不揮発性メモリのための高速センスアンプアレイおよび方法
並行して感知される不揮発性メモリセルのグループのうちのメモリセルの伝導電流を感知してその結果をデータバスに提供するための感知回路を開示する。ノードを初期電圧に充電するために、プリチャージ回路がノードに結合される。中間回路もノードに結合されてメモリセルに接続可能であり、これによりプリチャージ回路からの電流をメモリセルに供給することができる。この回路は、ノードにおける放電の速度によって伝導電流の判定を行う比較回路と、判定の結果を保持するために比較回路に結合されたデータラッチと、データラッチに、その中にラッチされている結果をノードから独立してデータバスに供給するために、結合された転送ゲートとをも備える。この構成は、感知性能を改善し、感知中にアナログ感知経路におけるノイズをなくすと共にスイッチング電流を減少させるのに役立つことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、電気的に消去可能でプログラム可能な読み出し専用メモリ(EEPROM)およびフラッシュEEPROMなどの不揮発性半導体メモリに関し、特に、感知回路に関し、メモリ動作は感知回路の動作のために速度に関して高められる。
【背景技術】
【0002】
特に小形のファクタカードとしてパッケージングされたEEPROMおよびフラッシュEEPROM形の、電荷を不揮発性に蓄積することのできるソリッドステートメモリは、多様なモバイルおよびハンドヘルド装置、特に情報機器および消費者電子製品において一般的に好まれる記憶装置になっている。同じくソリッドステートメモリであるRAM(ランダムアクセスメモリ)とは違って、フラッシュメモリは不揮発性であって、パワーがオフにされた後でも、格納されたデータを保持する。コストが高いにもかかわらず、フラッシュメモリは大容量記憶アプリケーションにおいてますます使用されている。ハードドライブおよびフロッピーディスクなどの回転磁気媒体に基づく在来の大容量記憶は、モバイルおよびハンドヘルド環境には適していない。というのも、ディスクドライブはかさばりがちであって、機械的故障を起こす傾向があり、長い待ち時間と大きな電力要件を有するからである。これらの望ましくない属性があるために、ディスクに基づく記憶は、大抵のモバイルおよびポータブルアプリケーションにおいて実用的なものではない。ところが、埋め込み型および取り外し可能なカードの形のフラッシュメモリは、両方ともサイズが小さく、電力消費も少なく、高速で信頼性が高いという特徴を持っているので、モバイルおよびハンドヘルド環境に理想的に適する。
【0003】
EEPROMおよび電気的にプログラム可能な読み出し専用メモリ(EPROM)は、消去することができて、そのメモリセルに新しいデータを書き込んだりあるいは「プログラム」したりすることができる不揮発性メモリである。両方とも、電界効果トランジスタ構造の中の、半導体基板内のチャネル領域の上に位置する、ソースおよびドレイン領域の間のフローティング(接続されていない)伝導性ゲートを利用する。次に、フローティングゲートの上にコントロールゲートが設けられる。トランジスタのしきい値電圧特性は、フローティングゲート上に保持される電荷の量によって制御される。すなわち、フローティングゲート上の電荷の所与のレベルについて、トランジスタがそのソースおよびドレイン領域の間の導通を可能にするように「オン」にされる前にコントロールゲートに印加されなければならない対応する電圧(しきい値)がある。
【0004】
フローティングゲートは、1つの範囲の電荷を保持することができ、したがってフローティングゲートを1つのしきい値電圧ウィンドウ(「伝導ウィンドウ」とも称される)の中の任意のしきい値電圧レベルにプログラムすることができる。しきい値電圧ウィンドウのサイズは装置の最低および最高のしきい値レベルにより定められ、フローティングゲートにプログラムされ得る電荷の範囲に対応する。しきい値ウィンドウは一般的に記憶装置の特性、動作条件および動作履歴に依存する。ウィンドウの中のそれぞれの別個の分解可能なしきい値電圧レベル範囲は、原理的には、セルの一定のメモリ状態を指定するために使用され得る。しきい値電圧が2つの識別可能な領域に分割されるときには、各メモリセルは1ビットのデータを記憶することができる。同様に、しきい値電圧ウィンドウが2つより多い識別可能な領域に分割されるならば、各メモリセルは1ビットより多いデータを記憶することができる。
【0005】
2状態EEPROMセルでは、伝導ウィンドウを2つの領域に分割するように少なくとも1つの電流ブレークポイントレベルが確立される。所定の、固定された電圧を印加することによってセルが読み出されるとき、そのソース/ドレイン電流は、ブレークポイントレベル(あるいは、基準電流IREF)との比較によって1つのメモリ状態に決定される。読み出された電流がブレークポイントレベルのものより大きければ、セルは1つの論理状態(例えば、「ゼロ」状態)にあると判定される。一方、電流がブレークポイントレベルのものより小さければ、セルは他方の論理状態(例えば、「1」状態)にあると判定される。したがって、そのような2状態セルは1ビットのデジタル情報を記憶する。外部からプログラム可能であり得る基準電流源が、ブレークポイントレベル電流を生成するためにメモリシステムの一部としてよく設けられる。
【0006】
記憶容量を増やすために、半導体技術が進歩するに連れてフラッシュEEPROM装置はますます高い密度で製造されている。記憶容量を増やす他の方法は、各メモリセルに2つより多い状態を記憶させることである。
【0007】
多状態またはマルチレベルEEPROMメモリセルでは、各セルが1ビットより多いデータを記憶し得るように伝導ウィンドウは2つ以上のブレークポイントによって2つより多い領域に分割される。所与のEEPROMアレイが記憶し得る情報は、各セルが記憶しうる状態の数と共に増える。多状態あるいはマルチレベルのメモリセルを有するEEPROMまたはフラッシュEEPROMが、米国特許第5,172,338号(特許文献1)に記載されている。
【0008】
メモリセルとして役立つトランジスタは、通例、2つのメカニズムのうちの1つによって「プログラム済み」状態にプログラムされる。「ホットエレクトロン注入」では、ドレインに印加された高電圧は電子を基板チャネル領域を横断させて加速する。同時にコントロールゲートに印加された高電圧はホットエレクトロンを薄いゲート誘電体を通してフローティングゲートに引きつける。「トンネリング注入」では、基板に関して高い電圧がコントロールゲートに印加される。このようにして、電子は基板から中間のフローティングゲートへ引かれる。
【0009】
記憶装置は、いくつかのメカニズムによって消去され得る。EPROMでは、メモリは、紫外線照射によってフローティングゲートから電荷を除去することによってバルク消去可能である。EEPROMでは、メモリセルは、フローティングゲート中の電子を薄い酸化物を通して基板チャネル領域へトンネリングさせるように(すなわち、ファウラー・ノルドハイムのトンネリング)コントロールゲートに関して高い電圧を基板に印加することによって、電気的に消去可能である。通例、EEPROMは1バイトずつ消去可能である。フラッシュEEPROMでは、メモリは一度に全部あるいは一度に1ブロック以上ずつ、電気的に消去可能であり、1ブロックは512バイト以上のメモリから成ることができる。
【0010】
記憶装置は、通例、カード上に搭載され得る1つ以上のメモリチップを含む。各メモリチップは、デコーダならびに消去、書き込みおよび読み出し回路などの周辺回路によってサポートされるメモリセルのアレイを含む。より精巧な記憶装置は、インテリジェントで高レベルの記憶操作およびインターフェイスを実行する外部メモリコントローラと協動する。
【0011】
多くの商業的に成功した不揮発性ソリッドステート記憶装置が今日使用されている。これらの記憶装置は、フラッシュEEPROMであるかもしれず、あるいは他のタイプの不揮発性メモリセルを使用しているかもしれない。フラッシュメモリおよびシステムの例ならびにそれらを製造する方法が、米国特許第5,070,032号(特許文献2)、第5,095,344号(特許文献3)、第5,315,541号(特許文献4)、第5,343,063号(特許文献5)、第5,661,053号(特許文献6)、第5,313,421号(特許文献7)、および第6,222,762号(特許文献8)において与えられている。特に、NANDストリング構造を有するフラッシュメモリ装置が、米国特許第5,570,315号(特許文献9)、第5,903,495号(特許文献10)、第6,046,935号(特許文献11)に記載されている。
【0012】
不揮発性記憶装置は、電荷を蓄積するための誘電体を有するメモリセルからも製造される。前に記載された伝導性フローティングゲート素子の代わりに、誘電体層が使用される。誘電体記憶素子を利用するそのような記憶装置が、Eitan et al., "NROM: A Novel Localized Trapping, 2-Bit Nonvolatile Memory Cell," IEEE Electron Device Letters, vol. 21, no. 11, November 2000, pp.543-545 (非特許文献1)に記述されている。ONO誘電体層がソースおよびドレイン拡散の間でチャネルを横断して広がる。1つのデータビットのための電荷は誘電体層においてドレインに隣接して局在させられ、他方のデータビットのための電荷は誘電体層においてソースに隣接して局在させられる。例えば、米国特許第5,768,192号(特許文献12)および第6,011,725号(特許文献13)は、2つの二酸化ケイ素層に挟まれたトラッピング誘電体を有する不揮発性メモリセルを開示している。多状態データ記憶は、誘電体の中の空間的に分離されている電荷蓄積領域のバイナリ状態を別々に読み出すことによって実現される。
【0013】
メモリセルのページをプログラムすることは、通例、一連の交互プログラム/ベリファイサイクルを含む。各プログラムサイクルは、ページのメモリセルを1つ以上のプログラミング電圧パルスにさらす。プログラムサイクルの次に、各セルが正しくプログラムされたかどうかを判定するために各セルを読み返すベリファイサイクルがある。ベリファイされたセルは、爾後のプログラミングパルスからプログラム禁止される。プログラム/ベリファイサイクルは、ページ中の全セルがプログラム−ベリファイされるまで、増大するプログラミング電圧レベルで続行される。
【0014】
読み出しおよびベリファイ操作の両方は、ページの各メモリセルの伝導電流またはしきい値電圧を境界値に関して判定する1つ以上の感知サイクルを実行することによって行われる。一般に、メモリがn個の状態に分割されているならば、全ての可能なメモリ状態を分析するためには少なくともn−1個の感知サイクルがあるはずである。多くの実施例において、各感知サイクルは2つ以上のパスも含むことがある。例えば、メモリセルがびっしり詰まっている場合には、隣接する電荷蓄積素子間の相互作用が顕著となって、ある感知手法は、これらの相互作用によって引き起こされるエラーを補償するために、隣接するワード線上のメモリセルを感知することを必要とする。
【0015】
読み出しおよびプログラムの性能を高めるためにアレイ中の複数の電荷蓄積素子またはメモリトランジスタが並行して読み出されるかあるいはプログラムされる。したがって、1つの「ページ」の記憶素子が一緒に読み出されるかあるいはプログラムされる。現存するメモリアーキテクチャでは、1つの行は、通例数個のインターリーブされたページを包含するか、あるいは1ページの連続するメモリセルを構成し得る。1ページの全ての記憶素子は一緒に読み出されるかあるいはプログラムされる。現在生産されている半導体集積回路メモリチップでは、1つのメモリページは、並行して読み出されるかあるいは感知される64,000個ものメモリセルあるいは記憶素子を有することがある。
【0016】
性能の向上が引き続き必要である。さらに、大規模並行メモリページは、感知精度と、究極的には性能および記憶容量を限定する、ぎっしり詰まったメモリセルおよび構造の間でのノイズおよび干渉の重大な問題を引き起こす。
したがって、大容量で高性能の不揮発性メモリに対する一般的な需要がある。特に、速度が高められていてノイズの少ない感知回路に対する需要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】米国特許第5,172,338号
【特許文献2】米国特許第5,070,032号
【特許文献3】米国特許第5,095,344号
【特許文献4】米国特許第5,315,541号
【特許文献5】米国特許第5,343,063号
【特許文献6】米国特許第5,661,053号
【特許文献7】米国特許第5,313,421号
【特許文献8】米国特許第6,222,762号
【特許文献9】米国特許第5,570,315号
【特許文献10】米国特許第5,903,495号
【特許文献11】米国特許第6,046,935号
【特許文献12】米国特許第5,768,192号
【特許文献13】米国特許第6,011,725号
【特許文献14】米国特許第5,595,924号
【特許文献15】米国特許第6,657,891号
【特許文献16】米国公開特許出願第2006/0140007号
【特許文献17】米国特許第7,046,568号
【特許文献18】米国特許第7,173,854号
【特許文献19】米国特許出願第11/771,982号
【特許文献20】米国特許出願第11/966,325号
【特許文献21】米国特許第7,170,784号
【非特許文献】
【0018】
【非特許文献1】Eitan et al., "NROM: A Novel Localized Trapping, 2-Bit Nonvolatile Memory Cell," IEEE Electron Device Letters, vol. 21, no. 11, November 2000, pp.543-545
【発明の概要】
【0019】
並行して感知される不揮発性メモリセルのグループのうちのメモリセルの伝導電流を感知してその結果をデータバスに提供するための感知回路が与えられる。代表的な実施形態では、ノードを初期電圧に充電するために、プリチャージ回路がノードに結合される。中間回路もノードに結合されてメモリセルに接続可能であり、これによりプリチャージ回路からの電流をメモリセルに供給することができる。この回路は、ノードにおける放電の速度によって伝導電流の判定を行う比較回路と、判定の結果を保持するために比較回路に結合されたデータラッチと、データラッチに、その中にラッチされている結果をノードから独立してデータバスに供給するために、結合された転送ゲートとをも備える。
【0020】
一組の態様によると、これは不揮発性メモリセルの伝導電流を感知する方法を可能にし、この方法は、中間回路を介して1つ以上のメモリセルによりアクセスされ得るノードを設けることと、第1の感知操作のためにノードを初期電圧にプリチャージすることと、メモリセルのうちの第1のメモリセルを通して中間回路を介してノードを放電させることと、第1のメモリセルを通る伝導電流をノードを放電させる速度によって測定することと、測定された結果をラッチすることと、そのラッチされた結果をデータバスに出力することとを含む。一組の態様では、ラッチの後で出力を完了する前に、ノードを第2の感知操作のためにプリチャージする。別の一組の態様では、ラッチされた結果は、ノードおよび中間回路から独立している経路によってデータバスに出力される。さらなる態様では、ラッチされた結果を中間回路から独立してデータバスに出力することにより、中間回路におけるノイズが低減される。
【0021】
本発明の種々の態様、利点、特徴および実施形態が、その代表的な例についての次の記述に含まれ、この記述は添付図面と関連して読まれるべきである。本願明細書で引用された全ての特許、特許出願、論文、他の刊行物、文書および事物は、あらゆる目的のためにその全体が本願明細書において参照により援用されている。援用されている刊行物、文書または事物のいずれかと本願との間で用語の定義または使用に関する矛盾または不一致が生じた場合には、本願のものが優先するものとする。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明が実施され得る不揮発性メモリチップの機能ブロックを概略的に示す。
【図2】不揮発性メモリセルを概略的に示す。
【図3】任意の時点でフローティングゲートが選択的に蓄えることのできる4つの異なる電荷Q1〜Q4についてのソース−ドレイン電流IDとコントロールゲート電圧VCGとの関係を示す。
【図4】メモリセルのNORアレイの例を示す。
【図5A】NANDストリングに編成されたメモリセルのストリングを概略的に示す。
【図5B】図5Aに示されているものなどのNANDストリングから構成される、メモリセルのNANDアレイの例を示す。
【図6】一連の交互プログラム/ベリファイサイクルによって1ページのメモリセルをターゲットメモリ状態にプログラムするための代表的な手法を示す。
【図7】図7(1)は接地状態「Gr」としての消去済み状態と、漸進的にさらにプログラムされたメモリ状態「A」、「B」および「C」とを有する実例の4状態メモリアレイのしきい値電圧分布を示し、図7(2)は図7(1)に示されている4個の可能なメモリ状態を表すための好ましい2ビットLM符号化を示す。
【図8】図8(1)は、実例の8状態メモリアレイのしきい値電圧分布を示し、図8(2)は図8(1)に示されている8個の可能なメモリ状態を表すための好ましい3ビットLM符号化を示す。
【図9】メモリセルのアレイを横断するセンスモジュールのバンクを包含する、図1に示されている読み出し/書き込み回路を示す。
【図10】図9に示されているセンスモジュールの好ましい構成を概略的に示す。
【図11】図10に示されている読み出し/書き込みスタックをより詳しく示す。
【図12A】図9および11に示されているセンスモジュールの既存の実施例を概略的に示す。
【図12B】ロックアウトモードに入った図12Aに示されているセンスモジュールのノイズ経路を示す。
【図13】ロックアウトモードに入った図12Bに示されている既存のセンスモジュールのための制御信号のタイミングを示す。
【図14】接地までの有限の抵抗を有するソース線における電流に起因するソース電圧エラーの問題を示す。
【図15】ソース線電圧降下により引き起こされるメモリセルのしきい値電圧レベルにおけるエラーを示す。
【図16】好ましい実施形態に従う、ロックアウトセンスモジュールからのノイズ絶縁が改善されているセンスモジュールスタックを示す。
【図17】ロックアウトモードに入った図16に示されている改善されたセンスモジュールのための制御信号のタイミングを示す。
【図18】代わりの好ましい実施形態に従う、ロックアウトセンスモジュールからのノイズ絶縁が改善されているセンスモジュールスタックを示す。
【図19】ロックアウトセンスモジュールからのノイズを、依然として活発にページを感知している他のものを妨げないように、絶縁する方法を示す流れ図である。
【図20A】感知のためのアナログ経路と重なるデータ転送のための経路を有するセンスモジュールを示す。
【図20B】感知のためのアナログ経路と重なるデータ転送のための経路を有するセンスモジュールを示す。
【図20C】感知のためのアナログ経路と重なるデータ転送のための経路を有するセンスモジュールを示す。
【図21A】感知のためのアナログ経路とは異なるデータ転送のための経路を有するセンスモジュールを示す。
【図21B】感知のためのアナログ経路とは異なるデータ転送のための経路を有するセンスモジュールを示す。
【図21C】感知のためのアナログ経路とは異なるデータ転送のための経路を有するセンスモジュールを示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
メモリシステム
図1〜図11は、本発明の種々の態様が実施され得るメモリシステムの例を示す。
図12〜図13は、既存の感知回路におけるノイズ問題を示す。
図16〜図19は、ノイズ問題を処理する種々の態様および実施形態を示す。
図20A〜図20Cは、感知のためのアナログ経路と重なるデータ転送のための経路を有するセンスモジュールを示す。
図21A〜図21Cは、感知のためのアナログ経路とは異なるデータ転送のための経路を有するセンスモジュールを示す。
【0024】
図1は、本発明が実施され得る不揮発性メモリチップの機能ブロックを概略的に示す。メモリチップ100は、メモリセルの2次元アレイ200、制御回路210、ならびに、デコーダ、読み出し/書き込み回路およびマルチプレクサなどの周辺回路を含む。
メモリアレイ200は、行デコーダ230(230A、230Bに分割されている)を介してワード線により、さらに列デコーダ260(260A、260Bに分割されている)を介してビット線によりアドレス指定可能である(図4および5も参照)。読み出し/書き込み回路270(270A、270Bに分割されている)は、1ページのメモリセルを並行して読み出すかあるいはプログラムすることができる。データI/Oバス231が読み出し/書き込み回路270に結合されている。
好ましい実施形態では、1ページは、同じワード線を共有するメモリセルの1つの連続する行から構成される。メモリセルの行が複数のページに分割される他の実施形態では、読み出し/書き込み回路270を個々のページに多重化するためにブロックマルチプレクサ250(250Aおよび250Bに分割されている)が設けられる。例えば、メモリセルの奇数列および偶数列によりそれぞれ形成される2ページが読み出し/書き込み回路に多重化される。
【0025】
図1は、各側におけるアクセス線および回路の密度が半分に低下するようにアレイの両側で、種々の周辺回路によるメモリアレイ200へのアクセスが対称的に行われる好ましい構成を示す。したがって、行デコーダは行デコーダ230Aおよび230Bに分割され、列デコーダは列デコーダ260Aおよび260Bに分割されている。メモリセルの行が複数のページに分割される実施形態では、ページマルチプレクサ250はページマルチプレクサ250Aおよび250Bに分割される。同様に、読み出し/書き込み回路270は、下からビット線に接続する読み出し/書き込み回路270Aとアレイ200の上からビット線に接続する読み出し/書き込み回路270Bとに分割されている。このように、読み出し/書き込みモジュールの密度、したがってセンスモジュール380の密度は、本質的に半減される。
【0026】
制御回路110は、読み出し/書き込み回路270と協力してメモリアレイ200に対してメモリ操作を行うオンチップのコントローラである。制御回路110は、通例、状態マシン112と、オンチップのアドレスデコーダおよび電力制御モジュール(明示的には示されていない)などの他の回路を含む。状態マシン112は、メモリ操作のチップレベル制御を提供する。制御回路は、外部メモリコントローラを介してホストと通信する。
メモリアレイ200は、通例、行および列を成して配列されてワード線およびビット線によりアドレス指定可能なメモリセルの2次元アレイとして編成される。アレイはNORタイプまたはNANDタイプのアーキテクチャに従って形成され得る。
【0027】
図2は、不揮発性メモリセルを概略的に示す。メモリセル10は、フローティングゲートまたは誘電体層などの電荷蓄積ユニット20を有する電界効果トランジスタにより実現され得る。メモリセル10は、ソース14、ドレイン16、およびコントロールゲート30も含む。
