説明

中継基板および中継基板の製造方法、ならびに中継基板を用いた検査装置、さらには検査装置を用いた回路基板の検査方法

【課題】 検査対象の回路基板が微細ピッチの電極を有するものであっても信頼性の高い電気検査を行うことができる回路基板の検査装置および回路基板の検査方法を提供する。
【解決手段】 中継ピンユニット31が、中間保持板36と、第1の絶縁板34と中間保持板36との間に配置された第1の支持ピン33と、第2の絶縁板35と中間保持板36との間に配置された第2の支持ピン37とを備えるとともに、第1の支持ピンの中間保持板に対する第1の当接支持位置と、第2の支持ピンの中間保持板に対する第2の当接支持位置とが、中間保持板の厚さ方向に投影した中間保持板投影面において異なる位置に配置されている。また、基板に形成された複数の貫通孔に、弾性高分子物質からなる絶縁部62と、導電性粒子を含有する弾性高分子物質からなり絶縁部62を厚み方向へ貫通する導電路形成部61とが形成された中継基板29を設置し、ピッチ変換用基板23と被検査回路基板1との電気的接続を中継するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気検査を行う検査対象である回路基板(以下、「被検査回路基板」という。)の両側に配置されて、回路基板の端子の導通を外部に導く中継基板、およびこの中継基板の製造方法、ならびにこの中継基板を用いた検査装置、さらには、この検査装置を用いた回路基板の検査方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
集積回路などを実装するためのプリント回路基板は、集積回路などを実装する前に、回路基板の配線パターンが所定の性能を有することを確認するために電気的特性が検査される。
【0003】
この電気検査では、例えば、回路基板の搬送機構を備えた検査用テスターに検査ヘッドを組み込み、検査ヘッド部分を交換することにより異なる回路基板の検査を行っている。
例えば、特許文献1に開示されているように、被検査回路基板の被検査電極に接して電気的に導通する金属の検査ピンを基板に植設した構造の検査治具を用いる方法が提案されている。
【0004】
また、特許文献2に開示されているように、導電ピンを有する検査ヘッドと、オフグリットアダプターと呼ばれるピッチ変換用の回路基板と、異方導電性シートとを組み合わせた検査治具を用いる方法が知られている。
【0005】
しかしながら、特許文献1のように、金属検査ピンを直接に被検査回路基板の被検査電極に接触させる検査治具を用いる方法では、金属からなる導電ピンとの接触により被検査回路基板の電極が損傷する可能性がある。
【0006】
特に、近年では回路基板における回路の微細化、高密度化が進み、このようなプリント回路基板を検査する場合、多数の導電ピンを被検査回路基板の被検査電極に同時に導通接触させるためには、高い圧力で検査治具を加圧することが必要となり、被検査電極が損傷し易くなる。
【0007】
そして、このような微細化、高密度化されたプリント回路基板を検査するための検査治具では、高密度で多数の金属ピンを基板に植設することが技術的に困難になりつつある。また、その製造コストも高価となり、さらに、一部の金属ピンが損傷した場合に、修理、交換することが困難である。
【0008】
一方、特許文献2のように、異方導電性シートを使用する検査治具では、被検査回路基板の被検査電極が、異方導電性シートを介してピッチ変換用基板の電極と接触することになるため、被検査回路基板の被検査電極が損傷しにくいという利点がある。また、ピッチ変換を行う基板を使用しているため、基板に植設する検査ピンを、被検査回路基板の被検査電極のピッチよりも広いピッチで植設することができるため、微細ピッチで検査ピンを植設する必要がなく、検査治具の製造コストを節約できるという利点もある。
【0009】
しかしながら、この検査治具では、検査対象である被検査回路基板ごとに、ピッチ変換用基板と、検査ピンを植設する検査治具とを作成する必要があるため、検査される被検査回路基板であるプリント回路基板と同数の検査治具が必要となる。
【0010】
このため、複数のプリント回路基板を生産している場合では、それに対応して複数の検査治具を保有しなければならないという問題がある。特に、近年では電子機器の製品サイクルが短縮し、製品に使用されるプリント回路基板の生産期間の短縮化が進んでいるが、これに伴って検査治具を長期間使用することができなくなり、プリント回路基板の生産が切り替わる度に検査治具を生産しなければならないという問題が生じている。
【0011】
このような問題への対策として、例えば、特許文献3〜5のような、中継ピンユニットを用いる、いわゆるユニバーサルタイプの検査治具を用いた検査装置が提案されている。
図30は、このようなユニバーサルタイプの検査治具を用いた検査装置の断面図である。この検査装置は、一対の第1の検査治具111aと第2の検査治具111bとを備え、これらの検査治具は、回路基板側コネクタ121a、121bと、中継ピンユニット131a、131bと、テスター側コネクタ141a、141bとを備えている。
【0012】
回路基板側コネクタ121a、121bは、ピッチ変換用基板123a、123bと、その両面側に配置される中継基板(第1の異方導電性シート)122a、122bと、第2の異方導電性シート126a、126bとを有している。
【0013】
中継ピンユニット131a、131bは、一定ピッチ(例えば2.54mmピッチ)で格子点上に多数(例えば5000ピン)配置された導電ピン132a、132bと、この導電ピン132a、132bを上下へ移動可能に支持する一対の絶縁板134a、134bとを有している。
【0014】
テスター側コネクタ141a、141bは、被検査回路基板101を検査治具111a、111bで挟圧した際に、テスターと導電ピン132a、132bとを電気的に接続するコネクタ基板143a、143bと、コネクタ基板143a、143bの導電ピン132a、132b側に配置される第3の異方導電性シート142a、142bと、ベース板146a、146bとを有している。
【0015】
この中継ピンユニット131a、131bを使用した検査治具は、異なる被検査対象であるプリント回路基板を検査する際に、回路基板側コネクタ121a、121bを被検査回路基板101に対応するものに交換するだけでよく、中継ピンユニット131a、131bとテスター側コネクタ141a、141bは共通で使用できる。
【0016】
ところで、被検査回路基板101であるプリント配線基板は、多層高密度化してきており、実際には厚み方向に、例えば、BGAなどのハンダボール電極などの被検査電極102、103による高さバラツキや基板自体の反りが生じている。そのため、被検査回路基板101上の検査点である被検査電極102、103に電気的接続を達成するためには、第1の検査治具111aと第2の検査治具111bとを高い圧力で加圧して、被検査回路基板101を平坦に変形する必要がある。また、被検査電極102、103の高さバラツキに対しては、第1の検査治具111aと第2の検査治具111bの被検査電極102、103の高さに対する追従性が必要となる。
【0017】
従来のこのようなユニバーサルタイプの検査治具では、被検査電極102、103の高さに対する追従性を確保するために、導電ピン132a、132bの軸方向移動により追従していたが、この導電ピン132a、132bの軸方向移動量にも限界があるため、このような被検査電極102、103の高さに対する追従性が良好でない場合があり、導通不良が発生して正確な検査ができないことになる。
【0018】
また、このようなユニバーサルタイプの検査治具では、第1の検査治具111aと第2の検査治具111bによって、被検査回路基板101を挟圧した際のプレス圧力は、その
上下の中継基板122a、122b、異方導電性シート126a、126b、142a、142bにて吸収している。
【0019】
そのため、このようなユニバーサルタイプの検査治具では、ピッチ変換用基板123a、123bを支持しプレス圧を分散させるために、一定間隔で導電ピン132a、132bを配置する必要がある。
【0020】
また、従来のユニバーサルタイプの検査治具では、プレス圧力は導電ピン132a、132bで受けるようになっているため、一定間隔で多数の導電ピン132a、132bを配置する必要がある。
【0021】
このため、被検査回路基板101の電極の微細化に対応して、例えば、0.75mmピッチで1万以上の貫通孔を有する絶縁板134a、134bを形成する場合、絶縁板134a、134bの基板の厚さが薄いと強度が低くなり、曲げた時に割れることもあるので、絶縁板134a、134bの厚さは厚めにする必要があった。
【0022】
しかしながら、形成する貫通孔の径が例えば直径0.5mm程度と微細になり、絶縁板134a、134bの厚さが5mm以上になると、一回のドリル加工で貫通孔を形成しようとする場合に、ドリルの刃の強度の関係で、ドリルの刃の欠損、折れが生じて絶縁板の加工に失敗する場合が多くなる。
【0023】
このため、絶縁板の片面から厚みの半分程度までドリル加工し、さらに他面側から同一部分にドリル加工を行うことにより貫通孔を形成することによって絶縁板の加工を行っているが、この場合、絶縁板に形成する貫通孔数の2倍のドリル加工作業が必要となり、加工工程が煩雑となるという問題があった。
【0024】
また、従来のこうしたユニバーサルタイプの検査治具では、回路基板側コネクタを構成する中継基板122a、122bとして、厚み方向に延びる複数の導電路形成部と、これらの導電路形成部を互いに絶縁する絶縁部とからなり、導電性粒子が導電路形成部中にのみ含有されて面方向に不均一に分散され、シート片面側に導電路形成部が突出した偏在型の異方導電性シートを使用していた。この異方導電性シートは検査での繰り返し使用により導電路形成部が劣化(抵抗値の上昇)し、異方導電性シートを交換する場合、交換の度に異方導電性シートとピッチ変換用基板との位置合わせ、および回路基板側コネクタと中継ピンユニットとの位置合わせが必要であり、この位置合わせ作業が煩雑で検査効率の低下の要因となっていた。
【0025】
一方、図31に示したように、支持体73の貫通孔内に配置された弾性高分子物質からなる絶縁部62内に、複数の導電路形成部61を形成した中継基板が本出願人により提供されている(特許文献6)。図31に示した特許文献6の中継基板では、導電路形成部61内に磁性を示す導電性粒子が、絶縁部62の厚み方向に配向されている。また、導電路形成部61の突出部61aが絶縁部62の表面から突出され、さらに導電路形成部61の両端面に金属膜64が具備されている。
【0026】
このように導電路形成部61の端面に金属膜64が具備されることにより、導電路形成部61の加圧変形が容易なものとされ、導電路形成部61において導電性粒子間に十分な電気的接触を得ることができる。
【特許文献1】特開平6−94768号公報
【特許文献2】特開平5−159821号公報
【特許文献3】特開平7−248350号公報
【特許文献4】特開平8−271569号公報
【特許文献5】特開平8−338858号公報
【特許文献6】特願2005−205684号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0027】
しかしながら、図31の特許文献6に開示されているように、絶縁部62から導電路形成部61が突出され、その突出部61aの端面に金属膜64が具備されている中継基板が、回路基板の検査装置に使用されていると、以下のような問題があった。
【0028】
すなわち、回路基板の検査には、何万回も繰り返して同じ押圧動作が行なわれるため、金属膜64が場合によっては導電路形成部61の端面から脱落してしまうことがあった。
したがって、このように脱落が生じてしまった場合には、新たな中継基板を用意するとともに、金属膜64の脱落を定期的に確認し、脱落が生じてしまった場合に新たな中継基板と交換しなければならないという問題があった。
【0029】
本発明は、このような実情に鑑み、中継基板の導電路形成部に設置された金属膜の脱落を可及的に防止し、繰り返し使用による耐久性を向上させることができる中継基板を提供することを目的としている。
【0030】
また、本発明は、このように耐久性を十分に向上させることもできる中継基板を容易に製造することができる中継基板の製造方法を提供することを目的としている。
さらに、本発明は、このような中継基板を用いて繰り返し使用による耐久性を向上させ、しかも回路基板を検査するのに好適な回路基板の検査装置を提供することを目的としている。
【0031】
また、本発明は、このような検査装置を用いた回路基板の検査方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0032】
本発明に係る中継基板は、
検査対象となる被検査回路基板と、一面側と他面側との間で電極のピッチを変換するピッチ変換用基板との間の電気的接続を中継するとともに、
磁性を示す導電性粒子が厚み方向に配向した状態で弾性高分子物質中に含有された複数の導電路形成部が、支持体に形成された貫通孔内に絶縁性のシリコン被膜を介して相互に絶縁された状態で支持され、さらに、前記導電路形成部の厚み方向端部に金属からなる接点部材が一体的に具備され、さらに、当該接点部材の頂部が前記絶縁性のシリコン被膜から厚み方向外方に突出して配置されてなることを特徴としている。
【0033】
このような構成の中継基板であれば、被検査回路基板とピッチ変換用基板との間の電気的接続を確実にすることができる。
また、本発明では、前記接点部材と前記導電路形成部との間は、
前記接点部材の側周面を囲繞するように塗布された接点部材側の液状シリコンゴムが加熱加圧硬化されるときに、前記支持体側に予め塗布されている支持体側の液状シリコンゴムとともに硬化されて一体化されていることを特徴としている。
【0034】
係る構成の中継基板によれば、接点部材の周囲に液状シリコンゴムが塗布され、この液状シリコンゴムが硬化されるときに、予め支持体側に塗布された液状シリコンゴムと一体になって硬化されるので、接点部材すなわち特許文献6の金属膜に相当する部材と、導電路形成部との接着が確実なものとされる。
【0035】
また、本発明では、前記接点部材の側周面に予め塗布された液状シリコンゴムと前記支持体側に予め塗布された液状シリコンゴムとは、加圧されることにより前記支持体に形成された貫通孔の外側領域にまで延展されていることが好ましい。
【0036】
このような構成であれば、接点部材の接着力を極力向上させることができる。
