説明

位置決定のためのビーコンセクタリング

移動局のセクタベースの位置決定のための装置および方法が提示される。一方法は、移動局と少なくとも1つの無線アクセスポイント(WAP)との間の距離の推定を決定するステップと、その少なくとも1つのWAPに関連するセクタを記述するセクタ情報を受信するステップと、移動局の位置を決定するために、その距離推定とそのセクタ情報とを組み合わせるステップとを含む。一装置は、無線トランシーバと、無線トランシーバに結合されたプロセッサと、実行可能な命令およびデータを格納する、プロセッサに結合されたメモリとを含む。これらの命令は、そのプロセッサに、移動局と少なくとも1つの無線アクセスポイント(WAP)との間の距離の推定を決定させ、その少なくとも1つのWAPに関連するセクタを記述するセクタ情報を受信させて、移動局の位置を決定するために、その距離推定とそのセクタ情報とを組み合わせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
米国特許法第119条に基づく優先権主張
本特許出願は、本譲受人に譲渡され、参照によりその全体が本明細書に明示的に組み込まれている、2008年11月21日に出願された、「Beacon Sectoring for Position Determination」という表題の仮出願第61/116,969号の優先権を主張する。
【0002】
同時係属特許出願の参照
本特許出願は、以下の同時係属米国特許出願に関する。
本出願と同時に出願され、本譲受人に譲渡され、参照により本明細書に明示的に組み込まれている、弁理士整理番号090334を有する、Aggarwal他による「WIRELESS POSITION DETERMINATION USING ADJUSTED ROUND TRIP TIME MEASUREMENTS」。
本出願と同時に出願され、本譲受人に譲渡され、参照により本明細書に明示的に組み込まれている、弁理士整理番号090505を有する、Aggarwal他による「NETWORK-CENTRIC DETERMINATION OF NODE PROCESSING DELAY」。
本出願と同時に出願され、本譲受人に譲渡され、参照により本明細書に明示的に組み込まれている、弁理士整理番号090533を有する、Aggarwal他による「WIRELESS-BASED POSITIONING ADJUSTMENTS USING A MOTION SENSOR」。
【0003】
本開示の態様は、一般に、無線通信システムに関し、より詳細には、位置決定のセクタリング使用に関する。
【背景技術】
【0004】
移動体通信ネットワークは、移動体デバイスの運動感知および/または位置特定感知に関連してますます洗練された機能を提供しているところである。例えば、個人的な生産性、共同通信、ソーシャルネットワーキング、および/またはデータ獲得に関するアプリケーションなど、新しいソフトウェアアプリケーションは、新しい特徴とサービスとを消費者に提供するために、運動センサおよび/または位置センサを利用することが可能である。さらに、様々な管轄のいくつかの規制要件は、移動体デバイスが米国における911呼出しなどの緊急サービスに対して呼出しを行うとき、移動体デバイスの位置を報告することをネットワークオペレータに求める場合がある。
【0005】
従来のデジタルセルラネットワークにおいて、位置特定能力は、高度順方向リンク三辺測量(Advanced Forward Link Trilateration)(AFLT)によって提供されうる。AFLTは、複数の基地局から送信された、無線デバイスの無線信号の測定された到着時間から、その無線デバイスの位置を計算することが可能である。AFLTに対する改善は、移動局が、衛星測位システム(SPS)受信機を用いることが可能なハイブリッド位置特定技法を利用することによって実現されてきた。SPS受信機は、基地局によって送信された信号から導出された情報から独立している位置情報を提供することが可能である。さらに、位置の精度は、従来技術を使用して、SPSシステムとAFLTシステムの両方から導出された測定値を組み合わせることによって改善されうる。加えて、微小電気機械システム(MEMS)がますます普及するのに伴って、追加の相対位置情報、速度情報、加速度情報、および/または配向情報を提供するために、小型のオンボードセンサが使用できる。
【0006】
残念なことに、SPSおよび/またはセルラ基地局によって提供される信号に基づく位置特定技法は、移動体デバイスが建物内および/または都会環境内で動作しているとき、困難に遭遇する場合がある。そのような状況において、マルチパスおよび/または劣化した信号強度は、位置の精度をかなり低減させる可能性があり、「修正までの時間」を容認不可能なほど長期間に遅らせる可能性がある。これらの欠点は、位置情報を導くために、Wi-Fi(例えば、米国電気電子学会(IEEE)802.11x標準)など、既存の無線データ網からの受信信号を活用することによって、移動体デバイスによって克服できる。
【0007】
移動体デバイスの位置を正確に決定するために、既存の無線データ網からの信号を利用することは、無線信号が受ける時間遅延の正確な知識を必要とする場合がある。かかる遅延は、例えば、マルチパスおよび/または信号干渉により、空間的に変化する場合がある。さらに、かかる処理遅延は、ネットワークデバイスのタイプおよび/またはそのネットワークデバイスの現在のネットワーキング負荷に基づいて、経時的に変化する場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、既存の無線データ網および当該無線データ網のユーザは、位置決定誤差を受け易い可能性がある。位置決定誤差は、雑音が存在する場合、かつ/または限定数のデータポイント(例えば、三角位置に対して不十分なアクセスポイント)が提供されるときに発生する可能性がある。したがって、より頑強な位置決定手法の必要が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の例示的な実施形態は、移動局のセクタベースの位置決定のための装置および方法に関する。
【0010】
一実施形態では、セクタに基づいて移動局の位置を決定する方法が提供される。この方法は、移動局と少なくとも1つの無線アクセスポイント(WAP)との間の距離の推定を決定するステップと、そのWAPに関連するセクタを記述するセクタ情報を受信するステップとを含みうる。この方法は、移動局の位置を決定するために、その距離推定とそのセクタ情報とを組み合わせるステップをさらに含みうる。
【0011】
もう1つの実施形態では、移動局のセクタベースの位置決定のための装置が提供される。この装置は、無線トランシーバと、無線トランシーバに結合されたプロセッサと、プロセッサに結合されたメモリとを含みうる。このメモリは、プロセッサに、移動局と少なくとも1つの無線アクセスポイントとの間の距離の推定を決定させるための実行可能な命令およびデータを格納することが可能である。これらの命令は、さらにプロセッサに、そのWAPに関連するセクタを記述するセクタ情報を受信させて、移動局の位置を決定するために、その距離推定とそのセクタ情報とを組み合わせることが可能である。
【0012】
本明細書で提示される様々な実施形態は、雑音が存在する場合、移動局の位置特定精度を改善して、従来の位置決定技法にとって十分なWAPが存在しないとき、移動局の位置をより良好に決定する利点を有する可能性がある。
【0013】
添付の図面は、本発明の実施形態の説明を助けるために提示され、それらの実施形態の限定ではなく、それらの実施形態を例示するためだけに提供される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】移動局に関する1つの例示的な動作環境の図である。
【図2】例示的な移動局の様々な構成要素を例示するブロック図である。
【図3】移動局と通信しているローカルエリアネットワーク無線アクセスポイント(LAN-WAP)を使用する、1つの例示的な測位技法を示す図である。
【図4】移動局の位置を決定するために2つのLAN-WAPを使用するときに測位のあいまい性が発生しうる、1つの例示的なシナリオを示す図である。
【図5】4つのセクタを有する、1つの例示的なセクタ指向性位置決定技法を示す図である。
【図6】1つの例示的なセクタ指向性位置決定アルゴリズムを示す流れ図である。
【図7A】移動局のセクタ指向性位置決定を使用する、例示的なシナリオを示す図である。
【図7B】移動局のセクタ指向性位置決定を使用する、例示的なシナリオを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下の説明および関連する図面において、これらの実施形態の態様が開示される。加えて、これらの実施形態のよく知られている要素は、詳細に説明されないか、または関連する詳細をあいまいにしないように省略される。
【0016】
本明細書において、「例示的」という用語は、「例、事例、または例示として機能する」ことを意味するために使用される。本明細書で「例示的」として説明されるいずれの実施形態も、その他の実施形態に勝って好まれる、または有利であると解釈されるとは限らない。同様に、「実施形態」という用語は、本発明のすべての実施形態が議論される特徴、利点、または動作モードの利点を含むことを必要としない。
【0017】
