説明

位置情報検出センサ、位置情報検出センサの製造方法、エンコーダ、モータ装置及びロボット装置

【課題】小型化が可能な位置情報検出センサ、位置情報検出センサの製造方法、エンコーダ、モータ装置及びロボット装置を提供する。
【解決手段】光学パターンを介した光を検出する光検出部20と、磁気パターンによる磁場を検出する磁性薄膜をそれぞれ有す第1検出部31と第2検出部32からなる磁場検出部30とを備え、光検出部20と磁場検出部30とは、同一のチップ基板10に第1検出部31と第2検出部32が光検出部20を挟む位置に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置情報検出センサ、位置情報検出センサの製造方法、エンコーダ、モータ装置及びロボット装置に関する。
【背景技術】
【0002】
モータの回転軸など回転体の回転数や位置情報を検出する装置として、エンコーダが知られている(例えば、特許文献1)。エンコーダは、例えばモータの回転軸に取り付けられて用いられる。エンコーダの具体的構成として、例えば所定の光反射パターン及び磁気パターンが形成された回転部を回転軸と一体的に回転させ、例えば光反射パターンに光を照射して反射光を読み取ると共に、例えば磁気パターンの変化を検出することで、モータの回転軸の回転情報を検出できるようになっている。
【0003】
上記のような構成のエンコーダにおいては、上記回転部と、例えば反射光や磁気パターンの変化を検出する検出部などを有する本体部とを備えている。光反射パターンを介した光を読み取るセンサとして、例えば発光部及び受光部を有する受発光センサが用いられている。また、磁気パターンの変化を検出するセンサとして、磁気センサが用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−20548号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、受発光センサ及び磁気センサは、それぞれ独立した部品として形成されており、本体部の異なる位置に実装されていた。このため、本体部には受発光センサ及び磁気センサをそれぞれ実装するためのスペースを確保する必要があり、本体部を小型化する上での課題となっていた。
【0006】
以上のような事情に鑑み、本発明は、小型化が可能な位置情報検出センサ、位置情報検出センサの製造方法、エンコーダ、モータ装置及びロボット装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第一の態様に従えば、光学パターンを介した光を検出する光検出部と、磁気パターンによる磁場を検出する磁場検出部と、を備え、光検出部と磁場検出部とは、同一のチップ基板に実装されている位置情報検出センサが提供される。
【0008】
本発明の第二の態様に従えば、光学パターンを介した光を検出する光検出部をチップ基板に実装する光検出部形成工程と、磁気パターンによる磁場を検出する磁場検出部をチップ基板に実装する磁場検出部形成工程とを含む位置情報検出センサの製造方法が提供される。
【0009】
本発明の第三の態様に従えば、測定対象の回転子に固定され、光学パターン及び磁気パターンが形成された回転部と、光学パターンを介した光及び磁気パターンによる磁場を検出する検出部とを備え、検出部として、本発明の第一の態様に従う位置情報検出センサが用いられているエンコーダが提供される。
【0010】
本発明の第四の態様に従えば、回転子と、回転子を回転させる駆動部と、回転子に固定され、回転子の位置情報を検出するエンコーダとを備え、エンコーダとして、本発明の第三の態様に従うエンコーダが用いられているモータ装置が提供される。
【0011】
本発明の第五の態様に従えば、回転部材と、回転部材を回転させるモータ装置とを備え、モータ装置として、本発明の第四の態様に従うモータ装置が用いられているロボット装置が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明の態様によれば、小型化が可能な位置情報検出センサ、位置情報検出センサの製造方法、エンコーダ、モータ装置及びロボット装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第一実施形態に係る位置情報検出センサの構成を示す平面図。
【図2】本実施形態に係る位置情報検出センサの構成を示す底面図。
【図3】本実施形態に係る位置情報検出センサの構成を示す断面図。
【図4】本実施形態に係る位置情報検出センサの処理系を示すブロック図。
【図5】本実施形態に係る位置情報検出センサの製造過程を示す図。
【図6】本実施形態に係る位置情報検出センサの製造過程を示す図。
【図7】本実施形態に係る位置情報検出センサの製造過程を示す図。
【図8】本実施形態に係る位置情報検出センサの製造過程を示す図。
【図9】本発明の第二実施形態に係る位置情報検出センサの構成を示す平面図。
【図10】本実施形態に係る位置情報検出センサの構成を示す断面図。
【図11】本実施形態に係る位置情報検出センサの製造過程を示す図。
【図12】本実施形態に係る位置情報検出センサの製造過程を示す図。
【図13】本実施形態に係る位置情報検出センサの製造過程を示す図。
【図14】本実施形態に係る位置情報検出センサの製造過程を示す図。
【図15】本発明の第三実施形態に係るモータ装置及びエンコーダの構成を示す図。
【図16】本実施形態に係るエンコーダの一部の構成を示す図。
【図17】本発明の第四実施形態に係るロボット装置の構成を示す図。
