説明

代謝障害を制御するための組成物およびその使用方法

本発明は、1つ以上の酸化的脂肪メタボライザー、神経伝達物質、アルギンまたはアルギン同等物、および中鎖トリグリセリドを含む成分の組み合わせを含み、障害を制御して健康な代謝を維持するのに有用である組成物に関する。本発明の組成物は代謝を増強し、脂肪を燃焼し、エネルギーを増強するのに有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、あらゆる目的のために参照によってその内容全体を本明細書に援用する2005年11月7日に出願された米国仮出願第60/733,780号に基づく優先権を主張する。
【0002】
発明の分野
本発明は、1つ以上の酸化的脂肪メタボライザー、1つ以上の神経伝達物質、1つ以上のアルギンまたはアルギン同等物、および1つ以上の中鎖トリグリセリドを含む成分の組み合わせを含み、障害を制御して健康な代謝を維持するのに有用な組成物に関する。本発明の組成物は、代謝を増強し、脂肪を燃焼し、エネルギーを増大させるのに有用である。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
公衆衛生にとって大きな懸案事項である疾患の大多数は、欠陥のあるグルコース代謝に関与する。グルコース代謝を仲介する主要な分子の1つはインシュリンである。膵臓から排出されるホルモンであるインシュリンは、細胞が血液からグルコースを吸収するように刺激するとその有効性を失う。ひとたびこれが起きると、食物を摂取した後にグルコースレベルが長期間上昇したままになる。膵臓はグルコースレベル上昇を代償しようとして、長期間にわたりインシュリンを分泌し続ける。
【0004】
肝臓におけるグルコースレベルの増大は、フルクトース−6−リン酸2−キナーゼ/フルクトース−2,6−ビスホスファターゼ、脂肪酸シンターゼ、アセチル−CoAカルボキシラーゼ、およびL−タイプピルビン酸キナーゼ(LPK)を含む解糖および脂質生成のいくつかの鍵となる酵素の翻訳後活性化をもたらすことができる。高炭水化物の食事はまた、これらの酵素をコードする遺伝子の多くの転写も誘発し、それによってトリグリセリドとしての糖の長期保存を促進し、体重増加または肥満症リスクを増大する(グッドリッジ(Goodridge)、Annu.Rev.Nutr.7:157〜185頁(1987年)、およびグラナー(Granner)およびピルキス(Pilkis)、J.Biol.Chem.265:10173〜10176頁(1990年))。
【0005】
肥満症、高脂血症、および糖尿病は、現在の西洋社会において罹患率の相当な割合を占めるアテローム硬化性心臓血管疾患などを含む様々な障害において、原因的役割を果たすことが示されている。
【0006】
「シンドロームX」または「メタボリック・シンドローム」と呼ばれる1つのヒトの障害は、グルコース代謝欠陥(例えばインシュリン抵抗性)、血圧上昇(すなわち高血圧)、および血液脂質不均衡(すなわち異脂肪血症)によって顕在化する。例えばレーベン(Reaven)、1993年、Annu.Rev.Med.44:121〜131頁を参照されたい。
【0007】
血清コレステロールを低下させてHDL血清レベルを増大させ、冠動脈心疾患を予防し、および/またはアテローム性動脈硬化、肥満症、糖尿病、およびグルコース代謝および/またはグルコースレベル上昇によって影響されるその他の疾患などの既存の疾患を治療するのに有効なより安全で自然な治療法を開発する明らかな必要性がある。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明の概要
本発明は、代謝に関連した障害を制御するのに有用な組成物を包含する。
【0009】
一実施態様では、本発明は、1つ以上の酸化的脂肪メタボライザー、1つ以上の神経伝達物質、1つ以上のアルギンまたはアルギン同等物、および1つ以上の中鎖トリグリセリド(「MCT」)を含む組成物を包含する。
【0010】
別の実施態様では、本発明は、哺乳類における病状を制御するためのキットを包含し、このキットは、少なくとも1つ以上の酸化的脂肪メタボライザー、1つ以上の神経伝達物質、1つ以上のアルギンまたはアルギン同等物、1つ以上の中鎖トリグリセリドの構成要素を含む容器、および使用説明書を含み、各構成要素はそれぞれの使用単位量にあらかじめ測定されている。
【0011】
代謝関連障害を治療する方法は、それを必要とする対象に、1つ以上の酸化的脂肪メタボライザー、1つ以上の神経伝達物質、1つ以上のアルギンまたはアルギン同等物、および1つ以上の中鎖トリグリセリドを含む組成物の有効量を投与するステップを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
発明の詳細な説明
定義
特に断りのない限りここでの用法では、「代謝を制御する」という語句は、総血液脂質含量、血液HDLコレステロール、血液LDLコレステロール、血液VLDLコレステロール、血液トリグリセリド、血液Lp(a)、血液アポA−I、血液アポEまたは血液非エステル化脂肪酸を含むが、これに限定されない代謝の少なくとも1つの態様における、観察可能な(すなわち測定可能な)変化を示唆する。
【0013】
特に断りのない限りここでの用法では、「代謝を修正する」という語句は、総血液グルコース含量、血液インシュリン、血液インシュリン対血液グルコース比、インシュリン感受性、または酸素消費を含むが、これに限定されない、代謝の少なくとも1つの態様における観察可能な(すなわち測定可能な)変化を示唆する。
【0014】
特に断りのない限りここでの用法では、本発明の組成物の「有効量」という語句は、障害または病状の少なくとも1つの悪影響が軽減または改善される、本発明の化合物の有効性によって測定される。
【0015】
ここでの用法では希釈剤、アジュバント、賦形剤、充填剤またはキャリアという用語は、あらゆる追加的添加剤、または添加剤と本発明の組成物との組み合わせを含む。希釈剤、アジュバント、賦形剤、充填剤またはキャリアの非限定的例は、落花生油、ダイズ油、鉱物油、ゴマ油など、アカシアゴム、ゼラチン、デンプンペースト、滑石、ケラチン、コロイドシリカ、尿素など、安定化剤、増粘剤、潤滑および着色剤、着香剤など、食塩水および水性デキストロースおよびグリセロール溶液、様々なタイプのデンプン、グルコースと乳糖とスクロースなどの様々なタイプの糖、モルト、米、穀粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、塩化ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、脱脂粉乳、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エタノールなどの石油、動物、植物または合成起源のものを含む、水および油などの液体であることができる。本組成物はまた、所望ならば少量の湿潤剤または乳化剤またはpH緩衝剤を含むことができる。
【0016】
ここでの用法では、「予防法」、「予防する」または「予防」とは、特定の障害に罹患するリスクの低減を指す。本発明の組成物はまた、ここで記載されるように、病状または障害を予防するのにも適する。
【0017】
本発明の組成物
本発明は、様々な障害、特にここで記載されるように代謝障害を制御、修正、治療、および予防するのに有用な組成物を包含する。一実施態様では、本発明の組成物は、1つ以上の酸化的脂肪メタボライザー、1つ以上の神経伝達物質、1つ以上のアルギンまたはアルギン同等物、および1つ以上のMCTを含む。
【0018】
別の実施態様では、本発明の組成物は、酸化的脂肪メタボライザー、神経伝達物質、アルギンまたはアルギン同等物、MCT、および場合によりホスファチジルコリン、イノシトール、エタノールアミン、ターメリック、蜜ろう、ゼラチン、および植物性グリセリン、グリセロールエチルエステルおよび水を含む。「グリセロールエチルエステル」という用語は、グリセロールとエタノールとの縮合物を指す。
【0019】
本発明の組成物の別の実施態様では、酸化的脂肪メタボライザーはカルニチンであり、カルニチンとしては、L−カルニチンが挙げられるが、これに限定されない。神経伝達物質はγアミノ酪酸(「GABA」)であり、アルギンまたはアルギン同等物は昆布抽出物である。組成物は賦形剤または充填剤なしに使用できるが、場合により組成物は、賦形剤または充填剤をさらに含有できる。
【0020】
別の実施態様では、本発明の組成物は、酸化的脂肪メタボライザー、神経伝達物質、アルギンまたはアルギン同等物、MCT、および場合によりホスファチジルコリン、イノシトール、エタノールアミン、ターメリック、蜜ろう、ゼラチン、植物性グリセリン、グリセロールエチルエステル、水、およびそれらの組み合わせを含み、ここで記載されるような任意の成分(例えば賦形剤、充填剤など)のいずれかまたは全てを含んでもよい。
【0021】
本発明の一実施態様では、本発明の組成物は、L−カルニチン、GABA、昆布抽出物、例えば1つ以上のココナツ油からのMCTなどのMCTを含む。
【0022】
別の実施態様では、本発明の組成物は、L−カルニチン、GABA、昆布抽出物、ココナツ油からのMCT、ホスファチジルコリン、ターメリック、蜜ろう、例えばコーシャゼラチンなどのゼラチン、および例えばパーム果実からの植物性グリセリンなどのグリセリンを含む。
【0023】
別の実施態様では、本発明の組成物は、L−カルニチン、GABA、昆布抽出物、ココナツ油からのMCT、ホスファチジルコリン、ターメリック、蜜ろう、ゼラチン、およびパーム果実からの植物性グリセリンを含む。
【0024】
別の実施態様では、本発明の組成物は、L−カルニチン、GABA、昆布抽出物、ココナツ油からのMCT、ホスファチジルコリン、ターメリック、蜜ろう、ゼラチン、およびパーム果実からの植物性グリセリンおよびここで記載されるような賦形剤または充填剤を含む。
【0025】
別の実施態様では、本発明の組成物は、酸化的脂肪メタボライザー、神経伝達物質、アルギンまたはアルギン同等物、および中鎖トリグリセリドを含む。
【0026】
別の実施態様では、本発明の組成物は、酸化的脂肪メタボライザーと、神経伝達物質と、アルギンまたはアルギン同等物と、中鎖トリグリセリドと、場合によりホスファチジルコリン、イノシトールおよびエタノールアミン、ターメリック、蜜ろう、ゼラチン、グリセロール、グリセロールエチルエステル、ここで記載されるような賦形剤または充填剤、およびそれらの組み合わせの少なくとも1つとを含み、任意の成分はいずれかを含んでも全てを含んでもよい。
【0027】
別の実施態様では、本発明の組成物は、酸化的脂肪メタボライザー、神経伝達物質、アルギンまたはアルギン同等物、中鎖トリグリセリド、ホスファチジルコリン、イノシトールおよびエタノールアミン、ターメリック、蜜ろう、ゼラチン、グリセロール、グリセロールエチルエステル、およびここで記載されるような賦形剤または充填剤を含む。
【0028】
別の実施態様では、本発明の組成物は、L−カルニチンである酸化的脂肪メタボライザーと、γアミノ酪酸である神経伝達物質と、昆布抽出物からのアルギンまたはアルギン同等物と、ココナツ油からの中鎖トリグリセリドと、ホスファチジルコリン、イノシトールおよびエタノールアミンと、ターメリックと、蜜ろうと、ゼラチンと、パーム果実からのグリセロールと、1つ以上のグリセロールエチルエステルと、ここで記載されるような賦形剤または充填剤とを含む。
【0029】
別の実施態様では、本発明の組成物は、L−カルニチンである酸化的脂肪メタボライザーと、γアミノ酪酸である神経伝達物質と、昆布抽出物からのアルギンまたはアルギン同等物と、ココナツ油からの中鎖トリグリセリドと、場合によりホスファチジルコリン、イノシトールおよびエタノールアミンと、ターメリックと、蜜ろうと、ゼラチンと、パーム果実からのグリセロールと、1つ以上のグリセロールエチルエステルと、ここで記載されるような賦形剤または充填剤と、それらの組み合わせの少なくとも1つとを含み、任意の成分はいずれかを含んでも全てを含んでもよい。
【0030】
別の実施態様では、本発明の組成物は、約10%〜約20%、約11%〜約19%、約12%〜約18%、約13%〜約17%、約14%〜約16%、およびその全範囲ならびにその間の部分的範囲を含むが、これに限定されない量で組成物中に存在する例えばL−カルニチンなどの酸化的脂肪メタボライザーと、約5%〜約25%、約6%〜約24%、約7%〜約23%、約8%〜約22%、約9%〜約21%、約10%〜約20%、約11%〜約19%、約12%〜約18%、約13%〜約17%、約14%〜約16%、およびその全範囲ならびにその間の部分的範囲を含むが、これらに限定されない量で組成物中に存在する例えばγアミノ酪酸などの神経伝達物質と、約2%〜約5%、約2.5%〜約4.5%、約3.0%〜約4.0%、約3.5%〜約4.0%、およびその全範囲ならびにその間の部分的範囲を含むが、これに限定されない量で組成物中に存在する例えば昆布抽出物からのアルギンまたはアルギン同等物と、組成物の約25%〜約45%、約26%〜約44%、約27%〜約43%、約28%〜約42%、約29%〜約41%、約30%〜約40%、約31%〜約39%、約32%〜約38%、約33%〜約37%、約34%〜約36%、およびその全範囲ならびにその間の部分的範囲を含むが、これらに限定されない量で組成物中に存在する例えばココナツ油からの中鎖トリグリセリドと、および場合により、合わせて約2%〜約15%、約3%〜約14%、約4%〜約13%、約5%〜約12%、約6%〜約11%、約7%〜約10%、約8%〜約9%、およびその全範囲ならびにその間の部分的範囲を含むが、これらに限定されない量のホスファチジルコリン、イノシトールおよびエタノールアミンの少なくとも1つと、場合により約0.1%〜約1.0%、約0.2%〜約0.9%、約0.3%〜約0.8%、約0.4%〜約0.7%、約0.45%〜約0.65%、約0.5%〜約0.6%、およびその全範囲ならびにその間の部分的範囲を含むが、これに限定されない量のターメリックと、場合により約0.05%〜約0.5%、約0.1%〜約0.45%、約0.15%〜約0.40%、約0.2%〜約0.35%、約0.25%〜約0.30%、およびその全範囲ならびにその間の部分的範囲を含むが、これに限定されない量の蜜ろうと、場合により約15%〜約20%、約15.5%〜約19.5%、約16%〜約19%、約16.5%〜約18.5%、約17%〜約18%、およびその全範囲ならびにその間の部分的範囲を含むが、これに限定されない量のゼラチンと、場合により約5%〜約15%、約6%〜約14%、約7%〜約13%、約8%〜約12%、約9%〜約11%、およびその全範囲ならびにその間の部分的範囲を含むが、これに限定されない量の例えばパーム果実からのグリセロールと、場合により約0.1%〜約1.0%、約0.2%〜約0.9%、約0.3%〜約0.8%、約0.4%〜約0.7%、約0.5%〜約0.6%、およびその全範囲ならびにその間の部分的範囲を含むが、これに限定されない量の1つ以上のグリセロールエチルエステルと、場合により約0.5%〜約2.0%、約0.6%〜約1.9%、約0.7%〜約1.8%、約0.8%〜約1.7%、約0.9%〜約1.6%、約1.0%〜約1.5%、約1.1%〜約1.4%、約1.2%〜約1.3%、およびその全範囲ならびにその間の部分的範囲を含むが、これに限定されない量の水と、場合により賦形剤または充填剤と、それらの組み合わせとを含み、任意の成分のいずれかまた全てを含んでもよい。
