説明

作業機械の油圧駆動装置

【課題】ブーム上げ、アームクラウド複合操作を絞りを設けずに実施でき、また絞りを有する再生回路を設けたのと同様のアームクラウド操作を実施させることができる。
【解決手段】本発明は、第1油圧ポンプ11と、この第1油圧ポンプ11にパラレル接続される第1ブーム用方向制御弁19及び第2アーム用方向制御弁18と、第2油圧ポンプ12と、この第2油圧ポンプ12にパラレル接続される第2ブーム用方向制御弁22及び第1アーム用方向制御弁23とを備えた油圧ショベルの油圧駆動装置にあって、第3油圧ポンプ13と、この第3油圧ポンプ13に接続され、ブームシリンダ7に供給される圧油の流れを制御する第3ブーム用方向制御弁33と、この第3ブーム用方向制御弁33にタンデム接続され、アームシリンダ8に供給される圧油の流れを制御する第3アーム用方向制御弁34とを備えた構成にしてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブームと、このブームに接続されるアームとを有する作業装置を備え、ブーム上げ、アームクラウド複合操作が可能な作業機械の油圧駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来技術として、特許文献1に示されるものがある。この特許文献1には、旋回体を含む車体と、旋回体に取り付けられる作業装置とを備え、作業装置が、旋回体に上下方向の回動可能に接続されるブームと、このブームの先端に上下方向の回動可能に接続されるアームと、ブームを駆動するブームシリンダと、アームを駆動するアームシリンダとを含む作業機械、例えば油圧ショベルが示されている。また、この特許文献1には、この油圧ショベルに備えられる油圧回路装置、すなわち油圧駆動装置が、ブームシリンダ及びアームシリンダをそれぞれ作動させる圧油を供給する第1油圧ポンプ及び第2油圧ポンプと、第1油圧ポンプに対しパラレル接続され、ブームシリンダに供給される圧油の流れを制御する第1ブーム用方向制御弁及びアームシリンダに供給される圧油の流れを制御する第2アーム用方向制御弁と、第2油圧ポンプに対しパラレル接続され、ブームシリンダに供給される圧油の流れを制御する第2ブーム用方向制御弁及びアームシリンダに供給される圧油の流れを制御する第1アーム用方向制御弁とを備えた構成が開示されている。
【0003】
上述した特許文献1には示されていないが、油圧ショベル等の作業機械に備えられる油圧駆動装置として、ブーム上げ、アームクラウド複合操作時の操作性を考慮して、この複合操作時に低圧側となるアーム用方向制御弁の上流に固定絞りを設けることが従来から知られている。この種の従来技術として、特許文献2に示されるものがある。
【0004】
また、上述した特許文献1には示されていないが、油圧ショベル等の作業機械に備えられる油圧駆動装置として、アームを自重により下降させるアームクラウド操作に際して、戻り管路を絞ってアームシリンダのロッド室から排出された油をボトム室に再生供給させる絞りを有する再生回路を備えた油圧駆動装置が従来から知られている。この種の従来技術として、例えば特許文献3に示されるものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−82416号公報
【特許文献2】特開平8−13547号公報
【特許文献3】特開平8−219107号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した特許文献1に示される従来技術において、特許文献2に示されるような従来から知られている技術を考慮したもの、すなわちブーム上げ、アームクラウド複合操作の操作性を確保するために、低圧側となるアーム用方向制御弁の上流を絞るようにした従来の油圧駆動装置にあっては、管路を絞ることによる圧損が大きく、このために油圧ポンプに大きな負荷がかかってポンプ効率が低下しやすい。そのため、より動作速度等を増加させて作業性を向上させるには、エンジン出力を大きくせざるを得ない。これによって燃費が増加する。すなわち、従来技術では作業性を向上させつつ、より大きな省エネ効果を実現させることが難しかった。
【0007】
また、上述した特許文献1に示される従来技術において、特許文献3に示されるような従来から知られている技術を考慮したもの、すなわち、戻り管路を絞るようにしてアームクラウド時の再生を行わせるようにした従来の油圧駆動装置にあっても同様であり、管路を絞ることによる圧損が大きく、このために油圧ポンプに大きな負荷がかかってポンプ効率が低下しやすい。したがって、より動作速度等を増加させて作業性を向上させるには、エンジン出力を大きくせざるを得ない。これによって燃費が増加する。すなわち、従来技術では作業性を向上させつつ、大きな省エネ効果を実現させることが難しかった。
【0008】
本発明は、上述した従来技術における実状からなされたもので、その目的は、ブーム上げ、アームクラウド複合操作を絞りを設けることなく実施させることができ、また絞りを有する再生回路を設けたのと同様のアームクラウド操作を実施させることができる作業機械の油圧駆動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的を達成するために、本発明は、車体と、この車体に取り付けられる作業装置とを備え、この作業装置は、上記車体に上下方向の回動可能に接続されるブームと、このブームの先端に上下方向の回動可能に接続されるアームと、上記ブームを駆動するブームシリンダと、上記アームを駆動するアームシリンダとを含む作業機械に設けられ、上記ブームシリンダ及び上記アームシリンダをそれぞれ作動させる圧油を供給する第1油圧ポンプ及び第2油圧ポンプと、上記第1油圧ポンプに対しパラレル接続され、上記ブームシリンダに供給される圧油の流れを制御する第1ブーム用方向制御弁及び上記アームシリンダに供給される圧油の流れを制御する第2アーム用方向制御弁と、上記第2油圧ポンプに対しパラレル接続され、上記ブームシリンダに供給される圧油の流れを制御する第2ブーム用方向制御弁及び上記アームシリンダに供給される圧油の流れを制御する第1アーム用方向制御弁とを備えた作業機械の油圧駆動装置において、上記ブームシリンダ及び上記アームシリンダをそれぞれ作動させる圧油を供給する第3油圧ポンプと、この第3油圧ポンプに接続され、上記ブームシリンダに供給される圧油の流れを制御する第3ブーム用方向制御弁と、この第3ブーム用方向制御弁にタンデム接続され、上記アームシリンダに供給される圧油の流れを制御する第3アーム用方向制御弁を備えたことを特徴としている。
【0010】
このように構成した本発明は、ブーム上げ、アームクラウド複合操作に際して、ブームシリンダについては、第3油圧ポンプの圧油を、第3アーム用方向制御弁の上流側でタンデム接続される第3ブーム用方向制御弁に優先的に供給して、ブームシリンダを作動させてブーム上げを行わせ、アームシリンダについては、第1油圧ポンプの圧油を第2アーム用方向制御弁に供給し、また第2油圧ポンプの圧油を第1アーム用方向制御弁に供給して、すなわち十分な流量を供給してアームシリンダを作動させてアームクラウドを行わせることができる。また、ブーム上げ、アームクラウド操作に際して、アーム用方向制御弁に供給される圧油を絞ることなくブーム用方向制御弁に圧油を供給できるため、アーム用方向制御弁の上流に絞りを設けることなくブーム上げ、アームクラウド複合操作を実施でき、また絞りを有する再生回路を設けることなくアームクラウド操作を実施できる。したがって、ブーム上げ、アームクラウド複合操作における圧損、及びアームクラウド操作における圧損を低減でき、ポンプ効率を向上させることができる。
【0011】
また本発明は、上記発明において、上記車体が旋回体を含み、この旋回体を駆動する旋回モータと、上記第3油圧ポンプに接続され、上記旋回モータに供給される圧油の流れを制御する旋回用方向制御弁とを備えたことを特徴としている。
【0012】
このように構成した本発明は、旋回、ブーム、アーム複合操作に際して、第3油圧ポンプの圧油を旋回用方向制御弁を介して旋回モータに、また第3ブーム用方向制御弁を介してブームシリンダに供給し、また第1油圧ポンプの圧油を第1ブーム用方向制御弁を介してブームシリンダに、あるいは第2アーム用方向制御弁を介してアームシリンダに供給し、さらに第2油圧ポンプの圧油を第2ブーム用方向制御弁を介してブームシリンダに供給し、あるいは第1アーム用方向制御弁を介してアームシリンダに供給し、旋回体と、ブーム、アームとの良好な複合操作性を確保できる。
【0013】
また本発明は、上記発明において、上記第3ブーム用方向制御弁は、上記ブームを上方向に回動させる切換位置であるブーム上げ切換位置と、上記ブームを下方向に回動させる切換位置であるブーム下げ切換位置とを有し、上記ブーム下げ切換位置に、上記第3油圧ポンプから吐出される圧油の上記ブームシリンダへの供給を阻止する阻止ポートを設けたことを特徴としている。
【0014】
このように構成した本発明は、ブーム下げ、旋回複合操作に際して、第3油圧ポンプから第3ブーム用方向制御弁に導かれる圧油は、第3ブーム用方向制御弁のブーム下げ切換位置の阻止ポートで阻止されるので、この第3油圧ポンプの圧油を旋回用方向制御弁を介して旋回モータのみに供給することができる。すなわち、旋回をブーム下げ操作に影響されずに独立して行わせることができ、良好な旋回の加速性を確保することができる。
【0015】
また本発明は、上記発明において、上記旋回用方向制御弁と、上記第3ブーム用方向制御弁とをパラレル接続したことを特徴としている。
【0016】
このように構成した本発明は、ブーム上げ、旋回複合操作に際して、第3油圧ポンプの圧油を第3ブーム用方向制御弁、旋回用方向制御弁を介してブームシリンダ、旋回モータの双方に供給することが可能になる。これによって旋回速度を抑えながらブーム上げを実施することができ、実作業に好適なブーム上げ、旋回複合操作性を確保することができる。
【0017】
また本発明は上記発明において、上記作業装置が、上記アームの先端に上下方向の回動可能に接続されるバケットと、このバケットを作動させるバケットシリンダとを含み、上記バケットシリンダに供給される圧油の流れを制御するバケット用方向制御弁を備え、上記第1ブーム用方向制御弁と、上記第2アーム用方向制御弁と、上記バケット用方向制御弁とをパラレル接続したことを特徴としている。
【0018】
このように構成した本発明は、ブーム上げ、アームクラウド、バケットクラウド複合操作に際して、第3油圧ポンプの圧油を第3ブーム用方向制御弁を介してブームシリンダに供給し、第2油圧ポンプの圧油を第1アーム用方向制御弁を介してアームシリンダに供給し、第1油圧ポンプの圧油をバケット用方向制御弁を介してバケットシリンダに供給して、ブーム上げ、アームクラウド、バケットクラウド複合操作を行わせることができる。すなわち、絞りを介在させずにこのブーム上げ、アームクラウド、バケットクラウド複合操作を実施でき、この複合操作時の圧損を低減させることができる。
【0019】
また本発明は、上記発明において、上記第2油圧ポンプに接続される第1予備用方向制御弁と、上記第1油圧ポンプから吐出される圧油を上記第1予備用方向制御弁に供給可能にする予備用合流弁を備えたことを特徴としている。
【0020】
このように構成した本発明は、例えばアームに第1特殊アタッチメントを接続し、この第1特殊アタッチメントを駆動させる第1アクチュエータを設け、この第1アクチュエータの制御を第1予備用方向制御弁で行わせるようにした場合には、第2油圧ポンプの圧油を第1予備用方向制御弁を介して第1アクチュエータに供給して第1特殊アタッチメントを駆動させることができる。また、第1特殊アタッチメントを速い作動速度で駆動する場合には、予備用合流弁を切り換えて、第1油圧ポンプの圧油を予備用合流弁、及び第1予備用方向制御弁を介して第1アクチュエータに供給することができる。すなわち、第1油圧ポンプの圧油と第2油圧ポンプの圧油を合流して第1予備用方向制御弁を介して第1アクチュエータに供給し、第1特殊アタッチメントを速い作動速度で駆動させることができる。