本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態を説明するためだけであり、本発明の実施形態を限定することが意図されない。本明細書で使用される場合、その文脈が異なる解釈を明瞭に示す場合を除き、単数形「a」、「an」、および「the」は、複数形も同様に含むことが意図される。本明細書で使用される場合、「備える」、「備えている」、「含む」、および/もしくは「含んでいる」という用語は、記述される特徴、整数、ステップ、動作、要素、ならびに/または構成要素の存在を指定し、1もしくは複数のその他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらのグループの存在ならびに追加を除外しない点をさらに理解されよう。
【0018】
さらに、多くの実施形態は、例えば、コンピューティングデバイスの要素によって実行されることになる動作の順序の点から説明される。本明細書で説明される様々な活動は、特定の回路(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC))によって、1つもしくは複数のプロセッサによって実行されているプログラム命令によって、またはそれら両方の組合せによって実行できる点を認識されよう。加えて、本明細書で説明される活動のこれらの順序は、実行時に、関連するプロセッサに、本明細書で説明される機能性を実行させることになるコンピュータ命令の対応するセットを格納している、任意の形態のコンピュータ可読記憶媒体内で完全に実装されるものと見なされうる。したがって、様々な実施形態は、そのすべてが特許請求される主題の範囲内にあることが企図されている、いくつかの異なる形態で実現されうる。加えて、本明細書で説明される実施形態のそれぞれに関して、任意のかかる実施形態の対応する形態は、本明細書において、例えば、説明される活動を実行する「ように構成される論理」として説明される場合がある。
【0019】
図1は、移動局108に関する1つの例示的な動作環境100を示す図である。動作環境100は、1つもしくは複数の異なるタイプの無線通信システムおよび/または無線測位システムを含みうる。図1に示される実施形態では、移動局108に関する独立位置情報源として、衛星測位システム(SPS)102が使用できる。移動局108は、詳細には、SPS衛星から地理的位置情報を導出するために信号を受信するように設計された、1つまたは複数の専用SPS受信機を含みうる。
【0020】
動作環境100は、無線音声通信および/または無線データ通信のために、かつ移動局108に関するもう1つの独立位置情報源として使用されることが可能な、複数の1つまたは複数のタイプの広域ネットワーク無線アクセスポイント(WAN WAP)104も含みうる。WAN WAP104は、知られている位置にセルラ基地局を含みうる無線広域ネットワーク(WWAN)、および/または、例えば、WiMAX(例えば、802.16)など、その他の無線広域システムの一部でありうる。WWANは、説明を簡単にするために図1に示されない、その他の知られているネットワーク構成要素を含みうる。通常、WWAN内のWAN-WAP104a〜104cのそれぞれは、固定位置から動作して、大都市領域および/または局所領域にわたるネットワーク有効範囲を提供することが可能である。
【0021】
動作環境100はローカルエリアネットワーク無線アクセスポイント(LAN-WAP)106をさらに含み、もう1つの独立位置データ源と共に無線音声通信および/または無線データ通信に関して使用できうる。LAN-WAPは、建物内で動作して、WWANよりもより小さな地理的領域にわたって通信を実行することができる無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)の一部でありうる。かかるLAN-WAP106は、例えば、Wi-Fiネットワーク(IEEE 802.11x)、Bluetoothネットワーク、フェムトセル(femtocell)などの一部でありうる。
【0022】
移動局108は、SPS衛星102、WAN-WAP104、および/またはLAN-WAP106のうちの1つもしくはそれらの組合せから位置情報を導出することが可能である。前述のシステムのそれぞれは、異なる技法を使用して、移動局108に関する位置の独立推定を提供することが可能である。いくつかの実施形態では、移動局は、位置データの精度を改善するために、異なるタイプのアクセスポイント(例えば、Wi-Fiアクセスポイント、フェムトセルなど)のそれぞれから導出された解を組み合わせることが可能である。SPS102を使用して位置データを導出するとき、移動局108は、特に、従来技法を使用して、SPS衛星102から送信された複数の信号から位置を抽出するSPSと共に使用するように設計された受信機を利用することが可能である。
【0023】
衛星測位システム(SPS)は、通常、エンティティが、送信機から受信された信号に少なくとも一部基づいて、地球上または地球より高い位置にある当該エンティティの位置を決定することを可能にするために配置された送信機のシステムを含む。かかる送信機は、通常、設定された数のチップの繰返し擬似ランダム雑音(PN)コードを用いてマーキングされた信号を送信し、地上ベースの制御局、ユーザ装置および/または宇宙船の上に配置されうる。特定の例では、かかる送信機は、地球軌道衛星ビークル(SV)上に配置されうる。例えば、全地球測位システム(GPS)、ガリレオ、グロナス、またはコンパスなど、全地球航法衛星システム(GNSS)のコンスタレーション内のSVは、(例えば、GPSの場合のように、それぞれの衛星に関して異なるPNコードを使用して、またはグロナスの場合のように、異なる周波数上で同じコードを使用して)コンスタレーション内のその他のSVによって送信されたPNコードと区別可能なPNコードでマーキングされた信号を送信することが可能である。いくつかの態様によれば、本明細書で提示される技法は、SPSに関する全地球システム(例えば、GNSS)に限定されない。例えば、本明細書で提供される技法は、例えば、日本の上空の準天頂衛星システム(QZSS)、インドの上空のインド地域航法衛星システム(IRNSS)、中国の上空の北斗など、様々な地域システム、ならびに/あるいは1つもしくは複数の全地球航法衛星システムおよび/または地域航法衛星システムに関連しうるか、あるいはそうでない場合、当該航法衛星システムと共に使用することが可能にされうる様々な補強システム(例えば、衛星ベースの補強システム(SBAS))において使用するために適用されることが可能であるか、またはそうでない場合、それらの地域システムにおいて使用することが可能にされうる。限定ではなく、例として、SBASは、例えば、広域補強システム(WAAS)、欧州静止航法オーバーレイサービス(EGNOS)、運用多目的衛星用衛星航法補強システム(MSAS)、GPS支援地球補強航法(GPS Aided Geo Augmented Navigation)システム、またはGPSおよび地球補強航法(GPS and Geo Augmented Navigation)システム(GAGAN)など、完全性情報、差異補正などを提供する、(1つもしくは複数の)補強システムを含みうる。したがって、本明細書で使用される場合、SPSは、1つもしくは複数の全地球航法衛星システムおよび/または地域航法衛星システムならびに/あるいは1つもしくは複数の全地球補強システムおよび/または地域補強システムの任意の組合せを含むことが可能であり、SPS信号は、SPS、SPSのような信号、および/またはかかる1つもしくは複数のSPSに関連するその他の信号を含みうる。
【0024】
さらに、開示される方法および装置は、擬似衛星、または衛星と擬似衛星の組合せを利用する測位決定システムと共に使用されうる。擬似衛星は、PNコード、またはGPS時間と同期されうるL帯域(または、その他の周波数)搬送波信号上で変調された(GPSセルラ信号またはCDMAセルラ信号に類似した)その他の測距コードをブロードキャストする地上ベースの送信機である。それぞれのかかる送信機には、遠隔受信機による識別を可能にするために、独自のPNコードが割り当てられることが可能である。擬似衛星は、トンネル、鉱山、建物、アーバンキャニオン(urban canyons)、またはその他の閉鎖領域の中など、軌道衛星からのGPS信号が利用可能でない可能性がある状況において有用である。擬似衛星のもう1つの実装形態は、無線ビーコンとして知られている。本明細書で使用される場合、「衛星」という用語は、擬似衛星、擬似衛星の等価物、および場合によってはその他の物を含むことが意図される。本明細書で使用される場合、「SPS信号」という用語は、擬似衛星または擬似衛星の等価物からのSPSのような信号を含むことが意図される。
【0025】
WWANから位置を導出するとき、それぞれのWAN-WAP104a〜104cは、デジタルセルラネットワーク内の基地局の形をとることが可能であり、移動局108は、セルラトランシーバと、位置を導出するために、基地局信号を活用することができるプロセッサとを含みうる。デジタルセルラネットワークは、追加の基地局、または図1に示されるその他のリソースを含みうる点を理解されたい。WAN-WAP104は、実際に移動可能でありうるか、またはそうでない場合、位置変更されることが可能でありうるが、例示のために、WAN-WAP104は、基本的に、固定位置に配置されていることが仮定される。
【0026】
