説明

位置センサーへのデータ送信

【課題】位置追跡システムでの改良された無線通信方法および装置を提供する。
【解決手段】位置追跡システムで制御指令をセンサーに送信する方法は、フィールド発生器を駆動するための駆動信号を生み出す過程を含む。制御指令を含む制御信号が、駆動信号に重ね合わせられる。フィールド発生器は、駆動信号によって駆動されて、センサーによって検出されるフィールドを生み出す。そのフィールドは、センサーの位置座標を求めるため、および、制御信号を復調して制御指令を抽出するために、センサーで検出される。センサーの機能は、抽出された制御指令に基づいて制御される。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は、大まかに言って、位置追跡システムに関し、より詳しく言うと、本発明は、位置追跡システムで用いられる装置および器具と無線通信を行うための方法および装置に関する。
【0002】
〔背景技術〕
医療手技に関わる物体の座標を追跡するためのさまざまな方法およびシステムが当業者に知られている。例えば、ベン−ハイム(Ben-Heim)に付与された米国特許第5,391,199号および同第5,443,489号は、その開示内容が参照することによって本明細書に組み込まれ、体内のプローブの座標が、一つまたは複数の磁界トランスデューサを用いて求められる、システムを記載している。そのようなシステムは、カテーテルのような医療用プローブに関する位置情報を生み出すために用いられる。コイルのようなセンサーが、プローブ内に配置されていて、外側から加えられた磁界に応答して信号を生み出す。磁界は、外部基準フレームに固定された既知の相互に隔てられた複数の位置にある、放射器コイルのような磁界トランスデューサによって生み出されている。センサー信号は、基準の外部フレーム内でのプローブの座標を求めるために処理される。
【0003】
磁気的位置追跡に関連する別の方法および装置が、例えば、PCT特許公開WO96/05768、米国特許第6,690,963号、同第6,239,724号、同第6,618,612号、および、同第6,332,089号、また、米国特許出願公開2002/0065455A1、同2003/0120150A1、および、同2004/0068178A1、に記載されていて、これらの開示内容は、全て、参照することによって本明細書に組み込まれる。これらの刊行物は、心臓カテーテル、整形外科移植片、および、さまざまな医療手技で用いられる医療器具などの、体内の物体の位置を追跡する方法および装置を記載している。
【0004】
いくつかの医療上の用途では、データは、外部のシステムと体内の物体との間で無線式に交換される。例えば、米国特許第6,409,674号は、その開示内容が参照することによって本明細書に組み込まれ、心臓に植え込まれた、圧力モニターなどの植え込み可能なセンサー装置を記載している。その装置は、血圧の情報またはその他の身体的パラメータを、遠隔の通信装置に、無線式に通信する。上記米国特許に記載されている無線式通信方法は、無線遠隔測定法、誘導性結合、受動トランスポンダ、および、体を導体として用いる電導性通信、などを含んでいる。誘導性結合を用いた無線通信を含む別の位置追跡システムが、米国特許出願公開2003/0120150A1に記載されていて、その開示内容も参照することによって本明細書に組み込まれる。その特許出願の発明者は、無線トランスポンダが物体に固定されたシステムを記載している。そのトランスポンダは、少なくとも一つのセンサーコイルを含み、そのセンサーコイル内には信号電流が検出された電磁界に応答して流れる。電力コイルが、RF駆動フィールドを受信し、駆動フィールドからの電気エネルギーを搬送してトランスポンダに電力を供給する。電力コイルは、さらに、信号電流に応答して出力信号を信号受信機に送信し、信号受信機がその出力信号を処理して、物体の座標を求める。
【0005】
〔発明の概要〕
本発明の実施の形態は、位置追跡システムでの改良された無線通信方法および装置を提供する。本明細書で以下に開示される実施の形態では、これらの方法は、制御データなどのデータを位置追跡システムで追跡される物体内に嵌め込まれたセンサーユニットに送信するために用いられる。それに代わって、これらの方法は、必要な変更を加えて、追跡される物体に取り付けられたフィールド発生器から外部のセンサーにデータを送信するために用いられてよい。開示された方法および装置は、既存の位置センサーおよびセンサー制御ユニットの処理回路をデジタル通信チャネルの受信回路として用いる。したがって、センサーユニットは、この目的のための専用のハードウェアをほとんどまたは全く追加することなく、送信された制御データを受信することができる。制御指令を受信するためにアンテナおよび受信機を追加する必要なしに、センサーユニットの位置検出回路が位置信号および制御信号の両方を抽出するために用いられるので、センサーユニットは、より小さく、より低コストで、および、より信頼性が高く、製造される。
【0006】
いくつかの実施の形態では、デジタルデータは、位置検出に用いられない適切な周波数で制御信号を変調することによって、外部のフィールド発生器からセンサーユニットに送られる。変調された制御信号は、通常はフィールド発生器を駆動するために用いられる駆動信号と組み合わされる。センサーユニット内の位置検出に用いられている位置センサーおよび受信機回路は、追加されたその制御信号をも受信する。センサー制御ユニットは、制御信号をデジタル化し、フィルタリングによって分離し、復調して、送信されたデジタルデータを再生する。
【0007】
いくつかの実施の形態では、異なる制御指令が、各センサーに独自の識別番号(ID)を割り当てることによって、または、異なる制御指令に対して異なる変調周波数を用いることによって、異なるセンサーユニットにアドレス指定される。
【0008】