さらに、本発明では、前記支持体側に予め塗布されている液状シリコンゴムは、塗布時において前記支持体の表面および前記導電路形成部の表面に対して液面が外方に盛り上がるように塗布されていることが好ましい。
【0037】
このような構成であれば、液状シリコンゴムが十分に確保されるので、接着効果が向上する。
また、本発明では、前記接点部材は、加圧時に前記導電路形成部を内方に押圧して、当該接点部材の先端面が前記導電路形成部の内方に入り込んだ状態で前記液状シリコンゴムが硬化されていることが好ましい。
【0038】
このような構成であれば、接点部材が導電部形成部を押圧して内方に入り込んだ状態で硬化されるので、導電路形成部と接点部材との接触が確実なものとされる。これにより、検査対象の導通を良好にすることができる。
【0039】
さらに、本発明に係る中継基板の製造方法は、導電性ペーストが内部に塗布されるべき貫通孔が予め形成された支持体の下面側に、金属層とレジスト層との複合フィルムのレジスト層内に該レジスト層の厚さと略同じ厚さで磁性金属が予めメッキされた複合フィルムを当該複合フィルムの前記金属層側を前記支持体側に対向させた向きで配置する第1の複合フィルム配置工程と、
前記支持体に形成された前記貫通孔内に導電性ペーストを塗布する導電性ペースト塗布工程と、
前記貫通孔内に前記導電性ペーストが塗布された前記支持体の上面側に、前記第1の複合フィルム配置工程で使用された複合フィルムと同一構造の他の複合フィルムを、当該複合フィルムのレジスト層側を前記支持体側に対向させた向きで配置する第2の複合フィルム配置工程と、
前記支持体の上下両面に前記複合フィルムがそれぞれ配置され、前記貫通孔内に前記導電性ペーストが塗布された前記支持体に対し、前記導電性ペーストの厚み方向に磁場を作用させることにより、前記導電性ペースト内の磁性粒子を配向し、これにより磁性粒子による導電路形成部を形成する磁場配向工程と、
磁場配向された前記支持体にレーザー加工を施すことにより、前記導電路形成部の周囲に液状シリコンゴムを塗布するための凹所を形成する液状シリコンゴム塗布用凹所形成工程と、
予め、金属層の一方面に金属接点用のメッキ金属が具備され、このメッキ金属の周囲に液状シリコンゴムが塗布されてなる金属接点用のメッキ金属保持板を用意するメッキ金属保持体準備工程と、
前記液状シリコンゴム塗布用凹所形成工程で得られた支持体ユニット内に液状シリコンゴムを塗布する液状シリコンゴム塗布工程と、
前記メッキ金属保持体準備工程で得られたメッキ金属保持体と、前記液状シリコンゴム塗布工程で得られた前記支持体ユニットとを、互いの液状シリコンゴム同士が密接しあうように加圧し重ね合わせて積層するとともに、加圧下の積層状態で加熱により前記液状シリコンゴム同士の界面を無くした状態で前記液状シリコンゴムを硬化させる液状シリコンゴム硬化工程と、
前記液状シリコンゴム硬化工程で前記液状シリコンゴムが硬化した後に、前記支持体ユニットの両側の金属層を剥離することにより、前記導電路形成部の頂部に前記メッキ金属を一体的に具備させる工程と、を備えたことを特徴としている。
【0040】
このような各工程を備えた中継基板の製造方法によれば、上記の中継基板を製造することができる。
また、本発明に係る回路基板の検査装置は、
一対の第1の検査治具と第2の検査治具によって、両検査治具の間で検査対象である被検査回路基板の両面を挟圧して電気検査を行う回路基板の検査装置であって、
前記第1の検査治具と第2の検査治具がそれぞれ、
一面側と他面側との間で電極ピッチを変換するピッチ変換用基板、および、
前記ピッチ変換用基板の被検査回路基板側に配置され、基板に形成された複数の貫通孔に、弾性高分子物質からなる絶縁部と導電性粒子を含有する弾性高分子物質とからなり前記絶縁部を厚み方向へ貫通する導電路形成部とが形成され、該導電路形成部によって前記ピッチ変換用基板と前記被検査回路基板との電気的接続を中継する中継基板、および、
前記ピッチ変換用基板の前記中継基板とは反対側に配置される第2の異方導電性シートを備えた回路基板側コネクタと、
所定のピッチで配置された複数の導電ピン、および、
前記導電ピンを軸方向へ移動可能に支持する、一対の離間した第1の絶縁板、第2の絶縁板、を備えた中継ピンユニットと、
テスターと前記中継ピンユニットとの間を電気的に接続するコネクタ基板、および、
前記コネクタ基板の中継ピンユニット側に配置される第3の異方導電性シート、および、
前記コネクタ基板の中継ピンユニットとは逆側に配置されるベース板を備えたテスター側コネクタ、を備え、
前記中継ピンユニットは、
前記第1の絶縁板と第2の絶縁板との間に配置された中間保持板、および、
前記第1の絶縁板と中間保持板との間に配置された第1の支持ピン、および、
前記第2の絶縁板と中間保持板との間に配置された第2の支持ピン、を備えるとともに、
前記第1の支持ピンの中間保持板に対する第1の当接支持位置と前記第2の支持ピンの中間保持板に対する第2の当接支持位置とが、中間保持板の厚さ方向に投影した中間保持板投影面において異なる位置に配置されており、
前記中継基板は、
磁性を示す導電性粒子が厚み方向に配向した状態で弾性高分子物質中に含有された複数の導電路形成部が、支持体に形成された貫通孔内に絶縁性のシリコン被膜を介して相互に絶縁された状態で支持され、さらに、前記導電路形成部の厚み方向端部に金属からなる接点部材が一体的に具備され、さらに、当該接点部材の頂部が前記絶縁性のシリコン被膜から厚み方向外方に突出して配置され、
前記接点部材と前記導電路形成部との間は、
前記接点部材の側周面を囲繞するように塗布された接点部材側の液状シリコンゴムが加熱加圧硬化されるときに、前記支持体側に予め塗布されている液状シリコンゴムとともに硬化され、これら液状シリコンゴムが界面を無くして硬化されるときの接着力により一体化されていることを特徴としている。
【0041】
このように構成することによって、第1の検査治具と第2の検査治具との間で検査対象である被検査回路基板の両面を挟圧して電気検査を行う際に、加圧の初期段階では、中継ピンユニットの導電ピンによる厚み方向への移動と、中継基板の弾性部分と、第2の異方導電性シートと、第3の異方導電性シートのゴム弾性圧縮にて圧力を吸収して、被検査回路基板の被検査電極の高さバラツキをある程度吸収することができる。
【0042】
そして、第1の支持ピンの中間保持板に対する第1の当接支持位置と、前記第2の支持ピンの中間保持板に対する第2の当接支持位置とが、中間保持板の厚さ方向に投影した中
間保持板投影面において、異なる位置に配置されているので、第1の検査治具と第2の検査治具の間で検査対象である被検査回路基板をさらに加圧した際に、中継基板の弾性部分と、第2の異方導電性シートと、第3の異方導電性シートのゴム弾性圧縮に加えて、中継ピンユニットの第1の絶縁板と、第2の絶縁板と、第1の絶縁板と第2の絶縁板の間に配置された中間保持板のバネ弾性により、被検査回路基板の被検査電極の高さバラツキ、例えば、ハンダボール電極の高さバラツキに対して、圧力集中を分散させて、局部的な応力集中を回避することができる。
【0043】
これにより、高さバラツキを有する被検査回路基板の被検査電極の各々に対しても、安定的な電気的接触が確保され、さらに応力集中が低減されるので、中継基板の弾性部分の局部的な破損が抑制される。その結果、中継基板の繰り返し使用耐久性が向上するので、中継基板の交換回数が減り、検査作業効率が向上する。
【0044】
また、一定間隔で導電ピンを配置する必要がないので、導電ピンを保持する絶縁板への貫通孔のドリル加工による穿設作業が少なく、コストを低減することができる。
さらに本発明では、導電路形成部とその周囲の絶縁部とからなる弾性部分が基板に形成された複数の貫通孔のそれぞれに設けられた中継基板を配置しているので、検査治具の押圧による加圧力や衝撃がこの弾性部分で吸収され、被検査回路基板の電極などを破損損傷することがない。
【0045】
さらに、検査対象である被検査回路基板の被検査電極の配置パターンに関わらず、被検査回路基板について所要の電気的検査を確実に実行することができ、被検査回路基板の被検査電極が、そのピッチが微小で高密度に配置されている場合であっても、被検査回路基板について所要の電気的検査を確実に実施することができる。
【0046】
本発明の回路基板の検査装置は、
一対の第1の検査治具と第2の検査治具によって、両検査治具の間で検査対象である被検査回路基板の両面を挟圧した際に、
前記第1の支持ピンの中間保持板に対する第1の当接支持位置を中心として、前記中間保持板が、前記第2の絶縁板の方向に撓むとともに、
前記第2の支持ピンの中間保持板に対する第2の当接支持位置を中心として、前記中間保持板が、前記第1の絶縁板の方向に撓むことが好ましい。
【0047】
このように構成することによって、中間保持板が、第1の当接支持位置、第2の当接支持位置を中心として、相互に反対方向に撓むので、第1の検査治具と第2の検査治具の間で検査対象である被検査回路基板をさらに加圧した際に、中間保持板のバネ弾性力がさらに発揮されることになり、被検査回路基板の被検査電極の高さバラツキに対して、圧力集中を分散させて局部的な応力集中を回避することができ、中継基板の弾性部分の局部的な破損が抑制される。その結果、中継基板の繰り返し使用耐久性が向上するので、中継基板の交換回数が減り、検査作業効率が向上する。
【0048】
さらに、本発明に係る回路基板の検査装置は、
前記第1の支持ピンの中間保持板に対する第1の当接支持位置が、前記中間保持板投影面において格子状に配置され、
前記第2の支持ピンの中間保持板に対する第2の当接支持位置が、前記中間保持板投影面において格子状に配置されており、
前記中間保持板投影面において、隣接する4個の第1の当接支持位置からなる単位格子領域に、1個の第2の当接支持位置が配置されるとともに、
前記中間保持板投影面において、隣接する4個の第2の当接支持位置からなる単位格子領域に、1個の第1の当接支持位置が配置されていることが好ましい。
【0049】
このように構成することによって、第1の当接支持位置と第2の当接支持位置が格子状に配置され、しかも、第1の当接支持位置と第2の当接支持位置の格子点位置が全てずれた位置に配置されることになる。
【0050】
従って、中間保持板が、第1の当接支持位置、第2の当接支持位置を中心として、相互に反対方向により撓むことになり、第1の検査治具と第2の検査治具の間で検査対象である被検査回路基板を加圧した際に、中間保持板のバネ弾性力がさらに発揮されることになり、被検査回路基板の被検査電極の高さバラツキに対して圧力集中を分散させて、局部的な応力集中をさらに回避することができる。よって、中継基板の弾性部分の局部的な破損が抑制され、その結果、異方導電性シートの繰り返し使用耐久性が向上するので、中継基板の交換回数が減り、検査作業効率が向上する。
【0051】
また、本発明の回路基板の検査装置は、
前記中継ピンユニットが、
前記第1の絶縁板と第2の絶縁板との間に所定間隔離間して配置された複数個の中間保持板と、
隣接する中間保持板同士の間に配置された保持板支持ピンと、
を備えるとともに、
少なくとも1つの中間保持板において、該中間保持板に対して一面側から当接する保持板支持ピンの該中間保持板に対する当接支持位置と、該中間保持板に対して他面側から当接する第1の支持ピン、第2の支持ピン、または保持板支持ピンの該中間保持板に対する当接支持位置とが、該中間保持板の厚さ方向に投影した中間保持板投影面において異なる位置に配置されていることが好ましい。
【0052】
このように構成することによって、これらの複数個の中間保持板によってバネ弾性がさらに発揮されることになり、被検査回路基板の被検査電極の高さバラツキに対して、圧力集中を分散させて局部的な応力集中をさらに回避することができ、中継基板の弾性部分の局部的な破損が抑制される。その結果、中継基板の繰り返し使用耐久性が向上するので、中継基板の交換回数が減り、検査作業効率が向上する。
【0053】
また、本発明の回路基板の検査装置は、
全ての前記中間保持板において、該中間保持板に対して一面側から当接する保持板支持ピンの該中間保持板に対する当接支持位置と、該中間保持板に対して他面側から当接する第1の支持ピン、第2の支持ピン、または保持板支持ピンの該中間保持板に対する当接支持位置とが、該中間保持板の厚さ方向に投影した中間保持板投影面において異なる位置に配置されていることが好ましい。
これによって、隣接する中間保持板の間で、保持板支持ピンの中間保持板との当接支持位置がずれた位置に配置されるので、これらの複数個の中間保持板のバネ弾性がさらに発揮されることになり、被検査回路基板の被検査電極の高さバラツキに対して圧力集中を分散させて、局部的な応力集中をさらに回避することができ、中継基板の弾性部分の局部的な破損が抑制される。その結果、中継基板の繰り返し使用耐久性が向上するので、中継基板の交換回数が減り、検査作業効率が向上する。
【0054】
また、本発明の回路基板の検査装置は、
前記第2の異方導電性シートが、厚み方向に延びる複数の導電路形成部と、これらの導電路形成部を互いに絶縁する絶縁部とからなり、導電性粒子が導電路形成部中にのみ含有され、これにより該導電性粒子は面方向に不均一に分散されるとともに、シート片面側に導電路形成部が突出していることが好ましい。
【0055】
また、本発明の回路基板の検査装置は、
前記第3の異方導電性シートが、厚み方向に延びる複数の導電路形成部と、これらの導電路形成部を互いに絶縁する絶縁部とからなり、導電性粒子が導電路形成部中にのみ含有され、これにより該導電性粒子は面方向に不均一に分散されるとともに、シート片面側に導電路形成部が突出していることが好ましい。
【0056】
このように、第2の異方導電性シートおよび第3の異方導電性シートとして、導電路形成部と絶縁部とからなり、導電性粒子が導電路形成部中にのみ含有されて面方向に不均一に分散され、シート片面側に導電路形成部が突出した偏在型の異方導電性シートを使用することにより、検査治具の押圧による加圧力や衝撃がこれらのシートで吸収され、これにより中継基板の弾性部分の劣化が抑制される。
【0057】
本発明における一つの態様では、
前記複数の導電ピンは、前記第1の絶縁板と第2の絶縁板との間の間隔よりも短い棒状の中央部と、該中央部の両端側に形成され該中央部よりも径が小さい一対の端部とからなり、
前記一対の端部がそれぞれ、前記第1の絶縁板と第2の絶縁板とに形成された前記中央部よりも径が小さく前記一対の端部よりも径が大きい貫通孔に挿通され、これにより前記導電ピンが軸方向へ移動可能に支持される。
【0058】
このように構成することで、導電ピンが、第1の絶縁板と第2の絶縁板との間に、軸方向に移動可能に、且つ脱落しないように保持することができる。
