説明

作業機のアンロード装置

【課題】油圧アクチュエータの停止時に油圧ポンプからの圧油を切換弁によってアンロード油路に流出させる作業機のアンロード装置を安価に得る。
【解決手段】切換弁102の背圧室から排油路104に圧油排出させる開き状態と圧油排出を停止する閉じ状態とに切り換え自在な開閉弁105、開閉弁105をパイロット油圧によって切り換え操作する制御弁107を備えてある。アクチュエータ駆動回路30,40が油圧アクチュエータ18,21を駆動するべく操作されると、制御弁107が開閉弁105を閉じ状態に切り換え操作し、アクチュエータ駆動回路30,40が油圧アクチュエータ18,21を停止するべく操作されると、制御弁107が開閉弁105を開き状態に切り換え操作する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業機のアンロード装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に示される油圧駆動装置があった。この油圧駆動装置では、油圧ポンプと油圧アクチュエータの方向切換弁とを接続する圧油供給路をタンクポートに接続するアンロード回路が備えられ、アンロード回路をロジック弁及びサブスプールを備えて構成されている。方向切換弁を構成するメインスプールがパイロット弁によるパイロット圧を介しての操作によって閉じ操作されると、サブスプールがパイロット弁によるパイロット圧を介しての操作によって開き操作され、ロジック弁の背圧室がサブスプールによってタンクポートに連通されてロジック弁が開き、油圧ポンプから吐出された圧油がロジック弁を介してタンクポートを経てタンクに流れるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−238506号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
油圧アクチュエータを備えるものにおいて、油圧ポンプからの圧油をアクチュエータ駆動回路に供給する圧油供給路に作用する切換弁を設け、油圧アクチュエータを停止させるべく操作されると、切換弁が開き状態に切り換え操作されて圧油供給路からアンロード油路への圧油流出を許容するよう構成すれば、油圧アクチュエータの停止時に油圧ポンプから圧油供給路に供給される圧油をアンロード油路に流出させることができ、油圧アクチュエータの停止時における油圧ポンプの駆動負荷を軽減することができる。
切換弁として、圧油供給路からの圧油が作用する背圧室を備え、背圧室における背圧によって閉じ操作されるよう構成した場合、背圧室から排油路に圧油排出させる開き状態とその圧油排出を停止する閉じ状態とに切り換え自在な開閉弁を設け、この開閉弁によって切換弁を開き状態と閉じ状態とに切り換え操作するよう構成することになる。
開閉弁をアクチュエータ駆動回路に連係させて、開閉弁の切り換え操作が連係手段によって行なわれるよう構成するのに、従来の技術を採用した場合、経済面で不利になる問題があった。
つまり、従来の技術を採用した場合、切換弁の開閉操作を開閉弁だけで行うことになるから、切換弁の背圧室に作用する圧油のために切り換わり抵抗が大になる開閉弁を連係手段によって切り換え操作できるようにせねばならないのであり、例えば、電気あるいは電子制御を利用した連係手段を採用するには、開閉弁が連係手段による操作信号を入力することによって強い切り換わり力を発生させて適確に切り換わるようにせねばならず、強い切り換わり力を発生する機能を備える高価な開閉弁が必要になっていた。
【0005】
本発明の目的は、油圧アクチュエータの停止時に油圧ポンプからの圧油を切換弁によってアンロード油路に流出させるものでありながら、安価に得ることができる作業機のアンロード装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本第1発明による作業機のアンロード装置は、
油圧ポンプからの圧油をアクチュエータ駆動回路に供給する圧油供給路からアンロード油路への圧油流出を許容する開き状態と前記圧油流出を停止する閉じ状態とに切り換え自在であり、かつ背圧室に作用する前記圧油供給路からの圧油によって前記閉じ状態に操作される切換弁と、
前記背圧室から排油路に圧油排出させる開き状態と前記圧油排出を停止する閉じ状態とに切り換え自在な開閉弁と、
前記開閉弁をパイロット油圧によって切り換え操作する制御弁とを備え、
前記アクチュエータ駆動回路が油圧アクチュエータを駆動するべく操作されると、前記制御弁が前記開閉弁を前記閉じ状態に切り換え操作し、前記アクチュエータ駆動回路が油圧アクチュエータを停止するべく操作されると、前記制御弁が前記開閉弁を前記開き状態に切り換え操作するように、前記アクチュエータ駆動回路と前記制御弁とを連係させてある。
【0007】
本第1発明の構成によると、アクチュエータ駆動回路を油圧アクチュエータを停止するべく操作すると、制御弁がアクチュエータ駆動回路との連係によって切換え操作されてパイロット油圧によって開閉弁を開き状態に切り換え操作し、開閉弁が切換弁の背圧室から圧油を排出させて切換弁を開き状態に切り換え操作し、圧油供給路からアンロード油路への圧油排出が切換弁によって許容されて油圧ポンプから供給される圧油をアンロード油路に流出させることができる。
【0008】
開閉弁の切り換えを制御弁によるパイロット油圧を介しての操作によって行なわせるものだから、切換弁の背圧室に作用する圧油のために発生する切換わり抵抗に抗しての開閉弁の切り換えを、パイロット油圧によって付与する操作力によってスムーズに行わせることができ、開閉弁に強い切り換わり力を発生させる機能を備えさせずに済ませるとともに、制御弁をパイロット油圧に抗して軽く操作できるものに済ませることができる。