移動局108は、例えば、高度順方向リンク三辺測量(AFLT)など、知られている到着時間技法を使用して、位置決定を実行することが可能である。その他の実施形態では、それぞれのWAN-WAP104a〜104cは、WiMAX無線ネットワーキング基地局の形をとってよい。この場合、移動局108は、WAN-WAP104によって提供された信号からの到着時間(TOA)技法を使用して、その位置を決定することが可能である。移動局108は、独立モードで、または従来技法を使用して、バックエンドサーバ110およびネットワーク112の支援を使用して、位置を決定することが可能である。本開示の実施形態は、移動局108に、異なるタイプであるWAN-WAP104を使用して、位置情報を決定させるステップを含みうることに留意されたい。例えば、いくつかのWAN-WAP104は、セルラ基地局であってよく、その他のWAN-WAPは、WiMAX基地局であってよい。かかる動作環境では、移動局108は、それぞれ異なるタイプのWAN-WAPからの信号を活用して、精度を改善するために、導出された位置解決策をさらに組み合わせることが可能でありうる。
【0027】
WLANを使用して位置を導出するとき、移動局108は、測位サーバ110およびネットワーク112の支援によって、到着時間技法を利用することが可能である。測位サーバ110は、ネットワーク112を介して移動局108に通信することが可能である。ネットワーク112は、LAN-WAP106を組み込む有線ネットワークと無線ネットワークの組合せを含みうる。一実施形態では、それぞれのLAN-WAP106a〜106eは、例えば、Wi-Fi無線アクセスポイントまたはフェムトセルであってよく、したがって固定位置に設定されるとは限らず、位置を変更することが可能である。それぞれのLAN-WAP106a〜106eの位置は、測位サーバ110で共通座標系内に格納されうる。一実施形態では、移動局108の位置は、移動局108に、それぞれのLAN-WAP106a〜106eから信号を受信させることによって決定できる。それぞれの信号は、(例えば、MAC(Media Access Control)アドレスなど)受信信号内に含まれうる何らかの形の識別情報に基づいて、その発生LAN-WAPと関連付けられることが可能である。移動局108は、次いで、LAN-WAPのそれぞれの時間遅延およびそれぞれの識別情報を含みうるメッセージを形成して、ネットワーク112を経由して、そのメッセージを測位サーバ110に送信することが可能である。受信されたメッセージに基づいて、次いで、測位サーバ110は、関連するLAN-WAP106の格納された位置を使用して、移動局108の位置を決定することができる。測位サーバ110は、局所座標系内に移動局の位置に対するポインタを含む位置構成情報(Location Configuration Information)(LCI)メッセージを生成して、基地局108に提供することが可能である。このLCIメッセージは、移動局108の位置に関するその他の当該ポイントも含みうる。
【0028】
本明細書で説明される位置決定技法は、無線広域ネットワーク(WWAN)、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)など、様々な無線通信ネットワークと連結して実装されうる。「ネットワーク」および「システム」という用語は、しばしば交換可能に使用できる。WWANは、符号分割多元接続(CDMA)ネットワーク、時分割多元接続(TDMA)ネットワーク、周波数分割多元接続(FDMA)ネットワーク、直行周波数分割多元接続(OFDMA)ネットワーク、シングルキャリア周波数多元接続(SC-FDMA)ネットワーク、ロングタームエボリューション(LTE)ネットワーク、WiMAXネットワークなどでありうる。CDMAネットワークは、cdma2000、広帯域CDMA(W-CDMA)など、1つまたは複数の無線アクセス技術(RAT)を実装することが可能である。Cdma2000は、IS-95標準、IS-2000標準、およびIS-856標準を含む。TDMAネットワークは、移動体通信用グローバルシステム(GSM)、デジタル先進移動電話システム(D-AMPS)、またはいくつかのその他のRATを実装することが可能である。GSMおよびW-CDMAは、「第3世代パートナーシッププロジェクト」(3GPP)と呼ばれる協会の文書で説明される。Cdma2000は、「第3世代パートナーシッププロジェクト2」(3GPP2)と呼ばれる協会の文書で説明される。3GPP文書および3GPP2文書は、公に利用可能である。WLANは、IEEE 802.11xネットワークであってよく、WPANはBluetoothネットワーク、IEEE 802.15x、またはいくつかのその他のタイプのネットワークであってよい。これらの技法は、WWAN、WLAN、および/またはWPANの任意の組合せと連結して実装されることも可能である。
【0029】
図2は、1つの例示的な移動局108の様々な構成要素を例示するブロック図である。説明を簡単にするために、図2の箱図表内に例示される様々な特徴および機能は、共通のバスを使用して一緒に接続され、これは、これらの様々な特徴および機能が動作可能に一緒に結合されることを表すことが意味される。当業者は、実際の携帯用無線デバイスを動作可能に結合して、構成するために、必要に応じて、その他の接続、機構、特徴、機能などが提供され、適合されることが可能である点を認識されよう。さらに、図2の例において示される特徴または機能のうちの1つもしくは複数は、さらに細分化されることが可能であり、あるいは図2に例示される特徴または機能のうちの2つ以上が組み合わされることも可能である点も認識されよう。
【0030】
移動局は、1本または複数のアンテナ202に接続/連結されることが可能な、1つまたは複数の広域ネットワークトランシーバ204を含みうる。広域ネットワークトランシーバ204は、WAN-WAP104と通信し、かつ/またはWAN-WAP104への/WAN-WAP104からの信号を検出し、かつ/あるいはネットワーク内のその他の無線デバイスと直接的に通信するのに適切なデバイス、ハードウェア、および/もしくはソフトウェアを備える。一態様では、広域ネットワークトランシーバ204は、無線基地局のCDMAネットワークと通信するのに適したCDMA通信システムを備えうるが、その他の態様では、無線通信システムは、例えば、TDMAまたはGSMなど、別のタイプのセルラ電話ネットワークを備えることが可能である。加えて、例えば、WiMAX(IEEE 802.16)など、任意のその他のタイプの無線ネットワーキング技術が使用できる。移動局108は、1本または複数のアンテナ202に接続/連結されることが可能な1つまたは複数のローカルエリアネットワークトランシーバ206も含みうる。ローカルエリアネットワークトランシーバ206は、LAN-WAP106と通信し、かつ/またはLAN-WAP106への/LAN-WAP106からの信号を検出し、かつ/あるいはネットワーク内のその他の無線デバイスと直接的に通信するのに適切なデバイス、ハードウェア、および/もしくはソフトウェアを備える。一態様では、ローカルエリアネットワークトランシーバ206は、1つまたは複数のアクセスポイントと通信するのに適したWi-Fi(IEEE 802.11x)通信システムを備えうるが、その他の態様では、ローカルエリアネットワークトランシーバ206は、別のタイプのローカルエリアネットワーク、パーソナルエリアネットワーク、(例えば、Bluetooth)などを備えうる。加えて、例えば、超広帯域、ZigBee、無線USBなど、任意のその他のタイプの無線ネットワーキング技術が使用できる。
【0031】
SPS受信機208は、移動局108内に含まれることも可能である。SPS受信機208は、衛星信号を受信するための、1本または複数のアンテナ202に接続/連結されることが可能である。SPS受信機208は、SPS信号を受信して処理するための任意の適切なハードウェアおよび/またはソフトウェアを備えうる。SPS受信機208は、必要に応じて、その他のシステムから情報および動作を要求し、任意の適切なSPSアルゴリズムによって取得された測定値を使用して、移動局108の位置を決定するために必要な計算を実行する。
【0032】
運動センサ212は、広域ネットワークトランシーバ204、ローカルエリアネットワークトランシーバ206、およびSPS受信機208によって受信された信号から導出された運動データから独立している移動情報および/または配向情報を提供するために、プロセッサ210に結合されることが可能である。限定ではなく、例として、運動センサ212は、加速度計(例えば、MEMSデバイス)、ジャイロスコープ、地磁気センサ(例えば、コンパス)、高度計(例えば、気圧高度計)、および/または任意のその他のタイプの移動検出センサを利用することが可能である。さらに、運動センサ212は、複数の異なるタイプのデバイスを含み、運動情報を提供するために、その出力を組み合わせることが可能である。
【0033】
プロセッサ210は、広域ネットワークトランシーバ204と、ローカルエリアネットワークトランシーバ206と、SPS受信機208と、運動センサ212とに接続/連結されることが可能である。プロセッサ210は、例えば、処理機能、ならびにその他の計算および制御機能性を提供する、1つもしくは複数のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、コントローラ、ASIC、および/またはデジタル信号プロセッサを含みうる。プロセッサ210は、移動局内にプログラムされた機能性を実行するためのデータおよびソフトウェア命令を格納するためのメモリ214を含みうる。メモリ214は、(例えば、同じICパッケージ内の)オンボードプロセッサ210であってよく、かつ/またはメモリは、プロセッサに対する外部メモリであり、データバスを介して機能的に結合されることも可能である。本開示の態様に関連するソフトウェア機能性の詳細は、下でより詳細に説明される。
