説明

二軸配向ポリエステルフィルム及びその製造方法

トリメチレンナフタレート及びトリメチレンテレフタレートの少なくとも一つの繰り返し単位を85重量%以上有するポリエステルからなり、改善された加水分解耐性を有し、耐候性を要する屋外にて有益である太陽電池用の黒色シート。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二軸配向ポリエステルフィルム及びその製造方法に関し、より詳細には、太陽電池の表面保護層又は反射層として使用される黒色シート及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
石油資源の枯渇及び環境公害を解決する新規且つ再生可能なエネルギーの開発のため、多くの労力が払われている。中でも市販の太陽電池は広く開発されており、更なる開発及び利用が期待されている。表面保護層、内側電池層、及び反射層からなる太陽電池は、20〜30年の長寿命を有する。表面保護層として、高透過性及び優れた耐候性を有する強化ガラスが使用されているが、その高い表面耐性にもかかわらず、もろく且つ重いため、このような強化ガラスを用いる太陽電池の製造工程は困難を伴う。また、反射層として、薄いフッ素ベース樹脂であるポリフッ化ビニルフィルムが使用されているが、このフィルムを使用しての黒色シートの製造コストは高い。そのため、優れた耐候性及び簡易な加工性を備え、安価な製造コストにて黒色シートの製造に適用できる新規な素材を開発する必要がある。
【0003】
ポリエチレンテレフタレート(PET)から製造される二軸配向フィルムは、良好な加工性及び相対的低コストといった好ましい特性を有するため、種々応用されているが、その低耐候性のため、長期間にわたる屋外での使用には不向きである。特に、このフィルムは低UV安定性且つ低加水分解耐性を有するため、太陽電池の表面保護層及び薄膜反射層としての黒色シートのような屋外での使用には不向きである。UV安定性はUV安定剤の添加により向上させられるが、低加水分解耐性は単純な方法では解決できない。
【0004】
特許文献1及び特許文献2には、低加水分解耐性のPETフィルムに無機酸化物フィルムを積層することにより、PETフィルムの加水分解耐性を向上させて、水分からPETフィルムを保護する方法が記載されている。しかしながら、この方法は無機酸化物を積層するため、製造コストが著しく増大する原因となり、更にこの無機酸化物が積層された層の耐候性は20年よりも長くない。
【0005】
本発明者らは、原料樹脂の典型的な固相重合による、0.8よりも固有粘度が大きい高重合度フィルムの製造方法を研究すると共に、水酸末端基(OH)又はカルボキシル末端基の含有量を低くする方法も研究したが、これらの方法にて製造されたフィルムは加水分解の耐久性が十分ではなかった。
【0006】
そこで、本発明者らは、上述の問題を解決するべく鋭意研究し、経済的実現性、加工容易性、及び加水分解耐性を充足する改善された特性を備える太陽電池用の黒色シートを開発することに成功した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−111703号公報
【特許文献2】特開2007−253463号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、加水分解耐性を向上させ、優れた耐候性を備える新規な太陽電池用の黒色シート及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明にかかるある観点は、トリメチレンナフタレート及びトリメチレンテレフタレートの少なくとも一つの繰り返し単位を85重量%以上有するポリエステルからなる太陽電池用の黒色シートである。
【0010】
本発明にかかる他の観点は、a)トリメチレンナフタレート及びトリメチレンテレフタレートの少なくとも一つの繰り返し単位を85重量%以上有するポリエステル樹脂を溶融押出及び冷却させ、未延伸シートを得る工程と、b)前記未延伸シートを長手方向及び横断方向に延伸させ、緩和状態で熱処理させて、二軸配向シートを得る工程と、c)前記二軸配向シートを冷却する工程と、を有する太陽電池用の黒色シートの製造方法である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明が詳述される。
