説明

レーザ加工方法、及び、レーザ加工装置

【課題】レーザ加工方法及びレーザ加工装置において、欠陥を確実に修正する。
【解決手段】レーザ加工方法は、基板上の欠陥をレーザ光により修正するレーザ加工方法において、欠陥の位置情報を取得する欠陥位置情報取得工程(S1)と、上記レーザ光を照射するレーザ光照射部を、その照射可能領域に上記欠陥が位置するように、上記位置情報に基づき上記基板と相対的に移動させる照射部相対移動工程(S2,S8)と、上記欠陥の位置によらず上記基板の非パターン領域に設定された照射領域に、上記レーザ光照射部により上記レーザ光を照射するレーザ光照射工程(S9,S10)と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶ディスプレイ(LCD)その他のフラットパネルディスプレイ(FPD)に用いられる基板、半導体ウエハ、プリント基板、などの基板に生じる欠陥をレーザ光により修正するレーザ加工方法及びレーザ加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フラットパネルディスプレイ(FPD)に用いられるガラス基板上に、回路素子や配線などのパターンを形成する際に、例えば、パーティクルの有無その他の製造装置内の環境、薄膜形成時の析出、露光不良などの原因によって、ガラス基板上に欠陥が発生する場合がある。このため、各パターニングプロセス後、逐次、配線の短絡や接続不良や断線やパターン不良などの欠陥が存在するか否かが外観検査装置によって検査される。
【0003】
このような外観検査によって検出されたガラス基板上の欠陥に対しては、レーザ光を照射することで欠陥を修正するレーザ加工(リペア処理)が行われる。レーザ加工の方法としては、例えば、紫外レーザ発信器から出力された紫外レーザ光を可変矩形開口に入射させ、可変矩形開口を各ナイフエッジの可動により開閉して、紫外レーザ光の断面形状を所望の大きさの矩形に整形して欠陥に照射する方法がとられている。
【0004】
また、DMD:Digital Mirror Device(Texas Instruments社の登録商標))等の空間変調素子を用いたレーザ光の整形によるレーザ加工方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。このように空間変調素子を用いてレーザ光を整形することで、高精度なレーザ加工が可能となる。
【0005】
また、パターン領域をレーザリペア禁止領域として設定した上で、このレーザリペア禁止領域を除いた領域に位置する欠陥にレーザ光を照射するレーザ加工方法も知られている(例えば、特許文献2参照)。このレーザ加工方法では、基板を撮像して得られた画像から、繰り返しパターンの1単位を構成する1画素分が抽出され、この1画素分のパターン領域がレーザリペア禁止領域として設定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−29983号公報
【特許文献2】国際公開第2004/099866号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、基板に生じる上述の欠陥は、その周囲に微細な欠陥を伴って存在することがある。このような微細な欠陥は、スキャニングなどのAOI(Automatic Optical Inspection)では検出困難な場合が多い。
【0008】
また、レーザ光により欠陥を修正する際には、レーザ加工による欠陥の残渣が周囲に飛び散ることがある。そのため、欠陥を修正できても、レーザ加工による残渣が新たな欠陥となることがある。
【0009】
本発明の目的は、上記従来の実情に鑑み、欠陥を確実に修正することができるレーザ加
工方法及びレーザ加工装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のレーザ加工方法は、基板上の欠陥をレーザ光により修正するレーザ加工方法において、上記欠陥の位置情報を取得する欠陥位置情報取得工程と、上記レーザ光を照射するレーザ光照射部を、その照射可能領域に上記欠陥が位置するように、上記位置情報に基づき上記基板と相対的に移動させる照射部相対移動工程と、上記欠陥の位置によらず上記基板の非パターン領域に設定された照射領域に、上記レーザ光照射部により上記レーザ光を照射するレーザ光照射工程と、を含む。
【0011】
本発明のレーザ加工装置は、基板上の欠陥をレーザ光により修正するレーザ加工装置において、レーザ光を照射するレーザ光照射部と、このレーザ光照射部を上記基板と相対的に移動させる照射部相対駆動部と、を備え、上記レーザ光照射部は、上記欠陥の位置によらず非パターン領域に設定された照射領域に、上記レーザ光を照射する。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、欠陥の位置によらず基板の非パターン領域に設定された照射領域にレーザ光が照射される。そのため、周囲に微細な欠陥を伴って存在する欠陥を修正する際に微細な欠陥も同時に修正することができる。また、レーザ加工による欠陥の残渣が新たな欠陥となるのを防ぐことができる。よって、本発明によれば、欠陥を確実に修正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施の形態に係るレーザ加工装置を示す要部斜視図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係るレーザ加工装置を示す平面図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係るレーザ加工装置を示す概略構成図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係るレーザ加工方法を説明するためのフローチャートである。