【0009】
従って、油圧アクチュエータの停止時には油圧ポンプからの圧油を切換弁によってアンロード油路に流出させて油圧ポンプの駆動負荷を軽減できるなど有利なものでありながら、開閉弁及び制御弁を強い切換わり力の発生機能を有しないとか軽く操作できる簡素なものに済ませて安価に得ることができる。
【0010】
本第2発明は、前記切換弁の弁体と前記制御弁のスプールとが前記弁体の摺動方向に並び、かつ前記制御弁のスプールと前記開閉弁のスプールとが前記弁体の摺動方向と直交する方向に並ぶ配列で前記弁体、前記制御弁のスプール及び前記開閉弁のスプールを弁ケースに組み込んである。
【0011】
本第2発明の構成によると、切換弁、開閉弁及び制御弁が弁体の摺動方向と直交する方向に重ならないように分散したコンパクトな状態で切換弁、開閉弁及び制御弁を纏めて装備することができる。
【0012】
従って、切換弁、開閉弁及び制御弁を備えて油圧アクチェエータ停止時における油圧ポンプからの圧油のアンロード油路への流出を可能にするものでありながら、切換弁、開閉弁及び制御弁を機体にコンパクトに纏めて装備することができる。
【0013】
本第3発明は、前記弁ケースを、前記切換弁の弁ケース部と前記開閉弁の弁ケース部と前記制御弁の弁ケース部とを一体形成して備えて構成してある。
【0014】
本第3発明の構成によると、切換弁の弁ケース部と開閉弁の弁ケース部と制御弁の弁ケース部とを一体形成してコンパクトに得ることができる。
【0015】
従って、切換弁、開閉弁及び制御弁を備えて油圧アクチェエータの停止時における油圧ポンプからの圧油のアンロード油路への流出を可能にするものでありながら、切換弁、開閉弁及び制御弁を弁ケースの面からも機体にコンパクトに纏めて装備することができる。
【0016】
本第4発明は、前記油圧アクチュエータとして、作業装置を走行機体に対して昇降操作する昇降シリンダを備えてある。
【0017】
本第4発明の構成によると、アクチュエータ駆動回路が昇降シリンダを駆動するべく操作されると、制御弁がアクチュエータ駆動回路との連係によって切換え操作されてパイロット油圧によって開閉弁を閉じ状態に切り換え操作し、開閉弁が切換弁の背圧室の圧油排出を停止させて切換弁を閉じ状態に切り換え操作し、圧油供給路からアンロード油路への圧油排出が切換弁によって停止されて油圧ポンプから供給される圧油を昇降シリンダに供給して昇降シリンダを駆動することができる。
【0018】
アクチュエータ駆動回路が昇降シリンダを停止するべく操作されると、アクチュエータ駆動回路との連係によって切換え操作される制御弁によって開閉弁を介して切換弁が開き状態に切り換え操作され、油圧ポンプから供給される圧油をアンロード油路に流出させることができる。
【0019】
従って、作業装置の昇降操作が停止された場合、油圧ポンプからの圧油をアンロード油路に流出させて油圧ポンプの駆動負荷を軽減できる。
【0020】
本第5発明は、前記油圧アクチュエータとして、作業装置を走行機体に対してローリング操作するローリングシリンダを備えてある。
【0021】
本第5発明の構成によると、アクチュエータ駆動回路がローリングシリンダを駆動するべく操作されると、制御弁がアクチュエータ駆動回路との連係によって切換え操作されてパイロット油圧によって開閉弁を閉じ状態に切り換え操作し、開閉弁が切換弁の背圧室の圧油排出を停止させて切換弁を閉じ状態に切り換え操作し、圧油供給路からアンロード油路への圧油排出が切換弁によって停止されて油圧ポンプから供給される圧油をローリングシリンダに供給してローリングシリンダを駆動することができる。
【0022】
アクチュエータ駆動回路がローリングシリンダを停止するべく操作されると、アクチュエータ駆動回路との連係によって切換え操作される制御弁によって開閉弁を介して切換弁が開き状態に切り換え操作され、油圧ポンプから供給される圧油をアンロード油路に流出させることができる。
【0023】
従って、作業装置のローリング操作が停止された場合、油圧ポンプからの圧油をアンロード油路に流出させて油圧ポンプの駆動負荷を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】トラクタの全体を示す側面図である。
【図2】リンク機構及びロータリ耕耘装置を示す斜視図である。
【図3】ローリグシリンダ及び昇降シリンダの駆動を可能にする油圧回路を示す油圧回路図である。
【図4】ブレーキ油圧回路、操向油圧回路、変速油圧回路、作業油圧回路を示す油圧回路図である。
【図5】アンロード装置を示す概略図である。
【図6】弁装置を示す平面図である。
【図7】弁装置を示す側面図である。
【図8】図6のVIII−VIII線断面矢視図である。
【図9】別実施形態を備える弁装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面に基づいて、本発明に係る作業機のアンロード装置をトラクタに装備した場合について説明する。
【0026】
図1に示すように、トラクタは、左右一対の前車輪1,1が操向操作及び駆動自在に装備され、左右一対の後車輪2,2が駆動自在に装備された機体フレーム3の後部側に運転座席4aを有した乗用運転部4を設けて走行機体を構成し、機体フレーム3の後部を構成するミッションケース5の後端部にリンク機構6を介してロータリ耕耘装置7を連結して構成されている。