【0012】
本発明にかかる太陽電池用の黒色シートは、トリメチレンナフタレート及びトリメチレンテレフタレートの少なくとも一つの繰り返し単位を85重量%以上有するポリエステルからなることに特徴がある。この繰り返し単位の量が85重量%よりも少ないと、望ましい加水分解耐性が得られない。この繰り返し単位の量は好ましくは90重量%以上である。
【0013】
好ましくは、本発明にかかる黒色シートは、120℃、2atmでの加圧水を使用した75時間の熱処理後において、長手方向及び横断方向における伸び保持率(%)(100×熱処理後の伸び/熱処理前の伸び)が80%以上である。
【0014】
黒色シートのポリエステルは、UV安定性/吸収性を向上させるため、更に、UV安定剤及び/又はUV吸収剤を有する。UV安定剤/吸収剤のタイプ及び混合比は、所望のUV安定性/吸収性が得られる限り特に限定されることなく選択される。例えば、ベンゾトリアゾールをベースにした化合物及びHALS(ヒンダードアミン系光安定剤)化合物はUV安定剤として使用され、また、ヒドロキシベンゾフェノン及びヒドロキシフェニルベンゾトリアゾールはUV吸収剤として使用される。好ましくは、これらのUV安定剤及び/又はUV吸収剤は、単独で又は0.01〜1.0重量%の適切な比率で混合されてポリエステルに含有される。
【0015】
更に、本発明にかかる黒色シートは、透過性を有する又は高反射率を有するように製造されることも可能である。反射層として使用される場合、太陽光の反射率を向上させるため、無機粒子又はポリエステルと親和性が無い有機粒子が、単独で又は混合物にて、黒色シートのポリエステルに添加される。例えば、TiO及びBaSOのような無機粒子又は架橋ポリメタメチルアクリレート及び架橋ポリスチレンのような有機粒子が、単独で又は混合物の形態で添加される。好ましくは無機粒子の量は0.01〜15重量%である。
【0016】
また、黒色シートのポリエステルは、熱処理後の巻き特性又は後加工性を考慮に入れると、スリップ剤を含有することも可能である。例えば、無機粒子又は有機粒子、好ましくはシリカゲル、炭酸カルシウム、及びアルミナのような平均粒径が0.1〜10.0μmの無機粒子が適切量含有される。
【0017】
本発明にかかる黒色シートは、長手方向及び横断方向に連続して又は同時に延伸されることにより製造される。
【0018】
更に、黒色シートは、少なくとも一つのトリメチレンナフタレート及びトリメチレンテレフタレートの繰り返し単位を85重量%以上有するポリエステル樹脂を乾燥させ、溶融押出の前の水分含有量が50ppmよりも低くする工程を有する方法により製造される。
【0019】
黒色シートのポリエステルは、少なくとも一つの付加的な繰り返し単位を15重量%以下含有することも可能である。この付加的な繰り返し単位は、熱処理後の収縮度の増加に起因するシートの結晶化度に悪影響を与えない限り特に限定されることなく選択される。
【0020】
好ましくは、この付加的な繰り返し単位は、少なくとも一つの二塩基酸を少なくとも一つのジオールで高分子化させることにより製造される。二塩基酸は、イソフタル酸(IPA)、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、及びこれらのエステル誘導体からなる群から選択される。ジオールは、エチレングリコール(EG)、ジエチレングリコール(DEG)、ネオペンチルグリコール(NGP)、プロピレングリコール(PG)、1,4−ブタンジオール(1,4−BDO)、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、2,2−ブチルエチル−1,3−プロパンジオール(BEPD)、2−メチル−1,3−プロパンジオール(MPDiol)、及び1,4−シクロヘキサンジメタノール(1,4−CHDM)からなる群から選択される。
【0021】
この付加的な繰り返し単位は、共重合体又はブレンドの形態にてポリエステルに導入される。
【0022】
本発明にかかる他の観点は、a)トリメチレンナフタレート及びトリメチレンテレフタレートの少なくとも一つの繰り返し単位を85重量%以上有するポリエステル樹脂を溶融押出及び冷却させ、未延伸シートを得る工程と、b)前記未延伸シートを長手方向及び横断方向に延伸させ、緩和状態で熱処理させて、二軸配向シートを得る工程と、c)前記二軸配向シートを冷却する工程と、を有する太陽電池用の黒色シートの製造方法である。