【図5】本発明の一実施の形態における参照画像の作成を説明するための説明図(その1)である。
【図6】本発明の一実施の形態における参照画像の作成を説明するための説明図(その2)である。
【図7】本発明の一実施の形態における参照画像の作成を説明するための説明図(その3)である。
【図8】本発明の一実施の形態における参照画像の作成を説明するための説明図(その4)である。
【図9】本発明の一実施の形態における照射領域の設定を説明するための説明図(その1)である。
【図10】本発明の一実施の形態における照射領域の設定を説明するための説明図(その2)である。
【図11】本発明の一実施の形態における照射領域の設定を説明するための説明図(その3)である。
【図12】本発明の一実施の形態における照射領域の設定を説明するための説明図(その4)である。
【図13】本発明の一実施の形態における照射領域の設定を説明するための説明図(その5)である。
【図14】本発明の一実施の形態における照射領域の設定を説明するための説明図(その6)である。
【図15】本発明の一実施の形態における照射領域の設定を説明するための説明図(その7)である。
【図16】本発明の一実施の形態における照射領域の設定を説明するための説明図(その8)である。
【図17】本発明の一実施の形態における照射領域の設定を説明するための説明図(その9)である。
【図18】本発明の一実施の形態における照射領域の設定を説明するための説明図(その10)である。
【図19】本発明の一実施の形態における照射領域の設定を説明するための説明図(その11)である。
【図20】本発明の一実施の形態における照射領域の設定を説明するための説明図(その12)である。
【図21】本発明の一実施の形態における照射領域の設定を説明するための説明図(その13)である。
【図22】本発明の一実施の形態における修正要否の判定を説明するための説明図である。
【図23】本発明の一実施の形態における空間変調素子の制御を説明するための説明図(その1)である。
【図24】本発明の一実施の形態における空間変調素子の制御を説明するための説明図(その2)である。
【図25】本発明の一実施の形態における空間変調素子の制御を説明するための説明図(その3)である。
【図26】本発明の一実施の形態における空間変調素子の制御を説明するための説明図(その4)である。
【図27】本発明の一実施の形態における空間変調素子の制御を説明するための説明図(その5)である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施の形態に係るレーザ加工方法及びレーザ加工装置について、図面を参照しながら説明する。
図1〜図3は、本発明の一実施の形態に係るレーザ加工装置10を示す要部斜視図、平面図及び概略構成図である。
【0015】
図1〜図3に示すように、レーザ加工装置1は、顕微鏡ユニット10と、レーザ光源ユニット20と、制御部30と、ステージ部40と、ガントリユニット50と、2つのガントリ用ベース部60,60と、モニタ70と、入力部80とを備える。レーザ加工装置1は、本実施の形態では、LCDのアレイ基板である基板100上の欠陥をレーザ光により修正するリペア加工等に用いられる。
【0016】
図3に示すように、レーザ光照射部としての顕微鏡ユニット10は、レーザ光の光束断面を所望の形状に整形する光束整形手段として例えばDMD(Digital Mirror Device)である空間変調素子11と、対物レンズ切替部12と、撮像部13と、ダイクロイックミラー14とを有する。
【0017】
空間変調素子11は、レーザ光源ユニット20により発振されたレーザ光を空間変調(整形)する。空間変調素子11には、例えば、オン状態とオフ状態とに独立して揺動制御可能な複数の微小ミラーが矩形状の変調領域内に2次元的に配列されている。
尚、本構成では光束整形手段としてDMDのような空間変調素子を用いたが、これ以外にも液晶スリットなどその他のものでも代用可能である。即ち光束整形手段は、レーザ光の光束断面を所望の形状に整形する手段であれば如何なる構成をも含むものである。
【0018】
対物レンズ切替部12には、修正要否判定用対物レンズ(例えば5倍)12a及びこの
修正要否判定用対物レンズ12aよりも高倍率のレーザ光照射用対物レンズ(例えば20倍)12bを含む複数の対物レンズが、図示しないレボルバ機構やスライダー機構などの対物レンズ切換え手段によって切替え可能に保持されている。
【0019】
なお、空間変調素子11と対物レンズ切替部12との間の光路中には、対物レンズ12a,12bに向けて鉛直下方にレーザ光を反射させるダイクロイックミラー14が配置されている。このダイクロイックミラー14は、基板100で反射された図示しない照明部による照明光を鉛直上方に透過させる。
【0020】
空間変調素子11とダイクロイックミラー14との間には、図示しない結像レンズが配置されている。この結像レンズの焦点距離を対物レンズ12a,12bの焦点距離で割ることで、対物レンズ12a,12bの倍率が決まる。
【0021】
撮像部13は、例えばCCD等の撮像素子を有し、基板100で反射されダイクロイックミラー14を透過した照明光が上記撮像素子に導光されることで、基板100を撮像する。このように撮像された画像は、制御部30によって画像処理されると共に、モニタ70に表示される。
