説明

ロッカールームシステム並びにロッカールーム管理端末と管理方法及び管理プログラム

【課題】手間が掛からず簡単に、効率良く、貸与された物品の盗難や紛失を未然に防止することができるロッカールームシステム並びにロッカールーム管理端末と管理方法及び管理プログラムを得る。
【解決手段】ロッカールームシステムは、ロッカールーム20からの退室用のドア21と、ロッカールーム20内に設置された戸棚30と、戸棚30に格納された物品に添付された荷札を感知するセンサ33と、センサ33が荷札を感知したときにドア21の施錠を解除する解錠手段22と、を有してなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロッカールームシステムに関連した技術、具体的には、手間が掛からず簡単に、効率良く、物品の盗難や紛失を防止することができる技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、従業員や顧客に貸与された物品が紛失・盗難され、その物品がネットオークションにかけられて第三者の手に渡ってしまうことがあり問題となっている。たとえば、企業が従業員に貸与する制服の場合、制服には企業の信用力が化体していることから、制服を着用した者は企業の事業所内などに出入りが可能である。つまり、制服の盗難は、単に制服そのものが紛失しただけでなく、第二、第三の犯罪に利用されてしまうおそれがある。
【0003】
これまでにも、貸し出し品の紛失の問題を効果的に解決することができる貸し出し品の管理に関する提案がなされている(たとえば、特許文献1参照)。
また、貸し出し品の管理に利用可能な錠付き戸棚に関する提案もなされている(たとえば、特許文献2参照)。
【0004】
しかしながら、従来の貸し出し品の管理は、貸出・返却フロントで、客を特定する識別情報に関連付けて貸し出し品の荷札情報を記憶し貸出登録を行い、チェックアウトする際に、記憶済みの識別情報に係る荷札情報と各返却登録内容とに基づいて客に貸し出した品物が全て返却済みであるか否かを判断していた。したがって、物品の回収等に際して人を介在しなければならず、物品を返却する者の都合に合わせて返却を受け付ける者を配置しなければ(待機させなければ)ならず、非常に効率が悪いものである。
【0005】
また、従来の錠付き戸棚は、錠付き戸棚の格納庫単位ごとにロッカーアドレスを特定するバーコードラベルを添付し、移動体通信端末装置へデータを出力可能なバーコードリーダに読取らせた前記バーコード情報を、移動体通信端末装置と利用者通信手段を通して錠管理装置へ送信することで、収納されたことの判定並びに収納物の情報取得を行っていた。したがって、物品の返却の度に利用者がロッカーアドレスを特定するバーコードラベルを読取り、読み取ったバーコード情報を管理装置へ送信しなければならず、非常に手間が掛かる煩わしいものである。
【特許文献1】特開2003−141632号公報
【特許文献2】特開2003−166370号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は以上のような従来の実情に鑑みてなされたもので、手間が掛からず簡単に、効率良く、貸与された物品の盗難や紛失を未然に防止することができるロッカールームシステム並びにロッカールーム管理端末と管理方法及び管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のロッカールームシステムは、ロッカールームからの退室用のドアと、ロッカールーム内に設置された戸棚と、戸棚に格納された物品に添付された荷札を感知するセンサと、センサが荷札を感知したときにドアの施錠を解除する解錠手段と、を有してなることを特徴とする。
【0008】
また、本発明のロッカールームシステムは、物品IDを記憶している記憶部と、ロッカールームからの退室用のドアと、ロッカールーム内に設置された戸棚と、戸棚に格納された物品に添付された荷札から物品を特定する物品IDを読み出すセンサと、センサが読み出した物品IDが記憶部に記憶されているか検索する検索手段と、センサが読み出した物品IDが記憶部に記憶されているときに、ドアの施錠を解除する解錠手段と、を有してなることを特徴とする。
【0009】
また、本発明のロッカールームシステムは、物品IDを記憶するための記憶部と、ロッカールームに持ち込まれる物品に添付された荷札から物品を特定する物品IDを読み出して記憶部に記憶する入室物品センサと、ロッカールームからの退室用のドアと、ロッカールーム内に設置された戸棚と、戸棚に格納された物品に添付された荷札から物品を特定する物品IDを読み出すセンサと、センサが読み出した物品IDが記憶部に記憶されているか検索する検索手段と、センサが読み出した物品IDが記憶部に記憶されているときに、ドアの施錠を解除する解錠手段と、を有してなることを特徴とする。
【0010】
また、本発明のロッカールームシステムは、利用者IDと物品IDを関連付けて記憶している記憶部と、ロッカールームへの入室者を特定する利用者IDを取得する利用者ID取得部と、ロッカールームからの退室用のドアと、ロッカールーム内に設置された戸棚と、戸棚に格納された物品に添付された荷札から物品を特定する物品IDを読み出すセンサと、センサが読み出した物品IDが利用者ID取得部により取得された利用者IDと関連付けて記憶部に記憶されているか検索する検索手段と、センサが読み出した物品IDが利用者ID取得部により取得された利用者IDと関連付けて記憶部に記憶されているときに、ドアの施錠を解除する解錠手段と、を有してなることを特徴とする。
【0011】
また、本発明のロッカールームシステムは、ロッカールームからの退室用のドアと、ロッカールーム内に設置された戸棚と、戸棚に格納された物品に添付された荷札を感知するセンサと、センサが荷札を感知している最中に戸棚の扉が施錠されたことを感知する第2センサと、第2センサが戸棚の扉が施錠されたことを感知したときにドアの施錠を解除する解錠手段と、を有してなることを特徴とする。
【0012】
また、本発明のロッカールームシステムは、ロッカールームからの退室用のドアと、ロッカールーム内に設置された戸棚と、戸棚に格納された物品に添付された荷札を感知するセンサと、センサが荷札を感知したときに、ドアの施錠を解除するための解錠情報を表示する表示手段と、表示手段に表示された解錠情報を受け付けたときに、ドアの施錠を解除する解錠手段と、を有してなることを特徴とする。
【0013】
また、本発明のロッカールームシステムは、ドアの近傍に設置され、ドアに接近する物品に添付された荷札を感知する退室物品センサと、退室物品センサが荷札を感知したときに、ドアを施錠する施錠手段と、をさらに備えたことを特徴とする。
【0014】
本発明のロッカールーム管理方法は、ロッカールームからの退室用のドアの施錠を解除するドア鍵制御器と、ロッカールーム内に設置された戸棚に格納された物品に添付された荷札から物品を特定する物品IDを読み出すセンサ、のそれぞれと通信ネットワークを介して接続し、物品IDを記憶している記憶部を備えた端末により実行される方法であって、端末が、戸棚に格納された物品を特定する物品IDをセンサから受信するステップと、センサから受信した物品IDが記憶部に記憶されているか検索するステップと、センサから受信した物品IDが記憶部に記憶されているときに、ドアの施錠を解除するための解錠信号をドア鍵制御器に送信するステップと、を実行することを特徴とする。
