説明

ロボット制御装置及び方法

【課題】コストの増加等の問題を生ずることなく、把持動作の成功率を向上させる。
【解決手段】本発明に係るロボット制御装置は、ロボットの体幹部に搭載され作業領域の画像情報を取得する撮像装置2と、撮像装置2により取得された画像情報に基づいて物体の位置を認識する物体位置認識部3と、物体位置認識部3により認識された物体の位置に基づいてアーム部を動作させるアーム制御部4と、撮像装置3により取得された画像情報に基づいてハンド部、物体、及び撮像装置の相対的な位置関係を認識し、この位置関係に基づいてハンド部が適正位置にあるか否かを判定するハンド位置判定部5と、ハンド部が適正位置にあると判定された場合にハンド部に物体を把持する動作を実行させるハンド制御部6と、ハンド部が適正位置にないと判定された場合にアーム部にハンド部を適正位置に移動させる動作を実行させるアーム修正動作部7とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体を把持することが可能なロボットを制御する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、アーム部の先端に備えられたハンド部により、所定の物体を把持することが可能なロボットが開発されている。通常、このようなロボットは、物体位置の認識、アーム部の動作、ハンド部の動作等を自律的に実行する。把持動作を成功させるためには、ハンド部の動作を開始する前に、ハンド部を的確な位置に配置することが必要である。このようなハンド部の配置は、アーム部の動作によって行われ、アーム部の動作は、カメラ等の手段を用いた物体位置の認識結果に基づいて行われる。従って、物体位置の認識やアーム部の動作が正確に行われないと、ハンド部を的確な位置に配置することができず、把持動作を失敗する可能性が大きくなる。
【0003】
上記のような問題に対処する先行技術として、次のようなものがある。特許文献1及び2は、ロボットの頭部及びハンド部にカメラを搭載し、頭部のカメラによる映像上でハンド部が物体と重なった場合に、ハンド部のカメラによる映像により、物体位置の認識を可能にする構成を開示している。特許文献3は、カメラをロボットとは別体に設置することにより、物体を撮像する際のハンド部、アーム部等による死角をなくす構成を開示している。
【0004】
また、ロボットの物体認識に関する他の先行技術として、次のようなものがある。特許文献4は、自律歩行型のロボットが目標物に近づく際に、目標物までの距離や方向を判別するための構成を開示している。特許文献5及び6は、自律移動ロボットの位置を、単眼視カメラにより撮像したワークの画像情報に基づいて求める構成を開示している。特許文献7は、カメラの撮像方向を自律的に切り換えるロボットにおいて、周囲の空間を単位ブロックに分割し、各ブロックを撮像した撮像時刻情報を基に撮像方向を決定する構成を開示している。特許文献8は、利用者からの命令により物体を運搬するロボットにおいて、カメラにより撮像された情報に基づいて、目的物の探索等を行う構成を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−216350号公報
【特許文献2】特開2007−319938号公報
【特許文献3】特開平05−138582号公報
【特許文献4】特開2008−076094号公報
【特許文献5】特開平06−258028号公報
【特許文献6】特開平07−103715号公報
【特許文献7】特開2004−229003号公報
【特許文献8】特開2003−345435号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1及び2に記載の構成は、複数のカメラを必要とするため、コストの増加、画像処理の複雑化・高負荷化等の点で改善の余地がある。また、特許文献3に記載の構成においては、複数のカメラを必要とすることによる問題に加え、ロボットの使用場所が制限されるという問題が存する。
【0007】
