説明

二重壁金属管、金属帯および細片、および金属細片の被覆方法

本発明は、管状のロール成形された金属帯を含んでなり、管状のロール成形された金属帯の金属層間にろう付け層を有し、該ろう付け層が銅合金からなる、二重壁金属管に関する。本発明により、該銅合金が銅−スズ合金であり、該銅−スズ合金がスズ3〜12重量%を含んでなる。本発明は、そのような二重壁金属管を形成するための金属帯、およびそのような金属帯を製造するための金属細片、および金属帯および細片を被覆する方法にも関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本願は、どちらもここに参考として含める2003年6月18日提出のヨーロッパ特許出願第03076903.8号および2003年6月25日提出の米国暫定特許出願第60/482,028号の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、管状のロール成形された金属帯を含んでなり、該管状のロール成形された金属帯の金属層間にろう付け層を有する、二重壁金属管に関する。本発明は、金属帯(該金属帯の少なくとも片側に、該金属帯をろう付けするための被覆層がある)、および金属細片(該金属細片の少なくとも片側に被覆層がある)、および該金属細片の被覆方法にも関する。金属帯の用語は、本明細書では、通常500mm以上の幅を有する通常(広い)細片から切断した狭い細片を指すのに使用する。
【背景技術】
【0003】
管状ロール成形金属帯から製造された、管状ロール成形金属帯の金属層間にろう付け層を有する二重壁金属管は良く知られており、主として自動車のブレーキ系統(brake line)に使用されており、他の用途としては、例えば油圧管または冷蔵庫管がある。そのような二重壁金属管は、二つの金属層を有し、少なくとも片側にろう付け層を備えた平らな金属帯から製造される。金属帯は、ロール成形され、続いてろう付けされる。自動車工業におけるろう材としては銅が使用されるが、これは、銅の融点が1081℃であり、ろう付け装置におけるろう付け温度およびろう付け時間を効率的に制御できるためである。管の金属は、通常、軟鋼であり、組成がC:0.03〜0.07%、P≦0.02%、S≦0.015%、Si≦0.06%、Mn:0.05〜0.4%、Al:0.02〜0.07%(百分率はすべて重量である)、残りがFeおよび不可避な不純物である。ろう付けされた二重壁管上には、腐食防止被覆をさらに施すことが多い。
【0004】
ステンレス鋼製の二重壁管に焦点を当てている米国特許第5,553,640号では、粒界拡散の危険性を下げ、材料の耐食性を増加するために、低い融点を有するろう付け層を使用することが提案されている。この特許のろう付け層は、スズ13〜15%または亜鉛32.5〜37%または銀15〜18%を含んでなる銅合金である。これらのスズ、亜鉛および銀の量は、ろう付け接続部に可能な信頼性を最大にするために、ろう付け温度が共融点の近くになるように選択されている。
【0005】
しかし、これらの銅合金には、それぞれ欠点がある。銅−スズ合金は、ろう付け温度が800〜820℃である。銅−亜鉛合金のろう付け温度は900℃のすぐ上である。銅−銀合金は、ろう付け温度が1000℃未満である。使用する合金およびろう付け温度のために、これらの合金の強度は、ろう付け層としての純粋な銅の強度よりも低い。自動車工業は、低強度、これらの合金の製造コスト、および長い間に確立した、立証された製法を変えることに伴う潜在的な危険性のために、ブレーキ系統用の二重壁金属管の製造に、これらの合金を使用していない。
【発明の具体的説明】
【0006】
