説明

中間転写体及び画像形成装置

【課題】電気特性が均一であり、かつ画像形成装置のバイアス条件変動によらず、線画像散りや逆転写による白抜け等の異常画像が発生することがなく、長期に亘って安定した高品質画像を維持することができる中間転写体、及び該中間転写体を用いた、特にフルカラー画像形成に好適な中間転写方式の画像形成装置及び、効率のよい中間転写体の製造方法を提供する。
【解決手段】像担持体上に形成された潜像をトナーにより現像して得られたトナー像が転写される中間転写体であって、前記中間転写体は、樹脂材料又はその前駆体と、有機溶媒中にアセチレンアルコール及びカーボンブラックを分散したベース樹脂を含む中間転写体塗工液から製膜した製膜層を少なくとも有することを特徴とする中間転写体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の電子写真方式を用いた画像形成装置に関し、詳しくは中間転写ドラム、ベルト等の中間転写体を介在させて一次、二次転写行程を伴う中間転写方式を用いた、中間転写装置、画像形成装置に関するものである。
更に又、中間転写体の製造方法に関わるものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、電子写真装置においては、様々な用途でシームレスベルトが部材として用いられている。
特に近年のフルカラー電子写真装置においては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色の現像画像を、一旦中間転写媒体上に色重ねし、その後一括して紙などの転写媒体に転写する中間転写ベルト方式が用いられている。
このような中間転写ベルト方式は、1つの感光体に対して4色の現像器を用いるシステムで用いられていたが、プリント速度が遅いという欠点があった。
高速プリントとしては、感光体を4色分並べ、各色を連続して紙に転写する4連タンデム方式が用いられている。
しかし、この方式では紙の環境による変動などもあり、各色画像を重ねる位置精度を合わせることが非常に困難であり、色ずれ画像を引き起こしていた。
【0003】
そこで近年では、4連タンデム方式に中間転写方式を採用することが主流になってきている。
このため、中間転写ベルトとしても従来より高速、位置精度などの要求に対応する特性を満足することが必要となってきている。
特に、位置精度に対しては、連続使用によるベルト自体の伸び等の変形による変動を抑えることが求められる。
【0004】
また、中間転写ベルトは、装置の広い領域に渡ってレイアウトされ、転写のための高電圧を印加されるため、難燃性も求められている。
そこで主に、高弾性率で高耐熱樹脂であるポリイミド、ポリアミドイミド樹脂などが用いられている。
【0005】
中間転写ベルトはトナー像を転写する機能のため、電気抵抗値及びその均一性が重要となる。
そのため、上記樹脂にカーボンブラックやその他導電性の添加物を含有させて抵抗を所望の値になるよう、その含有量・製造条件等で調整されているが、その抵抗値としては、10〜1012Ω・cm程度が求められ、ばらつきもベルト全域で1オーダー以内が求められている。不均一になると電圧依存性が大きくなる。
電圧依存性が大きくなると、装置の転写バイアス条件によっては転写ニップにおける異常放電を引き起こし、線画像の散り、逆転写による白抜けなどの異常画像が発生する。
カーボンブラックの分散にて、領域毎のばらつきを小さくした場合でも、環境変動などに対応したプロセスコントロールによる転写条件変動に対しての余裕度は充分でなく、印加バイアスが高い設定になると上記異常画像を引き起こしている。
【0006】
ポリイミド樹脂は、耐熱性、機械特性、耐薬品性、耐放射線性などに優れた樹脂であることから、フィルム、シート等の各種成形材料、電線用エナメル等の塗料、電子材料、フレキシブルプリント基板、耐熱性基板、半導体封止材料、接着剤、有機質無機質複合材などの用途に広範に用いられている。
このポリイミド樹脂に絶縁性微粒子を添加することで、物性向上等の目的を達成することが試みられている。
例えば、耐熱性を向上させ熱膨張率を低減させること(特許文献1参照)、滑り性や走行耐久性を向上させること(特許文献2、3参照)、印刷性、耐熱性、耐湿密着性を付与することが開示されている(例えば、特許文献4参照)。
【0007】
ポリイミド樹脂の製造方法としては、まず溶媒可溶性のポリアミド酸を合成し、これを300℃以上に加熱してポリイミド化する方法が一般的である。
したがって、ポリイミド樹脂中に絶縁性微粒子を分散させるには、ポリアミド酸の溶液中に絶縁性微粒子を分散させることが必要となる。
この分散方法としては、ポリアミド酸溶液に絶縁性微粒子を添加し、サンドミル、ボールミルなどの分散機により分散させる方法や、半液体の状態のポリアミド酸ワニスに絶縁性微粒子を添加し、三本ロールにより混練分散する直接分散方法が考えられる。
【0008】
しかし、絶縁性微粒子とポリアミド酸の親和性が非常に悪いため、両者を混合すると絶縁性微粒子の凝集が生じ、均一な分散を行なうことが困難であった。
ポリアミド酸溶液がきわめて粘稠であることも、均一分散を困難とさせる。
そこで、絶縁性微粒子分散液中でポリアミド酸を合成する方法、すなわち、予め絶縁性微粒子を分散させた有機極性溶媒中でジアミン化合物と酸無水化合物を反応させてポリアミド酸溶液を調製する方法が提案されている(特許文献3参照)。
しかし、この方法でも、絶縁性微粒子同士の凝集力が強いこともあって、絶縁性微粒子の凝集が起きる。このように凝集した絶縁性微粒子は、10μm以上の粒径を有し、一種の異物となるため、例えばフィルム状に成形したとき、フィルムの表面が粗くなり、光沢がなくなる、フィルムの外観を損ね、引張り強度等の機械的特性や電気絶縁性等の電気的特性に悪影響を及ぼす。
【0009】
同様に、ポリアミド酸の溶液中にカーボンブラックを分散させる主な方法としては、(1)ポリアミド酸溶液にカーボンブラックを添加し、サンドミル、ボールミルなどの分散機により分散させる方法、(2)半液体の状態のポリアミド酸ワニスにカーボンブラックを添加し、三本ロールにより混練分散する方法、(3)カーボンブラック分散液中でポリアミド酸を合成する方法、が知られている。
しかしながら、これらのいずれの方法によった場合も、カーボンブラックとポリアミド酸の相性が非常に悪いために、両者を混合するとカーボンブラックの凝集が生じ、均一な分散を行なうことは不可能であった。
その結果として、得られるポリイミドのフィルムや被膜中でもカーボンブラックが凝集した状態となるため、フィルムの表面が粗くなる、光沢がなくなる、電気抵抗値の制御が困難になる、等の問題が発生する。
【0010】
このように、従来、導電性微粒子(例えばカーボンブラック)を分散させたポリイミド前駆体溶液を加熱し、閉環イミド化する際に起こる塗膜表面のベナードセルを防止するため、フッ素系界面活性剤やシリコーン系界面活性剤を第三成分として混合することは知られているが、塗膜の表面性は改良されても、ただ混合するだけでは導電性微粒子の凝集が起こるため抵抗均一性が充分ではなく、これを画像形成装置に装填すると、結果的に転写性のバラツキが発生するという不具合が生じていた。
我々は先に、特許文献5の特開平2005−181753号公報、特許文献6の特開平2005−181761号公報、特許文献7の特開平2005−181763号公報、特許文献8の特開平2005−181765号公報、特許文献9の特開平2005−181766号公報にて、水溶性樹脂へのカーボンブラック分散のためにアセチレングリコール系界面活性剤として、1,1,3,6,8,8−ヘキサメチル−5−イン−4,7−ジ(ポリメチレンオキシ)オールを用いることを開示しているが、これらは非水系媒体を用いたものではない。
【0011】
【特許文献1】特開昭63−172741号公報
【特許文献2】特開平3−170548号公報
【特許文献3】特開平6−145378号公報
【特許文献4】特開平1−121364号公報
【特許文献5】特開2005−181753号公報
【特許文献6】特開2005−181761号公報
【特許文献7】特開2005−181763号公報
【特許文献8】特開2005−181765号公報
【特許文献9】特開2005−181766号公報
【特許文献10】特公昭42−15637号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明は、電気特性が均一であり、かつ画像形成装置のバイアス条件変動によらず、線画像散りや逆転写による白抜け等の異常画像が発生することがなく、長期に亘って安定した高品質画像を維持することができる中間転写体、及び該中間転写体を用いた、特にフルカラー画像形成に好適な中間転写方式の画像形成装置を提供することを目的とする。
【0013】
また、本発明は、中間転写体を形成するためのカーボンブラック分散液において、カーボンブラック等の微粒子と、ポリイミド又はポリアミドイミドとの相性を改善し、該微粒子が小粒子化して均一に分散した中間転写体用塗工液を得て、これを用いた効率のよい中間転写体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記課題を解決するため、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、像担持体上に形成された潜像をトナーにより現像して得られたトナー像が転写される中間転写体であって、前記中間転写体は、アセチレンアルコールとカーボンブラックを含む溶液を塗布、乾燥することを特徴とする中間転写体の電気抵抗が均一となることを見出し、本発明に至った。
【0015】
即ち、前記課題は、本発明の下記(1)〜(14)によって解決される。
(1)「像担持体上に形成された潜像をトナーにより現像して得られたトナー像が転写される中間転写体であって、前記中間転写体は、樹脂材料又はその前駆体と、有機溶媒中にアセチレンアルコール及びカーボンブラックを分散したベース樹脂を含む中間転写体塗工液から製膜した製膜層を少なくとも有することを特徴とする中間転写体」、
(2)「前記樹脂材料又はその前駆体が、ポリイミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂のいずれか、またはそれらの前駆体であることを特徴とする前記第(1)項に記載の中間転写体」、
(3)「前記アセチレンアルコールは、下記一般式(1)で表わされるものであり、R、R、Rの炭素数がそれぞれ20以下であることを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項に記載の中間転写体」、
【0016】
【化1】