【0034】
いくつかのソフトウェアモジュールおよびデータ表がメモリ214内にあり、通信および測位決定機能性の両方を管理するために、プロセッサ210によって利用されることが可能である。本明細書で例示されるように、メモリ214内に、移動局108は、距離決定モジュール216と、アプリケーションモジュール218と、セクタ決定モジュール220と、セクタベースの測位モジュール222とを含むことが可能であるか、またはそうでない場合、これらのモジュールを提供することが可能である。
【0035】
アプリケーションモジュール218は、プロセッサ210上で実行している任意のタイプのアプリケーションであってよく、いくつかの所望される機能性を実行するために、移動局108の位置を利用することが可能である。アプリケーションモジュール218は、セクタベースの測位モジュール222からこの位置情報を要求することができる。セクタベースの測位モジュール222は、次に、無線アクセスポイントに対する距離情報を距離決定モジュール216から受信して、セクタ情報をセクタ決定モジュール220から受信することが可能である。さらに、セクタベースの測位モジュール222は、位置を精緻化するために、運動センサ212および/またはSPS受信機208から追加の情報を受信することが可能である。セクタベースの測位モジュール222は、(距離決定モジュール216、またはいくつかのその他の情報源を介して)それぞれの無線アクセスポイントの座標を取得することも可能である。この情報が受信されると、セクタベースの測位モジュール222は、移動局108の位置を決定して、それをアプリケーションモジュール218に提供し戻すことが可能である。
【0036】
距離決定モジュール216は、移動局108が信号を無線で交換することができる、それぞれの無線アクセスポイント同士の間の距離推定を導出することが可能である。この距離推定は、信号タイミングおよび/または信号強度に基づいて、従来の測距技法を使用して実行できる。距離決定モジュール216は、広域ネットワークトランシーバ204、ローカルエリアネットワークトランシーバ206、および/またはSPS受信機208と交換された信号から情報をさらに導出することが可能である。さらに、距離情報は、運動センサ212によって提供されたデータを処理することによって生成されることも可能である。これらの情報源のそれぞれは、別々に使用されてよく、かつ/または距離決定モジュール216に従って、プロセッサ210を使用して組み合わされてもよい。いくつかの実装形態では、情報のすべてもしくは一部は、プロセッサ210によるさらなる処理を伴わずに、運動センサ212および/またはSPS受信機208によって提供されることも可能である。いくつかの実施形態では、この距離情報は、運動センサ212によってプロセッサ210に直接的に提供できる。運動センサ212によって供給されたデータは、方向および速度を提供することが可能な加速度データならびに/または速度データを含むことも可能である。追加のデータは、移動の方向だけを提供できる方向性データをさらに含みうる。距離決定モジュール216が1つまたは複数の無線アクセスポイントに対する距離を突き止めると、距離決定モジュール216は、これらの距離をセクタベースの測位モジュールに提供することができる。
【0037】
セクタ決定モジュール220は、セクタと呼ばれる有効範囲の領域内の小領域を識別するために、無線アクセスポイントによって提供された情報を処理することが可能である。これらのセクタは、(下で詳細に説明されるように)セクタ決定モジュールが解釈することが可能な様々な形で画定/説明されて、この情報を、セクタベースの測位モジュール222によって使用するために共通基準フレーム内でセクタを記述する座標に変換することが可能である。
【0038】
無線アクセスポイント座標、距離推定、およびセクタ情報を受信するとすぐ、セクタベースの測位モジュール222は、プロセッサ210を使用して、移動局108の位置推定を提供するために、これらのデータを処理することが可能である。もう1つの実施形態では、これらの距離推定およびセクタ情報は、処理のために、(例えば、インターネットまたはWANを介して)バックエンドサーバ110に渡されることが可能である。
【0039】
図2に示されるモジュールは、この例において、メモリ214内に含まれているとして示されるが、いくつかの実装形態では、その他の機構もしくは追加の機構を使用して、かかる手順が提供されること、またはそうでない場合、動作可能に構成されることが可能である点が認識される。例えば、セクタ指向性/セクタベースの測位モジュール222、距離決定モジュール216、アプリケーションモジュール218、および/またはセクタ決定モジュール220のすべてもしくは一部は、ファームウェア内で提供されうる。加えて、この例では、セクタベースの測位モジュール222およびアプリケーションモジュール218は、別個の特徴として例示されるが、例えば、かかる手順は、1つの手順として一緒に組み合わされてよく、もしくは場合によっては、その他の手順と一緒に組み合わされてよく、またはそうではない場合、複数の手順にさらに分割されてもよい点を認識されよう。
【0040】
プロセッサ210は、少なくとも本明細書で提供される技法を実行するのに適した任意の形態の論理を含みうる。例えば、プロセッサ210は、移動体デバイスのその他の部分において使用するために運動データを活用する、1つまたは複数のルーチンを選択的に開始するために、メモリ214内の命令に基づいて、動作可能に構成可能でありうる。
【0041】
移動局108は、マイクロフォン/スピーカ252、キーパッド254、および/または移動局108とのユーザの対話を可能にするディスプレイ256など、任意の適切なインターフェースシステムを提供するユーザインターフェース250を含みうる。マイクロフォン/スピーカ252は、広域ネットワークトランシーバ204および/またはローカルエリアネットワークトランシーバ206を使用して、音声通信サービスを提供しうる。キーパッド254は、ユーザ入力向けの任意の適切なボタンを備えうる。ディスプレイ256は、例えば、バックライト付きLCDディスプレイなど、任意の適切なディスプレイを備え、追加のユーザ入力モード向けのタッチスクリーンディスプレイをさらに含みうる。
【0042】
本明細書で使用される場合、移動局108は、1つもしくは複数の無線通信デバイスまたは無線通信ネットワークから送信された無線信号を獲得し、かつ当該無線通信デバイスまたは当該無線通信ネットワークに無線信号を送信するように構成可能な、任意の携帯用デバイスもしくは携帯用機械、または可動デバイスもしくは可動機械であってよい。図1および2に示されるように、移動局108は、かかる携帯用無線デバイスを表す。したがって、限定ではなく、例として、移動局108は、無線デバイス、セルラ電話デバイス、コンピューティングデバイス、パーソナル通信システム(PCS)デバイス、個人情報マネージャ(PIM)、携帯情報端末(PDA)、ラップトップ、スマートブック、ネットワーク、あるいは、例えば、無線通信信号および/もしくは無線ナビゲーション信号を受信することが可能でありうる、その他の移動体デバイス、またはその他の適切な移動体デバイスを含みうる。「移動局」という用語は、デバイスにおいて、もしくはパーソナルナビゲーションデバイス(PND)において、衛星信号受信、支援データ(assistance data)受信、および/または位置関連処理が発生するかどうかにかかわらず、短距離無線接続、赤外線接続、有線接続、あるいは、その他の接続など、PNDと通信するデバイスを含むことも意図される。「移動局」は、デバイスにおいて、サーバにおいて、またはネットワークに関連する別のデバイスにおいて、衛星信号受信、支援データ受信、および/もしくは位置関連処理が発生するかどうかにかかわらず、インターネット、Wi-Fi、またはその他のネットワークを経由してなど、サーバと通信することが可能な無線通信デバイス、コンピュータ、ラップトップなどを含むすべてのデバイスを含むことが意図される。上記の任意の動作可能な組合せも「移動局」と見なされる。
【0043】
本明細書で使用される場合、「無線デバイス」という用語は、ネットワークを介して情報を転送することが可能であり、位置決定および/またはナビゲーション機能性も有する任意のタイプの無線通信デバイスを指す場合がある。この無線デバイスは、任意のセルラ移動端末、パーソナル通信システム(PCS)デバイス、パーソナルナビゲーションデバイス、ラップトップ、携帯情報端末、またはネットワーク信号および/もしくはSPS信号を受信して、処理することが可能な任意のその他の適切な移動デバイスであってよい。
【0044】
図3は、移動局と、移動局108の無線範囲内のいくつかのアクセスポイントとによって画定された、1つの例示的なネットワークジオメトリを示す図である。説明と例示とを簡単にするために、本明細書の実施形態は、二次元位置決定技法の点から説明される。しかし、本発明は、そのように限定されず、本明細書で説明される実施形態は、三次元空間における位置決定に容易に拡張できる点を理解されたい。さらに、下で提示される実施形態は、ローカルエリアネットワーク無線アクセスポイント(LAN-WAP)との通信を利用するが、その他のタイプの無線アクセスポイントが使用できる。例えば、その他の実施形態は、広域ネットワーク無線アクセスポイント(WAN-WAP)、および/またはLAN-WAPとWAN-WAPとの組合せとの通信を活用することが可能である。
【0045】
