説明

ロータと一体になって回転する2つの部品間の密着率を増加させる方法

ロータ、特にターボ機械のロータと一体となって回転する2つの部品(12、14)間の密着率を増加させる方法であって、これらの部品が、押圧面(18、20)を介して互いに押圧し、押圧面の少なくとも1つをその表面状態を変え粗さを増加させるためにフライス加工することを含むステップと、その後、一方または各々の機械加工面を硬質で高摩擦係数を有する材料の薄層(44)で被覆することを含むステップとを含む、方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転時に一緒に拘束される2つのロータ部品、例えば、ターボ機械のロータの部品間の密着率を増加させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ターボ機械のロータは、通常は、複数のディスクを備え、各々が隣接するディスクの環状フランジに押圧され、ボルト締め、例えば、ナットボルト締付具によってディスクに締結される環状フランジを有する。ボルトは、ロータの回転軸に平行で、フランジ内のオリフィスを貫通し、ボルトは、ロータの軸を中心とする周回りに一定間隔で分布される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
作動時に、回転トルクは、フランジおよびボルトを介して1つのロータディスクから別のロータディスクに伝達される。この伝達は、主に、せん断および摩擦によって発生する。支承力の位置を変えることにより、フランジ間の相対的な滑り運動が、ボルトにおいて、およびボルトがフランジを貫通するオリフィスの縁部において過剰な応力を発生させ、フランジの耐用年数ひいてはロータの耐用年数を短くする。
【0004】
この問題の1つの解決策は、ナットの締め付け力ひいてはフランジ間の締め付け力を増大させる、つまりフランジを締結するためのボルトの直径を大きくするおよび/またはボルトの数を増やすことにある。しかしながら、この解決策は、特に、ディスク材料の利用可能なスペースまたは圧縮強度の理由から、実際には常に可能であるとは言えない。また、この解決策は、ロータの重量のかなりの増加(航空機においては、重量の増加は常に悪影響をもたらす)、およびディスクの応力の増加(締結ボルトが通るオリフィスが互いにより近くなるため、および遠心力がより大きくなるため)を引き起こすので、十分ではない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の特定の目的は、上述の先行技術の問題に対して、せん断よりもむしろ摩擦によって生じるフランジ間の回転トルクの伝達を促進することによって、またフランジ間の相対運動を制限することによって、単純、かつ効果的で、費用のかからない解決策を提供することである。
【0006】
このために、本発明は、回転時に一緒に拘束される2つのロータ部品、特に2つのターボ機械の部品であって、支承面を介して互いに対して支承し、ボルト締めによって互いに締結されている部品間の密着率を増加させる方法であって、支承面の少なくとも1つをその表面状態や粗さを変えるためにフライス加工することによって機械加工することを含むステップと、一方または各々の機械加工面を硬質で高摩擦係数を有する材料から成る薄層で被覆することからなるステップとを含むことを特徴とする方法を提供する。
【0007】
本発明の方法は、連続する2つの基本ステップ、つまり、部品または各々の部品の支承面をその粗さを変えるためにフライス加工するステップと、機械加工面を硬質で高摩擦係数を有する材料から成る薄い保護膜で被覆するステップとを含む。
【0008】
本発明の方法により、2つの部品間の密着率を調節して増加させることができる。通常は、コランダムやアルミナを使用するサンドブラスティングによってこの種の組立体の部品の粗さを粗くする方法はすでに提案されている。しかしながら、この技術では、部品間の最後の密着率を十分に調節することはできない。支承面の形態は、摩擦係数を決定する重要な点であり、上述の技術では、精密で再現可能な形態が得られない。また、サンドブラスティングの場合、その後に、部品間の互いの締め付けや互いの擦れ合いによる圧縮状態の下で、得られた粗さが長く維持されるように硬質の保護材料を付着させる処理を含む追加の処理ができない。
【0009】
本発明の方法のフライス加工するステップは、支承面に、交互に山と谷とから成る特定の種類のレリーフを形成するように高速の送りを有するカッタによって行われるのが有利である。硬質材料の薄層は、このレリーフを保護し、部品が互いに締結され締め付けられる時にレリーフが押しつぶされることによって、または作動時の摩擦によって変形する、または壊れるのを防ぐ働きをする。薄膜は、フライス加工によって得られた表面状態が変わるのを防ぐように薄い厚さにする。薄膜の材料は、セラミック、例えば、窒化チタンが有利である。薄膜は、機械加工面に、化学ガスまたは上記による気相成長法によって付着されてもよい。
