説明

作業車両用変速装置

【課題】走行速度「0」の状態においても出力伝達を維持し、副変速装置の変速段切替時に動力切れを生じない、金属ベルト式無段変速装置を備えた作業車両用変速装置を提供する。
【解決手段】金属ベルト式無段変速装置2の出力側に遊星歯車機構20を設ける作業車両用変速装置1であって、前記遊星歯車機構20は、第一遊星歯車機構21と第二遊星歯車機構22が同一の遊星歯車軸16上に配置され、入力軸10からの動力が、第一遊星歯車機構21の第一プラネタリキャリア51と第二遊星歯車機構22の第二サンギヤ54に伝えられるとともに、CVT出力軸14からの動力が、第一遊星歯車機構21の第一サンギヤ50と第二遊星歯車機構22の第二プラネタリキャリア55に伝えられ、前記第一インターナルギヤ53または前記第二インターナルギヤ57の出力側に第一主クラッチ32aまたは第二主クラッチ32bを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属ベルト式無段変速装置の出力側に遊星歯車機構を設ける作業車両用変速装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車に搭載されるのに適したベルト式無段変速装置において、出力軸の正逆回転変更のためや、若しくはベルト式無段変速装置のみでは実現できない変速比を得るためにベルト式無段変速装置の出力側に遊星歯車機構を設けたVベルト式無段変速装置の例(特許文献1)や、また、比較的小さな牽引力しか必要としない農業機械向けのベルト式無段変速装置において、可変プーリ機構に巻回されるVベルトの摩耗防止や寿命向上のために、ベルト式無段変速装置の出力側に遊星歯車機構を設け、該遊星歯車機構のサンギアとインターナルギアに対して、互いに逆方向でかつ同回転数の回転を入力し、プラネタリキャリアを無回転に維持することによりニュートラル状態を創出し、Vベルトのベルトピッチのずれを解消したVベルト式変速装置の例(特許文献2)が開示されており、これらの技術は公知となっている。
また、作業車両用変速装置等において広範囲の変速比を得る手段としては、複数の変速段を有する副変速装置と組み合わせることが一般的であり、広く実施されている。
【特許文献1】特開平1−58848号公報
【特許文献2】特開平3−92656号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
トラクタ等の農業用作業車両においては、極低速の走行状態で非常に大きな牽引力が必要とされる場合があり、走行速度が「0」近辺においても、エンジンからの出力が車輪に伝達されている必要がある。このため、エンジンから車輪への出力伝達を維持しつつ、走行速度を「0」にし得る機構であることが望ましい。
また、一般的にベルト式無段変速装置においては、最小変速比は入力回転に対して40%程度までしか得ることができない。つまり、ベルト式無段変速装置のみでは入力回転数が「0」でない限りは出力回転数を「0」にすることができない。
そこで、ベルト式無段変速装置と該ベルト式無段変速装置の出力側に設けた遊星歯車機構により、エンジンから車輪への出力伝達を維持しつつ走行速度「0」を達成する技術として、前記(特許文献1)および(特許文献2)が提案されている。
しかし、前記(特許文献1)に示される実施例では、低回転域では流体継手の滑り作用により出力伝達を抑制することで走行速度「0」を達成している。よって、この方式では極低速域での大きな牽引力を達成することができないため、農用作業車両等の用途には向かない。
また、前記(特許文献2)に示される実施例では、ニュートラル状態に移行するためにはクラッチ操作を必要とするため、微小速度で走行するような場合にはクラッチ操作が煩雑になると予想されるため、低速走行時に大きな牽引力が必要とされる農用作業車両等の用途には向かない。
また、前記いずれの実施例においても、ベルト式無段変速装置の可変プーリに巻回されている駆動用ベルトにはVベルトが用いられており、大きな牽引力を必要とする農用作業車両等の用途には向かず、改良が必要である。
【0004】
一方、トラクタ等の農業用作業車両においては、圃場への移動等を考慮し、自動車ほどではないが、ある程度の高速でも走行可能であることが望ましい。
このため、ベルト式無段変速装置の出力側に遊星歯車機構を設けた変速装置において、更に広範囲の変速比を得るために、複数の変速段を有する副変速装置と組み合わせることが有効である。しかし、このような場合には、無段変速装置を採用しているにも拘らず、副変速装置の変速段切替時に動力切れが生じることが避けられず、変速装置全体では無段変速とならないという問題がある。
【0005】
