説明

乾燥装置

【課題】総合的に安全で高効率な乾燥装置を提供する。
【解決手段】ホッパから投入された乾燥対象物を送り出すスクリュウを備えた搬送部12と、前記搬送部12から到来する乾燥対象物を移動させる内部スクリュウ22C及び入口側から出口側へ直線状に延びる複数の突条22Sを内壁に備えると共に、外壁に外部スクリュウ31Aを備えた円筒体の軸を中心として回転する内筒体21と、前記内筒体21の外側に設けられ、内部において前記内筒体21を回転可能に収納すると共に、前記内筒体21を加熱する熱気体を発生させる熱室部31bを有する外包囲体31と、前記熱室部31bを過熱するバーナ34A〜34Fと、前記搬送部12におけるスクリュウに対し、乾燥対象物の搬送先端部から前記バーナ34A〜34Fにより発生された排気ガスを供給する排気ガス供給手段とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、産業廃棄物を高効率で乾燥もしくは炭化させる乾燥装置( もしくは炭化装置) に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の装置にあっては、対象物の乾燥に伴って生じる乾留ガスを燃焼させて脱臭するなどの手法が採られている。しかしながら、乾留ガスを単に燃焼させることは省エネルギーの観点から問題である。
【0003】
上記に対し、特許文献1に示されている乾燥装置においては、乾留ガスを燃料として利用しており、また、熱風を螺旋状に進行させるためのフィンが設けられるなど、高効率化を目的とした構成が採用されている。
【特許文献1】特願2002−192107号公報(0018欄、0025欄など)
【0004】
しかしながら、上記の乾燥装置にあっては、熱風を供給する熱源である一次燃焼炉が乾燥処理の位置から遠く、効率的でない。これに対し、燃焼炉を乾燥対象物に近接させて設ける場合には、外気などからの酸素が流入することによる乾燥工程における爆発などの危険性があり、乾留ガスと外気との遮断を図り総合的に安全で高効率な乾燥装置の実現が望まれているのが現状である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発明が解決しようとする課題は、現状の乾燥装置においては燃焼炉で発生された熱の有効利用が不十分である点にあり、また、従来以上に高熱により乾燥した場合の安全対策が不十分である点である。本発明は、このような課題を解決して、乾留ガスと外気との遮断を図り総合的に安全で高効率な乾燥装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る乾燥装置は、乾燥対象物を投入するホッパと、前記ホッパから乾燥対象物を送り出すスクリュウを備えた搬送部と、前記搬送部から到来する乾燥対象物を移動させる内部スクリュウ及び入口側から出口側へ直線状に延びる複数の突条を内壁に備えると共に、外壁に外部スクリュウを備えた円筒体であって、該円筒体の軸を中心として回転する内筒体と、前記内筒体の外側に設けられ、内部において前記内筒体を回転可能に収納すると共に、前記内筒体を加熱する熱気体を発生させる熱室部を有する外包囲体と、前記熱室部を過熱するバーナと、前記搬送部におけるスクリュウに対し、乾燥対象物の搬送先端部から前記バーナにより発生された排気ガスを供給する排気ガス供給手段とを具備することを特徴とする。
【0007】
本発明に係る乾燥装置では、前記内筒体の外壁には、入口側から出口側へ直線状に延びる複数の突条が設けられ、前記外部スクリュウはこの突条の上に配置されていることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る乾燥装置では、前記ホッパにおいて発生したガス及び前記内筒体の内部に発生した乾留ガスを出口側から前記バーナの火口側へ導く導管を具備することを特徴とする。
【0009】
