説明

作業車両

【課題】操向位置を検出する検出センサをシンプルな構成で容易に走行機体側へ設置できるとともに、設置した検出センサが圃場から飛散した泥水等の付着によって故障することを防止できる作業車両を提供することを課題としている。
【解決手段】操向位置を検出する検出センサ48を備えた作業車両であって、ステアリングシャフト33の回転を減速して前記検出センサ48に伝える減速機構47を、該ステアリングシャフト33に設け、検出センサ48からのステアリングシャフト33の回転によって、操向位置を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
操向位置を検出する検出センサを備えた作業車両に関する。
【背景技術】
【0002】
操向位置を検出する検出センサを、ミッションケース下面側に支持されたピットマンアームに連結して設け、ステアリングハンドルの操向操作に連動して作動するピットマンアームの作動位置を、検出センサによって検知することにより、走行機体の操向位置を検出する特許文献1に示す作業車両が公知になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−837号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記文献では、ミッションケース下面側のピットマンアームから離した位置に検出センサを配置し、該検出センサとピットマンアームとを連係機構によって連結しているため、構造が複雑で、組付けにも手間がかかる。また、仮に、ピットマンアームに直接的に検出センサを設けた場合には、検出センサが圃場面と近接して対向するミッションケースの下面側に配置されることになるため、該検出センサに飛散した泥水等が付着して故障する虞がある。
【0005】
本発明は、操向位置を検出する検出センサをシンプルな構成で容易に走行機体側へ設置できるとともに、設置した検出センサが圃場から飛散した泥水等の付着によって故障することを防止できる作業車両を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため本発明は、第1に、操向位置を検出する検出センサ48を備えた作業車両であって、ステアリングシャフト33の回転を減速して前記検出センサ48に伝える減速機構47を、該ステアリングシャフト33に設け、検出センサ48からのステアリングシャフト33の回転によって、操向位置を検出することを特徴としている。
【0007】
第2に、矩形状の支持枠46の内側に前記減速機構47及び検出センサ48を支持して設けたことを特徴としている。
【0008】
第3に、前記支持枠46を、前後両側が開放される姿勢で設け、該支持枠46の左右側部側にレバー操作具27,28,29を支持したことを特徴としている。
【0009】
第4に、前記支持枠46の左右側部の間に架設された支持プレート52に前記減速機構47を支持し、検出センサ48の検出範囲内に減速機構47の作動範囲を規制する規制部58を一体的に支持プレート52に形成したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
前記減速機構をステアリングシャフトに設けることにより、検出センサをステアリングシャフト近傍に配置することができるため、圃場から飛散した泥水等が検出センサに付着することが抑制され、検出センサ等の故障を防止できるとともに、その構成をシンプルにすることができる。
【0011】
また、矩形状の支持枠の内側に前記減速機構及び検出センサを支持して設ければ、支持枠の開放側から減速機構及び検出センサのメンテナンスを容易に行うことができるとともに、減速機構及び検出センサをコンパクトに収めることができる。
【0012】
また、前記支持枠を、前後両側が開放される姿勢で設け、該支持枠の側部側にレバー操作具を支持すれば、前記支持枠が減速機構及び検出センサを支持する部材と、ステアリングシャフト側方のレバー操作具を支持する部材とを兼用するため、部品点数が削減されて低コスト化できる他、前後両側が開放されたことにより、ブラケット内側の検出センサや減速機構のメンテナンス性がより向上する。
【0013】
なお、前記支持枠の両側部の間に架設された支持プレートに前記減速機構を支持し、検出センサの検出範囲内に減速機構の作動範囲を規制する規制部を一体的に支持プレートに形成すれば、ステアリングの組付前においても、減速機構の作動範囲が検出センサの検出範囲内に収まるため、検出センサの故障が防止される他、前記規制部を形成する部材と、支持枠の補強部材とを兼用するため、部品点数が削減してコストが低減される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の作業車両を適用した乗用田植機の全体側面図である。