いくつかの実施の形態では、センサーユニットは、整形外科移植片、植え込み可能な装置、体内のカテーテルおよび内視鏡、のような追跡される物体内に嵌め込まれていて、また、さまざまな医療器具および手術器具内に嵌め込まれている。
【0009】
ある別の実施の形態では、フィールド発生器は、追跡される物体に接続されていて、外部のシステムによって検出される磁界を生み出す。上記の方法と同様の方法が、送信機ハードウェアを追加する必要なしに、追跡された物体からの情報を遠隔測定法で送信し制御するために用いられる。
【0010】
したがって、本発明のある実施の形態に基づけば、位置検出システムでセンサーに制御指令を送信する方法が提供され、その方法は、
フィールド発生器を駆動するための駆動信号を生み出す過程と、
制御指令を含む制御信号を駆動信号に重ね合わせる過程と、
センサーによって検出されるフィールドを生み出すように、フィールド発生器を駆動信号で駆動する過程と、
センサーにおいて、センサーの位置座標を求めるために、かつ、制御指令を抽出するように制御信号を変調するために、フィールドを検出する過程と、
抽出された制御指令に基づいてセンサーの機能を制御する過程と、
を含む。
【0011】
ある実施の形態では、駆動信号は、駆動周波数を有し、制御信号を重ね合わせる過程は、制御信号を駆動信号から分離できるように、制御指令によって、駆動周波数とは異なる制御周波数を有する制御搬送波を変調することを含む。
【0012】
別の実施の形態では、フィールドを検出する過程は、検出されたフィールドに応答して受信信号を生み出し、受信信号から制御信号を抽出することを含む。
【0013】
それに加えて、または、それに代わって、制御信号を抽出することは、受信信号をデジタル化してデジタル化された信号を生み出し、デジタル化された信号に高速フーリエ変換(FFT)を適用し、制御周波数に対応するFFTビン(FFT bin)のエネルギーを検出することを含む。
【0014】
さらに別の実施の形態では、制御指令によって変調することは、制御副搬送波を制御指令の二進表現(binary representation)に対応して断続的に切り換えることを含む。
【0015】
なお別の実施の形態では、制御信号を重ね合わせる過程は、第1の制御指令を第1のセンサーにアドレス指令し、第1の制御指令とは異なる第2の制御指令を第2のセンサーにアドレス指定することを含む。
【0016】
ある実施の形態では、フィールドを検出する過程は、センサー内の単一のコイルを用いて、制御信号に基づく第1のフィールド成分、および、位置座標に関連する第2のフィールド成分、を検出することを含む。
【0017】
別の実施の形態では、センサーの機能を制御する過程は、センサーのタイミングを制御すること、センサーを較正すること、および、検出されたフィールドのひずみを補償すること、のうちの少なくとも一つを含む。
【0018】
さらに別の実施の形態では、フィールドは、磁界を含む。
【0019】
本発明のある実施の形態に基づけば、さらに、位置追跡システムで追跡された物体からデータを送信する方法が提供され、その方法は、
追跡された物体内のフィールド発生器を駆動するための駆動信号を生み出す過程と、
データを含むデータ搬送信号を駆動信号に重ね合わせる過程と、
一つまたは複数の外部の受信機によって検出されるフィールドを生み出すように、フィールド発生器を駆動信号で駆動する過程と、
一つまたは複数の外部の受信機で、追跡される物体の位置座標を求めるため、かつ、データを抽出するようにデータ搬送信号を復調するために、フィールドを検出する過程と、
を含む。
【0020】
本発明のある実施の形態に基づけば、さらに、位置追跡システムにおいて制御指令をセンサーに送信する装置が提供され、その装置は、
フィールド発生器であって、センサーによって検出されるフィールドを生み出すように接続された、フィールド発生器と、
信号発生器ユニットであって、フィールド発生器を駆動するための駆動信号を生み出し、同時に制御指令を含む制御信号を駆動信号に重ね合わせるように接続された、信号発生器ユニットと、
センサーユニットであって、フィールドを検出するように接続された位置センサー、および、検出されたフィールドに応答して位置信号を生み出すよう、制御指令を抽出するように制御信号を復調するよう、および、抽出された制御指令に基づいてセンサーの機能を制御するように、接続されたセンサー制御ユニット、を含む、センサーユニットと、
プロセッサであって、位置信号に応答してセンサーの位置座標を算出するように接続された、プロセッサと、
を具備する。
【0021】
本発明のある実施の形態に基づけば、さらに、位置追跡システムで追跡される物体からデータを送信する装置が提供され、その装置は、
フィールド発生器であって、外部のシステムによって検出されるフィールドを生み出すように構成されている、追跡される物体に接続された、フィールド発生器と、
フィールド発生器と関連する信号発生器ユニットであって、フィールド発生器を駆動するための駆動信号を生み出し、同時に、データを含むデータ搬送信号を駆動信号に重ね合わせるように接続されている、信号発生器ユニットと、
外部のシステム内の一つまたは複数の外部の受信機であって、追跡される物体の位置座標を求めるため、および、データを抽出するようにデータ搬送信号を復調するために、フィールドを検出するように接続されている、受信機と、
を具備する。
【0022】
本発明が、図面と共に考慮される以下の本発明の実施の形態の詳細な記載からより十分に理解されるであろう。
【0023】
〔実施の形態の詳細な説明〕