本発明における他の態様では、
前記第1の絶縁板と中間保持板との間、前記第2の絶縁板と中間保持板との間、または中間保持板同士の間に、前記導電ピンが挿通される貫通孔が形成された屈曲保持板が設けられ、
前記複数の導電ピンは、前記第1および第2の絶縁板に形成された貫通孔と、前記屈曲保持板に形成された貫通孔とを支点として互いに逆方向に横方向へ押圧されて前記屈曲保持板の貫通孔の位置で屈曲され、これにより前記導電ピンが軸方向へ移動可能に支持される。
【0059】
このように構成することで、導電ピンが、第1の絶縁板と第2の絶縁板との間に、軸方向に移動可能に、且つ脱落しないように保持することができる。さらに、導電ピンとして円柱状である簡易な構造のピンを使用できるため、導電ピンおよびそれを保持する部材の全体としてのコストを抑えることができる。
【0060】
本発明の回路基板の検査方法は、前述した回路基板の検査装置を用いた回路基板の検査方法であって、
一対の第1の検査治具と第2の検査治具によって、両検査治具の間で検査対象である被検査回路基板の両面を挟圧して電気検査を行うことを特徴としている。
【発明の効果】
【0061】
本発明に係る中継基板によれば、金属からなる接点部材が、その周囲に塗布された液状シリコンゴムが加熱により硬化されることにより、導電路形成部側に塗布された液状シリコンゴムと一体化されるので、接点部材の導電路形成部に対する接着力を強固にすることができる。これにより、中継基板の脱落が防止され、繰り返し耐久性を向上させることができる。
【0062】
さらに、本発明に係る中継基板では、液状シリコンゴムが加圧された際に、支持体の外側領域にまで延展されていれば、接点部材の接着力をより向上させることができる。
また、本発明に係る中継基板では、金属からなる接点部材が導電路形成部の内方に入り込んだ状態で液状シリコンゴムが硬化されていれば、より一層接点部材の接着力を向上させることができる。
【0063】
また、本発明に係る回路基板の検査装置によれば、検査対象である被検査回路基板が、例えば被検査電極の離間距離が50μm以下であるような、微細ピッチの微小電極を有するものであっても、信頼性の高い回路基板の電気的検査を行うことが可能である。
【0064】
また、本発明に係る回路基板の検査装置によれば、検査対象である被検査回路基板の被検査電極の高さバラツキに対する追従性が良好で、導通不良が発生せず、正確な検査を実施することが可能である。
【0065】
また、一定間隔で導電ピンを配置する必要がないので、導電ピンを保持する絶縁板への貫通孔のドリル加工による穿設作業が少なく、コストを低減することができる。
また、高分解能で検査が可能であり、且つ、被検査回路基板の被検査電極による段差を良好に吸収できる。
【0066】
さらに、本発明に係る回路基板の検査方法によれば、回路基板の検査を繰り返し良好に行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0067】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。なお、以下の説明において、第1の検査治具と第2の検査治具における一対の同一構成要素(例えば回路基板側コネクタ21aと回路基板側コネクタ21bなど)を総称する場合には、記号「a」、「b」を省略し、例えば、回路基板側コネクタ21aと回路基板側コネクタ21bとを総称して「回路基板側コネクタ21」と記述することがある。
【0068】
図1は、本発明の一実施例による検査装置の分解組立断面図、図2は、図1に示した検査装置の検査時における使用状態を示した断面図である。
この検査装置は、集積回路などを実装するためのプリント回路基板などの検査対象である被検査回路基板1において、被検査電極間の電気抵抗を測定することにより被検査回路基板の電気検査を行うものである。この検査装置には、本発明の一実施例に係る中継基板29a、29bが組み込まれており、その中継基板29a、29bは、図6に詳細に示されている。
【0069】
そして、この検査装置には、図1および図2に示したように、被検査回路基板1の上面側に配置される第1の検査治具11aと、下面側に配置される第2の検査治具11bとが、上下に互いに対向するように配置されている。
【0070】
第1の検査治具11aは、その両側に本発明の主要素である中継基板29aおよび第2の異方導電性シート26aを備えた回路基板側コネクタ21aと、中継ピンユニット31aを備えている。また、第1の検査治具11aは、その中継ピンユニット31a側に第3の異方導電性シート42aが配置されるコネクタ基板43aと、ベース板46aとを備えたテスター側コネクタ41aを備えている。
【0071】
第2の検査治具11bも、第1の検査治具11aと同様に構成され、その両側に中継基板29bおよび第2の異方導電性シート26bを備えた回路基板側コネクタ21bと、中継ピンユニット31bを備えている。また、第2の検査治具11bは、その中継ピンユニット31b側に第3の異方導電性シート42bが配置されるコネクタ基板43bと、ベース板46bとを備えたテスター側コネクタ41bを備えている。
【0072】
被検査回路基板1の上面には、被検査用の電極2が形成され、その下面にも被検査用の電極3が形成されており、これらは互いに電気的に接続されている。
回路基板側コネクタ21a,21bは、ピッチ変換用基板23a,23bと、その一方の面に配置される中継基板29a,29bと、他方の面に配置される第2の異方導電性シート26a,26bを有している。
【0073】
図3は、ピッチ変換用基板の被検査回路基板側の表面を示した図、図4は、ピッチ変換用基板の中継ピンユニット側の表面を示した図、図5は、ピッチ変換用基板、中継基板および被検査回路基板を積層した状態の断面図である。
【0074】
ピッチ変換用基板23の一方の表面、すなわち、被検査回路基板1側には、図3に示したように、被検査回路基板1の電極2、3に電気的に接続される複数の接続用電極25が形成されている。これらの接続電極25は、被検査回路基板1の被検査電極2,3のパターンに対応するように配置されている。
【0075】
一方、ピッチ変換用基板23の他方の表面、すなわち、被検査回路基板1と反対側には、図4に示したように、中継ピンユニット31の導電ピン32a、32bに電気的に接続される複数の端子電極24が形成されている。これらの端子電極24は、例えば、2.54mm、1.8mm、1.27mm、1.06mm、0.8mm、0.75mm、0.5mm、0.45mm、0.3mmまたは0.2mmである一定ピッチの格子点上に配置されており、そのピッチは中継ピンユニットの導電ピン32a、32bの配置ピッチと同一である。
【0076】
図3のそれぞれの接続電極25は、配線52および絶縁基板51の厚み方向に貫通する内部配線53(図5を参照)によって、対応する図4の端子電極24に電気的に接続されている。
【0077】
ピッチ変換用基板23の表面における絶縁部は、例えば、図5に示したように、絶縁基板51の表面に、それぞれの接続電極25が露出するように形成された絶縁層54で構成される。この絶縁層54の厚みは、好ましくは5〜100μm、より好ましくは10〜60μmである。この厚みが過小である場合、表面粗さが小さい絶縁層を形成することが困難となることがある。一方、この厚みが過大である場合、接続電極25と中継基板29の導電路形成部との電気的接続が困難となることがある。
【0078】
ピッチ変換用基板の絶縁基板51を形成する材料としては、一般にプリント回路基板の基材として使用されるものを用いることができる。具体的には、例えばポリイミド樹脂、ガラス繊維補強型ポリイミド樹脂、ガラス繊維補強型エポキシ樹脂、ガラス繊維補強型ビスマレイミド・トリアジン樹脂などを挙げることができる。
【0079】
図5の絶縁層54、55の形成材料としては、薄膜状に成形可能な高分子材料を用いることができる。その具体例としては、例えばエポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、これらの混合物、レジスト材料などを挙げることができる。
【0080】
ピッチ変換用基板23は、例えば、次のようにして製造することができる。まず、平板状の絶縁基板の両面に金属薄層を積層した積層材料を用意し、この積層材料に対して、形成すべき端子電極のパターンに対応し、積層材料の厚み方向に貫通する複数の貫通孔を、数値制御型ドリリング装置、フォトエッチング処理、レーザー加工処理などにより形成する。
【0081】
次いで、積層材料に形成された貫通孔内に無電解メッキおよび電解メッキを施すことによって、基板両面の金属薄層に連結されたバイアホールを形成する。その後、金属薄層に対してフォトエッチング処理を施すことにより、絶縁基板の表面に配線パターンおよび接続電極を形成するとともに、反対側の表面に端子電極を形成する。
【0082】
そして、図5に示したように、絶縁基板51の表面に、それぞれの接続電極25が露出するように絶縁層54を形成するとともに、反対側の表面に、それぞれの端子電極24が露出するように絶縁層55を形成することにより、ピッチ変換用基板23が得られる。なお、絶縁層55の厚みは、好ましくは5〜100μm、より好ましくは10〜60μmである。
【0083】
図6(a)は、本実施例の中継基板の断面図、図6(b)は、その部分拡大断面図である。この中継基板29の基材となる支持体73には、ピッチ変換用基板23の電極パターンに従って導電路形成部61が配置される貫通孔73cが形成されている。この貫通孔73c内には、弾性高分子物質を埋設することにより絶縁部62が形成され、導電路形成部61が、この絶縁部62に囲まれるように配置されている。
【0084】
導電路形成部61には、絶縁性の弾性高分子物質中に磁性を示す導電性粒子Pが厚み方向に並ぶよう配向した状態で含有されている。
図6(b)に示したように、中継基板29は、2種類のシリコンゴムから形成されている。すなわち、支持体73の貫通孔73cの最外方に位置する弾性高分子物質からなる絶縁部62を構成する最初に硬化したシリコンゴムと、このシリコンゴムとは別の工程で塗布され後から硬化した液状シリコンゴムG、Hとから構成されている。液状シリコンゴムGは、図6(b)に示したように、最初に硬化した絶縁部62をレーザー加工することで導電路形成部61の周囲に貫通孔62cが形成され、この貫通孔62c内に塗布されたものである。また、この液状シリコンゴムGは、導電路形成部61の端面に後から接点部材15を取り付ける際に、接点部材15側に塗布された液状シリコンゴムHと一体的に硬化している。そして、本実施例では、これらの液状シリコンゴムG、Hが加熱により一体的に硬化されることにより、金属製の接点部材15が導電路形成部61の端面に強固に接着されている。
【0085】
支持体73の貫通孔73c内に厚さ方向に形成された導電路形成部61には、絶縁性の弾性高分子物質中に磁性を示す導電性粒子Pが厚み方向に並ぶよう配向した状態で含有されている。
【0086】
これに対し、絶縁部62は、導電性粒子を含有しない弾性高分子物質により形成されている。導電路形成部61を構成する弾性高分子物質と絶縁部62を構成する弾性高分子物質とは、互いに同じ種類のものであっても異なる種類のものであってもよい。
【0087】
中継基板の支持体73を形成する材料としては、具体的には、例えばガラス繊維補強型ポリイミド樹脂、ガラス繊維補強型エポキシ樹脂、ガラス繊維補強型ビスマレイミド・トリアジン樹脂、等の複合樹脂材料、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアラミド樹脂、ポリアミド樹脂、ビスマレイミド・トリアジン樹脂、液晶ポリマー等の機械的強度の高い樹脂材料、ステンレス等の金属材料、フッ素樹脂繊維、アラミド繊維、ポリエチレン繊維、ポリアリレート繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、液晶ポリマー繊維等の有機繊維よりなるメッシュ、不織布、金属メッシュなどを挙げることができる。支持体73の厚みは、形成材料にもよるが、好ましくは20〜200μm、より好ましくは30〜100μmである。
【0088】
この支持体73に形成された多数の貫通孔73cのそれぞれに、接続用電極25に対応した導電路形成部61が配置される。すなわち、図5に示したように、例えば、4端子検査における電圧供給用電極27と電圧測定用電極28に対応した導電路形成部61の対が貫通孔のそれぞれに配置される。一つの貫通孔73cに配置される導電路形成部61の数は、特に限定されないが、好ましくは1〜4個であり、ピッチ変換用基板23の接続用電極25に対応して、支持体73の各貫通孔毎に導電路形成部61の数が異なっていてもよい。
【0089】
図6(a)、(b)の例では、中継基板29の下面において、導電路形成部61が絶縁部62の表面から突出して形成され、ここに突出部61aが形成されているが、中継基板29の上面側には、金属からなら接点部材15の下面側が導電路形成部61の内方に押し込まれた状態で、後から塗布された液状シリコンゴムG,Hが硬化されている。したがって、中継基板29の上面側では、接点部材15の頂部が突出部61aに相当し、絶縁部62の表面から外方に突出されている。
【0090】
このように、本実施例の中継基板29では、導電路形成部61に突出部61aを形成し、さらに金属製の接点部材15を上面側に配置することによって、導電路形成部61に対する加圧による圧縮の程度が絶縁部62に対するそれよりも大きくなるため、導電路形成部61には充分に抵抗値の低い導電路が確実に形成され、加圧力の変化に対する抵抗値の変化を小さくすることができる。その結果、中継基板29のそれぞれの導電路形成部61に作用する加圧力が不均一であっても、各導電路形成部61間における導電性のバラツキを防止することができる。
【0091】
導電路形成部61および絶縁部62を構成する弾性高分子物質としては、架橋構造を有する高分子物質が好ましい。このような弾性高分子物質を得るために用いることのできる硬化性の高分子物質形成材料の具体例としては、ポリブタジエンゴム、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムなどの共役ジエン系ゴムおよびこれらの水素添加物、スチレン−ブタジエン−ジエンブロック共重合体ゴム、スチレン−イソプレンブロック共重合体などのブロック共重合体ゴムおよびこれらの水素添加物、クロロプレン、ウレタンゴム、ポリエステル系ゴム、エピクロルヒドリンゴム、シリコンゴム、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴムなどが挙げられる。