【図2】操向機構を示す要部側面図である。
【図3】図2の操向検出機構の内部側を示す側面図である。
【図4】操向検出機構を示す要部正面図である。
【図5】操向検出機構を示す要部背面図である。
【図6】(A)は、減速機構の示す斜視図であり、(B)は、減速機構の規制部を示す平面図である。
【図7】制御部のブロック図である。
【図8】植付作業機自動制御の態様を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図示する例に基づき本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の作業車両を適用した乗用田植機の全体側面図である。本乗用田植機は、左右一対の前輪1及び後輪2よって支持される走行機体3と、走行機体3の後方に昇降リンク4を介して昇降自在に連結された植付作業機6と、植付作業機6と後輪2との間に配置された左右方向の整地作業機7と、走行機体3の側方に配置されて植付作業機6に載置する予備苗をストックする予備苗台8とから構成されている。
【0016】
前記走行機体3を支持する機体フレーム16は、前方側にボンネット17で囲繞されたエンジン(図示しない)が搭載されており、該エンジンの後方側には、作業者が乗込んで操向操作等を行う操縦部18が設けられている。また、上記ボンネット17の中央前部には、センタポール19が立設されている。
【0017】
上記操縦部18は、作業者が着座する座席21と、操向機構22を介して前記前輪1を操向操作する操向操作具であるステアリングハンドル23と、該ステアリングハンドル23の前方側に配置される操作パネル24と、ステアリングハンドル23の下側のフロアステップ26と、主変速機構による変速を操作する主変速レバー27と、副変速機構を切換操作する副変速レバー28と、エンジンの回転数を調節するためのスロットルレバー29(図2乃至5参照)と、走行機体3のブレーキ作動を操作するブレーキペダル31とが配置されている。操向機構22については後述する。
【0018】
前記植付作業機6は、予備苗台8等にストックされた苗が載置される苗載台9と、該苗載台9に載置された苗の圃場への植付作業を行う植付部11と、該植付作業機6を駆動させる動力が伝動される植付駆動軸とを備え、前記整地作業機7は、角柱状の整地ロータ13と、該整地作業機7を駆動させる動力が伝動される整地駆動軸14とを備えて構成されている。したがって、本乗用田植機は、植付作業時の機体旋回等により荒れた圃場を、前記整地作業機7によって整地し、植付作業機6を用いて整地後の圃場に苗を植付けるように構成されている。
【0019】
次に、図2に基づいて、前記操向機構について説明する。
図2は、操向機構を示す要部側面図である。図より、前記操向機構22は、前記ステアリングハンドル23が上端部に取付けられてステアリングハンドル23と一体で自身の軸回りに回転されるように前方に向かって下方に急傾斜したステアリングシャフト33と、エンジン動力を各部に変速伝動する変速機構が内装されて左右の前輪1,1の間に配されたミッションケース39の下面側に左右揺動自在に支持されたピットマンアーム37と、ピットマンアーム37の左右揺動を左右の前輪1,1に伝えて操舵角を調整する(操向作動させる)左右のロッド38と、ステアリングシャフト33の下方側延長線上且つミッションケース39の上面側に配置されるとともにステアリングハンドル23の操向操作力によって回転されるステアリングシャフト33のトルクを増幅してピットマンアーム37に伝動することにより該ピットマンアームを左右揺動作動させる油圧式又は電動式(図示する例では油圧式)のパワーステアリング装置36と、ステアリングシャフト33が挿通された筒状のステアリングコラム34とを備えている。
【0020】
この操向機構22のピットマンアーム37側を除く大部分は、四方を囲繞され、後方側は、操縦部18内に設置されたリヤカバー32によって開閉自在に覆われている。ちなみに、ステアリングシャフト23は、ステアリングハンドルの操作範囲に対応させて360度以上回転するが、この回転範囲を360度未満に設定してもよい。
【0021】