上記の参照文献に言及されたシステムのような典型的な磁気ベースの位置検出システムでは、外部で生み出された磁界が、センサーユニット内に配置されたセンサーコイルなどの受信機中で位置に対応する電流を誘起する。そのようなシステムの医療上の用途では、センサーユニットは、医療移植片、プローブ、または、その他の医療器具内に嵌め込まれている。センサーユニット内のセンサー制御ユニットは、受信機からの信号を取得し、位置情報を算出し、位置情報を外部のシステムに送信する。外部のシステムは、センサーユニットから受信した位置情報に基づいて、センサーの位置および方向を算出する。(それに代わって、以下に記載されるように、移植片または器具内のフィールド発生器が、磁界を生み出し、その磁界が体の外側の受信機によって検出されてもよい。)
【0024】
いくつかの用途では、外部のシステムからセンサーユニットへデータを送ることが望ましい。例えば、外部のシステムが、タイミング、較正、または、その他の制御命令をセンサーユニットに送信することがある。ある実施の形態では、外部のシステムは、センサーユニットに、磁界をゆがめる金属外乱によって損なわれた信号を打ち消すように指令することがある。この信号の打ち消しは、磁気的追跡システムの性能を向上させる。
【0025】
いくつかの場合では、追跡されるセンサーユニットが外部との有線接続を有していないことが望ましい。その結果、センサーユニットへのデータの送信は、無線式で実現されなければならない。典型的な例は、整形外科での用途であり、その用途では、センサーユニットは患者の骨に植え込まれる整形外科移植片内に嵌め込まれている。カテーテルおよび内視鏡のような、いくつかの有線式の用途においてでさえも、センサーユニットへの無線式データ送信を用いるのが有益であることがある。無線式送信を用いることによって、カテーテルまたは内視鏡を通過する電気的な配線の数が減らされ、それによって、カテーテルまたは内視鏡の直径が減らされる。一方、外部のシステムからセンサーユニットへの別個の無線通信チャネルを加えることは、寸法およびコストの増加、および、追加されたアンテナおよびその他のハードウェアコンポーネントによって引き起こされる信頼性の低下、に関連して、望ましくない。
【0026】
図1は、本発明のある実施の形態に基づく、手術に用いられる磁気的追跡システム20の概略図である。外科医22は、器具24を用いて、患者23に医療手技を施す。移植片26は、手術部位で患者の体内に導入され、手術部位はこの例では患者の脚30に位置している。追跡システムは、移植片26および器具24の位置を測定および表示して、外科医が、この例では膝関節手術である手術手技を実施するときの誘導をする。追跡システムは、手術部位を含む稼動範囲(working volume)の全体にわたって位置および方向座標を測定する。
【0027】
器具24および移植片26の座標は、患者の体に固定された、位置パッド34のような、フィールド発生器に対して求められる。図1に示された例では、位置パッド34は、移植片26の近くの患者の、ふくらはぎ、および、腿、に配置されている。信号発生器ユニット38は、位置パッド34内の、典型的にはフィールド発生コイルを含む、フィールド発生器を駆動する駆動電流を生み出す。無線式接続も実行可能であるが、位置パッドは、典型的には、配線によってユニット38に接続されている。フィールド発生コイルは、稼動範囲の全体にわたって磁界を生み出す。
【0028】
移植片26および器具24は、小型の無線式センサーユニットを含み、そのセンサーユニットが本明細書で以下に詳しく記載される。各センサーユニットは、その位置センサーの付近の磁界を検出するように設計された位置センサーを含んでいる。位置パッド34によって生み出された磁界は、器具24および移植片26内に嵌め込まれたセンサーユニットの位置センサー中に電流を誘起する。誘起された電流に応答して、各センサーユニットの信号処理回路および送信回路が、移植片または器具の位置および方向を表示する位置信号を生み出しかつ送信する。
【0029】
位置信号は、無線式制御ユニット40によって受信され、無線式制御ユニット40はコンピュータ41に接続されている。コンピュータ41は、システム20の主システム制御装置として役立つ。コンピュータは、器具24および移植片26の相対的な位置座標および方向座標を算出するために、受信信号を処理する。その結果が、典型的には、外科医に対してディスプレイ42上に表示される。
【0030】
位置追跡の用途の一部として、コンピュータ41は、移植片26および/または器具24内のセンサーユニットに送信される、典型的にはデジタルデータワードとして表現された、制御指令を生み出す。ある実施の形態では、制御指令は、タイミング指令を含む。それに加えて、または、それに代わって、制御指令は、センサーユニット用の較正情報を含む。別の実施の形態では、制御指令は、センサーユニットが供給された磁界中のひずみの効果を軽減できるようにする。そのようなひずみは、典型的には、稼動範囲内に金属製の物体を導入することによって引き起こされる。これらの実施の形態では、コンピュータは、センサーユニットに金属外乱によって損なわれた信号を打ち消すまたは補償するように指令する。任意のその他のタイプの制御指令が、開示された方法を用いてセンサーユニットに送信されてよい。例えば、制御指令は、センサーに、センサーからの送信を開始または停止するように、起動(wake-up)するように、低電力モードに切り換えるようにまたはセンサーの動作モードを別のやりかたで変更するように、または、センサーの動作周波数を変更するように、指令してよい。
【0031】
指令をセンサーユニットに送信するために、信号発生器ユニット38は、以下に詳しく記載されるように、変調制御信号を生み出す。制御信号によって、位置パッド34内のフィールド発生コイルを駆動するために用いられる、一つまたは複数の駆動信号が変調される。言い換えれば、制御信号は、センサーユニットに送信される一つまたは複数の磁界を変調する。ある実施の形態では、上述され、また以下で図3に示されるように、駆動信号の変調および制御信号の駆動信号への重ね合わせは、信号発生器ユニット38で実行される。変調された駆動信号は、相互接続を行っている配線を介して、位置パッド34に送られる。ある別の実施の形態では、位置パッドが、制御指令を受信する。その場合、変調および重ね合わせ機能は、位置パッドによって実行される。
