レーザ加工装置
【課題】簡単な構成で一つのレーザ光から複数の横断面細長状のレーザビームを同時に生成可能とし、装置の製造コストを低減する。
【解決手段】方形状の基板5を往復搬送するステージ1と、ステージ1の上面に対向して設けられ、レーザ光源14より放射されたレーザ光から横断面細長状の複数のレーザビームを生成して基板5に照射する複数のシリンドリカルレンズ18を設けたレーザヘッド2と、複数のシリンドリカルレンズ18によるレーザビーム照射位置の搬送方向手前側の位置を撮像するように配設された第1及び第2の撮像手段3A,3Bと、第1及び第2の撮像手段3A,3Bの撮像画像に基づいてレーザ光源14から放射するレーザ光の照射タイミング及びレーザビームの照射位置を制御する制御手段4と、を備えたものである。
【解決手段】方形状の基板5を往復搬送するステージ1と、ステージ1の上面に対向して設けられ、レーザ光源14より放射されたレーザ光から横断面細長状の複数のレーザビームを生成して基板5に照射する複数のシリンドリカルレンズ18を設けたレーザヘッド2と、複数のシリンドリカルレンズ18によるレーザビーム照射位置の搬送方向手前側の位置を撮像するように配設された第1及び第2の撮像手段3A,3Bと、第1及び第2の撮像手段3A,3Bの撮像画像に基づいてレーザ光源14から放射するレーザ光の照射タイミング及びレーザビームの照射位置を制御する制御手段4と、を備えたものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送手段により基板を一定方向に搬送しながら、レーザ光源から基板にレーザビームを照射してレーザ加工するレーザ加工装置に関し、詳しくは、簡単な構成で一つのレーザ光源から複数の横断面細線状のレーザビームを同時に生成可能とし、装置の製造コストを低減しようとするレーザ加工装置に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来のレーザ加工装置は、膜体が形成された基板を保持し、X軸方向及びY軸方向に移動する載置テーブルと、膜体をレーザ加工するレーザ光を出射するレーザ発振器及び該レーザ発振器から出射されたレーザ光を膜体上に走査させる走査機構と、レーザ加工した加工痕の位置を測定する画像処理センサーとを備え、画像処理センサーにより加工痕の位置を測定して加工痕のX軸、Y軸方向のうねり量を検出し、このうねり量を補正すべき方向及び距離を算出すると共に載置テーブルを移動させてレーザ加工するものとなっていた(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−170455号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、このような従来のレーザ加工装置においては、上記走査機構がガルバノミラーや音響光学素子を用いたものであり、装置を駆動制御する制御手段とは別に走査機構を駆動制御する制御手段が必要となり、装置の構成が複雑になるという問題があった。特に、一つのレーザ光源から複数の加工パターンを同時に形成するためには、複数の上記走査機構が必要であり、装置の構成がより複雑になるという問題がある。また、上記ガルバノミラーや音響光学素子は、高価な部品であるため、これらの部品を複数搭載したレーザ加工装置は、装置構成が複雑になることと相まって製造コストが高くなるおそれがあった。
【0004】
そこで、本発明は、このような問題点に対処し、簡単な構成で一つのレーザ光源から複数の横断面細線状のレーザビームを同時に生成可能とし、装置の製造コストを低減しようとするレーザ加工装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明によるレーザ加工装置は、搬送手段により基板を保持して一定方向に搬送しながら、レーザ光源から前記基板にレーザビームを照射してレーザ加工するレーザ加工装置であって、前記レーザ光源より放射されたレーザ光から横断面細線状の複数のレーザビームを生成して前記基板に照射する複数のシリンドリカルレンズを設けたレーザヘッドと、前記複数のシリンドリカルレンズによるレーザビーム照射位置の前記搬送方向手前側の位置を撮像するように配設された撮像手段と、前記撮像手段の撮像画像に基づいて前記レーザ光源から放射するレーザ光の照射タイミング及びレーザビームの照射位置を制御する制御手段と、を備えたものである。
【0006】
このような構成により、搬送手段により基板を保持して一定方向に搬送しながら、撮像手段でレーザヘッドの複数のシリンドリカルレンズによるレーザビーム照射位置の搬送方向手前側の位置を撮像し、制御手段で撮像手段の撮像画像に基づいてレーザ光源から放射するレーザ光の照射タイミング及びレーザビームの照射位置を制御し、複数のシリンドリカルレンズで上記レーザ光から横断面細線状の複数のレーザビームを生成して基板に照射し、レーザ加工する。
【0007】
また、前記レーザヘッドは、前記複数のシリンドリカルレンズを、その長軸が前記搬送手段の基板保持面に平行な面内にて前記基板の搬送方向の軸に対して略平行となるように所定ピッチで並べて構成したレンズアレイを備えたものである。これにより、複数のシリンドリカルレンズを、その長軸が搬送手段の基板保持面に平行な面内にて基板の搬送方向の軸に対して略平行となるように所定ピッチで並べて構成したレンズアレイを備えたレーザヘッドで基板の搬送方向の軸に対して略平行な横断面細線状の複数のレーザビームを生成して基板に照射する。
【0008】
さらに、前記レンズアレイは、前記搬送手段に対して相対的に前記基板の搬送方向と直交する方向に移動可能に形成されたものである。これにより、レンズアレイを搬送手段に対して相対的に基板の搬送方向と直交する方向に移動してレーザ加工する。
【0009】
また、前記基板は、方形状を成したものであり、前記レーザヘッドは、前記基板の搬送方向に平行に所定間隔で二つのシリンドリカルレンズを配置した第1のレンズ対と、前記基板の搬送方向に直交させて所定間隔で二つのシリンドリカルレンズを配置した第2のレンズ対とを基板の搬送方向に所定距離だけ離隔して備えたものである。これにより、基板の搬送方向に平行に所定間隔で二つのシリンドリカルレンズを配置した第1のレンズ対と、基板の搬送方向に直交させて所定間隔で二つのシリンドリカルレンズを配置した第2のレンズ対とを基板の搬送方向に所定距離だけ離隔して備えたレーザヘッドで横断面細線状の複数のレーザビームを生成して方形状の基板に照射する。
【0010】
さらに、前記第1及び第2のレンズ対は、各シリンドリカルレンズによるレーザビームの照射位置が搬送される前記方形状の基板の縁部に平行となるように夫々回転可能に形成されたものである。これにより、第1及び第2のレンズ対を夫々回転して各シリンドリカルレンズによるレーザビームの照射位置が搬送される方形状の基板の縁部に平行となるようにする。
【0011】
さらにまた、前記第1及び第2のレンズ対は、夫々前記二つのシリンドリカルレンズの間隔が可変に形成されたものである。これにより、第1及び第2のレンズ対の夫々二つのシリンドリカルレンズの間隔を換えて方形状の基板の縁部とレーザ照射位置との間隔を一定にする。
【0012】
そして、前記基板は、太陽電池の基板である。これにより、太陽電池の表面に対して複数のレーザビームで同時に複数のレーザ加工を行う。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明によれば、複数のシリンドリカルレンズを組み合わせただけの極めて簡単な構成で一つのレーザ光源から複数の横断面細線状のレーザビームを同時に生成することができる。したがって、装置の構成が簡単となり、装置の製造コストを低減することができる。また、シリンドリカルレンズによるレーザビーム照射位置の搬送方向手前側の位置を撮像し、その撮像画像に基づいてレーザ光源から放射するレーザ光の照射タイミング及びレーザビームの照射位置を制御するようにしているので、例えば基板の搬送方向先頭側の縁部を検出してレーザ光の照射タイミングを制御し、基板の搬送方向に平行な縁部を検出してレーザビームの照射位置を制御すれば、基板の周縁部から所定距離内側に入った位置にレーザ加工を精度よく施すことができる。
【0014】
また、請求項2に係る発明によれば、基板の搬送方向に平行な横断面細線状の複数のレーザビームを同時に生成することができる。したがって、基板の搬送方向に平行に複数の溝をレーザ加工することができる。それ故、例えば薄膜型の太陽電池のスクライブラインの形成に有効である。
【0015】
そして、請求項3に係る発明によれば、先にレーザ加工された溝の縁を基準にして位置決めしてレーザ加工することができる。したがって、複数の溝を所定間隔で互いに平行に並べて形成することができる。
【0016】
また、請求項4に係る発明によれば、基板を一方向に搬送するだけで、方形状の基板表面に溝を井形にレーザ加工することができる。したがって、例えば結晶シリコンの太陽電池のスクライブラインの形成に有効である。
【0017】
さらに、請求項5に係る発明によれば、方形状の基板の周縁部に平行に溝をレーザ加工することができる。したがって、例えば結晶シリコンの太陽電池の表面電極と裏面電極とを確実に分離することができる。
【0018】
さらにまた、請求項6に係る発明によれば、基板のサイズが変わっても、方形状の基板の縁部とレーザ照射位置との間隔を一定にすることができる。
【0019】