そこで、本発明は、コストの増加、使用場所の制限等の問題を生ずることなく、高い確率で把持動作を成功させることができるロボットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題の解決を図る本発明は、所定の自由度を有する動作が可能なアーム部と、前記アーム部の先端部に設けられ所定の物体を把持することが可能なハンド部とを備えるロボットを制御する装置であって、前記アーム部の他端部が接続される前記ロボットの体幹部に搭載され、作業領域の画像情報を取得する撮像装置と、前記撮像装置により取得された画像情報に基づいて、前記物体の位置を認識する物体位置認識部と、前記物体位置認識部により認識された前記物体の位置に基づいて、前記アーム部を動作させるアーム制御部と、前記撮像装置により取得された画像情報に基づいて、前記ハンド部、前記物体、及び前記撮像装置の相対的な位置関係を認識し、前記位置関係に基づいて、前記ハンド部が前記物体を把持する動作を実行するのに適した適正位置にあるか否かを判定するハンド位置判定部と、前記ハンド位置判定部により前記ハンド部が前記適正位置にあると判定された場合に、前記ハンド部に前記物体を把持する動作を実行させるハンド制御部と、前記ハンド位置判定部により前記ハンド部が前記適正位置にないと判定された場合に、前記アーム部に前記ハンド部を前記適正位置に移動させる動作を実行させるアーム修正動作部とを備えるものである。
【0009】
上記本発明によれば、先ず前記撮像装置により取得された画像情報に基づいて、前記物体の位置が認識され、この認識結果に基づいて、前記アーム部の動作が決定される。そして、前記アーム部の動作により、前記ハンド部が、前記物体の把持が可能となる適正位置に配置される。ここで、本発明においては、前記ハンド部が前記物体を把持する動作を実行する前に、前記ハンド位置判定手段により、前記ハンド部の位置が適正なものであるか否かが判定される。即ち、前記撮像装置により取得された画像情報に基づいて、前記ハンド部、前記物体、及び前記撮像装置の相対的な位置関係を把握し、この位置関係が設定条件に適合するか否かを判定することにより、前記ハンド部が前記適正位置にあるか否かが判定される。例えば、前記ハンド部が前記物体を確実に把持することができる位置にある時の前記位置関係を、予め設定しておくことにより、上記判定が可能となる。そして、前記ハンド部が前記適正位置にないと判定された場合には、前記アーム修正動作部により、前記ハンド部の位置を修正するために、前記アーム部の動作が再度実行される。このように、前記ハンド部が前記適正位置に配置されるまで、前記アーム部の動作が繰り返され、前記ハンド部は、前記適正位置に配置された後でなければ把持動作を実行しない。これにより、把持動作の成功率を向上させることができる。また、本発明によれば、前記撮像装置を前記ハンド部や前記アーム部、又は外部施設に搭載する必要がなく、画像処理にかかる負荷も軽度なものとなる。
【0010】
また、前記ハンド位置判定部は、前記撮像装置の撮像範囲内に、前記ハンド部が存在し且つ前記物体が存在しない場合に、前記ハンド部が前記適正位置にあると判定することが好ましい。
【0011】
前記ハンド部が前記適正位置にある場合、前記体幹部に搭載される前記撮像装置からの映像上では、前記物体が前記ハンド部に隠れ、前記物体が存在しないように見える。従って、前記撮像装置からの映像において、前記ハンド部が存在すると共に前記物体が存在しない状態となった場合に、前記ハンド部が前記適正位置にあると判定することができる。
【0012】
また、前記ハンド部が所定の構築物に接触したことを検知する接触検知部を備え、前記アーム制御部は、前記接触検知部により前記ハンド部の接触が検知された場合に、前記アーム部の動作を停止させることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、前記物体やこの物体が載置された机等の構築物に前記ハンド部が接触すると、前記アーム部が停止される。これにより、前記ハンド部を前記適正位置、又はその近辺で停止させることができる。
【0014】
また、本発明は、所定の自由度を有する動作が可能なアーム部と、前記アーム部の先端部に設けられ所定の物体を把持することが可能なハンド部と、前記アーム部の他端部が接続される前記ロボットの体幹部に搭載され作業領域の画像情報を取得する撮像装置とを備えるロボットを制御する方法であって、前記撮像装置により取得された画像情報に基づいて、前記物体の位置を認識する物体位置認識ステップと、前記物体位置認識ステップにより認識された前記物体の位置に基づいて、前記アーム部を動作させるアーム制御ステップと、前記撮像装置により取得された画像情報に基づいて、前記ハンド部、前記物体、及び前記撮像装置の相対的な位置関係を認識し、前記位置関係に基づいて、前記ハンド部が前記物体を把持する動作を実行するのに適した適正位置にあるか否かを判定するハンド位置判定ステップと、前記ハンド位置判定ステップにより前記ハンド部が前記適正位置にあると判定された場合に、前記ハンド部に前記物体を把持する動作を実行させるハンド制御ステップと、前記ハンド位置判定ステップにより前記ハンド部が前記適正位置にないと判定された場合に、前記アーム部に前記ハンド部を前記適正位置に移動させる動作を実行させるアーム修正動作ステップとを備えるものである。
【0015】