本発明の目的は、自動車のブレーキ系統、等に使用する、現在製造されている二重壁管よりも容易に、より経済的に製造できる二重壁金属管を提供することである。また、自動車工業に受け入れられるような管を提供することも本発明の目的である。さらに、金属帯および細片およびそのような細片の製造方法も提供する。
【0007】
本発明の第一の態様では、管状のロール成形された金属帯を含んでなり、管状のロール成形された金属帯の金属層間にろう付け層を有する、二重壁金属管であって、該ろう付け層が銅合金からなり、該銅合金が銅−スズ合金であり、該銅−スズ合金がスズ3〜12重量%を含んでなる、二重壁金属管を提供する。
【0008】
スズ3〜12重量%を含んでなる銅−スズ合金のろう付け層を有する二重壁金属管は、純粋な銅のろう付け層よりも融点が低い、つまり該管を製造する装置中のろう付け温度を低くし、毎分に製造される管の長さを増加することができる。これは、自動車工業にとって経済的に有利である。他方、ろう付け合金中のスズの百分率はかなり低い。この百分率のスズにより、自動車工業によって課せられるろう付け継ぎ目強度の必要条件に適合する。その上、スズの百分率が低いので、二重壁管のろう付け工程を修正することにより、既存のろう付け装置を使用することができる。無論、スズは、銅−スズ合金における主要合金化元素であるが、少量の他の元素も存在し得る。
【0009】
好ましくは、二重壁管中で、銅−スズ合金はスズ6〜8重量%を含んでなる。スズの百分率6〜8により、ろう付け温度は著しく下がるが、同時に、ろう付けされた管の強度は、最小必要強度を優に超えている。
【0010】
最も好ましい実施態様では、二重壁金属管は、実質的に7重量%のスズを含んでなる銅−スズ合金のろう付け層を有する。この百分率のスズは、低いろう付け温度およびろう付け層の高い強度の両方に対する必要条件に最適であると考えられる。ろう付け温度は1000℃未満である。
【0011】
好ましくは、二重壁金属管の金属帯は鋼製である。自動車用ブレーキ系統に好ましい鋼は、例えば組成がC:0.03〜0.07%、P≦0.02%、S≦0.015%、Si≦0.06%、Mn:0.05〜0.4%、Al:0.02〜0.07%(百分率はすべて重量である)、残りがFeおよび不可避な不純物である軟鋼である。しかし、粒界拡散の危険性を下げる低いろう付け温度を考慮して、ステンレス鋼も可能である。
【0012】
二重壁金属管の好ましい実施態様では、管をロール成形する金属帯が、片側にニッケル層の被覆を有する。これには、金属帯がロール成形された方法に応じて、管の内側または外側上に、耐食性の層が存在するという利点がある。自動車用ブレーキ系統に使用する二重壁金属管には、ニッケル層が管の外側上に存在するのが好ましい。自動車用の燃料系統に使用する二重壁金属管には、ニッケル層が管の内側上に存在するのが好ましい。
【0013】
本発明の第二の態様では、幅が実質的に20〜80mmである金属帯であって、該金属帯の少なくとも片側に、該金属帯をろう付けするための被覆層が存在し、該被覆層が銅−スズ合金であり、該銅−スズ合金がスズ3〜12重量%を含んでなる、金属帯を提供する。この金属帯は、本発明の第一の態様による二重壁管の製造に使用できる。
【0014】
好ましくは、金属帯上の銅−スズ合金層はスズ6〜8重量%、好ましくは実質的に7重量%のスズを含んでなる。合金中のこの百分率のスズは、二重壁管の製造に最適である。
【0015】
金属帯の好ましい実施態様では、銅−スズ合金層が金属帯の両側にあり、銅−スズ合金層は好ましくは厚さがそれぞれの側で0.5〜5μm、より好ましくは片側で3〜5μm、反対側で0.5〜1.5μmであり、さらに好ましくは片側で約4μm、反対側で約1μmである。これらの銅−スズ合金層を有する金属細片は、二重壁金属管にロール成形した時に、容易にろう付けすることができる。