そして、請求項7に係る発明によれば、太陽電池のスクライブラインの形成精度を向上することができる。したがって、受光領域を広げて光電変換率の高い太陽電池を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明によるレーザ加工装置の第1の実施形態を示す概略構成図である。このレーザ加工装置は、基板をステージ上に載置して一定方向に搬送しながら、レーザ光源から基板にレーザビームを照射してレーザ加工するもので、ステージ1と、レーザヘッド2と、第1及び第2の撮像手段3A,3Bと、制御手段4と、を備えて構成されている。なお、以下の説明においては、基板5が太陽電池6である場合について述べる。
【0021】
この太陽電池6は、図2及び図3に示すような薄膜型の太陽電池であり、図3(a)に示すように、方形状の透明な基板5上に透明電極層7、光電変換層8、裏面電極層9を順次成膜形成したもので、同図(b)に示すように透明電極層7を分離する第1分離溝10、透明電極層7と裏面電極層9とを接続するためのコンタクトライン11、裏面電極層9を分離する第2分離溝12を所定間隔で平行に並べて形成している。この場合、同図(b)に示す領域Aは、光電変換に寄与しない部分であり、この領域Aの幅を狭くし、受光領域Bの幅を広げて光電変換効率を上げることが望まれている。なお、図2及び図3(b)において、符号13は外部に電流を取り出すための電極である。また、L1は、基板5の搬送方向の軸に直交する縁部5a,5bからレーザ加工溝の端部までの距離であり、L2,L3,L4は、夫々、基板5の搬送方向の軸に平行な縁部5cから第1番目の第1分離溝10、コンタクトライン11、及び第2分離溝12の縁部までの距離である。そして、L5は第1分離溝10、コンタクトライン11、及び第2分離溝12の配列ピッチである。
【0022】
上記ステージ1は、上面(基板保持面)に太陽電池6の基板5を保持して一方向に往復搬送するものであり搬送手段となるもので、図示省略の駆動手段によって図1に示すX軸方向及び同図の手前側から奥側に向かうY軸方向に移動するようになっている。また、ステージ1には、図示省略のX,Y位置センサー及び速度センサーが設けられており、該各センサーの出力に基づいてステージ1の移動距離及び移動速度の検出が可能となっている。
【0023】
上記ステージ1の上方には、レーザヘッド2が設けられている。このレーザヘッド2は、基板5にレーザビームを照射してレーザ加工するものであり、レーザ光源14と、ビームエキスパンダ15と、均一化手段16と、コンデンサレンズ17と、複数のシリンドリカルレンズ18とを備えて構成されている。なお、図1において、符号19は反射ミラーを示す。
【0024】
ここで、レーザ光源14は、レーザ光を放射するもので、波長が1064nm、エネルギーが約1200mJのレーザ光と、波長が532nm、エネルギーが約600mJのレーザ光を50Hzの周期で間欠放射するパルスレーザである。また、ビームエキスパンダ15は、レーザ光源14から放射されたレーザ光の径を拡大して射出するものである。さらに、均一化手段16は、径の拡大されたレーザ光を多重反射して均一化して射出するもので、例えばロッドレンズやライトパイプ等である。さらにまた、コンデンサレンズ17は、均一化されたレーザ光を光軸に平行な平行光として射出するもので集光レンズであり、その前焦点を均一化手段16の射出側端面16aに略合致させて配置されている。そして、複数のシリンドリカルレンズ18は、上記平行光を受けて横断面が例えば20μm×60mmの細線状のレーザビームを生成して出力するものであり、図4に示すように夫々例えば10mm(W)×60mm(L6)の形状に形成され、長軸がステージ1の上面に平行な面内にて基板5の搬送方向の軸に対して略平行に、例えば10mmピッチで並べられてレンズアレイ20を構成している。なお、図4においては、一例として8個のシリンドリカルレンズ18を平行に配置したレンズアレイ20を示している。
【0025】
上記レーザヘッド2を間にして基板5の搬送方向の前後には、図1に示すように、レンズアレイ20の中心に対して距離D1だけ離れて第1及び第2の撮像手段3A,3Bが設けられている。この第1及び第2の撮像手段3A,3Bは、上記レンズアレイ20によるレーザビーム照射位置の搬送方向手前側の位置を撮像するもので、ステージ1の上面に平行な面内にて基板5の搬送方向に対して略直交する方向に複数の受光素子を一直線状に並べて配置したラインカメラであり、基板5の縁部及び既にレーザ加工された溝の縁部を検出するようになっている。そして、基板5が図1において右から左に搬送されるときには、第1の撮像手段3Aにより基板5を撮像し、基板5が左から右に搬送されるときには、第2の撮像手段3Bにより基板5を撮像するように切り換えて使用するようになっている。なお、上記レンズアレイ20の第1番目のシリンドリカルレンズ18a(図4参照)に対応した第1及び第2の撮像手段3A,3Bの位置は、基準位置として後述のメモリ23に予め記憶されている。
【0026】
上記ステージ1、レーザ光源14、レンズアレイ20、第1及び第2の撮像手段3A,3Bに結線して制御手段4が設けられている。この制御手段4は、第1及び第2の撮像手段3A,3Bの撮像画像に基づいてレーザ光源14から放射するレーザビームの照射タイミング及びレーザビームの照射位置を制御するもので、図5に示すように画像処理部21、演算部22、メモリ23、ステージ駆動コントローラ24、レーザ光源駆動コントローラ25、及び制御部26を備えている。
【0027】
ここで、画像処理部21は、第1及び第2の撮像手段3A,3Bで撮像された一次元画像に基づいて基板5の縁部及びレーザ加工された溝の縁部の位置を検出するもので、図6に示すように入力切換部27と、バッファメモリ28と、第1の位置検出部29と、第2の位置検出部30と、を備えている。上記入力切換部27は、第1の撮像手段3Aからの入力と第2の撮像手段3Bからの入力とを切り換えるものである。また、上記入力切換部27に結線してバッファメモリ28が設けられている。このバッファメモリ28は、撮像手段3で撮像された一次元画像を一時的に保存するものである。さらに、上記バッファメモリ28に結線して第1の位置検出部29が設けられている。この第1の位置検出部29は、第1及び第2の撮像手段3A,3Bで撮像された一次元画像をバッファメモリ28から逐次読み出して搬送方向にピクセル補間し、その輝度変化の急変位置から基板5の搬送方向に直交する縁部5a,5b(図2参照)の位置を検出するものである。そして、第2の位置検出部30は、第1及び第2の撮像手段3A,3Bで撮像された一次元画像を受光素子の並び方向にピクセル補間し、その輝度変化の急変位置から基板5の搬送方向に平行な縁部5c(図2参照)及びレーザ加工された溝、即ち第1分離溝10、コンタクトライン11、第2分離溝12の縁部の位置を検出するものである。
【0028】
また、演算部22は、第1及び第2の撮像手段3A,3Bで基板5の搬送方向に直交する縁部5a,5bを検出してから基板5が移動する距離を算出し、基板5の搬送方向に平行な縁部5c又はレーザ加工された溝の縁部と第1及び第2の撮像手段3A,3Bの基準位置(第1番目のシリンドリカルレンズ18aに対応した位置)との間の距離と、後述のメモリ23に保存されたCADデータとを比較して上記距離のずれ量を算出するものである。
【0029】
さらに、メモリ23は、図示省略の操作部を操作して入力される初期設定値及びレーザ加工のCADデータを記憶すると共に、上記演算部22における演算結果を保存するものである。
【0030】
また、ステージ駆動コントローラ24は、ステージ1の速度センサーの出力と上記操作手段を操作して予め入力されメモリ23に記憶された速度情報とを比較してステージ1を一定速度で往復移動させ、一方向のレーザ加工が終了するとメモリ23に記憶されたステップ移動量に相当する距離だけステージ1をY軸方向に移動させるものである。
【0031】
さらに、レーザ光源駆動コントローラ25は、レーザ光源14の発光を制御するもので、基板5の搬送方向に直交する縁部5a,5bを検出してから所定時間経過後にレーザ光源14を発光させると共に所定の時間間隔で間欠的に発光させるようになっている。そして、制御部26は、上記各構成要素が適切に動作するように制御するものである。
【0032】
次に、このように構成されたレーザ加工装置の第1の実施形態の動作及び薄膜型の太陽電池6の製造について、図7に示すフローチャート及び図8を参照して説明する。
先ず、ステップS1においては、メモリ23にCADデータが保存されると共に、図示省略の操作手段を操作してステージ1のX軸方向への移動速度及び移動距離、Y軸方向へのステップ移動量及び送り回数を入力して初期設定し、メモリ23に保存する。この場合、ステージ1の移動速度は、レーザ光源14の50Hzの発光周期に対して各レーザ加工パターンの一部が所定量だけオーバーラップするように設定される。なお、CADデータは、CD−ROM等に保存されたデータをメモリ23に読み込むようにするとよい。
【0033】
ステップS2においては、レーザヘッド2とステージ1との位置決め調整を行う。即ち、別に設けたアライメントカメラによりレーザヘッド2及びステージ1に設けたマークを検出し、両マークが所定の位置関係となるように図示省略の回転機構によりレーザヘッド2のレンズアレイ20を回転移動して位置決めし、各シリンドリカルレンズ18の長軸が基板5の搬送方向(X軸方向)の軸に平行となるように設定する。なお、この位置決めは、手動又は自動のいずれで行ってもよい。
【0034】
ステップS3においては、図8(a)に示すような透明基板5の上面に透明電極層7を形成した基板5をステージ1上の所定位置に位置決めして載置する。
【0035】
