説明

保管庫

【課題】接触式ICチップのデータを確実に読み取って保管物管理の信頼性を向上させると共に、保管物を確実にロックしてセキュリレベルを高める。
【解決手段】保管物11,13を収納する複数の保管庫用ユニット12,14が配列された保管庫1において、保管物11,13は、保管物識別IDを記憶する第1接触式ICチップ26の2つの端子27,28が露出する第1電子キー22,51を有し、保管庫用ユニット12,14は、第1電子キー22,51が差し込まれる第1錠前46と、第1錠前46に差し込まれた第1電子キー22,51をロックする第1ロック手段36と、第1錠前46に差し込まれた第1電子キー22,51の2つの端子27,28に接触して第1接触式ICチップ26からデータを読み取る第1データ読み取り手段47,48と、保管物識別IDを取得し、保管物11,13を管理する保管物管理手段7と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保管物を収納する複数の保管庫用ユニットが収納ボックスに配列された保管庫に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オフィスにおいては、個人情報や機密情報が書き込まれたCD−ROMやUSBメモリ、ファイルなどを複数の人が共有して使用している。近年、個人情報保護法等により、情報の安全管理が要求されている。そのため、CD−ROMやUSBメモリ、ファイルなどの保管物は、IDカードなどで個人認証しなければ開閉できない保管庫に保管されている。このような保管庫の具体例として、例えば特許文献1記載の鍵保管庫がある。
【0003】
図20は、特許文献1に記載する鍵保管庫の外観斜視図である。
鍵保管庫は、持ち運び可能なケース100に、複数のロックユニット101が縦横に配列されている。各ロックユニット101には、鍵ユニット102が着脱自在に保持されている。鍵ユニット102は、タグカード103にワイヤ104を介して鍵105が連結されている。
【0004】
図21は、図20に示すロックユニット101の内部構造を示す図である。
ロックユニット101は、タグカード103に取り付けられたICタグ107のデータを読み取るICリーダ108が取り付けられている。ロックユニット101は、フックレバー110が揺動可能に軸支されている。ロックユニット101は、タグカード103の下方に、ソレノイド111がプランジャ112を図中上下方向に移動させるように配置されている。プランジャ112には、フックレバー110の揺動を規制するための水平板113が取り付けられている。
【0005】
図20に示す鍵管理装置100は、鍵保管時には、図21に示すように、ソレノイド111がプランジャ112を突出させ、水平板113を介してロックレバー110の揺動を規制している。ロックレバー110は、先端部110aをタグカード103の切欠部103aに引っ掛け、鍵ユニット102をロックユニット101から取り出せないようにしている。
【0006】
鍵保管庫は、図示しない認証装置で個人認証すると、ケース100を開くことを許可する。鍵保管庫は、個人認証したユーザが使用権限を有する鍵105を収納しているロックユニット101のLED109を点灯させる。ユーザがケース100に設けたテンキー115にキー番号を入力すると、鍵保管庫は、キー番号に対応するロックユニット101のソレノイド111に電圧を印加してプランジャ112を下方へ移動させ、水平板113をフックレバー110の後端部から外す。これにより、フックレバー110は揺動自在になる。従って、ユーザは、タグカード103を上方へ引っ張れば、フックレバー110の先端部110aがタグカード103の切欠部103aから外れ、鍵ユニット102をロックユニット101から取り外すことができる。
【0007】
尚、鍵105の返却時には、上記と逆手順で行えばよい。このとき、鍵保管庫は、タグカード103のICタグ107をICリーダ108で読み取り、どのロックユニット101に鍵ユニット102が返却されたかを認識する。
【0008】
このような鍵保管庫によれば、ケース100に収納されるロックユニット101の構造が同じであり、鍵ユニット102の返却位置が限定されず、鍵105をケース100に戻しやすい。
【0009】
【特許文献1】特開2006−257643号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
(1)しかしながら、従来の鍵保管庫は、タグカード104のICタグ107をICリーダ108で非接触で読み取るときに、ICタグ107が発生する電波が隣のICタグが発生する電波と干渉して、ICリーダ108がICタグ107のデータを正確に読み取れないことがあった。
【0011】
