説明

乾式目地材、外壁、及び建物

【課題】より簡易な構造で止水することができるとともに、入隅等を含めた多くの部位の目地にも適用することができる目地材、及び該目地材を備えた外壁、建物を提供する。また、外観にも優れた目地材、及び該目地材を備えた外壁、建物も提供する。
【解決手段】壁面に形成される目地Dの内側に沿って配設される目地材10であって、長尺の板状部材である芯材11と、芯材の表裏面のそれぞれに、該芯材に沿って具備されるシール材14、14と、芯材の幅方向一端側に、該芯材の厚さ方向に弾性変形可能に設けられた弾性部材16と、を備え、弾性部材が目地の側面を該目地の幅方向外側に押圧するように配置されることにより止水されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目地を埋める乾式の目地材、及び該目地材を用いた外壁、建物に関し、詳しくは、入隅部分を含めた多くの目地に用いることができ、外観にも優れた目地材、及び該目地材を用いた外壁、建物に関する。
【背景技術】
【0002】
建物の外壁材の間隙等の目地には、該目地から建物内側へ雨水等が浸入することを防止、又は抑制するために目地材が充填されている。一方、当該目地材はこのような機能を有するとともに、建物の外観に影響を与える部材でもある。近年においては、建物には機能性のみでなく、デザイン等の外観にも優れることが要求されている。特に、個人の嗜好の多様化により建物の外観に対する要求も多様化し、これに応える建物を提供することがますます重要となっている。従って目地材に関しても、多くの要望があり、これに応えることが必要である。
【0003】
目地材は、湿式と乾式とに大別することができる。湿式は、液状、又は練り状の不定型材の媒体を目地に流し込むことにより目地に充填される。
【0004】
一方、乾式の目地材は、弾性ゴム等の定型材やスポンジのような発泡性の媒体を目地に詰めることにより充填するものである。特許文献1には、目地内に挿入されその両面にスポンジ状のシール材が取り付けられた挿入部材と、該挿入部材の室外側端部に設けられ、目地の室外側に突出して配置されたフタ部材と、を備えた目地材が開示されている。
【特許文献1】独国特許出願公開第DE 100 64 604号公報(DE 100 64 604 A1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、湿式の目地材については、止水性が高いという利点があるが、充填に手間がかかり技術が必要であることに加え、気温5℃以下では施工が出来ない等の施工時の環境温度にも左右されることがあった。また、劣化により交換するときにも手間がかかる。さらには、含有される成分により施工後の汚れの発生も見られ、外観上の観点から必ずしも好ましいものではなかった。
【0006】
また、特許文献1に開示されている乾式の目地材は、湿式に比べて外観に優れているが、フタ部材と外壁材との間に別途シール材を設ける必要があった。また、フタ材が外壁材の外壁面に沿って大きく横に張り出しているので、入隅やサッシとの境界における目地には用いることができなかった。また、目地材が外壁材より室外側に突出しているので、凹凸が表われ、該凹凸を基調とした外壁には適切であるが、よりシンプルな印象を与える外壁等には好ましくなかった。
【0007】
そこで本発明は、より簡易な構造で止水することができるとともに、入隅等を含めた多くの部位の目地にも適用することができる目地材、及び該目地材を備える外壁、建物を提供することを課題とする。また、外観にも優れた目地材、及び該目地材を備えた外壁、建物も提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0009】
請求項1に記載の発明は、壁面に形成される目地(D)の内側に沿って配設される目地材(10)であって、長尺の板状部材である芯材(11)と、芯材の表裏面のそれぞれに、該芯材に沿って具備されるシール材(14、14)と、芯材の幅方向一端側に、該芯材の厚さ方向に弾性変形可能に設けられた弾性部材(16)と、を備え、弾性部材が目地の側面を該目地の幅方向外側に押圧するように配置されることにより止水されることを特徴とする目地材を提供することにより前記課題を解決する。
【0010】