ステップS4においては、起動スイッチの投入により、基板5をX軸方向にて図1における右から左方向に一定速度で搬送し、往路のレーザ加工を開始する。
【0036】
この場合、先ず、第1の撮像手段3Aの撮像画像により搬送方向に直交する基板5の搬送方向先頭側の縁部5a(一方端)の位置を検出してメモリ23に保存する。具体的には、画像処理部21の入力切換部27を第1の撮像手段3A側に切り換えて第1の撮像手段3Aにより撮像された画像を取得し、取得した一次元画像をバッファメモリ28に保存する。そして、バッファメモリ28に保存された一次元画像を逐次読み出し、これを第1の位置検出部29において基板5の搬送方向(X軸方向)にピクセル補間して輝度変化の急変位置を検出し、該急変位置を基板5の搬送方向先頭側の縁部5aとして抽出し、該縁部5a抽出時のステージ1の位置をX位置センサーにより検出してメモリ23に保存する。
【0037】
次に、第1の撮像手段3Aの撮像画像により搬送方向に平行な基板5の二つの縁部のうち、一方の縁部5cの位置を検出してメモリ23に保存する。具体的には、バッファメモリ28に保存された第1の撮像手段3Aによる一次元画像を読み出して、第2の位置検出部30において受光素子の並び方向(Y軸方向)にピクセル補間して輝度の急変位置を検出し、該急変位置を基板5の搬送方向に平行な上記一方の縁部5cの位置として抽出し、該位置情報をメモリ23に保存する。
【0038】
続いて、基板5の搬送方向に平行な一方の縁部5cの位置情報と第1の撮像手段3Aの基準位置情報とをメモリ23から読み出して演算部22で減算処理し、両者間の距離Lを算出する。さらに、該距離Lとメモリ23から読み出されたCADデータのうち、図3(b)に示す基板5の一方の縁部5cから第1番目の第1分離溝10aの縁部までの寸法L2を演算部22で比較し、L=L2となるようにステージ駆動コントローラ24により制御してステージ1をY軸方向に移動し、各シリンドリカルレンズ18を第1分離溝10の形成位置に位置付ける。なお、この動作は、基板5の搬送中常時実行され、第1分離溝10を基板5の搬送方向に平行な一方の縁部5cに平行に形成する。
【0039】
さらに、メモリ23から基板5の搬送方向先頭側縁部5aの位置情報を読出し、該位置情報とX位置センサーから入力した位置情報とを演算部22で比較して、図9に示すように基板5の搬送方向先頭側縁部5aを検出してから基板5が移動した距離Dを算出する。そして、基板5の移動距離DがD=D1+L1+L6/2となると、レーザ光源駆動コントローラ25を駆動してレーザ光源14を発光させ、波長が1064nmのレーザ光を放射させる。以後、レーザ光源14は、レーザ光源駆動コントローラ25により制御されて50Hzの周期で繰り返し発光する。
【0040】
レーザ光源14から放射されたレーザ光は、ビームエキスパンダ15により径が拡大され、均一化手段16により輝度分布が均一化され、コンデンサレンズ17により光軸に平行な平行光にされてレンズアレイ20に入射する。レンズアレイ20に入射したレーザ光は、複数のシリンドリカルレンズ18により横断面細線状の複数のレーザビームに整形されて基板5に照射し、基板5上の透明電極層7に搬送方向の軸に平行に所定間隔で並んだ細線状の複数のレーザ加工パターンを形成する。
【0041】
演算部22では、基板5の搬送中常時、X位置センサーから入力した位置情報に基づいて基板5の搬送方向先頭側縁部5aを検出してから基板5が移動した距離を演算する。そして、該距離をメモリ23から読み出したCADデータと比較して基板5が所定距離だけ移動したか否かを判定する。ここで、基板5が所定距離だけ移動したことを検知すると、レーザ光源駆動コントローラ25によりレーザ光源14の発光を停止させる。これにより、複数のレーザ加工パターンがその一部をオーバーラップさせた状態で一直線状に連なり、所定長さの第1分離溝10が形成される。
【0042】
ステップS5においては、ステージ1が予め設定された距離だけ移動すると、ステージ駆動コントローラ24によって制御してステージ1のX軸方向への移動を停止する。続いて、メモリ23から読み出したステップ移動量だけステージ1をY軸方向にて図1における奥側から手前側に向かってステップ移動させる。その際、Y軸方向へのステップ送り回数をカウントしてメモリ23に保存する。
【0043】
ステップS6においては、ステージ1を上記向きとは逆にX軸方向にて図1における左から右方向に一定速度で移動させ復路のレーザ加工を開始する。このとき、画像処理部21の入力切換部27が第2の撮像手段3B側に切り換えられ、第2の撮像手段3Bによる画像データに基づいて上述と同様にして基板5の搬送方向先端縁部5b(他方端)を検出し、該縁部5bを基準にしてレーザ光源14の発光タイミングを制御する。また、第2の撮像手段3Bによる画像データに基づいて直前の往路でレーザ加工された複数の第1分離溝10のうち直ぐ隣の第1分離溝10の縁部を検出し、該縁部と第2の撮像手段3Bの基準位置(レンズアレイ20の第1番目のシリンドリカルレンズ18aの位置に相当)との距離がL5となるようにステージ1をY軸方向に変位させながらレーザ加工する。これにより、復路において複数の第1分離溝10が往路で形成された第1分離溝10に平行に形成される。
【0044】
ステップS7においては、ステージ1のY軸方向へのステップ送り回数が所定回数となったか否かが制御部26で判定される。ここで、“NO”判定となった場合には、ステップS8に進んで、ステージ1をY軸方向にて図1における奥側から手前側に向かって所定距離だけステップ移動する。同時に、送り回数をカウントしてメモリ23に保存する。そして、ステップS4に戻って、ステップS7において“YES”判定となるまでステップS4〜ステップS8を繰り返し実行する。この場合、ステップS4におけるレーザ加工の位置決め基準は、基板5の搬送方向に平行な一方の縁部5cではなく、直前の復路でレーザ加工された複数の第1分離溝10のうち直ぐ隣の第1分離溝10の縁部である。
【0045】
ステップS8において“YES”判定となると、ステップS9に進み、ステージ1は加工開始位置まで戻って停止する。これにより、図8(b)に示すように、透明電極層7に対して複数の第1分離溝10が形成される。
【0046】
次に、図8(c)に示すように、透明電極層7を覆って光電変換層8を形成し、上述と同様の手順を実行することによって、同図(d)に示すように光電変換層8上にコンタクトライン11を形成する。この場合、ステップS4においては、第1の撮像手段3Aによる画像データに基づいて、レーザ加工中常時、基板5の搬送方向に平行な一方の縁部5cと第1の撮像手段3Aの基準位置との間の距離がL3となるようにステージ1がY軸方向に変位される。また、ステップS6以降におけるレーザ加工の位置決め基準は、直前の復路又は往路でレーザ加工された複数のコンタクトライン11のうち直ぐ隣のコンタクトライン11の縁部である。さらに、最後のレーザ加工においては、レンズアレイ20の第1番目のシリンドリカルレンズ18aに対して反対側端部に位置するシリンドリカルレンズ18b(図4参照)は遮光する。そして、ここで使用するレーザ光源14のレーザ光は、光電変換層8だけがレーザ加工されるように波長が532nmのレーザ光が選択される。
【0047】
このようにして光電変換層8上に複数のコンタクトライン11が形成されると、図8(e)に示すように光電変換層8を覆って裏面電極層9を形成し、上述と同様の手順を実行することによって、同図(f)に示すように裏面電極層9上に第2分離溝12を形成する。この場合、ステップS4においては、第1の撮像手段3Aによる画像データに基づいて、レーザ加工中常時、基板5の搬送方向に平行な一方の縁部5cと第1の撮像手段3Aの基準位置との間の距離がL4となるようにステージ1がY軸方向に変位される。また、ステップS6以降におけるレーザ加工の位置決め基準は、直前の復路又は往路でレーザ加工された複数の第2分離溝12のうち直ぐ隣の第2分離溝12の縁部である。さらに、この場合も、最後のレーザ加工においては、レンズアレイ20の第1番目のシリンドリカルレンズ18aに対して反対側端部に位置するシリンドリカルレンズ18bは遮光する。そして、ここで使用するレーザ光源14のレーザ光は、光電変換層8及び裏面電極層9だけがレーザ加工されるように波長が532nmのレーザ光が選択される。
【0048】
最後に、図8(g)に示すように、裏面電極層9上にて基板5の搬送方向に平行な縁部近傍に電極13を形成することにより、図2,3に示す薄膜型の太陽電池6が形成される。
【0049】
なお、上記第1の実施形態においては、基板5の搬送方向の軸に平行な一方の縁部5c及び先にレーザ加工して形成された溝の縁部に対して次にレーザ加工する溝の位置決めをする際に、ステージ1をY軸方向に変位させる場合について説明したが、本発明はこれに限られず、レンズアレイ20又はレーザ光源14をY軸方向に変位させてもよい。
【0050】
また、上記第1の実施形態においては、レーザ光の照射タイミングの制御及びレーザ加工の位置決め制御を基板5の縁部を基準にして行う場合について説明したが、本発明はこれに限られず、基板5上に形成された薄膜層の縁部を基準にしてもよい。
【0051】
さらに、上記第1の実施形態においては、第1の撮像手段3Aによる基板5の縁部5a検出時及び第2の撮像手段3Bによる基板5の縁部5b検出時を基準にして所定時間経過後にレーザ光源14を発光させる場合について説明したが、本発明はこれに限られず、先にレーザ加工された溝の搬送方向先頭側の縁部を第1又は第2の撮像手段3A,3Bで検出し、その検出時を基準にして所定時間経過後にレーザ光源14を発光させてもよい。
【0052】
