(carbonization)、特殊パターニングまたはマーキングすることができる。特に、レーザーを用いる削磨(ablation)は、主として薄膜トランジスタ(TFT)のリペアに適用され、炭化(carbonization)は、主としてカラーフィルター(CF)のリペアに適用される。本発明の一実施例によるレーザー光学系は、削磨または炭化過程のいずれを含むリペアにも適用することができる。
【0025】
本発明の実施例によるレーザー光学系付きリペア装置は、基板を液晶ディスプレイ(LCD)とし、レーザービームを用いてLCDの欠陥をリペアする過程を挙げて説明する。
【0026】
ガントリー300は、レーザー光学系500が装着されるもので、ステージ100と同様に、レーザー光学系付きリペア装置1に固定した形態で設置されることもでき、移送装置によって移送可能な形態で設置されることもできる。ガントリー300を移送可能な形態にすることは、ガントリー300に装着されるレーザー光学系500に移動性を与えるためである。
【0027】
レーザー光学系500は、LCD570をリペアするために、レーザービームをLCD570に照射する。レーザー光学系500は、ガントリー300に固定して装着されることもでき、移送装置によって移送可能なように設置されることもできる。ただし、本発明の一実施例によるレーザー光学系付きリペア装置1は、レーザー光学系500がガントリー300に固定されており、レーザー光学系500に含まれているスキャンモジュール510のスキャンミラーの角度を調節することによって、LCD570上の欠陥をより精密にリペアできるものとする。
【0028】
モニター700は、レビュー光学系550に含まれるレビューカメラ551により撮影されるリペア作業過程の映像を、ユーザが実時間で見ることができるようにディスプレイする役割を果たす。
【0029】
図2は、本発明の一実施例によるレーザー光学系の構造を示す図である。
【0030】
図3は、本発明の他の実施例によるレーザー光学系の構造を示す図である。
【0031】
以下、図2及び図3に示すレーザー光学系の構造について説明する。ここで、図3に示すレーザー光学系500は、図2の構造に付加可能な構成要素を含めた形態である。
【0032】
レーザー光学系500は、レーザー発生装置501、スキャンモジュール510、制御装置519、リレーレンズ530、レビュー光学系550、対物レンズ560を含む。
【0033】
レーザー発生装置501は、LCD570のリペア作業のためにレーザービームを発生させる装置であり、レーザービームは、ナノ秒、ピコ秒またはフェムト秒レーザーなどの種々のレーザーソースを使用することができる。
【0034】
スキャンモジュール510は、X、Y方向の2軸をスキャンできるスキャンミラーを含み、レーザー発生装置501から発生したレーザービームの角度を様々な角度で反射させることができる。ここで、X方向は、レーザー光学系500の設置されるガントリー300と垂直な方向に設定することができ、このX方向と垂直な方向をY方向に設定することができる。スキャンモジュール510は、レーザービームの角度を様々な角度で反射させることで、LCD570上に存在する欠陥の位置でリペアするから、ステージ100やガントリー300の移動によって欠陥の位置を見つけてLCD570をリペアする場合に比べて、高速でリペアを行うことが可能になる。そのため、タクトタイム(Tact Time)が顕著に短縮する。タクトタイムは、要求する生産目標を達成するために一つの製品を生産するのに要する時間で、ここでは、LCD570の欠陥をリペアする時間を指す。
【0035】
制御装置519は、対物レンズ560を通過したレーザービームのスポット(Spot)の位置をLCD570上において調節するために、スキャンモジュール510の角度を調節する。スキャンモジュール510はレーザー光学系500において進行するレーザーを調節し、特に、基板に照射されるレーザーの進行経路を、スキャンモジュール510に含まれたスキャンミラーによって調節する。すなわち、レーザー発生装置501から出射されるレーザービームは、シャッター503などを通過し、スキャンモジュール510で反射され、リレーレンズ530を通して案内されて最後には対物レンズ560に入射して、基板570に直接リペア作業を行う。ここで、基板、すなわち、LCD570に照射されるレーザービームの位置は、スキャンモジュール510に含まれるスキャンミラーの配置角度や距離により決定され、よって、スキャンモジュール510を調節する制御装置519を用いて、LCD570に照射されるレーザービームの進行経路を調節することができる。
