説明

任意断層面画像生成装置及び方法、並びにそのためのデータ処理装置

【課題】検体の任意断層画像を高速に生成する。
【解決手段】異なる方向からのX線投影によって得られた複数のX線投影画像データのうちの一部を用いて低分解能で表現した検体120の簡易立体画像40を生成し、該簡易立体画像40を表示部上に表示する。表示された分解能の簡易立体画像40において任意の断層面を特定するための基準点44〜46をユーザが指定する。これらの基準点44〜46を通る平面として特定された断層面についての検体120の高分解能の任意断層面画像データが生成される。断層面指定のための立体画像を低分解能で生成いるためにその生成に必要となる情報量が少なく、処理は高速となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検体の断層面画像を合成して任意の断層面画像データを生成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、検体の断層面画像を合成して3次元的な構造を有する画像データの集合、いわゆるボリュームデータを生成する技術が提案されている(特許文献1)。これに関連して、生成されたボリュームデータからユーザが要求する任意の断層面画像データを生成する技術も提案されている(特許文献2)。
【0003】
【特許文献1】特開平10−283504号公報
【特許文献2】特開2001−014484号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザの要求する任意断層面を抽出して表示する方法としてMPR(Multi Planer Reconstruction;多断面再構成法)という方法がある。この方法により、断層撮影によって得られる断層面とは異なる断層面の画像を再構成することが可能である。
【0005】
しかしながら、MPRを実行するためには、一般的に、CT(Computerized Tomography;コンピュータ断層撮影法)等により検体を撮影し、予め精細なボリュームデータを作成する必要があるため、データ量が膨大となり、任意断層面を生成するのにも時間がかかってしまうという問題がある。
【0006】
そこで、本発明の課題は、精細な任意断層画像を高速に生成することを可能にする技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべく、第1の発明は、異なる方向からの検体の透過像をそれぞれ検出して複数の透過像データを得る検出手段と、前記複数の透過像データを比較的少ない情報量で合成して、前記検体の低分解能の立体画像データを生成する第1合成手段と、前記低分解能の立体画像データで表現される簡易立体画像においてユーザから任意の断層面を指定する入力を受け付ける指定入力手段と、前記複数の透過像データを比較的大きな情報量で合成して、前記断層面における高分解能の断層面画像データを生成する第2合成手段と、を備えることを特徴とする任意断層面画像生成装置である。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、前記第1合成手段は、前記簡易立体画像を第1の空間分解能で生成し、前記第2合成手段は、前記第1の空間分解能よりも高精度の第2の空間分解能で前記断層面画像データを生成する。
【0009】
第3の発明は、第2の発明において、前記簡易立体画像を可視的に表示する表示部を更に備え、前記指定入力手段は、前記表示部に表示された前記簡易立体画像上で前記断層面を特定する位置情報の入力を受け付ける情報入力手段、を備える。
【0010】
第4の発明は、第1ないし第3の何れかの発明において、前記断層面は平面であり、前記断層面を特定する前記情報は、当該平面を特定する基準点の情報である。
【0011】
第5の発明は、第1ないし第3の何れかの発明において、前記断層面は折れ面又は曲面を含み、前記断層面を特定する前記情報は、前記折れ面又は前記曲面を特定する基準点の情報を含む。
【0012】
第6の発明は、第1ないし第5の何れかの発明において、前記簡易立体画像は、前記検体の複数の断層面像の平行配列として表現されており、前記表示手段は、前記平行配列に対して所定の方向から見た像として前記簡易立体画像を表示する。
【0013】
第7の発明は、第1ないし第6の何れかの発明において、前記複数の透過像データは、前記検体の複数の所定の方向から電磁波を順次に照射して得られる透過電磁波データである。
【0014】
第8の発明は、第1ないし第6の何れかの発明において、前記複数の透過像データは、検体を周回しつつ複数の方向から電磁波を順次に照射して得られる透過電磁波データである。
【0015】
第9の発明は、異なる方向から検体に順次に照射した透過電磁波をそれぞれ検出して得た複数の透過像データを比較的少ない情報量で合成して、前記検体の低分解能の立体画像データを生成する第1合成手段と、前記低分解能の立体画像データで表現される簡易立体画像においてユーザから任意の断層面を指定する入力を受け付ける指定入力手段と、前記複数の透過像データを比較的大きな情報量で合成して、前記断層面における高い分解能の断層面画像データを生成する第2合成手段と、を備えることを特徴とする任意断層面画像生成用のデータ処理装置である。
【0016】