【0022】
図3に示すように、レーザ光源ユニット20は、レーザ光を発振するレーザ光源21を有する。このレーザ光源21により発振されたレーザ光は、結像レンズ22、光ファイバ23等を介して顕微鏡ユニット10の空間変調素子11に導光される。なお、レーザ光源21は、予め定められた発振条件(光出力、波長、発振パルス幅など)に基づいてレーザ光を発振する。
【0023】
制御部30は、空間変調素子11の微小ミラーをオン状態とオフ状態とに独立して揺動制御し、空間変調素子11に所望の形状にレーザ光を空間変調(整形)させる。また、制御部30は、対物レンズ切替部12の対物レンズ切替動作、並びに、レーザ光源ユニット20、ステージ部40、ガントリユニット50、ガントリ用ベース部60及びモニタ70の動作制御、などを行う。
【0024】
なお、本実施の形態では、図1及び図2において制御部としてガントリ50上に制御部30を図示しているが、後述するレーザ光の照射領域の設定や、撮像部13により撮像された画像の画像処理については、ガントリ50上の制御部30とは異なる制御部により行われるようにし、制御部30がその情報を取得するようにしてもよい。
【0025】
制御部30としては、ごく標準的な構成を有するコンピュータ、すなわち、制御プログラムを実行することで各構成要素を制御するCPUと、ROM、RAM、磁気記録媒体などからなり、CPUに各構成要素を制御させる制御プログラムの記憶や、CPUが制御プログラムを実行する際のワークエリア或いは各種データの記憶領域として使用される記憶部と、図3に示すモニタ(表示部)70に各種のデータを提示してユーザに通知する出力部と、他の機器とのデータ授受のためのインターフェース機能を提供するI/F部とを備える情報処理端末を用いることができる。なお、制御部30は、ユーザによる操作に対応する各種のデータが取得される図3に示す入力部80および上記のモニタ70に接続されている。
【0026】
なお、図4に示す後述するレーザ加工の処理を制御部30に行わせるには、例えば、図4に示した手順の処理を制御部30に行わせる制御プログラムを作成して、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録させておき、その制御プログラムを例えば記録媒体から制御部30に読み出させて実行させればよい。
【0027】
なお、記録させた制御プログラムを制御部30で読み取ることの可能な記録媒体としては、可搬型記録媒体等が利用できるが、記録媒体は回線を介して制御部30と接続される、プログラムサーバとして機能する記憶装置であってもよい。この場合には、制御プログラムを表現するデータ信号で搬送波を変調して得られる伝送信号を、プログラムサーバから伝送媒体である回線を通じて伝送するようにし、制御部30では受信した伝送信号を復調して制御プログラムを再生することで制御プログラムを実行できるようになる。
【0028】
図1に示すように、ステージ部40は、除振構造を有するベース部41と、このベース部41上に配置された浮上プレート42と、基板100を保持する図示しない基板保持部と、基板100の位置決めを行う図示しない位置決め機構とを有する。
【0029】
浮上プレート42は、例えば、図示しない矩形タイル状のプレートをマトリクス状に配列してなり、各プレートの上面からエアを吐出する。ガラス基板100は、エアの吐出によって浮上した状態で、上記の基板保持部により保持される。基板保持部は、基板100を固定或いは支持する手段であればいかなる構成でも構わない。例えば、クランプ機構やチャッキング機構によって基板100を固定する構成や、複数のピンによってガラス基板100を支持する構成とすればよい。
尚、上記の浮上プレート42は本発明の構成から省略しても構わない。また、浮上プレート42の代わりにローラー機構を用いたステージ部としても構わない。
【0030】
図2に示すように、ガントリユニット50は、ステージ部40を跨ぐ門型形状を呈するガントリ51と、正面側X方向ガイド部52と、上面側X方向ガイド部53とを有する。
図1に示すように、ガントリ51は、水平梁51aと、この水平梁51aの両端を支持する計2つの脚部51b(一方のみ図1に図示)とを含む。なお、詳しくは後述するが、ガントリ51は、ガントリ用ベース部60,60に沿ってY方向(図2の紙面における上下方向)に移動する。
【0031】
正面側X方向ガイド部52は、ガントリ51の水平梁51aの正面に設けられた2本一対のガイドレール52aと、このガイドレール52aに沿ってX方向(図2の紙面における左右方向)に移動する矩形板状のスライダ52bと、このスライダ52bに固定され顕微鏡ユニット10を支持する顕微鏡支持部52cとを含む。
【0032】
ガイドレール52aは、例えばリニアモータによって、スライダ52bを介して顕微鏡ユニット10をX方向に移動させる。このように、正面側X方向ガイド部52は、後述するY方向ガイド部62と共に、基板100に対する顕微鏡ユニット10の位置を相対的に移動させる照射部相対駆動部として機能する。
【0033】
なお、本実施の形態では顕微鏡ユニット10を移動させる構成の方が基板100を移動させる構成よりも簡素な構成で実現できるが、照射部相対駆動部としては、上記のようなガントリ51をY方向に移動させる代わりに基板100をY方向に移動させる構成としたり、基板100をX−Y方向に移動させる構成とすることも可能であり、基板100に対する顕微鏡ユニット10の位置を相対的に移動させるものであれば如何なる構成であってもよい。
