説明

三次元計測治具及びこれを用いた三次元計測方法

【課題】計測対象物における孔の三次元座標を正確に計測することが可能である三次元計測治具及びこれを用いた三次元計測方法を提供する。
【解決手段】レーザ測定機LによってワークWにおける孔Whの三次元座標を得るのに用いられるリフレクタRを保持する三次元計測治具1であって、立形NCフライス盤10のスピンドル軸12に取り外し可能に装着される連結部2と、立形NCフライス盤10の動作によりワークWの孔WhにリフレクタRを相対的に接近させ、且つ、該ワークWにおける孔Whの縁にリフレクタRが接触した時点でリフレクタRを孔Whに押し付け可能なターゲット保持機構3を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工物や構造物等の計測対象物における孔の三次元座標を得るのに用いられる三次元計測治具及びこれを用いた三次元計測方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
計測対象物、例えば、平板にNC加工機を用いて孔を形成する場合、まず、テーブル上に載置した平板の任意の位置に機械原点に基づいて加工原点を定め、この加工原点を基準として設定される所定位置にドリルやエンドミル等の孔あけ工具が装着されたスピンドル軸を相対的に移動させて孔あけ加工を行うようになっている。
【0003】
従来において、特許文献1に開示されているように、上記したような孔の位置を含めて孔の形状や平板の面粗度等をも求め得る測定方法が知られている。
この測定方法は、孔あけ加工後にスピンドル軸に撮像装置を取り付けて、平板を加工機のテーブルから取り外さずに撮影し、これで得た画像に基づいて孔の位置や孔の形状や平板の面粗度等を求めるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3515023号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記したように、NC加工機を用いて平板に孔を形成する際には、孔を平板の所定箇所にほとんど位置ずれなく形成することができるものの、例えば、平板に複数の孔を形成する際には、NC加工機のテーブル及びスピンドル軸における相互の動きの精度、すなわち、NC加工機の機械加工精度の良し悪しによって、複数の孔同士の相対位置関係にずれが生じる可能性がある。
【0006】
このような場合に、上記した従来における測定方法によって複数の孔の各位置を把握しようとしても、スピンドル軸に撮像装置を取り付けて測定を行う以上、NC加工機の機械加工精度の影響を受けることに変わりはなく、したがって、複数の孔の各位置を正確に計測することができないという問題があり、この問題を解決することが従来の課題となっていた。
【0007】
本発明は、上記した従来の課題に着目してなされたもので、例えば、NC加工機を用いて平板に複数の孔を形成する場合において、NC加工機の機械加工精度の影響を受けることなく、複数の孔の各位置を正確に計測することが可能になる三次元計測治具及びこれを用いた三次元計測方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1に係る発明は、レーザ測定機によって加工物や構造物等の計測対象物における孔の三次元座標を得るのに用いられる反射ターゲットを保持する三次元計測治具であって、NC加工機のスピンドル軸側に取り外し可能に装着される連結部と、前記NC加工機の動作により前記計測対象物における孔に前記反射ターゲットを前記連結部とともに相対的に接近させ、且つ、該計測対象物における孔の縁に前記反射ターゲットが接触した時点で該反射ターゲットを前記計測対象物における孔に載置又は押し付け可能なターゲット保持機構を備えている構成としたことを特徴としており、この構成の三次元計測治具を前述した従来の課題を解決するための手段としている。
【0009】
また、本発明の請求項2に係る三次元計測治具において、前記ターゲット保持機構は、前記反射ターゲットを固定して前記NC加工機のスピンドル軸に沿う方向に往復移動可能としたターゲット固定部と、このターゲット固定部に対して前記スピンドル軸から離間する方向の力を与える圧縮コイルばね等の離間力付与手段を具備している構成としている。
【0010】
さらに、本発明の請求項3に係る三次元計測治具において、前記ターゲット保持機構は、前記反射ターゲットを該反射ターゲットの最下点及びその近傍部分が下方に突出した状態で且つ上方に移動可能に嵌め込んで保持する保持孔を有するホルダを具備している構成としている。