本発明に係る乾燥装置では、前記搬送部の円筒状外壁部に、前記搬送部からフリーに設けられた耐熱シール部材と、前記耐熱シール部材を包囲し、前記搬送部の外周部に位置付けられる包囲体と、前記包囲体からラジアル方向に突出したリング状の摩擦板と、前記内筒体の端面に設けられたフランジに連結し、前記耐熱シール部材、前記包囲体及び前記摩擦板を内包するように覆う筒状の被覆体と、前記被覆体の内壁に設けられ、中央部に前記耐熱シール部材と前記包囲体が位置する穴が形成され、前記摩擦板を間に存在させるディスク状の二枚の保持板と、前記二枚の保持板に保持され、中央に前記摩擦板をフリーに挟持する円板状で二枚の耐熱耐摩耗材と、前記被覆体に設けられ、前記搬送部の軸方向と平行に延びるバネ軸群と、前記バネ軸群にそれぞれ介装され、前記二枚の保持板における前記内筒体の端面から遠い保持板を前記端面方向へ付勢する複数のバネとを具備するシール構造を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る乾燥装置では、前記内筒体に隣接すると共に前記内筒体より大径である筒体の端面に設けられたフランジに連結し、前記包囲体及び前記摩擦板を内包するように覆う筒状の被覆体と、前記内筒体の円筒状外壁部に、前記内筒体からフリーに設けられた耐熱シール部材と、前記耐熱シール部材を包囲し、前記内筒体の外周部に位置付けられる包囲体と、この包囲体内に設けられ、耐熱シール部材を押圧する押圧板と、この包囲体に設けられ、前記搬送部の軸方向と平行に延びる第1のバネ軸群と、前記第1のバネ軸群にそれぞれ介装され、前記押圧板を前記端面方向へ付勢する複数の第1のバネと、前記包囲体からラジアル方向に突出したリング状の摩擦板と、前記被覆体の内壁に設けられ、中央部に前記包囲体が位置する穴が形成され、前記摩擦板を間に存在させるディスク状の二枚の保持板と、前記二枚の保持板に保持され、中央に前記摩擦板をフリーに挟持する円板状で二枚の耐熱耐摩耗材と、前記被覆体に設けられ、前記搬送部の軸方向と平行に延びる第2のバネ軸群と、前記第2のバネ軸群にそれぞれ介装され、前記二枚の保持板における前記内筒体の端面から遠い保持板を前記端面方向へ付勢する複数の第2のバネとを具備するシール構造を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る乾燥装置によれば、搬送部から到来する乾燥対象物を移動させる内筒体の内壁に、内部スクリュウ及び入口側から出口側へ直線状に延びる複数の突条を備えているので、内筒体の回転に応じて乾燥対象物が突条に乗って下部から上部へ移動し、最上部へ到る前に最下部へ落下して再び上部へ移動することによりかき混ぜられるので、内部スクリュウのみによるかき混ぜと出口方向への移動に比べて、多くの乾燥対象物がかき混ぜられることになり、効率良く乾燥状態を進行させることができる。
【0012】
本発明に係る乾燥装置では、内筒体の外壁には、入口側から出口側へ直線状に延びる複数の突条が設けられ、外部スクリュウはこの突条の上に配置されているので、外包囲体内部をかき混ぜて熱の偏りを防ぎ、内筒体へ効率良く熱伝達が行われる。
【0013】
本発明に係る乾燥装置では、ホッパにおいて発生したガス及び内筒体の内部に発生した乾留ガスを出口側からバーナの火口側へ導く導管を具備するので、発生する可燃性のガス無駄なく利用すると共に、防臭効果も期待できる。
【0014】
本発明に係る乾燥装置によれば、前記搬送部の円筒状外壁部に、前記搬送部からフリーに設けられた耐熱シール部材が設けられ、この部分のシールが実現され、前記搬送部の外周部に位置付けられる包囲体からラジアル方向に突出したリング状の摩擦板をディスク状の二枚の保持板でフリーに挟持すると共に、二枚の保持板における前記内筒体の端面から遠い保持板を前記端面方向へ付勢する複数のバネとを具備するシール構造を備えるので、このシール構造部分から乾留ガスが漏れることなく、乾留ガスを外部から遮断することができる。
【0015】