【0016】
別の好ましい実施態様では、金属帯は、金属帯の片側にニッケル層の被覆、好ましくは金属帯の片側に厚さ0.5〜2μmのニッケル層、金属帯の反対側に厚さ3〜5μmの銅−スズ合金層を有する。この金属帯は、銅−スズ合金層を使用する二重壁金属管にロール成形した時に、容易にろう付けすることができる帯を与え、同時に、形成された管の外側または内側にニッケル層を使用する耐食性の層を与える。
【0017】
好ましくは、金属帯は鋼、好ましくは軟鋼、からなり、その軟鋼は、好ましくは組成がC:0.03〜0.07%、P≦0.02%、S≦0.015%、Si≦0.06%、Mn:0.05〜0.4%、Al:0.02〜0.07%(百分率はすべて重量である)、残りがFeおよび不可避な不純物である。軟鋼は、通常、ブレーキ系統用の二重壁管に好ましいが、ステンレス鋼も使用できよう。
【0018】
本発明の第三の態様では、金属細片を提供するが、該金属細片の少なくとも片側にろう付け目的の被覆層が存在し、該被覆層が銅−スズ合金であり、該銅−スズ合金がスズ3〜12重量%を含んでなる。この細片は、本発明の第一の態様による二重壁管を製造するための金属帯の製造に使用できる。
【0019】
好ましくは、金属細片上の被覆の銅−スズ合金はスズ6〜8重量%、好ましくは実質的に7重量%のスズを含んでなる。この百分率は、自動車のブレーキ系統用の二重壁金属管の製造に最適である。
【0020】
好ましい実施態様では、銅−スズ合金層が金属細片の両側にあり、銅−スズ合金層は好ましくは厚さがそれぞれの側で0.5〜5μm、より好ましくは片側で3〜5μm、反対側で0.5〜1.5μmであり、さらに好ましくは片側で約4μm、反対側で約1μmである。この細片から切り取った帯は、二重壁金属管にロール成形した時に、容易にろう付けすることができる。
【0021】
別の好ましい実施態様では、金属細片は、金属細片の片側にニッケル層の被覆、好ましくは金属細片の片側に厚さ0.5〜2μmのニッケル層、金属細片の反対側に厚さ3〜5μmの銅−スズ合金層を有する。この金属細片は、銅−スズ合金層を使用する二重壁金属管にロール成形した時に、容易にろう付けすることができる帯に切断することができ、同時に、形成された管の外側または内側にニッケル層を使用する耐食性の層を与える。
【0022】
本発明の第四の態様では、金属細片を銅−スズ合金からなる被覆層で被覆する方法であって、下記の工程、すなわち
−金属細片を清浄にする工程、
−金属細片の表面を活性化させる工程、
−金属細片の少なくとも片側を、スズ3〜12%を含んでなる銅−スズ合金層で連続的に被覆する工程、
−金属細片を後処理(例えば酸化防止剤を塗布)する工程
を含んでなる方法を提供する。
【0023】
金属細片を、スズ3〜12%を含んでなる銅−スズ合金の被覆層で連続的に被覆することにより、(この金属細片から切断された)金属帯が得られるが、この金属帯は、本発明の第一態様による自動車のブレーキ系統用の二重壁管を製造するのに使用することができる。
【0024】
好ましくは、金属細片を、スズ6〜8重量%、好ましくは実質的に7重量%のスズを含んでなる銅−スズ合金で被覆する。このスズ百分率は、そのような二重壁金属管に最適である。細片の金属は被覆に影響を及ぼさないが、好ましくは自動車用の二重壁管用または他の目的に使用する軟鋼である。しかし、金属はステンレス鋼でもよい。
【0025】
本方法の好ましい実施態様では、金属細片を、好ましくは銅−スズ合金層の被覆を施す前に、金属細片の片側をニッケルの層で連続的に被覆する。ニッケル層で被覆することにより、ニッケル層および少なくとも一個の銅−スズ合金層の両方を備えた金属細片が得られるが、これは、この細片から切断される帯から二重壁金属管を製造するのに、このようにして管に耐食性のニッケル層が与えられるので、有利である。