【0021】
また、上述した第1特殊アタッチメントと、ブーム、アームとの複合操作に際しては、例えば第2油圧ポンプの圧油を第1予備用方向制御弁に供給して、あるいは第1油圧ポンプと第2油圧ポンプの圧油を合流して第1アクチュエータを作動させて第1特殊アタッチメントを駆動し、第3油圧ポンプの圧油を第3ブーム用方向制御弁、第3アーム用方向制御弁を介してブームシリンダに、あるいはアームシリンダに供給して、ブームあるいはアームを駆動することができる。すなわち、このような第1特殊アタッチメントと、ブーム、アームとの複合操作に際して、絞りを介在させずにこの複合操作を実施させることができ、したがって、絞りによる圧損を生じさせることがない。
【0022】
また本発明は、上記発明において、上記第3油圧ポンプに接続される第2予備用方向制御弁を備えたことを特徴としている。
【0023】
このように構成した本発明は、例えばアームに第2特殊アタッチメントを接続し、この第2特殊アタッチメントを駆動させる第2アクチュエータを設け、この第2アクチュエータの制御を第2予備用方向制御弁で行わせるようにした場合には、第3油圧ポンプの圧油を第2予備用方向制御弁を介して第2アクチュエータに供給して、第2特殊アタッチメントを駆動させることができる。なお、必要に応じて第2予備用方向制御弁をバケットを増速させるための第2バケット用方向制御弁に容易に交換することが可能となる。このように、第2予備用方向制御弁に代えて第2バケット用方向制御弁を設けた場合には、第3油圧ポンプの圧油を第2バケット用方向制御弁を介して第1油圧ポンプの圧油に合流させてバケットシリンダに供給でき、バケットの作動速度の高速化を実現させることができる。
【0024】
また本発明は、上記発明において、上記旋回用方向制御弁と、上記第3ブーム用方向制御弁と、上記第2予備用方向制御弁とをパラレル接続したことを特徴としている。
【0025】
このように構成した本発明は、第3油圧ポンプの圧油を旋回用方向制御弁を介して旋回モータに供給するとともに、第2予備用方向制御弁を介して第2アクチュエータに供給し、旋回、第2特殊アタッチメント複合操作を実施することができる。
【0026】
また本発明は、上記発明において、上記第2予備用方向制御弁は、追加油圧ポンプの接続を可能にする追加用ポンプポートを有することを特徴としている。
【0027】
このように構成した本発明は、第2予備用方向制御弁の追加用ポンプポートに配管を介して追加油圧ポンプを接続することにより、追加油圧ポンプの圧油を第2予備用方向制御弁、第2アクチュエータを介して第2特殊アタッチメントに供給することができる。すなわち、第2特殊アタッチメントの駆動を、旋回、ブーム、アーム操作とは独立して実施させることが可能である。
【0028】
また本発明は、上記発明において、上記第2ブーム用方向制御弁と、上記第1アーム用方向制御弁と、上記第1予備用方向制御弁とをパラレル接続したことを特徴としている。
【0029】
このように構成した本発明は、第2油圧ポンプの圧油を第1予備用方向制御弁に供給して、あるいは第1油圧ポンプ及び第2油圧ポンプの圧油を合流して第1予備用方向制御弁に供給して、例えば第1予備用方向制御弁で制御される第1アクチュエータを作動させて第1特殊アタッチメントを駆動させることができるとともに、必要に応じて容易に、旋回用方向制御弁と、第1予備用方向制御弁との配置を入れ替えることができる。このように旋回用方向制御弁と、第1予備用方向制御弁とを入れ替えたものでは、第3油圧ポンプに第1予備用方向制御弁と、第2予備用方向制御弁とが接続されることになり、第2油圧ポンプの圧油を旋回用方向制御弁を介して旋回モータに供給して旋回体を旋回させることができるとともに、第1,第2予備用方向制御弁で制御される第1,第2特殊アタッチメントの駆動回路を独立させて第3油圧ポンプの圧油によって駆動させることができる。
【0030】
また本発明は、上記発明において、上記第3ブーム用方向制御弁のブーム下げ切換位置に、上記ブーム下げ操作時に上記ブームシリンダのボトム室から排出される油を上記ブームシリンダのロッド室に再生供給可能な再生回路を設けるとともに、上記ブーム下げ操作に際して上記ブームシリンダのボトム圧が所定圧以上のときに、上記第3ブーム用方向制御弁を上記ブーム下げ切換位置に保持し、上記第1ブーム用方向制御弁及び上記第2ブーム用方向制御弁を中立位置に保持し、上記ブーム下げ操作に際して上記ブームシリンダのボトム圧が上記所定圧に満たないときに、上記第3ブーム用方向制御弁を上記ブーム下げ切換位置に保持し、上記第1ブーム用方向制御弁を上記第1油圧ポンプから吐出される圧油の上記ブームシリンダのロッド室への供給を可能にするブーム下げ切換位置に保持し、上記第2ブーム用方向制御弁を上記第2油圧ポンプから吐出される圧油の上記ブームシリンダのロッド室への供給を可能にするブーム下げ切換位置に保持するブーム用方向制御弁制御手段を備えたことを特徴としている。
【0031】
このように構成した本発明は、空中においてブーム下げ操作が実施されたときには、ブームは自重によって下降するが、この間、ブームシリンダのボトム圧は所定圧以上となる。このとき、ブーム用方向制御弁制御手段により、第3ブーム用方向制御弁はブーム下げ切換位置に保持され、第1ブーム用方向制御弁及び第2ブーム用方向制御弁は中立位置に保持される。したがって、第3ブーム用方向制御弁のブーム下げ切換位置に設けた再生回路を介して、ブームシリンダのボトム室から排出された油がブームシリンダのロッド室に再生供給され、これによってブームシリンダが収縮してブーム下げを実施することができる。すなわち、第1油圧ポンプ、第2油圧ポンプ、及び第3油圧ポンプの圧油がブームシリンダに供給されることがなく、第1油圧ポンプ、第2油圧ポンプ、及び第3油圧ポンプから最小流量を吐出させるようにすることができ、このようにすればエネルギ消費を最小限に抑えることができる。
【0032】
また、接地等の状態でブーム下げが実施されたとき、すなわちジャッキアップ操作時には、ブームシリンダのボトム圧は上述の所定圧に満たない低圧となる。このとき、ブーム用方向制御弁制御手段の制御により、第3ブーム用方向制御弁はブーム下げ切換位置に切り換えられた状態となり、第1ブーム用方向制御弁及び第2ブーム用方向制御弁のそれぞれは、ブーム下げ切換位置に切り換えられる。したがって、第1油圧ポンプの圧油が第1ブーム用方向制御弁を介してブームシリンダに供給され、第2油圧ポンプの圧油が第2ブーム用方向制御弁を介してブームシリンダに供給されて、所望のジャッキアップ操作を実施することができる。
【0033】
また本発明は、上記発明において、上記第1アーム用方向制御弁、上記第2アーム用方向制御弁、及び上記第3アーム用方向制御弁のうちの少なくとも1つとタンクとを連絡する戻り管路に、上記アームの非操作時に開口量を小さく保持し、アームクラウド操作時の上記アームの操作量が大きくなるに従って開口量を大きくする開放弁を設けたことを特徴としている。
【0034】
このように構成した本発明は、アームクラウド操作を実施する際の操作開始時には、開放弁の開口量が小さいことから、アームシリンダのロッド室から該当するアーム用方向制御弁、開放弁を介してタンクに戻される油の量は少なく、アームクラウドの作動速度が遅くなって、第1,第2,第3油圧ポンプのうちの該当する油圧ポンプからアームシリンダのボトム室に供給される圧油によってアームは緩やかに下降を始める。これにより、アームクラウドの操作開始時における衝撃の発生が防止される。また、操作量が大きくなると開放弁の開口量が大きくなり、アームシリンダのロッド室から該当するアーム用方向制御弁、開放弁を介してタンクに戻される油の量が多くなり、アームクラウドの作動速度が速くなってアームは速やかに下降する。これにより、アームクラウドの良好な操作性を確保することができる。なお、このアームクラウド操作の開始後、開放弁の開口量が大きくなったときには、アームシリンダのロッド圧はタンク圧と同等程度まで低下するので、アームシリンダを作動させる推力は小さくて済む。すなわち、アームクラウド操作の負荷圧を小さくすることができ、これに伴って該当する油圧ポンプのポンプ効率を向上させることができる。
【0035】
また本発明は、上記発明において、上記第2アーム用方向制御弁の上流に、第1可変絞りを設けたことを特徴としている。
【0036】
このように構成した本発明は、アームクラウドとバケットクラウド複合操作時に、第1可変絞りによって、第1油圧ポンプの圧油の低圧側を形成する第2アーム用方向制御弁への供給を制限することができ、第1油圧ポンプの圧油を優先してバケット用方向制御弁を介してバケットシリンダに供給し、作動させることができる。アームシリンダは、第2油圧ポンプの圧油を第1アーム用方向制御弁を介して、また第3油圧ポンプの圧油を第3アーム用方向制御弁を介して、それぞれ供給することにより作動させることができる。すなわち、アームの速度を確保しながら、バケットの作動速度の高速化を実現させることができる。
【0037】
また本発明は、上記発明において、上記第1アーム用方向制御弁の上流に第2可変絞りを設けたことを特徴としている。
【0038】
このように構成した本発明は、例えばアームに第1特殊アタッチメントを接続し、この第1特殊アタッチメントを駆動する第1アクチュエータを設け、この第1アクチュエータを第1予備用方向制御弁で制御するようにした場合、ブーム上げ、アームクラウド、バケットクラウド、第1特殊アタッチメントの4複合操作に際し、第2可変絞りによって、第2油圧ポンプの圧油の低圧側を形成する第1アーム用方向制御弁への流入を抑えながら、第1予備用方向制御弁を介して第1アクチュエータに供給し、作動させることができる。すなわち、第1油圧ポンプの圧油をバケット用方向制御弁を介してバケットシリンダに優先して供給し、第2油圧ポンプの圧油を第2可変絞り、及び第1アーム用方向制御弁を介してアームシリンダに供給するとともに、この第2油圧ポンプの圧油を第1予備用方向制御弁を介して第1アクチュエータに供給し、第3油圧ポンプの圧油を第3ブーム用方向制御弁を介してブームシリンダに供給して、ブーム上げ、アームクラウド、バケットクラウド、第1特殊アタッチメントの4複合操作を実施することができる。
【0039】
また本発明は、上記発明において、上記第1油圧ポンプの吐出圧、上記第2油圧ポンプの吐出圧、上記第3油圧ポンプの吐出圧のうちの少なくとも上記第2油圧ポンプの吐出圧を検出する吐出圧検出手段と、この吐出圧検出手段で検出された吐出圧が所定圧以上のときに上記第3ブーム用方向制御弁及び上記第3アーム用方向制御弁を中立位置に保持する方向制御弁中立保持手段と、上記吐出圧が所定圧以上のときに上記第3油圧ポンプに対する傾転制御を無効にするポンプ制御無効手段とを備えたことを特徴としている。
【0040】
このように構成した本発明は、例えばアームクラウド、バケットクラウド複合操作によって大きな掘削力を要する重掘削作業が実施されるときには、吐出圧検出手段で検出される油圧ポンプの吐出圧が所定圧以上となる。このとき、方向制御弁中立保持手段によって第3ブーム用方向制御弁及び第3アーム用方向制御弁が中立位置に保持されるとともに、ポンプ制御無効手段によって第3油圧ポンプに対する傾転制御は無効とされる。したがって、第1油圧ポンプの圧油がバケット用方向制御弁を介してバケットシリンダに優先して供給され、第2油圧ポンプの圧油が第1アーム用方向制御弁を介してアームシリンダに供給され、この重掘削作業時におけるアームクラウド、バケットクラウド複合操作を、良好な操作性を確保しながらもポンプ効率の悪化を招くことなく、第1油圧ポンプの制御と第2油圧ポンプの傾転制御によって実施させることができる。
【0041】