本発明に係る乾燥装置によれば、内筒体からフリーに設けられた耐熱シール部材と、前記耐熱シール部材を包囲し、前記内筒体の外周部に位置付けられる包囲体による部分においてシールがなされると共に、前記包囲体からラジアル方向に突出したリング状の摩擦板を円板状で二枚の耐熱耐摩耗材にてフリーに挟持し、前記二枚の保持板における前記内筒体の端面から遠い保持板を前記端面方向の第2のバネで付勢するシール構造を備えるので、このシール構造部分から乾留ガスが漏れることなく、乾留ガスを外部から遮断することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して本発明に係る乾燥装置の実施例を説明する。各図において、同一の構成要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。図1には、本発明に係る乾燥装置の実施例の側面図が示され、図2には平面図、図3、図4には断面図が示されている。本実施例に係る乾燥装置は、乾燥対象物を投入するホッパ11を備え、ホーン状に下方へ進むほど細径に絞られたホッパ11の底部には、上部から乾燥対象物を受け入れる筒状の搬送部12が設けられている。
【0017】
搬送部12内には、投入スクリュウ13が設けられている。投入スクリュウ13は搬送部12の両端部にて軸支され、モータ14の回転をベルト(又はチェーン)15を介して受けて回転し、乾燥対象物を図1の右方向へ移動させる。搬送部12の一端側は、内筒体21の入口側に挿入されており、この搬送部12の一端側に設けられた排出口16から乾燥対象物が内筒体21内に投下される。
【0018】
搬送部12の他端側には、ロータリーバルブ17を介して導入管18が接続され、導入管18は排ガス管37Rに接続されている。導入管18からロータリーバルブ17には、煙突37Bに接続された排ガス管37Rを介して送られる排ガスが搬送部12へ供給される。これにより、搬送部12の乾燥対象物は排出口16側へ向けて排ガスのガス圧により押し出されることになる。
【0019】
内筒体21は、例えば鉄製であり、内壁に内部スクリュウ22A、22Bを備える。内部スクリュウ22Aは、搬送部12の排出口16付近に、内部スクリュウ22Bは内筒体21の終端部21E付近に、それぞれ設けられているもので、緩傾斜に設けられ、乾燥対象物を図3の右方向へ移動させる機能を有している。内筒体21の外部には、内筒体21に対し多くの部分で同心状の筒状部分31aと、内筒体21を加熱する熱気体を発生させる熱室部31bを備える外包囲体31が設けられている。内部スクリュウ22Cは、内筒体21が外包囲体31によって覆われた一端から形成され、内筒体21の終端部21Eに設けられた付近まで設けられており、内部スクリュウ22A、22Bに比べて急傾斜となっている。
【0020】
内部スクリュウ22Cを形成するフィンは複数条形成されており、各条は連続する。図5に示すように、内筒体21の内壁には、入口側から出口側へ内部スクリュウ22C間を縫うようにして直線状に延びる12本の突条22Sが設けられている。このため、内筒体21の回転に伴い内部スクリュウ22Cのフィンによって或いは突条22Sによって、乾燥対象物が内筒体21の上部側へ掻き上げられながら移動して最上部へ到る前に下側へ落下し、以下同様に上部へ掻き上げられながら移動する動作が繰り返され、湿度コントロールによって水分を除去し殆どの乾燥対象物を炭化するに至る十分な機能を兼ね備え、乾燥対象物の搬送時間が長くされ、水分の含有が当初の半分(50%)から三分の一(30%)程度の乾燥状態となるために必要十分な時間がとられて終端部21E付近へと到るように構成されている。なお、図4には突条22Sを描いていない。
【0021】