【0023】
好ましくは、トリメチレンテレフタレートの繰り返し単位は、1,3−プロパンジオールをテレフタル酸又はその誘導体で高分子化することにより得られ、トリメチレンナフタレートの繰り返し単位は、1,3−プロパンジオールをナフタレンジカルボン酸又はその誘導体で高分子化することにより得られる。
【0024】
好ましくは、工程a)は、更に、ポリエステル樹脂を乾燥させて、溶融押出及び冷却工程前の水分含有量を50ppmよりも低くする工程を有する。
【0025】
工程c)にて得られるシートは、その物が太陽電池用の黒色シートとして使用されるか、又は付加的な処理を得て使用される。例えば、最終のシートは、更に、エチレン酢酸ビニル(EVA)層で一方の面を被覆し、フッ素樹脂層で他方の面を被覆することも可能である。更に、最終のシートは、水バリアとしての透明層で一方の面又は両面を被覆することも可能である。
【0026】
本発明にかかる太陽電池用の黒色シートは、従来の二軸配向ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムよりも加水分解耐性が向上しているため、太陽電池の表面保護層又は反射層に要求される十分な耐候性を示す。更に、本発明の黒色シートは種々の工程を経て製造され、例えば通常の方法にて他のフィルムで被覆されても良く、表面処理がなされても良く、UV安定剤が添加されても良い。
【0027】
以下の実施例は本発明の説明のみのために記載されるものであり、発明の範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0028】
製造例1:ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)−高分子Aの製造
約200rpmの攪拌速度を有し、反応混合物から1,3−プロパンジオール及び水を単離する分離タワーを備えるエステル化リアクタ(第1リアクタ)と、50〜10rpmの攪拌速度を有する攪拌機と、反応混合物の縮合する縮合器と、減圧ポンプを備える縮合重合リアクタ(第2リアクタ)と、を有するリアクタが使用された。
【0029】
テレフタル酸が第1リアクタに添加され、1,3−プロパンジオール及び触媒としてのn−ブタノールに希釈されたテトラブトキシチタン(TBT)が、テレフタル酸100重量部に対してそれぞれ120重量部及び0.03重量部添加された。結果として得られた混合物は、水を除去して260℃で1.2kg/cmにて4時間反応に供された。
【0030】
完全なエステル化がなされた後、安定剤としてのリン酸トリエチル(TEP)及びスリップ剤としての平均粒径2.5μmのシリカ粒子が、テレフタル酸100重量部に対してそれぞれ0.045重量部及び0.07重量部添加され、全体が5分間攪拌された。
【0031】
結果として得られた混合物が第2リアクタに移され、攪拌モーターが所定の電力に到達するまで減圧下で270℃にて重合反応がなされ、0.870dL/gの固有粘度(IV)を有するペレットとしてポリトリメチレンテレフタレートが得られた。
【0032】
製造例2:ポリトリメチレンナフタレート(PTN)−高分子Bの製造
製造例1にて使用されたものと同じリアクタが使用された。
【0033】
ナフタレンジカルボン酸塩が第1リアクタに添加され、1,3−プロパンジオール及び触媒としてのn−ブタノールに希釈されたテトラブトキシチタン(TBT)が、ナフタレンジカルボン酸塩100重量部に対してそれぞれ190重量部及び0.03重量部添加された。結果として得られた混合物は、水を除去して170〜230℃で1.2kg/cmにて4時間反応に供された。
【0034】
完全なエステル化がなされた後、安定剤としてのリン酸トリエチル(TEP)及びスリップ剤としての平均粒径2.5μmのシリカ粒子が、ナフタレンジカルボン酸塩100重量部に対してそれぞれ0.045重量部及び0.07重量部添加され、全体が5分間攪拌された。
【0035】
結果として得られた混合物が第2リアクタに移され、攪拌モーターが所定の電力に到達するまで減圧下で280℃にて重合反応がなされ、0.698dL/gの固有粘度(IV)を有するペレットとしてポリトリメチレンナフタレートが得られた。
【0036】
製造例3:ポリエチレンナフタレート(PEN)−高分子Cの製造