そこで本発明では、このような状況を鑑み、極めて低速の走行状態においても必要な牽引力を確保しつつ、走行速度「0」の状態においても出力伝達を維持することを可能とし、かつ、副変速装置の変速段切替時に動力切れを生じない、金属ベルト式無段変速装置を備えた作業車両用変速装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0007】
即ち、請求項1においては、金属ベルト式無段変速装置の出力側に遊星歯車機構を設ける作業車両用変速装置であって、前記遊星歯車機構は、第一遊星歯車機構と第二遊星歯車機構が同一伝動軸上に配置され、前記金属ベルト式無段変速装置の入力軸からの動力が、第一遊星歯車機構のプラネタリキャリアと第二遊星歯車機構のサンギヤに伝えられるとともに、前記金属ベルト式無段変速装置の出力軸からの動力が、第一遊星歯車機構のサンギヤと第二遊星歯車機構のプラネタリキャリアに伝えられ、前記第一遊星歯車機構または前記第二遊星歯車機構のインターナルギヤの出力側にクラッチを設けること、を特徴としたものである。
【0008】
請求項2においては、前記クラッチは、副変速段のクラッチと、前記遊星歯車機構の切替用クラッチからなること、を特徴としたものである。
【0009】
請求項3においては、前記副変速段のクラッチと、前記切替用クラッチを同一伝動軸上に配置したクラッチ機構を、並列接続したこと、を特徴としたものである。
【0010】
請求項4においては、前記金属ベルト式無段変速装置の出力軸より、前記副変速段のクラッチと、前記切替用クラッチを介して高速段を得ること、を特徴としたものである。
【0011】
請求項5においては、前記副変速段のクラッチと、前記切替用クラッチの切替を、前記金属ベルト式無段変速装置のプーリ幅の最大位置、または、最小位置に同期して切り替えること、を特徴としたものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0013】
請求項1においては、金属ベルト式無段変速装置による主変速段の後段に、副変速段を設けた場合に、副変速段の間でトルク切れのない変速が可能となる。
【0014】
請求項2においては、副変速クラッチと遊星歯車機構の切替用クラッチを選択することにより複数段の変速が可能となる。
【0015】
請求項3においては、クラッチ機構をコンパクトに構成することができる。
【0016】
請求項4においては、動力損失が小さく高速段が得られる。
【0017】
請求項5においては、変速段の切替がスムーズにできる。また、切替時の空転や滑りやショックがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に、発明の実施の形態を説明する。
まず、図1を用いて、本発明の一実施例に係る変速装置の全体的な構成について説明をする。
【0019】
図1に示す如く、作業車両用変速装置1は、金属ベルト式無段変速装置2と遊星歯車機構20と副変速部30からなり、前記金属ベルト式無段変速装置2の後段(下流側)に前記遊星歯車機構20が配置され、該遊星歯車機構20の後段に前記副変速部30が配置される。そして、前記金属ベルト式無段変速装置2は、入力軸10、第一可変プーリ11、第二可変プーリ12、金属ベルト13、CVT出力軸14等を備え、前記遊星歯車機構20は、遊星歯車軸16、第一遊星歯車機構21、第二遊星歯車機構22等を備え、前記副変速部30は、副入力軸15、第一副変速軸31、切替クラッチ機構、副変速用歯車、第一および第二主クラッチ32a・32b、第二副変速軸33、第一出力軸40および第二出力軸41等を備えている。
【0020】
前記入力軸10、CVT出力軸14、副入力軸15、遊星歯車軸16、第一副変速軸31、第二副変速軸33、第一出力軸40および第二出力軸41等の各軸は、図示しないミッションケース等にベアリング等を介して回転自在に軸支され、各々平行に配置され前記ミッションケース内に横設されている。
【0021】
以下に、金属ベルト式無段変速装置2の構成について説明をする。
図1に示す如く、前記入力軸10の入力始端部には前記第一可変プーリ11が配設されている。該第一可変プーリ11は、図示しない油圧シリンダやモータ等のアクチュエータ等により軸方向に往復変位可能に軸支されている第一可変シーブ11aと前記入力軸10に固定された第一固定シーブ11bにより構成されている。前記アクチュエータは主変速操作手段と連結されている。
また、前記CVT出力軸14には前記第二可変プーリ12が配設されている。該第二可変プーリ12は、図示しないバネ等の付勢手段により軸方向に往復変位可能に軸支されている第二可変シーブ12aと前記CVT出力軸に軸止された第二固定シーブ12bにより構成されている。
尚、前記入力軸10と前記CVT出力軸14の軸間距離は一定に保持されている。
【0022】
前記第一可変プーリ11および第二可変プーリ12に対しては、一定断面を有しかつ一定周長の円状に加工された前記金属ベルト13が巻回されている。