上記方法による作用効果は、上記装置によるものと同様である。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明によれば、ハンド部、アーム部、又は外部施設等に、複数の撮像装置を搭載することなく、ハンド部を確実に適正位置に配置することが可能となる。これにより、コストの増加、使用場所の制限等の問題を生ずることなく、把持動作の成功率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、本発明に係るロボット制御装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図2】図2(a)は、本発明のロボット制御装置が適用されるロボットの使用状況例を示す図であり、図2(b)は、図2(a)に示す使用状況におけるロボットの撮像装置による映像例を示す図である。
【図3】図3(a)は、本発明のロボット制御装置が適用されるロボットの使用状況例を示す図であり、図3(b)は、図3(a)に示す使用状況におけるロボットの撮像装置による映像例を示す図である。
【図4】図4は、ハンド位置判定部における具体的な処理例を示すブロック図である。
【図5】図5は、本発明の実施の形態に係るロボット制御装置による処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】図6は、本発明の実施の形態に係る接触検知部の構成例を示す図である。
【図7】図7(a)は、ハンド部の位置を修正する前の状態を示す図であり、図7(b)は、ハンド部の位置を修正した後の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
実施の形態1
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明に係るロボット制御装置1の構成を示す機能ブロック図である。このロボット制御装置1は、撮像装置2、物体位置認識部3、アーム制御部4、ハンド位置判定部5、ハンド制御部6、アーム修正動作部7を備えている。
【0019】
撮像装置2は、レンズ、CCD(Charge Coupled Device)センサ、イメージプロセッサ等を備える周知のデジタルビデオカメラ等の装置であり、ロボットの作業範囲の画像情報を取得するものである。
【0020】
物体位置認識部3は、撮像装置2により取得された画像情報に基づいて、把持動作の対象となる物体の位置を認識する。この物体位置認識部3は、中央処理装置(CPU)、記憶装置(ROM,RAM等)、入出力装置(I/Oポート)、所定のプログラム等の協働により構成される。
【0021】
アーム制御部4は、物体位置認識部3により認識された物体の位置に基づいて、ロボットのアーム部を動作させる。このアーム制御部4は、中央処理装置、記憶装置、入出力装置、所定のプログラム等の協働により構成される。
【0022】
ハンド位置判定部5は、撮像装置2により取得された画像情報に基づいて、ハンド部、物体、及び撮像装置2の相対的な位置関係を認識し、この位置関係に基づいて、ハンド部が物体を把持する動作を実行するのに適した適正位置にあるか否かを判定する。このハンド位置判定部5は、中央処理装置、記憶装置、入出力装置、所定のプログラム等の協働により構成される。
【0023】
ハンド制御部6は、ハンド位置判定部5によりハンド部が適正位置にあると判定された場合に、ハンド部に物体を把持する動作を実行させる。このハンド制御部6は、中央処理装置、記憶装置、入出力装置、所定のプログラム等の協働により構成される。
【0024】
アーム修正動作部7は、ハンド位置判定部5によりハンド部が適正位置にないと判定された場合に、アーム部にハンド部を適正位置に移動させる動作を実行させる。このアーム修正動作部7は、中央処理装置、記憶装置、入出力装置、所定のプログラム等の協働により構成される。
【0025】
図2(a)及び図3(a)は、上記構成のロボット制御装置1が適用されるロボット11の例を示している。同図において、ロボット11のアーム部12、ハンド部13、撮像装置2、体幹部14、駆動部15が示されている。アーム部12は、各種の関節構造やアクチュエータを備え、所定の自由度を有する動作が可能な機構である。ハンド部13は、アーム部12の一端部に設けられ、各種の関節構造やアクチュエータを備え、所定の物体21を把持可能な、例えば指形状の機構を備えるものである。体幹部14は、ロボット11の体躯を構成する部分であり、アーム12の他端部が接続されている。また、体幹部14の一部を構成する頭部16には、撮像装置2が搭載されている。更に、体幹部14の下部には、車輪、モータ等から構成される駆動部15が設けられている。また、同図において、ハンド部13による把持動作の対象となる物体21、物体21が載置される机22が示されている。