(式中のR、R、Rは水素原子または分岐してもよい1〜20の炭素鎖を表わし、炭素鎖には不飽和結合を含んでいてもよい。)
(4)「アセチレンアルコールの含有量が、カーボンブラックに対して1〜100重量%であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載の中間転写体」、
(5)「前記ベース樹脂が、ポリイミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂のいずれかであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載の中間転写体」、
(6)「シームレスベルトであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(5)項のいずれかに記載の中間転写体」、
(7)「樹脂材料又はその前駆体、アセチレンアルコール及びカーボンブラックを含んだカーボンブラック分散液を含む中間転写体用塗工液を用いて中間転写体を形成することを特徴とする中間転写体の製造方法」、
(8)「前記樹脂材料又はその前駆体が有機溶媒液の溶液であり、該有機溶媒液溶液に、前記カーボンブラック分散液が分散される段階を有することを特徴とする前記第(7)項に記載の中間転写体の製造方法」、
(9)「前記アセチレンアルコールが、下記一般式(1)で表わされるアセチレンアルコールのアルキル基(R、R、R)の炭素数がそれぞれ20以下であることを特徴とする前記第(7)項又は第(8)項に記載の中間転写体の製造方法」、
【0017】
【化2】

(式中のR、R、Rは水素原子または分岐してもよい1〜20の炭素鎖を表わし、炭素鎖には不飽和結合を含んでいてもよい。)
(10)「前記中間転写体用塗工液が、アセチレンアルコールとカーボンブラックの他にさらにベース樹脂又はその前駆体を分散してなるカーボンブラック分散液を前記樹脂材料又はその前駆体の液に分散したものであり、該ベース樹脂が、ポリイミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂のいずれか、又はそれらの前駆体であることを特徴とする前記第(7)項又は第(8)項に記載の中間転写体の製造方法」、
(11)「前記カーボンブラック分散液中に、前記樹脂材料又はその前駆体と同じ樹脂を含有することを特徴とする前記第(9)項に記載の中間転写体の製造方法」、
(12)「前記カーボンブラック分散液中におけるカーボンブラックの体積平均粒径が、10〜300nmであることを特徴とする前記第(7)項乃至第(10)項のいずれかに記載の中間転写体の製造方法」、
(13)「潜像が形成され、トナー像を担持可能な像担持体と、該像担持体上に形成された潜像をトナーで現像する現像手段と、該現像手段により現像されたトナー像が一次転写される中間転写体と、該中間転写体上に担持されたトナー像を記録媒体に二次転写する転写手段とを有してなり、前記中間転写体が前記第(1)項乃至第(6)項のいずれかに記載の中間転写体であることを特徴とする画像形成装置」、
(14)「画像形成装置がフルカラー画像形成装置であって、各色の現像手段を有する複数の潜像担持体を直列に配置してなることを特徴とする前記第(13)項に記載の画像形成装置」。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、得られたベルトの任意の場所における抵抗のバラツキを小さくすることができ、かつ電圧依存性も小さくすることができる。
また、本発明によれば、更に抵抗均一性を良好にし、かつ電圧依存性もさらに小さくすることができる。
さらに、本発明によれば、耐熱性、耐薬品性、対放射線性に優れた中間転写体が得られる。
さらにまた、本発明によれば、トナー像を効率よく紙に転写することができる。
さらにまた、本発明によれば、カーボンブラックを小粒子化し、均一に分散したカーボンブラック分散液を用いて中間転写体を効率よく製造することができる。
さらにまた、本発明によれば、耐熱性、耐薬品性、耐放射線性に優れた中間転写体を効率よく製造することができる。
さらにまた、本発明によれば、作成した中間転写体の強度が、該ベース樹脂であるポリイミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂本来の強度を損なわせることのない中間転写体を製造することができる。
さらにまた、本発明によれば、長期に亘って異常画像が発生しない高品質な画像形成を行なうことができる。
なお、本発明における中間転写体は、タンデム方式の画像形成装置だけに限定されるものではない。その他、例えば、転写ドラム方式や転写ロール方式であっても適用可能である。
さらにまた、本発明によれば、品質を維持したまま、より高速化に適応したフルカラー画像形成に好適な画像形成装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の中間転写体は、像担持体上に形成された潜像をトナーにより現像して得られたトナー像が転写され、該中間転写体は、アセチレンアルコールを含有したカーボンブラックを少なくとも含有してなり、ベース樹脂、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
本発明の中間転写体の製造方法は、アセチレンアルコールを含有したカーボンブラックを含有するカーボンブラック分散液を含む中間転写体用塗工液を用いて中間転写体を形成する。
【0020】
以下、本発明の中間転写体の説明を通じて、本発明の中間転写体の製造方法の詳細についても明らかにする。
本発明の中間転写体は、上述したように、アセチレンアルコールを含んだカーボンブラックを少なくとも含有していれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、表面層、更に必要に応じて適宜選択されるその他の構成を備えてなるものが好適に挙げられる。これらの中でも、表面層を備えてなるものが特に好ましい。
前記中間転写体の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ドラム状(円筒状)、無端ベルト状などが挙げられる。
前記中間転写体の構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記表面層のみによる単層構造、基材上に前記表面層を有する複層構造、あるいは前記単層構造の表面又は裏面に研磨等の加工を施し、表裏面の性質を調整した構造等が挙げられる。これらの中でも、表面層のみによる単層構造が特に好ましい。
したがって、本発明の中間転写体は、前記表面層が、アセチレンアルコールを含有したカーボンブラックを少なくとも含有してなり、ベース樹脂、更に必要に応じてその他の成分を含有してなることが好適である。
【0021】
<アセチレンアルコール>
前記アセチレンアルコールは、アセチレン基(−C≡C−)のとなりの炭素原子のどちらかにヒドキシル基(−OH)を有する非イオン界面活性剤であり、下記の一般式(1)で表わされる。またアセチレン基のとなりの炭素原子両方にヒドロキシル基を1つずつ有する化合物は、アセチレングリコールと呼ばれ下記の一般式(2)で表わされる。
両者とも水系媒体を用いた液材料における消泡剤、濡れ剤、分散剤として、各方面の水系材料に使用されている。
【0022】
【化3】