【0031】
別の実施態様では、本発明の組成物は、組成物の約16%〜約17%、約16.1%〜約16.9%、約16.2%〜約16.8%、約16.3%〜約16.7%、約16.4%〜約16.6%、およびその全範囲ならびにその間の部分的範囲を含むが、これに限定されない量で組成物中に存在する例えばL−カルニチンなどの酸化的脂肪メタボライザーと、約6%〜約7%、約6.1%〜約6.9%、約6.2%〜約6.8%、約6.3%〜約6.7%、約6%〜約6.6.4%、およびその全範囲ならびにその間の部分的範囲を含むが、これに限定されない量で組成物中に存在する例えばγアミノ酪酸などの神経伝達物質と、約3%〜約4%、約3.1%〜約3.9%、約3.2%〜約3.8%、約3.3%〜約3.7%、約3.4%〜約3.6%、およびその全範囲ならびにその間の部分的範囲を含むが、これに限定されない量で組成物中に存在する例えば昆布抽出物などのアルギンまたはアルギン同等物と、約26%〜約28%、約26.2%〜約27.8%、約26.4%〜約27.6%、約26.4%〜約27.6%、約26.6%〜約27.4%、約26.8%〜約27.2%、約26.9%〜約27.1%、およびその全範囲ならびにその間の部分的範囲を含むが、これに限定されない量で組成物中に存在する例えばココナツ油などの中鎖トリグリセリドと、場合により合わせて約13%〜約14%、約13.1%〜約13.9%、約13.2%〜約13.8%、約13.3%〜約13.7%、約13.4%〜約13.6%、およびその全範囲ならびにその間の部分的範囲を含むが、これに限定されない量のホスファチジルコリン、イノシトールおよびエタノールアミンの少なくとも1つと、約0.3%〜約0.5%、約0.32%〜約0.48%、約0.34%〜約0.46%、約0.36%〜約0.44%、約0.38%〜約0.42%、約0.39%〜約0.41%、およびその全範囲ならびにその間の部分的範囲を含むが、これに限定されない量のターメリックと、場合により組成物の約0.06%〜約0.07%、約0.061%〜約0.069%、約0.062%〜約0.068%、約0.063%〜約0.067%、約0.064%〜約0.066%、およびその全範囲ならびにその間の部分的範囲を含むが、これに限定されない量の蜜ろうと、場合により約16%〜約17%、約16.1%〜約16.9%、約16.2%〜約16.8%、約16.3%〜約16.7%、約16.4%〜約16.6%、およびその全範囲ならびにその間の部分的範囲を含むが、これに限定されない量のゼラチンと、場合により約13%〜約14%、約13.1%〜約13.9%、約13.2%〜約13.8%、約13.3%〜約13.7%、約13.4%〜約13.6%、およびその全範囲ならびにその間の部分的範囲を含むが、これに限定されない量の例えばパーム果実からのグリセロールと、場合により約0.3%〜約0.5%、約0.32%〜約0.48%、約0.34%〜約0.46%、約0.36%〜約0.44%、約0.38%〜約0.42%、約0.39%〜約0.41%、およびその全範囲ならびにその間の部分的範囲を含むが、これに限定されない量の1つ以上のグリセロールエチルエステルと、場合により約0.6%〜約0.7%、約0.61%〜約0.69%、約0.62%〜約0.68%、約0.63%〜約0.67%、約0.64%〜約0.66%、およびその全範囲ならびにその間の部分的範囲を含むが、これに限定されない量の水と、場合によりここで記載されるような賦形剤または充填剤と、それらの組み合わせとを含み、任意の成分のいずれかまた全てを含んでもよい。
【0032】
別の実施態様では、本発明は約10%〜約20%、約11%〜約19%、約12%〜約18%、約13%〜約17%、約14%〜約16%、およびその全範囲ならびにその間の部分的範囲を含むが、これに限定されない量で組成物中に存在する例えばL−カルニチンなどの酸化的脂肪メタボライザーと、約5%〜約25%、約6%〜約24%、約7%〜約23%、約8%〜約22%、約9%〜約21%、約10%〜約20%、約11%〜約19%、約12%〜約18%、約13%〜約17%、約14%〜約16%、およびその全範囲ならびにその間の部分的範囲を含むが、これに限定されない量で組成物中に存在する例えばγアミノ酪酸などの神経伝達物と、約2%〜約5%、約2.5%〜約4.5%、約3.0%〜約4.0%、約3.5%〜約4.0%、およびその全範囲ならびにその間の部分的範囲を含むが、これに限定されない量で組成物中に存在する例えば昆布抽出物などのアルギンまたはアルギン同等物と、約25%〜約45%、約26%〜約44%、約27%〜約43%、約28%〜約42%、約29%〜約41%、約30%〜約40%、約31%〜約39%、約32%〜約38%、約33%〜約37%、約34%〜約36%、およびその全範囲ならびにその間の部分的範囲を含むが、これに限定されない量で組成物中に存在する例えばココナツ油などの中鎖トリグリセリドと、場合により合わせて約2%〜約15%、約3%〜約14%、約4%〜約13%、約5%〜約12%、約6%〜約11%、約7%〜約10%、約8%〜約9%、およびその全範囲ならびにその間の部分的範囲を含むが、これに限定されない量のホスファチジルコリン、イノシトールおよびエタノールアミンと、場合により約0.1%〜約1.0%、約0.2%〜約0.9%、約0.3%〜約0.8%、約0.4%〜約0.7%、約0.45%〜約0.65%、約0.5%〜約0.6%、およびその全範囲ならびにその間の部分的範囲を含むが、これに限定されない量のターメリックと、場合により約0.05%〜約0.5%、約0.1%〜約0.45%、約0.15%〜約0.40%、約0.2%〜約0.35%、約0.25%〜約0.30%、およびその全範囲ならびにその間の部分的範囲を含むが、これに限定されない量の蜜ろうと、場合により約15%〜約20%、約15.5%〜約19.5%、約16%〜約19%、約16.5%〜約18.5%、約17%〜約18%、およびその全範囲ならびにその間の部分的範囲を含むが、これに限定されない量のゼラチンと、場合により約5%〜約15%、約6%〜約14%、約7%〜約13%、約8%〜約12%、約9%〜約11%、およびその全範囲ならびにその間の部分的範囲を含むが、これに限定されない量の例えばパーム果実からのグリセロールと、場合により約0.1%〜約1.0%、約0.2%〜約0.9%、約0.3%〜約0.8%、約0.4%〜約0.7%、約0.5%〜約0.6%、およびその全範囲ならびにその間の部分的範囲を含むが、これに限定されない量の1つ以上のグリセロールエチルエステルと、場合により約0.5%〜約2.0%、約0.6%〜約1.9%、約0.7%〜約1.8%、約0.8%〜約1.7%、約0.9%〜約1.6%、約1.0%〜約1.5%、約1.1%〜約1.4%、約1.2%〜約1.3%、およびその全範囲ならびにその間の部分的範囲を含むが、これに限定されない量の水と、場合によりここで記載されるような賦形剤または充填剤とを含む組成物を包含する。
【0033】
別の実施態様では、本発明は、約16%〜約17%、約16.1%〜約16.9%、約16.2%〜約16.8%、約16.3%〜約16.7%、約16.4%〜約16.6%、およびその全範囲ならびにその間の部分的範囲を含むが、これに限定されない量で組成物中に存在する例えばL−カルニチンなどの酸化的脂肪メタボライザーと、約6%〜約7%、約6.1%〜約6.9%、約6.2%〜約6.8%、約6.3%〜約6.7%、約6%〜約6.6.4%、およびその全範囲ならびにその間の部分的範囲を含むが、これに限定されない量で組成物中に存在する例えばγアミノ酪酸などの神経伝達物質と、約3%〜約4%、約3.1%〜約3.9%、約3.2%〜約3.8%、約3.3%〜約3.7%、約3.4%〜約3.6%、およびその全範囲ならびにその間の部分的範囲を含むが、これに限定されない量で組成物中に存在する例えば昆布抽出物などのアルギンまたはアルギン同等物と、約26%〜約28%、約26.2%〜約27.8%、約26.4%〜約27.6%、約26.4%〜約27.6%、約26.6%〜約27.4%、約26.8%〜約27.2%、約26.9%〜約27.1%、およびその全範囲ならびにその間の部分的範囲を含むが、これに限定されない量で組成物中に存在する例えばココナツ油などの中鎖トリグリセリドと、場合により合わせて約13%〜約14%、約13.1%〜約13.9%、約13.2%〜約13.8%、約13.3%〜約13.7%、約13.4%〜約13.6%、およびその全範囲ならびにその間の部分的範囲を含むが、これに限定されないの量のホスファチジルコリン、イノシトールおよびエタノールアミンと、約0.3%〜約0.5%、約0.32%〜約0.48%、約0.34%〜約0.46%、約0.36%〜約0.44%、約0.38%〜約0.42%、約0.39%〜約0.41%、およびその全範囲ならびにその間の部分的範囲を含むが、これに限定されない量のターメリックと、場合により約0.06%〜約0.07%、約0.061%〜約0.069%、約0.062%〜約0.068%、約0.063%〜約0.067%、約0.064%〜約0.066%、およびその全範囲ならびにその間の部分的範囲を含むが、これに限定されない量の蜜ろうと、場合により約16%〜約17%、約16.1%〜約16.9%、約16.2%〜約16.8%、約16.3%〜約16.7%、約16.4%〜約16.6%、およびその全範囲ならびにその間の部分的範囲を含むが、これに限定されない量のゼラチンと、場合により約13%〜約14%、約13.1%〜約13.9%、約13.2%〜約13.8%、約13.3%〜約13.7%、約13.4%〜約13.6%、およびその全範囲ならびにその間の部分的範囲を含むが、これに限定されない量の例えばパーム果実からのグリセロールと、場合により約0.3%〜約0.5%、約0.32%〜約0.48%、約0.34%〜約0.46%、約0.36%〜約0.44%、約0.38%〜約0.42%、約0.39%〜約0.41%、およびその全範囲ならびにその間の部分的範囲を含むが、これに限定されない量の1つ以上のグリセロールエチルエステルと、場合により約0.6%〜約0.7%、約0.61%〜約0.69%、約0.62%〜約0.68%、約0.63%〜約0.67%、約0.64%〜約0.66%、およびその全範囲ならびにその間の部分的範囲を含むが、これに限定されない量の水と、場合によりここで記載されるような賦形剤または充填剤とを含む組成物を包含する。
【0034】
別の実施態様では、本発明は、酸化的脂肪メタボライザー、神経伝達物質、アルギンまたはアルギン同等物、中鎖トリグリセリド、ホスファチジルコリン、イノシトール、エタノールアミン、ターメリック、蜜ろう、ゼラチン、水、および植物性グリセリンを含む組成物を包含する。
【0035】
別の実施態様では、本発明の組成物は、酸化的脂肪メタボライザー、神経伝達物質、アルギンまたはアルギン同等物、中鎖トリグリセリド、ホスファチジルコリン、イノシトール、エタノールアミン、ターメリック、蜜ろう、ゼラチン、水および植物性グリセリンを含む。酸化的脂肪メタボライザーはカルニチンであり、カルニチンは一実施態様ではL−カルニチンである。神経伝達物質はγアミノ酪酸であり、アルギンまたはアルギン同等物は昆布抽出物である。場合により組成物は、ここで記載されるような賦形剤または充填剤をさらに含む。しかし組成物は賦形剤または充填剤なしに単独使用できる。
【0036】
別の実施態様では、組成物は経口投与に適する。別の実施態様では、本発明の組成物はソフトジェルカプセルの形態である。
【0037】
別の実施態様では、本発明は、酸化的脂肪メタボライザー、神経伝達物質、アルギンまたはアルギン同等物、中鎖トリグリセリド、ホスファチジルコリン、イノシトール、エタノールアミン、ターメリック、蜜ろう、ゼラチン、水、および植物性グリセリンを含む組成物を包含し、酸化的脂肪メタボライザーは約10%〜約20%の量で組成物中に存在し、神経伝達物質は約5%〜約25%の量で組成物中に存在し、アルギンまたはアルギン同等物は約2%〜約5%の量で組成物中に存在し、MCTは約25%〜約45%の量で組成物中に存在し、ホスファチジルコリン、イノシトールおよびエタノールアミンは合わせて約2%〜約15%の量で組成物中に存在し、ターメリックは約0.1%〜約1%の量で組成物中に存在し、蜜ろうは約0.05%〜約0.5%の量で組成物中に存在し、ゼラチンは約15%〜約20%の量で組成物中に存在し、植物性グリセリンは約5%〜約15%の量で組成物中に存在する。
【0038】
