作業車のロプス連結構造
【課題】第1連結部材と第2連結部材とを強く連結でき、ロプスを車体フレームに強く連結できる作業車のロプス連結構造を実現する。
【解決手段】作業車のロプス連結構造において、第1及び第2連結部材43A,43Bの接当面45Fの一方に、凸部45bを形成すると共に、第1及び第2連結部材43A,43Bの接当面45Fの他方に、凹部45cを形成し、第1連結部材43Aの接当面45Fと第2連結部材43Bの接当面45Fとを接当させた状態で、接当面45Fの垂線の向く方向から第1連結部材43A及び第2連結部材43Bを締め付け固定する。
【解決手段】作業車のロプス連結構造において、第1及び第2連結部材43A,43Bの接当面45Fの一方に、凸部45bを形成すると共に、第1及び第2連結部材43A,43Bの接当面45Fの他方に、凹部45cを形成し、第1連結部材43Aの接当面45Fと第2連結部材43Bの接当面45Fとを接当させた状態で、接当面45Fの垂線の向く方向から第1連結部材43A及び第2連結部材43Bを締め付け固定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロプス側に設けられた第1連結部材と、車体フレーム側に設けられた第2連結部材とを備えた作業車のロプス連結構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術としては、例えば特許文献1に開示されているように、運転部フレーム(特許文献1の図6の20)の前部における左右両側部に設けられた左右の支持体(特許文献1の図6の61)に亘って、転倒保護フレーム(特許文献1の図6の57)を設け、運転部フレームの後部における左右両側部に設けられた左右の支持体(特許文献1の図6の62)に亘って、転倒保護フレーム(特許文献1の図6の58)を設けた作業車の運転部構造が知られている。
【0003】
【特許文献1】特開2004−255963号公報(図4及び図6参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の作業車の運転部構造では、支持体(特許文献1の図6の61,62)に前後向きの取り付け穴を形成すると共に、転倒保護フレームの脚部(特許文献1の図6の57b,58b)における下端部に固定したブラケットに前後向きの取り付け穴を形成し、支持体の面とブラケットの面とを接当させて、支持体の取り付け穴とブラケットの取り付け穴と亘ってボルトを連通させて締め付け固定することにより、転倒保護フレームを運転部フレームに固定できるように構成されている。
【0005】
本発明は、第1連結部材と第2連結部材とを強く連結でき、ロプスを車体フレームに強く連結できる作業車のロプス連結構造を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[I]
(構成)
本発明の第1特徴は、作業車のロプス連結構造を次のように構成することにある。
ロプス側に設けられた第1連結部材と、車体フレーム側に設けられた第2連結部材とを備え、前記第1連結部材及び第2連結部材に接当面を備えて、前記第1連結部材の接当面及び第2連結部材の接当面の一方に、他方側に突出した凸部を形成すると共に、前記第1連結部材の接当面及び第2連結部材の接当面の他方に、前記凸部に係合する凹部を形成し、前記第1連結部材の接当面と第2連結部材の接当面とを接当させた状態で、前記接当面の垂線の向く方向から前記第1連結部材及び第2連結部材を締め付け固定してある。
【0007】
(作用)
本発明の第1特徴によると、接当面の垂線の向く方向から第1連結部材及び第2連結部材を締め付けると、第1連結部材の接当面と第2連結部材の接当面とが接当し、第1連結部材の接当面及び第2連結部材の接当面の一方に形成された凸部が、第1連結部材の接当面及び第2連結部材の接当面の他方に形成された凹部と係合する。これにより、接当面に沿う方向の力がロプスに作用した場合に、第1連結部材及び第2連結部材を締め付け固定する締め付け部材の締結に加えて、凸部と凹部との係合により、ロプスに作用した力を支持でき、第1連結部材が第2連結部材に対してずれ難くなると共に、第1連結部材及び第2連結部材が変形し難くなる。その結果、第1連結部材と第2連結部材とを強く連結でき、ロプスを車体フレームに強く連結できる。
【0008】
(発明の効果)
本発明の第1特徴によると、ロプスの車体フレームへの取り付け強度を向上できる。
【0009】
[II]
(構成)
本発明の第2特徴は、本発明の第1特徴の作業車のロプス連結構造において、次のように構成することにある。
前記凸部の断面形状を、傾斜部を備えた山形に成形すると共に、前記凹部の断面形状を、傾斜部を備えた谷形に成形してある。
【0010】
(作用)
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
本発明の第2特徴によると、接当面の垂線の向く方向から第1連結部材及び第2連結部材を締め付けると、山形に形成された凸部の傾斜部が谷形に形成された凹部の傾斜部に接当して、凸部が凹部の傾斜部に案内されながら凹部側に入り込む。これにより、例えばロプスを車体フレームへ取り付ける際に、ロプス又は車体フレームの製作誤差等により第1連結部材の位置と第2連結部材の位置とが合致し難い場合であっても、第1連結部材の位置と第2連結部材の位置を位置決めしながら、ロプスを車体フレームに容易に取り付けることができる。
【0011】
(発明の効果)
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第2特徴によると、ロプス及び車体フレームの製作誤差等を許容しながら、ロプスを車体フレームに容易に取り付けることができ、ロプスの組立作業やメンテナンス作業の作業性を向上できる。
【0012】
[III]
(構成)
本発明の第3特徴は、本発明の第1特徴又は第2特徴の作業車のロプス連結構造において、次のように構成することにある。
前記第1連結部材の接当面及び前記第2連結部材の接当面が上下方向の面になるように、前記第1連結部材及び第2連結部材を構成してある。
【0013】
(作用)
本発明の第3特徴によると、本発明の第1特徴又は第2特徴と同様に前項[I][II]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
本発明の第3特徴によると、第1連結部材の接当面及び第2連結部材の接当面が上下方向の面になるように構成すると、凸部が接当面から突出する方向及び凹部が接当面から凹入する方向が横向き(例えば、前後向き)になる。そして、第1連結部材と第2連結部材とを締め付け固定する方向が横向き(例えば、前後向き)になり、ロプスに作用する力を凸部及び凹部の係合により支持する方向が横向き(例えば、左右向き)になる。これにより、ロプスに作用する2つの異なる横向き(例えば、前後向き及び左右向き)の力を、第1連結部材及び第2連結部材を締め付け固定する締め付け力と、凸部及び凹部の係合とにより支持できる。その結果、ロプスに作用する横向きの力に対して、第1連結部材と第2連結部材とを強く連結でき、ロプスを車体フレームに強く連結できる。
【0014】
(発明の効果)
本発明の第3特徴によると、本発明の第1特徴又は第2特徴と同様に前項[I][II]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第3特徴によると、ロプスに横向きの力が作用した場合におけるロプスの車体フレームへの取り付け強度を向上できる。
【0015】
[IV]
(構成)
本発明の第4特徴は、本発明の第3特徴の作業車のロプス連結構造において、次のように構成することにある。
前記第1連結部材の接当面及び前記第2連結部材の接当面が左右方向の面になるように、前記第1連結部材及び第2連結部材を構成してある。
【0016】
(作用)
本発明の第4特徴によると、本発明の第3特徴と同様に前項[III]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
本発明の第4特徴によると、第1連結部材の接当面及び第2連結部材の接当面が左右方向の面になるように構成すると、凸部が接当面から突出する方向及び凹部が接当面から凹入する方向が前後向きになる。これにより、ロプスに作用する左右向きの力を、第1連結部材及び第2連結部材を締め付け固定する締め付け力に加えて、凸部及び凹部の係合により支持することができ、例えば作業車の左右方向からの外的負荷がロプスに作用した場合であっても、このロプスに作用した外的負荷を、凸部及び凹部の係合により支持することができる。その結果、ロプスに作用する左右向きの力に対して、第1連結部材と第2連結部材とを強く連結できると共に、ロプスを車体フレームに強く連結できる。
【0017】
(発明の効果)
本発明の第4特徴によると、本発明の第3特徴と同様に前項[III]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第4特徴によると、ロプスに左右向きの力が作用した場合におけるロプスの車体フレームへの取り付け強度を向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
[作業車の全体構成]
図1及び図2に基づいて、本発明に係る作業車の全体構成について説明する。図1は、作業車の全体右側面図を示し、図2は、作業車の伝動構造を説明する全体平面図を示す。図1及び図2に示すように、走行車体1は、車体フレーム2の前部に支持された操向可能な左右の前輪3と、車体フレーム2の後部に支持された操向不能な左右の後輪4とを備えて、4輪走行式の四輪駆動車に構成されている。走行車体1の前後中間部に二人乗り仕様の運転部5が備えられており、この運転部5の後方に、ダンプ可能な荷台6aを備えた後部積載部6が配備されている。
【0019】
車体フレーム2の前後中央部から立設された座席支持フレーム21の上部、前部、及び左右両側部を覆うように座席支持パネル7が装着されており、この座席支持パネル7の上面側に運転座席8が載置され固定されている。運転部5の位置に位置する主フレーム20の上面側には、デッキ板18が固定されて、運転部5の床面が形成されている(図3参照)。
【0020】
車体フレーム2の後部下部に、ミッションケース12が装備されており、このミッションケース12の左側部には、作業車の駆動力源となるエンジン9が連結され、ミッションケース12に右側部には、静油圧式無段変速装置11が連結されている。これにより、エンジン9からの動力がミッションケース12を介して静油圧式無段変速装置11に伝達され、この静油圧式無段変速装置11により無段に変速された動力がミッションケース12を介して左右の後輪駆動軸12aに伝達されて、左右の後輪4が回転駆動するように構成されている。
【0021】
ミッションケース12から前方に前輪駆動軸12bが延出されており、この前輪駆動軸12bに、自在継手を両端部に備えた駆動軸13を介して前輪デフ装置89が連動連結されている。これにより、エンジン9からの動力が静油圧式無段変速装置11及びミッションケース12を介して前輪デフ装置89に伝達され、左右の伝動軸86を介して左右の前輪3が回転駆動するように構成されている。
【0022】
走行車体1の前部にはフロントカバー14が装着されており、このフロントカバー14は、走行車体1の前部を前方及び側方から覆う下部カバー14aと、走行車体1の前部を上方から覆う上部カバー14bとで構成されている。フロントカバー14の後部には、運転部5の前面側を覆う操作パネル15が装着されており、この操作パネル15の左側部から左右の前輪3を操向操作する操縦ハンドル16が延出されている。
【0023】
車体フレーム2の上部には、後述する左右の側部ロプス部材41が着脱可能に取り付けられ、この左右の側部ロプス部材41に亘って前後の上部横ロプス部材42が着脱可能に取り付けられて、ロプス40が構成されている。側部ロプス部材41及び上部横ロプス部材42の上部には、ルーフ部材(図示せず)が上方から装着されており、このルーフ部材により運転部5に形成された搭乗空間の上方が覆われている(図3参照)。
【0024】