【0034】
上面側X方向ガイド部53は、ガントリ51の水平梁51aの上面に設けられた2本一対のガイドレール53aと、このガイドレール53aに沿って移動する矩形板状のスライダ53bとを含む。
【0035】
ガイドレール53aは、例えばリニアモータによって、スライダ53bに設置されたレーザ光源ユニット20及び制御部30を移動させる。
なお、正面側X方向ガイド部52上に配置されたレーザ光源ユニット20が上面側X方向ガイド部53に配置された顕微鏡ユニット10に光ファイバ23によって接続されているため、正面側X方向ガイド部52のスライダ52bと、上面側X方向ガイド部53のスライダ53bとは、同期して移動する。
【0036】
図2に示すように、ガントリ用ベース部60,60は、ステージ部40を挟んで互いに対向するように配置されている。各ガントリ用ベース部60は、ベース61と、Y方向ガイド部62とを有する。
【0037】
Y方向ガイド部62は、ベース部61の上面に設けられた2本一対のガイドレール62aを含む。このガイドレール62aは、例えばリニアモータによって、ガントリユニット50を介して顕微鏡ユニット10をY方向に移動させる。このように、Y方向ガイド部62は、上述の正面側X方向ガイド部52と同様に、基板100に対する顕微鏡ユニット10の位置を相対的に移動させる照射部相対駆動部として機能する。
【0038】
以下、参照画像の作成及び照射領域の設定について説明した後、図4に示すレーザ加工のフローチャートについて説明する。
<参照画像の作成>
【0039】
図5〜図8は、本実施の形態における参照画像の作成を説明するための説明図である。
ユーザは、図3に示すモニタ70等に表示される図5に示す画像表示ウインドウ300を確認しながら、図示しない設定画面において参照画像を作成可能となっている。
【0040】
まず、ユーザは、画像表示ウインドウ300の画像表示部310に表示される撮像画像311の大きさを設定する。この撮像画像311は、図7に示す参照画像312を選択するための基板100のパターン画像である。なお、詳しくは後述するが、参照画像312は、レーザ光の照射領域の設定や欠陥の修正要否の判定において参照される。
【0041】
撮像画像311の大きさは、図7に示す参照画像312が周期性のある繰り返しパターン200(図5に二点鎖線で図示)である場合には、繰り返しパターン200よりも大きく、例えば、縦横(X方向・Y方向)のそれぞれが繰り返しパターン200の大きさの1.5倍程度となるように設定するとよい。なお、繰り返しパターン200は、例えば、それぞれが走査線210、データ線220及び回路素子230からなるRGBの3つの画素からなる。
【0042】
図3に示す顕微鏡ユニット10は、上述の撮像画像311を作成するために、視野サイズでの撮像と、X方向及びY方向への移動とを繰り返す。このように撮像された画像が制御部30により貼り合わされ、撮像画像311となり、制御部30の記憶部に記憶される。なお、既に作成されている撮像画像311を用いて参照画像312を作成する場合には、制御部30の記憶部から撮像画像311を読み出すことになる。
【0043】
次に、ユーザは、例えば、図6に示すように撮像画像312内に表示される太枠C(繰り返しパターン200を示す二点鎖線とは異なり、実際に画像表示ウインドウ300に表示される枠)の大きさ・位置を、図3に示す入力部80のマウス等で繰り返しパターンの1周期分に調整する。これにより、太枠Cで選択した領域が新たに、図7に示す参照画像312として登録される。
【0044】
図8に示すように、参照画像312(二点鎖線で図示)は、縦横に連続的に貼り合わせて貼り合わせ画像313として作成され、図4に示すレーザ加工のフローの修正要否判定工程(S4)のパターンマッチングや、後述する照射領域の設定において用いることがで
きる。なお、貼り合わせ画像313は、顕微鏡ユニット10の修正要否判定用対物レンズ12a等の低倍率の対物レンズで撮像した基板100の画像と重ね合わせて表示することで、作成ミスの有無を確認することができる。
【0045】
<照射領域設定>
図9〜図21は、本実施の形態における照射領域の設定を説明するための説明図である。
詳しくは後述するが、照射領域は、基板100にレーザ光を照射する領域であり、欠陥の位置によらず非パターン領域の全部又は一部に設定される。非パターン領域は、図9等に示すパターン領域である走査線210、データ線220及び回路素子230を除いた領域である。
【0046】
走査線210、データ線220及び回路素子230からなるパターン領域は、例えば、図9に示すように互いに交差するように設けられた走査線210及びデータ線220からなる第1の領域R1と、図10に示すように回路素子230からなる第2の領域R2とに領域分けすることができる。この領域分けは、領域毎に設定された膨張量でパターン領域を禁止領域として膨張させたり重要領域を設定したりするためである。
【0047】
ここで、重要領域とは重要度を設定された領域であり、後述するが、重要度は、例えば欠陥修正の判断に際して、一定値以上の領域に欠陥が存在すれば無条件で修正を行うなどといったように利用される。
【0048】
なお、パターン領域である第1の領域R1及び第2の領域R2は、例えば、図9及び図10に示すように、画像表示ウインドウ300の画像表示部310に表示される参照画像312から、ユーザが図3の入力部80のマウス等で領域として設定するパターンを手動で選択することができるが、パターン領域と非パターン領域との輝度値の差などを利用して自動的に設定することも可能である。