(式中のR、R、Rは水素原子または分岐してもよい炭素鎖を表わし、炭素鎖には不飽和結合を含んでいてもよい。)
【0023】
【化4】

(式中のR、R、Rは分岐してもよい炭素鎖を表わし、炭素鎖には不飽和結合を含んでいてもよい。)
これらの中でもアセチレンアルコールが好適である。
【0024】
前記アセチレンアルコールは、本発明における樹脂材料又はその前駆体中へのカーボンブラックの分散に効果が大きいが、その中でも一般式(1)のR、R、Rの炭素数がそれぞれ20以下であると、カーボンブラック表面に吸着しやすく、粒子間の凝集を抑制することができ、分散剤としての効果が高い点から特に好ましく、炭素数0〜10がより好ましい。
、R、Rのどれか1種でも炭素数が21以上になると、カーボンブラック分散液にポリアミック酸を添加し塗工液を調製する際に、カーボンブラックの粒径増加が見られるため、分散剤としての効果が半減する。
Rは、水素原子、単結合、アルキレン基、アリール基などが挙げられる。
【0025】
前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられる。
前記アリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基などが挙げられる。
【0026】
アセチレングリコールは、水系以外の材料でも分散剤として使用されているが、前記アセチレンアルコールに比べてカーボンブラックとの親和性が悪いため、カーボンブラックを細かく分散しにくいだけでなく、塗工液調製時にカーボンブラックが非常に凝集するため安定性に劣っている。以上のことからもアセチレンアルコールを使用することが好ましい。
【0027】
前記アセチレンアルコールは、例えば3−ブチン−2−オール、1−オクチン−3−オール、1,1,3−トリフェニル−2−プロピン−1−オール、1,1−ジフェニル−2−プロピン−1−オール、1−ヘプチン−3−オール、1−ヘキシン−3−オール、1−オクチン−3−オール、1−ペンチン−3−オール、1−フェニル−2−プロピン−1−オール、2,2,8,8−テトラメチル−3,6−ノナジイン−5−オール、2−ブチン−1−オール、2−デシン−1−オール、2−ヘプチン−1−オール、2−ヘキシン−1−オール、2−メチル−4−フェニル−3−ブチン−2−オール、2−ペンチン−1−オール、2−プロピン−1−オール、3,4−ジメチル−1−ペンチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、3,6−ジメチル−1−ヘプチン−3−オール、3−エチル−1−ヘプチン−3−オール、3−エチル−1−ペンチン−3−オール、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3−メチル−1−ペンテン−4−イン−3−オール、3−メチル−1−ペンチン−3−オール、3−フェニル−2−プロピン−1−オール、4−エチル−1−オクチン−3−オール、5−メチル−1−ヘキシン−3−オールなどが挙げられる。
前記アセチレンアルコールはアセチレンのグリニヤール試薬やリチウム試薬とカルボニル化合物との付加反応を利用して合成することができる。
【0028】
また、前記カーボンブラックとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、酸性カーボンが好適であり、具体的には、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ガスブラック等が挙げられる。前記カーボンブラックは、好ましくは表面抵抗で1×10〜1×1013Ω/□、体積抵抗で1×10〜1×1012Ω・cmになる量を含有させるが、機械強度の面から、膜が脆く割れやすくならない程度の添加量で達成できるものを選択することが好ましい。
カーボンブラックとアセチレンアルコールは、極性有機溶媒(例えば、N−メチル−2−ピロリドン)下で、充分に分散を行なってから、ポリイミド前駆体溶液、又はポリアミドイミド前駆体溶液と混合し塗工液を調製する。
【0029】
前記アセチレンアルコールの添加量は、前記カーボンブラックに対して1〜100重量%以下(固形分)が好ましく、5〜75重量%(固形分)がより好ましい。
前記添加量が1重量%を下回ると、分散剤としての効果が充分に発揮されないため、カーボンブラックを微分散することができず、逆に100重量%を超えると、ポリアミック酸添加時の粒径増大が大きくなり、分散剤としての効果が半減する。
【0030】
さらに、ポリイミド、もしくはポリアミドイミド前駆体溶液に、カーボンブラック分散液を混合した際のカーボンブラックのショック凝集抑制をより効果的にするために、更に、後述するベース樹脂を少量添加して分散を行なうとより好ましい結果をもたらす。
前記ベース樹脂の添加量は、前記カーボンブラックに対して0.05〜50重量%(固形分)が好ましく、0.1〜20重量%(固形分)がより好ましい。
前記ベース樹脂の添加量が50重量%を超えると、カーボンブラック分散液の粘度がかなり高くなることによりカーボンブラックの分散性が悪化するため好ましくない。
【0031】
前記カーボンブラックの前記中間転写体における含有量としては、5〜35重量%が好ましく、15〜25重量%がより好ましい。
前記含有量が5重量%未満であると、カーボンブラックの添加効果が充分に得られないことがあり、35重量%を超えると、中間転写体の機械強度が低下し、実使用レベルを満たさないことがある。
【0032】
続いて、分散工程について説明する。
本発明に使用する分散機は、一般に使用される分散機であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ボールミル、ロールミル、サンドミルなどが挙げられる。
これらの中でも、高速型のサンドミルが好ましく、例えば、スーパーミル、サンドグラインダー、ビーズミル、アジテータミル、グレンミル、ダイノーミル、パールミル、コボルミル(いずれも商品名)等が挙げられる。
【0033】
前記カーボンブラックの一次粒子径は、10nm〜1μmであるが、分散液中に混入する場合、カーボンブラックの分散時に凝集を生じることがある。
前記カーボンブラック分散液中におけるカーボンブラックは、体積平均粒径が10〜300nmのものであることが好ましく、50〜250nmがより好ましい。
前記中間転写体用塗工液中におけるアセチレンアルコールで処理したカーボンブラックの体積平均粒径が、10〜300nmであることが好ましく、50〜250nmがより好ましい。
前記カーボンブラックの体積平均粒径が300nmを超えると、中間転写体の製造工程中に表面層に存在する粒子径の大きなカーボンブラックがベルト表面の突起となり、表面精度の悪化や抵抗の不均一化、更には半導電性ベルトの電気的負荷による抵抗の低下を引き起こす原因となることがある。
一方、前記カーボンブラックの体積平均粒径が10nm未満であると、所望の抵抗値を得るには添加量が過大で中間転写体の機械特性が低下してしまうことがある。
ここで、前記カーボンブラックの体積平均粒径は、例えば、得られたカーボンブラック分散液、及び中間転写体用塗工液を分散溶媒で希釈したサンプルを、粒度分析計(例えば、日機装株式会社製、マイクロトラックUPA)を用いて測定することができる。
【0034】
<ベース樹脂>
前記ベース樹脂としては、ポリイミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂のいずれか(したがって、分散液段階ではそれらの前駆体)が好適である。なお、前記ベース樹脂は、上述したように、前記カーボンブラック分散液中に添加しても構わない。
−ポリイミド樹脂−
前記ポリイミド樹脂は、一般的に知られている多価カルボン酸無水物又はその誘導体、例えば芳香族多価カルボン酸無水物又はその誘導体と、芳香族ジアミンとの反応によって、ポリアミック酸(ポリイミド前駆体)を経由して得られる。
このポリイミド樹脂は、その剛直な主鎖構造により溶媒等に対して不溶であり、また、不融の性質を持つため、前記多価カルボン酸無水物と芳香族ジアミンから、まず、有機溶媒に可溶なポリイミド前駆体(ポリアミック酸、又はポリアミド酸)を合成する。
この段階で様々な方法で成型加工が行なわれ、その後、ポリアミック酸を加熱もしくは化学的な方法で脱水反応させて、環化(イミド化)し、ポリイミドとする。この反応の概略を下記反応式に示す。
【0035】
【化5】

(ただし、前記反応式中、Arは、少なくとも1つの炭素6員環を含む4価の芳香族残基を表わす。Arは、少なくとも1つの炭素6員環を含む2価の芳香族残基を表わす。)
【0036】
前記多価カルボン酸無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシルフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
またその他、例えば、エチレンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0037】
前記多価カルボン酸無水物と反応させる芳香族ジアミンとしては、例えば、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホキシド、ビス(3−アミノフェニル)スルホン、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、1,1−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,1−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−エタン、1,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、2,2−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホキシド、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホキシド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、1,4−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、1,3−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、4,4’−ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ジフェニルエーテル、4,4’−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ジフェニルエーテル、4,4’−ビス〔4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ〕ベンゾフェノン、4,4’−ビス〔4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ〕ジフェニルスルホン、ビス〔4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル〕スルホン、1,4−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ〕−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン、1,3−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン、などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、中間転写体の物性を効果的に発現するため、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを用いることが特に好ましい。
【0038】
前記多価カルボン酸無水物成分とジアミン成分とを略等モル用いて有機極性溶媒中で重合反応させることにより、ポリイミド前駆体(ポリアミック酸)を得ることができる。
以下、ポリアミック酸の製造方法について具体的に説明する。
【0039】
前記ポリイミド前駆体を製造する場合の例として、まず、アルゴン、窒素などの不活性ガス雰囲気下において、1種又は複数種のジアミンを上記の有機溶媒に溶解するか、又はスラリー状に分散させる。
この溶液に前記した少なくとも1種の前記多価カルボン酸無水物、又はその誘導体を添加(固体状態のままでも、有機溶媒に溶解した溶液状態でも、スラリー状態でもよい)すると、発熱を伴って開環重付加反応が起こり、急速に溶液の粘度増大が見られ、高分子量のポリアミック酸溶液が得られる。この際の反応温度は、通常−20℃〜100℃が好ましく、60℃以下に制御することがより好ましい。
反応時間は、30分間〜12時間が好ましい。
【0040】
上記は一例であり、反応における上記添加手順とは逆に、まず前記多価カルボン酸無水物又はその誘導体を有機溶媒に溶解又は拡散させておき、この溶液中に前記ジアミンを添加させてもよい。
ジアミンの添加は、固体状態のままでも、有機溶媒に溶解した溶液状態でも、スラリー状態でもよい。即ち、酸二無水物成分と、ジアミン成分との混合順序は限定されない。更には、前記テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとを同時に有機極性溶媒中に添加して反応させてもよい。
【0041】
上記のようにして、前記多価カルボン酸無水物又はその誘導体と、芳香族ジアミン成分とをおよそ等モル、有機極性溶媒中で重合反応することにより、ポリアミック酸が有機極性溶媒中に均一に溶解した状態でポリイミド前駆体溶液が得られる。
【0042】
前記ポリアミック酸の重合反応に使用される有機極性溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド等のホルムアミド系溶媒;N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド等のアセトアミド系溶媒;N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン等のピロリドン系溶媒;フェノール、o−、m−、又はp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコール等のフェノール系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン等のエーテル系溶媒;メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコール系溶媒;ブチルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒、ヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどを挙げることができる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリアミック酸の溶解性の点から、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンが特に好ましい。
【0043】
前記ポリアミック酸は、加熱する方法(1)、又は化学的方法(2)によってイミド化することができる。
加熱する方法(1)は、ポリアミック酸を例えば200〜350℃に加熱処理することによってポリイミドに転化する方法であり、ポリイミド(ポリイミド樹脂)を得る簡便かつ実用的な方法である。
一方、化学的方法(2)は、ポリアミック酸を脱水環化試薬(カルボン酸無水物と第3アミンの混合物など)により反応した後、加熱処理して完全にイミド化する方法であり、前記(1)の加熱する方法に比べると煩雑でコストのかかる方法であるため、通常、前記(1)の方法が多く用いられている。
なお、ポリイミドの本来的な性能を発揮させるためには、相当するポリイミドのガラス転移温度以上に加熱して、イミド化を完結させることが好ましい。
ここで、イミド化の進行状況(イミド化の程度)は、通常行なわれているイミド化率の測定手法により評価することができる。
【0044】
このようなイミド化率の測定方法としては、例えば、9〜11ppm付近のアミド基に帰属される1Hと6〜9ppm付近の芳香環に帰属される1Hとの積分比から算出する核磁気共鳴分光法(NMR法)、フーリエ変換赤外分光法(FT−IR法)、イミド閉環に伴う水分を定量する方法、カルボン酸中和滴定法など種々の方法が用いられているが、中でもフーリエ変換赤外分光法(FT−IR法)は最も一般的な方法である。
【0045】
前記フーリエ変換赤外分光法(FT−IR法)では、イミド化率を、例えば、次のように定義する。即ち、焼成段階(イミド化処理段階)でのイミド基のモル数を(A)とし、100%イミド化された場合(理論的)のイミド基のモル数を(B)とすると、下記数式により表わされる。
【0046】
【数1】