別の実施態様では、本発明の組成物は、約16%〜約17%の量で組成物中に存在するL−カルニチンである酸化的脂肪メタボライザー、約6%〜約7%の量で組成物中に存在するγアミノ酪酸である神経伝達物質、約3%〜約4%の量で組成物中に存在する昆布抽出物からのアルギンまたはアルギン同等物、約26%〜約28%の量で組成物中に存在するココナツ油からの中鎖トリグリセリド、合わせて約13%〜約14%の量のホスファチジルコリンとイノシトールとエタノールアミン、約0.3%〜約0.5%の量のターメリック、約0.06%〜約0.07%の量の蜜ろう、約16%〜約17%の量のゼラチン、約13%〜約14%の量のパーム果実からのグリセロール、約0.3%〜約0.5%の量のグリセロールエチルエステル、および約0.6%〜約0.7%の量の水を含む。
【0039】
別の実施態様では、本発明の組成物は、L−カルニチン、γアミノ酪酸、昆布抽出物からのアルギンまたはアルギン同等物、ココナツ油からの中鎖トリグリセリド、ホスファチジルコリン、ターメリック、蜜ろう、ゼラチン、パーム果実からの植物性グリセリン、および場合によりここで記載されるような賦形剤または充填剤を含む。
【0040】
本発明の組成物は、身体代謝を制御するのに有用である。本発明は、適切な代謝の欠損に関連した障害を制御する方法を包含する。
【0041】
本発明は、L−カルニチン、GABA、昆布抽出物、MCT(例えばココナツ油からの)、および場合によりホスファチジルコリン、イノシトール、エタノールアミン、ターメリック、蜜ろう、ゼラチン、グリセリン(例えばパーム果実からの)、グリセロールエチルエステル、水、賦形剤/充填剤(ここで記載されるような)、およびそれらの組み合わせを含み、任意の成分のいずれかまた全てを含んでもよい組成物の有効量を哺乳類に投与するステップを含む、例えばヒトである例えば哺乳類である動物における病状を制御するための方法をさらに包含する。
【0042】
別の実施態様では、本発明の組成物は、例えば不健康なLDLレベルを減少させながら健康なHDLレベルを増大させるような、血清HDLおよびLDLレベルを制御するのに有用である。別の実施態様では、本発明の組成物は、例えば健康なトリグリセリドレベルを増大させることによって、血清トリグリセリドレベルを制御するのに有用である。別の実施態様では、本発明の組成物は、脂肪代謝を維持するのに有用である。別の実施態様では、本発明の組成物は健康な体重を維持するのに有用である。別の実施態様では、本発明の組成物は、記憶および注意持続時間を維持するのに有用である。別の実施態様では、本発明の組成物は、気分および精神的安定性を維持するのに有用である。別の実施態様では、本発明の組成物は、より少ない低血糖症リスクでエネルギー生成を維持するのに有用である。別の実施態様では、本発明の組成物は、心筋機能および心拍動規則性を維持するのに有用である。別の実施態様では、本発明の組成物は、回復力を維持するのに有用である。別の実施態様では、本発明の組成物は、精子の健康、運動性、および機能を維持するのに有用である。
【0043】
本発明はまた、例えば関節に使用することが意図される組成物などの局所使用のための組成物も包含する。例えばここに記載される局所組成物が挙げられる。局所組成物は、関節炎、リウマチ様関節炎、骨関節炎、スポーツ傷害、挫傷、変性関節変化を治療するのに有用であり、人工関節代替物の構成要素の生育を促進するのに有用である。
【0044】
本発明の組成物は、例えば経口的、局所的に、静脈点滴または大量瞬時投与注射によって、上皮性または粘膜皮膚内層(例えば口腔粘膜、直腸および腸粘膜など)を通じた吸収によってなどのあらゆる都合よい経路によって投与してもよく、別の生物学的活性剤と共に投与してもよい。
【0045】
本発明はまた、1つ以上の酸化的脂肪メタボライザー、神経伝達物質、およびアルギンまたはアルギン同等物、中鎖トリグリセリド、および場合により1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤/充填剤を含む容器と、使用説明書とを含む、哺乳類における病状を制御するためのキットも包含する。
【0046】
別の実施態様では、本発明のキットは、L−カルニチン、GABA、昆布抽出物、ココナツ油からのMCT、ホスファチジルコリン、イノシトール、エタノールアミン、ターメリック、蜜ろう、ゼラチン、およびパーム果実からのグリセリン、グリセロールエチルエステル、水、使用説明書、およびそれらの組み合わせを含む容器を含み、任意の成分のいずれかまた全てを含んでもよく、各構成要素はそれぞれの使用単位量にあらかじめ測定される。
【0047】
別の実施態様では、本発明の組成物は食品組成物である。
【0048】
本発明の酸化的脂肪メタボライザー
本発明は、1つ以上の酸化的脂肪メタボライザーを含む組成物を包含する。本発明の組成物の酸化的脂肪メタボライザーは、例えばグルタミンおよびアルギニンなどのアミノ酸であることができる。別の実施態様では、グルタミン、アルギニンまたはそれらの組み合わせを含む本発明の組成物は、免疫系を増強する。別の実施態様では、本発明の組成物は、グルタミンが乳酸蓄積(筋肉の火照りを引き起こす)を緩衝して疲労を低下させながら、蛋白同化活性(すなわち除脂肪体重の増量)もまた促進する。グルタミン、アルギニン、および分枝鎖アミノ酸(ロイシン、イソロイシンおよびバリン)は、本発明の組成物で使用するのに適した酸化的脂肪メタボライザーの非限定的例である。
【0049】
本発明の組成物の別の実施態様では、酸化的脂肪メタボライザーはカルニチンである。例えばL−カルニチンなどのカルニチンは、体内でアミノ酸のリジンおよびメチオニンから生成される天然化合物である。これは全組織に存在する一方で、筋肉、心臓および脳に、より高レベルで見られる。カルニチンを含有する組成物は、食事由来供給源から摂取されると人体に有益な効果を有する。カルニチンは健康増強物質とみなされて、半必須カテゴリーに分類され、すなわちそれは最適な健康および長寿命に重要な役割を果たすが、生存のためにこの物質を補給することは絶対的に必要でないことを意味する。カルニチンは細胞に燃料源を運び入れ、細胞から老廃物を運び出すのに使用される。
【0050】
原発性カルニチン欠乏症は、身体が特に食物なしの期間中に、エネルギーのために脂肪を使用するのを妨げる病状である。カルニチンなしでは、脂肪は正しく処理されることができずエネルギーに転換されず、この障害に特徴的な徴候および症状をもたらす場合がある。原発性カルニチン欠乏症がある人々は、カルニチンを細胞中に運び入れて身体からのその漏れを防止する、カルニチン輸送体と称されるタンパク質に欠陥を有する。
【0051】
典型的に、この障害の初期徴候および症状は、乳児期または幼児期に生じて、脳機能異常(脳障害)、拡張したポンプ作用不良の心臓(心筋症)、錯乱、嘔吐、筋力低下、低い血糖(低血糖症)を含むことが多い。心不全、肝臓の問題、昏睡、および突然死などの重篤な合併症もまたリスクである。特に摂食が低下している場合の絶食期間またはウイルス性感染症などの病気によって、原発性カルニチン欠乏症に起因する急性の病気が引き起こされる。
【0052】
原発性カルニチン欠乏症は時折成人で診断され、それは次に症状および余命の双方においてそれほど深刻ではないと受け止められる。治療は通常、筋肉生検後、欠乏症の重篤性を評価した後にL−カルニチン補給によって行われる。
【0053】
カルニチン欠乏症はまた、幾人かの男性で精子運動性低下とも結びつけられている。カルニチンおよびアセチル化カルニチン(L−アセチルカルニチン)は、精巣上体中に高濃度で見られ、それらはそこで抗酸化剤としても機能して、反応性酸素種によって引き起こされる損傷から精子を保護する。不妊の男性における精液カルニチンレベルと精子機能の関連、およびL−カルニチン+L−アセチルカルニチンを組み合わせた治療法の効果の研究は、精液カルニチン濃度と、精子健康および機能のいくつかの重要な指標間の顕著な相関を同定した。したがってL−カルニチン/L−アセチルカルニチン療法は、精子運動性および機能を改善する効果的な治療法かもしれない(デローザ(DeRosa)ら、Drugs R.D.6:1〜9頁(2005年))。
【0054】
肥満症およびII型糖尿病は、アテローム硬化性疾患の発生における初期段階である血管内皮機能障害によって特徴づけられる。遊離脂肪酸レベル上昇、遊離脂肪酸酸化低下、およびカルニチンレベル低下が、肥満症およびII型糖尿病を特徴づける。カルニチンは血管保護特性を示すことが報告されているので、それは遊離脂肪酸が誘発する血管機能障害を改善するかもしれない。痩せた人および肥満者において、改善された脚血流によって測定されるように、経口カルニチン補給は脈管構造に対して保護効果を発揮した。(スタインバーグ(Steinberg)、「L−カルニチンは遊離脂肪酸上昇によって引き起こされる血管機能障害を軽減する(L−carnitine Ameliorates Vascular Dysfunction Caused by Elevated Free Fattty Acids)」、2004年3月25〜26日に、メリーランド州ベセズダのリスターヒル会館(Lister Hill Auditorium)にて開催された2日間の会議、2004年)。
【0055】
カルニチン欠乏症は、肝硬変、記憶障害、鬱病、再発性感染症、幼児における呼吸困難、疲労、鬱病、心臓障害、脱力感、低血糖症、脂肪蓄積、心疾患、アンギナ、およびその他の病気を含む様々な病状に関係があるとされている。この欠乏症は、アルコール、脂肪性食物、および糖の摂取によって悪化する可能性がある。
【0056】
カルニチンはまた、持久力および運動耐性も増大させる可能性がある(マルコーニ(Marconi)ら、Eur.J.Appl.Physiol.54(2):131〜135頁(1985年))。個人の食事にカルニチンを補給することは、筋力低下および疲労に関連した症状の軽減を助けうる。それはまた、ピーク運動目標に達することができないことを改善し、運動後の回復時間を減少させる可能性があり、熟達した運動選手の改善された能力と関連づけられている。
【0057】
カルニチンはまた、その主要な燃料として脂肪酸を使用する心筋に集中しており、補給は心不整脈、うっ血性心不全および心筋症を改善し、ならびに心臓麻痺またはバイパス外科手術からの回復を助ける可能性がある。これは心臓麻痺の重篤性を低下させ、アンギナおよび循環不良を患う人々において、歩行距離を含む運動耐性を改善することが示されている。それは心臓を損傷し、心臓損傷から死亡さえも引き起こすことが知られている化学療法の毒性効果から心臓を保護できる。研究は、カルニチンが虚血および再灌流後に、遊離脂肪酸の毒性効果に対抗し炭水化物代謝を改善することによって、心筋障害を低下できることを示す。短期研究では、カルニチンは抗虚血特性を有することが示されている。研究は、比較的高用量の静脈内および経口カルニチンの投与が、死亡率および心不全を低下させることを示している(フェラーリ(Ferrari)、「心臓血管疾患に対するL−カルニチンおよびプロピオニル−L−カルニチンの治療効果:レビュー(Therapeutic Effects of L−carnitine and Propionyl−L−carnitine on Cardiovascular Diseases:A Review)」2004年3月25〜26日に、メリーランド州ベセズダのリスターヒル会館(Lister Hill Auditorium)にて開催された2日間の会議、2004年)。
【0058】
さらにカルニチンは、高トリグリセリド血症で役割を果たす可能性がある。脂肪酸酸化に必要なカルニチンは、IV型高リポ蛋白血症の患者において血清トリグリセリドを低下させることが報告されている。その他の研究の結果は、血液透析の患者における高トリグリセリド血症の治療でカルニチンが効果的かもしれないことを示唆し、唯一報告された副作用は多幸感である。(グアルニエリ(Guarnieri)ら、Am.J.Clin.Nutr.33:1489〜1492頁(1980年))。補給的カルニチンの消費はまた、トリグリセリド、血清脂質、およびコレステロールの顕著な低下にも結びつけられている(アブデルアジズ(Abdel−Aziz)ら、Nutr.Rep.Internat.29:1071頁(1984年)、マエバシ(Maebashi)ら、Lancet 2(8094):805〜807頁(1978年)、およびブニエール(Bougneres)ら、Lancet 1(8131):1401〜2頁(1979年))。
【0059】
HDLレベル上昇の助けとなるのに加えて、カルニチンは神経細胞を刺激して、アセチルコリン(脳の主要な神経伝達物質)の生成を増強し(サイエンス・ニュース(Science News)1991年11月30日、365頁)、ならびにアセチルコリンの作用を模倣する可能性がある。これらの効果は、記憶、注意持続時間、老衰、学習障害、および脳血流を改善するのを助ける可能性がある。
【0060】
別々の研究が、記憶、注意、およびその他の精神的健康態様に対するカルニチン補給の効果を調査している。脳内のミトコンドリア、タンパク質、および核酸への酸化的損傷の蓄積は、様々なニューロンおよび認知性機能障害をもたらす可能性がある。カルニチンの補給は、これらの効果のいくつかを逆転させることが示されている(リュー(Liu)ら、PNAS 99:2356〜2361頁(2002年))。これらの逆転効果はまた、アルツハイマー病などの重篤な障害でも観察されている(ビアンケッティ(Bianchetti)ら、Curr.Med.Res.Opin.19:350〜353頁(2003年))。
【0061】
カルニチンはまた、グルコース代謝を制御する役割も果たしうる。調査研究は、カルニチンがグルコース処理および酸化を刺激することを示唆する(デ・ガエターノ(De Gaetano)ら、J.Am.Coll.Nutr.18:289〜295頁(1999年))。別々の研究は、カルニチンが無処置脂肪酸を灌流させた心臓内で、グルコース酸化を刺激できる直接的証拠を提供する(ブロデリック(Broderick)ら、J.Biol.Chem.267:3758〜3763頁(1992年))。
【0062】
本発明の組成物はまた、高齢者、ならびに身体がその代謝要求に見合う十分なカルニチンを生成しない代謝カルニチン欠乏症の病状がある人々において、カルニチンを制御するのにも有用である。
【0063】