図3に示すように、移動局108は、1つまたは複数のLAN-WAP311と通信することが可能である。例えば、移動局108は、位置(x,y)に位置付けられることが可能であり、それぞれ、無線リンク301a、301b、および301cを経由して、LAN-WAP311a、LAN-WAP311b、LAN-WAP311cと通信することが可能である。この例示的な実施形態は、3つのLAN-WAPを示すが、これは単なる例示であり、任意の数のLAN-WAPおよび/または無線リンクが利用できる点を理解されよう。
【0046】
LAN-WAP1 311aは、位置(x1,y1)に位置付けられることが可能であり、LAN-WAP2 311bは、位置(x2,y2)に位置付けられることが可能であり、LAN-WAP3 311cは、位置(x3, y3)に位置付けられることが可能である。移動局108は、従来の測距技法、例えば、信号強度および/または飛行時間を活用することが可能な手法を利用して、複数のLAN-WAPのそれぞれに対する距離を測定することができる。したがって、図3に提供されるシナリオでは、移動局108は、1つまたは複数の従来の測距技法を利用して、LAN-WAP1 311aから距離d1を、LAN-WAP2 311bから距離2を、LAN-WAP3 311cから距離3を無線で測定することが可能である。
【0047】
さらに図3を参照すると、複数のLAN-WAP311のそれぞれは、全方向性アンテナパターンをもたらす1本または複数の従来のアンテナを含みうる。さらに、LAN-WAPのそれぞれと移動局108とによって利用されるような従来の測距システムは、全方向性のビーコンおよびパケットの交換を使用することができる。加えて、それぞれのLAN-WAPは、2本以上の全方向性アンテナを使用してビーム形成を実行するために適切な信号処理を利用する目的で、ソフトウェアおよび/またはハードウェアを含みうる。ビーム形成技法を使用すると、それぞれの全方向性アンテナからのアンテナパターンは、組み合わされたアンテナパターンの電子ステアリングを実行するために、コヒーレントに組み合わされることが可能である。このようにして、前述のセクタは、組み合わされたアンテナパターンによって選択的に点灯(illuminate)されうる。さらに、LAN-WAPアンテナおよび追加の信号処理は、従来の到着角度技法を使用して、受信信号の到着角度を決定するために使用されることも可能である。例えば、移動局は、WAPにおける到着角度を推定するための信号を送信して、推定された到着角度から導出されたセクタ情報をWAPから受信することが可能である。
【0048】
図4は、位置を決定するために2つのLAN-WAPだけが使用される場合、測位のあいまい性が発生しうる、もう1つの例示的なネットワークジオメトリを示す図である。図4は、上で図3において示された類似のネットワークジオメトリを例示するが、このシナリオでは、LAN-WAP311cは、もはや移動局108と通信していない。これは、例えば、雑音および/またはその他の要因の存在に起因しうる。しかし、移動局108は、LAN-WAP311aおよび311bと通信することが可能である。さらに図4を参照すると、移動局108は、従来の測距技法を利用して、LAN-WAP1 311aから距離d1を、LAN-WAP2 311bから距離d2を測定することが可能である。2つのLAN-WAPだけが利用可能であるため、その位置を一義的に決定するための移動局の能力は、従来の測位手法を使用するとき、損なわれる可能性がある。例えば、三辺測量技法を使用するとき、移動局108は、位置Aまたは位置Bのどちらかに位置付けられることが可能である。したがって、追加の情報の支援がない場合、従来の三辺測量技法は、結果として、不正確な結果またはあいまいな結果をもたらす可能性がある。下で説明されるように、本開示の実施形態は、前述のあいまい性が解決されうるように、追加の情報を活用することが可能であり、アルゴリズム効率性が改善されることが可能であり、かつ/または測位精度全体が増大されうる。
【0049】
図5は、本開示の1つの例示的な実施形態と整合するセクタ指向性位置決定を例示する図である。先のように、説明を簡単にするために、二次元幾何形状が示されるが、これらの実施形態は、三次元幾何形状に容易に拡張されうることが理解されるべきであるため、これは限定的ではない。
【0050】
上で説明されたように、従来の位置決定システムでは、距離のそれぞれが決定されると、移動局108の位置(x, y)は、三辺測量を使用して計算できる。しかし、移動局にLAN-WAPのそれぞれによって提供されうる追加の情報を活用させることによって、本開示の実施形態は、位置決定を改善することが可能である。これらの改善は、ネットワークジオメトリをセクタと呼ばれる副空間に分割することによってもたらすことができる。これらのセクタは、領域および/または容量であってよく、下でより詳細に説明される、様々な形で指定されうる。これらのセクタは、2D測位が実行されているか、または3D測位が実行されているかに応じて、二次元および/または三次元で画定できる。移動局の位置の境界が特定のセクタ内に画定されることが決定されると、位置決定の精度および/またはパフォーマンスを改善するために、従来の測位アルゴリズム(例えば、三辺測量)を補完する目的で、境界セクタを画定する情報が使用できる。セクタ情報を活用することによって位置を突き止めることは、本明細書で、セクタ指向性位置決定と定義される。
【0051】
LAN-WAP311aは、当該セクタを選択的に点灯するために、組み合わされた(例えば、合成された)アンテナパターンを電子的にステアリングするために用いられることが可能な複数のアンテナ(N)を含みうる。いくつかの実施形態では、アンテナの数は、4本(例えば、N=4)でありうるが、アンテナの数は、実際的な限度内の任意の値をとってよい。電子ステアリングは、従来のビーム形成技法を使用して実行できる。例えば、送信しているとき、LAN-WAP311は、アンテナのすべてによって作成された波面内に構成的インターフェースと破壊的インターフェースのパターンを作成するために、それぞれのアンテナにおいて信号の位相と振幅とを制御することが可能である。それぞれのアンテナにおける振幅および位相は、それぞれのアンテナからの送信に先立って、信号に重みのセットを適用することによって制御されることが可能であり、これらの重みは、複素値係数(complex valued coefficients)の形をとりうる。受信するとき、アンテナによって受信された信号は、まず、係数のセットによって重み付けされ、次いで、組み合わされた受信アンテナパターンが送信アンテナパターンと類似の指向性を有する(例えば、受信パターンが送信パターンと同じ当該セクタを介してステアリングされる)ように、組み合わされることが可能である。送受信に関して使用される係数のセットは同じであってよいが、代替の実施形態では、当該係数のセットは、知られている位相誤差および/または振幅誤差を補完するために異なりうる。重み付け係数は、ラウンドロビン様式で異なるセクタを走査する目的で送信パターン/受信パターンをステアリングするために、または、所望される場合、いずれかの任意の様式でセクタを点灯するために、迅速に変更されうる。複数のLAN-WAP311のそれぞれは、重み係数のセットを事前に格納することが可能であるが、これらの重み係数は、所望に応じて、パターンおよび/または走査手法を変更するために、ネットワークを介して変更されうる点を理解されたい。
【0052】
さらに図5を参照すると、N本のアンテナを利用して、LAN-WAP311は、およそ360/N度のN個のセクタを形成することができる。すなわち、LAN-WAP311は、パケットを送信するとき、またはパケットを受信するとき、その有効範囲領域をN個のおよそ異なるセクタに区分化することが可能である。例えば、LAN-WAP311aは、結果として、4つの象限の形をとる4つのセクタ(セクタla〜セクタ4a)をもたらしうる、4本のアンテナを含みうる。
【0053】
送信パターン/受信パターンのステアリングは、360/N個のインクリメントに限定されなくてよい点に留意されたい。例えば、所望される場合、アンテナ同士の間の振幅および/または位相は、いずれかの任意の角度でビームをステアリングするために変化しうる。さらに、セクタの有効範囲は、LAN-WAPに対して対称でなくてよく、これらのセクタは、いずれかの任意の形をとってよいことも分かる。例えば、LAN-WAPが部屋の隅に配置された場合、エネルギーが当該領域により効率的に向けられるように、かつ、外部を経由したLAN-WAPへのアクセスが防止されることが可能であるため、セキュリティが改善されうるように、セクタがその部屋の内部空間に及ぶように制限することが有利でありうる。
【0054】
動作の間、LAN-WAP311のそれぞれは、ビーコンを有する信号をそれぞれのセクタに送信することが可能である。送信シーケンスは、ラウンドロビン様式で発生しうるか、または任意の所定のシーケンスで実行されうる。さらに、LAN-WAP311のそれぞれは、ビーコン信号内でセクタ情報を送信し、これにより、移動局108に追加情報を提供することが可能である。このセクタ情報は、移動局108に対する、ネットワークジオメトリ内のそれぞれのセクタを独自に識別する、任意のタイプのデータであってよく、座標情報、角度情報(方位角および/または仰角など、1つもしくは複数の平面角度)、独自の整数などを含みうる。例えば、図5に示される実施形態では、これらのセクタは、4つの象限に分割されることが可能であり、ローカル2D座標系の形で記述されうる。この例示的な2Dローカルシステムを使用すると、セクタlaは、x>x1およびy>y1を有するセクタと定義でき、セクタ2aは、x<x1およびy>y1を有するセクタと定義でき、セクタ3aは、x<x1およびy<y1を有するセクタと定義でき、セクタ4aは、x>x1およびy<y1を有するセクタと定義できる。