前記パワーステアリング装置36は、ステアリングシャフト33の下端側に接続して設けられ、ステアリングシャフト33下端側に配置された入力軸(図示しない)から入力された回転力を、回転速度を同一に保持した状態でトルクを増大させ、ピットマンアーム37を左右揺動させる出力軸(図示しない)に出力している。ちなみに、パワーステアリング装置36が油圧式の場合には、エンジン動力によって圧送されてくる作動油によって、トルクが増幅される一方で、電動式の場合には電動モータ等によってトルクの増幅が行われる。また、該出力軸は、ミッションケース39内のセクタギヤ(図示しない)を介してミッションケース39下方側のピットマンアーム37を回動させ、ピットマンアーム37に連結されたロッド38を介して左右の前輪1,1を操向作動させている。これにより、作業者はステアリングハンドル23を少ない操作トルクで操向操作できる。
【0022】
前記ステアリングコラム34の中途部の周囲には、走行機体3の操向位置を検出する操向検出機構40が設けられており、該操向検出機構40の左側面側に前記主変速レバー27の前後揺動操作と連動してパワーステアリング装置36の側方に配置された静油圧式無段階変速装置41(HST)を操作するHST操作機構42が支持されている。以下、説明する。
【0023】
次に、図3乃至6に基づいて、ステアリングコラムに配置された操向検出機構について説明する。
図3は、図2の操向検出機構の内部側を示す側面図であり、図4及び図5は、操向検出機構を示す要部正面図、要部背面図であり、図6(A)は、減速機構の示す斜視図であり、(B)は、減速機構の規制部を示す平面図である。前記操向検出機構40は、ステアリングコラム34を支持し、前記ステアリングシャフト33が挿通される矩形状の支持ブラケット46(支持枠)と、ステアリングシャフト33の回転をギヤ変速によって減速して伝える減速部47と、該減速部47により減速された回転量(回動量)を検出することによってステアリングの操向操作を検出するステアリングセンサであるポテンショメータ(検出センサ)48とから構成されている。
【0024】
前記支持ブラケット46は、前後方向が開放された枠状に形成されており、下端面側はステアリングシャフト33が挿通されるとともに、前記パワーステアリング装置36の上端面に支持されている。また、該支持ブラケット46の左側面側において前記HST操作機構42の中途部を支持し、右側面側において前記副変速レバー28及びスロットルレバー29の操作を連動させる連動機構50を支持している。
【0025】
詳しくは、上記HST操作機構42は、主変速レバー27から支持ブラケット46の左側面側まで延設される棒状の延設部27aと、支持ブラケット46の左側面から外側へ向って設けた軸であって主変速レバーの前後揺動操作する際の回動軸となる回動支持部44と、該回動支持部と一体的に揺動可能に取付けられるとともにHST側と連結される連結ロッド45とから構成されている。また、上記連動機構50として、支持ブラケット46の右側面側から外(右)方向に向けて回動自在に支持軸55が突設されており、副変速レバー28の延設部28aが支持されている。また、前記スロットルレバー29は、支持ブラケット46の右側面側に回動自在に取付けられるとともに、支持ブラケット46内に設けた検出センサ60によってスロットルレバー29の揺動角が検出されている(図5参照)。
【0026】
さらに、支持ブラケット46の左右側面の上端側を架渡す上端面は、左右側面を連結するとともに、円弧状の凹部が凹設されており、該凹部にステアリングコラム34が嵌合されて、支持ブラケット46がより安定してステアリングコラム34側へ取付けられている。なお、該支持ブラケット46は、ステアリングコラム34に対して右側に寄せた状態で取付けられている(図4及び図5参照)。
【0027】
また、支持ブラケット46内部の中途部には、左右方向に沿った補強プレート51が架設されており、該補強プレート51の上面側は、前記ポテンショメータ48が設置され、補強プレート51の下面側は、前記減速部47が設置されている。以下、減速部47及びポテンショメータ48を用いて、ステアリングシャフト33の回転を検出することにより、走行機体3の操向位置を検出する構成について説明する。
【0028】
前記減速部47は、支持ブラケット46内側の前記補強プレート51の下側であって、該補強プレート51同様に左右方向に架設される支持プレート52と、ステアリングシャフト33に設けられた入力ギヤ53と、支持プレート52に取付けられて該入力ギヤ53より径の大きい大径ギヤ部54aと小径ギヤ部54bとが一体的に形成される減速ギヤ54と、該支持プレートに回転自在に取付けられて上記小径ギヤ部54bよりも径が大きく形成された出力ギヤ56とを備えている。なお、前記ステアリングコラム34は、ステアリングシャフト33の上部側から前記補強プレート51の上面側まで延設されており、該補強プレート51の下面側からはステアリングシャフト33が露出する構成となっている。