ここで、「目地」とは外壁を構成する外壁材間に形成される間隙を意味し、例えば図4にDで示した部分である。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の目地材(10)のシール材(14、14)は目地の幅方向に伸縮可能に形成され、芯材(11)はシール材を圧縮された姿勢に維持可能に設けられた圧縮維持手段(12、13、15、15)を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の目地材(10)の弾性部材(16)が芯材(11)の幅方向一端側から着脱可能であることを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明は、外壁材(2、2、…)、及び目地(D)を備え、該目地内に請求項1〜3のいずれか一項に記載の目地材(10)が配設される外壁(1)であって、建物に備えられたときに、目地材の弾性部材(16)が室外側に向けられるとともに、該目地材の室外側端部の全部が目地の内側に包含されるように配設されることを特徴とする外壁を提供することにより前記課題を解決する。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の外壁(1)において、弾性部材(16)の室外側の端部が、外壁材(2、2、…)の壁面と面一であることを特徴とする。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項4又は5に記載の外壁(1)が備えられることを特徴とする建物を提供することにより前記課題を解決する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、弾性部材により目地の内側に止水部分を設けることができ、目地の外に突出して部材及びシール材を配置する必要がなく、簡易な構造の目地材を提供することができる。また、かかる構成により、目地材の室外側端部の全部を目地の内側に収めることが可能となり、外観上好ましい。さらには、入隅部やサッシ枠との間に形成される目地にも他の部分と同じ目地材を適用することができる。
【0017】
そしてかかる目地材を備えた外壁、及び建物を提供することにより、外壁全体、及び建物全体として上記効果を有するので、その効果はさらに顕著なものとなる。
【0018】
本発明のこのような作用及び利得は、次に説明する発明を実施するための最良の形態から明らかにされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。
【0020】
図1は、本発明の1つの実施形態にかかる目地材10の外観斜視図である。図2は目地材10の横断面図である。図1、図2及び適宜示す図を参照しつつ目地材10について説明する。
【0021】
目地材10は、図2に示した横断面形状を有し、該横断面形状を維持して長手方向に延在する長尺の部材である。長手方向の長さは特に限定されることはなく、目地材10が備えられる目地の長さ等により適宜調節される。目地材10が備えられる外壁1(図4参照)や建物については後で説明する。
【0022】
目地材10は、芯材11、底板12、天板13、シール材14、14、封印板15、15、弾性部材16、及び粘着材17を備えている。芯材11は、横断面においてその厚みが表れ、目地材10の長手方向に延在する板状の部材である。
【0023】
底板12は、芯材11の幅方向(図2における紙面上下方向)の一端に沿って配置される板状の部材である。詳しくは、底板12の表裏面のうちの一方の面の幅方向(図2における紙面左右方向)略中央に、芯材11の幅方向端面が当接されるように連結されている。また、底板12の幅方向の両端部には、該両端部から底板12の板面に略垂直で芯材11が配置される方向に延在する係合片12a、12aが備えられる。後述するように底板12はシール材14、14を圧縮した姿勢に維持するための圧縮維持手段の一部である。
【0024】
天板13は、芯材11の幅方向(図2における紙面上下方向)の上記底板12が配置される側とは反対側の端部に沿って具備される板状の部材である。詳しくは、天板13の表裏面のうちの一方の面の幅方向(図2における紙面左右方向)略中央に、芯材11の幅方向端面が当接されるように連結されている。また、天板13の幅方向の両端部には、該両端部から天板13の板面に略垂直で芯材11が配置される方向に延在する係合片13a、13aが備えられる。後述するように天板13もシール材14、14を圧縮した姿勢に維持するための圧縮維持手段の一部である。
【0025】
シール材14、14は、芯材11の表裏面のそれぞれに、該面に沿って取り付けられる長尺の部材である。シール材14、14は、伸縮性に富む材料により形成されていることが好ましい。これには例えば発泡シーリングテープを用いることができる。この場合、当該発泡シーリングテープを芯材11の表裏面に沿って貼り付ける。また、発泡シーリングテープは防水加工が施されるとともに、圧縮の姿勢から伸展の姿勢へ変化するときに所定の時間がかかるものがさらに好ましい。これにより目地材の止水性、及び施工性をさらに向上させることが可能となる。これには例えば、イルブルック社製のイモルド600等を挙げることができる。
【0026】