【0027】
走行機体の機体フレーム3は、エンジン8と、エンジン8の後部にクラッチハウジング9を介して前端部が連結された伝動ケース10と、伝動ケース10の後端部に前端部が連結されたミッションケース5と、エンジン8の下部に連結された前輪支持フレーム11とを備えて構成してある。
【0028】
走行機体は、ミッションケース5の後部壁から機体後方向きに突設された動力取り出し軸12を備え、エンジン8からの駆動力を動力取り出し軸12から回転軸13を介してロータリ耕耘装置7に伝達する。
【0029】
図2は、リンク機構6及びロータリ耕耘装置7を示す斜視図である。この図及び図1に示すように、リンク機構6は、ミッションケース5の上部に設けた支持部5aに上下揺動自在に支持される左右一対のリフトアーム15,15と、ミッションケース5の下部に設けた左右一対の下部支持体5b,5bから機体後方向きに上下揺動自在に延出する左右一対のロワーリンク16,16と、左側のリフトアーム15と左側のロワーリンク16とを連結するリフトロッド17と、右側のリフトアーム15と右側のロワーリンク16とを連結する複動形のローリングシリンダ18と、ミッションケース5の後部壁に設けた上部支持体5cから後方向きに上下揺動自在に延出するトップリンク19とを備えて構成してある。左右一対のロワーリンク16,16及びトップリンク19の延出端部は、ロータリ耕耘装置7が備える連結フレーム20に連結されている。
【0030】
リンク機構6は、左右一対のリフトアーム15,15に一端側が連結され、左右一対の下部支持体5b,5bに他端側が連結された左右一対の単動形の昇降シリンダ21,21を備え、左右一対のリフトアーム15,15が左右一対の昇降シリンダ21,21によって上下に揺動操作されることにより、ミッションケース5に対して上下に揺動操作されてロータリ耕耘装置7を走行機体に対して昇降操作する。
【0031】
リンク機構6は、右側のロワーリンク16がローリングシリンダ18によってミッションケース5に対して昇降操作されることにより、ロワーリンク16と下部支持体5b及び連結フレーム20との連結箇所、リフトロッド17とリフトアーム15及びロワーリンク16との連結箇所、ローリングシリンダ18とロワーリンク16及びリフトアーム15との連結箇所、トップリンク19と上部支持体5c及び連結フレーム20との連結箇所に設けた融通の作用により、ロータリ耕耘装置7を走行機体に対してローリング操作する。
【0032】
ローリングシリンダ18及び昇降シリンダ21の駆動を可能にする油圧回路を図3に示す如く構成してある。すなわち、ローリングシリンダ18に一対の操作油路31,31を介して接続された操作弁32を備えてローリングシリンダ用のアクチュエータ駆動回路30を構成し、このアクチュエータ駆動回路30の入力ポート33と第1の油圧ポンプ25の吐出部とを接続する圧油供給路26を備え、一対の昇降シリンダ21,21に操作油路41を介して接続された上昇操作弁42及び下降操作弁43を備えて昇降シリンダ用のアクチュエータ駆動回路40を構成し、このアクチュエータ駆動回路40の入力ポート44を中継油路27を介してローリングシリンダ用のアクチュエータ駆動回路30の排油ポート34に接続して、昇降シリンダ用のアクチュエータ駆動回路40の入力ポート44が圧油供給路26に接続されるように構成してある。
【0033】
圧油供給路26は、第1の油圧ポンプ25の吐出部を油取出し回路50の入力ポート51に連通させるポンプ側供給路26aと、油取出し回路50に設けられた主取出し油路52と、油取出し回路50の排油ポート53をローリングシリダ用のアクチュエータ駆動回路30の入力ポート33に連通させるアクチュエータ側供給路26bとを備えて構成してある。ポンプ側供給路26aにリリーフ弁28aを有したリリーフ油路28が接続されている。油取出し回路50の主取出し油路52は、入力ポート51と排油ポート53とを連通させる状態で設けられている。
【0034】
油取出し回路50は、主取出し油路52に一対の枝取出し回路54,54を介して接続された一対の取出し口部55,55を備え、アースブレイカー等の外部装置の入力ホースが取出し口部55に接続され、枝取出し回路54に設けてある取出し弁56が操作され、この取出し弁56及び切換弁57の開き作用によって枝取出し回路54が開き操作されることにより、第1の油圧ポンプ25からポンプ側供給路26aを介して主取出し油路52に供給される圧油を外部装置に供給するよう構成されている。一方の取出し口部55に開閉弁58aを有した排油路58が接続されており、開閉弁58aを開き操作することにより、外部装置から戻ってくる油を排油路58からドレン油路59に流入させてタンクとしてのミッションケース5に戻すことができるよう構成されている。
【0035】
ローリングシリンダ用のアクチュエータ駆動回路30は、前記操作弁32を備える他、この操作弁32を入力ポート33に接続する給油路35と、この給油路35に設けた切換弁36を排油ポート34に連通させる排油路37と、操作弁32の一対の操作部に一対のパイロット操作油路38a,38aを介して各別に接続された一対の制御弁38,38と、一対の制御弁38,38に接続されたパイロット油路38bとを備えて構成してある。
【0036】
操作弁32とローリングシリンダ18とを接続する一対の操作油路31,31は、パイロット式逆止弁39を備えている。パイロット式逆止弁39と切換弁36とにわたってシャトル弁を有したパイロット油路39aを設けてある。パイロット油路38bは、ポンプ側供給路26aに接続されている。パイロット油路38bは、アンロード付き圧力制御弁38c、及びパイロット圧検出のための検圧ポート38dを備えている。