例えば、各プーリ11・12の溝幅が広いときには、前記金属ベルト13はプーリ溝の深い部分(軸心方向)に位置されることになるため、ベルトとの接触プーリ径は小さくなる。また反対に、各プーリ11・12の溝幅が狭いときには、前記金属ベルト13はプーリ溝の浅い部分(円周方向)に位置されることになるため、ベルトとの接触プーリ径は大きくなる。この作用を利用し、各プーリ11・12の溝幅を変化させることにより、前記金属ベルト式無段変速装置2の入力側および出力側のプーリ径を相対的に変化させることができる。
そして、この入力側および出力側のプーリ径の組合せパターンは無数に存在するため、変速比が無段階に可変可能となる。
【0023】
以下に、遊星歯車機構20の構成について説明する。
図1に示す如く、遊星歯車機構20は、第一遊星歯車機構21および第二遊星歯車機構22の二組の遊星歯車で構成されている。
前記第一遊星歯車機構21は、遊星歯車軸16の入力上流側(以下前側とする)に配設され、その下流側(以下後側とする)の遊星歯車軸16上に第二遊星歯車機構22が配設されており、該第一遊星歯車機構21は第一サンギア50、第一プラネタリキャリア51、複数の第一プラネタリギア52・52・・・および第一インターナルギア53で構成されている。
【0024】
前記第一サンギア50は、円形の外歯歯車であり前記遊星歯車軸16上に相対回転不能に軸止されている。
前記第一インターナルギア53は、その端面の一方(前端)が開放された円筒状部材の開放側端面の内周部に内歯歯車を形成し、かつ他方の閉じた端面側(後部)の外周部に外歯歯車66を形成した部材であり、該外歯歯車66はベアリング等を介して、後述する第一プラネタリキャリア51と第二サンギア54を連結する円筒状の連結部材58の外周部に回転自在に支持されている。
【0025】
前記第一プラネタリギア52は、円形の外歯歯車であり、第一プラネタリキャリア51に複数の第一プラネタリギア52・52・・・が回転自在に支持されるとともに、前記第一サンギア50と前記第一インターナルギア53に形成された内歯歯車の双方に噛合している。該第一プラネタリギア52は前記第一サンギア50の廻りを公転し、この公転を遊星歯車軸16廻りの回転として第一プラネタリキャリア51の下流側に連結した連結部材58に伝達するようにしている。
【0026】
前記連結部材58は、略円筒形の部材であり、前記遊星歯車軸16にベアリング等を介して回転自在に外嵌されており、前記第一プラネタリキャリア51および第二サンギア54に相対回転不能に介設されている。つまり、前記第一プラネタリキャリア51および第二サンギア54は前記連結部材58の前後両側に連結されて一体的に構成されている。
【0027】
前記第一プラネタリキャリア51の前端部には円筒部材59を介して第一入力歯車60が相対回転不能に固設されている。該第一入力歯車60は、円形の外歯歯車であり、第一逆転歯車61と噛合している。また、該第一逆転歯車61は前記入力軸10上に固設された動力出力歯車62と噛合し、該動力出力歯車62から伝達される回転が、前記第一入力歯車60に同じ方向の回転として伝達される。
【0028】
前記CVT出力軸14の後部上には、CVT出力歯車70が固設され、副入力軸15の前部には第一減速歯車71が固設され、前後中途部上にはCVT伝達歯車72が固設され、後部上には第二減速歯車73が固設されている。
【0029】
前記CVT出力歯車70は、前記第一減速歯車71と噛合しており、前記金属ベルト式無段変速装置2の出力を、前記第一減速歯車71に伝達し、前記副入力軸15を回転駆動する。
また、前記CVT伝達歯車72は後述する第五伝達歯車46と噛合しており、該第五伝達歯車46に回転を伝達する。
【0030】
前記第二減速歯車73は前記遊星歯車軸16の前端上に固設した第二入力歯車63と噛合しており、前記遊星歯車軸16に動力を伝達する。前記第二減速歯車73の径は前記第一減速歯車71に比して小さくしているため、前記第一減速歯車71から伝達された回転は減速されて前記遊星歯車軸16に伝達される。
【0031】
また、図1に示す如く、第二遊星歯車機構22は、第二サンギア54、第二プラネタリキャリア55、複数の第二プラネタリギア56・56・・・および第二インターナルギア57で構成されている。
前記第二サンギア54は、円形の外歯歯車であり、前記連結部材58に固設されている。
【0032】
第二インターナルギア57は、端面の一方(前端)が開放された円筒状部材の開放側端面の内周部に内歯歯車を形成し、かつ他方の閉じた端面(後部)の外周部に外歯歯車67を形成した部材であり、該外歯歯車67がベアリング等を介して、前記遊星歯車軸16に回転自在に支持されている。
【0033】
前記第二プラネタリギア56は、円形の外歯歯車であり、第二プラネタリキャリア55に回転自在に支持されており、前記第二サンギア54と前記第二インターナルギア57に形成された内歯歯車の双方に噛合している。
