低次元ナノ構造体を有する構造体の製造
複数の低次元構造体を有する構造体を製造する方法であって、2つ以上の低次元構造体を基板に接続させるフレキシブル素子(1b、14)を設けるステップを含む。フレキシブル素子によって、低次元構造体は、例えば、基板に対して略平行になるように再配向する。それに加えて、またはそれの代わりに、フレキシブル素子によって、互いに並んでいない低次元構造体は、同じ方向に配列する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、高アスペクト比を有する構造体を略非平面の構成から略平面配列に変換することに関する。本発明は、低次元構造体を含む構造体を略非平面の構成から略平面配列に変換することに関する。平面的な構成は、処理技術を用いて上記構造体の特性を故意に修正する必要があり、当該平面的な構成の適用は、当該処理技術がなければ不可能であるか、または技術的に極めて困難な問題を含む。
【背景技術】
【0002】
簡素化するために、本発明では、基板表面に対して略垂直に延びる高アスペクト比を用いて生成された構造体の例に焦点を当てる(すなわち、基板表面に対して垂直に延びる次元が、基板表面に対して平行に延びる次元の少なくとも1つよりもかなり大きい)。当該構造体の例は、限定されるものではないが、同時係属の出願である英国特許出願第0620134.7(英国特許出願公開GB2442768A)号明細書に記載されたナノワイヤ、ナノピラー、およびナノチューブ、またはフィン型構造体などの低次元の細長い構造体を含む。
【0003】
適当なエッチングマスクおよび反応性イオンエッチングなどの減法方法を用いて、ナノピラーが製造される。エッチングの特性により、ナノピラーは基板表面に対して垂直にその遠位側に向かって延びる。一方、ナノワイヤは、適当な金属触媒と組み合わせて、化学気相蒸着や分子線エピタキシなどの追加技術を用いて製造されることが多く、ナノワイヤが形成される基板の結晶方位によって決定される複数の異なる結晶方位に沿って成長することができる。しかし、十分に制御された再生可能なナノワイヤの成長は、多くの場合、1つの方向を除いた全ての成長方向にて抑制される。シリコンナノワイヤがシリコン面から離れるように成長する場合、4つの想定される成長方向のうちの1つ方向だけが、シリコン面に対して垂直であり、処理条件に対する高い制御は、一般に、基板表面から垂直に延びる主な成長方向によって反映される。上記構造体の形成後に、特定の装置(例えば、トランジスタ、ダイオード、センサ、レーザまたは発光素子)を得るために、特性を修正するためのリソグラフィー技術と併せて、以下の技術の少なくとも1つを使用することが望ましい。
【0004】
1.添加物(例えば、蒸着、転写)
・蒸着法は、限定されないが、直接熱蒸着または間接熱蒸着、スパッタ堆積、化学蒸着、スピンコーティング、およびインクジェット印刷を含む。
【0005】
・転写方法は、スタンプベース転写などの乾式転写、および所望の構造体が溶液の中から得られる湿式転写方法と同様の装置結合を含む。
【0006】
2.減法(例えば、エッチング、スパッタリング、溶解)
・エッチングは、湿式化学エッチング、および乾式エッチング(例えば、反応性イオンエッチング)を含む。乾式エッチング技術をスパッタリング技術と組み合わせてもよい。
【0007】
・スパッタリングは、イオンミリングを含む。
【0008】
3.その他(例えば、自己集合、化学的機能化、局所加熱、粒子への局所照射、機械ストレスへの局所照射)
・局所加熱は、エネルギー源の局部照射(例えば、集光レーザービーム、マスクを用いた選択照射)、または細長い小型構造体または当該細長い小型構造体内のセクションのエネルギー吸収特性によって生じる。
【0009】
・化学的機能化は、材料組成によって定義される細長い小型構造体の特定面の特性を利用する。
【0010】
・粒子に対する局部照射は、上述のリソグラフィー法を越えて、集光イオンビームを含む。機械的ストレスに対する局部照射は、インプリント技術を含む。
【0011】
上述した技術の多くが、平面の装置構成を必要としているか、もしくは当該装置から利益を得ており(ただし、等方性エッチング液および溶媒の使用、絶縁保護コーティング技術、熱酸化を除く)、最も一般的なものであるフォトリソグラフィーを含むリソグラフィー技術の大半も当然これに当てはまる。
【0012】
さらに、転換可能な構造体が形成される基板とは異なる、適当な基板上の所望の装置を得るために、上記技術のいずれかを使用するのが好ましい。これは、スタンプベース転写などの転写方法、または構造体として好ましい平面的な構成を固着させる直接装置の適用を必要とする。
【0013】
構造体が形成される基板の特性が所望のアプリケーションには適さず、一方、所望の装置がモノリシック集積化を達成するために所望の最終基板上に直接製造できない場合、当該転写は必要である。モノリシック集積化は技術的に不可能であるか、またはコスト効率がよくないので、実現可能ではない可能性がある。
【0014】
モノリシック集積化がコスト効率のよい選択肢ではない例として、MEMSセンサにおける相補型金属酸化膜半導体(CMOS)のモノリシック集積化があり、当該モノリシック集積化は、全基板領域を網羅しない高コストのCMOS処理を介して駆動する必要がある場合が多い。
【0015】
装置が集積される基板は、処理条件(例えば、高温ステップ)に耐えられない、(例えば、構造体不適合のため)十分な品質を保って必要な材料を外部基板に蒸着できない、または、処理工程が受信基板において予め製造された装置と適合しない(例えば、上記装置のメタライゼーション後の高温ステップまたはコンタミネーションの問題)ので、モノリシック集積化は、技術的に実現可能ではない。
【0016】
表示技術は、少ない熱量のガラス基板との構造体不適合により、非晶質ガラス基板における単結晶半導体の形成が阻害される例、および、高機能の半導体装置とは異なる機能を統合させるのに好適な例である。当該装置の例は、(相補型金属酸化膜半導体を形成する)npnトランジスタおよびpnpトランジスタ、圧力センサ(例えば、触覚インターフェース)、(例えば、表示部を周囲照明条件に適合させる)光センサ、ならびに、ガラス基板やプラスチック基板などの透明基板上の赤、緑および青の発光素子(LED)(例えば、放射装置)を含む。ガラス基板やプラスチック基板は、フレキシブルであってもよい。
【0017】
これらの装置は、細長い低次元の構造体を有し、この構造体は、適当な基板上に形成され、続いて、異なる基板上に転写され得る。細長い低次元の構造体を含む装置の例は、npnトランジスタ、pnpトランジスタ、センサ、キャパシタ、赤、緑および青のLEDである。受信基板の大分部がガラス、ポリマー、金属または半導体からなる。
【0018】
本明細書に使用する「低次元の構造体」とは、少なくとも1つの2次元未満の次元を有する構造体を指す。
【0019】
本明細書に使用する「細長い構造体」とは、2つの3次元未満の次元を有する構造体を指す。「細長い構造体」の定義は、「低次元の構造体」に含まれ、ナノワイヤは、低次元の構造体および細長い構造体である構造体の例として挙げられる。
【0020】
細長い構造体ではない低次元の構造体は周知である。例えば、「プレートレット」、すなわち、テープは、互いに同程度の2つの次元を有し、最初の2つの次元よりも大幅に小さい3次元(厚さ)は、「低次元の構造体」を構成するが、「細長い構造体」は構成しない。
【0021】
〔従来技術の説明〕
第1基板から第2基板に構造体機構を転写する方法は知られている。しかし、現在では、以下の要件の全てを満たすように、細長い/低次元の構造体を略垂直配向から略平面形状に変換するのに適した技術は存在しない。
【0022】
1.各グループ内の細長い/低次元の構造体からなる、または当該構造体を含む構造体の時空間配列が実質的に維持されている;
2.細長い、低次元の構造体の物理特性におけるコンプロマイズを必要としない;
3.追加のリソグラフィー技術を必要としない;
4.適当な次の処理技術を使用しながら、整列および配向を含む所望の平面形状を維持する。
【0023】
上述した1つ以上(好適には全て)の素子に対する制御は、このような細長い、または低次元の構造体の使用によって既存のナノテクノロジーを改良し、新たなナノテクノロジーを開発するために必要である。
【0024】
米国特許出願第7067328号明細書は、ナノワイヤをドナー基板(例えば、ナノワイヤが形成される基板)から受信基板に転写するための方法を開示している。接着層を受信基板に蒸着し、それをドナー基板と結合させることによって上記転写を実現することができる。ドナー基板および受信基板が接触している間に、互いを基準としてドナー基板と受信基板とを運動させることによって、受信基板における一定のナノワイヤの整列および配列が実現される。本方法には、ナノワイヤの部分配列を制御しにくいという欠点がある。特に、適合しにくい半導体ナノワイヤを転写する場合、この制御は極めて困難になる。例えば、80nmを越える直径を有するナノワイヤは折れやすい。
【0025】
米国特許出願第6872645号明細書は、細長いナノ構造体を第1基板から採取して溶液に投入し、第2基板とエラストマースタンプとの間に形成された流体チャネルに沿って溶液を流すことによって表面上の細長いナノ構造体を配置および配向するための方法を開示している。ナノ構造体は、流体の流れの方向に対応する好適な配向を有する溶液から第2基板に接着する。上記発明の欠点は、溶液の中からナノワイヤを集める手法、すなわち、空間配列、配向および密度に対する高度な制御力に関して困難が生じることにある。
【0026】
米国特許出願第7091120号明細書は、第1基板の平面に対して垂直な縦軸を有する、第1基板に接着されたナノワイヤの束上に、液体材料を配置する方法を開示している。そして、ナノワイヤに接着するように構成されたマトリックスに材料を結合させ、第1基板からナノワイヤを分離して、それらを第2基板に転写する処理の間に、ナノワイヤを支持する働きをさせるように、材料を処理する。
【0027】
また、米国特許第7091120号明細書は、基質材料に埋め込まれたナノワイヤ複合材料がブロックにリソグラフィーパターン化される処理まで広げて開示している。そして、埋め込まれたナノワイヤが第2基板の平面に対して平行な縦軸に沿って一列に並ぶように、ブロックを第2基板に取り付ける。しかし、上記発明は、平面配列の結果生じる再配向を促進する方法については開示していない。
【0028】
この制限を解決するために、米国特許第7091120号明細書に記載された方法における一実施形態では、整列された、またはランダムのナノワイヤ配列に、基質材料を一定方向に配置することによって、複合材料を形成する。方向性を有する基質材料の流れによって、ナノワイヤが第1基板平面に対して平行な複合材料内にて配向する。この手法は、十分に弾性のあるナノワイヤに限定されるので、米国特許第7067328号明細書と同様の制約があるという欠点がある。
【0029】
Angew. Chem. Int. Ed. 2005, 44, 2-5は、固定されたゲルマニウムナノワイヤを整列させる方法について開示している。ナノワイヤを含むサンプル上に水滴を落とし、窒素を用いて吹き飛ばす。ナノワイヤは、水滴の流れによって生じた方向に整列する。この方法は、十分な可撓性および長さを有するナノワイヤを必要とし、厚みが厚い、または極めて短いナノワイヤには使用できない。したがって、この方法も米国特許第7067328号明細書および米国特許第7091120号明細書と同様の欠点を有する。
【0030】
上記従来技術に加えて、同時係属の未公開英国特許出願第0620134.7号明細書は、封入された低次元構造体が異なる基板に転写されるように構成される方法を開示している。転写中に、細長い構造体の数、それらの整列、間隔、および配向が維持される。さらに、上記構造体は、減法(例えば、ドライエッチング)および追加技術(例えば、金属蒸着)と併せた従来のリソグラフィー方法によって装置に処理される。各装置における細長い構造体の数は、正確に制御される。一実施形態では、封入構造体が基板から分離しやすいように弱いジョイントを定義している。しかし、上記出願は、ナノ構造体を第1基板に対して垂直な配向から第2基板に対して平行な配向に再配向する方法については説明していない。
【0031】
米国特許出願公開第2006/0110738号明細書は、ベース構造体を有する「分子モータ」、およびベース構造体に対して回転し得る分子ロータを開示している。分子モータは、αサブユニットおよびβサブユニットからなるベース構造体と、ベース構造体に対して回転し得る「γサブユニット」とを有するF1−アデノシントリホスファターゼによって形成される。米国特許出願公開第2006/0110738号明細書は、γサブユニットの回転の検出を容易にするために、γサブユニットに金のナノワイヤを接着するステップを開示している。ナノワイヤは、光を散乱させ、この散乱特性は、ナノワイヤの回転角、γサブユニットの回転角に応じて異なる。他の実施形態では、ナノ粒子は、γサブユニットに直接接着されるのではなく、オリゴヌクレオチドまたは抗体に接着される。このいずれかが、その後γサブユニットに接着される。
【発明の概要】
【0032】
本発明は、低次元の細長い構造体からなる、または低次元の細長い構造体を含む構造体を非平面配向から略平面構成に変換するという課題に取り組むものである。
【0033】
本発明は、特に、低次元の細長い構造体からなる、または低次元の細長い構造体を含む構造体を略垂直配向から、以下の要件のいくつか、または望ましくは全てを満たすように略平面構成に変換するという課題に取り組むものである。
【0034】
1.各グループにおける低次元の細長い構造体からなる、または低次元の細長い構造体を含む構造体の空間配列および間隔を実質的に維持する。
【0035】
2.低次元の細長い構造体における各部分の物理特性における制約は、対象の装置の性能を決定するために必要である。例えば、所望の配向の変更に対応するために上記部分を修正する必要がない。
【0036】
3.追加のリソグラフィー技術を必要としない。
【0037】
4.配列および配向を含む所望の平面構成は、適当な次の処理技術を使用している間、維持される。
【0038】
不明瞭な記載を避けるため、「略直角の配向」または「略垂直な配向」とは、低次元の細長い構造体と面との間の最小角が45°を上回ることを指す。さらに、平面構成とは、構造体の最大次元(寸法)が基板面に対して平行に延び、最小次元(寸法)が基板面に対して垂直に延びることを指す。2つの最小次元が極めて似ている、または(細長い低次元構造体の場合のように)同じである場合、平面構成を得るために、2つの最小次元の1つのみが基板の遠位側に向かって垂直に延びる必要がある。
【0039】
本発明の第一実施形態は、複数の低次元構造体を有する構造体を製造する方法であって、低次元構造体の少なくとも2つを基板に接続させるフレキシブル素子(フレキシブルエレメント)であって、低次元構造体の本体部分とは異なる弾性を有する上記フレキシブル素子を設けるステップを含む方法である。
【0040】
本発明を利用して、例えばナノワイヤなどの細長い構造体のグループを含む構造体を再配向する。細長い構造体のグループは全て、略同じ方向に沿って延びている。フレキシブル素子を設けることによって、適当な力を構造体に加えて構造体を再配向させることができる。フレキシブル素子は、構造体を再配向させる間に、低次元構造体を基板に接続し続け、最終的に得られる装置に組み込まれてもよい(または、フレキシブル素子を取り除いてもよい)。再配向の後で、低次元構造体が、再配向が行われる基板表面に対して平行に延びる。さらに、既知の平面化処理技術を用いて装置を形成するように処理する。また、構造体を再配向した後で、他の基板に転写させてもよい。
【0041】
構造体が90°傾斜して再配向されるように、フレキシブル素子に十分な可撓性をもたせることが望ましい(すなわち、低次元構造体が、基板に対して垂直な位置から基板に対して平行な位置に再配向される)。しかし、実際は、低次元構造体が再配向されると、列の十分な再配向を妨げずに、低次元構造体のうちのいくつかと基板との間の接続がはずれる、および/または低次元構造体のうちのいくつかが基板への接続部の近傍にて壊れる可能性がある。
【0042】
フレキシブル素子は、低次元構造体の全て、またはほぼ全てを基板に接続させる。必ずしも、フレキシブル素子を用いて、各々および全ての低次元構造体を接続させなければならない、または接続させるという必要があるわけではない。例えば、低次元構造体のいくつかと基板との接続は、構造体の再配向の動作によって壊れる可能性があり、また、低次元構造体のいくつかと基板との接続は、構造体が再配向される前に、意図的に(または別に)分断されてもよい。最小として、構造体全体を再配向する方向を制限するために、フレキシブル素子を用いて低次元構造体の2つを基板に接続させる必要がある。
【0043】
フレキシブル素子を設けることによって、構造体の位置に対する制御を失わずに構造体の配向を変更することができる。
【0044】
本発明により、1方向以上に延びる低次元構造体を同じ方向に沿って並べることが可能になる。例えば、ナノワイヤが互いに不均一に並び、互いに違う方向に沿って延びるように成長した場合、本発明に係るフレキシブル素子を設けることによって、ナノワイヤが実質的に同方向に延びるようにナノワイヤを再配向することができる。この方向は、再配向を実施する基板表面に対して平行に延びる。低次元構造体は、装置を形成するようにさらに処理されるか、または他の基板に移される(低次元構造体が2つ以上のステップにて再配向されるということは想定され得る。例えば、第1ステップでは、互いに略同方向に沿って延びるように低次元構造体が再配向され、第2ステップでは、実質的に所望の同方向に沿って配置されるように低次元構造体が再配向される)。また、個々の細長い構造体がそれらの位置に対する制御を失わずに再配向されてもよい。
【0045】
フレキシブル素子は、2つ以上の低次元構造体に設置されるか、または低次元構造体に追加される。
【0046】
例えば、マスクを使用せずにフレキシブル素子を設置する図4または図5に示された方法を使用して、異なる方向に沿って延びるナノ構造体または他の低次元構造体を整列させるための本発明に係る方法の使用が可能になる。フレキシブル素子を設置するためにマスクを使用する必要がある方法は、異なる方向に延びる低次元構造体、または最長次元が基板表面に対して平行に延びていない低次元構造体に適用するのは困難である。
【0047】
本発明のさらなる利点は、ナノワイヤにおける残りの部分の特性を損なうことがなく、それ故に、ナノワイヤを内蔵する装置の性能を損なうことがなく、フレキシブル素子の機械特性および/または弾性を設計できることにある。例えば、Angew. Chem. Int. Ed(上記)などには、十分に小さい直径を有するフレキシブルナノワイヤが記載されていて周知であるが、これらのナノワイヤは、その長さに沿って均一の直径を有するので、ナノワイヤを内蔵する装置の性能が制限される。しかし、本発明に係る実施形態では、フレキシブル素子部分を形成しない低次元構造体の一部は、フレキシブル素子を形成するのに必要な処理ステップによる影響は受けない。さらに、フレキシブル素子部分を形成しない低次元構造体の一部が、フレキシブル素子におけるこの接合部を形成するために必要な処理ステップによる影響を受ける場合でも、(例えば、最終装置に必要な断面よりも大きい断面を有する低次元構造体を最初に製造することによって)ナノワイヤの製造初期段階において補正することができる。
【0048】
これに付随して生じる利点は、ナノワイヤまたは他の構造体におけるフレキシブル素子の位置とは関係なく、フレキシブル素子の特性を定義することができることにある。
【0049】