今日使用されている商業的に成功した不揮発性ソリッドステート記憶装置が多くある。これらの記憶装置は、1つ以上の電荷蓄積素子をそれぞれ有するいろいろなタイプのメモリセルを採用することができる。
【0028】
代表的な不揮発性メモリセルはEEPROMおよびフラッシュEEPROMを含む。EEPROMセルの例およびそれらを製造する方法が、米国特許第5,595,924号(特許文献14)において与えられている。フラッシュEEPROMセルの例、メモリシステムにおけるそれらの使用、およびそれらを製造する方法が、米国特許第5,070,032号(特許文献2)、第5,095,344号(特許文献3)、第5,315,541号(特許文献4)、第5,343,063号(特許文献5)、第5,661,053号(特許文献6)、第5,313,421号(特許文献7)、および第6,222,762号(特許文献8)において与えられている。特に、NANDセル構造を有する記憶装置の例が、米国特許第5,570,315号(特許文献9)、第5,903,495号(特許文献10)、第6,046,935号(特許文献11)に記載されている。さらに、誘電体記憶素子を利用する記憶装置の例が、Eitan et al., "NROM: A Novel Localized Trapping, 2-Bit Nonvolatile Memory Cell," IEEE Electron Device Letters, vol. 21, no. 11, November 2000, pp.543-545 (非特許文献1)ならびに米国特許第5,768,192号(特許文献12)および第6,011,725号(特許文献13)に記載されている。
【0029】
実際問題として、セルのメモリ状態は、普通は基準電圧がコントロールゲートに印加されているときにセルのソースおよびドレイン電極を横断する伝導電流を感知することによって読み出される。セルのフローティングゲート上のそれぞれの所与の電荷について、固定された基準コントロールゲート電圧に関して対応する伝導電流が検出され得る。同様に、フローティングゲート上にプログラム可能な電荷の範囲は、対応するしきい値電圧ウィンドウまたは対応する伝導電流ウィンドウを定める。
【0030】
あるいは、分割された電流ウィンドウの中で伝導電流を検出する代わりに、試験される所与のメモリ状態についてのしきい値電圧をコントロールゲートにおいてセットして伝導電流がしきい値電流より低いか高いかを検出することが可能である。一実施例では、しきい値電流に関しての伝導電流の検出は、伝導電流がビット線のキャパシタンスを通して放電する速度を調べることによって成し遂げられる。
【0031】
図3は、任意の一時点でフローティングゲートが選択的に蓄えていることのある4つの異なる電荷Q1〜Q4についてソース・ドレイン電流IDおよびコントロールゲート電圧VCGの間の関係を示す。4つの実線のID 対VCG曲線は、4つの可能なメモリ状態にそれぞれ対応する、メモリセルのフローティングゲートにプログラムされ得る4つの可能な電荷レベルを表す。一例として、セルの集団のしきい値電圧ウィンドウは0.5Vから3.5Vに及び得る。しきい値ウィンドウをそれぞれ約0.4Vの間隔の8個の領域に分割することによって、1つの消去済み状態および7個のプログラム済み状態をそれぞれ表す8個の可能なメモリ状態「0」、「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」および「7」が区別され得る。例えば、図に示されているように、0.05μAの基準電流IREFが使用されるならば、Q1でプログラムされたセルは、その曲線が、VCG=0.43Vおよび0.88Vにより画定されるしきい値ウィンドウの領域においてIREFと交差するので、メモリ状態「1」にあるとみなされ得る。同様に、Q4はメモリ状態「5」にある。
【0032】
前の記述から分かるように、メモリセルが記憶させられる状態がより多いほど、そのしきい値ウィンドウはより細かく分割される。例えば、ある記憶装置は、−1.5Vから5Vに及ぶしきい値ウィンドウを有するメモリセルを持つことができる。これは6.5Vの最大幅を提供する。メモリセルが16個の状態を記憶しなければならないとすれば、各状態はしきい値ウィンドウの中で350mVから450mVを占めることができる。必要とされる分解能を達成することができるために、これにはプログラミングおよび読み出し操作において高い精度を必要とすることになる。
【0033】
図4は、メモリセルのNORアレイの例を示す。メモリアレイ200において、各行のメモリセルは、それらのソース14およびドレイン16によってデイジーチェーン式に接続されている。この設計は、ときには仮想接地設計と称される。行の中のセル10のコントロールゲート30は、ワード線42などの1つのワード線に接続されている。列の中のセルのソースおよびドレインは、ビット線34および36などの選択されたビット線にそれぞれ接続されている。
【0034】
図5Aは、NANDストリングに編成されたメモリセルのストリングを概略的に示す。NANDストリング50は、一連の、それ自身のソースおよびドレインによりデイジーチェーン式に接続されたメモリトランジスタM1、M2・・・Mn(例えば、n=4、8、16またはそれ以上)から構成される。1対の選択トランジスタS1、S2は、メモリトランジスタチェーンの、それぞれNANDストリングのソース端子54およびドレイン端子56を介しての、外部への接続を制御する。メモリアレイにおいて、ソース選択トランジスタS1がオンにされると、ソース端子がソース線に結合される(図5Bを参照)。同様に、ドレイン選択トランジスタS2がオンにされると、NANDストリングのドレイン端子がメモリアレイのビット線に結合される。チェーン内の各メモリトランジスタ10は、メモリセルとして動作する。それは、意図されたメモリ状態を表すように所与の量の電荷を蓄える電荷蓄積素子20を有する。各メモリトランジスタのコントロールゲート30は、読み出しおよび書き込み操作を制御することを可能にする。図5Bに見られるように、NANDストリングの行の対応するメモリトランジスタのコントロールゲート30は全て同じワード線に接続されている。同様に、選択トランジスタS1、S2の各々のコントロールゲート32は、それぞれ、そのソース端子54およびドレイン端子56を介してのNANDストリングへの制御アクセスを提供する。同様に、NANDストリングの行の対応する選択トランジスタのコントロールゲート32は、全て同じ選択線に接続されている。
【0035】
NANDストリングの中のアドレス指定されたメモリトランジスタ10が読み出されるかあるいはプログラミング中にベリファイされるとき、そのコントロールゲート30には適切な電圧が供給される。同時に、NANDストリング50内のアドレス指定されていないメモリトランジスタの残りは、それらのコントロールゲートに充分な電圧を印加することによって完全にオンにされる。このようにして、個々のメモリトランジスタのソースからNANDストリングのソース端子54へ、さらに同様に個々のメモリトランジスタのドレインのためにセルのドレイン端子56への伝導経路が実効作成される。このようなNANDストリング構造を有する記憶装置が、米国特許第5,570,315号(特許文献9)、第5,903,495号(特許文献10)、第6,046,935号(特許文献11)に記載されている。
【0036】
図5Bは、図5Aに示されているものなどのNANDストリング50から構成される、メモリセルのNANDアレイ200の例を示す。NANDストリングの各列に沿って、ビット線36などのビット線が各NANDストリングのドレイン端子56に結合されている。NANDストリングの各バンクに沿って、ソース線34などのソース線が各NANDストリングのソース端子54に結合されている。さらにNANDストリングのバンクの中のメモリセルの行に沿うコントロールゲートは、ワード線42などのワード線に接続されている。NANDストリングのバンクの中の選択トランジスタの行に沿うコントロールゲートは、選択線44などの選択線に接続されている。NANDストリングのバンク内のメモリセルの1つの行の全体がNANDストリングのバンクのワード線および選択線上の適切な電圧によってアドレス指定され得る。NANDストリングの中の1つのメモリトランジスタが読み出されるとき、ストリングを通って流れる電流が、その読み出されているセルに蓄えられている電荷のレベルに本質的に依存するように、ストリング内の残りのメモリトランジスタは、それらの関連するワード線を介してしっかりとオンにされる。
【0037】
プログラムおよびベリファイ
図6は、一連の交互プログラム/ベリファイサイクルによって1ページのメモリセルをターゲットメモリ状態にプログラムするための代表的な手法を示す。結合されたワード線を介してメモリセルのコントロールゲートにプログラミング電圧VPGM が印加される。VPGM は、初期電圧レベルVPGM0から始まる階段波形の形の一連のプログラミング電圧パルスである。プログラミングを受けるセルは、フローティングゲートに増分電荷をそのたびに加えようとする、この一連のプログラミング電圧パルスにさらされる。プログラミングパルス間に、セルは、そのソース−ドレイン電流をブレークポイントレベルに関して判定するために読み返されるかあるいはベリファイされる。読み返しプロセスは、1つ以上の感知操作を含み得る。セルのためのプログラミングは、それがターゲット状態に達したとベリファイされれば、終了する。使用されるプログラミングパルス列は、メモリセルの電荷蓄積ユニット中にプログラムされ蓄積された電子に対して反作用するために増大する周期あるいは振幅を持つことができる。プログラミング回路は、一般的に、選択されたワード線に一連のプログラミングパルスを印加する。このようにして、そのコントロールゲートがワード線に結合されている1ページのメモリセルが一緒にプログラムされ得る。ページの1つのメモリセルがそのターゲット状態までプログラムされると、プログラム禁止され、他のセルは、ページの全セルがプログラム−ベリファイされ終わるまでプログラミングにさらされ続ける。
【0038】
メモリ状態の分割の例
図7(1)は、接地状態としての消去済み状態「Gr」と、漸次もっとプログラムされたメモリ状態「A」、「B」および「C」とを有する4状態メモリアレイの例におけるしきい値電圧分布を示す。読み出し中、4つの状態は3つの境界ブレークポイントDA 〜DC によって区分される。
図7(2)は、図7(1)に示されている4つの可能なメモリ状態を表す好ましい2ビットLM符号化を示す。メモリ状態(すなわち、「Gr」、「A」、「B」および「C」)の各々は1対の「上位、下位」符号ビット、すなわち「11」、「01」、「00」および「10」によってそれぞれ表される。「LM」符号は、米国特許第6,657,891号(特許文献15)に開示されていて、電荷の大きな変化を必要とするプログラム操作を避けることによって隣接フローティングゲート間の電界効果結合を減少させるために有益である。符号化は、2つの符号ビット、「下位」および「上位」ビットが別々にプログラムされ読み出され得るように設計されている。下位ビットをプログラムするとき、セルのしきい値レベルは、「消去済み」領域に留まるかあるいはしきい値ウィンドウの「下側中央」領域に移される。上位ビットをプログラムするとき、これら2つの領域のいずれかにあるセルのしきい値レベルは、しきい値ウィンドウの「下側中間」領域にある僅かにより高いレベルにさらに進められる。
【0039】
図8(1)は、8状態メモリアレイの例のしきい値電圧分布を示す。各メモリセルの可能なしきい値電圧は、8個の可能なメモリ状態、「Gr」、「A」、「B」、「C」、「D」、「E」、「F」および「G」を区分するために8個の領域に分割されているしきい値ウィンドウにわたる。「Gr」は接地状態であり、これは引き締められた分布の中の消去済み状態であり、「A」〜「G」は7個の漸次プログラムされた状態である。読み出し中、8個の状態は7個の境界ブレークポイントDA 〜DG によって区分される。
【0040】
図8(2)は、図8(1)に示されている8個の可能なメモリ状態を表す好ましい3ビットLM符号化を示す。8個のメモリ状態の各々は、「上位、中央、下位」ビットのトリプレット、すなわち、「111」、「011」、「001」、「101」、「100」、「000」、「010」および「110」によりそれぞれ表される。符号化は、3つの符号ビット、「下位」、「中央」および「上位」ビットが別々にプログラムされ読み出され得るように設計されている。したがって、第1のラウンドで、下位ページのプログラミングは、下位ビットが「1」ならばセルを「消去済み」あるいは「Gr」状態に留まらせ、下位ビットが「0」ならば「下位中間」状態にプログラムさせる。基本的に、「Gr」あるいは「接地」状態は、深く消去された状態をしきい値の狭い範囲の中にプログラムさせることによるタイトな分布を有する「消去済み」状態である。「下位中間」状態は、メモリ状態「B」および「D」の間に広がるしきい値電圧の広い分布を持つことができる。プログラミング中、「下位中間」状態はDBなどの粗いブレークポイントしきい値レベルに関してベリファイされ得る。中央ビットをプログラムするとき、セルのしきい値レベルは、下位ページのプログラミングから生じた2つの領域のうちの一方から出発して4つの可能な領域のうちの1つに移る。上位ビットをプログラムするとき、セルのしきい値レベルは、中央ページプログラミングから生じた4個の可能な領域のうちの1つから出発して8個の可能なメモリ状態のうちの1つに移る。
【0041】
感知回路および手法
図9は、メモリセルのアレイにp個のセンスモジュールのバンクを包含する、図1に示された読み出し/書き込み回路270Aおよび270Bを示す。並行して動作するp個のセンスモジュール480のバンク全体は、1行に沿うp個のセル10の1ブロック(またはページ)を並行して読み出すかあるいはプログラムすることを可能にする。本質的に、センスモジュール1はセル1における電流I1 を感知し、センスモジュール2はセル2における電流I2 を感知し、センスモジュールpはセルpにおける電流IP を感知するなどである。ソース線34から集合ノードCLSRCに、さらにそこから接地へ流れるページについての総セル電流iTOT は、p個のセルの全ての電流の総和である。在来のメモリアーキテクチャでは、1つの共通のワード線を有する1行のメモリセルは2つ以上のページを形成し、ページ中のメモリセルは並行して読み出されプログラムされる。2ページを有する行の場合、1ページは偶数ビット線によりアクセスされ、他方のページは奇数ビット線によりアクセスされる。いつでも1ページの感知回路が偶数ビット線または奇数ビット線に結合されている。その場合、読み出し/書き込み回路270Aおよび270Bを個々のページに対してそれぞれ多重化するためにページマルチプレクサ250Aおよび250Bが設けられる。
【0042】
56nm技術に基づいて現在製造されているチップではp>64,000であり、43nm32Gbit×4チップではp>150,000である。好ましい実施形態では、ブロックはセルの行全体の1つのランである。これはいわゆる「全ビット線」アーキテクチャであり、このアーキテクチャではページは連続するビット線にそれぞれ結合された連続するメモリセルの1つの行から構成される。他の実施形態では、ブロックは行の中のセルのサブセットである。例えば、セルのサブセットは、行全体の二分の一あるいは行全体の四分の一であり得る。セルのサブセットは、連続するセルの1つのランであるか、あるいは一つ置きのセルであるか、あるいは所定数に1つのセルであり得る。各センスモジュールは、ビット線を介してメモリセルに結合され、メモリセルの伝導電流を感知するためのセンスアンプを含む。一般に、読み出し/書き込み回路がメモリアレイの両側に分配されているならば、p個のセンスモジュールのバンクは2セットの読み出し/書き込み回路270Aおよび270Bの間に分配される。
【0043】
図10は、図9に示されているセンスモジュールの好ましい構成を概略的に示す。p個のセンスモジュールを包含する読み出し/書き込み回路270Aおよび270Bは、1バンクの読み出し/書き込みスタック400に群分けされている。
【0044】
図11は、図10に示されている読み出し/書き込みスタックをより詳しく示す。各読み出し/書き込みスタック400はk個のビット線のグループに対して並行して作用する。1ページがp=r*k個のビット線を有するならば、r個の読み出し/書き込みスタック400−1・・・400−rがある。本質的に、アーキテクチャは、k個のセンスモジュールの各スタックがスペースを節約するために1つの共通のプロセッサ500によりサービスされるようになっている。共通プロセッサ500は、センスモジュール480に置かれているラッチおよびデータラッチ430に格納されるべき更新済みデータを、これらのラッチの中の現在の値と状態マシン112からの制御とに基づいて、計算する。共通プロセッサについての詳しい記述が、その全体が本願明細書において参照により援用されている、2006年6月29日付の米国公開特許出願第2006/0140007号(特許文献16)に開示されている。
【0045】
並行して動作する分割された読み出し/書き込みスタック400のバンク全体は、1行に沿うp個のセルの1つのブロック(またはページ)を並行して読み出すかあるいはプログラムすることを可能にする。したがって、セルの行全体のためにp個の読み出し/書き込みモジュールがある。各スタックはk個のメモリセルとして動作するので、バンク内の読み出し/書き込みスタックの総数はr=p/kにより与えられる。例えば、rがバンク内のスタックの数であるとすれば、p=r*kである。1例としてのメモリアレイはp=150,000、k=8を有することができ、したがってr=18,750である。
【0046】
400−1などの各読み出し/書き込みスタックは、本質的に、1セグメントのk個のメモリセルに並行してサービスするセンスモジュール480−1〜480−kのスタックを包含する。ページコントローラ410は、制御およびタイミング信号を線411を介して読み出し/書き込み回路370に提供する。ページコントローラ自体は線311を介してメモリコントローラ310に依存する。各読み出し/書き込みスタック400間の通信は、相互接続スタックバス431によって行われ、ページコントローラ410によって制御される。制御線411は、制御およびクロック信号をページコントローラ410から読み出し/書き込みスタック400−1のコンポーネントに提供する。
【0047】
好ましい構成では、スタックバスは、共通プロセッサ500とセンスモジュール480のスタックとの間の通信のためのSAバス422と、プロセッサとデータラッチ430のスタックとの間の通信のためのDバス423とに分割される。
データラッチ430のスタックは、スタックに関連付けられた各メモリセルのために1つずつのデータラッチ430−1〜430−kから成る。I/Oモジュール440は、データラッチがI/Oバス231を介して外部とデータを交換することを可能にする。
共通プロセッサは、エラー状態などのメモリ操作のステータスを示すステータス信号の出力のための出力507も含む。ステータス信号は、ワイヤードOR構成でフラグバス509に結合されているn形トランジスタ550のゲートを駆動するために使用される。フラグバスは、コントローラ310によって好ましくはプリチャージされ、いずれかの読み出し/書き込みスタックによってステータス信号がアサートされるとプルダウンされる。
【0048】
低ノイズのセンスモジュールアレイ
その全体が本願明細書において参照により援用されている、米国特許第7,046,568号(特許文献17)は、低供給電圧で動作することのできる低ノイズ感知回路を有する不揮発性記憶装置を開示している。
前の感知回路とは違って、米国特許第7,046,568号(特許文献17)の低ノイズ感知回路は、セル電流を、それがキャパシタとして作用するビット線ではなくて専用キャパシタを放電させる速度によって測定する。このようにして、ビット線電圧は感知中一定に保たれ、これにより、ビット線上の時間変化する電圧に起因するビット線間結合からのノイズを避けることができる。感知回路は、セル電流を判定するために使用される電圧放電のダイナミックレンジを効果的に広げる電圧昇圧回路を組み込むことによって低供給電圧で動作することもできる。
【0049】
本発明の一態様に従って、1ページのメモリセルがセンスモジュールの1つの対応するアレイによって並行して感知され、所与のメモリセルのためのセンスモジュールにおいて生成されたノイズがアレイ中の他のセンスモジュールに干渉することが防止される。特に既存のセンスモジュールは、ページ中の高度に伝導するメモリセルを特定してロックアウトした後はアレイ中の他のセンスモジュールに対して顕著なノイズ源となる。本発明は、ロックアウトされたメモリセルと関連するセンスモジュールがアレイ中のなお感知中である他のセンスモジュールにノイズを伝播させることを防止する。このようにして、感知精度が改善され、その結果として性能が向上し、各メモリセルにより多くのデータビットを格納することができる。
【0050】
図12Aは、図9〜11に示されているセンスモジュールの1つの既存の実施例を概略的に示す。既存のセンスモジュール480’は、米国特許第7,046,568号(特許文献17)において開示されているものと同様である。図10に示されている各読み出し/書き込みスタック400がk個のビット線を介して対応するk個のメモリセルにサービスするk個のセンスモジュールのセットを包含するということが理解できるはずである。1つの共通プロセッサ500によってサービスされるk個のセンスモジュール480−1〜480−kと、k個のデータラッチ430−1〜430−kとがある。簡潔のために、図12Aは、k個のセンスモジュール480−1〜480−kのセットのうちのいずれをも代表する、センスモジュールのうちの1つのセンスモジュール480’と、共通プロセッサ500と協動するk個のデータラッチ430−1〜430−kのセットのうちのいずれをも代表する、1セットのデータラッチ430とを明示的に示す。図10および11に関して記述したように、1ページのp個のメモリセルは、合計r個の読み出し/書き込みスタックを並行して動作させることによって機能する。
【0051】
既存のセンスモジュール480’は、信号BLSによって制御される結合トランジスタ482を介してビット線36を介してメモリセルに結合される。メモリセルの一例は、NANDチェーン50の中の1つのメモリトランジスタである。センスモジュール480’は、センスアンプ600’と、ビット線電圧クランプ610と、プルダウン回路550とを含む。センスモジュール480’は、信号NC0によって制御される転送ゲート488を介してSAバス422などのバスを用いて他の周辺回路と通信する。
【0052】
前述したように、センスモジュールのスタックはSAバス422を介して共通プロセッサ500およびデータラッチのセット430と通信する。共通プロセッサ500は、センスモジュール480’のラッチおよびデータラッチ430に格納されているデータにアクセスする。更新済みの値を、その現在の値と状態マシン112からの制御とに基づいて、計算する。更新済みの値は、逆戻りしてセンスモジュール480’内のラッチおよび/またはデータラッチ430に格納される。共通プロセッサ500は、Dバス423を介してk個のデータラッチに結合されている。データラッチのセット430は、I/Oバス231を介して外部に接続されている。センスモジュール480’、共通プロセッサ500およびデータラッチのセット430の動作は、制御線411を通して制御およびタイミング信号を発するページコントローラ410を介して状態マシン112(図11を参照)によって制御される。
【0053】