【0055】
いくつかの実施形態では、このセクタ情報は、予め事前に定義されて、LAN-WAP内に格納されることが可能である。その他の実施形態では、このセクタ情報は、移動局108によって送信されたパケットの到着角度をLAN-WAPに推定させることによって決定されうる。この到着角度は、知られている技法を使用して、その複数のアンテナと、その信号処理能力とを使用して、LAN-WAPによって決定されうる。その他の実施形態では、セクタデータは、例えば、インターネットおよび/またはWANなど、LAN-WAP自体以外の異なるネットワーク(例えば、LANの外部のネットワーク)を介して提供されうる。かかる実施形態では、セクタデータは、バックエンドサーバ110によって提供されうる。
【0056】
移動局108に関して、いくつかの実施形態では、一般に、移動体デバイスに関連するコスト制約と空間制約とを考慮して、1本のアンテナだけを利用することができる。したがって、移動局は、その実際のアンテナに起因するパターンに基づいて送受信することが可能であり、したがって、ビーム形成を実行しない可能性がある。しかし、その他の実施形態では、より洗練された移動局は、移動局のアンテナ構成と信号処理能力とに応じて、電子ステアリングのためにビーム形成をうまく利用することができる。かかる実施形態では、複数のアンテナを有する移動局は、LAN-WAPからのビーコン/パケットの方向を推定するために、到着角度検出を実行することが可能である。
【0057】
最終的に、図5に示される実施形態は、例示と説明とを簡単にするために、二次元を有するセクタ指定だけを示す点に留意されたい。セクタ画定および/またはアンテナ走査は、所望される場合、三次元に拡張されうる点を理解されたい。
【0058】
図6は、1つの例示的なセクタ指向性位置決定アルゴリズムを示す流れ図600である。図6を参照すると、移動局108上で実装されうる1つの例示的な位置決定アルゴリズム。
【0059】
初めに、移動局108は、移動局の無線範囲内にある1つまたは複数のLAN-WAP311に対する(1つまたは複数の)距離を決定することが可能である(ブロック605)。この距離決定は、距離決定モジュール216を使用して、プロセッサ210によって実行されることが可能であり、前述のような任意の知られている技法を利用することが可能である。次に、移動局108は、ビーコン送信に関連するセクタを識別する追加の情報を含みうるビーコンを受信して、復号することが可能である(ブロック610)。より詳細には、それぞれのビーコンパケットは、前述のような、様々なタイプの情報を含みうる、セクタを識別する情報を含むことが可能である。このセクタ情報は、次いで、移動局108が、移動局108が使用できる基準フレーム内に移動局108が存在するセクタを知ることができるように、セクタ決定モジュール220内でさらに処理されうる(ブロック615)。例えば、このセクタ識別が整数として提供された場合、この整数は、標準座標系内でセクタの幾何境界を画定する座標を決定/記述するために使用されうる。もう1つの実施形態では、このセクタ情報は、LAN-WAPに参照されるローカル座標システム/ローカル基準フレーム内で提供されることが可能であり、これらのローカル座標は、セクタベースの測位モジュール222に提供されるのに先立って、共通基準座標システム/共通基準フレームに変換されうる。それぞれのLAN-WAPに対する(1つまたは複数の)距離と、移動局が存在するセクタとが識別されると、プロセッサ210は、移動局108の位置を決定するために、この情報を組み合わせることが可能である(ブロック620)。
【0060】
いくつかの実施形態では、移動局は、そのそれぞれが、そのそれぞれの有効範囲領域をセクタに分割できる、2つ以上のLAN-WAPからセクタ情報を受信することになる。移動局は、その位置の境界をより狭く画定するために、2つ以上の重なりのあるセクタによってカバーされる共通領域をさらに解決し、後で、その位置決定の精度および/または効率を改善することが可能である。移動局108は、セクタベースの測位モジュール222内で(1つまたは複数の)セクタのかかる組合せを比較することができる。この比較は、セクタのどの組合せが有効であるかを決定するために使用できる。例えば、一実施形態では、セクタベースの測位モジュール222内に含まれたデータは、データベース、有効なセクタ組合せ表、または有効なセクタ組合せの任意のその他の形のマッピングもしくは関連性を含みうる。その他の実施形態では、移動局は、例えば、それらの座標に基づいて、かつ/または、受信されたセクタのセットが有効であるかどうか、および/もしくはその距離推定とそのセクタ情報とに基づいて、可能性が最も高い位置はどれかを動的に演算することによって、受信されたセクタのセットが有効であるかどうか(例えば、有効なセクタ組合せ)を決定することが可能である。
【0061】
図7Aおよび7Bに示すように、このセクタ情報は、位置のあいまい性が発生したときに、それらを解決するために使用されることも可能である。この場合、2つのLAN-WAP311a、311bは、その有効範囲の領域をセクタ分割された領域に分割している可能性があり、移動局108は、上で図4の説明において既に説明されたような形で、LAN-WAP311aおよび311bと通信することが可能である。しかし、LAN-WAP311cは、例えば、雑音および/またはその他の要因の存在により、もはや、移動局108と通信していない可能性がある。
【0062】
移動局108は、従来の測距技法を利用して、LAN-WAP1 311aからの距離d1を測定することが可能であり、移動局108は、LAN-WAP2 311bから距離d2を測定することが可能である。しかし、従来の測位技法を利用するとき、移動局108は、その位置を一義的に決定することができない可能性がある。例えば、従来の三辺測量技法を使用すると、移動局108は、位置Aまたは位置Bのどちらかに位置付けられることが可能である。この例示的な実施形態では、移動局108は、上で図6において説明されたように、位置決定を実行するとき、セクタ情報を活用することによって、その位置を一義的に決定することができる。例えば、LAN-WAP311aおよびLAN-WAP311bは、それぞれ4本のアンテナを含むことが可能であり、これは結果として、それぞれが90度に広がる、4つのセクタをもたらしうる。LAN-WAP311aによってカバーされる領域は、セクタ1a〜4aに分割されることが可能であり、LAN-WAP311bによってカバーされる領域は、セクタlb〜4bに分割されることが可能である。
【0063】
図7Bは、2つのLAN-WAP 311a、311bからのセクタの交差部分を活用することによって、移動局の位置のあいまい性がどのように解決されうるかをさらに例示する。このシナリオでは、LAN-WAP311のそれぞれは、ラウンドロビン様式でそれぞれのセクタにビーコンを送信することが可能である。ビーコン信号は、それぞれのLAN-WAPに関して、移動局108が配置されたセクタを移動局108に知らせるセクタ情報を含みうる。移動局108は、LAN-WAP311のそれぞれからこれらのビーコン信号を受信して、移動局の境界が画定されている狭い領域を考慮して、より効率的かつ/またはより正確に位置決定を実行することが可能である。図7Bの例では、LAN-WAP311aおよび311bのうちの1つだけがその有効範囲の領域をセクタ分割された領域に分割する場合、移動局108は、依然として、その位置を一義的に決定することが可能である(例えば、MS108は、311aまたは311bから受信されたセクタ情報から、MS108が、それぞれ、セクタ4aまたは3bの中に位置付けられることを決定することが可能であり、位置Bは当該セクタの外部にあるため、考えられる位置として位置Bを除去することが可能である)。
【0064】
当業者は、情報および信号は、様々な異なる技術ならびに技法のうちのいずれかを使用して表されることが可能である点を理解されよう。例えば、上の説明の全体にわたって参照されうるデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、記号、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁場もしくは磁性粒子、光場もしくは光粒子、またはそれらの任意の組合せによって表すことが可能である。
【0065】
さらに、当業者は、本明細書で開示された実施形態に関して説明された様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、またはそれら両方の組合せとして実装されることが可能である点を理解されよう。ハードウェアとソフトウェアのこの交換可能性を明瞭に例示するために、様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップは、一般に、それらの機能性の点から上で説明されてきた。かかる機能性がハードウェアとして実装されるか、またはソフトウェアとして実装されるかは、特定のアプリケーションおよびシステム全体に課せられた設計制約に依存する。当業者は、それぞれの特定のアプリケーションに関して、説明された機能性を様々な形で実装することが可能であるが、かかる実装決定は、本発明の範囲からの逸脱を引き起こすとして解釈されるべきではない。
【0066】