図2では、シール材14、14は圧縮され、圧縮維持手段である、底板12、天板13、及び封印板15、15により圧縮された姿勢が維持されている。封印板15、15が取り除かれた場面については後で説明する。
【0027】
封印板15、15は、芯材11の表裏面に沿って、該面から所定の間隔を有して配置される長尺の板状部材である。封印板15、15の幅方向(図2において紙面上下方向)両端部は、上述した底板の係合片12a、12aの芯材11側と、天板の係合片13a、13aの芯材11側とに渡されるように配置される。図2に示した目地材10の姿勢では、シール材14、14が圧縮された状態で封入されているので、封印板15、15はシール材14、14から目地材10の外側方向に押圧力を受けている。しかし封印板15、15の幅方向両端部が上記係合片12a、12a、13a、13aに係合しているので該封印板15、15は、上記押圧力に抗してその姿勢を維持している。これからもわかるように封印板15、15は、底板12、及び天板13と組み合わせられてシール材14、14の圧縮維持手段となっている。
【0028】
封印板15、15は、底板12、及び天板13に係合しているが、これを離脱させることが可能に形成されている。このとき、離脱させるために必要な力は、図2に示した姿勢を維持することができる範囲内でできるだけ小さいことが好ましい。これにより目地材10を施工することが容易になる。封印板15、15を底板12、天板13から離脱させるために必要な力は、具備されるシール材14、14の材質や大きさによって適宜選択される。離脱させるために必要な力の調節方法は特に限定されるものではないが、これには例えば係合片の長さを変更したり、底板、天板及び/又は封印板の材質を変更したりすることを挙げることができる。
【0029】
弾性部材16は、その横断面においてC字状の断面を有し、天板13に沿って具備される長尺の部材である。弾性部材16は、横断面がC字状である開口部からその内側に天板13を抱え込むように具備される。弾性部材16は、目地材10が目地に挿入された姿勢で該目地の側壁との間で止水可能とされている。具体的には弾性部材16は、C字状の横断面とすることにより、少なくとも目地材10の幅方向(図2における左右方向)に弾性変形することができる。すなわち、本実施形態において、弾性部材16は、図2にA、Bで示した部位に接する壁等に対してこれを押圧することが可能である。これにより目地材10が目地に挿入されたときに、該A、Bの部分で外壁材2、2の端面である目地の側壁を押圧するように該側壁に密着して止水することができる。さらに詳しくは後で説明する。
【0030】
弾性部材16に用いられる材料は特に限定されるものではないが、これには軟質樹脂、弾性ゴム、発泡ゴム、シリコン樹脂、及び発泡ウレタン樹脂等を好ましく用いることができる。これら材料の適用により、さらに上記弾性変形が適切に行われる。
【0031】
また、弾性部材16と天板13とは接着剤等により固定されてもよいし、溝等を形成して着脱可能とされてもよい。着脱可能とされた場合には、弾性部材16の交換をすることができるので、劣化による交換のみではなく、使用者の嗜好により弾性部材の色彩を変更することも可能となる。
【0032】
ここで、弾性部材16の1態様を説明したが止水手段はこれに限定されるものではなく、C字状の横断面を有するものに限らず、当該弾性部材が目地の側壁との間で止水可能とされていれば他の態様でもよい。
【0033】
粘着材17は、底板12の芯材11が配置されない側の面に沿って備えられる。粘着材17は、他の部材に目地材10を固定するために備えられるものであり、この目的を有するものであれば粘着材の種類は特に限定されない。これには例えば両面テープを挙げることができる。
【0034】
以上のような目地材10が実際に目地に配置された場面では、封印板15、15は除去されている。図3に封印板15、15が除去された目地材10の横断面を示した。封印板15、15が除去されるとシール材14、14を圧縮された姿勢に維持することができないので該シール材14、14は伸展し、目地材10の幅方向外側に広がる。そして当該広がることにより目地の内側が満たされる。目地材10が目地に備えられた場面については後で説明する。
【0035】
以上のような目地材10により、高い止水性を有しつつ、目地材10の全体を目地の内側に配置することができる。従って、入隅部等においても本発明の目地材10を利用することが可能となる。
【0036】
次に上記目地材10が目地に配置された外壁1について説明する。図4は、外壁1の一部で目地材10が配置された部位の水平断面図である。図5は図4の断面図のうち目地材10の部分に注目して示した図である。図4、図5では、紙面上方が室外側、紙面下方が室内側を表している。外壁1は、外壁材2、2、目地材10、留め具4、4、及びベース材5、5を備え、これらが躯体3に取り付けられている。