そして、複数のシリンドリカルレンズ18を一定間隔で並べて構成したレンズアレイ20の所定のシリンドリカルレンズ18に近接して、該シリンドリカルレンズ18を通過するレーザビームを遮光するシャッタを進退可能に設け、レンズアレイ20で生成される複数のレーザビームのピッチを変更可能にしてもよい。これにより、一つのレンズアレイ20で第1分離溝10等の形成ピッチの異なる複数種の太陽電池6の形成に対応することができる。
【0053】
図10は本発明によるレーザ加工装置の第2の実施形態の要部を示す平面図である。第1の実施形態と異なる部分は、基板5が例えばベルトコンベヤ(搬送手段)によって一方向(X軸方向)に搬送され、基板5の搬送方向に平行に所定間隔で二つのシリンドリカルレンズ18を配置した第1のレンズ対31と、基板5の搬送方向に直交させて所定間隔で二つのシリンドリカルレンズ18を配置した第2のレンズ対32とを基板5の搬送方向に所定距離だけ離隔して設け、該各レンズ対31,32によるレーザビーム照射位置の搬送方向手前側にて第1のレンズ対31の中心からD2だけ離隔し、第2のレンズ対32の中心からD3だけ離隔して撮像手段3を設けたものであり、各レンズ対は、図示省略の回転手段により、夫々中心を軸に同図に矢印で示すように所定角度だけ回転可能に形成され、図示省略のレンズ移動手段により各レンズ対31,32の二つのシリンドリカルレンズ18の間隔は可変となっている。さらに、図示省略のレンズ対移動手段により各レンズ対31,32は、夫々Y軸方向に移動可能となっている。
【0054】
次に、このように構成された第2の実施形態の動作について説明する。ここで使用する基板5は、結晶シリコン製の太陽電池6の方形状の基板である。この場合、方形状の基板5の外側面を覆ってn型ドーピング層が形成されているため、基板5の表面の各縁部から所定距離だけ内側の位置に各縁部に沿って溝を形成して表面電極と裏面電極とを電気的に分離する必要がある。上記第2の実施形態は、第1及び第2のレンズ対31,32で二組のレーザビーム対を生成して基板5に照射し、方形状の基板5の各縁部に平行に分離溝を形成しようとするものである。以下図11を参照して説明する。
【0055】
先ず、撮像手段3により撮像された一次元画像を基板5の搬送方向(X軸方向)及び受光素子の並び方向(Y軸方向)にピクセル補間して、図11(a)に示す基板5のエッジP1,P2,P3,P4の位置座標を検出し、メモリ23に保存する。この場合、各エッジのX座標は、エッジP1を基準とする基板5の移動距離で決定される。
【0056】
次に、上記メモリ23に保存された各エッジの位置座標を読み出して、基板5の回転角度θを算出すると共に、基板5の中心位置座標及び基板5の対辺の間隔を算出してメモリ23に保存する。
【0057】
続いて、上記メモリ23に保存された基板5の中心位置座標を読み出して、搬送方向の中心軸線(撮像手段3の中心を通る中心線)からの基板5のY軸方向へのシフト量を算出し、上記レンズ対移動手段により第1及び第2のレンズ対31,32を夫々上記シフト量と同じ量だけY軸方向に移動する。また、上記メモリ23に保存された基板5の回転角度θに基づいて上記回転手段を駆動し、各レンズ対31,32を角度θだけ回転する。さらに、上記メモリ23に保存された基板5の対辺の間隔を読み出して、メモリ23に予め記憶されたCADデータと比較し、レーザビームの照射位置が基板5の各縁部から所定距離だけ内側の位置となるようにレンズ移動手段を駆動して対向するシリンドリカルレンズ18の間隔を調整する。
【0058】
そして、基板5の中心が撮像手段3において検出されてから基板5が距離D2だけ搬送されて、図11(b)に示すように基板5の中心が第1のレンズ対31の中心に合致するとレーザ駆動コントローラにより制御されてレーザ光源14が所定時間だけ発光する。これにより、レーザ光源14から放射されたレーザ光は、第1のレンズ対31の二つのシリンドリカルレンズ18により横断面細線状のレーザビームにされて基板5に照射し、同図(c)に示すように、基板5の二つの縁部に夫々平行に二つの分離溝33aが形成される。
【0059】
さらに、基板5の中心が撮像手段3において検出されてから基板5が距離D3だけ搬送されて、図11(c)に示すように基板5の中心が第2のレンズ対32の中心に合致するとレーザ駆動コントローラにより制御されてレーザ光源14が所定時間だけ発光する。これにより、レーザ光源14から放射されたレーザ光は、第2のレンズ対32の二つのシリンドリカルレンズ18により横断面細線状のレーザビームにされて基板5に照射し、同図(d)に示すように、基板5の二つの縁部に夫々平行に二つの分離溝33bが形成される。このようにして、基板5の各縁部から所定距離だけ内側に入った位置に分離溝33a,33bが形成され、結晶シリコンの太陽電池6の表面電極と裏面電極とを完全に分離することができる。
【0060】
この第2の実施形態によれば、複数の基板5をベルトコンベアで連続的に搬送してレーザ加工することができ、レーザ加工処理の効率を向上することができる。また、基板5をベルトコンベア上に位置決めして載置する必要がないので、作業効率が向上する。
【0061】
なお、上記第2の実施形態においては、第1及び第2のレンズ対31,32を夫々Y軸方向に移動可能に形成した場合を説明したが、本発明はこれに限られず、各レンズ対31,32は固定したまま、第1のレンズ対31のシリンドリカルレンズ18を個別にY軸方向に移動させ、第2のレンズ対32のシリンドリカルレンズ18を個別にX軸方向に移動させてもよい。
【0062】
また、上記第1及び第2の実施形態においては、基板5をステージ1の上面に保持して搬送し、ステージ1の上方にてその上面に対向して配置したレーザヘッド2により基板5にレーザビームを照射する場合について説明したが、本発明はこれに限られず、ステージ1の下側にレーザヘッド2を配置し、ステージ1に保持されて搬送される基板5にレーザビームを照射するものであってもよい。
【0063】
そして、以上の説明においては、基板5が太陽電池6の場合について述べたが、本発明はこれに限られず、所定間隔で平行に並べて溝を形成するものであれば、基板5は如何なるものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明によるレーザ加工装置の第1の実施形態を示す概略構成図である。
【図2】上記第1の実施形態により形成される薄膜型太陽電池の一構成例を示す平面図である。
【図3】上記薄膜型太陽電池の断面図であり、(a)は図2のO−O線断面図、(b)は図2のQ−Q線断面図である。
【図4】上記第1の実施形態において使用するレンズアレイを示す図であり、(a)は平面図、(b)は右側面図である。
【図5】上記第1の実施形態における制御手段の概略構成を示すブロック図である。
【図6】上記制御手段の画像処理部の構成例を示すブロック図である。
【図7】上記第1の実施形態によるレーザ加工動作を示すフローチャートである。
【図8】上記薄膜型太陽電池の製造について示す工程図である。
【図9】上記第1の実施形態によるレーザ照射タイミングを示す説明図である。
【図10】本発明によるレーザ加工装置の第2の実施形態の要部を示す平面図である。
【図11】上記第2実施形態によるレーザ加工動作を示す説明図である。
【符号の説明】
【0065】
1…ステージ(搬送手段)
2…レーザヘッド
3…撮像手段
3A…第1の撮像手段
3B…第2の撮像手段
4…制御手段
5…基板
6…太陽電池
14…レーザ光源
18…シリンドリカルレンズ
20…レンズアレイ
31…第1のレンズ対
32…第2のレンズ対
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送手段により基板を一定方向に搬送しながら、レーザ光源から基板にレーザビームを照射してレーザ加工するレーザ加工装置に関し、詳しくは、簡単な構成で一つのレーザ光源から複数の横断面細線状のレーザビームを同時に生成可能とし、装置の製造コストを低減しようとするレーザ加工装置に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来のレーザ加工装置は、膜体が形成された基板を保持し、X軸方向及びY軸方向に移動する載置テーブルと、膜体をレーザ加工するレーザ光を出射するレーザ発振器及び該レーザ発振器から出射されたレーザ光を膜体上に走査させる走査機構と、レーザ加工した加工痕の位置を測定する画像処理センサーとを備え、画像処理センサーにより加工痕の位置を測定して加工痕のX軸、Y軸方向のうねり量を検出し、このうねり量を補正すべき方向及び距離を算出すると共に載置テーブルを移動させてレーザ加工するものとなっていた(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−170455号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、このような従来のレーザ加工装置においては、上記走査機構がガルバノミラーや音響光学素子を用いたものであり、装置を駆動制御する制御手段とは別に走査機構を駆動制御する制御手段が必要となり、装置の構成が複雑になるという問題があった。特に、一つのレーザ光源から複数の加工パターンを同時に形成するためには、複数の上記走査機構が必要であり、装置の構成がより複雑になるという問題がある。また、上記ガルバノミラーや音響光学素子は、高価な部品であるため、これらの部品を複数搭載したレーザ加工装置は、装置構成が複雑になることと相まって製造コストが高くなるおそれがあった。
【0004】