第10の発明は、異なる方向からの検体の透過像をそれぞれ検出して複数の透過像データを得る検出工程と、前記複数の透過像データを比較的少ない情報量で合成して、前記検体の低分解能のな立体画像データを生成する第1合成工程と、前記低分解能の立体画像データで表現される簡易立体画像においてユーザから任意の断層面を指定する入力を受け付ける指定入力工程と、前記複数の透過像データを比較的大きな情報量で合成して、前記断層面における高い分解能の断層面画像データを生成する第2合成工程と、を備えることを特徴とする任意断層面画像生成方法である。
【発明の効果】
【0017】
第1、第9及び第10の発明によれば、検体の簡易立体画像を低分解能で生成し、該簡易立体画像において任意の断層面を指定した上で、当該断層面についての断層面画像データを高分解能で生成するので、断層面指定までのデータ処理量が少なく、全体として精細な高分解能の任意断層面画像データを高速に生成することが可能となる。
【0018】
また、第2の発明によれば、空間分解能が低い簡易立体画像を用いており、断層面の指定においてはそのような空間的に粗い画像でも実用上は差し支えないため、高速性と断層面の指定の適切性とが両立する。
【0019】
また、第3の発明によれば、表示された簡易立体画像を目視しつつ断層面を指定できるため、断層面の指定が容易でありまた指定状況を直感的に把握しやすい。
【0020】
さらに、第4の発明によれば、断層面としての平面を特定するため、最も多用される断層面の画像を少ない基準点で指定可能である。
【0021】
また、第5の発明によれば、折れ面や曲面を指定可能であるため、多様な断面での断層面画像を得ることができる。
【0022】
第6の発明によれば、複数の断層面画像の平行配列によって簡易立体画像を表現しており、比較的シンプルな表示形態でありながら、立体画像上の位置を指定しやすくなっている。
【0023】
また、第7の発明によれば、撮影に関するハードウエアとしてトモシンセシス系統の装置を用いて構成可能である。
【0024】
また、第8の発明によれば、撮影に関するハードウエアとしてCT系統の装置を用いて構成可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0026】
<第1実施形態>
第1実施形態では、任意断層面画像生成装置の一例として、任意断層面の画像をトモシンセシスによって生成する場合について説明する。
【0027】
<構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係る任意断層面画像生成装置100の概略構成を示す図である。この装置100によって任意断層面画像を生成する対象としての検体120は、典型的には被検査者の身体であって、被検査者は載置部104の上に静置された状態とされている。図中の楕円はこの被検査者の身体を模式的に示している。
【0028】
照射部101は、検体を透過する電磁波、具体例を挙げればX線を照射する。この照射部101は、ガイド部102に移動自在に結合されており、照射位置制御部103からの制御に応じて、ガイド部102上を移動する。ここで、照射位置制御部103は、照射部101のガイド部102上での位置を制御するのみならず、照射部101及びガイド部102に対する載置部104、すなわち検体120の位置関係も制御し、これによって照射部101と載置部104との空間的な関係が相対的に変化する。図1においては、ガイド部102は略弧状に形成されており、照射部101は、該弧から焦点へ向かう方向にX線を照射しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ガイド部102が略直線状に形成されて、ガイド部102に対して垂直方向にX線を照射しても良い。いずれの場合も、トモシンセシスによる撮影に適合するように、検体120の所定の側(図示例では上側)の複数の方向から電磁波を順次に照射して透過像データを得るようになっている。
【0029】
載置部104は、連結部105によってガイド部102に接続された照射部101に対して予め定められた相対的配置条件を満足するように配置されており、照射部101から照射されるX線の照射範囲内で検体120を載置する。具体的には、載置部104は、連結部105によって、ガイド部102が規定する円弧の焦点が位置する側で予め定められた位置に固定されている。なお、載置部104は、X線の吸収が少ないことによってX線を実質的に透過する材質で形成されており、X線に対する減弱係数(吸収係数)は既知である。
【0030】
検出部106は、照射部101から照射され載置部104に載置された検体120及び載置部104を透過した電磁波(すなわちX線)を透過電磁波データ(透過像データ)として検出する。具体的には、照射部101に対して検体120、すなわち載置部104の直下にX線を検出する略平面状の2次元X線像検出器が備えられており、該検出器は、検体120と載置部104とを透過したX線の像を透過電磁波データとして検出する。検出された透過電磁波データは可視的画像に対応する画像データに変換され、投影画像データとして記憶部107に格納される。
【0031】
ここで、照射部101、ガイド部102、載置部104及び検出部106は以下のような位置関係を満足している。すなわち、ガイド部102上のいずれの位置においても照射部101から照射されるX線の照射範囲は載置部104を略全体に亘ってカバーしており、かつガイド部102上のいずれの位置から照射されるX線であっても検出部106によって検出される。
【0032】