【0011】
一方、本発明の請求項4に係る発明は、請求項1に記載の三次元計測治具を用いて、計測対象物における孔の三次元座標を計測するに際して、前記三次元計測治具の連結部をNC加工機のスピンドル軸側に装着すると共に、前記ターゲット保持機構に前記反射ターゲットを保持させた後、前記NC加工機を動作させて、前記ターゲット保持機構に保持された前記反射ターゲットを前記計測対象物における孔に相対的に接近させ、前記計測対象物における孔の縁に前記反射ターゲットが接触した時点で、前記ターゲット保持機構により前記反射ターゲットを前記計測対象物の孔に載置又は押し付けるのに続いて、前記反射ターゲットに対するレーザ光の送受信をレーザ測定機により行って、該反射ターゲットの三次元座標を求める構成としている。
【0012】
本発明に係る三次元計測治具及びこの三次元計測治具を用いた計測方法において、反射ターゲットとして受光窓を有する球状のリフレクタを用いることができ、このリフレクタでは、受光窓を通してレーザ測定機からのレーザ光の受信及び送信を行うことで、リフレクタの中心の座標が得られるようになっている。
また、レーザ測定機として、セオドライト(トランシット)やこのセオドライトと光波測距儀を組み合わせたトータルステーションを採用した場合には、反射ターゲットにプリズムを用いることができ、レーザ測定機としてレーザスキャナを用いた場合には、反射ターゲットに真球を用いることができる。
【0013】
本発明に係る三次元計測治具及びこの三次元計測治具を用いた計測方法では、計測対象物に孔を形成したNC加工機によって、反射ターゲットを孔にセットすることができるので、すなわち、孔をあける際に使用した数値制御を用いて、反射ターゲットを孔にセットすることができるので、例えば、NC加工機によって計測対象物に複数の孔を形成する場合には、複数の孔の位置計測作業が容易なものとなる。
【0014】
また、NC加工機とは別系統のレーザ測定機により計測を行うので、NC加工機によって計測対象物に複数の孔を形成する場合であったとしても、NC加工機の機械加工精度の影響を受けずに、複数の孔の各三次元座標を正確に計測し得ることとなる。
【0015】
さらに、本発明の請求項2に係る三次元計測治具において、ターゲット保持機構のターゲット固定部に保持された反射ターゲットは、スピンドル軸に沿う方向に往復移動可能となっているので、例えば、計測対象物が平板状を成している場合において、この計測対象物に歪みが生じていたとしても、この歪による孔開口部分の鉛直方向の位置ずれを吸収し得ることとなる。
【0016】
さらにまた、本発明の請求項3に係る三次元計測治具において、ターゲット保持機構のホルダに保持された反射ターゲットは、ホルダに対して上方に移動可能となっているので、例えば、計測対象物が平板状を成している場合において、この計測対象物に歪みが生じていたとしても、この歪による孔開口部分の鉛直方向の位置ずれを吸収し得ることとなるうえ、反射ターゲットをホルダの保持孔に嵌合させているだけなので、構造の容易化が図られることとなる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る三次元計測治具では、上記した構成としているので、例えば、NC加工機を用いて平板に複数の孔を形成する場合には、NC加工機の機械加工精度の影響を受けることなく、複数の孔の各位置を正確に計測することが可能になるという非常に優れた効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る三次元計測治具の一実施例を示す反射ターゲットとしてのリフレクタを保持している状態の断面説明図(a)及びリフレクタ部分での平面説明図(b)である。
【図2】図1の三次元計測治具を用いて孔の三次元計測を行っている状況を示す計測状況説明図である。
【図3】本発明に係る三次元計測治具の他の実施例を示す反射ターゲットとしてのリフレクタを保持している状態の断面説明図(a)及びリフレクタ部分での平面説明図(b)である。
【図4】図3の三次元計測治具を用いて孔の三次元計測を行う際のリフレクタが計測対象物の孔に接近した状態の部分拡大断面説明図(a)及びリフレクタが計測対象物の孔に載って三次元計測を行っている状態の部分拡大断面説明図(b)である。