[車体フレームの詳細構造]
図3に基づいて、走行車体1における車体フレーム2の詳細構造について説明する。図3は、車体フレーム2の全体斜視図を示す。図3に示すように、車体フレーム2は、左右一対の主フレーム20、左右一対の側部フレーム23、前部フレーム30等を備えて構成されている。
【0025】
左右の主フレーム20は、単一の角パイプ材を上下及び左右に湾曲又は屈曲成形することにより構成されており、これにより、例えば複数の部材を溶接成形等することにより主フレーム20を構成する場合に比べ、主フレーム20の強度を向上できると共に、製造コストを削減できる。
【0026】
左右の主フレーム20の前後中央部には、角パイプ材により成形された座席支持フレーム21が固着されており、この座席支持フレーム21の上部、前部及び左右両側部を覆うように、座席支持パネル7が装着されている(図1参照)。左右の主フレーム20の後端部に亘って丸パイプ材により形成された後部横フレーム22が固着されており、この後部横フレーム22により左右の主フレーム20の後端部が連結されている。
【0027】
左右の側部フレーム23は、丸パイプ材を湾曲又は屈曲させた上方に開口した形状に成形されており、この左右の側部フレーム23の前後中央部が左右の主フレーム20の前後中央部から横外側に延出された左右の連結フレーム24に連結されている。左右の側部フレーム23の後部は、左右の主フレーム20の後部上面側から延出された連結フレーム25に連結されており、左右の側部フレーム23の後部には、乗降用の手摺として兼用される補強フレーム26が連結されている。
【0028】
左の側部フレーム23の前部と右の側部フレーム23の前部とに亘って、丸パイプ材により成形された直線状の前部横フレーム27と、丸パイプ材により平面視でく字状に屈曲した形状に成形された前部屈曲フレーム28とが連結されている。左右の主フレーム20の前端部から上方に、丸パイプ材により屈曲した形状に成形された左右の縦フレーム29が延出されており、この左右の縦フレーム29の上端部が前部横フレーム27の左右両側部と連結されている。
【0029】
前部屈曲フレーム28の左右中央部には、前部フレーム30が連結されており、この前部フレーム30は、前部屈曲フレーム28の左右中央部から下方に延出された左右の前縦フレーム31と、この左右の前縦フレーム31の下端部から前方に延出された左右の前後フレーム32と、左右の前縦フレーム32の後部下部に亘って設けられた下部フレーム33と、左右の前後フレーム32の前端部に亘って固定された横フレーム34と、下部フレーム33の左右中央部と横フレーム34の左右中央部とに亘って固定された中央部前後フレーム35とを備えて構成されている。
【0030】
左右の縦フレーム29と左右の前縦フレーム31とに亘って、前後向きの縦平板状に成形された左右の側部パネル19が固着されており、この左右の側部パネル19の下端部は、横外側に折り曲げ成形されている。
【0031】
前部屈曲フレーム28の左右両側部と左右の縦フレーム29とに亘って、後述する左右の前輪支持ブラケット36が固着されており、この前輪支持フレーム36に前輪サスペンション機構37の上端部が連結され、車体フレーム2の前部に前輪サスペンション機構37を介して左右の前輪3が支持されている。なお、車体フレーム2の後部には、サスペンションコイルバネを備えた後輪サスペンション機構38を介して左右の後輪4が支持されている(図1参照)。
【0032】
[ロプスの構造及びロプスの取付構造]
図3〜図8に基づいて、ロプス40の構造及びロプス40の取付構造について説明する。図4は、ロプス40の全体斜視図を示し、図5は、側部フレーム23と側部ロプス部材41との連結部の斜視図を示す。図6は、側部フレーム23と側部ロプス部材41との連結部の縦断側面図を示し、図7は、側部フレーム23と側部ロプス部材41との連結部の正面図を示す。図8は、側部ロプス部材41と上部横ロプス部材42との連結部の斜視図を示す。
【0033】
図3及び図4に示すように、ロプス40は、左右の側部ロプス部材41と、前側の上部横ロプス部材42と、後側の上部横ロプス部材42とを備えて、4柱式に構成されている。左右の側部ロプス部材41は、丸パイプ材を湾曲又屈曲させた下向きに開口した形状に成形されており、左右の側部フレーム23に連結した状態で左右の側部ロプス部材41と左右の側部フレーム23とによりループ状の運転部5における左右両側部の枠が形成されるように構成されている。
【0034】
左右の側部ロプス部材41の上部前部に亘って丸パイプ材により直線状に成形された前側の上部横ロプス部材42が着脱可能に取り付けられ、左右の側部ロプス部材41の上部後部に亘って丸パイプ材により直線状に成形された後側の上部横ロプス部材42が着脱可能に取り付けられており、左右の側部ロプス部材41が前後の上部横ロプス部材42により連結されて、左右の側部ロプス部材41の上部の左右方向での強度を向上できるように構成されている。前側の上部横ロプス部材42と後側の上部横ロプス部材42は、その長さや形状が同一に成形されており、後側の上部横ロプス部材42の左右中央部に手摺が固定されている点でのみ相違する。これにより、部品の共通化を図れる。
【0035】
図4及び図5に示すように、左右の側部ロプス部材41の前部下端部及び後部下端部には、前後の第1連結部材43Aが溶接により固定され、左右の側部フレーム23の前部上端部及び後部上端部には、前後の第2連結部材43Bが溶接により固定されており、この左右の側部ロプス部材41に固定された前後の第1連結部材43Aと、左右の側部フレーム23に固定された前後の第2連結部材43Bとを連結することで、左右の側部ロプス部材41を左右の側部フレーム23に連結できるように構成されている。
【0036】
例えば、作業車を出荷する場合や作業車を長距離移動させる場合等において、作業車をトラックの荷台等に積み込む場合には、第1及び第2連結部材43A,43Bの連結を解除し、ロプス40(側部ロプス部材41)を側部フレーム23から取り外す。そして、上部横ロプス部材42を側部ロプス部材41から取り外して、ロプス40を構成する部品(左右の側部ロプス部材41、及び前後の上部横ロプス部材42)を部品単位に分解する(上部横ロプス部材42を先に取り外してもよい)。そして、作業車の高さを低く抑えて、トラック等の荷台に積み込む。この場合、コンパクトに分解された側部ロプス部材41及び上部横ロプス部材42を、トラック等の荷台に積載した作業車の近くに積載する。これにより、作業車のトラック等による運搬効率(トラック等への積載効率)を向上させることができる。なお、作業車をトラックの荷台等から積み降ろした場合には、後述する手順で、ロプス40を側部フレーム23(車体フレーム2側)に組み付ける。
【0037】
図5及び図6に示すように、第1及び第2連結部材43A,43Bは、同一の形状に成形された単一の部品で構成されており、側部フレーム23及び側部ロプス部材41に取り付ける取り付け方向等を変更することにより、同一の部品を第1及び第2連結部材43A,43Bとして機能させることができるように構成されている。これにより、部品の共通化を図ることができ、第1及び第2連結部材43A,43Bの加工費等を節約できる。
【0038】
第1及び第2連結部材43A,43Bは、円柱状のフレーム側挿入部44と、半円柱状の連結部45とを、例えば鋳造や機械加工等により一体成形することにより構成されている。フレーム側挿入部44の外径は、側部フレーム23及び側部ロプス部材41のパイプの内径より少し小さい寸法に設定されており、フレーム側挿入部44の長さは、側部フレーム23及び側部ロプス部材41のパイプの内径より長い寸法に設定されている。これにより、第1及び第2連結部材43A,43Bを側部フレーム23及び側部ロプス部材41に容易に内嵌挿入することができると共に、第1及び第2連結部材43A,43Bを側部フレーム23又は側部ロプス部材41に安定して連結できる。
【0039】
連結部45には、平面に構成された上下向きで左右向きの接当面45Fが形成されており、一対の連結部45,45の接当面45F,45Fどうしを接当させて組み合わせると、一対の連結部45の外径が側部フレーム23及び側部ロプス部材41のパイプの外径と略同じ寸法になるような半円柱状に連結部45の横断面形状が形成されている。これにより、側部フレーム23及び側部ロプス部材41を段差なく第1及び第2連結部材43A,43Bによって連結でき、コンパクトな側部フレーム23及び側部ロプス部材41の連結部を構成できる。
【0040】
連結部45には、2つの取り付け穴45aが形成されており、一方の取り付け穴45aにおける接当面45F側端部の外周部には、リング状に突出した形状の凸部45bが一体形成され、他方の取り付け穴45aにおける接当面45F側端部の外周部には、リング状に凹入した形状の凹部45cが一体形成されている。
【0041】
第1連結部材43Aの接当面45Fと第2連結部材43Bの接当面45Fを接当させると、第1連結部材43Aの凸部45bが第2連結部材43Bの凹部45cと隙間なく係合し、第1連結部材43Aの凹部45cが第2連結部材43Bの凸部45bと隙間なく係合するように構成されており、これにより、第1連結部材43Aの凸部45b及び凹部45cが、第2連結部材43Bの凹部45c及び凸部45bと互いに係合し合って、例えば第1連結部材43Aに固定した側部ロプス部材41に左右方向から作用する力を凹部45cと凸部45bとの係合で支持することができ、第1及び第2連結部材43A,43Bを精度よく強く連結できる。
【0042】
図6に示すように、凸部45bの外周部には、全周に亘って傾斜部45xが形成されており、これにより、凸部45bの外周部の断面形状が全周に亘って山形になるように成形されている。一方、凹部45cの外周部には、全周に亘って傾斜部45yが形成されており、これにより、凹部45cの外周部の断面形状が全周に亘って谷形になるように成形されている。凸部45bの傾斜部45xの角度と凹部45cの傾斜部45yの角度は、同じ角度に設定されており、第1連結部材43Aの接当面45Fと、第2連結部材43Bの接当面45Fとを接当した状態で、第1連結部材43Aの傾斜部45x(傾斜部45y)と第2連結部材43Bの傾斜部45y(傾斜部45x)とが互いに接当するように構成されている。
【0043】
上記のように、凸部45bに傾斜部45xを形成し、凹部45cに傾斜部45yを形成することにより、図6(a)に示す状態から、ボルト46等を第1及び第2連結部材43A,43Bの取り付け穴45a,45aに連通させて締め付けると、山形に形成された凸部45bの傾斜部45xが、谷形に形成された凹部45cの傾斜部45yに接当して、凸部45bが凹部45cの傾斜部45yに案内されながら凹部45c側に入り込んで、図6(b)に示すように、第1連結部材43Aの接当面45Fと第2連結部材43Bの接当面45Fとが接当し、第1及び第2連結部材43A,43Bを固定できる。これにより、ロプス40又は車体フレーム2の製作誤差等により、ロプス40を車体フレーム2に取り付ける際に、第1連結部材43Aの取り付け穴45aと第2連結部材43Bの取り付け穴45aの位置とが合致し難い場合であっても、第1及び第2連結部材43A,43Bを締め付け固定することによって第1連結部材43Aと第2連結部材43Bとを容易に位置決めできる。
【0044】
例えば、車体フレーム2にロプス40を組み付ける場合には、側部ロプス部材41側に固定した第1連結部材43Aと、側部フレーム23側に固定した第2連結部材43Bとに亘ってボルト46を挿入して軽く締め、上部横ロプス部材42のフランジ部材42aと左右の側部ロプス部材41のブラケット50とに亘ってボルト53を挿入して軽く締める。その後、ボルト46及びボルト53を強く締め付けることで、ロプス40を車体フレーム2に固定できる。この場合、ボルト46を強く締め付けることで、傾斜部45x,45yにより自動的に第1連結部材43Aと第2連結部材43Bとが位置決めされるので、組立時やメンテナンス時におけるロプス40の位置決め修正作業等が不要になって、簡易迅速にロプス40を車体フレーム2に取り付けることができる。
【0045】