そこで、本発明は、このような問題点に対処し、簡単な構成で一つのレーザ光源から複数の横断面細線状のレーザビームを同時に生成可能とし、装置の製造コストを低減しようとするレーザ加工装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明によるレーザ加工装置は、搬送手段により基板を保持して一定方向に搬送しながら、レーザ光源から前記基板にレーザビームを照射してレーザ加工するレーザ加工装置であって、前記レーザ光源より放射されたレーザ光から横断面細線状の複数のレーザビームを生成して前記基板に照射する複数のシリンドリカルレンズを設けたレーザヘッドと、前記複数のシリンドリカルレンズによるレーザビーム照射位置の前記搬送方向手前側の位置を撮像するように配設された撮像手段と、前記撮像手段の撮像画像に基づいて前記レーザ光源から放射するレーザ光の照射タイミング及びレーザビームの照射位置を制御する制御手段と、を備えたものである。
【0006】
このような構成により、搬送手段により基板を保持して一定方向に搬送しながら、撮像手段でレーザヘッドの複数のシリンドリカルレンズによるレーザビーム照射位置の搬送方向手前側の位置を撮像し、制御手段で撮像手段の撮像画像に基づいてレーザ光源から放射するレーザ光の照射タイミング及びレーザビームの照射位置を制御し、複数のシリンドリカルレンズで上記レーザ光から横断面細線状の複数のレーザビームを生成して基板に照射し、レーザ加工する。
【0007】
また、前記レーザヘッドは、前記複数のシリンドリカルレンズを、その長軸が前記搬送手段の基板保持面に平行な面内にて前記基板の搬送方向の軸に対して略平行となるように所定ピッチで並べて構成したレンズアレイを備えたものである。これにより、複数のシリンドリカルレンズを、その長軸が搬送手段の基板保持面に平行な面内にて基板の搬送方向の軸に対して略平行となるように所定ピッチで並べて構成したレンズアレイを備えたレーザヘッドで基板の搬送方向の軸に対して略平行な横断面細線状の複数のレーザビームを生成して基板に照射する。
【0008】
さらに、前記レンズアレイは、前記搬送手段に対して相対的に前記基板の搬送方向と直交する方向に移動可能に形成されたものである。これにより、レンズアレイを搬送手段に対して相対的に基板の搬送方向と直交する方向に移動してレーザ加工する。
【0009】
また、前記基板は、方形状を成したものであり、前記レーザヘッドは、前記基板の搬送方向に平行に所定間隔で二つのシリンドリカルレンズを配置した第1のレンズ対と、前記基板の搬送方向に直交させて所定間隔で二つのシリンドリカルレンズを配置した第2のレンズ対とを基板の搬送方向に所定距離だけ離隔して備えたものである。これにより、基板の搬送方向に平行に所定間隔で二つのシリンドリカルレンズを配置した第1のレンズ対と、基板の搬送方向に直交させて所定間隔で二つのシリンドリカルレンズを配置した第2のレンズ対とを基板の搬送方向に所定距離だけ離隔して備えたレーザヘッドで横断面細線状の複数のレーザビームを生成して方形状の基板に照射する。
【0010】
さらに、前記第1及び第2のレンズ対は、各シリンドリカルレンズによるレーザビームの照射位置が搬送される前記方形状の基板の縁部に平行となるように夫々回転可能に形成されたものである。これにより、第1及び第2のレンズ対を夫々回転して各シリンドリカルレンズによるレーザビームの照射位置が搬送される方形状の基板の縁部に平行となるようにする。
【0011】
さらにまた、前記第1及び第2のレンズ対は、夫々前記二つのシリンドリカルレンズの間隔が可変に形成されたものである。これにより、第1及び第2のレンズ対の夫々二つのシリンドリカルレンズの間隔を換えて方形状の基板の縁部とレーザ照射位置との間隔を一定にする。
【0012】
そして、前記基板は、太陽電池の基板である。これにより、太陽電池の表面に対して複数のレーザビームで同時に複数のレーザ加工を行う。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明によれば、複数のシリンドリカルレンズを組み合わせただけの極めて簡単な構成で一つのレーザ光源から複数の横断面細線状のレーザビームを同時に生成することができる。したがって、装置の構成が簡単となり、装置の製造コストを低減することができる。また、シリンドリカルレンズによるレーザビーム照射位置の搬送方向手前側の位置を撮像し、その撮像画像に基づいてレーザ光源から放射するレーザ光の照射タイミング及びレーザビームの照射位置を制御するようにしているので、例えば基板の搬送方向先頭側の縁部を検出してレーザ光の照射タイミングを制御し、基板の搬送方向に平行な縁部を検出してレーザビームの照射位置を制御すれば、基板の周縁部から所定距離内側に入った位置にレーザ加工を精度よく施すことができる。
【0014】
また、請求項2に係る発明によれば、基板の搬送方向に平行な横断面細線状の複数のレーザビームを同時に生成することができる。したがって、基板の搬送方向に平行に複数の溝をレーザ加工することができる。それ故、例えば薄膜型の太陽電池のスクライブラインの形成に有効である。
【0015】
そして、請求項3に係る発明によれば、先にレーザ加工された溝の縁を基準にして位置決めしてレーザ加工することができる。したがって、複数の溝を所定間隔で互いに平行に並べて形成することができる。
【0016】
また、請求項4に係る発明によれば、基板を一方向に搬送するだけで、方形状の基板表面に溝を井形にレーザ加工することができる。したがって、例えば結晶シリコンの太陽電池のスクライブラインの形成に有効である。
【0017】
さらに、請求項5に係る発明によれば、方形状の基板の周縁部に平行に溝をレーザ加工することができる。したがって、例えば結晶シリコンの太陽電池の表面電極と裏面電極とを確実に分離することができる。
【0018】
さらにまた、請求項6に係る発明によれば、基板のサイズが変わっても、方形状の基板の縁部とレーザ照射位置との間隔を一定にすることができる。
【0019】
そして、請求項7に係る発明によれば、太陽電池のスクライブラインの形成精度を向上することができる。したがって、受光領域を広げて光電変換率の高い太陽電池を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明によるレーザ加工装置の第1の実施形態を示す概略構成図である。このレーザ加工装置は、基板をステージ上に載置して一定方向に搬送しながら、レーザ光源から基板にレーザビームを照射してレーザ加工するもので、ステージ1と、レーザヘッド2と、第1及び第2の撮像手段3A,3Bと、制御手段4と、を備えて構成されている。なお、以下の説明においては、基板5が太陽電池6である場合について述べる。
【0021】
この太陽電池6は、図2及び図3に示すような薄膜型の太陽電池であり、図3(a)に示すように、方形状の透明な基板5上に透明電極層7、光電変換層8、裏面電極層9を順次成膜形成したもので、同図(b)に示すように透明電極層7を分離する第1分離溝10、透明電極層7と裏面電極層9とを接続するためのコンタクトライン11、裏面電極層9を分離する第2分離溝12を所定間隔で平行に並べて形成している。この場合、同図(b)に示す領域Aは、光電変換に寄与しない部分であり、この領域Aの幅を狭くし、受光領域Bの幅を広げて光電変換効率を上げることが望まれている。なお、図2及び図3(b)において、符号13は外部に電流を取り出すための電極である。また、L1は、基板5の搬送方向の軸に直交する縁部5a,5bからレーザ加工溝の端部までの距離であり、L2,L3,L4は、夫々、基板5の搬送方向の軸に平行な縁部5cから第1番目の第1分離溝10、コンタクトライン11、及び第2分離溝12の縁部までの距離である。そして、L5は第1分離溝10、コンタクトライン11、及び第2分離溝12の配列ピッチである。
【0022】
上記ステージ1は、上面(基板保持面)に太陽電池6の基板5を保持して一方向に往復搬送するものであり搬送手段となるもので、図示省略の駆動手段によって図1に示すX軸方向及び同図の手前側から奥側に向かうY軸方向に移動するようになっている。また、ステージ1には、図示省略のX,Y位置センサー及び速度センサーが設けられており、該各センサーの出力に基づいてステージ1の移動距離及び移動速度の検出が可能となっている。
【0023】
上記ステージ1の上方には、レーザヘッド2が設けられている。このレーザヘッド2は、基板5にレーザビームを照射してレーザ加工するものであり、レーザ光源14と、ビームエキスパンダ15と、均一化手段16と、コンデンサレンズ17と、複数のシリンドリカルレンズ18とを備えて構成されている。なお、図1において、符号19は反射ミラーを示す。
【0024】
ここで、レーザ光源14は、レーザ光を放射するもので、波長が1064nm、エネルギーが約1200mJのレーザ光と、波長が532nm、エネルギーが約600mJのレーザ光を50Hzの周期で間欠放射するパルスレーザである。また、ビームエキスパンダ15は、レーザ光源14から放射されたレーザ光の径を拡大して射出するものである。さらに、均一化手段16は、径の拡大されたレーザ光を多重反射して均一化して射出するもので、例えばロッドレンズやライトパイプ等である。さらにまた、コンデンサレンズ17は、均一化されたレーザ光を光軸に平行な平行光として射出するもので集光レンズであり、その前焦点を均一化手段16の射出側端面16aに略合致させて配置されている。そして、複数のシリンドリカルレンズ18は、上記平行光を受けて横断面が例えば20μm×60mmの細線状のレーザビームを生成して出力するものであり、図4に示すように夫々例えば10mm(W)×60mm(L6)の形状に形成され、長軸がステージ1の上面に平行な面内にて基板5の搬送方向の軸に対して略平行に、例えば10mmピッチで並べられてレンズアレイ20を構成している。なお、図4においては、一例として8個のシリンドリカルレンズ18を平行に配置したレンズアレイ20を示している。