この点、出願人は、特願2006−187820号において、個々の保管物が接触式ICチップを取り付けられ、保管庫用ユニットが、個々の保管物に取り付けた接触式ICチップの2つの端子に接触して接触式ICチップからデータを読み取るユニット用データ読み取り手段と、保管庫用ユニットを識別するユニット用接触式ICチップとを備え、保管庫が、ユニット用接触式ICチップの2つの端子に接触してユニット用接触式ICチップからデータを読み取る保管庫用データ読み取り手段を備える保管庫を提案している。
【0012】
この技術によれば、保管庫用ユニットを保管庫に収納し、さらに各保管庫用ユニットに保管物を収納すれば、ユニット用データ読み取り手段が接触式ICチップから読み取ったデータと、保管庫用データ読み取り手段がユニット用接触式ICチップから読み取ったデータに基づいて、保管庫がどの保管庫用ユニットに何の保管物を収納しているかを自動的に認識するので、保管庫用ユニットの取り付けや交換が容易である。
【0013】
出願人は、この技術を実施するに当たり、接触式ICチップやユニット用接触式ICチップの2つの端子を1個の電極板を折り曲げて弾性変形可能に構成し、その接触式ICチップやユニット用接触式ICチップの2つの端子の間にワイヤ状のユニット用データ読み取り手段と保管庫用データ読み取り手段を挿入して、接触式ICチップやユニット用接触式ICチップの2つの端子をユニット用データ読み取り手段と保管庫用データ読み取り手段に接触させることを試みた。この場合、1本のワイヤ状のユニット用データ読み取り手段と保管庫用データ読み取り手段には、複数の接触式ICチップやユニット用接触式ICチップの端子を接触させた。これによると、接触式ICチップやユニット用接触式ICチップは、2つの端子がユニット用データ読み取り手段と保管庫用データ読み取り手段を挟み込む弾性力が安定しないと、ユニット用データ読み取り手段と保管庫用データ読み取り手段から浮いて接触不良を生じ、データが読み取られない不具合を生じることが分かった。
【0014】
(2)また、従来の鍵保管庫は、タグカード103の切欠部103aにロックレバー110を引っ掛けることにより鍵ユニット102をロックし、鍵ユニット102をロックユニット101から取り出すときには、ソレノイド111によって揺動可能にされたロックレバー111をタグカード103を引っ張り上げることによって揺動させ、切欠部103aから外していた。そのため、タグカード103の切欠部103aが損傷しやすかった。タグカード103が損傷すると、権限のない第三者がタグカード103をロックユニット111から引き抜くことが可能となり、セキュリティが低かった。
【0015】
そこで、本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、接触式ICチップのデータを確実に読み取って保管物管理の信頼性を向上させると共に、保管物を確実にロックしてセキュリレベルを高めることができる保管庫を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するために、本発明に係る保管庫は以下の構成を有する。
(1)保管物を収納する複数の保管庫用ユニットが内部に配列されたものであって、扉の開閉を許可する開閉許可手段と、権限認証を行う認証手段と、前記認証手段が正当な権限を認証した場合に前記扉の開閉を前記開閉許可手段に許可させる開閉許可制御手段と、が備えられた保管庫において、前記保管物は、前記保管物を識別する保管物識別IDを記憶する第1接触式ICチップの2つの端子が外部に露出する第1電子キーを有し、前記保管庫用ユニットは、前記第1電子キーが差し込まれる第1錠前と、前記第1錠前に差し込まれた前記第1電子キーをロックする第1ロック手段と、前記第1錠前に差し込まれた前記第1電子キーの前記2つの端子に接触して前記第1接触式ICチップからデータを読み取る第1データ読み取り手段と、前記第1データ読み取り手段が前記第1接触式ICチップから読み取った前記保管物識別IDを取得し、前記保管物を管理する保管物管理手段と、を有する。
【0017】
(2)(1)に記載の発明において、前記保管庫用ユニットは、前記保管庫用ユニットを識別するユニット識別IDを記憶する第2接触式ICチップの2つの端子が外部に露出する第2電子キーを有し、前記保管庫は、前記第2電子キーが差し込まれる第2錠前と、前記第2錠前に差し込まれた前記第2電子キーをロックする第2ロック手段と、前記第2錠前に差し込まれた前記第2電子キーの前記2つの端子に接触して前記第2接触式ICチップから前記ユニット識別IDを読み取ると共に、前記第1データ読み取り手段が読み取った前記保管物識別IDを読み取る第2データ読み取り手段と、前記第2データ読み取り手段が読み取った前記ユニット識別IDを取得し、前記保管庫用ユニットを管理するユニット管理手段と、を有する。
【0018】
(3)(1)又は(2)に記載の発明において、前記保管庫用ユニットは、前記保管物を収納する間口毎に前記第1ロック手段を設け、前記保管庫は、前記認証手段が前記保管物の正当な使用権限を認証した場合に、権限認証された前記保管物を収納する間口に対応する前記第1ロック手段のロック解除を許可する第1ロック解除制御手段を有する。