また本発明は、上記発明において、エンジンを備え、上記第1油圧ポンプ、上記第2油圧ポンプ、及び上記第3油圧ポンプのうち、少なくとも上記第3の油圧ポンプは、上記エンジンによって駆動される可変容量型油圧ポンプから成り、上記アームの操作がアームクラウド操作であるときに、上記第3油圧ポンプの傾転制御を不実施に保つ第3油圧ポンプ傾転制御手段を備えたことを特徴としている。
【0042】
このように構成した本発明は、アームクラウド操作時には、第3油圧ポンプ傾転制御手段によって、第3油圧ポンプの傾転制御は実施されない。したがって、第1油圧ポンプの圧油が第2アーム用方向制御弁を介してアームシリンダに供給され、第2油圧ポンプの圧油が第1アーム用方向制御弁を介してアームシリンダに供給され、これらによってアームシリンダが作動してアームクラウドを実施することができる。すなわち、このアームクラウド操作を、良好な操作性を確保しながらもポンプ効率の悪化を招くことなく実施させることができる。
【0043】
また本発明は、上記発明において、エンジンを備え、上記第1油圧ポンプ、上記第2油圧ポンプ、及び上記第3油圧ポンプのうち、少なくとも上記第1油圧ポンプは、上記エンジンによって駆動される可変容量型油圧ポンプから成り、上記ブーム下げ操作に際して上記ブームシリンダのボトム圧が所定圧に満たないときに、上記第1油圧ポンプの傾転角を増加させる制御を行う第1油圧ポンプ傾転制御手段を備えたことを特徴としている。
【0044】
このように構成した本発明は、ブーム上げ操作に際してブームシリンダのボトム圧が所定圧に満たないとき、すなわちジャッキアップ操作時には、第1油圧ポンプ傾転制御手段によって、第1油圧ポンプの傾転角の増加、すなわち流量を増加させる制御がなされ、増加した流量が第1ブーム用方向制御弁を介してブームシリンダに供給される。これにより、ポンプ効率に与える影響を最小に保ちながらジャッキアップ操作を実施することができる。
【0045】
また本発明は、上記発明において、上記第1油圧ポンプから吐出される流量を、この第1油圧ポンプで吐出可能な最大流量よりも少ない所定量に制限する第1流量制限手段と、上記第2油圧ポンプから吐出される流量を、この第2油圧ポンプで吐出可能な最大流量よりも少ない所定量に制限する第2流量制限手段と、上記第3油圧ポンプから吐出される流量を、この第3油圧ポンプで吐出可能な最大流量よりも少ない所定量に制限する第3流量制限手段とを備えたことを特徴としている。
【0046】
このように構成した本発明は、第1流量制限手段、第2流量制限手段、及び第3流量制限手段を選択的に作動させて、第1油圧ポンプ、第2油圧ポンプ、及び第3油圧ポンプのうちの該当する油圧ポンプから吐出される圧油の流量を制限することにより、アームと特殊アタッチメントの複合操作や、バケットと特殊アタッチメントの複合操作などの所望の複合操作を、必要最小の流量で実施させることができ、ポンプ効率を向上させることができる。
【0047】
また本発明は、上記発明において、上記第1油圧ポンプのポンプトルクを可変に制御可能な第1トルク制御手段と、上記第2油圧ポンプのポンプトルクを可変に制御可能な第2トルク制御手段と、上記第3油圧ポンプのポンプトルクを可変に制御可能な第3トルク制御手段とを備えたことを特徴としている。
【0048】
このように構成した本発明は、第1トルク制御手段、第2トルク制御手段、及び第3トルク制御手段を選択的に作動させて、第1油圧ポンプ、第2油圧ポンプ、及び第3油圧ポンプのうちの該当する油圧ポンプのポンプトルクを制御することにより、ポンプトルクの合計値がエンジン出力トルクを超えないように保ちながら、第1油圧ポンプ、第2油圧ポンプ、及び第3油圧ポンプのうちの該当する油圧ポンプから吐出される圧油の流量配分を好適に保ち、良好な複合操作性を確保しつつポンプ効率を向上させることができる。
【0049】
また、本発明は、上記発明において、上記第1油圧ポンプのポンプトルクおよび上記第2油圧ポンプのポンプトルクを同時に可変に制御可能な第1トルク制御手段と、上記第3の油圧ポンプのポンプトルクを可変に制御可能な第2トルク制御手段とを備えたことを特徴としている。
【0050】
このように構成した本発明は、第1トルク制御手段、及び第2トルク制御手段を選択的に作動させて、第1油圧ポンプと第2油圧ポンプおよび、第3油圧ポンプのうちの該当する油圧ポンプのポンプトルクを制御することにより、3つの油圧ポンプのポンプトルクを2つのトルク制御手段によって、ポンプトルクの合計値がエンジン出力トルクを超えないように保ちながら、第1油圧ポンプと第2油圧ポンプおよび第3油圧ポンプのうちの該当する油圧ポンプから吐出される圧油の流量配分を好適に保ち、良好な複合操作性を確保しつつポンプ効率を向上させることができる。しかも制御対象が2つのトルク制御手段で良いため、制御回路を構築しやすい。
【0051】
また本発明は、上記発明において、エンジンを備え、上記作業装置が、上記アームの先端に上下方向の回動可能に接続されるバケットと、このバケットを作動させるバケットシリンダとを含み、上記バケットシリンダに供給される圧油の流れを制御するバケット用方向制御弁を備え、上記第1油圧ポンプ、上記第2油圧ポンプ、及び上記第3油圧ポンプのそれぞれは、上記エンジンによって駆動される可変容量型油圧ポンプから成り、上記第1油圧ポンプのポンプトルクを可変に制御可能な第1トルク制御手段と、上記第2油圧ポンプのポンプトルクを可変に制御可能な第2トルク制御手段と、上記第3油圧ポンプのポンプトルクを可変に制御可能な第3トルク制御手段とを備え、上記旋回体と上記バケットの複合操作時に、上記第1トルク制御手段は、上記第1油圧ポンプのポンプトルクを増加させる制御を行うことを特徴としている。
【0052】
このように構成した本発明は、例えば旋回、バケット複合操作を介して土砂等の掘削、掘削した土砂の放土が行われる場合であって、旋回体及びバケットを放土位置から掘削位置まで旋回させる場合、第1トルク制御手段によって第1油圧ポンプのポンプトルクを増加させ、第1油圧ポンプからバケットシリンダに供給される圧油の流量を増加させて、このバケットシリンダの作動速度を速くすることができる。すなわち、旋回体及びバケットが掘削位置まで戻る間に、速い作動速度でバケットクラウド操作をして、バケットをその刃先が地面に対して所定の食い込み角度となる掘削時の好ましい作業姿勢に復帰させることができる。これにより、掘削作業の作業能率を向上させることができる。
【0053】
また本発明は、上記発明において、エンジンを備え、上記作業装置が、上記アームの先端に上下方向の回動可能に接続されるバケットと、このバケットを作動させるバケットシリンダとを含み、上記バケットシリンダに供給される圧油の流れを制御するバケット用方向制御弁を備え、上記第1油圧ポンプ、上記第2油圧ポンプ、及び上記第3油圧ポンプのそれぞれは、上記エンジンによって駆動される可変容量型油圧ポンプから成り、上記第1油圧ポンプのポンプトルクおよび上記第2油圧ポンプのポンプトルクを同時に可変に制御可能な第1トルク制御手段と、上記第3油圧ポンプのポンプトルクを可変に制御可能な第2トルク制御手段とを備え、上記旋回体と上記バケットの複合操作時に、上記第1トルク制御手段は、上記第1油圧ポンプおよび上記第2油圧ポンプのポンプトルクを増加させる制御を行うことを特徴としている。
【0054】
このように構成した本発明でも上記と同様に、例えば旋回、バケット複合操作を介して土砂等の掘削、掘削した土砂の放土が行われる場合であって、旋回体及びバケットを放土位置から掘削位置まで旋回させる場合、第1トルク制御手段によって第1、第2油圧ポンプのポンプトルクを増加させ、第1油圧ポンプからバケットシリンダに供給される圧油の流量を増加させて、このバケットシリンダの作動速度を速くすることができる。すなわち、旋回体及びバケットが掘削位置まで戻る間に、速い作動速度でバケットクラウド操作をして、バケットをその刃先が地面に対して所定の食い込み角度となる掘削時の好ましい作業姿勢に復帰させることができる。これにより、掘削作業の作業能率を向上させることができる。
【発明の効果】
【0055】
本発明は、第1油圧ポンプに対しパラレル接続される第1ブーム用方向制御弁及び第2アーム用方向制御弁と、第2油圧ポンプに対してパラレル接続される第2ブーム用方向制御弁及び第1アーム用方向制御弁を備えたものにあって、第3油圧ポンプを備え、この第3油圧ポンプに第3ブーム用方向制御弁を接続し、この第3ブーム用方向制御弁に第3アーム用方向制御弁をタンデム接続した構成にしてある。
【0056】
この構成により本発明は、ブーム上げ、アームクラウド複合操作に際して、第3油圧ポンプの圧油によってブーム上げを行わせ、第1油圧ポンプ及び第2油圧ポンプの圧油によって十分な流量を供給してアームクラウドを行わせることができる。すなわち本発明は、ブーム上げ、アームクラウド複合操作を従来におけるようなアーム用方向制御弁の上流に絞りを設けることなく実施させることができる。また本発明は、アームクラウド操作に際して、上述のように第1油圧ポンプ及び第2油圧ポンプの圧油によってアームクラウド操作を行わせることができる。すなわち本発明は、アームクラウド操作に際して従来におけるような絞りを有する再生回路を設けることなくこのアームクラウド操作を実施させることができる。したがって本発明は、ブーム上げ、アームクラウド複合操作における圧損、及びアームクラウド操作における圧損を従来よりも低減させることができる。これにより本発明は、従来に比べてポンプ効率を向上させ、燃費を低減して、省エネを実現させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明に係る油圧駆動装置の第1実施形態が備えられる作業機械の一例として挙げた油圧ショベルを示す側面図である。
【図2】本発明の第1実施形態を示す電気・油圧回路図である。
【図3】本発明の第2実施形態を示す電気・油圧回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0058】
以下、本発明に係る作業機械の油圧駆動装置の実施の形態を図に基づいて説明する。
【0059】
本発明の第1実施形態に係る油圧駆動装置は、例えば土砂の掘削作業等が可能な油圧ショベルである。この油圧ショベルは、図1に示すように、走行体1と、この走行体1上に配置される旋回体2と、この旋回体2に取り付けられる作業装置3とを備えている。走行体1と旋回体2とによって車体が構成されている。作業装置3は、旋回体2に上下方向の回動可能に接続されるブーム4と、このブーム4の先端に上下方向の回動可能に接続されるアーム5と、このアーム5の先端に上下方向の回動可能に接続されるバケット6とを含んでいる。また、この作業装置3は、ブーム4を駆動するブームシリンダ7と、アーム5を駆動するアームシリンダ8と、バケット6を駆動するバケットシリンダ9とを含んでいる。旋回体2上には運転室10が配置され、運転室10の後方部分には、エンジン、及び後述の油圧ポンプが収容されるエンジン室2aを設けてある。
【0060】
図1に示す油圧ショベルに備えられる第1実施形態に係る油圧駆動装置は、図2に示すように、図示しないエンジンによって駆動される3つの主油圧ポンプ、例えばそれぞれ可変容量型油圧ポンプから成る第1油圧ポンプ11、第2油圧ポンプ12、及び第3油圧ポンプ13を備えている。また、図示しないエンジンによって駆動されるパイロットポンプ14を備えるとともに、第1〜第3油圧ポンプ11〜13、及びパイロットポンプ14に油を供給するタンク15を備えている。
【0061】