【0036】
リレーレンズ530は、スキャンモジュール510で反射されたレーザービームが拡散されることなく正確に所望の方向に進行できるように、反射されたレーザービームを導く。すなわち、リレーレンズ530は、スキャンモジュール510でスキャンされたレーザービームを対物レンズ560の入射範囲に導く役割を果たす。また、リレーレンズ530がスキャンモジュール510と対物レンズ560との間に設置されることから光学的に空間が確保され、この空間を用いるレビュー光学系550を介して、ユーザは、レーザービームを用いるLCD570の欠陥リペア過程を実時間で見ることができる。然るに、従来のようにスキャンモジュール510を使用する場合は、スキャンモジュール510で反射されたレーザービームが直接対物レンズ560に入射するから、スキャンモジュール510を用いた高速リペアは可能だったが、スキャンモジュール510と対物レンズ560間の物理的制約によって実時間レビューは不可能だった。しかし、本実施例によれば、リレーレンズ530を設置することによって、リペア過程をレビュー光学系550を用いて実時間でレビューすることが可能になる。
【0037】
レビュー光学系550により、LCD570上に存在する欠陥をリペアする過程を実時間で見ることが可能になる。特に、リペア作業では、レーザーリペア過程中にわずかな誤りが生じても全体LCDパネルを使用できなくなるという危険性があり、よって、レビュー光学系550を用いた実時間レビューの必要性は大きい。
【0038】
レビュー光学系550は、レビューカメラ551、ミラー(Mirror)553、照明装置555、オートフォーカシング装置(Laser Auto Focusing:LAF)557を含む。
【0039】
レビューカメラ551は、現在リペア作業を実施しようとするLCD570の領域を実時間で撮影してそれをモニター700を通してユーザに実時間で表示することで、実時間作業を可能にする。
【0040】
照明装置555は、レビューのための光源であって、光を発生させて、レーザーによりLCD570をリペアする映像を、レビューカメラ551が撮影できるようにする。
【0041】
ミラー553は、照明装置555から発生する光の方向を調節して、レビューカメラ551がレーザーリペア映像を撮影できるようにする。
【0042】
オートフォーカシング装置(LAF)557は、作業しようとするLCD570の表面にレーザー光学系500の焦点が正確に位置するようにレーザー光学系500の焦点を補正する。
【0043】
対物レンズ560は、スキャンモジュール510またはリレーレンズ530を通して入射したレーザービームがLCD570のピクセルサイズにフォーカシングされるようにレーザービームを圧縮する役割を果たす。対物レンズ560で圧縮されたレーザービームがLCD570にフォーカシングされながらLCD570上の欠陥をリペアすることができる。対物レンズ560を用いて高精度のレーザービームレゾリューション(resolution)を確保することができ、レーザービームに高いエネルギー密度を有させることができる。
【0044】
レーザー光学系500は、シャッター503、ビームエキスパンダ505、スリット507、チューブレンズ509をさらに含むことができる。
【0045】
シャッター503は、レーザービームの出力を断続し、LCD570リペア作業をオン/オフするスイッチの役割を果たす。
【0046】
ビームエキスパンダ505は、レーザー発生装置から発生したレーザービームの大きさを拡張したり、レーザービームのエネルギー分布を平均化させる。
【0047】
スリット507は、レーザービームの形状を円形、四角形及びひし形などの様々な形状または大きさに変換させる。
【0048】
ここで、チューブレンズ509は、ビームエキスパンダ505により拡張されたレーザービームの大きさを再び圧縮させる。また、チューブレンズ509がレーザー光学系500に装着されると、この光学系は画像対画像(Image to Image)光学系となり、チューブレンズ509が取り外されるとスポット(Spot)光学系となる。レーザーを用いる加工方法には、その光源のフォーカシング(Focusing)方法によって画像対画像(Image to Image)光学系とスポット光学系とに分けられる。画像対画像光学系は、スリットを用いて様々な形状のレーザービームを生成することができるから、パターン加工などの形状加工に適しており、スポット光学系は、レーザービームのエネルギー損失を最小化させることで1箇所に高いエネルギーを集中させるから、エネルギー削磨工程及び炭化工程などに適している。