【0019】
(4)(2)又は(3)に記載の発明において、前記保管庫用ユニットを収納する間口毎に前記第2ロック手段を設け、前記認証手段が前記保管庫用ユニットの正当な着脱権限を認証した場合に、権限認証された前記保管庫用ユニットを収納する間口に対応する前記第2ロック手段のロック解除を許可する第2ロック解除制御手段を有する。
【0020】
(5)(1)乃至(4)の何れか一つに記載の発明において、前記保管庫用ユニットは、前記第1電子キー又は前記第2電子キーが差し込まれる第3錠前と、前記第3錠前に差し込まれた前記第1電子キー又は前記第2電子キーをロックする第3ロック手段と、個人認証を行う個人認証手段と、前記個人認証手段が権限認証した場合に第1ロック手段による第1電子キーのロック、又は、前記第3ロック手段による前記第2電子キーのロックを解除する第3ロック解除制御手段と、を有する外部専用装置に接続されるものである。
【0021】
(6)(2)乃至(5)の何れか一つに記載の発明において、前記保管物及び前記保管庫用ユニットの配置を画面表示する配置表示手段を有する。
【発明の効果】
【0022】
上記構成を有する本発明の保管庫は、保管庫用ユニットの第1錠前に保管物の第1電子キーを差し込み、第1接触式ICチップの2つの端子を第1データ読み取り手段に確実に接触させることにより、保管物識別IDを確実に取得し、保管物を管理するので、保管物管理の信頼性が向上する。また、本発明の保管庫は、保管物の第1電子キーを保管庫用ユニットの第1ロック手段でロックするため、電子キーがロック時やロック解除時に損傷せず、初期ロック状態が維持されるので、セキュリレベルを高めることができる。
【0023】
また、本発明の保管庫は、保管庫の第2錠前に保管庫用ユニットの第2電子キーを差し込み、第2接触式ICチップの2つの端子を第2データ読み取り手段に確実に接触させることにより、ユニット識別IDを取得し、保管庫用ユニットの配列を認識する。そして、各保管庫用ユニットは、保管庫の第2ロック手段によりロックされる。よって、本発明の保管庫によれば、保管庫用ユニットを正確に把握するとともに、各保管庫用ユニットをロックして無断持ち出しを禁止するため、セキュリティレベルを向上させることができる。
【0024】
また、本発明の保管庫は、保管庫用ユニットの保管物を収納する間口毎に第1ロック手段を設け、保管庫の認証装置で使用権限を認証された保管物を収納する間口に対応する第1ロック手段についてのみロック解除を許可するので、扉を開いたときに使用権限のない保管物が持ち出されることを防止できる。
【0025】
また、本発明の保管庫は、保管庫の保管庫用ユニットを収納する間口毎に第2ロック手段を設け、保管庫の認証装置で着脱権限を認証された保管庫用ユニットを収納する間口に対応する第2ロック手段についてのみロック解除を許可するので、扉を開いたときに着脱権限のない保管庫用ユニットが持ち出されることを防止できる。
【0026】
また、本発明の保管庫は、保管物を収納する保管庫用ユニットの第2電子キーを外部専用装置の第3錠前に差し込み、第3ロック手段で第2電子キーをロックして保管庫用ユニットを外部専用装置に取り付ける。保管庫用ユニットは、第1電子キーを第1ロック手段でロックして保管物を持ち出せない状態にしている。外部専用装置の個人認証装置で保管物の使用権限が認証されると、権限認証された保管物に対応する第1ロック手段のロックを解除し、保管物を持ち出せる状態にする。保管庫用ユニットを外部専用装置から取り外す場合には、個人認証手段で個人認証してから第3ロック解除手段を操作することにより、第3ロック手段のロックを解除し、第2電子キーを第3ロック手段から抜き出して保管庫用ユニットを外部専用装置から取り外す。よって、本発明の保管庫によれば、保管庫用ユニットを保管庫と別の場所でも、セキュリティを確保しながら保管物を使用することができるので、利便性が良い。
【0027】
また、本発明の保管庫は、保管庫用ユニットの配列や、各保管庫に収納される保管物の配置を認識し、それを配置表示手段に画面表示させるため、保管庫の扉を開かなくても、保管庫用ユニットと保管物の収納状況を確認することができ、便利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
次に、本発明に係る保管庫の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0029】
(第1実施形態)
<保管庫の全体構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係り、保管庫1の外観斜視図であって、扉4を開いた状態を示す。図2は、図1に示す保管庫1の外観斜視図であって、扉4を閉じた状態を示す。