ナフタレンジカルボン酸塩100重量部に対して1,3−プロパンジオール190重量部が添加される代わりにジオールとしてエチレングリコールが添加され、そして、エステル交換触媒としての酢酸マンガン及び縮合重合触媒としての三酸化アンチモン(Sb)が、ナフタレンジカルボン酸塩100重量部に対してそれぞれ0.04重量部及び0.035重量部添加されたこと以外は、製造例2の工程が繰り返された。
【0037】
結果として、0.602dL/gの固有粘度(IV)を有するポリエチレンナフタレートが得られた。
【0038】
製造例4:ポリエチレンテレフタレート(PET)−高分子Dの製造
製造例1にて使用されたものと同じリアクタが使用された。
【0039】
テレフタル酸が第1リアクタに添加され、エチレングリコールがテレフタル酸100重量部に対して120重量部添加された。結果として得られた混合物は、水を除去して260℃で1.2kg/cmにて4時間反応に供された。
【0040】
完全なエステル化がなされた後、縮合重合触媒としての三酸化アンチモン(Sb)及びスリップ剤としての平均粒径2.5μmのシリカ粒子が、テレフタル酸100重量部に対してそれぞれ0.035重量部及び0.07重量部添加され、全体が5分間攪拌された。
【0041】
結果として得られた混合物が第2リアクタに移され、攪拌モーターが所定の電力に到達するまで減圧下で280℃にて重合反応がなされ、0.605dL/gの固有粘度(IV)を有するペレットとしてポリエチレンテレフタレートが得られた。
【0042】
製造例5:固相重合ポリエチレンテレフタレート(SPET)−高分子Eの製造
製造例4で得られた高分子Dが減圧下で20時間固相重合反応に供され、0.802dL/gの固有粘度(IV)を有する固相重合ポリエチレンテレフタレートが得られた。
【0043】
実施例1〜7及び比較例1〜5:太陽電池用の黒色シートの製造
製造例1〜5で得られた高分子A〜Eが、表1で示されるように種々の比率で混合された。結果として得られた混合物は、120℃で2時間パドルドライヤーを使用して結晶化され、ついで165℃で約5時間乾燥されて水分含有量を50ppmにした。
【0044】
各々の混合物はTm+20℃〜Tm+40℃の温度範囲で融解され、Tダイを通して押し出しされ、18〜20℃でロール鋳造にて冷却されて未延伸シートを得た。
【0045】
未延伸シートは、異なる周速度を有する熱ロールを使用してTg+5℃〜Tg+20℃の温度範囲で長手方向に3〜3.5倍延伸され、ついでTg+20℃〜Tg+40℃の温度範囲で横断方向に3.2〜3.8倍延伸されて二軸配向シートが得られた。
【0046】
次にこの二軸配向シートはTm−50℃〜Tm−30℃の温度範囲で数秒間熱処理され、厚さ20〜25μmの太陽電池用の黒色シートを得た。
【0047】
実施例1〜7及び比較例1〜5で得られた各々の黒色シートは、表1に示されるように以下の特性を有していた。
【0048】
(1)固有粘度(IV)
固有粘度は、ポリエチレンテレフタレートの典型的な固有粘度の測定方法に従って、オルトクロロフェノール(OCP)に30℃で融解させたシート試料を使用して測定された。
【0049】
(2)加水分解耐性(伸び保持率,%)
シート試料(15cm×15cm)が蒸留水を満たしたオートクレーブに載置され、蒸留水の存在下2atmの窒素ガスで加圧して120℃で75時間熱処理がなされた。
【0050】
熱処理前と熱処理後とにおいて、万能試験機を使用して長手方向及び横断方向のシート試料の伸びが測定された。測定は3回なされ、平均値を用いた。伸び保持率(%)は下記式を使用して計算された。
【0051】
伸び保持率(%)=100×[熱処理後の伸び/熱処理前の伸び]
(3)伸び
100mm×15mmシート試料を使用し、ASTM D288に従って、50mm間隔のインターバルにて200mm/分の伸張速度で万能試験機(UTM 4206−001,インストロン)にて破断伸度を測定した。
【0052】
【表1】

【0053】
表1に示されるように、実施例1〜7で得られた黒色シートは、高い加水分解耐性を示した。そのためこれらは太陽電池用の黒色シートとして有益である。
【0054】