図6及び図7に示すように、連結部45の接当面45Fが形成された側とは逆側には、接当面45F側に凹入した形状の凹入部45dが一体成形されている。凹入部45dは、2つの取り付け穴45aに対して異なる形状に構成されており、ボルト46の頭の形状に合わせて六角形状に成形されたボルト側凹入部45dAと、円柱状に成形されたナット側凹入部45dBとによって構成されている。
【0046】
図6(a)に示すように、第1連結部材43Aのボルト側凹入部45dAから取り付け穴45aを連通されてボルト46を挿入し、第2連結部材43Aのナット側凹入部45dBからボルト46の先端ネジ部にバネワッシャ48を介してナット47をねじ込み、第2連結部材43Bのボルト側凹入部45dAから取り付け穴45aを連通されてボルト46を挿入し、第1連結部材43Aのナット側凹入部45dBからボルト46の先端ネジ部にバネワッシャ48を介してナット47をねじ込んで、ボルト46及びナット47を締め付ける。この場合、六角形状に成形されたボルト側凹入部45dAにより、ボルト46の頭が回動することを防止でき、例えば片方の手でボルト46の頭を第1又は第2連結部材43A,43B側に押さえ付けて、他方の手でナット47を締め付けることで、簡易迅速に且つ位置決め容易に第1及び第2連結部材43A,43Bを連結できる。
【0047】
図6(b)に示すように、第1及び第2連結部材43A,43Bの凹入部45dの深さは、ボルト46の頭の厚み、並びにナット46及びバネワッシャ48を重ねた厚みより深く設定されている。その結果、ボルト46の頭及びナット46を第1及び第2連結部材43A,43Bの凹入部45dにコンパクトに収容することができ、ボルト46の頭及びナと46が第1及び第2連結部材43A,43Bの外側に突出することを防止できる。また、ナット側凹入部45dBの形状は、円筒状の締め付け工具49が無理なく挿入できる形状に設定されている。その結果、締め付け工具49により無理なくナット47を締め付けることができる(図5参照)。
【0048】
図4及び図8に示すように、左右の側部ロプス部材41の上部前部及び上部後部には、ブラケット50が固着されている。ブラケット50は、その縦断面形状が外向きに開口したコ字状に成形されており、左右の側部ロプス部材41から内側に突出するように固着されている。ブラケット50には、2つの左右向きの取り付け穴50aが形成されており、この2つの取り付け穴50aの位置におけるブラケット50の外面側に、それぞれナット51が、側部ロプス部材41への取り付け前において予め溶接により固定されている。
【0049】
上部横ロプス部材42の左右両端部には、フランジ部材42aが固着されており、このフランジ部材42aには、2つの左右向きの取り付け穴42bが形成されている。ブラケット50の取り付け穴50aにフランジ部材42aの取り付け穴42bを位置決めし、内側からバネワッシャ52を介してボルト53を締め付け固定することで、上部横ロプス部材42を側部ロプス部材41に連結できる。この場合、予めナット51がブラケット50に溶接されているため、上部横ロプス部材42を左右の側部ロプス部材41に対して位置決めしながら固定する際に、ナット51を指先で押さえる等の手間が省けて、簡易迅速にかつ位置決め容易に上部横ロプス部材42を側部ロプス部材41に連結できる。
【0050】
上記のようにロプス40(左右の側部ロプス部材41及び前後の上部横ロプス部材42)を構成することにより、車体フレーム2との連結部の強度を向上させることができると共に、着脱が容易で見栄えのよいロプス40を構成できる。
【0051】
[フロントバンパーの取り付け構造]
図9〜図12に基づいて、フロントバンパー60の取り付け構造について説明する。図9は、走行車体1の前部の斜視図を示し、図10は、走行車体1の前部の平面図を示す。図11は、走行車体1の前部の縦断正面図を示し、図12は、走行車体1の前部の縦断側面図を示す。なお、図9〜図12において、フロントカバー14等の機器は省略して表示する。
【0052】
図9〜図12に示すように、前部フレーム30の横フレーム34には、フロントバンパー60が前方から締め付け固定されている。フロントバンパー60は、左右両側部が後方に屈曲した形状に成形された左右に長い丸パイプ製のバンパー本体61と、このバンパー本体61の左右中央部に固定された左右のバンパー支持フレーム62と、この左右のバンパー支持フレーム62の下端部に亘って固定された連結フレーム63とを備えて構成されている。
【0053】
バンパー支持フレーム62は、横断面形状が後向きに開口したコ字状に折り曲げ成形されており、このバンパー支持フレーム62の下端部に、下方に突出した形状の突出部62Aが形成されている。連結フレーム63は、縦断面形状がL字状に成形されており、このL字状に成形された縦板の部分に、前後向きの複数の連結穴が成形されている。
【0054】
フロントバンパー60を前部フレーム30に装着する際には、連結フレーム63の後面と突出部62Aとの間の隙間に横フレーム34の上端部を挟み込むように、バンパー支持フレーム62に形成された突出部62Aを前部フレーム30の横フレーム34の上端部に、上方から引っ掛ける。そして、連結フレーム63の後面側を、前部フレーム30の横フレーム34の前面側に接当させて、連結穴にボルトを挿入して横フレーム34の後面側に固着されたナットに締め付け固定する。これにより、突出部62Aによりフロントバンパー60を一時的に横フレーム34に載置した状態で保持させておいて、フロントバンパー60から手を離してボルトを締め付けることができる。その結果、例えば1人でのフロントバンパー60の組み付けが可能になって、簡易迅速にフロントバンパー60を前部フレーム30に組み付けることができる。
【0055】
また、例えばフロントバンパー60に前後向きの力が作用した場合には、バンパー支持フレーム62の突出部62Aが支えとなって、フロントバンパー60の前後への移動が規制され、例えばボルトの緩みを防止でき、フロントバンパー60の取り付け強度を向上させることができる。なお、突出部62Aの形状や構造等として異なるものを採用してもよく、例えば突出部62Aの長さを下方に長く延出することで、フロントバンパー60を組み付ける際には、フロントバンパー60を更に安定して横フレーム34に載置できると共に、フロントバンパー60の取り付け強度を更に向上させることができる。
【0056】
[ウインチの取り付け構造]
図12及び図13に基づいて、ウインチ65の取り付け構造について説明する。図13は、ウインチ65の取り付け部の横断平面図を示す。
【0057】
図12及び図13に示すように、ウインチ65は、電動式に構成され、前方に延出されたウインチワイヤ68を巻き付けるウインチドラム66Aを備えたウインチ本体66と、このウインチ本体66のウインチドラム66Aに減速機構(図示せず)を介して連動連結された電動モータ67とを備えて構成されている。ウインチ65の電動モータ67は、運転部5に装備され操作スイッチ(図示せず)を介して走行車体1に装備されたバッテリー(図示せず)に接続されており、これにより、操作スイッチを操作すると、バッテリーからの電力が電動モータ67に供給されて、電動モータ67が正逆転し、減速機構を介してウインチ本体66のウインチドラム66Aが正逆回転して、ウインチワイヤ68の引き出し及び巻き取りができるように構成されている。
【0058】
前部フレーム30の左右両側部には、後端部が前部フレーム30の前縦フレーム31に固定された前部フレーム30の左右両側方を覆う縦平板状の左右のサイドパネル69が固定されており、この左右のサイドパネル69に亘って横平板状のウインチ載置パネル70が固定されている。
【0059】
ウインチ65は、電動モータ67が右側に位置し、ウインチ本体66が左側に位置するように配設されており、ウインチドラム66A及び電動モータ67の回転軸心が左右向きになるように、ウインチ65がウインチ載置パネル70の上面側に締め付け固定されている。
【0060】
フロントバンパー60の連結フレーム63における左右中央部の上面側には、横長円筒状の上下の案内部71a及び縦長円筒状の左右の案内部71bを設けたワイヤ案内装置71が装着されており、ウインチ65のウインチドラム66Aに巻き付けられたウインチワイヤ68がワイヤ案内装置71における上下の案内部71aの間及び左右の案内部71bの間を連通させて前方に延出され、ウインチワイヤ68の先端部に対象物引っ掛け用のフック(図示せず)が装着されている。これにより、ウインチワイヤ68の引き出し及び巻き取りを無理なく行うことができる。
【0061】
ウインチ65を搭載する空間S4は、平面視で前方に向けて広がった台形状(図13の2点鎖線で囲った形状)になるように構成されており、このウインチ65を搭載する空間S4の前方は、ワイヤ案内装置71を装備した部分を除き前方に開放されている。また、フロントバンパー60の左右のバンパー支持フレーム62の内側の幅Wは、電動モータ67を含むウインチ65の左右方向の全幅より広くなるように設定されている。
【0062】
その結果、ワイヤ案内装置71を装着していない状態で、左右のバンパー支持フレーム62の間からウインチ65を前方から無理なく挿入し組み付けることができる。この場合、ウインチ65を搭載する空間S4は、平面視で台形状に構成されているため、ウインチ65の左右両外側の空間S1を形成することができる。これにより、例えば左右の前輪3のトレッド等に合わせて主フレーム20の幅を比較的狭く設定したような場合であっても(図3参照)、空間S1に作業者が前方から手を挿入して、無理なくウインチ65の取り付け位置の位置決めやウインチ65の取り付けを行うことができる。その結果、ウインチ65の取り付け作業及びウインチ65のメンテナンス作業の作業性を向上できる。
【0063】
なお、この実施形態では、電動モータ67が右側に位置し、ウインチ本体66が左側に位置するようにウインチ65を配設した例を示したが、電動モータ67が左側に位置し、ウインチ本体66が右側に位置するようにウインチ65を配設してもよく、ウインチ本体66の上部又は後部に電動モータ67が位置するようにウインチ65を配設してもよい。また、電動モータ67に代えてミッションケース12等からの圧油により回転可能な油圧式の油圧モータ(図示せず)を採用してもよい。更には、電動モータにより油圧を発生させる油圧発生ユニット(図示せず)を備え、この油圧発生ユニットからの圧油により油圧モータを回転させるような油圧式ウインチ(図示せず)に構成してもよい。
【0064】
[前輪サスペンションの取り付け構造]
図2,図9,図10,図11,図14,図15に基づいて、前輪サスペンション80の取り付け構造について説明する。図14は、前輪サスペンション80の取り付け部の縦断正面図を示し、図15は、前輪支持ブラケット36の斜視図を示す。
【0065】
図9及び図10に示すように、前部屈曲フレーム28の左側部の後部と左の縦フレーム29の上部とに亘って左の前輪支持ブラケット36が固着されており、前部屈曲フレーム28の右側部の後部と右の縦フレーム29の上部とに亘って右の前輪支持ブラケット36が固着されている。
【0066】
図15に示すように、前輪支持ブラケット36は、平板を折り曲げ成形して構成されており、平面視で三角形状のサスペンション支持部36Aと、このサスペンション支持部36Aの内側の一辺から上方に折り曲げ成形された内側折り曲げ部36Bと、サスペンション支持部36Aの外側の一辺から上方に折り曲げ成形された外側折り曲げ部36Cとを一体成形して構成されている。
【0067】
サスペンション支持部36Aの中央部には、前輪サスペンション機構37の上部取り付け部81を内嵌する円形の開口部36aが形成されており、この開口部36aの外周部に前輪サスペンション機構37の上部を連結する複数の連結穴36bが形成されている。
【0068】
内側折り曲げ部36B及び外側折り曲げ部36Cの前端部の形状は、前部屈曲フレーム28のパイプ形状に合わせた形状に成形されており、サスペンション支持部36Aの前端部、内側折り曲げ部36Bの前端部、及び外側折り曲げ部36Cの前端部を前部屈曲フレーム28に固着することで、前輪支持ブラケット36の前部が前部屈曲フレーム28に固定されている。