センスモジュール480’は、信号COM1を運ぶノード481を有する。ノード481は、センスアンプ600’がビット線36および/またはSAバス422に選択的に結合されることを可能にする。
感知は、ビット線電圧クランプ610によってクランプされた固定された電圧のビット線36を用いて行われる。ビット線電圧クランプは、そのソースおよびドレインがビット線およびCOM1ノード481の間で直列になっているn形トランジスタ612により実現されている。n形トランジスタ612のゲート上のアナログ電圧は、ビット線上のクランプされる電圧を決定する。感知操作中、この一定のビット線電圧は、ビット線上の変化する電圧に起因するビット線間に生じ得る結合をなくす。
【0054】
1ページに属する1つのメモリセルが基準電流より大きな伝導電流を有すると判定されると、そのセルのための感知が行われて、セルは、ページの残りが感知され続けられ得る間にさらなる感知操作からロックアウトされる。これは、ビット線36を接地にプルダウンすることによりセル電流をオフにすることによって成し遂げられる。ビット線36を接地に選択的に引くためにプルダウン回路550が設けられている。プルダウン回路550は、本質的にビット線および接地を横切る直列の2つのn形トランジスタ552および486を含む。2つのn形トランジスタは信号GRSおよびINVによってそれぞれ制御される。両方がハイであれば、プルダウン回路550はアクティブ化されてノード481(COM1)を接地に引く。信号BLSもハイであれば、ビット線36も接地に引かれる。このようにして、セル電流は、そのソースおよびドレインの短絡に起因してオフにされる。
【0055】
信号GRSは、プログラミング中に使用され、状態マシン112(図11を参照)から制御され、ページコントローラ411からの制御およびタイミング信号の一部として供給される。感知中、GRSは常にハイであり、信号INVも、センスアンプ600’によって、セル電流が基準電流より大きいことをそれが感知すると、ハイとなるようにセットされる。
【0056】
センスアンプ600’は、電圧クランプ620と、プリチャージ回路640’と、セル電流ディスクリミネータ650とセンスアンプラッチ660とを含む。感知は、セル電流ディスクリミネータ650によりノード631の信号SENを検出することによって行われる。SENノード631を、信号HLLによって制御される絶縁トランジスタ642を介してプリチャージ回路640’によってプリチャージすることができる。SENノード631を、信号XXLによって制御される絶縁トランジスタ630を介してCOM1ノード481に結合すると、メモリセルにも結合することができる。
【0057】
電圧クランプ620は、プリチャージ回路とCOM1ノード481との間のトランジスタ622によって実現される。トランジスタ622は、ビット線電圧クランプ610が適切に機能するようにノード481の信号COM1を所定のレベルより高く保つために信号BLXによって駆動される。
プリチャージ回路640’は、センスモジュールの種々の操作中ビット線がCOM1ノード481およびSENノード631を介してVddのほうへプルアップされることを可能にする。プリチャージ回路640’は、信号INVによってイネーブルされるp形トランジスタ644により実現されている。
【0058】
SENノード631とCOM1ノード481との間の絶縁トランジスタ630は、これら2つのノードに異なる電圧が存在することを可能にする。ビット線36を、所与の電圧にプリチャージしなければならないときには、信号BLS、BLC、XXL、HLLおよびINVによってそれぞれ制御されるトランジスタ482、612、630、642および644によりイネーブルされる経路を介してプルアップすることができる。同様に、ノード481のCOM1信号およびノード631のSEN信号を、それぞれ信号XXL、HLLおよびINVにより制御して、本質的にVddまでプルアップすることができる。
【0059】
ある実施例では、Vddは、より低い値に変換される前に外部ソースVextから直接供給される。これは、プルアップされる電圧のために100mVの余分のマージンを提供することができて、負のVT の領域でメモリセルを感知する場合に特に有益である。
セル電流ディスクリミネータ650は、本質的にメモリセルの伝導電流を基準電流に関して比較する。セル電流が基準電流より大きければセンスアンプはハイ状態の信号INVを出力し、小さければ逆の状態の信号を出力する。いったんセットされれば、信号INVはセンスアンプラッチ660によってラッチされる。
感知の前に、選択されたメモリセルの電極への電圧は、1つ以上のプリチャージ操作で適切なワード線およびビット線を介してセットされなければならない。
【0060】
例えば、図12Aに示されているように、NANDチェーン50と交差するワード線WL1に沿う1ページのメモリセルが感知のために選択され得る。プリチャージ操作は、選択されていないワード線WL0、WL2〜WL31が電圧Vreadまで充電され選択されたワード線WL1が考慮中の所与のメモリ状態のための所定のしきい値電圧VT(i)まで充電された状態で始まる。
【0061】
ビット線36およびCOM1ノード481、SENノード631は、プリチャージ回路640’によってそれぞれ感知に適する所定の電圧までプリチャージされる。ワード線およびビット線電圧がNANDチェーン50に印加されて、選択されたメモリセルがオンにされる。ソース−ドレイン伝導電流がメモリセルを流れる。伝導電流は、メモリセルのソースとドレインとの間に公称電圧差が存在するとき、選択されたメモリセルにプログラムされている電荷と選択されたワード線に印加されたVT (i)との関数である。
ワード線およびビット線の電圧が安定しているとき、選択されたメモリセルの伝導電流あるいはプログラムされたしきい値電圧をセンスアンプ600’によりSENノードにおいて感知することができる。
【0062】
セル電流ディスクリミネータ650は、本質的に、セル電流がノード631においてキャパシタ652上の信号SENを放電させる速度を検出することによってセル電流を測定する。すなわち、SENが放電される速度の判定は、伝導電流の測定値を提供する。放電の前に、SENはプリチャージ回路640’によってVddまでプリチャージされる。感知は、セル電流が遮断される時点(XXLがロー)までの、セル電流がキャパシタを放電させることを許される時間(HLLがローでXXLがハイ)により与えられる所定の期間にわたる。
【0063】
感知中、ビット線内の記憶装置ユニットの伝導電流はキャパシタ652を放電させる。セルがより多く伝導するほど、放電はより速い。そのときSENノード631の電圧は、伝導電流に依存する速度でVddから低下する。所定の放電期間の終わりに、絶縁トランジスタ630は、XXLがローになることによりオフにされる(期間は基準電流に対応する)。これにより、SENノード631からのセル電流が切断され、それ以上の放電が止まる。信号SENは、測定p形トランジスタ656をオフにすることができるかあるいはできない何らかの値まで低下する。
【0064】
感知期間後、信号SENの電圧はp形トランジスタのしきい値(Vdd−|VT |)と比較される(VTPはp形トランジスタのしきい値電圧である)。SENはp形トランジスタ656のゲートに印加される。p形トランジスタがオンになれば、SENはVdd−|VT |より下まで放電しているかあるいは伝導電流は基準電流より大きい。p形トランジスタがオンにならなければ、伝導電流は基準電流より少なくてSENをVdd−|VT |より下まで放電させることができない。
【0065】
p形トランジスタ656のソース側は、接続トランジスタ654がゲート信号STBでオンにされるとVddに接続される。SENがp形トランジスタ656をオンにするのに充分に下がっていなければ、トランジスタ656のドレイン側の信号INVを出力するノード657はローに留まる。一方、SENがVdd−|VTP|より下がっていれば、p形トランジスタ656はオンになってINVノード657はVddまでプルアップされてラッチされる。
【0066】
セル電流ディスクリミネータ650は、実際上、セルの伝導電流が所与の境界電流値より大きいか小さいかを判定する。所与の境界電流値は所定の放電時間に対応する。感知された電流が境界電流値より大きければ、問題のメモリセルはコントロールゲートの印加されたVT (i)より小さなしきい値を有する。したがって、セル電流が基準境界レベルより低ければINVの形の感知結果はローに留まる。逆に、セル電流が基準レベルより高ければINVはハイである。INV信号は、センスアンプラッチ660によりラッチされるCMOSロジックレベルに変換される。
【0067】
昇圧回路
図12Aおよび前の記述から、ビット線電圧がビット線クランプ610によって所定のVBLでクランプされるならば、クランプが機能するためには、クランプするn形トランジスタ612のドレイン側はソース側より僅かに(例えば、約0.2Vだけ)高い電圧でなければならないということがわかる。したがって、COM1はVBLより約0.2V高くなければならず、これは電圧クランプ622により保証される。これは、SENの電圧レベルが精々COM1よりVT 以内高いところまで下がってもよいということをも意味する。したがって、ノード631におけるSEN信号の放電は、Vddにより与えられる上限と、COM1より僅かに(例えば、約VT だけ)高いVLIMIT により与えられる下限とを有する限られたダイナミックレンジで動作し得るにすぎない。しかし、Vddの源であるより低い供給電圧について、VLIMIT の存在を仮定して、(Vdd−|VTP|)<VLIMIT ならば、p形トランジスタは決してオンにはならない。
比較回路650’は、線703を介してブースト電圧VB をキャパシタ652の一方のプレートに供給する電圧シフタ700の形の昇圧回路を設けることによって低電圧動作に適合させられている。電圧シフタのタイミングは、線702を介してページコントローラ498により制御される。
【0068】
動作時、プリチャージ回路640’はセンスノードSEN631をVddに引く。電圧シフタは、SENノードが絶縁トランジスタ636によってVddから減結合された後にアクティブ化される。電圧シフタは基本的にΔVだけVB 信号レベルの増大を有するので、ノードSEN631に存するキャパシタの他方のプレート上の電圧は同量だけ高められる。これは、実際上、適度の伝導電流に対応する最終電圧がVdd−VLIMIT より高くなり得るように、ダイナミックレンジの上限をΔVだけ高める。放電期間の終わりに、センスノードSEN631は、絶縁トランジスタ634を通してノードSEN2から減結合され、これによりVLIMIT 制限を取り除く。そのとき、SEN631上の電圧は、基準電圧(Vdd−|VTP|)と比較される前に初期昇圧を取り消すように同じΔVだけ下げられる。これにより、VLIMIT より低いレベルでも電圧比較を行うことが可能となる。
【0069】
ロックアウトセンスモジュールから他のセンスモジュールへのノイズ
昇圧回路700は、感知期間中VB を高め、したがってセンスモジュール480’においてノイズ源となり得る。ノイズは、キャパシタ652を介してSENノード631へ、さらにその先へ伝わり得る。センスモジュールが感知操作中アクティブであるときにはセルが電流シンクとして作用していてビット電圧クランプ610とセンスアンプ内の電圧クランプ620との両方がノイズを軽減するように作動しているので、ノイズは重要ではない。
【0070】
前述したように、センスモジュールは、大電流セルを検出してハイの信号INVをラッチした後、ロックアウトモードに入る。これにより、セル電流は、そのビット線がプルダウン回路550によって接地にプルダウンされた後、止められる。ロックアウトセンスモジュールは最早感知に関与しなくて非アクティブとなり、同時に他のセンスモジュールはページ中のまだロックアウトしていないメモリセルを感知してアクティブであり続ける。しかし、ロックアウトセンスモジュールは、その非アクティブモードにおいても、なおアクティブである他のセンスモジュールについては重大なノイズ源となる。
【0071】
図12Bは、ロックアウトモードに入った図12Aに示されているセンスモジュールのノイズ経路を示す。ロックアウトモードは、センスアンプ600’が基準電流より上のセル電流を検出して信号INVをハイにセットしているときである。INVがハイであることに応答して、センスモジュール480’はビット線を接地にプルダウンし、同時にプリチャージ回路640’を介してのVddへのアクセスは遮断される。これは、電圧クランプ620が、したがってビット線電圧クランプ610も、最早機能し得ないということを意味する。1ページのメモリセルが並行して感知されているとき、XXLおよびBLSなどの制御信号およびVB は、ロックアウトモードに入っているセンスモジュールも含む全てのセンスモジュールに一様に印加される。したがって、INVがハイであるセンスモジュール480’については、昇圧回路700により生成されたノイズは経路711に沿ってビット線36へ伝わり得る。ページ中の各メモリセルのソースが信号CLSRCを伴うページソース線に結合され、ページソース線が接地に結合されているならば、ノイズは接地ループを介してCLSRCに影響を及ぼすようにも伝わり得る。
【0072】
図13は、ロックアウトモードに入った図12Bに示されている既存のセンスモジュールについての制御信号のタイミングを示す。ロックアウトモードにおいて、センスモジュール480’は、昇圧回路700からのノイズがページソース線にもビット線にも到達することを可能にする。図13および図12Bの両方を参照すると、全てのセンスモジュールのための感知期間は、HLL(図13(a))がプリチャージ回路640’をSENノード631から切り離すことで始まり、SENノードをそれ以上放電させないようにXXL(図13(b))がセル電流を絶つことで終わる。感知期間中、センスノードは昇圧回路から供給されるVB で昇圧される。ロックアウトモードのセンスモジュールでは、SENノード631は、プルダウン回路550を介してCLSRCページソース線34にも結合されているビット線36に結合される。セル電流がオフにされると、感知期間開始時におけるVB の電圧レベルの急なシフト(図13(c))によってSENノードにリップルが生じる(図13(d))。このリップルは、ノイズとしてノイズ経路711に沿って伝わって、結合されているビット線(図13(e))およびCLSRCページソース線(図13(f))に到達する。
【0073】
ビット線に対するノイズの影響
センスモジュール480’は、1ビット線から他への時間変化する電流の結合を避けるために定ビット線電圧で感知するように設計された。セル電流と無関係のどんな電流も単なるノイズであって、セル電流の感知におけるエラーの原因となる。前に説明したように、ロックアウトセンスモジュールは時間変化する電流であるノイズをロックアウトビット線に投入することがある。ロックアウトメモリセルは最早感知されていないとしても、ロックアウトビット線中の変化する電流は、そのセルがなお感知を受けているかもしれない隣接するビット線に結合されることがある。このタイプの結合ノイズは、ロックアウトセルに近い感知されつつあるセルに関しては重要であって、感知におけるエラーに寄与する。
【0074】
ページソース線に対するノイズの影響
他の1つの問題は、メモリセルのソース側電圧における不確実性と関連する。例えば、ソース側エラーの1つの現れは、ソース線とチップの接地パッドとの間の有限の抵抗に起因する。メモリセルを感知することについての1つの潜在的問題は、有限の抵抗を横断するソース負荷により引き起こされるソース線バイアスである。多数のメモリセルが並行して感知されるとき、それらの総電流は、有限の抵抗を有する接地ループにおいて顕著な電圧降下を生じさせることがある。これは、しきい値電圧感知を使用する読み出し操作においてエラーを引き起こすソース線バイアスをもたらす。
【0075】
図14は、接地までの有限の抵抗を有するソース線における電流に起因するソース電圧エラーの問題を示す。読み出し/書き込み回路270Aおよび270Bは1ページのメモリセルに対して同時に作用する。読み出し/書き込み回路中の各センスモジュール480は、ビット線36を介して対応するセルに結合されている。例えば、センスモジュール480は、メモリセル10の伝導電流i1 (ソース−ドレイン電流)を感知する。伝導電流は、ソース線34を通って接地へ進む前に、センスモジュールからビット線36を通ってメモリセル10のドレインに流入し、ソース14から流出する。集積回路チップでは、メモリアレイ中のセルのソースは、メモリチップの何らかの外部接地パッド(例えば、Vssパッド)に接続されたソース線34の複数の枝路として全て互いに結合される。ソース線の抵抗を減らすために金属ストラップが使用されたとしても、メモリセルのソース電極と接地パッドとの間に有限の抵抗Rが残る。通例、接地ループ抵抗Rはおよそ50オームである。
【0076】
並行して感知されるメモリのページ全体について、ソース線34を流れる総電流は全ての伝導電流の合計、すなわちiTOT =i1 +i2 +・・・+ip である。一般的に、各メモリセルは、その電荷蓄積素子にプログラムされている電荷の量に依存する伝導電流を有する。メモリセルの所与のコントロールゲート電圧について、少量の電荷は比較的に大きな伝導電流を生じさせる(図3を参照)。メモリセルのソース電極と接地パッドとの間に有限の抵抗が存在すると、その抵抗における電圧降下はVdrop=iTOT Rにより与えられる。
【0077】
例えば、24,000のビット線がそれぞれ0.25μAの電流で同時に放電すれば、ソース線電圧降下は24,000線×0.25μA/線×50オーム〜0.3ボルトである。主要効果はソース電圧の0.3V上昇がしきい値電圧の0.45V上昇をもたらすことであると仮定すると、このソース線バイアスは、メモリセルのしきい値電圧が感知されるときに0.45ボルトの感知エラーの原因となる。
【0078】
図15は、ソース線電圧降下により引き起こされるメモリセルのしきい値電圧レベルのエラーを示す。メモリセル10のコントロールゲート30に供給されるしきい値電圧VT はGNDに関してのものである。しかし、メモリセルが見る実効VT は、そのコントロールゲート30とソース14との間の電圧差である。供給されるVT と実効VT との間にはおよそ1.5×Vdropの差がある(ソース14からソース線までの電圧降下のより小さな寄与を無視して)。このVdropあるいはソース線バイアスは、メモリセルのしきい値電圧が感知されるとき、例えば0.45ボルトの感知エラーの原因となる。このバイアスは、データ依存であるため、すなわちページのメモリセルのメモリ状態に依存するために、容易には取り除けない。
【0079】
米国特許第7,173,854号(特許文献18)は、接地ループに起因するソースバイアスエラーの問題を緩和するためにページ中の各メモリセルのソースに近いワード線電圧を参照する方法を開示している。
その全体が本願明細書において参照により援用されている、Nguyenらにより2007年6月29日に出願された「METHOD FOR SENSING NEGATIVE THRESHOLD VOLTAGES IN NON-VOLATILE STORAGE USING CURRENT SENSING」という米国特許出願第11/771,982号(特許文献19)は、1ページに沿う各メモリセルのソースを所定ページソース電圧に調整するための記憶装置および方法を開示している。
【0080】
図15は、ロックアウトセンスモジュールに起因するノイズが、ページソース線と感知を受ける個々のセンスモジュールのビット線との両方に導入されることも概略的に示している。そのノイズは、通例、ページソース線にレギュレータがあっても、ついてゆけない急速な揺らぎを有する。前の開示から、ノイズがページソース線34の信号CLSRCに導入されれば、それはページソース線に結合されている全てのメモリセルの感知中にエラーを引き起こすということは明らかである。
【0081】
改善された低ノイズのセンスモジュールアレイ
低められた供給電圧で動作することのできるセンスモジュールの1つの好ましい実施例では、感知される放電電圧のダイナミックレンジを増大させるために昇圧回路が使用される。センスモジュールが基準電流より大きな伝導電流を有するセルを特定すると、そのセルはそれ以上の感知からロックアウトされて、関連するビット線はそのロックアウトセルをオフにするためにページのソース線へ短絡される。このロックアウトモードでは、昇圧回路により生成されるステップアップ電圧はノイズ源となってセルのビット線およびページのソース線へ伝播しやすく、これにより他の動作しているセンスモジュールに干渉する。このノイズ源は、センスモジュールがロックアウトモードに入ると必ずビット線およびソース線に到達しないように絶縁される。ノイズ源と、ビット線およびソース線を昇圧回路に結合させる中間回路との間に絶縁回路が配置される。
【0082】
一般的な実施形態では、転送ゲートが絶縁回路として使用される。転送ゲートは、メモリセルが基準電流より大きい伝導電流を有すると特定されてページのさらなる感知操作からロックアウトされたことから生じたロックアウトモードを示すラッチ済み信号によって、オフにされる。転送ゲートがオフにされることにより、メモリセルのビット線とページのソース線とへのノイズ経路が切断される。 1つの好ましい実施形態では、転送ゲートは、中間回路と、放電電圧が感知されると共に昇圧済み電圧が印加されるノードとの間に配置される。
【0083】
図16は、1つの好ましい実施形態に従う、ロックアウトセンスモジュールからのノイズ絶縁が改善されているセンスモジュールスタックを示す。センスモジュールスタックは、1つの共通SAバス422を共有するセンスモジュール480−1〜480−kから成る。動作時には、1ページのメモリセルが並行して感知される。図11に示されているように、p個のビット線を介してページのp個のメモリセルに接続するp個のセンスモジュールがある。したがって、図16に示されているセンスモジュールスタックは、ページのためのセンスモジュールのセット全体を形成するp/k個のスタックのうちの1つを表す。メモリセルのページの各メモリセルのソースは、電圧CLSRCを有するページソース線34(図14および図15を参照)に結合されている。
【0084】
各センスモジュール480は、図12Aおよび図12Bに示されている既存のセンスモジュール480’に類似している。1つの差異は、メモリセルの感知された結果に従ってセットされる信号INVにより制御される転送ゲート750が組み込まれていることである。好ましい実施例では、転送ゲート750はp形トランジスタ752とn形トランジスタ754とを含む。転送ゲートの第1のノードは、n形トランジスタ754のドレインに結合されたp形トランジスタ752のソースを有する。転送ゲートの第2のノードは、n形トランジスタ754のソースに結合されたp形トランジスタのドレインを有する。2つのノードは、COM1ノード481およびノード482を横断して接続されている。ノード482は、信号COM2を伝え、転送ゲート750とビット線電圧クランプ610との間に位置する。p形トランジスタ752は信号INVによりゲート制御され、n形トランジスタ754は、INVの反転であるINV* によってゲート制御される。
【0085】