この定義におけるイミド基のモル数は、FT−IR法により測定されるイミド基の特性吸収の吸光度比から求めることができる。例えば、代表的な特性吸収として、以下の吸光度比を用いてイミド化率を評価することができる。
(1)イミドの特性吸収の1つである725cm−1(イミド環C=O基の変角振動帯)と、ベンゼン環の特性吸収1,015cm−1との吸光度比
(2)イミドの特性吸収の1つである1,380cm−1(イミド環C−N基の変角振動帯)と、ベンゼン環の特性吸収1,500cm−1との吸光度比
(3)イミドの特性吸収の1つである1,720cm−1(イミド環C=O基の変角振動帯)と、ベンゼン環の特性吸収1,500cm−1との吸光度比
(4)イミドの特性吸収の1つである1,720cm−1とアミド基の特性吸収1,670cm−1(アミド基N−H変角振動とC−N伸縮振動の間の相互作用)との吸光度比
また、3000〜3300cm−1にかけてのアミド基由来の多重吸収帯が消失していることを確認すれば更にイミド化完結の信頼性は高まる。
【0047】
−ポリアミドイミド樹脂−
前記ポリアミドイミド樹脂は、分子骨格中に剛直なイミド基と柔軟性を付与するアミド基を有する樹脂であり、本発明に用いられるポリアミドイミドとしては一般的に知られている構造のものを使用することができる。
一般的に、ポリアミドイミド樹脂を合成する方法としては、酸クロライド法(a):酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体ハライド、最も代表的には当該誘導体のクロライド化合物とジアミンとを溶媒中で反応させて製造する公知の方法(例えば、特公昭42−15637号公報参照)が知られている。
【0048】
また、別な方法として、イソシアネート法(b):酸無水物基とカルボン酸を含む3価の誘導体と芳香族イソシアネートとを溶媒中で反応させて製造する公知の方法(例えば、特公昭44−19274号公報)等が知られており、いずれも使用することができる。
各製造方法について以下に説明する。
【0049】
(a)酸クロライド法
酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体ハライド化合物としては、例えば、下記式(2)で表わされる化合物、又は下記式(3)で表わされる化合物を使用することができる。
【0050】
【化6】

【0051】
【化7】

(ただし、前記式(2)及び式(3)中、Xはハロゲン元素を示し、Yは−CH−、−CO−、−SO−又はO−を示す。)
【0052】
前記式(2)及び式(3)において、ハロゲン元素としては、塩素原子が好ましく、誘導体としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、4,4’ビフェニルジカルボン酸、4,4’ビフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’ビフェニルスルホンジカルボン酸、4,4’ベンゾフェノンジカルボン酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、3,3’,4,4’ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’ビフェニルスルホンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’ビフェニルテトラカルボン酸、アジピン酸、セバチン酸、マレイン酸、フマル酸、ダイマー酸、スチルベンジカルボン酸、1,4シクロヘキサンジカルボン酸、1,2シクロヘキサンジカルボン酸等の多価カルボン酸の酸クロライドなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0053】
一方、ジアミンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、芳香族ジアミン、脂肪族ジアミン、脂環族ジアミンなどが挙げられ、これらの中でも、芳香族ジアミンが特に好ましい。
前記芳香族ジアミンとしては、例えば、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、オキシジアニリン、メチレンジアミン、ヘキサフルオロイソプロピリデンジアミン、ジアミノ−m−キシリレン、ジアミノ−p−キシリレン、1,4−ナフタレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、2,7−ナフタレンジアミン、2,2’−ビス−(4−アミノフェニル)プロパン、2,2’−ビス−(4−アミノフェニル)へキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4−ジアミノジフェニルエーテル、イソプロピリデンジアニリン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、o−トリジン、2,4−トリレンジアミン、1,3−ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス−(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス−(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス−[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、4,4’−ビス−(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2’−ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]へキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0054】
また、前記ジアミンとして両末端にアミノ基を有するシロキサン系化合物、例えば、1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシメチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノフェノキシメチル)ポリジメチルシロキサン、1,3,−ビス(2−(3−アミノフェノキシ)エチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(2−(3−アミノフェノキシ)エチル)ポリジメチルシロキサン、1,3−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)プロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)プロピル)ポリジメチルシロキサンなどを用いればシリコーン変性ポリアミドイミドを得ることができる。
【0055】
前記酸クロライド法により本発明におけるポリアミドイミド(ポリアミドイミド樹脂)を得るためには、ポリイミド樹脂の製造の場合と同様に、上記した酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体ハライドとジアミンとを有機極性溶媒に溶解した後、低温(0〜30℃)で反応させて、ポリアミドイミド前駆体(ポリアミド−アミック酸)とする。
【0056】
前記有機極性溶媒としては、前記ポリイミドと同様であり、ホルムアミド系溶媒(例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド等)、アセトアミド系溶媒(例えば、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド等)、ピロリドン系溶媒(例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン等)、フェノール系溶媒(例えば、フェノール、o−、m−、又はp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコール等)、エーテル系溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン等)、アルコール系溶媒(例えば、メタノール、エタノール、ブタノール等)、セロソルブ系溶媒(例えば、ブチルセロソルブ等)、ヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリアミック酸の溶解性の点から、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンが特に好ましい。
【0057】
上記により得られたポリアミド・ポリアミック酸溶液を支持体(成形用の型)に塗布された後、加熱等の処理することにより、ポリアミック酸からポリイミドへの転化(イミド化)が行なわれる。
【0058】
前記イミド化の方法としては、加熱処理により脱水閉環させる方法、及び脱水閉環触媒を用いて化学的に閉環させる方法が挙げられる。
加熱処理により脱水閉環させる場合、例えば、反応温度は150〜400℃が好ましく、180〜350℃がより好ましい。
加熱処理時間は30秒間〜10時間が好ましく、5分間〜5時間がより好ましい。
また、脱水閉環触媒を用いる場合、反応温度は0〜180℃が好ましく、10〜80℃がより好ましい。
反応時間は数十分間〜数日間が好ましく、2時間〜12時間がより好ましい。
脱水閉環触媒としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、安息香酸等の酸無水物等が挙げられる。
【0059】
(b)イソシアネート法
前記イソシアネート法の場合に用いる酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体としては、例えば、下記式(IV)で表わされる化合物、又は下記式(V)で表わされる化合物を用いることができる。
【0060】
【化8】

(ただし、前記式(IV)中、Rは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、又はフェニル基を示す。)
【0061】
【化9】

(ただし、前記式(V)中、Rは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、又はフェニル基を表わす。Yは−CH−、−CO−、−SO−、又はO−を表わす。)
【0062】
上記式で表わされる3価のカルボン酸の誘導体は何れも使用することができるが、最も代表的には無水トリメリット酸が挙げられる。また、これらの酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体は、目的に応じて単独又は混合して用いることができる。
【0063】
前記ポリアミドイミドの合成に用いられる一方の芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4′−〔2,2−ビス(4−フェノキシフェニル)プロパン〕ジイソシアネート、ビフェニル−4,4′−ジイソシアネート、ビフェニル−3,3′−ジイソシアネート、ビフェニル−3,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメチルビフェニル−4,4′−ジイソシアネート、2,2′−ジメチルビフェニル−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジエチルビフェニル−4,4′−ジイソシアネート、2,2′−ジエチルビフェニル−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメトキシビフェニル−4,4′−ジイソシアネート、2,2′−ジメトキシビフェニル−4,4′−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、ナフタレン−2,6−ジイソシアネートなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0064】
更に必要に応じて、前記芳香族ポリイソシアネートの一部として、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、水添m−キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族、脂環式イソシアネート、3官能以上のポリイソシアネートなどを使用することもできる。
【0065】
上記各酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体と、芳香族ポリイソシアネートとを有機極性溶媒に溶解し、調整して得られるポリアミドイミド前駆体を含む溶液を基体(又は型)に塗布した後、加熱処理することにより、ポリアミドイミド前駆体からポリアミドイミドへの転化が行なわれる。
この方法によるポリアミドイミドへの転化の際、概略ポリアミック酸を経由することなく(炭酸ガスを発生して)ポリアミドイミドを生成する。
【0066】
ここで、下記反応式(VI)に無水トリメリット酸と芳香族イソシアネートとを用いた場合のポリアミドイミド化の例を示す。
【0067】
【化10】