【0026】
図2(b)は、図2(a)に示す状態にあるロボット11の撮像装置2から得られる映像を概略的に示している。同図に示す映像は、机22上の物体21が存在する状態となっている。図3(b)は、図3(a)に示す状態にあるロボット11の撮像装置2から得られる映像を概略的に示している。同図に示す映像は、ハンド部3と物体21とが重なっていることにより、物体21が存在しないかのような状態となっている。
【0027】
図4は、ハンド位置判定部5(図1参照)における具体的な処理例を示している。本実施の形態に係るハンド位置判定部5は、ハンド部13(又は物体21)周辺の画像情報を、撮像装置2から取得し(S11)、所定の制御プログラムに従ってこの画像情報の分析処理を行う(S12)。そして、このS12において、ハンド部13周辺に物体21が存在しない(映っていない)と判定された場合(物体なし)には、ハンド部13が適正位置にあると判定する(OK)。一方、ハンド部13周辺に物体21が存在する(映っている)と判定された場合(物体あり)には、ハンド部13は適正位置にないと判定する(NG)。即ち、ハンド部13周辺に物体21が存在しないように見えるのは、図3(b)に示すように、撮像装置2の映像上でハンド部13が物体21と重なっているためであり、この時ハンド部13は物体21を把持するための適正な位置にあると判定することができる。
【0028】
図5は、上記構成のロボット制御装置1による処理の流れを示している。先ず、物体位置認識部3により、撮像装置2からの画像情報を入力し(S101)、この画像情報に基づいて、物体21の3次元位置を推定する(S102)。その後、アーム制御部4は、推定された物体21の位置に基づいて、ハンド部13を物体21まで移動させるためのアーム部12の動作軌道を計画し(S201)、アーム部12の各関節機構への指令値を生成し(S202)、アーム部12を動作させる(S203)。
【0029】
その後、アーム制御部4は、ハンド部13が所定の構築物に接触したか否かを判定する(S204)。この接触についての判定は、図6に示すように、ハンド部13に備えられた接触センサ31等の手段を利用して行うことができる。接触センサ31としては、周知のものを適宜利用することができる。例えば、接触センサ31をハンド部13の指状部材25の先端に設置することが好ましい。上記ステップS204(図5参照)において、ハンド部13の接触が検知されない場合(N)には、アーム部12の動作を継続し(S203)、ハンド部13の接触が検知された場合(Y)には、アーム部12の動作を終了する(S205)。
【0030】
上記のようにして、アーム部12の動作が一端終了すると、ハンド位置判定部5は、撮像装置2からハンド部13周辺の画像情報を入力し(S301)、この情報内に物体21の画像が存在するか否かを判定する(S302)。このステップS302において、物体21が存在すると判定された場合(Y)には、ハンド部13は適正位置にないとして、ステップS101に戻り、再度アーム部12の動作を実行する。一方、物体21が存在しないと判定された場合(N)には、ハンド部13が適正位置にあるとして、ハンド制御部8によるハンド部13の動作が実行される(S401)。ハンド制御部8は、ハンド部13が物体21を把持したか否かを判定し(S402)、把持していないと判定された場合(N)には、ステップS401に戻りハンド部13の動作を継続し、把持したと判定された場合(Y)には、ハンド部13の動作を終了する(S403)。
【0031】
図7(a),(b)は、上記処理により、ハンド部13の位置が修正される様子を示している。図7(a)は、アーム部12の動作(ハンド部13の移動)が接触センサ31の検出等に応じて一端停止した状態を示している。この状態における撮像装置2からの映像には、物体21が映っている。即ち、撮像装置2からの視点において、ハンド部13が物体21と重なっていない状態であることが示されている。この状態では、ハンド部13が物体21を把持することはできない。このような状況が生ずると、上述したハンド位置判定部5による処理(ステップS302)により、図7(b)に示すように、撮像装置2からの視点において、ハンド部13が物体21を隠す状態となるまで、アーム部12の動作が継続される。そして、図7(b)に示す状態となった時に、ハンド部13が把持動作を実行すれば、物体21の把持が成功する可能性が高くなる。
【0032】