【0010】
好ましくは、2つの部品の支承面はフライス加工によって機械加工され、支承面の山と谷とは、ほぼ相補的になるように、また部品間の摩擦係数を高めるように、反対方向に形成される。
【0011】
例として、支承面は、ロータの回転軸を中心として伸びる環状面である。
【0012】
フライス加工は、一方または各々の支承面に1つまたは複数のパスを行うことによって行われてもよい。
【0013】
例として、少なくとも1つの周方向パスは、支承面の一方の表面でロータの回転軸を中心として右回りにカッタを移動させることによって行われる。少なくとも1つの周方向パスは、また、さらに、支承面の他方の表面でロータの回転軸を中心として左回りにカッタを移動させることによって行われてもよい。直径が次第に増加または減少する複数の同心の周方向パスが、一方の支承面または各々の支承面で行われる場合もある。
【0014】
変形形態では、複数の半径方向パスは、一方または各々の支承面の表面でロータの回転軸に対して略半径方向にカッタを移動させることによって行われる。これらのパスは、支承面全体を機械加工するように互いに隣り合っている。さらに、機械加工面の表面を部品に対して略接線方向にカッタを移動させることによって、複数の接線方向パスが行われる場合もある。
【0015】
フライス加工は、以下の数式を使用して、一方または各々の支承面に望ましい粗さRaおよびカッタの半径Rに応じて決定される一歯あたりの送りfzを有するカッタで行われる。
【0016】
【数1】

【0017】
粗さまたは算術粗さRaは、山と谷との高さの算術平均として理解されたい。例として、一歯あたりの送りfzの速度は0.01mm/歯から0.3mm/歯、好ましくは、0.05mm/歯から0.1mm/歯で、例として、0.07mm/歯である。
【0018】
部品がターボ機械のロータディスクであり、各々のディスクが別のディスクの環状フランジに当接され、ボルト締めによって環状フランジに締結されている環状フランジを有する本発明の方法の特定の実施形態では、方法は、これらのフランジの支承面の少なくとも一方を機械加工するステップと、それを薄層で被覆するステップとを含む。
【0019】
フランジの支承面をフライス加工するステップの前に、本発明の方法は、前記フランジで仕上げ旋削を行うステップを含み、機械加工支承面を被覆するステップの後に、フランジにフェスツーンや刻み目を設けるためにフランジをフライス加工する追加のステップを含んでもよい。
【0020】
ターボ機械の高圧圧縮機のチタン製ロータの場合、ロータのフランジ間の摩擦係数または密着率を2倍に増加させることで、同じボルト締め付けトルクでフランジの耐用年数ひいてはロータの耐用年数を1.3倍伸ばすことができ、またはボルトの数を10%減らすことができ、または対象となるボルトが過剰寸法である場合に10%以上もボルトの数を減らすことができることがわかった。
【0021】
本発明はさらに、支承面を提示する締結フランジを有する、特にターボ機械用のロータディスクを提供する。前記支承面は、高摩擦係数を有する硬質材料の薄層で被覆された山および谷を交互に含む。山の頂部に対する谷の深さは、例えば、約1μm(マイクロメートル)から2μmである。
【0022】
非限定的な例として添付図面を参照して説明された以下の記述を読めば、本発明はより十分に理解され、本発明の他の詳細、特徴、利点がより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】ターボ機械の2つのロータディスク間のボルト締め接続部の軸方向部分断面図である。
【図2】本発明の方法が実施された、図1のフランジの一方の支承面を示す詳細図である。
【図3】本発明の方法のフライス加工するステップを示す詳細図である。
【図4】本発明の方法の薄層を付着するステップを示す詳細図である。
【図5】本発明の方法によって加工された後の図1のフランジの支承面の詳細な断面図である。
【図6】本発明の方法によって加工された後の図1のフランジの支承面の詳細な断面図である。
【図7】本発明の方法の変形形態が実施されたフランジの支承面の詳細図である。
【図8】本発明の方法が実施された後の図7のフランジの支承面の詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
まず、図1について説明する。図1は、ターボ機械の第1のロータディスクの環状フランジ12と第2のロータディスクの環状フランジ14との間のボルト締め接続部10の軸方向断面図である。ディスクは、見やすくするために省略されている。例として、ロータディスクはニッケルコバルトベースの合金製である。
【0025】
フランジ12、14は、ロータの回転軸16を中心として伸び、前記軸に対して半径方向外側に配向される。フランジ12、14は、互いに当接され、ナットボルト締付具によって締め付けられる。