【図5】レーザ測定機としてセオドライトを用いた場合に採用される反射ターゲットとしてのプリズムを示す斜視説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を図面に基づいて説明する。
図1及び図2は本発明に係る三次元計測治具の一実施例を示しており、この実施例では、立形NCフライス盤(NC加工機)10で平板状のワーク(計測対象物)Wにあけた孔Whの位置を計測する場合を例に挙げて説明する。
【0020】
図1(a)に示すように、この立形NCフライス盤10は、ワークWを載置固定して水平面内で移動するテーブル11と、ドリルやエンドミル等の工具を装着して鉛直方向に移動するスピンドル軸12と、このスピンドル軸12に対する工具交換を自動的に行う自動工具交換装置(図示省略)を備えている。
【0021】
このような立形NCフライス盤10によってワークWにあけられた孔Whの位置計測に用いられる三次元計測治具1は、立形NCフライス盤10のスピンドル軸12に取り外し可能に装着される連結部2と、反射ターゲットとしての球状のリフレクタRを保持するターゲット保持機構3を備えている。
【0022】
連結部2は、立形NCフライス盤10のスピンドル軸12に直接装着される上方水平プレート21と、この上方水平プレート21の一端部に下方に延出させた状態で固定される垂直プレート22と、この垂直プレート22の下端部に上方水平プレート21と対向して固定される下方水平プレート23を具備している。
【0023】
一方、ターゲット保持機構3は、連結部2の上方水平プレート21に鉛直方向に沿って設置されたシリンダ31と、上端側がこのシリンダ31に摺動自在に挿入され且つ下端側が連結部2の下方水平プレート23を摺動自在に貫通するシリンダロッド32と、このシリンダロッド32の下端部に固定された二股ホルダ(ターゲット固定部)33を具備している。リフレクタRは、図1(b)にも示すように、二股ホルダ33の二股部33aに挟み込まれて受光窓Raが閉ざされないようにして保持され、この二股ホルダ33による保持状態において、リフレクタRの中心がスピンドル軸12の延長線上に位置するようになっている。
【0024】
この場合、シリンダロッド32の中間部分に設けた鍔部34とシリンダ31との間に、圧縮コイルばね(離間力付与手段)35をロッド嵌装状態で介在させることで、二股ホルダ33に保持されたリフレクタRに対して、ワークWに向かう方向の力(スピンドル軸12から離間する方向の力)を与えるようになっている。
【0025】
つまり、このターゲット保持機構3では、二股ホルダ33でリフレクタRを保持しつつ、立形NCフライス盤10のテーブル11及びスピンドル軸12の相互の動きにより、リフレクタRをワークWにおける孔Whに連結部2とともに相対的に接近させ、ワークWにおける孔Whの縁にリフレクタRが接触した時点で、圧縮コイルばね35からの弾性力でこのリフレクタRをワークWの孔Whに押し付けることができるようになっている。
【0026】
なお、図1及び図2における符号36はストッパであり、シリンダロッド32のシリンダ31からの抜け落ちを防止している。また、符号37は連結部2の下方水平プレート23を摺動自在に貫通する振れ止めであり、リフレクタRがシリンダロッド32を中心にして旋回するのを防止している。
【0027】
上記三次元計測治具1を用いて、立形NCフライス盤10により形成されたワークWの孔Whの三次元座標を計測するに際しては、まず、孔Whの孔あけに用いたドリル等の工具と三次元計測治具1とを自動工具交換装置によって交換する。
【0028】
次に、上記孔Whの孔あけに使用した数値制御により、立形NCフライス盤10のテーブル11及びスピンドル軸12に相互の動作を行わせて、図1(a)に示すように、ターゲット保持機構3の二股ホルダ33に保持されたリフレクタRをワークWの孔Whに接近させる。
【0029】
次いで、図2に示すように、ワークWにおける孔Whの縁にリフレクタRが接触した時点で、立形NCフライス盤10の動作を停止させて、リフレクタRをワークWの孔Whに押し付けた状態でセットする。
【0030】
この後、リフレクタRに対するレーザ光Lrの送受信を首振り機能付きのレーザ測定機Lにより行って、リフレクタRの中心の座標を算出し、このリフレクタRの中心の座標に基づいて、ワークWの孔Whの三次元座標を求める。
【0031】