セル電流がセンスアンプ600によって基準電流より大きいと判定されると、INVはハイにセットされてラッチされる。ビット線は、ページソース線34(図14および図15を参照)のCLSRCに引かれる。ソースおよびドレインが本質的に同じ電位であれば、セル電流はオフにされてセンスモジュールはロックアウトモードに入って非アクティブになり、同時に他のセンスモジュールはそれぞれのメモリセルの感知を続行する。ロックアウトモードでは、ハイであるINVが転送ゲート750をオフにする。したがって、VB における電圧のシフトに起因するノイズは、センスモジュールがロックアウトモードであるときには必ずSENノード631およびCOM1ノード481まで伝播することができるに過ぎなくて転送ゲートによって遮断される。このようにして、どのロックアウトセンスモジュールからのノイズも、依然として感知を行っているセンスモジュールに干渉しないように妨げられる。
【0086】
図16に示されている転送ゲートのための好ましい実施形態の他の1つの特徴は、ビット線と究極的にVddとの間の経路における転送ゲート750のp形トランジスタ752の構成で、p形トランジスタが、図12Aに示されている前のプリチャージ回路640’における前のp形トランジスタ644のプルアップ機能を提供することである。したがって、図16では、改善されたセンスモジュール480内のプリチャージ回路640は、プルアップのためのp形トランジスタを最早必要としない。プリチャージ回路640は単にVddへの結線である。転送ゲートは、Vddへのプルアップを行うためにプリチャージ操作中にオンにされる。
【0087】
図17は、ロックアウトモードに入った図16に示されている改善されたセンスモジュールのための制御信号のタイミングを示す。ロックアウトモードではセンスモジュール480の転送ゲート750は昇圧回路からのノイズがページソース線およびビット線に到達しないように遮る。図17および図16の両方を参照すると、全てのセンスモジュールのための感知期間は、HLL(図17(a))がプリチャージ回路640’をSENノード631から切り離すことから始まり、SENノードをそれ以上放電させないようにXXL(図17(b))がセル電流を遮断することで終わる。感知期間中、センスノードは、昇圧回路から供給されるVB で高められる。ロックアウトモードのセンスモジュールについて、SENノード631は、介在している転送ゲート750を除いて、プルダウン回路550を介してCLSRCページソース線34にも結合されているビット線36に結合される。セル電流がオフにされると、感知期間の始まりにおけるVB の電圧レベルの急なシフト(図17(c))によってSENノードにリップルが生じる(図17(d))。ノイズとしてのこのリップルの伝播は、結合されているビット線(図17(e))およびCLSRCページソース線(図17(f))に到達しないように、オフにされている転送ゲート750によって止められる。図13(e)および図13(f)に示されている対応するものと比べて、ロックアウト状態の、改善されているセンスモジュールのビット線にもページ全体のページソース線にもノイズはない。
他の1つの好ましい実施形態では、転送ゲートは、昇圧回路と放電電圧が感知されるノードとの間に配置される。
【0088】
図18は、代わりの好ましい実施形態に従う、ロックアウトセンスモジュールからのノイズ絶縁が改善されているセンスモジュールスタックを示す。この代わりの実施形態におけるセンスモジュール480’’は、転送ゲート750が類似の転送ゲート760により取って代わられていて昇圧回路700とSENノード631との間に移されていることを除いて、図16に示されている好ましい実施形態のセンスモジュール480と同様である。これは、VB を、それが経路703を介してキャパシタ652に到達する前に、ゲート制御するように配置されている。
【0089】
図19は、ロックアウトセンスモジュールからのノイズが、ページを感知するためになおアクティブである他のものに干渉しないように絶縁する方法を示す流れ図である。
ステップ810:不揮発性メモリセルの伝導電流を、そのグループを並行して感知している最中に感知するために、中間回路を介してメモリセルがアクセスし得るノードを設ける。
ステップ820:ノードを初期電圧へプリチャージする。
ステップ830:ノードに結合された昇圧回路を設ける。
ステップ832:ノード上の初期電圧を所定量だけ高める。
ステップ840:伝導電流をノードにおける電圧放電の速度により測定する。
ステップ850:伝導電流が所定値より大きいと判定されるたびに、少なくともメモリセルのグループのための感知が完了するまで昇圧回路をメモリセルの中間回路から絶縁する。
【0090】
高速センスモジュールアレイ
2007年12月28日に出願された米国特許出願第11/966,325号(特許文献20)においてさらに発展させられている、前で与えられたセンスモジュールのための種々の実施形態は、データをセンスアンプのデータラッチからデータ上に読み出すプロセスが、接続されたビット線にプリチャージ素子が供給する同じ経路の一部を使用する構成を使用する。これは、米国特許第7,173,854号(特許文献18)および第7,170,784号(特許文献21)に見出されるものにも当てはまる。例えば、図12Aに示されているように、センスモジュール480’にラッチされたデータ値は、スイッチ488を通してバスノード422へ送り出される。これは、線COM1が481で接続することを伴う。これは、図12Bに示されているように、プリチャージがビット線に供給される同じ経路である。
【0091】
この事情は図20A〜図20Cでより詳しく考察され、これらのセンスモジュールの詳細の幾分かがこの論議のために多少再構成されていることを表す。図20Aは、これらの他のセンスアンプの多少一般的な変形と解され得るけれども、プリチャージ保持キャパシタCSA653が中央に、デジタル部分と称され得るものが左側に、アナログ部分と称され得るものが右側に配置されているものを示す。図12Aの対応する部分の単なる再構成であるアナログ部分は、プリチャージキャパシタ653からの電流を選択されたビット線に提供する。デジタル側で、弁別素子は660にラッチするべき状態を判定する。SAラッチ660は、例えば、ラッチされた値を保持するためにクロスカップリングされたトランジスタから形成されることができて、ここではRSTおよびSTB信号に応答する。
【0092】
図20Bは、プリチャージキャパシタCSA652から選択されたビット線への電流が取る感知のためのアナログ経路を示す。より具体的には、それはノード631および481を通り、さらにビット線選択トランジスタ482へ進む。図20CはデータをSAバス422へ転送するための経路を示し、電流は再びノード631および481を通って進み、ここで向きを変えてトランジスタ488を通って422のセンスアンプバスへ進む。これらの経路の両方が、SENのところの線から、ノード631へ、トランジスタ630を通ってノード481までの共通部分を共有する。したがって、1感知操作のための422へのデータ転送が完了するまで、プリチャージキャパシタ652は次の感知操作のために充電されることができない。したがって、図20Aのものなどの構成において感知性能を低速化する要因のうちの1つは、アナログ感知時間(図20C)とデジタルデータ転送時間(図20B)とが連続する結果である。
【0093】
スピードを考慮すべきであることに加えて、この構成はアナログ感知経路にノイズを生じさせる。それは、Vddの高データ値をトランジスタ630を通して送るには、一般に、630のしきい値を補うためにXXLをVddより高い値にすることが必要であるからである。データ値が出された後、XXLは通例下げられてVddに戻されるけれども、これにはある程度の時間がかかり得るので、これはノイズを導入し、BLクランプ610を通り、図12Bに関して前に記述された経路に沿って、そこで論じられたものと類似の効果を伴って進む。
【0094】
ここで提示される構成は、センスモジュール回路内のアナログ部分とデジタル部分とを、これらの両方が並行して処理され得るように分離する新しい方法を導入する。このようにして、感知性能は、代表的な設計で約10%向上し得る。さらに、これは、感知中にアナログ感知経路上のノイズをなくしてスイッチング電流を減少させるのに役立つ。図21Aに関して見られるように、この種の設計は、メモリが前の感知データを送り出している間に次の感知環境が準備されることを可能にする。
【0095】
図21Aは、図20Aのセンスモジュールと関連する方法のいくつかの態様を示す。他の実施形態は、前のセクションにおいて、さらに米国特許第7,173,854号(特許文献18)および第7,170,784号(特許文献21)のものなどの他のセンスモジュールにおいて与えられている他の種々の実施形態に基づくか、あるいはそれらと組み合わせることができる。
図21Aの代表的な実施形態は、再び、プリチャージ素子CSA652を中央に、アナログセクションを左側に、デジタルセクションを右側に示す。デジタルセクションは、前のように構成され得るSAラッチ660と、弁別素子650とを含む。Dcrm650の中で、トランジスタ654および656は前のようであるけれども、ノード657を接地に接続するRSTによって制御されるトランジスタ658を持つのではなくて、ノード657は今はトランジスタ2101を通してノード422に接続され、そこからさらにSAバスに接続されている。したがって、ラッチされたデータは、今はこの経路に沿って信号RST_NCOにより制御されるトランジスタ2101を通って外へ転送され、前のNCO信号の機能をRST信号と合体させる。データを外へ転送するための経路は今は完全にデジタル側の中にあるので、NCOによって制御される図20Aの前のスイッチ488は最早この機能を果たさなくてもよい。
【0096】
図21Bは感知のためのアナログ経路を示し、プリチャージキャパシタCSA652から選択されたビット線への経路電流が取るものであって、図20Bとほとんど同じである。データをSAバス422へ転送するためのデジタル経路は図21Cに示されていて、図20Cとは違って、レベルINVが今はスイッチ2101によってノード657からノード422へ転送されるので、アナログ経路とは重ならない。したがって、弁別素子650が感知操作の結果を確立すると、センスモジュールは、デジタル結果が外へ転送されて次の感知操作のデジタル部分へ移動するのを待たなくてもよくて、キャパシタを充電することおよび他のステップを始めることができ、ラッチされたデータ値は都合のよいときにバスへ転送される。
【0097】
読み出しプロセスでは、図7に示されている4状態メモリの例を採ると、代表的なプロセスは、先ずA状態、その後にB状態、最後にC状態を求めて読む。図20Aの構成では、選択されたワード線はA状態を求めて読むために使用される値まで高められ、読み出しのアナログ部分が実行される。すなわち、プリチャージが実行され、その後、図20Bの経路に沿って選択されたビット線に供給するために使用される。その後、センスアンプは、弁別セクション650がセルの状態を基準レベルと比較するようにストローブされ、その結果がラッチされる。その後、この結果を読み出すために図20Cの経路が使用されるけれども、これは、プリチャージキャパシタが放電されることを、これがアナログ部分で既に行われていなかったならば(すなわち、選択されたセルが伝導していなかったならば)、必要とする。これが行われると、その後にデータの転送が行われ得る。さらに、ワード線は次の感知操作(ここでは、選択されたセル上のB状態)に備えて高められ得るけれども、転送が完了するまではセンスアンプを次の感知操作に備えさせることはできない。
【0098】
A読み出しについての結果のデータ転送が図20Cの経路を用いて完了すれば、ビット線をB読み出しのために高めることができ、それは、C読み出しへ続く前に、同じように進行する。したがって、図20A〜図20Cのような構成の構造では、データ結果のラッチまでの読み出し操作のアナログ部分はデジタル値のデータ転送部分と連続して実行され、ワード線およびビット線値は連続して高められる。
対照的に、図21A〜図21Cのような構成では、比較の結果が弁別素子によって行われてラッチされると、転送を次の読み出しのための準備と並行して行うことができて、転送時間を隠すと共にワード線およびビット線値を並行して高めることを可能にする。
【0099】
図21A〜図21Cを再び参照して図7に示されている4状態メモリの例を採用すると、A状態を求める読み出しから始めて、選択されたワード線はA状態を求める読み出しに使用される値に高められて読み出しのアナログ部分が実行され、プリチャージが行われ、その後に図21Bの経路に沿って選択されたビット線に供給をするために使用される。その後、弁別セクション650がセルの状態を基準レベルと比較するようにセンスアンプがストローブされ、結果がラッチされる。この段階でプロセスは前の場合から分岐する。すなわち、図21Cのデータ転送のための経路が使用されるので、アナログおよびプリチャージセクションは次の状態へ進むことができる一方で、データ転送は、この後の読み出しの結果のためにラッチが必要となる前にいつでも行われ得る。さらに、アナログ/プリチャージ素子におけるレベルを放電し再充電する必要性が少ないので、アナログ感知経路におけるノイズおよび必要とされるスイッチング電流が低減される。
【0100】
同じ経路の多くがビット線電流を供給しデータを外へ転送するために使われるので、ベリファイ操作のためにも普通の読み出しのためにも、トランジスタ630は、図20Bおよび図20Cの経路の両方のためにXXLによってオンにされなければならない。前述したように、これは、ノイズがトランジスタ630を通ってBL電圧クランプ610へ、その後にビット線自体へ伝わって変位電流に影響を及ぼすという結果をもたらす。データを外へ転送するために図21Cの経路を使用することは、Vddの「ハイ」感知値をSAバスに送るために素子630を充分にオンにする必要が最早ないので、XXLからのこのノイズを最小にするのに役立つ。
【0101】
図21Aの設計は、さらに、感知操作のために図20Aのものより少ない切換電力を使用する。図20Cを参照すると、スイッチ488をオンにするためにNCOをハイにする必要があるほか、前に論じられたように、630を充分にオンにするためにXXLが高いレベルにされなければならない。さらに、図20CではBL電圧クランプ610およびビット線選択スイッチ482がオフにされるので、BLCおよびBLSは両方ともローにされる。対照的に、図21Cでは、データ転送中にBLCおよびBLS値をトグルする必要は最早なく、XXLは高い値にされなくてもよい。その代わりに、ラッチされた値を外へ転送するために必要とされるスイッチ(2101)がオンにされるだけでよい。さらに、図20A〜図20Cは単純化された図であって、これらのアナログセクションは、図20Bのモードから図20Cのモードへの移行のときにスイッチングを必要とする他の数個の素子を包含し得る。
【0102】
本発明の種々の態様をある実施形態に関して記述してきたけれども、本発明が添付されている特許請求の範囲全体の中での保護を受ける権利を有するということが分かるはずである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、電気的に消去可能でプログラム可能な読み出し専用メモリ(EEPROM)およびフラッシュEEPROMなどの不揮発性半導体メモリに関し、特に、感知回路に関し、メモリ動作は感知回路の動作のために速度に関して高められる。
【背景技術】
【0002】
特に小形のファクタカードとしてパッケージングされたEEPROMおよびフラッシュEEPROM形の、電荷を不揮発性に蓄積することのできるソリッドステートメモリは、多様なモバイルおよびハンドヘルド装置、特に情報機器および消費者電子製品において一般的に好まれる記憶装置になっている。同じくソリッドステートメモリであるRAM(ランダムアクセスメモリ)とは違って、フラッシュメモリは不揮発性であって、パワーがオフにされた後でも、格納されたデータを保持する。コストが高いにもかかわらず、フラッシュメモリは大容量記憶アプリケーションにおいてますます使用されている。ハードドライブおよびフロッピーディスクなどの回転磁気媒体に基づく在来の大容量記憶は、モバイルおよびハンドヘルド環境には適していない。というのも、ディスクドライブはかさばりがちであって、機械的故障を起こす傾向があり、長い待ち時間と大きな電力要件を有するからである。これらの望ましくない属性があるために、ディスクに基づく記憶は、大抵のモバイルおよびポータブルアプリケーションにおいて実用的なものではない。ところが、埋め込み型および取り外し可能なカードの形のフラッシュメモリは、両方ともサイズが小さく、電力消費も少なく、高速で信頼性が高いという特徴を持っているので、モバイルおよびハンドヘルド環境に理想的に適する。
【0003】
EEPROMおよび電気的にプログラム可能な読み出し専用メモリ(EPROM)は、消去することができて、そのメモリセルに新しいデータを書き込んだりあるいは「プログラム」したりすることができる不揮発性メモリである。両方とも、電界効果トランジスタ構造の中の、半導体基板内のチャネル領域の上に位置する、ソースおよびドレイン領域の間のフローティング(接続されていない)伝導性ゲートを利用する。次に、フローティングゲートの上にコントロールゲートが設けられる。トランジスタのしきい値電圧特性は、フローティングゲート上に保持される電荷の量によって制御される。すなわち、フローティングゲート上の電荷の所与のレベルについて、トランジスタがそのソースおよびドレイン領域の間の導通を可能にするように「オン」にされる前にコントロールゲートに印加されなければならない対応する電圧(しきい値)がある。
【0004】
フローティングゲートは、1つの範囲の電荷を保持することができ、したがってフローティングゲートを1つのしきい値電圧ウィンドウ(「伝導ウィンドウ」とも称される)の中の任意のしきい値電圧レベルにプログラムすることができる。しきい値電圧ウィンドウのサイズは装置の最低および最高のしきい値レベルにより定められ、フローティングゲートにプログラムされ得る電荷の範囲に対応する。しきい値ウィンドウは一般的に記憶装置の特性、動作条件および動作履歴に依存する。ウィンドウの中のそれぞれの別個の分解可能なしきい値電圧レベル範囲は、原理的には、セルの一定のメモリ状態を指定するために使用され得る。しきい値電圧が2つの識別可能な領域に分割されるときには、各メモリセルは1ビットのデータを記憶することができる。同様に、しきい値電圧ウィンドウが2つより多い識別可能な領域に分割されるならば、各メモリセルは1ビットより多いデータを記憶することができる。
【0005】
2状態EEPROMセルでは、伝導ウィンドウを2つの領域に分割するように少なくとも1つの電流ブレークポイントレベルが確立される。所定の、固定された電圧を印加することによってセルが読み出されるとき、そのソース/ドレイン電流は、ブレークポイントレベル(あるいは、基準電流IREF)との比較によって1つのメモリ状態に決定される。読み出された電流がブレークポイントレベルのものより大きければ、セルは1つの論理状態(例えば、「ゼロ」状態)にあると判定される。一方、電流がブレークポイントレベルのものより小さければ、セルは他方の論理状態(例えば、「1」状態)にあると判定される。したがって、そのような2状態セルは1ビットのデジタル情報を記憶する。外部からプログラム可能であり得る基準電流源が、ブレークポイントレベル電流を生成するためにメモリシステムの一部としてよく設けられる。
【0006】
記憶容量を増やすために、半導体技術が進歩するに連れてフラッシュEEPROM装置はますます高い密度で製造されている。記憶容量を増やす他の方法は、各メモリセルに2つより多い状態を記憶させることである。
【0007】
多状態またはマルチレベルEEPROMメモリセルでは、各セルが1ビットより多いデータを記憶し得るように伝導ウィンドウは2つ以上のブレークポイントによって2つより多い領域に分割される。所与のEEPROMアレイが記憶し得る情報は、各セルが記憶しうる状態の数と共に増える。多状態あるいはマルチレベルのメモリセルを有するEEPROMまたはフラッシュEEPROMが、米国特許第5,172,338号(特許文献1)に記載されている。
【0008】
メモリセルとして役立つトランジスタは、通例、2つのメカニズムのうちの1つによって「プログラム済み」状態にプログラムされる。「ホットエレクトロン注入」では、ドレインに印加された高電圧は電子を基板チャネル領域を横断させて加速する。同時にコントロールゲートに印加された高電圧はホットエレクトロンを薄いゲート誘電体を通してフローティングゲートに引きつける。「トンネリング注入」では、基板に関して高い電圧がコントロールゲートに印加される。このようにして、電子は基板から中間のフローティングゲートへ引かれる。
【0009】
記憶装置は、いくつかのメカニズムによって消去され得る。EPROMでは、メモリは、紫外線照射によってフローティングゲートから電荷を除去することによってバルク消去可能である。EEPROMでは、メモリセルは、フローティングゲート中の電子を薄い酸化物を通して基板チャネル領域へトンネリングさせるように(すなわち、ファウラー・ノルドハイムのトンネリング)コントロールゲートに関して高い電圧を基板に印加することによって、電気的に消去可能である。通例、EEPROMは1バイトずつ消去可能である。フラッシュEEPROMでは、メモリは一度に全部あるいは一度に1ブロック以上ずつ、電気的に消去可能であり、1ブロックは512バイト以上のメモリから成ることができる。
【0010】
記憶装置は、通例、カード上に搭載され得る1つ以上のメモリチップを含む。各メモリチップは、デコーダならびに消去、書き込みおよび読み出し回路などの周辺回路によってサポートされるメモリセルのアレイを含む。より精巧な記憶装置は、インテリジェントで高レベルの記憶操作およびインターフェイスを実行する外部メモリコントローラと協動する。
【0011】
多くの商業的に成功した不揮発性ソリッドステート記憶装置が今日使用されている。これらの記憶装置は、フラッシュEEPROMであるかもしれず、あるいは他のタイプの不揮発性メモリセルを使用しているかもしれない。フラッシュメモリおよびシステムの例ならびにそれらを製造する方法が、米国特許第5,070,032号(特許文献2)、第5,095,344号(特許文献3)、第5,315,541号(特許文献4)、第5,343,063号(特許文献5)、第5,661,053号(特許文献6)、第5,313,421号(特許文献7)、および第6,222,762号(特許文献8)において与えられている。特に、NANDストリング構造を有するフラッシュメモリ装置が、米国特許第5,570,315号(特許文献9)、第5,903,495号(特許文献10)、第6,046,935号(特許文献11)に記載されている。
【0012】
不揮発性記憶装置は、電荷を蓄積するための誘電体を有するメモリセルからも製造される。前に記載された伝導性フローティングゲート素子の代わりに、誘電体層が使用される。誘電体記憶素子を利用するそのような記憶装置が、Eitan et al., "NROM: A Novel Localized Trapping, 2-Bit Nonvolatile Memory Cell," IEEE Electron Device Letters, vol. 21, no. 11, November 2000, pp.543-545 (非特許文献1)に記述されている。ONO誘電体層がソースおよびドレイン拡散の間でチャネルを横断して広がる。1つのデータビットのための電荷は誘電体層においてドレインに隣接して局在させられ、他方のデータビットのための電荷は誘電体層においてソースに隣接して局在させられる。例えば、米国特許第5,768,192号(特許文献12)および第6,011,725号(特許文献13)は、2つの二酸化ケイ素層に挟まれたトラッピング誘電体を有する不揮発性メモリセルを開示している。多状態データ記憶は、誘電体の中の空間的に分離されている電荷蓄積領域のバイナリ状態を別々に読み出すことによって実現される。