本明細書で説明された方法論は、アプリケーションに応じて、様々な手段によって実装されることが可能である。例えば、これらの方法論は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはそれらの任意の組合せの形で実装できる。ハードウェア実装の場合、プロセッサ/処理ユニットは、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理デバイス(DSPD)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子デバイス、本明細書で説明された機能を実行するように設計されたその他の電子ユニット、またはそれらの組合せの中で実装できる。
【0067】
ファームウェア実装および/またはソフトウェア実装の場合、これらの方法論は、本明細書で説明された機能を実行するモジュール(例えば、手順、機能など)を用いて実装されることが可能である。本明細書で説明される方法論を実装する際、命令を有形的に実施する任意の機械可読媒体が使用できる。例えば、ソフトウェアコードは、メモリ内に格納されて、プロセッサ/処理ユニットによって実行されることが可能である。メモリは、プロセッサ/処理ユニット内で実装されることが可能であり、またはプロセッサ/処理ユニットの外部で実装されることも可能である。本明細書で使用される場合、「メモリ」という用語は、任意のタイプの長期的メモリ、短期的メモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、またはその他のメモリを指し、任意の特定のタイプのメモリ、もしくは任意の特定の数のメモリ、またはメモリが格納される媒体のタイプに限定されるべきではない。
【0068】
ファームウェアおよび/またはソフトウェアの形で実装される場合、これらの機能は、コンピュータ可読媒体上の1つもしくは複数の命令またはコードとして格納されうる。例は、データ構造を用いて符号化されたコンピュータ可読媒体、およびコンピュータプログラムを用いて符号化されたコンピュータ可読媒体を含む。コンピュータ可読媒体は、物理的なコンピュータ記憶媒体を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされることが可能な任意の利用可能な媒体であってよい。限定ではなく、例として、かかるコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROM、またはその他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置もしくはその他の磁気記憶デバイス、または命令もしくはデータ構造の形をとる、望まれるプログラムコードを格納するために使用されることが可能であり、かつコンピュータによってアクセスされることが可能な任意のその他の媒体を備えうる。本明細書で使用される場合、ディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(CD)、レーザディスク、光ディスク、デジタル多目的ディスク(DVD)、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、およびブルーレイディスクを含み、この場合、ディスク(disks)は、通常、磁気的にデータを再生し、一方、ディスク(disc)は、レーザを用いて、光学的にデータを再生する。上記の組合せも、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0069】
コンピュータ可読媒体上の記憶装置に加えて、命令および/またはデータは、通信装置内に含まれる伝送媒体上の信号として提供されうる。例えば、通信装置は、命令およびデータを示す信号を有するトランシーバを含みうる。これらの命令およびデータは、1つまたは複数のプロセッサ/処理ユニットに特許請求の範囲において概説される機能を実装させるように構成される。すなわち、これらの通信装置は、開示された機能を実行するための情報を示す信号を有する伝送媒体を含む。第1の時点で、通信装置内に含まれた伝送媒体は、開示された機能を実行するための情報の第1の部分を含んでよく、一方、第2の時点で、通信装置内に含まれたこの伝送媒体は、開示された機能を実行するための情報の第2の部分を含んでよい。
【0070】
したがって、本発明の一実施形態は、移動局と少なくとも1つの無線アクセスポイント(WAP)との間の距離の推定を決定して、そのWAPに関連するセクタを記述するセクタ情報を受信し、移動局の位置を決定するために、その距離推定とそのセクタ情報とを組み合わせるための方法を実施するコンピュータ可読媒体を含みうる。したがって、本発明は、例示された例に限定されず、本明細書で説明された機能性を実行するための任意の手段が本発明の実施形態の中に含まれる。
【0071】
前述の開示は本発明の例示的な実装形態を示すが、添付の特許請求の範囲によって画定された本発明の範囲から逸脱せずに、本明細書に様々な変更および修正が行われうる点を理解されたい。本明細書で説明された本発明の実施形態によるこれらの方法クレームの機能、ステップ、および/または活動は、任意の特定の順序で実行されなくてよい。さらに、本発明の要素は、単数形で説明または特許請求される場合があるが、単数形への限定が明示的に指定されない限り、複数形も企図される。
【符号の説明】
【0072】
100 動作環境
102 衛星測位システム(SPS)
104 広域ネットワーク無線アクセスポイント(WAN-WAP)
106 ローカルエリアネットワーク無線アクセスポイント(LAN-WAP)
108 移動局
110 測位サーバ
112 ネットワーク
202 (1本または複数の)アンテナ
204 (1つまたは複数の)広域ネットワークトランシーバ
206 (1つまたは複数の)ローカルエリアネットワークトランシーバ
208 SPS受信機
210 プロセッサ
212 運動センサ
214 メモリ
216 距離決定モジュール
218 アプリケーションモジュール
220 セクタ決定モジュール
222 セクタベースの測位モジュール
250 ユーザインターフェース
252 マイクロフォン/スピーカ
254 キーパッド
256 ディスプレイ
311 WAP

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動局の位置を決定する方法であって、
前記移動局と少なくとも1つの無線アクセスポイント(WAP)との間の距離の推定を決定するステップと、
前記少なくとも1つのWAPに関連するセクタを記述するセクタ情報を受信するステップと、
前記移動局の位置を決定するために、前記距離推定と前記セクタ情報とを組み合わせるステップとを備える方法。
【請求項2】
前記セクタ情報から、前記移動体が存在する前記セクタの幾何記述を決定するステップ
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記セクタ情報が、いくつかのセクタおよび指標、前記セクタの角度範囲を画定する値、ならびに/または前記セクタに関連する領域を画定する座標を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記座標が、前記少なくとも1つのWAPに関連するローカル基準フレーム内にあり、
前記ローカル基準フレーム内の前記座標を共通基準フレームに変換するステップをさらに備える、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つのWAPによって送信されたビーコン信号から前記セクタ情報を受信するステップ
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
複数のセクタに関連する情報を提供するビーコン信号を受信するステップであって、それぞれのビーコン信号がラウンドロビン様式で送信される、受信するステップ
をさらに備える、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
外部ネットワークを介して、バックエンドサーバから前記セクタ情報を受信するステップ
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
複数のWAPからセクタ情報を受信するステップであって、それぞれのWAPからの前記セクタ情報がそれらWAPと独自に関連付けられる、受信するステップと、
前記複数のWAPから受信されたセクタ組合せが有効であるかどうかを決定するステップと
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記セクタ組合せが有効であるかどうかを決定するステップが、
それらの座標に基づいて、受信されたセクタのセットが有効であるかどうか、および/または前記距離推定と前記セクタ情報とに基づいて、可能性が最も高い位置はどれかを動的に計算するステップを備える、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つのWAPにおける到着角度を推定するための信号を送信するステップと、
前記少なくとも1つのWAPから、前記推定された到着角度から導出されたセクタ情報を受信するステップと
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
セクタを使用して、位置を決定するための装置であって、
無線トランシーバと、
前記無線トランシーバに結合されたプロセッサと、
前記プロセッサに結合されたメモリであって、前記プロセッサに、