【0049】
ユーザは、図11に示すようにパターン領域である第1の領域R1を膨張させて禁止領域として設定することができ(膨張した第1の領域R1´)、更に、図12に示すように第2の領域R2を膨張させて禁止領域として設定することができる(膨張した第2の領域R2´)。
【0050】
第1の領域R1´及び第2の領域R2´は、画像表示ウインドウ300の上下左右の全方向に膨張させてあるが、例えば、上下左右の4方向のうち1方向に膨張させるようにしてもよく、また、ユーザの選択した部分のみを膨張させるようにしてもよい。
【0051】
なお、第1の領域R1や第2の領域R2などの指定範囲毎に異なる膨張量(例えば、膨張幅、膨張前を基準にした膨張率等)でパターン領域を膨張させて禁止領域として設定することも可能である。図11及び図12に示す例では、第1の領域R1及び第2の領域R2の膨張量は、一定の膨張幅としている。
【0052】
図13の例では、第2の領域R2は第1の領域R1の膨張量よりも大きい膨張量で膨張されて禁止領域として設定される(第2の領域R2´´)。なお、上記の重要度を基に膨張量を自動で決定するようにしてもよい。
【0053】
図14に示す第2の領域R2のように、実際のパターン領域に対し欠落部分R2aや突出部分R2bがある場合には、図15に点線で示す所定の形状の領域追加枠R2cや領域削除枠R2dをユーザが選択して画像表示ウインドウ300上で配置することなどにより、領域を適宜変更できる。
【0054】
図16に示すように、照射領域R3は、パターン領域である走査線210、データ線220及び回路素子230を除いた部分である非パターン領域の全部又は一部に設定される。図16に示す照射領域R3は、上述の第1の領域R1及び第2の領域R2以外の領域である。
【0055】
なお、照射領域を設定するには、パターン領域R1,R2と、それ以外の非パターン領域とに生じる輝度値の差を利用して自動的に設定することも可能である。例えば、階調差による2値化やモーホロジー(morphology)などを利用することができる。
【0056】
上述のように第1の領域R1及び第2の領域R2を膨張させた場合(R1´,R2´,R2´´)、図17に示すように、照射領域R3´は、膨張させた修正禁止領域である第1の領域R1´及び第2の領域R2´,R2´´を除いた部分に設定することができる。
【0057】
図18に示すように基板100の繰り返しパターン200の複数周期(図18では3周期)に1つ、他の繰り返しパターン200と異なる変則パターン240が存在する場合、図19に示すように全ての繰り返しパターン200について変則パターン240があるものとして(仮想パターン240´)、図20に示すように仮想パターン240´を除いた照射領域R3´を決定するとよい。
【0058】
このように仮想パターン240´を設定することで、照射領域の設定を簡易化することができる。
図21に示すように、照射領域R3´は、これに含まれる領域R3´−1,R3´−2,R3´−3ごとに照射条件を変更することができる。照射条件としては、例えば、レーザ光の照射回数、光出力、波長、発振パルス幅などが挙げられる。
【0059】
なお、照射条件の変更は、例えば、図3に示す空間変調素子11に配列された微小ミラーのうち照射領域R3´に位置する微小ミラーの全てをオン状態とせずに、照射領域の一部を、光学分解能を確保できる範囲でオフ状態として間引くことでも変更してもよい。
【0060】
<レーザ加工>
図4のフローチャートに示すように、図3等に示す制御部30は、例えばレーザ加工装置10とは独立した検査装置から、抽出された基板100の欠陥の位置情報を取得する(S1:欠陥位置情報取得工程)。この検査装置は、例えば、基板100の搬送経路の上流側に位置する装置である。尚、検査装置とレーザ加工装置は互いに独立している必要はなく、欠陥検査を行う機能とレーザ加工を行う機能を併せ持った複合装置として構成されていてもよい。
【0061】
そして、制御部30は、例えば倍率が5倍の修正要否判定用対物レンズ12aの装着時における観察領域(図23の観察領域F1参照)に欠陥が位置するように、上記の欠陥の位置情報に基づき、顕微鏡ユニット10を、図1及び図2に示す正面側X方向ガイド部52及びY方向ガイド部62によって移動させることにより、基板100と相対的に移動させる(S2:第1の照射部相対移動工程)。
【0062】
制御部30は、顕微鏡ユニット10を移動させた後、図示しないオートフォーカス機構によってオートフォーカスを行う(S3)。そして、制御部30は、顕微鏡ユニット10により得られる観察画像を基に欠陥の修正が必要か否かを判断する(S4)。
【0063】
この欠陥修正の判断(S4)では、制御部30は、図8に示す参照画像312を貼り合わせてなる貼り合わせ画像313と上記の観察画像とのパターンマッチング(参照比較)
、或いは、観察画像から抽出される隣接する繰り返しパターン間の比較(隣接比較)を行って欠陥の検出を行う。
【0064】
そして、制御部30は、例えば、図22に示すように、データ線220(第1の領域R1)と回路素子230(第2の領域R2)とに亘って位置する欠陥401は、第2の領域R2の重要度が一定値以上であるためにショートを引き起こすものとして「修正する」と判断する。
【0065】
また、制御部30は、例えば、回路素子230からなる第2の領域R2の重要度が一定値以上であるために回路素子230に接触する欠陥402は無条件に「修正する」と判断する。
【0066】