第1油圧ポンプ11の傾転角は、この第1油圧ポンプ11に付設したレギュレータによって制御される。この第1油圧ポンプ11のレギュレータは、制御ピストン11a、トルク調整弁11b、及び流量調整弁11cを含んでいる。同様に、第2油圧ポンプ12の傾転角は、この第2油圧ポンプ12に付設したレギュレータによって制御される。この第2油圧ポンプ12のレギュレータは、制御ピストン12a、トルク調整弁12b、及び流量調整弁12cを含んでいる。また同様に、第3油圧ポンプ13の傾転角は、この第3油圧ポンプ13に付設したレギュレータによって制御される。この第3油圧ポンプ13のレギュレータは、制御ピストン13a、トルク調整弁13b、及び流量調整弁13cを含んでいる。
【0062】
第1油圧ポンプ11には、最上流に走行体1を駆動する一対の走行モータのうちの図示しない右走行モータの駆動を制御する右走行用方向制御弁16を接続してある。この右走行用方向制御弁16の下流に、バケットシリンダ9に接続される圧油の流れを制御するバケット用方向制御弁17と、アームシリンダ8に供給される圧油の流れを制御する第2アーム用方向制御弁18と、ブームシリンダ7に供給される圧油の流れを制御する第1ブーム用方向制御弁19とを接続してある。これらのバケット用方向制御弁17、第2アーム用方向制御弁18、及び第1ブーム用方向制御弁19は、右走行用方向制御弁16に接続される管路20、及びこの管路20に接続される管路21を介して互いにパラレルに接続してある。
【0063】
第2油圧ポンプ12には、ブームシリンダ7に供給される圧油の流れを制御する第2ブーム用方向制御弁22と、アームシリンダ8に供給される圧油の流れを制御する第1アーム用方向制御弁23と、例えばバケット6に代えて設けられる小割機等の第1特殊アタッチメントを駆動する図示しない第1アクチュエータに供給される圧油の流れを制御する第1予備用方向制御弁24と、走行体1を駆動する一対の走行モータのうちの図示しない左走行モータの駆動を制御する左走行用方向制御弁25とを接続してある。これらの第2ブーム用方向制御弁22、第1アーム用方向制御弁23、第1予備用方向制御弁24、及び左走行用方向制御弁25は、第2油圧ポンプ12に接続される管路26、及びこの管路26に接続される管路27,28,29を介して互いにパラレルに接続してある。
【0064】
第1油圧ポンプ11と第1予備用方向制御弁24の入力ポートとは、第1油圧ポンプ11に接続される管路46によって接続させてあり、この管路46に、第1油圧ポンプ11から吐出される圧油を第1予備用方向制御弁24に供給可能にする予備用合流弁30を設けてある。この予備用合流弁30は、閉位置30aに保持されているときは第1油圧ポンプ11の圧油の第1予備用方向制御弁24への供給は不能となり、開位置30bに切り換えられたときには、第1油圧ポンプ11の圧油が第2油圧ポンプ12の圧油に合流して第1予備用方向制御弁24に供給可能となる。そしてこの予備合流弁30は、例えば、不図示の第1予備用操作装置の操作信号(パイロット圧)の供給により、その操作に連動させて第1予備用操作装置が操作されたときに、予備用合流弁30を開位置30bに切換え、操作されないときに、閉位置30aに切り換えるようにしても良く、また、別途設けるスイッチ等の操作により切り換えるようにしても良い。
【0065】
第3油圧ポンプ13には、旋回体2を駆動する旋回モータ31に供給される圧油の流れを制御する旋回用方向制御弁32と、ブームシリンダ7に供給される圧油の流れを制御する第3ブーム用方向制御弁33と、アームシリンダ8に供給される圧油の流れを制御する第3アーム用方向制御弁34と、第1特殊アタッチメントに加えてさらに設けられるか、または、第1特殊アクチュエータに代えて、第1アクチュエータと第2アクチュエータの2つの油圧アクチュエータを備えた第2特殊アタッチメントが装着された際に、図示しない第2アクチュエータに供給される圧油の流れを制御する第2予備用方向制御弁35とを接続させてある。
【0066】
旋回用方向制御弁32と、第3ブーム用方向制御弁33と、第2予備用方向制御弁35とは、第3油圧ポンプ13に接続される管路36、及びこの管路36に接続される管路37を介して互いにパラレルに接続してある。また、第3アーム用方向制御弁34は、第3ブーム用方向制御弁33に下流側でタンデムに接続してある。第2予備用方向制御弁35のメータイン側の管路36部分には可変絞り64を設けてある。また、第2予備用方向制御弁35は、図示しない追加ポンプの接続を可能にする追加用ポンプポートを備えている。なお、追加用ポンプポートの上流側にはチェック弁が設けられ、このチェック弁のさらに上流にはタンクポートが設けられ、このチェック弁は、追加用ポンプポートから供給される圧油の、タンクポートへ流通を阻止するものである。
【0067】
第3ブーム用方向制御弁33は、ブーム4を上方向に回動させる切り換え位置であるブーム上げ切換位置33aと、ブーム4を下方向に回動させる切り換え位置であるブーム下げ切換位置33bと、第3油圧ポンプ13とブームシリンダ7との連通を遮断し、第3油圧ポンプ13から吐出される圧油を第3アーム用方向制御弁34に導く油路が形成された中立位置を有している。この第3ブーム用方向制御弁33のブーム下げ切換位置33bには、第3油圧ポンプ13から吐出される圧油のブームシリンダ7への供給を阻止する阻止ポート33b1を設けてある。また、このブーム下げ切換位置33bには、ブーム下げ操作に伴ってブームシリンダ7のボトム室7aから排出された油をロッド室7bに再生供給可能な再生回路33b2と、第3油圧ポンプ13から吐出される圧油を第3アーム用制御弁34に導く油路を設けてある。
【0068】
この第1実施形態は、第1ブーム用方向制御弁19、第2ブーム用方向制御弁22、及び第3ブーム用方向制御弁33のそれぞれを切り換え操作可能なブーム用操作装置40と、第1アーム用方向制御弁23、第2アーム用方向制御弁18、及び第3アーム用方向制御弁34のそれぞれを切り換え操作可能なアーム用操作装置41を備えている。このアーム用操作装置41には、アームクラウド操作がされたことを検出する圧力センサ61(パイロット圧センサ)を設けてある。
【0069】
なお、説明が煩雑になるので、バケット用方向制御弁17を切り換え操作するバケット用操作装置、旋回用方向制御弁32を切り換え操作する旋回用操作装置、右走行用方向制御弁16を切り換え操作する右走行用操作装置、左走行用方向制御弁25を切り換え操作する左走行用操作装置、第1予備用方向制御弁24を切り換え操作する第1予備用操作装置、及び第2予備用方向制御弁35を切り換え操作する第2予備用操作装置については、図示を省略してある。
【0070】
また、この第1実施形態は、空中におけるブーム下げに際して、ブームシリンダ7のボトム圧が所定圧以上となっているときに、第3ブーム用方向制御弁33をブーム下げ切換位置33bに保持し、第1ブーム用方向制御弁19及び第2ブーム用方向制御弁22を中立位置に保持し、接地された状態におけるブーム下げ操作、すなわちジャッキアップ操作に伴って、ブームシリンダ7のボトム圧が上述の所定圧に満たないときに、第3ブーム用方向制御弁33を中立位置に保持し、第1ブーム用方向制御弁19を第1油圧ポンプ11から吐出された圧油のブームシリンダ7のロッド室7bへの供給を可能にするブーム下げ切換位置に保持し、第2ブーム用方向制御弁22を第2油圧ポンプ12から吐出される圧油のブームシリンダ7のロッド室7bへの供給を可能にするブーム下げ切換位置に保持するブーム用方向制御弁制御手段、すなわち図2中に模式的に描いた切換弁42を備えている。
【0071】
切換弁42は、ブームシリンダ7のボトム圧が所定圧以上となると、そのボトム圧によってばねの力に抗して閉位置42bに切り換えられる。これによって、ブーム用操作装置40がブーム下げ側に操作された際に、第3ブーム用方向制御弁33はブーム下げ切換位置33bに保持され、第1ブーム用方向制御弁19及び第2ブーム用方向制御弁22は中立位置に保持されるようになっている。また、ブームシリンダ7のボトム圧が所定圧に満たないときには、切換弁42は、ばねの力によって開位置42aに切り換えられる。これによって、ブーム用操作装置40がブーム下げ側に操作された際に、第3ブーム用方向制御弁33は中立位置に保持され、第1ブーム用方向制御弁19及び第2ブーム用方向制御弁22のそれぞれはブーム下げ切換位置に保持されるようになっている。
【0072】
また、この第1実施形態は、第1アーム用方向制御弁23、第2アーム用方向制御弁18、及び第3アーム用方向制御弁34のうちの少なくとも1つとタンク15とを連絡する戻り管路、例えば第1アーム用方向制御弁23とタンク15とを連絡する戻り管路47に、アーム5の非操作時に開口量を小さく保持し、アームクラウド時のアーム5の操作量が大きくなるに従って開口量を大きくする開放弁43を設けてある。
【0073】
パイロットポンプ14と開放弁43の制御部とを連絡する管路48に、この管路48を開閉する電磁弁44を設けてあり、コントローラ70から出力される信号によって電磁弁44が閉じるように保持されているときは、開放弁43は絞りを有する右位置43bに保持される。また、コントローラ70から出力される信号によって電磁弁44が開くように切り換えられると、パイロットポンプ14のパイロット圧が開放弁43の制御部に供給され、これによって開放弁43は全開位置である左位置43aに切り換えられる。
【0074】
また、この第1実施形態は、第1油圧ポンプ11の吐出圧、第2油圧ポンプ12の吐出圧、第3油圧ポンプ13の吐出圧のうちの少なくとも第2油圧ポンプ12の吐出圧を検出する吐出圧検出手段、すなわち吐出圧センサ45を備えている。コントローラ70は、吐出圧センサ45で検出される吐出圧が重掘削作業時の大きな掘削力に相応する所定圧以上のときに、第3ブーム用方向制御弁33及び第3アーム用方向制御弁34を中立に保持する信号を、図2中に模式的に描いた電磁弁62及び電磁弁63に出力する方向制御弁中立保持手段を含んでいる。また、この第1実施形態は、第2油圧ポンプ12の吐出圧が上述の所定圧以上のときに、すなわち重掘削作業時に、第3油圧ポンプ13に対する傾転制御を無効にする図示しないポンプ制御無効手段を含んでいる。
【0075】
また、この第1実施形態は、アームクラウド操作時に、第3油圧ポンプ13の傾転制御を不実施に保つ図示しない第3油圧ポンプ傾転制御手段も備えている。
【0076】
また、この第1実施形態は、第1油圧ポンプ11から吐出される流量を、この第1油圧ポンプ11で吐出可能な最大流量よりも少ない所定流量に制限する第1流量制限手段、例えばブーム用操作装置40、アーム用操作装置41を含む各種操作装置と、流量調整弁11cの制御部とを連絡する管路80に設けられ、コントローラ70から出力される制御信号に応じて作動する電磁弁から成る第1流量制限弁54を備えている。また、第2油圧ポンプ12から吐出される流量を、この第2油圧ポンプ12で吐出可能な最大流量よりも少ない所定流量に制限する第2流量制限手段、例えばブーム用操作装置40、アーム用操作装置41を含む各種操作装置と、流量調整弁12cの制御部とを連絡する管路81に設けられ、コントローラ70から出力される制御信号に応じて作動する電磁弁から成る第2流量制限弁55を備えている。また、第3油圧ポンプ13から吐出される流量を、この第3油圧ポンプ13で吐出可能な最大流量よりも少ない所定流量に制限する第3流量制限手段、例えばブーム用操作装置40、アーム用操作装置41を含む各種操作装置と、流量調整弁13cの制御部とを連絡する管路82に設けられ、コントローラ70から出力される制御信号に応じて作動する電磁弁から成る第3流量制限弁56を備えている。
【0077】
また、この第1実施形態は、第1油圧ポンプ11のポンプトルクを可変に制御可能な第1トルク制御手段、例えばパイロットポンプ14とトルク調整弁11bの制御部とを連絡する管路85に設けられ、コントローラ70から出力される制御信号に応じて管路85の開口量を制御する電磁弁から成る第1トルク制御弁51を備えている。また、第2油圧ポンプ12のポンプトルクを可変に制御可能な第2トルク制御手段、例えばパイロットポンプ14とトルク調整弁12bの制御部とを連絡する管路86に設けられ、コントローラ70から出力される制御信号に応じて管路86の開口量を制御する電磁弁から成る第2トルク制御弁52を備えている。また、第3油圧ポンプ13のポンプトルクを可変に制御可能な第3トルク制御手段、例えばパイロットポンプ14とトルク調整弁13bの制御部とを連絡する管路87に設けられ、コントローラ70から出力される制御信号に応じて管路87の開口量を制御する電磁弁から成る第3トルク制御弁53を備えている。