【図18】本発明に係る位置情報検出センサの他の構成例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[第一実施形態]
以下、図面を参照して、本発明の第一実施形態を説明する。
図1は、本実施形態に係る位置情報検出センサ100の構成を示す平面図である。
図1に示すように、位置情報検出センサ100は、平面視で矩形に形成されたチップ基板10に光検出部20及び磁場検出部30が実装された構成である。光検出部20は、所定の光学パターンを介した光を検出する。光学パターンとしては、例えば、原点パターン、インクリメンタルパターンや、アブソリュートパターンなどが挙げられる。磁場検出部30は、所定の磁気パターンによる磁場を検出する。
【0015】
以下、各図の説明においてはXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。チップ基板10の一辺に平行な方向をX方向とし、当該一辺に直交する方向をY方向とし、チップ基板10の厚さ方向をZ方向とする。
【0016】
チップ基板10は、基材11、処理回路12、電極13及び発光部14を有している。基材11は、例えばシリコンなどの半導体材料を用いて形成されており、Z方向視で矩形の板状に形成されている。処理回路12は、基材11の内部に形成されている。処理回路12は、光検出部20及び磁場検出部30によって検出された情報を処理する。
【0017】
電極13は、チップ基板10と外部との間で信号の入出力を行う。電極13は、チップ基板10のうち+X側の辺及び−X側の辺に沿って複数配置されている。電極13は、処理回路12や発光部14、光検出部20などに接続される第一電極13aと、磁場検出部30に接続される第二電極13bとを有する。第一電極13a及び第二電極13bは、Y方向に一列に配置されている。第一電極13a及び第二電極13bは、図中一点鎖線で示すリード線などを介して外部の電極に電気的に接続されている。第二電極13bは、チップ基板10の+Z側の面と−Z側の面とを貫通して形成されている。
【0018】
発光部14は、上記の光パターンに照射する光を射出する。発光部14は、Z方向視でチップ基板10の中央部に配置されている。発光部14は、発光素子14a、接続部14b及びカソード電極14cを有しており、他に不図示のアノード電極を有している。発光素子14aは、一方向又は複数方向に向けてレーザ光を射出可能に形成されている。接続部14bとカソード電極14cとの間は、例えばリード線などによって接続されている。
【0019】
光検出部20は、光パターンを介した光を受光する。光検出部20は、第一受光部21及び第二受光部22を有する。第一受光部21は、光パターンのうちインクリメンタルパターンを検出する。第一受光部21は、発光部14及び光検出部20の+Y側に配置されている。第二受光部22は、光パターンのうちアブソリュートパターンを検出する。第二受光部22は、発光部14及び光検出部20の−Y側に配置されている。したがって、第一受光部21及び第二受光部22は、発光部14及び光検出部20をY方向に挟んで配置されている。
【0020】
第一受光部21及び第二受光部22は、それぞれ複数の受光素子23を有している。受光素子23としては、例えばフォトダイオードなどが用いられている。受光素子23は、基材11のうち−Y側の辺及び+Y側の辺に沿って配置されている。受光素子23は、光パターンの形状に対応する形状に形成されている。受光素子23の数については、光パターンの構成に応じて適宜変更することができる。
【0021】
磁場検出部30は、磁気パターンによる磁場を検出する。磁場検出部30は、発光部14及び光検出部20から外れた位置に配置されている。磁場検出部30は、チップ基板10の−Z側(後述の基材11の第二面11b)に配置されている。
【0022】
図2は、チップ基板10を−Z側から見たときの構成を示す図である。
図2に示すように、磁場検出部30は、第一検出部31及び第二検出部32を有する。第一検出部31は、チップ基板10の中央部よりも−X側に配置されている。第二検出部32は、チップ基板10の中央部よりも+X側に配置されている。第一検出部31及び第二検出部32は、チップ基板10の中央部を挟む位置に配置されている。なお、第一検出部31及び第二検出部32は、チップ基板10の中央部に配置されてもよいし、チップ基板10の端部に配置されてもよい。
【0023】
第一検出部31及び第二検出部32は、磁性薄膜33を有している。磁性薄膜33は、例えば金属配線などによって形成された直交する2つの繰り返しパターンを有している。磁性薄膜33は、接続配線34によって第三電極13cに接続されている。第三電極13cは、第二電極13bに接続されている。第三電極13cは、Z方向視で第二電極13bに重なる位置に配置されている。
【0024】
図3は、図1におけるA1−A5(A1−A2−A3−A4−A5)断面に沿った構成を左右方向に展開したときの構成を示す図である。
図3に示すように、チップ基板10のうち基材11の+Z側の第一面11aには、絶縁層15、受光素子23、保護層16及び電極13が順に積層されている。
【0025】
絶縁層15は、例えばSiOなどを用いて形成されている。受光素子23は、絶縁層15上に形成されており、保護層16によって覆われている。保護層16は、例えばSiNやSiOなどを用いて形成されている。保護層16上には、第一電極13a及び第二電極13bが形成されている。第一電極13aは、不図示の配線を介して受光素子23に接続されている。