このように、本実施例に係る三次元計測治具1及びこの三次元計測治具1を用いた計測方法では、ワークWに孔Whを形成した立形NCフライス盤10によって、リフレクタRを孔Whにセットするようにしているので、すなわち、孔Whの孔あけで使用した数値制御を用いて、リフレクタRを孔Whにセットするようにしているので、例えば、立形NCフライス盤10を用いてワークWに複数の孔Whを形成する場合には、複数の孔Whの位置計測作業が容易なものとなる。
【0032】
また、立形NCフライス盤10とは別系統のレーザ測定機Lにより計測を行うので、上記のように、立形NCフライス盤10によってワークWに複数の孔Whを形成する場合であったとしても、立形NCフライス盤10の機械加工精度の影響を受けずに、複数の孔Whの各三次元座標を正確に計測し得ることとなり、この際、立形NCフライス盤10のリフレクタRのセット作業及びレーザ測定機Lによる計測を立形NCフライス盤10の制御系によりコントロールするように成せば、孔Whの孔あけから位置計測までを自動化し得ることとなる。
【0033】
さらに、本実施例に係る三次元計測治具1及びこの三次元計測治具1を用いた計測方法において、ターゲット保持機構3の二股ホルダ33に保持されたリフレクタRは、ワークWに向かう方向の力が付与されつつ鉛直方向上向きの動きが許容されているので、平板状を成すワークWに歪みが生じていたとしても、この歪による孔Whの開口部における鉛直方向の位置ずれを吸収し得ることとなる。
【0034】
さらにまた、本実施例に係る三次元計測治具1では、圧縮コイルばね35からの弾性力によって、リフレクタRをワークWの孔Whに押し付けることができるようにしているので、平板状のワークWに形成した孔Whの位置計測だけでなく、例えば、横形NCフライス盤で垂直壁に形成した孔の位置計測にも用いることができる。
【0035】
図3及び図4は本発明に係る三次元計測治具の他の実施例を示しており、この実施例に係る三次元計測治具1Aでは、図3及び図4に示すように、連結部2の垂直プレート22の下端部に、ターゲット保持機構4を構成するホルダ41を上方水平プレート21に対向させて固定している。この場合、ターゲット保持機構4のホルダ41は、リフレクタRを上方に移動可能に嵌合保持する保持孔41aを有している。この保持孔41aによるリフレクタRの保持状態において、リフレクタRの最下点及びその近傍部分が保持孔41aの下方に突出し、リフレクタRの中心がスピンドル軸12の延長線上に位置するようになっている。
【0036】
なお、図3及び図4における符号42はストッパであり、このストッパ42に形成した角孔42aにリフレクタRの最上点に設けた角ロッド43を上下方向に移動可能に挿入することで、リフレクタRが保持孔41a内で回転したり傾いたりするのを防止している。
【0037】
この三次元計測治具1Aのターゲット保持機構4では、ホルダ41の保持孔41aでリフレクタRを保持しつつ、立形NCフライス盤10のテーブル11及びスピンドル軸12の相互の動きにより、リフレクタRをワークWにおける孔Whに連結部2とともに相対的に接近させ、ワークWにおける孔Whの縁にリフレクタRが接触した時点で、リフレクタRをワークWの孔Whに載置することができるようになっている。
【0038】
上記した三次元計測治具1Aを用いて、立形NCフライス盤10により形成されたワークWの孔Whの三次元座標を計測するに際しては、まず、孔Whの孔あけに用いたドリル等の工具と三次元計測治具1Aとを自動工具交換装置によって交換した後、上記孔Whの孔あけに使用した数値制御により、立形NCフライス盤10のテーブル11及びスピンドル軸12に相互の動作を行わせて、図4(a)に示すように、ターゲット保持機構4のホルダ41に保持されたリフレクタRをワークWの孔Whに接近させる。
【0039】
次いで、図4(b)に示すように、ワークWにおける孔Whの縁にリフレクタRが接触した時点で、リフレクタRをワークWの孔Whに載置するのに続いて、リフレクタRに対するレーザ光Lrの送受信を行って、リフレクタRの中心の座標を算出し、このリフレクタRの中心の座標に基づいて、ワークWの孔Whの三次元座標を求める。
【0040】
このように、本実施例に係る三次元計測治具1A及びこの三次元計測治具1Aを用いた計測方法においても、ワークWに孔Whを形成した立形NCフライス盤10によって、リフレクタRを孔Whに載せることができるので、例えば、立形NCフライス盤10を用いてワークWに複数の孔Whを形成する場合には、複数の孔Whの位置計測作業が容易なものとなり、加えて、立形NCフライス盤10とは別系統のレーザ測定機により計測を行うため、立形NCフライス盤10でワークWに複数の孔Whを形成する場合に、立形NCフライス盤10の機械加工精度の影響を受けることなく、複数の孔Whの各三次元座標を正確に計測し得ることとなる。