【0015】
本発明のロッカールーム管理端末は、ロッカールームからの退室用のドアの施錠を解除するドア鍵制御器と、ロッカールーム内に設置された戸棚に格納された物品に添付された荷札を感知するセンサ、のそれぞれと通信ネットワークを介して接続し、センサが荷札を感知したときに、ドアの施錠を解除するための解錠信号をドア鍵制御器に送信する手段を有してなることを特徴とする。
【0016】
また、本発明のロッカールーム管理端末は、ロッカールームからの退室用のドアの施錠を解除するドア鍵制御器と、ロッカールーム内に設置された戸棚に格納された物品に添付された荷札から物品を特定する物品IDを読み出すセンサ、のそれぞれと通信ネットワークを介して接続し、物品IDを記憶している記憶部と、戸棚に格納された物品を特定する物品IDをセンサから受信する手段と、センサから受信した物品IDが記憶部に記憶されているか検索する手段と、センサから受信した物品IDが記憶部に記憶されているときに、ドアの施錠を解除するための解錠信号をドア鍵制御器に送信する手段と、を有してなることを特徴とする。
【0017】
本発明のロッカールーム管理プログラムは、コンピュータを本発明にかかるロッカールーム管理端末として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明のロッカールームシステムによれば、ロッカールーム内の戸棚に物品が格納されたときに、ロッカールームからの退室用のドアの施錠を解除する(解錠する)ことができる。したがって、手間を掛けずに簡単に、効率良く、しかも確実に物品を回収することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら、本発明にかかるロッカールームシステム並びにロッカールーム管理端末と管理方法及び管理プログラムの実施の形態について説明する。
以下に説明する実施の形態は、従業員に貸与された制服を格納する戸棚を備えたロッカールームを例に説明する。つまり、従業員は利用者の例であり、制服は物品の例である。なお、制服には、この制服の制服番号を記憶しているICタグが埋め込まれている。制服番号とは、ロッカールームシステムが制服を特定するために用いる識別情報である。ICタグは制服に添付された荷札の例であり、制服番号は物品IDの例である。
【0020】
ここで、荷札の物品への添付の態様は、埋め込みに限らず、貼付するなど、物品の物理的特性などにより種々選択可能である。
また、1の物品には、少なくとも1の荷札が添付されるものとし、2以上の荷札を添付してもよい。1の物品に複数の荷札を添付する場合、たとえば、各荷札に同一の物品IDを記憶させておき、荷札の紛失などの予防を図るようにしてもよいし、あるいは、各荷札に記憶されている物品IDの組合せから、物品を特定するようにしてもよい。
【0021】
ロッカールームシステムは、たとえば勤務を終えた従業員が、ロッカールームに入室して、着用していた制服をロッカールーム内の戸棚に格納して返却したときに、従業員をロッカールームから退室させる、つまり、施錠されたロッカールームのドアを解錠するように構成されている。ドアを解錠する条件については、後述する。
なお、以下の説明において、「入室」とはロッカールームへの入室のことであり、「退室」とはロッカールームからの退室のことである。
【0022】
以下、本発明にかかるロッカールームシステムの構成について説明する。
図1は、ロッカールームシステムの実施の形態を示す模式図である。ロッカールームシステム1は、ドア21と、ドア鍵制御器22と、戸棚30と、格納物品識別情報読取器(以下、「第2センサ」という)33と、ロッカールーム管理端末(以下、単に「管理端末」という)10と、を有してなる。
【0023】
ドア21は、ロッカールーム20の壁20Aに設置されていて、従業員Uがロッカールーム20から退室する際に開閉される。
なお、従業員Uがロッカールーム20に入室する際に開閉されるドアは、ドア21と同一であってもよいし、あるいは、ドア21とは別のドアであってもよい。図1は、ロッカールーム20にはドア21のみが設けられていることを示している。つまり、ドア21は、ロッカールーム20への入室および退室の際に開閉されるドアである。
【0024】
ドア鍵制御器22は、ドア21の開閉を制御する手段、つまり、施錠されているドア21を解錠したり、解錠されているドア21を施錠したりする手段である。
【0025】
戸棚30は、ロッカールーム20内に設置されていて、従業員Uが持ち込んだ制服を格納するための格納庫を有する。なお、ロッカールーム20内には、少なくとも1個の戸棚30が設置されているものとし、図1は12個の戸棚30が設置されていることを示している。
【0026】
第2センサ33は、戸棚30の格納庫に格納された制服のICタグを感知して、このICタグから制服番号を読み取り、管理端末10に通知する手段である。
【0027】
管理端末10は、ドア鍵制御器22を介してドア21の開閉を制御する情報処理装置である。なお、管理端末10の設置場所は、ロッカールーム20の内外のいずれであってもよい。
【0028】
図2は、管理端末10の実施の形態を示すブロック図である。管理端末10は、通信ネットワーク(図示省略)を介して、ドア鍵制御器22と第2センサ33のそれぞれと通信可能となるよう接続された情報処理装置であり、たとえばパーソナルコンピュータなどで実現されている。
通信ネットワークの例としては、インターネットやLAN(Local Area Network)などのコンピュータ通信網がある。管理端末10、ドア鍵制御器22、第2センサ33は、専用線、公衆交換電話網(PSTN)、無線電話網、CATV網、衛星通信網等の通信回線を介して通信ネットワークと接続している。
【0029】
なお、図2は、管理端末10、ロッカールーム20、戸棚30が備える手段の配置例を示すものであり、本発明において、各手段の配置はこれに限定されるものではない。つまり、たとえば管理端末10内の各手段は、管理端末10内でなくとも、たとえば、ロッカールーム20内外の別の装置(たとえば、戸棚30)などが備えていてもよい。
【0030】
ロッカールーム20には、ドア21とドア鍵制御器22のほかに、入室物品ID読取器(第1センサ)23、利用者ID読取器24、退室物品ID読取器(第3センサ)25、ドア解錠番号入力部26、表示部27が設けられている。また、戸棚30には、第2センサ33のほかに、扉32、扉鍵制御器34、施錠情報送信部35、表示部36が設けられている。これら、ロッカールーム20および戸棚30に設けられている各手段の内容については、後述する。
【0031】
次に、管理端末10の構成について説明する。
管理端末10は、記憶部DB1と、格納物品識別情報受信部(以下、「第2物品ID受信部」という)11と、解錠信号送信部12Aと、解錠情報送信部12Bと、判定部13と、施錠情報受信部14と、利用者識別情報受信部(以下、「利用者ID受信部」という)15と、入室物品識別情報受信部(以下、「第1物品ID受信部」という)16と、退室物品識別情報受信部(以下、「第3物品ID受信部」という)17と、解錠禁止信号送信部18と、解錠情報決定部19と、を有している。