アルギニン、カルニチン、またはグルタミンまたはその他の脂肪メタボライザーは、その許容可能な塩または許容可能なプロドラッグとして使用してもよい。本発明の組成物で使用されるアミノ酸はD、L、またはそれらの混合物であることができる。脂肪メタボライザーのL−形態は、本発明の組成物で利用される脂肪メタボライザーの例である。
【0064】
「許容可能な塩」という語句は、ここでの用法では、本組成物で使用される化合物中に存在してもよい酸性または塩基性基の塩を含むが、これらに限定されない。本組成物に含まれる性質が塩基性の化合物は、様々な無機および有機酸との多種多様な塩を形成できる。このような塩基性化合物の薬学的に許容可能な酸付加塩を調製するのに使用してもよい酸は、硫酸、クエン酸、マレイン酸、酢酸、シュウ酸、ヒドロクロリド、ヒドロブロミド、ヒドロヨージド、ニトレート、スルフェート、ビスルフェート、ホスフェート、酸性ホスフェート、イソニコチネート、アセテート、ラクテート、サリチレート、シトレート、酸性シトレート、タルトレート、オレエート、タンネート、パントテネート、ビタルトレート、アスコルベート、スクシネート、マレエート、ゲンチシネート、フマレート、グルコネート、グルカロネート、サッカレート、ホルメート、ベンゾエート、グルタメート、メタンスルホネート、エタンスルホネート、ベンゼンスルホネート、p−トルエンスルホネートおよびパモエート(すなわち1,1’−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトエート))塩を含むが、これに限定されない、無毒の酸付加塩、すなわち薬理学的に許容可能なアニオンを含有する塩を形成するものである。本組成物中に含まれるアミノ部分を含む化合物は、上述の酸に加えて、様々なアミノ酸と薬学的に許容可能な塩を形成してもよい。本組成物に含まれる性質が酸性の化合物は、様々な薬理学的に許容可能なカチオンと塩基性塩を形成できる。このような塩の例としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩、およびカルシウム、マグネシウム、ナトリウムリチウム、亜鉛、カリウム、および鉄塩が挙げられる。
【0065】
特に断りのない限りここでの用法では、「許容可能なプロドラッグ」という用語は、生物学的条件下で(生体外でまたは生体内で)、加水分解、酸化、または別の方法で反応して、化合物を提供できる化合物誘導体を意味する。プロドラッグの例としては、生加水分解性アミド、生加水分解性エステル、生加水分解性カルバメート、生加水分解性炭酸塩、生加水分解性ウレイド、および生加水分解性リン酸類似体などの生加水分解性部分を含む化合物が挙げられるが、これらに限定されない。プロドラッグのその他の例としては、オリゴヌクレオチド、ペプチド、脂質、脂肪族および芳香族基、またはNO、NO、ONO、およびONO部分を含む化合物が挙げられる。プロドラッグは、「バーガーの医薬品化学および薬剤発見(Burger’s Medicinal Chemistry and Drug Discovery)」、172頁、178頁、949頁、982頁(マンフレッド E.ウルフ(Manfred E.Wolff)編、第5版、1995年)、および「プロドラッグのデザイン(Design of Prodrugs)」(H.バンガード(Bundgaard)編、Elselvier、New York、1985年)で記載されるものなどの典型的によく知られている方法を使用して調製できる。
【0066】
特に断りのない限りここでの用法では、「生加水分解性アミド」、「生加水分解性エステル」、「生加水分解性カルバメート」、「生加水分解性カーボネート」、「生加水分解性ウレイド」、「生加水分解性ホスフェート」という用語は、それぞれ1)化合物の生物学的活性を妨げないが、生体内で化合物に、取り込み、作用持続時間、または作用開始などの有利な特性を与えることができる、または2)生物学的に不活性であるが、生体内で生物学的活性化合物に転換される、のどちらかである、化合物のアミド、エステル、カルバメート、カーボネート、ウレイド、またはホスフェートを意味する。生加水分解性エステルの例としては、低級アルキルエステル、低級アシルオキシアルキルエステル(アセトキシルメチル、アセトキシエチル、アミノカルボニルオキシ−メチル、ピバロイルオキシメチル、およびピバロイルオキシエチルエステルなど)、ラクトニルエステル(フタリジルおよびチオフタリジルエステルなど)、低級アルコキシアシルオキシアルキルエステル(メトキシカルボニルオキシ−メチル、エトキシカルボニルオキシ−エチルおよびイソプロポキシカルボニルオキシエチルエステルなど)、アルコキシアルキルエステル、コリンエステル、およびアシルアミノアルキルエステル(アセトアミドメチルエステルなど)が挙げられるが、これに限定されない。生加水分解性アミドの例としては、低級アルキルアミド、アミノ酸アミド、アルコキシアシルアミド、およびアルキルアミノアルキル−カルボニルアミドが挙げられるが、これに限定されない。生加水分解性カルバメートの例としては、低級アルキルアミン、置換エチレンジアミン、アミノ酸、ヒドロキシアルキルアミン、複素環式および複素環式芳香族アミン、およびポリエーテルアミンが挙げられるが、これに限定されない。
【0067】
本発明の神経伝達物質
神経伝達物質は、刺激に答えて放出される小型シグナル伝達分子であり、次にそれはニューロン間の情報交換を仲介する。1960年代の一般概念によれば、化学物質は次の条件を満たせば神経伝達物質に分類できる。それは内因的に(シナプス前ニューロン中で)合成される;それはシナプス前ニューロン中で十分な量で利用でき、シナプス後ニューロンに対して効果を発揮する;外部から投与されると、それは内因的に放出された物質を模倣しなくてはならない;不活性化のための生化学的機序が存在しなくてはならない。しかし合成もされずまた異化もされず、人によっては神経伝達物質とみなす亜鉛イオンなどのその他の物質がある。
【0068】
神経伝達物質として作用する物質は、3つの主要な群に大まかに分類できる。(1)アミノ酸(主としてグルタミン酸、GABA、アスパラギン酸、およびグリシン)、(2)ペプチド(バソプレシン、ソマトスタチン、ニューロテンシンなど)、および(3)モノアミン(ノルエピネフリンNA、ドーパミンDAおよびセロトニン5−HT)ならびにアセチルコリン(ACh)。脳の主要神経伝達物質は、グルタミン酸(グルタメート)およびGABAである。神経伝達物質は、小型分子伝達物質および神経活性ペプチドに大まかに分類できる。約10の小型分子神経伝達物質が知られている。アセチルコリン、5つのアミン、および3または4つのアミノ酸(使用される正確な定義に左右される)、プリン、(アデノシン、ATP、GTP、およびそれらの誘導体)が神経伝達物質である。脂肪酸はまた、可能な内在性カンナビノイドとしても注目されている。50を超える神経活性ペプチドが発見されており、その中でLHまたはインシュリンなどのホルモンは、それらの長距離シグナル伝達特性に加えて特異的局所作用を有する。シナプス性に放出された亜鉛などの単一イオンもまた、人によっては神経伝達物質とみなす。
【0069】
細胞中では、小型分子神経伝達物質分子は通常、小胞内にパッケージされる。活動電位がシナプスに伝わると、迅速な脱分極は、カルシウムイオンチャネルの開放を引き起こす。次にカルシウムは小胞のシナプス膜への輸送を刺激して、小胞および細胞膜が融合し、開口分泌と称される機序であるパッケージされた神経伝達物質の放出をもたらす。
【0070】
次に神経伝達物質は、シナプス間隙を越えて拡散し受容体に結合する。受容体は、イオンチャネル型および代謝調節型受容体に大まかに分類される。イオンチャネル型受容体は、神経伝達物質結合を通じて開閉するリガンド開口型のイオンチャネルである。細胞に対して多様な効果を有することができる代謝調節型受容体は、二次メッセンジャー系、またはG−タンパク質によってシグナルを伝達する。
【0071】
神経活性ペプチドは、ニューロンの細胞体中で作られ、軸索を通じてシナプスに輸送される。それらは通常、有芯小胞内にパッケージされて、小型分子シナプス小胞のために使用される、類似するが代謝的に区別される開口分泌の形態を通じて放出される。
【0072】
神経伝達物質の効果は、その受容体によって定まる。例えばGABAは、迅速または緩慢抑制性受容体(それぞれGABA−AおよびGABA−B受容体)の双方に作用できる。しかし多くのその他の神経伝達物質は、どの受容体が結合するかによって興奮または抑制作用を有してもよい。
【0073】
神経伝達物質は、興奮性または抑制性シナプス後電位のどちらかを引き起こしてもよい。すなわちそれらは受け入れニューロンにおける神経衝撃波の開始を助けてもよく、またはそれらは局所性膜電位を修正することによってこのような衝撃波を阻止してもよい。中枢神経系では、通常、いくつかのシナプスからの合わせたインプットが、活動電位をトリガーするのに必要である。グルタメートは興奮性伝達物質の中で最も顕著であり、GABAおよびグリシンはよく知られている抑制性神経伝達物質である。
【0074】
多くの神経伝達物質は、再取り込み(または頻繁に単に取り込み)と称される過程によって、シナプス間隙から除去される。再取り込みなしでは、分子はシナプス後ニューロンの発火を刺激または阻害し続けるかもしれない。神経伝達物質除去のための別の機序は、酵素による消化である。例えば(アセチルコリンが神経伝達物質である)コリン作動性シナプスでは、酵素アセチルコリンエステラーゼが、アセチルコリンを分解する。神経活性ペプチドは、拡散によって間隙から除去され、最終的にタンパク質分解酵素によって分解されることが多い。
【0075】
いくつかの神経伝達物質(グルタメート、GABA、グリシン)が中枢神経系全体を通じて非常に一般的に使用される一方で、その他は、交感神経系および副交感神経系経路の双方によって、自立神経系などに対してより特異的効果を有することができ、その作用は、脳周辺の層状経路に配列されることができる特徴的なクラスの神経クラスターによって制御される。例えばセロトニンは縫線核と称される領域中の脳幹中の細胞によって、特異的に放出されるが、内側前脳束に沿って脳周辺を動き回り、皮質、海馬、視床、視床下部、および小脳を活性化する。またそれは、脊髄に対して効果を有するように尾側セロトニン核中に放出される。(腸壁中などの)末梢神経系では、セロトニンは血管緊張を制御する。ドーパミンは、古典的に脳の報酬機序と運動制御の2系統を調節する。
【0076】
これらのタイプの特異的作用を有する神経伝達物質は、薬剤の標的となることが多い。例えばコカインはドーパミンの再取り込みを阻害して、これらの神経伝達物質をシナプス間隙中により長く残す。プロザックはセロトニン再取り込み阻害剤であり、したがってその効果を増強する。AMPTはチロシンが、ドーパミン前駆物質であるL−DOPAに変換するのを防止する。レセルピンは、小胞内のドーパミン保存を防止する。デプレニルはモノアミンオキシダーゼ(MAO)−Bを阻害し、したがってドーパミンレベルを増大させる。
【0077】
亜鉛の様ないくつかの神経伝達物質/神経調節因子は、その他の神経伝達物質に対する受容体の感受性を調節できるだけでなく(アロステリック調節)、シナプス後ニューロン中の特異的ゲート型チャネルにさえ浸透でき、それによってシナプス後細胞に入る。この「転位置」は、それによってシナプスの伝達物質がシナプス後細胞に影響できる別の機序である。
【0078】
疾患は、特異的神経伝達物質経路に影響するかもしれない。例えばパーキンソン病は、少なくともある程度、例えば黒質などの脳深部核中のドーパミン作動性細胞の不全と関係している。ドーパミン前駆物質の効果を増強する治療法が提案され、中程度の成功をもたらしている。
【0079】
本発明の組成物はまた、一実施態様ではGABAである1つ以上の神経伝達物質も含む。本発明の神経伝達物質は、神経化学情報交換を安定化し、細胞代謝を安定化し、持久力および回復力を提供し、効率良い細胞代謝を促進するのに有用である。
【0080】
本発明の神経伝達物質の非限定的例としては、5−ヒドロキシトリプタミン(5−HT)、トリプトファン、γアミノ酪酸(「GABA」、γ−アミノ酪酸、4−アミノ酪酸)、グルタメート、アスパルテート、グリシン、ヒスタミン、ヒスチジン、エピネフリン、チロシン、ノルエピネフリンおよびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0081】
GABAまたはγ−アミノ酪酸は脳内の最も豊富な抑制性神経伝達物質であり、網膜中のシナプス前伝達のよく知られている阻害物質でもある。GABAはアミノ酸でありながら神経伝達物質として分類され、ニューロンの過度の興奮を阻害することで、リラクセーションおよび睡眠を誘発するのを助ける。GABAは運動制御、視覚、皮質機能、および不安関連反応制御に寄与する。
【0082】
γアミノ酪酸はまた、下垂体前葉を刺激して、より高レベルのヒト生育ホルモン(HGH)をもたらす。ヒト生育ホルモンは筋肉生育に顕著に寄与して、脂肪細胞創出の防止もする。さらにHGH枯渇は、睡眠障害に寄与している可能性がある。
【0083】
GABAは、2つの特徴的な受容体であるGABA−AおよびGABA−Bに結合することで、その効果を発揮する。GABA−A受容体はClチャネルを形成する。GABAとGABA−A受容体との結合は、シナプス前ニューロンClのコンダクタンスを増大させる。ベンゾジアゼピンファミリーの抗不安薬は、GABA−A受容体とGABAとの結合反応を増強することで、それらの鎮静効果を発揮する。GABA−B受容体は細胞中G−タンパク質に結合して、随伴するKチャネルのコンダクタンスを増大させることにより作用する。
【0084】
アルギンまたはアルギン同等物