移動局と少なくとも1つの無線アクセスポイント(WAP)との間の距離の推定を決定させ、
前記少なくとも1つのWAPに関連するセクタを記述するセクタ情報を受信させ、
前記移動局の位置を決定するために、前記距離推定と前記セクタ情報とを組み合わせるための実行可能な命令およびデータを格納するメモリとを備える装置。
【請求項12】
前記メモリが、さらに前記プロセッサに、
前記セクタ情報から、前記移動体が存在する前記セクタの幾何記述を決定させる命令を含む、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記セクタ情報が、いくつかのセクタおよび指標、前記セクタの角度範囲を画定する値、ならびに/または前記セクタに関連する領域を画定する座標を含む、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記座標が、前記少なくとも1つのWAPに関連するローカル基準フレーム内にあり、前記メモリが、さらに前記プロセッサに、
前記ローカル基準フレーム内の前記座標を共通基準フレームに変換させるための命令を含む、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記メモリが、さらに前記プロセッサに、
前記少なくとも1つのWAPによって送信されたビーコン信号から前記セクタ情報を受信させる命令を含む、請求項11に記載の装置。
【請求項16】
前記メモリが、さらに前記プロセッサに、
複数のセクタに関連する情報を提供するビーコン信号を受信させる命令であって、それぞれのビーコン信号がラウンドロビン様式で送信される、受信させる命令を含む、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記メモリが、さらに前記プロセッサに、
外部ネットワークを介して、バックエンドサーバから前記セクタ情報を受信させる命令を含む、請求項11に記載の装置。
【請求項18】
前記メモリが、さらに前記プロセッサに、
複数のWAPからセクタ情報を受信させ、それぞれのWAPからの前記セクタ情報がそれらWAPと独自に関連付けられ、
前記複数のWAPから受信されたセクタ組合せが有効であるかどうかを決定させる命令を含む、請求項11に記載の装置。
【請求項19】
前記プロセッサに、前記セクタ組合せが有効であるかどうかを決定させる前記命令が、前記プロセッサに、
それらの座標に基づいて、受信されたセクタのセットが有効であるかどうか、および/または前記距離推定と前記セクタ情報とに基づいて、可能性が最も高い位置はどれかを動的に計算させる命令を含む、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記メモリが、さらに前記プロセッサに、
前記少なくとも1つのWAPにおける到着角度を推定するための信号を送信させ、
前記少なくとも1つのWAPから、前記推定された到着角度から導出されたセクタ情報を受信させる命令を含む、請求項11に記載の装置。
【請求項21】
セクタを使用して位置を決定するための装置であって、
移動局と少なくとも1つの無線アクセスポイント(WAP)との間の距離の推定を決定するための手段と、
前記少なくとも1つのWAPに関連するセクタを記述するセクタ情報を受信するための手段と、
前記移動局の位置を決定するために、前記距離推定と前記セクタ情報とを組み合わせるための手段とを備える装置。
【請求項22】
前記セクタ情報から、前記移動体が存在する前記セクタの幾何記述を決定するための手段
をさらに備える、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記セクタ情報が、いくつかのセクタおよび指標、前記セクタの角度範囲を画定する値、ならびに/または前記セクタに関連する領域を画定する座標を含む、請求項21に記載の装置。
【請求項24】
前記座標が、前記少なくとも1つのWAPに関連するローカル基準フレーム内にあり、
前記ローカル基準フレーム内の前記座標を共通基準フレームに変換するための手段をさらに備える、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記少なくとも1つのWAPによって送信されたビーコン信号から前記セクタ情報を受信するための手段
をさらに備える、請求項21に記載の装置。
【請求項26】
複数のセクタに関連する情報を提供するビーコン信号を受信するための手段であって、それぞれのビーコン信号がラウンドロビン様式で送信される、受信するための手段
をさらに備える、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
外部ネットワークを介して、バックエンドサーバから前記セクタ情報を受信する手段
をさらに備える、請求項21に記載の装置。
【請求項28】
複数のWAPからセクタ情報を受信するための手段であって、それぞれのWAPからの前記セクタ情報がそれらWAPと独自に関連付けられる、受信するための手段と、
前記複数のWAPから受信されたセクタ組合せが有効であるかどうかを決定するための手段と
をさらに備える、請求項21に記載の装置。
【請求項29】
前記セクタ組合せが有効であるかどうかを決定するための前記手段が、
それらの座標に基づいて、受信されたセクタのセットが有効であるかどうか、および/または前記距離推定と前記セクタ情報とに基づいて、可能性が最も高い位置はどれかを動的に計算するための手段をさらに備える、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記少なくとも1つのWAPにおける到着角度を推定するための信号を送信するための手段と、
前記少なくとも1つのWAPから、前記推定された到着角度から導出されたセクタ情報を受信するための手段と
をさらに備える、請求項21に記載の装置。
【請求項31】
機械によって実行されたとき、前記機械に動作を実行させる命令を備えた機械可読媒体であって、前記命令が、
移動局と少なくとも1つの無線アクセスポイント(WAP)との間の距離の推定を決定するための命令と、
前記少なくとも1つのWAPに関連するセクタを記述するセクタ情報を受信するための命令と、
前記移動局の位置を決定するために、前記距離推定と前記セクタ情報とを組み合わせるための命令とを備える機械可読媒体。
【請求項32】
前記セクタ情報から、前記移動体が存在する前記セクタの幾何記述を決定するための命令
をさらに備える、請求項31に記載の機械可読媒体。
【請求項33】
前記セクタ情報が、いくつかのセクタおよび指標、前記セクタの角度範囲を画定する値、および/または前記セクタに関連する領域を画定する座標を含む、請求項31に記載の機械可読媒体。
【請求項34】
前記座標が、前記少なくとも1つのWAPに関連するローカル基準フレーム内にあり、
前記ローカル基準フレーム内の前記座標を共通基準フレームに変換するための命令をさらに備える、請求項33に記載の機械可読媒体。
【請求項35】
前記少なくとも1つのWAPによって送信されたビーコン信号から前記セクタ情報を受信するための命令
をさらに備える、請求項31に記載の機械可読媒体。
【請求項36】
複数のセクタに関連する情報を提供するビーコン信号を受信するための命令であって、それぞれのビーコン信号がラウンドロビン様式で送信される、受信するための命令
をさらに備える、請求項35に記載の機械可読媒体。
【請求項37】
外部ネットワークを介して、バックエンドサーバから前記セクタ情報を受信するための命令
をさらに備える、請求項31に記載の機械可読媒体。
【請求項38】
複数のWAPからセクタ情報を受信するための命令であって、それぞれのWAPからのセクタ情報がそれらWAPと独自に関連付けられる、受信するための命令と、
前記複数のWAPから受信されたセクタ組合せが有効であるかどうかを決定するための命令と
をさらに備える、請求項31に記載の機械可読媒体。
【請求項39】
前記セクタ組合せが有効であるかどうかを決定するための前記命令が、
それらの座標に基づいて、受信されたセクタのセットが有効であるかどうか、および/または前記距離推定と前記セクタ情報とに基づいて、可能性が最も高い位置はどれかを動的に計算するための命令をさらに備える、請求項38に記載の機械可読媒体。
【請求項40】
前記少なくとも1つのWAPにおける到着角度を推定するための信号を送信するための命令と、
前記少なくとも1つのWAPから、前記推定された到着角度から導出されたセクタ情報を受信するための命令と
をさらに備える、請求項31に記載の機械可読媒体。
【請求項41】
前記少なくとも1つのWAPがフェムトセルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項42】
前記少なくとも1つのWAPがフェムトセルを含む、請求項11に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【公表番号】特表2012−509484(P2012−509484A)
【公表日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−537655(P2011−537655)
【出願日】平成21年11月20日(2009.11.20)
【国際出願番号】PCT/US2009/065333
【国際公開番号】WO2010/059940
【国際公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.GSM
3.ZIGBEE
【出願人】(507364838)クアルコム,インコーポレイテッド (446)
【Fターム(参考)】