【0032】
センサーユニットが磁界を検出すると、センサーユニットは制御信号を復調して制御指令を復号する。
【0033】
ある実施の形態では、位置パッドが、異なる周波数を有する電磁界を生み出す。典型的な周波数は、100Hzから30kHzまでの範囲(可聴範囲と呼ばれることが多い。)内で選択されるが、その他の周波数範囲が用いられてもよい。制御信号は、典型的には、駆動信号によって用いられていない異なる可聴周波数を有する副搬送波を変調する。制御副搬送波の周波数は、位置検出のために用いられている周波数との十分な周波数分離が可能なように選択される。十分な周波数分離によって、センサーユニット内の受信機回路が、以下に記載されるように、制御信号をフィルタリングによって分離して、抽出することができる。典型的には、システムによって用いられる位置検出のための周波数および制御信号の送信のための周波数は、コンピュータ41によって設定される。
【0034】
いくつかの実施の形態では、信号発生器ユニット38は、異なる制御信号を異なるセンサーユニットに送る。ある実施の形態では、異なるセンサーユニットにアドレス指定された制御信号は、異なる副搬送波周波数を用いる。それに加えて、または、それに代わって、各センサーユニットは、独自のIDを割り当てられていて、制御信号が、所望のセンサーユニットをアドレス指定するために適切なプロトコルを用いる。それに代わって、任意のその他のアドレス指定方法が用いられてもよい。
【0035】
図1に示されたシステムは、整形外科での用途に関連する。この種の位置追跡システムに関するさらに詳しい記載は、米国特許出願第11/063,094号に見出される。本発明の原理が実現化される整形外科で用いるための別の同様のシステムが、2004年3月5日に出願され今は米国特許出願第11/062,258号として出願されている、米国仮特許出願第60/550,924号に記載されている。これらの出願は全て、本出願の出願人に譲渡されていて、その開示内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0036】
しかし、図1に示された例示的なシステムは、純粋に、概念を明確にするために選択されたものである。その他のシステム構成は、当業者には明らかであり、本発明の範囲内に含まれると考えられる。例えば、任意の個数の移植片26、医療器具24、および、位置パッド34が、用いられてよい。センサーユニットは、その他のタイプの移植片および医療器具内に嵌め込まれてよく、さらに、カテーテルおよび内視鏡のような侵襲的な医療器具内に嵌め込まれてもよい。位置パッドは、当業者に知られているような任意の適切な方法を用いて患者の体に取り付けられてもよい。それに代わって、位置パッドは、適切な外部の構造物に取り付けられてもよい。
【0037】
位置パッド34、および、移植片26および器具24内のセンサーユニットは、磁界を送信または受信するように設計されていてよい。言い換えれば、移植片26および器具24内のセンサーユニットが磁界を受信するように構成されていれば、位置パッド34が磁界を生み出すように構成されている。それに代わって、位置パッドが、移植片および器具内に嵌め込まれたフィールド発生器によって生み出された磁界を検出するように構成されていてもよい。以下の記載では、位置パッド34が磁界を生み出し、その磁界が移植片26および器具24内のセンサーユニットによって受信されることが仮定されている。送信機および受信機の役割が逆になっている構成では、本発明の原理が、制御情報および/または遠隔測定情報を追跡される物体から外部のシステムへ送信するために用いることができる。
【0038】
図2は、本発明のある実施の形態に基づく、移植片26内に収容されたセンサーユニット45の概略図である。センサーユニット45は、位置センサー46を含み、位置センサー46は、典型的には、センサーの近傍で発生された磁界を検出する3つの位置コイルを含んでいる。電力コイル48が、センサーユニット45の電源として役立つ。電力コイル48は、典型的には、外部の駆動アンテナ(図1に示された無線式制御ユニット40の一部であってよい)から、誘導結合によって、無線周波数(RF)エネルギーを受信する。必要な場合には、センサーコイルおよび電力コイルは、米国特許出願第10/754,751号に記載されているように、共通のコアに巻かれていてよい。それに代わって、電力は、センサーユニット45内のバッテリー(図示されていない)によって、または、その他の適切な手段によって、供給されてもよい。通信コイル50が、位置信号をセンサーユニットから無線式制御ユニット40へ送信するために用いられる。それに代わって、センサー46のコイルまたは電力コイル48が、別個の通信コイルの必要をなくすために、位置信号を送信するためにも用いられてよい。
【0039】
位置センサー46、および、コイル48,50は、センサー制御ユニット70に接続されている。位置パッド34によって生み出された磁界は、上述したように、位置センサー46内の位置コイルの両端に時間変化する信号電圧を誘起する。ユニット70はこの信号電圧を受信し、これらの電圧に応答して位置信号を生み出す。ユニット70は、通信コイル50を駆動して、位置信号を外部のシステム、典型的には、無線式制御ユニット40内の受信アンテナに送信する。
【0040】
図2は、例示的なセンサーユニットの構成を示している。上述したように、その他の電気的および機械的な構成が、異なる医療移植片および器具に適合させてセンサーユニット45を実現するために、用いられてよい。いくつかの例示的なセンサーユニットの構成が、上記の米国特許出願第11/062,258号に記載されている。