本発明の組成物はまた、1つ以上のアルギンまたはその同等物も含む。ここでの用法では、「アルギンまたはその同等物」としては、アルギリン、アルギン(コンブ種およびその他の昆布)、アルギン(多糖類)、アルギン酸kmf、アルギン酸、ナトリウム塩、アルギポン1−1168、アムヌコール、アンチミグラントc 45、セカルギンtbv、コハサリー、ダリドqh、ダリロイドqh、ダッカルギン、フェマno.2014、hsdb 1909、ハルテックス、ケルコgellv、ケルコソール、ケルギン、ケルギンf、ケルギンhv、ケルギンlv、ケルギンxl、ケルゴム、コンブ抽出物、ケルセト、ケルシズ、ケルテックス、ケルトン、1−アルギリン、ラミテックス、マヌコール、マヌコールdm、マヌコールkmf、マヌコールss/ld2、マヌゲルf 331、マヌテックス、マヌテックスf、マヌテックスrs1、マヌテックスrs−5、マヌテックスsa/kp、マヌテックスsh/lh、マヌテックスrsl、メイプラルギンr/lv、ミヌス、モサノン、ノウラルギン、og 1、ペクタルギン、プロクチン、プロタセル8、プロタナール、プロタテク、スノウアルギンh、スノウアルギン1、スノウアルギンm、アルギン酸ナトリウム(ウサン)、アルギン酸ナトリウム、ポリマンヌロン酸ナトリウム、スチピン、タガト、トラガヤまたはそれらの組み合わせが挙げられる。別の実施態様では、アルギンは例えば高アルギン昆布などの昆布抽出物、または機能的に等しい複合糖質である。
【0085】
本発明のアルギンは、均衡比率の炭水化物、油、タンパク質、ビタミン、微量元素、ミネラル、および繊維を含有する。別の実施態様では、本発明は、人間にとって高度に有益な高レベルのミネラル(塩)および微量元素(金属)を含有する。これらのミネラルおよび元素は、より良い脂肪代謝およびエネルギー増強のために甲状腺ホルモンをサポートする。アルギン酸塩は、甲状腺をサポートして代謝の均衡を保たせる。結果的に甲状腺機能が改善され、健康な体重をより得やすくなる。
【0086】
一実施態様では、アルギンは、褐色藻類によって生成されるゼラチン状物質であり、食品および医薬品で使用されることが多い。別の実施態様では、アルギンは多種類の現代の公害物質、発癌性物質、および毒素からの特に良好な保護を提供する。一実施態様では、アルギンは生体組織が放射性物質を吸収するのを防止する。一実施態様では、アルギンはまた、栄養素を供給して腸機能を正常化することで、食物繊維の作用も促進する。
【0087】
化学的にアルギンは、それぞれ異なる配列またはブロック中で共有結合する、(1−4)−結合β−D−マンヌロン酸(M)とそのC−5エピマーα−L−グルロン酸(G)残基のホモポリマーブロックによる直鎖コポリマーである。
【0088】
モノマーは、連続G−残基(G−ブロック)、連続M−残基(M−ブロック)、交互MおよびG−残基(MG−ブロック)または無作為に構成されたブロックのホモポリマーブロック中に出現できる。各ブロックタイプの相対量は、どちらもアルギン酸塩の起源によって変動する。交互ブロックは最も可撓性の鎖を形成し、その他のブロックよりもさらに低いpHでより可溶性である。G−ブロックは硬い鎖要素を形成し、それぞれが6個を超える残基の2つのG−ブロックは、二価のカチオン(例えば特にCa2+、Ba2+、Sr2+)と安定した架橋接合部を形成して三次元のゲル網目状組織をもたらす。低pHでは、プロトン化されたアルギン酸塩は酸性ゲルを形成する。これらのゲルでは、接合部を形成するのは大部分ホモポリマーブロックであり、ゲルの安定性はG−ブロックの相対含量によって定まる。
【0089】
アルギン酸塩は、身体の腸壁の天然の保護である粘液を強化して消化を減速でき、身体中の栄養素取り込みを減速できる(ピアソン(Pearson)、Critical Reviews in Food Science and Nutrition 45(6):497〜510頁(2005年9月))。研究は5g程度の、アルギン酸塩の形態の可溶性繊維が、グルコースおよびインシュリンの食後上昇を顕著に低下させることを示した(トルスドティール(Torsdottir)ら、J.Nutr.121(6):795〜799頁(1991年))。アルギン酸塩はまた、血糖コントロールおよび脂質低下効果を増強する可能性がある(アンダルー(Andallu)ら、Clin.Chim.Acta.314(1−2):47〜53頁(2001年))。 昆布(海藻)または補給アルギン酸ナトリウムなどからの食事中のアルギンは、胃腸管内の鉛およびその他の重金属および毒素を結合するのを助け、およびそれらの排除を増強し(ハス(Haas)、「栄養による健康維持:食事および栄養医学の完全ガイド(Staying Healthy with Nutrition:The Complete Guide to Diet and Nutritional Medicine)」(2006年))、消化を改善し、腎臓の毒素曝露を低下させ、循環を増大し、血中の毒性代謝産物を低下させる。アルギンはまた、正常血圧および高血圧には影響しない一方で、低血圧を正常化する可能性がある。
【0090】
中鎖トリグリセリド(MCT)
中鎖トリグリセリド(MCT)は、グリセロールの非揮発性アルカリ化脂肪酸エステルである(例えばグリセロールの中鎖脂肪酸エステル)。本発明の組成物における使用に適したMCTの非限定的な例は、その脂肪酸部分が約4〜約16個の炭素原子、または約6〜12個の炭素原子、および一実施態様では平均で約8個の炭素原子を有するグリセロールの脂肪酸エステルである。本発明のMCTの脂肪酸部分は、同一または異なることができ、飽和または不飽和であることができる。
【0091】
本発明の組成物での使用に適したMCTは、ココナツおよびパーム核油中に一般に見られ、またクスノキ核果中にも見られるものである。MCTとしては、ココナツおよびパーム核油それ自体またはそれらの抽出物が挙げられる。
【0092】
本発明のMCTは、MCTの「天然」特性を変性させたり、また別のやり方で変化させたりしない比較的「穏やかな」加工法によって調製できることが好ましい。例えば本発明のMCTは、80°F未満の温度などの温度制御された条件下で調製できる。「天然」という用語は、未処理植物源(例えばココナツまたはパーム核)中のMCTの化学および/または物理特性を指す。
【0093】
中鎖トリグリセリドの生理学および生化学は、長鎖トリグリセリドのそれとは非常に異なる。長鎖トリグリセリドは、最初に小腸内で加水分解されて長鎖脂肪酸になる。次にそれらは小腸の粘膜細胞中で再エステル化されて長鎖トリグリセリドになり、次に乳状脂粒によって運ばれて、リンパ系を経由して体循環に輸送される。次に体循環は、長鎖トリグリセリドを脂肪組織および肝臓を含む身体の様々な組織に分配する。
【0094】
MCTは小腸から迅速に吸収されて、肝臓に輸送される。MCTは長鎖トリグリセリド(LCT)とは対照的に、消化および吸収のために膵臓酵素または胆汁酸塩を必要としないので、吸収不良症候群がある者では、MCTは長鎖脂肪酸よりもより良く処理される。これらの症候群としては、膵臓障害、肝臓障害、胃腸障害、およびリンパ系障害が挙げられる(ヨースト(Yost)ら、Am.J.Clin.Nutr.49(2):326〜330頁(1989年)。
【0095】
中鎖脂肪酸は肝細胞によって取り込まれて中鎖脂肪酸アシルCoAに転換され、それはカルニチンの助けを必要とせずにミトコンドリアに入る。一方、肝細胞を含む細胞中でこれもまたそれらの補酵素Aエステル転換される長鎖脂肪酸は、ミトコンドリア膜を超えて輸送されるために補酵素Aエステルからカルニチンエステルに転換される必要がある。肝細胞ミトコンドリア内で中鎖脂肪酸アシルCoAは、アセトアセテートおよびβ−ヒドロキシ酪酸に転換され、引き続いて二酸化炭素、水、およびエネルギーに転換される。MCTの酸化は、1グラムの摂取量あたり8.3キロカロリーのエネルギーを生じる。
【0096】
したがってMCTは代謝がより容易であり、これは重症である者、およびカルニチン欠乏症がある者にとって、有利である可能性がある。
【0097】
MCTはケト原性である。肝細胞中でのMCTの代謝は、2個のいわゆるケトン体、アセトアセテートおよびβ−ヒドロキシ酪酸を生成する。これらのケトン体は血流によって身体のその他の組織に運ばれ、そこでそれらはエネルギー生成、ならびにその他の生化学的過程のために使用される。ケトン症は発作閾値を上昇させて、発作重篤性を低下させる可能性があると考えられる。これはなおも仮説的であるが、発作障害の治療においてケト原性食事を使用することの基本原理である。
【0098】
MCTは代謝がより容易であり、使用可能なエネルギー源に容易に転換されて、脂肪に転換され体内に貯蔵されることは非常に稀である。さらに研究は、長鎖トリグリセリド(LCT)と比べて、中鎖トリグリセリド(MCT)のより大きな満腹効果を提案し、それによってLCT含有脂肪の代替物質として食事に含めた場合、体重管理が促進される(サントンジュ(St−Onge)ら、J.Nutr.132:329〜332頁(2002年))。さらに研究は、MCTの摂取がエネルギー支出(EE)を増大させ(スカルフィ(Scalfi)ら、Am.J.Clin.Nutr.53:1130〜1133頁(1991年)、シートン(Seaton)ら、Am.J.Clin.Nutr.44:630〜634頁(1986年)、デュロー(Dulloo)ら、Eur.J.Clin.Nutr.50:152〜158頁(1996年)、ヒル(Hill)ら、Metabolism 38:641〜648頁(1989年)、およびホワイト(White)ら、Am.J.Clin.Nutr.69:883〜889頁(1999年))、脂肪細胞サイズと体重増大の低下をもたらす((ババ(Baba)ら、Am.J.Clin.Nutr.35:678〜682頁(1982年)、(クロジエ(Crozier)ら、Metabolism 36:807〜814頁(1987年)、ゲリプター(Geliebter)ら、Am.J.Clin.Nutr.37:1〜4頁(1983年)、ラボー(Lavau)ら、J.Nutr.108:613〜620頁(1978年)、ヒル(Hill)ら、Int.J.Obes.17:223〜236頁(1993年)、ヨースト(Yost)ら、Am.J.Clin.Nutr.49:326〜330頁(1989年)、およびブライ(Bray)ら、Int.J.Obes.4:27〜32頁(1980年))ことを提案する。
【0099】
MCTに富む食事の摂取は、おそらくはMCT摂取で観察されたエネルギー支出および脂肪酸化の増大のためにLCTと比べて、脂肪組織のより大きな減少をもたらす。したがってMCTは、肥満症の予防を助け、または潜在的に体重減少を刺激する作用物質とみなされてもよい(サントンジュ(St−Onge)ら、Obesity Research 11:395〜402頁(2003年))。
【0100】
ホスファチジルコリン、イノシトール、およびエタノールアミン
ホスファチジルコリンは細胞膜内に豊富に存在するリン脂質であり、構造および細胞間の分子輸送に活発に関与する(ストレイヤー(Strayer)ら、「生化学(Bioquimica)」、第3版、246〜247頁(1996年))。エタノールアミンおよびイノシトールは、それぞれホスファチジルエタノールアミンおよびホスファチジルイノシトールの前駆物質であり、細胞膜内にもまた存在して同様に機能する。
【0101】
ホスファチジルコリン物質は、コレステロールおよびその他のトリグリセリド代謝を修正し、コレステロール溶解性を増大させ、脂肪沈着の組成を修正し、プラーク凝集を阻止するかもしれない(ストレイヤー(Strayer)ら、「生化学(Bioquimica)」、第3版、246〜247頁(1996年))。これらの理由から、ホスファチジルコリンは、薬物、アルコール、公害、ウイルス、および毒素によって誘発される、脂質アテローム、高コレステロール血症、脂肪塞栓症、動脈壁に付着した脂肪性沈着物またはプラーク、精神障害、肝臓および心臓病の静脈内治療で使用される(ナブダー(Navder)ら、Life Sci.61(19):1907〜1914頁(1997年)、ナランハオ(Maranhao)ら、Atherosclerosis 126(l):15〜25頁(1996年)、ビアレッカ(Bialecka)、Ann.Acad.Med.Stetin.43:41〜56頁(1997年)、ブルック(Brook)ら、Biochem.Med.Metab.Biol.35(l):31〜9頁(1986年)、メルチンスカヤ(Melchinskaya)ら、Terapevticheskii Arkhiv 72(8):57〜58頁(2000年)、オゼロワ(Ozerova)ら、Atherosclerosis 144(補遺1):33頁(1999年)、ポリチェッティ(Polichetti)ら、Life Sci.67(21):2563〜2576頁(2000年)、タカハシ(Takahashi)ら、Nutr.Sci.Vitaminol.28(2):139〜147頁(1982年)、およびシモンソン(Simonsson)ら、Am.J.Clin.Nutr.35(1):36〜41頁(1982年))。
【0102】
いくつかの研究は、ホスファチジルコリンの投与が、認知症のあるマウスにおいて脳アセチルコリン濃度を増大させ、記憶を改善することを提案する(チャン(Chung)ら、J.Nutr.125:1484〜1489頁(1995年))。ヒトでの別の研究は、ホスファチジルコリン摂取後に顕在記憶の顕著な改善を示した(ラッド(Ladd)ら、Clin.Neuropharmacol.16(6):540〜549頁(1993年))。
【0103】
イノシトールは人体によって合成できるので、それ自体はビタミンとみなされないが、イノシトールはビタミンB複合体のメンバーに分類される。少なくとも9つの特徴的なイノシトールの異性体があり、イノシトール、ミオ−イノシトール、メソイノシトール、抗脂肝因子、ヘキサヒドロキシシクロヘキサン、シクロヘキサンヘキサオール、マウス抗脱毛症因子および化学的にはシス−1,2,3,4,5−トランス−4,6−シクロヘキサンヘキサオールを含むが、これに限定されるものではなく、それぞれの用語は同義的に使用されることが多い。イノシトールは、細胞骨格アセンブリー、神経誘導、細胞中カルシウム(Ca2+)濃度制御、細胞膜電位維持、セロトニン活性調節、脂肪分解および血中コレステロール低下、および遺伝子発現を含む多くの生物学的過程に関与する。
【0104】
研究は、イノシトール投与が、鬱病、パニック、および強迫性障害に効果的であることを示している(フックス(Fux)ら、Am.J.Psych.153:1219〜1221頁(1996年))。別の研究は、不安発作および広場恐怖を治療する上でのイノシトールの有益な効果を示している(ベンジャミン(Benjamin)ら、Am.J.Pysch.152:1084〜1086頁(1995年))。