【0029】
上記において、ステアリングハンドル23の操向操作に伴うステアリングシャフト33の回転と連動して、前記入力ギヤ53が一体回転する。該入力ギヤ53は、前記支持プレート52の下面側に配置される減速ギヤ54の大径ギヤ部54aと噛合するように構成されており、これに伴って、支持プレート52の上面側に配置される小径ギヤ部54bが一体回転する。該小径ギヤ部54bは、支持プレート52の上面中央側に配置された前記出力ギヤ56と噛合する。
【0030】
すなわち、ステアリングシャフト33の回転は、前記入力ギヤ53→減速ギヤ54の大径ギヤ部54aに伝わる際と、減速ギヤ54の小径ギヤ部54b→出力ギヤ56に伝わる際に、小さい径のギヤから大きい径のギヤに伝達されるため、ステアリングシャフト33の回転は、2段階で減速されて出力ギヤ56が回転するように構成されている。
【0031】
上記出力ギヤ56は、ギヤ平面のおよそ3分の1程が支持プレート52の前後幅よりも後方に突出するように支持されるとともに、出力ギヤ56のギヤ平面上に、上下方向に貫通して固定される出力ピン57が、支持プレート52の後方側で出力ギヤ56と一体的に回動するように設けられている。
【0032】
該出力ギヤ56の上方側に突出した出力ピン57の上端側は、補強プレート51に設置した前記ポンテンショメータ48と連結されており、ポテンショメータ48によって出力ピンの回転量(回動量)を検出することによって、ステアリングシャフト33の回転量を検出し、これによって走行機体3の操向操作位置を検出するものである。
【0033】
このとき、ポテンショメータ48の揺動アームは、出力ピン57を一方側から付勢するように配置し、ステアリングハンドルの操作に連動して変動する揺動アームの付勢位置を検出する構成(図6(A)参照)であっても、ポテンショメータ48の揺動アームが出力ピン57に直接取付けられてステアリングの左右回転に合わせて左右揺動する構成であっても良い。
【0034】
また、出力ギヤ56の下方側に突出した出力ピン57の下端側は、支持プレート52の後方側に突出されており、支持プレート52の後部側に延設して形成された一対の規制部58,58の範囲内でのみ出力ピン57が回動するように構成されており、上記範囲外への出力ピン57の回動は、出力ピン57の下端側と規制部58,58との当接によって規制される(図6(B)参照)。
【0035】
なお、該出力ピン57は、上記構成で減速されることにより、ステアリングハンドル23を最大限に操向操作した場合であっても、出力ピン57の下端側が規制部58,58と当接しないように構成されているため、出力ギヤ56に取付けられた出力ピン57が左右回動するに際して、出力ピン57が支持プレート52に接触した状態で過負荷がかかって破損することはない。しかし、特に、操向検出機構40の組付け作業時や、そのメンテナンス時に過剰にステアリングシャフト33が回転した場合であっても前記規制部58,58によって出力ピン57が所定の範囲外に回動することを規制することができるため、出力ピン57の上端側に取付けたポテンショメータ48の故障を防止することができる。
【0036】
当該構成の操向検出機構40によれば、ポテンショメータ48をステアリングコラム34下端側に設置することができるため、圃場での植付作業等を行う場合であっても、圃場の泥水等することによる故障を防止することができる。また、該操向検出機構40を支持する支持ブラケット46は、前後方向が開放された枠状であって、減速部47及びポテンショメータ48が該支持ブラケット46の枠内に収められるため、シンプルな構成で且つコンパクトに取付けることができるとともに、操縦部18側のリヤカバー32を取りはずことによって、操縦部18側から容易に操向検出機構40のメンテナンスを行うことができる。
【0037】
ちなみに、前記支持プレート52は、右端側が下方に屈曲されて支持ブラケット46の右側面とボルト固定され、左端側が上方に向う鉤型に屈曲されて補強プレート51の下端側にボルト固定される構成となっているため、前記減速部47を支持ブラケット46内部側から容易に着脱することができるため、よりメンテナンス性に優れている。
【0038】
上述の操向検出機構40のポテンショメータ48によって検出された走行機体3の操向位置(ステアリングシャフトの回転)は、後述する制御部61によって次のような制御に利用される。