【0032】
また、管理端末10は、図示しないが、CPU(中央処理装置)とプログラム記憶部とを有する。CPUは、プログラム記憶部に記憶されたプログラムに従い、管理端末10の各構成要素を統制制御し、プログラム処理を実行する。プログラム記憶部は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等で構成され、管理端末10が使用する各種プログラムを記憶している。
【0033】
なお、管理端末10では、本発明にかかるロッカールーム管理プログラム(以下、「本プログラム」という)が動作して管理端末10内の各手段を制御することで、以下に説明するロッカールーム管理方法(以下、「本方法」という)を実現する。
また、本プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体(以下、「本記録媒体」という)を用いれば、図示しないコンピュータを管理端末10と同様に機能させることができる。すなわち、図示しないコンピュータが、本記録媒体から本プログラムを読取、実行することで、本方法を実現することができる。
【0034】
記憶部DB1は、物品IDを記憶するための記憶手段である。
図3は、記憶部DB1に記憶されている物品IDの例を示す模式図である。物品IDは、本発明の実施形態に応じて種々の態様で記憶部DB1に記憶される。
【0035】
図3(a)は、物品IDが返却情報と関連付けて記憶されていることを示していて、制服番号「A01」の制服は返却済であること、制服番号「A02」の制服は未返却であること、などを示している。
この記憶態様を用いた実施形態の例としては、従業員に制服を貸与する際に、貸与する制服の制服番号を返却情報「未返却」と共に記憶部DB1に記憶しておき、制服が戸棚30に返却された際に、返却された制服の制服番号に関連付けて記憶されている返却情報を「未返却」から「返却済」に更新するものがある。
【0036】
図3(b)は、物品IDが利用者IDと関連付けて記憶されていることを示していて、利用者ID「C1」の従業員には制服番号「A10」と「A32」の2着の制服が貸与されていること、などを示している。
この記憶態様を用いた実施形態の例としては、従業員に制服を貸与する際に、貸与する制服の制服番号を従業員の従業員番号と共に記憶しておき、返却のため戸棚30に格納された制服の制服番号を記憶DB1から削除するものがある。
【0037】
図3(c)は、物品IDが戸棚を特定する戸棚IDと関連付けて記憶されていることを示していて、戸棚ID「H1」の戸棚には制服番号「A40」の制服が格納されていること、などを示している。戸棚IDは、戸棚30内の記憶手段(図示省略)に記憶されているものとする。
この記憶態様を用いた実施形態の例としては、ロッカールーム20内に設置されているすべての戸棚の戸棚IDを記憶しておき、返却のために戸棚に格納された制服の制服番号がこの戸棚の戸棚IDと共に管理端末10に通知され、記憶部DB1に記憶されるものがある。
【0038】
管理端末10は、物品ID、利用者ID、戸棚IDをインデックスとして記憶部DB1を検索することで、貸与されている制服の返却状況や、従業員に貸与している制服の制服番号、戸棚に格納されている制服の制服番号を読み出して、管理端末10のディスプレイ等に表示すことなどができる。したがって、たとえば、制服の管理者は、記憶部DB1に記憶されている情報を閲覧して、制服の返却状況などを確認することができる。
【0039】
以上説明したデータベースは、管理端末10に搭載されたハードディスクなどの記憶装置上に実現されている。
【0040】
第2物品ID受信部11は、制服番号を第2センサ33から受信して判定部13又は解錠信号送信部12Aへ送る手段である。
【0041】
解錠信号送信部12Aは、ドア21の施錠を解除する、つまりドア21を解錠するための解錠信号をドア鍵制御器22に送信する手段である。
【0042】
解錠情報送信部12Bは、解錠情報決定部19で決定された解錠情報を、ドア鍵制御器22と共に、表示部27または表示部36の何れか(または双方)に送信する手段である。解錠情報については後述する。
【0043】
判定部13は、ドア21の解錠の可否、つまり、ドア21を解錠するための所定の条件が成立したか否かを判定する手段である。ドア21が解錠される条件については、後述する。
【0044】
施錠情報受信部14は、施錠情報を戸棚30から受信して解錠信号送信部12Aへ送る手段である。
施錠情報とは、戸棚30の扉32が施錠されたときに、この扉32が施錠されたことを示す情報であり、戸棚IDを含む。戸棚IDとは、ロッカールーム20内に設置されている戸棚を特定する情報であり、ロッカールーム20内で一意の情報である。
なお、ロッカールーム20内に設置された戸棚が1個の場合、戸棚を特定する必要がないことから、施錠情報には戸棚IDは含まなくてもよい。この場合、施錠情報受信部14は、施錠情報そのものではなく、施錠情報を受信した旨を解錠信号送信部12Aに通知する。
【0045】
利用者ID受信部15は、利用者IDを利用者ID読取器24から受信して判定部13または解錠信号送信部12Aへ送る手段である。利用者IDとは、従業員を特定する情報であり、たとえば、従業員番号などである。
【0046】
第1物品ID受信部16は、制服番号を第1センサ23から受信して判定部13へ送る手段である。
【0047】
第3物品ID受信部17は、制服番号を第3センサ25から受信して解錠禁止信号送信部18と判定部13へ送る手段である。
【0048】
解錠禁止信号送信部18は、解錠信号送信部12Aが解錠信号をドア鍵制御器22に送信した後に、第3物品ID受信部17が制服番号を受信したとき、ドア21の解錠を取り消す解錠禁止信号をドア鍵制御器22に送信する手段である。
【0049】
解錠情報決定部19は、判定部13がドア21の解錠条件が満たされたと判定したときに、ドア21を解錠するための解錠情報を決定して解錠情報送信部12Bに送る手段である。解錠情報は、たとえば、英数字の組み合わせ等である。
【0050】
次に、ドア21の構成について説明する。
図4は、ドア21の例を示す模式図であり、(a)はロッカールーム20の外側から見た様子、(b)はロッカールーム20の内側から見た様子、をそれぞれ示している。
【0051】
図4(a)に示すように、ドア21の外側面(ロッカールーム20の外側に位置する面)には、入室する際に操作する取っ手21Aが設けられている。また、ドア21の近傍のロッカールーム20の壁20Aには、第1センサ23と、利用者ID読取器24と、が設けられている。なお、第1センサ23と利用者ID読取器24は、ドア21に設けてもよい。
一方、図4(b)に示すように、ドア21の内側面(ロッカールーム20の内側に位置する面)には、ドア鍵制御器22と、退室する際に操作する取っ手21Bと、第3センサ25と、が設けられている。また、ドア21の近傍のロッカールーム20の壁20Aには、ドア解除番号入力器26と、表示部27と、が設けられている。なお、ドア鍵制御器22と第3センサ25は壁20Aに設けてもよく、また、ドア解除番号入力器26と表示部27はドア21に設けてもよい。