【0105】
2−アミノエタノールまたはモノエタノールアミン(MEAと略記されることが多い)とも称されるエタノールアミンは有機化合物であり、第一級アミン(その分子中のアミノ基のため)および第一級アルコール(水酸基のため)の双方である。一研究は、変性エタノールアミンの慢性投与が、GABA結合部位の上方制御をもたらすことを実証しており(サイクス(Sykes)ら、Biochem.Pharmacol.33:387〜393頁(1984年))、これは本発明の実施態様で見られるGABAの有効性を増大させる。別の研究は、中毒性障害に伴う肝臓細胞増殖をエタノールアミン投与に結びつけている(ムラカミ(Murakami)ら、94:137〜144頁(1998年))。
【0106】
ターメリック
クルクミンとしても知られているターメリックは、抗酸化性、抗発癌性、および低コレステロール血症活性を示す。研究は、食事性類クルクミンの形態で摂取されたターメリックが、おそらくは脂肪酸代謝における修正のために、生体内で脂質低下効力を有することを示唆している(アサイ(Asai)ら、J.Nutr.131(11):2932〜2935頁(2001年))。さらなる研究は、栄養的用量のターメリックの経口投与が、生体外で赤血球および肝臓ミクロソーム膜の酸化に対する感受性を低下させる可能性があり、アテローム性動脈硬化の発生中に、血中および肝臓中で、脂肪とコレステロールが多い食事によって引き起こされる効果の予防に寄与する可能性があることを提案する(メサ(Mesa)ら、Nutrition 19(9):800〜804頁(2003年))。さらに最近の研究は、ターメリックの生体利用能が、ホスファチジルコリンを有する製剤によって増大する可能性があることを示している(マルツィロ(Marczylo)ら、Cancer Chemother.Pharmacol.2006年10月19日[印刷に先立つ電子出版])。
【0107】
ソフトジェルカプセル
ソフトジェル製剤の特徴は、(ゼラチン、可塑剤、調節剤、水、着色剤、抗酸化剤または香料からできた)ゼラチン層によって覆われた、水または油溶性充填溶液、または薬剤の懸濁液からなる。外層は腸溶コーティングすることができる。ソフトジェル送達系は、疎水性薬剤の改善された迅速で安定した吸収を提供する。
【0108】
ソフトジェル送達系は個装され、その間に溶液、懸濁液またはペースト形態で活性成分を含有するゼラチン外層で成形される。ソフトジェルカプセルは、デザイン次第でいくつかの形状およびサイズを有してもよい。
【0109】
疎水性薬剤は、生物学的利用能不良をもたらすことができる。これらの薬剤は水、胃または腸液に容易に溶解せず、固体剤形に配合された場合、溶解速度は遅い可能性があり、吸収は変動する可能性があり、生物学的利用能は不完全である可能性がある。ヒドロクロロチアジド、イソレチノイン、およびグリセオフルビンの場合、生物学的利用能は、例えばモノまたはジグリセリドなどの脂肪酸存在下で改善される。脂肪酸は腸内で疎水性薬剤を可溶化し、より迅速な吸収を可能にできる。ソフトジェルは、溶液中で薬剤を送達するにもかかわらず、固体剤形を提供する。疎水性薬剤は親水性溶剤に溶解され、それらは粉砕または咀嚼されると薬剤を即座に放出して、胃液中で、胃腸管から血流中へ吸収される状態になった薬剤溶液を生じる。これは所望の治療効果の迅速な開始をもたらす。酸可溶性化合物は溶液内に留まる可能性があり、酸不溶性化合物は微粒子雲として沈殿する可能性があるが、迅速に再溶解して良好な生物学的利用能結果を与える。
【0110】
生物学的利用能懸念がより小さく、このような溶液は少ない経費で販売できることから、ソフトジェルの開発時間はより短い。例えばイブプロフェンソフトジェルは市販の錠剤処方と比べて、より短いピーク血漿濃度までの時間と、より大きなピーク血漿濃度を生じさせる。シクロスポリンは、錠剤形態では達成できない治療的血中レベルを与えることができる。同様にソフトジェル内の経口血糖降下グリピジドもまた、錠剤形態と比べてより良い生物学的利用能結果を有することが知られている。ソフトジェル送達系はまた、リン脂質またはポリマーまたは天然ゴムを組み込んで、外面コーティングのあるゼラチン層内に薬剤活性を封入し、所望の徐放/放出制御効果を与えることができる。
【0111】
ソフトジェル充填処方はpH2.5〜7.5を有することが重要であり、さもないと加水分解または色素沈着が起きる。異なる酸性度のゼラチンブルームを用いて、水の移行および20%を超える内容物がカプセルシェルを溶解する問題に対処できる。
【0112】
ソフトジェルカプセルは、製薬、美容、栄養、および獣医学産業を含むいくつかの産業で有益に使用される。
【0113】
ソフトジェルカプセルは、硬質シェルカプセルなどのその他の経口送達系と比べて、次の利点を提供する。単体の一体化された投薬量、自動様式での密封、嚥下の容易さ、製品同定を可能にする(色といくつかの形状を使用する)、均一性を持たせる、投薬量間の精度および確度、その他の経口送達系よりも優れた安定性、良好な可用性および迅速な吸収、公害と光と酸化に対する保護の提供が、ソフトジェルカプセルのいくつかの利点である。その他の利点としては、内容物のカプセル封入による不快な風味の回避、より寛容な形状による経直腸、経膣または経眼薬物送達系での使用、改善された充填再現性、最終製品としての洗練および魅力が挙げられる。
【0114】
カプセルの形状およびサイズは、製品ならびに市場のニーズ次第で定まる。いくつかの可能なソフトジェル完成外観およびテクスチャーが可能である。透明/色つき、無地、透明、2つの色調の組み合わせの無地、2つの色調の透明、および透明/無地。
【0115】
ソフトゼラチンカプセル製造には、洗練された技術の使用が関与する。回転タイプソフトジェルカプセル封入工程は、投薬量確度およびより高い生産能力を提供する。カプセル封入工程を開始する前に、外殻用のゼラチン塊およびカプセル充填用薬剤を調製する。ゼラチン粉末を水およびグリセリンと真空下で混合し、加熱して撹拌する。この特殊ステンレス鋼容器の外層は蒸気ジャケットで覆われる。タービンミキサーを使用してあらゆる必要な香料または着色料を溶融ゼラチンに添加し、可動性容器に移す。ゼラチン塊を定温で蒸気ジャケット付き保存容器内に保持する。
【0116】
医薬液体、ペーストまたは懸濁液製造で使用される標準手順を使用して、薬剤充填物を調製する。
【0117】
溶融ゲルを機器に汲み上げ、機器のどちらかの側に2本のゲル(すなわちゼラチン)の細いリボンが形成すると、カプセル封入工程が開始する。次にこれらのリボンは一連のローラーと、カプセルのサイズおよび形状を定める一組のダイを通過する。医薬品充填物をその容器からポジティブディスプレイスメントポンプに供給し、充填物を正確に分けて2枚のゼラチンリボン間に注入してから、リボンを加熱および加圧によって共に密封する。得られたカプセルは偏円形の形状を有し、充填物周囲で2本のゲルリボンが共に密封された箇所に閉じ目を有する。この段階で形成されたカプセルは、ゲル塊中の水のために極端に可撓性である。過剰な水を除去するために、カプセルを、コンベヤーを通じて混転乾燥機に入れ、そこで約25%の水を除去する。次にカプセルをトレーに載せて、それを積み重ねて乾燥室内に移し、そこでカプセルに乾燥空気を吹き付けて、あらゆる過剰な水分を除去する。水分を定期的に測定し、水分がおよそ8%に抑えられたら乾燥工程は完結し、カプセルは包装可能である。
【0118】
ソフトジェル送達系の製造は高生産性回転ダイ機器内で実施され、カプセルは高機能混転乾燥機を使用して乾燥され、投薬量精度および確度、自動化、容易な浄化および衛生管理、高生産性、製品バラエティ、および酸素および/または光不在下でのカプセル封入が提供される。
【0119】
表在性張力の物理特性を使用した製造を可能にする独自の技術を使用して、丸い継ぎ目なしカプセル(パール)を製造することもまた可能である。
【0120】
ソフトジェルカプセルの生産性は、次の変数を考慮することで上昇または下降する。カプセル化するための要素(密度、粘稠度など)、カプセルサイズおよび形状。
【0121】
いくつかの化合物は、より低い投薬量およびより低い副作用で、より早い効果開始を供給するように調合できる。特定化合物はソフトジェル製剤から利益を得て、より早い吸収、改善されかつ均一の生物学的利用能を与えることができる。
【0122】
ソフトジェル送達系はまた、ペプチド/その他の生物薬剤、および生物学的利用能の懸念のために処方改変を要するその他の医薬品を含む多くの新しい化学物質のために機会を提供する。
【0123】
今まで、カルニチンなどの第四級アミンを含有する組成物のソフトジェル剤形を調製することは実用的でなかった。第四級アミンは本質的に非プロトン性溶剤であり、それはソフトジェルカプセルの継ぎ目を通じて拡散し、継ぎ目の開裂または破損を引き起こす傾向がある。本発明の組成物のソフトジェル剤形は、ソフトジェルカプセルそれ自体と、充填ソフトジェルカプセル形成時に使用される加工条件とを改変することで、この問題を解決する。ソフトジェルカプセルは様々な標準サイズ(例えば18、20など)で提供され、各標準サイズは特徴的な寸法を有し、規定量のゼラチンを含む。本発明のソフトジェルカプセル剤形では、修正された「肉太」18ソフトジェル構造が用いられ、より多量のゼラチン使用にもかかわらず、同一カプセル内容積を保持するように拡大されているサイズ18ソフトジェルカプセルダイのために、サイズ20ソフトジェルカプセルのために使用されるゼラチン量が使用される。「肉太」サイズ18ソフトジェルカプセルは、標準サイズ18ソフトジェルカプセルと同一サイズの長軸を有するが、その短軸でより幅が広い。さらに本発明のソフトジェルカプセルは、継ぎ目が本質的に消失する(すなわちカプセルの各半分からのゼラチンが、容易に識別できる継ぎ目がないほど完全に混ざり合う)ように、カプセルの継ぎ目密封のための硬化時間が延長される条件下で製造される。これは本質的に、保存中のソフトジェルからのカルニチン構成要素の漏出または拡散をなくす。さらに製剤のその他の構成要素上でのカルニチンの乳化もまた、ソフトジェルカプセルからの漏出または拡散を低下させるのに役立つ。
【0124】
ソフトジェルカプセルは、代案の剤形と比べて、本発明の組成物の構成要素の改善された送達を提供する。例えば患者による錠剤からの(例えば血清血漿レベルによって測定される)L−カルニチンの取り込みが約10〜14%であり、標準硬質カプセルからのL−カルニチンの取り込みが約15〜20%であるのに対して、ソフトジェルカプセルからのL−カルニチン取り込みは約100%である。
【0125】
成分の組み合わせ
酸化的脂肪メタボライザー、神経伝達物質、およびアルギンまたはアルギン同等物の組み合わせを動物に投与すると、相乗的に作用して代謝を維持することが意外にも発見された。別の実施態様では、L−カルニチン、GABA、昆布およびMCTを含有する栄養補助食品が相乗的様式で相互作用して適切な代謝を維持し、場合によっては代謝を増強する。本発明の構成要素を含む組成物は、意外にも活力度を増強し、血液脂肪を低下させ、高脂肪食または揚げ物を代謝するのを助ける。
【0126】
本発明は、次のことを維持する方法を包含する。不健康なLDLレベルを低下させながらの健康なHDLレベル、健康なトリグリセリドレベル、脂肪代謝、健康体重、記憶および注意持続時間、気分および精神的安定性、より少ない低血糖症リスクでのエネルギー生成、心筋機能および心拍動規則性、回復力、および精子の健康と運動性と機能。
【0127】
本発明の組成物は、活力度増強、血中脂質低下、および高脂肪食または揚げ物の代謝補助を含む様々な有用な生理学的機能を果たすことができる。
【0128】
本発明の組成物の利用法
本発明に従って、本発明の組成物は、不健康なLDLレベルを低下させながら健康なHDLレベルを増大させ、健康なトリグリセリドレベルを増大させ、脂肪代謝を維持し、健康体重を維持し、記憶および注意持続時間を維持し、気分および精神的安定性を維持し、より少ない低血糖症リスクでエネルギー生成を維持し、心筋機能および心拍動規則性を維持し、回復力を維持し、精子の健康と運動性と機能を維持するために、動物、例えば哺乳類、例えばヒトに投与される。
【0129】
別の実施態様では、本発明の組成物は、このような障害に対抗するための予防手段として、ヒトなどの哺乳類に投与される。
【0130】
別の実施態様では、本発明の組成物は、心臓血管疾患、異脂肪血症、異リポ蛋白血症、グルコース代謝障害、メタボリック・シンドローム(すなわちシンドロームX)の遺伝性素因を有する、ヒトなどの哺乳類に予防手段として投与される。
【0131】
別の実施態様では、本発明の組成物は、心臓血管疾患、異脂肪血症、異リポ蛋白血症、グルコース代謝障害、またはメタボリック・シンドローム(すなわちシンドロームX)の非遺伝的素因を有するヒトに予防手段として投与される。このような非遺伝的素因の例としては、アテローム性動脈硬化の加速形態である再狭窄をもたらすことが多い心臓バイパス外科手術および経皮的経腔的冠動脈形成術と、多嚢胞性卵巣疾患をもたらすことが多い女性の糖尿病と、性交不能をもたらすことが多い心臓血管疾患とが挙げられるが、これに限定されない。したがって本発明の組成物は、障害を予防し、同時に別の障害を治療するために使用してもよい。
【0132】
本発明の組成物を食事および運動と組み合わせると、健康体重を増強する。
【0133】
一実施態様では、本発明の組成物は、細胞に燃料を運び入れ、細胞から老廃物を運び去る。本発明の組成物は、毒性化学物質から心臓、脳、肝臓、および腎臓を保護する。
【0134】
別の実施態様では、本発明の組成物は、脂肪燃焼を増強することで、心臓血管健康をサポートする。本発明の組成物は、糖、デンプン、およびその他の炭水化物を代謝する酵素機能を増強し、それによって心臓がより強力にポンピングして、より規則的に拍動できるようにする。
【0135】
別の実施態様では、本発明の組成物はミトコンドリアから毒性脂肪酸を除去し、それによって細胞エネルギー生成を増強する。