【0026】
フランジ12は、フランジ14の対応する側面20を支承するための半径方向または側方支承面18を含む。
【0027】
フランジ12は、回転軸16を中心として一定間隔で分布し、フランジ14のオリフィス26と軸方向に位置合わせされた、ボルト24を通すための軸方向オリフィス22を有する。例として、ボルト24の数は、20個から40個である。
【0028】
ボルト24は、ボルトの頭部28がフランジ12の側面18の反対側の側面を軸方向に支承するまで、または前記側面とボルトの頭部との間に軸方向に挟まれたワッシャ30を軸方向に支承するまで、フランジ12の各オリフィス22とフランジ14の対応するオリフィス26とに軸方向に嵌め込まれる(図の左から右へ)。各ボルト24は、フランジ14の側面20の反対側の側面を軸方向に支承するためのナット34を受承するネジ部32を有する。
【0029】
作動時に、回転振動および回転トルクが、せん断および摩擦によって一方のロータディスクから他方のロータディスクに伝達され、それにより、ボルト24や、前記ボルトが通るオリフィス22、26の縁部に高いレベルの応力が生成される。
【0030】
本発明は、フランジ間のグリップ係数または摩擦係数を増加させ、ひいてはせん断よりもむしろ摩擦によるフランジ間の回転振動や回転トルクの伝達を向上させる働きをする、フランジ12、14の支承面18、20の処理方法を提供する。
【0031】
本発明の方法は、以下の2つのステップを含む。第1のステップは、フランジの支承面18、20の少なくとも1つをその表面状態や粗さを変えるためにフライス加工することによって機械加工するステップを含み、第2のステップは、高摩擦係数を有する硬質材料から成る薄層でその機械加工面を被覆するステップを含む。
【0032】
図2、図3に示された第1のステップは、基本的に、高速のカッタ40を使用するステップと、支承面18、20にレリーフの鋸歯状部分(交互に山36と谷38とを有する)を形成するように、カッタを支承面18、20の表面で移動させるステップとを含む。
【0033】
図2に示された例では、カッタは支承面18、20の表面で右回りに周方向に移動される(矢印42)。この図では、カッタ40は、支承面18、20の内周付近を通るように示されている。次に、支承面18、20の全てを機械加工するために直径が次第に増大する複数の周方向パスが必要になる。これらのパスの数は、特に、カッタの直径と支承面18、20の半径方向寸法の関数となる。
【0034】
この作業に使用されるカッタは、一体成形のカッタまたは植刃付きフライス用カッタとすることができる。カッタは、カーバイド製、セラミック製、高速度鋼(HSS)製、および/または立方晶窒化ホウ素(CBN)製とすることができ、また任意の被膜で被覆されてもよい。
【0035】
例として、カッタは、直径が16mm、先端41が鋭角または半径が0.1mm未満の丸いエッジ、歯数は4、捩れ角は約45°である。
【0036】
例として、インコネル(Inconel)718製のフランジの支承面をフライス加工する際のカッタの利用パラメータは、カッタ速度vc=25m/min、軸方向の切り込み深さap=0.3mm、一歯あたりの送りfz=0.07mmである。
【0037】
一般に、カッタの一歯あたりの送りは、以下の数式を使用して決定できる。
【0038】
【数2】

このとき、Raは支承面18、20の望ましい算術粗さであり、Rはカッタの先端の半径である。例として、算術粗さは1.6μmである。
【0039】
両方のフランジ12、14の支承面18、20がフライス加工によって機械加工される場合、第1の支承面18、20におけるカッタの進行方向は、第2の支承面20、18におけるカッタの進行方向に対して逆になるのが好ましく、これらの2つの面におけるレリーフ状の機械加工部分が互いに略相補的になり、それによって表面間の摩擦係数を高める。図2の例では、カッタは、支承面の一方の表面で右回りに移動し、他方の表面で左回りに移動する。
【0040】
図5、図6は、フランジの支承面18、20の詳細な断面図である。図5、図6では、支承面のレリーフ状部分は、フランジ12、14が互いに締め付けられている時には、第1の面の山36が第2の面の谷38に係合するように構成されている。また、その逆も言える。図6では、支承面18’、20’のピーク36’は他方の支承面の谷38’に略相補的な形状であり、またその逆も言える。
【0041】
本発明の方法の第2のステップは図4で示されているが、機械加工された支承面18、20上に薄い保護層44を付着するステップを含む。
【0042】
薄層44は、レリーフ状部分の全体、つまりは、支承面の山と谷とを被覆するが、フライス加工によって得られた支承面の表面状態を変えないように薄い厚さを有する。例として、この厚さは約1μmから2μm程度である。
【0043】