【0013】
メモリセルのページをプログラムすることは、通例、一連の交互プログラム/ベリファイサイクルを含む。各プログラムサイクルは、ページのメモリセルを1つ以上のプログラミング電圧パルスにさらす。プログラムサイクルの次に、各セルが正しくプログラムされたかどうかを判定するために各セルを読み返すベリファイサイクルがある。ベリファイされたセルは、爾後のプログラミングパルスからプログラム禁止される。プログラム/ベリファイサイクルは、ページ中の全セルがプログラム−ベリファイされるまで、増大するプログラミング電圧レベルで続行される。
【0014】
読み出しおよびベリファイ操作の両方は、ページの各メモリセルの伝導電流またはしきい値電圧を境界値に関して判定する1つ以上の感知サイクルを実行することによって行われる。一般に、メモリがn個の状態に分割されているならば、全ての可能なメモリ状態を分析するためには少なくともn−1個の感知サイクルがあるはずである。多くの実施例において、各感知サイクルは2つ以上のパスも含むことがある。例えば、メモリセルがびっしり詰まっている場合には、隣接する電荷蓄積素子間の相互作用が顕著となって、ある感知手法は、これらの相互作用によって引き起こされるエラーを補償するために、隣接するワード線上のメモリセルを感知することを必要とする。
【0015】
読み出しおよびプログラムの性能を高めるためにアレイ中の複数の電荷蓄積素子またはメモリトランジスタが並行して読み出されるかあるいはプログラムされる。したがって、1つの「ページ」の記憶素子が一緒に読み出されるかあるいはプログラムされる。現存するメモリアーキテクチャでは、1つの行は、通例数個のインターリーブされたページを包含するか、あるいは1ページの連続するメモリセルを構成し得る。1ページの全ての記憶素子は一緒に読み出されるかあるいはプログラムされる。現在生産されている半導体集積回路メモリチップでは、1つのメモリページは、並行して読み出されるかあるいは感知される64,000個ものメモリセルあるいは記憶素子を有することがある。
【0016】
性能の向上が引き続き必要である。さらに、大規模並行メモリページは、感知精度と、究極的には性能および記憶容量を限定する、ぎっしり詰まったメモリセルおよび構造の間でのノイズおよび干渉の重大な問題を引き起こす。
したがって、大容量で高性能の不揮発性メモリに対する一般的な需要がある。特に、速度が高められていてノイズの少ない感知回路に対する需要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】米国特許第5,172,338号
【特許文献2】米国特許第5,070,032号
【特許文献3】米国特許第5,095,344号
【特許文献4】米国特許第5,315,541号
【特許文献5】米国特許第5,343,063号
【特許文献6】米国特許第5,661,053号
【特許文献7】米国特許第5,313,421号
【特許文献8】米国特許第6,222,762号
【特許文献9】米国特許第5,570,315号
【特許文献10】米国特許第5,903,495号
【特許文献11】米国特許第6,046,935号
【特許文献12】米国特許第5,768,192号
【特許文献13】米国特許第6,011,725号
【特許文献14】米国特許第5,595,924号
【特許文献15】米国特許第6,657,891号
【特許文献16】米国公開特許出願第2006/0140007号
【特許文献17】米国特許第7,046,568号
【特許文献18】米国特許第7,173,854号
【特許文献19】米国特許出願第11/771,982号
【特許文献20】米国特許出願第11/966,325号
【特許文献21】米国特許第7,170,784号
【非特許文献】
【0018】
【非特許文献1】Eitan et al., "NROM: A Novel Localized Trapping, 2-Bit Nonvolatile Memory Cell," IEEE Electron Device Letters, vol. 21, no. 11, November 2000, pp.543-545
【発明の概要】
【0019】
並行して感知される不揮発性メモリセルのグループのうちのメモリセルの伝導電流を感知してその結果をデータバスに提供するための感知回路が与えられる。代表的な実施形態では、ノードを初期電圧に充電するために、プリチャージ回路がノードに結合される。中間回路もノードに結合されてメモリセルに接続可能であり、これによりプリチャージ回路からの電流をメモリセルに供給することができる。この回路は、ノードにおける放電の速度によって伝導電流の判定を行う比較回路と、判定の結果を保持するために比較回路に結合されたデータラッチと、データラッチに、その中にラッチされている結果をノードから独立してデータバスに供給するために、結合された転送ゲートとをも備える。
【0020】
一組の態様によると、これは不揮発性メモリセルの伝導電流を感知する方法を可能にし、この方法は、中間回路を介して1つ以上のメモリセルによりアクセスされ得るノードを設けることと、第1の感知操作のためにノードを初期電圧にプリチャージすることと、メモリセルのうちの第1のメモリセルを通して中間回路を介してノードを放電させることと、第1のメモリセルを通る伝導電流をノードを放電させる速度によって測定することと、測定された結果をラッチすることと、そのラッチされた結果をデータバスに出力することとを含む。一組の態様では、ラッチの後で出力を完了する前に、ノードを第2の感知操作のためにプリチャージする。別の一組の態様では、ラッチされた結果は、ノードおよび中間回路から独立している経路によってデータバスに出力される。さらなる態様では、ラッチされた結果を中間回路から独立してデータバスに出力することにより、中間回路におけるノイズが低減される。
【0021】
本発明の種々の態様、利点、特徴および実施形態が、その代表的な例についての次の記述に含まれ、この記述は添付図面と関連して読まれるべきである。本願明細書で引用された全ての特許、特許出願、論文、他の刊行物、文書および事物は、あらゆる目的のためにその全体が本願明細書において参照により援用されている。援用されている刊行物、文書または事物のいずれかと本願との間で用語の定義または使用に関する矛盾または不一致が生じた場合には、本願のものが優先するものとする。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明が実施され得る不揮発性メモリチップの機能ブロックを概略的に示す。
【図2】不揮発性メモリセルを概略的に示す。
【図3】任意の時点でフローティングゲートが選択的に蓄えることのできる4つの異なる電荷Q1〜Q4についてのソース−ドレイン電流IDとコントロールゲート電圧VCGとの関係を示す。
【図4】メモリセルのNORアレイの例を示す。
【図5A】NANDストリングに編成されたメモリセルのストリングを概略的に示す。
【図5B】図5Aに示されているものなどのNANDストリングから構成される、メモリセルのNANDアレイの例を示す。
【図6】一連の交互プログラム/ベリファイサイクルによって1ページのメモリセルをターゲットメモリ状態にプログラムするための代表的な手法を示す。
【図7】図7(1)は接地状態「Gr」としての消去済み状態と、漸進的にさらにプログラムされたメモリ状態「A」、「B」および「C」とを有する実例の4状態メモリアレイのしきい値電圧分布を示し、図7(2)は図7(1)に示されている4個の可能なメモリ状態を表すための好ましい2ビットLM符号化を示す。
【図8】図8(1)は、実例の8状態メモリアレイのしきい値電圧分布を示し、図8(2)は図8(1)に示されている8個の可能なメモリ状態を表すための好ましい3ビットLM符号化を示す。
【図9】メモリセルのアレイを横断するセンスモジュールのバンクを包含する、図1に示されている読み出し/書き込み回路を示す。
【図10】図9に示されているセンスモジュールの好ましい構成を概略的に示す。
【図11】図10に示されている読み出し/書き込みスタックをより詳しく示す。
【図12A】図9および11に示されているセンスモジュールの既存の実施例を概略的に示す。
【図12B】ロックアウトモードに入った図12Aに示されているセンスモジュールのノイズ経路を示す。
【図13】ロックアウトモードに入った図12Bに示されている既存のセンスモジュールのための制御信号のタイミングを示す。
【図14】接地までの有限の抵抗を有するソース線における電流に起因するソース電圧エラーの問題を示す。
【図15】ソース線電圧降下により引き起こされるメモリセルのしきい値電圧レベルにおけるエラーを示す。
【図16】好ましい実施形態に従う、ロックアウトセンスモジュールからのノイズ絶縁が改善されているセンスモジュールスタックを示す。
【図17】ロックアウトモードに入った図16に示されている改善されたセンスモジュールのための制御信号のタイミングを示す。
【図18】代わりの好ましい実施形態に従う、ロックアウトセンスモジュールからのノイズ絶縁が改善されているセンスモジュールスタックを示す。
【図19】ロックアウトセンスモジュールからのノイズを、依然として活発にページを感知している他のものを妨げないように、絶縁する方法を示す流れ図である。
【図20A】感知のためのアナログ経路と重なるデータ転送のための経路を有するセンスモジュールを示す。
【図20B】感知のためのアナログ経路と重なるデータ転送のための経路を有するセンスモジュールを示す。
【図20C】感知のためのアナログ経路と重なるデータ転送のための経路を有するセンスモジュールを示す。
【図21A】感知のためのアナログ経路とは異なるデータ転送のための経路を有するセンスモジュールを示す。
【図21B】感知のためのアナログ経路とは異なるデータ転送のための経路を有するセンスモジュールを示す。
【図21C】感知のためのアナログ経路とは異なるデータ転送のための経路を有するセンスモジュールを示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
メモリシステム
図1〜図11は、本発明の種々の態様が実施され得るメモリシステムの例を示す。
図12〜図13は、既存の感知回路におけるノイズ問題を示す。
図16〜図19は、ノイズ問題を処理する種々の態様および実施形態を示す。
図20A〜図20Cは、感知のためのアナログ経路と重なるデータ転送のための経路を有するセンスモジュールを示す。
図21A〜図21Cは、感知のためのアナログ経路とは異なるデータ転送のための経路を有するセンスモジュールを示す。
【0024】
図1は、本発明が実施され得る不揮発性メモリチップの機能ブロックを概略的に示す。メモリチップ100は、メモリセルの2次元アレイ200、制御回路210、ならびに、デコーダ、読み出し/書き込み回路およびマルチプレクサなどの周辺回路を含む。
メモリアレイ200は、行デコーダ230(230A、230Bに分割されている)を介してワード線により、さらに列デコーダ260(260A、260Bに分割されている)を介してビット線によりアドレス指定可能である(図4および5も参照)。読み出し/書き込み回路270(270A、270Bに分割されている)は、1ページのメモリセルを並行して読み出すかあるいはプログラムすることができる。データI/Oバス231が読み出し/書き込み回路270に結合されている。
好ましい実施形態では、1ページは、同じワード線を共有するメモリセルの1つの連続する行から構成される。メモリセルの行が複数のページに分割される他の実施形態では、読み出し/書き込み回路270を個々のページに多重化するためにブロックマルチプレクサ250(250Aおよび250Bに分割されている)が設けられる。例えば、メモリセルの奇数列および偶数列によりそれぞれ形成される2ページが読み出し/書き込み回路に多重化される。
【0025】
図1は、各側におけるアクセス線および回路の密度が半分に低下するようにアレイの両側で、種々の周辺回路によるメモリアレイ200へのアクセスが対称的に行われる好ましい構成を示す。したがって、行デコーダは行デコーダ230Aおよび230Bに分割され、列デコーダは列デコーダ260Aおよび260Bに分割されている。メモリセルの行が複数のページに分割される実施形態では、ページマルチプレクサ250はページマルチプレクサ250Aおよび250Bに分割される。同様に、読み出し/書き込み回路270は、下からビット線に接続する読み出し/書き込み回路270Aとアレイ200の上からビット線に接続する読み出し/書き込み回路270Bとに分割されている。このように、読み出し/書き込みモジュールの密度、したがってセンスモジュール380の密度は、本質的に半減される。
【0026】
制御回路110は、読み出し/書き込み回路270と協力してメモリアレイ200に対してメモリ操作を行うオンチップのコントローラである。制御回路110は、通例、状態マシン112と、オンチップのアドレスデコーダおよび電力制御モジュール(明示的には示されていない)などの他の回路を含む。状態マシン112は、メモリ操作のチップレベル制御を提供する。制御回路は、外部メモリコントローラを介してホストと通信する。
メモリアレイ200は、通例、行および列を成して配列されてワード線およびビット線によりアドレス指定可能なメモリセルの2次元アレイとして編成される。アレイはNORタイプまたはNANDタイプのアーキテクチャに従って形成され得る。
【0027】
図2は、不揮発性メモリセルを概略的に示す。メモリセル10は、フローティングゲートまたは誘電体層などの電荷蓄積ユニット20を有する電界効果トランジスタにより実現され得る。メモリセル10は、ソース14、ドレイン16、およびコントロールゲート30も含む。
今日使用されている商業的に成功した不揮発性ソリッドステート記憶装置が多くある。これらの記憶装置は、1つ以上の電荷蓄積素子をそれぞれ有するいろいろなタイプのメモリセルを採用することができる。
【0028】
代表的な不揮発性メモリセルはEEPROMおよびフラッシュEEPROMを含む。EEPROMセルの例およびそれらを製造する方法が、米国特許第5,595,924号(特許文献14)において与えられている。フラッシュEEPROMセルの例、メモリシステムにおけるそれらの使用、およびそれらを製造する方法が、米国特許第5,070,032号(特許文献2)、第5,095,344号(特許文献3)、第5,315,541号(特許文献4)、第5,343,063号(特許文献5)、第5,661,053号(特許文献6)、第5,313,421号(特許文献7)、および第6,222,762号(特許文献8)において与えられている。特に、NANDセル構造を有する記憶装置の例が、米国特許第5,570,315号(特許文献9)、第5,903,495号(特許文献10)、第6,046,935号(特許文献11)に記載されている。さらに、誘電体記憶素子を利用する記憶装置の例が、Eitan et al., "NROM: A Novel Localized Trapping, 2-Bit Nonvolatile Memory Cell," IEEE Electron Device Letters, vol. 21, no. 11, November 2000, pp.543-545 (非特許文献1)ならびに米国特許第5,768,192号(特許文献12)および第6,011,725号(特許文献13)に記載されている。
【0029】
実際問題として、セルのメモリ状態は、普通は基準電圧がコントロールゲートに印加されているときにセルのソースおよびドレイン電極を横断する伝導電流を感知することによって読み出される。セルのフローティングゲート上のそれぞれの所与の電荷について、固定された基準コントロールゲート電圧に関して対応する伝導電流が検出され得る。同様に、フローティングゲート上にプログラム可能な電荷の範囲は、対応するしきい値電圧ウィンドウまたは対応する伝導電流ウィンドウを定める。
【0030】
あるいは、分割された電流ウィンドウの中で伝導電流を検出する代わりに、試験される所与のメモリ状態についてのしきい値電圧をコントロールゲートにおいてセットして伝導電流がしきい値電流より低いか高いかを検出することが可能である。一実施例では、しきい値電流に関しての伝導電流の検出は、伝導電流がビット線のキャパシタンスを通して放電する速度を調べることによって成し遂げられる。
【0031】
図3は、任意の一時点でフローティングゲートが選択的に蓄えていることのある4つの異なる電荷Q1〜Q4についてソース・ドレイン電流IDおよびコントロールゲート電圧VCGの間の関係を示す。4つの実線のID 対VCG曲線は、4つの可能なメモリ状態にそれぞれ対応する、メモリセルのフローティングゲートにプログラムされ得る4つの可能な電荷レベルを表す。一例として、セルの集団のしきい値電圧ウィンドウは0.5Vから3.5Vに及び得る。しきい値ウィンドウをそれぞれ約0.4Vの間隔の8個の領域に分割することによって、1つの消去済み状態および7個のプログラム済み状態をそれぞれ表す8個の可能なメモリ状態「0」、「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」および「7」が区別され得る。例えば、図に示されているように、0.05μAの基準電流IREFが使用されるならば、Q1でプログラムされたセルは、その曲線が、VCG=0.43Vおよび0.88Vにより画定されるしきい値ウィンドウの領域においてIREFと交差するので、メモリ状態「1」にあるとみなされ得る。同様に、Q4はメモリ状態「5」にある。
【0032】
前の記述から分かるように、メモリセルが記憶させられる状態がより多いほど、そのしきい値ウィンドウはより細かく分割される。例えば、ある記憶装置は、−1.5Vから5Vに及ぶしきい値ウィンドウを有するメモリセルを持つことができる。これは6.5Vの最大幅を提供する。メモリセルが16個の状態を記憶しなければならないとすれば、各状態はしきい値ウィンドウの中で350mVから450mVを占めることができる。必要とされる分解能を達成することができるために、これにはプログラミングおよび読み出し操作において高い精度を必要とすることになる。
【0033】
図4は、メモリセルのNORアレイの例を示す。メモリアレイ200において、各行のメモリセルは、それらのソース14およびドレイン16によってデイジーチェーン式に接続されている。この設計は、ときには仮想接地設計と称される。行の中のセル10のコントロールゲート30は、ワード線42などの1つのワード線に接続されている。列の中のセルのソースおよびドレインは、ビット線34および36などの選択されたビット線にそれぞれ接続されている。
【0034】
図5Aは、NANDストリングに編成されたメモリセルのストリングを概略的に示す。NANDストリング50は、一連の、それ自身のソースおよびドレインによりデイジーチェーン式に接続されたメモリトランジスタM1、M2・・・Mn(例えば、n=4、8、16またはそれ以上)から構成される。1対の選択トランジスタS1、S2は、メモリトランジスタチェーンの、それぞれNANDストリングのソース端子54およびドレイン端子56を介しての、外部への接続を制御する。メモリアレイにおいて、ソース選択トランジスタS1がオンにされると、ソース端子がソース線に結合される(図5Bを参照)。同様に、ドレイン選択トランジスタS2がオンにされると、NANDストリングのドレイン端子がメモリアレイのビット線に結合される。チェーン内の各メモリトランジスタ10は、メモリセルとして動作する。それは、意図されたメモリ状態を表すように所与の量の電荷を蓄える電荷蓄積素子20を有する。各メモリトランジスタのコントロールゲート30は、読み出しおよび書き込み操作を制御することを可能にする。図5Bに見られるように、NANDストリングの行の対応するメモリトランジスタのコントロールゲート30は全て同じワード線に接続されている。同様に、選択トランジスタS1、S2の各々のコントロールゲート32は、それぞれ、そのソース端子54およびドレイン端子56を介してのNANDストリングへの制御アクセスを提供する。同様に、NANDストリングの行の対応する選択トランジスタのコントロールゲート32は、全て同じ選択線に接続されている。
【0035】
NANDストリングの中のアドレス指定されたメモリトランジスタ10が読み出されるかあるいはプログラミング中にベリファイされるとき、そのコントロールゲート30には適切な電圧が供給される。同時に、NANDストリング50内のアドレス指定されていないメモリトランジスタの残りは、それらのコントロールゲートに充分な電圧を印加することによって完全にオンにされる。このようにして、個々のメモリトランジスタのソースからNANDストリングのソース端子54へ、さらに同様に個々のメモリトランジスタのドレインのためにセルのドレイン端子56への伝導経路が実効作成される。このようなNANDストリング構造を有する記憶装置が、米国特許第5,570,315号(特許文献9)、第5,903,495号(特許文献10)、第6,046,935号(特許文献11)に記載されている。
【0036】
図5Bは、図5Aに示されているものなどのNANDストリング50から構成される、メモリセルのNANDアレイ200の例を示す。NANDストリングの各列に沿って、ビット線36などのビット線が各NANDストリングのドレイン端子56に結合されている。NANDストリングの各バンクに沿って、ソース線34などのソース線が各NANDストリングのソース端子54に結合されている。さらにNANDストリングのバンクの中のメモリセルの行に沿うコントロールゲートは、ワード線42などのワード線に接続されている。NANDストリングのバンクの中の選択トランジスタの行に沿うコントロールゲートは、選択線44などの選択線に接続されている。NANDストリングのバンク内のメモリセルの1つの行の全体がNANDストリングのバンクのワード線および選択線上の適切な電圧によってアドレス指定され得る。NANDストリングの中の1つのメモリトランジスタが読み出されるとき、ストリングを通って流れる電流が、その読み出されているセルに蓄えられている電荷のレベルに本質的に依存するように、ストリング内の残りのメモリトランジスタは、それらの関連するワード線を介してしっかりとオンにされる。
【0037】
プログラムおよびベリファイ
図6は、一連の交互プログラム/ベリファイサイクルによって1ページのメモリセルをターゲットメモリ状態にプログラムするための代表的な手法を示す。結合されたワード線を介してメモリセルのコントロールゲートにプログラミング電圧VPGM が印加される。VPGM は、初期電圧レベルVPGM0から始まる階段波形の形の一連のプログラミング電圧パルスである。プログラミングを受けるセルは、フローティングゲートに増分電荷をそのたびに加えようとする、この一連のプログラミング電圧パルスにさらされる。プログラミングパルス間に、セルは、そのソース−ドレイン電流をブレークポイントレベルに関して判定するために読み返されるかあるいはベリファイされる。読み返しプロセスは、1つ以上の感知操作を含み得る。セルのためのプログラミングは、それがターゲット状態に達したとベリファイされれば、終了する。使用されるプログラミングパルス列は、メモリセルの電荷蓄積ユニット中にプログラムされ蓄積された電子に対して反作用するために増大する周期あるいは振幅を持つことができる。プログラミング回路は、一般的に、選択されたワード線に一連のプログラミングパルスを印加する。このようにして、そのコントロールゲートがワード線に結合されている1ページのメモリセルが一緒にプログラムされ得る。ページの1つのメモリセルがそのターゲット状態までプログラムされると、プログラム禁止され、他のセルは、ページの全セルがプログラム−ベリファイされ終わるまでプログラミングにさらされ続ける。