【0069】
内側折り曲げ部36B及び外側折り曲げ部36Cの後端の形状は、縦フレーム29のパイプ形状に合わせた形状に成形されており、内側折り曲げ部36Bの後端部、及び外側折り曲げ部36Cの後端部を縦フレーム29に固着することで、前輪支持ブラケット36の後部が縦フレーム29に固定されている。
【0070】
前輪支持ブラケット36は、サスペンション支持部36Aの面が、縦フレーム29に連結した位置から斜め前方上方の横外方に傾斜し、前部屈曲フレーム28に連結した部分のサスペンション支持部36Aの前端部が前部屈曲フレーム28の下端と略面一になるように縦フレーム29及び前部屈曲フレーム28に固定されている。これにより、前輪サスペンション機構37を横外側又は下方から無理なく挿入して車体フレーム2に組み付けることができる。
【0071】
内側折り曲げ部36B及び外側折り曲げ部36Cは、前部屈曲フレーム28に連結した部分から縦フレーム29に連結した部分に亘って徐々に後方に末広がり状に高さが高くなるように、その形状が設定されており、これにより、前輪サスペンション機構37を支持する場合における前輪支持ブラケット36の強度を向上できる。
【0072】
図2及び図14に示すように、前輪サスペンション80は、左右の前輪サスペンション機構37、車体フレーム2に連結されるサスペンションアーム85、操縦ハンドル16に連結される操作ロッド87、前輪デフ装置89、前輪デフ装置89に連結された左右の前車軸86、図示しない前車軸カバー等を含む前輪3を支持する周辺機器が、車体フレーム2側への組み付け前において、サブアッセンブリーとして組み付けられた構造となっている。
【0073】
前輪サスペンション機構37は、上部取り付け部81、サスペンションバネ82、ショックアブゾーバ83、前車軸ケース84等を備えて構成されている。前車軸ケース84の内側には、ボール式の軸継ぎ手88が装備されており、この軸継ぎ手88が前車軸86に連結されている。前車軸ケース84の外側には、フランジ84aが装備されており、前進サスペンションユニット80の車体フレーム2への組み付け後に、フランジ84aに横外方から前輪3を締め付け固定するように構成されている。
【0074】
図9,図11,図12に示すように、左側の前輪支持ブラケット36の下側には、左側方及び前方が解放された空間S2が形成されており、右側の前輪支持ブラケット36の下側には、右側方及び前方が解放された空間S2が形成されている。また、左右の縦フレーム29と左右の前縦フレーム31との間で、左右の側部パネル19の下側に、下方及び左右両側方が解放された側面視で下向きに開口したコ字状の空間S3が形成されている。
【0075】
前輪サスペンション80を車体フレーム2に組み付ける場合において、前輪サスペンション80の左右中央部に位置する例えば前車軸86、操作ロッド87等が空間S3の位置の位置し、前輪サスペンション80の左右両側部に位置する左右の前輪サスペンション機構37が空間S2の位置に位置するように構成されており、サブアッセンブリーとして組み付けられた前輪サスペンション80を、下側から車体フレーム2に一体で組み付けることができる。この場合、前輪サスペンション80を下側から車体フレーム2に近づけて位置決めし、下側からボルト等を締め付け固定する。具体的には、例えば前輪サスペンション機構37であれば、前輪サスペンション機構37の上部取り付け部81を、前輪支持ブラケット36の開口部36aに位置決めし、前輪サスペンション機構37の上部取り付け部81を前輪支持ブラケット36に下側から締め付け固定する。
【0076】
上記のように、予めサブアッセンブリーとして組み付けられた前輪サスペンション80を車体フレーム2に組み付けるように構成することで、例えば作業車の生産ラインにおける前輪サスペンション80の組立時間(タクトタイム)を短縮することができ、作業車の生産ライン全体としての組立時間を短縮できる。
【0077】
[発明の実施の第1別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態]においては、第1及び第2連結部材43A,43Bにおける連結部45に、2つの取り付け穴45aを形成し、この取り付け穴45aの接当面45F側端部の外周部に凸部45b又は凹部45cを一体形成した例を示したが、図16に示すような第1及び第2連結部材43A,43Bを採用してもよい。
【0078】
図16(a)に示すように、第1連結部材43A(第2連結部材43B)に、2つの取り付け穴45aを形成し、この取り付け穴45aとは別に、接当面45Fから円柱状に突出した形状の凸部45bAと、接当面45Fから円柱状に凹入した凹部45cAとを一体成形する。この場合、図16(a)では、2つの取り付け穴45aの間に凸部45bA及び凹部45cAを形成した例を示したが、2つの取り付け穴45a、凸部45bA、凹部45cAの配置は異なる配置を採用してもよい。
【0079】
図16(b)に示すように、第1及び第2連結部材43A,43Bに、2つの取り付け穴45aを形成し、この取り付け穴45とは別に、接当面45Fから角柱状に突出した形状の凸部45bB、又は接当面45Fから角柱状に凹入した凹部45cBを一体成形する(図16(b)は、凸部45bBを一体成形した例を示す)。この場合、凸部45bBの縦断面形状及び横断面形状が傾斜部45xを備えた山形になるように構成し、凹部45cBの縦断面形状及び横断面形状が傾斜部45yを備えた谷形になるように構成する。そして、凸部45bBを一体成形した第1又は第2連結部材43A,43Bと、凹部45cBを一体成形した第2又は第1連結部材43B,43Aを一対として、側部フレーム23と側部ロプス部材41との連結部を構成する。これにより、第1及び第2連結部材43A,43Bの凸部45bB及び凹部45cBが係合し合う面積を広く確保でき、第1及び第2連結部材43A,43Bを更に強く連結できると共に、第1及び第2連結部材43A,43Bの構造を簡素化することができる。
【0080】
[発明の実施の第2別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態]及び[発明の実施の第1別形態]においては、第1及び第2連結部材43A,43Bの接当面45Fが上下向きで左右向きになるように、側部フレーム23及び側部ロプス部材41に第1及び第2連結部材43A,43Bを固定した例を示したが、第1及び第2連結部材43A,43Bの接当面45Fの方向として異なる方向を採用してもよく、例えば第1及び第2連結部材43A,43Bの接当面45Fの方向を上下向きで前後向きに配置することで、側部ロプス部材41に前後方向から作用する力を凸部45bと凹部45cとの係合で受け止めて支持することができる。
【0081】
前述の[発明を実施するための最良の形態]及び[発明の実施の第1別形態]においては、第1及び第2連結部材43A,43Bの接当面45Fが上下向きで左右向きになるように、第1及び第2連結部材43A,43Bを構成した例を示したが、第1及び第2連結部材43A,43Bの接当面45Fが横向きになるように(例えば第1及び第2連結部材43A,43Bの接当面45Fが略水平になるように)、第1及び第2連結部材43A,43Bを構成してもよい。この場合、例えば第1及び第2連結部材43A,43Bに上下向きの取り付け穴を形成し、第1及び第2連結部材43A,43Bを上下方向から締め付け固定する。
【0082】
前述の[発明を実施するための最良の形態]においては、凸部45b及び凹部45cの形状をリング状に突出又は凹入した形状に一体成形し、[発明の実施の第1別形態]においては、凸部45b及び凹部45cの形状を円柱状又は角柱状に突出又は凹入した形状に一体成形した例を示したが、凸部45b及び凹部45cの形状として異なる形状を採用してもよい。具体的には、例えば凸部45bと凹部45cとが係合する面積が大きくなるような形状を採用することで、更に強く連結することができる。
【0083】
[発明の実施の第3別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態]、[発明の実施の第1別形態]及び[発明の実施の第2別形態]においては、第1連結部材43Aを側部ロプス部材41に溶接により固定し、第2連結部材43Bを側部フレーム23に溶接により固定した例を示したが、異なる方法により連結してもよく、例えばボルトで締め付け固定する構成を採用してもよい。
【0084】
前述の[発明を実施するための最良の形態]、[発明の実施の第1別形態]及び[発明の実施の第2別形態]においては、別部品として構成した第1連結部材43Aを側部ロプス部材41に固定し、別部品として構成した第2連結部材43Bを側部フレーム23に固定した例を示したが、第1連結部材43Aを側部ロプス部材41に一体成形してもよく、第2連結部材43Bを側部ロプス部材41に一体成形してもよい。
【0085】
[発明の実施の第4別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態]、[発明の実施の第1別形態]、[発明の実施の第2別形態]及び[発明の実施の第3別形態]においては、側部フレーム23と側部ロプス部材41との連結部に第1及び第2連結部材43A,43Bを採用した例を示したが、例えば側部ロプス部材41を複数の部材で構成し、この複数の部材どうしの連結部に第1及び第2連結部材43A,43Bを採用してもよい。また、例えば側部ロプス部材41と上部横ロプス部材42との連結部に第1及び第2連結部材43A,43Bを採用してもよい。
【0086】
前述の[発明を実施するための最良の形態]、[発明の実施の第1別形態]、[発明の実施の第2別形態]及び[発明の実施の第3別形態]においては、ロプス40を4柱式に構成した例を示したが、異なる構造のロプス40においても同様に適用でき、例えば2柱式又は6柱式のロプス40においても同様に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】作業車の全体右側面図
【図2】作業車の伝動構造を説明する全体平面図
【図3】車体フレームの全体斜視図
【図4】ロプスの全体斜視図
【図5】側部フレームと側部ロプス部材との連結部の斜視図
【図6】側部フレームと側部ロプス部材との連結部の縦断側面図
【図7】側部フレームと側部ロプス部材との連結部の正面図
【図8】側部ロプス部材と上部横ロプス部材との連結部の斜視図
【図9】走行車体の前部の斜視図
【図10】走行車体の前部の平面図
【図11】走行車体の前部の縦断正面図
【図12】走行車体の前部の縦断側面図
【図13】ウインチの取り付け部の横断平面図
【図14】前輪サスペンションの取り付け部の縦断正面図
【図15】前輪支持ブラケットの斜視図
【図16】発明の実施の第1別形態での第1及び第2連結部材の斜視図
【符号の説明】
【0088】
2 車体フレーム
40 ロプス
43A 第1連結部材
43B 第2連結部材
45F 接当面(第1連結部材の接当面,第2連結部材の接当面)
45b 凸部
45c 凹部
45x 傾斜部(凸部の傾斜部)
45y 傾斜部(凹部の傾斜部)
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロプス側に設けられた第1連結部材と、車体フレーム側に設けられた第2連結部材とを備えた作業車のロプス連結構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術としては、例えば特許文献1に開示されているように、運転部フレーム(特許文献1の図6の20)の前部における左右両側部に設けられた左右の支持体(特許文献1の図6の61)に亘って、転倒保護フレーム(特許文献1の図6の57)を設け、運転部フレームの後部における左右両側部に設けられた左右の支持体(特許文献1の図6の62)に亘って、転倒保護フレーム(特許文献1の図6の58)を設けた作業車の運転部構造が知られている。
【0003】