【0041】
図3は、本発明のある実施の形態に基づく、磁気的位置追跡システム20の機能的な要素を概略的に示すブロック図である。信号発生器ユニット38内の駆動信号発生器82は、上述したように、位置パッド34内のフィールド発生コイルを駆動するために、駆動信号を生み出す。信号発生器ユニット38内の制御信号発生器84は、コンピュータ41から制御指令を受け入れ、典型的には適切な可聴周波数の副搬送波を変調した制御信号を生み出す。ある例示的な構成では、駆動信号は、1kHzから3kHzまでの範囲内の周波数を使用し、制御信号は、8kHzの周波数を使用する。混合器86が、制御信号を、少なくとも一つの駆動信号と組み合わせる。次に、駆動信号が、位置パッド34内のフィールド発生コイルを駆動するために用いられる。(図3は、3つの位置パッド34を示しているが、図1の記載で上述したように、任意の個数のパッドが用いられてよい。)
【0042】
ある実施の形態では、制御信号発生器は、制御指令の二進符号化表現に基づいて、予め決められたビットレートで副搬送波信号を断続的(on and off)に切り換えることによって、制御信号を生み出す。この変調は、オン−オフキーイング(OOK)と呼ばれることが多い。
【0043】
開示されたある実施の形態では、信号発生器ユニットは、制御信号を2つ以上の駆動信号と組み合わせる。各駆動信号と組み合わされた制御信号は、異なる副搬送波周波数を用いてよい。それに加えて、または、それに代わって、異なる制御指令が、異なる駆動信号上で送信されてよい。そのような構成は、例えば、異なる指令を異なるセンサーユニットへ送ることを容易にするために用いられる。
【0044】
パッド34によって生み出された磁界は、センサーユニット45の位置センサー46によって検出され、対応する電圧が、処理のためにセンサー制御ユニット70に送られる。センサー制御ユニットは、受信した信号を増幅し、フィルタリングし、デジタル化して、デジタル化された信号を生み出す(この目的で用いられるアナログ回路、および、アナログ/デジタル変換器は、簡略化のために、図3では、省略されている。)。センサー制御ユニット内のデジタルフィルター88は、典型的には、高速フーリエ変換(FFT)プロセスを用いて、制御信号をデジタル化された信号からフィルタリングによって分離する。FFTプロセスは、専用のハードウェアによって、または、ソフトフェアプロセスによって、実施されてよい。それに代わって、任意のその他の適切なフィルタリングプロセスが、フィルター88を実現するために用いられてよい。ある別の実施の形態では、フィルター88は、アナログフィルターを含み、受信された信号のデジタル化はフィルタリングの後に実行される。
【0045】
次に、センサー制御ユニットは、フィルタリングされた信号を復調し、別個の位置信号90および制御信号92を生み出す。位置信号90は、典型的には、無線式制御ユニット40へ送信される。センサー制御ユニットは、制御信号を復調して、制御指令を再生する。制御信号を変調するためにオン−オフキーイングを用いる実施の形態では、制御信号の復調は、典型的には、副搬送波周波数に対応するFFTビン中に信号エネルギーが存在するか存在しないかを検出することを含む。
【0046】
次に、制御指令が、センサーユニットを制御し、較正し、または、他の方法で動作させるために用いられる。開示された構成を用いることで、センサーユニットの位置検出回路は、制御指令を受信するための追加のアンテナおよび受信機を必要とせずに、位置信号90および制御信号92の両方を抽出するために用いることができる。この構成が、より小型、低コスト、および、より信頼性の高いセンサーユニットの設計を可能にする。
【0047】
図4は、本発明のある実施の形態に基づく、センサーユニット45との通信を行う方法を概略的に示したフロー図である。その方法は、制御発生ステップ100で、信号発生ユニット38が制御指令を受け入れることから始まる。制御信号発生器84は、典型的には、上述したように、適切な可聴周波数の副搬送波を変調することによって、制御信号を生み出す。
【0048】
組み合わせステップ102で、信号発生器ユニット38は、混合器86を用いて、制御信号を、駆動信号発生器82によって生み出された一つまたは複数の駆動信号と組み合わせる。信号発生器ユニットは、駆動信号を位置パッド34へ送る。フィールド発生ステップ104で、位置パッド34は、駆動信号に応答して、磁界を生み出す。検出ステップ106で、センサーユニット45内の位置センサー46は、その近傍の磁界を検出する。位置センサーは、検出した磁界に応答して、時間変化する電圧を生み出す。その時間変化する電圧は、異なる駆動信号に対応する成分と、送信された制御信号に対応する成分と、を含んでいる。抽出ステップ108では、センサー制御ユニット70は、時間変化する電圧を受信し、位置信号および制御信号を抽出する。上述したように、制御ユニットは、誘起された電圧を増幅しデジタル化する。次に、デジタル化された信号は、典型的にはFFTを用いて、フィルタリングされて、位置信号および制御信号が生み出される。位置信号は、通信コイル50および無線式制御ユニット40を介して、処理のためにコンピュータ41に送信される。最後に、制御ユニットは、制御信号を復調して、センサーユニットに送信された制御指令を再生する。
【0049】
開示された方法およびシステムは、磁気的追跡システムで体内のセンサーにデータを送信することを主に取り扱っているが、本発明の原理は、その他の用途にも用いることができる。例えば、制御信号は、超音波追跡システムまたは光学追跡システムのような、その他のタイプの追跡システムで位置を検出する目的で生み出されたフィールドを変調してもよい。その他の用途には、無線周波数識別(radio frequency identification)(RFID)システム、または、磁気的に結合されたタグ付けシステムのような、その他のタグ付けシステム、なども含まれている。