内筒体21における長手方向両端部付近には、内筒体21を、それ自体の軸を中心として回転させる駆動機構25Aが備えられている。駆動機構25Aは駆動源により内筒体21を回転させ、駆動機構25Aの他方側は軸受となっている。例えば、図4に示すように、駆動機構25Aは、モータ26と歯車とベルト(又はチェーン)などにより構成されており、内筒体21を回転する。軸受は、内筒体21の回転に寄与する。勿論、内筒体21の終端部21E側における軸受の位置に駆動源を有して、内筒体21を両端部において回転させる構成を採用することもできる。
【0022】
外包囲体31は、例えば鉄製であり、前述の通り、内筒体21を内部において回転させると共に、内壁にセラミック材により構成される断熱材32を保持している。内筒体21の外壁には、入口側から出口側へ直線状に延びる12本の突条33Sが設けられている。突条33Sの上には、スクリュウ羽根33Aを備え、このスクリュウ羽根33Aにより外包囲体31との空間の気体を撹拌する。熱室部31bには、それぞれ重油バーナである6個のバーナ34A〜34Fが設けられている。
【0023】
上記バーナ34A〜34Fに対しては、図示しないパイプから空気と燃料である重油が送られて混合されて着火燃焼させられる。本実施例では、燃料としては重油を用いたが、これに限定されることなく、アルコールや灯油、軽油などを用いることも可能である。
【0024】
バーナ34Aの火口には、乾留ガス管36Cを介して内筒体21における終端部21Eから乾燥対象物より発生した乾留ガスが送られると共に、発生ガス管36Gを介してホッパ11において発生したガスが供給されるように構成されており、この乾留ガスは、重油による燃料ガスと混合した状態にてバーナ34Aにて燃料として消費されるため、燃費の低減を図ることができる。
【0025】
バーナ34A〜34Fにおける燃料の燃焼による熱は、スクリュウ羽根33A及び突条33Sにより撹拌され、内筒体21と外包囲体31との間隙空間をそれぞれ進行して内筒体21の外周を移動し、燃焼ガス排出管37A、37Bを介してサイクロン39を介して煙突38から排出される。
【0026】
内筒体21における終端部21Eの底部側には乾燥処理された乾燥対象物を排出する排出室41が形成され、排出室41の下部には図4に示されるように外包囲体31の外円に接する方向に軸を有し、回転により乾燥処理された乾燥対象物を掻き出すスクリュウ42が設けられており、モータ43の回転をベルト(又はチェーン)44を介して受けて回転する構成となっている。スクリュウ42の下部には、吐出口45が設けられており、乾燥処理された乾燥対象物は吐出口45を介してスタッカなどの処理済物回収部へ吐出されることになる。
【0027】
本実施例に係る乾燥装置にあっては、P1の位置において図8に示すシール構造を採用し、P2〜P4の位置において図9に示すシール構造を採用しているので、これを説明する。図8は、位置P1における構造を示している。回転する内筒体21の周端面には、全周に亘って外側へ突出したフランジ21aが形成され、このフランジ21aに対して筒体51が結合される。筒体51の周囲6箇所には外側へ突出するアーム51aが取り付けられ、アーム51aの先端部に円板状の押板52が固定されている。
【0028】
押板52には筒体51と同径で全周囲を囲繞する筒状壁部53が備えられている。筒状壁部53には押板52と平行なディスク状の押板53dが設けられていると共に、アーム51aに対応する突条53bが形成されている。突条53bの先端は、回転中心方向へ折れ曲がったフランジ部53aを備えてL字金具の如き形状を有している。フランジ部53aの先端は、直角に折り曲げられた支持板53cとなっており、支持板53cには回転軸に平行に延びるボルト54が6箇所に設けられている。このボルト54にバネ55を挿入して、バネ55と上記押板52、53cによりドーナツ状の2枚の耐熱耐磨耗材56A、56Bを挟み込む。耐熱耐磨耗材56Aには、ボルト54の先端を嵌合する穴が設けられる。
【0029】