【0037】
従って、ローリングシリンダ用のアクチュエータ駆動回路30は、一方の制御弁38が駆動位置に切り換え制御され、他方の制御弁38が中立位置に切り換え制御されると、ポンプ側供給路26aからパイロット油路38bに供給されるパイロット油圧を一方の制御弁38からパイロット操作油路38aを介して操作弁32の一方の操作部に供給して操作弁32をアクチュエータ駆動位置に切り換え操作し、第1の油圧ポンプ25から圧油供給路26に供給され、圧油供給路26から給油路35に供給される圧油を操作弁32から一方の操作油路31を介してローリングシリンダ18のボトム側ポートに供給してローリングシリンダ18を伸長側に駆動する。
【0038】
ローリングシリンダ用のアクチュエータ駆動回路30は、一方の制御弁38が中立位置に切り換え制御され、他方の制御弁38が駆動位置に切り換え制御されると、ポンプ側供給路26aからパイロット油路38bに供給されるパイロット油圧を他方の制御弁38からパイロット操作油路38aを介して操作弁32の他方の操作部に供給して操作弁32をアクチュエータ駆動位置に切り換え操作し、第1の油圧ポンプ25から圧油供給路26に供給され、圧油供給路26から給油路35に供給される圧油を操作弁32から他方の操作油路31を介してローリングシリンダ18のロッド側ポートに供給してローリングシリンダ18を短縮側に駆動する。
【0039】
ローリングシリンダ用のアクチュエータ駆動回路30は、一対の制御弁38,38が共に中立位置に切り換え制御されると、一対の制御弁38,38によって操作弁32の一対の操作部からパイロット油圧を排出して操作弁32を中立位置に切り換え操作し、ローリングシリンダ18のボトム側ポート及びロッド側ポートに対する圧油供給を停止してローリングシリンダ18を停止させる。
【0040】
昇降シリンダ用のアクチュエータ駆動回路40は、前記上昇操作弁42及び前記下降操作弁43を備える他、上昇操作弁42の操作部にパイロット操作油路45aを介して接続された上昇制御弁45と、下降操作弁43の操作部にパイロット操作油路46aを介して接続された下降制御弁46と、上昇操作弁42を入力ポート44に連通させる給油路47と、上昇制御弁45及び下降制御弁46に接続されたパイロット油路48とを備えて構成してある。
【0041】
パイロット油路48は、操作油路41の上昇操作弁42と下降操作弁43が接続している部位の間に連通されている。給油路47にリリーフ弁49aを備えたリリーフ油路49が接続されている。
【0042】
従って、昇降シリンダ用のアクチュエータ駆動回路40は、上昇制御弁45が駆動位置に切り換え制御されると、操作油路41からパイロット油路48に供給されるパイロット油圧を上昇制御弁45からパイロット操作油路45aを介して上昇操作弁42の操作部に供給して上昇操作弁42をアクチュエータ駆動位置に切り換え操作し、第1の油圧ポンプ25から圧油供給路26に供給され、圧油供給路26から中継油路27を介して給油路47に供給される油圧を上昇操作弁42から操作油路41を介して一対の昇降シリンダ21,21のボトム側室に供給して一対の昇降シリンダ21,21を伸長側(耕耘装置上昇側)に駆動する。このとき、上昇操作弁42から昇降シリンダ21に供給される圧油は、操作油路41に並列状態で設けた絞り部41aと逆止弁41bのうちの逆止弁41bを通る。
【0043】
昇降シリンダ用のアクチュエータ駆動回路40は、下降制御弁46が下降操作位置に切り換え制御されると、操作油路41からパイロット油路48に供給されるパイロット油圧を下降制御弁46からパイロット操作油路46aを介して下降操作弁43の操作部に供給して下降操作弁43を排油位置に切り換え操作し、一対の昇降シリンダ21,21から操作油路41を介して下降操作弁43に圧油を排出し、一対の昇降シリンダ21,21をロータリ耕耘装置7の荷重によって短縮側(耕耘装置下降側)に操作する。このとき、一対の昇降シリンダ21,21から排出される圧油は、操作油路41における落下速度調整用の絞り部41aを通る。
【0044】
昇降シリンダ用のアクチュエータ駆動回路40は、上昇制御弁45及び下降制御弁46が停止位置に切り換え制御されると、上昇操作弁42が給油停止位置に切り換え操作され、下降操作弁43がロック位置に切り換え操作され、上昇操作弁42及び下降操作弁43が一対の昇降シリンダ21,21を停止させる。
【0045】
図3に示す油路ブロック5dは、ミッションケース5が備える上部カバーである。
【0046】
図4に示すブレーキ油圧回路60は、ブレーキぺダル61が踏み操作されることにより、マスタシリンダ62が操作されてブレーキ63を制動操作するようにブレーキ操作装置を構成するものである。
【0047】
図4に示す操向油圧回路65は、ステアリングハンドル66が回転操作されることにより、ステアリング弁67及びメータリングポンプ68が操作されてパワーステアリングシリンダ69を駆動するようにパワーステアリング装置を構成するものである。
【0048】