また、制御部30は、例えば、走査線210からなる上述の第1の領域R1の重要度が一定値未満であったり重要度を設定されてない場合には走査線210のみに接触する欠陥403は「修正しない」と判断する。
【0067】
また、制御部30は、例えば、いずれのパターンにも接触していない欠陥404は「修正しない」と判断する。このような判断を、制御部30は、予め定められた条件にて自動で行う。
【0068】
欠陥が修正を要しないものであれば、制御部30は、他に修正していない欠陥があるかを判断し(S13)、修正していない欠陥がなければレーザ加工の処理は終了する。また、制御部30は、修正していない欠陥がある場合には、図4に示すように上述の第1の照射部相対移動工程(S2)から処理を再開する。
【0069】
なお、図4のフローには示していないが顕微鏡ユニット10を移動させる必要がない場合やオートフォーカス(S3)を行う必要がない場合には、これらの工程(S2,S3)を省略することが可能である。
【0070】
欠陥を修正する場合には、制御部30は、顕微鏡ユニット10の撮像部13により撮像した欠陥の画像を取り込み(S5)、記憶部に記憶しておく。この画像は、後述する修正後の欠陥画像(S11)と比較することにより、欠陥修正の可否を判断する際のステップS12において使用することができる。
【0071】
撮像部13が欠陥の画像を撮像した後、制御部30は、修正要否判定用対物レンズ12aを、例えば倍率が20倍のレーザ光照射用対物レンズ12bに切替える(S6)。これにより、図23に示すように顕微鏡ユニット10の観察領域F1が観察領域F2となる。
【0072】
次に、制御部30は、図示しないオートフォーカス機構によって再びオートフォーカスを行う(S7)。そして、制御部30は、レーザ光照射用対物レンズ12bの装着時における照射可能領域F3に欠陥が位置するように、顕微鏡ユニット10を、図1及び図2に示す正面側X方向ガイド部52及びY方向ガイド部62によって移動させることにより、基板100と相対的に移動させ欠陥401を照射可能領域F3内でセンタリングする(S8:第2の照射部相対移動工程)。
【0073】
なお、上述の顕微鏡移動(S2:第1の照射部相対移動工程)を高精度に行った場合など、センタリング(S8:第2の照射部相対移動工程)を行う必要がない場合には省略することも可能である。
【0074】
制御部30は、図16に示すように非パターン領域である上述の照射領域R3や、図1
7に示すように非パターン領域のうち修正禁止領域(パターン領域を膨張させた第1の領域R1´及び第2の領域R2´)を除いた部分である照射領域R3´にレーザ光を照射させる(S9,S10:レーザ光照射工程)。
【0075】
具体的には、制御部30は、図24に示すように、顕微鏡ユニット10の照射可能領域F3のうち、照射領域R3に対応する空間変調素子11の微小ミラーについてはオン状態とし、パターン領域R1,R2に対応する空間変調素子11の微小ミラーについてはオフ状態となるように、空間変調素子11の微小ミラーを制御し、レーザ光を空間変調させる(S9)。
【0076】
なお、照射可能領域F3に照射領域R3をどのように対応させるかについては、例えば上記の取り込んでおいた画像(S5)などから得られる顕微鏡ユニット10(照射可能領域F3)の位置を基に、図8に示す参照画像312の貼り合わせ画像313などから照射可能領域F3の照射領域R3をトリミングすればよい。
【0077】
次に、制御部30は、上述のように微小ミラーを制御した空間変調素子11に対し、レーザ光源ユニット20によりレーザ光を照射させ、欠陥401の加工(修正)を行う(S10)。
【0078】
なお、制御部30は、上述のように、図21に示す照射領域R3´の領域R3´−1,R3´−2,R3´−3ごとに照射条件を変更してレーザ光を複数回照射させてもよい。
欠陥401の加工を行った後、制御部30は、顕微鏡ユニット10の撮像部13に撮像した欠陥の画像を取り込む(S11)。制御部30は、この画像を、上述の修正前の欠陥画像(S5)あるいは図7に示す参照画像312とのパターンマッチングなどにより、欠陥修正の可否を判断する(S12)。
【0079】
欠陥修正が完了していなければ、制御部30は、レーザ加工(S10)から処理を再開する。
また、制御部30は、欠陥修正が完了していれば、他に修正していない欠陥があるかを判断し(S12)、修正していない欠陥がなければレーザ加工の処理は終了する。
【0080】
修正していない欠陥がある場合、制御部30は、図4に示すように上述の第1の照射部相対移動工程(S2)から処理を再開するが、その際には、図4のフローには示していないが、レーザ光照射用対物レンズ12bを修正要否判定用対物レンズ12aに切替える必要がある。なお、顕微鏡ユニット10を移動させる必要がない場合には、顕微鏡移動の工程(S2)を省略することが可能である。
【0081】
以上のようにして欠陥の修正処理は終了するが、例えば、図25に示すように線状の欠陥405が照射可能領域F3に収まらない場合、制御部30は、上述のセンタリング(S8)を適宜行いながら、レーザ光照射工程(S9,S10)を複数回繰り返し行う。
【0082】
その場合、図26に示すように、照射可能領域F3が円形であるため、互いに隣接する照射領域F3の間で重複部分F3−O(斜線で図示)が生じる。そのため、制御部30は、照射領域R3を照射可能領域F3の非パターン領域の全域にするのではなく、互いに隣接する照射領域R3を例えば重複部分F3−Oの半分ずつ縮小することで重複部分F3−Oを解消することができる。また、図27に示すように、照射領域R3を矩形に縮小するなどして照射可能領域F3の重複部分F3−Oを解消するようにしてもよい。