【0052】
ここで、取っ手21Aの操作とは、従業員Uが取っ手21Aを持って引っ張る動作をいう。また、21Bの操作とは、従業員Uが取っ手21Bを押す動作をいう。
【0053】
なお、ドア21は、少なくともロッカールーム20からの退室の制限を行なうように、閉まると自動的に施錠する、いわゆるオートロック機能を有している。すなわち、たとえば、ドア鍵制御器22がドア21の開閉を感知可能に構成されていて、ドア21が一旦開いた後に閉じたことを感知すると、ドア21を施錠する。あるいは、ドア21は、ドア21が解錠されてから一定時間経過後に自動的に施錠されるように構成されていてもよい。さらには、ロッカールーム20内に入室用センサを設け、この入室用センサが従業員Uのロッカールーム20への入室を感知したらドア21は施錠されるように構成されていてもよい。
【0054】
ドア21の形状は、従業員Uの退室を制限することができるものであればよく、棒状体等でもよい。
【0055】
ドア鍵制御器22は、解錠信号送信部12Aから解除信号を受信して、あるいは、解錠禁止信号送信部18から解除禁止信号を受信して、ドア21の施錠、あるいは、解錠をする手段である。すなわち、ドア鍵制御器22は、解錠信号を受信するとドア21を解錠状態にする。解錠状態にあるドア21は、取っ手21Bが操作されると開く。一方、ドア鍵制御器22は、解錠禁止信号を受信するとドア21を施錠状態にする。施錠状態にあるドア21は、取っ手21Bが操作されても開かない。
なお、前述のとおり、解錠状態にあるドア21は、開いた後に再び閉まると、施錠状態に戻る。
【0056】
第1センサ23は、従業員Uがロッカールーム20へ入室する際、従業員Uが着用している制服40のICタグ41から制服番号を読み取って、第1物品ID受信部16へ送信する手段である。
【0057】
なお、以下の説明において、従業員が着用している制服とは、従業員が身にまとっている制服に限らず、ロッカールーム20への入室時であれば、従業員がロッカールーム20に持ち込む制服をいい、退室時であれば、従業員がロッカールーム20から持ち出す制服をいうものとする。
【0058】
利用者ID読取器24は、ロッカールーム20へ入室する従業員Uの利用者IDを読み取って、利用者ID受信部15へ送信する手段である。ここで、利用者ID読取器24が利用者IDを読み取る方法としては、たとえば、従業員Uが、従業員IDの記憶されている社員証を利用者ID読取器24に接触させたり、かざしたりすることで、この社員証から読み取る。
【0059】
第3センサ25は、従業員Uがロッカールーム20から退室する際、従業員Uが着用している制服があれば、この制服のICタグを感知して、このICタグから制服番号を読み取り、第3物品ID受信部17へ送信する手段である。
【0060】
ドア解除番号入力器26は、解錠情報を受け付けてドア鍵制御手段22へ送信する手段である。
解錠情報の受け付けは、たとえば、従業員Uが、表示部27または表示部36に表示された解錠情報を記憶し、解除番号入力器26を操作して記憶しておいた解除情報を入力することで行なわれる。
【0061】
表示部27は、解錠情報送信部12Bから送信された解錠情報を出力表示する手段である。
【0062】
次に、戸棚30の構成について説明する。
図5は、戸棚30の例を示す模式図であり、(a)は扉が閉じた状態、(b)は扉が開いた状態、を示している。
図5(a)に示すように、戸棚30には、扉32と、表示部36と、扉32の開閉用の取っ手37を備えている。なお、表示部36には、解錠情報「1234」が表示されていることを示している。
また、図5(b)に示すように、戸棚30には、制服40を格納するための格納庫31のほかに、格納庫31に格納された制服40のICタグ41から制服番号を読み取る第2センサ33と、扉鍵制御器34と、施錠情報送信部35(図示省略)と、を備える。
【0063】
なお、図5(b)には、第2センサ33が格納庫31内に設けられている例を示しているが、第2センサの設置場所は、格納庫31内に格納された制服40のICタグ41から制服番号を読み取ることができれば、格納庫31の外であっても構わない。
また、図5(b)には、第2センサ33が戸棚30ごとに設けられている例を示しているが、1つの第2センサが複数の戸棚に格納された制服のICタグから制服番号を読み取るように構成してもよいし、あるいは、複数の第2センサが1の戸棚に格納された制服のICタグから制服番号を読み取るように構成してもよい。さらに、第2センサを戸棚の外に設けて複数の戸棚間を移動可能に構成しておき、たとえば、扉が開けられた戸棚を感知してこの戸棚の付近に移動し、この戸棚に格納された制服のICタグから制服番号を読み取るようにしてもよい。
【0064】
扉鍵制御器34は、扉32を施錠する手段である。
扉32は、たとえば、扉鍵制御器34が扉32の開閉を判定可能であって、扉32が閉じられたと判定すると共に、第2センサ33から制服番号の読取完了の通知を受けたときに施錠されるように構成されている。
なお、扉32の施錠の別の方法としては、たとえば、戸棚30に鍵穴(図示省略)が設けられていて、従業員Uがこの鍵穴に鍵を挿入して操作することで、施錠されるように構成されていてもよい。
【0065】
施錠情報送信部35は、扉32を施錠した旨の通知を扉鍵制御器34から受け付けた際に、施錠情報を施錠情報受信部14に送信する手段である。
なお、施錠情報の送信は、たとえば、第2センサ33が物品IDを読み取ったことを条件になされるように構成してもよい。すなわち、扉鍵制御器34は、たとえば、第2センサ33がICタグ41を感知している最中にのみ、扉32が施錠されたことを感知するように構成されていてもよい。つまり、扉32が施錠されても、第2センサ33が物品IDを読み取っていない場合には、送信しないように構成してもよい。
【0066】
表示部36は、解錠情報送信部12Bから送信された解錠情報を出力表示する手段である。
【0067】
また、戸棚30には、図示しないが、プロセッサ、メモリ、通信インタフェース、入出力インタフェース、メモリに格納されたソフトウエアから構成された制御部が設けられ、該ソフトウエアは通信インタフェースを介して管理端末10との間の通信を行うように構成されている。通信手段は、有線又は無線の何れも使用できる。
【0068】
以下、本方法、つまり、管理端末10によるドア21の解錠方法について、説明する。
以下に説明する実施形態は、従業員Uがロッカールーム20に入室する際に着用していた制服40が戸棚30に格納されたときに、ドア21を解錠するものである。なお、従業員Uの入室前には、制服40の制服番号は記憶部DB1には記憶されていないものとする。
【0069】
図6は、本方法の実施の形態を示すシーケンス図である。
まず、従業員Uが、制服40を返却するためにロッカールーム20を訪れると、第1センサ23が従業員Uの着用している制服40に添付されたICタグ41から制服番号を読み取る(S10)。第1センサ23は、読み取った制服番号を管理端末10へ送信する。
【0070】