また、前記第二プラネタリキャリア55は、略円筒形の部材であり、端面の一方(前側)で複数の第二プラネタリギア56・56・・・を回転自在に軸支し、後部が前記遊星歯車軸16に相対回転不能に固設されている。
そして、該第二プラネタリギア56・56・・・は前記第二サンギア54の廻りを公転し、前記プラネタリキャリア55を介して遊星歯車軸16と一体的に回転するようにしている。
【0034】
以上のような構成とすることにより、入力軸10の回転が第一入力歯車60から入力され、第一遊星歯車機構21の第一プラネタリキャリア51と第二遊星歯車機構22の第二サンギア54に回転が伝達される。
また、CVT出力軸14の回転が第二入力歯車63から入力され、第一遊星歯車機構21の第一サンギア50と第二遊星歯車機構22の第二プラネタリキャリア55に回転が伝達される。
【0035】
以下に、副変速部30の構成について説明する。
図1に示す如く、副変速部30は、第一副変速軸31、第一主クラッチ32a、第二主クラッチ32b、第二副変速軸33および各切替クラッチ35・36・37、第一出力軸40および第二出力軸41等により構成されている。なお、本実施例では第一主クラッチ32aと第二主クラッチ32bは摩擦クラッチ式、各切替クラッチ35・36・37はドッグ式クラッチ(噛合式クラッチ)としているが、限定するものではなく、歯車摺動式や同期噛合式クラッチや電磁クラッチ式や油圧クラッチ式等であってもかまわない。
前記第一切替クラッチ35および第二切替クラッチ37は第一副変速軸31上にスプライン嵌合されて、相対回転不能、かつ、軸方向に摺動可能に軸支され、前記第三切替クラッチ37は第二副変速軸33上にスプライン嵌合されて、相対回転不能、かつ、軸方向に摺動可能に軸支されている。また、第一出力軸40は第一副変速軸31と同心で後方延長上に配置され、第一出力軸40と第一副変速軸31の間に第一主クラッチ32aが配置されている。
尚、前述したとおり、各軸31・33・40・41は、図示しないミッションケース内にベアリング等を介して、互いに平行に横設されており、前記入力軸10、前記遊星歯車軸16およびCVT出力軸14の各軸に対しても全て互いに平行である。
【0036】
前記第一副変速軸31および第一出力軸40には、前側から順に、第五伝達歯車46、第一切替クラッチ35、第一伝達歯車42、第三切替クラッチ37、第三伝達歯車44、第一主クラッチ32aおよび第一出力歯車38が配設されている。
【0037】
前記遊星歯車機構20および金属ベルト式無段変速装置2からの出力が副変速部30の各軸31・33に伝達される経路は、以下の三系統に分けられている。
まず、一つ目の経路は、前記第一遊星歯車機構21の第一インターナルギア53の後部に設けた外歯歯車66と前記第一伝達歯車42を噛合させて形成されている。
また、二つ目の経路は、前記第二遊星歯車機構22の第二インターナルギア57の後部に設けた外歯歯車67に噛合する第三逆転歯車65と前記第三伝達歯車44を噛合させて形成されている。
そして、三つ目の経路は、前記副入力軸15上に固設したCVT伝達歯車72と前記第五伝達歯車46を噛合させて形成されている。
つまり、適切な動力源からの入力経路を、運転状態の変化に応じて(即ち、STAGEの変更に合わせて)3系統から選択する構成としている。
【0038】
以下、更に副変速部30について詳述する。
前記第五伝達歯車46はベアリング等を介して前記第一副変速軸31に回動自在に枢支されている。
前記第一切替クラッチ35は、摺動体が前記第一副変速軸31上にスプライン嵌合されて軸方向に摺動可能、かつ、相対回転不能に軸支され、摺動体の前端と後端にそれぞれ歯部を構成している。また、第五伝達歯車46にも前記歯部と噛み合う歯部を形成している。こうして、前記第一切替クラッチ35を入力上流側の軸方向へ変位させ前記第五伝達歯車46と噛合させることにより、該第五伝達歯車46から前記第一副変速軸31に動力を伝達する。また、前記第一切替クラッチ35を入力下流側の軸方向へ変位させ前記第五伝達歯車46と離間させることにより、動力伝達を遮断する。
また、前記第一伝達歯車42のボス部の前部にも前記歯部の位置に合わせて歯部が形成され、前記第一切替クラッチ35を入力下流側の軸方向へ変位させ前記第一伝達歯車42と噛合させることにより、該第一伝達歯車42から前記第一副変速軸31に動力を伝達する。
【0039】
前記第三伝達歯車44はベアリング等を介して前記第一副変速軸31に回動自在に枢支され、ボス部の前部に歯部を形成している。
前記第三切替クラッチ37は、摺動体が前記第一副変速軸31上にスプライン嵌合されて軸方向に摺動可能、かつ、相対回転不能に軸支され、摺動体後部に歯部が形成されている。該第三切替クラッチ37を入力下流側の軸方向へ変位させ前記第三伝達歯車44と噛合させることにより、該第三伝達歯車44から前記第一副変速軸31に動力を伝達する。