搬送部12の外周には2枚のリング状の耐熱キャスタ61A、61Bがカバー62により取り付けられる。カバー62の外周部にはリング状の数枚の耐熱オイルダストシール63を介装し、この耐熱オイルダストシール63を枠体64により内包して保持する。枠体64の外周面には羽根リング65を周回させて設け、羽根リング65の先端が2枚の耐熱耐磨耗材56A、56Bの境界部を形成する間隙に挿入されるように構成する。以上の部材を円筒カバー60により覆い、円筒カバー60をフランジ21aに固定する。
【0030】
以上のシール構造において、内筒体21が回転すると、アーム51aを介して固定された筒状壁部53及び筒状壁部53のフランジ部53aに取り付けられたボルト54、ボルト54に挿嵌されたバネ55と押板52,53cにより挟持されたドーナツ状の2枚の耐熱耐磨耗材56A、56Bが羽根リング65を挟んでいるが、フリーな状態で回転する。この回転により耐熱キャスタ61A、61B、耐熱オイルダストシール63、羽根リング65が図8の左右や上下に変動するが、バネ55などにより位置修正され、内筒体21と搬送部12の結合部分から押板52側へ入り込む燃焼ガスや乾留ガスのリークを適切に防止している。
【0031】
P2〜P4の部分において、代表としてP4の構成を図9に示す。P4は、内筒体21より大径である筒体である排出室41と内筒体21との結合部分を示す。この部分は、図9の一点鎖線を介して対称に現れる。排出室41と内筒体21との結合部分における排出室41の端縁部には一周する平坦部71aとこれに垂直な筒状部71bを備える基部71が形成されている。基部71には、内筒体21の外周に沿って一周する円板状の保持体72が設けられている。
【0032】
保持体72には、円周の均等に離れた6か所の位置において、L字状の突条73aが設けられ、内筒体21の外周に沿って一周する器状の包囲体73が結合されている。保持体72の外壁にはサポートリング74が設けられ、サポートリング74と筒状部71bの先端部分との間には、リング状に内筒体21の外周を取り囲む耐熱耐摩耗材75aが設けられている。
【0033】
耐熱耐摩耗材75aには、リング状に内筒体21の外周を一周する摩擦板82が接しており、摩擦板82を介して耐熱耐摩耗材75aと対向する位置には、リング状に内筒体21の外周を取り囲む耐熱耐摩耗材75bが設けられている。耐熱耐摩耗材75bは、円板状の押部76aと、押部76aの内周と外周部に位置する把持板76b、76cとにより構成される押圧板76により位置決めされている。
【0034】
L字状の突条73aの先端部には、ボルト77が耐熱耐摩耗材75b側へ向けて設けられ、ボルト77にはバネ78が介装されて押圧板76を付勢している。耐熱耐摩耗材75bにおけるボルト77の先端が当たる位置には穴が形成されている。ボルト77及びバネ78による付勢構造は、周面に例えば6箇所設けられている。
【0035】
内筒体21の外周近傍には、内筒体21の外周に沿って一周する筒部81aと、筒部81aからL字状に内筒体21の外周近傍側に折り曲げられた立設部81bとにより構成される囲繞体81が設けられている。囲繞体81の筒部81aには、リング状に内筒体21の外周を一周する摩擦板82が取付けられている。
【0036】
囲繞体81と内筒体21の間には、テーパ部83aを有する筒体83が設けられ、筒体83及び囲繞体81と内筒体21の間隙には、耐熱材84が介装される。囲繞体81における筒部81aの端部には、保持板85がボルト77の位置に対応して結合されている。保持板85の先端部にはボルト86がボルト77と平行するように設けられ、ボルト86の先端には、断面L字状の皿状体87が内筒体21の外周に沿って一周するように設けられ、上記筒体83に当接している。ボルト86には、バネ88が介装され、皿状体87を筒体83側へ付勢している。ボルト86及びバネ88による付勢構造は、周面に例えば6箇所設けられている。
【0037】