【0078】
このように構成した第1実施形態に係る油圧駆動装置にあっては、例えば以下に述べるような各操作、及び制御が可能である。
【0079】
[ブーム上げ、アームクラウド複合操作]
この第1実施形態は、ブーム上げ、アームクラウド複合操作に際して、ブーム用操作装置40及びアーム用操作装置41を操作すると、第1ブーム用方向制御弁19、第2ブーム用方向制御弁22は、不図示のブーム上げ切り換え位置に切り換えられ、第3ブーム用方向制御弁33はブーム上げ切換位置33aに切り換えられる。第1アーム用方向制御弁23、第2アーム用方向制御弁18及び、第3アーム用方向制御弁34のそれぞれは、不図示のアームクラウド切換位置に切り換えられる。第1、第2油圧ポンプ11,12に対して第1ブーム用方向制御弁19と第2アーム用方向制御弁18及び、第2ブーム用方向制御弁22と第1アーム用方向制御弁23とは、それぞれパラレル接続されているが、第第3油圧ポンプ13に対して第3ブーム用方向制御弁33と第2アーム用方向制御弁34とは、第3ブーム用方向制御弁33が上流側でタンデム接続されているから、第3油圧ポンプ13から吐出される圧油を、第3ブーム用方向制御弁33に優先的に流すことができる。これにより、第3油圧ポンプ13の圧油は、第3ブーム用方向制御弁33のブーム上げ切換位置33aを介してブームシリンダ7のボトム室7aに供給されてブーム上げを行わせ、第1油圧ポンプ11の圧油を第2アーム用方向制御弁18を介して、また第2油圧ポンプ12の圧油を第1アーム用方向制御弁23を介して、それぞれ十分な流量をアームシリンダ8のボトム室8aに供給してアームクラウドを行わせることができる。すなわち、アーム用方向制御弁の上流に絞りを設けることなくブーム上げ、アームクラウド複合操作を実施でき、また絞りを有する再生回路を設けることなくアームクラウド操作を実施できる。したがって、ブーム上げ、アームクラウド複合操作における圧損、及びアームクラウド操作における圧損を低減でき、ポンプ効率を向上させつつ、良好な操作性を確保することができる。
【0080】
[旋回、ブーム、アーム複合操作]
この第1実施形態は、旋回、ブーム、アームの複合操作に際して、図示しない旋回用操作装置、ブーム用操作装置40、及びアーム用操作装置41を操作すると、旋回用方向制御弁32、第1〜第3ブーム用方向制御弁19,22,33、及び第1〜第3アーム用方向制御弁23,18,34が操作方向に応じた切換位置に切り換えられる。このとき、第3油圧ポンプ13に対して、旋回用方向制御弁32と第3ブーム用方向制御弁33とはパラレル接続されており、旋回用方向制御弁32および第3ブーム用方向制御弁33に対して第3アーム用方向制御弁34が下流側でタンデム接続されているから、第3油圧ポンプ13の圧油が旋回用方向制御弁32を介して旋回モータ31に、また第3ブーム用方向制御弁33を介してブームシリンダ7に供給される。旋回モータ31は旋回体2が大きい慣性体であるため、起動時の負荷は大きいものの起動後は加速に伴って負荷が小さくなる傾向があり、ブームシリンダ7は前述したように負荷が大きいため、それらの負荷の関係に基づいて第3油圧ポンプ13から吐出される圧油は、旋回用方向制御弁32および第3ブーム方向制御弁33から旋回モータ31、ブームシリンダ7に供給され、また、第1、第2油圧ポンプ11、12の圧油も、第1ブーム用方向制御弁19と第2アーム用方向制御弁18、および第2ブーム用方向制御弁22と第1アーム用方向制御弁23とがそれぞれパラレル接続されているからブームシリンダ7、アームシリンダ8の負荷に応じて、第1油圧ポンプ11の圧油が第1ブーム用方向制御弁19を介してブームシリンダ7に、あるいは第2アーム用方向制御弁18を介してアームシリンダ8に供給される。さらに、第2油圧ポンプ12の圧油が第2ブーム用方向制御弁22介してブームシリンダ7に供給され、あるいは第1アーム用方向制御弁23を介してアームシリンダ8に供給される。これらにより、旋回、ブーム、アーム複合操作の良好な操作性を確保することができる。
【0081】
[ブーム下げ、旋回複合操作における旋回独立]
この第1実施形態は、ブーム下げ、旋回複合操作に際して、図示しない旋回用操作装置と、ブーム用操作装置40とを操作すると、旋回用方向制御弁32が切り換えられ、また第3ブーム用方向制御弁33がブーム下げ切換位置33bに切り換えられる。第3油圧ポンプ13に対して、旋回用方向制御弁32と第3ブーム用方向制御弁33とはパラレル接続されるものの、第3ブーム用方向制御弁33のブーム下げ切換位置33bには、阻止ポート33b1が設けられ、第3油圧ポンプ13から供給される圧油は、阻止ポート33b1によって阻止されるので、旋回用方向制御弁32には、第3油圧ポンプ13の吐出油の全量が供給されることになり、この第3油圧ポンプ13の圧油を旋回用方向制御弁32を介して旋回モータ31のみに供給することができる。このため旋回モータの独立性が確保され、すなわち、旋回をブーム下げ操作に影響されずに独立して操作させることができ、良好な旋回の加速性、操作性を確保することができる。
【0082】
[ブーム上げ、旋回複合操作]
この第1実施形態は、ブーム上げ、旋回複合操作に際して、ブーム用操作装置40と、図示しない旋回用操作装置とを操作すると、第1〜第3ブーム用方向制御弁19,22,33がブーム上げ切換位置33aに切り換えられ、また旋回用方向制御弁32が切り換えられる。第1、第2油圧ポンプ11,12の圧油は、それぞれ第1、第2ブーム用方向制御弁19,22の不図示のブーム上げ切り換え位置に供給され、第3油圧ポンプ13の圧油は、パラレル接続される第3ブーム用方向制御弁33のブーム上げ切換位置33aと、旋回用方向制御弁32とに供給され、それらを介してブームシリンダ7、旋回モータ31の双方に供給可能になる。この際、上述したように旋回モータ31は、起動時の負荷が大きいから、第3油圧ポンプ13から吐出された圧油のうち、旋回モータ31に供給され得なかった圧油の一部は、管路37を通って第3ブーム用方向制御弁33に供給されることになる。これによって、ブーム上げに対して旋回速度を速すぎないように抑えながらブーム上げ、旋回複合操作を実施することができ、このブーム上げ、旋回複合操作の良好な操作性を確保することができる。
【0083】
[アーム(クラウド、ダンプ)、旋回複合操作]
この第1実施形態は、アームのクラウド、ダンプ操作と、旋回複合操作に際して、アーム用操作装置41と、図示しない旋回用操作装置とを操作すると、第1〜第3アーム用方向制御弁23,18,34は、操作された不図示のアームクラウド切換位置またはアームダンプ切換位置に切り換えられ、旋回用方向制御弁32は、操作された所定の切換位置に切り換えられる。第1、第2油圧ポンプ11,12の圧油は、それぞれ第1、第2アーム用方向制御弁23、18に供給される。旋回用方向制御弁32と第3アーム用方向制御弁34とは、タンデム接続され、第3油圧ポンプ13に対して旋回用方向制御弁32は、第3アーム用方向制御弁34よりも上流側に設けられるから、第3油圧ポンプ13の圧油は、旋回用方向制御弁32にのみ供給されることになる。そのため、旋回モータの独立性が確保され、すなわち、旋回をアーム操作に影響されずに独立して操作させることができ、良好な旋回の加速性、操作性を確保することができる。
【0084】
[ブーム上げ、アームクラウド、バケットクラウド複合操作]
この第1実施形態は、ブーム上げ、アームクラウド、バケットクラウド複合操作に際して、ブーム用操作装置40、アーム用操作装置41、及び図示しないバケット用操作装置を操作すると、第1、第2ブーム用方向制御弁19、22が不図示のブーム上げ切換位置に切り換えられ、第3ブーム用方向制御弁33がブーム上げ切換位置33aに切り換えられ、第1〜第3アーム用方向制御弁23,18,34が不図示のアームクラウド切換位置に切り換えられ、バケット用方向制御弁17がバケットクラウド切換位置に切り換えられる。上述したように、第3油圧ポンプ13に対して第3ブーム用方向制御弁33と第3アーム用方向制御弁34とは、タンデム接続されており、第3ブーム用方向制御弁33は、第3アーム用方向制御弁34の上流側に設けられるから、第3油圧ポンプの圧油は、負荷に関わらず、第3ブーム用方向制御弁33にのみ供給される。
【0085】
また、第1油圧ポンプ11の圧油は、パラレル接続されるバケット用方向制御弁17、第2アーム用方向制御弁18、第1ブーム用方向制御弁19に、第2油圧ポンプ12の圧油は、パラレル接続される第2ブーム用方向制御弁22、第1アーム用方向制御弁23に、それぞれ負荷に応じて供給される。これによって、絞りを介在させずに、負荷の大きいブーム上げの動作を確保しつつ、良好なブーム上げ、アームクラウド、バケットクラウド複合操作を行わせることができ、この複合操作時の圧損を低減させることができる。
【0086】
[走行、ブーム上げ複合操作]
この第1実施形態は、走行とブーム上げの複合操作に際して、不図示の走行用操作装置及びブーム用操作装置40を操作すると、右走行用方向制御弁16および左走行用方向制御弁25が、操作に応じて前進切換位置または後進切換位置のいずれかに切り換えられ、第1、第2ブーム用方向制御弁19,22が不図示のブーム上げ切換位置に切り換えられ、第3ブーム用方向制御弁33がブーム上げ切換位置33aに切り換えられる。第3油圧ポンプ13には、第3ブーム用方向制御弁33が、左右の走行用方向制御弁16,25と独立して設けられるから、ブームシリンダ7には、ブームは走行負荷の影響に関わりなく、圧油が供給されるため、走行とブーム上げの良好な複合操作が可能になる。
【0087】
[第1特殊アタッチメントの操作]
この第1実施形態は、図示しない第1予備用操作装置を操作することにより、第1予備用方向制御弁24が切り換えられるが、このとき予備用合流弁30が閉位置30aに保持されているときは、第2油圧ポンプ12の圧油を第1予備用方向制御弁24を介して図示しない第1アクチュエータに供給し、この第1アクチュエータの作動によって第1特殊アタッチメントを駆動させることができる。また、第1特殊アタッチメントを速い作動速度で駆動する場合には、予備用合流弁30を開位置30bに切り換えた状態で第1予備用方向制御弁24を切り換えればよい。これにより、第1油圧ポンプ11の圧油が管路46及び予備用合流弁30を介して第1予備用方向制御弁24に、第2油圧ポンプ12の圧油に合流して供給される。すなわち、第1油圧ポンプ11と第2油圧ポンプ12の合流した圧油を図示しない第1アクチュエータに供給し、第1特殊アタッチメントを速い作動速度で駆動させることができる。
【0088】
また、第1特殊アタッチメントと、ブーム4、アーム5との複合操作に際しては、例えば第2油圧ポンプ12の圧油を第1予備用方向制御弁24に供給して、あるいは第1油圧ポンプ11と第2油圧ポンプ12の圧油を第1予備用方向制御弁24に合流させて供給して、第1アクチュエータを作動させ、第1特殊アタッチメントを駆動し、第3油圧ポンプ13の圧油を第3ブーム用方向制御弁33、第3アーム用方向制御弁34を介してブームシリンダ7に、あるいはアームシリンダ8に供給して、ブーム4あるいはアーム5を駆動することができる。すなわち、このような第1特殊アタッチメントと、ブーム4、アーム5の複合操作に際して、絞りを介在させずに複合操作を実施することができる。したがって、絞りに伴う圧損を生じさせることがない。
【0089】
[第2特殊アタッチメントの操作]