【0026】
チップ基板10のうち基材11の第二面11bには、シールド層17、絶縁層18、磁性薄膜33、保護層19及び第三電極13cが順に積層されている。シールド層17は、例えばアルミニウムなどの金属を用いて形成されている。シールド層17は、上記の所定の磁気パターンによる磁場以外の磁場のうち少なくとも一部を遮蔽し、磁性薄膜33から出力される電気信号のノイズを低下させる機能を有する。
【0027】
絶縁層18は、例えばSiOなどを用いて形成されている。保護層19は、例えばSiNやSiOなどを用いて形成されている。光検出部20の受光素子23は、絶縁層15上に配置されており、保護層16によって覆われている。磁場検出部30の磁性薄膜33及び接続配線34は、絶縁層18上に形成されており、保護層19によって覆われている。
【0028】
保護層19上には、第三電極13cが形成されている。第三電極13cは、接続配線34を介して磁性薄膜33に接続されている。チップ基板10にはスルーホールHが形成されている。第三電極13cは、スルーホールHを埋めるように形成された貫通部13dを介して第二電極13bに接続されている。接続配線34は、貫通部13dに接続されている。
【0029】
図4は、チップ基板10の回路構成の一例である制御回路CCを示すブロック図である。
図4に示すように、チップ基板10には、第一検出部31及び第二検出部32の磁性薄膜33に接続されたコンパレータ35が設けられている。コンパレータ35は、処理回路12に接続されている。コンパレータ35は、磁場検出部30において検出された検出信号(MAn、MAp、MBn、MBp)を受信する。そして、コンパレータ35は、2値化した多回転信号MA及びMBを生成し、その多回転信号MA及びMBを処理回路12に送信する。
【0030】
また、チップ基板10には、インクリメンタルパターンを検出する第一受光部21の受光素子23に接続されたアンプ24及びコンパレータ26と、アブソリュートパターンを検出する第二受光部22の受光素子23に接続されたアンプ25及びコンパレータ27とが形成されている。コンパレータ26は、第一受光部21において検出され、アンプ24によって増幅された検出信号を受信する。そして、コンパレータ26は、2値化したインクリメンタル信号INCを生成し、そのインクリメンタル信号INCを処理回路12に送信する。コンパレータ27は、第二受光部22において検出され、アンプ25によって増幅された検出信号を受信する。そして、コンパレータ27は、2値化したアブソリュート信号ABSを生成し、そのアブソリュート信号ABSを処理回路12に送信する。
【0031】
処理回路12は、コンパレータ35から受信した多回転信号MA及びMBに基づき多回転情報MTを生成し、コンパレータ26から受信した内挿用のインクリメンタル信号INCとコンパレータ27から受信したアブソリュート信号ABSとに基づき一回転情報STを生成する。例えば、処理回路12は、外部コントローラCONTからの要求などによって、多回転情報MTと一回転情報STとを含む位置情報を外部コントローラCONTへシリアル方式で出力する。処理回路12は、第一電極13aに接続されている。例えば上記位置情報は、第一電極13aを介して外部コントローラCONTに出力される。なお、本実施形態における制御回路CCは、アンプ24及び25、コンパレータ26及び27、コンパレータ35、処理回路12、を有する構成であるが、例えば処理回路12を有していない構成でもよい。また、本実施形態における一回転情報STは、絶対位置情報であるが、相対位置情報でも構わない。
【0032】
次に、図5〜図8を参照して、上記のように構成された位置情報検出センサ100の製造方法を説明する。
図5〜図8は、位置情報検出センサ100の製造過程を示す図である。
まず、図5に示すように、処理回路12、アンプ24及び25、コンパレータ26、27及び35が形成された基材11の第一面11a上に絶縁層15を形成する。なお、基材11に上記の処理回路12、アンプ24及び25、コンパレータ26、27及び35を形成する工程を行っても構わない(制御回路形成工程)。絶縁層15を形成した後、当該絶縁層15上に例えばスパッタリング法やフォトリソグラフィ法、エッチング法を用いて受光素子23及び不図示の配線をパターニングする(光検出部形成工程)。
【0033】
受光素子23及び不図示の配線を形成した後、当該受光素子23を含む絶縁層15上に保護層16を形成する(保護層形成工程)。保護層16を形成した後、当該保護層16上に第一電極13a及び第二電極13bをパターニングする。この段階において、第一電極13a及び第二電極13bは、保護層16上に積層させた状態である。
【0034】
次に、図6に示すように、基材11の第二面11b上にシールド層17を形成する(シールド層形成工程)。シールド層17を形成した後、当該シールド層17上に絶縁層18を形成する。絶縁層18を形成した後、絶縁層18上に例えばスパッタリング法やフォトリソグラフィ法、エッチング法を用いて磁性薄膜33及び接続配線34を形成する(磁場検出部形成工程)。この場合、第一検出部31の磁性薄膜33と第二検出部32の磁性薄膜33とを同一工程で形成する。磁性薄膜33を形成した後、当該磁性薄膜33を含む絶縁層18上に保護層19を形成する(保護層形成工程)。
【0035】