【0049】
したがって、このチューブレンズ509の固定マウント上に簡単な装着/分離用の器具構造を設置することによって、画像対画像光学系とスポット光学系との切り替えが自由にでき、所望の作業工程に応じて適切な光学系を選択してレーザー工程を進行することができる。
【0050】
図4は、本発明のさらに他の実施例によるレーザー光学系の構造を示す図である。
【0051】
本発明の他の実施例によるレーザー光学系500は、レーザー発生装置501、シャッター503、ビームエキスパンダ505、スキャンモジュール511、制御装置519、リレーレンズ530、レビュー光学系550、対物レンズ560を含む。
【0052】
レーザー発生装置501から発生したレーザービームが、シャッター503及びビームエキスパンダ505を通してスキャンモジュール511に入射し、この場合、制御装置519によりスキャンモジュール511の反射角度が決定される。
【0053】
ここで、スキャンモジュール511は、2個のスキャンミラーを含み、2個のスキャンミラーが、入射するレーザービームを連続してスキャンするように設置される。2個のスキャンミラーのうちのいずれか一方は、X軸をスキャンしてX軸方向のレーザービーム進行経路を調節し、いずれか他方は、Y軸をスキャンしてY軸方向のレーザービーム進行経路を調節することで、レーザービームの2次元進行経路を調節することができる。
【0054】
スキャンモジュール511でスキャンされたレーザービームは、リレーレンズ530を経由して対物レンズ560に到達し、対物レンズ560を通してレーザービームがLCD570に照射されて、LCD570上の欠陥をリペアする。また、リレーレンズ530と対物レンズ560との間及び対物レンズ560とLCD570との間に現れるレーザービームの経路をレビュー光学系550で収集して、LCD570のリペア過程を実時間でユーザに表示することができる。
【0055】
図5は、本発明のさらに他の実施例によるレーザー光学系の構造を示す図である。
【0056】
本発明のさらに他の実施例によるレーザー光学系500は、レーザー発生装置501、シャッター503、ビームエキスパンダ505、スキャンモジュール512,513、制御装置519、2個のリレーレンズ531,532(以下、第1リレーレンズ531及び第2リレーレンズ532という。)、レビュー光学系550、対物レンズ560を含み、レーザー発生装置501から発生したレーザービームがシャッター503及びビームエキスパンダ505を通してスキャンモジュール512,513に入射し、この場合、制御装置519によりスキャンモジュール512,513の反射角度が決定される。
【0057】
ここで、スキャンモジュールは、図3に示すスキャンモジュール510と違い、2つのスキャンモジュール512,513からなり、2つのスキャンモジュール512,513は、スキャンミラーをそれぞれ1個ずつ含む。2つのスキャンモジュールのうちのいずれか一方512(以下、第1スキャンモジュールという)は、X軸をスキャンしてX軸方向のレーザービーム進行経路を調節し、いずれか他方513(以下、第2スキャンモジュールという)は、Y軸をスキャンしてY軸方向のレーザービーム進行経路を調節することで、レーザービームの2次元進行経路を調節することができる。
【0058】
第1スキャンモジュール512でX軸方向に対してスキャンしたレーザービームは、第1リレーレンズ531を経て第2スキャンモジュール513に到達し、第2スキャンモジュール513でY軸方向に対してスキャンされる。このようにスキャンされたレーザービームは、続いて、第2リレーレンズ532を経由して対物レンズ560に到達し、このレーザービームは対物レンズ560を通してLCD570に照射されることで、LCD570に存在する欠陥をリペアする。また、第2リレーレンズ532、対物レンズ560及びLCD570の間に現れるレーザービームの経路をレビュー光学系550で収集して、LCD570のリペア過程を実時間でユーザに表示することができる。
【0059】
図5に示すように、第2リレーレンズ532はスリット507を含み、第1リレーレンズ531はスリット507を含まなくても良い。すなわち、レーザービームの大きさと形状を様々に変形させうるスリット507を、リレーレンズ531,532が選択的に含むことができる。
【0060】