【0026】
好ましい方法では、物理的蒸着(PVD)を使用して金属帯を被覆する。この被覆方法は、それ自体公知であり、金属細片を被覆するのに好適である。被覆層は、銅−スズ合金層に対する両側被覆として、あるいはニッケル被覆および/または銅−スズ合金被覆に対する片側被覆として施すことができる。PVDは、環境的に好ましい、および融通性のある方法として知られており、コストは電気めっきと同等である。銅−スズ合金のPVD被覆は、銅−スズ合金の一層として施すか、または別の銅および別のスズ層として施し、続いて拡散アニールすることができる。
【0027】
別の好ましい実施態様では、金属帯を、電気めっきを使用して被覆し、好ましくは銅めっきした層およびスズめっきした層を使用し、続いて被覆された金属をアニールし、銅−スズ合金を製造する。金属、例えば銅、スズおよびニッケル、の層をめっきすることは、それ自体公知であり、細片上に所望の層が施される。
【0028】
さらに別の好ましい実施態様では、金属帯を、スズイオンおよび銅イオンを含むシアン化物浴中で、銅−スズ合金層で被覆する。銅イオンおよびスズイオンを含む浴を使用することは、それ自体公知であり、金属細片に銅−スズ合金被覆を施すのに好適な方法である。
【実施例】
【0029】
本発明を3つの例で説明する。
【0030】
例I
冷間圧延した細片(断面寸法0.35x500mm)を用意、
洗浄(2〜3%アルカリ性クリーナー、第一工程浸漬クリーナー、第二工程電気クリーナー)、
カスケード濯ぎとブラシ、
活性化(5%硫酸)、
カスケード濯ぎ、
電解的に青銅めっき(7%スズ)、シアン化銅30〜40g/l、シアン化ナトリウム50〜60g/l(あるいはシアン化カリウム80〜100g/l)、スズ酸ナトリウム三水和物25〜35g/l、炭酸ナトリウム50〜80g/l、水酸化ナトリウム10〜15g/l、有機化合物(例えばコンプレックス剤、結晶粒微細化剤、湿潤剤0.5〜1g/l、等)を含む特殊なシアン化物浴中、それぞれの側で被覆厚2.7μm、
カスケード濯ぎに加えて青銅酸化防止浸漬工程(最後の濯ぎ部分、有機アゾール誘導体)、
顧客の規格に従って裁断。
【0031】
例II
冷間圧延した細片(断面寸法0.35x500mm)を用意、
洗浄(2〜3%アルカリ性クリーナー、第一工程浸漬クリーナー、第二工程電気クリーナー)、
カスケード濯ぎとブラシ、
活性化(5%硫酸)、
カスケード濯ぎ、
電解的に青銅めっき(7%スズ)、シアン化銅30〜40g/l、シアン化ナトリウム50〜60g/l(あるいはシアン化カリウム80〜100g/l)、スズ酸ナトリウム三水和物25〜35g/l、炭酸ナトリウム50〜80g/l、水酸化ナトリウム10〜15g/l、有機化合物(例えばコンプレックス剤、結晶粒微細化剤、湿潤剤0.5〜1g/l、等)を含む特殊なシアン化物浴中、それぞれの側で被覆厚2.7μm、
カスケード濯ぎ、
HNX雰囲気(水素5%、窒素95%)下、約640℃で12時間バッチ焼きなまし、またはHNX雰囲気下、約900℃で1分間連続焼きなまし、
ブラシ掛けで活性銅表面および必要な仕上げを確保、
顧客の規格に従って裁断。
【0032】
例III
冷間圧延した細片(断面寸法0.343x501mm)を用意、
洗浄(2〜3%アルカリ性クリーナー、第一工程浸漬クリーナー、第二工程電気クリーナー)、
カスケード濯ぎとブラシ、
活性化(5%硫酸)、
カスケード濯ぎ、
電解的にニッケルめっき、硫酸ニッケル200〜250g/l、塩化ナトリウム20〜40g/l、ホウ酸35〜45g/lを含む標準的なWatt浴、片側で1μm、反対側で約<0.1μm、