【特許文献1】特開2004−255963号公報(図4及び図6参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の作業車の運転部構造では、支持体(特許文献1の図6の61,62)に前後向きの取り付け穴を形成すると共に、転倒保護フレームの脚部(特許文献1の図6の57b,58b)における下端部に固定したブラケットに前後向きの取り付け穴を形成し、支持体の面とブラケットの面とを接当させて、支持体の取り付け穴とブラケットの取り付け穴と亘ってボルトを連通させて締め付け固定することにより、転倒保護フレームを運転部フレームに固定できるように構成されている。
【0005】
本発明は、第1連結部材と第2連結部材とを強く連結でき、ロプスを車体フレームに強く連結できる作業車のロプス連結構造を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[I]
(構成)
本発明の第1特徴は、作業車のロプス連結構造を次のように構成することにある。
ロプス側に設けられた第1連結部材と、車体フレーム側に設けられた第2連結部材とを備え、前記第1連結部材及び第2連結部材に接当面を備えて、前記第1連結部材の接当面及び第2連結部材の接当面の一方に、他方側に突出した凸部を形成すると共に、前記第1連結部材の接当面及び第2連結部材の接当面の他方に、前記凸部に係合する凹部を形成し、前記第1連結部材の接当面と第2連結部材の接当面とを接当させた状態で、前記接当面の垂線の向く方向から前記第1連結部材及び第2連結部材を締め付け固定してある。
【0007】
(作用)
本発明の第1特徴によると、接当面の垂線の向く方向から第1連結部材及び第2連結部材を締め付けると、第1連結部材の接当面と第2連結部材の接当面とが接当し、第1連結部材の接当面及び第2連結部材の接当面の一方に形成された凸部が、第1連結部材の接当面及び第2連結部材の接当面の他方に形成された凹部と係合する。これにより、接当面に沿う方向の力がロプスに作用した場合に、第1連結部材及び第2連結部材を締め付け固定する締め付け部材の締結に加えて、凸部と凹部との係合により、ロプスに作用した力を支持でき、第1連結部材が第2連結部材に対してずれ難くなると共に、第1連結部材及び第2連結部材が変形し難くなる。その結果、第1連結部材と第2連結部材とを強く連結でき、ロプスを車体フレームに強く連結できる。
【0008】
(発明の効果)
本発明の第1特徴によると、ロプスの車体フレームへの取り付け強度を向上できる。
【0009】
[II]
(構成)
本発明の第2特徴は、本発明の第1特徴の作業車のロプス連結構造において、次のように構成することにある。
前記凸部の断面形状を、傾斜部を備えた山形に成形すると共に、前記凹部の断面形状を、傾斜部を備えた谷形に成形してある。
【0010】
(作用)
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
本発明の第2特徴によると、接当面の垂線の向く方向から第1連結部材及び第2連結部材を締め付けると、山形に形成された凸部の傾斜部が谷形に形成された凹部の傾斜部に接当して、凸部が凹部の傾斜部に案内されながら凹部側に入り込む。これにより、例えばロプスを車体フレームへ取り付ける際に、ロプス又は車体フレームの製作誤差等により第1連結部材の位置と第2連結部材の位置とが合致し難い場合であっても、第1連結部材の位置と第2連結部材の位置を位置決めしながら、ロプスを車体フレームに容易に取り付けることができる。
【0011】
(発明の効果)
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第2特徴によると、ロプス及び車体フレームの製作誤差等を許容しながら、ロプスを車体フレームに容易に取り付けることができ、ロプスの組立作業やメンテナンス作業の作業性を向上できる。
【0012】
[III]
(構成)
本発明の第3特徴は、本発明の第1特徴又は第2特徴の作業車のロプス連結構造において、次のように構成することにある。
前記第1連結部材の接当面及び前記第2連結部材の接当面が上下方向の面になるように、前記第1連結部材及び第2連結部材を構成してある。
【0013】
(作用)
本発明の第3特徴によると、本発明の第1特徴又は第2特徴と同様に前項[I][II]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
本発明の第3特徴によると、第1連結部材の接当面及び第2連結部材の接当面が上下方向の面になるように構成すると、凸部が接当面から突出する方向及び凹部が接当面から凹入する方向が横向き(例えば、前後向き)になる。そして、第1連結部材と第2連結部材とを締め付け固定する方向が横向き(例えば、前後向き)になり、ロプスに作用する力を凸部及び凹部の係合により支持する方向が横向き(例えば、左右向き)になる。これにより、ロプスに作用する2つの異なる横向き(例えば、前後向き及び左右向き)の力を、第1連結部材及び第2連結部材を締め付け固定する締め付け力と、凸部及び凹部の係合とにより支持できる。その結果、ロプスに作用する横向きの力に対して、第1連結部材と第2連結部材とを強く連結でき、ロプスを車体フレームに強く連結できる。
【0014】
(発明の効果)
本発明の第3特徴によると、本発明の第1特徴又は第2特徴と同様に前項[I][II]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第3特徴によると、ロプスに横向きの力が作用した場合におけるロプスの車体フレームへの取り付け強度を向上できる。
【0015】
[IV]
(構成)
本発明の第4特徴は、本発明の第3特徴の作業車のロプス連結構造において、次のように構成することにある。
前記第1連結部材の接当面及び前記第2連結部材の接当面が左右方向の面になるように、前記第1連結部材及び第2連結部材を構成してある。
【0016】
(作用)
本発明の第4特徴によると、本発明の第3特徴と同様に前項[III]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
本発明の第4特徴によると、第1連結部材の接当面及び第2連結部材の接当面が左右方向の面になるように構成すると、凸部が接当面から突出する方向及び凹部が接当面から凹入する方向が前後向きになる。これにより、ロプスに作用する左右向きの力を、第1連結部材及び第2連結部材を締め付け固定する締め付け力に加えて、凸部及び凹部の係合により支持することができ、例えば作業車の左右方向からの外的負荷がロプスに作用した場合であっても、このロプスに作用した外的負荷を、凸部及び凹部の係合により支持することができる。その結果、ロプスに作用する左右向きの力に対して、第1連結部材と第2連結部材とを強く連結できると共に、ロプスを車体フレームに強く連結できる。
【0017】
(発明の効果)
本発明の第4特徴によると、本発明の第3特徴と同様に前項[III]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第4特徴によると、ロプスに左右向きの力が作用した場合におけるロプスの車体フレームへの取り付け強度を向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
[作業車の全体構成]
図1及び図2に基づいて、本発明に係る作業車の全体構成について説明する。図1は、作業車の全体右側面図を示し、図2は、作業車の伝動構造を説明する全体平面図を示す。図1及び図2に示すように、走行車体1は、車体フレーム2の前部に支持された操向可能な左右の前輪3と、車体フレーム2の後部に支持された操向不能な左右の後輪4とを備えて、4輪走行式の四輪駆動車に構成されている。走行車体1の前後中間部に二人乗り仕様の運転部5が備えられており、この運転部5の後方に、ダンプ可能な荷台6aを備えた後部積載部6が配備されている。
【0019】
車体フレーム2の前後中央部から立設された座席支持フレーム21の上部、前部、及び左右両側部を覆うように座席支持パネル7が装着されており、この座席支持パネル7の上面側に運転座席8が載置され固定されている。運転部5の位置に位置する主フレーム20の上面側には、デッキ板18が固定されて、運転部5の床面が形成されている(図3参照)。
【0020】
車体フレーム2の後部下部に、ミッションケース12が装備されており、このミッションケース12の左側部には、作業車の駆動力源となるエンジン9が連結され、ミッションケース12に右側部には、静油圧式無段変速装置11が連結されている。これにより、エンジン9からの動力がミッションケース12を介して静油圧式無段変速装置11に伝達され、この静油圧式無段変速装置11により無段に変速された動力がミッションケース12を介して左右の後輪駆動軸12aに伝達されて、左右の後輪4が回転駆動するように構成されている。
【0021】
ミッションケース12から前方に前輪駆動軸12bが延出されており、この前輪駆動軸12bに、自在継手を両端部に備えた駆動軸13を介して前輪デフ装置89が連動連結されている。これにより、エンジン9からの動力が静油圧式無段変速装置11及びミッションケース12を介して前輪デフ装置89に伝達され、左右の伝動軸86を介して左右の前輪3が回転駆動するように構成されている。
【0022】
走行車体1の前部にはフロントカバー14が装着されており、このフロントカバー14は、走行車体1の前部を前方及び側方から覆う下部カバー14aと、走行車体1の前部を上方から覆う上部カバー14bとで構成されている。フロントカバー14の後部には、運転部5の前面側を覆う操作パネル15が装着されており、この操作パネル15の左側部から左右の前輪3を操向操作する操縦ハンドル16が延出されている。
【0023】
車体フレーム2の上部には、後述する左右の側部ロプス部材41が着脱可能に取り付けられ、この左右の側部ロプス部材41に亘って前後の上部横ロプス部材42が着脱可能に取り付けられて、ロプス40が構成されている。側部ロプス部材41及び上部横ロプス部材42の上部には、ルーフ部材(図示せず)が上方から装着されており、このルーフ部材により運転部5に形成された搭乗空間の上方が覆われている(図3参照)。
【0024】
[車体フレームの詳細構造]
図3に基づいて、走行車体1における車体フレーム2の詳細構造について説明する。図3は、車体フレーム2の全体斜視図を示す。図3に示すように、車体フレーム2は、左右一対の主フレーム20、左右一対の側部フレーム23、前部フレーム30等を備えて構成されている。
【0025】
左右の主フレーム20は、単一の角パイプ材を上下及び左右に湾曲又は屈曲成形することにより構成されており、これにより、例えば複数の部材を溶接成形等することにより主フレーム20を構成する場合に比べ、主フレーム20の強度を向上できると共に、製造コストを削減できる。
【0026】
左右の主フレーム20の前後中央部には、角パイプ材により成形された座席支持フレーム21が固着されており、この座席支持フレーム21の上部、前部及び左右両側部を覆うように、座席支持パネル7が装着されている(図1参照)。左右の主フレーム20の後端部に亘って丸パイプ材により形成された後部横フレーム22が固着されており、この後部横フレーム22により左右の主フレーム20の後端部が連結されている。
【0027】
左右の側部フレーム23は、丸パイプ材を湾曲又は屈曲させた上方に開口した形状に成形されており、この左右の側部フレーム23の前後中央部が左右の主フレーム20の前後中央部から横外側に延出された左右の連結フレーム24に連結されている。左右の側部フレーム23の後部は、左右の主フレーム20の後部上面側から延出された連結フレーム25に連結されており、左右の側部フレーム23の後部には、乗降用の手摺として兼用される補強フレーム26が連結されている。
【0028】
左の側部フレーム23の前部と右の側部フレーム23の前部とに亘って、丸パイプ材により成形された直線状の前部横フレーム27と、丸パイプ材により平面視でく字状に屈曲した形状に成形された前部屈曲フレーム28とが連結されている。左右の主フレーム20の前端部から上方に、丸パイプ材により屈曲した形状に成形された左右の縦フレーム29が延出されており、この左右の縦フレーム29の上端部が前部横フレーム27の左右両側部と連結されている。