【0041】
また、本実施例に係る三次元計測治具1A及びこの三次元計測治具1Aを用いた計測方法において、ターゲット保持機構4のホルダ41に保持されたリフレクタRは、ホルダ41に対して上方に移動可能となっているので、平板状を成すワークWに歪みが生じていたとしても、この歪による孔Whの開口部における鉛直方向の位置ずれを吸収し得ることとなるうえ、リフレクタRをホルダ41の保持孔41aに嵌合させているだけなので、構造の容易化が図られることとなる。
【0042】
上記した実施例では、NC加工機が自動工具交換装置を有する立形NCフライス盤10である場合を例に挙げて説明したが、NC加工機が自動工具交換装置を備えていることは必須ではなく、また、計測対象物も平板状のワークWに限定されない。
【0043】
本発明に係る三次元計測治具及びこれを用いた計測方法の構成は、上記した実施例の構成に限定されるものではなく、例えば、レーザ測定機として、セオドライトやトータルステーションを採用した場合には、図5に示すように、反射ターゲットとして、中心反射点Ppを有するプリズムPを用いることができるほか、レーザ測定機としてレーザスキャナを用いた場合には、反射ターゲットに真球を用いることができる。
【符号の説明】
【0044】
1,1A 三次元計測治具
2 連結部
3,4 ターゲット保持機構
10 立形NCフライス盤(NC加工機)
12 立形NCフライス盤のスピンドル軸
31 シリンダ(ターゲット保持機構)
32 シリンダロッド(ターゲット保持機構)
33 二股ホルダ(ターゲット固定部;ターゲット保持機構)
35 圧縮コイルばね(離間力付与手段;ターゲット保持機構)
41 ホルダ(ターゲット保持機構)
41a 保持孔
L レーザ測定機
Lr レーザ光
P プリズム(反射ターゲット)
R リフレクタ(反射ターゲット)
W ワーク(計測対象物)
Wh 孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ測定機によって加工物や構造物等の計測対象物における孔の三次元座標を得るのに用いられる反射ターゲットを保持する三次元計測治具であって、
NC加工機のスピンドル軸側に取り外し可能に装着される連結部と、
前記NC加工機の動作により前記計測対象物における孔に前記反射ターゲットを前記連結部とともに相対的に接近させ、且つ、該計測対象物における孔の縁に前記反射ターゲットが接触した時点で該反射ターゲットを前記計測対象物における孔に載置又は押し付け可能なターゲット保持機構を備えている
ことを特徴とする三次元計測治具。
【請求項2】
前記ターゲット保持機構は、前記反射ターゲットを固定して前記NC加工機のスピンドル軸に沿う方向に往復移動可能としたターゲット固定部と、このターゲット固定部に対して前記スピンドル軸から離間する方向の力を与える離間力付与手段を具備している請求項1に記載の三次元計測治具。
【請求項3】
前記ターゲット保持機構は、前記反射ターゲットを該反射ターゲットの最下点及びその近傍部分が下方に突出した状態で且つ上方に移動可能に嵌め込んで保持する保持孔を有するホルダを具備している請求項1に記載の三次元計測治具。
【請求項4】
請求項1に記載の三次元計測治具を用いて、計測対象物における孔の三次元座標を計測するに際して、
前記三次元計測治具の連結部をNC加工機のスピンドル軸側に装着すると共に、前記ターゲット保持機構に前記反射ターゲットを保持させた後、
前記NC加工機を動作させて、前記ターゲット保持機構に保持された前記反射ターゲットを前記計測対象物における孔に相対的に接近させ、
前記計測対象物における孔の縁に前記反射ターゲットが接触した時点で、前記ターゲット保持機構により前記反射ターゲットを前記計測対象物の孔に載置又は押し付けるのに続いて、
前記反射ターゲットに対するレーザ光の送受信をレーザ測定機により行って、該反射ターゲットの三次元座標を求める
ことを特徴とする三次元計測治具を用いた計測方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−202823(P2012−202823A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−67684(P2011−67684)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】