【0025】
上記レーザヘッド2を間にして基板5の搬送方向の前後には、図1に示すように、レンズアレイ20の中心に対して距離D1だけ離れて第1及び第2の撮像手段3A,3Bが設けられている。この第1及び第2の撮像手段3A,3Bは、上記レンズアレイ20によるレーザビーム照射位置の搬送方向手前側の位置を撮像するもので、ステージ1の上面に平行な面内にて基板5の搬送方向に対して略直交する方向に複数の受光素子を一直線状に並べて配置したラインカメラであり、基板5の縁部及び既にレーザ加工された溝の縁部を検出するようになっている。そして、基板5が図1において右から左に搬送されるときには、第1の撮像手段3Aにより基板5を撮像し、基板5が左から右に搬送されるときには、第2の撮像手段3Bにより基板5を撮像するように切り換えて使用するようになっている。なお、上記レンズアレイ20の第1番目のシリンドリカルレンズ18a(図4参照)に対応した第1及び第2の撮像手段3A,3Bの位置は、基準位置として後述のメモリ23に予め記憶されている。
【0026】
上記ステージ1、レーザ光源14、レンズアレイ20、第1及び第2の撮像手段3A,3Bに結線して制御手段4が設けられている。この制御手段4は、第1及び第2の撮像手段3A,3Bの撮像画像に基づいてレーザ光源14から放射するレーザビームの照射タイミング及びレーザビームの照射位置を制御するもので、図5に示すように画像処理部21、演算部22、メモリ23、ステージ駆動コントローラ24、レーザ光源駆動コントローラ25、及び制御部26を備えている。
【0027】
ここで、画像処理部21は、第1及び第2の撮像手段3A,3Bで撮像された一次元画像に基づいて基板5の縁部及びレーザ加工された溝の縁部の位置を検出するもので、図6に示すように入力切換部27と、バッファメモリ28と、第1の位置検出部29と、第2の位置検出部30と、を備えている。上記入力切換部27は、第1の撮像手段3Aからの入力と第2の撮像手段3Bからの入力とを切り換えるものである。また、上記入力切換部27に結線してバッファメモリ28が設けられている。このバッファメモリ28は、撮像手段3で撮像された一次元画像を一時的に保存するものである。さらに、上記バッファメモリ28に結線して第1の位置検出部29が設けられている。この第1の位置検出部29は、第1及び第2の撮像手段3A,3Bで撮像された一次元画像をバッファメモリ28から逐次読み出して搬送方向にピクセル補間し、その輝度変化の急変位置から基板5の搬送方向に直交する縁部5a,5b(図2参照)の位置を検出するものである。そして、第2の位置検出部30は、第1及び第2の撮像手段3A,3Bで撮像された一次元画像を受光素子の並び方向にピクセル補間し、その輝度変化の急変位置から基板5の搬送方向に平行な縁部5c(図2参照)及びレーザ加工された溝、即ち第1分離溝10、コンタクトライン11、第2分離溝12の縁部の位置を検出するものである。
【0028】
また、演算部22は、第1及び第2の撮像手段3A,3Bで基板5の搬送方向に直交する縁部5a,5bを検出してから基板5が移動する距離を算出し、基板5の搬送方向に平行な縁部5c又はレーザ加工された溝の縁部と第1及び第2の撮像手段3A,3Bの基準位置(第1番目のシリンドリカルレンズ18aに対応した位置)との間の距離と、後述のメモリ23に保存されたCADデータとを比較して上記距離のずれ量を算出するものである。
【0029】
さらに、メモリ23は、図示省略の操作部を操作して入力される初期設定値及びレーザ加工のCADデータを記憶すると共に、上記演算部22における演算結果を保存するものである。
【0030】
また、ステージ駆動コントローラ24は、ステージ1の速度センサーの出力と上記操作手段を操作して予め入力されメモリ23に記憶された速度情報とを比較してステージ1を一定速度で往復移動させ、一方向のレーザ加工が終了するとメモリ23に記憶されたステップ移動量に相当する距離だけステージ1をY軸方向に移動させるものである。
【0031】
さらに、レーザ光源駆動コントローラ25は、レーザ光源14の発光を制御するもので、基板5の搬送方向に直交する縁部5a,5bを検出してから所定時間経過後にレーザ光源14を発光させると共に所定の時間間隔で間欠的に発光させるようになっている。そして、制御部26は、上記各構成要素が適切に動作するように制御するものである。
【0032】
次に、このように構成されたレーザ加工装置の第1の実施形態の動作及び薄膜型の太陽電池6の製造について、図7に示すフローチャート及び図8を参照して説明する。
先ず、ステップS1においては、メモリ23にCADデータが保存されると共に、図示省略の操作手段を操作してステージ1のX軸方向への移動速度及び移動距離、Y軸方向へのステップ移動量及び送り回数を入力して初期設定し、メモリ23に保存する。この場合、ステージ1の移動速度は、レーザ光源14の50Hzの発光周期に対して各レーザ加工パターンの一部が所定量だけオーバーラップするように設定される。なお、CADデータは、CD−ROM等に保存されたデータをメモリ23に読み込むようにするとよい。
【0033】
ステップS2においては、レーザヘッド2とステージ1との位置決め調整を行う。即ち、別に設けたアライメントカメラによりレーザヘッド2及びステージ1に設けたマークを検出し、両マークが所定の位置関係となるように図示省略の回転機構によりレーザヘッド2のレンズアレイ20を回転移動して位置決めし、各シリンドリカルレンズ18の長軸が基板5の搬送方向(X軸方向)の軸に平行となるように設定する。なお、この位置決めは、手動又は自動のいずれで行ってもよい。
【0034】
ステップS3においては、図8(a)に示すような透明基板5の上面に透明電極層7を形成した基板5をステージ1上の所定位置に位置決めして載置する。
【0035】
ステップS4においては、起動スイッチの投入により、基板5をX軸方向にて図1における右から左方向に一定速度で搬送し、往路のレーザ加工を開始する。
【0036】
この場合、先ず、第1の撮像手段3Aの撮像画像により搬送方向に直交する基板5の搬送方向先頭側の縁部5a(一方端)の位置を検出してメモリ23に保存する。具体的には、画像処理部21の入力切換部27を第1の撮像手段3A側に切り換えて第1の撮像手段3Aにより撮像された画像を取得し、取得した一次元画像をバッファメモリ28に保存する。そして、バッファメモリ28に保存された一次元画像を逐次読み出し、これを第1の位置検出部29において基板5の搬送方向(X軸方向)にピクセル補間して輝度変化の急変位置を検出し、該急変位置を基板5の搬送方向先頭側の縁部5aとして抽出し、該縁部5a抽出時のステージ1の位置をX位置センサーにより検出してメモリ23に保存する。
【0037】
次に、第1の撮像手段3Aの撮像画像により搬送方向に平行な基板5の二つの縁部のうち、一方の縁部5cの位置を検出してメモリ23に保存する。具体的には、バッファメモリ28に保存された第1の撮像手段3Aによる一次元画像を読み出して、第2の位置検出部30において受光素子の並び方向(Y軸方向)にピクセル補間して輝度の急変位置を検出し、該急変位置を基板5の搬送方向に平行な上記一方の縁部5cの位置として抽出し、該位置情報をメモリ23に保存する。
【0038】
続いて、基板5の搬送方向に平行な一方の縁部5cの位置情報と第1の撮像手段3Aの基準位置情報とをメモリ23から読み出して演算部22で減算処理し、両者間の距離Lを算出する。さらに、該距離Lとメモリ23から読み出されたCADデータのうち、図3(b)に示す基板5の一方の縁部5cから第1番目の第1分離溝10aの縁部までの寸法L2を演算部22で比較し、L=L2となるようにステージ駆動コントローラ24により制御してステージ1をY軸方向に移動し、各シリンドリカルレンズ18を第1分離溝10の形成位置に位置付ける。なお、この動作は、基板5の搬送中常時実行され、第1分離溝10を基板5の搬送方向に平行な一方の縁部5cに平行に形成する。
【0039】
さらに、メモリ23から基板5の搬送方向先頭側縁部5aの位置情報を読出し、該位置情報とX位置センサーから入力した位置情報とを演算部22で比較して、図9に示すように基板5の搬送方向先頭側縁部5aを検出してから基板5が移動した距離Dを算出する。そして、基板5の移動距離DがD=D1+L1+L6/2となると、レーザ光源駆動コントローラ25を駆動してレーザ光源14を発光させ、波長が1064nmのレーザ光を放射させる。以後、レーザ光源14は、レーザ光源駆動コントローラ25により制御されて50Hzの周期で繰り返し発光する。
【0040】
レーザ光源14から放射されたレーザ光は、ビームエキスパンダ15により径が拡大され、均一化手段16により輝度分布が均一化され、コンデンサレンズ17により光軸に平行な平行光にされてレンズアレイ20に入射する。レンズアレイ20に入射したレーザ光は、複数のシリンドリカルレンズ18により横断面細線状の複数のレーザビームに整形されて基板5に照射し、基板5上の透明電極層7に搬送方向の軸に平行に所定間隔で並んだ細線状の複数のレーザ加工パターンを形成する。
【0041】