薄膜44は、フランジが互いに締め付けられている時には支承面のレリーフ状部分が押しつぶされるのを防ぐように、また摩擦による動作時のこれらのレリーフ状部分の摩耗を抑えるように、非常に硬質の材料から成る。さらに、この材料は、特に、自身に対して高摩擦係数を有する。
【0044】
この薄層44は、任意の適切な技術、例えば、物理的気相成長法(PVD)または内部気相成長法(IVD)によって付着されてもよい。
【0045】
薄膜は、この形式の技術によって、鋼鉄製、ネッケルまたはチタンベースの合金製などの基材のような種々の種類の基材上に付着されてもよい。付着は、基材(ディスク)の機械的特性および密着特性を維持する働きをする。それは、付着が行われる条件(特に、温度)が、基材を構成する合金に加えられる熱処理、さらには、基材の機械的処理(例えば、冷間変形処理またはショットブラスト処理)によって得られた一定のプレストレス状態に適合するためである。
【0046】
例として、薄膜として付着される材料は、窒化チタンの化学量論的な被膜である。付着は、上述の合金に加えられる熱処理に適合する温度で、かつプレストレスを緩和する閾値未満である、約300℃から400℃の温度で行われる。
【0047】
窒化チタンの硬度は、1000HV(ヴィッカース硬度)より大きい。窒化チタンは、自身に対して優れた密着率と高摩擦係数を有する。材料(セラミック)の性質により、これらの特性はターボ機械のロータディスクの温度範囲(750℃まで、およびそれ以上)全体にわたって安定している。したがって、摩擦係数は、金属/金属接触の場合0.3から0.6の範囲から約0.9である。
【0048】
次に、図7、図8について説明する。図7、図8は、本発明の方法の変形形態を示している。
【0049】
参照番号118、120は、ロータディスクの2つのフランジ112、114の支承面を指し、フランジ112、114は、図2のフランジの半径方向寸法よりも大きい半径方向寸法を有する。
【0050】
この方法は、一方または各々の支承面のフライス加工が周方向ではなく半径方向かつ接線方向にカッタを移動させることによって行われるという点で、上述の方法とは異なる。
【0051】
複数の互いに近接した半径方向パスは、一方または各々の支承面18、20の周囲全体にわたって半径方向上方または下方にカッタを移動させることによって行われる。これらのパスの数は、特に、フランジの直径およびカッタの直径によって決まる。次に、複数の接線方向のパスが、半径方向パスによって形成された山と谷とに垂直な山と谷とを形成するように、支承面の輪郭全体にわたって行われる。このことで、支承面に材料のピークの列を形成するパスの格子ができる。これらの材料のピークは、半径方向パスによって形成される山と接線方向パスによって形成される山とが交わる点に相当する。
【0052】
本発明の方法の特定の実施形態では、上述の2つのパスの前に、旋削による中仕上げ機械加工をフランジに行うことを含むステップを行う。これらのステップの後、フランジの内周にフェスツーンまたは刻み目のある縁部を形成するためにフランジをフライス加工する別のステップが行われる。フェスツーン150または刻み目は、半径方向内側に伸び、ロータの回転軸116を中心として一定間隔で分布される。次に、フェスツーン150内にフランジ締結ボルトを通すためのオリフィス122、126が開けられてもよい。
【0053】
本発明の方法における上述のフライス加工の作業および薄層を付着する作業の前または後に、特に、フランジのオリフィスおよびフェスツーンの耐用年数を長くするために、これらの部品の機械的処理(例えば、冷間変形処理またはショットブラスト処理)、および/または熱処理(例えば、膨張または焼き戻し)が行われる場合もある。硬質材料の温度および付着条件は、処理のために部品を構成する材料の機械的処理および/または熱処理を考慮するように選択されるべきである。付着の前にその処理が行われる場合には、プレストレス状態も考慮される場合もある。硬質材料が付着された後に上記のステップが行われる場合には、硬質材料で被覆された領域は、例えば、マスクによって保護されなければならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転時に一緒に拘束される2つのロータ部品(12、14)、特に2つのターボ機械の部品であり、支承面(18、20)を介して互いに支承し、ボルト締めによって互いに締結されるロータ部品間の密着率を増加させる方法であって、支承面の少なくとも1つをその表面状態や粗さを変えるためにフライス加工することによって機械加工することを含むステップと、一方または各々の機械加工面を硬質で高摩擦係数の材料の薄層(44)で被覆することからなるステップとを含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
支承面が、前記面に山(36)と谷(38)とを交互に形成するように高速送りカッタ(40)で機械加工されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