原理上は、低次元構造体が成長するにつれてフレキシブル素子が形成される。例えば、以下に示すように、低減された断面の次元(寸法)を有する部分を備える2つ以上のナノワイヤを設けることによって、フレキシブル素子が実現される。金属触媒を用いてナノワイヤを成長させる場合、ナノワイヤの成長中に使用される触媒金属の界面張力は、触媒とナノワイヤの既に成長した部分との接触領域に影響を与える。この接触領域がナノワイヤの直径を決定する。例えば、温度および/または気体組成の変更によって界面張力を変えることは、ナノワイヤの直径に影響を及ぼし、その長さに沿った他の位置でのナノワイヤの直径よりも小さい直径を有する部分にてナノワイヤを成長させることができる。しかし、概して、細長い構造体を成長させた後でフレキシブル素子を形成するほうが便利であると考えられる。
【0050】
上記方法は、異なる弾性を有するフレキシブル素子を低次元構造体の本体部に形成するステップを含む。
【0051】
上記方法は、各低次元構造体が基板表面から遠ざかる方向に沿って伸びるように基板上に低次元構造体を生成するステップを含む。各低次元構造体が基板表面に対して実質的に垂直に延びるように、基板上に各低次元構造体を生成するステップを含む。
【0052】
フレキシブル素子の設置は、低次元構造体の少なくとも2つにおいて、異なる弾性を有する第1部分を第2部分に設けるステップを含む。第1部分は、低次元構造体に沿った第2部分への異なる軸方向にて配置されている。フレキシブル素子の設置は、第1部分の領域の低減された第2モーメントを実現するか、またはより低い弾性率を選択するか、またはその両方を行うことによって、上記部分の剛性を他の部分よりも低減させるステップ、または他の部分よりも低い剛性を有する部分を形成するステップを含む。
【0053】
フレキシブル素子の形成は、少なくとも2つの低次元構造体において、低次元構造体の第1部分の断面次元を低次元構造体の第2部分の対応する断面次元よりも小さく構成するステップを含み、それによって、2つ以上の低次元構造体の第1部分がフレキシブル素子を含む。例えば、円筒形の低次元構造体の場合、フレキシブル素子の形成は、第1部分の直径を第2部分の直径よりも小さくするステップを含んでいてもよい。低次元構造体の一部の直径を低減することは、フレキシブル素子を得る簡単な方法であり、低次元構造体における低減された直径部分の長さおよび直径の適正値を選択することによって、フレキシブル素子の特性を選択できる。
【0054】
しかし、上記実施形態は、第1部分の直径を低減させる、すなわち、2つの次元のうち、第1部分の直径をより小さくすることに限定されず、第1部分の1つの次元のみを薄化することをも含む。上記実施形態は、方向性エッチング(例えば、物理スパッタリング、エッチング検出、または結晶配向に応じた速度の酸化ステップ)を用いて実現される。円筒形の低次元構造体に使用する場合、略長円形の断面を有する第1部分が得られる。
【0055】
正式な用語では、必要なことは、第2部分の断面よりも低い第2モーメントの領域を有する断面を備える第1部分を形成すること、または提供することである。
【0056】
上記実施形態を低次元構造体のグループに適用する場合、フレキシブル素子を形成するために、各低次元構造体の一部の断面次元を低減させなくてもよい。十分な数の構造体が十分に可撓性および強度を有する部分を備えるので、構造体全体のグループが再配向処理の間に基板に接続されたままであることに鑑みると、構造体が再配向されるときに低次元構造体の他の部分が破損する、または低次元構造体の他の部分が不用意に薄化されすぎても問題にはならない。
【0057】
上記方法は、低次元構造体の第1部分の円周部分を酸化し、酸化部分を除去するステップを含んでいてもよい。
【0058】
また、上記方法は、低次元構造体の第1部分をエッチングし、それによってその断面次元を低減するステップを含んでいてもよい。
【0059】
上記方法は、低次元構造体を覆うエッチングマスクを設けるステップを含んでいてもよい。上記エッチングマスクは、低次元構造体の第1部分を越えて延びない。エッチングされた低次元構造体部分の長さは、エッチングマスクによって設置される。
【0060】
上記方法は、低次元構造体を覆う第1マスキング層を設けるステップと、第1マスキング層を覆う第2マスキング層を設けるステップと、上記第2マスキング層をマスクとして用いて第1マスキング層をエッチングし、低次元構造体または各低次元構造体の第1部分から第1マスキング層を除去するステップと、第1マスキング層をエッチングマスクとして用いて低次元構造体をエッチングするステップとを含む。
【0061】
また、低次元構造体にフレキシブル素子を形成するステップは、低次元構造体の第2部分の断面次元を低次元構造体の第1部分の対応する断面次元よりも大きく構成するステップを含み、これによって、低次元構造体の第1部分がフレキシブル素子を有する。例えば、ナノワイヤの場合では、ナノワイヤは所望の可撓性を有するとともに、その長さに沿って略均一な断面を有するように最初に製造される。そして、追加の材料が他の部分ではなくナノワイヤの一部に蒸着され、材料が蒸着される部分の剛性を増大させ、材料が蒸着されない部分がフレキシブル素子を形成する。フレキシブル素子の特性は、適切な初期断面の選択、および材料が蒸着されない部分の適切な長さの選択によって選ばれ得る。
【0062】
低次元構造体の第1部分および第2部分は、互いに異なる組成を有する。例えば、第1部分は第2部分よりも速い速度にて酸化またはエッチングされるので、マスクを用いずにエッチングまたは酸化ステップにおいてフレキシブル素子を設置することができる。
【0063】
基板上に低次元構造体を設けるステップは、形成基板上に低次元構造体を形成し、次に低次元構造体を基板に接着するステップを含み、低次元構造体を基板に接着するステップは、低次元構造体よりも低い弾性率が低い接着材料を用いて低次元構造体を基板に接着させるステップを含む。これによって、接着材料がフレキシブル素子を形成する。
【0064】
上記方法は、形成基板から低次元構造体を分離するステップを含んでいてもよい。
【0065】
接着材料は、基板上に低弾性率を有する第1層と、第1層上に高い降伏強度を有する第2層とを備える。これによって、フレキシブル素子が機械的ひずみに対して適合性および抵抗性を有する。
【0066】
上記方法は、基板に対する傾斜角、低次元構造体の本体部分の角度を変更するために、構造体を再配向するステップを含む。上記方法は、各低次元構造体の本体部分が基板表面に対して略平行になるように構造体を再配向するステップを含む。
【0067】
上記方法は、基板に対して平行な非ゼロ成分を有する力を構造体に加え、構造体を再構成するステップを含む。
【0068】
上記力は、流体(気体または液体)の流れから生じるか、(固体または遠心力によって与えられる力を含む)機械力または静電力であるか、あるいは、液体の界面張力から生じる力であってもよい。
【0069】
上記方法は、構造体の再配向ステップ後に、基板に構造体を接着するステップを含んでいてもよい。
【0070】
低次元構造体は、基質内に封入されてもよい。例えば、参照によって本明細書に記載される同時係属の出願である英国特許出願第0620134.7号明細書に記載された方法のように、低次元構造体が2つ以上のグループに製造され、次に、低次元構造体のグループは、低次元構造体の1グループが低次元構造体の他のグループとは分離して封入されるように基質に封入される。
【0071】
上記構造体における上記低次元構造体は、互いに同一であるか、またはほぼ同一である。例えば、上記低次元構造体は、低次元構造体を形成するのに使用される製造工程における制作公差の制限内にて互いに同一であるという点で、名目上は互いに同一である。同様に、2つ以上の低次元構造体に低次元構造体の本体部とは異なる弾性を有する接合部を設けることによってフレキシブル素子を設ける場合、接合部、および低次元構造体における接合部の位置は、低次元構造体間にて名目上は同一である。
【0072】
上記方法は、複数の構造体を形成するステップであって、各構造体が各方向に沿って基板表面に延びる複数の低次元構造体と、2つ以上の低次元構造体を基板に接続させるフレキシブル素子とを有し、各構造体に関して、低次元構造体の本体部分が基板に対して共通の方向に沿って延びるように構造体を再配向するステップと、基板から構造体の中で選択されたものを除去するステップとを含む。
【0073】
上記方法によって、基板上に平行にできるだけ多くの構造体を製造することができ、所望の数の構造体を他の基板に転写することができ、構造体を無駄なく使用することができる。
【0074】
上記低次元構造体は、例えば、ナノワイヤ、ナノピラー、ナノチューブなどの細長い低次元構造体であってもよい。
【0075】
本発明に係る第二実施形態は、複数の低次元構造体を有する構造体を提供し、各低次元構造体が個々の方向に沿って基板表面に延びており、上記構造体が、2つ以上の低次元構造体を基板に接続させるフレキシブル素子をさらに含み、上記フレキシブル素子は、低次元構造体の本体部とは異なる弾性を有する。
【0076】
適当な力を構造体に加えることによって、フレキシブル素子が構造体を再配向させる。構造体を再配向しながら、フレキシブル素子は連続して低次元構造体を基板に接続させ、最終的に得られた装置に内蔵されてもよい(フレキシブル素子は、構造体が再配向された後で除去されてもよい)。
【0077】
上記低次元構造体は、ほぼ同じ方向、例えば、基板に対して垂直に延びてもよい。また、上記低次元構造体は、互いに異なる方向に沿って延びてもよい。
【0078】
上記フレキシブル素子は、低次元構造体の少なくとも2つにおいて、第2部分とは異なる弾性を有する第1部分を有し、第1部分は、第2部分とは異なる低次元構造体に沿った軸位置に存在する。
【0079】
上記低次元構造体の少なくとも2つにおいて、低次元構造体の第1部分が低次元構造体の本体部よりも小さい第2モーメント領域を有していてもよい。また、上記フレキシブル素子は、接着材料を含んでいてもよい。上記接着材料は、基板上に、弾性率が低く、より厚い第1層と、第1層上に、降伏強度が高く、より薄い第2層とを有する。(弾性率が低い場合、適合性および可撓性を有するようにフィルムを構成する必要があるが、降伏強度が高い場合は、フィルムが破損しないように構成する必要がある。概して、弾性率が高いと、降伏は弱くなる。弾性率が低く、かつ降伏を強くするためには、厚く、弾性率が低いフィルムを、極めて抵抗性の高い(すなわち、降伏が強い)コーティングによって被覆する必要がある。)
各低次元構造体は、例えば、ナノワイヤ、ナノピラーまたはナノチューブなどの細長い低次元構造体であってもよい。
【0080】
低次元構造体は、基質に封入されてもよい。
【0081】
本発明に係る第三実施形態では、装置は、基板、複数の低次元構造体、基板表面に対して実質的に平行に延びる各低次元構造体の本体部分と、2つ以上の低次元構造体を基板に接続させる接合部とを有し、上記接合部は、低次元構造体の本体部分とは異なる弾性を有する。
【0082】
上記装置は、基板表面に対して実質的に垂直に延びるように各低次元構造体を設けるステップと、接合部として、2つ以上の低次元構造体を基板に接続させるフレキシブル素子を形成するステップと、各低次元構造体の本体部分が基板表面に対して実質的に平行になるように構造体を再配向するステップとを用いて形成され得る。
【0083】
上記接合部は、少なくとも2つの低次元構造体と、第2部分とは異なる断面次元を有する第1部分とを有し、第1部分は、第2部分とは異なる低次元構造体に沿った軸位置に存在する。
【0084】
上記装置の活性領域は、上記接合部を有する。
【0085】
各低次元構造体の本体部分は、上記装置への電気的接点を有する。
【0086】
上記装置への電気的接点は、基板上に設けられる。
【0087】
また、上記装置の活性領域は、上記低次元構造体の本体部分に設置されていてもよい。
【0088】
上記装置は、トランジスタ、センサまたはメモリ装置を有する。
【0089】
各低次元構造体は、ナノワイヤ、ナノピラーまたはナノチューブなどの細長い低次元構造体であってもよい。
【0090】
上記低次元構造体は、基質に封入されてもよい。
【0091】
本発明の第一実施形態では、上記フレキシブル素子は、細長い低次元構造体と基板表面との間にフレキシブル接合部を有する。本発明の特徴は、近傍の細長い低次元構造体の特性とは関係なく、上記接合部の機械特性および/または弾性を設計することができることにある。したがって、上記低次元構造体が装置に組み込まれる場合、上記接合部の所望の機械特性および/または弾性を得るために選択されるフレキシブル接合部を設置する、各低次元構造体の部分の特性および/または次元とは関係なく、フレキシブル接合部を含まない、各低次元構造体の部分の特性および/または次元が、所望の装置性能を得るために選択される。
【0092】
フレキシブル素子の弾性は、低次元構造体における本体部の弾性とは異なる。
【0093】
さらに、フレキシブル素子の弾性は、フレキシブル素子の位置(例えば低次元構造体に沿った位置など)とは関係なく選択される。
【0094】
フレキシブル接合部は、以下の要件を満たす必要がある。
【0095】
1.十分な物理的強度を維持しなければならない。例えば、細長い低次元構造体を実質的に垂直の構成から実質的に平面的な構成に変えながら、細長い低次元構造体の特別な配列に対しての最小の制御を確保しなければならない。
【0096】
2.平面構成における低次元構造体を維持するために使用される力がフレキシブル接合部の回復力を超えるのに十分に可撓性を有する必要がある。上記力は、限定されるものではないが、分子間力、共有結合、金属結合、および化学結合、または構造体を所望の位置に維持する第2基板を含む。
【0097】
本発明の具体的な特徴では、適切な形状次元を選択する、例えば、基板に接続されている、基板に近接した細長い低次元構造体の部分を薄化させることによって、フレキシブル接合部の機械特性を設計する。上記薄化部分は、断面次元(例えば、その直径)および長さを変えることによって、機械特性を変更できるフレキシブル接合部を形成する。薄くすることは、熱酸化およびそれに続く酸化物の除去によって実行されるか、またはウェット化学エッチングやドライエッチングなどの化学エッチングによって実行される。低次元構造体に沿っていずれの断面よりも小さい細長い低次元構造体の底部における断面を生成するためには、以下の手法の少なくとも1つを使用することができる。
【0098】
1.薄化すべき細長い低次元構造体の部分は、使用する薄化処理に対してより感受性の高い材料からなる。例えば、薄化処理は、シリコンの熱酸化がドーピング濃度によって変化するという事実を利用してもよい。
【0099】
2.薄化されない細長い低次元構造体の部分は、他の材料によってマスク除去される。
【0100】
さらなる他の実施形態では、傾斜された構造体の弾性率よりも十分に弾性率が低い材料を用いて、フレキシブル接合部を形成する。例えば、傾斜された構造体が半導体材料からなる場合、フレキシブル接合部はポリマーからなる。
【0101】
本発明は、低次元の細長い構造体からなる、または低次元の細長い構造体を含む構造体を、1つの共通の配向から別の配向に変換することができるフレキシブル接合部を有する点が従来技術とは異なる。例えば、以下の基準のいくつか、または全てを満たすように、略垂直配向から略平面配向にする。また、共通の配向をもたない低次元の細長い構造体を共通の配向にする。
【0102】
1.各グループにおける細長い/低次元構造体からなる、または細長い/低次元構造体を含む構造体の空間配列および間隔を実質的に維持する。
【0103】
2.細長い低次元構造体の上記部分の物理特性についてのコンプロマイズを必要とせず、それによって、対象の装置の性能が決定される。例えば、これらの部分は、配向を適宜変更させるために修正する必要がない。
【0104】
3.フレキシブル接合部を設置するためにリソグラフィー技術は必要ではない。
【0105】
4.配列および配向を含む所望の平面構成は、適した次の処理技術を使用している間維持される。
【0106】
本発明の詳細な説明と図面とを組み合わせて、本発明の他の目的、特徴および利点をより容易に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0107】
添付の図面を参照しながら、例示を通して本発明の好適な実施形態を説明する。
【図1】正確に規定された点における所望の構造体の成長を可能にする触媒3を用いて低次元の細長い構造体1を製造する1つの方法を示す。
【図2】次の段階にて構造体1の底部を薄化させるためのマスキング層5および6の製造方法を示す。
【図3】パターン化犠牲層7を用いて、次の段階にて構造体1の底部を薄化させるためのマスキング層6の製造方法を示す。
【図4】マスキング層を使用せずに材料依存減法を用いて薄くなった部分1bの製造方法を示す。
【図5】マスキング層を使用せずに材料依存熱酸化を用いて薄くなった部分1bの製造方法を示す。
【図6】上記の例とは異なり、その形状によってではなく、その材料特性によって製造された可撓性ジョイントの製造方法を示す。上記可撓性ジョイントは、層11内部にて形成される。
【図7】可撓性ジョイントによって促進された本発明の所望の結果、すなわち、略垂直構造体(a)を略平面構造体(b)に変更することを示す。
【図8】流体配列を用いて図7に図示した構造体を得る方法を示す。
【図9】流体配列および平面を用いて図7に図示した構造体を得る方法を示す。
【図10】流体配列および傾斜した平面を用いて図7に図示した構造体を得る方法を示す。
【図11】流体配列および傾斜した曲面を用いて図7に図示した構造体を得る方法を示す。
【図12】液気界面17aによって誘発される界面張力を用いて図7に図示した構造体を得る方法を示す。
【図13】追加の方法を用いるとともに、構造体13のマスキング特性を利用して不均一のコーティングを得る方法を示す。図13(b)および(c)は、この実施例において導電性のある層18aおよび18bに十分な電位差が加えられた場合に、図13(a)における構造体が平面になる方法を示す。
【図14】構造体13のマスキング特性を利用して、追加の方法を用いて不均一のコーティングを得て、減法を用いて層18を生成する方法を示す。
【図15】平面を用いて図7に図示された構造体を得る方法を示す。
【図16】流体配列を用いてパターン化された接着材料19に覆われた曲面16bにおいて構造体13の平面配列を得る方法を示す。
【図17】流体配列を用いて接着材料19に覆われた構造体平面基板16bにおいて構造体13の平面配列を得る方法を示す。
【図18】図7に示されたものと同様の構造体を2つの端末装置に変換する方法を示す。この場合、薄化領域19aが最終的な装置の性能を決定してもよい。
【図19】図7に示されたものと同様の構造体をさらに処理し、構造体1bに沿って選択された領域を構造体1bに沿って埋め込む方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0108】
本発明の開示を3つの部分に分ける。
【0109】
1.フレキシブル接合部の概念および製造
2.平面構成を得るための方法
3.平面構造体の利点を利用した製造技術
添付の図面を参照しながら、例示によって本発明の好適な実施形態を説明する。
【0110】
第一に、細長い低次元の構造体の製造を示す:
初期段階において、複数の低次元構造体、本実施例では細長い構造体1を形成基板2上に形成する(図1)。低次元構造体は、接着処理によって形成基板2上に成長するか、または、リソグラフィーおよびエッチングなどの減法によって形成される。本実施形態では、細長い構造体1はナノワイヤであるが、本発明はこれに限定されない。
【0111】
本発明によると、例えば、同時係属の英国特許出願第0620134.7号明細書に記載の方法に従って、形成基板2上に形成された細長い構造体をグループにて配列してもよい。これによると、図1に図示されたナノワイヤがそのようなグループに類似する。この方法では、2つ以上の細長い構造体がされる場合、或るグループと隣接グループとの間隔は、グループにおいて隣接するナノワイヤ間の最大間隔よりも大きい。原則として、或るグループと隣接グループとは、基質の蒸着処理(以下に説明する)後に隣接グループと結合しないような間隔をとる。
【0112】