【0029】
前部屈曲フレーム28の左右中央部には、前部フレーム30が連結されており、この前部フレーム30は、前部屈曲フレーム28の左右中央部から下方に延出された左右の前縦フレーム31と、この左右の前縦フレーム31の下端部から前方に延出された左右の前後フレーム32と、左右の前縦フレーム32の後部下部に亘って設けられた下部フレーム33と、左右の前後フレーム32の前端部に亘って固定された横フレーム34と、下部フレーム33の左右中央部と横フレーム34の左右中央部とに亘って固定された中央部前後フレーム35とを備えて構成されている。
【0030】
左右の縦フレーム29と左右の前縦フレーム31とに亘って、前後向きの縦平板状に成形された左右の側部パネル19が固着されており、この左右の側部パネル19の下端部は、横外側に折り曲げ成形されている。
【0031】
前部屈曲フレーム28の左右両側部と左右の縦フレーム29とに亘って、後述する左右の前輪支持ブラケット36が固着されており、この前輪支持フレーム36に前輪サスペンション機構37の上端部が連結され、車体フレーム2の前部に前輪サスペンション機構37を介して左右の前輪3が支持されている。なお、車体フレーム2の後部には、サスペンションコイルバネを備えた後輪サスペンション機構38を介して左右の後輪4が支持されている(図1参照)。
【0032】
[ロプスの構造及びロプスの取付構造]
図3〜図8に基づいて、ロプス40の構造及びロプス40の取付構造について説明する。図4は、ロプス40の全体斜視図を示し、図5は、側部フレーム23と側部ロプス部材41との連結部の斜視図を示す。図6は、側部フレーム23と側部ロプス部材41との連結部の縦断側面図を示し、図7は、側部フレーム23と側部ロプス部材41との連結部の正面図を示す。図8は、側部ロプス部材41と上部横ロプス部材42との連結部の斜視図を示す。
【0033】
図3及び図4に示すように、ロプス40は、左右の側部ロプス部材41と、前側の上部横ロプス部材42と、後側の上部横ロプス部材42とを備えて、4柱式に構成されている。左右の側部ロプス部材41は、丸パイプ材を湾曲又屈曲させた下向きに開口した形状に成形されており、左右の側部フレーム23に連結した状態で左右の側部ロプス部材41と左右の側部フレーム23とによりループ状の運転部5における左右両側部の枠が形成されるように構成されている。
【0034】
左右の側部ロプス部材41の上部前部に亘って丸パイプ材により直線状に成形された前側の上部横ロプス部材42が着脱可能に取り付けられ、左右の側部ロプス部材41の上部後部に亘って丸パイプ材により直線状に成形された後側の上部横ロプス部材42が着脱可能に取り付けられており、左右の側部ロプス部材41が前後の上部横ロプス部材42により連結されて、左右の側部ロプス部材41の上部の左右方向での強度を向上できるように構成されている。前側の上部横ロプス部材42と後側の上部横ロプス部材42は、その長さや形状が同一に成形されており、後側の上部横ロプス部材42の左右中央部に手摺が固定されている点でのみ相違する。これにより、部品の共通化を図れる。
【0035】
図4及び図5に示すように、左右の側部ロプス部材41の前部下端部及び後部下端部には、前後の第1連結部材43Aが溶接により固定され、左右の側部フレーム23の前部上端部及び後部上端部には、前後の第2連結部材43Bが溶接により固定されており、この左右の側部ロプス部材41に固定された前後の第1連結部材43Aと、左右の側部フレーム23に固定された前後の第2連結部材43Bとを連結することで、左右の側部ロプス部材41を左右の側部フレーム23に連結できるように構成されている。
【0036】
例えば、作業車を出荷する場合や作業車を長距離移動させる場合等において、作業車をトラックの荷台等に積み込む場合には、第1及び第2連結部材43A,43Bの連結を解除し、ロプス40(側部ロプス部材41)を側部フレーム23から取り外す。そして、上部横ロプス部材42を側部ロプス部材41から取り外して、ロプス40を構成する部品(左右の側部ロプス部材41、及び前後の上部横ロプス部材42)を部品単位に分解する(上部横ロプス部材42を先に取り外してもよい)。そして、作業車の高さを低く抑えて、トラック等の荷台に積み込む。この場合、コンパクトに分解された側部ロプス部材41及び上部横ロプス部材42を、トラック等の荷台に積載した作業車の近くに積載する。これにより、作業車のトラック等による運搬効率(トラック等への積載効率)を向上させることができる。なお、作業車をトラックの荷台等から積み降ろした場合には、後述する手順で、ロプス40を側部フレーム23(車体フレーム2側)に組み付ける。
【0037】
図5及び図6に示すように、第1及び第2連結部材43A,43Bは、同一の形状に成形された単一の部品で構成されており、側部フレーム23及び側部ロプス部材41に取り付ける取り付け方向等を変更することにより、同一の部品を第1及び第2連結部材43A,43Bとして機能させることができるように構成されている。これにより、部品の共通化を図ることができ、第1及び第2連結部材43A,43Bの加工費等を節約できる。
【0038】
第1及び第2連結部材43A,43Bは、円柱状のフレーム側挿入部44と、半円柱状の連結部45とを、例えば鋳造や機械加工等により一体成形することにより構成されている。フレーム側挿入部44の外径は、側部フレーム23及び側部ロプス部材41のパイプの内径より少し小さい寸法に設定されており、フレーム側挿入部44の長さは、側部フレーム23及び側部ロプス部材41のパイプの内径より長い寸法に設定されている。これにより、第1及び第2連結部材43A,43Bを側部フレーム23及び側部ロプス部材41に容易に内嵌挿入することができると共に、第1及び第2連結部材43A,43Bを側部フレーム23又は側部ロプス部材41に安定して連結できる。
【0039】
連結部45には、平面に構成された上下向きで左右向きの接当面45Fが形成されており、一対の連結部45,45の接当面45F,45Fどうしを接当させて組み合わせると、一対の連結部45の外径が側部フレーム23及び側部ロプス部材41のパイプの外径と略同じ寸法になるような半円柱状に連結部45の横断面形状が形成されている。これにより、側部フレーム23及び側部ロプス部材41を段差なく第1及び第2連結部材43A,43Bによって連結でき、コンパクトな側部フレーム23及び側部ロプス部材41の連結部を構成できる。
【0040】
連結部45には、2つの取り付け穴45aが形成されており、一方の取り付け穴45aにおける接当面45F側端部の外周部には、リング状に突出した形状の凸部45bが一体形成され、他方の取り付け穴45aにおける接当面45F側端部の外周部には、リング状に凹入した形状の凹部45cが一体形成されている。
【0041】
第1連結部材43Aの接当面45Fと第2連結部材43Bの接当面45Fを接当させると、第1連結部材43Aの凸部45bが第2連結部材43Bの凹部45cと隙間なく係合し、第1連結部材43Aの凹部45cが第2連結部材43Bの凸部45bと隙間なく係合するように構成されており、これにより、第1連結部材43Aの凸部45b及び凹部45cが、第2連結部材43Bの凹部45c及び凸部45bと互いに係合し合って、例えば第1連結部材43Aに固定した側部ロプス部材41に左右方向から作用する力を凹部45cと凸部45bとの係合で支持することができ、第1及び第2連結部材43A,43Bを精度よく強く連結できる。
【0042】
図6に示すように、凸部45bの外周部には、全周に亘って傾斜部45xが形成されており、これにより、凸部45bの外周部の断面形状が全周に亘って山形になるように成形されている。一方、凹部45cの外周部には、全周に亘って傾斜部45yが形成されており、これにより、凹部45cの外周部の断面形状が全周に亘って谷形になるように成形されている。凸部45bの傾斜部45xの角度と凹部45cの傾斜部45yの角度は、同じ角度に設定されており、第1連結部材43Aの接当面45Fと、第2連結部材43Bの接当面45Fとを接当した状態で、第1連結部材43Aの傾斜部45x(傾斜部45y)と第2連結部材43Bの傾斜部45y(傾斜部45x)とが互いに接当するように構成されている。
【0043】
上記のように、凸部45bに傾斜部45xを形成し、凹部45cに傾斜部45yを形成することにより、図6(a)に示す状態から、ボルト46等を第1及び第2連結部材43A,43Bの取り付け穴45a,45aに連通させて締め付けると、山形に形成された凸部45bの傾斜部45xが、谷形に形成された凹部45cの傾斜部45yに接当して、凸部45bが凹部45cの傾斜部45yに案内されながら凹部45c側に入り込んで、図6(b)に示すように、第1連結部材43Aの接当面45Fと第2連結部材43Bの接当面45Fとが接当し、第1及び第2連結部材43A,43Bを固定できる。これにより、ロプス40又は車体フレーム2の製作誤差等により、ロプス40を車体フレーム2に取り付ける際に、第1連結部材43Aの取り付け穴45aと第2連結部材43Bの取り付け穴45aの位置とが合致し難い場合であっても、第1及び第2連結部材43A,43Bを締め付け固定することによって第1連結部材43Aと第2連結部材43Bとを容易に位置決めできる。
【0044】
例えば、車体フレーム2にロプス40を組み付ける場合には、側部ロプス部材41側に固定した第1連結部材43Aと、側部フレーム23側に固定した第2連結部材43Bとに亘ってボルト46を挿入して軽く締め、上部横ロプス部材42のフランジ部材42aと左右の側部ロプス部材41のブラケット50とに亘ってボルト53を挿入して軽く締める。その後、ボルト46及びボルト53を強く締め付けることで、ロプス40を車体フレーム2に固定できる。この場合、ボルト46を強く締め付けることで、傾斜部45x,45yにより自動的に第1連結部材43Aと第2連結部材43Bとが位置決めされるので、組立時やメンテナンス時におけるロプス40の位置決め修正作業等が不要になって、簡易迅速にロプス40を車体フレーム2に取り付けることができる。
【0045】
図6及び図7に示すように、連結部45の接当面45Fが形成された側とは逆側には、接当面45F側に凹入した形状の凹入部45dが一体成形されている。凹入部45dは、2つの取り付け穴45aに対して異なる形状に構成されており、ボルト46の頭の形状に合わせて六角形状に成形されたボルト側凹入部45dAと、円柱状に成形されたナット側凹入部45dBとによって構成されている。
【0046】
図6(a)に示すように、第1連結部材43Aのボルト側凹入部45dAから取り付け穴45aを連通されてボルト46を挿入し、第2連結部材43Aのナット側凹入部45dBからボルト46の先端ネジ部にバネワッシャ48を介してナット47をねじ込み、第2連結部材43Bのボルト側凹入部45dAから取り付け穴45aを連通されてボルト46を挿入し、第1連結部材43Aのナット側凹入部45dBからボルト46の先端ネジ部にバネワッシャ48を介してナット47をねじ込んで、ボルト46及びナット47を締め付ける。この場合、六角形状に成形されたボルト側凹入部45dAにより、ボルト46の頭が回動することを防止でき、例えば片方の手でボルト46の頭を第1又は第2連結部材43A,43B側に押さえ付けて、他方の手でナット47を締め付けることで、簡易迅速に且つ位置決め容易に第1及び第2連結部材43A,43Bを連結できる。
【0047】
図6(b)に示すように、第1及び第2連結部材43A,43Bの凹入部45dの深さは、ボルト46の頭の厚み、並びにナット46及びバネワッシャ48を重ねた厚みより深く設定されている。その結果、ボルト46の頭及びナット46を第1及び第2連結部材43A,43Bの凹入部45dにコンパクトに収容することができ、ボルト46の頭及びナと46が第1及び第2連結部材43A,43Bの外側に突出することを防止できる。また、ナット側凹入部45dBの形状は、円筒状の締め付け工具49が無理なく挿入できる形状に設定されている。その結果、締め付け工具49により無理なくナット47を締め付けることができる(図5参照)。
【0048】