記憶部107は、例えば不揮発性メモリが適用されて、検出部106が検出する透過電磁波データ及び該透過電磁波データを検出したときの照射部101の照射位置を記憶する。
【0033】
生成部108は、記憶部107に記憶された複数の透過電磁波データ、すなわち投影画像データと、各投影画像データを検出したときの照射部101の照射位置とに基づいて、検体120の断層面画像データを生成する。また、生成部108は、該断層面画像データに基づいて、3次元的な構造を有する検体120の立体画像データを生成する。具体的には、生成部108は、一時記憶手段であるRAM109と連携して、投影画像データを適宜RAM109に一時記憶させながら断層面画像データを生成する。さらに、該断層面画像データを適宜RAM109に一時記憶させながら立体画像データを生成する。なお、断層面画像データ及び立体画像データを生成する方法については後に詳述する。
【0034】
表示部110は、例えば、CRTやLCDを用いて構成され、平面画像や特定の方向から見た立体画像を可視的に表示する。具体的には、表示部110は、記憶部107に記憶された投影画像データによって表現される平面画像のほか、生成部108によって生成された立体画像データによって表現される立体画像及びその他の各種画像情報や数値文字情報を表示する。なお、以下において「立体画像の表示」というときには、特定の方向から見た立体画像を2次元画像として表現するような表示を指す。
【0035】
入力受付部111は、生成部108が生成する立体画像データにおいて、ユーザが所望する検体120の任意の断層面を特定するための情報の入力を受け付ける。具体的には、入力受付部111は、例えば、キィボード111aと、マウス111bとを有している。キィボード111aは、文字キィ、テンキィ、ファンクションキィ等を含んで各種の命令を操作入力する。マウス111bは、表示部110に表示される立体画像上で、任意の断層面を特定する基準となる基準点の位置情報の操作入力を受け付けるポインティング・デバイスである。そして、表示部110に表示される立体画像において、ユーザが所望する検体120の任意の断層面を規定する基準点の操作入力を受け付ける。なお、マウス111bは、基準点のみならず、キィボード111aと協働して各種の命令を入力可能となっている。
【0036】
制御部112は、照射部101、照射位置制御部103、検出部106、記憶部107、生成部108及び表示部110を制御することにより、以下の3つのプロセスを実行可能である。
(1) 低分解能の立体画像データの生成(第1合成プロセス):
異なる位置又は異なる方向から検体120にX線を照射して得られる複数の透過電磁波データを比較的少ない情報量で合成して、検体120の低分解能の立体画像データを生成し、記憶部107に記憶させる。
(2) 簡易立体画像の表示と断層面指定(表示及び断層面指定プロセス):
そのようにして得られた低分解能の立体画像データで表現される簡易立体画像(粗雑な立体画像)を表示部110に表示させ、ユーザから任意の断層面を指定する入力を入力受付部111から受け付ける。
(3) 高分解能の断層面画像データの生成(第2合成プロセス):
複数の透過電磁波データを比較的大きな情報量で合成して、指定された断層面における高分解能の断層面画像データを生成する。また、ユーザからの指令に基づいてその高分解能の断層面画像データで表現される精細画像を表示することができる。
【0037】
なお、制御部112の詳細な制御内容については、後に詳述する。
【0038】
なお、照射位置制御部103と、記憶部107と、生成部108と、制御部112とは、一般的なPC(Personal Computer)に内蔵されているようにしても良い。
【0039】
<断層面画像データの生成原理>
制御部112の制御内容の1つに検体120の断層面画像データの生成がある。ここでは、生成部108が生成する断層面画像データの生成原理、すなわちトモシンセシスの原理について説明する。これは、上記の第1合成プロセス及び第2合成プロセスのいずれにおいても共通に適用される原理である。
【0040】
図2は、トモシンセシスの原理を示す模式図である。トモシンセシスでは、検体に対して、検体を透過する電磁波、具体的にはX線を、検体の所定の側の異なる角度から照射して複数の投影画像データを得、それらを合成することによって断層面の画像を得る。図2に示す如く、例えば、検体120の内部構造(具体的には人体組織や病変部)を模式的に示すものとしての星形要素(☆)121と丸形要素(○)122とが検出部106の検出面に対して垂直方向に並んでいる場合に、X線を異なる角度から照射して透過電磁波データ、すなわち投影画像データDを得る(データ識別記号Dは図示していない)。こうして得られる複数の投影画像データDで表現される投影画像21〜23では、検出面からの距離(高さ)に応じて各要素の画像位置が異なってくる。この性質を利用しつつ、公知な画像合成手法を用いて任意の断層面画像データを生成する。
【0041】
<シフト加算法>
トモシンセシスにおいて複数の画像を合成する公知な手法としては、シフト加算法がある。図3は、シフト加算法の原理を示す模式図である。これは、複数の投影画像21〜23と、各投影画像21〜23に対応する投影画像データDを検出したときの照射部101の照射位置とに基づいて、各投影画像21〜23の相対位置を順次にシフトさせながら各投影画像データDの加算処理を行う方法である。
【0042】