本発明に適した成長方法では、まず、図1(a)に示したように、ナノワイヤを成長させたい形成基板2における成長面の全ての位置に、適した触媒3を蒸着する。触媒3は例えば金属触媒である。触媒3は、例えば、サブミクロンリソグラフィー/インプリンティングおよびリフトオフの組合せ、または金属コロイド材料の蒸着によって蒸着される。
【0113】
続いて、図1(b)に示したように、触媒3を形成基板2における成長面に配置した各位置にナノワイヤ2を成長させる。ナノワイヤの成長は、触媒3が存在しないところには生じない。したがって、触媒3が形成基板2の成長面にグループにて配列される場合、形成基板に成長されたナノワイヤ1もグループにて配列されることになる。図1(b)は、線状に配列された或るグループのナノワイヤを示す。
【0114】
形成基板上に成長する低次元の構造体1は、一方向配向を有することが望ましい。図1(b)では、形成基板2に対して略垂直な縦軸に配向するように示される。
【0115】
さらに、ナノワイヤは、上方部材1aの組成などが下方部材1bとは異なるように構成されている。この構成は、ナノワイヤの底部を薄くすることを目的としており、マスキング層を使用する2つの実施形態(図2および図3)では任意であるが、マスキング層を使用しない実施形態(図4および図5)では必須である。
【0116】
代表的に、ナノワイヤの直径は200nm未満であり、長さは0.1〜100μmである。代表的に、グループにおけるナノワイヤのピッチは、1μm未満である。
【0117】
代表的に、ナノワイヤは半導体、金属または絶縁体からなる。
【0118】
本発明の基本原理は、低次元の細長い構造体のグループに限定されず、最小次元が基板表面に対して平行に延びるフィン状構造体などの低次元構造体をも含む。したがって、簡素化するため、本発明に係る全ての実施形態では、図1(c)に示したような(テープ状構造体の断面にも類似する)単一のナノワイヤへの適用について説明する。「テープ状」および「フィン状」という用語は、本明細書において、既定の基板とは異なる配向を示す。同時係属の英国特許出願第0620134.7号明細書では、「フィン状」構造体とは、基板表面に対して略平行に延びる最小次元を有する構造体を指し、「テープ状」構造体とは、基板表面に対して略垂直に延びる最小次元を有する構造体を指す。研究者によっては、配向に関わらず、これらの構造体を全て「テープ」と呼ぶ。
【0119】
図2および図3に示された実施形態は、図2(a)にて示されたナノワイヤ構造体の大部分を薄化処理から保護するマスクを生成する方法を示す。
【0120】
図2(a)のナノワイヤ1は、例えば、化学蒸着などの略等方性蒸着などを用いることによって第1マスキング層5および第2マスキング層6に封入される(図2(b))。例えば、図1(b)に示されたナノワイヤグループが回転する場合、両方の層の厚さの合計が、フィン状構造体を形成するナノワイヤ間の間隔を超えるように構成することが望ましい。これについては、同時係属の出願の英国特許出願第0620134.7号明細書にさらに詳しく説明されており、当該出願の内容は参照により本実施形態に含まれる。
【0121】
次に、異方性エッチングを用いて、層6のナノワイヤ側面以外の部分を取り除く(図2(c))。層6は、ナノワイヤの底部を露出する次の異方性エッチングの間に、層5を保護するマスキング層として機能する。殆どの場合、上記次のエッチングは、図2(d)に示したようにナノワイヤの上部をも露出させる。層5の厚さおよび異方性エッチングの程度が、ナノワイヤの露出底部の高さを決定することは重要なポイントである。続いて、異方性エッチングを用いて、フレキシブル素子を生成するのに適した直径になるようにナノワイヤにおける露出底部を薄くし、構造体および基板の残りとのフレキシブルジョイントの役割を果たすように構成する(図2(e))。最後に、層6の残り部分が厚すぎて、薄くなった底部を破壊しないと構造体を回転させることができない場合、層6の残り部分を薄くするか、または図2(f)に示したように完全に取り除く。任意に、層5の残り部分を薄くする、または取り除いてもよい。
【0122】
上記実施形態の変形例では、図2(d)に示されたステップ後で、かつ図2(e)に示された薄化前であるナノワイヤの薄化処理の前に、層6を取り除く。
【0123】
層5および6をエッチングするのに使用されるエッチングのエッチング率は、ナノワイヤの材質に応じて任意に変更する必要がある。さらに、層5をエッチングするのに使用されるエッチングのエッチング率は、層6の材質に応じて任意に変更する必要がある。
【0124】
ナノワイヤがシリコンからなる場合、例えば層5は二酸化珪素からなり、層6はシリコンからなる。
【0125】
本発明の好適な実施形態では、図2(a)に示されたナノワイヤは、二酸化珪素などの薄い誘電体層に被覆されており(図示せず)、層5は、高ドープシリコンなどの導電性材料からなり、層6は、層5のエッチングに十分に耐えるのに適した材料からなる。ナノワイヤ底部を薄化するのに使用するエッチングを用いて層5をもエッチングする場合、層5は十分に厚くなければならない。この場合、層6は、次の薄化処理中には必要ではなく、取り除かれてもよい。
【0126】
第二実施形態(図3)では、フレキシブル素子を形成する薄化したナノワイヤ底部の長さは、層5の厚さに優先して決定されるのではなく、成長基板を被覆する誘電体層7によって決定される(図3(a))。触媒3は、例えば、同時係属の出願の英国特許出願第0620134.7号明細書に記載されたように、上記層の中に形成された開口部の中に注入される。層7は、複数の層からなる。続いて、ナノワイヤ1が作られ、層5に被覆され(図3(b))、層6に被覆される(図3(c))。
【0127】
層7は、二酸化珪素または窒化珪素であり、層5は二酸化珪素である。ナノワイヤがシリコンからなる場合、層5は熱酸化によって生成される。層6は、シリコンからなる。続いて、層6におけるナノワイヤ1の側面以外の全ての部分を除去するのに適した異方性エッチングを選択することにより、層7を露出させる(図3(d))。ここで、等方性エッチングを用いて層7を除去する(図3(e))。この時点では、ナノワイヤ1の底部は層6の何らかの材料によって未だ被覆されており、これを、等方性エッチングを用いて除去する必要がある(図3(f))。続いて、等方性エッチングを用いて層5の底部を除去する(図3(g))。本実施形態では、ナノワイヤの底部の材料を異なる材料8に変換し、続いて除去することによって底部を薄化させる。一方、他のナノワイヤは殆ど影響を受けない。例えば、ナノワイヤがシリコンからなり、層5が二酸化珪素、層6がシリコンからなる場合、二酸化珪素は熱酸化処理によって形成される。この具体的な実施例では、層6も酸化される(図3(h))。最後に、未変換のナノワイヤ材料を除去せずに材料8を除去する(図3(i))。ナノワイヤ材料(例えばシリコン)を異なる材料(例えば二酸化珪素)に変換し、続いて除去するステップを何度も繰り返す。
【0128】
この時点では、シリコンの熱酸化は、酸化されるシリコン表面の湾曲だけでなく、ドーピング不純物によっても変化する。凹形の底部での酸化速度を速め、その底部(ナノワイヤが基板と結合する部分)でのナノワイヤを介したピンチングを補正するためには、部分1aに沿った酸化速度が、ナノワイヤが基板と結合した箇所での酸化速度よりも速くなるように、適切なドーピングを選択することによって酸化を高めることが好ましい。
【0129】
図2および図3に記載された手法の異なる形態を組み合わせることができる。特に、ナノワイヤ底部の異なる材料特性(図3における1b)の選択を図2の方法に適用し、図2に示された薄化処理に利用してもよい。逆に、図3の方法を、ナノワイヤの長さに沿った均一な材料特性を有するナノワイヤに使用してもよい。同様に、層5が層7をも覆うように層5を生成する蒸着処理を選択することによって、薄化底部の長さを長くしてもよい。さらに、上述したエッチング処理の代わりに、またはそれに加えて、熱酸化を利用して図2に使用する薄化処理を促進してもよい。
【0130】
図2および図3に図示された2つの実施形態は、フレキシブル素子を得るための異なる方法についても示している。図2(d)および図3(g)の低次元構造体1が十分に可撓性を有するように成長したら、追加の層5および層6が構造体の上部領域の第2モーメントを効果的に増大させる。例えば図2(a)〜図2(f)に示された全工程は、フレキシブル接合部を形成しようとする部分には材料を加えず、低次元の構造体の一部に材料を加える(それによって、その可撓性を低減させる)ことに相当する。用語上では、層5および層6は、細長い低次元構造体の一部だと考えられるように十分に薄いという仮定が得られる。
【0131】
共形蒸着処理を用いることによって、低次元構造体1を全構造体の中心に配置できる。構造体が意図せず湾曲された場合、低次元の構造体の領域がいわゆる中立ファイバに沿って配置され、上記中立ファイバの周りの領域が全構造体においてひずみが最も小さい。したがって、(フレキシブルディスプレイのように)基板が湾曲された場合、(ひずみを最小化する)剛性基質は、低次元の構造体が基質の中心に位置する間、装置の性能への影響が最も低い。
【0132】
最後に、全ての低次元構造体が図1に示されたように列に沿って生成され、それらを封入するために共形蒸着処理を行う場合(図2および図3)、全ての低次元構造体が、基質材料に関して各フィン状構造体の同一面に優先的に「位置する(sit)」。これにより、一旦フィンが基板(例えば、低次元構造体の部材を露出するため、および次の接触を生成するための接触領域の開口部)に平らに配置されるように回転すると、次の処理ステップが容易になる。フィンを減法技術によって製造する場合には、この精度を実現するのは困難である。というのも、図1〜3に示したような高アスペクト比の構造体を形成するためには、エッチング抵抗性を有し、所望の異方性エッチングに耐えるエッチングマスクを必要とするからである。
【0133】
第二実施形態では、ナノワイヤの底部がナノワイヤの残りの部分よりも速く薄化されるようにナノワイヤ1bの底部の材料特性を選択する。したがって、薄化処理の前に適切なナノワイヤの直径を選択する場合、ナノワイヤの部分1aおよび1bは、薄化処理後に所望の直径となる。
【0134】
図4は、ナノワイヤの部分1bよりも大幅にゆっくりとナノワイヤの部分1aをエッチングするエッチングの使用について示されている。図5は、ナノワイヤ底部1bの材料を、ナノワイヤの他のいずれの部分よりも速く異なる材料9に変換する処理の使用について示している。続いて、材料9を除去する。シリコン製のナノワイヤの場合、適した変換処理は熱酸化であり、これは部分1bが適切にドープされると加速する。ドーピング濃度が酸化速度に影響を与えることは周知の現象であり、平面構造体のために観察されてきた。酸化速度は、温度、酸素の部分圧、気体組成(例えば、水の存在)だけでなく、酸化すべきシリコン材料、特に結晶方位、ドーピング濃度、ドーパントの種類、表面曲率、および既に成長した酸化物の厚さによって変化する。上記全ては十分に研究された現象である。
【0135】
図4および図5の方法では、フレキシブル素子を形成しない低次元の構造体における部分1aの横断面が、エッチングまたは酸化処理の間に低減する可能性が高い。低次元構造体が成長するとき、エッチング/酸化後に特定の用途のために所望の横断面を有する部分1aを導くと考えられる次元まで低次元構造体を成長させることによって補正することができる。
【0136】
上述した手法を使用して、所望のフレキシブル素子の機械特性をその形状次元から規定する。また、より低い弾性率の材料を用いて、所望の特性を有するフレキシブル素子を規定してもよい。ポリマーなどの低い弾性率の材料は、ナノワイヤの成長とは互換性をもたず、フレキシブル素子は、元のナノワイヤに沿っては形成されない。したがって、異なる手法を選択する(図6)。
【0137】
第一に、底部に弱いジョイントを有する構造体10(必ずしもフレキシブルである必要はない)を適した形成基板上に形成する(図6(a))。また、低い弾性率の接着材料11を用いて基板12をコーティングする。低い弾性率の接着材料が構造体10と接触し、十分な力が加えられると、構造体10の底部が砕けて形成基板から分離し、層11によって基板12に接着される(図6(b))。ここで、フレキシブル素子の特性は、構造体10と近接した低い弾性率の接着材料11の特性、すなわち、その弾性率、その厚さ、および構造体10への接着強度によって決定される。
【0138】
低い弾性の接着材料11は、ポリマーであってもよく、より詳しくは架橋ポリマーであってもよい。
【0139】
低い弾性率の接着材料11は、1つ以上のポリマー層、例えば構造体10に対向する層が、この層と基板12との間に挟まれた層よりも極めて薄く、より大きい降伏強さを有する。このようにして、接着二重層システムは、(厚く柔らかい層によって決定される)そのコンプライアンスを維持し、一方、(薄く堅い層によって決定される)構造体10によって挿入された機械的ひずみに対する抵抗性がより高い。
【0140】
図6に示された手法は、ナノワイヤの底部を薄化する十分な処理を行うことができない場合、特に好適である。たとえばGaNなど、化学的に極めて安定した材料が適する。
【0141】
簡潔にするため、単一の低次元構造体を参照しながら、フレキシブル素子を形成する方法について説明する。基板に対する低次元構造体に本発明を適用する場合、低次元構造体の全て、または実質的に全てがフレキシブル素子を有していてもよい。しかし、上述したように、必ずしも各低次元構造体にフレキシブル素子を備える必要はなく、低次元構造体のうち2つのみにフレキシブル素子を備えさせれば十分であり、低次元構造体が再配向される方向に拘束することができる。
【0142】
次に、平面構造体を得る方法について説明する。
【0143】
図7(a)に示した構造体13に適用される実施例を用いて、本発明に係る好適な実施形態を説明する。
【0144】
構造体13を略垂直配向(図7(a))から略平面配向(図7(b))に変換するために、以下の要件を満たす必要がある。
【0145】
1.フレキシブル接合部、例えば、仮想軸などの、構造体13を回転させる接合部を提供するフレキシブル素子を配置する必要がある。
【0146】
2.基板表面に対して平行に構造体を動かすように方向付けられ、平面構造体に変換される構造体に適用される力定数を必要とする。傾斜する構造体は、平面構造体を得るために表面から遠ざかるように必ずしも垂直に延びる必要はない。特に、複数の低次元構造体がテープまたはフィン構造体として基質に封入される場合、テープ/フィン構造体は、基板への固定方法によって二方向にしか傾斜できないので、特別な形状をとる。流体配列を使用する場合、最小領域が流体に露出するように傾斜する(当然のことながら、フレキシブル接合部はチャージングスプリングのように機能するので、理論上は、完全に平らに配置されることはない)。フィン構造体は、その長さに沿った固定は、フィン構造体がフィンに対して垂直な軸の周りに傾斜するのではなく、基板に対して平行な軸の周りに傾斜することを意味するので、基板におけるその長次元に対して垂直にのみ傾斜することができる。フィン構造体の最長次元は、フィンに含まれるナノワイヤの数および間隔によって規定される。言い換えれば、同じフィン/テープ内部にて他のナノワイヤの固定点に対して傾斜しない(フレキシブル接合部の長さが(基板に対して垂直な方向に)大きすぎることを仮定する、および降伏や破裂など、接合部の不可逆的な変形を仮定する)。
【0147】
3.構造体が所望の平面構成から出るように再配向させる力(例えば、湾曲されたフレキシブル接合部から生じる復元力)は、構造体をその平面構成に維持する力を超えてはならない。
【0148】
構造体の次の回転のための仮想軸の点を決定するためにフレキシブル接合部14をどのように規定するかについて、前述の実施形態における実施例を用いて説明した。
【0149】
以下のうちの少なくとも1つを利用する手法に限定されないが、配向が行われる基板表面に対して平行に働く力成分が促進される可能性がある。
【0150】
1.液体の動き(例えば、流体配列)
2.気体の動き
3.固体の動き(例えば、ラム状構造体またはスタンプ状構造体)
4.界面張力
5.遠心力
6.正の直線加速度または負の直線加速度
7.静電気力
8.重力
9.磁力
回転した構造体をその平面構造体に維持する力は、限定するものではないが、以下を含む。
【0151】
1.分子間力
2.イオン結合
3.金属結合
4.水素結合(特別な場合は分子間力)
5.永久双極子の相互作用
6.陽イオン/pi−電子の相互作用
7.共有結合
8.所望の位置に構造体を保持する第2基板
十分に弾性率が低い材料を選択する(図6)、または薄化部分の割合に適切な直径までナノワイヤの底部を薄化して、その湾曲によって生じた復元力が構造体を定位置に保持する力のいずれかよりも小さいように構成する必要がある。
【0152】
図8には、構造体13をより平面の構造体にするために気体または液体を利用することが図示されている。構造体を平面構成にするために使用する(矢印の密度によって表した)媒体の流体率が、基板15に対する構造体13の傾斜を決定する(図8(a)および図8(b))。流体率が十分に大きい場合、構造体13は平面位置をとる(図8(c))。
【0153】
(矢印で表される)一定の気体または液体の流れを使用する場合、基板16を基板15の近くに運ぶことによって流体率および構造体13の傾斜が増大する(図9(a)および図9(b))。この実施例では、最終的に基板16を使用して基板16と構造体とを接触させるので、構造体が所望の平面配向に配向するまで流体率を上げる必要はない(図9(c))。構造体13を平面配向にした後で、基板16を取り除きたい場合は、平面基板16の代わりに、図9(a)〜図9(c)に示したようなパターン化表面(図示せず)を使用する方が好適であることもある。パターン化表面は、接触領域を減らし、基板16を除去する場合に基板16と基板13との表面引力の衝撃を緩和する働きをする。
【0154】
図10の連続画像は、液体の流れが傾斜した基板16aによって生成される方法を表す。基板16aは、基板15の一側面に接触し、傾斜する構造体13と接触する。基板15と16aとの角度が減少するにつれ、基板に封入された液体の流れが生じる。この流体率は、基板15と基板16aの間の角度が低減された角速度によって変化する。大きい矢印は基板16a表面の動きの方向を表す。小さい矢印は、液体の流れの方向を表す。
【0155】
図11の連続画像は、前述の実施形態の変形例であり、平らな基板表面16aの代わりに湾曲した基板表面16bを用いる(例えばシリンダによって実現する)。大きい矢印は、湾曲表面16bが回転しながら運動する動きの方向を示し、小さい矢印は、液体の流れの方向を表す。
【0156】
固形の基板(16、16a、または16b)を使用して液体の流れを生じさせる実施形態のいずれかでは、弾性基板を使用する、または基板16、16aもしくは16bの表面を被覆することが好ましい可能性がある。これによって、基板16、16aまたは16bが構造体13と接触した場合に構造体13における過度の緊張が低減され、(図面の平面に対して垂直に突出する)基板15、16、16aまたは16b間の連続した接触領域が形成され、それによってより均一な流体率が得られる。
【0157】
図12は、液体/気体接触面17a(点線)の界面張力を利用して構造体13に力を加えることができる。上記を起こすためには、液体表面が構造体13に非対称の力を加える必要がある。すなわち、一側面に対する力(例えば、図12(a)の右側)がもう一側面に対する力を上回る。図12に示した一例では、液体17を構造体13の右側に配置することによって矢印で示した方向に働く構造体13への力が生じ、上記が達成される。
【0158】
例えば、異方性加法混色(異方性追加処理)によって構造体の一側面の表面特性を変更することによって、液滴を一側面にのみ配置することができる(図13(a))。異方性加法混色において、構造体13の一側面、および構造体13の同側面に延びる基板15の表面にのみコーティング18を加える(図13(a)の右側)。また、図14に示したように、均一なコーティング18を蒸着し、異方性減色法を用いて部分的に除去してもよい。どちらの方法でも、構造体13はマスクとして機能する。被覆領域18aおよび18b(図13(a)および14(b))が構造体13の右側において親水性を有し、被覆されていない領域が親水性を有し、さらに、図12の極性液体(例えば水)が使用されると仮定すると、極性液体の液滴が図12(a)における構造体13の右側にのみ配置され得る。