【0037】
外壁材2は、建物を外環境から保護するとともに、該建物の外周を装飾して意匠性を向上させる板状の部材である。本実施形態の外壁材2、2はサイディングとよばれる外壁材で、所定の大きさの板状片を1枚のサイディング(外壁材)2、2とし、複数のサイディング2、2、…が建物に沿って並べられている。このとき、サイディング2とサイディング2との間に設けられる間隙が目地を形成する。サイディングは、窯業系と金属系とに大別することができるが、いずれが用いられてもよい。
【0038】
外壁材は目地が形成されるものであれば特に限定されることはなく、サイディングの他にも鉄筋コンクリート造(RC造)のジョイント目地、鉄骨ALC造のジョイント目地等を挙げることができる。
【0039】
目地材10は、上記のように形成された目地の内側に配置され、目地から室内側に雨水等が侵入することを抑制する。また、該目地材10はその室外側面が建物の外装の一部となり建物の意匠性を高めている。目地材10の構成については上述したのでここでは省略する。図5からわかるように、本発明の目地材10は、その室外側端部の全部を目地の内側に配設させることができる。従って、その室外側面を外壁材2、2、…の室外側と面一に取り付けることが可能となる。これにより、外壁1、及び建物に凹凸の少ない簡潔な印象を与えることができる。
【0040】
また、弾性部材16において、該弾性部材16の屋外に面する部位は装飾部分とされる。一方、弾性部材16の目地の側壁に面する部位は上述のように図5にE、Eで示した部位で外壁材の端面である目地の側壁に密着して止水が可能となっている。このように本発明の目地材10に備えられる弾性部材16は、装飾及び止水のいずれをも可能とするので、装飾部材及び止水部材を個別に必要とせず、コスト及び施工性にも優れている。
【0041】
目地材10の封印板15、15は、目地材10が目地に挿入された姿勢では除去されているので、シール材14、14は伸展し、目地の幅方向いっぱいに広がる。これにより目地の止水性が向上し、建物内側を保護することができる。
【0042】
留め具4、4は、室内側に配置される一端面が躯体3に取り付けられ、これと対向する室外側に配置される他端面がサイディング(外壁材)2、2に係合されるいわゆる取り付け具である。これにより躯体3とサイディング2、2とが連結され、サイディング2、2が建物に安定して配置される。また、留め具4、4は、建物の上下方向(図4における紙面奥/手前方向)に関しては、上下方向に隣接して並べられる2枚のサイディング間にその一部が配置され、1つの留め具4に上下2枚のサイディングが固定される。詳しくは該2枚のサイディングにおいて、下側に配置されるサイディングの上端、及び上側に配置されるサイディングの下端が固定される。これにより上下隣接するサイディングの位置がずれることなく外観に優れた外壁1とすることができる。当該留め具4、4は、本実施形態のように躯体3に取り付けられる場合の他、例えば胴縁下地に取り付けられることもある。
【0043】
ベース材5は、図5からもわかるように、断面において凸部を有する長尺の型材で、凸部の基部が躯体3に取り付けられ、凸部が室外側へ向けられて配設される。ベース材5は、目地材10に沿って設けられる。従って図5に示した断面を有しつつ、紙面奥/手前方向に延在する。ベース材5の凸部における室外側面の室外側に目地材10が配置され、当該ベース材5の室外側面と目地材10とは、目地材10に備えられた上記粘着材17で接着される。ベース材5により目地材10はさらに安定して配置される。当該ベース材5は、本実施形態のように躯体3に取り付けられる場合の他、例えば胴縁下地に取り付けられることもある。
【0044】
以上のように、本発明により外観に優れるとともに簡易な構造で止水性が向上された外壁1及び該外壁を備えた建物を提供することができる。
【0045】
図6は、図5に示した外壁1とは異なる部位で、外壁1の入隅部の水平断面図である。図6からわかるように、入隅にも目地は形成され、これを埋める目地材の挿入が必要である。上述した従来の目地材では、かかる目地には用いることができず、この部分には例えばシール材を単に目地内へ埋め込むのみで対応するしかなかった。しかし、本発明の目地材10では、このような入隅部に形成された目地であっても他の部分に用いる目地材10と同じものを同じ方法で適用すればよい。従って、施工が容易であるとともに入隅部でも他の部分と同じ外観を有しているので、意匠的にも優れたものとなる。
【0046】