演算部22では、基板5の搬送中常時、X位置センサーから入力した位置情報に基づいて基板5の搬送方向先頭側縁部5aを検出してから基板5が移動した距離を演算する。そして、該距離をメモリ23から読み出したCADデータと比較して基板5が所定距離だけ移動したか否かを判定する。ここで、基板5が所定距離だけ移動したことを検知すると、レーザ光源駆動コントローラ25によりレーザ光源14の発光を停止させる。これにより、複数のレーザ加工パターンがその一部をオーバーラップさせた状態で一直線状に連なり、所定長さの第1分離溝10が形成される。
【0042】
ステップS5においては、ステージ1が予め設定された距離だけ移動すると、ステージ駆動コントローラ24によって制御してステージ1のX軸方向への移動を停止する。続いて、メモリ23から読み出したステップ移動量だけステージ1をY軸方向にて図1における奥側から手前側に向かってステップ移動させる。その際、Y軸方向へのステップ送り回数をカウントしてメモリ23に保存する。
【0043】
ステップS6においては、ステージ1を上記向きとは逆にX軸方向にて図1における左から右方向に一定速度で移動させ復路のレーザ加工を開始する。このとき、画像処理部21の入力切換部27が第2の撮像手段3B側に切り換えられ、第2の撮像手段3Bによる画像データに基づいて上述と同様にして基板5の搬送方向先端縁部5b(他方端)を検出し、該縁部5bを基準にしてレーザ光源14の発光タイミングを制御する。また、第2の撮像手段3Bによる画像データに基づいて直前の往路でレーザ加工された複数の第1分離溝10のうち直ぐ隣の第1分離溝10の縁部を検出し、該縁部と第2の撮像手段3Bの基準位置(レンズアレイ20の第1番目のシリンドリカルレンズ18aの位置に相当)との距離がL5となるようにステージ1をY軸方向に変位させながらレーザ加工する。これにより、復路において複数の第1分離溝10が往路で形成された第1分離溝10に平行に形成される。
【0044】
ステップS7においては、ステージ1のY軸方向へのステップ送り回数が所定回数となったか否かが制御部26で判定される。ここで、“NO”判定となった場合には、ステップS8に進んで、ステージ1をY軸方向にて図1における奥側から手前側に向かって所定距離だけステップ移動する。同時に、送り回数をカウントしてメモリ23に保存する。そして、ステップS4に戻って、ステップS7において“YES”判定となるまでステップS4〜ステップS8を繰り返し実行する。この場合、ステップS4におけるレーザ加工の位置決め基準は、基板5の搬送方向に平行な一方の縁部5cではなく、直前の復路でレーザ加工された複数の第1分離溝10のうち直ぐ隣の第1分離溝10の縁部である。
【0045】
ステップS8において“YES”判定となると、ステップS9に進み、ステージ1は加工開始位置まで戻って停止する。これにより、図8(b)に示すように、透明電極層7に対して複数の第1分離溝10が形成される。
【0046】
次に、図8(c)に示すように、透明電極層7を覆って光電変換層8を形成し、上述と同様の手順を実行することによって、同図(d)に示すように光電変換層8上にコンタクトライン11を形成する。この場合、ステップS4においては、第1の撮像手段3Aによる画像データに基づいて、レーザ加工中常時、基板5の搬送方向に平行な一方の縁部5cと第1の撮像手段3Aの基準位置との間の距離がL3となるようにステージ1がY軸方向に変位される。また、ステップS6以降におけるレーザ加工の位置決め基準は、直前の復路又は往路でレーザ加工された複数のコンタクトライン11のうち直ぐ隣のコンタクトライン11の縁部である。さらに、最後のレーザ加工においては、レンズアレイ20の第1番目のシリンドリカルレンズ18aに対して反対側端部に位置するシリンドリカルレンズ18b(図4参照)は遮光する。そして、ここで使用するレーザ光源14のレーザ光は、光電変換層8だけがレーザ加工されるように波長が532nmのレーザ光が選択される。
【0047】
このようにして光電変換層8上に複数のコンタクトライン11が形成されると、図8(e)に示すように光電変換層8を覆って裏面電極層9を形成し、上述と同様の手順を実行することによって、同図(f)に示すように裏面電極層9上に第2分離溝12を形成する。この場合、ステップS4においては、第1の撮像手段3Aによる画像データに基づいて、レーザ加工中常時、基板5の搬送方向に平行な一方の縁部5cと第1の撮像手段3Aの基準位置との間の距離がL4となるようにステージ1がY軸方向に変位される。また、ステップS6以降におけるレーザ加工の位置決め基準は、直前の復路又は往路でレーザ加工された複数の第2分離溝12のうち直ぐ隣の第2分離溝12の縁部である。さらに、この場合も、最後のレーザ加工においては、レンズアレイ20の第1番目のシリンドリカルレンズ18aに対して反対側端部に位置するシリンドリカルレンズ18bは遮光する。そして、ここで使用するレーザ光源14のレーザ光は、光電変換層8及び裏面電極層9だけがレーザ加工されるように波長が532nmのレーザ光が選択される。
【0048】
最後に、図8(g)に示すように、裏面電極層9上にて基板5の搬送方向に平行な縁部近傍に電極13を形成することにより、図2,3に示す薄膜型の太陽電池6が形成される。
【0049】
なお、上記第1の実施形態においては、基板5の搬送方向の軸に平行な一方の縁部5c及び先にレーザ加工して形成された溝の縁部に対して次にレーザ加工する溝の位置決めをする際に、ステージ1をY軸方向に変位させる場合について説明したが、本発明はこれに限られず、レンズアレイ20又はレーザ光源14をY軸方向に変位させてもよい。
【0050】
また、上記第1の実施形態においては、レーザ光の照射タイミングの制御及びレーザ加工の位置決め制御を基板5の縁部を基準にして行う場合について説明したが、本発明はこれに限られず、基板5上に形成された薄膜層の縁部を基準にしてもよい。
【0051】
さらに、上記第1の実施形態においては、第1の撮像手段3Aによる基板5の縁部5a検出時及び第2の撮像手段3Bによる基板5の縁部5b検出時を基準にして所定時間経過後にレーザ光源14を発光させる場合について説明したが、本発明はこれに限られず、先にレーザ加工された溝の搬送方向先頭側の縁部を第1又は第2の撮像手段3A,3Bで検出し、その検出時を基準にして所定時間経過後にレーザ光源14を発光させてもよい。
【0052】
そして、複数のシリンドリカルレンズ18を一定間隔で並べて構成したレンズアレイ20の所定のシリンドリカルレンズ18に近接して、該シリンドリカルレンズ18を通過するレーザビームを遮光するシャッタを進退可能に設け、レンズアレイ20で生成される複数のレーザビームのピッチを変更可能にしてもよい。これにより、一つのレンズアレイ20で第1分離溝10等の形成ピッチの異なる複数種の太陽電池6の形成に対応することができる。
【0053】
図10は本発明によるレーザ加工装置の第2の実施形態の要部を示す平面図である。第1の実施形態と異なる部分は、基板5が例えばベルトコンベヤ(搬送手段)によって一方向(X軸方向)に搬送され、基板5の搬送方向に平行に所定間隔で二つのシリンドリカルレンズ18を配置した第1のレンズ対31と、基板5の搬送方向に直交させて所定間隔で二つのシリンドリカルレンズ18を配置した第2のレンズ対32とを基板5の搬送方向に所定距離だけ離隔して設け、該各レンズ対31,32によるレーザビーム照射位置の搬送方向手前側にて第1のレンズ対31の中心からD2だけ離隔し、第2のレンズ対32の中心からD3だけ離隔して撮像手段3を設けたものであり、各レンズ対は、図示省略の回転手段により、夫々中心を軸に同図に矢印で示すように所定角度だけ回転可能に形成され、図示省略のレンズ移動手段により各レンズ対31,32の二つのシリンドリカルレンズ18の間隔は可変となっている。さらに、図示省略のレンズ対移動手段により各レンズ対31,32は、夫々Y軸方向に移動可能となっている。
【0054】
次に、このように構成された第2の実施形態の動作について説明する。ここで使用する基板5は、結晶シリコン製の太陽電池6の方形状の基板である。この場合、方形状の基板5の外側面を覆ってn型ドーピング層が形成されているため、基板5の表面の各縁部から所定距離だけ内側の位置に各縁部に沿って溝を形成して表面電極と裏面電極とを電気的に分離する必要がある。上記第2の実施形態は、第1及び第2のレンズ対31,32で二組のレーザビーム対を生成して基板5に照射し、方形状の基板5の各縁部に平行に分離溝を形成しようとするものである。以下図11を参照して説明する。
【0055】
先ず、撮像手段3により撮像された一次元画像を基板5の搬送方向(X軸方向)及び受光素子の並び方向(Y軸方向)にピクセル補間して、図11(a)に示す基板5のエッジP1,P2,P3,P4の位置座標を検出し、メモリ23に保存する。この場合、各エッジのX座標は、エッジP1を基準とする基板5の移動距離で決定される。
【0056】
次に、上記メモリ23に保存された各エッジの位置座標を読み出して、基板5の回転角度θを算出すると共に、基板5の中心位置座標及び基板5の対辺の間隔を算出してメモリ23に保存する。
【0057】
続いて、上記メモリ23に保存された基板5の中心位置座標を読み出して、搬送方向の中心軸線(撮像手段3の中心を通る中心線)からの基板5のY軸方向へのシフト量を算出し、上記レンズ対移動手段により第1及び第2のレンズ対31,32を夫々上記シフト量と同じ量だけY軸方向に移動する。また、上記メモリ23に保存された基板5の回転角度θに基づいて上記回転手段を駆動し、各レンズ対31,32を角度θだけ回転する。さらに、上記メモリ23に保存された基板5の対辺の間隔を読み出して、メモリ23に予め記憶されたCADデータと比較し、レーザビームの照射位置が基板5の各縁部から所定距離だけ内側の位置となるようにレンズ移動手段を駆動して対向するシリンドリカルレンズ18の間隔を調整する。