この第1実施形態は、図示しない第2予備用操作装置を操作することにより、第2予備用方向制御弁35が切り換えられ、第3油圧ポンプ13の圧油を第2予備用方向制御弁35を介して図示しない第2アクチュエータに供給して、第2特殊アタッチメントを駆動させることができる。しかも、第2予備用方向制御弁35は、旋回用方向制御弁32、第3ブーム用方向制御弁35とパラレル接続で第3油圧ポンプに接続されるから、旋回およびブームが同時に操作されても動作可能である。また、この第2予備用方向制御弁35は、配管の増設を要することなく、バケット6を増速させるための第2バケット用方向制御弁に容易に交換することが可能である。このように、第2予備用方向制御弁35に代えて第2バケット用方向制御弁を設けた場合には、第3油圧ポンプ13の圧油を第2バケット用方向制御弁を介して第1油圧ポンプ11の圧油に合流させてバケットシリンダ9に供給することができ、バケット6の作動速度の高速化を実現させることができる。
【0090】
[旋回、第2特殊アタッチメントの複合操作]
この第1実施形態は、図示しない旋回用操作装置、及び図示しない第2予備用操作装置を操作すると、旋回用方向制御弁33と第2予備用方向制御弁35が切り換えられる。したがって、第3油圧ポンプ13の圧油がパラレルに接続された旋回用方向制御弁32と、第2予備用方向制御弁35の双方に供給され、旋回モータ31が作動して旋回体2が旋回し、図示しない第2アクチュエータが作動して第2特殊アタッチメントが駆動し、旋回、第2特殊アクチュエータの複合操作を実施することができる。またこのとき、旋回モータ31の負荷圧に対する第2アクチュエータの負荷圧の高低に応じて、可変絞り64の開口量を調整することにより、旋回モータ31と第2アクチュエータの供給流量を適切に配分することができ、良好な複合操作性を確保することができる。
【0091】
[第2特殊アタッチメントの独立回路]
この第1実施形態は、第3油圧ポンプ13と第2予備用方向制御弁35とを接続する管路部分を遮断し、第2予備用方向制御弁35の追加用ポンプポートに配管を介して図示しない追加用油圧ポンプを接続することにより、追加用油圧ポンプの圧油を第2予備用方向制御弁35を介して図示しない第2アクチュエータに供給して第2特殊アタッチメントを駆動させることができる。すなわち、第2特殊アタッチメントの駆動を、旋回操作、ブーム操作、及びアーム操作とは独立して実施させることができる。
【0092】
[第1, 第2特殊アタッチメントの独立回路への変更]
この第1実施形態は、第2油圧ポンプ12に接続される第2ブーム用方向制御弁22と、第1アーム用方向制御弁23と、第1予備用方向制御弁24とをパラレルに接続してあることから、配管の増設を要することなく容易に旋回用方向制御弁32と、第1予備用方向制御弁24の配置を入れ替えることができる。このように旋回用方向制御弁32と、第1予備用方向制御弁24とを入れ替えたものでは、第3油圧ポンプ13に第1予備用方向制御弁24と、第2予備用方向制御弁35とが接続されることにより、第3油圧ポンプ13の圧油を第1,第2特殊アタッチメント専用に用いることができ、第2油圧ポンプ12の圧油は旋回用方向制御弁32を介して旋回モータ31に供給して旋回体2を旋回させることができるとともに、第1,第2予備用方向制御弁24,35で制御される第1,第2特殊アタッチメントの駆動回路を独立させて、第3油圧ポンプ13の圧油によって駆動させることができる。
【0093】
[ブーム下げ時の再生操作]
この第1実施形態は、ブーム4が空中において保持されている状態から、ブーム用操作装置40が操作されてブーム下げが実施されたときには、ブーム4は自重によって下降するが、このとき、ブームシリンダ7のボトム圧はブームの保持により所定圧以上となる。この所定圧以上のボトム圧によって上述したように切換弁42が閉位置42bに切り換えられ、この切換弁42の閉位置42bへの切り換えにより第1ブーム用方向制御弁19の制御部、及び第2ブーム用方向制御弁22の制御部へのパイロット圧の供給が阻止されて、第1ブーム用方向制御弁19及び第2ブーム用方向制御弁22は中立位置に保持されるようになっている。このとき、ブーム用操作装置40の操作に伴って第3ブーム用方向制御弁33の制御部へのパイロット圧の供給は可能となっており、第3ブーム用方向制御弁33はブーム下げ切換位置33bに切り換えられる。したがって、第3油圧ポンプ13から吐出される圧油は、第3ブーム用方向制御弁33のブーム下げ切換位置33bに設けた阻止ポート33b1によってブームシリンダ7への供給が阻止され、ブームシリンダ7のボトム室7aから排出された圧油は、再生回路33b2を介してブームシリンダ7のロッド室7bに再生供給される。これによって第3油圧ポンプ13からの圧油の供給なしに、ブームシリンダ7が収縮してブーム下げを実施することができる。すなわち、第1油圧ポンプ11、第2油圧ポンプ12、及び第3油圧ポンプ13から吐出される圧油は、ブームシリンダ7に供給されることがなく、それら油圧ポンプを最小傾転角に保持して最小流量が吐出されるようにすることができ、このようにすればエネルギ消費を最小限に抑えることができる。
【0094】
[ジャッキアップ操作]
また、接地等の状態でブーム下げが実施されたとき、すなわちジャッキアップ操作時には、ブームシリンダ7のボトム圧は上述の所定圧に満たないタンク圧程度の低圧となる。このとき、上述したように切換弁42はばねの力により開位置42aとなり、第1ブーム用方向制御弁19の制御部へのパイロット圧の供給、及び第2ブーム用方向制御弁22の制御部へのパイロット圧の供給が可能になり、ブーム用操作装置40の操作に伴って、第1ブーム用方向制御弁19及び第2ブーム用方向制御弁22はそれぞれブーム下げ切換位置に切り換えられ、第3ブーム用方向制御弁33の制御部へもパイロット圧が供給されて第3ブーム用方向制御弁33はブーム下げ切換位置33bに切り換えられた状態になる。ブーム下げ切換位置33bには、第3油圧ポンプ13からの圧油のブームシリンダ7への供給を阻止する阻止ポート33b1と、供給される圧油を第3アーム用方向制御弁34側に流す油路が設けられるため、第3ブーム用方向制御弁33がブーム下げ切換位置33bに切り換えられても第3油圧ポンプ13に接続される他の方向制御弁が操作されなければ、第3油圧ポンプ13の吐出圧はタンク圧に近い低圧状態となる。したがって、ジャッキアップ時には、第1油圧ポンプ11の圧油が第1ブーム用方向制御弁19を介してブームシリンダ7のロッド室7bに供給され、また第2油圧ポンプ12の圧油が第2ブーム用方向制御弁22を介してブームシリンダ7のロッド室7bに供給されて、2つの油圧ポンプの圧油により所望のジャッキアップ操作を実施することができる。
【0095】
[アームクラウド操作]
この第1実施形態は、アーム用操作装置41を操作し、例えばアーム5が空中に保持されている状態からアームクラウドが実施されようとする際に、操作前のアーム用操作装置41の非操作状態では、圧力センサ61から検出信号が出力されないことに伴ってコントローラ70の制御により電磁弁44は閉じられた状態となっている。したがって、第1アーム用方向制御弁23の戻り管路47に設けた開放弁43は絞りを有する右位置43bに保持された状態にある。この状態から、アーム用操作装置41を操作すると、第1アーム用方向制御弁23はアームクラウド切換位置に切り換えられるとともに、アームクラウド操作であることが圧力センサ61で検出される。この圧力センサ61の信号によって、コントローラ70は電磁弁44を開くように制御し、これに伴ってパイロットポンプ14のパイロット圧が電磁弁44を介して開放弁43の制御部に与えられ、パイロット圧の大きさ応じて開放弁43は左位置43a側に切り換えられる傾向となる。
【0096】
したがって、アームクラウド操作を実施する際の操作開始時にあっては、開放弁43の開口量が小さいことから、アームシリンダ8のロッド室8bから第1アーム用方向制御弁23、開放弁43を介してタンク15に戻される油の量は少ない。これに応じてアームクラウド作動速度が遅くなるように抑えられて、第2油圧ポンプ12から第1アーム用方向制御弁23を介してアームシリンダ8のボトム室8aに供給される圧油によってアーム5は緩やかに下降を始める。これにより、アームクラウドの操作開始時における衝撃の発生が防止される。また、アーム用操作装置41の操作量が大きくなると、コントローラ70から電磁弁44に供給される信号の値が大きくなって電磁弁44の開口量が大きくなり、開放弁43は全開位置である左位置43aに切り換えられる。これにより、アームシリンダ8のロッド室8bから第1アーム用方向制御弁23、開放弁43を介してタンク15に戻される油の量が多くなり、アームクラウドの作動速度が速くなってアーム5は速やかに下降する。このようにアームクラウド操作に際して、作業装置3のブーム4やバケット6、あるいは旋回体2及び走行体1へ及ぼす衝撃力の影響を少なくしながら良好な操作性を確保することができる。
【0097】
なお、このアームクラウド操作の開始後、開放弁43の開口量が大きくなったときには、アームシリンダ8のロッド圧はタンク圧と同程度まで低下するので、絞りを有する再生回路を設けた場合に比べて、アームシリンダ8を作動させる推力が小さくなる。すなわち、この第1実施形態では、アームクラウド操作時のアームシリンダ8の負荷圧を小さくすることができる。これによって、第2油圧ポンプ12のポンプ効率を向上させることができる。
【0098】
この第1実施形態では、第1アーム用方向制御弁23、第2アーム用方向制御弁18、第3アーム用方向制御弁34のうち、第1アーム用方向制御弁23にのみタンクへの接続ポートとなるメータアウトポートが設けられる。
【0099】
[重掘削作業時]
この第1実施形態は重掘削時には上述のように、第1油圧ポンプ11と第2油圧ポンプ12の圧油によって作業が実施される。一般に油圧ポンプは、吐出圧力が高くなるほど容積効率が低下する。例えばアーム、バケット複合操作によって大きな掘削力を要する重掘削作業が実施されるときには、吐出圧センサ45で検出される第2油圧ポンプ12の吐出圧が重掘削作業に相応する所定圧以上となる。そのため、吐出圧センサ45から出力される信号に応じてコントローラ70に含まれる方向制御弁中立保持手段は、吐出圧センサ45によって検出される吐出圧が所定圧以上となるときには、電磁弁62,63を制御して第3ブーム用方向制御弁33及び第3アーム用方向制御弁34を中立位置に保持する。また、このような重掘削作業時には、図示しないポンプ制御無効手段によって、第3油圧ポンプ13のレギュレータに含まれる流量調整弁13cの制御部へのパイロット圧の供給が阻止されるようになっている。これによって第3油圧ポンプ13の傾転角は最小傾転角に保持され、第3油圧ポンプ13からは最小流量が吐出される。したがって、第1油圧ポンプ11の圧油がバケット用方向制御弁17を介してバケットシリンダ9のボトム室9aに優先して供給され、第2油圧ポンプ12の圧油がアームシリンダ8のボトム室8aに供給される。これにより、この重掘削作業時におけるアーム、バケット複合操作を、良好な操作性を確保しながらもポンプ効率の悪化を招くことなく、第1油圧ポンプ11の傾転制御と第2油圧ポンプ12の傾転制御によって実施させることができる。
【0100】
[アームクラウド操作時のポンプ制御]