これにより、各投影画像21〜23ではぼんやりと写っている星形要素121が強調された画像31や、丸形要素122が強調された画像32のデータを得ることが可能となる。つまり、画像31は、検体120の内部構造のうち星形要素121が存在する高さの横断面を強調した断層面画像であり、画像32は、検体120の内部構造のうち丸形要素122が存在する高さの横断面を強調した断層面画像である。ここでは説明を簡単にするために、画像31,32は3つの投影画像21〜23の投影画像データDを加算合成することによって生成した例を示したが、実際にはさらに多くの投影画像データDが取得されるため、多数の投影画像データDを合成することが可能である。また、投影画像データDの合成は、必ずしもシフト加算法を用いる必要はなく、フィルタ補正逆投影法(Filtered Back Projection Method;FBPM)等であっても構わない。
【0043】
こうして得られた異なる高さでの断層面像を平行配列した簡易立体画像40(図4参照)は検体120のマルチスライス像に相当するものであり、これを表示部110に表示させることができる。
【0044】
第1合成プロセスでは、このような断層面像の生成を比較的少ない情報量で行い、低分解能の簡易立体画像を得る。具体的には
(1) 得られた多数の投影画像データDのうち比較的少数のみを用いて合成を行うことにより、それぞれの層内における空間的分解能を低くする;
(2) 生成する断層面像の相互間隔(配列ピッチないしはスライス間隔)を比較的大きくとることにより、表示される簡易立体画像の層間の空間精度を比較的低くする;
(3) 画像合成に用いるデータ長(有効ビット数)を比較的小さくとることにより、階調表現における分解能(濃度やカラーの分解能)を低くする;
などの態様がある。これらにおいて比較基準となる情報量ないしは分解能は、
(a) 後述する第2合成プロセスで用いる情報量や分解能、又は;
(b) 一連のX線画像検出で得られた複数の投影画像データDによって最大限実現可能な情報量や分解能;
である。
【0045】
本実施形態及び後述する他の実施形態では第2合成プロセスでの情報量や分解能は、複数の投影画像データDで実現可能な最大限実現可能な情報量や分解能と同じとされているため、比較基準は(a)であっても(b)であっても同じである。
【0046】
制御部112は、こうして得られた異なる高さでの断層面像を平行配置させた簡易立体画像40(図4参照)を表示部110に表示することにより、ユーザが所望する任意の断層面を特定するための情報を入力受付部111から受け付けることが可能となる。
【0047】
このときの簡易立体画像の表示は、上記の平行配列を所定の方向から見た像であり、その方向の具体例としては以下のものがある。
(1) 平行配列を構成する各平面(断層面像)に対して、斜め上又は斜め下から見る斜視方向(図4);
(2) 平行配列を構成する各平面に平行な方向(側面視方向)。この場合は配列方向を軸として360度の回転自由度を持った画像とすることが好ましい;
(3) 平行配列を構成する各平面に垂直な方向(平面視方向)。この場合は各平面(断層面像)を任意に選択して表示可能に構成することが好ましい。
【0048】
<任意断層面の設定>
次に、ユーザが所望する任意の断層面の指定について説明する。
【0049】
図4は、任意断層面の指定方法を示す模式図である。任意断層面の指定は、上述の方法によってまず3枚程度の断層面画像41〜43を含む簡易立体画像40を表示部110に表示させる。次に、簡易立体画像40において、入力受付部111を用いてユーザが所望する検体120の任意の断層面を特定する基準点を入力することにより任意断層面の指定を行う。具体的には、基準点はGUI(Graphical User Interface)によって設定する。より具体的には、表示部110に表示される簡易立体画像40に含まれる断層面画像41〜43のそれぞれについて、マウス111bのカーソルの移動及び入力を行うことによって基準点44〜46の位置を操作入力する。そして、入力された基準点44〜46によって規定される平面として任意断層面47を指定する。
【0050】
任意断層面47を所定の形状(具体的には平面)に固定している場合は、その固定形状の位置を特定するために最小限必要な数だけ基準点を指定する。周知のように平面は3次元空間上で1直線上にない3点の位置を指定すれば一義的に定まるため、この例での基準点の指定数は3点である。
【0051】
図4のような斜視表示の場合、上下に隣接する断層面が重なる部分については、表示された3つの断層面のうちどの位置指定を行う断層面を明示的に選択できるようにしておくことが好ましい。たとえば断層面画像41〜43が表現されている各平面の端部にタグなどの操作領域を設けておき、今から指定しようとする平面の操作領域をマウス111bでポイントしてクリックすることによって当該平面上での選択を行うモードとすることができる。このとき、その時点で選択されている断層面画像だけを他の断層面画像とは異なる表現態様(たとえば相対的に濃い色)で表示することにより、ユーザの基準点の指定に誤りが少なくなる。
【0052】
また、既に指定された基準点は画面上で所定のマークで表示するようにしておく。3点が指定されたときにはそれらを通る平面が図示されるようにたとえば破線で表示されることにより、ユーザが意図した断層面が指定されていることを確認できる。基準点のキャンセルは、個々の基準点ごとでも可能であり、全基準点の一括キャンセルも可能としておく。
【0053】