図1及び図2に示すように、保管庫1は、2個の収納ボックス2を積み上げて固定したものである。第1実施形態では、保管庫1は、同一構造の収納ボックス2,2を使用するが、引き出し式など別構造の収納ボックスを使用していても良い。
【0030】
図1に示すように、収納ボックス2は、一方に開口する箱状に形成した本体3を備える。本体3の開口部は、観音開き式の扉4,4によって開閉される。各収納ボックス2は、電子錠5(「開閉許可手段」の一例)が扉4に取り付けられ、電子錠5が解錠されているときに開閉を許可される。各収納ボックス2の本体3には、複数の棚8が水平に架設されている。各棚8には第1保管庫用ユニット12や第2保管庫用ユニット14がそれぞれ並べて配置されている。
【0031】
図2に示すように、保管庫1は、上段の収納ボックス2に、権限の認証を行う認証装置6(「認証手段」の一例)が取り付けられている。認証装置6と各収納ボックス2の電子錠5は、制御装置7(「開閉許可制御手段」、「管理手段」、「第1ロック解除制御手段」、「第2ロック解除制御手段」の一例)に接続されている。
【0032】
<第1保管庫用ユニットとUSBメモリユニット>
図3は、図1に示す第1保管庫用ユニット12の外観斜視図である。
第1保管庫用ユニット12は、「保管物」の一例であるUSBメモリ11を複数収納するものである。USBメモリ11は、ワイヤ21を介して電子キー22(「第1電子キー」の一例)に連結され、USBメモリユニット20を構成している。
【0033】
図4は、図3に示す電子キー22の内部構造を示す図である。
電子キー22は、金属製の差込体23と樹脂製の樹脂ケース24とICチップ用基板25を備える。差込体23は、樹脂ケース24に収容されている本体部23eから差込部23dが延設されている。本体部23eには、ICチップ用基板25を収納するための開口部23aが形成されている。一方、差込部23dには、一対のストッパ部23bが反対向きに張り出すように設けられ、ストッパ部23bと先端部との間に、ロック係止部23cが形成されている。第1実施形態では、ロック係止部23は円形状の孔で構成されている。
【0034】
ICチップ用基板25には、接触式ICチップ26(「第1接触式ICチップ」の一例)と、接触式ICチップ26の第1端子27及び第2端子28と、LED29がはんだ付けで溶接されている。ICチップ用基板25は、延設部25a,25bが所定間隔を空けて平行に延設されている。第1端子27と第2端子28は、延設部25a,25b上に取り付けられてバックアップされた状態で、差込体23と絶縁されている。
【0035】
図5は、図3に示す電子キー22の接触式ICチップ26からデータを読み取る回路を示す図である。
電子キー22は、第1整流ダイオードD1のアノード側が接触式ICチップ26に接続され、第1整流ダイオードD1のカソード側が第1端子27に接続されており、第2端子28から第1端子27へ電流を流すようになっている。第1抵抗R1は、第1整流ダイオードD1と並列に設けられ、非線形素子である接触式ICチップ26に僅かな電流が流れたときでも第1整流ダイオードD1をON状態に切り替えられるようにしている。
【0036】
また、電子キー22は、接触式ICチップ26と並列にLED29が設けられている。第2整流ダイオードD2は、アノード側が第1端子27に接続され、カソード側がLED29に接続されており、第1端子27から第2端子28へ電流を流すように配置されている。第2抵抗R2は、LED29と第2端子28との間に配置され、LED29に流れる電流を安定させる。
【0037】
図4に示すように、樹脂ケース24は、中空状であるため、ICチップ用基板25が位置ずれする恐れがある。そのため、樹脂ケース24は、ICチップ用基板25やLED29の周りに沿ってリブ24aが内側面に立設され、リブ24aと差込体23との間でICチップ用基板25やLED29を位置決め保持している。
【0038】
図3に示すように、樹脂ケース24は、LED29が外部に露出し、LED29の点滅状態を目視できるようになっている。樹脂ケース24の側面には、鍵番号を表示する鍵番号表示部24bが設けられている。
【0039】
図3に示すように、第1保管庫用ユニット12は、金属を箱状に形成したユニット本体31に取手32が取り付けられている。ユニット本体31には、複数のロックユニット33が配列されている。各ロックユニット33は、前面をユニット本体31の外部に露出させるようにしてユニット本体31に取り付けられている。
【0040】
各ロックユニット33の前面には、電子キー22の差込部23dを差し込むための差込口34が設けられている。差込口34の上方には、USBメモリ11を収納する間口の間口番号を表示する間口番号表示部35が設けられている。各ロックユニット33は、後述するロック機構36を内蔵し、USBメモリ11の着脱を管理する。
【0041】