図4に示す変速油圧回路70は、走行トランスミッションを変速操作する変速装置を構成するものであり、1速ピストン71、2速ピストン72、3速ピストン73,4速ピストン74、前進ピストン75、後進ピストン76、低速ピストン77、高速ピストン78、前輪デフピストン79、後輪デフピストン80、駆動切換えピストン81、前輪増速ピストン82を備えている。1速〜4速ピストン71,72,73,74は、主変速部の1速〜4速クラッチを切り換え操作して走行トランスミッションを1速〜4速状態に変速する。前進ピストン75及び後進ピストン76は、前後進切換え部の前進クラッチと後進クラッチを切り換え操作して走行トランスミッションを前進伝動状態と後進伝動状態とに変速する。低速ピストン77及び高速ピストン78は、副変速部を低速状態と高速状態に切り換え操作して走行トランスミッションを低速側と高速側とに副変速する。前輪デフピストン79は、前輪差動機構をデフロック状態に切り換え操作し、後輪デフピストン80は、後輪差動機構をデフロック状態に切り換え操作する。駆動切換えピストン81は、走行トランスミッションを4輪駆動状態と2輪駆動状態とに切り換える。前輪増速ピストン82は、走行トランスミッションによる前輪増速をオン状態とオフ状態とに切り換える。
【0049】
図4に示す作業油圧回路85は、動力取り出し軸12に対する伝動を入り切り操作する作業クラッチをクラッチピストン86によって入り状態と切り状態に切換え操作するものである。
【0050】
ブレーキ油圧回路60、操向油圧回路65、変速油圧回路70及び作業油圧回路85は、レギュレータバルブ装置88を介して第2の油圧ポンプ89に接続されている。第1の油圧ポンプ25及び第2の油圧ポンプ89は、ミッションケース5に貯留された潤滑油を作動油として取り出す。従って、ミッションケース5が作動油のタンクになる。
【0051】
ローリングシリンダ用のアクチュエータ駆動回路30を構成する一対の制御弁38,38を、電磁操作部38eによって切り換え操作されるように電磁制御弁に構成してある。図5に示すように、一対の制御弁38,38の電磁操作部38eに制御装置90を連係させるとともに、制御装置90に傾斜センサ91を連係させてある。
【0052】
傾斜センサ91は、走行機体の左右傾斜角を検出するようにミッションケース5に設置されている。傾斜センサ91は、検出結果を電気信号で制御装置90に出力する。
【0053】
制御装置90は、マイクロコンピュータを利用して構成してあり、ローリング制御手段92を備えている。ローリング制御手段92は、傾斜センサ91による検出情報と傾斜設定器93による設定傾斜角とを基に、ロータリ耕耘装置7の水平に対する左右傾斜角が傾斜センサ91による検出傾斜角の変化にかかわらず傾斜設定器93による設定傾斜角に等しくまたはほぼ等しくなるように、一対の制御弁38,38を操作することによってローリングシリンダ18を制御する。傾斜設定器93は、ロータリ耕耘装置7に維持させるべき水平に対する左右傾斜角を設定傾斜角として設定する。
【0054】
つまり、ローリング制御手段92は、傾斜センサ91による検出情報及び傾斜設定器93による設定情報に基づいてローリングシリンダ18を操作することによってロータリ耕耘装置7を走行機体に対してローリング制御するのであり、走行機体の左右傾斜にかかわらず、ロータリ耕耘装置7の左右での耕耘深さを傾斜設定器93による設定どおりに一定にしながら、あるいは相違させながら作業できるようになっている。
【0055】
昇降シリンダ用のアクチュエータ駆動回路40を構成する上昇制御弁45及び下降制御弁46を、電磁操作部45b,46bによって切り換え操作されるように電磁制御弁に構成してある。図5に示すように、上昇制御弁45及び下降制御弁46の電磁操作部45b,46bに制御装置90を連係させるとともに、制御装置90に耕深センサ94及び角度センサ95を連係させてある。
【0056】
図2に示すように、耕深センサ94は、ロータリ耕耘装置7が備えるロータリ上方カバー96aにセンサボディが固定された回転ポテンショメータによって構成してある、回転ポテンショメータの回転操作軸は、ロータリ上方カバー96aに横向き軸芯まわりに上下揺動自在に枢支されたロータリ後方カバー96bにリンク機構94aを介して連動されている。
【0057】
つまり、耕深センサ94は、ロータリ後方カバー96bの耕耘装置機体に対する上下揺動角を基に耕耘ロータ7aによる耕耘深さを検出し、この検出結果を電気信号で制御装置90に出力する。
【0058】
角度センサ95は、リフトアーム15の回転支軸に回転操作軸が連動された回転ポテンショメータによって構成してあり、回転支軸の回転角をリフトアーム15の走行機体に対する揺動角として検出し、この検出結果を制御装置90に出力する。
【0059】
制御装置90は、昇降制御手段97を備えている。昇降制御手段97は、耕深センサ94及び角度センサ95による検出情報を基に、耕深センサ94による検出耕深が耕深設定器98による設定耕深に等しくまたはほぼ等しくなるように、上昇制御弁45及び下降制御弁46を操作することにより昇降シリンダ21を制御する。耕深設定器98は、ロータリ耕耘装置7に維持させるべき耕耘深さを設定耕深として設定する。
【0060】
つまり、昇降制御手段97は、耕深センサ94による検出情報及び耕深設定器98による設定情報に基づいて一対の昇降シリンダ21,21を操作することによってロータリ耕耘装置7を走行機体に対して昇降制御するのであり、走行機体の前後傾斜にかかわらず、ロータリ耕耘装置7の耕耘深さを耕深設定器98による耕耘深さと同じあるいはほぼ同じにさせながら作業できるようになっている。
【0061】
図3に示すように、圧油供給路26に連通路101介して接続された切換弁102、及び切換弁102に接続されたアンロード油路103を備えてアンロード装置100を構成し、ローリングシリンダ18及び昇降シリンダ21の停止時と、昇降シリンダ21の下降操作時には、第1の油圧ポンプ25から圧油供給路26に供給される圧油を圧油供給路26からアンロード油路103に流出させて第1の油圧ポンプ25の駆動負荷を軽減するよう構成してある。