【0092】
中継基板29に耐候性が要求される場合には、共役ジエン系ゴム以外のものを用いることが好ましく、特に、成形加工性および電気特性の観点からシリコンゴムを用いることが好ましい。シリコンゴムとしては、液状シリコンゴムを架橋または縮合したものが好ましい。液状シリコンゴムは、その粘度が歪速度10-1secで105ポアズ以下であること
が好ましく、縮合型のもの、付加型のもの、ビニル基やヒドロキシル基を含有するものなどのいずれであってもよい。具体的には、例えばジメチルシリコン生ゴム、メチルビニルシリコン生ゴム、メチルフェニルビニルシリコン生ゴムなどを挙げることができる。
【0093】
また、シリコンゴムは、その分子量Mw(標準ポリスチレン換算重量平均分子量をいう。)が10000〜40000であることが好ましい。また、耐熱性の点から、分子量分布指数(標準ポリスチレン換算重量平均分子量Mwと標準ポリスチレン換算数平均分子量Mnとの比Mw/Mnの値をいう。)が2以下であることが好ましい。
【0094】
導電路形成部61に含有される導電性粒子Pとしては、後述する方法により導電性粒子を容易に厚み方向に並ぶよう配向させることができることから、磁性を示す導電性粒子が用いられる。
【0095】
このような導電性粒子の具体例としては、鉄、コバルト、ニッケルなどの磁性を有する金属の粒子若しくはこれらの合金の粒子またはこれらの金属を含有する粒子、またはこれらの粒子を芯粒子とし、芯粒子の表面に金、銀、パラジウム、ロジウムなどの導電性の良好な金属のメッキを施したもの、あるいは非磁性金属粒子若しくはガラスビーズなどの無機物質粒子またはポリマー粒子を芯粒子とし、芯粒子の表面に、ニッケル、コバルトなどの導電性磁性金属のメッキを施したものなどが挙げられる。
【0096】
これらの中では、ニッケル粒子を芯粒子とし、その表面に導電性の良好な金のメッキを施したものを用いることが好ましい。
芯粒子の表面に導電性金属を被覆する方法としては、例えば化学メッキ、電解メッキなどを挙げることができる。
【0097】
導電性粒子として芯粒子の表面に導電性金属を被覆したものを用いる場合には、良好な導電性が得られる点から、粒子表面における導電性金属の被覆率(芯粒子の表面積に対する導電性金属の被覆面積の割合)が40%以上であることが好ましく、さらに好ましくは45%以上、特に好ましくは47〜95%である。
【0098】
導電性金属の被覆量は、芯粒子の0.5〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは2〜30質量%、さらに好ましくは3〜25質量%、特に好ましくは4〜20質量%である。被覆される導電性金属が金である場合には、その被覆量は、芯粒子の0.5〜30質量%であることが好ましく、より好ましくは2〜20質量%、さらに好ましくは3〜15質量%である。
【0099】
導電性粒子の粒子径は、1〜100μmであることが好ましく、より好ましくは2〜50μm、さらに好ましくは3〜30μm、特に好ましくは4〜20μmである。
導電性粒子Pの粒子径分布(Dw/Dn)は、1〜10であることが好ましく、より好ましくは1.01〜7、さらに好ましくは1.05〜5、特に好ましくは1.1〜4である。
【0100】
このような条件を満足する導電性粒子Pを用いることにより、得られる導電路形成部61は、加圧変形が容易なものとなり、また、導電路形成部61において導電性粒子間に十分な電気的接触が得られる。
【0101】
導電性粒子の形状は、特に限定されるものではないが、高分子物質形成材料中に容易に分散させることができる点で、球状のもの、星形状のものあるいはこれらが凝集した2次粒子であることが好ましい。
【0102】
また、導電性粒子として、その表面がシランカップリング剤などのカップリング剤や潤滑剤で処理されたものを適宜用いることができる。カップリング剤や潤滑剤で粒子表面を処理することにより、異方導電性シートの耐久性が向上する。
【0103】
このような導電性粒子は、導電路形成部中に体積分率で好ましくは15〜45%、より好ましくは20〜40%となる割合で含有される。この割合が過小である場合には、十分に電気抵抗値の小さい導電路形成部61が得られないことがある。一方、この割合が過大である場合には、得られる導電路形成部61は脆弱なものとなりやすく、導電路形成部61として必要な弾性が得られないことがある。
【0104】
導電路形成部61の厚みは、好ましくは20〜250μm、より好ましくは30〜200μmである。この厚み過小である場合、厚み方向の加圧に対する吸収能力が低くなる。一方、この厚み過大である場合、良好な導電性が得られないことがある。
【0105】
導電路形成部61における突出部61aの突出高さは、導電路形成部61の厚みの5〜70%であることが好ましく、より好ましくは10〜60%である。
以下に、本実施例に係る中継基板29の製造方法の一例について、図7〜図14を参照しながら説明する。
【0106】
本実施例により中継基板29の製造方法は、第1の複合フィルム配置工程と、導電性ペースト塗布工程と、第2の複合フィルム配置工程と、磁場配向工程と、液状シリコンゴム塗布用凹所形成工程と、メッキ金属保持体準備工程と、液状シリコンゴム塗布工程と、液状シリコンゴム硬化工程と、導電路形成部の頂部にメッキ金属を一体的に具備させる工程とを備えている。
【0107】
先ず、第1の複合フィルム配置工程について説明する。
図7(a)に示したように、第1の複合フィルム配置工程では、一対の複合フィルム17、17と支持体73とが用意される。
【0108】
一対の複合フィルム17、17は、同一の構成を有するもので、金属層19とレジスト層67とから構成されている。そして、この複合フィルム17では、金属層19の一方面に、フォトリソグラフィーの手法により、形成すべき導電路形成部のパターン、すなわち接続すべき電極のパターンに対応する所定のパターンに従って複数の開口67aが形成されたレジスト層67が形成されている。
【0109】
そして、複合フィルム17では、金属層19をメッキ電極として、金属層19におけるレジスト層67の開口67aから露出した部分に電解メッキ処理を施すことにより、レジスト層67の開口67a内に磁性金属メッキ68が形成されている。
【0110】
このように金属層19とレジスト層67とから構成される一対の複合フィルム17、17を用意した後、図7(b)に示したように、支持体73の下面側に、一方の複合フィルム17を、当該複合フィルム17の金属層19側を支持体73に対向させた向きで配置する。これにより、第1の複合フィルム配置工程が完了する。次に、導電性ペースト塗布工程となる。
【0111】
導電性ペースト塗布工程では、図8(a)に示したように、支持体73に形成された貫通孔73c内に導電性ペースト(導電性エラストマ−用材料層)61Aが塗布される。この導電性ペースト61A内には、磁性を示す導電性粒子Pがランダムで分散された状態で含有されている。次いで、図8(b)に示したように、支持体73の上面側にも複合フィルム17を配置する。これにより、第2の複合フィルム配置工程が完了する。次いで、磁場配向工程となる。
【0112】
磁場配向工程では、図9に示したように、導電性ペースト61Aに対してその厚み方向に磁場を作用させることにより、導電性ペースト61A内に分散されていた導電性粒子Pを、導電性ペースト61Aの厚み方向に並ぶように配向させる。そして、導電性ペースト61Aに対して磁場の作用を継続しながら、または、磁場の作用を停止した後に、導電性ペースト61Aの硬化処理を行なうことにより、弾性高分子物質中に導電性粒子Pが厚み方向に並ぶように配向した状態で含有された導電性エラストマ−層61Bが、支持板73に支持されることになる。なお、支持体73としては、金属、セラミックス、樹脂およびこれらの複合材などを用いることができる。
【0113】
図8(a)に示した導電性ペースト(導電性エラストマー用材料層)61Aを塗布する方法としては、スクリーン印刷などの印刷法、ロー塗布法、ブレード塗布法などを利用す
ることができる。
【0114】
導電性エラストマー用材料層61Aの厚みは、形成すべき導電路形成部の厚みに応じて設定される。
導電性エラストマー用材料層61Aに磁場を作用させる手段としては、電磁石、永久磁石などを用いることができる。
【0115】
導電性エラストマー用材料層61Aに作用させる磁場の強度は、0.2〜2.5テスラとなる大きさが好ましい。
導電性エラストマー用材料層61Aの硬化処理は、通常、加熱処理によって行われる。具体的な加熱温度および加熱時間は、導電性エラストマー用材料層61Aを構成するエラストマー用材料の種類、導電性粒子の移動に要する時間などを考慮して適宜設定される。
【0116】
次に、この導電性エラストマ−層61Bから、以下のようにして、ピッチ変換用基板23a、23bの接続用電極25a、25bに対応したパターンにしたがって導電路形成部61が形成される。
【0117】
すなわち、図9に示した状態から、先ず上側の複合フィルム17が剥離される。そして、図10に示したように、上面側の複合フィルム17が剥離された状態から、支持体73上の導電性エラストマ−層61Bにレーザー加工を施すことにより、導電路形成部61の周辺のエラストマ−層61Bを除去する。これにより、周囲に液状シリコンゴムを塗布するための凹所47を形成する。
【0118】
なお、レーザー加工を行なう順序は上記に限定されない。例えば、上側の複合フィルム17を除去する前に、すなわち図11(a)、(b)に示したように、一対の複合フィルム17、17が両側に配置された状態からレーザー加工を施すこともできる。この場合には、図11(a)に示したように上側の複合フィルム17を構成する金属層19を直接レーザー加工で除去するため、銅、金、アルミニウム、ロジウムなどからなる金属層19の厚みは、0.05〜2μmであることが好ましく、より好ましくは、0.1〜1μmである。さらに、レーザー加工は、炭酸ガスレーザーまたは紫外線レーザーによるものが好ましい。そして、両側の複合フィルム17が配置された状態からレーザー加工を施して、その後、図11(b)に示したように、上側の一方の複合フィルム17を剥がすようにしても良い。
【0119】
いずれにしても、このようにして導電路形成部61の周囲に液状シリコンゴム塗布用凹所47を形成する。これにより、液状シリコンゴム塗布用凹所形成工程が完了する。
このような液状シリコンゴムを塗布するための凹所47を支持体73側に形成する一方で、予め、図12に示したように、金属接点用のメッキ金属保持板57を用意する。このメッキ金属保持板57は、金属層59の一方面に金属接点用のメッキ金属77を形成したもので、これらのメッキ金属77は、導電路形成部61に対応した位置に形成されている。
【0120】
そして、液状シリコンゴム塗布用凹所形成工程に続いて行なわれる図12に示したメッキ金属保持体準備工程では、予め用意されたメッキ金属保持板57におけるメッキ金属77の周囲に、液状シリコンゴム79が塗布される。なお、この液状シリコンゴム79は塗布時の温度では未硬化である。
【0121】
次いで、このようなメッキ金属保持板57の下方に、図10あるいは図11(b)に示した液状シリコンゴム塗布用凹所形成工程で得られた支持体ユニット87が配置される。そして、この支持体ユニット87の導電路形成部61の周囲に形成された液状シリコンゴ
ム塗布用凹所47内に、液状シリコンゴム79が塗布される。なお、この凹所47内に塗布される液状シリコンゴム79は、液面が周囲の表面より外方に盛り上がるように塗布されている。
【0122】
これにより、液状シリコンゴム塗布工程が完了する。
次に、メッキ金属保持体準備工程で得られたメッキ金属保持板57と、液状シリコンゴム塗布工程で得られた支持体ユニット87とを、図12に示した態様で向かい合わせるとともに、互いの液状シリコンゴム79、79同士が密接しあうように重ね合わせる。このように互いに重ね合わせれば、接点部材77側の液状シリコンゴム79と支持体73側の液状シリコンゴム79とが界面を無くした状態で互いに混ざり合わされるとともに、その加圧力により一部の液状シリコンゴム79aが、図13に示したように、支持体73の貫通孔73cの外側領域にまで延在される。また、メッキ金属保持板57側の接点部材としてのメッキ金属77が、導電路形成部61を内方に押圧する。これにより、メッキ金属77が導電路形成部61の内方に入り込んだ状態となる。この加圧した状態で加熱すると、未硬化の液状シリコンゴム79、79が一体となって、図13に示した姿勢で硬化する。
【0123】
そして、図13に示したように液状シリコンゴム79が硬化した後、図14に示したように、上側の金属層59を剥離する。また、下側の複合フィルム17を剥離する。これにより、導電路形成部61の頂部にメッキ金属77が一体的に具備される。なお、下面側では、複合フィルム17を剥離することにより、これまで内方に押圧されていた導電路形成部61が外方に突出される。これにより、下方に突出部61aが形成される。メッキ金属77を一体的に具備させる工程が完了する。
【0124】
このようにメッキ金属77を一体的に具備させる工程が完了すると、界面を無くした状態で一体となった液状シリコンゴム79が既に硬化している導電性エラストマ−層61B(絶縁部62)および支持板73の表面と一体化される。これにより、メッキ金属77が導電路形成部61の表面に強固に固定される。すなわち、本実施例によれば、メッキ金属77の接着効果が増大して固定される。このとき、メッキ金属77の頂部は、加圧され厚みが薄くなって硬化した液状シリコンゴム79の表面から外部に突出されている。
【0125】
このようにして、所定のパターンに従って配置された複数の導電路形成部61が支持体73上に支持された状態で形成される。
以上に説明した中継基板の製造方法によれば、導電性粒子Pが厚み方向に並ぶよう配向した状態で分散された導電性エラストマー層61Bに対してレーザー加工を施してその一部を除去することによって目的とする形状の導電路形成部61を形成している。
【0126】
従って、所要の量の導電性粒子Pが充填され、所期の導電性を有する導電路形成部61が形成された中継基板29を確実に得ることができる。
また、磁性を示す金属からなる磁性金属メッキ68(金属マスク)を用いて導電性エラストマー用材料層61Aに対して磁場配向を行う方法を適用することにより、金属マスクが形成されていない部分の導電性粒子の密度が小さくなる。そのため、レーザー加工による導電路形成部の形成が容易になる。さらに、厚みの大きい導電性エラストマー層61Bのレーザー加工が容易となるため、厚みの大きい導電路形成部61を確実に得ることができる。