【0136】
別の実施態様では、本発明の組成物はより迅速なワークアウト後の回復を促進する。
【0137】
別の実施態様では、本発明の組成物はグルタチオン生成を増大させ、それによって細胞の解毒を助ける。
【0138】
投与および組成物
本発明の組成物の活性のために、組成物は有利なことに栄養補助食品として有用である。上述のように本発明の組成物は、細胞代謝を制御し、健康な生理機能を維持するのに有用である。
【0139】
本発明は、本発明の組成物の有効量の患者への投与によって、障害を制御する方法を提供する。患者は、例えばヒトなどの哺乳類などの動物を含むが、これに限定されない哺乳類である。
【0140】
一実施態様では、本組成物は経口的に投与される。例えばリポソーム、微粒子、マイクロカプセル、カプセル内への封入などの様々な送達系が知られており、本発明の化合物を投与するのに使用できる。投与様式は施術者の自由裁量に任され、ある程度疾患部位に左右される。ほとんどの場合、投与は血流内への本発明の化合物の放出を引き起こす。
【0141】
別の実施態様では、本発明の化合物は、例えばリポソームなどの小胞内で送達できる(ランガー(Langer)、1990年、Science 249:1527〜1533頁;ロペス−ベレステイン(Lopez−Berestein)およびフィドラー(Fidler)編、「伝染病および癌の治療におけるリポソーム(Liposomes in the Therapy of Infectious Disease and Cancer)」よりトリート(Treat)ら、Liss、New York、353〜365頁(1989年);ロペス−ベレステイン(Lopez−Berestein)、同書、317〜327頁を参照されたい、一般に同書を参照されたい)。これらの各文献は、あらゆる目的のためにその内容全体を参照によって本明細書に援用する。
【0142】
さらに別の実施態様では、本発明の化合物は徐放系中で送達できる。一実施態様ではポンプを使用してもよい(ランガー(Langer)、前出;セフトン(Sefton)、1987年、CRC Crit.Ref.Biomed.Eng.14:201頁;ブッフバルト(Buchwald)ら、1980年、Surgery 88:507頁;ソーデック(Saudek)ら、1989年、N.Engl.J.Med.321:574頁を参照されたい)。別の実施態様ではポリマー材料が使用できる(「徐放の医療用途(Medical Applications of Controlled Release)」、ランガー(Langer)およびワイズ(Wise)編、CRC Pres.、Boca Raton,Fla.(1974年);「制御された薬剤生体利用能、製剤のデザインおよび性能(Controlled Drug Bioavailability,Drug Product Design and Performance)」、スモーレン(Smolen)およびボール(Ball)編、Wiley、New York(1984年);レンジャー(Ranger)およびペパス(Peppas)、1983年、J.Macromol.Sci.Rev.Macromol.Chem.23:61頁を参照されたい。レヴィ(Levy)ら、1985年、Science 228:190頁;デュリング(During)ら、1989年、Ann.Neurol.25:351頁;ハワード(Howard)ら、1989年、J.Neurosurg.71:105頁もまた参照されたい)。さらに別の実施態様では、徐放系は例えば肝臓などの本発明の化合物の標的の近くに配置でき、それによって全身用量のごく一部のみが必要とされる(例えば前出の「徐放の医療用途(Medical Applications of Controlled Release)」、第2巻からグッドソン(Goodson)、115〜138頁(1984年)を参照されたい)。ランガー(Langer)、1990年、Science 249:1527〜1533頁のレビューで考察される、別の徐放システムを使用してもよい。これらの各文献は、あらゆる目的のためにその内容全体を参照によって本明細書に援用する。
【0143】
ここでの用法では「本発明の組成物の成分」という用語は、例えばL−カルニチンなどの酸化的脂肪メタボライザーのいずれか1つと、例えばGABAなどの神経伝達物質と、例えば昆布抽出物などのアルギンまたはアルギン同等物と、例えばココナツ油などからのMCTと、場合により例えばホスファチジルコリン、イノシトール、エタノールアミン、ターメリック、蜜ろう、ゼラチン例えばパーム果実などからのグリセリン、グリセロールエチルエステル、水、およびそれらの組み合わせなどの1つ以上の賦形剤/充填剤とを含み、本発明の組成物を構成するいずれかまたは全ての成分を含んでもよい。
【0144】
本組成物は、場合により1つの成分を超える本発明の組成物成分の有効量を含有する。成分は、患者への適切な投与形態を提供するように、例えばここで記載されるように、適切な量の薬学的に許容可能な賦形剤または充填剤と共に純化された形態で存在してもよい。
【0145】
別の実施態様では、本発明の組成物の成分は、人間への経口投与に適応させた栄養補給食品組成物として、日常的手順に従って調合される。本発明の組成物は、経口的に投与してもよい。経口送達のための組成物は、例えば丸薬、錠剤、ロゼンジ、水性または油性懸濁液、顆粒、粉末、エマルジョン、カプセル、シロップ、またはエリキシル剤の形態であってもよい。経口的に投与される組成物は、例えば、フルクトース、アスパルテームまたはサッカリンなどの甘味料と、ハッカ、ウインターグリーンオイル、またはチェリーなどの着香剤と、着色剤と、保存料などの1つ以上の任意の薬剤を含有して、薬学的に美味な製剤を提供してもよい。さらに錠剤または丸薬形態である場合、組成物を被覆して胃腸管内での崩壊および吸収を遅延させ、それによって長期にわたり持続性作用を提供してもよい。浸透圧活性推進化合物を取り囲む選択的透過性膜もまた、本発明の化合物を経口投与するのに適する。これらの後者のプラットフォーム内では、カプセルを取り囲む環境からの流体が推進化合物によって吸収され、それは膨潤して開口部を通じて薬剤または薬剤組成物と置き換わる。これらの送達プラットフォームは、即効型製剤の尖峰プロフィールとは対照的に、本質的にゼロ次送達プロフィールを提供できる。モノステアリン酸グリセロールまたはステアリン酸グリセロールなどの時間遅延材料もまた、使用してもよい。経口組成物はまた、マンニトール、乳糖、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、ナトリウムサッカリン、セルロース、炭酸マグネシウムなどの標準添加剤を含むことができる。このようなビヒクルは、医薬品等級であることができる。
【0146】
ここで開示される障害または病状を制御するのに効果的な本発明の化合物の量は、障害または病状の性質に左右され、標準技術によって判定できる。組成物に用いられる正確な用量はまた、投与経路、および疾患または障害の重篤さにも左右され、施術者の判断および各患者の状況に従って判定されるべきである。しかし経口投与の適切投薬量範囲は一般に約1000mg〜約30g、約2000mg〜約25g、約2000mg〜約20g、約2000mg〜約16g、約2000mg〜約14g、約2000mg〜約11g、約2000mg〜約8g、約2000mg〜約5.5gであり、全範囲およびその間の部分的範囲を包含する。
【0147】
後述する投薬量は、投与される各化合物量を指し、すなわち2つ以上の本発明の化合物が投与されるならば、投薬量は投与される本発明の化合物の各量に対応する。経口組成物は、重量で10%〜95%の活性成分を含有する。
【0148】
本発明の組成物は、障害を制御するために投与される。したがって本発明の組成物は局所、皮膚、皮下、経皮、非経口、経口、直腸、または徐放製剤を含むが、これに限定されない、いくつもの経路によって投与されてもよい。組成物は、場合により適切なキャリアと共に、通常、栄養補給食品組成物の形態で用いられる。
【0149】
それらの活性のために、本発明の組成物は動物およびヒトに投与するのに有用である。本発明の組成物は、例えば経口的、局所的などのあらゆる都合よい経路によって、静脈点滴または大量瞬時投与注射によって、上皮または粘膜皮膚内層(例えば口腔粘膜、直腸および腸粘膜など)を通じた吸収によって投与されてもよく、別の生物学的に活性の薬剤と一緒に投与されてもよい。
【0150】
一実施態様では、本発明の組成物は経口的に投与される。投与は全身性または局所性であることができる。例えばリポソーム、微粒子、マイクロカプセル、カプセル内への封入などの様々な送達系が知られており、本発明の組成物を投与するのに使用できる。特定の実施態様では、2つ以上の本発明の組成物が患者に投与される。投与方法としては、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下、鼻腔内、硬膜外、経口、舌下、鼻腔内、大脳内、膣内、経皮、直腸的、吸入による投与、または例えば耳、鼻、目、頭皮、または皮膚に対する局所的投与が挙げられるが、これに限定されない。投与の様式は施術者の自由裁量に任され、ある程度病状の部位に左右される。ほとんどの場合、投与は、細胞による最大取り込みのために、本発明の組成物の放出を引き起こす。
【0151】
特定の実施態様では、治療が必要な領域に、1つ以上の本発明の組成物を局所的に投与することが望ましいかもしれない。これは、例えば局所塗布(例えばクリームとして)によって、外科手術中の局所注入によって(例えば外科手術後の創傷包帯と併せて)、注射によって、カテーテルによって、坐薬によって、または植込錠によって達成されてもよいが、制限は意図されず、前記植込錠は、シラスティック膜などの膜または繊維を含む多孔性、非多孔性、またはゼラチン状材料である。一実施態様では、投与はアテローム硬化性プラーク組織部位(または以前の部位)への直接注射によることができる。
【0152】
別の実施態様では、組成物は、患部への直接塗布のために、身体表面への直接または間接的投与に適した形態で調製される。この剤形は、抗乾燥剤(例えばパンテチン)、浸透促進剤(例えばジメチルイソソルビド)、反応促進剤(例えばミリスチン酸イソプロピル)、または業界で知られており局所塗布のために使用されるその他の一般的な添加剤(例えばグリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エチルアルコール、リポソーム、脂質、油、クリーム、または皮膚軟化剤)を含むことができるが、これに限定されない。さらに本発明の送達ビヒクルは、皮脂プラグを毛穴から除去するレチノイン酸(すなわちRetin−A)などの毛穴に有益な効果を有する化合物、抗酸化剤(例えばブチル化ヒドロキシアニソール)、またはキレート剤保存料(例えば二ナトリウムEDTA)を含んでもよい。
【0153】
様々な濃度の増強剤グリセリンの添加は、シクロスポリンの浸透を増強することが示されている(ナカシマ(Nakashima)ら、1996年)。テルペンベース浸透促進剤と水性プロピレングリコールとの使用はまた、5−フルオロウラシルの局所送達速度を増強する能力を示した(ヤマネ(Yamane)ら、1995年)。5−フルオロウラシル(5−FU)は、皮膚透過研究において親水性化合物の特徴を調べる上のモデル化合物である。したがってポリレングリコール(80%まで)へのテルペンの添加は、皮膚内への流動速度を増強できた。
【0154】
ジメチルイソソルビド(DMI)は、製剤処方への見込みを示す別の浸透促進剤である。DMIは比較的低粘度の水混和性液体である(ジア(Zia)ら、1991年)。DMIは水およびポリレングリコールと錯体形成するが、ポリエチレングリコールとはしない。様々なステロイドの浸透を増強する能力があるビヒクルを提供するのは、水と錯体形成するDMIの能力である。最大効果は1:2のDMI:水の比率で見られる。文献中の証拠は、DMIを様々な製剤中で使用する際に、DMIに対するpHの効果が重要な考慮事項であることを示唆する(ブリザート(Brisaert)ら、1996年)。
【0155】
エアロゾル化剤添加製剤、またはフルオロカーボンまたは合成肺界面活性剤中での灌流を通じて、(例えば吸入器またはネブライザーの使用によって)肺投与もまた用いることができる。特定の実施態様では、本発明の化合物は、伝統的バインダーおよびトリグリセリドなどのビヒクルと共に坐薬として調合できる。
【0156】
エアロゾル化剤添加製剤、またはフルオロカーボンまたは合成肺界面活性剤中での灌流を通じて、(例えば吸入器またはネブライザーの使用によって)肺投与もまた用いることができる。特定の実施態様では、本発明の化合物は、伝統的バインダーおよびトリグリセリドなどのビヒクルと共に坐薬として調合できる。
【0157】
別の実施態様では、本発明の組成物は、例えばリポソームなどの小胞中で送達できる(ランガー(Langer)、1990年、Science 249:1527〜1533頁;ロペス−ベレステイン(Lopez−Berestein)およびフィドラー(Fidler)編、「伝染病および癌の治療におけるリポソーム(Liposomes in the Therapy of Infectious Disease and Cancer)」よりトリート(Treat)ら、Liss、New York、353〜365頁(1989年);ロペス−ベレステイン(Lopez−Berestein)、同書、317〜327頁を参照されたい、一般に同書を参照されたい)。
【0158】