【0050】
したがって、上記の実施の形態が例示のために言及されたこと、および、本発明が本明細書に具体的に示され記載されたものに限定されないこと、が理解されるであろう。そうではなく、本発明の範囲は、本明細書に記載されたさまざまな特徴の組み合わせおよび副次的な組み合わせの両方、および、上記の記載を読むことによって当業者が想到し、従来技術には開示されていない上記特徴の変形および変更、を含む。
【0051】
〔実施の態様〕
この発明の具体的な実施態様は以下の通りである。
(1)位置追跡システムでセンサーに制御指令を送信する方法において、
フィールド発生器を駆動するための駆動信号を生み出す過程と、
前記制御指令を含む制御信号を前記駆動信号に重ね合わせる過程と、
前記センサーによって検出されるフィールドを生み出すように、前記駆動信号で前記フィールド発生器を駆動する過程と、
前記センサーの位置座標を求めるため、および、前記制御指令を抽出するように前記制御信号を復調するために、前記センサーで前記フィールドを検出する過程と、
抽出された前記制御指令に基づいて前記センサーの機能を制御する過程と、
を含む、方法。
(2)前記実施態様(1)に記載の方法において、
前記駆動信号が、駆動周波数を有し、
前記制御信号を重ね合わせる前記過程が、前記制御信号を前記駆動信号から分離できるようにするために、前記駆動周波数とは異なる制御周波数を有する制御副搬送波を前記制御指令で変調する過程を含む、
方法。
(3)前記実施態様(2)に記載の方法において、
前記フィールドを検出する前記過程が、
前記検出されたフィールドに応答して受信信号を生み出す過程と、
前記受信信号から前記制御信号を抽出する過程と、
を含む、方法。
(4)前記実施態様(3)に記載の方法において、
前記制御信号を抽出する過程が、
前記受信信号をデジタル化してデジタル化された信号を生み出す過程と、
前記デジタル化された信号に高速フーリエ変換(FFT)プロセスを適用する過程と、
前記制御周波数に対応するFFTビンのエネルギーを検出する過程と、
を含む、方法。
(5)前記実施態様(2)に記載の方法において、
前記制御指令で変調する過程が、前記制御指令の二進表現に応答して前記制御副搬送波を断続的に切り換える過程を含む、方法。
(6)前記実施態様(1)に記載の方法において、
前記制御信号を重ね合わせる前記過程が、
第1の制御指令を第1のセンサーにアドレス指定する過程と、
前記第1の制御指令とは異なる第2の制御指令を第2のセンサーにアドレス指定する過程と、
を含む、方法。
(7)前記実施態様(1)に記載の方法において、
フィールドを検出する前記過程が、前記センサー内の単一のコイルを用いて、前記制御信号に基づく第1のフィールド成分と、前記位置座標に関連する第2のフィールド成分と、を検出する過程を含む、方法。
(8)前記実施態様(1)に記載の方法において、
前記センサーの機能を制御する前記過程が、前記センサーのタイミングの制御、前記センサーの較正、および、前記検出されたフィールドのひずみの補償、のうちの少なくとも一つを含む、方法。
(9)前記実施態様(1)に記載の方法において、
前記フィールドが、磁界を含む、方法。
(10)位置追跡システムで追跡された物体からデータを送信する方法において、
前記追跡された物体内のフィールド発生器を駆動するための駆動信号を生み出す過程と、
前記データを含むデータ搬送信号を前記駆動信号に重ね合わせる過程と、
一つまたは複数の外部の受信機によって検出されるフィールドを生み出すように、前記フィールド発生器を前記駆動信号で駆動する過程と、
前記一つまたは複数の外部の受信機で、前記追跡された物体の位置座標を求めるため、および、前記データを抽出するように前記データ搬送信号を復調するために、前記フィールドを検出する過程と、
を含む、方法。
【0052】
(11)位置追跡システムでセンサーに制御指令を送信する装置において、
フィールド発生器であって、前記センサーによって検出されるフィールドを生み出すように接続された、フィールド発生器と、
信号発生器ユニットであって、前記フィールド発生器を駆動するための駆動信号を生み出し、同時に、前記制御指令を含む制御信号を前記駆動信号に重ね合わせるように接続された、信号発生器ユニットと、
センサーユニットであって、
前記フィールドを検出するように接続された位置センサー、および、
検出された前記フィールドに応答して位置信号を生み出すため、前記制御指令を抽出するように前記制御信号を復調するため、および、抽出された前記制御指令に基づいて前記センサーの機能を制御するように接続された、センサー制御ユニット、
を含む、センサーユニットと、
プロセッサであって、前記位置信号に応答して前記センサーの位置座標を算出するように接続された、プロセッサと、
を具備する、装置。
(12)前記実施態様(11)に記載の装置において、
駆動周波数で前記駆動信号を生み出すよう、および、前記駆動信号から前記制御信号を分離できるようにするために、前記駆動周波数とは異なる制御周波数を有する制御副搬送波を前記制御指令で変調するように、前記信号発生器ユニットが接続されている、装置。
(13)前記実施態様(12)に記載の装置において、
前記位置センサーが、前記検出されたフィールドに応答して受信信号を生み出すように接続され、
前記センサー制御ユニットが、前記受信信号から前記制御信号を抽出するように接続されている、
装置。
(14)前記実施態様(13)に記載の装置において、
前記受信信号をデジタル化してデジタル化された信号を生み出すよう、高速フーリエ変換(FFT)プロセスを前記デジタル化された信号に適用するよう、および、前記制御信号を抽出するために前記制御周波数に対応するFFTビンのエネルギーを検出するように、前記センサー制御ユニットが接続されている、装置。