地面のならし作業のように、アームクラウド操作時にブーム操作を少し入れて地面を水平にならす作業が行なわれることがある。アーム用操作装置41を操作すると第1、第2アーム用方向制御弁23,18とともに、第3アーム用方向制御弁34もアームクラウド切換位置に切り換る。この場合、第3油圧ポンプ13の圧油は全量が第3アーム用方向制御弁34に供給されて、アームシリンダ8に供給される。この状態において、作業に合わせてブーム用操作装置40を少し操作すると、第3ブーム用方向制御弁33と第3アーム用方向制御弁34とがタンデムに接続されているために、第3油圧ポンプ13の吐出圧が一気に上昇する。上述したようにポンプは吐出圧が上昇すると容積効率が低下する。そのため、アームクラウド操作がされたときには、その操作に伴って図示しない第3油圧ポンプ傾転制御手段が作動し、第3油圧ポンプ13のレギュレータに含まれる流量調整弁13cの制御部へのパイロット圧の供給を阻止する。すなわち、第3油圧ポンプの傾転制御が実施されることがない。したがって、第1油圧ポンプ11の圧油が第2アーム用方向制御弁18を介してアームシリンダ8のボトム室8aに供給され、第2油圧ポンプ12の圧油が第1アーム用方向制御弁23を介してアームシリンダ8のボトム室8aに供給され、これらによってアームシリンダ8が作動してアームクラウドを実施することができる。すなわち、このアームクラウド操作を、良好な操作性を確保しながらもポンプ効率の悪化を招くことなく、第1油圧ポンプ11と第2油圧ポンプ12の傾転制御によって実施させることができる。
【0101】
[複合操作時の省エネの実現]
この第1実施形態は、コントローラ70から出力される信号によって、第1流量制限弁54、第2流量制限弁55、及び第3流量制限弁56を選択的に作動させて、第1油圧ポンプ11のレギュレータに含まれる流量調整弁11cの制御部、第2油圧ポンプ12のレギュレータに含まれる流量調整弁12cの制御部、第3油圧ポンプ13のレギュレータに含まれる流量調整弁13cの制御部のそれぞれに与えられるパイロット圧を制御し、第1油圧ポンプ11、第2油圧ポンプ12、及び第3油圧ポンプ13のうちの該当する油圧ポンプの傾転角、すなわち該当する油圧ポンプから吐出される圧油の流量を制御することにより、アーム5やバケット6と第1特殊アタッチメントとの複合操作、アーム5やバケット6と第2特殊アタッチメントとの複合操作を、必要最小の流量で実施させることができ、ポンプ効率を向上させることができる。
【0102】
また、コントローラ70から出力される信号によって、第1トルク制御弁51、第2トルク制御弁52、第3トルク制御弁53を選択的に作動させて、第1油圧ポンプ11のレギュレータに含まれるトルク調整弁11bの制御部、第2油圧ポンプ12のレギュレータに含まれるトルク調整弁12bの制御部、第3油圧ポンプ13のレギュレータに含まれるトルク調整弁13bの制御部のそれぞれに与えられるパイロット圧を制御して、第1油圧ポンプ11、第2油圧ポンプ12、及び第3油圧ポンプ13のうちの該当する油圧ポンプのポンプトルクを制御することにより、ポンプトルクの合計値がエンジン出力トルクを超えないように保ちながら、第1油圧ポンプ11、第2油圧ポンプ12、及び第3油圧ポンプ13のうちの該当する油圧ポンプから吐出される圧油の流量配分を好適に保ち、良好な複合操作性を確保してポンプ効率を向上させることができる。
【0103】
以上のようにこの第1実施形態に係る油圧駆動装置によれば、上述したようにブーム上げ、アームクラウド複合操作に際して、第3油圧ポンプ13の圧油によってブーム上げを行わせ、第1油圧ポンプ11及び第2油圧ポンプ12の圧油によってアームクラウドを行わせるので、このブーム上げ、アームクラウド複合操作を絞りを設けることなく実施させることができる。また、アームクラウド操作に際して絞りを有する再生回路を設けることなくアームクラウド操作を実施させることができる。したがって、この第1実施形態は、ブーム上げ、アームクラウド複合操作における圧損、及びアームクラウド操作における圧損を低減できる。これにより、ポンプ効率を向上させ、燃費を低減して、省エネを実現させることができる。
【0104】
本発明の第2実施形態に係る油圧駆動装置は、図3に示すように、第1油圧ポンプのポンプトルク制御と、第2油圧ポンプ12のポンプトルク制御を、第2トルク制御弁52によって行わせるようにしてあり、第1実施形態における第1トルク制御弁51を除いた構成にしてある。このように第1油圧ポンプ11のポンプトルク制御と第2油圧ポンプ12のポンプトルク制御を1つの第2トルク制御弁52によって行うようにすれば、制御するトルク制御弁の数を少なくすることができるので、コントローラ70によるポンプトルク制御を第1実施形態におけるよりも簡単に行うことができる。その他の構成は第1実施形態と同等である。なお、この第2実施形態のように構成した場合には、第1実施形態に比べてポンプトルク制御の精度としては若干劣るが、実作業に際してはほとんど支障を生じることなくポンプ制御を実施することができる。
【0105】
このように構成した第2実施形態も、基本的には第1実施形態と同等の構成にしてあることから、第1実施形態におけるのと同様に、ブーム上げ、アームクラウド複合操作を絞りを設けることなく実施させることができ、また絞りを有する再生回路を設けたのと同様のアームクラウド操作を実施させることができる。その他の作用効果についても、第1実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0106】
なお、上記第1,第2実施形態において、第1油圧ポンプ11に接続される第2アーム用方向制御弁18の上流に位置する管路21に、第1可変絞り100を設けた構成にしてもよい。その状態を参考として図3に示す。
【0107】
このように構成したものでは、アームクラウド、バケットクラウド複合操作に際し、上述したように開放弁43を設けたことによりアームクラウド操作時に負荷圧が小さくなることによって低圧側を形成する第2アーム用方向制御弁18への第1油圧ポンプ11の圧油の供給を第1可変絞り100によって制限することができ、第1油圧ポンプ11の圧油を優先してバケット用方向制御弁17を介してバケットシリンダ9に供給し、作動させることができる。また、第2油圧ポンプ12の圧油を第1アーム用方向制御弁23を介して、また第3油圧ポンプ13の圧油を第3アーム用方向制御弁33を介して、それぞれアームシリンダ8に供給することによりアームシリンダ8を作動させることができる。すなわち、アーム5の作動速度を確保しながら、バケット6の作動速度の高速化を実現させることができる。
【0108】
また、上記第1,第2実施形態において、第2油圧ポンプ12に接続される第1アーム用方向制御弁23の上流の管路28に第2可変絞り101を設けた構成にしてもよい。この状態を参考として図3に示す。
【0109】
このように構成したものでは、例えばアーム5に第1特殊アタッチメントを接続し、上述のように第1特殊アタッチメントを駆動する第1アクチュエータを設け、この第1アクチュエータを第1予備用方向制御弁24で制御するようにした場合、例えばブーム上げ、アームクラウド、バケットクラウド、第1特殊アタッチメントの4複合操作に際し、第2可変絞り101によって、第1アーム用方向制御弁23の戻り管路47に上述のように開放弁43を設けたことによって低圧側を形成している第1アーム用方向制御弁23への第2油圧ポンプ12の圧油の流入を抑えながら、この第2油圧ポンプ12の圧油を第1予備用方向制御弁24を介して第1アクチュエータに供給し、第1特殊アタッチメントを作動させることができる。すなわち、第1油圧ポンプ11の圧油をバケット用方向制御弁17を介してバケットシリンダ9のボトム室9aに優先して供給し、第2油圧ポンプ12の圧油を第2可変絞り及び第1アーム用方向制御弁23を介してアームシリンダ8のボトム室8aに供給するとともに、この第2油圧ポンプ12の圧油を第1予備用方向制御弁24を介して第1アクチュエータに供給し、第3油圧ポンプ13の圧油を第3ブーム用方向制御弁33のブーム上げ切換位置33aを介してブームシリンダ7のボトム室7aに供給して、ブーム上げ、アームクラウド、バケットクラウド、第1特殊アタッチメントの4複合操作を実施することができる。
【0110】
また、上記第1,第2実施形態において、ブーム下げ操作に際してブームシリンダ7のボトム圧が所定圧に満たないジャッキアップ操作時に、第1油圧ポンプの傾転角を増加させる制御を行う第1油圧ポンプ傾転制御手段を備えた構成にしてもよい。
【0111】
このように構成したものでは、ジャッキアップ操作時には、第1油圧ポンプ傾転制御手段によって第1油圧ポンプ11のレギュレータに含まれる流量調整弁11cの制御部に供給されるパイロット圧を増加させる制御がなされて、第1油圧ポンプ11の傾転角が大きくなる。すなわち、第1油圧ポンプ11の流量が増加する制御がなされ、増加した流量が第1ブーム用方向制御弁19を介してブームシリンダ7のロッド室7bに供給されてジャッキアップ操作が実施される。このとき例えば、第2油圧ポンプ12の圧油の流量については増加制御が行われない。また、第3油圧ポンプ13の傾転制御は不実施状態に保たれる。このように第2油圧ポンプ11の流量の増加制御がなされず、また第3油圧ポンプの傾転制御を不実施に保っても、第1油圧ポンプ11の流量を増加させることによって、ジャッキアップ操作を支障なく実施することができる。したがつて、ポンプ効率に与える影響を最小に保ちながらジャッキアップ操作を行うことができる。
【0112】
また、上記第1実施形態において、旋回、バケット複合操作時に、コントローラ70から出力される信号により、第1トルク制御手段である第1トルク制御弁51を第1油圧ポンプ11のポンプトルクを増加させるように制御する構成にしてもよい。または上記第2実施形態において、旋回、バケット複合操作時に、コントローラ70から出力される信号により、第2トルク制御手段である第2トルク制御弁52を第1油圧ポンプ11のポンプトルクを増加させるように制御する構成にしてもよい。
【0113】
このように構成したものでは、例えば旋回、バケット複合操作を介して土砂等の掘削、掘削した土砂の放土が実施されるような場合であって、旋回体2及びバケット6を放土位置から掘削位置まで戻すように旋回させる際に、第1トルク制御弁51または第2トルク制御弁52を、第1油圧ポンプ11のポンプトルクを増加させるように駆動させて、第1油圧ポンプ11からバケットシリンダ9のボトム室9aに供給される圧油の流量を増加させ、このバケットシリンダ9の作動速度を速くすることができる。すなわち、旋回体2及びバケット6が放土位置から掘削位置まで戻る間に、速い作動速度でバケットクラウド操作をして、バケット6をその刃先が地面に対して望ましい食い込み角度となる掘削姿勢に速やかに復帰させることができる。これにより、旋回体2及びバケット6が掘削位置まで戻った際に直ちにバケット6による掘削作業を行わせることができ、このような掘削作業の能率を向上させることができる。
【符号の説明】
【0114】
2 旋回体(車体)
3 作業装置
4 ブーム
5 アーム
6 バケット
7 ブームシリンダ
7a ボトム室
7b ロッド室
8 アームシリンダ
8a ボトム室
8b ロッド室
9 バケットシリンダ
9a ボトム室
11 第1油圧ポンプ
12 第2油圧ポンプ
13 第3油圧ポンプ
14 パイロットポンプ
15 タンク
17 バケット用方向制御弁
18 第2アーム用方向制御弁
19 第1ブーム用方向制御弁
20 管路
21 管路
22 第2ブーム用方向制御弁
23 第1アーム用方向制御弁
24 第1予備用方向制御弁
26 管路
27 管路
28 管路
29 管路
30 予備用合流弁
30a 閉位置
30b 開位置
31 旋回モータ
32 旋回用方向制御弁
33 第3ブーム用方向制御弁
33a ブーム上げ切換位置
33b ブーム下げ切換位置
33b1 阻止ポート
33b2 再生回路
34 第3アーム用方向制御弁
35 第2予備用方向制御弁
36 管路
37 管路
40 ブーム用操作装置
41 アーム用操作装置
42 切換弁(ブーム用方向制御弁制御手段)
43 開放弁
43a 左位置
43b 右位置
44 電磁弁
45 吐出圧センサ(吐出圧検出手段)
46 管路
47 戻り管路
48 管路
51 第1トルク制御弁(第1トルク制御手段)
52 第2トルク制御弁(第2トルク制御手段)
53 第3トルク制御弁(第3トルク制御手段)
54 第1流量制限弁(第1流量制限手段)