【0083】
以上説明した本実施の形態では、欠陥の位置によらず基板100の非パターン領域に設定された照射領域R3にレーザ光が照射される。そのため、周囲に微細な欠陥を伴って存
在する欠陥を修正する際に、微細な欠陥も同時に修正することができる。また、欠陥を含む広範囲に渡ってレーザ光を照射することにより、レーザ光の打ち残し(残留欠陥)を防止できる。さらに、欠陥のみにレーザ光を照射した場合に生じ得る飛散した残渣が新たな欠陥となる問題を防ぐことができる。よって、本実施の形態によれば、欠陥を確実に修正することができる。更には、欠陥の形状等に応じた空間変調素子11の制御を省略することができるため、レーザ加工の制御を簡素化することも可能となる。
【0084】
また、本実施の形態では、制御部30は、レーザ光照射工程(S9,S10)において、図21に示すように、照射領域R3´に含まれる複数の領域R3´−1,R3´−2,R3´−3で照射条件を変えてレーザ光を照射させる。そのため、基板100に適した条件で欠陥を確実に修正することができる。
【0085】
また、本実施の形態では、制御部30が、レーザ光照射工程(S9,S10)において、図24等に示す照射可能領域F3の全域(又は略全域)における照射領域R3にレーザ光を一括照射させる場合、迅速に欠陥を修正することができる。
【0086】
また、本実施の形態では、制御部30は、レーザ光照射工程において、図21に示すように、非パターン領域のうちパターン領域(210,220,230)を膨張させた修正禁止の領域R1´,R2´を除いた部分である照射領域R3´にレーザ光を照射させる。そのため、パターン領域に製造バラつきがあったりレーザ加工装置10に振動が生じたりしても、正常パターンの破壊などの影響を防ぐことができる。また、正常パターンに与える熱の影響を低減することができる。
【0087】
また、本実施の形態では、制御部30は、レーザ光照射工程において、図13に示すように、非パターン領域のうち、パターン領域を指定範囲毎に設定された膨張量で膨張させた修正禁止の領域(膨張量の小さい領域R1´,膨張率の大きい領域R2´´)を除いた照射領域に、レーザ光を照射する。そのため、正常パターンの破壊や熱による影響をより有効に防ぐことができる。
【0088】
また、本実施の形態では、制御部30は、レーザ光照射部である顕微鏡ユニット10を、修正要否判定用対物レンズ12aの装着時における観察領域F1に欠陥が位置するように、基板100と相対的に移動させる第1の照射部相対移動工程(S2)と、顕微鏡ユニット10を、レーザ光照射用対物レンズ12bの装着時における照射可能領域F3に欠陥がセンタリングされるように、基板100と相対的に移動させる第2の照射部相対移動工程(S8)とを行う。そのため、欠陥の周囲に位置する微細な欠陥を広範囲で修正することができ、したがって、欠陥をより確実に修正することができる。
【0089】
また、本実施の形態では、制御部30は、欠陥の修正の要否を判定する修正要否判定工程(S4)を行い、この修正要否判定工程において、図22に示すように、基板のパターン領域に含まれる複数の領域(R1,R2)ごとに設定された重要度に基づき、例えば、重要度が一定値以上の領域R2に欠陥402が位置する場合には修正必要と判断するなど、欠陥の修正の要否を判定する。そのため、欠陥をより確実に修正することができる。
【0090】
また、本実施の形態では、制御部30は、欠陥の修正の要否を判定する修正要否判定工程(S4)を行い、この修正要否判定工程において、欠陥の修正の要否を、撮像された欠陥の画像と、比較用の画像である参照画像312とを比較することによるパターンマッチングにより行い、レーザ光照射工程(S9,S10)において、上記の参照画像312に基づき設定された照射領域R3にレーザ光を照射する。そのため、照射領域R3を簡単な制御で設定することができる。
【0091】
また、本実施の形態では、制御部30は、図25〜図27に示すように、照射可能領域F3に収まらない欠陥405に対しレーザ光照射工程(S9,S10)を複数回繰り返し行い、複数回のレーザ光照射工程の照射可能領域F3の重複部分F3−Oを、照射領域R3を縮小することで解消する。そのため、不要なレーザ光の照射を抑えることができる。
【0092】
なお、本実施の形態では、基板100を液晶ディスプレイ(LCD)のアレイ基板として説明したが、液晶ディスプレイ(LCD)以外にも、PDP(Plasma Display Panel)や有機EL(ElectroLuminescence)ディスプレイや表面電動方電子放出素子ディスプレイ(SED:Surface−conduction Electro−emitter Display)など、その他のフラットパネルディスプレイ(FPD)に用いられる基板や、半導体ウエハ、プリント基板、などの基板に本実施の形態を適用することも可能である。
また、上記実施の形態およびその変形例は本発明を実施するための一例にすぎず、本発明はこれら実施の形態の記載により一義的に限定されるものではない。例えば、発明の詳細な説明における各種構成を、当業者にとって自明の範囲内で置換可能な構成に置き換えて種々変形することは本発明の範囲内である。
【符号の説明】
【0093】
1 レーザ加工装置
10 顕微鏡ユニット
11 空間変調素子
12 対物レンズ切替部
12a,12b 対物レンズ
13 撮像部
14 ダイクロイックミラー
20 レーザ光源ユニット
21 レーザ光源
22 結像レンズ
23 光ファイバ