このように、検体120の簡易立体画像40を生成し、この簡易立体画像40における任意の断層面に関する基準点44〜46を受け付けるので、投影画像データDの全部を用いて立体画像を構築し、その完全立体画像を表示する場合と比較して、メモリ使用量を軽減し、かつ高速で処理することが可能となる。
【0054】
<任意断層面画像データの生成原理>
次に、上述の方法によって指定された任意断層面47の任意断層面画像データ生成原理について説明する。
【0055】
図5は、任意断層面47の生成原理を示す模式図である。ここでは、ユーザが所望した任意断層面画像データを生成するために、任意断層面47を1ラインごとに算出していく。なお、以下の説明では、注目している1ラインを「注目ピクセルラインP」と称する。また、注目ピクセルラインPを含み検出部106の画像検出面に平行な平面を「仮想断層面V」と称する。
【0056】
この図5に示された諸量の意味は以下の通りである。ただし、ここでは、検出部106の画像検出面に平行な方向を「水平方向」、それに垂直な方向を「高さ方向」と呼ぶ。
O= 照射部101が移動する弧の焦点位置(円弧を規定する円の中心の位置);
L= 中心Oからの照射部101の水平方向の距離;
θ= 中心Oと照射部101とを結ぶ仮想線が高さ方向となす角度;
R= 照射部101から中心Oまでの高さ方向の距離;
z= 中心Oから注目ピクセルラインPまでの水平方向の距離;
V= 照射部101から注目ピクセルラインPまでの高さ方向の距離。
【0057】
任意断層面画像データは、生成しようとする任意断層面47において、仮想断層面Vのうち注目ピクセルラインPを合成することによって生成する。
【0058】
i番目の投影画像データDi(記号Diは図示せず)に対して、仮想断層面Vを生成するためのシフト量Siは、式(1)で表すことができる。
【0059】
【数1】

【0060】
シフト量Siが求まると、合成すべきピクセルのラインが定まる。すなわち、i番目の投影画像において画像中心から、距離(Si+P)だけずれた位置に存在するピクセルのラインが、合成に用いられるラインとなる。これを全ての投影画像データDi(i=1,2,…)に対して求め、そのラインを合成することで注目ピクセルラインPを算出することが可能となる。このピクセルラインを、生成したい任意断層面47において全て求めることで、任意断層面画像データを生成することが可能となる。
【0061】
この第2合成プロセスは、第1合成プロセスよりも多い情報量を用いて行われる。具体的には、
(1) 得られた多数の投影画像データのうちの多く(好ましくはすべて)を用いて合成を行い、断層面内で高分解能の断層面画像を得る、
(2) 指定された断層面を記述する平面方程式の表現精度を高くして空間精度を上げ、断層面の位置を高分解能で特定する、
(3) 画像合成に用いるデータ長(有効ビット数)を比較的大きくとって、階調表現における分解能(濃度やカラーの分解能)を高くする;
などの態様がある。
【0062】
なお、任意断層面がラインの集合では表すことができないような断層面、例えば球面形状のような断層面である場合には、1ラインごとではなく1ピクセルごとに演算を行う。生成する任意断層面画像データの1ピクセルごとに「注目ピクセル」として設定し、上記と同様に、全ての投影画像データに対してシフト量を求め、合成すべきピクセルを求めて合成する。それを全てのピクセルにおいて算出することで、任意断層面画像データを生成することが可能となる。
【0063】
<動作>
以上のような構成を備え、既述の原理を用いることにより以下のような動作を行うことが可能となる。ここでは、任意断層面画像生成装置100の動作について説明する。
【0064】
図6は、任意断層面画像生成装置100の動作を示すフローチャートである。まず、異なる方向から検体120に順次に照射した透過電磁波をそれぞれ検出して複数の透過電磁波データを検出(検出工程)し、該透過電磁波データに対応する投影画像データDに基づいて断層面画像41〜43を3枚程度生成する(ステップS601)。ステップS601で生成された断層面画像41〜43を平行配列して検体120の簡易立体画像40を生成し表示部110に表示する(第1合成工程、ステップS602)。
【0065】
ステップS602において表示される低分解能の簡易立体画像40において、ユーザが所望する任意断層面を規定する基準点44〜46の指定のための操作入力を受け付け(指定入力工程、ステップS603)て、それらの全てを通る平面として任意断層面47を設定する(ステップS604)。そして、ステップS604において設定された任意断層面47について、1ラインごとに精細な高分解能の任意断層面画像データを生成する(第2合成工程、ステップS605)。これによって、精細な高分解能の任意断層面画像を得る。
【0066】
ステップS605において生成された高分解能の任意断層面画像は、表示部110に表示されたり、記憶装置に格納される等、ユーザによって適宜出力される。
【0067】
<効果>
以上のように、検体120の簡易立体画像40を低分解能で生成し、該簡易立体画像40において任意断層面47を指定した上で、当該任意断層面47についての断層面画像データを高分解能で生成するので、断層面の指定までのプロセスでの画像処理RAM109の使用量を軽減し、全体として精細な高分解能の任意断層面画像データを高速に生成することが可能となる。
【0068】
また、空間分解能が低い簡易立体画像40を用いており、任意断層面47の指定においてはそのような空間的に粗い画像でも実用上は差し支えないため、高速性と任意断層面47の指定の適切性とが両立する。