【0159】
蒸発により液滴の体積が減ると(図12(a)および図12(b))、液体−気体表面が小さくなり、構造体13に作用する力の方向が変化し、その最大次元が基板15の表面に対して平行に延びるまで、基板15に向かってその表面を傾斜させる。
【0160】
さらに、図13(a)および図14(b)における構造体13を傾斜させるために、静電力を用いてもよい。ナノワイヤにおける薄化底部が十分に抵抗性をもち、層18aおよび層18bが十分に導電性を有すると仮定すると、層18bに印加される高速電圧パルスは、層18aと層18bとの間に一時的に電界を生成する(構造体13の全体が導電性を有すると仮定すると、基板におけるR=抵抗性、構造体13におけるC=電気容量として、時間数R×Cによって決められるもの)。図13の連続図に示されたように、結果生じる力を利用して、層18aを層18bに接触させることができる。
【0161】
本発明に係る他の実施形態では、基板16が構造体13に近づき、また同時に、基板15に対して横方向に変位する。構造体13の傾斜が十分になると、構造体13が基板15の表面に平面的に配向されるまで、横方向の動きは停止する。
【0162】
ここで、構造体13と基板15との間の接着が十分に強い場合、基板16を取り除いてもよい(図15(d))。この場合、図15に示したような平面基板16の代わりにパターン化表面を有する基板(図示せず)を用いた方が好ましいとも考えられる。パターン化表面は、接触領域を低減させ、基板16を取り除くときに基板16と平面構造体との間の表面引力の衝撃を緩和する。
【0163】
また、基板16と構造体13との間の接着力が、基板15と構造体13との間の接着力を超えるだけでなく、フレキシブル接合部を破壊するのに十分であるように構成されている場合、構造体13が基板16に移される。基板16の材料に適した接着材料として機能するものを選ぶ(例えば、ポリマーなど)か、または基板16を接着材料で被覆するかによって、上記転写を促進する(これは、図9の基板16、図10の基板16a、および図11の基板16bにも適用できる)。
【0164】
複数の構造体13を基板15から新たな基板16b、16cに転写する場合、全ての構造体13を基板16b、16cに転写することが望ましいとは限らず、そのうちのいくつかのみを転写することが望ましいこともある。この場合、既定の領域における基板16b、16cの接着力を修正するか、または上記構造体13のいくつかのみを転写すべき基板16b、16cに接触させるように表面のトポグラフィーを変更することが望ましい。図16には、上記のように曲面16bがパターン化接着材料19に被覆されている形態が示されている。図16は、図11に記載の処理と組み合わせられ、パターン化接着材料を用いて、平面配向を生じさせる基板に構造体を転写するという図15(e)の概念を有する構造体13を再配向させる。次に、曲線基板から他の平面基板に構造体を転写させる。このようにして、最終基板は、基板15において得られたものよりも密度の低い構造体13に装着される。
【0165】
図17に示した形態では、接着層19aに覆われた非平面を有するパターン化基板16cを用いて、構造体13のうちのいくつかを転写させる。矢印は、基板16cの動きを示す。層19aはポリマーであってもよい。
【0166】
また、特に全ての構造体13が基板15に対してすでに平面に配向されていた場合、全ての構造体13または選択された構造体を平面基板に転写させることが望ましい。図17に図示された例では、パターン化基板16cを適した接着材料で均一に被覆し、既に基板に対して平行に配向された構造体13と接触させる。この例では、構造体を基板15に対して平行に配向するステップと、構造体を基板16に転写させるステップは別のステップであるが、図16の実施例では、これらのステップを1つの工程に統合している。
【0167】
図17では、接着被膜19aは、基板16cの凹部が接着被膜19aの塗布工程のときに接着材料で埋まらないように薄くする必要がある。これにより、基板16cの表面トポグラフィーを効果的に平面化することができるからである。
【0168】
図16および図17は、選択された構造体が基板に移される2つの具体的な実施例を示している。転写しようとする構造体のみがスタンプと接触するように確保することを基本としており、十分に薄い接着材料によって構造体化表面を被覆する(図17)、または十分に薄い接着材料を構成する(図16)。例えば、既定の領域のみにおけるスタンプの表面の化学特性/接着特性のみを変更するか、または転写される構造体の表面の化学物質(図示せず)または上述した方法の組合せを変更する。
【0169】
図17(a)は、本発明のさらなる好適な形態を表す。低次元構造体をグループとして封入するという、同時係属の出願である英国特許出願第0620134.7号明細書に記載された技術と組み合わせて利用する場合である。全ての細長い構造体の最も大きいものが基板表面に対して平行になるように回転させた後で、全ての細長い構造体が同一平面上に存在する。全ての細長い構造体の(横方向だけでなく、垂直方向における)正確な位置、および配向についての知識があることで、次の処理ステップの実施が容易になることから、上記技術は重要な意味をもつ。
【0170】
図18は、最終のアクティブデバイス領域を薄化およびひずみを有する部材1a内に形成させ、より厚い領域1bおよび層21を使用して1aとの電気接触を形成するという実施例を示す。部分的に(たとえば図2(e)または図3(i)の層5および層6に対応する)層23および層24を取り除き、導電材料25を加えることによって、1bに接触させることができる(図18(b))。層20および層22は、電気的に絶縁されており、一方、層21は、パターン化され、十分に導電性をもっている必要がある。図18の実施例では、層20、21、22は、構造体13を製造するときに基板上に存在する。しかし、低次元構造体を再配向した後で基板上に接触層を設けてもよい。
【0171】
図19は、材料23を部材23aにパターン化してマスクとして利用し、非薄化部位1bの両端にドーピング原子を注入し、一方で、23aの直下にある部位1bには作用させない形態について示している。その後、構造体をトランジスタやセンサ、メモリ装置などの作業装置に処理して基板上に残す、または所望の基板に転写させる。
【0172】
図7〜図19は、図2〜5の方法によって得られる構造体の再配向について示している。同様の方法を図6の方法によって得られる構造体に適用してもよい。低次元の構造体が構造体10の本体から突出する(図7では図示せず)場合、より厚い基質のみが接着層に接着されるように構造体を傾斜させると、突出部が破損して構造体から分離する可能性がある。構造体が傾斜して倒れると、接着層11を有する接触領域がより大きくなるように変化すると考えられ、一方、初期接触領域(表面)が、第1平面において、もはや接触層11と接触しない。堅いおよび/または薄い接着層の使用により、それらを傾斜させると、構造体が接着層から分離する。これを避けるため、より厚く柔らかい接着層(または高温)が好適である(または、特に好適には、上述した接着二重層を使用する)。
【0173】
本発明について説明してきたが、上記と同様の方法を多種の方法に変形してもよい。このような変形は、本発明の本質および範囲から逸脱するものとはみなさず、当業者にとっては明白なこれらの変形の全ては、以下の請求項の範囲内に含まれるものとする。
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、高アスペクト比を有する構造体を略非平面の構成から略平面配列に変換することに関する。本発明は、低次元構造体を含む構造体を略非平面の構成から略平面配列に変換することに関する。平面的な構成は、処理技術を用いて上記構造体の特性を故意に修正する必要があり、当該平面的な構成の適用は、当該処理技術がなければ不可能であるか、または技術的に極めて困難な問題を含む。
【背景技術】
【0002】
簡素化するために、本発明では、基板表面に対して略垂直に延びる高アスペクト比を用いて生成された構造体の例に焦点を当てる(すなわち、基板表面に対して垂直に延びる次元が、基板表面に対して平行に延びる次元の少なくとも1つよりもかなり大きい)。当該構造体の例は、限定されるものではないが、同時係属の出願である英国特許出願第0620134.7(英国特許出願公開GB2442768A)号明細書に記載されたナノワイヤ、ナノピラー、およびナノチューブ、またはフィン型構造体などの低次元の細長い構造体を含む。
【0003】
適当なエッチングマスクおよび反応性イオンエッチングなどの減法方法を用いて、ナノピラーが製造される。エッチングの特性により、ナノピラーは基板表面に対して垂直にその遠位側に向かって延びる。一方、ナノワイヤは、適当な金属触媒と組み合わせて、化学気相蒸着や分子線エピタキシなどの追加技術を用いて製造されることが多く、ナノワイヤが形成される基板の結晶方位によって決定される複数の異なる結晶方位に沿って成長することができる。しかし、十分に制御された再生可能なナノワイヤの成長は、多くの場合、1つの方向を除いた全ての成長方向にて抑制される。シリコンナノワイヤがシリコン面から離れるように成長する場合、4つの想定される成長方向のうちの1つ方向だけが、シリコン面に対して垂直であり、処理条件に対する高い制御は、一般に、基板表面から垂直に延びる主な成長方向によって反映される。上記構造体の形成後に、特定の装置(例えば、トランジスタ、ダイオード、センサ、レーザまたは発光素子)を得るために、特性を修正するためのリソグラフィー技術と併せて、以下の技術の少なくとも1つを使用することが望ましい。
【0004】
1.添加物(例えば、蒸着、転写)
・蒸着法は、限定されないが、直接熱蒸着または間接熱蒸着、スパッタ堆積、化学蒸着、スピンコーティング、およびインクジェット印刷を含む。
【0005】
・転写方法は、スタンプベース転写などの乾式転写、および所望の構造体が溶液の中から得られる湿式転写方法と同様の装置結合を含む。
【0006】
2.減法(例えば、エッチング、スパッタリング、溶解)
・エッチングは、湿式化学エッチング、および乾式エッチング(例えば、反応性イオンエッチング)を含む。乾式エッチング技術をスパッタリング技術と組み合わせてもよい。
【0007】
・スパッタリングは、イオンミリングを含む。
【0008】
3.その他(例えば、自己集合、化学的機能化、局所加熱、粒子への局所照射、機械ストレスへの局所照射)
・局所加熱は、エネルギー源の局部照射(例えば、集光レーザービーム、マスクを用いた選択照射)、または細長い小型構造体または当該細長い小型構造体内のセクションのエネルギー吸収特性によって生じる。
【0009】
・化学的機能化は、材料組成によって定義される細長い小型構造体の特定面の特性を利用する。
【0010】
・粒子に対する局部照射は、上述のリソグラフィー法を越えて、集光イオンビームを含む。機械的ストレスに対する局部照射は、インプリント技術を含む。
【0011】
上述した技術の多くが、平面の装置構成を必要としているか、もしくは当該装置から利益を得ており(ただし、等方性エッチング液および溶媒の使用、絶縁保護コーティング技術、熱酸化を除く)、最も一般的なものであるフォトリソグラフィーを含むリソグラフィー技術の大半も当然これに当てはまる。
【0012】
さらに、転換可能な構造体が形成される基板とは異なる、適当な基板上の所望の装置を得るために、上記技術のいずれかを使用するのが好ましい。これは、スタンプベース転写などの転写方法、または構造体として好ましい平面的な構成を固着させる直接装置の適用を必要とする。
【0013】
構造体が形成される基板の特性が所望のアプリケーションには適さず、一方、所望の装置がモノリシック集積化を達成するために所望の最終基板上に直接製造できない場合、当該転写は必要である。モノリシック集積化は技術的に不可能であるか、またはコスト効率がよくないので、実現可能ではない可能性がある。
【0014】
モノリシック集積化がコスト効率のよい選択肢ではない例として、MEMSセンサにおける相補型金属酸化膜半導体(CMOS)のモノリシック集積化があり、当該モノリシック集積化は、全基板領域を網羅しない高コストのCMOS処理を介して駆動する必要がある場合が多い。
【0015】
装置が集積される基板は、処理条件(例えば、高温ステップ)に耐えられない、(例えば、構造体不適合のため)十分な品質を保って必要な材料を外部基板に蒸着できない、または、処理工程が受信基板において予め製造された装置と適合しない(例えば、上記装置のメタライゼーション後の高温ステップまたはコンタミネーションの問題)ので、モノリシック集積化は、技術的に実現可能ではない。
【0016】
表示技術は、少ない熱量のガラス基板との構造体不適合により、非晶質ガラス基板における単結晶半導体の形成が阻害される例、および、高機能の半導体装置とは異なる機能を統合させるのに好適な例である。当該装置の例は、(相補型金属酸化膜半導体を形成する)npnトランジスタおよびpnpトランジスタ、圧力センサ(例えば、触覚インターフェース)、(例えば、表示部を周囲照明条件に適合させる)光センサ、ならびに、ガラス基板やプラスチック基板などの透明基板上の赤、緑および青の発光素子(LED)(例えば、放射装置)を含む。ガラス基板やプラスチック基板は、フレキシブルであってもよい。
【0017】
これらの装置は、細長い低次元の構造体を有し、この構造体は、適当な基板上に形成され、続いて、異なる基板上に転写され得る。細長い低次元の構造体を含む装置の例は、npnトランジスタ、pnpトランジスタ、センサ、キャパシタ、赤、緑および青のLEDである。受信基板の大分部がガラス、ポリマー、金属または半導体からなる。
【0018】
本明細書に使用する「低次元の構造体」とは、少なくとも1つの2次元未満の次元を有する構造体を指す。
【0019】
本明細書に使用する「細長い構造体」とは、2つの3次元未満の次元を有する構造体を指す。「細長い構造体」の定義は、「低次元の構造体」に含まれ、ナノワイヤは、低次元の構造体および細長い構造体である構造体の例として挙げられる。
【0020】
細長い構造体ではない低次元の構造体は周知である。例えば、「プレートレット」、すなわち、テープは、互いに同程度の2つの次元を有し、最初の2つの次元よりも大幅に小さい3次元(厚さ)は、「低次元の構造体」を構成するが、「細長い構造体」は構成しない。
【0021】
〔従来技術の説明〕
第1基板から第2基板に構造体機構を転写する方法は知られている。しかし、現在では、以下の要件の全てを満たすように、細長い/低次元の構造体を略垂直配向から略平面形状に変換するのに適した技術は存在しない。
【0022】
1.各グループ内の細長い/低次元の構造体からなる、または当該構造体を含む構造体の時空間配列が実質的に維持されている;
2.細長い、低次元の構造体の物理特性におけるコンプロマイズを必要としない;
3.追加のリソグラフィー技術を必要としない;
4.適当な次の処理技術を使用しながら、整列および配向を含む所望の平面形状を維持する。
【0023】
上述した1つ以上(好適には全て)の素子に対する制御は、このような細長い、または低次元の構造体の使用によって既存のナノテクノロジーを改良し、新たなナノテクノロジーを開発するために必要である。
【0024】
米国特許出願第7067328号明細書は、ナノワイヤをドナー基板(例えば、ナノワイヤが形成される基板)から受信基板に転写するための方法を開示している。接着層を受信基板に蒸着し、それをドナー基板と結合させることによって上記転写を実現することができる。ドナー基板および受信基板が接触している間に、互いを基準としてドナー基板と受信基板とを運動させることによって、受信基板における一定のナノワイヤの整列および配列が実現される。本方法には、ナノワイヤの部分配列を制御しにくいという欠点がある。特に、適合しにくい半導体ナノワイヤを転写する場合、この制御は極めて困難になる。例えば、80nmを越える直径を有するナノワイヤは折れやすい。
【0025】
米国特許出願第6872645号明細書は、細長いナノ構造体を第1基板から採取して溶液に投入し、第2基板とエラストマースタンプとの間に形成された流体チャネルに沿って溶液を流すことによって表面上の細長いナノ構造体を配置および配向するための方法を開示している。ナノ構造体は、流体の流れの方向に対応する好適な配向を有する溶液から第2基板に接着する。上記発明の欠点は、溶液の中からナノワイヤを集める手法、すなわち、空間配列、配向および密度に対する高度な制御力に関して困難が生じることにある。
【0026】
米国特許出願第7091120号明細書は、第1基板の平面に対して垂直な縦軸を有する、第1基板に接着されたナノワイヤの束上に、液体材料を配置する方法を開示している。そして、ナノワイヤに接着するように構成されたマトリックスに材料を結合させ、第1基板からナノワイヤを分離して、それらを第2基板に転写する処理の間に、ナノワイヤを支持する働きをさせるように、材料を処理する。
【0027】
また、米国特許第7091120号明細書は、基質材料に埋め込まれたナノワイヤ複合材料がブロックにリソグラフィーパターン化される処理まで広げて開示している。そして、埋め込まれたナノワイヤが第2基板の平面に対して平行な縦軸に沿って一列に並ぶように、ブロックを第2基板に取り付ける。しかし、上記発明は、平面配列の結果生じる再配向を促進する方法については開示していない。
【0028】
この制限を解決するために、米国特許第7091120号明細書に記載された方法における一実施形態では、整列された、またはランダムのナノワイヤ配列に、基質材料を一定方向に配置することによって、複合材料を形成する。方向性を有する基質材料の流れによって、ナノワイヤが第1基板平面に対して平行な複合材料内にて配向する。この手法は、十分に弾性のあるナノワイヤに限定されるので、米国特許第7067328号明細書と同様の制約があるという欠点がある。
【0029】
Angew. Chem. Int. Ed. 2005, 44, 2-5は、固定されたゲルマニウムナノワイヤを整列させる方法について開示している。ナノワイヤを含むサンプル上に水滴を落とし、窒素を用いて吹き飛ばす。ナノワイヤは、水滴の流れによって生じた方向に整列する。この方法は、十分な可撓性および長さを有するナノワイヤを必要とし、厚みが厚い、または極めて短いナノワイヤには使用できない。したがって、この方法も米国特許第7067328号明細書および米国特許第7091120号明細書と同様の欠点を有する。
【0030】
上記従来技術に加えて、同時係属の未公開英国特許出願第0620134.7号明細書は、封入された低次元構造体が異なる基板に転写されるように構成される方法を開示している。転写中に、細長い構造体の数、それらの整列、間隔、および配向が維持される。さらに、上記構造体は、減法(例えば、ドライエッチング)および追加技術(例えば、金属蒸着)と併せた従来のリソグラフィー方法によって装置に処理される。各装置における細長い構造体の数は、正確に制御される。一実施形態では、封入構造体が基板から分離しやすいように弱いジョイントを定義している。しかし、上記出願は、ナノ構造体を第1基板に対して垂直な配向から第2基板に対して平行な配向に再配向する方法については説明していない。
【0031】
米国特許出願公開第2006/0110738号明細書は、ベース構造体を有する「分子モータ」、およびベース構造体に対して回転し得る分子ロータを開示している。分子モータは、αサブユニットおよびβサブユニットからなるベース構造体と、ベース構造体に対して回転し得る「γサブユニット」とを有するF1−アデノシントリホスファターゼによって形成される。米国特許出願公開第2006/0110738号明細書は、γサブユニットの回転の検出を容易にするために、γサブユニットに金のナノワイヤを接着するステップを開示している。ナノワイヤは、光を散乱させ、この散乱特性は、ナノワイヤの回転角、γサブユニットの回転角に応じて異なる。他の実施形態では、ナノ粒子は、γサブユニットに直接接着されるのではなく、オリゴヌクレオチドまたは抗体に接着される。このいずれかが、その後γサブユニットに接着される。