【0062】
すなわち、図3及び図5に示すように、アンロード装置100は、切換弁102及びアンロード油路103を備える他、切換弁102に接続された排油路104と、この排油路104に設けられた開閉弁105と、開閉弁105の操作部105aにパイロット操作油路106を介して接続された制御弁107と、制御弁107の電磁操作部107aに制御装置90を介して連係されたアンロード制御手段108とを備えて構成してある。
【0063】
連通路101は、切換弁102のポンプポート102Pと圧油供給路26のうちのローリングシリンダ用のアクチュエータ駆動回路30における入力ポート33に接続している部位とを連通させている。
【0064】
アンロード油路103は、切換弁102のタンクポート102Tをタンクとしてのミッションケース5に連通させている。アンロード油路103は、切換弁102とミッションケース5の間に設けられたオイルクーラ109を備えている。
【0065】
切換弁102は、ポンプポート102P及びタンクポート102Tが一端側に開口する弁室110と、弁室110に摺動自在に収容された弁体111と、弁体111の背後側に押圧作用するスプリング112と、弁室110のうちの弁体111の背後側に位置する部分で成る背圧室113とを備えて構成してある。
【0066】
切換弁102は、背圧室113に作用する圧油が排油路104に排出されると、圧油供給路26から連通路101を介して弁室110に流入した圧油の弁体頭部に対する作用よって弁体111がスプリング112に抗して摺動操作され、弁体頭部が弁座114(図6参照)から離間して開き状態に切り換わる。切換弁102は、背圧室113からの圧油排出が停止されると、圧油供給路26から連通路101を介して弁室110に流入し、弁体111に設けてある絞り付き油路115から背圧室113に流入して作用する圧油とスプリング112とによって弁体111が摺動操作され、弁体頭部が弁座114に圧接されて閉じ状態に切り換わる。
【0067】
切換弁102は、開き状態に切り換わると、ポンプポート102Pとタンクポート102Tとを連通させて圧油供給路26から連通路101を介して弁室110に流入する圧油をタンクポート102Tからアンロード油路103へ流出させることにより、圧油供給路26からアンロード油路103への圧油流出を許容する。
【0068】
切換弁102は、閉じ状態に切り換わると、ポンプポート102Pとタンクポート102Tの連通を絶つことにより、圧油供給路26からアンロード油路103への圧油流出を停止する。
【0069】
開閉弁105は、操作部105aとリターンスプリング120とによって開閉操作され、開き状態に切り換え操作されると、排油路104を開いて切換弁102の背圧室113に作用する圧油を排油路104に排出することにより、切換弁102を開き状態に切り換え操作する。背圧室113から排油路104に排出した圧油は、アンロード油路103に流入させてタンクとしてのミッションケース5に戻す。
【0070】
開閉弁105は、閉じ状態に切り換え操作されると、排油路104を閉じて切換弁102の背圧室113から排油路104への圧油排出を停止することにより、切換弁102を閉じ状態に切り換え操作する。
【0071】
制御弁107は、電磁操作部107aとリターンスプリング130とによってアンロード位置[on]とアンロード解除位置[off]とに切り換え操作され、アンロード位置[on]に切り換え操作されると、アクチュエータ駆動回路30のパイロット油路38bからパイロット油路131に供給されるパイロット油圧をパイロット操作油路106に供給して開閉弁105の操作部105aに供給し、開閉弁105をパイロット油圧によって開き状態に切り換え操作する。
【0072】
制御弁107は、アンロード解除位置[off]に切り換え操作されることにより、開閉弁105の操作部105aからパイロット操作油路106を介してパイロット油圧を排出して、開閉弁105を閉じ状態に切り換え操作する。開閉弁105の操作部105aからパイロット操作油路106に排出したパイロット油圧は、ドレン油路132からアンロード油路103に流入させてタンクとしてのミッションケース5に戻す。
【0073】
アンロード制御手段108は、アクチュエータ駆動回路30がローリングシリンダ18を駆動するべく操作されるか、あるいはアクチュエータ駆動回路40が昇降シリンダ21を上昇側に駆動するべく操作されると、制御弁107が開閉弁105を閉じ状態に切り換え操作し、アクチュエータ駆動回路30及びアクチュエータ駆動回路40がローリングシリンダ18や昇降シリンダ21を停止するべく操作されるか、あるいはアクチュエータ駆動回路30がローリングシリンダ18を停止するべく操作され、かつアクチュエータ駆動回路40が昇降シリンダ21を下降側に操作するべく操作されると、制御弁107が開閉弁105を開き状態に切り換え操作するように、制御弁107とアクチュエータ駆動回路30及びアクチュエータ駆動回路40とを連係させている。
【0074】
すなわち、アンロード制御手段108は、ローリング制御手段92がアクチュエータ駆動の操作信号を出力して一対の制御弁38,38のいずれか一方を駆動位置に切り換え操作すると、あるいは昇降制御手段97がアクチュエータ上昇駆動の操作信号を出力して上昇制御弁45を駆動位置に切り換え操作すると、ローリング制御手段92や昇降制御手段97がアクチュエータ駆動やアクチュエータ上昇駆動の操作信号を出力したことの情報を入力し、この入力に基いてアンロード解除の操作信号を電気信号で制御弁107の電磁操作部107aに出力して制御弁107をアンロード解除位置[off]に切り換え操作する。