以上の構成において、内筒体21が回転すると、摩擦板82、囲繞体81、筒体83などが一体に回転する。回転につれて、これら摩擦板82、囲繞体81、筒体83などが左右に振動するが、摩擦板82は耐熱耐摩耗材75a、75bにフリーに挟持されておりボルト77に介装されたバネ78により振動が吸収される。また、囲繞体81、筒体83はボルト86に介装されたバネ88により振動が吸収される。摩擦板82の両側には、耐熱耐摩耗材75a、75bが存在し、乾留ガスがこのシール部においてシールされ、筒体83及び囲繞体81と内筒体21の間隙には、耐熱材84が介装されてシールされている。
【0038】
図9に示す構成によってもシールを可能であるものの、筐体83と内筒体21とに挟まれた耐熱材84が押圧されて劣化することが懸念される。そこで、図9に示した構成に加えて、図10に示す構成を採用する。既に説明した通り、囲繞体81に結合された保持板85は、内筒体21の外周に沿って一周するものである。
【0039】
そこで、ボルト86が取り付けられる位置とは異なる保持板85の面の例えば等角度である6箇所に車軸91を設けて、この車軸91にキャスタ92を介装する。また、囲繞体81における立設部81bに対しても車軸91を設けて、この車軸91にキャスタ92を介装する。ここに、車軸91、91は、直線的に一致する軸であり、この軸に2つのキャスタ92、92が介装されて、同軸において回転する。
【0040】
以上の通りに構成することにより、内筒体21の外周における等角度な6箇所には、車軸91、91に介装されてそれぞれの位置に2つのキャスタ92、92が存在し、囲繞体81と摩擦板82などを支えている。等角度な6箇所のキャスタ92、92により囲まれた部分において、内筒体21が回転し、キャスタ92、92を回転させる。このキャスタ92、92により、筐体83と内筒体21とに介装された耐熱材84に大きな押圧力が加わることを防ぎ、耐熱材84によるシール効果を的確に長く継続させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明に係る燃焼装置の実施例の側面図。
【図2】本発明に係る燃焼装置の実施例の平面図。
【図3】図2のA−A断面図及び図2の正面図。
【図4】図1のC−C断面図。
【図5】図4の要部拡大図。
【図6】図3の要部拡大図。
【図7】図2のB−B断面図。
【図8】発明に係る燃焼装置のシール構造の第1の実施例を示す断面図。
【図9】発明に係る燃焼装置のシール構造の第2の実施例を示す断面図。
【図10】発明に係る燃焼装置のシール構造の第2の実施例に追加する構成を示す断面図。
【符号の説明】
【0042】
11 ホッパ 12 搬送部
13 投入スクリュウ 14 モータ
16 排出口 17 ロータリーバルブ
18 導入管 21 内筒体
22A、22B、22C 内部スクリュウ 22S 突条
25A 駆動機構 31 外包囲体
31A 外部スクリュウ 31b 熱室部
33A スクリュウ羽根 33S 突条
34A−34F バーナ 36C 乾留ガス管
36G 発生ガス管 37A 燃焼ガス排出管
38 煙突 39 サイクロン
41 排出室 42 スクリュウ
43 モータ 45 吐出口
51 筒体 53 筒状壁部
54 ボルト 55 バネ
56A 耐熱耐磨耗材 60 円筒カバー
61A 耐熱キャスタ 62 カバー
63 耐熱オイルダストシール 65 羽根リング
71 基部 72 保持体
73 包囲体 73a 突条
74 サポートリング 75a、75b 耐熱耐摩耗材
76 押圧板 77 ボルト
78 バネ 81 囲繞体
82 摩擦板 83 筒体
84 耐熱材 85 保持板
86 ボルト 87 皿状体
88 バネ 91 車軸
92 キャスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥対象物を投入するホッパと、
前記ホッパから乾燥対象物を送り出すスクリュウを備えた搬送部と、
前記搬送部から到来する乾燥対象物を移動させる内部スクリュウ及び入口側から出口側へ直線状に延びる複数の突条を内壁に備えると共に、外壁に外部スクリュウを備えた円筒体であって、該円筒体の軸を中心として回転する内筒体と、