次に、図7に示すように、保護層19の表面から第二電極13bの底部までの部分に、例えばエッチング法などを用いてスルーホールHを形成する。当該スルーホールHは、保護層19、絶縁層18、シールド層17、基材11、絶縁層15及び保護層16を貫通して形成される。スルーホールHは、接続配線34の一部が露出するように形成される。
【0036】
次に、図8に示すように、スルーホールHの内部に貫通部13dを形成する。当該貫通部13dは、スルーホールHに露出している接続配線34に接続される(接続工程)。貫通部13dを形成した後、当該貫通部13dに重なるように、例えば第三電極13cをパターニングする(電極形成工程)。その後、保護層16上に発光部14を配置させる(光射出部形成工程)ことにより、位置情報検出センサ100が形成される。
【0037】
以上のように、本実施形態によれば、光学パターンを介した光を検出する光検出部20と、磁気パターンによる磁場を検出する磁場検出部30と、を備え、光検出部20と磁場検出部30とが同一のチップ基板10に実装されているので、両者をそれぞれ独立した部品として形成する場合に比べて、小型化が可能となる。また、本実施形態によれば、製造工程において、磁場検出部30と光検出部20とを同一のチップ基板10に実装できるので、製造コストを低減できる。
【0038】
また、本実施形態によれば、アンプ(例、アンプ24及び25)やコンパレータ(例、コンパレータ26、27及び35)のような複数の機能をチップ基板10に内蔵できるため、耐ノイズ性能が向上する。例えば、本実施形態における位置情報検出センサ100は、アンプ(例、アンプ24及び25)やコンパレータ(例、コンパレータ26、27及び35)のような複数の機能をチップ基板10に内蔵することによって互いをつなぐラインの長さを短くできるため、磁場検出部30とコンパレータ35とをつなぐライン、アンプ(例、アンプ24及び25)とコンパレータ(例、コンパレータ26及び27)とをつなぐライン、や光検出部30とアンプ(例、アンプ24及び25)とをつなぐライン等を、小型化やバックアップ時を考慮して、微小ラインで形成することができる。
【0039】
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態を説明する。
本実施形態では、磁場検出部30の配置が第一実施形態とは異なっているため、当該相違点を中心に説明する。また、第一実施形態と同一の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0040】
図9は、本実施形態に係る位置情報検出センサ200の構成を示す図である。
図9に示すように、本実施形態では、チップ基板10のうち同一面(例、+Z側の面)に光検出部20と磁場検出部30とが設けられている。なお、Z方向視における位置は、第一実施形態と同様に、第一検出部31と第二検出部32とで光検出部20及び発光部14を挟む位置に設けられている。
【0041】
なお、第一検出部31と第二検出部32とは、図9のように、所定のY方向に沿って、第二受光部22、第一検出部31及び第二検出部32、第一受光部21、の順に配置されている。また、第一検出部31と第二検出部32とは、後述の図18のように、所定のY方向に沿って、第一検出部31及び第二検出部32、第二受光部22、第一受光部21、の順に配置されてもよい。
【0042】
また、本実施形態における第一検出部31と第二検出部32とは、第一受光部21、第二受光部22及び発光部14のうち少なくとも2つがチップ基板に並んで配置される一方向と直交する方向に沿って配置されてもよいし、第一受光部21、第二受光部22及び発光部14のうち少なくとも2つがチップ基板に並んで配置される一方向に沿って配置されてもよい(後述の図18など)。
【0043】
図10は、図9におけるB1−B5(B1−B2−B3−B4−B5)断面に沿った構成を左右方向に展開したときの構成を示す図である。
図10に示すように、チップ基板10のうち基材11の+Z側の第一面11aには、シールド層17、絶縁層15、受光素子23、磁性薄膜33、保護層16及び電極13が順に積層されている。本実施形態では、シールド層17が第一面11a上に設けられており、絶縁層15はシールド層17上に設けられている。
【0044】
受光素子23及び磁性薄膜33は、絶縁層15上に形成されており、保護層16によって覆われている。保護層16上には、第一電極13a及び第二電極13bが形成されている。第一電極13aは、不図示の配線を介して受光素子23に接続されている。磁性薄膜33は、接続配線34(図9参照)を介して第二電極13bに接続されている。
【0045】
次に、図11〜図14を参照して、上記のように構成された位置情報検出センサ200の製造方法を説明する。
図11〜図14は、位置情報検出センサ200の製造過程を示す図である。
まず、図11に示すように、基材11の第一面11a上にシールド層17を形成し、当該シールド層17上に絶縁層15を形成する。
【0046】
絶縁層15を形成した後、図12に示すように、当該絶縁層15上に例えばスパッタリング法やフォトリソグラフィ法、エッチング法を用いて受光素子23及び不図示の配線をパターニングする(光検出部形成工程)。受光素子23及び不図示の配線を形成した後、絶縁層15上に例えばスパッタリング法やフォトリソグラフィ法、エッチング法を用いて磁性薄膜33及び接続配線34を形成する(磁場検出部形成工程)。
【0047】
絶縁層15上に受光素子23及び磁性薄膜33を形成した後、図13に示すように、これら受光素子23及び磁性薄膜33を含む絶縁層15上に保護層16を形成する(保護層形成工程)。したがって、本実施形態では、受光素子23及び磁性薄膜33を被う保護層16を一工程で形成することができる。