【0069】
また、表示された簡易立体画像40を目視しつつ任意断層面47を指定できるため、任意断層面47の指定が容易でありまた指定状況を直感的に把握しやすい。
【0070】
さらに、任意断層面47として平面を特定するため、多用な断面での断層面画像を得ることができる。
【0071】
また、複数の断層面画像41〜43の平行配列によって簡易立体画像40を表現しており、比較的シンプルな表示形態でありながら、立体画像上の位置を指定しやすくなっている。
【0072】
また、撮影に関するハードウェアとしてトモシンセシス系統の装置を用いて構成可能である。
【0073】
<第2実施形態>
上述の第1実施形態では、検体の画像データをトモシンセシスによって得る場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。ここでは、本発明の第2実施形態として、検体の画像データをX線CT撮影によって得る場合について説明する。なお、本実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の機能を有する要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0074】
<構成>
図7は、本発明の第2実施形態に係る任意断層面画像生成装置700の概略構成を示す図である。
【0075】
任意断層面画像生成装置700におけるガイド部102aは、略円環状に閉じた周回経路として形成されて、照射部101と検出部106aとが該円環の中心を挟んだ対向位置を保って移動自在となっている。そして、照射位置制御部103aが、照射部101と検出部106aとの位置関係を保ったまま両者の回転位置を制御する。
【0076】
検体120が横たわった載置部104aは、連結部105によってガイド部102aに結合された照射部101と、予め定められた位置関係に固定されており、照射部101から照射されるX線の照射範囲内で検体120を支持する。具体的には、載置部104aは、連結部105によって、ガイド部102aの中心が位置する側で(図の紙面内については)予め定められた位置に固定されている。ただし、図中の紙面を貫く方向には載置部104aは微速ないしは間欠的に並進移動可能である。また、載置部104aはX線を実質的に透過する材質で形成されている。
【0077】
検出部106aは、照射部101aから照射され載置部104aに載置された検体120及び載置部104aを透過した透過電磁波データ、具体的にはX線のCT値を検出する。照射部101a及び検出部106aの組合せは検体120の周囲を複数回にわたって回転しつつ、検体120に対して複数の方向からX線の照射と検出とを行う。また、その複数回の回転中に図中の紙面を貫く方向に載置部104aが微速ないしは間欠的に移動することにより順次にCT値の組が得られ、それらに基づいて所定の間隔での複数の断層面の情報に相当する複数のCT像を得ることが可能となっている。
【0078】
記憶部107aは、例えば不揮発性メモリが適用されて、検出部106aが検出するX線のCT値及び該CT値を検出したときの照射部101の照射位置を記憶する。
【0079】
生成部108aは、記憶部107aに記憶された複数のCT値と、各CT値を検出したときの照射部101の照射位置とに基づいて、検体120の断層面画像データを生成する。また、生成部108aは、該断層面画像データに基づいて、3次元的な構造を有する検体120の立体画像のデータを生成する。具体的には、生成部108aは、一時記憶手段であるRAM109aと連携して、CT値を適宜RAM109aに一時記憶させながら断層面画像データを生成する。さらに、該断層面画像データを適宜RAM109aに一時記憶させながら立体画像のデータを生成する。なお、X線CT撮影による断層面画像データ及び複数の断層面画像データを含む立体画像データの生成方法については公知の技術を利用可能であり、その詳細な説明は省略するが、例えば、FBPM等によって生成する。
【0080】
制御部112aは、照射部101、照射位置制御部103a、検出部106a、記憶部107a、生成部108a及び表示部110を制御して、比較的少ない情報量で検体の低分解能の立体画像データを生成する。また、制御部112aは該低分解能の立体画像データで表現された簡易立体画像において入力受付部111が受け付ける任意の断層面に関する情報に基づいて、照射部101、照射位置制御部103a、検出部106a、記憶部107a及び生成部108aを制御して、比較的多い情報量で検体120の精細な該任意の断層面画像データを高分解能で生成する。これらにおける「情報量の大小」、「高分解能」、「低分解能」の意味は、第1実施形態と同様である。
【0081】
なお、上記第1実施形態同様、照射位置制御部103aと、記憶部107aと、生成部108aと、制御部112aとは、一般的なPCに内蔵されているようにしても良い。
【0082】
<任意断層面の指定>
次に、ユーザが所望する任意の断層面の設定について第1実施形態とは異なる例を図面を参照して説明する。
【0083】
図8は、任意断層面の指定方法を示す模式図である。任意断層面の指定に際しては、まずX線CTによって生成される断層面画像データで表現された断層面画像81〜83を含む簡易立体画像80を表示部110に表示させる。これは第1実施形態ど類似の第1合成プロセスに対応する。次に、GUIにより基準点84〜89の位置を指定する操作入力を受け付けて任意断層面の指定を行う。具体的には、入力された基準点84〜89の位置情報に基づいてB−スプライン曲線等により曲線90を設定し、該曲線90を垂直切断線とする曲面を任意断層面91として設定する。