管理端末10は、第1物品ID受信部16を用いて、第1センサ23から制服番号を受信し、記憶部DB1に記憶する(S20)。また、管理端末10は、制服番号を受信すると、解錠信号送信部12Aを用いて、解錠信号をドア鍵制御器22へ送信する(S30)。
【0071】
ドア鍵制御器22は、解錠信号を受信すると、ドア21の解錠制御を行い(S40)、ドア21は解錠状態となる(S50)。ドア21が解錠状態にある間、従業員Uが取っ手21Aを操作するとドア21は開閉し(S60)、従業員Uはロッカールーム20内へ入室することが可能となる。
【0072】
従業員Uがロッカールーム20に入室後、ドア鍵制御器22の施錠制御により、ドア21は再び施錠される(S70)。
【0073】
このように、ロッカールームシステム1は、ロッカールーム20に入室しようとする従業員Uが着用している制服40の制服番号を取得すると、入室可能となるように、施錠されているロッカールーム20への入室用のドアを解錠する。
【0074】
ロッカールーム20に入室した従業員Uは、着用していた制服40を戸棚30の格納庫31内に格納する(S80)。
制服40が格納庫31内に格納されると、第2センサ33が制服40のICタグ41から制服番号を読み取る(S90)。第2センサ33は、読み取った制服番号を管理端末10へ送信する。
管理端末10は、第2センサ33から送信された制服番号を第2物品ID取得部11にて受信する(S100)。
【0075】
第2センサ33から制服番号を受信した管理端末10は、第1センサ23から受信して記憶部DB1に記憶しておいた制服番号を読み出して、第2センサ33から受信した制服番号と一致するか否かを判定する(S110)。
管理端末10は、第2センサ33から受信した制服番号が第1センサ23から受信した制服番号と一致していると判定したときは、解錠信号送信部12Aを用いて、解錠信号をドア鍵制御器22へ送信する(S120)と共に、記憶されている制服番号を記憶部DB1から削除する。
【0076】
ドア鍵制御器22は、管理端末10から解錠信号を受信すると、ドア21の解錠制御を行い(S130)、ドア21は解錠され(S140)、従業員Uはドア21を開閉して(S150)ロッカールーム20から退室することが可能となる。
従業員Uがロッカールーム20からの退室した後、ドア21は再び施錠される(S160)。
【0077】
ここで、ドア21の解錠状態(S140)を一定時間に限定するように構成してもよい。すなわち、前述のとおり、ドア鍵制御器22は管理端末10から解錠信号を受信してドア21の解錠制御を行うが、この解錠制御から所定の時間が経過すると、ドア21が開閉されたか否かに関わらず、ドア鍵制御器22はドア21の施錠制御を行う。この構成によれば、ドア21が長時間、解錠状態にされたままとなるのを防止することができる。
なお、所定時間の経過は、ドア鍵制御器22内の手段で判定するようにしてもよいし、あるいは、管理端末10内の手段で判定してドア鍵制御器22に通知するようにしてもよい。
【0078】
以上説明した実施形態によれば、第2センサ33が読み取った制服番号が記憶部DB1に記憶されているとき、つまり、ロッカールーム20への入室時に従業員Uが着用していた制服40が戸棚30に格納されたときに、ドア21の施錠を解除することができる。したがって、従業員Uは、ロッカールーム20への入室時に着用していた制服40を戸棚30に格納しなければ退室することができない。また、入室時に着用していた制服と戸棚30に格納した制服が異なるときも、ドア21の施錠は解除されず、従業員Uはロッカールーム20から退室することができない。
【0079】
なお、以上説明した実施の形態は、管理端末10が、第1センサ23で読み取られた制服番号を記憶部DB1に一時的に記憶しておき、第2センサ33で読み取られた制服番号が記憶部DB1に記憶されているとき、つまり、第2センサ33で読み取られた制服番号と第1センサ33で読み取られた制服番号が一致すると判定したときに、解錠信号をドア鍵制御器22に送信すると共に、記憶されている制服番号を記憶部DB1から削除するものであった。
【0080】
これに対して、制服番号の記憶部DB1への記憶方法については、図3(a)に示したように、従業員Uがロッカールーム20を訪れる前に、予め返却情報と関連付けて記憶するようにしてもよい。つまり、たとえば、管理端末10は、第2センサ33で読み取られた制服番号が記憶部DB1に記憶されていると判定したときに、解錠信号をドア鍵制御器22に送信すると共に、読み取られた制服番号と関連付けて記憶されている返却情報を「返却済」に更新するように構成してもよい。
【0081】
なお、ロッカールームシステムは、入室時に第1センサ23で制服番号を読み取って管理端末10に送信することなく、たとえば、第2センサ33が物品に添付された荷札を感知したときに、解錠信号をドア鍵制御器22に送信するように構成してもよい。すなわち、図7に示すように、図6中の(S10)〜(S50)、(S70)の処理を省略するように構成してもよい。ここで、第2センサ33は、荷札を感知する(S91)と、その旨を管理端末10に送信する。管理端末10は、第2センサ33から荷札の感知の通知を受信する(S101)と、解錠信号をドア鍵制御器22に送信する(S120)。
このように、ロッカールーム20への入室用のドアは施錠されておらず、従業員Uが取っ手21Aを操作することで開く(ロッカールーム20へは自由に入室できる)ように構成してもよい。ただし、この場合、入室用のドアはロッカールーム20内からは開けることができないなど、この入室用のドアからの退室は不可能となるように構成されていなければならない。
【0082】
次に、本発明の別の実施形態について、先に説明した実施形態と異なる部分を中心に説明する。
本実施形態は、従業員Uのロッカールーム20への入室時および退室時のドア21の解錠を、従業員Uの従業員番号に基づいて行うものである。
なお、記憶部DB1には、従業員Uが制服40を返却するためにロッカールーム20を訪れる前に、予め、図3(b)に示したように、従業員Uの従業員番号と制服40の制服番号が記憶されているものとする。
【0083】
図8は、本実施形態の例を示すシーケンス図である。なお、図6に示した実施形態と共通する処理(S130)〜(S160)は、記載を省略している。
【0084】
(入室時について)
従業員Uがロッカールーム20への入室をする際、利用者ID読取器24は、従業員Uの従業員番号を読み取り(T10)、管理端末10に送信する。
管理端末10は、利用者ID読取器24から従業員Uの従業員番号を受信し(T20)、この従業員番号が記憶部DB1に記憶されているか否か判定する(T25)。
管理端末10は、受信した利用者IDが記憶DB1に記憶されていると判定したときにのみ、解錠信号をドア鍵制御器22に送信する(S30)。
【0085】
(退室時について)
管理端末10は、2センサ33から制服番号を受信すると(S100)、この制服番号が、利用者ID読取器24から受信した従業員番号と関連付けて記憶部DB1に記憶されているか否か判定する(T110)。
管理端末10は、第2センサ33から受信した制服番号が利用者ID読取器24から受信した従業員番号と関連付けて記憶部DB1に記憶されていると判定したときにのみ、解錠信号をドア鍵制御器22に送信する(S120)。