【0038】
メモリ状態の分割の例
図7(1)は、接地状態としての消去済み状態「Gr」と、漸次もっとプログラムされたメモリ状態「A」、「B」および「C」とを有する4状態メモリアレイの例におけるしきい値電圧分布を示す。読み出し中、4つの状態は3つの境界ブレークポイントDA 〜DC によって区分される。
図7(2)は、図7(1)に示されている4つの可能なメモリ状態を表す好ましい2ビットLM符号化を示す。メモリ状態(すなわち、「Gr」、「A」、「B」および「C」)の各々は1対の「上位、下位」符号ビット、すなわち「11」、「01」、「00」および「10」によってそれぞれ表される。「LM」符号は、米国特許第6,657,891号(特許文献15)に開示されていて、電荷の大きな変化を必要とするプログラム操作を避けることによって隣接フローティングゲート間の電界効果結合を減少させるために有益である。符号化は、2つの符号ビット、「下位」および「上位」ビットが別々にプログラムされ読み出され得るように設計されている。下位ビットをプログラムするとき、セルのしきい値レベルは、「消去済み」領域に留まるかあるいはしきい値ウィンドウの「下側中央」領域に移される。上位ビットをプログラムするとき、これら2つの領域のいずれかにあるセルのしきい値レベルは、しきい値ウィンドウの「下側中間」領域にある僅かにより高いレベルにさらに進められる。
【0039】
図8(1)は、8状態メモリアレイの例のしきい値電圧分布を示す。各メモリセルの可能なしきい値電圧は、8個の可能なメモリ状態、「Gr」、「A」、「B」、「C」、「D」、「E」、「F」および「G」を区分するために8個の領域に分割されているしきい値ウィンドウにわたる。「Gr」は接地状態であり、これは引き締められた分布の中の消去済み状態であり、「A」〜「G」は7個の漸次プログラムされた状態である。読み出し中、8個の状態は7個の境界ブレークポイントDA 〜DG によって区分される。
【0040】
図8(2)は、図8(1)に示されている8個の可能なメモリ状態を表す好ましい3ビットLM符号化を示す。8個のメモリ状態の各々は、「上位、中央、下位」ビットのトリプレット、すなわち、「111」、「011」、「001」、「101」、「100」、「000」、「010」および「110」によりそれぞれ表される。符号化は、3つの符号ビット、「下位」、「中央」および「上位」ビットが別々にプログラムされ読み出され得るように設計されている。したがって、第1のラウンドで、下位ページのプログラミングは、下位ビットが「1」ならばセルを「消去済み」あるいは「Gr」状態に留まらせ、下位ビットが「0」ならば「下位中間」状態にプログラムさせる。基本的に、「Gr」あるいは「接地」状態は、深く消去された状態をしきい値の狭い範囲の中にプログラムさせることによるタイトな分布を有する「消去済み」状態である。「下位中間」状態は、メモリ状態「B」および「D」の間に広がるしきい値電圧の広い分布を持つことができる。プログラミング中、「下位中間」状態はDBなどの粗いブレークポイントしきい値レベルに関してベリファイされ得る。中央ビットをプログラムするとき、セルのしきい値レベルは、下位ページのプログラミングから生じた2つの領域のうちの一方から出発して4つの可能な領域のうちの1つに移る。上位ビットをプログラムするとき、セルのしきい値レベルは、中央ページプログラミングから生じた4個の可能な領域のうちの1つから出発して8個の可能なメモリ状態のうちの1つに移る。
【0041】
感知回路および手法
図9は、メモリセルのアレイにp個のセンスモジュールのバンクを包含する、図1に示された読み出し/書き込み回路270Aおよび270Bを示す。並行して動作するp個のセンスモジュール480のバンク全体は、1行に沿うp個のセル10の1ブロック(またはページ)を並行して読み出すかあるいはプログラムすることを可能にする。本質的に、センスモジュール1はセル1における電流I1 を感知し、センスモジュール2はセル2における電流I2 を感知し、センスモジュールpはセルpにおける電流IP を感知するなどである。ソース線34から集合ノードCLSRCに、さらにそこから接地へ流れるページについての総セル電流iTOT は、p個のセルの全ての電流の総和である。在来のメモリアーキテクチャでは、1つの共通のワード線を有する1行のメモリセルは2つ以上のページを形成し、ページ中のメモリセルは並行して読み出されプログラムされる。2ページを有する行の場合、1ページは偶数ビット線によりアクセスされ、他方のページは奇数ビット線によりアクセスされる。いつでも1ページの感知回路が偶数ビット線または奇数ビット線に結合されている。その場合、読み出し/書き込み回路270Aおよび270Bを個々のページに対してそれぞれ多重化するためにページマルチプレクサ250Aおよび250Bが設けられる。
【0042】
56nm技術に基づいて現在製造されているチップではp>64,000であり、43nm32Gbit×4チップではp>150,000である。好ましい実施形態では、ブロックはセルの行全体の1つのランである。これはいわゆる「全ビット線」アーキテクチャであり、このアーキテクチャではページは連続するビット線にそれぞれ結合された連続するメモリセルの1つの行から構成される。他の実施形態では、ブロックは行の中のセルのサブセットである。例えば、セルのサブセットは、行全体の二分の一あるいは行全体の四分の一であり得る。セルのサブセットは、連続するセルの1つのランであるか、あるいは一つ置きのセルであるか、あるいは所定数に1つのセルであり得る。各センスモジュールは、ビット線を介してメモリセルに結合され、メモリセルの伝導電流を感知するためのセンスアンプを含む。一般に、読み出し/書き込み回路がメモリアレイの両側に分配されているならば、p個のセンスモジュールのバンクは2セットの読み出し/書き込み回路270Aおよび270Bの間に分配される。
【0043】
図10は、図9に示されているセンスモジュールの好ましい構成を概略的に示す。p個のセンスモジュールを包含する読み出し/書き込み回路270Aおよび270Bは、1バンクの読み出し/書き込みスタック400に群分けされている。
【0044】
図11は、図10に示されている読み出し/書き込みスタックをより詳しく示す。各読み出し/書き込みスタック400はk個のビット線のグループに対して並行して作用する。1ページがp=r*k個のビット線を有するならば、r個の読み出し/書き込みスタック400−1・・・400−rがある。本質的に、アーキテクチャは、k個のセンスモジュールの各スタックがスペースを節約するために1つの共通のプロセッサ500によりサービスされるようになっている。共通プロセッサ500は、センスモジュール480に置かれているラッチおよびデータラッチ430に格納されるべき更新済みデータを、これらのラッチの中の現在の値と状態マシン112からの制御とに基づいて、計算する。共通プロセッサについての詳しい記述が、その全体が本願明細書において参照により援用されている、2006年6月29日付の米国公開特許出願第2006/0140007号(特許文献16)に開示されている。
【0045】
並行して動作する分割された読み出し/書き込みスタック400のバンク全体は、1行に沿うp個のセルの1つのブロック(またはページ)を並行して読み出すかあるいはプログラムすることを可能にする。したがって、セルの行全体のためにp個の読み出し/書き込みモジュールがある。各スタックはk個のメモリセルとして動作するので、バンク内の読み出し/書き込みスタックの総数はr=p/kにより与えられる。例えば、rがバンク内のスタックの数であるとすれば、p=r*kである。1例としてのメモリアレイはp=150,000、k=8を有することができ、したがってr=18,750である。
【0046】
400−1などの各読み出し/書き込みスタックは、本質的に、1セグメントのk個のメモリセルに並行してサービスするセンスモジュール480−1〜480−kのスタックを包含する。ページコントローラ410は、制御およびタイミング信号を線411を介して読み出し/書き込み回路370に提供する。ページコントローラ自体は線311を介してメモリコントローラ310に依存する。各読み出し/書き込みスタック400間の通信は、相互接続スタックバス431によって行われ、ページコントローラ410によって制御される。制御線411は、制御およびクロック信号をページコントローラ410から読み出し/書き込みスタック400−1のコンポーネントに提供する。
【0047】
好ましい構成では、スタックバスは、共通プロセッサ500とセンスモジュール480のスタックとの間の通信のためのSAバス422と、プロセッサとデータラッチ430のスタックとの間の通信のためのDバス423とに分割される。
データラッチ430のスタックは、スタックに関連付けられた各メモリセルのために1つずつのデータラッチ430−1〜430−kから成る。I/Oモジュール440は、データラッチがI/Oバス231を介して外部とデータを交換することを可能にする。
共通プロセッサは、エラー状態などのメモリ操作のステータスを示すステータス信号の出力のための出力507も含む。ステータス信号は、ワイヤードOR構成でフラグバス509に結合されているn形トランジスタ550のゲートを駆動するために使用される。フラグバスは、コントローラ310によって好ましくはプリチャージされ、いずれかの読み出し/書き込みスタックによってステータス信号がアサートされるとプルダウンされる。
【0048】
低ノイズのセンスモジュールアレイ
その全体が本願明細書において参照により援用されている、米国特許第7,046,568号(特許文献17)は、低供給電圧で動作することのできる低ノイズ感知回路を有する不揮発性記憶装置を開示している。
前の感知回路とは違って、米国特許第7,046,568号(特許文献17)の低ノイズ感知回路は、セル電流を、それがキャパシタとして作用するビット線ではなくて専用キャパシタを放電させる速度によって測定する。このようにして、ビット線電圧は感知中一定に保たれ、これにより、ビット線上の時間変化する電圧に起因するビット線間結合からのノイズを避けることができる。感知回路は、セル電流を判定するために使用される電圧放電のダイナミックレンジを効果的に広げる電圧昇圧回路を組み込むことによって低供給電圧で動作することもできる。
【0049】
本発明の一態様に従って、1ページのメモリセルがセンスモジュールの1つの対応するアレイによって並行して感知され、所与のメモリセルのためのセンスモジュールにおいて生成されたノイズがアレイ中の他のセンスモジュールに干渉することが防止される。特に既存のセンスモジュールは、ページ中の高度に伝導するメモリセルを特定してロックアウトした後はアレイ中の他のセンスモジュールに対して顕著なノイズ源となる。本発明は、ロックアウトされたメモリセルと関連するセンスモジュールがアレイ中のなお感知中である他のセンスモジュールにノイズを伝播させることを防止する。このようにして、感知精度が改善され、その結果として性能が向上し、各メモリセルにより多くのデータビットを格納することができる。
【0050】
図12Aは、図9〜11に示されているセンスモジュールの1つの既存の実施例を概略的に示す。既存のセンスモジュール480’は、米国特許第7,046,568号(特許文献17)において開示されているものと同様である。図10に示されている各読み出し/書き込みスタック400がk個のビット線を介して対応するk個のメモリセルにサービスするk個のセンスモジュールのセットを包含するということが理解できるはずである。1つの共通プロセッサ500によってサービスされるk個のセンスモジュール480−1〜480−kと、k個のデータラッチ430−1〜430−kとがある。簡潔のために、図12Aは、k個のセンスモジュール480−1〜480−kのセットのうちのいずれをも代表する、センスモジュールのうちの1つのセンスモジュール480’と、共通プロセッサ500と協動するk個のデータラッチ430−1〜430−kのセットのうちのいずれをも代表する、1セットのデータラッチ430とを明示的に示す。図10および11に関して記述したように、1ページのp個のメモリセルは、合計r個の読み出し/書き込みスタックを並行して動作させることによって機能する。
【0051】
既存のセンスモジュール480’は、信号BLSによって制御される結合トランジスタ482を介してビット線36を介してメモリセルに結合される。メモリセルの一例は、NANDチェーン50の中の1つのメモリトランジスタである。センスモジュール480’は、センスアンプ600’と、ビット線電圧クランプ610と、プルダウン回路550とを含む。センスモジュール480’は、信号NC0によって制御される転送ゲート488を介してSAバス422などのバスを用いて他の周辺回路と通信する。
【0052】
前述したように、センスモジュールのスタックはSAバス422を介して共通プロセッサ500およびデータラッチのセット430と通信する。共通プロセッサ500は、センスモジュール480’のラッチおよびデータラッチ430に格納されているデータにアクセスする。更新済みの値を、その現在の値と状態マシン112からの制御とに基づいて、計算する。更新済みの値は、逆戻りしてセンスモジュール480’内のラッチおよび/またはデータラッチ430に格納される。共通プロセッサ500は、Dバス423を介してk個のデータラッチに結合されている。データラッチのセット430は、I/Oバス231を介して外部に接続されている。センスモジュール480’、共通プロセッサ500およびデータラッチのセット430の動作は、制御線411を通して制御およびタイミング信号を発するページコントローラ410を介して状態マシン112(図11を参照)によって制御される。
【0053】
センスモジュール480’は、信号COM1を運ぶノード481を有する。ノード481は、センスアンプ600’がビット線36および/またはSAバス422に選択的に結合されることを可能にする。
感知は、ビット線電圧クランプ610によってクランプされた固定された電圧のビット線36を用いて行われる。ビット線電圧クランプは、そのソースおよびドレインがビット線およびCOM1ノード481の間で直列になっているn形トランジスタ612により実現されている。n形トランジスタ612のゲート上のアナログ電圧は、ビット線上のクランプされる電圧を決定する。感知操作中、この一定のビット線電圧は、ビット線上の変化する電圧に起因するビット線間に生じ得る結合をなくす。
【0054】
1ページに属する1つのメモリセルが基準電流より大きな伝導電流を有すると判定されると、そのセルのための感知が行われて、セルは、ページの残りが感知され続けられ得る間にさらなる感知操作からロックアウトされる。これは、ビット線36を接地にプルダウンすることによりセル電流をオフにすることによって成し遂げられる。ビット線36を接地に選択的に引くためにプルダウン回路550が設けられている。プルダウン回路550は、本質的にビット線および接地を横切る直列の2つのn形トランジスタ552および486を含む。2つのn形トランジスタは信号GRSおよびINVによってそれぞれ制御される。両方がハイであれば、プルダウン回路550はアクティブ化されてノード481(COM1)を接地に引く。信号BLSもハイであれば、ビット線36も接地に引かれる。このようにして、セル電流は、そのソースおよびドレインの短絡に起因してオフにされる。
【0055】
信号GRSは、プログラミング中に使用され、状態マシン112(図11を参照)から制御され、ページコントローラ411からの制御およびタイミング信号の一部として供給される。感知中、GRSは常にハイであり、信号INVも、センスアンプ600’によって、セル電流が基準電流より大きいことをそれが感知すると、ハイとなるようにセットされる。
【0056】
センスアンプ600’は、電圧クランプ620と、プリチャージ回路640’と、セル電流ディスクリミネータ650とセンスアンプラッチ660とを含む。感知は、セル電流ディスクリミネータ650によりノード631の信号SENを検出することによって行われる。SENノード631を、信号HLLによって制御される絶縁トランジスタ642を介してプリチャージ回路640’によってプリチャージすることができる。SENノード631を、信号XXLによって制御される絶縁トランジスタ630を介してCOM1ノード481に結合すると、メモリセルにも結合することができる。
【0057】
電圧クランプ620は、プリチャージ回路とCOM1ノード481との間のトランジスタ622によって実現される。トランジスタ622は、ビット線電圧クランプ610が適切に機能するようにノード481の信号COM1を所定のレベルより高く保つために信号BLXによって駆動される。
プリチャージ回路640’は、センスモジュールの種々の操作中ビット線がCOM1ノード481およびSENノード631を介してVddのほうへプルアップされることを可能にする。プリチャージ回路640’は、信号INVによってイネーブルされるp形トランジスタ644により実現されている。
【0058】
SENノード631とCOM1ノード481との間の絶縁トランジスタ630は、これら2つのノードに異なる電圧が存在することを可能にする。ビット線36を、所与の電圧にプリチャージしなければならないときには、信号BLS、BLC、XXL、HLLおよびINVによってそれぞれ制御されるトランジスタ482、612、630、642および644によりイネーブルされる経路を介してプルアップすることができる。同様に、ノード481のCOM1信号およびノード631のSEN信号を、それぞれ信号XXL、HLLおよびINVにより制御して、本質的にVddまでプルアップすることができる。
【0059】
ある実施例では、Vddは、より低い値に変換される前に外部ソースVextから直接供給される。これは、プルアップされる電圧のために100mVの余分のマージンを提供することができて、負のVT の領域でメモリセルを感知する場合に特に有益である。
セル電流ディスクリミネータ650は、本質的にメモリセルの伝導電流を基準電流に関して比較する。セル電流が基準電流より大きければセンスアンプはハイ状態の信号INVを出力し、小さければ逆の状態の信号を出力する。いったんセットされれば、信号INVはセンスアンプラッチ660によってラッチされる。
感知の前に、選択されたメモリセルの電極への電圧は、1つ以上のプリチャージ操作で適切なワード線およびビット線を介してセットされなければならない。
【0060】
例えば、図12Aに示されているように、NANDチェーン50と交差するワード線WL1に沿う1ページのメモリセルが感知のために選択され得る。プリチャージ操作は、選択されていないワード線WL0、WL2〜WL31が電圧Vreadまで充電され選択されたワード線WL1が考慮中の所与のメモリ状態のための所定のしきい値電圧VT(i)まで充電された状態で始まる。
【0061】
ビット線36およびCOM1ノード481、SENノード631は、プリチャージ回路640’によってそれぞれ感知に適する所定の電圧までプリチャージされる。ワード線およびビット線電圧がNANDチェーン50に印加されて、選択されたメモリセルがオンにされる。ソース−ドレイン伝導電流がメモリセルを流れる。伝導電流は、メモリセルのソースとドレインとの間に公称電圧差が存在するとき、選択されたメモリセルにプログラムされている電荷と選択されたワード線に印加されたVT (i)との関数である。
ワード線およびビット線の電圧が安定しているとき、選択されたメモリセルの伝導電流あるいはプログラムされたしきい値電圧をセンスアンプ600’によりSENノードにおいて感知することができる。
【0062】
セル電流ディスクリミネータ650は、本質的に、セル電流がノード631においてキャパシタ652上の信号SENを放電させる速度を検出することによってセル電流を測定する。すなわち、SENが放電される速度の判定は、伝導電流の測定値を提供する。放電の前に、SENはプリチャージ回路640’によってVddまでプリチャージされる。感知は、セル電流が遮断される時点(XXLがロー)までの、セル電流がキャパシタを放電させることを許される時間(HLLがローでXXLがハイ)により与えられる所定の期間にわたる。
【0063】
感知中、ビット線内の記憶装置ユニットの伝導電流はキャパシタ652を放電させる。セルがより多く伝導するほど、放電はより速い。そのときSENノード631の電圧は、伝導電流に依存する速度でVddから低下する。所定の放電期間の終わりに、絶縁トランジスタ630は、XXLがローになることによりオフにされる(期間は基準電流に対応する)。これにより、SENノード631からのセル電流が切断され、それ以上の放電が止まる。信号SENは、測定p形トランジスタ656をオフにすることができるかあるいはできない何らかの値まで低下する。
【0064】
感知期間後、信号SENの電圧はp形トランジスタのしきい値(Vdd−|VT |)と比較される(VTPはp形トランジスタのしきい値電圧である)。SENはp形トランジスタ656のゲートに印加される。p形トランジスタがオンになれば、SENはVdd−|VT |より下まで放電しているかあるいは伝導電流は基準電流より大きい。p形トランジスタがオンにならなければ、伝導電流は基準電流より少なくてSENをVdd−|VT |より下まで放電させることができない。
【0065】
p形トランジスタ656のソース側は、接続トランジスタ654がゲート信号STBでオンにされるとVddに接続される。SENがp形トランジスタ656をオンにするのに充分に下がっていなければ、トランジスタ656のドレイン側の信号INVを出力するノード657はローに留まる。一方、SENがVdd−|VTP|より下がっていれば、p形トランジスタ656はオンになってINVノード657はVddまでプルアップされてラッチされる。
【0066】
セル電流ディスクリミネータ650は、実際上、セルの伝導電流が所与の境界電流値より大きいか小さいかを判定する。所与の境界電流値は所定の放電時間に対応する。感知された電流が境界電流値より大きければ、問題のメモリセルはコントロールゲートの印加されたVT (i)より小さなしきい値を有する。したがって、セル電流が基準境界レベルより低ければINVの形の感知結果はローに留まる。逆に、セル電流が基準レベルより高ければINVはハイである。INV信号は、センスアンプラッチ660によりラッチされるCMOSロジックレベルに変換される。
【0067】
昇圧回路
図12Aおよび前の記述から、ビット線電圧がビット線クランプ610によって所定のVBLでクランプされるならば、クランプが機能するためには、クランプするn形トランジスタ612のドレイン側はソース側より僅かに(例えば、約0.2Vだけ)高い電圧でなければならないということがわかる。したがって、COM1はVBLより約0.2V高くなければならず、これは電圧クランプ622により保証される。これは、SENの電圧レベルが精々COM1よりVT 以内高いところまで下がってもよいということをも意味する。したがって、ノード631におけるSEN信号の放電は、Vddにより与えられる上限と、COM1より僅かに(例えば、約VT だけ)高いVLIMIT により与えられる下限とを有する限られたダイナミックレンジで動作し得るにすぎない。しかし、Vddの源であるより低い供給電圧について、VLIMIT の存在を仮定して、(Vdd−|VTP|)<VLIMIT ならば、p形トランジスタは決してオンにはならない。