【0075】
アンロード制御手段108は、ローリング制御手段92がアクチュエータ停止の操作信号を出力して一対の制御弁38,38を中立位置に切り換え操作し、かつ昇降制御手段97がアクチュエータ停止の操作信号を出力して上昇制御弁45及び下降制御弁46を停止位置に切り換え操作するか、あるいは、ローリング制御手段92がアクチュエータ停止の操作信号を出力して一対の制御弁38,38を中立位置に切り換え操作し、かつ昇降制御手段97がアクチュエータ下降操作の操作信号を出力して上昇制御弁45を停止位置に切り換え操作するとともに下降制御弁46を下降操作位置に切り換え操作すると、アクチュエータ駆動回路30及びアクチュエータ駆動回路40がアクチュエータ停止やアクチュエータ下降操作の操作信号を出力したことの情報を入力し、この入力に基いてアンロードの操作信号を電気信号で制御弁107の電磁操作部107aに出力して制御弁107をアンロード位置[on]に切り換え操作する。
【0076】
従って、アンロード装置100は、ローリングシリンダ18のための操作弁32がアクチュエータ駆動位置に切り換え操作されると、あるいは昇降シリンダ21のための上昇操作弁42がアクチュエータ駆動位置に切り換え操作されると、アンロード制御手段108による制御弁107とアクチュエータ駆動回路30及びアクチュエータ駆動回路40との連係によって制御弁107をアンロード解除位置[off]に切り換え操作することにより、開閉弁105を制御弁107によるパイロット油圧の排出によって閉じ状態に切り換え操作し、背圧室113からの圧油排出を開閉弁105によって停止することで切換弁102を閉じ状態に切り換え操作して圧油供給路26からアンロード油路103への圧油流出を停止し、第1の油圧ポンプ25から圧油供給路26に供給される圧油をローリングシリンダ18や昇降シリンダ21に供給してローリングシリンダ18を伸長及び短縮側に駆動できるようにし、昇降シリンダ21を上昇操作側(伸長側)に駆動できるようにする。
【0077】
アンロード装置100は、ローリングシリンダ18のための操作弁32が中立位置に切り換え操作され、かつ昇降シリンダ21のための上昇操作弁42が給油停止位置に、下降操作弁43がロック位置にそれぞれ切り換え操作されるか、あるいはローリングシリンダ18のための操作弁32が中立位置に切り換え操作され、かつ昇降シリンダ21のための上昇操作弁42が給油停止位置に、下降操作弁43が排油位置にそれぞれ切り換え操作されると、アンロード制御手段108による制御弁107とアクチュエータ駆動回路30及びアクチュエータ駆動回路40との連係によって制御弁107をアンロード位置[on]に切り換え操作することにより、開閉弁105を制御弁107によるパイロット油圧の供給によって開き状態に切り換え操作し、背圧室113からの圧油排出を開閉弁105によって可能にすることで切換弁102を開き状態に切り換え操作して圧油供給路26からアンロード油路103への圧油流出を許容し、第1の油圧ポンプ25から圧油供給路26に供給される圧油を切換弁102からアンロード油路103に流出させて第1の油圧ポンプ25の駆動負荷を軽減する。
【0078】
図6は、切換弁102、開閉弁105及び制御弁107を備える弁装置を示す平面図である。図7は、切換弁102、開閉弁105及び制御弁107を備える弁装置を示す側面図である。図8は、図6のVIII−VIII線断面矢視図である。これらの図に示すように、切換弁102、開閉弁105及び制御弁107を備える弁装置は、平面視形状が長方形となるように形成した弁ケース140を備えて構成してある。弁ケース140は、弁ケース140の長辺方向での一端側に位置する切換弁102の弁ケース部116と、弁ケース140の長辺方向での他端側に位置する開閉弁105の弁ケース部122と、弁ケース140の長辺方向での他端側に位置する制御弁107の弁ケース部134とを備えて構成してある。切換弁102の弁ケース部116と開閉弁105の弁ケース部122と制御弁107の弁ケース部134とは、一体形成されている。
【0079】
切換弁102の弁体111と制御弁107のスプール133とは、切換弁102の弁体111の摺動方向に並ぶ配置で弁ケース140に組み込んである。切換弁102の弁体111と制御弁107のスプール133とは、弁ケース140の短辺方向での中央部に配置してある。切換弁102の弁体111と制御弁107のスプール133とは、これらの軸芯が一直線上に位置する状態で並んでいる。開閉弁105のスプール121は、制御弁107のスプール133に対して切換弁102の弁体111の摺動方向と直交する方向に並ぶ配置で弁ケース140に組み込んである。切換弁102の弁体111、制御弁107のスプール133及び開閉弁105のスプール121の摺動方向は、弁ケース140の長辺方向になっている。
【0080】
弁ケース140の表面側に、切換弁102のポンプポート102Pを制御弁107と切換弁102の弁室110との間に配置して設けてある。弁ケース140の切換弁102及び制御弁107に対して開閉弁105が位置する側とは反対側の端部に、制御弁107にパイロット油圧を供給するパイロット圧入口141と切換弁102のタンクポート102Tとを弁ケース140の長辺方向に並べて設けてある。開閉弁105の操作部105aと制御弁107の出力ポートとを連通させるパイロット操作油路106は、弁ケース140の内部に形成されている。排油路104のうちの開閉弁105より上流側に位置する上流側部分104a及び開閉弁105より下流側に位置する下流側部分104bは、弁ケース140の内部に設けてある。排油路104の下流側部分104b及びドレン油路132は、弁ケース140の内部に切換弁102のタンクポート102Tに連通させて設けてある。