図4及び図8に示すように、左右の側部ロプス部材41の上部前部及び上部後部には、ブラケット50が固着されている。ブラケット50は、その縦断面形状が外向きに開口したコ字状に成形されており、左右の側部ロプス部材41から内側に突出するように固着されている。ブラケット50には、2つの左右向きの取り付け穴50aが形成されており、この2つの取り付け穴50aの位置におけるブラケット50の外面側に、それぞれナット51が、側部ロプス部材41への取り付け前において予め溶接により固定されている。
【0049】
上部横ロプス部材42の左右両端部には、フランジ部材42aが固着されており、このフランジ部材42aには、2つの左右向きの取り付け穴42bが形成されている。ブラケット50の取り付け穴50aにフランジ部材42aの取り付け穴42bを位置決めし、内側からバネワッシャ52を介してボルト53を締め付け固定することで、上部横ロプス部材42を側部ロプス部材41に連結できる。この場合、予めナット51がブラケット50に溶接されているため、上部横ロプス部材42を左右の側部ロプス部材41に対して位置決めしながら固定する際に、ナット51を指先で押さえる等の手間が省けて、簡易迅速にかつ位置決め容易に上部横ロプス部材42を側部ロプス部材41に連結できる。
【0050】
上記のようにロプス40(左右の側部ロプス部材41及び前後の上部横ロプス部材42)を構成することにより、車体フレーム2との連結部の強度を向上させることができると共に、着脱が容易で見栄えのよいロプス40を構成できる。
【0051】
[フロントバンパーの取り付け構造]
図9〜図12に基づいて、フロントバンパー60の取り付け構造について説明する。図9は、走行車体1の前部の斜視図を示し、図10は、走行車体1の前部の平面図を示す。図11は、走行車体1の前部の縦断正面図を示し、図12は、走行車体1の前部の縦断側面図を示す。なお、図9〜図12において、フロントカバー14等の機器は省略して表示する。
【0052】
図9〜図12に示すように、前部フレーム30の横フレーム34には、フロントバンパー60が前方から締め付け固定されている。フロントバンパー60は、左右両側部が後方に屈曲した形状に成形された左右に長い丸パイプ製のバンパー本体61と、このバンパー本体61の左右中央部に固定された左右のバンパー支持フレーム62と、この左右のバンパー支持フレーム62の下端部に亘って固定された連結フレーム63とを備えて構成されている。
【0053】
バンパー支持フレーム62は、横断面形状が後向きに開口したコ字状に折り曲げ成形されており、このバンパー支持フレーム62の下端部に、下方に突出した形状の突出部62Aが形成されている。連結フレーム63は、縦断面形状がL字状に成形されており、このL字状に成形された縦板の部分に、前後向きの複数の連結穴が成形されている。
【0054】
フロントバンパー60を前部フレーム30に装着する際には、連結フレーム63の後面と突出部62Aとの間の隙間に横フレーム34の上端部を挟み込むように、バンパー支持フレーム62に形成された突出部62Aを前部フレーム30の横フレーム34の上端部に、上方から引っ掛ける。そして、連結フレーム63の後面側を、前部フレーム30の横フレーム34の前面側に接当させて、連結穴にボルトを挿入して横フレーム34の後面側に固着されたナットに締め付け固定する。これにより、突出部62Aによりフロントバンパー60を一時的に横フレーム34に載置した状態で保持させておいて、フロントバンパー60から手を離してボルトを締め付けることができる。その結果、例えば1人でのフロントバンパー60の組み付けが可能になって、簡易迅速にフロントバンパー60を前部フレーム30に組み付けることができる。
【0055】
また、例えばフロントバンパー60に前後向きの力が作用した場合には、バンパー支持フレーム62の突出部62Aが支えとなって、フロントバンパー60の前後への移動が規制され、例えばボルトの緩みを防止でき、フロントバンパー60の取り付け強度を向上させることができる。なお、突出部62Aの形状や構造等として異なるものを採用してもよく、例えば突出部62Aの長さを下方に長く延出することで、フロントバンパー60を組み付ける際には、フロントバンパー60を更に安定して横フレーム34に載置できると共に、フロントバンパー60の取り付け強度を更に向上させることができる。
【0056】
[ウインチの取り付け構造]
図12及び図13に基づいて、ウインチ65の取り付け構造について説明する。図13は、ウインチ65の取り付け部の横断平面図を示す。
【0057】
図12及び図13に示すように、ウインチ65は、電動式に構成され、前方に延出されたウインチワイヤ68を巻き付けるウインチドラム66Aを備えたウインチ本体66と、このウインチ本体66のウインチドラム66Aに減速機構(図示せず)を介して連動連結された電動モータ67とを備えて構成されている。ウインチ65の電動モータ67は、運転部5に装備され操作スイッチ(図示せず)を介して走行車体1に装備されたバッテリー(図示せず)に接続されており、これにより、操作スイッチを操作すると、バッテリーからの電力が電動モータ67に供給されて、電動モータ67が正逆転し、減速機構を介してウインチ本体66のウインチドラム66Aが正逆回転して、ウインチワイヤ68の引き出し及び巻き取りができるように構成されている。
【0058】
前部フレーム30の左右両側部には、後端部が前部フレーム30の前縦フレーム31に固定された前部フレーム30の左右両側方を覆う縦平板状の左右のサイドパネル69が固定されており、この左右のサイドパネル69に亘って横平板状のウインチ載置パネル70が固定されている。
【0059】
ウインチ65は、電動モータ67が右側に位置し、ウインチ本体66が左側に位置するように配設されており、ウインチドラム66A及び電動モータ67の回転軸心が左右向きになるように、ウインチ65がウインチ載置パネル70の上面側に締め付け固定されている。
【0060】
フロントバンパー60の連結フレーム63における左右中央部の上面側には、横長円筒状の上下の案内部71a及び縦長円筒状の左右の案内部71bを設けたワイヤ案内装置71が装着されており、ウインチ65のウインチドラム66Aに巻き付けられたウインチワイヤ68がワイヤ案内装置71における上下の案内部71aの間及び左右の案内部71bの間を連通させて前方に延出され、ウインチワイヤ68の先端部に対象物引っ掛け用のフック(図示せず)が装着されている。これにより、ウインチワイヤ68の引き出し及び巻き取りを無理なく行うことができる。
【0061】
ウインチ65を搭載する空間S4は、平面視で前方に向けて広がった台形状(図13の2点鎖線で囲った形状)になるように構成されており、このウインチ65を搭載する空間S4の前方は、ワイヤ案内装置71を装備した部分を除き前方に開放されている。また、フロントバンパー60の左右のバンパー支持フレーム62の内側の幅Wは、電動モータ67を含むウインチ65の左右方向の全幅より広くなるように設定されている。
【0062】
その結果、ワイヤ案内装置71を装着していない状態で、左右のバンパー支持フレーム62の間からウインチ65を前方から無理なく挿入し組み付けることができる。この場合、ウインチ65を搭載する空間S4は、平面視で台形状に構成されているため、ウインチ65の左右両外側の空間S1を形成することができる。これにより、例えば左右の前輪3のトレッド等に合わせて主フレーム20の幅を比較的狭く設定したような場合であっても(図3参照)、空間S1に作業者が前方から手を挿入して、無理なくウインチ65の取り付け位置の位置決めやウインチ65の取り付けを行うことができる。その結果、ウインチ65の取り付け作業及びウインチ65のメンテナンス作業の作業性を向上できる。
【0063】
なお、この実施形態では、電動モータ67が右側に位置し、ウインチ本体66が左側に位置するようにウインチ65を配設した例を示したが、電動モータ67が左側に位置し、ウインチ本体66が右側に位置するようにウインチ65を配設してもよく、ウインチ本体66の上部又は後部に電動モータ67が位置するようにウインチ65を配設してもよい。また、電動モータ67に代えてミッションケース12等からの圧油により回転可能な油圧式の油圧モータ(図示せず)を採用してもよい。更には、電動モータにより油圧を発生させる油圧発生ユニット(図示せず)を備え、この油圧発生ユニットからの圧油により油圧モータを回転させるような油圧式ウインチ(図示せず)に構成してもよい。
【0064】
[前輪サスペンションの取り付け構造]
図2,図9,図10,図11,図14,図15に基づいて、前輪サスペンション80の取り付け構造について説明する。図14は、前輪サスペンション80の取り付け部の縦断正面図を示し、図15は、前輪支持ブラケット36の斜視図を示す。
【0065】
図9及び図10に示すように、前部屈曲フレーム28の左側部の後部と左の縦フレーム29の上部とに亘って左の前輪支持ブラケット36が固着されており、前部屈曲フレーム28の右側部の後部と右の縦フレーム29の上部とに亘って右の前輪支持ブラケット36が固着されている。
【0066】
図15に示すように、前輪支持ブラケット36は、平板を折り曲げ成形して構成されており、平面視で三角形状のサスペンション支持部36Aと、このサスペンション支持部36Aの内側の一辺から上方に折り曲げ成形された内側折り曲げ部36Bと、サスペンション支持部36Aの外側の一辺から上方に折り曲げ成形された外側折り曲げ部36Cとを一体成形して構成されている。
【0067】
サスペンション支持部36Aの中央部には、前輪サスペンション機構37の上部取り付け部81を内嵌する円形の開口部36aが形成されており、この開口部36aの外周部に前輪サスペンション機構37の上部を連結する複数の連結穴36bが形成されている。
【0068】
内側折り曲げ部36B及び外側折り曲げ部36Cの前端部の形状は、前部屈曲フレーム28のパイプ形状に合わせた形状に成形されており、サスペンション支持部36Aの前端部、内側折り曲げ部36Bの前端部、及び外側折り曲げ部36Cの前端部を前部屈曲フレーム28に固着することで、前輪支持ブラケット36の前部が前部屈曲フレーム28に固定されている。
【0069】
内側折り曲げ部36B及び外側折り曲げ部36Cの後端の形状は、縦フレーム29のパイプ形状に合わせた形状に成形されており、内側折り曲げ部36Bの後端部、及び外側折り曲げ部36Cの後端部を縦フレーム29に固着することで、前輪支持ブラケット36の後部が縦フレーム29に固定されている。
【0070】
前輪支持ブラケット36は、サスペンション支持部36Aの面が、縦フレーム29に連結した位置から斜め前方上方の横外方に傾斜し、前部屈曲フレーム28に連結した部分のサスペンション支持部36Aの前端部が前部屈曲フレーム28の下端と略面一になるように縦フレーム29及び前部屈曲フレーム28に固定されている。これにより、前輪サスペンション機構37を横外側又は下方から無理なく挿入して車体フレーム2に組み付けることができる。
【0071】
内側折り曲げ部36B及び外側折り曲げ部36Cは、前部屈曲フレーム28に連結した部分から縦フレーム29に連結した部分に亘って徐々に後方に末広がり状に高さが高くなるように、その形状が設定されており、これにより、前輪サスペンション機構37を支持する場合における前輪支持ブラケット36の強度を向上できる。
【0072】
図2及び図14に示すように、前輪サスペンション80は、左右の前輪サスペンション機構37、車体フレーム2に連結されるサスペンションアーム85、操縦ハンドル16に連結される操作ロッド87、前輪デフ装置89、前輪デフ装置89に連結された左右の前車軸86、図示しない前車軸カバー等を含む前輪3を支持する周辺機器が、車体フレーム2側への組み付け前において、サブアッセンブリーとして組み付けられた構造となっている。
【0073】
前輪サスペンション機構37は、上部取り付け部81、サスペンションバネ82、ショックアブゾーバ83、前車軸ケース84等を備えて構成されている。前車軸ケース84の内側には、ボール式の軸継ぎ手88が装備されており、この軸継ぎ手88が前車軸86に連結されている。前車軸ケース84の外側には、フランジ84aが装備されており、前進サスペンションユニット80の車体フレーム2への組み付け後に、フランジ84aに横外方から前輪3を締め付け固定するように構成されている。