【0040】
前記第二副変速軸33および第二出力軸41には、前側から順に、第四伝達歯車45、第二切替クラッチ36、第二伝達歯車43、第二主クラッチ32bおよび第二出力歯車39が配設されている。
【0041】
前記第四伝達歯車45はベアリング等を介して前記第二副変速軸33上に回動自在に支持され、第四伝達歯車45のボス部の後部に歯部が形成されている。また、前記第二伝達歯車43のボス部の前部にも歯部が形成されている。
前記第二切替クラッチ36は、摺動体が前記第二副変速軸33上にスプライン嵌合されて軸方向に摺動可能、かつ、相対回転不能に軸支され、摺動体の前端と後端にそれぞれ前記歯部に合わせて歯部を構成している。前記第二切替クラッチ36を入力上流側の軸方向へ変位させ前記第四伝達歯車45の歯部と噛合させることにより、該第四伝達歯車45から前記第二副変速軸33に動力を伝達することができる。また、前記第二切替クラッチ36を入力下流側の軸方向へ変位させ前記第二伝達歯車43と噛合させることにより、該第二伝達歯車43から前記第二副変速軸33に動力を伝達可能としている。そして、前記第二切替クラッチ36を前記第二伝達歯車43及び第四伝達歯車45と離間させることにより、動力伝達を遮断することができる。
また、第一伝達歯車42と第四伝達歯車45が噛合され、第三伝達歯車44と第二伝達歯車43が噛合されている。
【0042】
そして、第二出力軸41は第二副変速軸33と同心で後方延長上に配置され、第二出力軸41と第二副変速軸33の間に第二主クラッチ32bが配置されている。また、前記第一出力軸40上に固設した第一出力歯車38は第二逆転歯車64を介して第二出力軸41上に固設した第二出力歯車39と噛合させている。
以上が、副変速部30の構成についての説明である。
【0043】
以上のように、金属ベルト式無段変速装置2の出力側に遊星歯車機構20を設ける作業車両用変速装置1であって、前記遊星歯車機構20は、第一遊星歯車機構21と第二遊星歯車機構22が同一の遊星歯車軸16上に配置され、前記金属ベルト式無段変速装置2の入力軸10からの動力が、第一遊星歯車機構21の第一プラネタリキャリア51と第二遊星歯車機構22の第二サンギヤ54に伝えられるとともに、前記金属ベルト式無段変速装置2のCVT出力軸14からの動力が、第一遊星歯車機構21の第一サンギヤ50と第二遊星歯車機構22の第二プラネタリキャリア55に伝えられ、前記第一インターナルギヤ53または前記第二インターナルギヤ57の出力側に第一主クラッチ32aまたは第二主クラッチ32bを設けた構成としている。
【0044】
これにより、金属ベルト式無段変速装置2による主変速段の後段に、副変速部30を設けた場合に、副変速段の間でトルク切れのない変速が可能となるのである。
【0045】
また以上のように、クラッチ機構は、副変速部30の各主クラッチ32a・32bと、前記遊星歯車機構20の各切替用クラッチ35・36・37からなる構成とし、かつ、同一の第一副変速軸31上に配設した前記副変速部30の第一主クラッチ32a、第一および第三切替クラッチ35・37と、同一の第二副変速軸33上に配設した前記副変速部30の第二主クラッチ32bおよび第二切替クラッチ36を、並列接続した構成としている。
【0046】
これにより、副変速部30の各主クラッチ32a・32bと遊星歯車機構20の切替用クラッチ35・36・37を選択することにより複数段の変速が可能となるのである。
また、クラッチ機構をコンパクトに構成することができるのである。
【0047】
次に、図2乃至図7を用いて、本作業車両用変速装置1の動力伝達の流れについて、例示して説明をする。
まず、図2、図3より(STAGE1)における動力伝達について説明をする。
(STAGE1)は副変速部30が後進2段となっており、第一切替クラッチ35(DC1の1側)が第一伝達歯車42と噛合し、第一主クラッチ32a(MC1)が作動され、第一出力軸40から第一出力歯車38、第二逆転歯車64および第二出力歯車39を介して第二出力軸41に伝えて出力する構成としている。このように切り替えられた状態では、第二遊星歯車機構22の第二インターナルギア57の出力は空回りとなる。
【0048】
上記条件の下では、エンジン等の原動機からの動力が入力軸10に伝えられると、その回転は、一方は、動力出力歯車62から第一遊星歯車機構21の第一プラネタリキャリア51に伝えられ、他方は金属ベルト式無段変速装置2から第二入力歯車63等を介して第一サンギア50に伝えられ、この二つの入力要素を合成した動力が第一インターナルギア53から出力される。
即ち、前記動力出力歯車62の回転が前記第一逆転歯車61を介して第一入力歯車60に伝達される。該第一入力歯車60は第一プラネタリキャリア51を回転する。