【0086】
なお、管理端末10は、第2センサ33から受信した制服番号が利用者ID読取器24から受信した従業員番号と関連付けて記憶部DB1に記憶されていると判定した場合、この制服番号と利用者IDを記憶部DB1から削除する。あるいは、記憶部DB1には、制服番号を従業員番号のほか返却情報と関連付けて記憶しておき、管理端末10は、上記判定をした場合に、返却情報を「未返却」から「返却済」に更新するように構成してもよい。
【0087】
以上説明した実施形態によれば、入室時には、ロッカールーム20を訪れた従業員の従業員番号が記憶部DB1に記憶されているときにのみ、ドア21を解錠することができる。つまり、たとえば、制服を貸与されていない従業員など、ロッカールーム20への入室が予定されていない従業員は、ロッカールーム20に入室することができない。
【0088】
また、退室時には、ロッカールーム20に入室した従業員の従業員番号が、戸棚30に返却された制服40の制服番号と関連付けて記憶部DB1に記憶されているときにのみ、ドア21を解錠して従業員Uを退室させることができる。つまり、従業員は、自分自身に貸与されている制服を返却したときにのみ、ロッカールーム20から退室することができ、たとえば、他人に貸与されている制服を返却したとしても退室することができない。
【0089】
次に、本発明のさらに別の実施形態について、先に説明した実施形態と異なる部分を中心に説明する。
本実施形態は、制服40が格納された戸棚30の扉32が施錠されたときにのみ、ドア21を解錠するようにしたものである。
図9は、本実施形態の例を示すシーケンス図である。なお、図6に示した実施形態と共通する処理(S10)〜(S70)(S140)〜(S160)は、記載を省略している。
【0090】
従業員Uが戸棚30に制服40を格納すると、管理端末10は、第2センサ33から制服40の制服番号を受信する(S100)。また、従業員Uが制服40を格納した状態で戸棚30の扉32を施錠すると、管理端末10は、施錠情報送信部35から施錠情報を受信する(U105)。
【0091】
ここで、施錠情報送信部35は、戸棚30の格納庫31内に制服40が格納されているときにのみ、施錠情報を管理端末10に送信するように構成されている。したがって、たとえば、従業員Uが格納庫31に制服40を格納した後に、この制服を格納庫41から取り出して扉32を施錠したときには、施錠情報は管理端末10に送信されない。つまり、第2センサ33は常に(一定時間間隔で)格納庫31内の制服番号の感知を行い、制服番号を読み取ると格納済みである旨を施錠情報送信部35に通知し、制服番号を読み取ることができないと(たとえば、制服40が格納庫31から取り出されたとき)未格納である旨を施錠情報送信部35に通知する。このような構成により、施錠情報送信部35は、第2センサ33がICタグ41を感知している最中に扉32が施錠されたときにのみ、施錠情報を管理端末10に送信する。
【0092】
管理端末10は、制服番号と施錠情報を受信したか否かを判定する(U110)。判定の結果、制服番号と施錠情報を受信したときにのみ、管理端末10は、解錠信号をドア鍵制御器22に送信し(S120)、ドア鍵制御器22はドア21の解錠制御を行う(S130)。
【0093】
以上説明した実施形態によれば、制服40が戸棚30に格納された状態で扉32が施錠されたときにのみ、ドア21を解錠して従業員Uを退室させることができる。
【0094】
次に、本発明のさらに別の実施形態について、先に説明した実施形態と異なる部分を中心に説明する。
本実施形態は、従業員Uが制服を着用したままロッカールーム20から退室しようとしてドア21に近づいた場合に、ドア21の解錠を禁止、つまり、ドア21を施錠するものである。
【0095】
なお、従業員Uが制服を着用したままドア21に近づく例としては、従業員Uがロッカールーム20への入室時に着用していた制服を、そのまま着用して退室しようとする場合がある。また、従業員Uがロッカールーム20への入室時に着用していた制服を、一旦は戸棚30に格納し、その後、戸棚30から取り出して着用する場合がある。さらには、従業員Uが入室時に着用していた制服を戸棚30に格納した上で、ロッカールーム20内に存在する別の制服、たとえば、別の従業員が戸棚に格納(返却)していた制服を持ち出そうとする場合がある。
【0096】
図10は、本実施形態の例を示すシーケンス図である。なお、図6に示した実施形態と共通する処理(S10)〜(S110)は、記載を省略している。
前述のとおり、従業員Uが戸棚30に制服40を格納すると、管理端末10は、ドア鍵制御器22に解錠信号を送信する(S120)。解錠信号を受信したドア鍵制御器22は、ドア21を解錠制御する(S130)。その結果、ドア21は解錠される(S140)。
解錠されたドア21は、取っ手21Bの操作により開くので、この状態であれば従業員Uはロッカールーム20から退室することができる。
【0097】
しかし、従業員Uが制服を着用したままロッカールーム20から退室しようと解錠されたドア21に近づくと、第3センサ25が従業員Uの着用している制服のICタグから制服番号を読み取り(V131)、管理端末10に送信する。
【0098】
管理端末10は、第3センサ25から制服番号を受信すると、この制服番号を記憶部DB1に記憶する(V132)と共に、解錠禁止信号をドア鍵制御器22に送信する(V133)。解錠禁止信号を受信したドア鍵制御器22は、ドア21の施錠制御を行う(V134)。その結果、ドア21は施錠される(V135)。
【0099】
施錠されたドア21は、取っ手21Bが操作されても開かないので、この状態では、従業員Uがロッカールーム20から退室することはできない。そこで、従業員Uがドア21に近づく際に着用していた制服を戸棚30に格納すると(V136)、第2センサ33が制服番号を読み取る(V137)。
管理端末10は、第2センサ33から制服番号を受信する(V138)と、この制服番号が記憶部DB1に記憶されているか否かを判定する(V139)。管理端末10は、制服番号が記憶部DB1に記憶されていると判定されたときにのみ、解錠信号をドア鍵制御器22に送信する(V140)。
【0100】
管理端末10から解錠信号を受信したドア鍵制御器22は、ドア21の解錠制御を行う(V141)。その結果、ドア21は解錠される(S140)。 その後、従業員Uが制服を着用することなく、ロッカールーム20から退室しようとしてドア21の取っ手21Bを操作すると、ドア21は開閉され、従業員Uはロッカールーム20から退室することができる(S150)。その後、ドア21は施錠される(S160)。
【0101】
以上説明した実施形態によれば、一旦ドア21が解錠されたとしても、制服を着用したまま従業員Uがロッカールーム20から退室しようとすれば、ドア21の解錠を禁止、つまり、施錠することができる。
【0102】
次に、本発明のさらに別の実施形態について、先に説明した実施形態と異なる部分を中心に説明する。
本実施形態は、ドア21を解錠するために必要な解錠情報を従業員Uに通知して、ドア鍵制御器22がこの解錠情報を取得することでドア21を解錠するようにしたものである。