植付作業を行っている走行機体3が畦際に達した際に、前輪1の操向操作が検出されると、植付作業機6が駆動停止するとともに上昇駆動され、走行機体3が植付作業を開始する位置まで旋回されると、植付作業機6が自動的に下降駆動させ、植付作業を開始する植付作業機自動制御に利用される。詳細は後述する。
【0039】
なお、操向位置の検出を行うにあたり、操向検出機構40によってパワーステアリング装置36の上流側に位置するステアリングシャフト33の回転数を検出するため、検出されたステアリングシャフト33の回転数を、パワーステアリング装置36を介したパワーステアリング制御に利用することもできる。
【0040】
次に、図7及び図8に基づき、制御部の構成について説明する。
図7は、制御部のブロック図である。該制御部61の入力側には、植付作業が可能な状態に制御部を切換える作業機準備スイッチ62と、前記主変速レバー27や副変速レバー28やスロットルレバー29等からなる作業機操作レバー27,28,29と、上述の植付作業機自動制御のON・OFFを切換える旋回時自動スイッチ63と、植付作業機自動制御において植付クラッチ68の入切のタイミングを調整する調整ダイヤル64と、前記操向検出機構40のポテンショメータ48であるステアリングセンサ48と、後輪2,2の回転数によって走行距離を計測する後輪回転センサ66とが設けられている。一方、制御部61の出力側には、植付作業機6の昇降作動を行う油圧バルブ67と、植付作業機6の駆動の入切を行う植付クラッチ68とが設けられている。
【0041】
図8は、植付作業機自動制御の態様を示す概略図である。図より、前記旋回自動スイッチ63がON操作されている状態で、植付クラッチ68を入操作し、圃場への苗の植付作業を行っている際に、圃場の一端側まで植付作業を行い、旋回するためにステアリングハンドル23が所定以上に操向操作されたことを前記ステアリングセンサ48が検出した場合(A)は、制御部61を介して、植付クラッチ68が切操作されるとともに、油圧バルブ67により植付作業機6が上昇駆動される。次に、ステアリングハンドル23が所定以上に操向操作を検出した位置から、前記後輪回転センサ66によって計測される走行距離が所定距離に達したことが検出された場合(B)は、油圧バルブ67により植付作業機6を下降駆動し、ステアリングハンドル23が所定以上に操向操作された後に、植付開始用の所定の走行距離を走行し、且つ植付作業機6の下降が完了した場合(C),植付クラッチ68を入操作して、植付作業を再開する。
【0042】
このとき、植付クラッチ68の入切が行われるタイミング(図8記載の距離(A)〜(C))は、前記調節ダイヤル64によって調整できるように構成されているため、圃場での旋回作業時における植付作業の入切を適切なタイミングに調整することができる。
【符号の説明】
【0043】
27 主変速レバー(レバー操作具)
28 副変速レバー(レバー操作具)
29 スロットルレバー(レバー操作具)
33 ステアリングシャフト
46 支持ブラケット(支持枠)
47 減速部(減速機構)
48 ポテンショメータ(検出センサ)
52 支持プレート
58 規制部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操向位置を検出する検出センサ(48)を備えた作業車両であって、ステアリングシャフト(33)の回転を減速して前記検出センサ(48)に伝える減速機構(47)を、該ステアリングシャフト(33)に設け、検出センサ(48)からのステアリングシャフト(33)の回転によって、操向位置を検出する作業車両。
【請求項2】
矩形状の支持枠(46)の内側に前記減速機構(47)及び検出センサ(48)を支持して設けた請求項1記載の作業車両。
【請求項3】
前記支持枠(46)を、前後両側が開放される姿勢で設け、該支持枠(46)の左右側部側にレバー操作具(27,28,29)を支持した請求項2記載の作業車両。
【請求項4】
前記支持枠(46)の左右側部の間に架設された支持プレート(52)に前記減速機構(47)を支持し、検出センサ(48)の検出範囲内に減速機構(47)の作動範囲を規制する規制部(58)を一体的に支持プレート(52)に形成した請求項2又は3何れか記載の作業車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−240504(P2012−240504A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−111059(P2011−111059)
【出願日】平成23年5月18日(2011.5.18)
【出願人】(000001878)三菱農機株式会社 (1,502)
【Fターム(参考)】