【0127】
また、ピッチ変換用基板23の接続用電極25に対応する所定のパターンに従って複数の導電路形成部61を形成し、これらの導電路形成部61の間に、未硬化状態の液状シリコンゴム(エラストマー用材料層)79を形成して硬化処理している。
【0128】
これにより、導電路形成部61の周囲には導電性粒子Pが全く存在しない絶縁部を配置
することができる。
しかも、従来のように、多数の強磁性体部が配列された高価な金型が不要である。
【0129】
従って、このような方法によって得られる中継基板29によれば、検査対象である被検査回路基板1の検査電極の配置パターンに関わらず、被検査電極の各々に対して所要の電気的接続を確実に達成することができる。
【0130】
また、被検査電極が、そのピッチが微小で高密度に配置されている場合であっても、被検査電極の各々に対して所要の電気的接続を確実に達成することができ、しかも、製造コストの低減化を図ることができ、さらに高い耐久性が得られる。
【0131】
図5は、ピッチ変換用基板23と、本実施例に係る中継基板29と被検査回路基板1を積層した状態を示した断面図である。同図では、4端子検査を行う場合の例を示している。図示したように、被検査回路基板1とピッチ変換用基板23との間に本発明に係る中継基板29が配置されている。
【0132】
ピッチ変換用基板23の表面には、それぞれ同一の被検査電極に電気的に接続される互いに離間して配置された電流供給用の電流供給用電極27および電圧測定用の電圧測定用電極28からなる接続用電極25が形成されている。
【0133】
ピッチ変換用基板23の電流供給用電極27および電圧測定用電極28に対応して、中継基板29の1つの貫通孔内には、一対の導電路形成部61が形成されている。この一対の導電路形成部61,61は、その一端側で電流供給用電極27および電圧測定用電極28と電気的に接続され、他端側で被検査回路基板1の被検査電極2と電気的に接続され、この状態で電気検査が行われる。
【0134】
中継基板29の片面側もしくは両面側には、分散型異方導電性シートを配置するようにしてもよい。本発明では中継基板29を備えているので、分解能を損なわない薄い分散型異方導電性シートを用いても、被検査回路基板1の電極による局部的な応力集中が充分に緩和される。図15は、分散型異方導電性シートを配置した例を示した断面図であり、図15(a)では、ピッチ変換用基板23と中継基板29との間に分散型異方導電性シートである異方導電性シート22を配置し、ピッチ変換用基板23の電流供給用電極27および電圧測定用電極28と、中継基板29の一対の導電路形成部61,61とを、第1の異方導電性シート22を介して電気的に接続している。
【0135】
図15(b)では、中継基板29の両面側に分散型異方導電性シートである異方導電性シート22,22を配置し、ピッチ変換用基板23の電流供給用電極27および電圧測定用電極28と、中継基板29の一対の導電路形成部61,61とを、第1の異方導電性シート22を介して電気的に接続するとともに、被検査回路基板1の被検査電極2と、中継基板29の一対の導電路形成部61,61とを、第1の異方導電性シート22を介して電気的に接続している。
【0136】
回路基板側コネクタ21を構成し、中継基板29に隣接して配置される第1の異方導電性シート22は、図16に示したように、絶縁性の弾性高分子物質からなるシート基材63中に多数の導電性粒子Pが面方向に分散されるとともに厚み方向に配列した状態で含有されている。
【0137】
第1の異方導電性シート22の厚みは、好ましくは20〜200μm、より好ましくは30〜100μmである。この最小厚みが20μm未満である場合には、第1の異方導電性シート22の機械的強度が低くなり易く、必要な耐久性が得られないことがある。一方
、この第1の異方導電性シート22の厚みが200μmを超える場合には、厚み方向の電気抵抗が大きくなり易く、また、接続すべき電極のピッチが小さい場合には、加圧により形成される導電路間において所要の絶縁性が得られず、被検査電極間で電気的な短絡が生じて検査対象回路基板の電気的検査が困難となることがある。
【0138】
第1の異方導電性シート22のシート基材63を構成する弾性高分子物質は、そのデュロメータ硬さが好ましくは30〜90であり、より好ましくは35〜80、さらに好ましくは40〜70である。なお、ここで「デュロメータ硬さ」とは、JIS K6253の
デュロメータ硬さ試験に基づいてタイプAデュロメータによって測定されたものをいう。
【0139】
弾性高分子物質のデュロメータ硬さが30未満である場合、厚み方向に押圧された際に、異方導電性シートの圧縮、変形が大きく、大きな永久歪みが生じるため、異方導電性シートが早期に劣化して検査使用が困難となり耐久性が低くなり易い。
【0140】
一方、弾性高分子物質のデュロメータ硬さが90を超える場合、異方導電性シートが厚み方向に押圧された際に、厚み方向の変形量が不十分となるため、良好な接続信頼性が得られず、接続不良が発生し易くなる。
【0141】
第1の異方導電性シート22の基材を構成する弾性高分子物質としては、上記のデュロメータ硬さを示すものであれば特に限定されないが、形成加工性および電気特性の観点から、シリコンゴムを用いることが好ましい。
【0142】
第1の異方導電性シート22は、その厚みW1(μm)と、磁性導電性粒子の数平均粒
子径D1(μm)との比率W1/D1が1.1〜10であることが好ましい。ここで、「磁
性導電性粒子の数平均粒子径」とは、レーザー回折散乱法によって測定されたものをいう。比率W1/D1が1.1未満である場合、異方導電性シートの厚みに対して磁性導電性粒子の直径が同等あるいはそれよりも大きくなるため、この異方導電性シートはその弾性が低くなり、このため、この異方導電性シートを被検査回路基板側に配置する際に被検査回路基板が傷つきやすくなる。
【0143】
一方、比率W1/D1が10を超える場合には、厚み方向に多数の導電性粒子が配列して連鎖が形成されるので、多数の導電性粒子同士の接点が存在し、電気的抵抗値が高くなり易い。
【0144】
磁性導電性粒子としては、異方導電性シートを形成するためのシート成形材料中において、磁性導電性粒子を磁場の作用によって容易に移動させることができる点から、その飽和磁化が好ましくは0.1Wb/m2 以上、より好ましくは0.3Wb/m2 以上、特に好ましくは0.5Wb/m2 以上のものが使用される。
【0145】
飽和磁化が0.1Wb/m2 以上であることにより、その製造工程において磁性導電性粒子を磁場の作用によって確実に移動させて所望の配向状態とすることができるため、異方導電性シートを使用する際に磁性導電性粒子の連鎖を形成することができる。
【0146】
磁性導電性粒子の具体例としては、鉄、ニッケル、コバルトなどの磁性を示す金属の粒子もしくはこれらの合金の粒子またはこれらの金属を含有する粒子、あるいはこれらの粒子を芯粒子とし、この芯粒子の表面に高導電性金属を被覆した複合粒子、あるいは非磁性金属粒子もしくはガラスビーズなどの無機物質粒子またはポリマー粒子を芯粒子とし、この芯粒子の表面に、高導電性金属のメッキを施した複合粒子、あるいは芯粒子に、フェライト、金属間化合物などの導電性磁性体および高導電性金属の両方を被覆した複合粒子などが挙げられる。
【0147】
ここで、「高導電性金属」とは、0℃における導電率が5×106 Ω-1-1以上の金属をいう。このような高導電性金属としては、具体的には、金、銀、ロジウム、白金、クロムなどを用いることができ、これらの中では、化学的に安定でかつ高い導電率を有する点で金を用いることが好ましい。
【0148】
上記の磁性導電性粒子の中では、ニッケル粒子を芯粒子とし、その表面に金や銀などの高導電性金属のメッキを施した複合粒子が好ましい。
芯粒子の表面に高導電性金属を被覆する手段として、例えば、無電解メッキ法を用いることができる。
【0149】
磁性導電性粒子は、その数平均粒子径の変動係数が50%以下であることが好ましく、より好ましくは40%以下、さらに好ましくは30%以下、特に好ましくは20%以下である。ここで、「数平均粒子径の変動係数」とは、式:(σ/Dn)×100(但し、σは、粒子径の標準偏差の値を示し、Dnは、粒子の数平均粒子径を示す。)によって求められるものである。
【0150】
磁性導電性粒子の数平均粒子径の変動係数が50%以下であることにより、粒子径の不揃いの程度が小さくなるため、得られる異方導電性シートにおける部分的な導電性のバラツキを小さくすることができる。
【0151】
このような磁性導電性粒子は、金属材料を常法により粒子化し、あるいは市販の金属粒子を用意し、この粒子に対して分級処理を行うことにより得ることができる。粒子の分級処理は、例えば、空気分級装置、音波ふるい装置などの分級装置によって行うことができる。分級処理の具体的な条件は、目的とする導電性金属粒子の数平均粒子径、分級装置の種類などに応じて適宜設定される。
【0152】
磁性導電性粒子の具体的な形状は、特に限定されないが、例えば複数の球形の一次粒子が一体的に連結された二次粒子が好ましく用いられる。
磁性導電性粒子として、芯粒子の表面に高導電性金属が被覆された複合粒子(導電性複合金属粒子)を用いる場合、良好な導電性が得られる点から、導電性複合金属粒子の表面における高導電性金属の被覆率(芯粒子の表面積に対する高導電性金属の被覆面積の割合)が40%以上であることが好ましく、さらに好ましくは45%以上、特に好ましくは47〜95%である。
【0153】
また、高導電性金属の被覆量は、芯粒子の重量の2.5〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは3〜45質量%、さらに好ましくは3.5〜40質量%、特に好ましくは5〜30質量%である。
【0154】
このような、絶縁性の弾性高分子物質中に多数の導電性粒子が面方向に分散し厚み方向に配列した状態で含有された異方導電性シートは、例えば特開2003−77560号公報に示されるように、硬化されて弾性高分子物質となる高分子物質用材料中に、磁性を示す導電性粒子が含有された流動性の成形材料を調製し、この成形材料からなる成形材料層を、当該成形材料層における一面に接する一面側成形部材と、当該成形材料層における他面に接する他面側成形部材との間に形成し、この成形材料層に対してその厚み方向に磁場を作用させると共に、当該成形材料層を硬化処理する方法等により製造することができる。
【0155】
ピッチ変換用基板23の中継ピンユニット31側に配置される第2の異方導電性シート26は、図17に示したように、絶縁性の弾性高分子材料中に多数の導電性粒子Pが厚み
方向に配列して形成された導電路形成部71と、それぞれの導電路形成部71を離間する絶縁部72から構成されている。このように、導電性粒子Pは導電路形成部71中にのみ、面方向に不均一に分散されている。
【0156】
導電路形成部71の厚みは、好ましくは0.1〜2mm、より好ましくは0.2〜1.5mmである。この厚みが過小である場合、厚み方向の加圧に対する吸収能力が低く、検査時において検査治具による加圧力の吸収が小さくなり、回路基板側コネクタ21への衝撃を緩和する効果が減少する。このため、中継基板29における弾性部の劣化を抑制しにくくなり、結果として被検査回路基板1の繰り返し検査時における中継基板29の交換回数が増加して、検査の効率が低下する。一方、この厚みが過大である場合、厚み方向の電気抵抗が大きくなり易く電気検査が困難となることがある。
【0157】
絶縁部72の厚みは、導電路形成部71の厚みと実質的に同一か、それよりも小さいことが好ましい。図17に示したように、絶縁部72の厚みを導電路形成部71の厚みよりも小さくして導電路形成部71が絶縁部72より突出した突出部71aを形成することにより、厚み方向の加圧に対して導電路形成部72の変形が容易になり、加圧力の吸収能力が増大するため、検査時において検査治具の加圧力を吸収し、回路基板側コネクタへ21の衝撃を緩和することができる。
【0158】
第2の異方導電性シート26を構成する導電性粒子Pに、磁性導電性粒子を使用する場合、その数平均粒子径は好ましくは5〜200μm、より好ましくは5〜150μm、さらに好ましくは10〜100μmである。ここで、「磁性導電性粒子の数平均粒子径」とは、レーザー回折散乱法によって測定されたものをいう。磁性導電性粒子の数平均粒子径が5μm以上であると、異方導電性シートの導電路形成部の加圧変形が容易になる。また、その製造工程において磁場配向処理によって磁性導電性粒子を配向させる場合、磁性導電性粒子の配向が容易である。磁性導電性粒子の数平均粒子径が200μm以下であると、異方導電性シートの導電路形成部71の弾性が良好で加圧変形が容易になる。
【0159】
導電路形成部71の厚みW2(μm)と、磁性導電性粒子Pの数平均粒子径D2(μm)との比率W2/D2は1.1〜10であることが好ましい。
比率W2/D2が1.1未満である場合、導電路形成部71の厚みに対して磁性導電性粒子の直径が同等あるいはそれよりも大きくなるため、導電路形成部71の弾性が低くなり、その厚み方向の加圧力の吸収能力が小さくなる。検査時における検査治具の加圧圧力を吸収が小さくなり、回路基板側コネクタ21への衝撃を緩和する効果が減少するため、中継基板29における弾性部の劣化を抑制しにくくなり、結果として、被検査回路基板1の繰り返し検査時において中継基板29の交換回数が増加して、検査の効率が低下し易くなる。
【0160】
一方、比率W2/D2が10を超える場合、導電路形成部71に多数の導電性粒子が配列して連鎖を形成することとなり、導電性粒子同士の接点が多数存在することになるため、電気的抵抗値が高くなり易い。
【0161】
導電路形成部71の基材である弾性高分子物質は、そのタイプAデュロメータによって測定されたデュロメータ硬さが好ましくは15〜60、より好ましくは20〜50、さらに好ましくは25〜45である。
【0162】
弾性高分子のデュロメータ硬さが15よりも小さい場合、厚み方向に押圧された際のシートの圧縮、変形が大きく、大きな永久歪が生じるためシート形状が早期に変形して検査時の電気的接続が困難となり易い。弾性高分子のデュロメータ硬さが60よりも大きい場合、厚み方向に押圧された際の変形が小さくなるため、その厚み方向の加圧力の吸収能力
が小さくなる。このため、中継基板29における弾性部の劣化を抑制しにくくなり、結果として、被検査回路基板1の繰り返し検査時において中継基板29の交換回数が増加して、検査の効率が低下しやすくなる。
【0163】