本発明を前記実施例中心に説明したが、本発明は本発明の技術分野の通常の知識を有する者により様々な改変及び変形を以下に添付した請求の範囲内において行うことができると理解すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トリメチレンナフタレート及びトリメチレンテレフタレートの少なくとも一つの繰り返し単位を85重量%以上有するポリエステルからなる太陽電池用の黒色シート。
【請求項2】
120℃、2atmでの加圧水を使用した75時間の熱処理後における、長手方向及び横断方向の伸び保持率(%)(100×熱処理後の伸び/熱処理前の伸び)が80%以上である請求項1記載の太陽電池用の黒色シート。
【請求項3】
前記ポリエステルは、更に、少なくとも一つのUV安定剤及びUV吸収剤を0.01〜1.0重量%含有する請求項1記載の太陽電池用の黒色シート。
【請求項4】
前記UV安定剤は、ベンゾトリアゾールをベースにした化合物又はHALS(ヒンダードアミン系光安定剤)化合物であり、前記UV吸収剤は、ヒドロキシベンゾフェノン又はヒドロキシフェニルベンゾトリアゾールである請求項3記載の太陽電池用の黒色シート。
【請求項5】
前記ポリエステルは、更に、無機粒子を0.01〜15重量%含有する請求項1記載の太陽電池用の黒色シート。
【請求項6】
トリメチレンナフタレート及びトリメチレンテレフタレートの少なくとも一つの繰り返し単位を85重量%以上有するポリエステル樹脂を乾燥させ、溶融押出の前の水分含有量が50ppmよりも低くする工程を有する方法により製造される請求項1記載の太陽電池用の黒色シート。
【請求項7】
前記ポリエステルは、(i)イソフタル酸(IPA)、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、及びこれらのエステル誘導体からなる群から少なくとも一つ選択される二塩基酸を、(ii)エチレングリコール(EG)、ジエチレングリコール(DEG)、ネオペンチルグリコール(NGP)、プロピレングリコール(PG)、1,4−ブタンジオール(1,4−BDO)、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、2,2−ブチルエチル−1,3−プロパンジオール(BEPD)、2−メチル−1,3−プロパンジオール(MPDiol)、及び1,4−シクロヘキサンジメタノール(1,4−CHDM)からなる群から少なくとも一つ選択されるジオールで高分子化することで得られる少なくとも一つの付加的な繰り返し単位を0.01〜15重量%含有する請求項1記載の太陽電池用の黒色シート。
【請求項8】
a)トリメチレンナフタレート及びトリメチレンテレフタレートの少なくとも一つの繰り返し単位を85重量%以上有するポリエステル樹脂を溶融押出及び冷却させ、未延伸シートを得る工程と、
b)前記未延伸シートを長手方向及び横断方向に延伸させ、緩和状態で熱処理させて、二軸配向シートを得る工程と、
c)前記二軸配向シートを冷却する工程と、を有する太陽電池用の黒色シートの製造方法。
【請求項9】
前記トリメチレンテレフタレートの繰り返し単位は、1,3−プロパンジオールをテレフタル酸又はその誘導体で高分子化することにより得られ、前記トリメチレンナフタレートの繰り返し単位は、1,3−プロパンジオールをナフタレンジカルボン酸又はその誘導体で高分子化することにより得られるものである請求項8記載の太陽電池用の黒色シートの製造方法。
【請求項10】
工程a)は、更に、ポリエステル樹脂を乾燥させて、溶融押出及び冷却工程前の水分含有量を50ppmよりも低くする工程を有する請求項8記載の太陽電池用の黒色シートの製造方法。
【請求項11】
工程c)は、更に、エチレン酢酸ビニル(EVA)層で最終シートの一方の面を被覆し、フッ素樹脂層で最終シートの他方の面を被覆する工程を有する請求項8記載の太陽電池用の黒色シートの製造方法。

【公表番号】特表2012−529767(P2012−529767A)
【公表日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−514883(P2012−514883)
【出願日】平成22年6月9日(2010.6.9)
【国際出願番号】PCT/KR2010/003693
【国際公開番号】WO2010/143882
【国際公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(504004533)エスケーシー カンパニー,リミテッド (10)
【Fターム(参考)】