【0074】
図9,図11,図12に示すように、左側の前輪支持ブラケット36の下側には、左側方及び前方が解放された空間S2が形成されており、右側の前輪支持ブラケット36の下側には、右側方及び前方が解放された空間S2が形成されている。また、左右の縦フレーム29と左右の前縦フレーム31との間で、左右の側部パネル19の下側に、下方及び左右両側方が解放された側面視で下向きに開口したコ字状の空間S3が形成されている。
【0075】
前輪サスペンション80を車体フレーム2に組み付ける場合において、前輪サスペンション80の左右中央部に位置する例えば前車軸86、操作ロッド87等が空間S3の位置の位置し、前輪サスペンション80の左右両側部に位置する左右の前輪サスペンション機構37が空間S2の位置に位置するように構成されており、サブアッセンブリーとして組み付けられた前輪サスペンション80を、下側から車体フレーム2に一体で組み付けることができる。この場合、前輪サスペンション80を下側から車体フレーム2に近づけて位置決めし、下側からボルト等を締め付け固定する。具体的には、例えば前輪サスペンション機構37であれば、前輪サスペンション機構37の上部取り付け部81を、前輪支持ブラケット36の開口部36aに位置決めし、前輪サスペンション機構37の上部取り付け部81を前輪支持ブラケット36に下側から締め付け固定する。
【0076】
上記のように、予めサブアッセンブリーとして組み付けられた前輪サスペンション80を車体フレーム2に組み付けるように構成することで、例えば作業車の生産ラインにおける前輪サスペンション80の組立時間(タクトタイム)を短縮することができ、作業車の生産ライン全体としての組立時間を短縮できる。
【0077】
[発明の実施の第1別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態]においては、第1及び第2連結部材43A,43Bにおける連結部45に、2つの取り付け穴45aを形成し、この取り付け穴45aの接当面45F側端部の外周部に凸部45b又は凹部45cを一体形成した例を示したが、図16に示すような第1及び第2連結部材43A,43Bを採用してもよい。
【0078】
図16(a)に示すように、第1連結部材43A(第2連結部材43B)に、2つの取り付け穴45aを形成し、この取り付け穴45aとは別に、接当面45Fから円柱状に突出した形状の凸部45bAと、接当面45Fから円柱状に凹入した凹部45cAとを一体成形する。この場合、図16(a)では、2つの取り付け穴45aの間に凸部45bA及び凹部45cAを形成した例を示したが、2つの取り付け穴45a、凸部45bA、凹部45cAの配置は異なる配置を採用してもよい。
【0079】
図16(b)に示すように、第1及び第2連結部材43A,43Bに、2つの取り付け穴45aを形成し、この取り付け穴45とは別に、接当面45Fから角柱状に突出した形状の凸部45bB、又は接当面45Fから角柱状に凹入した凹部45cBを一体成形する(図16(b)は、凸部45bBを一体成形した例を示す)。この場合、凸部45bBの縦断面形状及び横断面形状が傾斜部45xを備えた山形になるように構成し、凹部45cBの縦断面形状及び横断面形状が傾斜部45yを備えた谷形になるように構成する。そして、凸部45bBを一体成形した第1又は第2連結部材43A,43Bと、凹部45cBを一体成形した第2又は第1連結部材43B,43Aを一対として、側部フレーム23と側部ロプス部材41との連結部を構成する。これにより、第1及び第2連結部材43A,43Bの凸部45bB及び凹部45cBが係合し合う面積を広く確保でき、第1及び第2連結部材43A,43Bを更に強く連結できると共に、第1及び第2連結部材43A,43Bの構造を簡素化することができる。
【0080】
[発明の実施の第2別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態]及び[発明の実施の第1別形態]においては、第1及び第2連結部材43A,43Bの接当面45Fが上下向きで左右向きになるように、側部フレーム23及び側部ロプス部材41に第1及び第2連結部材43A,43Bを固定した例を示したが、第1及び第2連結部材43A,43Bの接当面45Fの方向として異なる方向を採用してもよく、例えば第1及び第2連結部材43A,43Bの接当面45Fの方向を上下向きで前後向きに配置することで、側部ロプス部材41に前後方向から作用する力を凸部45bと凹部45cとの係合で受け止めて支持することができる。
【0081】
前述の[発明を実施するための最良の形態]及び[発明の実施の第1別形態]においては、第1及び第2連結部材43A,43Bの接当面45Fが上下向きで左右向きになるように、第1及び第2連結部材43A,43Bを構成した例を示したが、第1及び第2連結部材43A,43Bの接当面45Fが横向きになるように(例えば第1及び第2連結部材43A,43Bの接当面45Fが略水平になるように)、第1及び第2連結部材43A,43Bを構成してもよい。この場合、例えば第1及び第2連結部材43A,43Bに上下向きの取り付け穴を形成し、第1及び第2連結部材43A,43Bを上下方向から締め付け固定する。
【0082】
前述の[発明を実施するための最良の形態]においては、凸部45b及び凹部45cの形状をリング状に突出又は凹入した形状に一体成形し、[発明の実施の第1別形態]においては、凸部45b及び凹部45cの形状を円柱状又は角柱状に突出又は凹入した形状に一体成形した例を示したが、凸部45b及び凹部45cの形状として異なる形状を採用してもよい。具体的には、例えば凸部45bと凹部45cとが係合する面積が大きくなるような形状を採用することで、更に強く連結することができる。
【0083】
[発明の実施の第3別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態]、[発明の実施の第1別形態]及び[発明の実施の第2別形態]においては、第1連結部材43Aを側部ロプス部材41に溶接により固定し、第2連結部材43Bを側部フレーム23に溶接により固定した例を示したが、異なる方法により連結してもよく、例えばボルトで締め付け固定する構成を採用してもよい。
【0084】
前述の[発明を実施するための最良の形態]、[発明の実施の第1別形態]及び[発明の実施の第2別形態]においては、別部品として構成した第1連結部材43Aを側部ロプス部材41に固定し、別部品として構成した第2連結部材43Bを側部フレーム23に固定した例を示したが、第1連結部材43Aを側部ロプス部材41に一体成形してもよく、第2連結部材43Bを側部ロプス部材41に一体成形してもよい。
【0085】
[発明の実施の第4別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態]、[発明の実施の第1別形態]、[発明の実施の第2別形態]及び[発明の実施の第3別形態]においては、側部フレーム23と側部ロプス部材41との連結部に第1及び第2連結部材43A,43Bを採用した例を示したが、例えば側部ロプス部材41を複数の部材で構成し、この複数の部材どうしの連結部に第1及び第2連結部材43A,43Bを採用してもよい。また、例えば側部ロプス部材41と上部横ロプス部材42との連結部に第1及び第2連結部材43A,43Bを採用してもよい。
【0086】
前述の[発明を実施するための最良の形態]、[発明の実施の第1別形態]、[発明の実施の第2別形態]及び[発明の実施の第3別形態]においては、ロプス40を4柱式に構成した例を示したが、異なる構造のロプス40においても同様に適用でき、例えば2柱式又は6柱式のロプス40においても同様に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】作業車の全体右側面図
【図2】作業車の伝動構造を説明する全体平面図
【図3】車体フレームの全体斜視図
【図4】ロプスの全体斜視図
【図5】側部フレームと側部ロプス部材との連結部の斜視図
【図6】側部フレームと側部ロプス部材との連結部の縦断側面図
【図7】側部フレームと側部ロプス部材との連結部の正面図
【図8】側部ロプス部材と上部横ロプス部材との連結部の斜視図
【図9】走行車体の前部の斜視図
【図10】走行車体の前部の平面図
【図11】走行車体の前部の縦断正面図
【図12】走行車体の前部の縦断側面図
【図13】ウインチの取り付け部の横断平面図
【図14】前輪サスペンションの取り付け部の縦断正面図
【図15】前輪支持ブラケットの斜視図
【図16】発明の実施の第1別形態での第1及び第2連結部材の斜視図
【符号の説明】
【0088】
2 車体フレーム
40 ロプス
43A 第1連結部材
43B 第2連結部材
45F 接当面(第1連結部材の接当面,第2連結部材の接当面)
45b 凸部
45c 凹部
45x 傾斜部(凸部の傾斜部)
45y 傾斜部(凹部の傾斜部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロプス側に設けられた第1連結部材と、車体フレーム側に設けられた第2連結部材とを備え、
前記第1連結部材及び第2連結部材に接当面を備えて、
前記第1連結部材の接当面及び第2連結部材の接当面の一方に、他方側に突出した凸部を形成すると共に、前記第1連結部材の接当面及び第2連結部材の接当面の他方に、前記凸部に係合する凹部を形成し、
前記第1連結部材の接当面と第2連結部材の接当面とを接当させた状態で、前記接当面の垂線の向く方向から前記第1連結部材及び第2連結部材を締め付け固定してある作業車のロプス連結構造。
【請求項2】
前記凸部の断面形状を、傾斜部を備えた山形に成形すると共に、前記凹部の断面形状を、傾斜部を備えた谷形に成形してある請求項1記載の作業車のロプス連結構造。
【請求項3】
前記第1連結部材の接当面及び前記第2連結部材の接当面が上下方向の面になるように、前記第1連結部材及び第2連結部材を構成してある請求項1又は2記載の作業車のロプス連結構造。
【請求項4】
前記第1連結部材の接当面及び前記第2連結部材の接当面が左右方向の面になるように、前記第1連結部材及び第2連結部材を構成してある請求項3記載の作業車のロプス連結構造。
【請求項1】
ロプス側に設けられた第1連結部材と、車体フレーム側に設けられた第2連結部材とを備え、
前記第1連結部材及び第2連結部材に接当面を備えて、
前記第1連結部材の接当面及び第2連結部材の接当面の一方に、他方側に突出した凸部を形成すると共に、前記第1連結部材の接当面及び第2連結部材の接当面の他方に、前記凸部に係合する凹部を形成し、
前記第1連結部材の接当面と第2連結部材の接当面とを接当させた状態で、前記接当面の垂線の向く方向から前記第1連結部材及び第2連結部材を締め付け固定してある作業車のロプス連結構造。
【請求項2】
前記凸部の断面形状を、傾斜部を備えた山形に成形すると共に、前記凹部の断面形状を、傾斜部を備えた谷形に成形してある請求項1記載の作業車のロプス連結構造。
【請求項3】
前記第1連結部材の接当面及び前記第2連結部材の接当面が上下方向の面になるように、前記第1連結部材及び第2連結部材を構成してある請求項1又は2記載の作業車のロプス連結構造。
【請求項4】
前記第1連結部材の接当面及び前記第2連結部材の接当面が左右方向の面になるように、前記第1連結部材及び第2連結部材を構成してある請求項3記載の作業車のロプス連結構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2009−67242(P2009−67242A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−238083(P2007−238083)
【出願日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
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