【0049】
他方、入力軸10から金属ベルト式無段変速装置2に動力を伝え、CVT出力軸14、CVT出力歯車70、第一減速歯車71、副入力軸15、第二減速歯車73、第二入力歯車63、遊星歯車軸16を介して第一サンギア50を回転する。この第一サンギア50の回転と前記第一プラネタリキャリア51の回転を合成した動力が、第一インターナルギア53から外歯歯車66を介して第一伝達歯車42、第一切替クラッチ35、第一副変速軸31、第一主クラッチ32a、第一出力軸40、第一出力歯車38、第二逆転歯車64、第二出力歯車39を介して第二出力軸41から出力する。
【0050】
次に、図2、図4より、(STAGE2)における動力伝達について説明をする。
(STAGE2)においては、副変速部30が後進1段となっており、第二切替クラッチ36(DC2の2側)が第二伝達歯車43と噛合し、第二主クラッチ32b(MC2)が作動され、第二出力軸41から出力する構成としている。このように切り替えられた状態では、第一遊星歯車機構21の第一インターナルギア53の出力は空回りとなる。
【0051】
上記条件の下では、エンジン等の原動機からの動力が入力軸10に伝えられると、その回転は、動力出力歯車62から第二遊星歯車機構22に伝えられる。
即ち、前記動力出力歯車62の回転が前記第一逆転歯車61を介して第一入力歯車60に伝達される。該第一入力歯車60は第一プラネタリキャリア51と連結部材58と第二サンギア54が一体的に構成されているため、第二遊星歯車機構22の第二サンギア54に動力が伝達される。
【0052】
第二遊星歯車機構22において、前記第二サンギア54に入力された動力は、一方の出力要素となる第二プラネタリギア56・56・・・から第二プラネタリキャリア55を介して遊星歯車軸16に伝え、更に、第二入力歯車63、第二減速歯車73、副入力軸15、第一減速歯車71、CVT出力歯車70、CVT出力軸14、金属ベルト式無段変速装置2と伝えて、動力循環される。
【0053】
他方の出力要素となる第二インターナルギア57からは外歯歯車67、第三逆転歯車65、第三伝達歯車44、第二伝達歯車43、第二切替クラッチ36(DC2)、第二副変速軸33、第二主クラッチ32b(MC2)、第二出力軸41と伝えて出力される。
このとき金属ベルト式無段変速装置2の第一可変プーリ11のプーリ幅を最も広くし、第二可変プーリ12のプーリ幅は最も狭くした状態(図2中のA点)において、第二出力軸41の出力回転が「0」となるように(即ち、第二インターナルギア57の回転数が「0」となるように)、プーリ径および前記動力伝達される歯車の歯数が設定されている。
この状態で第一可変プーリ11のプーリ幅を徐々に狭めていくと、第二可変プーリ12のプーリ幅は徐々に広くなり、図2の(STAGE2)の線図に示す如く、第二出力軸41の回転は逆回転で増加される。
【0054】
そして、金属ベルト式無段変速装置2の第一可変プーリ11のプーリ幅が最も狭くなり、第二可変プーリ12のプーリ幅が最も広くなった状態(図2中のB点)では、第一遊星歯車機構21の第一インターナルギア53の後部に設けた外歯歯車66と噛合した第一伝達歯車42の回転数と第一出力軸40の回転数が一致するように歯車の歯数が設定されている。
【0055】
従って、この同期状態で第一主クラッチ32a(MC1)をON(接)とし、第一切替クラッチ35(DC1の1側)を第一伝達歯車42と噛合させ、その後、第二切替クラッチ36(DC2の2側)を第二伝達歯車43との噛合を解除し、第二主クラッチ32b(MC2)をOFF(断)とすることで、動力を伝達しながら変速ショックがなく(STAGE1)に切り替えることができる。
【0056】
そして、(STAGE2)から前記(STAGE1)に切り替えられた直後の状態では、前記金属ベルト式無段変速装置2の第一可変プーリ11のプーリ幅は最も狭くなった状態であり、第二可変プーリ12のプーリ幅は最も広くなった状態となっている。この状態から第一可変プーリ11のプーリ幅は広くし、第二可変プーリ12のプーリ幅を狭くしていくと、図2の(STAGE1)の線図に示す如く、第二出力軸41の回転は逆回転で増加されるのである。つまり、後進速度が増加するのである。
【0057】
次に、図2、図5より(STAGE3)における動力伝達について説明をする。
(STAGE3)は副変速部30が前進1段となっており、第三切替クラッチ37(DC3の3側)が第三伝達歯車44と噛合し、第一主クラッチ32a(MC1)が作動され、第一出力軸40から第一出力歯車38、第二逆転歯車64を介して第二出力軸41に伝えて出力する構成としている。このように切り替えられた状態では、第一遊星歯車機構21の第一インターナルギア53の出力は空回りとなる。
【0058】