55 第2流量制限弁(第2流量制限手段)
56 第3流量制限弁(第3流量制限手段)
61 圧力センサ
62 電磁弁
63 電磁弁
64 可変絞り
70 コントローラ
80 管路
81 管路
82 管路
85 管路
86 管路
87 管路


【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体と、この車体に取り付けられる作業装置とを備え、この作業装置は、上記車体に上下方向の回動可能に接続されるブームと、このブームの先端に上下方向の回動可能に接続されるアームと、上記ブームを駆動するブームシリンダと、上記アームを駆動するアームシリンダとを含む作業機械に設けられ、
上記ブームシリンダ及び上記アームシリンダをそれぞれ作動させる圧油を供給する第1油圧ポンプ及び第2油圧ポンプと、上記第1油圧ポンプに対しパラレル接続され、上記ブームシリンダに供給される圧油の流れを制御する第1ブーム用方向制御弁及び上記アームシリンダに供給される圧油の流れを制御する第2アーム用方向制御弁と、上記第2油圧ポンプに対しパラレル接続され、上記ブームシリンダに供給される圧油の流れを制御する第2ブーム用方向制御弁及び上記アームシリンダに供給される圧油の流れを制御する第1アーム用方向制御弁とを備えた作業機械の油圧駆動装置において、
上記ブームシリンダ及び上記アームシリンダをそれぞれ作動させる圧油を供給する第3油圧ポンプと、この第3油圧ポンプに接続され、上記ブームシリンダに供給される圧油の流れを制御する第3ブーム用方向制御弁と、この第3ブーム用方向制御弁にタンデム接続され、上記アームシリンダに供給される圧油の流れを制御する第3アーム用方向制御弁を備えたことを特徴とする作業機械の油圧駆動装置。
【請求項2】
請求項1に記載の作業機械の油圧駆動装置において、
上記車体が旋回体を含み、
この旋回体を駆動する旋回モータと、上記第3油圧ポンプに接続され、上記旋回モータに供給される圧油の流れを制御する旋回用方向制御弁とを備えたことを特徴とする作業機械の油圧駆動装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の作業機械の油圧駆動装置において、
上記第3ブーム用方向制御弁は、上記ブームを上方向に回動させる切換位置であるブーム上げ切換位置と、上記ブームを下方向に回動させる切換位置であるブーム下げ切換位置とを有し、上記ブーム下げ切換位置に、上記第3油圧ポンプから吐出される圧油の上記ブームシリンダへの供給を阻止する阻止ポートを設けたことを特徴とする作業機械の油圧駆動装置。
【請求項4】
請求項2に記載の作業機械の油圧駆動装置において、
上記旋回用方向制御弁と、上記第3ブーム用方向制御弁とをパラレル接続したことを特徴とする作業機械の油圧駆動装置。
【請求項5】
請求項2に記載の作業機械の油圧駆動装置において、
上記作業装置が、上記アームの先端に上下方向の回動可能に接続されるバケットと、このバケットを作動させるバケットシリンダとを含み、
上記バケットシリンダに供給される圧油の流れを制御するバケット用方向制御弁を備え、
上記第1ブーム用方向制御弁と、上記第2アーム用方向制御弁と、上記バケット用方向制御弁とをパラレル接続したことを特徴とする作業機械の油圧駆動装置。
【請求項6】
請求項2〜5のいずれか1項に記載の作業機械の油圧駆動装置において、
上記第2油圧ポンプに接続される第1予備用方向制御弁と、
上記第1油圧ポンプから吐出される圧油を上記第1予備用方向制御弁に供給可能にする予備用合流弁を備えたことを特徴とする作業機械の油圧駆動装置。
【請求項7】
請求項5または6に記載の作業機械の油圧駆動装置において、
上記第3油圧ポンプに接続される第2予備用方向制御弁を備えたことを特徴とする作業機械の油圧駆動装置。
【請求項8】
請求項7に記載の作業機械の油圧駆動装置において、
上記旋回用方向制御弁と、上記第3ブーム用方向制御弁と、上記第2予備用方向制御弁とをパラレル接続したことを特徴とする作業機械の油圧駆動装置。
【請求項9】
請求項8に記載の作業機械の油圧駆動装置において、
上記第2予備用方向制御弁は、追加油圧ポンプの接続を可能にする追加用ポンプポートを有することを特徴とする作業機械の油圧駆動装置。
【請求項10】
請求項6に記載の作業機械の油圧駆動装置において、
上記第2ブーム用方向制御弁と、上記第1アーム用方向制御弁と、上記第1予備用方向制御弁とをパラレル接続したことを特徴とする作業機械の油圧駆動装置。
【請求項11】
請求項3に記載の作業機械の油圧駆動装置において、
上記第3ブーム用方向制御弁のブーム下げ切換位置に、上記ブーム下げ操作時に上記ブームシリンダのボトム室から排出される油を上記ブームシリンダのロッド室に再生供給可能な再生回路を設けるとともに、
上記ブーム下げ操作に際して上記ブームシリンダのボトム圧が所定圧以上のときに、上記第3ブーム用方向制御弁を上記ブーム下げ切換位置に保持し、上記第1ブーム用方向制御弁及び上記第2ブーム用方向制御弁を中立位置に保持し、上記ブーム下げ操作に際して上記ブームシリンダのボトム圧が上記所定圧に満たないときに、上記第3ブーム用方向制御弁を上記ブーム下げ切換位置に保持し、上記第1ブーム用方向制御弁を上記第1油圧ポンプから吐出される圧油の上記ブームシリンダのロッド室への供給を可能にするブーム下げ切換位置に保持し、上記第2ブーム用方向制御弁を上記第2油圧ポンプから吐出される圧油の上記ブームシリンダのロッド室への供給を可能にするブーム下げ切換位置に保持するブーム用方向制御弁制御手段を備えたことを特徴とする作業機械の油圧駆動装置。
【請求項12】
請求項1に記載の作業機械の油圧駆動装置において、
上記第1アーム用方向制御弁、上記第2アーム用方向制御弁、及び上記第3アーム用方向制御弁のうちの少なくとも1つとタンクとを連絡する戻り管路に、上記アームの非操作時に開口量を小さく保持し、アームクラウド操作時の上記アームの操作量が大きくなるに従って開口量を大きくする開放弁を設けたことを特徴とする作業機械の油圧駆動装置。
【請求項13】
請求項5に記載の作業機械の油圧駆動装置において、
上記第2アーム用方向制御弁の上流に、第1可変絞りを設けたことを特徴とする作業機械の油圧駆動装置。
【請求項14】
請求項10に記載の作業機械の油圧駆動装置において、
上記第1アーム用方向制御弁の上流に第2可変絞りを設けたことを特徴とする作業機械の油圧駆動装置。
【請求項15】
請求項1に記載の作業機械の油圧駆動装置において、
上記第1油圧ポンプの吐出圧、上記第2油圧ポンプの吐出圧、上記第3油圧ポンプの吐出圧のうちの少なくとも上記第2油圧ポンプの吐出圧を検出する吐出圧検出手段と、
この吐出圧検出手段で検出された吐出圧が所定圧以上のときに上記第3ブーム用方向制御弁及び上記第3アーム用方向制御弁を中立位置に保持する方向制御弁中立保持手段と、
上記吐出圧が所定圧以上のときに上記第3油圧ポンプに対する傾転制御を無効にするポンプ制御無効手段とを備えたことを特徴とする作業機械の油圧駆動装置。
【請求項16】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の作業機械の油圧駆動装置において、
エンジンを備え、
上記第1油圧ポンプ、上記第2油圧ポンプ、及び上記第3油圧ポンプのうち、少なくとも上記第3油圧ポンプは、上記エンジンによって駆動される可変容量型油圧ポンプから成り、
上記アームの操作がアームクラウド操作であるときに、上記第3油圧ポンプの傾転制御を不実施に保つ第3油圧ポンプ傾転制御手段を備えたことを特徴とする作業機械の油圧駆動装置。
【請求項17】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の作業機械の油圧駆動装置において、
エンジンを備え、
上記第1油圧ポンプ、上記第2油圧ポンプ、及び上記第3油圧ポンプのうち、少なくとも上記第1油圧ポンプは、上記エンジンによって駆動される可変容量型油圧ポンプから成り、
上記ブーム下げ操作に際して上記ブームシリンダのボトム圧が所定圧に満たないときに、上記第1油圧ポンプの傾転角を増加させる制御を行う第1油圧ポンプ傾転制御手段を備えたことを特徴とする作業機械の油圧駆動装置。
【請求項18】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の作業機械の油圧駆動装置において、
上記第1油圧ポンプから吐出される流量を、この第1油圧ポンプで吐出可能な最大流量よりも少ない所定量に制限する第1流量制限手段と、
上記第2油圧ポンプから吐出される流量を、この第2油圧ポンプで吐出可能な最大流量よりも少ない所定量に制限する第2流量制限手段と、
上記第3油圧ポンプから吐出される流量を、この第3油圧ポンプで吐出可能な最大流量よりも少ない所定量に制限する第3流量制限手段とを備えたことを特徴とする作業機械の油圧駆動装置。
【請求項19】
請求項16に記載の作業機械の油圧駆動装置において、
上記第1油圧ポンプのポンプトルクを可変に制御可能な第1トルク制御手段と、
上記第2油圧ポンプのポンプトルクを可変に制御可能な第2トルク制御手段と、
上記第3油圧ポンプのポンプトルクを可変に制御可能な第3トルク制御手段とを備えたことを特徴とする作業機械の油圧駆動装置。
【請求項20】
請求項16に記載の作業機械の油圧駆動装置において、
上記第1油圧ポンプのポンプトルクおよび上記第2油圧ポンプのポンプトルクを同時に可変に制御可能な第1トルク制御手段と、
上記第3の油圧ポンプのポンプトルクを可変に制御可能な第2トルク制御手段とを備えたことを特徴とする作業機械の油圧駆動装置。
【請求項21】
請求項2に記載の作業機械の油圧駆動装置において、
エンジンを備え、
上記作業装置が、上記アームの先端に上下方向の回動可能に接続されるバケットと、このバケットを作動させるバケットシリンダとを含み、
上記バケットシリンダに供給される圧油の流れを制御するバケット用方向制御弁を備え、
上記第1油圧ポンプ、上記第2油圧ポンプ、及び上記第3油圧ポンプのそれぞれは、上記エンジンによって駆動される可変容量型油圧ポンプから成り、
上記第1油圧ポンプのポンプトルクを可変に制御可能な第1トルク制御手段と、上記第2油圧ポンプのポンプトルクを可変に制御可能な第2トルク制御手段と、上記第3油圧ポンプのポンプトルクを可変に制御可能な第3トルク制御手段とを備え、
上記旋回体と上記バケットの複合操作時に、上記第1トルク制御手段は、上記第1油圧ポンプのポンプトルクを増加させる制御を行うことを特徴とする作業機械の油圧駆動装置。
【請求項22】
請求項2に記載の作業機械の油圧駆動装置において、
エンジンを備え、
上記作業装置が、上記アームの先端に上下方向の回動可能に接続されるバケットと、このバケットを作動させるバケットシリンダとを含み、
上記バケットシリンダに供給される圧油の流れを制御するバケット用方向制御弁を備え、
上記第1油圧ポンプ、上記第2油圧ポンプ、及び上記第3油圧ポンプのそれぞれは、上記エンジンによって駆動される可変容量型油圧ポンプから成り、
上記第1油圧ポンプのポンプトルクおよび上記第2油圧ポンプのポンプトルクを同時に可変に制御可能な第1トルク制御手段と、上記第3油圧ポンプのポンプトルクを可変に制御可能な第2トルク制御手段とを備え、
上記旋回体と上記バケットの複合操作時に、上記第1トルク制御手段は、上記第1油圧ポンプおよび上記第2油圧ポンプのポンプトルクを増加させる制御を行うことを特徴とする作業機械の油圧駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−241803(P2012−241803A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−112626(P2011−112626)
【出願日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】