(15)前記実施態様(12)に記載の装置において、
前記信号発生器ユニットが、前記制御信号を変調するために、前記制御指令の二進表現に応答して前記制御副搬送波を断続的に切り換えるように接続されている、装置。
(16)前記実施態様(11)に記載の装置において、
前記プロセッサが、第1の制御指令を第1のセンサーにアドレス指定し、前記第1の制御指令とは異なる第2の制御指令を第2のセンサーにアドレス指定するように接続されている、装置。
(17)前記実施態様(11)に記載の装置において、
前記位置センサーが、
コイルであって、前記制御信号に基づく第1のフィールド成分、および、前記位置座標に関連する第2のフィールド成分、の両方を受信するように接続された、コイル、
を含む、装置。
(18)前記実施態様(11)に記載の装置において、
前記センサー制御ユニットが、前記制御指令に応答して、前記センサーユニットのタイミングの制御、前記センサーユニットの較正、および、前記検出されたフィールドのひずみの補償、のうちの少なくとも一つを実行するように接続されている、装置。
(19)前記実施態様(11)に記載の装置において、
前記フィールドが、磁界を含む、装置。
(20)位置追跡システムで追跡された物体からデータを送信する装置において、
前記追跡された物体に接続されたフィールド発生器であって、外部のシステムによって検出されるフィールドを生み出すように構成された、フィールド発生器と、
前記フィールド発生器に関連する信号発生器ユニットであって、前記フィールド発生器を駆動するための駆動信号を生み出し、同時に、前記データを含むデータ搬送信号を前記駆動信号に重ね合わせるように接続された、信号発生器ユニットと、
前記外部のシステム内の一つまたは複数の受信機であって、前記追跡された物体の位置座標を求めるために前記フィールドを検出するよう、および、前記データを抽出するために前記データ搬送信号を復調するように接続された、受信機と、
を具備する、装置。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明のある実施の形態に基づく、手術に用いられる磁気的追跡システムの概略図である。
【図2】本発明のある実施の形態に基づく、センサーユニットの細部を示す概略図である。
【図3】本発明のある実施の形態に基づく、磁気的追跡システムを概略的に示すブロック図である。
【図4】本発明のある実施の形態に基づく、センサーユニットとの通信を行う方法を概略的に示すフロー図である。
【符号の説明】
【0054】
20 磁気的追跡システム
22 外科医
23 患者
24 器具
26 移植片
30 脚
34 位置パッド
38 信号発生器ユニット
40 無線式制御ユニット
41 コンピュータ
42 ディスプレイ
45 センサーユニット
46 位置センサー
48 電力コイル
50 通信コイル
70 センサー制御ユニット
82 駆動信号発生器
84 制御信号発生器
86 混合器
88 デジタルフィルター
90 位置信号
92 制御信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置追跡システムでセンサーに制御指令を送信する方法において、
フィールド発生器を駆動するための駆動信号を生み出す過程と、
前記制御指令を含む制御信号を前記駆動信号に重ね合わせる過程と、
前記センサーによって検出されるフィールドを生み出すように、前記駆動信号で前記フィールド発生器を駆動する過程と、
前記センサーの位置座標を求めるため、および、前記制御指令を抽出するように前記制御信号を復調するために、前記センサーで前記フィールドを検出する過程と、
抽出された前記制御指令に基づいて前記センサーの機能を制御する過程と、
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
前記駆動信号が、駆動周波数を有し、
前記制御信号を重ね合わせる前記過程が、前記制御信号を前記駆動信号から分離できるようにするために、前記駆動周波数とは異なる制御周波数を有する制御副搬送波を前記制御指令で変調する過程を含む、
方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法において、
前記フィールドを検出する前記過程が、
前記検出されたフィールドに応答して受信信号を生み出す過程と、
前記受信信号から前記制御信号を抽出する過程と、
を含む、方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法において、
前記制御信号を抽出する過程が、
前記受信信号をデジタル化してデジタル化された信号を生み出す過程と、
前記デジタル化された信号に高速フーリエ変換(FFT)プロセスを適用する過程と、
前記制御周波数に対応するFFTビンのエネルギーを検出する過程と、
を含む、方法。
【請求項5】
請求項2に記載の方法において、
前記制御指令で変調する過程が、前記制御指令の二進表現に応答して前記制御副搬送波を断続的に切り換える過程を含む、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法において、
前記制御信号を重ね合わせる前記過程が、
第1の制御指令を第1のセンサーにアドレス指定する過程と、
前記第1の制御指令とは異なる第2の制御指令を第2のセンサーにアドレス指定する過程と、
を含む、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法において、
フィールドを検出する前記過程が、前記センサー内の単一のコイルを用いて、前記制御信号に基づく第1のフィールド成分と、前記位置座標に関連する第2のフィールド成分と、を検出する過程を含む、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法において、