【発明の概要】
【0032】
本発明は、低次元の細長い構造体からなる、または低次元の細長い構造体を含む構造体を非平面配向から略平面構成に変換するという課題に取り組むものである。
【0033】
本発明は、特に、低次元の細長い構造体からなる、または低次元の細長い構造体を含む構造体を略垂直配向から、以下の要件のいくつか、または望ましくは全てを満たすように略平面構成に変換するという課題に取り組むものである。
【0034】
1.各グループにおける低次元の細長い構造体からなる、または低次元の細長い構造体を含む構造体の空間配列および間隔を実質的に維持する。
【0035】
2.低次元の細長い構造体における各部分の物理特性における制約は、対象の装置の性能を決定するために必要である。例えば、所望の配向の変更に対応するために上記部分を修正する必要がない。
【0036】
3.追加のリソグラフィー技術を必要としない。
【0037】
4.配列および配向を含む所望の平面構成は、適当な次の処理技術を使用している間、維持される。
【0038】
不明瞭な記載を避けるため、「略直角の配向」または「略垂直な配向」とは、低次元の細長い構造体と面との間の最小角が45°を上回ることを指す。さらに、平面構成とは、構造体の最大次元(寸法)が基板面に対して平行に延び、最小次元(寸法)が基板面に対して垂直に延びることを指す。2つの最小次元が極めて似ている、または(細長い低次元構造体の場合のように)同じである場合、平面構成を得るために、2つの最小次元の1つのみが基板の遠位側に向かって垂直に延びる必要がある。
【0039】
本発明の第一実施形態は、複数の低次元構造体を有する構造体を製造する方法であって、低次元構造体の少なくとも2つを基板に接続させるフレキシブル素子(フレキシブルエレメント)であって、低次元構造体の本体部分とは異なる弾性を有する上記フレキシブル素子を設けるステップを含む方法である。
【0040】
本発明を利用して、例えばナノワイヤなどの細長い構造体のグループを含む構造体を再配向する。細長い構造体のグループは全て、略同じ方向に沿って延びている。フレキシブル素子を設けることによって、適当な力を構造体に加えて構造体を再配向させることができる。フレキシブル素子は、構造体を再配向させる間に、低次元構造体を基板に接続し続け、最終的に得られる装置に組み込まれてもよい(または、フレキシブル素子を取り除いてもよい)。再配向の後で、低次元構造体が、再配向が行われる基板表面に対して平行に延びる。さらに、既知の平面化処理技術を用いて装置を形成するように処理する。また、構造体を再配向した後で、他の基板に転写させてもよい。
【0041】
構造体が90°傾斜して再配向されるように、フレキシブル素子に十分な可撓性をもたせることが望ましい(すなわち、低次元構造体が、基板に対して垂直な位置から基板に対して平行な位置に再配向される)。しかし、実際は、低次元構造体が再配向されると、列の十分な再配向を妨げずに、低次元構造体のうちのいくつかと基板との間の接続がはずれる、および/または低次元構造体のうちのいくつかが基板への接続部の近傍にて壊れる可能性がある。
【0042】
フレキシブル素子は、低次元構造体の全て、またはほぼ全てを基板に接続させる。必ずしも、フレキシブル素子を用いて、各々および全ての低次元構造体を接続させなければならない、または接続させるという必要があるわけではない。例えば、低次元構造体のいくつかと基板との接続は、構造体の再配向の動作によって壊れる可能性があり、また、低次元構造体のいくつかと基板との接続は、構造体が再配向される前に、意図的に(または別に)分断されてもよい。最小として、構造体全体を再配向する方向を制限するために、フレキシブル素子を用いて低次元構造体の2つを基板に接続させる必要がある。
【0043】
フレキシブル素子を設けることによって、構造体の位置に対する制御を失わずに構造体の配向を変更することができる。
【0044】
本発明により、1方向以上に延びる低次元構造体を同じ方向に沿って並べることが可能になる。例えば、ナノワイヤが互いに不均一に並び、互いに違う方向に沿って延びるように成長した場合、本発明に係るフレキシブル素子を設けることによって、ナノワイヤが実質的に同方向に延びるようにナノワイヤを再配向することができる。この方向は、再配向を実施する基板表面に対して平行に延びる。低次元構造体は、装置を形成するようにさらに処理されるか、または他の基板に移される(低次元構造体が2つ以上のステップにて再配向されるということは想定され得る。例えば、第1ステップでは、互いに略同方向に沿って延びるように低次元構造体が再配向され、第2ステップでは、実質的に所望の同方向に沿って配置されるように低次元構造体が再配向される)。また、個々の細長い構造体がそれらの位置に対する制御を失わずに再配向されてもよい。
【0045】
フレキシブル素子は、2つ以上の低次元構造体に設置されるか、または低次元構造体に追加される。
【0046】
例えば、マスクを使用せずにフレキシブル素子を設置する図4または図5に示された方法を使用して、異なる方向に沿って延びるナノ構造体または他の低次元構造体を整列させるための本発明に係る方法の使用が可能になる。フレキシブル素子を設置するためにマスクを使用する必要がある方法は、異なる方向に延びる低次元構造体、または最長次元が基板表面に対して平行に延びていない低次元構造体に適用するのは困難である。
【0047】
本発明のさらなる利点は、ナノワイヤにおける残りの部分の特性を損なうことがなく、それ故に、ナノワイヤを内蔵する装置の性能を損なうことがなく、フレキシブル素子の機械特性および/または弾性を設計できることにある。例えば、Angew. Chem. Int. Ed(上記)などには、十分に小さい直径を有するフレキシブルナノワイヤが記載されていて周知であるが、これらのナノワイヤは、その長さに沿って均一の直径を有するので、ナノワイヤを内蔵する装置の性能が制限される。しかし、本発明に係る実施形態では、フレキシブル素子部分を形成しない低次元構造体の一部は、フレキシブル素子を形成するのに必要な処理ステップによる影響は受けない。さらに、フレキシブル素子部分を形成しない低次元構造体の一部が、フレキシブル素子におけるこの接合部を形成するために必要な処理ステップによる影響を受ける場合でも、(例えば、最終装置に必要な断面よりも大きい断面を有する低次元構造体を最初に製造することによって)ナノワイヤの製造初期段階において補正することができる。
【0048】
これに付随して生じる利点は、ナノワイヤまたは他の構造体におけるフレキシブル素子の位置とは関係なく、フレキシブル素子の特性を定義することができることにある。
【0049】
原理上は、低次元構造体が成長するにつれてフレキシブル素子が形成される。例えば、以下に示すように、低減された断面の次元(寸法)を有する部分を備える2つ以上のナノワイヤを設けることによって、フレキシブル素子が実現される。金属触媒を用いてナノワイヤを成長させる場合、ナノワイヤの成長中に使用される触媒金属の界面張力は、触媒とナノワイヤの既に成長した部分との接触領域に影響を与える。この接触領域がナノワイヤの直径を決定する。例えば、温度および/または気体組成の変更によって界面張力を変えることは、ナノワイヤの直径に影響を及ぼし、その長さに沿った他の位置でのナノワイヤの直径よりも小さい直径を有する部分にてナノワイヤを成長させることができる。しかし、概して、細長い構造体を成長させた後でフレキシブル素子を形成するほうが便利であると考えられる。
【0050】
上記方法は、異なる弾性を有するフレキシブル素子を低次元構造体の本体部に形成するステップを含む。
【0051】
上記方法は、各低次元構造体が基板表面から遠ざかる方向に沿って伸びるように基板上に低次元構造体を生成するステップを含む。各低次元構造体が基板表面に対して実質的に垂直に延びるように、基板上に各低次元構造体を生成するステップを含む。
【0052】
フレキシブル素子の設置は、低次元構造体の少なくとも2つにおいて、異なる弾性を有する第1部分を第2部分に設けるステップを含む。第1部分は、低次元構造体に沿った第2部分への異なる軸方向にて配置されている。フレキシブル素子の設置は、第1部分の領域の低減された第2モーメントを実現するか、またはより低い弾性率を選択するか、またはその両方を行うことによって、上記部分の剛性を他の部分よりも低減させるステップ、または他の部分よりも低い剛性を有する部分を形成するステップを含む。
【0053】
フレキシブル素子の形成は、少なくとも2つの低次元構造体において、低次元構造体の第1部分の断面次元を低次元構造体の第2部分の対応する断面次元よりも小さく構成するステップを含み、それによって、2つ以上の低次元構造体の第1部分がフレキシブル素子を含む。例えば、円筒形の低次元構造体の場合、フレキシブル素子の形成は、第1部分の直径を第2部分の直径よりも小さくするステップを含んでいてもよい。低次元構造体の一部の直径を低減することは、フレキシブル素子を得る簡単な方法であり、低次元構造体における低減された直径部分の長さおよび直径の適正値を選択することによって、フレキシブル素子の特性を選択できる。
【0054】
しかし、上記実施形態は、第1部分の直径を低減させる、すなわち、2つの次元のうち、第1部分の直径をより小さくすることに限定されず、第1部分の1つの次元のみを薄化することをも含む。上記実施形態は、方向性エッチング(例えば、物理スパッタリング、エッチング検出、または結晶配向に応じた速度の酸化ステップ)を用いて実現される。円筒形の低次元構造体に使用する場合、略長円形の断面を有する第1部分が得られる。
【0055】
正式な用語では、必要なことは、第2部分の断面よりも低い第2モーメントの領域を有する断面を備える第1部分を形成すること、または提供することである。
【0056】
上記実施形態を低次元構造体のグループに適用する場合、フレキシブル素子を形成するために、各低次元構造体の一部の断面次元を低減させなくてもよい。十分な数の構造体が十分に可撓性および強度を有する部分を備えるので、構造体全体のグループが再配向処理の間に基板に接続されたままであることに鑑みると、構造体が再配向されるときに低次元構造体の他の部分が破損する、または低次元構造体の他の部分が不用意に薄化されすぎても問題にはならない。
【0057】
上記方法は、低次元構造体の第1部分の円周部分を酸化し、酸化部分を除去するステップを含んでいてもよい。
【0058】
また、上記方法は、低次元構造体の第1部分をエッチングし、それによってその断面次元を低減するステップを含んでいてもよい。
【0059】
上記方法は、低次元構造体を覆うエッチングマスクを設けるステップを含んでいてもよい。上記エッチングマスクは、低次元構造体の第1部分を越えて延びない。エッチングされた低次元構造体部分の長さは、エッチングマスクによって設置される。
【0060】
上記方法は、低次元構造体を覆う第1マスキング層を設けるステップと、第1マスキング層を覆う第2マスキング層を設けるステップと、上記第2マスキング層をマスクとして用いて第1マスキング層をエッチングし、低次元構造体または各低次元構造体の第1部分から第1マスキング層を除去するステップと、第1マスキング層をエッチングマスクとして用いて低次元構造体をエッチングするステップとを含む。
【0061】
また、低次元構造体にフレキシブル素子を形成するステップは、低次元構造体の第2部分の断面次元を低次元構造体の第1部分の対応する断面次元よりも大きく構成するステップを含み、これによって、低次元構造体の第1部分がフレキシブル素子を有する。例えば、ナノワイヤの場合では、ナノワイヤは所望の可撓性を有するとともに、その長さに沿って略均一な断面を有するように最初に製造される。そして、追加の材料が他の部分ではなくナノワイヤの一部に蒸着され、材料が蒸着される部分の剛性を増大させ、材料が蒸着されない部分がフレキシブル素子を形成する。フレキシブル素子の特性は、適切な初期断面の選択、および材料が蒸着されない部分の適切な長さの選択によって選ばれ得る。
【0062】
低次元構造体の第1部分および第2部分は、互いに異なる組成を有する。例えば、第1部分は第2部分よりも速い速度にて酸化またはエッチングされるので、マスクを用いずにエッチングまたは酸化ステップにおいてフレキシブル素子を設置することができる。
【0063】
基板上に低次元構造体を設けるステップは、形成基板上に低次元構造体を形成し、次に低次元構造体を基板に接着するステップを含み、低次元構造体を基板に接着するステップは、低次元構造体よりも低い弾性率が低い接着材料を用いて低次元構造体を基板に接着させるステップを含む。これによって、接着材料がフレキシブル素子を形成する。
【0064】
上記方法は、形成基板から低次元構造体を分離するステップを含んでいてもよい。
【0065】
接着材料は、基板上に低弾性率を有する第1層と、第1層上に高い降伏強度を有する第2層とを備える。これによって、フレキシブル素子が機械的ひずみに対して適合性および抵抗性を有する。
【0066】
上記方法は、基板に対する傾斜角、低次元構造体の本体部分の角度を変更するために、構造体を再配向するステップを含む。上記方法は、各低次元構造体の本体部分が基板表面に対して略平行になるように構造体を再配向するステップを含む。
【0067】
上記方法は、基板に対して平行な非ゼロ成分を有する力を構造体に加え、構造体を再構成するステップを含む。
【0068】
上記力は、流体(気体または液体)の流れから生じるか、(固体または遠心力によって与えられる力を含む)機械力または静電力であるか、あるいは、液体の界面張力から生じる力であってもよい。
【0069】
上記方法は、構造体の再配向ステップ後に、基板に構造体を接着するステップを含んでいてもよい。
【0070】
低次元構造体は、基質内に封入されてもよい。例えば、参照によって本明細書に記載される同時係属の出願である英国特許出願第0620134.7号明細書に記載された方法のように、低次元構造体が2つ以上のグループに製造され、次に、低次元構造体のグループは、低次元構造体の1グループが低次元構造体の他のグループとは分離して封入されるように基質に封入される。
【0071】
上記構造体における上記低次元構造体は、互いに同一であるか、またはほぼ同一である。例えば、上記低次元構造体は、低次元構造体を形成するのに使用される製造工程における制作公差の制限内にて互いに同一であるという点で、名目上は互いに同一である。同様に、2つ以上の低次元構造体に低次元構造体の本体部とは異なる弾性を有する接合部を設けることによってフレキシブル素子を設ける場合、接合部、および低次元構造体における接合部の位置は、低次元構造体間にて名目上は同一である。
【0072】
上記方法は、複数の構造体を形成するステップであって、各構造体が各方向に沿って基板表面に延びる複数の低次元構造体と、2つ以上の低次元構造体を基板に接続させるフレキシブル素子とを有し、各構造体に関して、低次元構造体の本体部分が基板に対して共通の方向に沿って延びるように構造体を再配向するステップと、基板から構造体の中で選択されたものを除去するステップとを含む。
【0073】
上記方法によって、基板上に平行にできるだけ多くの構造体を製造することができ、所望の数の構造体を他の基板に転写することができ、構造体を無駄なく使用することができる。
【0074】
上記低次元構造体は、例えば、ナノワイヤ、ナノピラー、ナノチューブなどの細長い低次元構造体であってもよい。
【0075】
本発明に係る第二実施形態は、複数の低次元構造体を有する構造体を提供し、各低次元構造体が個々の方向に沿って基板表面に延びており、上記構造体が、2つ以上の低次元構造体を基板に接続させるフレキシブル素子をさらに含み、上記フレキシブル素子は、低次元構造体の本体部とは異なる弾性を有する。
【0076】
適当な力を構造体に加えることによって、フレキシブル素子が構造体を再配向させる。構造体を再配向しながら、フレキシブル素子は連続して低次元構造体を基板に接続させ、最終的に得られた装置に内蔵されてもよい(フレキシブル素子は、構造体が再配向された後で除去されてもよい)。
【0077】
上記低次元構造体は、ほぼ同じ方向、例えば、基板に対して垂直に延びてもよい。また、上記低次元構造体は、互いに異なる方向に沿って延びてもよい。
【0078】
上記フレキシブル素子は、低次元構造体の少なくとも2つにおいて、第2部分とは異なる弾性を有する第1部分を有し、第1部分は、第2部分とは異なる低次元構造体に沿った軸位置に存在する。
【0079】
上記低次元構造体の少なくとも2つにおいて、低次元構造体の第1部分が低次元構造体の本体部よりも小さい第2モーメント領域を有していてもよい。また、上記フレキシブル素子は、接着材料を含んでいてもよい。上記接着材料は、基板上に、弾性率が低く、より厚い第1層と、第1層上に、降伏強度が高く、より薄い第2層とを有する。(弾性率が低い場合、適合性および可撓性を有するようにフィルムを構成する必要があるが、降伏強度が高い場合は、フィルムが破損しないように構成する必要がある。概して、弾性率が高いと、降伏は弱くなる。弾性率が低く、かつ降伏を強くするためには、厚く、弾性率が低いフィルムを、極めて抵抗性の高い(すなわち、降伏が強い)コーティングによって被覆する必要がある。)
各低次元構造体は、例えば、ナノワイヤ、ナノピラーまたはナノチューブなどの細長い低次元構造体であってもよい。
【0080】
低次元構造体は、基質に封入されてもよい。
【0081】
本発明に係る第三実施形態では、装置は、基板、複数の低次元構造体、基板表面に対して実質的に平行に延びる各低次元構造体の本体部分と、2つ以上の低次元構造体を基板に接続させる接合部とを有し、上記接合部は、低次元構造体の本体部分とは異なる弾性を有する。
【0082】
上記装置は、基板表面に対して実質的に垂直に延びるように各低次元構造体を設けるステップと、接合部として、2つ以上の低次元構造体を基板に接続させるフレキシブル素子を形成するステップと、各低次元構造体の本体部分が基板表面に対して実質的に平行になるように構造体を再配向するステップとを用いて形成され得る。
【0083】
上記接合部は、少なくとも2つの低次元構造体と、第2部分とは異なる断面次元を有する第1部分とを有し、第1部分は、第2部分とは異なる低次元構造体に沿った軸位置に存在する。
【0084】
上記装置の活性領域は、上記接合部を有する。
【0085】
各低次元構造体の本体部分は、上記装置への電気的接点を有する。
【0086】
上記装置への電気的接点は、基板上に設けられる。
【0087】
また、上記装置の活性領域は、上記低次元構造体の本体部分に設置されていてもよい。
【0088】
上記装置は、トランジスタ、センサまたはメモリ装置を有する。
【0089】
各低次元構造体は、ナノワイヤ、ナノピラーまたはナノチューブなどの細長い低次元構造体であってもよい。
【0090】
上記低次元構造体は、基質に封入されてもよい。
【0091】
本発明の第一実施形態では、上記フレキシブル素子は、細長い低次元構造体と基板表面との間にフレキシブル接合部を有する。本発明の特徴は、近傍の細長い低次元構造体の特性とは関係なく、上記接合部の機械特性および/または弾性を設計することができることにある。したがって、上記低次元構造体が装置に組み込まれる場合、上記接合部の所望の機械特性および/または弾性を得るために選択されるフレキシブル接合部を設置する、各低次元構造体の部分の特性および/または次元とは関係なく、フレキシブル接合部を含まない、各低次元構造体の部分の特性および/または次元が、所望の装置性能を得るために選択される。
【0092】
フレキシブル素子の弾性は、低次元構造体における本体部の弾性とは異なる。
【0093】
さらに、フレキシブル素子の弾性は、フレキシブル素子の位置(例えば低次元構造体に沿った位置など)とは関係なく選択される。
【0094】
フレキシブル接合部は、以下の要件を満たす必要がある。
【0095】