上記条件の下では、エンジン等の原動機からの動力が入力軸10に伝えられると、その回転は、一方は、動力出力歯車62から第一遊星歯車機構21の第一プラネタリキャリア51から第二遊星歯車機構22の第二サンギア54に動力が伝達される。他方は金属ベルト式無段変速装置2から歯車を介して第二プラネタリキャリア55に伝えられ、この二つの入力要素を合成した動力が第二インターナルギア57から出力される。そして、外歯歯車67、第三逆転歯車65、第三伝達歯車44、第三切替クラッチ37(DC3)、第一副変速軸31、第一主クラッチ32a(MC1)、第一出力軸40、第一出力歯車38、第二逆転歯車64、第二出力歯車39を介して第二出力軸41から出力する。
【0059】
このとき、金属ベルト式無段変速装置2の第一可変プーリ11のプーリ幅を最も広くし、第二可変プーリ12のプーリ幅は最も狭くした状態(図2中のA点)において、第二出力軸41の出力回転が「0」となるように(即ち、第二インターナルギア57の回転数が「0」となるように)、プーリ径および前記動力伝達される歯車の歯数が設定されている。
この状態で第一可変プーリ11のプーリ幅を徐々に狭めていくと、第二可変プーリ12のプーリ幅は徐々に広くなり、図2の(STAGE3)の線図に示す如く、第二出力軸41の回転は正回転で増加される。
【0060】
そして、金属ベルト式無段変速装置2の第一可変プーリ11のプーリ幅が最も狭くなり、第二可変プーリ12のプーリ幅が最も広くなった状態(図2中のC点)では、第一遊星歯車機構21の第一インターナルギア53の後部に設けた外歯歯車66、第一伝達歯車42を介して第四伝達歯車45に伝えられた回転数と、第二主クラッチ32b(MC2)をONとしたときの第二副変速軸33の回転数が一致するように歯車の歯数が設定されている。
【0061】
従って、この同期状態で第二主クラッチ32b(MC2)をONとし、第二切替クラッチ36(DC2の4側)を第四伝達歯車45と噛合させ、その後、第三切替クラッチ37(DC3の3側)を第三伝達歯車44との噛合を解除し、第一主クラッチ32a(MC1)をOFFとすることで、動力を伝達しながら変速ショックがなく(STAGE4)に切り替えることができる。
【0062】
次に、図2、図6より(STAGE4)における動力伝達について説明をする。
(STAGE4)は副変速部30が前進2段となっており、第二切替クラッチ36(DC2の4側)を第四伝達歯車45と噛合し、第二主クラッチ32b(MC2)が作動され、第二出力軸41から出力する構成としている。
このように切り替えられた状態では、第二遊星歯車機構22の第二プラネタリキャリア55及び第二インターナルギア57の出力は空回りとなる。
【0063】
上記条件の下では、動力が入力軸10に伝えられると、その回転は、動力出力歯車62から第一遊星歯車機構21の第一プラネタリキャリア51に伝えられ、一方は第一サンギア50から遊星歯車軸16に伝え、更に、第二入力歯車63、第二減速歯車73、副入力軸15、第一減速歯車71、CVT出力歯車70、CVT出力軸14、金属ベルト式無段変速装置2と伝えて、動力循環される。他方は、第一インターナルギア53から外歯歯車66を介して第一伝達歯車42、第四伝達歯車45、第二切替クラッチ36(DC2)、第二副変速軸33、第二主クラッチ32b、第二出力軸41と伝えて出力される。
【0064】
そして、スピードを早めるために、金属ベルト式無段変速装置2の第一可変プーリ11のプーリ幅を広くしていくと、CVT伝達歯車72に噛合する第五伝達歯車46の回転数と、第一主クラッチ32a(MC1)をONとした時の第一副変速軸31の回転数とが一致する変速位置が存在するように歯車が設定されている。
この第一主クラッチ32a(MC1)をONとして回転数が一致したとき(図2中のD点)に、第一切替クラッチ35(DC1の5側)を摺動して第五伝達歯車46と噛合し、第二切替クラッチ36(DC2の4側)と第四伝達歯車45の噛合を解除し、第二主クラッチ32b(MC2)をOFFとすることで、動力を伝達しながら変速ショックがなく(STAGE5)に切り替えることができる。
【0065】
次に、図2、図7より前記(STAGE5)における動力伝達について説明をする。
(STAGE5)は副変速部30が前進3段となっており、第一切替クラッチ35を第五伝達歯車46と噛合し、第一主クラッチ32aが作動され、第一出力軸40、第一出力歯車38、第二逆転歯車64、第二出力歯車39、第二出力軸41と伝えて出力する構成としている。このように切り替えられた状態では、第一遊星歯車機構21の第一インターナルギア53および第二遊星歯車機構22の第二インターナルギア57の出力は空回りとなる。
【0066】