導電路形成部71の基材となる弾性高分子としては、上記のデュロメータ硬さを示すものであれば特に限定されないが、加工性および電気特性の点から、シリコンゴムを用いることが好ましい。
【0164】
第2の異方導電性シート26の絶縁部72は、実質的に導電性粒子を含有しない絶縁材料により形成される。絶縁材料としては、例えば、絶縁性の高分子材料、無機材料、表面を絶縁化処理した金属材料などを用いることができるが、導電路形成部に使用した弾性高分子と同一の材料を用いると生産が容易である。絶縁部の材料として弾性高分子を使用する場合、デュロメータ硬さが上記の範囲であるものを使用することが好ましい。
【0165】
磁性導電性粒子としては、前述した中継基板29の導電路形成部に用いられる導電性粒子を用いることができる。
第2の異方導電性シート26は、例えば、以下のようにして製造することができる。先ず、それぞれ全体の形状が略平板状であって、互いに対応する上型と下型とよりなり、上型と下型との間の成形空間内に充填された材料層に磁場を作用させながら材料層を加熱硬化することができる構成の異方導電性シート成形用金型を用意する。
【0166】
この異方導電性シート成形用金型は、材料層に磁場を作用させて適正な位置に導電性を有する部分を形成するために、上型および下型の両方は、鉄、ニッケルなどの強磁性体からなる基板上に、金型内の磁場に強度分布を生じさせるための鉄、ニッケルなどよりなる強磁性体部分と、銅などの非磁性金属若しくは樹脂よりなる非磁性体部分とが互いに隣接するよう交互に配置されたモザイク状の層を有する構成のものであり、強磁性体部分は、形成すべき導電路形成部に対応するパターンに従って配列されている。
【0167】
ここで、上型の成形面は平坦であり、下型の成形面は形成すべき異方導電性シートの導電路形成部に対応してわずかに凹凸を有するものである。
そして、上記の異方導電性シート成形用金型を用いて、以下のようにして異方導電性シートが製造される。先ず、異方導電性シート成形用金型の成形空間内に、硬化されて弾性高分子物質となる高分子物質材料中に磁性を示す導電性粒子が含有されてなる成形材料を注入して成形材料層を形成する。
【0168】
次に、上型および下型の各々における強磁性体部分および非磁性体部分を利用し、形成された成形材料層に対してその厚み方向に強度分布を有する磁場を作用させることにより、その磁力の作用によって、導電性粒子を、上型における強磁性体部分と、その直下に位置する下型における強磁性体部分との間に集合させ、更には導電性粒子を厚み方向に並ぶように配向させる。そして、その状態で成形材料層を硬化処理することにより、複数の柱状の導電路形成部が、絶縁部によって互い絶縁されてなる構成を有する異方導電性シートが製造される。
【0169】
一方、テスター側コネクタ41a,41bは、図1に示したように、第3の異方導電性シート42a,42bと、コネクタ基板43a,43bと、ベース板46a,46bと、を備えている。第3の異方導電性シート42a,42bには、前述した第2の異方導電性シート26と同様のものが使用される。すなわち、図17に示したような、絶縁性の弾性高分子材料中に多数の導電性粒子が厚み方向に配列して形成された導電路形成部と、それぞれの導電路形成部を離間する絶縁部とから構成された異方導電性シートが使用される。
【0170】
コネクタ基板43a,43bは、絶縁基板を備えており、その表面の中継ピンユニット31側に、図1および図2に示したようにピン側電極45a,45bが形成されている。
これらのピン側電極45は、例えば、2.54mm、1.8mm、1.27mm、1.06mm、0.8mm、0.75mm、0.5mm、0.45mm、0.3mmまたは0.2mmの一定ピッチの格子点上に配置されており、その配置ピッチは中継ピンユニット31の導電ピン32の配置ピッチと同一である。
【0171】
それぞれのピン側電極45は、絶縁基板の表面に形成された配線パターンおよびその内部に形成された内部配線によって、テスター側電極44a,44bへ電気的に接続されている。
【0172】
中継ピンユニット31は、図1、図2、図18(図18は、説明の便宜上、中継ピンユニット31aについて示している)、および図24〜図27に示したように、上下方向を向くように並列に、所定のピッチで設けられた多数の導電ピン32a,32bを備えている。また、中継ピンユニット31は、これらの導電ピン32a,32bの両端側に設けられ、導電ピン32a,32bを挿通支持する被検査回路基板1側に配置された第1の絶縁板34a,34bと、被検査回路基板1側とは反対側に配置された第2の絶縁板35a,35bの2枚の絶縁板を備えている。
【0173】
導電ピン32は、例えば、図19に示したように、直径の大きい中央部82と、これよりも直径の小さい端部81a,81bとからなる。第1の絶縁板34と第2の絶縁板35には、導電ピン32の端部81が挿入される貫通孔83が形成されている。そして、貫通孔83の直径が、導電ピン32の端部81a,81bの直径よりも大きく、且つ中央部82の直径よりも小さく形成され、これにより導電ピン32が脱落しないように保持されている。
【0174】
第1の絶縁板34および第2の絶縁板35は、図1の第1の支持ピン33および第2の支持ピン37によって、これらの間隔が導電ピン32の中央部82の長さよりも長くなるように固定され、これにより導電ピン32が上下へ移動可能に保持されている。導電ピン32の端部81の長さは、絶縁板34の厚みよりも長くなるように形成され、これにより、少なくとも一方の絶縁板34から導電ピン32が突出するようになっている。
【0175】
中継ピンユニットは、多数の導電ピンが、例えば、2.54mm、1.8mm、1.27mm、1.06mm、0.8mm、0.75mm、0.5mm、0.45mm、0.3mmまたは0.2mmのピッチの格子点上に配置されている。
【0176】
中継ピンユニット31の導電ピン32の配置ピッチと、ピッチ変換用基板23に設けられた端子電極24の配置ピッチとを同一とすることにより、導電ピン32を介してピッチ変換用基板23がテスター側に電気的に接続されるようになっている。
【0177】
また、図1および図18に示したように、中継ピンユニット31には、第1の絶縁板34a,34bと、第2の絶縁板35a,35bとの間に、中間保持板36a、36bが配置されている。
【0178】
そして、第1の絶縁板34a,34bと中間保持板36a,36bとの間には、第1の支持ピン33a,33bが配置され、これによって、第1の絶縁板34a,34bと中間保持板36a,36bとの間を固定している。
【0179】
同様に、第2の絶縁板35a,35bと中間保持板36a,36bとの間には、第2の支持ピン37a,37bが配置され、これによって、第2の絶縁板35a,35bと中間
保持板36a,36bとの間を固定している。
【0180】
第1の支持ピン33と、第2の支持ピン37の材質としては、例えば、真鍮、ステンレスなどの金属が使用される。
なお、図18における第1の絶縁板34と中間保持板36との間の距離L1と、第2の絶縁板35と中間保持板36との間の距離L2としては、特に限定されるものではないが、後述するように、第1の絶縁板34、中間保持板36、第2の絶縁板35の弾性による、被検査回路基板1の被検査電極2,3の高さバラツキの吸収性を考慮すれば、2mm以上が好ましく、より好ましくは2.5mm以上である。
【0181】
そして、図18に示したように、第1の支持ピン33の中間保持板36に対する第1の当接支持位置38Aと、第2の支持ピン37の中間保持板36に対する第2の当接支持位置38Bとは、検査装置を中間保持板の厚さ方向に(図1において上方から下方に向かって)投影した中間保持板投影面A上において異なる位置に配置されている。
【0182】
この場合、異なる位置としては、特に限定されるものではないが、第1の当接支持位置38Aと、第2の当接支持位置38Bは、図23に示したように、中間保持板投影面A上において格子上に形成されていることが好ましい。
【0183】
具体的には、図23に示したように、中間保持板投影面A上において、隣接する4個の第1の当接支持位置38Aからなる単位格子領域R1に、1個の第2の当接支持位置38Bが配置される。また、中間保持板投影面Aにおいて、隣接する4個の第2の当接支持位置38Bからなる単位格子領域R2に、1個の第1の当接支持位置38Aが配置される。なお、図23では、第1の当接支持位置38Aを黒丸、第2の当接支持位置群38Bを白丸で示している。
【0184】
なお、ここでは、第1の当接支持位置38Aの単位格子領域R1の対角線Q1の中央に、1個の第2の当接支持位置38Bを配置するとともに、第2の当接支持位置38Bの単位格子領域R2の対角線Q2の中央に、1個の第1の当接支持位置38Aを配置している。しかしながら、これらの相対的な位置は、特に限定されるものではなく、上記のように、検査装置を中間保持板の厚さ方向に投影した中間保持板投影面A上において異なる位置に配置されていればよい。すなわち、格子状に配置されない場合には、このような相対位置関係に拘束されるものではなく、上記のように、検査装置を中間保持板の厚さ方向に投影した中間保持板投影面A上において異なる位置に配置されていればよい。
【0185】
また、この場合、互いに隣接する第1の当接支持位置38Aの間の離間距離、第2の当接支持位置38Bの間の離間距離は、好ましくは10〜100mm、より好ましくは12〜70mm、特に好ましくは15〜50mmである。
【0186】
第1の絶縁板34、中間保持板36、第2の絶縁板35の形成材料には、可撓性を有するものが用いられる。これらの板の可撓性は、第1の絶縁板34、中間保持板36、第2の絶縁板35の両端部を、それぞれ10cm間隔で支持した状態で水平に配置した場合において、上方から50kgfの圧力で加圧することによって生ずる撓みが、これらの絶縁板の幅の0.02%以下であり、かつ上方から200kgfの圧力で加圧することによっても破壊および永久変形が生じない程度であることが好ましい。
【0187】
第1の絶縁板34、中間保持板36、第2の絶縁板35の材料としては、具体的には、固有抵抗が1×1010Ω・cm以上の絶縁性材料、例えばポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポチエチレンテレフタレート樹脂、シンジオタクチック・ポリスチレン樹脂、
ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエチルケトン樹脂、フッ素樹脂、ポリエーテルニトリル樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミドイミド樹脂等の機械的強度の高い樹脂材料、ガラス繊維補強型エポキシ樹脂、ガラス繊維補強型ポリエステル樹脂、ガラス繊維補強型ポリイミド樹脂、ガラス繊維補強フェノール樹脂、ガラス繊維補強型フッ素樹脂等のガラス繊維型複合樹脂材料、カーボン繊維補強型エポキシ樹脂、カーボン繊維補強型ポリエステル樹脂、カーボン繊維補強型ポリイミド樹脂、カーボン繊維補強型フェノール樹脂、カーボン繊維補強型フッ素樹脂等のカーボン繊維型複合樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等にシリカ、アルミナ、ボロンナイトライド等の無機材料を充填した複合樹脂材料、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等にメッシュを含有した複合樹脂材料などが挙げられる。また、これらの材料からなる板材を複数積層して構成された複合板材等も用いることができる。
【0188】
第1の絶縁板34、中間保持板36、および第2の絶縁板35の厚みは、第1の絶縁板34、中間保持板36、第2の絶縁板35を構成する材料の種類に応じて適宜選択されるが、好ましくは1〜10mmである。例えば、ガラス繊維補強型エポキシ樹脂からなり、その厚みが2〜5mmであるものを使用することができる。
【0189】
第1の絶縁板34および第2の絶縁板35に導電ピン32を移動可能に支持する方法としては、図18に示した方法の他に、図20〜図22に示した方法を挙げることができる。この例では、導電ピン32として図示したように、この例では第1の絶縁板34と第2の絶縁板35との間に、屈曲保持板84が設けられている。
【0190】
また、導電ピン32として、円柱形状である金属ピンを用いている。
図20に示したように、屈曲保持板84には導電ピン32が挿通される貫通孔85が形成されている。導電ピン32は、第1の絶縁板34に形成された貫通孔83aおよび第2の絶縁板35に形成された貫通孔83bと、屈曲保持板84に形成された貫通孔85とを支点として、互いに逆方向に横方向へ押圧されて、屈曲保持板84の貫通孔85の位置で屈曲され、これにより導電ピン32が軸方向へ移動可能に支持されている。
【0191】
なお、中間保持板36には、導電ピン32と接触しない程度に径を大きくした貫通孔86が形成され、この貫通孔86に導電ピン32が挿通されている。
導電ピン32は、図21(a)〜図21(c)に示した手順で第1の絶縁板34および第2の絶縁板35に支持される。図21(a)に示したように、第1の絶縁板34の貫通孔83aおよび第2の絶縁板35に形成された貫通孔83bと、屈曲保持板84の貫通孔85とが軸方向に位置合わせされた位置に屈曲保持板84を配置する。
【0192】
次に、図21(b)に示したように、導電ピン32を、第1の絶縁板34の貫通孔83aから屈曲保持板84の貫通孔85を通して第2の絶縁板35の貫通孔83bまで挿入する。
【0193】
次に、図21(c)に示したように、屈曲保持板84を、導電ピン32の軸方向と垂直な横方向(水平方向)に移動し、適宜の手段によって屈曲保持板84の位置を固定する。これによって、導電ピン32は、第1の絶縁板34の貫通孔83aおよび第2の絶縁板35に形成された貫通孔83bと、屈曲保持板84の貫通孔85とを支点として互いに逆方向に横方向へ押圧されて、屈曲保持板84の貫通孔85の位置で屈曲され、これにより導電ピン32が軸方向に移動可能に支持される。
【0194】
このように構成することで、導電ピン32が、第1の絶縁板34と第2の絶縁板35との間に、軸方向へ移動可能に、且つ脱落しないように保持することができるとともに、導電ピン32として円柱状である簡易な構造のピンを使用できるため、導電ピン32および
それを保持する部材の全体としてのコストを抑えることができる。
【0195】
なお、屈曲保持板84が配置される位置は、第1の絶縁板34と中間保持板36との間であってもよい。