図6は、本発明のさらに他の実施例によるレーザー光学系の構造を示す図である。
【0061】
本発明のさらに他の実施例によるレーザー光学系500は、レーザー発生装置501、シャッター503、ビームエキスパンダ505、スキャンモジュール514、制御装置519、リレーレンズ530、レビュー光学系550、対物レンズ560を含み、レーザー発生装置501から発生したレーザービームが、シャッター503及びビームエキスパンダ505を通してスキャンモジュール514に入射し、この場合、制御装置519によりスキャンモジュール514の反射角度が決定される。
【0062】
ここで、スキャンモジュール514は、図4及び図5に示すスキャンモジュール511,512,513と違い、1個のスキャンモジュール514がX、Y軸を同時にスキャンできる1個のスキャンミラーを含み、これによってレーザービームの2次元進行経路を調節することができる。
【0063】
スキャンモジュール514でスキャンされたレーザービームは、リレーレンズ530を経由して対物レンズ560に到達し、対物レンズ560を通してLCD570に照射されることで、LCD570に存在する欠陥をリペアする。また、リレーレンズ530、対物レンズ560及びLCD570間に現れるレーザービームの経路をレビュー光学系550で収集して、LCD570のリペア過程を実時間でユーザに表示することができる。
【0064】
図7は、本発明の一実施例によるレーザー光学系を用いてLCDをリペアする様子を示す図である。図7に示すように、レーザー光学系500がLCD570のマイクロ単位の微細なピクセルをリペアする。レーザー光学系500から出射されるレーザービームが、LCD570の作業経路(Working Route)上の一定領域(レーザースポット(Laser Spot))に照射される。照射されたレーザービームは、LCD570の作業経路上に存在する欠陥をリペアする。
【0065】
図8は、本発明の一実施例によるレーザー光学系付きリペア装置の動作過程を示す流れ図である。
【0066】
まず、レーザー光学系500に含まれるレーザー発生装置501からレーザービームを発生させる(700)。発生したレーザービームは、シャッター503、ビームエキスパンダ505、スリット507またはチューブレンズ509を通してスキャンモジュール510に入射する。スキャンモジュール510に含まれるスキャンミラーは、入射したレーザービームを様々な角度で反射させて、レーザービームの進行方向を変更させる(710)。スキャンモジュール510のスキャンミラーで反射されたレーザービームは、リレーレンズ530に入射し、このリレーレンズ530により、入射したレーザービームは拡散されることなく目標とする方向に導かれることとなる(720)。ここで、目標とする方向は、対物レンズ560がレーザービームを取り込む部分への方向を指し、リレーレンズ530は、レーザービームの拡散によって対物レンズ560に入射するレーザービームが損失することを防止する。すなわち、リレーレンズ530は、スキャンモジュール510から反射されたレーザービームが対物レンズ560の入射範囲内にあるように案内する。リレーレンズ530から取り込まれたレーザービームが基板をリペアする過程を、レビュー光学系550が実時間で撮影して、モニター700を通して実時間でユーザにディスプレイする(730)。このため、ユーザは、レビュー光学系550から実時間でリペア過程を見ながら、レーザー光学系500に含まれるスキャンモジュール510を介して高速で且つ精密にレーザーリペア過程を行うことができる。
【0067】
以上説明した本発明の実施例によるレーザー光学系とこれを有するリペア装置及び方法は、一実施例として挙げたLCDの欠陥をリペアする過程の他に、有機発光ダイオード(OLED)のリペア、ソーラーセル(Solar Cell)のリペアなどにも適用することができる。
【符号の説明】
【0068】
1 リペア装置
100 ステージ
300 ガントリー
500 レーザー光学系
501 レーザー発生装置
503 シャッター
505 ビームエキスパンダ
507 スリット
509 チューブレンズ
510,511,512,513,514 スキャンモジュール
519 制御装置
530、531、532 リレーレンズ
550 レビュー光学系
551 レビューカメラ
553 ミラー
555 照明装置
557 オートフォーカシング装置
560 対物レンズ
570 基板
700 モニター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板をリペアするためのレーザービームを発生させるレーザー発生装置と、