1.十分な物理的強度を維持しなければならない。例えば、細長い低次元構造体を実質的に垂直の構成から実質的に平面的な構成に変えながら、細長い低次元構造体の特別な配列に対しての最小の制御を確保しなければならない。
【0096】
2.平面構成における低次元構造体を維持するために使用される力がフレキシブル接合部の回復力を超えるのに十分に可撓性を有する必要がある。上記力は、限定されるものではないが、分子間力、共有結合、金属結合、および化学結合、または構造体を所望の位置に維持する第2基板を含む。
【0097】
本発明の具体的な特徴では、適切な形状次元を選択する、例えば、基板に接続されている、基板に近接した細長い低次元構造体の部分を薄化させることによって、フレキシブル接合部の機械特性を設計する。上記薄化部分は、断面次元(例えば、その直径)および長さを変えることによって、機械特性を変更できるフレキシブル接合部を形成する。薄くすることは、熱酸化およびそれに続く酸化物の除去によって実行されるか、またはウェット化学エッチングやドライエッチングなどの化学エッチングによって実行される。低次元構造体に沿っていずれの断面よりも小さい細長い低次元構造体の底部における断面を生成するためには、以下の手法の少なくとも1つを使用することができる。
【0098】
1.薄化すべき細長い低次元構造体の部分は、使用する薄化処理に対してより感受性の高い材料からなる。例えば、薄化処理は、シリコンの熱酸化がドーピング濃度によって変化するという事実を利用してもよい。
【0099】
2.薄化されない細長い低次元構造体の部分は、他の材料によってマスク除去される。
【0100】
さらなる他の実施形態では、傾斜された構造体の弾性率よりも十分に弾性率が低い材料を用いて、フレキシブル接合部を形成する。例えば、傾斜された構造体が半導体材料からなる場合、フレキシブル接合部はポリマーからなる。
【0101】
本発明は、低次元の細長い構造体からなる、または低次元の細長い構造体を含む構造体を、1つの共通の配向から別の配向に変換することができるフレキシブル接合部を有する点が従来技術とは異なる。例えば、以下の基準のいくつか、または全てを満たすように、略垂直配向から略平面配向にする。また、共通の配向をもたない低次元の細長い構造体を共通の配向にする。
【0102】
1.各グループにおける細長い/低次元構造体からなる、または細長い/低次元構造体を含む構造体の空間配列および間隔を実質的に維持する。
【0103】
2.細長い低次元構造体の上記部分の物理特性についてのコンプロマイズを必要とせず、それによって、対象の装置の性能が決定される。例えば、これらの部分は、配向を適宜変更させるために修正する必要がない。
【0104】
3.フレキシブル接合部を設置するためにリソグラフィー技術は必要ではない。
【0105】
4.配列および配向を含む所望の平面構成は、適した次の処理技術を使用している間維持される。
【0106】
本発明の詳細な説明と図面とを組み合わせて、本発明の他の目的、特徴および利点をより容易に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0107】
添付の図面を参照しながら、例示を通して本発明の好適な実施形態を説明する。
【図1】正確に規定された点における所望の構造体の成長を可能にする触媒3を用いて低次元の細長い構造体1を製造する1つの方法を示す。
【図2】次の段階にて構造体1の底部を薄化させるためのマスキング層5および6の製造方法を示す。
【図3】パターン化犠牲層7を用いて、次の段階にて構造体1の底部を薄化させるためのマスキング層6の製造方法を示す。
【図4】マスキング層を使用せずに材料依存減法を用いて薄くなった部分1bの製造方法を示す。
【図5】マスキング層を使用せずに材料依存熱酸化を用いて薄くなった部分1bの製造方法を示す。
【図6】上記の例とは異なり、その形状によってではなく、その材料特性によって製造された可撓性ジョイントの製造方法を示す。上記可撓性ジョイントは、層11内部にて形成される。
【図7】可撓性ジョイントによって促進された本発明の所望の結果、すなわち、略垂直構造体(a)を略平面構造体(b)に変更することを示す。
【図8】流体配列を用いて図7に図示した構造体を得る方法を示す。
【図9】流体配列および平面を用いて図7に図示した構造体を得る方法を示す。
【図10】流体配列および傾斜した平面を用いて図7に図示した構造体を得る方法を示す。
【図11】流体配列および傾斜した曲面を用いて図7に図示した構造体を得る方法を示す。
【図12】液気界面17aによって誘発される界面張力を用いて図7に図示した構造体を得る方法を示す。
【図13】追加の方法を用いるとともに、構造体13のマスキング特性を利用して不均一のコーティングを得る方法を示す。図13(b)および(c)は、この実施例において導電性のある層18aおよび18bに十分な電位差が加えられた場合に、図13(a)における構造体が平面になる方法を示す。
【図14】構造体13のマスキング特性を利用して、追加の方法を用いて不均一のコーティングを得て、減法を用いて層18を生成する方法を示す。
【図15】平面を用いて図7に図示された構造体を得る方法を示す。
【図16】流体配列を用いてパターン化された接着材料19に覆われた曲面16bにおいて構造体13の平面配列を得る方法を示す。
【図17】流体配列を用いて接着材料19に覆われた構造体平面基板16bにおいて構造体13の平面配列を得る方法を示す。
【図18】図7に示されたものと同様の構造体を2つの端末装置に変換する方法を示す。この場合、薄化領域19aが最終的な装置の性能を決定してもよい。
【図19】図7に示されたものと同様の構造体をさらに処理し、構造体1bに沿って選択された領域を構造体1bに沿って埋め込む方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0108】
本発明の開示を3つの部分に分ける。
【0109】
1.フレキシブル接合部の概念および製造
2.平面構成を得るための方法
3.平面構造体の利点を利用した製造技術
添付の図面を参照しながら、例示によって本発明の好適な実施形態を説明する。
【0110】
第一に、細長い低次元の構造体の製造を示す:
初期段階において、複数の低次元構造体、本実施例では細長い構造体1を形成基板2上に形成する(図1)。低次元構造体は、接着処理によって形成基板2上に成長するか、または、リソグラフィーおよびエッチングなどの減法によって形成される。本実施形態では、細長い構造体1はナノワイヤであるが、本発明はこれに限定されない。
【0111】
本発明によると、例えば、同時係属の英国特許出願第0620134.7号明細書に記載の方法に従って、形成基板2上に形成された細長い構造体をグループにて配列してもよい。これによると、図1に図示されたナノワイヤがそのようなグループに類似する。この方法では、2つ以上の細長い構造体がされる場合、或るグループと隣接グループとの間隔は、グループにおいて隣接するナノワイヤ間の最大間隔よりも大きい。原則として、或るグループと隣接グループとは、基質の蒸着処理(以下に説明する)後に隣接グループと結合しないような間隔をとる。
【0112】
本発明に適した成長方法では、まず、図1(a)に示したように、ナノワイヤを成長させたい形成基板2における成長面の全ての位置に、適した触媒3を蒸着する。触媒3は例えば金属触媒である。触媒3は、例えば、サブミクロンリソグラフィー/インプリンティングおよびリフトオフの組合せ、または金属コロイド材料の蒸着によって蒸着される。
【0113】
続いて、図1(b)に示したように、触媒3を形成基板2における成長面に配置した各位置にナノワイヤ2を成長させる。ナノワイヤの成長は、触媒3が存在しないところには生じない。したがって、触媒3が形成基板2の成長面にグループにて配列される場合、形成基板に成長されたナノワイヤ1もグループにて配列されることになる。図1(b)は、線状に配列された或るグループのナノワイヤを示す。
【0114】
形成基板上に成長する低次元の構造体1は、一方向配向を有することが望ましい。図1(b)では、形成基板2に対して略垂直な縦軸に配向するように示される。
【0115】
さらに、ナノワイヤは、上方部材1aの組成などが下方部材1bとは異なるように構成されている。この構成は、ナノワイヤの底部を薄くすることを目的としており、マスキング層を使用する2つの実施形態(図2および図3)では任意であるが、マスキング層を使用しない実施形態(図4および図5)では必須である。
【0116】
代表的に、ナノワイヤの直径は200nm未満であり、長さは0.1〜100μmである。代表的に、グループにおけるナノワイヤのピッチは、1μm未満である。
【0117】
代表的に、ナノワイヤは半導体、金属または絶縁体からなる。
【0118】
本発明の基本原理は、低次元の細長い構造体のグループに限定されず、最小次元が基板表面に対して平行に延びるフィン状構造体などの低次元構造体をも含む。したがって、簡素化するため、本発明に係る全ての実施形態では、図1(c)に示したような(テープ状構造体の断面にも類似する)単一のナノワイヤへの適用について説明する。「テープ状」および「フィン状」という用語は、本明細書において、既定の基板とは異なる配向を示す。同時係属の英国特許出願第0620134.7号明細書では、「フィン状」構造体とは、基板表面に対して略平行に延びる最小次元を有する構造体を指し、「テープ状」構造体とは、基板表面に対して略垂直に延びる最小次元を有する構造体を指す。研究者によっては、配向に関わらず、これらの構造体を全て「テープ」と呼ぶ。
【0119】
図2および図3に示された実施形態は、図2(a)にて示されたナノワイヤ構造体の大部分を薄化処理から保護するマスクを生成する方法を示す。
【0120】
図2(a)のナノワイヤ1は、例えば、化学蒸着などの略等方性蒸着などを用いることによって第1マスキング層5および第2マスキング層6に封入される(図2(b))。例えば、図1(b)に示されたナノワイヤグループが回転する場合、両方の層の厚さの合計が、フィン状構造体を形成するナノワイヤ間の間隔を超えるように構成することが望ましい。これについては、同時係属の出願の英国特許出願第0620134.7号明細書にさらに詳しく説明されており、当該出願の内容は参照により本実施形態に含まれる。
【0121】
次に、異方性エッチングを用いて、層6のナノワイヤ側面以外の部分を取り除く(図2(c))。層6は、ナノワイヤの底部を露出する次の異方性エッチングの間に、層5を保護するマスキング層として機能する。殆どの場合、上記次のエッチングは、図2(d)に示したようにナノワイヤの上部をも露出させる。層5の厚さおよび異方性エッチングの程度が、ナノワイヤの露出底部の高さを決定することは重要なポイントである。続いて、異方性エッチングを用いて、フレキシブル素子を生成するのに適した直径になるようにナノワイヤにおける露出底部を薄くし、構造体および基板の残りとのフレキシブルジョイントの役割を果たすように構成する(図2(e))。最後に、層6の残り部分が厚すぎて、薄くなった底部を破壊しないと構造体を回転させることができない場合、層6の残り部分を薄くするか、または図2(f)に示したように完全に取り除く。任意に、層5の残り部分を薄くする、または取り除いてもよい。
【0122】
上記実施形態の変形例では、図2(d)に示されたステップ後で、かつ図2(e)に示された薄化前であるナノワイヤの薄化処理の前に、層6を取り除く。
【0123】
層5および6をエッチングするのに使用されるエッチングのエッチング率は、ナノワイヤの材質に応じて任意に変更する必要がある。さらに、層5をエッチングするのに使用されるエッチングのエッチング率は、層6の材質に応じて任意に変更する必要がある。
【0124】
ナノワイヤがシリコンからなる場合、例えば層5は二酸化珪素からなり、層6はシリコンからなる。
【0125】
本発明の好適な実施形態では、図2(a)に示されたナノワイヤは、二酸化珪素などの薄い誘電体層に被覆されており(図示せず)、層5は、高ドープシリコンなどの導電性材料からなり、層6は、層5のエッチングに十分に耐えるのに適した材料からなる。ナノワイヤ底部を薄化するのに使用するエッチングを用いて層5をもエッチングする場合、層5は十分に厚くなければならない。この場合、層6は、次の薄化処理中には必要ではなく、取り除かれてもよい。
【0126】
第二実施形態(図3)では、フレキシブル素子を形成する薄化したナノワイヤ底部の長さは、層5の厚さに優先して決定されるのではなく、成長基板を被覆する誘電体層7によって決定される(図3(a))。触媒3は、例えば、同時係属の出願の英国特許出願第0620134.7号明細書に記載されたように、上記層の中に形成された開口部の中に注入される。層7は、複数の層からなる。続いて、ナノワイヤ1が作られ、層5に被覆され(図3(b))、層6に被覆される(図3(c))。
【0127】
層7は、二酸化珪素または窒化珪素であり、層5は二酸化珪素である。ナノワイヤがシリコンからなる場合、層5は熱酸化によって生成される。層6は、シリコンからなる。続いて、層6におけるナノワイヤ1の側面以外の全ての部分を除去するのに適した異方性エッチングを選択することにより、層7を露出させる(図3(d))。ここで、等方性エッチングを用いて層7を除去する(図3(e))。この時点では、ナノワイヤ1の底部は層6の何らかの材料によって未だ被覆されており、これを、等方性エッチングを用いて除去する必要がある(図3(f))。続いて、等方性エッチングを用いて層5の底部を除去する(図3(g))。本実施形態では、ナノワイヤの底部の材料を異なる材料8に変換し、続いて除去することによって底部を薄化させる。一方、他のナノワイヤは殆ど影響を受けない。例えば、ナノワイヤがシリコンからなり、層5が二酸化珪素、層6がシリコンからなる場合、二酸化珪素は熱酸化処理によって形成される。この具体的な実施例では、層6も酸化される(図3(h))。最後に、未変換のナノワイヤ材料を除去せずに材料8を除去する(図3(i))。ナノワイヤ材料(例えばシリコン)を異なる材料(例えば二酸化珪素)に変換し、続いて除去するステップを何度も繰り返す。
【0128】
この時点では、シリコンの熱酸化は、酸化されるシリコン表面の湾曲だけでなく、ドーピング不純物によっても変化する。凹形の底部での酸化速度を速め、その底部(ナノワイヤが基板と結合する部分)でのナノワイヤを介したピンチングを補正するためには、部分1aに沿った酸化速度が、ナノワイヤが基板と結合した箇所での酸化速度よりも速くなるように、適切なドーピングを選択することによって酸化を高めることが好ましい。
【0129】
図2および図3に記載された手法の異なる形態を組み合わせることができる。特に、ナノワイヤ底部の異なる材料特性(図3における1b)の選択を図2の方法に適用し、図2に示された薄化処理に利用してもよい。逆に、図3の方法を、ナノワイヤの長さに沿った均一な材料特性を有するナノワイヤに使用してもよい。同様に、層5が層7をも覆うように層5を生成する蒸着処理を選択することによって、薄化底部の長さを長くしてもよい。さらに、上述したエッチング処理の代わりに、またはそれに加えて、熱酸化を利用して図2に使用する薄化処理を促進してもよい。
【0130】
図2および図3に図示された2つの実施形態は、フレキシブル素子を得るための異なる方法についても示している。図2(d)および図3(g)の低次元構造体1が十分に可撓性を有するように成長したら、追加の層5および層6が構造体の上部領域の第2モーメントを効果的に増大させる。例えば図2(a)〜図2(f)に示された全工程は、フレキシブル接合部を形成しようとする部分には材料を加えず、低次元の構造体の一部に材料を加える(それによって、その可撓性を低減させる)ことに相当する。用語上では、層5および層6は、細長い低次元構造体の一部だと考えられるように十分に薄いという仮定が得られる。
【0131】
共形蒸着処理を用いることによって、低次元構造体1を全構造体の中心に配置できる。構造体が意図せず湾曲された場合、低次元の構造体の領域がいわゆる中立ファイバに沿って配置され、上記中立ファイバの周りの領域が全構造体においてひずみが最も小さい。したがって、(フレキシブルディスプレイのように)基板が湾曲された場合、(ひずみを最小化する)剛性基質は、低次元の構造体が基質の中心に位置する間、装置の性能への影響が最も低い。
【0132】
最後に、全ての低次元構造体が図1に示されたように列に沿って生成され、それらを封入するために共形蒸着処理を行う場合(図2および図3)、全ての低次元構造体が、基質材料に関して各フィン状構造体の同一面に優先的に「位置する(sit)」。これにより、一旦フィンが基板(例えば、低次元構造体の部材を露出するため、および次の接触を生成するための接触領域の開口部)に平らに配置されるように回転すると、次の処理ステップが容易になる。フィンを減法技術によって製造する場合には、この精度を実現するのは困難である。というのも、図1〜3に示したような高アスペクト比の構造体を形成するためには、エッチング抵抗性を有し、所望の異方性エッチングに耐えるエッチングマスクを必要とするからである。
【0133】
第二実施形態では、ナノワイヤの底部がナノワイヤの残りの部分よりも速く薄化されるようにナノワイヤ1bの底部の材料特性を選択する。したがって、薄化処理の前に適切なナノワイヤの直径を選択する場合、ナノワイヤの部分1aおよび1bは、薄化処理後に所望の直径となる。
【0134】
図4は、ナノワイヤの部分1bよりも大幅にゆっくりとナノワイヤの部分1aをエッチングするエッチングの使用について示されている。図5は、ナノワイヤ底部1bの材料を、ナノワイヤの他のいずれの部分よりも速く異なる材料9に変換する処理の使用について示している。続いて、材料9を除去する。シリコン製のナノワイヤの場合、適した変換処理は熱酸化であり、これは部分1bが適切にドープされると加速する。ドーピング濃度が酸化速度に影響を与えることは周知の現象であり、平面構造体のために観察されてきた。酸化速度は、温度、酸素の部分圧、気体組成(例えば、水の存在)だけでなく、酸化すべきシリコン材料、特に結晶方位、ドーピング濃度、ドーパントの種類、表面曲率、および既に成長した酸化物の厚さによって変化する。上記全ては十分に研究された現象である。
【0135】
図4および図5の方法では、フレキシブル素子を形成しない低次元の構造体における部分1aの横断面が、エッチングまたは酸化処理の間に低減する可能性が高い。低次元構造体が成長するとき、エッチング/酸化後に特定の用途のために所望の横断面を有する部分1aを導くと考えられる次元まで低次元構造体を成長させることによって補正することができる。
【0136】
上述した手法を使用して、所望のフレキシブル素子の機械特性をその形状次元から規定する。また、より低い弾性率の材料を用いて、所望の特性を有するフレキシブル素子を規定してもよい。ポリマーなどの低い弾性率の材料は、ナノワイヤの成長とは互換性をもたず、フレキシブル素子は、元のナノワイヤに沿っては形成されない。したがって、異なる手法を選択する(図6)。
【0137】
第一に、底部に弱いジョイントを有する構造体10(必ずしもフレキシブルである必要はない)を適した形成基板上に形成する(図6(a))。また、低い弾性率の接着材料11を用いて基板12をコーティングする。低い弾性率の接着材料が構造体10と接触し、十分な力が加えられると、構造体10の底部が砕けて形成基板から分離し、層11によって基板12に接着される(図6(b))。ここで、フレキシブル素子の特性は、構造体10と近接した低い弾性率の接着材料11の特性、すなわち、その弾性率、その厚さ、および構造体10への接着強度によって決定される。
【0138】
低い弾性の接着材料11は、ポリマーであってもよく、より詳しくは架橋ポリマーであってもよい。
【0139】
低い弾性率の接着材料11は、1つ以上のポリマー層、例えば構造体10に対向する層が、この層と基板12との間に挟まれた層よりも極めて薄く、より大きい降伏強さを有する。このようにして、接着二重層システムは、(厚く柔らかい層によって決定される)そのコンプライアンスを維持し、一方、(薄く堅い層によって決定される)構造体10によって挿入された機械的ひずみに対する抵抗性がより高い。