【0048】
保護層16を形成した後、図14に示すように、当該保護層16上に第一電極13a及び第二電極13bをパターニングする。この場合、受光素子23の不図示の配線に接続されるように第一電極13aを形成すると共に、磁性薄膜33の接続配線34に接続されるように第二電極13bを形成する。第一電極13a及び第二電極13bは同一層に形成されるため、第一電極13a及び第二電極13bを同一工程で形成することができる。その後、保護層16上に発光部14を配置させることにより、位置情報検出センサ200が形成される。
【0049】
以上のように、本実施形態によれば、光検出部20と磁場検出部30とがチップ基板10の同一面に設けられているため、光検出部20と磁場検出部30とをチップ基板10の異なる面に形成する場合に比べて製造工程をさらに短縮することができる。
【0050】
[第三実施形態]
次に、本発明の第三実施形態を説明する。
図15は、本実施形態に係るエンコーダ及びモータ装置の構成を示す図である。
図15に示すように、モータ装置MTRは、回転軸SFと、当該回転軸SFを回転させる駆動部BDと、回転軸SFの回転情報を検出するエンコーダECとを有している。図15では、回転軸SFの中心軸方向がZ方向と設定されている。
【0051】
エンコーダECは、回転部R、検出部Dを有している。回転部Rは、モータ装置MTRの回転軸SFに固定されており、回転軸SFと一体的に回転する。回転部Rは、例えばSUSなどを用いて円盤状に形成されている。回転部Rの構成材料としてSUSなどの剛性の高い材料を用いることで、耐変形性などに優れた回転部Rが形成される。回転部Rの構成材料として、他の材料を用いても勿論構わない。回転部Rは、取付部320、パターン形成部321及び凹部323を有している。
【0052】
取付部320は、回転部Rの下面Rbに設けられている。取付部320の下面側には、平面視中央部に挿入穴320aが形成されている。挿入穴320aは、上記モータ装置MTRの回転軸SFが挿入されるようになっている。取付部320は、回転軸SFが挿入穴320aに挿入された状態で回転軸SFと取付部320との間を固定する固定機構(不図示)を有している。
【0053】
パターン形成部321は、回転部Rの上面Raの周縁部に円環状に設けられている。パターン形成部321には、光反射パターン324が形成されている。光反射パターン324は、例えば回転部Rの外周に沿って円環状に形成されている。
【0054】
例えば、光反射パターン324は、インクリメンタルパターン324a及びアブソリュートパターン324bを有している。インクリメンタルパターン324aは、光反射パターン324のうち回転部Rの径方向の外側に形成されている。アブソリュートパターン324bは、光反射パターン324のうち回転部Rの径方向の内側に形成されている。
【0055】
凹部323は、取付部320と反対側の上面Ra側に形成されている。凹部323には、磁石部材Mが収容されるようになっている。
【0056】
磁石部材Mは、回転部Rの回転方向に沿って円環状に形成された永久磁石である。磁石部材Mは、例えば回転部Rの周縁部に配置されている。磁石部材Mには、所定の磁気パターン334が形成されている。磁石部材Mの磁気パターン334として、例えば回転軸SFの軸方向に見て円環の半分の領域がN極に着磁され、円環の他の半分の領域がS極に着磁された磁気パターンなどが挙げられる。磁石部材Mは、回転部Rの凹部323に収容されている。磁石部材Mは、回転部Rとの間で例えば不図示の接着剤などを介して固着されている。したがって、磁石部材Mは、回転部Rとの間で一体的に形成されている。
【0057】
検出部Dは、筐体341、センサSR及びバイアス磁石342を有している。センサSRは、上記の光反射パターン324を介した光及び磁石部材Mの磁気パターン334による磁場を検出する。センサSRとしては、例えば上記第一実施形態に記載の位置情報検出センサ100や、上記第二実施形態に記載の位置情報検出センサ200などが用いられる。
【0058】
バイアス磁石342は、磁石部材Mの磁場との間で合成磁場を形成する磁石である。バイアス磁石342を構成する材料として、例えばサマリウム・コバルトなどの磁力の大きい希土類磁石などが挙げられる。
【0059】
センサSRの磁場検出部30のうち第一検出部31及び第二検出部32に設けられる磁性薄膜33は、バイアス磁石342との間で磁気抵抗素子として機能する。すなわち、磁場の方向が磁性薄膜33の繰り返しパターンに流れる電流の方向の垂直方向に近くなると電気抵抗が低下する。磁性薄膜33は、この電気抵抗の低下を利用して磁場の方向を電気信号に変換するようになっている。
【0060】
次に、第一検出部31及び第二検出部32と回転軸SFとの位置関係について説明する。図16は、検出部Dの構成を示す図である。図16では、センサSRの配置が第一実施形態における位置情報検出センサ100の配置に一致するようにXYZ方向が設定されている。第一検出部31及び第二検出部32と回転軸SFとの位置関係を説明するため、図16には回転軸SFの位置を示している。
【0061】