前記レーザー発生装置から発生したレーザービームを反射させてレーザービームの進行経路を変更させるスキャンモジュールと、
前記レーザービームが前記基板にフォーカシングされるように圧縮させる対物レンズと、
前記スキャンモジュールでスキャンされたレーザービームが、前記対物レンズの認識範囲にあるように導くリレーレンズと、
前記基板がリペアされる過程を実時間で撮影するレビュー光学系と、
前記スキャンモジュールを調節する制御装置と、
を含むレーザー光学系。
【請求項2】
前記リレーレンズは、前記スキャンモジュールと前記対物レンズとの間の光学的空間を確保するために前記スキャンモジュールと前記対物レンズとの間に配置され、前記光学的空間を通して前記レビュー光学系により前記リペア過程を実時間で見ることを可能にする、請求項1に記載のレーザー光学系。
【請求項3】
前記基板は液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display:LCD)であり、前記レーザービームは前記LCDの欠陥をリペアする、請求項2に記載のレーザー光学系。
【請求項4】
前記対物レンズは、前記レーザービームを前記LCDのピクセルサイズにフォーカシングされるように圧縮させる、請求項3に記載のレーザー光学系。
【請求項5】
前記スキャンモジュールは、X、Y方向の2軸に前記レーザービームの進行方向を変更させる、請求項4に記載のレーザー光学系。
【請求項6】
前記スキャンモジュールは、2個のスキャンミラーを含み、前記2個のスキャンミラーが連続して前記レーザービームをスキャンするように設置され、いずれか一方のスキャンミラはX軸をスキャンし、他方のスキャンミラはY軸をスキャンする、請求項5に記載のレーザー光学系。
【請求項7】
前記スキャンモジュールは、2つのスキャンモジュールを含み、各スキャンモジュールは1個のスキャンミラーを含み、いずれか一方のスキャンモジュールはX軸をスキャンし、他方のスキャンモジュールはY軸をスキャンする、請求項5に記載のレーザー光学系。
【請求項8】
前記スキャンモジュールは1個のスキャンミラーを含み、前記スキャンミラーを用いてX、Y軸をスキャンする、請求項5に記載のレーザー光学系。
【請求項9】
前記制御装置は、前記基板上において、前記対物レンズから出射するレーザービームのスポットの位置を調節する、請求項5に記載のレーザー光学系。
【請求項10】
前記レビュー光学系は、レビューのための照明装置、前記レーザー光学系または前記レビュー光学系の焦点を補正するオートフォーカシング装置、前記LCDリペア過程を実時間で撮影するレビューカメラを含む、請求項9に記載のレーザー光学系。
【請求項11】
前記レーザー光学系を画像対画像光学系またはスポット光学系に切り替えるように着脱自在に設けられるチューブレンズをさらに含む、請求項1に記載のレーザー光学系。
【請求項12】
前記チューブレンズが前記レーザー発生装置と前記スキャンモジュールとの間に装着されると前記画像対画像光学系となり、取り外されると前記スポット光学系となる、請求項11に記載のレーザー光学系。
【請求項13】
請求項1に記載の前記レーザー光学系と、
前記レーザー光学系が装着されるガントリーと、
前記基板が載置されるステージと、
前記レビュー光学系で撮影されたリペア映像をディスプレイするモニターと、
を含む、リペア装置。
【請求項14】
基板をリペアするためにレーザービームを発生させ、
前記発生したレーザービームをスキャンモジュールで反射させてレーザービームの進行経路を変更させ、
前記レーザービームが前記基板にフォーカシングされるように対物レンズを通してレーザービームを圧縮させ、
前記スキャンされたレーザービームが前記対物レンズの入射範囲にあるように、リレーレンズを通してレーザービームを案内し、
前記基板がリペアされる過程をレビュー光学系を用いて実時間で撮影し、
前記撮影された映像を実時間でディスプレイする、リペア方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−96288(P2012−96288A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−229748(P2011−229748)
【出願日】平成23年10月19日(2011.10.19)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】