【0140】
図6に示された手法は、ナノワイヤの底部を薄化する十分な処理を行うことができない場合、特に好適である。たとえばGaNなど、化学的に極めて安定した材料が適する。
【0141】
簡潔にするため、単一の低次元構造体を参照しながら、フレキシブル素子を形成する方法について説明する。基板に対する低次元構造体に本発明を適用する場合、低次元構造体の全て、または実質的に全てがフレキシブル素子を有していてもよい。しかし、上述したように、必ずしも各低次元構造体にフレキシブル素子を備える必要はなく、低次元構造体のうち2つのみにフレキシブル素子を備えさせれば十分であり、低次元構造体が再配向される方向に拘束することができる。
【0142】
次に、平面構造体を得る方法について説明する。
【0143】
図7(a)に示した構造体13に適用される実施例を用いて、本発明に係る好適な実施形態を説明する。
【0144】
構造体13を略垂直配向(図7(a))から略平面配向(図7(b))に変換するために、以下の要件を満たす必要がある。
【0145】
1.フレキシブル接合部、例えば、仮想軸などの、構造体13を回転させる接合部を提供するフレキシブル素子を配置する必要がある。
【0146】
2.基板表面に対して平行に構造体を動かすように方向付けられ、平面構造体に変換される構造体に適用される力定数を必要とする。傾斜する構造体は、平面構造体を得るために表面から遠ざかるように必ずしも垂直に延びる必要はない。特に、複数の低次元構造体がテープまたはフィン構造体として基質に封入される場合、テープ/フィン構造体は、基板への固定方法によって二方向にしか傾斜できないので、特別な形状をとる。流体配列を使用する場合、最小領域が流体に露出するように傾斜する(当然のことながら、フレキシブル接合部はチャージングスプリングのように機能するので、理論上は、完全に平らに配置されることはない)。フィン構造体は、その長さに沿った固定は、フィン構造体がフィンに対して垂直な軸の周りに傾斜するのではなく、基板に対して平行な軸の周りに傾斜することを意味するので、基板におけるその長次元に対して垂直にのみ傾斜することができる。フィン構造体の最長次元は、フィンに含まれるナノワイヤの数および間隔によって規定される。言い換えれば、同じフィン/テープ内部にて他のナノワイヤの固定点に対して傾斜しない(フレキシブル接合部の長さが(基板に対して垂直な方向に)大きすぎることを仮定する、および降伏や破裂など、接合部の不可逆的な変形を仮定する)。
【0147】
3.構造体が所望の平面構成から出るように再配向させる力(例えば、湾曲されたフレキシブル接合部から生じる復元力)は、構造体をその平面構成に維持する力を超えてはならない。
【0148】
構造体の次の回転のための仮想軸の点を決定するためにフレキシブル接合部14をどのように規定するかについて、前述の実施形態における実施例を用いて説明した。
【0149】
以下のうちの少なくとも1つを利用する手法に限定されないが、配向が行われる基板表面に対して平行に働く力成分が促進される可能性がある。
【0150】
1.液体の動き(例えば、流体配列)
2.気体の動き
3.固体の動き(例えば、ラム状構造体またはスタンプ状構造体)
4.界面張力
5.遠心力
6.正の直線加速度または負の直線加速度
7.静電気力
8.重力
9.磁力
回転した構造体をその平面構造体に維持する力は、限定するものではないが、以下を含む。
【0151】
1.分子間力
2.イオン結合
3.金属結合
4.水素結合(特別な場合は分子間力)
5.永久双極子の相互作用
6.陽イオン/pi−電子の相互作用
7.共有結合
8.所望の位置に構造体を保持する第2基板
十分に弾性率が低い材料を選択する(図6)、または薄化部分の割合に適切な直径までナノワイヤの底部を薄化して、その湾曲によって生じた復元力が構造体を定位置に保持する力のいずれかよりも小さいように構成する必要がある。
【0152】
図8には、構造体13をより平面の構造体にするために気体または液体を利用することが図示されている。構造体を平面構成にするために使用する(矢印の密度によって表した)媒体の流体率が、基板15に対する構造体13の傾斜を決定する(図8(a)および図8(b))。流体率が十分に大きい場合、構造体13は平面位置をとる(図8(c))。
【0153】
(矢印で表される)一定の気体または液体の流れを使用する場合、基板16を基板15の近くに運ぶことによって流体率および構造体13の傾斜が増大する(図9(a)および図9(b))。この実施例では、最終的に基板16を使用して基板16と構造体とを接触させるので、構造体が所望の平面配向に配向するまで流体率を上げる必要はない(図9(c))。構造体13を平面配向にした後で、基板16を取り除きたい場合は、平面基板16の代わりに、図9(a)〜図9(c)に示したようなパターン化表面(図示せず)を使用する方が好適であることもある。パターン化表面は、接触領域を減らし、基板16を除去する場合に基板16と基板13との表面引力の衝撃を緩和する働きをする。
【0154】
図10の連続画像は、液体の流れが傾斜した基板16aによって生成される方法を表す。基板16aは、基板15の一側面に接触し、傾斜する構造体13と接触する。基板15と16aとの角度が減少するにつれ、基板に封入された液体の流れが生じる。この流体率は、基板15と基板16aの間の角度が低減された角速度によって変化する。大きい矢印は基板16a表面の動きの方向を表す。小さい矢印は、液体の流れの方向を表す。
【0155】
図11の連続画像は、前述の実施形態の変形例であり、平らな基板表面16aの代わりに湾曲した基板表面16bを用いる(例えばシリンダによって実現する)。大きい矢印は、湾曲表面16bが回転しながら運動する動きの方向を示し、小さい矢印は、液体の流れの方向を表す。
【0156】
固形の基板(16、16a、または16b)を使用して液体の流れを生じさせる実施形態のいずれかでは、弾性基板を使用する、または基板16、16aもしくは16bの表面を被覆することが好ましい可能性がある。これによって、基板16、16aまたは16bが構造体13と接触した場合に構造体13における過度の緊張が低減され、(図面の平面に対して垂直に突出する)基板15、16、16aまたは16b間の連続した接触領域が形成され、それによってより均一な流体率が得られる。
【0157】
図12は、液体/気体接触面17a(点線)の界面張力を利用して構造体13に力を加えることができる。上記を起こすためには、液体表面が構造体13に非対称の力を加える必要がある。すなわち、一側面に対する力(例えば、図12(a)の右側)がもう一側面に対する力を上回る。図12に示した一例では、液体17を構造体13の右側に配置することによって矢印で示した方向に働く構造体13への力が生じ、上記が達成される。
【0158】
例えば、異方性加法混色(異方性追加処理)によって構造体の一側面の表面特性を変更することによって、液滴を一側面にのみ配置することができる(図13(a))。異方性加法混色において、構造体13の一側面、および構造体13の同側面に延びる基板15の表面にのみコーティング18を加える(図13(a)の右側)。また、図14に示したように、均一なコーティング18を蒸着し、異方性減色法を用いて部分的に除去してもよい。どちらの方法でも、構造体13はマスクとして機能する。被覆領域18aおよび18b(図13(a)および14(b))が構造体13の右側において親水性を有し、被覆されていない領域が親水性を有し、さらに、図12の極性液体(例えば水)が使用されると仮定すると、極性液体の液滴が図12(a)における構造体13の右側にのみ配置され得る。
【0159】
蒸発により液滴の体積が減ると(図12(a)および図12(b))、液体−気体表面が小さくなり、構造体13に作用する力の方向が変化し、その最大次元が基板15の表面に対して平行に延びるまで、基板15に向かってその表面を傾斜させる。
【0160】
さらに、図13(a)および図14(b)における構造体13を傾斜させるために、静電力を用いてもよい。ナノワイヤにおける薄化底部が十分に抵抗性をもち、層18aおよび層18bが十分に導電性を有すると仮定すると、層18bに印加される高速電圧パルスは、層18aと層18bとの間に一時的に電界を生成する(構造体13の全体が導電性を有すると仮定すると、基板におけるR=抵抗性、構造体13におけるC=電気容量として、時間数R×Cによって決められるもの)。図13の連続図に示されたように、結果生じる力を利用して、層18aを層18bに接触させることができる。
【0161】
本発明に係る他の実施形態では、基板16が構造体13に近づき、また同時に、基板15に対して横方向に変位する。構造体13の傾斜が十分になると、構造体13が基板15の表面に平面的に配向されるまで、横方向の動きは停止する。
【0162】
ここで、構造体13と基板15との間の接着が十分に強い場合、基板16を取り除いてもよい(図15(d))。この場合、図15に示したような平面基板16の代わりにパターン化表面を有する基板(図示せず)を用いた方が好ましいとも考えられる。パターン化表面は、接触領域を低減させ、基板16を取り除くときに基板16と平面構造体との間の表面引力の衝撃を緩和する。
【0163】
また、基板16と構造体13との間の接着力が、基板15と構造体13との間の接着力を超えるだけでなく、フレキシブル接合部を破壊するのに十分であるように構成されている場合、構造体13が基板16に移される。基板16の材料に適した接着材料として機能するものを選ぶ(例えば、ポリマーなど)か、または基板16を接着材料で被覆するかによって、上記転写を促進する(これは、図9の基板16、図10の基板16a、および図11の基板16bにも適用できる)。
【0164】
複数の構造体13を基板15から新たな基板16b、16cに転写する場合、全ての構造体13を基板16b、16cに転写することが望ましいとは限らず、そのうちのいくつかのみを転写することが望ましいこともある。この場合、既定の領域における基板16b、16cの接着力を修正するか、または上記構造体13のいくつかのみを転写すべき基板16b、16cに接触させるように表面のトポグラフィーを変更することが望ましい。図16には、上記のように曲面16bがパターン化接着材料19に被覆されている形態が示されている。図16は、図11に記載の処理と組み合わせられ、パターン化接着材料を用いて、平面配向を生じさせる基板に構造体を転写するという図15(e)の概念を有する構造体13を再配向させる。次に、曲線基板から他の平面基板に構造体を転写させる。このようにして、最終基板は、基板15において得られたものよりも密度の低い構造体13に装着される。
【0165】
図17に示した形態では、接着層19aに覆われた非平面を有するパターン化基板16cを用いて、構造体13のうちのいくつかを転写させる。矢印は、基板16cの動きを示す。層19aはポリマーであってもよい。
【0166】
また、特に全ての構造体13が基板15に対してすでに平面に配向されていた場合、全ての構造体13または選択された構造体を平面基板に転写させることが望ましい。図17に図示された例では、パターン化基板16cを適した接着材料で均一に被覆し、既に基板に対して平行に配向された構造体13と接触させる。この例では、構造体を基板15に対して平行に配向するステップと、構造体を基板16に転写させるステップは別のステップであるが、図16の実施例では、これらのステップを1つの工程に統合している。
【0167】
図17では、接着被膜19aは、基板16cの凹部が接着被膜19aの塗布工程のときに接着材料で埋まらないように薄くする必要がある。これにより、基板16cの表面トポグラフィーを効果的に平面化することができるからである。
【0168】
図16および図17は、選択された構造体が基板に移される2つの具体的な実施例を示している。転写しようとする構造体のみがスタンプと接触するように確保することを基本としており、十分に薄い接着材料によって構造体化表面を被覆する(図17)、または十分に薄い接着材料を構成する(図16)。例えば、既定の領域のみにおけるスタンプの表面の化学特性/接着特性のみを変更するか、または転写される構造体の表面の化学物質(図示せず)または上述した方法の組合せを変更する。
【0169】
図17(a)は、本発明のさらなる好適な形態を表す。低次元構造体をグループとして封入するという、同時係属の出願である英国特許出願第0620134.7号明細書に記載された技術と組み合わせて利用する場合である。全ての細長い構造体の最も大きいものが基板表面に対して平行になるように回転させた後で、全ての細長い構造体が同一平面上に存在する。全ての細長い構造体の(横方向だけでなく、垂直方向における)正確な位置、および配向についての知識があることで、次の処理ステップの実施が容易になることから、上記技術は重要な意味をもつ。
【0170】
図18は、最終のアクティブデバイス領域を薄化およびひずみを有する部材1a内に形成させ、より厚い領域1bおよび層21を使用して1aとの電気接触を形成するという実施例を示す。部分的に(たとえば図2(e)または図3(i)の層5および層6に対応する)層23および層24を取り除き、導電材料25を加えることによって、1bに接触させることができる(図18(b))。層20および層22は、電気的に絶縁されており、一方、層21は、パターン化され、十分に導電性をもっている必要がある。図18の実施例では、層20、21、22は、構造体13を製造するときに基板上に存在する。しかし、低次元構造体を再配向した後で基板上に接触層を設けてもよい。
【0171】
図19は、材料23を部材23aにパターン化してマスクとして利用し、非薄化部位1bの両端にドーピング原子を注入し、一方で、23aの直下にある部位1bには作用させない形態について示している。その後、構造体をトランジスタやセンサ、メモリ装置などの作業装置に処理して基板上に残す、または所望の基板に転写させる。
【0172】
図7〜図19は、図2〜5の方法によって得られる構造体の再配向について示している。同様の方法を図6の方法によって得られる構造体に適用してもよい。低次元の構造体が構造体10の本体から突出する(図7では図示せず)場合、より厚い基質のみが接着層に接着されるように構造体を傾斜させると、突出部が破損して構造体から分離する可能性がある。構造体が傾斜して倒れると、接着層11を有する接触領域がより大きくなるように変化すると考えられ、一方、初期接触領域(表面)が、第1平面において、もはや接触層11と接触しない。堅いおよび/または薄い接着層の使用により、それらを傾斜させると、構造体が接着層から分離する。これを避けるため、より厚く柔らかい接着層(または高温)が好適である(または、特に好適には、上述した接着二重層を使用する)。
【0173】
本発明について説明してきたが、上記と同様の方法を多種の方法に変形してもよい。このような変形は、本発明の本質および範囲から逸脱するものとはみなさず、当業者にとっては明白なこれらの変形の全ては、以下の請求項の範囲内に含まれるものとする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の低次元構造体を有する構造体を製造する方法であって、
上記低次元構造体の少なくとも2つを基板に接続させ、かつ上記低次元構造体の本体部分とは異なる弾性を有するフレキシブル素子を設けるステップを含む方法。
【請求項2】
上記基板表面の遠位側に向かう各方向に実質的に沿って延びるように構成された上記低次元構造体を設けるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
各低次元構造体が基板表面の遠位側に向かう各方向に実質的に沿って延びるように、上記基板上に上記低次元構造体を生成するステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
各低次元構造体が基板表面に対して略垂直に伸びるように、上記基板上に上記低次元構造体を生成するステップを含む、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
上記フレキシブル素子を設けるステップは、上記低次元構造体の少なくとも2つにおいて、第2部分とは異なる弾性を有する第1部分を有し、
上記第1部分は、上記第2部分とは異なる、上記低次元構造体に沿った軸位置に設けられる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
上記フレキシブル素子を設けるステップは、上記低次元構造体の少なくとも2つにおいて、上記低次元構造体における上記第1部分の断面寸法を、対応する上記第2部分の断面寸法よりも小さくし、
上記低次元構造体の上記第1部分は、上記フレキシブル素子を有する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
上記フレキシブル素子を設けるステップは、上記低次元構造体の少なくとも2つにおいて、上記低次元構造体における上記第2部分の断面寸法を、対応する上記第1部分の断面寸法よりも大きくし、
上記低次元構造体の上記第1部分は、上記フレキシブル素子を有する、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
上記低次元構造体の円周部分を酸化するステップと、
酸化された上記円周部分を除去するステップとを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
上記低次元構造体の上記第1部分をエッチングして、上記第1部分の断面寸法を低減させるステップを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
上記低次元構造体上にエッチングマスクを設けるステップを含み、
上記エッチングマスクは、上記低次元構造体の上記第1部分に広がっていない、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
上記低次元構造体を覆うように第1マスキング層を設けるステップと、
上記第1マスキング層を覆うように第2マスキング層を設けるステップと、
上記第2マスキング層をマスクとして用いて上記第1マスキング層をエッチングし、上記低次元構造体の上記第1部分から上記第1マスキング層を除去するステップと、
上記第1マスキング層をエッチングマスクとして用いて上記低次元構造体をエッチングするステップとを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
上記低次元構造体における第1部分および上記第2部分は、互いに異なる組成を有する、請求項6〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
上記基板上に上記低次元構造体を設けるステップは、形成基板上に上記低次元構造体を形成し、上記低次元構造体を上記基板に接着させるステップを含み、
上記低次元構造体を上記基板に接着させるステップは、上記低次元構造体よりも弾性率が低い接着材料を用いて上記低次元構造体を上記基板に接着させ、上記接着材料がフレキシブル素子を形成する、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
上記低次元構造体を上記形成基板から分離させるステップを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
上記接着材料は、上記基板上に弾性率が低い第1層を有し、かつ上記第1層上に降伏強度が高い第2層を有する、請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
各低次元構造体の本体部分における、上記基板に対する傾斜角度を変更するように、上記構造体を再配向するステップを含む、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
上記各低次元構造体の上記本体部分が上記基板表面に対して略平行となるように、上記構造体を再配向するステップを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