【0058】
そして、基板5の中心が撮像手段3において検出されてから基板5が距離D2だけ搬送されて、図11(b)に示すように基板5の中心が第1のレンズ対31の中心に合致するとレーザ駆動コントローラにより制御されてレーザ光源14が所定時間だけ発光する。これにより、レーザ光源14から放射されたレーザ光は、第1のレンズ対31の二つのシリンドリカルレンズ18により横断面細線状のレーザビームにされて基板5に照射し、同図(c)に示すように、基板5の二つの縁部に夫々平行に二つの分離溝33aが形成される。
【0059】
さらに、基板5の中心が撮像手段3において検出されてから基板5が距離D3だけ搬送されて、図11(c)に示すように基板5の中心が第2のレンズ対32の中心に合致するとレーザ駆動コントローラにより制御されてレーザ光源14が所定時間だけ発光する。これにより、レーザ光源14から放射されたレーザ光は、第2のレンズ対32の二つのシリンドリカルレンズ18により横断面細線状のレーザビームにされて基板5に照射し、同図(d)に示すように、基板5の二つの縁部に夫々平行に二つの分離溝33bが形成される。このようにして、基板5の各縁部から所定距離だけ内側に入った位置に分離溝33a,33bが形成され、結晶シリコンの太陽電池6の表面電極と裏面電極とを完全に分離することができる。
【0060】
この第2の実施形態によれば、複数の基板5をベルトコンベアで連続的に搬送してレーザ加工することができ、レーザ加工処理の効率を向上することができる。また、基板5をベルトコンベア上に位置決めして載置する必要がないので、作業効率が向上する。
【0061】
なお、上記第2の実施形態においては、第1及び第2のレンズ対31,32を夫々Y軸方向に移動可能に形成した場合を説明したが、本発明はこれに限られず、各レンズ対31,32は固定したまま、第1のレンズ対31のシリンドリカルレンズ18を個別にY軸方向に移動させ、第2のレンズ対32のシリンドリカルレンズ18を個別にX軸方向に移動させてもよい。
【0062】
また、上記第1及び第2の実施形態においては、基板5をステージ1の上面に保持して搬送し、ステージ1の上方にてその上面に対向して配置したレーザヘッド2により基板5にレーザビームを照射する場合について説明したが、本発明はこれに限られず、ステージ1の下側にレーザヘッド2を配置し、ステージ1に保持されて搬送される基板5にレーザビームを照射するものであってもよい。
【0063】
そして、以上の説明においては、基板5が太陽電池6の場合について述べたが、本発明はこれに限られず、所定間隔で平行に並べて溝を形成するものであれば、基板5は如何なるものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明によるレーザ加工装置の第1の実施形態を示す概略構成図である。
【図2】上記第1の実施形態により形成される薄膜型太陽電池の一構成例を示す平面図である。
【図3】上記薄膜型太陽電池の断面図であり、(a)は図2のO−O線断面図、(b)は図2のQ−Q線断面図である。
【図4】上記第1の実施形態において使用するレンズアレイを示す図であり、(a)は平面図、(b)は右側面図である。
【図5】上記第1の実施形態における制御手段の概略構成を示すブロック図である。
【図6】上記制御手段の画像処理部の構成例を示すブロック図である。
【図7】上記第1の実施形態によるレーザ加工動作を示すフローチャートである。
【図8】上記薄膜型太陽電池の製造について示す工程図である。
【図9】上記第1の実施形態によるレーザ照射タイミングを示す説明図である。
【図10】本発明によるレーザ加工装置の第2の実施形態の要部を示す平面図である。
【図11】上記第2実施形態によるレーザ加工動作を示す説明図である。
【符号の説明】
【0065】
1…ステージ(搬送手段)
2…レーザヘッド
3…撮像手段
3A…第1の撮像手段
3B…第2の撮像手段
4…制御手段
5…基板
6…太陽電池
14…レーザ光源
18…シリンドリカルレンズ
20…レンズアレイ
31…第1のレンズ対
32…第2のレンズ対
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送手段により基板を保持して一定方向に搬送しながら、レーザ光源から前記基板にレーザビームを照射してレーザ加工するレーザ加工装置であって、
前記レーザ光源より放射されたレーザ光から横断面細線状の複数のレーザビームを生成して前記基板に照射する複数のシリンドリカルレンズを設けたレーザヘッドと、
前記複数のシリンドリカルレンズによるレーザビーム照射位置の前記搬送方向手前側の位置を撮像するように配設された撮像手段と、
前記撮像手段の撮像画像に基づいて前記レーザ光源から放射するレーザ光の照射タイミング及びレーザビームの照射位置を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とするレーザ加工装置。
【請求項2】
前記レーザヘッドは、前記複数のシリンドリカルレンズを、その長軸が前記搬送手段の基板保持面に平行な面内にて前記基板の搬送方向の軸に対して略平行となるように所定ピッチで並べて構成したレンズアレイを備えたことを特徴とする請求項1記載のレーザ加工装置。
【請求項3】
前記レンズアレイは、前記搬送手段に対して相対的に前記基板の搬送方向と直交する方向に移動可能に形成されたことを特徴とする請求項2記載のレーザ加工装置。
【請求項4】
前記基板は、方形状を成したものであり、
前記レーザヘッドは、前記基板の搬送方向に平行に所定間隔で二つのシリンドリカルレンズを配置した第1のレンズ対と、前記基板の搬送方向に直交させて所定間隔で二つのシリンドリカルレンズを配置した第2のレンズ対とを基板の搬送方向に所定距離だけ離隔して備えたことを特徴とする請求項1記載のレーザ加工装置。
【請求項5】
前記第1及び第2のレンズ対は、各シリンドリカルレンズによるレーザビームの照射位置が搬送される前記方形状の基板の縁部に平行となるように夫々回転可能に形成されたことを特徴とする請求項4記載のレーザ加工装置。
【請求項6】
前記第1及び第2のレンズ対は、夫々前記二つのシリンドリカルレンズの間隔が可変に形成されたことを特徴とする請求項4又は5記載のレーザ加工装置。
【請求項7】
前記基板は、太陽電池の基板であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のレーザ加工装置。
【請求項1】
搬送手段により基板を保持して一定方向に搬送しながら、レーザ光源から前記基板にレーザビームを照射してレーザ加工するレーザ加工装置であって、
前記レーザ光源より放射されたレーザ光から横断面細線状の複数のレーザビームを生成して前記基板に照射する複数のシリンドリカルレンズを設けたレーザヘッドと、
前記複数のシリンドリカルレンズによるレーザビーム照射位置の前記搬送方向手前側の位置を撮像するように配設された撮像手段と、
前記撮像手段の撮像画像に基づいて前記レーザ光源から放射するレーザ光の照射タイミング及びレーザビームの照射位置を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とするレーザ加工装置。
【請求項2】
前記レーザヘッドは、前記複数のシリンドリカルレンズを、その長軸が前記搬送手段の基板保持面に平行な面内にて前記基板の搬送方向の軸に対して略平行となるように所定ピッチで並べて構成したレンズアレイを備えたことを特徴とする請求項1記載のレーザ加工装置。
【請求項3】
前記レンズアレイは、前記搬送手段に対して相対的に前記基板の搬送方向と直交する方向に移動可能に形成されたことを特徴とする請求項2記載のレーザ加工装置。
【請求項4】
前記基板は、方形状を成したものであり、
前記レーザヘッドは、前記基板の搬送方向に平行に所定間隔で二つのシリンドリカルレンズを配置した第1のレンズ対と、前記基板の搬送方向に直交させて所定間隔で二つのシリンドリカルレンズを配置した第2のレンズ対とを基板の搬送方向に所定距離だけ離隔して備えたことを特徴とする請求項1記載のレーザ加工装置。
【請求項5】
前記第1及び第2のレンズ対は、各シリンドリカルレンズによるレーザビームの照射位置が搬送される前記方形状の基板の縁部に平行となるように夫々回転可能に形成されたことを特徴とする請求項4記載のレーザ加工装置。
【請求項6】
前記第1及び第2のレンズ対は、夫々前記二つのシリンドリカルレンズの間隔が可変に形成されたことを特徴とする請求項4又は5記載のレーザ加工装置。
【請求項7】
前記基板は、太陽電池の基板であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のレーザ加工装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−297742(P2009−297742A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−154788(P2008−154788)
【出願日】平成20年6月13日(2008.6.13)
【出願人】(500171707)株式会社ブイ・テクノロジー (283)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月13日(2008.6.13)
【出願人】(500171707)株式会社ブイ・テクノロジー (283)
【Fターム(参考)】
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