上記条件の下では、動力が入力軸10に伝えられると、その回転は、一方は、動力出力歯車62から第一遊星歯車機構21の第一プラネタリキャリア51に伝えられ、第一サンギア50から遊星歯車軸16に伝え、同時に連結部材58から第二遊星歯車機構22の第二サンギア54、第二プラネタリギア56・56・・・、第二プラネタリキャリア55から同じく遊星歯車軸16に伝え、第二入力歯車63、第二減速歯車73、副入力軸15、と伝えて動力循環される。また他方は、金属ベルト式無段変速装置2からCVT出力軸14、CVT出力歯車70、第一減速歯車71から副入力軸15に伝え、CVT伝達歯車72が回転される。そして、このCVT伝達歯車72から第五伝達歯車46、第一切替クラッチ35(DC1)、第一副変速軸31、第一主クラッチ32a(MC1)が作動され、第一出力軸40、第一出力歯車38、第二逆転歯車64、第二出力歯車39を介して第二出力軸41から出力している。
以上が、本作業車両用変速装置1の動力伝達の流れについての説明である。
【0067】
以上のように、(STAGE5)における動力伝達において示す如く、前記金属ベルト式無段変速装置2のCVT出力歯車70より、前記副変速部30の第一主クラッチ32aと、前記第一切替クラッチ35を介して高速段を得る構成としている。
【0068】
これにより、動力損失が小さく高速段が得られるのである。
【0069】
また以上のように、図2に示す如く、A・B・C・Dの各点において、前記副変速部30の各主クラッチ32a・32bと、前記各切替クラッチ35・36・37の切替を、前記金属ベルト式無段変速装置2の各プーリ11・12におけるプーリ幅の最大位置、または、最小位置に同期して切り替える構成としている。
【0070】
これにより、変速段の切替がスムーズにできるのである。また、切替時の空転や滑りやショックがないのである。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の一実施例に係る変速装置の全体的な構成を示したスケルトン図。
【図2】金属ベルト式無段変速装置と変速装置全体の変速比の関係を示した相関図。
【図3】(STAGE1)における変速装置の構成を示したスケルトン図。
【図4】(STAGE2)における変速装置の構成を示したスケルトン図。
【図5】(STAGE3)における変速装置の構成を示したスケルトン図。
【図6】(STAGE4)における変速装置の構成を示したスケルトン図。
【図7】(STAGE5)における変速装置の構成を示したスケルトン図。
【符号の説明】
【0072】
1 作業車両用変速装置
2 金属ベルト式無段変速装置
10 入力軸
11 第一可変プーリ
14 CVT出力軸
20 遊星歯車機構
21 第一遊星歯車機構
22 第二遊星歯車機構
56 第二プラネタリギア
57 第二インターナルギア
73 第二減速歯車

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属ベルト式無段変速装置の出力側に遊星歯車機構を設ける作業車両用変速装置であって、
前記遊星歯車機構は、
第一遊星歯車機構と第二遊星歯車機構が同一伝動軸上に配置され、前記金属ベルト式無段変速装置の入力軸からの動力が、第一遊星歯車機構のプラネタリキャリアと第二遊星歯車機構のサンギヤに伝えられるとともに、
前記金属ベルト式無段変速装置の出力軸からの動力が、第一遊星歯車機構のサンギヤと第二遊星歯車機構のプラネタリキャリアに伝えられ、
前記第一遊星歯車機構または前記第二遊星歯車機構のインターナルギヤの出力側にクラッチを設けること、
を特徴とした作業車両用変速装置。
【請求項2】
前記クラッチは、
副変速段のクラッチと、前記遊星歯車機構の切替用クラッチからなること、
を特徴とした請求項1記載の作業車両用変速装置。
【請求項3】
前記副変速段のクラッチと、
前記切替用クラッチを同一伝動軸上に配置したクラッチ機構を、
並列接続したこと、
を特徴とした請求項1または請求項2記載の作業車両用変速装置。
【請求項4】
前記金属ベルト式無段変速装置の出力軸より、
前記副変速段のクラッチと、
前記切替用クラッチを介して高速段を得ること、
を特徴とした請求項1乃至請求項3記載の作業車両用変速装置。
【請求項5】
前記副変速段のクラッチと、
前記切替用クラッチの切替を、
前記金属ベルト式無段変速装置のプーリ幅の最大位置、または、最小位置に同期して切り替えること、
を特徴とした請求項1乃至請求項4記載の作業車両用変速装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−154995(P2007−154995A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−350706(P2005−350706)
【出願日】平成17年12月5日(2005.12.5)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】