図7は、外壁1のさらに異なる部位の水平断面図であり、開口部装置のサッシ枠7(縦枠)に隣接して配置された外壁材2を含む図である。このように、窓や玄関等の開口部装置に隣接して外壁材2を配置する場合にも、サッシ枠7等との間に目地が形成されることが多い。かかる場合にも上記入隅の部位に似た目地となり、従来の目地材を用いることができなかった。しかし、本発明の目地材10では、このようなサッシとの間に形成された目地であっても他の部分に用いる目地材10と同じものを同じ方法で適用すればよい。従って、入隅の部位と同様、施工が容易であるとともに入隅部でも他の部分と同じ外観を有しているので、意匠的にも優れたものとなる。
【0047】
目地材10の目地への配置方法は例えば次のように行われる。始めに図2に示したように封印板15、15が取り付けられた目地材10から、封印板15、15を取り去る。取り去る方法は特に限定されるものではなく、例えば手で取るように構成してもよい。封印板15、15を取り去っても、上述したようにシール材14、14が伸展するには少し時間がかかるので、その間に目地材10を目地の内側へ挿入する。伸展するのにあまり時間かかからない場合であっても、目地に挿入することが可能であればよい。挿入時には目地材10の粘着材17がベース材5の室外側面に当接されるとともに、目地材10の弾性部材16が外壁材2、2の室外側面と略面一となるようにする。そしてそのままの姿勢で維持し、シール材14、14が伸展することにより図4〜図7に示した外壁1を得ることができる。
【0048】
以上、現時点において、もっとも、実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う目地材等もまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の1つの実施形態にかかる目地材の外観斜視図である。
【図2】目地材の横断面図である。
【図3】封印板が取り除かれ、シール材が伸展した姿勢における目地材の横断面図である。
【図4】外壁の水平断面において、目地材が備えられた部位に注目して示した図である。
【図5】図4の目地材部分を拡大して示した図である。
【図6】外壁の水平断面において、入隅部に目地材が備えられた部位に注目して示した図である。
【図7】外壁の水平断面において、サッシ枠近傍部に目地材が備えられた部位に注目して示した図である。
【符号の説明】
【0050】
1 外壁
2 外壁材(サイディング)
3 躯体
4 留め具
5 ベース材
6 補助材
7 サッシ枠(縦枠)
10 目地材
11 芯材
12 底板(圧縮維持手段)
13 天板(圧縮維持手段)
14 シール材
15 封印板(圧縮維持手段)
16 弾性部材
17 粘着材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁面に形成される目地の内側に沿って配設される目地材であって、
長尺の板状部材である芯材と、
前記芯材の表裏面のそれぞれに、該芯材に沿って具備されるシール材と、
前記芯材の幅方向一端側に、該芯材の厚さ方向に弾性変形可能に設けられた弾性部材と、を備え、
前記弾性部材が前記目地の側面を該目地の幅方向外側に押圧するように配置されることにより止水されることを特徴とする目地材。
【請求項2】
前記シール材は前記目地の幅方向に伸縮可能に形成され、
前記芯材は前記シール材を圧縮された姿勢に維持可能に設けられた圧縮維持手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の目地材。
【請求項3】
前記弾性部材が前記芯材の幅方向一端側から着脱可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の目地材。
【請求項4】
外壁材、及び前記目地を備え、該目地内に請求項1〜3のいずれか一項に記載の目地材が配設される外壁であって、
建物に備えられたときに、前記目地材の前記弾性部材が室外側に向けられるとともに、該目地材の室外側端部の全部が前記目地の内側に包含されるように配設されることを特徴とする外壁。
【請求項5】
前記弾性部材の前記室外側の端部が、前記外壁材の壁面と面一であることを特徴とする請求項4に記載の外壁。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の外壁が備えられることを特徴とする建物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−127945(P2008−127945A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−317098(P2006−317098)
【出願日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【出願人】(305003542)旭トステム外装株式会社 (38)
【出願人】(506392698)トレムコ イルブルック ゲーエムベーハー ウント コー カーゲー (1)
【Fターム(参考)】