さらに別の実施態様では、本発明の組成物は、徐放系中で送達できる。一実施態様では、ポンプを使用してもよい(ランガー(Langer)、前出;セフトン(Sefton)、1987年、CRC Crit.Ref.Biomed.Eng.14:201頁;ブッフバルト(Buchwald)ら、1980年、Surgery 88:507頁;ソーデック(Saudek)ら、1989年、N.Engl.J.Med.321:574頁を参照されたい)。別の実施態様では、ポリマー材料が使用できる(「徐放の医療用途(Medical Applications of Controlled Release)」、ランガー(Langer)およびワイズ(Wise)編、CRC Pres.、Boca Raton,Fla.(1974年);「制御された薬剤生体利用能、製剤のデザインおよび性能(Controlled Drug Bioavailability,Drug Product Design and Performance)」、スモーレン(Smolen)およびボール(Ball)編、Wiley、New York(1984年);レンジャー(Ranger)およびペパス(Peppas)、1983年、J.Macromol.Sci.Rev.Macromol.Chem.23:61頁を参照されたい。レヴィ(Levy)ら、1985年、Science 228:190頁;デュリング(During)ら、1989年、Ann.Neurol.25:351頁;ハワード(Howard)ら、1989年、J.Neurosurg.71:105頁もまた参照されたい)。さらに別の実施態様では、徐放系は標的領域(例えば肝臓など)の近くに配置でき、それによって全身用量のごく一部のみが必要とされる(例えば前出の「徐放の医療用途(Medical Applications of Controlled Release)」、第2巻からグッドソン(Goodson)、115〜138頁(1984年)を参照されたい)。ランガー(Langer)、1990年、Science 249:1527〜1533頁のレビューで考察されるその他の徐放システムを使用してもよい。
【0159】
本組成物は、溶液と、懸濁液と、エマルジョンと、錠剤と、丸薬と、ペレットと、液体、粉末、徐放製剤、坐薬、エマルジョン、煙霧剤、スプレー、懸濁液を含有するカプセルの形態、または使用に適したあらゆるその他の形態を取ることができる。一実施態様では、薬学的に許容可能なビヒクルはカプセルである(例えば米国特許第5,698,155号明細書を参照されたい)。適切な医薬品ビヒクルのその他の例については、E.W.マーティン(Martin)、「レミントンの製薬科学(Remington’s Pharmaceutical Sciences)」で記載される。
【0160】
ここで開示される障害または病状を治療するのに効果的である本発明の組成物の量は、障害または病状の性質に左右され、標準臨床技術によって判定することができる。さらに生体外または生体内アッセイを場合により用いて、最適投薬量を同定するのを助けてもよい。組成物中で用いる正確な用量は、投与経路および疾患または障害の重篤さにもまた左右され、施術者の判断および各患者の状況に従って定められるべきである。効果的な用量は、生体外でまたは動物モデル試験システムから導き出された用量反応曲線から外挿してもよい。このような動物モデルおよびシステムは、当該技術分野でよく知られている。
【0161】
非経口投与の場合、標的細胞選択性を提供するように、ヒト前立腺特異的タンパク質に対して作られた抗体に結合するリポソーム「外被」内に、本発明の組成物をカプセル化してもよい。製剤の特異的性質は、例えば局所、非経口、経口、直腸、外科的人工移植などの所望の投与経路、またはその他の局在性(前立腺内)送達手段によって定まる。投薬量は投与経路について判定される。
【0162】
直腸投与のための組成物は、例えばバインダー、潤滑剤、および崩壊剤を含む、あらゆる通常の医薬品賦形剤を使用して調製される。組成物はまた、脂肪族スルホキシドなどの細胞浸透促進剤も含んでよい。別の実施態様では、本発明の組成物は坐薬の形態である。
【0163】
本発明のキット
本発明はまた、1つ以上の本発明の化合物を充填した1個以上の容器を含む、医薬品パックまたはキットも提供する。場合によりこのような容器に随伴するのは、ヒトへの投与のための使用または販売を反映した通知であることができる。特定の実施態様では、キットは、2つ以上の本発明の化合物を含有する。例えばキットの1個の容器は、本発明の組成物の1つ以上の個々の構成要素を含有でき、1個以上の追加的容器は、本発明の組成物の残りの構成要素を含有できる。
【0164】
一実施態様では、単一容器内で、組成物の成分を場合によりあらかじめ測定された量に分割する。組成物の正しいアセンブリーおよび使用の詳細を記載する使用説明書をキットに含めてもよい。成分が分割されたキットは、使用者があらゆる実施態様に従って、組成物を組み合わせられるようにし、それによって利用されるものに順応性をもたせる。アレルギーまたは可能な感応性反応がある使用者は、本発明をなおも効果的に使用しながら、あらゆる任意の成分を除去することができる。
【0165】
別の実施態様では、単一容器内で、組成物の成分を場合によりあらかじめ測定された量で、部分的に組み合わせる。そのいくつかの実施態様では、組成物の正しいアセンブリーおよび使用の詳細を記載する使用説明書をキットに含めてもよい。いくつかの選択的成分の利点を保持しながら、このタイプのキットの使用者は、なおもいくつかの実施態様に従って組成物を調整するいくらかの自由がある。
【0166】
上の実施態様は、場合により使用に関する使用説明書を含むことをさらに含んでなってもよい。これらの使用説明書は、多様な異なる用途のための組成物の調製方法、および特定用途を最適化するために組成物の成分を組み合わせる優先度の指示を含んでもよい。指示はまた、上で開示される方法に従って、組成物を投与する方法について詳細に記載してもよい。さらに指示は、成分が別々に、または部分的にあらかじめ組み合わせた形態で提供される場合に、組成物成分の組み合わせの全てまたはいずれかのために、逐次のまたは組み合わせた投与方法を開示してもよい。
【0167】
さらに別の実施態様では、本発明のいくつかまたは全ての成分が即座に使える形態であらかじめ配合される。本発明の1つまたはいくつかの異なる実施態様を含有する、別々のキットを作り出してもよい。このようなキットは、使用者が、いくつかの異なる実施態様の迅速投与間の選択もまた維持しながら、選択された組成物の実施態様を迅速に投与できるようにする。
【0168】
ここで開示される特定の実施態様は、本発明のいくつかの態様の例示であることが意図されるので、ここで記載されおよび特許請求される本発明は、これらの実施態様に範囲を制限されない。あらゆる等価物の実施態様は、本発明の範囲内であることが意図される。実際に、ここで示され記載されるものに加えて、本発明の様々な修正は、当業者には前述の説明から明らかである。このような修正はまた、添付の特許請求の範囲の範囲内にも入ることが意図される。
【実施例】
【0169】
実施例
本発明の組成物の実施例を下の表1に示す。
【0170】
【表1】

【0171】
本明細書中で様々な参考文献を引用したが、そのそれぞれはあらゆる目的のために参照によってその全体を本明細書に援用する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも
1つ以上の酸化的脂肪メタボライザー、
1つ以上の神経伝達物質、
1つ以上のアルギンまたはアルギン同等物、および
1つ以上の中鎖トリグリセリド
を含む組成物。
【請求項2】
前記酸化的脂肪メタボライザーがL−カルニチンである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記組成物L−カルニチンが約10〜20%のL−カルニチンを含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記神経伝達物質がGABAである、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物が約5〜25%のGABAを含む、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記アルギンまたはアルギン同等物が昆布から抽出される、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物が約2〜5%のアルギンまたはアルギン同等物を含む、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記中鎖トリグリセリドがココナツ油である、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物が25〜45%のMCTを含む、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
ホスファチジルコリン、イノシトール、エタノールアミン、およびそれらの組み合わせの少なくとも1つをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物が、ホスファチジルコリン、イノシトール、エタノールアミン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される約2〜15%の追加的成分を含む、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
ターメリックをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
前記組成物が、約0.1〜1%のターメリックを含む、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
蜜ろう、グリセロール、ゼラチン、グリセロールエチルエステル、水、およびそれらの組み合わせの少なくとも1つをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
前記組成物が、
約0.05〜0.5%の蜜ろう、
約5〜15%のグリセロール、
約15〜20%のゼラチン、
約0.1〜1%のグリセロールエチルエステル、
および約0.5〜2%の水
を含む、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
薬学的に許容可能な賦形剤または充填剤をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
約16%〜約17%の量で組成物中に存在するL−カルニチンである1つ以上の酸化的脂肪メタボライザー、
約6%〜約7%の量で組成物中に存在するGABAである1つ以上の神経伝達物質、
約3%〜約4%の量で組成物中に存在する昆布から抽出された1つ以上のアルギンまたはアルギン同等物、
約26%〜約28%の量で組成物中に存在するココナツ油である1つ以上の中鎖トリグリセリド、
合計で約13%〜約14%のホスファチジルコリン、イノシトール、およびエタノールアミン、
約0.3%〜約0.5%の量のターメリック、
約0.06%〜約0.07%の量の蜜ろう、
約16%〜約17%の量のゼラチン、
約13%〜約14%の量のパーム果実からのグリセロール、
約0.3%〜約0.5%の量のグリセロールエチルエステル、および
約0.6%〜約0.7%の量の水
を含む組成物。
【請求項18】
1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤または充填剤をさらに含む、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
ソフトジェルカプセルの形態である、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
少なくとも
1つ以上の酸化的脂肪メタボライザー、
1つ以上の神経伝達物質、
1つ以上のアルギンまたはアルギン同等物、
1つ以上の中鎖トリグリセリド、および
使用説明書
の構成要素を含む容器を含み、各構成要素がそれぞれの使用単位量にあらかじめ測定されている、哺乳類における病状を制御するためのキット。
【請求項21】
ホスファチジルコリン、イノシトール、エタノールアミン、ターメリック、蜜ろう、グリセロール、ゼラチン、グリセロールエチルエステル、水、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される構成要素の少なくとも1つをさらに含み、
追加的各構成要素がそれぞれの使用単位量にあらかじめ測定されている、請求項20に記載のキット。
【請求項22】
請求項1に記載の組成物の有効量を対象に投与するステップを含む、対象において代謝を制御または修正する方法。
【請求項23】
前記代謝関連障害が、肥満症、高脂血症、高トリグリセリド血症、糖尿病、アテローム硬化性心臓血管疾患、体重増加、脂質アテローム、高コレステロール血症、脂肪塞栓症、脂肪性沈着物、動脈壁に付着したプラーク、シンドロームX、メタボリック・シンドローム、グルコース代謝欠陥、インシュリン抵抗性、血圧上昇、高血圧、血液脂質不均衡、異脂肪血症、冠動脈心疾患、心筋症、心不整脈、うっ血性心不全、低血糖症、精子運動性低下、記憶、注意持続時間、老衰、学習障害、脳血流障害、アルツハイマー病、運動制御、視覚障害、皮質機能、不安関連障害、消化関連障害、循環関連障害、毒性代謝産物関連障害、関節炎、関節リウマチ、骨関節炎、変性関節障害、筋力低下、疲労、吸収不良症候群、膵臓障害、肝臓障害、胃腸障害、リンパ系障害、発作障害、不安発作、広場恐怖、認知症、精神障害、鬱病、パニック、強迫性障害;薬物、アルコール、公害、ウイルス、および毒素によって誘発される肝臓および心臓病;グルコース代謝および/またはグルコースレベル上昇およびその他の代謝障害によって影響されるその他の疾患からなる群から選択される、請求項22に記載の方法。

【公表番号】特表2009−514965(P2009−514965A)
【公表日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−540132(P2008−540132)
【出願日】平成18年11月7日(2006.11.7)
【国際出願番号】PCT/US2006/043359
【国際公開番号】WO2007/056376
【国際公開日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(508137257)ペーク,エルエルシー (2)
【Fターム(参考)】