図16に示すように、回転軸SFの中心軸方向視(Z方向視)において、回転軸SFの中心軸CからセンサSR側へY方向に平行に伸びる基準線分SG0を0°とし、この基準線分SG0と、Z方向視において中心軸Cから第一検出部31へ向けて伸びる第一線分SG1とで形成される角度をθ1とし、上記基準線分SG0と、Z方向視において中心軸Cから第二検出部32へ向けて伸びる第二線分SG2とで形成される角度をθ2とすると、第一検出部31及び第二検出部32は、0°<θ1<90°、かつ、0°<θ2<90°を満たすように配置されている。本実施形態では、一例として、θ1+θ2=90°となるように第一検出部31及び第二検出部32が配置されている。なお、基準線分SG0の端部は、回転軸SFの中心軸Cに限られず、他の位置(例、光反射パターン324の中心軸)であっても構わない。
【0062】
また、中心軸Cから第一検出部31までの距離である第一線分SG1の長さをL1とし、中心軸Cから第二検出部32までの距離である第二線分SG2の長さをL2とし、第一線分SG1と第二線分SG2とで形成される角度をθ3とし、第一検出部31と第二検出部32との距離をL3とすると、第一検出部31及び第二検出部32は、
(L3)=(L1)+(L2)−2・L1・L2・cosθ3
(0°<θ3<180°)
を満たすように配置されている。
【0063】
なお、L1=L2である場合、第一検出部31及び第二検出部32は、中心軸Cを中心とする同じ円の円周上に配置されていることになる。この場合において、当該円の半径をRとし、上記角度θ3によって規定される円弧の長さをRaとすると、第一検出部31及び第二検出部32は、
Ra=2πR×(θ3/360°)
(0°<θ3<180°)
を満たすように配置されている。
【0064】
以上のように、本実施形態に係るエンコーダECは、モータ装置MTRの回転軸SFに固定され、光反射パターン324及び磁気パターン334が形成された回転部Rと、光反射パターン324を介した光及び磁気パターン334による磁場を検出する検出部Dとを備え、検出部Dとして、上記実施形態に記載の位置情報検出センサ100又は200が用いられているので、小型で検出信頼性の高いエンコーダEC、及び、回転特性の高いモータ装置MTR、を提供することができる。
【0065】
[第四実施形態]
次に、本発明の第四実施形態を説明する。
図17は、一例として第一実施形態〜第三実施形態に記載のモータ装置MTRを備えるロボット装置RBTの一部(ハンドロボットの指部分の先端)の構成を示す図である。なお、上記実施形態に記載のモータ装置MTRは、ロボット装置RBTのアーム部を駆動する駆動部として用いてもよい。
【0066】
図17に示すように、ロボット装置RBTは、末節部101、中節部102及び関節部103を有しており、末節部101と中節部102とが関節部103を介して接続された構成になっている。関節部103には軸支持部103a及び軸部103bが設けられている。軸支持部103aは中節部102に固定されている。軸部103bは、軸支持部103aによって固定された状態で支持されている。
【0067】
末節部101は、接続部101a及び歯車101bを有している。接続部101aには、関節部103の軸部103bが貫通した状態になっており、当該軸部103bを回転軸として末節部101が回転可能になっている。この歯車101bは、接続部101aに固定されたベベルギアである。接続部101aは、歯車101bと一体的に回転するようになっている。
【0068】
中節部102は、筐体102a及びモータ装置MTRを有している。モータ装置MTRは、上記実施形態に記載のモータ装置MTRを用いることができる。モータ装置MTRは、筐体102a内に設けられている。モータ装置MTRには、回転軸部材104aが取り付けられている。回転軸部材104aの先端には、歯車104bが設けられている。この歯車104bは、回転軸部材104aに固定されたベベルギアである。歯車104bは、上記の歯車101bとの間で噛み合った状態になっている。なお、回転軸部材104aに直接ギアが形成された構成であっても構わない。
【0069】
上記のように構成されたロボット装置RBTは、モータ装置MTRの駆動によって回転軸部材104aが回転し、当該回転軸部材104aと一体的に歯車104bが回転する。歯車104bの回転は、当該歯車104bと噛み合った歯車101bに伝達され、歯車101bが回転する。当該歯車101bが回転することで接続部101aも回転し、これにより末節部101が軸部103bを中心に回転する。
【0070】
このように、本実施形態によれば、小型で回転特性の高いモータ装置MTRを搭載することにより、軽量で機動性の高いロボット装置RBTが提供される。
【0071】
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
上記実施形態においては、チップ基板10に発光部14及び光検出部20が設けられる光反射型の構成を例に挙げて説明したが、これに限られることは無い。例えば、図18に示すように、チップ基板10に発光部14が設けられていない構成としても構わない。このような構成の位置情報検出センサ300は、例えば光学パターンとして光透過型のパターンを有するエンコーダに取り付けて用いることができる。
【0072】
また、上記実施形態においては、光検出部20において一回転情報を検出し、磁場検出部30において多回転情報を検出する構成としたが、これに限られることは無く、光検出部20において多回転情報を検出し、磁場検出部30において一回転情報を検出する構成であっても構わない。また、上記実施形態における第一検出部31及び第二検出部32は、MRセンサで構成されているが、GIGセンサ、GMRセンサやホール素子のようなセンサで構成されてもよい。
【符号の説明】
【0073】