【0084】
なお、基準点84〜89を適宜増減することによりB−スプライン曲線のようなパラメータ曲線を変化させて所望の任意断層面(その特別の場合として平面形状を含む)を指定することが可能となる。また、任意断層面の垂直切断線を直線とするか曲線とするかは選択可能であり、基準点84〜89を直線で結んだ折線を垂直切断線とするような折れ面として任意断層面を設定することも可能である。
【0085】
こうして指定された任意断層面91の精細な高分解能の断層面画像データを公知のX線CT撮影による再構成法によって生成する。
【0086】
<動作>
以上のような構成を備え、既述の原理を用いることにより以下のような動作を行うことが可能となる。
【0087】
図9は、任意断層面画像生成装置700の動作を示すフローチャートである。まず、検体120を並進移動させつつ検体120の全周を複数回撮影して複数のCT値を検出(検出工程)し、該CT値に対応するCT画像情報としての複数の断層面画像データを得る。これは高分解能で行われる。次に、複数の断層面画像データの分解能を下げた低分解能の断層面画像81〜83を生成する(ステップS901)。ステップS901で生成された断層面画像81〜83を平行配列して検体120の低分解能の簡易立体画像80を生成し表示部110に表示する(第1合成工程、ステップS902)。
【0088】
ステップS902において表示される低分解能の簡易立体画像80において、ユーザが所望する任意断層面を規定する基準点84〜89の指定のための操作入力を受け付け(指定入力工程、ステップS903)て、それらの全てを通る曲面として任意断層面91を特定して設定する(ステップS904)。そして、ステップS904において設定された任意断層面91について、1ラインごとに精細な高分解能の任意断層面画像を生成する(第2合成工程、ステップS905)。これによって、精細な高分解能の任意断層面画像を得る。
【0089】
ステップS905において生成された高分解能の任意断層面画像は、表示部110に表示されたり、記憶装置に格納される等、ユーザによって適宜出力される。
【0090】
<効果>
以上のように、本実施形態での断層面画像データは、X線CT撮影によって得られるので、既存の撮影装置を基礎として製造することが可能となる。また、該既存の撮影方法を基礎として任意断層面画像データを生成することが可能となる。そして、第1実施形態と同様に、簡易立体画像を用いた断層面指定を行うため、データの処理量が少なく、高速な処理が可能になる。
【0091】
また、折れ面や曲面を指定可能であるため、多用な断面での断層面画像を得ることができる。
【0092】
<変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
【0093】
たとえば、上記実施形態においては、任意断層面47,91が平面又は開曲面の場合を例に説明したが、球や多面体等の表面で表される閉曲面であっても構わない。
【0094】
さらに、上述の第1及び第2実施形態のそれぞれの要素を適宜組み合わせても構わない。
【0095】
また、本発明は、必ずしもトモシンセシスやCTによって低分解能の立体画像データ及び高分解能の断層面画像データを生成する必要はなく、MR(MagneticResonance;磁気共鳴)によって生成しても良い。
【0096】
簡易立体画像を表示部上に可視的に表示して任意断層面を指定することが好ましいが、簡易立体画像をいったんフィルムに焼き付けて可視的なハードコピーとしての簡易立体画像として出力し、そのフィルムをデジタイザ上に載置して基準点の位置の指定入力を行うようにしてもよい。このため、CRTやLCDなどの可変表示部を持たない場合でも本発明は実現可能である。
【0097】
また、遠隔地の端末に画像データを送信し、当該端末側で指定した断層面位置の指定情報を受け取ってもよい。この場合の「位置情報の入力を受け付ける情報入力手段」は、遠隔地からの位置指定情報を受信して装置本体に取り込む手段に相当する。
【0098】
撮影検出機構とは切り離されたデータ処理装置として本発明を実現することもできる。すなわち高分解能の複数の透過画像データが取得された後、それらの複数の透過画像データを他の場所にオンライン又はオフラインで転送すれば、当該他の場所において上記の第1合成プロセスから第2合成プロセスに至るまでのデータ処理を行うことができる。したがって、本発明は任意断層面画像生成用のデータ処理装置としても構成可能である。
【0099】
これらの変形は、遠隔地医療や救急医療への本発明の活用において特に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本発明の第1実施形態に係る任意断層面画像生成装置の概略構成を示す図である。
【図2】トモシンセシスの原理を示す模式図である。
【図3】シフト加算法の原理を示す模式図である。
【図4】任意断層面の指定方法を示す模式図である。
【図5】任意断層面の生成原理を示す模式図である。
【図6】任意断層面画像生成装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第2実施形態に係る任意断層面画像生成装置の概略構成を示す図である。