(ただし、前記反応式(VI)中、Arは芳香族基を示す。)
【0068】
上記反応式(VI)に示した、ポリイミド及びポリアミドイミドは、通常単独で使用するが、相溶性を考慮して選択されたものを併用することも可能である。
また、ポリイミド繰返単位とポリアミドイミド繰返単位を有する共重合体であってもよい。
【0069】
前記ポリイミド前駆体溶液(ポリアミック酸溶液)は、上記のようにして合成したものを使用することが可能であるが、簡便には有機溶媒にポリアミック酸組成物が溶解された状態の、いわゆるポリイミドワニスとして上市されているものを入手して使用することもできる。
このような市販品としては、例えば、トレニース(東レ社製)、U−ワニス(宇部興産社製)、リカコート(新日本理化社製)、オプトマー(JSR社製)、SE812(日産化学社製)、CRC8000(住友ベークライト社製)等が代表的なものとして挙げられる。
このように合成又は入手したポリアミック酸溶液に、必要に応じて充填剤を混合し、分散させて塗工液が調製される。塗工液を後述のように支持体(成形用の型)に塗布した後、加熱等の処理することにより、ポリイミド前駆体であるポリアミック酸からポリイミドへの転化(イミド化)が行なわれる。
【0070】
次に、前記ポリイミド前駆体又はポリアミドイミド前駆体を含む塗工液を用いてシームレスベルトを製造する方法として、最も好ましい方法の一つである遠心成形について説明する。なお、以下の説明は、一例であり条件などこれに限定されるものではない。
【0071】
前記遠心成形は、円筒状の回転体から構成されるものであり、この円筒状の回転体をゆっくりと回転させながら塗工液を円筒の内面全体に均一になるように塗布し、流延(塗膜を形成)する。
その後、回転速度を所定速度まで上げ、所定速度に達したら一定速度に維持し、所望の時間回転を継続する。そして、回転させつつ徐々に昇温させながら、約80〜150℃の温度で塗膜中の溶媒を蒸発させていく。この過程では、雰囲気の蒸気(揮発した溶媒等)を効率よく循環して取り除くことが好ましい。
自己支持性のある膜が得られたところで常温に戻し、高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に移し、段階的に昇温し、最終的に250℃〜450℃程度の高温加熱処理(焼成)し、充分にポリイミド前駆体又はポリアミドイミド前駆体のイミド化又はポリアミドイミド化を行なう。
イミド化等が完了後、徐冷して薄膜を型から剥離する。
このようにしてシームレスベルトが形成される。なお、型には、剥離しやすいように予め、離型剤又は離型層を形成しておくことが好ましい。
【0072】
前記ポリイミド前駆体溶液へのカーボンブラック及び高抵抗金属酸化物の分散は、ビーズミル、ボールミル、ナノマイザー、ペイントシェーカー、ジェットミルなどの分散器を用いて行なうことが好ましい。
【0073】
以上説明したように、本発明の中間転写体は、電気特性が均一であり、かつ画像形成装置のバイアス条件変動によらず、線画像散りや逆転写による白抜け等の異常画像が発生することがなく、長期に亘って安定した高品質画像を維持することができるので、各種用塗に用いることができるが、これらの中でも、以下に説明する画像形成装置に特に好適に用いられる。
【0074】
<画像形成装置>
本発明の画像形成装置は、潜像が形成され、トナー像を担持可能な像担持体と、該像担持体上に形成された潜像をトナーで現像する現像手段と、該現像手段により現像されたトナー像が一次転写される中間転写体と、該中間転写体上に担持されたトナー像を記録媒体に二次転写する転写手段とを有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
この場合、前記画像形成装置がフルカラー画像形成装置であって、各色の現像手段を有する複数の潜像担持体を直列に配置してなるものが好ましい。
【0075】
<画像形成方法>
また、前記本発明の画像形成装置における画像形成方法としては、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
前記画像形成方法は、前記画像形成装置により好適に実施することができ、前記静電潜像形成工程は前記静電潜像形成手段により行なうことができ、前記現像工程は前記現像手段により行なうことができ、前記転写工程は前記転写手段により行なうことができ、前記定着工程は前記定着手段により行なうことができ、前記その他の工程は前記その他の手段により行なうことができる。
【0076】
−静電潜像形成工程及び静電潜像形成手段―
前記静電潜像形成工程は、像担持体上に静電潜像を形成する工程である。
前記像担持体としては、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適に挙げられ、その材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体、などが挙げられる。これらの中でも、長寿命性の点でアモルファスシリコン無機感光体やフタロシアニン系ポリメチン顔料を用いた有機感光体が好適に用いられる。
【0077】
前記静電潜像の形成は、例えば、前記像担持体の表面を一様に帯電させた後、像様に露光することにより行なうことができ、前記静電潜像形成手段により行なうことができる。
前記静電潜像形成手段は、例えば、前記像担持体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
【0078】
前記帯電は、例えば、前記帯電器を用いて前記像担持体の表面に電圧を印加することにより行なうことができる。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、などが挙げられる。
【0079】
前記露光は、例えば、前記露光器を用いて前記像担持体の表面を像様に露光することにより行なうことができる。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行なうことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、などの各種露光器が挙げられる。
なお、前記像担持体の裏面側から像様に露光を行なう光背面方式を採用してもよい。
【0080】
−現像工程及び現像手段−
前記現像工程は、前記静電潜像を、前記現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を前記現像剤を用いて現像することにより行なうことができ、前記現像手段により行なうことができる。
【0081】
前記現像手段は、例えば、前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、前記現像剤を収容し、前記静電潜像に該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
前記現像器は、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよく、また、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよく、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
前記現像器内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。
該マグネットローラは、前記像担持体(感光体)近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該像担持体(感光体)の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該像担持体(感光体)の表面に該トナーによる可視像が形成される。
前記現像器に収容させる現像剤は、前記現像剤であるが、該現像剤としては一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよい。
【0082】
−転写工程及び転写手段−
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、本発明の前記中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
【0083】
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記像担持体(感光体)を帯電することにより行なうことができ、前記転写手段により行なうことができる。
前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
前記中間転写体としては、本発明の前記中間転写体である中間転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記像担持体(感光体)上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写手段は、1つであってもよいし、2以上であってもよい。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。なお、前記記録媒体としては、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
【0084】
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を定着装置を用いて定着させる工程であり、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行なってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行なってもよい。
前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。
【0085】
前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組み合わせ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組み合わせ、などが挙げられる。
前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
【0086】
前記除電工程は、前記像担持体に対し除電バイアスを印加して除電を行なう工程であり、除電手段により好適に行なうことができる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
【0087】
前記クリーニング工程は、前記像担持体上に残留する前記電子写真トナーを除去する工程であり、クリーニング手段により好適に行なうことができる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記像担持体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
【0088】
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去した前記電子写真トナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行なうことができる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御手段は、前記各工程を制御する工程であり、制御手段により好適に行なうことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
【0089】
ここで、本発明における画像形成装置に装備されるベルト構成部に用いられるシームレスベルトについて、要部模式図を参照しながら以下に詳しく説明する。なお、模式図は一例であってこれに限定されるものではない。
【0090】
図1は、本発明のベルト部材等を装備した画像形成装置の要部概略構成を示す図である。
図1に示すベルト部材を含む中間転写ユニット(500)は、複数のローラに張架された中間転写体である中間転写ベルト(501)などにより構成されている。
この中間転写ベルト(501)の周りには、二次転写ユニット(600)の二次転写電荷付与手段である二次転写バイアスローラ(605)、中間転写体クリーニング手段であるベルトクリーニングブレード(504)、潤滑剤塗布手段の潤滑剤塗布部材である潤滑剤塗布ブラシ(505)などが対向するように配設されている。
【0091】
また、位置検知用マークが中間転写ベルト(501)の外周面又は、内周面に図示しない位置検知用マークが設けられる。
ただし、中間転写ベルト(501)の外周面側については、位置検知用マークがベルトクリーニングブレード(504)の通過域を避けて設ける工夫が必要であり、配置上の困難さを伴うことがあるので、その場合には位置検知用マークを中間転写ベルト(501)の内周面側に設けてもよい。
マーク検知用センサとしての光学センサ(514)は、中間転写ベルト(501)が架け渡されている一次転写バイアスローラ(507)とベルト駆動ローラ(508)との間の位置に設けられる。
【0092】
この中間転写ベルト(501)は、一次転写電荷付与手段である一次転写バイアスローラ(507)、ベルト駆動ローラ(508)、ベルトテンションローラ(509)、二次転写対向ローラ(510)、クリーニング対向ローラ(511)、及びフィードバック電流検知ローラ(512)に張架されている。
各ローラは導電性材料で形成され、一次転写バイアスローラ(507)以外の各ローラは接地されている。
一次転写バイアスローラ(507)には、定電流又は定電圧制御された一次転写電源(801)により、トナー像の重ね合わせ数に応じて所定の大きさの電流又は電圧に制御された転写バイアスが印加されている。
【0093】
中間転写ベルト(501)は、図示しない駆動モータによって矢印方向に回転駆動されるベルト駆動ローラ(508)により、矢印方向に駆動される。
このベルト部材である中間転写ベルト(501)としては、本発明のアセチレンアルコールを含んだカーボンブラックを含有するシームレスベルトが用いられ、これによって耐久性が向上すると共に、優れた画像形成が実現できる。
また、中間転写ベルトは、感光体ドラム(200)上に形成されたトナー像を重ね合わせるために、通紙可能最大サイズより大きく設定されている。
【0094】
二次転写手段である二次転写バイアスローラ(605)は、二次転写対向ローラ(510)に張架された部分の中間転写ベルト(501)のベルト外周面に対して、後述する接離手段としての接離機構によって、接離可能に構成されている。
二次転写バイアスローラ(605)は、二次転写対向ローラ(510)に張架された部分の中間転写ベルト(501)との間に被記録媒体である転写紙(P)を挟持するように配設されており、定電流制御される二次転写電源(802)によって所定電流の転写バイアスが印加されている。
【0095】
レジストローラ(610)は、二次転写バイアスローラ(605)と二次転写対向ローラ(510)に張架された中間転写ベルト(501)との間に、所定のタイミングで記録媒体である転写紙(P)を送り込む。
また、二次転写バイアスローラ(605)には、クリーニング手段であるクリーニングブレード(608)が当接している。
該クリーニングブレード(608)は、二次転写バイアスローラ(605)の表面に付着した付着物を除去してクリーニングするものである。
【0096】
このような構成のカラー複写機において、画像形成サイクルが開始されると、感光体ドラム(200)は、図示しない駆動モータによって矢印で示す半時計方向に回転され、該感光体ドラム(200)上に、Bk(ブラック)トナー像形成、C(シアン)トナー像形成、M(マゼンタ)トナー像形成、Y(イエロー)トナー像形成が行なわれる。
【0097】
中間転写ベルト(501)は、ベルト駆動ローラ(508)によって矢印で示す時計回りに回転される。
この中間転写ベルト(501)の回転に伴って、一次転写バイアスローラ(507)に印加される電圧による転写バイアスにより、Bkトナー像、Cトナー像、Mトナー像、Yトナー像の一次転写が行なわれ、最終的にBk、C、M、Yの順に中間転写ベルト(501)上に各トナー像が重ね合わせて形成される。
【0098】
例えば、上記Bkトナー像形成は次のように行なわれる。
図1において、帯電チャージャ(203)は、コロナ放電によって感光体ドラム(200)の表面を負電荷で所定電位に一様に帯電する。
上記ベルトマーク検知信号に基づき、タイミングを定め、図示しない書き込み光学ユニットにより、Bkカラー画像信号に基づいてレーザ光によるラスタ露光を行なう。
このラスタ像が露光されたとき、当初一様帯電された感光体ドラム(200)の表面の露光された部分は、露光光量に比例する電荷が消失し、Bk静電潜像が形成される。
このBk静電潜像に、Bk現像器(231K)の現像ローラ上の負帯電されたBkトナーが接触することにより、感光体ドラム(200)の電荷が残っている部分にはトナーが付着せず、電荷のない部分つまり露光された部分にはトナーが吸着し、静電潜像と相似なBkトナー像が形成される。
【0099】
このようにして感光体ドラム(200)上に形成されたBkトナー像は、感光体ドラム(200)と接触状態で等速駆動回転している中間転写ベルト(501)のベルト外周面に一次転写される。この一次転写後の感光体ドラム(200)の表面に残留している若干の未転写の残留トナーは、感光体ドラム(200)の再使用に備えて、感光体クリーニング装置(201)で清掃される。
この感光体ドラム(200)側では、Bk画像形成工程の次にY画像形成工程に進み、所定のタイミングでカラースキャナによるY画像データの読み取りが始まり、そのY画像データによるレーザ光書き込みによって、感光体ドラム(200)の表面にY静電潜像を形成する。
そして、先のBk静電潜像の後端部が通過した後で、かつY静電潜像の先端部が到達する前にリボルバ現像ユニット(230)の回転動作が行なわれ、Y現像機(231Y)が現像位置にセットされ、Y静電潜像がYトナーで現像される。
【0100】
以後、Y静電潜像領域の現像を続けるが、Y静電潜像の後端部が通過した時点で、先のBk現像機(231K)の場合と同様にリボルバ現像ユニットの回転動作を行ない、次のC現像機(231C)を現像位置に移動させる。
これもやはり次のC静電潜像の先端部が現像位置に到達する前に完了させる。なお、C及びMの画像形成工程については、それぞれのカラー画像データ読み取り、静電潜像形成、現像の動作が上述のBk、Yの工程と同様であるので説明は省略する。
【0101】
このようにして感光体ドラム(200)上に順次形成されたBk、Y、C、及びMのトナー像は、中間転写ベルト(501)上の同一面に順次位置合わせされて一次転写される。
これにより、中間転写ベルト(501)上に最大で4色が重ね合わされたトナー像が形成される。
【0102】
一方、上記画像形成動作が開始される時期に、転写紙(P)が転写紙カセット又は手差しトレイなどの給紙部から給送され、レジストローラ(610)のニップで待機している。
そして、二次転写対向ローラ(510)に張架された中間転写ベルト(501)と二次転写バイアスローラ(605)によりニップが形成された二次転写部に、上記中間転写ベルト(501)上のトナー像の先端がさしかかるときに、転写紙(P)の先端がこのトナー像の先端に一致するように、レジストローラ(610)が駆動されて、転写紙ガイド板(601)に沿って転写紙(P)が搬送され、転写紙(P)とトナー像とのレジスト合わせが行なわれる。
【0103】
このようにして、転写紙(P)が二次転写部を通過すると、二次転写電源(802)によって二次転写バイアスローラ(605)に印加された電圧による転写バイアスにより、中間転写ベルト(501)上の4色重ねトナー像が転写紙(P)上に一括転写(二次転写)される。
この転写紙(P)は、転写紙ガイド板(601)に沿って搬送されて、二次転写部の下流側に配置した除電針からなる転写紙除電チャージャ(606)との対向部を通過することにより除電された後、ベルト構成部であるベルト搬送装置(210)により定着装置(270)に向けて送られる(図1参照)。
そして、この転写紙(P)は、定着装置(270)の定着ローラ(271)、(272)のニップ部でトナー像が溶融定着された後、図示しない排出ローラで装置本体外に送り出され、図示しないコピートレイに表向きにスタックされる。なお、定着装置(270)は必要によりベルト構成部を備えた構成とすることもできる。
【0104】
一方、上記ベルト転写後の感光体ドラム(200)の表面は、感光体クリーニング装置(201)でクリーニングされ、上記除電ランプ(202)で均一に除電される。
また、転写紙(P)にトナー像を二次転写した後の中間転写ベルト(501)のベルト外周面に残留した残留トナーは、ベルトクリーニングブレード(504)によってクリーニングされる。
該ベルトクリーニングブレード(504)は、図示しないクリーニング部材離接機構によって、該中間転写ベルト(501)のベルト外周面に対して所定のタイミングで接離されるように構成されている。
このベルトクリーニングブレード(504)の上記中間転写ベルト(501)の移動方向上流側には、該中間転写ベルト(501)のベルト外周面に対して接離するトナーシール部材(503)が設けられている。
【0105】
このトナーシール部材(503)は、上記残留トナーのクリーニング時に上記ベルトクリーニングブレード(504)から落下した落下トナーを受け止めて、該落下トナーが上記転写紙(P)の搬送経路上に飛散するのを防止している。
このトナーシール部材(503)は、上記クリーニング部材離接機構によって、上記ベルトクリーニングブレード(504)とともに、該中間転写ベルト(501)のベルト外周面に対して接離される。
【0106】
このようにして残留トナーが除去された中間転写ベルト(501)のベルト外周面には、上記潤滑剤塗布ブラシ(505)により削り取られた潤滑剤(506)が塗布される。
該潤滑剤(506)は、例えば、ステアリン酸亜鉛などの固形体からなり、該潤滑剤塗布ブラシ(505)に接触するように配設されている。
また、この中間転写ベルト(501)のベルト外周面に残留した残留電荷は、該中間転写ベルト(501)のベルト外周面に接触した図示しないベルト除電ブラシにより印加される除電バイアスによって除去される。
ここで、上記潤滑剤塗布ブラシ(505)及び上記ベルト除電ブラシは、それぞれの図示しない接離機構により、所定のタイミングで、上記中間転写ベルト(501)のベルト外周面に対して接離されるようになっている。
【0107】
ここで、リピートコピーの時は、カラースキャナの動作及び感光体ドラム(200)への画像形成は、1枚目の4色目Mの画像形成工程に引き続き、所定のタイミングで2枚目の1色目(Bk)の画像形成工程に進む。
また、中間転写ベルト(501)は、1枚目の4色重ねトナー像の転写紙への一括転写工程に引き続き、ベルト外周面の上記ベルトクリーニングブレード(504)でクリーニングされた領域に、2枚目のBkトナー像が一次転写されるようにする。その後は、1枚目と同様動作になる。
【0108】
以上は、4色フルカラーコピーを得るコピーモードであったが、3色コピーモード、2色コピーモードの場合は、指定された色と回数の分について、上記同様の動作を行なうことになる。
また、単色コピーモードの場合は、所定枚数が終了するまでの間、リボルバ現像ユニット(230)の所定色の現像機のみを現像動作状態にし、ベルトクリーニングブレード(504)を中間転写ベルト(501)に接触させたままの状態にしてコピー動作を行なう。
【0109】
上記実施形態では、感光体ドラム1を一つだけ備えた複写機について説明したが、本発明は、例えば、図2に示すような複数の感光体ドラムを一つの中間転写ベルトに沿って並設した画像形成装置にも適用できる。
図2は、4つの異なる色(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン)のトナー像を形成するための4つの感光体ドラム(21BK)、(21Y)、(21M)、(21C)を備えた4ドラム型のデジタルカラープリンタの一構成例を示す。
図2において、プリンタ本体(10)は電子写真方式によるカラー画像形成を行なうための、画像書込部(12)、画像形成部(13)、給紙部(14)、から構成されている。
【0110】
画像信号を元に画像処理部で画像処理して画像形成用の黒(BK)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、シアン(C)の各色信号に変換し、画像書込部(12)に送信する。
画像書込部(12)は、例えば、レーザ光源と、回転多面鏡等の偏向器と、走査結像光学系、及びミラー群、からなるレーザ走査光学系であり、上記の各色信号に対応した4つの書込光路を有し、画像形成部(13)の各色毎に設けられた像坦持体(感光体)(21BK)、(21M)、(21Y)、(21C)に各色信号に応じた画像書込を行なう。
画像形成部13は黒(BK)用、マゼンタ(M)用、イエロー(Y)用、シアン(C)用の各像坦持体である感光体(21BK)、(21M)、(21Y)、(21C)を備えている。
【0111】
この各色用の各感光体としては、通常OPC感光体が用いられる。
各感光体(21BK)、(21M)、(21Y)、(21C)の周囲には、帯電装置、上記書込部(12)からのレーザ光の露光部、黒、マゼンタ、イエロー、シアンの各色用の現像装置(20BK)、(20M)、(20Y)、(20C)、一次転写手段としての一次転写バイアスローラ(23BK)、(23M)、(23Y)、(23C)、クリーニング装置(表示略)、及び図示しない感光体除電装置等が配設されている。なお、上記現像装置(20BK)、(20M)、(20Y)、(20C)には、2成分磁気ブラシ現像方式を用いている。
【0112】
ベルト構成部である中間転写ベルト(22)は、各感光体(21BK)、(21M)、(21Y)、(21C)と、各一次転写バイアスローラ(23BK)、(23M)、(23Y)、(23C)との間に介在し、各感光体上に形成された各色のトナー像が順次重ね合わせて転写される。
【0113】
一方、転写紙(P)は、給紙部(14)から給紙された後、レジストローラ(16)を介して、ベルト構成部である転写搬送ベルト(50)に担持される。
そして、中間転写ベルト(22)と転写搬送ベルト(50)とが接触するところで、上記中間転写ベルト(22)上に転写されたトナー像が、二次転写手段としての二次転写バイアスローラ(60)により二次転写(一括転写)される。
これにより、転写紙(P)上にカラー画像が形成される。
このカラー画像が形成された転写紙(P)は、転写搬送ベルト(50)により定着装置(15)に搬送され、この定着装置(15)により転写された画像が定着された後、プリンタ本体外に排出される。
上記二次転写時に転写されずに上記中間転写ベルト(22)上に残った残留トナーは、ベルトクリーニング装置(25)によって中間転写ベルト(22)から除去される。このベルトクリーニング装置(25)の下流側には、潤滑剤塗布装置(表示略)が配設されている。
【0114】
この潤滑剤塗布装置は、固形潤滑剤と、中間転写ベルト(22)に摺擦して固形潤滑剤を塗布する導電性ブラシとで構成されている。
該導電性ブラシは、中間転写ベルト(22)に常時接触して、中間転写ベルト(22)に固形潤滑剤を塗布している。固形潤滑剤は、中間転写ベルト(22)のクリーニング性を高め、フィルミィングの発生を防止し耐久性を向上させる作用がある。
なお、本発明においては、上述したような中間転写ベルト(501)又は(22)を使用した中間転写ベルト方式の画像形成装置の他に、該中間転写ベルト(501)又は(22)の替りに転写搬送ベルトを使用した転写搬送ベルト方式の画像形成装置にも適用できる。また、この転写搬送ベルト方式の画像形成装置においても、上記1ドラム方式4ドラム方式の何れにも適用可能である。
【0115】
上記プロセスにおいて、感光体から中間転写ベルトへ転写される工程又は中間転写ベルトから紙に転写される工程において、転写に必要なバイアスが印加されるわけであるが、このバイアスは最適な画像濃度及び色バランスが満たされるような値に設定される。
また、これは環境変動や長期使用におけるベルト抵抗の変化やトナーの帯電量や付着量、感光体の帯電電位変化、用紙の種類や物性変化、などの様々な変動要因が生じた場合にも最適な画像となるようにプロセスコントロールによって制御される。
このとき、一次及び二次転写バイアス値もある範囲内で制御される。
転写性能を上げるためには、転写バイアスが高い方に制御されるが、このとき、ベルト抵抗の電圧依存性が高いと、バイアス変化に対する余裕度がなく、プロセスコントロールの制御範囲にも関わらず、転写ニップ内で微小放電が発生し、線画像部が散ったり、一度被転写体に転写した画像が再び戻る逆転写によりその部分の画像が抜けるような異常画像が発生する。
本発明の画像形成装置は、本発明の前記中間転写体を用いているので、長期に亘って異常画像が発生しない高品質な画像形成を行なうことができる。
【実施例】
【0116】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明は下記実施例のみに何ら限定されるものではない。
以下の実施例におけるカーボンブラックの粒径測定は以下のようにして測定される。
装置;ナノトラッックUPA150(日機装社製)
測定パラメーター;粒子屈折率1.82、粒子比重1.86g/cm
溶媒屈折率1.47、溶媒粘度1.63mPa・s
測定条件;サンプル液を溶媒にて200倍に希釈し、測定時間240secにて測定した。
【0117】
(実施例1)
−カーボンブラック分散液の調製−
下記処方の抵抗制御剤分散液組成分を、ボールミル(2mmφのジルコニアボール使用)を用いて回転速度200rpmの条件で12時間分散し、カーボンブラック分散液(以下、分散液(A)と呼ぶ)を得た。
抵抗制御剤;カーボンブラック(Special Black4:デグサ社製)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10重量部
分散剤;2−ブチン−1−オール・・・・・・・・・・・・・・・4重量部
(一般式(1)のRの炭素数=0(水素原子)、Rの炭素数=0(水素原子)、Rの炭素数=1であり、分散剤(1)の化合物)
溶媒;N−メチル−2−ピロリドン(NMP)(関東化学社製:特級)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・86重量部
【0118】
【化11】