上記構造体に、上記基板に対して平行な非ゼロ成分を有する力を加え、上記構造体を再配向させるステップを含む、請求項16または17に記載の方法。
【請求項19】
上記力は、流体の流れから生じるものである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
上記力は、機械力である、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
上記力は、静電力である、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
上記力は、界面張力から生じるものである、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
上記構造体を再配向させるステップの後に、上記構造体を上記基板に接着させるステップをさらに含む、請求項16〜22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
上記低次元構造体は、基質に封入される、請求項1〜23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
上記低次元構造体は、互いにほぼ同じである、請求項1〜24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
複数の構造体を形成するステップであって、各構造体が、上記基板表面への各方向に沿って延びる複数の低次元構造体と、2つ以上の低次元構造体を上記基板に接続させるフレキシブル素子とを有し、
各構造体において、上記構造体内に含まれる上記低次元構造体の本体部分が上記基板に対して同じ方向に延びるように、上記構造体を再配向させるステップと、
上記構造体のうち選択されたものを上記基板から除去するステップとを含む、請求項1〜25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
上記低次元構造体は、細長い低次元構造体である、請求項1〜26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
各低次元構造体は、ナノワイヤ、ナノピラーまたはナノチューブである、請求項1〜27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
複数の低次元構造体を有する構造体であって、各低次元構造体が基板表面への各方向に沿って延び、
上記構造体は、少なくとも2つの上記低次元構造体を上記基板に接続させるフレキシブル素子をさらに有し、上記フレキシブル素子が、上記低次元構造体の本体部分とは異なる弾性を有する、構造体。
【請求項30】
上記フレキシブル素子は、上記低次元構造体の少なくとも2つにおいて、第2部分とは異なる弾性を有する第1部分を有し、上記第1部分が、上記低次元構造体に沿った、上記第2部分とは異なる軸位置に存在する、請求項29に記載の構造体。
【請求項31】
少なくとも2つの低次元構造体における上記第1部分は、上記少なくとも2つの低次元構造体における第2部分よりも小さい断面寸法を有する、請求項30に記載の構造体。
【請求項32】
上記フレキシブル素子は、接着材料を有する、請求項29に記載の構造体。
【請求項33】
上記接着材料は、上記基板上に降伏強度が低い第1層を有し、かつ上記第1層上に降伏強度が高い第2層を有する、請求項32に記載の構造体。
【請求項34】
各低次元構造体は、細長い低次元構造体である、請求項29〜33のいずれか1項に記載の構造体。
【請求項35】
各低次元構造体は、ナノワイヤ、ナノピラーまたはナノチューブである、請求項29〜34のいずれか1項に記載の構造体。
【請求項36】
上記低次元構造体は、基質に封入されている、請求項29〜35のいずれか1項に記載の構造体。
【請求項37】
基板と、複数の低次元構造体と、上記基板に2つ以上の低次元構造体を接続させる接合部とを有する装置であって、各低次元構造体の本体部分が、上記基板表面に対して略平行に延び、上記接合部が、上記低次元構造体の上記本体部分とは異なる弾性を有する、装置。
【請求項38】
上記基板表面に対して略垂直に延びるように各低次元構造体を設けるステップと、
上記接合部として、上記低次元構造体の少なくとも2つを上記基板に接続させるフレキシブル素子を形成するステップと、
上記各低次元構造体の本体部分が上記基板表面に対して略平行になるように上記構造体を再配向させるステップとによって形成可能である、請求項37に記載の装置。
【請求項39】
上記接合部は、上記低次元構造体の少なくとも2つにおいて、第2部分とは異なる断面寸法を有する第1部分を有し、上記第1部分が、上記低次元構造体に沿った、上記第2部分とは異なる軸方向位置に存在する、請求項37または38に記載の装置。
【請求項40】
上記装置のアクティブ領域は、少なくとも2つの低次元構造体の上記接合部を有する、請求項37〜39のいずれか1項に記載の装置。
【請求項41】
上記少なくとも2つの低次元構造体の上記本体部分は、上記装置との電気的接点を有する、請求項40に記載の装置。
【請求項42】
上記装置への電気的接点は、基板上に設けられている、請求項40または41に記載の装置。
【請求項43】
上記装置のアクティブ領域は、上記低次元構造体の本体部分に設置される、請求項37〜39のいずれか1項に記載の装置。
【請求項44】
トランジスタ、センサまたはメモリ装置を有する、請求項37〜43のいずれか1項に記載の装置。
【請求項45】
各低次元構造体は、細長い低次元構造体である、請求項37〜44のいずれか1項に記載の装置。
【請求項46】
各低次元構造体は、ナノワイヤ、ナノピラーまたはナノチューブである、請求項37〜45のいずれか1項に記載の装置。
【請求項47】
上記低次元構造体は、基質に封入されている、請求項37〜46のいずれか1項に記載の装置。
【請求項1】
複数の低次元構造体を有する構造体を製造する方法であって、
上記低次元構造体の少なくとも2つを基板に接続させ、かつ上記低次元構造体の本体部分とは異なる弾性を有するフレキシブル素子を設けるステップを含む方法。
【請求項2】
上記基板表面の遠位側に向かう各方向に実質的に沿って延びるように構成された上記低次元構造体を設けるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
各低次元構造体が基板表面の遠位側に向かう各方向に実質的に沿って延びるように、上記基板上に上記低次元構造体を生成するステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
各低次元構造体が基板表面に対して略垂直に伸びるように、上記基板上に上記低次元構造体を生成するステップを含む、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
上記フレキシブル素子を設けるステップは、上記低次元構造体の少なくとも2つにおいて、第2部分とは異なる弾性を有する第1部分を有し、
上記第1部分は、上記第2部分とは異なる、上記低次元構造体に沿った軸位置に設けられる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
上記フレキシブル素子を設けるステップは、上記低次元構造体の少なくとも2つにおいて、上記低次元構造体における上記第1部分の断面寸法を、対応する上記第2部分の断面寸法よりも小さくし、
上記低次元構造体の上記第1部分は、上記フレキシブル素子を有する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
上記フレキシブル素子を設けるステップは、上記低次元構造体の少なくとも2つにおいて、上記低次元構造体における上記第2部分の断面寸法を、対応する上記第1部分の断面寸法よりも大きくし、
上記低次元構造体の上記第1部分は、上記フレキシブル素子を有する、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
上記低次元構造体の円周部分を酸化するステップと、
酸化された上記円周部分を除去するステップとを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
上記低次元構造体の上記第1部分をエッチングして、上記第1部分の断面寸法を低減させるステップを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
上記低次元構造体上にエッチングマスクを設けるステップを含み、
上記エッチングマスクは、上記低次元構造体の上記第1部分に広がっていない、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
上記低次元構造体を覆うように第1マスキング層を設けるステップと、
上記第1マスキング層を覆うように第2マスキング層を設けるステップと、
上記第2マスキング層をマスクとして用いて上記第1マスキング層をエッチングし、上記低次元構造体の上記第1部分から上記第1マスキング層を除去するステップと、
上記第1マスキング層をエッチングマスクとして用いて上記低次元構造体をエッチングするステップとを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
上記低次元構造体における第1部分および上記第2部分は、互いに異なる組成を有する、請求項6〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
上記基板上に上記低次元構造体を設けるステップは、形成基板上に上記低次元構造体を形成し、上記低次元構造体を上記基板に接着させるステップを含み、
上記低次元構造体を上記基板に接着させるステップは、上記低次元構造体よりも弾性率が低い接着材料を用いて上記低次元構造体を上記基板に接着させ、上記接着材料がフレキシブル素子を形成する、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
上記低次元構造体を上記形成基板から分離させるステップを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
上記接着材料は、上記基板上に弾性率が低い第1層を有し、かつ上記第1層上に降伏強度が高い第2層を有する、請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
各低次元構造体の本体部分における、上記基板に対する傾斜角度を変更するように、上記構造体を再配向するステップを含む、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
上記各低次元構造体の上記本体部分が上記基板表面に対して略平行となるように、上記構造体を再配向するステップを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
上記構造体に、上記基板に対して平行な非ゼロ成分を有する力を加え、上記構造体を再配向させるステップを含む、請求項16または17に記載の方法。
【請求項19】
上記力は、流体の流れから生じるものである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
上記力は、機械力である、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
上記力は、静電力である、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
上記力は、界面張力から生じるものである、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
上記構造体を再配向させるステップの後に、上記構造体を上記基板に接着させるステップをさらに含む、請求項16〜22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
上記低次元構造体は、基質に封入される、請求項1〜23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
上記低次元構造体は、互いにほぼ同じである、請求項1〜24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
複数の構造体を形成するステップであって、各構造体が、上記基板表面への各方向に沿って延びる複数の低次元構造体と、2つ以上の低次元構造体を上記基板に接続させるフレキシブル素子とを有し、
各構造体において、上記構造体内に含まれる上記低次元構造体の本体部分が上記基板に対して同じ方向に延びるように、上記構造体を再配向させるステップと、
上記構造体のうち選択されたものを上記基板から除去するステップとを含む、請求項1〜25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
上記低次元構造体は、細長い低次元構造体である、請求項1〜26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
各低次元構造体は、ナノワイヤ、ナノピラーまたはナノチューブである、請求項1〜27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
複数の低次元構造体を有する構造体であって、各低次元構造体が基板表面への各方向に沿って延び、
上記構造体は、少なくとも2つの上記低次元構造体を上記基板に接続させるフレキシブル素子をさらに有し、上記フレキシブル素子が、上記低次元構造体の本体部分とは異なる弾性を有する、構造体。
【請求項30】
上記フレキシブル素子は、上記低次元構造体の少なくとも2つにおいて、第2部分とは異なる弾性を有する第1部分を有し、上記第1部分が、上記低次元構造体に沿った、上記第2部分とは異なる軸位置に存在する、請求項29に記載の構造体。
【請求項31】
少なくとも2つの低次元構造体における上記第1部分は、上記少なくとも2つの低次元構造体における第2部分よりも小さい断面寸法を有する、請求項30に記載の構造体。
【請求項32】
上記フレキシブル素子は、接着材料を有する、請求項29に記載の構造体。
【請求項33】
上記接着材料は、上記基板上に降伏強度が低い第1層を有し、かつ上記第1層上に降伏強度が高い第2層を有する、請求項32に記載の構造体。
【請求項34】
各低次元構造体は、細長い低次元構造体である、請求項29〜33のいずれか1項に記載の構造体。
【請求項35】
各低次元構造体は、ナノワイヤ、ナノピラーまたはナノチューブである、請求項29〜34のいずれか1項に記載の構造体。
【請求項36】
上記低次元構造体は、基質に封入されている、請求項29〜35のいずれか1項に記載の構造体。
【請求項37】
基板と、複数の低次元構造体と、上記基板に2つ以上の低次元構造体を接続させる接合部とを有する装置であって、各低次元構造体の本体部分が、上記基板表面に対して略平行に延び、上記接合部が、上記低次元構造体の上記本体部分とは異なる弾性を有する、装置。
【請求項38】
上記基板表面に対して略垂直に延びるように各低次元構造体を設けるステップと、
上記接合部として、上記低次元構造体の少なくとも2つを上記基板に接続させるフレキシブル素子を形成するステップと、
上記各低次元構造体の本体部分が上記基板表面に対して略平行になるように上記構造体を再配向させるステップとによって形成可能である、請求項37に記載の装置。
【請求項39】
上記接合部は、上記低次元構造体の少なくとも2つにおいて、第2部分とは異なる断面寸法を有する第1部分を有し、上記第1部分が、上記低次元構造体に沿った、上記第2部分とは異なる軸方向位置に存在する、請求項37または38に記載の装置。
【請求項40】
上記装置のアクティブ領域は、少なくとも2つの低次元構造体の上記接合部を有する、請求項37〜39のいずれか1項に記載の装置。
【請求項41】
上記少なくとも2つの低次元構造体の上記本体部分は、上記装置との電気的接点を有する、請求項40に記載の装置。
【請求項42】
上記装置への電気的接点は、基板上に設けられている、請求項40または41に記載の装置。
【請求項43】
上記装置のアクティブ領域は、上記低次元構造体の本体部分に設置される、請求項37〜39のいずれか1項に記載の装置。
【請求項44】
トランジスタ、センサまたはメモリ装置を有する、請求項37〜43のいずれか1項に記載の装置。
【請求項45】
各低次元構造体は、細長い低次元構造体である、請求項37〜44のいずれか1項に記載の装置。
【請求項46】
各低次元構造体は、ナノワイヤ、ナノピラーまたはナノチューブである、請求項37〜45のいずれか1項に記載の装置。
【請求項47】
上記低次元構造体は、基質に封入されている、請求項37〜46のいずれか1項に記載の装置。
【図1】
【図2(a)】
【図2(b)】
【図2(c)】
【図2(d)】
【図2(e)】
【図2(f)】
【図3(a)】
【図3(b)】
【図3(c)】
【図3(d)】
【図3(e)】
【図3(f)】
【図3(g)】
【図3(h)】
【図3(i)】
【図4(a)】
【図4(b)】
【図5(a)】
【図5(b)】
【図5(c)】
【図6(a)】
【図6(b)】
【図7(a)】
【図7(b)】
【図8(a)】
【図8(b)】
【図8(c)】
【図9(a)】
【図9(b)】
【図9(c)】
【図10(a)】
【図10(b)】
【図10(c)】
【図11(a)】
【図11(b)】
【図11(c)】
【図12(a)】
【図12(b)】
【図12(c)】
【図13(a)】
【図13(b)】
【図13(c)】
【図14(a)】
【図14(b)】
【図15(a)】
【図15(b)】
【図15(c)】
【図15(d)】
【図15(e)】
【図16(a)】
【図16(b)】
【図16(c)】
【図17(a)】
【図17(b)】
【図17(c)】
【図18(a)】
【図18(b)】
【図19(a)】
【図19(b)】
【図2(a)】
【図2(b)】
【図2(c)】
【図2(d)】
【図2(e)】
【図2(f)】
【図3(a)】
【図3(b)】
【図3(c)】
【図3(d)】
【図3(e)】
【図3(f)】
【図3(g)】
【図3(h)】
【図3(i)】
【図4(a)】
【図4(b)】
【図5(a)】
【図5(b)】
【図5(c)】
【図6(a)】
【図6(b)】
【図7(a)】
【図7(b)】
【図8(a)】
【図8(b)】
【図8(c)】
【図9(a)】
【図9(b)】
【図9(c)】
【図10(a)】
【図10(b)】
【図10(c)】
【図11(a)】
【図11(b)】
【図11(c)】
【図12(a)】
【図12(b)】
【図12(c)】
【図13(a)】
【図13(b)】
【図13(c)】
【図14(a)】
【図14(b)】
【図15(a)】
【図15(b)】
【図15(c)】
【図15(d)】
【図15(e)】
【図16(a)】
【図16(b)】
【図16(c)】
【図17(a)】
【図17(b)】
【図17(c)】
【図18(a)】
【図18(b)】
【図19(a)】
【図19(b)】
【公表番号】特表2011−519729(P2011−519729A)
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−538247(P2010−538247)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【国際出願番号】PCT/JP2009/057016
【国際公開番号】WO2009/123332
【国際公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【国際出願番号】PCT/JP2009/057016
【国際公開番号】WO2009/123332
【国際公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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