カスケード濯ぎ、
電解的に青銅めっき(7%スズ)、シアン化銅30〜40g/l、シアン化ナトリウム50〜60g/l(あるいはシアン化カリウム80〜100g/l)、スズ酸ナトリウム三水和物25〜35g/l、炭酸ナトリウム50〜80g/l、水酸化ナトリウム10〜15g/l、有機化合物(例えばコンプレックス剤、結晶粒微細化剤、湿潤剤0.5〜1g/l、等)を含む特殊なシアン化物浴中、それぞれの側で被覆厚3μm、
カスケード濯ぎに加えて青銅酸化防止浸漬工程(最後の濯ぎ部分、有機アゾール誘導体)、
顧客の規格に従って裁断。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管状のロール成形された金属帯を含んでなり、前記管状のロール成形された金属帯の金属層間にろう付け層を有する、二重壁金属管であって、前記ろう付け層が銅合金からなり、前記銅合金が銅−スズ合金であり、前記銅−スズ合金がスズ3〜12重量%を含んでなる、二重壁金属管。
【請求項2】
前記銅−スズ合金がスズ6〜8重量%を含んでなる、請求項1に記載の二重壁金属管。
【請求項3】
前記銅−スズ合金が、実質的に7重量%のスズを含んでなる、請求項1または2に記載の二重壁金属管。
【請求項4】
前記金属帯が鋼製である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の二重壁金属管。
【請求項5】
前記鋼製帯が軟鋼から製造されており、前記軟鋼の組成が、好ましくはC:0.03〜0.07%、P≦0.02%、S≦0.015%、Si≦0.06%、Mn:0.05〜0.4%、Al:0.02〜0.07%(百分率はすべて重量である)、残りがFeおよび不可避な不純物である、請求項4に記載の二重壁金属管。
【請求項6】
前記管がロール成形された前記金属帯が、片側にニッケル層の被覆を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の二重壁金属管。
【請求項7】
例えば請求項1〜6のいずれか一項に記載の二重壁金属管を製造するための、幅が実質的に20〜80mmである金属帯であって、前記金属帯の少なくとも片側に、前記金属帯をろう付けするための被覆層が存在し、前記被覆層が銅−スズ合金であり、前記銅−スズ合金がスズ3〜12重量%を含んでなる、金属帯。
【請求項8】
前記銅−スズ合金が、スズ6〜8重量%、好ましくは実質的に7重量%のスズを含んでなる、請求項7に記載の金属帯。
【請求項9】
前記銅−スズ合金層が前記金属帯の両側にあり、前記銅−スズ合金層の厚さが、好ましくはそれぞれの側で0.5〜5μm、より好ましくは片側で3〜5μm、反対側で0.5〜1.5μmであり、さらに好ましくは片側で約4μm、反対側で約1μmである、請求項7または8に記載の金属帯。
【請求項10】
前記金属帯が、前記金属帯の片側にニッケル層の被覆、好ましくは前記金属帯の片側に厚さ0.5〜2μmのニッケル層、前記金属帯の反対側に厚さ3〜5μmの銅−スズ合金層を有する、請求項7または8に記載の金属帯。
【請求項11】
前記金属帯が、鋼、好ましくは軟鋼、からなり、前記軟鋼の組成が、好ましくはC:0.03〜0.07%、P≦0.02%、S≦0.015%、Si≦0.06%、Mn:0.05〜0.4%、Al:0.02〜0.07%(百分率はすべて重量である)、残りがFeおよび不可避な不純物である、請求項7〜10のいずれか一項に記載の金属帯。
【請求項12】
例えば請求項1〜6のいずれか一項に記載の二重壁金属管を製造するための金属帯を製造するための金属細片であって、前記金属細片の少なくとも片側にろう付け目的の被覆層が存在し、前記被覆層が銅−スズ合金であり、前記銅−スズ合金がスズ3〜12重量%を含んでなる、金属細片。