図11は、本実施形態の例を示すシーケンス図である。なお、図6に示した実施形態と共通する処理(S10)〜(S90)は、記載を省略している。
【0103】
前述のとおり、従業員Uが戸棚30に制服40を格納すると、管理端末10は、第2センサ33から制服番号を受信し(S100)、ドア21の解錠の可否を判定する(S110)。
【0104】
ここで、管理端末10は、受信した制服番号が記憶部DB1に記憶されていると判定したときにのみ、解錠番号を決定する(W111)。解錠番号とは、解錠情報の例であり、ここでは4桁の数字の組合せとする。
管理端末10は、決定した解錠番号を戸棚30とドア鍵制御器22に送信する(W112)。
【0105】
戸棚30は、受信した解錠番号を表示部36に表示する(W113)。図5(a)は、表示部36に解錠番号「1234」が表示されていることを示している。
一方、ドア鍵制御器22は、その内部の記憶手段(図示省略)に受信した解錠番号を記憶する(W114)。
【0106】
従業員Uは、表示部36に表示された解錠番号「1234」をドア解錠番号入力部26に入力する(W115)。入力された解錠番号は、ドア解錠番号入力部26からドア鍵制御器22に通知される。
【0107】
ドア鍵制御器22は、ドア解錠番号入力部26から解錠番号を取得する(W116)と、この取得した解錠番号が管理端末10から受信して記憶しておいた解錠番号と一致するか否か判定する(W117)。判定の結果、両者が一致するときにのみ、ドア鍵制御器22はドア21の解錠制御を行う(S130)。その結果、ドア21は解錠され(S140)、従業員Uはドア21を開閉してロッカールーム20から退室することができる(S150)。その後、ドア21は施錠される(S160)。
なお、ドア鍵制御器22は、ドア21の解錠制御を行う際に、管理端末10から受信して記憶しておいた解錠番号を記憶部から削除する。
【0108】
以上説明した実施形態によれば、ドア21の解錠に必要な解錠番号を従業員Uに閲覧させ、この解錠番号が入力器26から入力されたときにのみ、ドア21を解錠することができる。
【0109】
なお、管理端末10は、決定した解錠番号を、表示部36に表示するのに代えて、表示部27に表示する、あるいは、表示部27と36の双方に表示するように構成してもよい。
【0110】
以上、制服番号の記憶部DB1への記憶方法について、種々の実施形態を説明したが、制服番号の記憶部DB1への記憶方法については、図3(c)に示したように、戸棚IDと関連付けて記憶するようにしてもよい。つまり、たとえば、従業員Uが制服40を戸棚30に返却した際に、管理端末10は、戸棚30の第2センサ33から制服40の制服番号を受信すると共に、図示しない手段から戸棚30の戸棚IDを受信する。管理端末10は、受信した制服番号と戸棚IDを関連付けて記憶部DB1に記憶すると共に、解錠信号をドア鍵制御器22に送信する。
【0111】
また、返却される制服の制服番号の記憶部DB1への記憶方法と、解錠信号の送信方法については、前述の各実施の形態のほかに、種々のバリエーションがあり、前述の実施の形態を組み合わせてもよい。たとえば、管理端末10は、第1センサ23から受信した制服番号を記憶部DB1に記憶しておき、戸棚30から戸棚IDと共に制服番号を受信した際に、この制服番号が記憶部DB1に記憶されていると判定したときに、受信した制服番号を記憶済の制服番号と関連付けて記憶すると共に、解錠信号をドア鍵制御器22に送信するようにしてもよい。あるいは、制服番号を従業員番号と戸棚IDを関連付けて記憶するようにしてもよい。つまり、記憶部DB1には従業員番号と関連付けて制服番号が記憶されていて、管理端末10は、戸棚30から制服番号と戸棚IDを受信し、この戸棚IDを記憶済の制服番号と関連付けて記憶すると共に、解錠信号をドア鍵制御器22に送信するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】本発明にかかるロッカールームシステムの実施の形態を示す模式図である。
【図2】上記ロッカールームシステムを構成する管理端末の例を示すブロック図である。
【図3】上記管理端末の記憶部に記憶されている情報の例を示す模式図である。
【図4】上記ロッカールームシステムを構成する退室用のドアの例を示す模式図であり、(a)はロッカールームの外側から見た様子、(b)はロッカールームの内側から見た様子、を示す。
【図5】上記ロッカールームシステムを構成する戸棚の例を示す模式図であり、(a)は扉を閉じた状態、(b)は扉を開けた状態、を示す。
【図6】上記ロッカールームシステムの実施の形態を示すシーケンス図である。
【図7】上記ロッカールームシステムの別の実施の形態を示すシーケンス図である。
【図8】上記ロッカールームシステムのさらに別の実施の形態を示すシーケンス図である。
【図9】上記ロッカールームシステムのさらに別の実施の形態を示すシーケンス図である。
【図10】上記ロッカールームシステムのさらに別の実施の形態を示すシーケンス図である。
【図11】上記ロッカールームシステムのさらに別の実施の形態を示すシーケンス図である。
【符号の説明】
【0113】
1 ロッカールームシステム
10 ロッカールーム管理端末
20 ロッカールーム
21 ロッカールームからの退室用のドア
22 ドア鍵制御器
23 第1センサ
25 第3センサ
30 戸棚
33 第2センサ
U 利用者

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロッカールームへの入室用のドアの開閉を制御する第1の鍵制御手段と、
ローカールームからの退室用のドアの開閉を制御する第2の鍵制御手段と、
ロッカールーム外に設置され、ロッカールーム内に持ち込まれる物品に添付された荷札からこの物品を特定する物品IDを読み出す第1のセンサと、
「ロッカールーム内に持ち込まれた物品を格納し」かつ「ロッカールーム内に設置された」戸棚内に設けられ、この戸棚内に格納された物品に添付された荷札からこの物品を特定する物品IDを読み出す第2のセンサ、
のそれぞれと通信ネットワークを介して接続した情報処理装置であって、
上記第1のセンサが読み出した物品IDをこの第1のセンサから受信して記憶する記憶手段と、
上記第1のセンサから物品IDを受信したとき、上記入室用のドアを解錠状態にさせるための解錠信号を上記第1の鍵制御手段に送信する手段と、
上記第2のセンサが読み出した物品IDをこの第2のセンサから受信し、この受信した物品IDが上記記憶手段に記憶されているか否かを判定する判定手段と、
上記判定手段による判定の結果、上記第2のセンサから受信した物品IDが上記記憶手段に記憶されているときに、上記退室用のドアを解錠状態にさせるための解錠信号を上記第2の鍵制御手段に送信する手段と、
を有してなることを特徴とするロッカールーム管理端末。
【請求項2】
ロッカールームへの入室用のドアの開閉を制御する第1の鍵制御手段と、
ロッカールームからの退室用のドアの開閉を制御する第2の鍵制御手段と、
ロッカールーム外に設置され、ロッカールーム内に持ち込まれる物品に添付された荷札からこの物品を特定する物品IDを読み出す第1のセンサと、
「ロッカールーム内に持ち込まれた物品を格納し」かつ「ロッカールーム内に設置された」戸棚内に設けられ、この戸棚内に格納された物品に添付された荷札からこの物品を特定する物品IDを読み出す第2のセンサと、