このように構成された本実施形態の検査装置では、図2に示したように、被検査回路基板1の電極2および電極3が、中継基板29a,29b、ピッチ変換用基板23a,23b、第2の異方導電性シート26a,26b、導電ピン32a,32b、第3の異方導電性シート42a,42b、コネクタ基板43a,43bを介して、最外側に配置されたベース板46a,46bをテスターの加圧機構により規定の圧力で押圧することによってテスター(図示せず)に電気的に接続され、被検査回路基板1の電極間における電気抵抗測定などの電気検査が行われる。
【0196】
測定時に被検査回路基板に対して上側および下側の第1の検査治具11a,第2の検査治具11bから押圧する圧力は、例えば、100〜250kgfである。
以下、図24〜図27を参照しながら(便宜的に、第2の検査治具11bのみ示す)、第1の検査治具11aと第2の検査治具11bとの間で被検査回路基板1の両面を挟圧した際における圧力吸収作用および圧力分散作用について説明する。
【0197】
図25に示したように、第1の検査治具11aと第2の検査治具11bとの間で検査対象である被検査回路基板1の両面を挟圧して電気検査を行う際に、加圧の初期段階では、中継ピンユニット31の導電ピン32の厚み方向への移動と、中継基板29の弾性部と、第2の異方導電性シート26と、第3の異方導電性シート42のゴム弾性圧縮により圧力を吸収して、被検査回路基板1の被検査電極の高さバラツキをある程度吸収することができる。
【0198】
そして、第1の支持ピンと中間保持板との第1の当接支持位置と、前記第2の支持ピンと中間保持板との第2の当接支持位置とが、中間保持板の厚さ方向に投影した中間保持板投影面において異なる位置に配置されているので、図26の矢印で示したように、上下方向に力が作用し、図27に示したように、第1の検査治具11aと第2の検査治具11bの間で検査対象である被検査回路基板1をさらに加圧した際に、中継基板29の弾性部と、第2の異方導電性シート26と、第3の異方導電性シート42のゴム弾性圧縮に加えて、中継ピンユニット31の第1の絶縁板34と、第2の絶縁板35と、第1の絶縁板34と第2の絶縁板35の間に配置された中間保持板36のバネ弾性により、被検査回路基板1の被検査電極の高さバラツキ、例えば、ハンダボール電極の高さバラツキに対して、圧力集中を分散させて、局部的な応力集中を回避することができる。
【0199】
すなわち、図26および図27に示したように、第1の支持ピン33と中間保持板36に対する第1の当接支持位置38Aを中心として、中間保持板36が、第2の絶縁板35の方向に撓むとともに(図27の一点鎖線で囲んだEの部分参照)、第2の支持ピン37と中間保持板36との第2の当接支持位置38Bを中心として、中間保持板36が、第1の絶縁板34の方向に撓むことになる(図27の一点鎖線で囲んだDの部分参照)。なお、ここで「撓む」および「撓み方向」とは中間保持板36が凸状になる方向に突出するように撓むことおよびその突出方向を言う。
【0200】
このように、中間保持板36が、第1の当接支持位置38A、第2の当接支持位置38Bを中心として、相互に反対方向に撓むので、第1の検査治具11aと第2の検査治具11bとの間で検査対象である被検査回路基板1をさらに加圧した際に、中間保持板36のバネ弾性力が発揮されることになる。
【0201】
また、図27の一点鎖線で囲んだB部分で示したように、第2の異方導電性シート26
の導電路形成部の突出部の圧縮によって、導電ピン32bの高さが吸収されるが、この突出部の圧縮よって吸収しきれない圧力が、第1の絶縁板34bに加わることになる。
【0202】
したがって、図27の一点鎖線で囲んだC部分で示したように、第1の絶縁板34と第2の絶縁板35も、第1の支持ピン33、第2の支持ピン37との当接位置で、相互に反対方向に撓むので、第1の検査治具11aと第2の検査治具11bとの間で検査対象である被検査回路基板1をさらに加圧した際に、第1の絶縁板34と第2の絶縁板35のバネ弾性力が発揮されることになる。
【0203】
これにより、高さバラツキを有する被検査回路基板1の被検査電極のそれぞれに対して安定的な電気的接触が確保され、さらに応力集中が低減されるので、中継基板29の弾性部の局部的な破損が抑制される。その結果、中継基板29の繰り返し使用耐久性が向上するので、その交換回数が減り、検査作業効率が向上することになる。
【0204】
図28は、本発明の検査装置の他の実施形態を説明する図24と同様な断面図(便宜的に第2の検査治具のみ示している)、図29は、その中継ピンユニットの拡大断面図である。この検査装置は、図1に示した検査装置と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には同一の参照番号を付している。この検査装置では、図28および図29に示したように、第1の絶縁板34と第2の絶縁板35との間に、複数個(本実施形態では3個)の中間保持板36が所定間隔離間して配置されるとともに、これらの隣接する中間保持板36同士の間に、保持板支持ピン39が配置されている。
【0205】
この場合、少なくとも1つの中間保持板36bにおいて、中間保持板36bに対して一面側から当接する保持板支持ピン39bの中間保持板36bに対する当接支持位置と、中間保持板36bに対して他面側から当接する第1の支持ピン33b、第2の支持ピン37b、または保持板支持ピン39bの中間保持板36bに対する当接支持位置とが、中間保持板36bの厚さ方向に投影した中間保持板投影面において異なる位置に配置されていることが必要である。
【0206】
最も好ましくは、全ての中間保持板36bにおいて、中間保持板36bに対して一面側から当接する保持板支持ピン39bの中間保持板36bに対する当接支持位置と、中間保持板36bに対して他面側から当接する第1の支持ピン33b、第2の支持ピン37b、または保持板支持ピン39bの中間保持板36bに対する当接支持位置とが、中間保持板36bの厚さ方向に投影した中間保持板投影面において異なる位置に配置される。
【0207】
この場合、詳述しないが、「異なる位置」とは、前述した実施形態において、第1の支持ピン33と中間保持板36との第1の当接支持位置38Aと、第2の支持ピン37と中間保持板36との第2の当接支持位置38Bとの間の関係で説明した相対位置と同様な配置とすることが可能である。
【0208】
本実施形態では、3つの中間保持板36bのうち上側の中間保持板36bにおいて、中間保持板36bに対して一面側から当接する保持板支持ピン39bの中間保持板36bに対する当接支持位置39Aと、中間保持板36bに対して他面側から当接する第1の支持ピン33bの中間保持板36bに対する当接支持位置38Aとが、中間保持板36bの厚さ方向に投影した中間保持板投影面において異なる位置に配置されている。
【0209】
また、3つの中間保持板36bのうち中央の中間保持板36bにおいて、中間保持板36bに対して一面側から当接する保持板支持ピン39bの中間保持板36bに対する当接支持位置39Aと、中間保持板36bに対して他面側から当接する保持板支持ピン39bの中間保持板36bに対する当接支持位置39Aとが、中間保持板36bの厚さ方向に投
影した中間保持板投影面において異なる位置に配置されている。
【0210】
また、3つの中間保持板36bのうち下側の中間保持板36bにおいて、中間保持板36bに対して一面側から当接する保持板支持ピン39bの中間保持板36bに対する当接支持位置39Aと、中間保持板36bに対して他面側から当接する第2の支持ピン37bの中間保持板36bに対する当接支持位置38Bとが、中間保持板36bの厚さ方向に投影した中間保持板投影面において異なる位置に配置されている。
【0211】
このように構成することによって、これらの複数個の中間保持板36によってバネ弾性がさらに発揮されることになり、被検査回路基板1の被検査電極の高さバラツキに対して、圧力集中を分散させて、局部的な応力集中をさらに回避することができ、中継基板29の弾性部の局部的な破損が抑制され、その結果、中継基板29の繰り返し使用耐久性が向上するので、中継基板29の交換回数が減り、検査作業効率が向上する。
【0212】
なお、中間保持板36の個数としては、複数個であればよく、特に限定されるものではない。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形、変更が可能である。
【0213】
例えば、被検査回路基板1は、プリント回路基板以外に、パッケージIC、MCM、CSPなどの半導体集積回路装置、ウェハに形成された回路装置であってもよい。また、プリント回路基板は、両面プリント回路基板だけではなく片面プリント回路基板であってもよい。
【0214】
第1の検査治具11aと第2の検査治具11bは、使用材料、部材構造などにおいて必ずしも同一である必要はなく、これらが異なるものであってもよい。
テスター側コネクタは、コネクタ基板のような回路基板と異方導電性シートを複数積層して構成してもよい。
【0215】
上記の実施形態では、第2の異方導電性シート26および第3の異方導電性シート42として、厚み方向に延びる複数の導電路形成部と、これらの導電路形成部を互いに絶縁する絶縁部とからなり、導電性粒子が導電路形成部中にのみ含有され、これにより該導電性粒子は面方向に不均一に分散されるとともに、シート片面側に導電路形成部が突出しているものを用いたが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0216】
また、図1、図2、図24、図25、図27および図28に示したように、テスター側コネクタ41におけるコネクタ基板43とベース板46との間に、支持ピン49を配置してもよい。これらの支持ピン49によって、第1の支持ピン33、第2の支持ピン37(図28では第1の支持ピン33、第2の支持ピン37および保持板支持ピン39)が与える作用と同様にして、面圧を分散させる作用を与えることも可能である。この面圧分散作用を与えるためには、支持ピン49の位置と、第2の支持ピン37の位置とが面方向において互いに異なるようにこれらを配置することが好ましい。
【0217】
以上説明したように、本発明に係る回路基板の検査装置によれば、第1の検査治具11aと第2の検査治具11bとの間で信頼性の高い回路基板の電気的検査を行なうことができる。また、検査対象である被検査回路基板1の被検査電極のバラツキに対する追従性が良好で、導通不良が発生せず、正確な検査を実施することが可能である。
【0218】
また、一定間隔で導通ピンを配置する必要がないので、導通ピンを保持する絶縁板への貫通孔のドリル加工による穿設作業が少なく、コストを低減することができる。
さらに、高分解能で検査が可能であり、且つ、被検査回路基板の被検査基板の被検査電極による段差を良好に吸収できる。また、中継基板に使用された接点部材の接着力が高いので、この接点部材の脱落が防止され、繰り返し耐久性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0219】
【図1】図1は、本発明の一実施例による検査装置の分解組立断面図である。
【図2】図2は、図1に示した検査装置の検査時における使用状態を示した断面図である。
【図3】図3は、図1の検査装置に組み込まれたピッチ変換用基板の回路基板側の表面を示した図である。
【図4】図4は、図3に示したピッチ変換用基板の中継ピンユニット側表面を示した図である。
【図5】図5は、図1の検査装置に組み込まれているピッチ変換用基板、中継基板および被検査回路基板が積層された状態の断面図である。
【図6】図6(a)は、中継基板の部分断面図、図6(b)は、その拡大図である。
【図7】図7は、本発明の一実施例による中継基板の製造方法を示したもので、図7(a)は支持体と複合フィルムを組付け態様を示した分解断面図、図7(b)は、その製造方法における第1の複合フィルム配置工程の断面図である。
【図8】図8は、本発明の一実施例による中継基板の製造方法を示したもので、図8(a)は導電性ペースト塗布工程の断面図、図8(b)は第2の複合フィルム配置工程を示した断面図である。
【図9】図9は、本発明の一実施例による中継基板の製造方法による磁場配向工程を示した断面図である。
【図10】図10は、本発明の一実施例による中継基板の製造方法による液状シリコンゴム塗布用凹所形成工程を示した断面図である。
【図11】図11は、本発明の一実施例による中継基板の製造方法を示したもので、図11(a)は液状シリコンゴム塗布用凹所形成工程の準備段階として複合フィルムの上面からレーザー加工するときの断面図、図11(b)は液状シリコンゴム塗布用凹所形成工程において複合フィルムを剥離した状態を示した断面図である。
【図12】図12は、本発明の一実施例による中継基板の製造方法による液状シリコンゴム塗布工程の断面図である。
【図13】図13は、本発明の一実施例による中継基板の製造方法による液状シリコンゴム硬化工程の断面図である。
【図14】図14は、本発明の一実施例による中継基板の製造方法においてメッキ金属を一体的に具備させる工程の断面図である。
【図15】図15は、ピッチ変換用基板、中継基板および被検査回路基板を、第1の異方導電性シートを介して積層した状態を示した部分断面図で、図15(a)は中継基板とピッチ変換用基板との間に異方導電性シートを介装した他の例を示した部分断面図、図15(b)は中継基板とピッチ変換用基板との間、および中継基板と被検査回路基板との間に、それぞれ異方導電性シートを介装したときの部分断面図である。
【図16】図16は、第1の異方導電性シートの部分断面図である。
【図17】図17は、第2の異方導電性シートの断面図である。
【図18】図18は、中継ピンユニットの断面図である。
【図19】図19は、中継ピンユニットの導電ピン、中間保持板および絶縁板の一部を示した断面図である。
【図20】図20は、中継ピンユニットにおける他の例を示した図19と同様の断面図である。
【図21】図21は、図20の構成において第1の絶縁板と第2の絶縁板との間に導電ピンを配置するまでの工程を示した断面図である。
【図22】図22は、屈曲保持板を配置した中継ピンユニットの断面図である。
【図23】図23は、中継ピンユニットの中間保持板の厚さ方向に投影した中間保持板投影面の部分拡大図である。
【図24】図24は、本発明の検査装置の実施形態を示した一部断面図である。
【図25】図25は、本発明の検査装置の使用状態を説明する断面図である。
【図26】図26は、本発明の検査装置における中継ピンユニットの使用状態を説明する断面図である。
【図27】図27は、本発明の検査装置の使用状態を説明する断面図である。
【図28】図28は、本発明の検査装置における他の実施形態を示した図24同様の一部断面図である。