比較回路650’は、線703を介してブースト電圧VB をキャパシタ652の一方のプレートに供給する電圧シフタ700の形の昇圧回路を設けることによって低電圧動作に適合させられている。電圧シフタのタイミングは、線702を介してページコントローラ498により制御される。
【0068】
動作時、プリチャージ回路640’はセンスノードSEN631をVddに引く。電圧シフタは、SENノードが絶縁トランジスタ636によってVddから減結合された後にアクティブ化される。電圧シフタは基本的にΔVだけVB 信号レベルの増大を有するので、ノードSEN631に存するキャパシタの他方のプレート上の電圧は同量だけ高められる。これは、実際上、適度の伝導電流に対応する最終電圧がVdd−VLIMIT より高くなり得るように、ダイナミックレンジの上限をΔVだけ高める。放電期間の終わりに、センスノードSEN631は、絶縁トランジスタ634を通してノードSEN2から減結合され、これによりVLIMIT 制限を取り除く。そのとき、SEN631上の電圧は、基準電圧(Vdd−|VTP|)と比較される前に初期昇圧を取り消すように同じΔVだけ下げられる。これにより、VLIMIT より低いレベルでも電圧比較を行うことが可能となる。
【0069】
ロックアウトセンスモジュールから他のセンスモジュールへのノイズ
昇圧回路700は、感知期間中VB を高め、したがってセンスモジュール480’においてノイズ源となり得る。ノイズは、キャパシタ652を介してSENノード631へ、さらにその先へ伝わり得る。センスモジュールが感知操作中アクティブであるときにはセルが電流シンクとして作用していてビット電圧クランプ610とセンスアンプ内の電圧クランプ620との両方がノイズを軽減するように作動しているので、ノイズは重要ではない。
【0070】
前述したように、センスモジュールは、大電流セルを検出してハイの信号INVをラッチした後、ロックアウトモードに入る。これにより、セル電流は、そのビット線がプルダウン回路550によって接地にプルダウンされた後、止められる。ロックアウトセンスモジュールは最早感知に関与しなくて非アクティブとなり、同時に他のセンスモジュールはページ中のまだロックアウトしていないメモリセルを感知してアクティブであり続ける。しかし、ロックアウトセンスモジュールは、その非アクティブモードにおいても、なおアクティブである他のセンスモジュールについては重大なノイズ源となる。
【0071】
図12Bは、ロックアウトモードに入った図12Aに示されているセンスモジュールのノイズ経路を示す。ロックアウトモードは、センスアンプ600’が基準電流より上のセル電流を検出して信号INVをハイにセットしているときである。INVがハイであることに応答して、センスモジュール480’はビット線を接地にプルダウンし、同時にプリチャージ回路640’を介してのVddへのアクセスは遮断される。これは、電圧クランプ620が、したがってビット線電圧クランプ610も、最早機能し得ないということを意味する。1ページのメモリセルが並行して感知されているとき、XXLおよびBLSなどの制御信号およびVB は、ロックアウトモードに入っているセンスモジュールも含む全てのセンスモジュールに一様に印加される。したがって、INVがハイであるセンスモジュール480’については、昇圧回路700により生成されたノイズは経路711に沿ってビット線36へ伝わり得る。ページ中の各メモリセルのソースが信号CLSRCを伴うページソース線に結合され、ページソース線が接地に結合されているならば、ノイズは接地ループを介してCLSRCに影響を及ぼすようにも伝わり得る。
【0072】
図13は、ロックアウトモードに入った図12Bに示されている既存のセンスモジュールについての制御信号のタイミングを示す。ロックアウトモードにおいて、センスモジュール480’は、昇圧回路700からのノイズがページソース線にもビット線にも到達することを可能にする。図13および図12Bの両方を参照すると、全てのセンスモジュールのための感知期間は、HLL(図13(a))がプリチャージ回路640’をSENノード631から切り離すことで始まり、SENノードをそれ以上放電させないようにXXL(図13(b))がセル電流を絶つことで終わる。感知期間中、センスノードは昇圧回路から供給されるVB で昇圧される。ロックアウトモードのセンスモジュールでは、SENノード631は、プルダウン回路550を介してCLSRCページソース線34にも結合されているビット線36に結合される。セル電流がオフにされると、感知期間開始時におけるVB の電圧レベルの急なシフト(図13(c))によってSENノードにリップルが生じる(図13(d))。このリップルは、ノイズとしてノイズ経路711に沿って伝わって、結合されているビット線(図13(e))およびCLSRCページソース線(図13(f))に到達する。
【0073】
ビット線に対するノイズの影響
センスモジュール480’は、1ビット線から他への時間変化する電流の結合を避けるために定ビット線電圧で感知するように設計された。セル電流と無関係のどんな電流も単なるノイズであって、セル電流の感知におけるエラーの原因となる。前に説明したように、ロックアウトセンスモジュールは時間変化する電流であるノイズをロックアウトビット線に投入することがある。ロックアウトメモリセルは最早感知されていないとしても、ロックアウトビット線中の変化する電流は、そのセルがなお感知を受けているかもしれない隣接するビット線に結合されることがある。このタイプの結合ノイズは、ロックアウトセルに近い感知されつつあるセルに関しては重要であって、感知におけるエラーに寄与する。
【0074】
ページソース線に対するノイズの影響
他の1つの問題は、メモリセルのソース側電圧における不確実性と関連する。例えば、ソース側エラーの1つの現れは、ソース線とチップの接地パッドとの間の有限の抵抗に起因する。メモリセルを感知することについての1つの潜在的問題は、有限の抵抗を横断するソース負荷により引き起こされるソース線バイアスである。多数のメモリセルが並行して感知されるとき、それらの総電流は、有限の抵抗を有する接地ループにおいて顕著な電圧降下を生じさせることがある。これは、しきい値電圧感知を使用する読み出し操作においてエラーを引き起こすソース線バイアスをもたらす。
【0075】
図14は、接地までの有限の抵抗を有するソース線における電流に起因するソース電圧エラーの問題を示す。読み出し/書き込み回路270Aおよび270Bは1ページのメモリセルに対して同時に作用する。読み出し/書き込み回路中の各センスモジュール480は、ビット線36を介して対応するセルに結合されている。例えば、センスモジュール480は、メモリセル10の伝導電流i1 (ソース−ドレイン電流)を感知する。伝導電流は、ソース線34を通って接地へ進む前に、センスモジュールからビット線36を通ってメモリセル10のドレインに流入し、ソース14から流出する。集積回路チップでは、メモリアレイ中のセルのソースは、メモリチップの何らかの外部接地パッド(例えば、Vssパッド)に接続されたソース線34の複数の枝路として全て互いに結合される。ソース線の抵抗を減らすために金属ストラップが使用されたとしても、メモリセルのソース電極と接地パッドとの間に有限の抵抗Rが残る。通例、接地ループ抵抗Rはおよそ50オームである。
【0076】
並行して感知されるメモリのページ全体について、ソース線34を流れる総電流は全ての伝導電流の合計、すなわちiTOT =i1 +i2 +・・・+ip である。一般的に、各メモリセルは、その電荷蓄積素子にプログラムされている電荷の量に依存する伝導電流を有する。メモリセルの所与のコントロールゲート電圧について、少量の電荷は比較的に大きな伝導電流を生じさせる(図3を参照)。メモリセルのソース電極と接地パッドとの間に有限の抵抗が存在すると、その抵抗における電圧降下はVdrop=iTOT Rにより与えられる。
【0077】
例えば、24,000のビット線がそれぞれ0.25μAの電流で同時に放電すれば、ソース線電圧降下は24,000線×0.25μA/線×50オーム〜0.3ボルトである。主要効果はソース電圧の0.3V上昇がしきい値電圧の0.45V上昇をもたらすことであると仮定すると、このソース線バイアスは、メモリセルのしきい値電圧が感知されるときに0.45ボルトの感知エラーの原因となる。
【0078】
図15は、ソース線電圧降下により引き起こされるメモリセルのしきい値電圧レベルのエラーを示す。メモリセル10のコントロールゲート30に供給されるしきい値電圧VT はGNDに関してのものである。しかし、メモリセルが見る実効VT は、そのコントロールゲート30とソース14との間の電圧差である。供給されるVT と実効VT との間にはおよそ1.5×Vdropの差がある(ソース14からソース線までの電圧降下のより小さな寄与を無視して)。このVdropあるいはソース線バイアスは、メモリセルのしきい値電圧が感知されるとき、例えば0.45ボルトの感知エラーの原因となる。このバイアスは、データ依存であるため、すなわちページのメモリセルのメモリ状態に依存するために、容易には取り除けない。
【0079】
米国特許第7,173,854号(特許文献18)は、接地ループに起因するソースバイアスエラーの問題を緩和するためにページ中の各メモリセルのソースに近いワード線電圧を参照する方法を開示している。
その全体が本願明細書において参照により援用されている、Nguyenらにより2007年6月29日に出願された「METHOD FOR SENSING NEGATIVE THRESHOLD VOLTAGES IN NON-VOLATILE STORAGE USING CURRENT SENSING」という米国特許出願第11/771,982号(特許文献19)は、1ページに沿う各メモリセルのソースを所定ページソース電圧に調整するための記憶装置および方法を開示している。
【0080】
図15は、ロックアウトセンスモジュールに起因するノイズが、ページソース線と感知を受ける個々のセンスモジュールのビット線との両方に導入されることも概略的に示している。そのノイズは、通例、ページソース線にレギュレータがあっても、ついてゆけない急速な揺らぎを有する。前の開示から、ノイズがページソース線34の信号CLSRCに導入されれば、それはページソース線に結合されている全てのメモリセルの感知中にエラーを引き起こすということは明らかである。
【0081】
改善された低ノイズのセンスモジュールアレイ
低められた供給電圧で動作することのできるセンスモジュールの1つの好ましい実施例では、感知される放電電圧のダイナミックレンジを増大させるために昇圧回路が使用される。センスモジュールが基準電流より大きな伝導電流を有するセルを特定すると、そのセルはそれ以上の感知からロックアウトされて、関連するビット線はそのロックアウトセルをオフにするためにページのソース線へ短絡される。このロックアウトモードでは、昇圧回路により生成されるステップアップ電圧はノイズ源となってセルのビット線およびページのソース線へ伝播しやすく、これにより他の動作しているセンスモジュールに干渉する。このノイズ源は、センスモジュールがロックアウトモードに入ると必ずビット線およびソース線に到達しないように絶縁される。ノイズ源と、ビット線およびソース線を昇圧回路に結合させる中間回路との間に絶縁回路が配置される。
【0082】
一般的な実施形態では、転送ゲートが絶縁回路として使用される。転送ゲートは、メモリセルが基準電流より大きい伝導電流を有すると特定されてページのさらなる感知操作からロックアウトされたことから生じたロックアウトモードを示すラッチ済み信号によって、オフにされる。転送ゲートがオフにされることにより、メモリセルのビット線とページのソース線とへのノイズ経路が切断される。 1つの好ましい実施形態では、転送ゲートは、中間回路と、放電電圧が感知されると共に昇圧済み電圧が印加されるノードとの間に配置される。
【0083】
図16は、1つの好ましい実施形態に従う、ロックアウトセンスモジュールからのノイズ絶縁が改善されているセンスモジュールスタックを示す。センスモジュールスタックは、1つの共通SAバス422を共有するセンスモジュール480−1〜480−kから成る。動作時には、1ページのメモリセルが並行して感知される。図11に示されているように、p個のビット線を介してページのp個のメモリセルに接続するp個のセンスモジュールがある。したがって、図16に示されているセンスモジュールスタックは、ページのためのセンスモジュールのセット全体を形成するp/k個のスタックのうちの1つを表す。メモリセルのページの各メモリセルのソースは、電圧CLSRCを有するページソース線34(図14および図15を参照)に結合されている。
【0084】
各センスモジュール480は、図12Aおよび図12Bに示されている既存のセンスモジュール480’に類似している。1つの差異は、メモリセルの感知された結果に従ってセットされる信号INVにより制御される転送ゲート750が組み込まれていることである。好ましい実施例では、転送ゲート750はp形トランジスタ752とn形トランジスタ754とを含む。転送ゲートの第1のノードは、n形トランジスタ754のドレインに結合されたp形トランジスタ752のソースを有する。転送ゲートの第2のノードは、n形トランジスタ754のソースに結合されたp形トランジスタのドレインを有する。2つのノードは、COM1ノード481およびノード482を横断して接続されている。ノード482は、信号COM2を伝え、転送ゲート750とビット線電圧クランプ610との間に位置する。p形トランジスタ752は信号INVによりゲート制御され、n形トランジスタ754は、INVの反転であるINV* によってゲート制御される。
【0085】
セル電流がセンスアンプ600によって基準電流より大きいと判定されると、INVはハイにセットされてラッチされる。ビット線は、ページソース線34(図14および図15を参照)のCLSRCに引かれる。ソースおよびドレインが本質的に同じ電位であれば、セル電流はオフにされてセンスモジュールはロックアウトモードに入って非アクティブになり、同時に他のセンスモジュールはそれぞれのメモリセルの感知を続行する。ロックアウトモードでは、ハイであるINVが転送ゲート750をオフにする。したがって、VB における電圧のシフトに起因するノイズは、センスモジュールがロックアウトモードであるときには必ずSENノード631およびCOM1ノード481まで伝播することができるに過ぎなくて転送ゲートによって遮断される。このようにして、どのロックアウトセンスモジュールからのノイズも、依然として感知を行っているセンスモジュールに干渉しないように妨げられる。
【0086】
図16に示されている転送ゲートのための好ましい実施形態の他の1つの特徴は、ビット線と究極的にVddとの間の経路における転送ゲート750のp形トランジスタ752の構成で、p形トランジスタが、図12Aに示されている前のプリチャージ回路640’における前のp形トランジスタ644のプルアップ機能を提供することである。したがって、図16では、改善されたセンスモジュール480内のプリチャージ回路640は、プルアップのためのp形トランジスタを最早必要としない。プリチャージ回路640は単にVddへの結線である。転送ゲートは、Vddへのプルアップを行うためにプリチャージ操作中にオンにされる。
【0087】
図17は、ロックアウトモードに入った図16に示されている改善されたセンスモジュールのための制御信号のタイミングを示す。ロックアウトモードではセンスモジュール480の転送ゲート750は昇圧回路からのノイズがページソース線およびビット線に到達しないように遮る。図17および図16の両方を参照すると、全てのセンスモジュールのための感知期間は、HLL(図17(a))がプリチャージ回路640’をSENノード631から切り離すことから始まり、SENノードをそれ以上放電させないようにXXL(図17(b))がセル電流を遮断することで終わる。感知期間中、センスノードは、昇圧回路から供給されるVB で高められる。ロックアウトモードのセンスモジュールについて、SENノード631は、介在している転送ゲート750を除いて、プルダウン回路550を介してCLSRCページソース線34にも結合されているビット線36に結合される。セル電流がオフにされると、感知期間の始まりにおけるVB の電圧レベルの急なシフト(図17(c))によってSENノードにリップルが生じる(図17(d))。ノイズとしてのこのリップルの伝播は、結合されているビット線(図17(e))およびCLSRCページソース線(図17(f))に到達しないように、オフにされている転送ゲート750によって止められる。図13(e)および図13(f)に示されている対応するものと比べて、ロックアウト状態の、改善されているセンスモジュールのビット線にもページ全体のページソース線にもノイズはない。
他の1つの好ましい実施形態では、転送ゲートは、昇圧回路と放電電圧が感知されるノードとの間に配置される。
【0088】
図18は、代わりの好ましい実施形態に従う、ロックアウトセンスモジュールからのノイズ絶縁が改善されているセンスモジュールスタックを示す。この代わりの実施形態におけるセンスモジュール480’’は、転送ゲート750が類似の転送ゲート760により取って代わられていて昇圧回路700とSENノード631との間に移されていることを除いて、図16に示されている好ましい実施形態のセンスモジュール480と同様である。これは、VB を、それが経路703を介してキャパシタ652に到達する前に、ゲート制御するように配置されている。
【0089】
図19は、ロックアウトセンスモジュールからのノイズが、ページを感知するためになおアクティブである他のものに干渉しないように絶縁する方法を示す流れ図である。
ステップ810:不揮発性メモリセルの伝導電流を、そのグループを並行して感知している最中に感知するために、中間回路を介してメモリセルがアクセスし得るノードを設ける。
ステップ820:ノードを初期電圧へプリチャージする。
ステップ830:ノードに結合された昇圧回路を設ける。
ステップ832:ノード上の初期電圧を所定量だけ高める。
ステップ840:伝導電流をノードにおける電圧放電の速度により測定する。
ステップ850:伝導電流が所定値より大きいと判定されるたびに、少なくともメモリセルのグループのための感知が完了するまで昇圧回路をメモリセルの中間回路から絶縁する。
【0090】
高速センスモジュールアレイ
2007年12月28日に出願された米国特許出願第11/966,325号(特許文献20)においてさらに発展させられている、前で与えられたセンスモジュールのための種々の実施形態は、データをセンスアンプのデータラッチからデータ上に読み出すプロセスが、接続されたビット線にプリチャージ素子が供給する同じ経路の一部を使用する構成を使用する。これは、米国特許第7,173,854号(特許文献18)および第7,170,784号(特許文献21)に見出されるものにも当てはまる。例えば、図12Aに示されているように、センスモジュール480’にラッチされたデータ値は、スイッチ488を通してバスノード422へ送り出される。これは、線COM1が481で接続することを伴う。これは、図12Bに示されているように、プリチャージがビット線に供給される同じ経路である。
【0091】
この事情は図20A〜図20Cでより詳しく考察され、これらのセンスモジュールの詳細の幾分かがこの論議のために多少再構成されていることを表す。図20Aは、これらの他のセンスアンプの多少一般的な変形と解され得るけれども、プリチャージ保持キャパシタCSA653が中央に、デジタル部分と称され得るものが左側に、アナログ部分と称され得るものが右側に配置されているものを示す。図12Aの対応する部分の単なる再構成であるアナログ部分は、プリチャージキャパシタ653からの電流を選択されたビット線に提供する。デジタル側で、弁別素子は660にラッチするべき状態を判定する。SAラッチ660は、例えば、ラッチされた値を保持するためにクロスカップリングされたトランジスタから形成されることができて、ここではRSTおよびSTB信号に応答する。
【0092】
図20Bは、プリチャージキャパシタCSA652から選択されたビット線への電流が取る感知のためのアナログ経路を示す。より具体的には、それはノード631および481を通り、さらにビット線選択トランジスタ482へ進む。図20CはデータをSAバス422へ転送するための経路を示し、電流は再びノード631および481を通って進み、ここで向きを変えてトランジスタ488を通って422のセンスアンプバスへ進む。これらの経路の両方が、SENのところの線から、ノード631へ、トランジスタ630を通ってノード481までの共通部分を共有する。したがって、1感知操作のための422へのデータ転送が完了するまで、プリチャージキャパシタ652は次の感知操作のために充電されることができない。したがって、図20Aのものなどの構成において感知性能を低速化する要因のうちの1つは、アナログ感知時間(図20C)とデジタルデータ転送時間(図20B)とが連続する結果である。
【0093】
スピードを考慮すべきであることに加えて、この構成はアナログ感知経路にノイズを生じさせる。それは、Vddの高データ値をトランジスタ630を通して送るには、一般に、630のしきい値を補うためにXXLをVddより高い値にすることが必要であるからである。データ値が出された後、XXLは通例下げられてVddに戻されるけれども、これにはある程度の時間がかかり得るので、これはノイズを導入し、BLクランプ610を通り、図12Bに関して前に記述された経路に沿って、そこで論じられたものと類似の効果を伴って進む。
【0094】
ここで提示される構成は、センスモジュール回路内のアナログ部分とデジタル部分とを、これらの両方が並行して処理され得るように分離する新しい方法を導入する。このようにして、感知性能は、代表的な設計で約10%向上し得る。さらに、これは、感知中にアナログ感知経路上のノイズをなくしてスイッチング電流を減少させるのに役立つ。図21Aに関して見られるように、この種の設計は、メモリが前の感知データを送り出している間に次の感知環境が準備されることを可能にする。
【0095】
図21Aは、図20Aのセンスモジュールと関連する方法のいくつかの態様を示す。他の実施形態は、前のセクションにおいて、さらに米国特許第7,173,854号(特許文献18)および第7,170,784号(特許文献21)のものなどの他のセンスモジュールにおいて与えられている他の種々の実施形態に基づくか、あるいはそれらと組み合わせることができる。
図21Aの代表的な実施形態は、再び、プリチャージ素子CSA652を中央に、アナログセクションを左側に、デジタルセクションを右側に示す。デジタルセクションは、前のように構成され得るSAラッチ660と、弁別素子650とを含む。Dcrm650の中で、トランジスタ654および656は前のようであるけれども、ノード657を接地に接続するRSTによって制御されるトランジスタ658を持つのではなくて、ノード657は今はトランジスタ2101を通してノード422に接続され、そこからさらにSAバスに接続されている。したがって、ラッチされたデータは、今はこの経路に沿って信号RST_NCOにより制御されるトランジスタ2101を通って外へ転送され、前のNCO信号の機能をRST信号と合体させる。データを外へ転送するための経路は今は完全にデジタル側の中にあるので、NCOによって制御される図20Aの前のスイッチ488は最早この機能を果たさなくてもよい。
【0096】