30 制御部
40 ステージ部
41 ベース部
42 浮上プレート
50 ガントリユニット
51 ガントリ
51a 水平梁
51b 脚部
52 正面側X方向ガイド部
52a ガイドレール
52b スライダ
52c 顕微鏡支持部
53 上面側X方向ガイド部
53a ガイドレール
53b スライダ
60 ガントリ用ベース部
61 ベース
62 Y方向ガイド部
62a ガイドレール
70 モニタ
80 入力部
100 基板
200 繰り返しパターン
210 走査線
220 データ線
230 回路素子
300 画像表示ウインドウ
310 画像表示部
311 撮像画像
312 参照画像
313 貼り合わせ画像
401〜405 欠陥

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上の欠陥をレーザ光により修正するレーザ加工方法において、
前記欠陥の位置情報を取得する欠陥位置情報取得工程と、
前記レーザ光を照射するレーザ光照射部を、その照射可能領域に前記欠陥が位置するように、前記位置情報に基づき前記基板と相対的に移動させる照射部相対移動工程と、
前記欠陥の位置によらず前記基板の非パターン領域に設定された照射領域に、前記レーザ光照射部により前記レーザ光を照射するレーザ光照射工程と、
を含むことを特徴とするレーザ加工方法。
【請求項2】
前記レーザ光照射工程において、前記照射領域に含まれる複数の領域で照射条件を変えて前記レーザ光を照射することを特徴とする請求項1記載のレーザ加工方法。
【請求項3】
前記レーザ光照射工程において、前記照射可能領域の全域又は略全域における前記照射領域に前記レーザ光を一括照射することを特徴とする請求項1記載のレーザ加工方法。
【請求項4】
前記レーザ光照射工程において、前記非パターン領域のうち前記パターン領域を膨張させた修正禁止領域を除いた部分である前記照射領域に前記レーザ光を照射することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項記載のレーザ加工方法。
【請求項5】
前記レーザ光照射工程において、前記非パターン領域のうち、前記パターン領域を指定範囲毎に設定された膨張量で膨張させた前記修正禁止領域を除いた部分である前記照射領域に、前記レーザ光を照射することを特徴とする請求項4記載のレーザ加工方法。
【請求項6】
前記照射部相対移動工程は、
前記レーザ光照射部を、修正要否判定用対物レンズの装着時における観察領域に前記欠陥が位置するように、前記位置情報に基づき前記基板と相対的に移動させる第1の照射部相対移動工程と、
前記レーザ光照射部を、レーザ光照射用対物レンズの装着時における前記照射可能領域に前記欠陥がセンタリングされるように、前記基板と相対的に移動させる第2の照射部相対移動工程と、を有し、
前記レーザ加工方法は、
前記第1の照射部相対移動工程の後に、前記観察領域に位置する前記欠陥の修正の要否を判定する修正要否判定工程を更に含む、
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項記載のレーザ加工方法。
【請求項7】
前記欠陥の修正の要否を判定する修正要否判定工程を更に含み、
前記修正要否判定工程において、前記基板のパターン領域に含まれる複数の領域ごとに設定された重要度に基づき、前記欠陥の修正の要否を判定する、
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項記載のレーザ加工方法。
【請求項8】
前記欠陥の修正の要否を判定する修正要否判定工程を更に含み、
前記修正要否判定工程において、前記欠陥の修正の要否を、撮像された欠陥の画像と、比較用の画像である参照画像とを比較することによるパターンマッチングにより行い、
前記レーザ光照射工程において、前記参照画像に基づき設定された照射領域に前記レーザ光を照射する、
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項記載のレーザ加工方法。
【請求項9】
前記照射可能領域に収まらない前記欠陥に対し前記レーザ光照射工程を複数回繰り返し行い、
該複数回のレーザ光照射工程の前記照射可能領域の重複部分を、前記照射領域を縮小することで解消する、
ことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項記載のレーザ加工方法。
【請求項10】
基板上の欠陥をレーザ光により修正するレーザ加工装置において、
レーザ光を照射するレーザ光照射部と、
該レーザ光照射部を前記基板と相対的に移動させる照射部相対駆動部と、
を備え、
前記レーザ光照射部は、前記欠陥の位置によらず非パターン領域に設定された照射領域に、前記レーザ光を照射する、
ことを特徴とするレーザ加工装置。

【図4】
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【図26】
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【図27】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2011−194432(P2011−194432A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−63312(P2010−63312)
【出願日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】