MTR…モータ装置 SF…回転軸 BD…駆動部 EC…エンコーダ R…回転部 D…検出部 RBT…ロボット装置 SG0…基準線分 SG1…第一線分 SG2…第二線分 10…チップ基板 11…基材 11a…第一面 11b…第二面 12…処理回路 13…電極 13a…第一電極 13b…第二電極 13c…第三電極 13d…貫通部 14…発光部 15、18…絶縁層 16、19…保護層 17…シールド層 20…光検出部 21…第一受光部 22…第二受光部 23…受光素子 30…磁場検出部 31…第一検出部 32…第二検出部 33…磁性薄膜 100、200、300…位置情報検出センサ 324…光反射パターン 334…磁気パターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学パターンを介した光を検出する光検出部と、
磁気パターンによる磁場を検出する磁場検出部と、を備え、
前記光検出部と前記磁場検出部とは、同一のチップ基板に実装されている
位置情報検出センサ。
【請求項2】
前記磁場検出部は、前記チップ基板に形成された磁性薄膜を有する
請求項1に記載の位置情報検出センサ。
【請求項3】
前記磁気パターンによる磁場とは異なる磁場を低減させるシールド層
を備える請求項1又は請求項2に記載の位置情報検出センサ。
【請求項4】
前記光検出部及び前記磁場検出部を保護する保護層
を備える請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の位置情報検出センサ。
【請求項5】
前記磁場検出部は、少なくとも第一検出部と第二検出部とを有する
請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載の位置情報検出センサ。
【請求項6】
前記第一検出部と前記第二検出部とは、互いに前記光検出部を挟む位置に配置されている
請求項5に記載の位置情報検出センサ。
【請求項7】
前記光学パターン及び前記磁気パターンは、測定対象の回転子と一体的に回転するように設けられており、
前記回転子の中心軸方向視において、前記中心軸から前記光検出部側へ伸びる基準線分を0°とし、
前記基準線分と、前記回転子の中心軸方向視において前記中心軸から前記第一検出部へ向けて伸びる第一線分とで形成される角度をθ1とし、
前記基準線分と、前記回転子の中心軸方向視において前記中心軸から前記第二検出部へ向けて伸びる第二線分とで形成される角度をθ2とすると、
前記第一検出部及び前記第二検出部は、
0°<θ1<90°、かつ、0°<θ2<90°
を満たすように配置されている
請求項5又は請求項6に記載の位置情報検出センサ。
【請求項8】
前記第一検出部と前記第二検出とは同心円の円周上に配置され、
前記同心円の中心点から前記第一検出部へ向けて伸びる直線と前記同心円の中心点から前記第二検出部へ向けて伸びる直線とで形成される角度をθ3とし、
前記同心円の中心点から前記第一検出部までの距離をL1とし、
前記同心円の中心点から前記第二検出部までの距離をL2とし、
前記第一検出部と前記第二検出部との距離をL3とすると、
前記第一検出部と前記第二検出部とは、
(L3)=(L1)+(L2)−2・L1・L2・cosθ3
(0°<θ3<180°)
を満たすように配置される
請求項5から請求項7のうちいずれか一項に記載の位置情報検出センサ。
【請求項9】
前記第一検出部と前記第二検出部とは同じ円の円周上に配置され、
前記円の中心点から前記第一検出部へ向けて伸びる直線と前記円の中心点から前記第二検出部へ向けて伸びる直線とで形成される角度をθ3とし、
前記円の半径をRとし、
前記角度θ3によって規定される円弧の長さをRaとすると、
前記第一検出部と前記第二検出部とは、
Ra=2πR×(θ3/360°)
(0°<θ3<180°)
を満たすように配置される
請求項5から請求項7のいずれか一項に記載の位置情報検出センサ。
【請求項10】
前記チップ基板は、前記光検出部による検出結果及び前記磁場検出部による検出結果を処理する制御回路を有する
請求項1から請求項9のうちいずれか一項に記載の位置情報検出センサ。
【請求項11】
前記制御回路は、1回転情報と多回転情報とを含む位置情報を出力する
請求項10に記載の位置情報検出センサ。
【請求項12】
前記チップ基板に設けられ、前記光学パターンへ向けて前記光を射出する光射出部
を備える請求項1から請求項11のうちいずれか一項に記載の位置情報検出センサ。
【請求項13】
前記チップ基板は、複数の面を有し、
前記光検出部及び前記磁場検出部は、同一の面に設けられている
請求項1から請求項12のうちいずれか一項に記載の位置情報検出センサ。
【請求項14】
前記チップ基板は、複数の面を有し、
前記光検出部と前記磁場検出部とは、互いに異なる面に設けられている
請求項1から請求項12のうちいずれか一項に記載の位置情報検出センサ。
【請求項15】
前記チップ基板のうち前記光検出部が設けられる面に形成された電極を備え、
前記磁場検出部は、前記チップ基板を貫通して前記電極に接続されている
請求項14に記載の位置情報検出センサ。
【請求項16】
光学パターンを介した光を検出する光検出部をチップ基板に実装する光検出部形成工程と、
磁気パターンによる磁場を検出する磁場検出部を前記チップ基板に実装する磁場検出部形成工程と
を含む位置情報検出センサの製造方法。
【請求項17】
前記磁場検出部形成工程は、磁性薄膜を前記チップ基板にパターニングすることを含む
請求項16に記載の位置情報検出センサの製造方法。