【0081】
〔別実施形態〕
図9は、別実施形態を備える弁装置を示す断面図である。この図に示すように、別実施形態を備える弁装置では、一つの弁ケース150を備えて構成し、この弁ケース150に、ローリングシリンダ用のアクチュエータ駆動回路30が備える一対の制御弁38,38、アンロード装置100が備える制御弁107及び各制御弁38,107の電磁操作部38e,107aにリード線151aで接続されるコネクタ151を組み込んである。
【0082】
弁ケース150は、弁ケース150の外周側に弁ケース150の周方向に分散配置して設けた複数個の取付け孔152を備え、各取付け孔52に装着の連結ボルトによってミッションケース5あるいは他の弁装置で成る支持部材に装着するように構成してある。一対の制御弁38,38及び一つの制御弁107は、スプールの摺動方向が平行またはほぼ平行となる配置で組み込んである。制御弁38と制御弁107とは、同じ形態(種類)の弁であるから、一つの弁ケース150にコンパクトに効率よく纏めて配置することができる。
【0083】
〔別実施例〕
(1)上記した実施例では、制御弁107を自動制御されるアクチュエータ駆動回路30,40に連係されるよう構成した例を示したが、アクチュエータの駆動及び停止操作を人為的に行なうように人為操作自在な操作弁を備えてアクチュエータ駆動回路を構成し、人為操作されるアクチュエータ駆動回路と制御弁107とを連係させて構成してもよい。
【0084】
(2)上記した実施例では、油圧アクチュエータとして昇降シリンダ21及びローリングシリンダ18を備えた例を示したが、操作対象が各種異なる油圧シリンダや作業装置などを駆動する油圧モータを油圧アクチュエータとして備える作業機にも適用できる。
【0085】
(3)上記した実施例では、ロータリ耕耘装置7を備えた例を示したが、草刈装置、薬剤や肥料等の散布装置など各種の作業装置を備えて実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明は、トラクタの他、コンバイン、バックホウ等の建設機械など各種の作業機に利用可能である。
【符号の説明】
【0087】
7 作業装置
18,21 油圧アクチュエータ
25 油圧ポンプ
26 圧油供給路
30,40 アクチュエータ駆動回路
102 切換弁
103 アンロード油路
104 排油路
105 開閉弁
107 制御弁
111 弁体
113 背圧室
116 切換弁の弁ケース部
121 開閉弁のスプール
122 開閉弁の弁ケース部
133 制御弁のスプール
134 制御弁の弁ケース部
140 弁ケース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
油圧ポンプからの圧油をアクチュエータ駆動回路に供給する圧油供給路からアンロード油路への圧油流出を許容する開き状態と前記圧油流出を停止する閉じ状態とに切り換え自在であり、かつ背圧室に作用する前記圧油供給路からの圧油によって前記閉じ状態に操作される切換弁と、
前記背圧室から排油路に圧油排出させる開き状態と前記圧油排出を停止する閉じ状態とに切り換え自在な開閉弁と、
前記開閉弁をパイロット油圧によって切り換え操作する制御弁とを備え、
前記アクチュエータ駆動回路が油圧アクチュエータを駆動するべく操作されると、前記制御弁が前記開閉弁を前記閉じ状態に切り換え操作し、前記アクチュエータ駆動回路が油圧アクチュエータを停止するべく操作されると、前記制御弁が前記開閉弁を前記開き状態に切り換え操作するように、前記アクチュエータ駆動回路と前記制御弁とを連係させてある作業機のアンロード装置。
【請求項2】
前記切換弁の弁体と前記制御弁のスプールとが前記弁体の摺動方向に並び、かつ前記制御弁のスプールと前記開閉弁のスプールとが前記弁体の摺動方向と直交する方向に並ぶ配列で前記弁体、前記制御弁のスプール及び前記開閉弁のスプールを弁ケースに組み込んである請求項1記載の作業機のアンロード装置。
【請求項3】
前記弁ケースを、前記切換弁の弁ケース部と前記開閉弁の弁ケース部と前記制御弁の弁ケース部とを一体形成して備えて構成してある請求項2記載の作業機のアンロード装置。
【請求項4】
前記油圧アクチュエータとして、作業装置を走行機体に対して昇降操作する昇降シリンダを備えてある請求項1〜3のいずれか一項に記載の作業機のアンロード装置。
【請求項5】
前記油圧アクチュエータとして、作業装置を走行機体に対してローリング操作するローリングシリンダを備えてある請求項1〜4のいずれか一項に記載の作業機のアンロード装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−32814(P2013−32814A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−169464(P2011−169464)
【出願日】平成23年8月2日(2011.8.2)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【出願人】(000104858)クボタ精機株式会社 (7)
【Fターム(参考)】