図21Bは感知のためのアナログ経路を示し、プリチャージキャパシタCSA652から選択されたビット線への経路電流が取るものであって、図20Bとほとんど同じである。データをSAバス422へ転送するためのデジタル経路は図21Cに示されていて、図20Cとは違って、レベルINVが今はスイッチ2101によってノード657からノード422へ転送されるので、アナログ経路とは重ならない。したがって、弁別素子650が感知操作の結果を確立すると、センスモジュールは、デジタル結果が外へ転送されて次の感知操作のデジタル部分へ移動するのを待たなくてもよくて、キャパシタを充電することおよび他のステップを始めることができ、ラッチされたデータ値は都合のよいときにバスへ転送される。
【0097】
読み出しプロセスでは、図7に示されている4状態メモリの例を採ると、代表的なプロセスは、先ずA状態、その後にB状態、最後にC状態を求めて読む。図20Aの構成では、選択されたワード線はA状態を求めて読むために使用される値まで高められ、読み出しのアナログ部分が実行される。すなわち、プリチャージが実行され、その後、図20Bの経路に沿って選択されたビット線に供給するために使用される。その後、センスアンプは、弁別セクション650がセルの状態を基準レベルと比較するようにストローブされ、その結果がラッチされる。その後、この結果を読み出すために図20Cの経路が使用されるけれども、これは、プリチャージキャパシタが放電されることを、これがアナログ部分で既に行われていなかったならば(すなわち、選択されたセルが伝導していなかったならば)、必要とする。これが行われると、その後にデータの転送が行われ得る。さらに、ワード線は次の感知操作(ここでは、選択されたセル上のB状態)に備えて高められ得るけれども、転送が完了するまではセンスアンプを次の感知操作に備えさせることはできない。
【0098】
A読み出しについての結果のデータ転送が図20Cの経路を用いて完了すれば、ビット線をB読み出しのために高めることができ、それは、C読み出しへ続く前に、同じように進行する。したがって、図20A〜図20Cのような構成の構造では、データ結果のラッチまでの読み出し操作のアナログ部分はデジタル値のデータ転送部分と連続して実行され、ワード線およびビット線値は連続して高められる。
対照的に、図21A〜図21Cのような構成では、比較の結果が弁別素子によって行われてラッチされると、転送を次の読み出しのための準備と並行して行うことができて、転送時間を隠すと共にワード線およびビット線値を並行して高めることを可能にする。
【0099】
図21A〜図21Cを再び参照して図7に示されている4状態メモリの例を採用すると、A状態を求める読み出しから始めて、選択されたワード線はA状態を求める読み出しに使用される値に高められて読み出しのアナログ部分が実行され、プリチャージが行われ、その後に図21Bの経路に沿って選択されたビット線に供給をするために使用される。その後、弁別セクション650がセルの状態を基準レベルと比較するようにセンスアンプがストローブされ、結果がラッチされる。この段階でプロセスは前の場合から分岐する。すなわち、図21Cのデータ転送のための経路が使用されるので、アナログおよびプリチャージセクションは次の状態へ進むことができる一方で、データ転送は、この後の読み出しの結果のためにラッチが必要となる前にいつでも行われ得る。さらに、アナログ/プリチャージ素子におけるレベルを放電し再充電する必要性が少ないので、アナログ感知経路におけるノイズおよび必要とされるスイッチング電流が低減される。
【0100】
同じ経路の多くがビット線電流を供給しデータを外へ転送するために使われるので、ベリファイ操作のためにも普通の読み出しのためにも、トランジスタ630は、図20Bおよび図20Cの経路の両方のためにXXLによってオンにされなければならない。前述したように、これは、ノイズがトランジスタ630を通ってBL電圧クランプ610へ、その後にビット線自体へ伝わって変位電流に影響を及ぼすという結果をもたらす。データを外へ転送するために図21Cの経路を使用することは、Vddの「ハイ」感知値をSAバスに送るために素子630を充分にオンにする必要が最早ないので、XXLからのこのノイズを最小にするのに役立つ。
【0101】
図21Aの設計は、さらに、感知操作のために図20Aのものより少ない切換電力を使用する。図20Cを参照すると、スイッチ488をオンにするためにNCOをハイにする必要があるほか、前に論じられたように、630を充分にオンにするためにXXLが高いレベルにされなければならない。さらに、図20CではBL電圧クランプ610およびビット線選択スイッチ482がオフにされるので、BLCおよびBLSは両方ともローにされる。対照的に、図21Cでは、データ転送中にBLCおよびBLS値をトグルする必要は最早なく、XXLは高い値にされなくてもよい。その代わりに、ラッチされた値を外へ転送するために必要とされるスイッチ(2101)がオンにされるだけでよい。さらに、図20A〜図20Cは単純化された図であって、これらのアナログセクションは、図20Bのモードから図20Cのモードへの移行のときにスイッチングを必要とする他の数個の素子を包含し得る。
【0102】
本発明の種々の態様をある実施形態に関して記述してきたけれども、本発明が添付されている特許請求の範囲全体の中での保護を受ける権利を有するということが分かるはずである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
並行して感知される不揮発性メモリセルのグループの中のメモリセルの伝導電流を感知してその結果をデータバスに提供するための感知回路であって、
ノードと、
前記ノードを初期電圧に充電するために、前記ノードに結合されているプリチャージ回路と、
前記ノードに結合されて前記メモリセルに接続可能な中間回路であって、これにより前記プリチャージ回路からの電流が前記メモリセルに供給され得る中間回路と、
前記ノードにおける放電の速度によって前記伝導電流の判定を行うために前記ノードに結合された比較回路と、
前記判定の結果を保持するために前記比較回路に結合されたデータラッチと、
前記データラッチに、その中にラッチされている結果を前記ノードから独立して前記データバスに供給するために、結合された転送ゲートと、
を備える感知回路。
【請求項2】
請求項1記載の感知回路において、
前記プリチャージ回路を、ラッチされた結果を前記データバスに供給すると同時に充電することができる感知回路。
【請求項3】
請求項1記載の感知回路において、
前記グループの各メモリセルを関連するビット線によりアクセスすることができ、
前記中間回路は、前記関連するビット線に結合される感知回路。
【請求項4】
請求項1記載の感知回路において、
前記不揮発性メモリセルのグループは、フラッシュEEPROMの一部分である感知回路。
【請求項5】
請求項4記載の感知回路において、
前記フラッシュEEPROMは、NAND形のものである感知回路。
【請求項6】
請求項1記載の感知回路において、
個々の不揮発性メモリセルは、電荷蓄積素子をそれぞれ包含する感知回路。
【請求項7】
請求項6記載の感知回路において、
前記電荷蓄積素子は、フローティングゲートである感知回路。
【請求項8】
請求項6記載の感知回路において、
前記電荷蓄積素子は、誘電体層である感知回路。
【請求項9】
請求項1記載の感知回路において、
前記不揮発性メモリセルは、メモリカードにおいて具体化される感知回路。
【請求項10】
請求項1記載の感知回路において、
前記比較回路は、前記伝導電流を基準値と比較することによって判定を行う感知回路。
【請求項11】
請求項1記載の感知回路において、
前記データラッチにラッチされた結果は、前記中間回路におけるスイッチングレベルから独立に前記データバスに供給される感知回路。
【請求項12】
並行して感知される不揮発性メモリセルのグループの中の第1のメモリセルの伝導電流を感知してその結果をデータバスに提供する方法であって、
中間回路を介して1つ以上のメモリセルによりアクセスされ得るノードを設けるステップと、
前記ノードを第1の感知操作のために初期電圧にプリチャージするステップと、
前記メモリセルのうちの第1のメモリセルを通して前記中間回路を介して前記ノードを放電させるステップと、
前記第1のメモリセルを通る伝導電流を前記ノードを放電させるステップの速度によって測定するステップと、
前記測定するステップの結果をラッチするステップと、
ラッチされた結果をデータバスに出力するステップと、
前記ラッチするステップの後で前記出力するステップを完了する前に、前記ノードを第2の感知操作のためにプリチャージするステップと、
を含む方法。
【請求項13】
請求項12記載の方法において、
前記グループの各メモリセルを関連するビット線によりアクセスすることができ、
前記方法は、放電の前に前記メモリセルのうちの前記第1のメモリセルのための関連するビット線に前記中間回路を結合させるステップをさらに含む方法。
【請求項14】
請求項12記載の方法において、
前記不揮発性メモリセルのグループは、フラッシュEEPROMの一部分である方法。
【請求項15】
請求項14記載の方法において、
前記フラッシュEEPROMは、NAND形のものである方法。
【請求項16】
請求項12記載の方法において、
個々の不揮発性メモリセルは、電荷蓄積素子をそれぞれ包含する方法。
【請求項17】
請求項16記載の方法において、
前記電荷蓄積素子は、フローティングゲートである方法。
【請求項18】
請求項16記載の方法において、
前記電荷蓄積素子は、誘電体層である方法。
【請求項19】
請求項12記載の方法において、
前記測定するステップは、伝導電流を基準値と比較することを含む方法。
【請求項20】
請求項12記載の方法において、
前記ラッチされた結果を出力するステップは、前記中間回路におけるスイッチングレベルから独立に前記データバスに供給される方法。
【請求項21】
並行して感知される不揮発性メモリセルのグループの中の第1のメモリセルの伝導電流を感知してその結果をデータバスに提供する方法であって、
中間回路を介して1つ以上のメモリセルによりアクセスされ得るノードを設けるステップと、
前記ノードを第1の感知操作のために初期電圧にプリチャージするステップと、
前記メモリセルのうちの第1のメモリセルを通して前記中間回路を介して前記ノードを放電させるステップと、
前記第1のメモリセルを通る伝導電流を前記ノードを放電させるステップの速度によって測定するステップと、
前記測定するステップの結果をラッチするステップと、
ラッチされた結果を前記ノードおよび前記中間回路から独立の経路によってデータバスに出力するステップと、
を含む方法。
【請求項22】
請求項21記載の方法において、
前記グループの各メモリセルを関連するビット線によりアクセスすることができ、
前記方法は、放電の前に前記メモリセルのうちの前記第1のメモリセルのための関連するビット線に前記中間回路を結合させるステップをさらに含む方法。
【請求項23】
請求項21記載の方法において、
前記不揮発性メモリセルのグループは、フラッシュEEPROMの一部分である方法。
【請求項24】
請求項23記載の方法において、
前記フラッシュEEPROMは、NAND形のものである方法。
【請求項25】
請求項21記載の方法において、
個々の不揮発性メモリセルは、電荷蓄積素子をそれぞれ包含する方法。
【請求項26】
請求項25記載の方法において、
前記電荷蓄積素子は、フローティングゲートである方法。
【請求項27】
請求項25記載の方法において、
前記電荷蓄積素子は、誘電体層である方法。
【請求項28】
請求項21記載の方法において、
前記測定するステップは、前記伝導電流を基準値と比較することを含む方法。
【請求項29】
並行して感知される不揮発性メモリセルのグループの中の第1のメモリセルの伝導電流を感知してその結果をデータバスに提供する方法であって、
中間回路を介して1つ以上のメモリセルによりアクセスされ得るノードを設けるステップと、
前記ノードを第1の感知操作のために初期電圧にプリチャージするステップと、
前記メモリセルのうちの第1のメモリセルを通して前記中間回路を介して前記ノードを放電させるステップと、
前記第1のメモリセルを通る伝導電流を前記ノードを放電させるステップの速度によって測定するステップと、
前記測定するステップの結果をラッチするステップと、
ラッチされた結果を中間回路から独立にデータバスに出力するステップであって、これによりその中においてノイズが低減される、ラッチされた結果を出力するステップと、
を含む方法。
【請求項30】
請求項29記載の方法において、
前記グループの各メモリセルを関連するビット線によりアクセスすることができ、
前記方法は、放電の前に前記メモリセルのうちの前記第1のメモリセルのための関連するビット線に前記中間回路を結合させるステップをさらに含む方法。
【請求項31】
請求項29記載の方法において、
前記不揮発性メモリセルのグループは、フラッシュEEPROMの一部分である方法。
【請求項32】
請求項31記載の方法において、
前記フラッシュEEPROMは、NAND形のものである方法。
【請求項33】
請求項29記載の方法において、
個々の不揮発性メモリセルは、電荷蓄積素子をそれぞれ包含する方法。
【請求項34】
請求項33記載の方法において、
前記電荷蓄積素子は、フローティングゲートである方法。
【請求項35】
請求項33記載の方法において、
前記電荷蓄積素子は、誘電体層である方法。
【請求項36】
請求項29記載の方法において、
前記測定するステップは、伝導電流を基準値と比較することを含む方法。
【請求項37】
請求項29記載の方法において、
前記ラッチされた結果を出力するステップは、前記中間回路におけるスイッチングレベルから独立に前記データバスに供給される方法。
【請求項1】
並行して感知される不揮発性メモリセルのグループの中のメモリセルの伝導電流を感知してその結果をデータバスに提供するための感知回路であって、
ノードと、
前記ノードを初期電圧に充電するために、前記ノードに結合されているプリチャージ回路と、
前記ノードに結合されて前記メモリセルに接続可能な中間回路であって、これにより前記プリチャージ回路からの電流が前記メモリセルに供給され得る中間回路と、
前記ノードにおける放電の速度によって前記伝導電流の判定を行うために前記ノードに結合された比較回路と、
前記判定の結果を保持するために前記比較回路に結合されたデータラッチと、
前記データラッチに、その中にラッチされている結果を前記ノードから独立して前記データバスに供給するために、結合された転送ゲートと、
を備える感知回路。
【請求項2】
請求項1記載の感知回路において、
前記プリチャージ回路を、ラッチされた結果を前記データバスに供給すると同時に充電することができる感知回路。
【請求項3】
請求項1記載の感知回路において、
前記グループの各メモリセルを関連するビット線によりアクセスすることができ、
前記中間回路は、前記関連するビット線に結合される感知回路。
【請求項4】
請求項1記載の感知回路において、
前記不揮発性メモリセルのグループは、フラッシュEEPROMの一部分である感知回路。
【請求項5】
請求項4記載の感知回路において、
前記フラッシュEEPROMは、NAND形のものである感知回路。
【請求項6】
請求項1記載の感知回路において、
個々の不揮発性メモリセルは、電荷蓄積素子をそれぞれ包含する感知回路。
【請求項7】
請求項6記載の感知回路において、
前記電荷蓄積素子は、フローティングゲートである感知回路。
【請求項8】
請求項6記載の感知回路において、
前記電荷蓄積素子は、誘電体層である感知回路。
【請求項9】
請求項1記載の感知回路において、
前記不揮発性メモリセルは、メモリカードにおいて具体化される感知回路。
【請求項10】
請求項1記載の感知回路において、
前記比較回路は、前記伝導電流を基準値と比較することによって判定を行う感知回路。
【請求項11】
請求項1記載の感知回路において、
前記データラッチにラッチされた結果は、前記中間回路におけるスイッチングレベルから独立に前記データバスに供給される感知回路。
【請求項12】
並行して感知される不揮発性メモリセルのグループの中の第1のメモリセルの伝導電流を感知してその結果をデータバスに提供する方法であって、
中間回路を介して1つ以上のメモリセルによりアクセスされ得るノードを設けるステップと、
前記ノードを第1の感知操作のために初期電圧にプリチャージするステップと、
前記メモリセルのうちの第1のメモリセルを通して前記中間回路を介して前記ノードを放電させるステップと、
前記第1のメモリセルを通る伝導電流を前記ノードを放電させるステップの速度によって測定するステップと、
前記測定するステップの結果をラッチするステップと、
ラッチされた結果をデータバスに出力するステップと、
前記ラッチするステップの後で前記出力するステップを完了する前に、前記ノードを第2の感知操作のためにプリチャージするステップと、
を含む方法。
【請求項13】
請求項12記載の方法において、
前記グループの各メモリセルを関連するビット線によりアクセスすることができ、
前記方法は、放電の前に前記メモリセルのうちの前記第1のメモリセルのための関連するビット線に前記中間回路を結合させるステップをさらに含む方法。
【請求項14】
請求項12記載の方法において、
前記不揮発性メモリセルのグループは、フラッシュEEPROMの一部分である方法。
【請求項15】
請求項14記載の方法において、
前記フラッシュEEPROMは、NAND形のものである方法。
【請求項16】
請求項12記載の方法において、
個々の不揮発性メモリセルは、電荷蓄積素子をそれぞれ包含する方法。
【請求項17】
請求項16記載の方法において、
前記電荷蓄積素子は、フローティングゲートである方法。
【請求項18】
請求項16記載の方法において、
前記電荷蓄積素子は、誘電体層である方法。
【請求項19】
請求項12記載の方法において、
前記測定するステップは、伝導電流を基準値と比較することを含む方法。
【請求項20】
請求項12記載の方法において、
前記ラッチされた結果を出力するステップは、前記中間回路におけるスイッチングレベルから独立に前記データバスに供給される方法。
【請求項21】
並行して感知される不揮発性メモリセルのグループの中の第1のメモリセルの伝導電流を感知してその結果をデータバスに提供する方法であって、
中間回路を介して1つ以上のメモリセルによりアクセスされ得るノードを設けるステップと、
前記ノードを第1の感知操作のために初期電圧にプリチャージするステップと、
前記メモリセルのうちの第1のメモリセルを通して前記中間回路を介して前記ノードを放電させるステップと、
前記第1のメモリセルを通る伝導電流を前記ノードを放電させるステップの速度によって測定するステップと、
前記測定するステップの結果をラッチするステップと、
ラッチされた結果を前記ノードおよび前記中間回路から独立の経路によってデータバスに出力するステップと、
を含む方法。
【請求項22】
請求項21記載の方法において、
前記グループの各メモリセルを関連するビット線によりアクセスすることができ、
前記方法は、放電の前に前記メモリセルのうちの前記第1のメモリセルのための関連するビット線に前記中間回路を結合させるステップをさらに含む方法。
【請求項23】
請求項21記載の方法において、
前記不揮発性メモリセルのグループは、フラッシュEEPROMの一部分である方法。
【請求項24】
請求項23記載の方法において、
前記フラッシュEEPROMは、NAND形のものである方法。
【請求項25】
請求項21記載の方法において、
個々の不揮発性メモリセルは、電荷蓄積素子をそれぞれ包含する方法。
【請求項26】
請求項25記載の方法において、
前記電荷蓄積素子は、フローティングゲートである方法。
【請求項27】
請求項25記載の方法において、
前記電荷蓄積素子は、誘電体層である方法。
【請求項28】
請求項21記載の方法において、
前記測定するステップは、前記伝導電流を基準値と比較することを含む方法。
【請求項29】
並行して感知される不揮発性メモリセルのグループの中の第1のメモリセルの伝導電流を感知してその結果をデータバスに提供する方法であって、
中間回路を介して1つ以上のメモリセルによりアクセスされ得るノードを設けるステップと、
前記ノードを第1の感知操作のために初期電圧にプリチャージするステップと、
前記メモリセルのうちの第1のメモリセルを通して前記中間回路を介して前記ノードを放電させるステップと、
前記第1のメモリセルを通る伝導電流を前記ノードを放電させるステップの速度によって測定するステップと、
前記測定するステップの結果をラッチするステップと、
ラッチされた結果を中間回路から独立にデータバスに出力するステップであって、これによりその中においてノイズが低減される、ラッチされた結果を出力するステップと、
を含む方法。
【請求項30】
請求項29記載の方法において、
前記グループの各メモリセルを関連するビット線によりアクセスすることができ、
前記方法は、放電の前に前記メモリセルのうちの前記第1のメモリセルのための関連するビット線に前記中間回路を結合させるステップをさらに含む方法。
【請求項31】
請求項29記載の方法において、
前記不揮発性メモリセルのグループは、フラッシュEEPROMの一部分である方法。
【請求項32】
請求項31記載の方法において、
前記フラッシュEEPROMは、NAND形のものである方法。
【請求項33】
請求項29記載の方法において、
個々の不揮発性メモリセルは、電荷蓄積素子をそれぞれ包含する方法。
【請求項34】
請求項33記載の方法において、
前記電荷蓄積素子は、フローティングゲートである方法。
【請求項35】
請求項33記載の方法において、
前記電荷蓄積素子は、誘電体層である方法。
【請求項36】
請求項29記載の方法において、
前記測定するステップは、伝導電流を基準値と比較することを含む方法。
【請求項37】
請求項29記載の方法において、
前記ラッチされた結果を出力するステップは、前記中間回路におけるスイッチングレベルから独立に前記データバスに供給される方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20A】
【図20B】
【図20C】
【図21A】
【図21B】
【図21C】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20A】
【図20B】
【図20C】
【図21A】
【図21B】
【図21C】
【公表番号】特表2011−522348(P2011−522348A)
【公表日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−511667(P2011−511667)
【出願日】平成21年4月1日(2009.4.1)
【国際出願番号】PCT/US2009/039082
【国際公開番号】WO2009/146057
【国際公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(506197901)サンディスク コーポレイション (175)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月1日(2009.4.1)
【国際出願番号】PCT/US2009/039082
【国際公開番号】WO2009/146057
【国際公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(506197901)サンディスク コーポレイション (175)
【Fターム(参考)】
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