前記センサーの機能を制御する前記過程が、前記センサーのタイミングの制御、前記センサーの較正、および、前記検出されたフィールドのひずみの補償、のうちの少なくとも一つを含む、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法において、
前記フィールドが、磁界を含む、方法。
【請求項10】
位置追跡システムで追跡された物体からデータを送信する方法において、
前記追跡された物体内のフィールド発生器を駆動するための駆動信号を生み出す過程と、
前記データを含むデータ搬送信号を前記駆動信号に重ね合わせる過程と、
一つまたは複数の外部の受信機によって検出されるフィールドを生み出すように、前記フィールド発生器を前記駆動信号で駆動する過程と、
前記一つまたは複数の外部の受信機で、前記追跡された物体の位置座標を求めるため、および、前記データを抽出するように前記データ搬送信号を復調するために、前記フィールドを検出する過程と、
を含む、方法。
【請求項11】
位置追跡システムでセンサーに制御指令を送信する装置において、
フィールド発生器であって、前記センサーによって検出されるフィールドを生み出すように接続された、フィールド発生器と、
信号発生器ユニットであって、前記フィールド発生器を駆動するための駆動信号を生み出し、同時に、前記制御指令を含む制御信号を前記駆動信号に重ね合わせるように接続された、信号発生器ユニットと、
センサーユニットであって、
前記フィールドを検出するように接続された位置センサー、および、
検出された前記フィールドに応答して位置信号を生み出すため、前記制御指令を抽出するように前記制御信号を復調するため、および、抽出された前記制御指令に基づいて前記センサーの機能を制御するように接続された、センサー制御ユニット、
を含む、センサーユニットと、
プロセッサであって、前記位置信号に応答して前記センサーの位置座標を算出するように接続された、プロセッサと、
を具備する、装置。
【請求項12】
請求項11に記載の装置において、
駆動周波数で前記駆動信号を生み出すよう、および、前記駆動信号から前記制御信号を分離できるようにするために、前記駆動周波数とは異なる制御周波数を有する制御副搬送波を前記制御指令で変調するように、前記信号発生器ユニットが接続されている、装置。
【請求項13】
請求項12に記載の装置において、
前記位置センサーが、前記検出されたフィールドに応答して受信信号を生み出すように接続され、
前記センサー制御ユニットが、前記受信信号から前記制御信号を抽出するように接続されている、
装置。
【請求項14】
請求項13に記載の装置において、
前記受信信号をデジタル化してデジタル化された信号を生み出すよう、高速フーリエ変換(FFT)プロセスを前記デジタル化された信号に適用するよう、および、前記制御信号を抽出するために前記制御周波数に対応するFFTビンのエネルギーを検出するように、前記センサー制御ユニットが接続されている、装置。
【請求項15】
請求項12に記載の装置において、
前記信号発生器ユニットが、前記制御信号を変調するために、前記制御指令の二進表現に応答して前記制御副搬送波を断続的に切り換えるように接続されている、装置。
【請求項16】
請求項11に記載の装置において、
前記プロセッサが、第1の制御指令を第1のセンサーにアドレス指定し、前記第1の制御指令とは異なる第2の制御指令を第2のセンサーにアドレス指定するように接続されている、装置。
【請求項17】
請求項11に記載の装置において、
前記位置センサーが、
コイルであって、前記制御信号に基づく第1のフィールド成分、および、前記位置座標に関連する第2のフィールド成分、の両方を受信するように接続された、コイル、
を含む、装置。
【請求項18】
請求項11に記載の装置において、
前記センサー制御ユニットが、前記制御指令に応答して、前記センサーユニットのタイミングの制御、前記センサーユニットの較正、および、前記検出されたフィールドのひずみの補償、のうちの少なくとも一つを実行するように接続されている、装置。
【請求項19】
請求項11に記載の装置において、
前記フィールドが、磁界を含む、装置。
【請求項20】
位置追跡システムで追跡された物体からデータを送信する装置において、
前記追跡された物体に接続されたフィールド発生器であって、外部のシステムによって検出されるフィールドを生み出すように構成された、フィールド発生器と、
前記フィールド発生器に関連する信号発生器ユニットであって、前記フィールド発生器を駆動するための駆動信号を生み出し、同時に、前記データを含むデータ搬送信号を前記駆動信号に重ね合わせるように接続された、信号発生器ユニットと、
前記外部のシステム内の一つまたは複数の受信機であって、前記追跡された物体の位置座標を求めるために前記フィールドを検出するよう、および、前記データを抽出するために前記データ搬送信号を復調するように接続された、受信機と、
を具備する、装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−108163(P2007−108163A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−193188(P2006−193188)
【出願日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【出願人】(500520846)バイオセンス・ウェブスター・インコーポレイテッド (75)
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster, Inc.
【住所又は居所原語表記】3333 Diamond Canyon Road, Diamond Bar, California 91765, U.S.A.
【Fターム(参考)】