以上のように、本実施の形態によれば、体幹部14(頭部16)に搭載された撮像装置2からの画像情報のみにより、ハンド部13を確実に適正位置に配置することが可能となる。これにより、多数の撮像装置を設置することによるコストの増加及び画像処理の高負荷化、又使用場所の制限等の問題を生ずることなく、把持動作の成功率を向上させることができる。
【0033】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0034】
1 ロボット制御装置
2 撮像装置
3 物体位置認識部
4 アーム制御部
5 ハンド位置判定部
6 ハンド制御部
7 アーム修正動作部
11 ロボット
12 アーム部
13 ハンド部
14 体幹部
16 頭部
21 物体
31 接触センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の自由度を有する動作が可能なアーム部と、前記アーム部の一端部に設けられ所定の物体を把持することが可能なハンド部とを備えるロボットを制御する装置であって、
前記アーム部の他端部が接続される前記ロボットの体幹部に搭載され、作業領域の画像情報を取得する撮像装置と、
前記撮像装置により取得された画像情報に基づいて、前記物体の位置を認識する物体位置認識部と、
前記物体位置認識部により認識された前記物体の位置に基づいて、前記アーム部を動作させるアーム制御部と、
前記撮像装置により取得された画像情報に基づいて、前記ハンド部、前記物体、及び前記撮像装置の相対的な位置関係を認識し、前記位置関係に基づいて、前記ハンド部が前記物体を把持する動作を実行するのに適した適正位置にあるか否かを判定するハンド位置判定部と、
前記ハンド位置判定部により前記ハンド部が前記適正位置にあると判定された場合に、前記ハンド部に前記物体を把持する動作を実行させるハンド制御部と、
前記ハンド位置判定部により前記ハンド部が前記適正位置にないと判定された場合に、前記アーム部に前記ハンド部を前記適正位置に移動させる動作を実行させるアーム修正動作部と、
を備えるロボット制御装置。
【請求項2】
前記ハンド位置判定部は、前記撮像装置の撮像範囲内に、前記ハンド部が存在し且つ前記物体が存在しない場合に、前記ハンド部が前記適正位置にあると判定する、
請求項1記載のロボット制御装置。
【請求項3】
前記ハンド部が所定の構築物に接触したことを検知する接触検知部を備え、
前記アーム制御部は、前記接触検知部により前記ハンド部の接触が検知された場合に、前記アーム部の動作を停止させる、
請求項2又は3記載のロボット制御装置。
【請求項4】
所定の自由度を有する動作が可能なアーム部と、前記アーム部の一端部に設けられ所定の物体を把持することが可能なハンド部と、前記アーム部の他端部が接続される前記ロボットの体幹部に搭載され作業領域の画像情報を取得する撮像装置とを備えるロボットを制御する方法であって、
前記撮像装置により取得された画像情報に基づいて、前記物体の位置を認識する物体位置認識ステップと、
前記物体位置認識ステップにより認識された前記物体の位置に基づいて、前記アーム部を動作させるアーム制御ステップと、
前記撮像装置により取得された画像情報に基づいて、前記ハンド部、前記物体、及び前記撮像装置の相対的な位置関係を認識し、前記位置関係に基づいて、前記ハンド部が前記物体を把持する動作を実行するのに適した適正位置にあるか否かを判定するハンド位置判定ステップと、
前記ハンド位置判定ステップにより前記ハンド部が前記適正位置にあると判定された場合に、前記ハンド部に前記物体を把持する動作を実行させるハンド制御ステップと、
前記ハンド位置判定ステップにより前記ハンド部が前記適正位置にないと判定された場合に、前記アーム部に前記ハンド部を前記適正位置に移動させる動作を実行させるアーム修正動作ステップと、
を備えるロボット制御方法。
【請求項5】
前記ハンド位置判定ステップは、前記撮像装置の撮像範囲内に、前記ハンド部が存在し且つ前記物体が存在しない場合に、前記ハンド部が前記適正位置にあると判定する、
請求項4記載のロボット制御方法。
【請求項6】
前記ロボットは、前記ハンド部が所定の構築物に接触したことを検知する接触検知部を更に備え、
前記アーム制御ステップは、前記接触検知部により前記ハンド部の接触が検知された場合に、前記アーム部の動作を停止させる、
請求項4又は5記載のロボット制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−172992(P2010−172992A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−16713(P2009−16713)
【出願日】平成21年1月28日(2009.1.28)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】