前記内筒体の外側に設けられ、内部において前記内筒体を回転可能に収納すると共に、前記内筒体を加熱する熱気体を発生させる熱室部を有する外包囲体と、
前記熱室部を過熱するバーナと、
前記搬送部におけるスクリュウに対し、乾燥対象物の搬送先端部から前記バーナにより発生された排気ガスを供給する排気ガス供給手段と
を具備することを特徴とする乾燥装置。
【請求項2】
前記内筒体の外壁には、入口側から出口側へ直線状に延びる複数の突条が設けられ、前記外部スクリュウはこの突条の上に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の乾燥装置。
【請求項3】
前記ホッパにおいて発生したガス及び前記内筒体の内部に発生した乾留ガスを出口側から前記バーナの火口側へ導く導管を具備することを特徴とする請求項1または2に記載の乾燥装置。
【請求項4】
前記搬送部の円筒状外壁部に、前記搬送部からフリーに設けられた耐熱シール部材と、
前記耐熱シール部材を包囲し、前記搬送部の外周部に位置付けられる包囲体と、
前記包囲体からラジアル方向に突出したリング状の摩擦板と、
前記内筒体の端面に設けられたフランジに連結し、前記耐熱シール部材、前記包囲体及び前記摩擦板を内包するように覆う筒状の被覆体と、
前記被覆体の内壁に設けられ、中央部に前記耐熱シール部材と前記包囲体が位置する穴が形成され、前記摩擦板を間に存在させるディスク状の二枚の保持板と、
前記二枚の保持板に保持され、中央に前記摩擦板をフリーに挟持する円板状で二枚の耐熱耐摩耗材と、
前記被覆体に設けられ、前記搬送部の軸方向と平行に延びるバネ軸群と、
前記バネ軸群にそれぞれ介装され、前記二枚の保持板における前記内筒体の端面から遠い保持板を前記端面方向へ付勢する複数のバネと
を具備するシール構造を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の乾燥装置。
【請求項5】
前記内筒体に隣接すると共に前記内筒体より大径である筒体の端面に設けられたフランジに連結し、前記包囲体及び前記摩擦板を内包するように覆う筒状の被覆体と、
前記内筒体の円筒状外壁部に、前記内筒体からフリーに設けられた耐熱シール部材と、
前記耐熱シール部材を包囲し、前記内筒体の外周部に位置付けられる包囲体と、
この包囲体内に設けられ、耐熱シール部材を押圧する押圧板と、
この包囲体に設けられ、前記搬送部の軸方向と平行に延びる第1のバネ軸群と、
前記第1のバネ軸群にそれぞれ介装され、前記押圧板を前記端面方向へ付勢する複数の第1のバネと、
前記包囲体からラジアル方向に突出したリング状の摩擦板と、
前記被覆体の内壁に設けられ、中央部に前記包囲体が位置する穴が形成され、前記摩擦板を間に存在させるディスク状の二枚の保持板と、
前記二枚の保持板に保持され、中央に前記摩擦板をフリーに挟持する円板状で二枚の耐熱耐摩耗材と、
前記被覆体に設けられ、前記搬送部の軸方向と平行に延びる第2のバネ軸群と、
前記第2のバネ軸群にそれぞれ介装され、前記二枚の保持板における前記内筒体の端面から遠い保持板を前記端面方向へ付勢する複数の第2のバネと
を具備するシール構造を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の乾燥装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−30860(P2009−30860A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−194394(P2007−194394)
【出願日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【出願人】(302040227)
【出願人】(507251871)
【Fターム(参考)】