【0119】
−シームレスベルト塗工液の調製−
まず、ビフェニル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸無水物と、p−フェニレンジアミンとの各等モルを、N−メチル−2−ピロリドン溶媒中で重合反応させて、ポリアミック酸溶液を得た。
これに、上記カーボンブラック分散液を、カーボンブラックがポリアミック酸の固形分の20質量%になるように調合し、よく攪拌し、混合して、シームレスベルト塗工液を調製した。
【0120】
−シームレスベルトAの作製−
次に、内径100mm、長さ300mmの内面を鏡面仕上げした金属製円筒を型として用い、この円筒型を50rpm(回/分)で回転させながら、上記シームレスベルト塗工液を円筒内面に均一に流延するように流して塗布した。
所定の全量を流し終えて塗膜が満遍なく広がった時点で、回転数を100rpmに上げ、熱風循環乾燥機に投入して、120℃まで徐々に昇温して60分間加熱した。
更に、昇温して200℃で20分間加熱し、回転を停止した。
徐冷して塗膜を形成した円筒を取り出し、高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に投入し、段階的に350℃まで昇温して、30分間加熱処理(焼成)した。
次いで、加熱を停止した後、常温まで徐冷してから塗膜を形成した円筒を取り出し、形成された塗膜を円筒内面から剥離して、厚み80μmのシームレスベルトAを作製した。
【0121】
(比較例1)
−シームレスベルトBの作製−
実施例1において分散剤(1)を添加しないカーボンブラック分散液(以下分散液(B)と呼ぶ)を調製し、これを用いてシームレスベルト塗工液を調製した以外は、実施例1と同様にして、シームレスベルトBを作製した。
【0122】
(実施例2)
−シームレスベルトCの作製−
実施例1において分散剤(1)の添加量を4重量部から0.009重量部に変えたカーボンブラック分散液を調製し、これを用いてシームレスベルト塗工液を調製した以外は、実施例1と同様にして、シームレスベルトCを作製した。
【0123】
(実施例3)
−シームレスベルトDの作製−
実施例1において分散剤(1)の添加量を4重量部から10.1重量部に変えたカーボンブラック分散液を調製し、これを用いてシームレスベルト塗工液を調製した以外は、実施例1と同様にして、シームレスベルトDを作製した。
【0124】
(実施例4)
−シームレスベルトEの作製−
実施例1において分散剤(1)を下記式で表わされる分散剤(2)(一般式(1)のRの炭素数=20、Rの炭素数=20、Rの炭素数=20)に変え、4重量部添加したカーボンブラック分散液を調製し、これを用いてシームレスベルト塗工液を調製した以外は、実施例1と同様にして、シームレスベルトEを作製した。
【0125】
【化12】