【請求項13】
前記銅−スズ合金が、スズ6〜8重量%、好ましくは実質的に7重量%のスズを含んでなる、請求項12に記載の金属細片。
【請求項14】
前記銅−スズ合金層が前記金属細片の両側にあり、前記銅−スズ合金層の厚さが、好ましくはそれぞれの側で0.5〜5μm、より好ましくは片側で3〜5μm、反対側で0.5〜1.5μmであり、さらに好ましくは片側で約4μm、反対側で約1μmである、請求項12または13に記載の金属細片。
【請求項15】
前記金属細片が、前記金属細片の片側にニッケル層の被覆、好ましくは前記金属細片の片側に厚さ0.5〜2μmのニッケル層、前記金属細片の反対側に厚さ3〜5μmの銅−スズ合金層を有する、請求項12〜14のいずれか一項に記載の金属細片。
【請求項16】
前記金属細片が、鋼、好ましくは軟鋼、からなり、前記軟鋼の組成が、好ましくはC:0.03〜0.07%、P≦0.02%、S≦0.015%、Si≦0.06%、Mn:0.05〜0.4%、Al:0.02〜0.07%(百分率はすべて重量である)、残りがFeおよび不可避な不純物である、請求項12〜15のいずれか一項に記載の金属細片。
【請求項17】
金属細片を銅−スズ合金からなる被覆層で被覆する方法であって、下記の工程、すなわち
−前記金属細片を清浄にする工程、
−前記金属細片の表面を活性化させる工程、
−前記金属細片の少なくとも片側を、スズ3〜12%を含んでなる銅−スズ合金層で連続的に被覆する工程、
−前記金属細片を後処理(例えば酸化防止剤を塗布)する工程
を含んでなる、方法。
【請求項18】
前記金属細片が、スズ6〜8重量%、好ましくは実質的に7重量%のスズを含んでなる銅−スズ合金で被覆される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記金属細片が、好ましくは前記銅−スズ合金層の被覆を施す前に、前記金属細片の片側でニッケルの層で連続的に被覆される、請求項17または18に記載の方法。
【請求項20】
前記金属帯が物理的蒸着(PVD)により被覆され、前記物理的蒸着(PVD)が、下記の工程、すなわち
−前記金属細片を清浄にする工程、
−前記金属細片を乾燥させる工程、
−前記金属細片を活性化させる工程、
−前記金属細片の少なくとも片側を、スズ3〜12%を含んでなる銅−スズ合金層で連続的に被覆する工程、
−前記被覆された細片を冷却する工程、
−酸化防止剤を塗布する工程
を含んでなる、請求項17〜19のいずれか一項に記載の、方法。
【請求項21】
前記金属帯が、好ましくは銅めっきした層およびスズめっきした層を使用し、電気めっきを使用して被覆され、続いて前記被覆された金属をアニールし、銅−スズ合金を製造する、請求項17〜19のいずれか一項に記載の、方法。
【請求項22】
前記金属帯が、スズイオンおよび銅イオンを含むシアン化物浴中で、銅−スズ合金層で被覆される、請求項17〜19のいずれか一項に記載の、方法。

【公表番号】特表2006−527660(P2006−527660A)
【公表日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−515975(P2006−515975)
【出願日】平成16年6月16日(2004.6.16)
【国際出願番号】PCT/EP2004/006537
【国際公開番号】WO2004/112979
【国際公開日】平成16年12月29日(2004.12.29)
【出願人】(504448818)ヒル・アンド・ミユラー・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング (2)
【Fターム(参考)】