【図29】図29は、図28の実施形態における中継ピンユニットの断面図である。
【図30】図30は、従来における回路基板の検査装置の断面図である。
【図31】図31は、特願2005−205684号で使用されている中継基板の断面図である。
【符号の説明】
【0220】
1 被検査回路基板
2、3 電極
11a 第1の検査治具
11b 第2の検査治具
21a、21b 回路基板側コネクタ
22a、22b 第1の異方導電性シート
23a、23b ピッチ変換用基板
24 端子電極
25 接続用電極
26a、26b 第2の異方導電性シート
29a,29b 中継基板
31a,31b 中継ピンユニット
32a,32b 導電ピン
33a,33b 第1の支持ピン
34a,34b 第1の絶縁板
35a,35b 第2の絶縁板
36a,36b 中間保持板
37a,37b 第2の支持ピン
38A 第1の当接支持位置
38B 第2の当接支持位置
39 保持板支持ピン
39A 当接支持位置
41a,41b テスター側コネクタ
42a,42b 第3の異方導電性シート
43a,43b コネクタ基板
44a,44b テスター側電極
45a,45b ピン側電極
46a,46b ベース板
47 液状シリコンゴム塗布用凹所
49a,49b 支持ピン
51 絶縁基板
52 配線
53 内部配線
54 絶縁層
55 絶縁層
57 メッキ金属保持板
59 金属層
61 導電路形成部
61a 突出部
61A 導電性エラストマー用材料層
61B 導電性エラストマー層
62 絶縁部
63 シート基材
64 金属膜
67 レジスト層
67a 開口
68 磁性金属メッキ
71 導電路形成部
72 絶縁部
72a 突出部
73 支持体
73c 貫通孔
77 接点部材(メッキ金属)
79 液状シリコンゴム
81a,81b 端部
82 中央部
83,83a,83b 貫通孔
84 屈曲保持板
85 貫通孔
86 貫通孔
101 被検査回路基板
102 被検査電極
103 被検査電極
111a 第1の検査治具
111b 第2の検査治具
121a、121b 回路基板側コネクタ
122a,122b 第1の異方導電性シート(中継基板)
123a,123b ピッチ変換用基板
126a,126b 第2の異方導電性シート
131a,131b 中継ピンユニット
132a,132b 導電ピン
134a,134b 絶縁板
141a,141b テスター側コネクタ
142a,142b 第3の異方導電性シート
143a,143b コネクタ基板
146a,146b ベース板
A 中間保持板投影面
P 導電性粒子
L1 距離
L2 距離
Q1 対角線
Q2 対角線
R1 単位格子領域
R2 単位格子領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象となる被検査回路基板と、一面側と他面側との間で電極のピッチを変換するピッチ変換用基板との間の電気的接続を中継するとともに、
磁性を示す導電性粒子が厚み方向に配向した状態で弾性高分子物質中に含有された複数の導電路形成部が、支持体に形成された貫通孔内に絶縁性のシリコン被膜を介して相互に絶縁された状態で支持され、さらに、前記導電路形成部の厚み方向端部に金属からなる接点部材が一体的に具備され、さらに、当該接点部材の頂部が前記絶縁性のシリコン被膜から厚み方向外方に突出して配置されてなることを特徴とする中継基板。
【請求項2】
前記接点部材と前記導電路形成部との間は、
前記接点部材の側周面を囲繞するように塗布された接点部材側の液状シリコンゴムが加熱加圧硬化されるときに、前記支持体側に予め塗布されている支持体側の液状シリコンゴムとともに硬化されて一体化されていることを特徴とする請求項1に記載の中継基板。
【請求項3】
前記接点部材の側周面に予め塗布された液状シリコンゴムと前記支持体側に予め塗布された液状シリコンゴムとは、加圧されることにより前記支持体に形成された貫通孔の外側領域にまで延展されていることを特徴とする請求項2に記載の中継基板。
【請求項4】
前記支持体側に予め塗布されている液状シリコンゴムは、塗布時において前記支持体の表面および前記導電路形成部の表面に対して液面が外方に盛り上がるように塗布されていることを特徴とする請求項2または3に記載の中継基板。
【請求項5】
前記接点部材は、加圧時に前記導電路形成部を内方に押圧して、当該接点部材の先端面が前記導電路形成部の内方に入り込んだ状態で前記液状シリコンゴムが硬化されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の中継基板。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の中継基板を製造する中継基板の製造方法であって、
導電性ペーストが内部に塗布されるべき貫通孔が予め形成された支持体の下面側に、金属層とレジスト層との複合フィルムのレジスト層内に該レジスト層の厚さと略同じ厚さで磁性金属が予めメッキされた複合フィルムを当該複合フィルムの前記金属層側を前記支持体側に対向させた向きで配置する第1の複合フィルム配置工程と、
前記支持体に形成された前記貫通孔内に導電性ペーストを塗布する導電性ペースト塗布工程と、
前記貫通孔内に前記導電性ペーストが塗布された前記支持体の上面側に、前記第1の複合フィルム配置工程で使用された複合フィルムと同一構造の他の複合フィルムを、当該複合フィルムのレジスト層側を前記支持体側に対向させた向きで配置する第2の複合フィルム配置工程と、
前記支持体の上下両面に前記複合フィルムがそれぞれ配置され、前記貫通孔内に前記導電性ペーストが塗布された前記支持体に対し、前記導電性ペーストの厚み方向に磁場を作用させることにより、前記導電性ペースト内の磁性粒子を配向し、これにより磁性粒子による導電路形成部を形成する磁場配向工程と、
磁場配向された前記支持体にレーザー加工を施すことにより、前記導電路形成部の周囲に液状シリコンゴムを塗布するための凹所を形成する液状シリコンゴム塗布用凹所形成工程と、
予め、金属層の一方面に金属接点用のメッキ金属が具備され、このメッキ金属の周囲に液状シリコンゴムが塗布されてなる金属接点用のメッキ金属保持板を用意するメッキ金属保持体準備工程と、
前記液状シリコンゴム塗布用凹所形成工程で得られた支持体ユニット内に液状シリコンゴムを塗布する液状シリコンゴム塗布工程と、
前記メッキ金属保持体準備工程で得られたメッキ金属保持板と、前記液状シリコンゴム塗布工程で得られた前記支持体ユニットとを、互いの液状シリコンゴム同士が密接しあうように加圧し重ね合わせて積層するとともに、加圧下の積層状態で加熱により前記液状シリコンゴム同士の界面を無くした状態で前記液状シリコンゴムを硬化させる液状シリコンゴム硬化工程と、
前記液状シリコンゴム硬化工程で前記液状シリコンゴムが硬化した後に、前記支持体ユニットの両側の金属層を剥離することにより、前記導電路形成部の頂部に前記メッキ金属を一体的に具備させる工程と、を備えたことを特徴とする中継基板の製造方法。
【請求項7】
一対の第1の検査治具と第2の検査治具によって、両検査治具の間で検査対象である被検査回路基板の両面を挟圧して電気検査を行う回路基板の検査装置であって、
前記第1の検査治具と第2の検査治具がそれぞれ、
一面側と他面側との間で電極ピッチを変換するピッチ変換用基板、および、
前記ピッチ変換用基板の被検査回路基板側に配置され、基板に形成された複数の貫通孔に、弾性高分子物質からなる絶縁部と導電性粒子を含有する弾性高分子物質とからなり前記絶縁部を厚み方向へ貫通する導電路形成部とが形成され、該導電路形成部によって前記ピッチ変換用基板と前記被検査回路基板との電気的接続を中継する中継基板、および、
前記ピッチ変換用基板の前記中継基板とは反対側に配置される第2の異方導電性シートを備えた回路基板側コネクタと、
所定のピッチで配置された複数の導電ピン、および、
前記導電ピンを軸方向へ移動可能に支持する、一対の離間した第1の絶縁板、第2の絶縁板、を備えた中継ピンユニットと、
テスターと前記中継ピンユニットとの間を電気的に接続するコネクタ基板、および、
前記コネクタ基板の中継ピンユニット側に配置される第3の異方導電性シート、および、
前記コネクタ基板の中継ピンユニットとは逆側に配置されるベース板を備えたテスター側コネクタ、を備え、
前記中継ピンユニットは、
前記第1の絶縁板と第2の絶縁板との間に配置された中間保持板、および、
前記第1の絶縁板と中間保持板との間に配置された第1の支持ピン、および、
前記第2の絶縁板と中間保持板との間に配置された第2の支持ピン、を備えるとともに、
前記第1の支持ピンの中間保持板に対する第1の当接支持位置と前記第2の支持ピンの中間保持板に対する第2の当接支持位置とが、中間保持板の厚さ方向に投影した中間保持板投影面において異なる位置に配置されており、
前記中継基板は、
磁性を示す導電性粒子が厚み方向に配向した状態で弾性高分子物質中に含有された複数の導電路形成部が、支持体に形成された貫通孔内に絶縁性のシリコン被膜を介して相互に絶縁された状態で支持され、さらに、前記導電路形成部の厚み方向端部に金属からなる接点部材が一体的に具備され、さらに、当該接点部材の頂部が前記絶縁性のシリコン被膜から厚み方向外方に突出して配置され、
前記接点部材と前記導電路形成部との間は、
前記接点部材の側周面を囲繞するように塗布された接点部材側の液状シリコンゴムが加熱加圧硬化されるときに、前記支持体側に予め塗布されている液状シリコンゴムとともに硬化され、これら液状シリコンゴムが界面を無くして硬化されるときの接着力により一体化されていることを特徴とする回路基板の検査装置。
【請求項8】
一対の第1の検査治具と第2の検査治具によって、両検査治具の間で検査対象である被検査回路基板の両面を挟圧した際に、
前記第1の支持ピンの中間保持板に対する第1の当接支持位置を中心として、前記中間
保持板が、前記第2の絶縁板の方向に撓むとともに、
前記第2の支持ピンの中間保持板に対する第2の当接支持位置を中心として、前記中間保持板が、前記第1の絶縁板の方向に撓むことを特徴とする請求項7に記載の回路基板の検査装置。
【請求項9】
前記第1の支持ピンの中間保持板に対する第1の当接支持位置が、前記中間保持板投影面において格子状に配置され、
前記第2の支持ピンの中間保持板に対する第2の当接支持位置が、前記中間保持板投影面において格子状に配置されており、
前記中間保持板投影面において、隣接する4個の第1の当接支持位置からなる単位格子領域に、1個の第2の当接支持位置が配置されるとともに、
前記中間保持板投影面において、隣接する4個の第2の当接支持位置からなる単位格子領域に、1個の第1の当接支持位置が配置されていることを特徴とする請求項7または8に記載の回路基板の検査装置。
【請求項10】
前記中継ピンユニットが、
前記第1の絶縁板と第2の絶縁板との間に所定間隔離間して配置された複数個の中間保持板と、
隣接する中間保持板同士の間に配置された保持板支持ピンと、
を備えるとともに、
少なくとも1つの中間保持板において、該中間保持板に対して一面側から当接する保持板支持ピンの該中間保持板に対する当接支持位置と、該中間保持板に対して他面側から当接する第1の支持ピン、第2の支持ピン、または保持板支持ピンの該中間保持板に対する当接支持位置とが、該中間保持板の厚さ方向に投影した中間保持板投影面において異なる位置に配置されていることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の回路基板の検査装置。
【請求項11】
全ての前記中間保持板において、該中間保持板に対して一面側から当接する保持板支持ピンの該中間保持板に対する当接支持位置と、該中間保持板に対して他面側から当接する第1の支持ピン、第2の支持ピン、または保持板支持ピンの該中間保持板に対する当接支持位置とが、該中間保持板の厚さ方向に投影した中間保持板投影面において異なる位置に配置されていることを特徴とする請求項10に記載の回路基板の検査装置。
【請求項12】
前記第2の異方導電性シートが、厚み方向に延びる複数の導電路形成部と、これらの導電路形成部を互いに絶縁する絶縁部とからなり、導電性粒子が導電路形成部中にのみ含有され、これにより該導電性粒子は面方向に不均一に分散されるとともに、シート片面側に導電路形成部が突出していることを特徴とする請求項7〜11のいずれかに記載の回路基板の検査装置。
【請求項13】
前記第3の異方導電性シートが、厚み方向に延びる複数の導電路形成部と、これらの導電路形成部を互いに絶縁する絶縁部とからなり、導電性粒子が導電路形成部中にのみ含有され、これにより該導電性粒子は面方向に不均一に分散されるとともに、シート片面側に導電路形成部が突出していることを特徴とする請求項7〜12のいずれかに記載の回路基板の検査装置。
【請求項14】
前記複数の導電ピンは、前記第1の絶縁板と第2の絶縁板との間の間隔よりも短い棒状の中央部と、該中央部の両端側に形成され該中央部よりも径が小さい一対の端部とからなり、
前記一対の端部がそれぞれ、前記第1の絶縁板と第2の絶縁板とに形成された前記中央部よりも径が小さく前記一対の端部よりも径が大きい貫通孔に挿通され、これにより前記
導電ピンが軸方向へ移動可能に支持されていることを特徴とする請求項7〜13のいずれかに記載の回路基板の検査装置。
【請求項15】
前記第1の絶縁板と中間保持板との間、前記第2の絶縁板と中間保持板との間、または中間保持板同士の間に、前記導電ピンが挿通される貫通孔が形成された屈曲保持板が設けられ、
前記複数の導電ピンは、前記第1および第2の絶縁板に形成された貫通孔と、前記屈曲保持板に形成された貫通孔とを支点として互いに逆方向に横方向へ押圧されて前記屈曲保持板の貫通孔の位置で屈曲され、これにより前記導電ピンが軸方向へ移動可能に支持されていることを特徴とする請求項7〜14のいずれかに記載の回路基板の検査装置。
【請求項16】
請求項7〜15のいずれかに記載の回路基板の検査装置を用いた回路基板の検査方法であって、
一対の第1の検査治具と第2の検査治具によって、両検査治具の間で検査対象である被検査回路基板の両面を挟圧して電気検査を行うことを特徴とする回路基板の検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2007−64934(P2007−64934A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−254968(P2005−254968)
【出願日】平成17年9月2日(2005.9.2)
【出願人】(000004178)JSR株式会社 (3,320)
【Fターム(参考)】