【0126】
(実施例5)
−シームレスベルトFの作製−
実施例1において分散剤(1)を下記式で表わされる分散剤(3)(一般式(1)のRの炭素数=21、Rの炭素数=20、Rの炭素数=20)に変え、4重量部添加したカーボンブラック分散液を調製し、これを用いてシームレスベルト塗工液を調製した以外は、実施例1と同様にして、シームレスベルトFを作製した。
【0127】
【化13】

(実施例6)
−シームレスベルトGの作製−
実施例1において、カーボンブラック分散液調製の際に、更にポリアミック酸をカーボンブラックに対して20重量%(固形分)添加し、分散させた以外は、実施例1と同様にして、シームレスベルトGを作製した。
【0128】
(実施例7)
−シームレスベルト塗工液の調製−
まず、ピロメリット酸無水物と、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートとの等モルを、N−メチルピロリドン溶媒中で150℃にて重合反応させて、固形分15重量%のポリアミドイミド溶液を得た。
この溶液に、実施例1で作製した分散液(A)を、カーボンブラックがポリアミドイミドの固形分の24重量%になるように調合し、よく攪拌し、混合してシームレスベルト塗工液を調製した。
【0129】
−シームレスベルトHの作製−
次に、実施例1と同様にして、内径100mm、長さ300mmの内面を鏡面仕上げした金属製円筒を型として用い、この円筒型を50rpm(回/分)で回転させながら、上記シームレスベルト塗工液を円筒内面に均一に流延するように流して塗布した。
所定の全量を流し終えて塗膜が満遍なく広がった時点で、回転数を100rpmに上げ、熱風循環乾燥機に投入して、120℃まで徐々に昇温して30分間加熱した。
その後、回転を停止し、徐冷して塗膜を形成した円筒を取り出し、高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に投入し、250℃まで昇温して、60分間加熱処理(焼成)した。
次いで、加熱を停止した後、常温まで徐冷してから塗膜を形成した円筒を取り出し、形成された塗膜を円筒内面から剥離し、厚み80μmのシームレスベルトHを作製した。
【0130】
(比較例2)
−シームレスベルトIの作製−
比較例1で作製した分散液(B)を使用した以外は、実施例7と同様にして、シームレスベルトIを作製した。
【0131】
(実施例8)
−シームレスベルトJの作製−
実施例7において分散剤(1)の添加量を4重量部から0.009重量部に変えたカーボンブラック分散液を調製し、これを用いてシームレスベルト塗工液を調製した以外は、実施例7と同様にして、シームレスベルトJを作製した。
【0132】
(実施例9)
−シームレスベルトKの作製−
実施例7において分散剤(1)の添加量を4重量部から10.1重量部に変えたカーボンブラック分散液を調製し、これを用いてシームレスベルト塗工液を調製した以外は、実施例7と同様にして、シームレスベルトKを作製した。
【0133】
(実施例10)
−シームレスベルトLの作製−
実施例7において分散剤(1)を下記式で表わされる分散剤(2)(一般式(1)のRの炭素数=20、Rの炭素数=20、Rの炭素数=20)に変え、4重量部添加したカーボンブラック分散液を調製し、これを用いてシームレスベルト塗工液を調製した以外は、実施例7と同様にして、シームレスベルトLを作製した。
【0134】
【化14】