【図8】任意断層面の指定方法を示す模式図である。
【図9】任意断層面画像生成装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0101】
100,700 任意断層面画像生成装置
101 照射部
103 照射位置制御部
104 載置部
106 検出部
107 記憶部
108,702 生成部
110 表示部
111 入力受付部
111a キィボード
111b マウス
112,112a 制御部
120 検体
40,80 立体画像データ
41〜43,81〜83 断層面画像
44〜46,84〜89 基準点
47,91 任意断層面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる方向からの検体の透過像をそれぞれ検出して複数の透過像データを得る検出手段と、
前記複数の透過像データを比較的少ない情報量で合成して、前記検体の低分解能の立体画像データを生成する第1合成手段と、
前記低分解能の立体画像データで表現される簡易立体画像においてユーザから任意の断層面を指定する入力を受け付ける指定入力手段と、
前記複数の透過像データを比較的大きな情報量で合成して、前記断層面における高分解能の断層面画像データを生成する第2合成手段と、
を備えることを特徴とする任意断層面画像生成装置。
【請求項2】
請求項1記載の任意断層面画像生成装置であって、
前記第1合成手段は、前記簡易立体画像を第1の空間分解能で生成し、
前記第2合成手段は、前記第1の空間分解能よりも高精度の第2の空間分解能で前記断層面画像データを生成することを特徴とする任意断層面画像生成装置。
【請求項3】
請求項2記載の任意断層面画像生成装置であって、
前記簡易立体画像を可視的に表示する表示部を更に備え、
前記指定入力手段は、
前記表示部に表示された前記簡易立体画像上で前記断層面を特定する位置情報の入力を受け付ける情報入力手段、
を備えることを特徴とする任意断層面画像生成装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3の何れか記載の任意断層面画像生成装置であって、
前記断層面は平面であり、
前記断層面を特定する前記情報は、当該平面を特定する基準点の情報であることを特徴とする任意断層面画像生成装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項3の何れか記載の任意断層面画像生成装置であって、
前記断層面は折れ面又は曲面を含み、
前記断層面を特定する前記情報は、前記折れ面又は前記曲面を特定する基準点の情報を含むことを特徴とする任意断層面画像生成装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5の何れか記載の任意断層面画像生成装置であって、
前記簡易立体画像は、前記検体の複数の断層面像の平行配列として表現されており、
前記表示手段は、前記平行配列に対して所定の方向から見た像として前記簡易立体画像を表示することを特徴とする任意断層面画像生成装置。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6の何れか記載の任意断層面画像生成装置であって、
前記複数の透過像データは、前記検体の複数の所定の方向から電磁波を順次に照射して得られる透過電磁波データであることを特徴とする任意断層面画像生成装置。
【請求項8】
請求項1ないし請求項6の何れか記載の任意断層面画像生成装置であって、
前記複数の透過像データは、検体を周回しつつ複数の方向から電磁波を順次に照射して得られる透過電磁波データであることを特徴とする任意断層面画像生成装置。
【請求項9】
異なる方向からの検体の透過像をそれぞれ検出して得た複数の透過像データを比較的少ない情報量で合成して、前記検体の低分解能の立体画像データを生成する第1合成手段と、
前記低分解能の立体画像データで表現される簡易立体画像においてユーザから任意の断層面を指定する入力を受け付ける指定入力手段と、
前記複数の透過像データを比較的大きな情報量で合成して、前記断層面における高い分解能の断層面画像データを生成する第2合成手段と、
を備えることを特徴とする任意断層面画像生成用のデータ処理装置。
【請求項10】
異なる方向からの検体の透過像をそれぞれ検出して複数の透過像データを得る検出工程と、
前記複数の透過像データを比較的少ない情報量で合成して、前記検体の低分解能のな立体画像データを生成する第1合成工程と、
前記低分解能の立体画像データで表現される簡易立体画像においてユーザから任意の断層面を指定する入力を受け付ける指定入力工程と、
前記複数の透過像データを比較的大きな情報量で合成して、前記断層面における高い分解能の断層面画像データを生成する第2合成工程と、
を備えることを特徴とする任意断層面画像生成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−154647(P2008−154647A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−343827(P2006−343827)
【出願日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【出願人】(000001270)コニカミノルタホールディングス株式会社 (4,463)
【Fターム(参考)】