ロッカールーム内に設置され、上記退室用のドアの施錠を解除するために必要な解錠情報を表示する表示手段と、
ロッカールーム内に設置され、物品をロッカールーム内に持ち込んだ利用者に上記表示手段に表示された解錠情報を入力させる入力手段、
のそれぞれと通信ネットワークを介して接続した情報処理装置であって、
上記第1のセンサが読み出した物品IDをこの第1のセンサから受信して記憶する記憶手段と、
上記第1のセンサから物品IDを受信したとき、上記入室用のドアを解錠状態にさせるための解錠信号を上記第1の鍵制御手段に送信する手段と、
上記第2のセンサが読み出した物品IDをこの第2のセンサから受信し、この受信した物品IDが上記記憶手段に記憶されているか否かを判定する判定手段と、
上記判定手段による判定の結果、上記第2のセンサから受信した物品IDが上記記憶手段に記憶されているときに、上記退室用のドアの施錠を解除するために必要な解錠情報を決定して上記表示手段に表示させる手段と、
上記決定された解錠情報を記憶する記憶部と、
上記物品をロッカールーム内に持ち込んだ利用者が入力した解錠情報を上記入力手段から受信し、この受信した解錠情報が上記記憶部に記憶されているか否かを判定し、この判定の結果、上記入力手段から受信した解錠情報が上記記憶部に記憶されているときにのみ上記退室用のドアを解錠状態にさせるための解錠信号を上記第2の鍵制御手段に送信する手段と、
を有してなることを特徴とするロッカールーム管理端末。
【請求項3】
戸棚には扉が設けられ、この戸棚の扉が施錠されたことを感知する第3のセンサと通信ネットワークを介して接続し、
上記戸棚の扉が施錠されたことを示す施錠情報を上記第3のセンサから受信する手段と、
判定手段は、上記第3のセンサから施錠情報を受信したときに、第2のセンサから受信した物品IDが記憶手段に記憶されているか否かを判定する、
請求項1または2記載のロッカールーム管理端末。
【請求項4】
ロッカールーム内であって退室用のドアの近傍に設置され、このドアに接近する物品に添付された荷札を感知する第4のセンサと通信ネットワークを介して接続し、
上記第4のセンサが荷札を感知したことを示す情報をこの第4のセンサから受信する手段と、
上記第4のセンサから荷札を感知したことを示す情報を受信したときに、退室用のドアを施錠状態にさせるための情報を第2の鍵制御手段に送信する手段と、
をさらに備えた請求項1乃至3のいずれかに記載のロッカールーム管理端末。
【請求項5】
コンピュータを、請求項1乃至4のいずれかに記載のロッカールーム管理端末として機能させることを特徴とするロッカールーム管理プログラム。
【請求項6】
ロッカールームへの入室用のドアの開閉を制御する第1の鍵制御手段と、
ローカールームからの退室用のドアの開閉を制御する第2の鍵制御手段と、
ロッカールーム外に設置され、ロッカールーム内に持ち込まれる物品に添付された荷札からこの物品を特定する物品IDを読み出す第1のセンサと、
「ロッカールーム内に持ち込まれた物品を格納し」かつ「ロッカールーム内に設置された」戸棚内に設けられ、この戸棚内に格納された物品に添付された荷札からこの物品を特定する物品IDを読み出す第2のセンサ、
のそれぞれと通信ネットワークを介して接続し、
上記第1のセンサが読み出した物品IDを記憶するための記憶手段を備えた情報処理装置により実行される方法であって、
上記情報処理装置が、上記第1のセンサが読み出した物品IDをこの第1のセンサから受信して上記記憶手段に記憶するステップと、
上記第1のセンサから物品IDを受信したとき、上記情報処理装置が、上記入室用のドアを解錠状態にさせるための解錠信号を上記第1の鍵制御手段に送信するステップと、
上記情報処理装置が、上記第2のセンサが読み出した物品IDをこの第2のセンサから受信し、この受信した物品IDが上記記憶手段に記憶されているか否かを判定するステップと、
上記判定の結果、上記第2のセンサから受信した物品IDが上記記憶手段に記憶されているときに、上記情報処理装置が、上記退室用のドアを解錠状態にさせるための解錠信号を上記第2の鍵制御手段に送信するステップと、
を有してなることを特徴とするロッカールーム管理方法。
【請求項7】
ロッカールームへの入室用のドアの開閉を制御する第1の鍵制御手段と、
ロッカールームからの退室用のドアの開閉を制御する第2の鍵制御手段と、
ロッカールーム外に設置され、ロッカールーム内に持ち込まれる物品に添付された荷札からこの物品を特定する物品IDを読み出す第1のセンサと、
「ロッカールーム内に持ち込まれた物品を格納し」かつ「ロッカールーム内に設置された」戸棚内に設けられ、この戸棚内に格納された物品に添付された荷札からこの物品を特定する物品IDを読み出す第2のセンサと、
ロッカールーム内に設置され、上記退室用のドアの施錠を解錠するために必要な解錠情報を表示する表示手段と、
上記ロッカールーム内に物品を持ち込んだ利用者に上記表示手段に表示された解錠情報を入力させる入力手段、
のそれぞれと通信ネットワークを介して接続し、
上記第1のセンサが読み出した物品IDを記憶するための記憶手段と、
上記表示手段に表示された解錠情報を記憶するための記憶部と、
を備えた情報処理装置により実行される方法であって、
上記情報処理装置が、上記第1のセンサが読み出した物品IDをこの第1のセンサから受信して上記記憶手段に記憶するステップと、
上記第1のセンサから物品IDを受信したとき、上記情報処理装置が、上記入室用のドアを解錠状態にさせるための解錠信号を上記第1の鍵制御手段に送信するステップと、
上記情報処理装置が、上記第2のセンサが読み出した物品IDをこの第2のセンサから受信し、この受信した物品IDが上記記憶手段に記憶されているか否かを判定するステップと、
上記判定の結果、上記第2のセンサから受信した物品IDが上記記憶手段に記憶されているときに、上記情報処理装置が、上記退室用のドアの施錠を解除するために必要な解錠情報を決定して上記表示手段に表示させると共に、上記決定された解錠情報を上記記憶部に記憶するステップと、
上記情報処理装置が、上記物品をロッカールーム内に持ち込んだ利用者が入力した解錠情報を上記入力手段から受信し、この受信した解錠情報が上記記憶部に記憶されているか否かを判定し、この判定の結果、上記入力手段から受信した解錠情報が上記記憶部に記憶されているときにのみ上記退室用のドアを解錠状態にさせるための解錠信号を上記第2の鍵制御手段に送信するステップと、
を有してなることを特徴とするロッカールーム管理端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−247391(P2007−247391A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−63860(P2007−63860)
【出願日】平成19年3月13日(2007.3.13)
【分割の表示】特願2006−41887(P2006−41887)の分割
【原出願日】平成18年2月20日(2006.2.20)
【出願人】(504251333)エヌ・ティ・ティジーピー・エコ株式会社 (13)
【Fターム(参考)】