【0135】
(実施例11)
−シームレスベルトMの作製−
実施例7において分散剤(1)を下記式で表わされる分散剤(3)(一般式(1)のRの炭素数=21、Rの炭素数=20、Rの炭素数=20)に変え、4重量部添加したカーボンブラック分散液を調製し、これを用いてシームレスベルト塗工液を調製した以外は、実施例7と同様にして、シームレスベルトMを作製した。
【0136】
【化15】

【0137】
(実施例12)
−シームレスベルトNの作製−
実施例7において、カーボンブラック分散液調製の際に、更にポリアミック酸をカーボンブラックに対して20重量%(固形分)添加し、分散させた以外は、実施例7と同様にして、シームレスベルトNを作製した。
次に、得られた実施例及び比較例の各カーボンブラック分散液、及び各シームレスベルト塗工液について、粒度分析計(日機装株式会社製)を用いて、体積平均粒径(μm)を測定した結果を表1に示し、実施例及び比較例の各シームレスベルト上の任意の点10点について、以下のようにして、ハイレスター(三菱化学株式会社製)を用いて体積抵抗値を測定した。
【0138】
体積抵抗値の測定は、100Vバイアスを印加し、印加後10秒値を測定値とした。
各測定値の最大値と最小値との常用対数の差をばらつきとして評価した。この値が大きいほどばらつきが大きく、1を超えると実使用上好ましくない。
また、印加バイアスは、10V、及び100Vにて測定を行ない、電圧依存性の評価も行なった。電圧依存性は、10V印加時の測定値と100V印加時の測定値の常用対数の差で評価を行なった。この値が大きいほど電圧依存性が大きく、2を超えると実使用上好ましくない。
【0139】
さらに実施例及び比較例の各シームレスベルトを、図2に示す画像形成装置の中間転写ベルトとして搭載し、形成するハーフトーン画像濃度がほぼ0.8になるように調整した。
得られたハーフトーン画像について、斑点状の濃度ムラであるボソツキ画像の発生の度合いを評価した。
得られたハーフトーン画像について、斑点状の濃度ムラであるぼそつき画像の発生の度合いを評価した。
◎:非常に良好
○:良好
△:実使用上問題なし
×:非常に悪い
【0140】
【表1】

【0141】
表1に示す結果から、前記一般式(1)で表わされる分散剤を用いることにより、抵抗制御剤分散液の粒子径を小さくすることができるだけでなく、抵抗制御剤分散液と耐熱結着樹脂(前駆体)溶液を混合分散して塗布液とした状態でもほとんど凝集を起さず粒子径を小さく維持することが可能である。
【0142】
したがって、本発明における塗工液を用いてシームレスベルトを形成して電子写真装置の中間転写ベルトとして用いた場合に、電気抵抗が非常に均一でバラツキがなく、耐熱性や機械的特性等の耐久性に優れ、高品質の画像が形成される。
これに対して、分散剤を使用しなかった比較例の場合には、電気抵抗のバラツキ、電圧依存性が大きく、画像も非常に悪いものである。
【図面の簡単な説明】
【0143】
【図1】本発明に係る画像形成装置のベルト部材に用いられるシームレスベルトと、それを用いた画像形成装置を説明するための要部模式図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置のベルト部材として配備される1つの中間転写ベルトに沿って複数の感光体ドラムが並設されている画像形成装置の一構成例を示す要部模式図である。
【符号の説明】
【0144】
[図1について]
P 転写紙
L 露光手段
70 除電ローラ
80 アースローラ
200 感光体ドラム
201 感光体クリーニング装置
202 除電ランプ
203 帯電チャージャ
204 除電ランプ
205 除電ランプ
210 ベルト搬送装置
230 リボルバ現像ユニット
231Y Y現像機
231K Bk現像機
231C C現像機
231M M現像機
270 定着装置
271 定着ローラ
272 定着ローラ
500 中間転写ユニット
501 中間転写ベルト
503 トナーシール部材
504 ベルトクリーニングブレード
505 潤滑剤塗布ブラシ
506 潤滑剤
507 一次転写バイアスローラ
508 ベルト駆動ローラ
509 ベルトテンションコントローラ
510 二次転写対向ローラ
511 クリーニング対向ローラ
512 フィードバッグ電流検知ローラ
513 トナー像
514 光学センサ
600 二次転写ユニット
601 転写紙ガイド板
605 二次転写バイアスローラ
606 転写紙除電チャージャ
608 クリーニングブレード
610 レジストローラ
801 一次転写電源
802 二次転写電源
[図2について]
P 転写紙
10 プリンタ本体
12 画像書込部
13 画像形成部
14 給紙部
15 定着装置
16 レジストローラ
20BK 現像装置
20M 現像装置
20Y 現像装置
20C 現像装置
21BK 感光体
21M 感光体
21Y 感光体
21C 感光体
22 中間転写ベルト
23BK 一次転写バイアスローラ
23M 一次転写バイアスローラ
23Y 一次転写バイアスローラ
23C 一次転写バイアスローラ
25 ベルトクリーニング装置
50 転写搬送ベルト
60 二次転写バイアスローラ
70 除電バイアスローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体上に形成された潜像をトナーにより現像して得られたトナー像が転写される中間転写体であって、前記中間転写体は、樹脂材料又はその前駆体と、有機溶媒中にアセチレンアルコール及びカーボンブラックを分散したベース樹脂を含む中間転写体塗工液から製膜した製膜層を少なくとも有することを特徴とする中間転写体。
【請求項2】
前記樹脂材料又はその前駆体が、ポリイミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂のいずれか、またはそれらの前駆体であることを特徴とする請求項1に記載の中間転写体。
【請求項3】
前記アセチレンアルコールは、下記一般式(1)で表わされるものであり、R、R、Rの炭素数がそれぞれ20以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の中間転写体。
【化1】

(式中のR、R、Rは水素原子または分岐してもよい1〜20の炭素鎖を表わし、炭素鎖には不飽和結合を含んでいてもよい。)
【請求項4】
アセチレンアルコールの含有量が、カーボンブラックに対して1〜100重量%であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の中間転写体。
【請求項5】
前記ベース樹脂が、ポリイミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の中間転写体。
【請求項6】
シームレスベルトであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の中間転写体。
【請求項7】
樹脂材料又はその前駆体、アセチレンアルコール及びカーボンブラックを含んだカーボンブラック分散液を含む中間転写体用塗工液を用いて中間転写体を形成することを特徴とする中間転写体の製造方法。
【請求項8】
前記樹脂材料又はその前駆体が有機溶媒液の溶液であり、該有機溶媒液溶液に、前記カーボンブラック分散液が分散される段階を有することを特徴とする請求項7に記載の中間転写体の製造方法。
【請求項9】
前記アセチレンアルコールが、下記一般式(1)で表わされるアセチレンアルコールのアルキル基(R、R、R)の炭素数がそれぞれ20以下であることを特徴とする請求項7又は8に記載の中間転写体の製造方法。
【化2】

(式中のR、R、Rは水素原子または分岐してもよい1〜20の炭素鎖を表わし、炭素鎖には不飽和結合を含んでいてもよい。)
【請求項10】
前記中間転写体用塗工液が、アセチレンアルコールとカーボンブラックの他にさらにベース樹脂又はその前駆体を分散してなるカーボンブラック分散液を前記樹脂材料又はその前駆体の液に分散したものであり、該ベース樹脂が、ポリイミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂のいずれか、又はそれらの前駆体であることを特徴とする請求項7又は8に記載の中間転写体の製造方法。
【請求項11】
前記カーボンブラック分散液中に、前記樹脂材料又はその前駆体と同じ樹脂を含有することを特徴とする請求項9に記載の中間転写体の製造方法。
【請求項12】
前記カーボンブラック分散液中におけるカーボンブラックの体積平均粒径が、10〜300nmであることを特徴とする請求項7乃至10のいずれかに記載の中間転写体の製造方法。
【請求項13】
潜像が形成され、トナー像を担持可能な像担持体と、該像担持体上に形成された潜像をトナーで現像する現像手段と、該現像手段により現像されたトナー像が一次転写される中間転写体と、該中間転写体上に担持されたトナー像を記録媒体に二次転写する転写手段とを有してなり、前記中間転写体が請求項1乃至6のいずれかに記載の中間転写体であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項14】
画像形成装置がフルカラー画像形成装置であって、各色の現像手段を有する複数の潜像担持体を直列に配置してなることを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−66430(P2010−66430A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−231700(P2008−231700)
【出願日】平成20年9月10日(2008.9.10)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】