2つの部品の支承面(18、20)が、フライス加工によって機械加工され、支承面の山と谷とは反対方向に形成されることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
支承面(18、20)が、環状でロータの回転軸(16)を中心として伸びることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
フライス加工が、支承面(18、20)の表面に1つまたは複数のパスを行うことによって実施されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1つの周方向パスが、支承面(18、20)の一方の表面でロータの回転軸(16)を中心として右回り(42)にカッタ(40)を移動させることによって行われることを特徴とする、請求項4および5双方に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも1つの周方向パスが、支承面(18、20)の他方の表面でロータの回転軸(16)を中心として左回りにカッタ(40)を移動させることによって行われることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
直径が次第に増加または減少する複数の同心の周方向パスが、一方または各々の面(18、20)で行われることを特徴とする、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
複数の半径方向パス(146)が、一方または各々の支承面(118、120)の表面でロータの回転軸(116)に対して略半径方向にカッタを移動させることによって行われ、パスが面全体を機械加工するように互いに隣り合っていることを特徴とする、請求項4および5双方に記載の方法。
【請求項10】
複数の接線方向パス(148)が、一方または各々の機械加工面の表面で部品に対して略接線方向にカッタを移動させることによって行われることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
フライス加工が、以下の式
【数1】

を使用して、一方または各々の支承面(18、20)に望ましい粗さRaおよびカッタ(40)の半径Rに応じて決定される一歯あたりの送りfzを有するカッタで行われることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
支承面(18、20)が、窒化チタンなどのセラミック材料製の薄層(44)で被覆されることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
ターボ機械のロータディスクを構成する部品において、各部品が、別のディスクの環状フランジに当接され、ボルト締めによって環状フランジに締結されている環状フランジ(12、14)を有することを特徴とし、フランジの支承面の少なくとも一つを機械加工するステップと、それを薄層で被覆するステップとを含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
フランジの支承面をフライス加工するステップの前に、前記フランジで仕上げ旋削を行うステップを含み、機械加工支承面を被覆するステップの後に、フランジにフェスツーン(150)や刻み目を設けるためにフランジをフライス加工する追加のステップを含むことを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
フライス加工するステップおよび薄層(44)を付着するステップの前または後に、部品(12、14)の機械的処理、例えば、冷間変形処理またはショットブラスト処理、および/または熱処理、例えば、膨張または焼き戻しを行うことを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
環状支承面(16、18)を提示する締結フランジ(12、14)を含み、前記面が、高摩擦係数を有する硬質材料の薄層(44)で被覆された山(36)および谷(38)を交互に含む、特にターボ機械用のロータディスク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2011−528766(P2011−528766A)
【公表日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−519204(P2011−519204)
【出願日】平成21年5月13日(2009.5.13)
【国際出願番号】PCT/FR2009/000551
【国際公開番号】WO2010/010237
【国際公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(505277691)スネクマ (567)
【Fターム(参考)】