【請求項18】
前記磁気パターンによる磁場とは異なる磁場を低減させるシールド層を前記チップ基板に形成するシールド層形成工程
を含む請求項16又は請求項17に記載の位置情報検出センサの製造方法。
【請求項19】
前記光検出部及び前記磁場検出部を保護する保護層を形成する保護層形成工程
を含む請求項16から請求項18のうちいずれか一項に記載の位置情報検出センサの製造方法。
【請求項20】
前記磁場検出部形成工程は、前記磁場検出部として、少なくとも第一検出部と第二検出部とを形成することを含む
請求項16から請求項19のうちいずれか一項に記載の位置情報検出センサの製造方法。
【請求項21】
前記磁場検出部形成工程は、前記第一検出部と前記第二検出部とを互いに前記光検出部を挟む位置に形成することを含む
請求項20に記載の位置情報検出センサの製造方法。
【請求項22】
前記光学パターン及び前記磁気パターンは、測定対象の回転子と一体的に回転するように設けられており、
前記回転子の中心軸方向視において、前記中心軸から前記光検出部側へ伸びる基準線分を0°とし、
前記基準線分と、前記回転子の中心軸方向視において前記中心軸から前記第一検出部へ向けて伸びる第一線分とで形成される角度をθ1とし、
前記基準線分と、前記回転子の中心軸方向視において前記中心軸から前記第二検出部へ向けて伸びる第二線分とで形成される角度をθ2とすると、
前記磁場検出部形成工程は、
0°<θ1<90°、かつ、0°<θ2<90°
を満たすように前記第一検出部及び前記第二検出部を形成することを含む
請求項20又は請求項21に記載の位置情報検出センサの製造方法。
【請求項23】
前記第一検出部と前記第二検出とは同心円の円周上に配置され、
該同心円の中心点から前記第一検出部へ向けて伸びる直線と該同心円の中心点から前記第二検出部へ向けて伸びる直線とで形成される角度をθ3とし、
該同心円の中心点から前記第一検出部までの距離をL1とし、
該同心円の中心点から前記第二検出部までの距離をL2とし、
前記第一検出部と前記第二検出部との距離をL3とすると、
前記磁場検出部形成工程は、
(L3)=(L1)+(L2)−2・L1・L2・cosθ3
(0°<θ3<180°)
を満たすように前記第一検出部と前記第二検出部とを形成することを含む
請求項20から請求項22のうちいずれか一項に記載の位置情報検出センサの製造方法。
【請求項24】
前記第一検出部と前記第二検出部とは同じ円の円周上に配置され、
該円の中心点から前記第一検出部へ向けて伸びる直線と該円の中心点から前記第二検出部へ向けて伸びる直線とで形成される角度をθ3とし、
該円の半径をRとし、
前記角度θ3によって規定される円弧の長さをRaとすると、
前記磁場検出部形成工程は、
Ra=2πR×(θ3/360°)
(0°<θ3<180°)
を満たすように前記第一検出部と前記第二検出部とを形成することを含む
請求項20から請求項22のいずれか一項に記載の位置情報検出センサの製造方法。
【請求項25】
前記光学パターンへ向けて前記光を射出する光射出部を前記チップ基板に形成する光射出部形成工程
を含む請求項16から請求項24のうちいずれか一項に記載の位置情報検出センサの製造方法。
【請求項26】
前記光検出部による検出結果及び前記磁場検出部による検出結果を処理する制御回路を前記チップ基板に形成する制御回路形成工程を含む
請求項16から請求項25のうちいずれか一項に記載の位置情報検出センサの製造方法。
【請求項27】
前記磁場検出部形成工程は、複数の面を有する前記チップ基板のうち同一の面に前記光検出部及び前記磁場検出部を形成することを含む
請求項16から請求項26のうちいずれか一項に記載の位置情報検出センサの製造方法。
【請求項28】
前記磁場検出部形成工程は、複数の面を有する前記チップ基板のうち互いに異なる面に前記光検出部及び前記磁場検出部を形成することを含む
請求項16から請求項26のうちいずれか一項に記載の位置情報検出センサの製造方法。
【請求項29】
前記チップ基板のうち前記光検出部が形成された面に電極を形成する電極形成工程と、
前記チップ基板を貫通するように前記磁場検出部と前記電極とを接続する接続工程と
を備える請求項28に記載の位置情報検出センサの製造方法。
【請求項30】
測定対象の回転子に固定され、光学パターン及び磁気パターンが形成された回転部と、
前記光学パターンを介した光及び前記磁気パターンによる磁場を検出する検出部と
を備え、
前記検出部として、請求項1から請求項15のうちいずれか一項に記載の位置情報検出センサが用いられている
エンコーダ。
【請求項31】
回転子と、
前記回転子を回転させる駆動部と、
前記回転子に固定され、前記回転子の位置情報を検出するエンコーダと
を備え、
前記エンコーダとして、請求項30に記載のエンコーダが用いられている
モータ装置。
【請求項32】
回転部材と、
前記回転部材を回転させるモータ装置と
を備え、
前記モータ装置として、請求項31に記載のモータ装置が用いられている
ロボット装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−225674(P2012−225674A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−91120(P2011−91120)
【出願日】平成23年4月15日(2011.4.15)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】