そして、ユニット本体31は、各ロックユニット33の上方に、照光式押しボタンスイッチ37(「第1ロック解除制御手段」の一例)が設けられている。照光式押しボタンスイッチ37は、ロック解除可能な間口を照光によって知らせると共に、ロック機構36のロック解除指示を入力するものである。
【0042】
ユニット本体31は、ロックユニット33が露出する面(前面)と反対側の面(背面)に、ユニット用電子キー38(「第2電子キー」の一例)が取り付けられている。ユニット用電子キー38は、LED29を備えない点を除き、上記電子キー22と同一の構成を有する。ユニット用電子キー38は、差込部23dをユニット本体31から背面側に突き出すように、ユニット本体31に一体に取り付けられている。。また、ユニット本体31の背面には、電力供給用配線や通信用配線をまとめたコネクタ39が設けられている。
【0043】
<ロック機構>
図6は、図3に示すロック機構36の外観斜視図であって、ロック状態を示す。図7は、図6に示すロック機構36の側面図である。図8は、図7に示すロック機構36のA−B−C−D断面図である。図9は、図8に示すロック機構36であって、ロック解除状態を示す。
ロック機構36(「第1ロック手段」の一例)は、ロックユニット33の箱状ケースに内設されている。ロック機構36は、ソレノイド42を駆動源として電子キー22のロック又はロック解除を行う。ロック機構36は、構造をコンパクトにするために、ソレノイド42と可動体45と錠前46とを同軸上に配置している。
【0044】
ロック機構36は、ソレノイド42を保持する保持部材41を備える。保持部材41は、ソレノイド42の周りを覆うようにソレノイド42に装着され、ロックユニット33のケース天井に吊り下げるようにして固定される。ソレノイド42に装填されたプランジャ43は、ソレノイド42へ非通電のときには、自重によってソレノイド42から突き出し、ソレノイド42への通電時には、ソレノイド42内へ引っ込むように移動する。プランジャ43の先端には、可動体45が固定されている。プランジャ43は、緩衝用ばね44が傾き防止ピン40によって傾きを防止された状態でプランジャ43に装着され、ソレノイド42内へ移動したときに可動体45が保持部材41にぶつかる衝撃を緩和するように配置されている。
【0045】
可動体45は、剛性がある金属を材質とし、ソレノイド42の横幅と略同一幅の長方形状をなす。可動体45は、開口部45aが打ち抜き等により長方形状に形成されている。可動体45は、開口部45aの縁がプランジャ43の移動方向に対して平行になるようにプランジャ43に取り付けられている。開口部45aは、プランジャ43の移動方向に対して平行な縁に、凹状の逃げ部45bが線対称に設けられている。
【0046】
錠前46(「第1錠前」の一例)は、開口部45aに挿通できるように、樹脂を略直方体形状に形成したものである。錠前46は、電子キー22の差込部23dが差し込まれる挿入部46aが形成され、その挿入部46aが開口する一端外周に、大径部46cが円柱状に設けられている。錠前46は、大径部46cに開口する挿入部46aをロックユニット33の差込口34(図3参照)に位置合わせした状態で、ロックユニット33のケース内壁に固定されている。
【0047】
このようにロックユニット33に固定される錠前46は、可動体45に対して、プランジャ43の移動方向に沿って相対的に移動するように開口部45aに挿通されている。錠前46は、開口部45aの縁と対向する部分に、一対の収納穴46d,46dが線対称に開設されている。一対の収納穴46d,46dは、プランジャ43の移動方向に対して平行な側面から挿入部46aに連通するように開設されている。一対の収納穴46d,46dには、それぞれスライド部材49が摺動可能に装填されている。
【0048】
スライド部材49は、可動体45が開口部45aの縁を収納穴46d上に配置している場合には、可動体45によって挿入部46a側へ押し出される一方、可動体45が逃げ部45bを収納穴46d上に配置する場合には、可動体45によって挿入部46a側へ押し出される力を解除される。第1実施形態では、スライド部材49は、収納穴46dの内壁との間に生じる摩擦を低減するためにボール形状をなす。また、スライド部材49は、摩耗を少なくするために、金属を材質とする。
【0049】
錠前46の大径部46cには、電子キー22の差込部23dを挿入部46aに差し込んだときに、ロック係止部23cをスライド部材49,49に位置合わせするように、差込部23dのストッパ部23bを係止する係止凹部46bが形成されている。大径部46cは、係止凹部46bから両側にそれぞれ90度ずれた位置に、第1リードライト端子47と第2リードライト端子48(「第1データ読み取り手段」の一例)とを配置するための装着凹部46eがそれぞれ形成されている。第1及び第2リードライト端子47,48は、電子キー22をストッパ部23bを係止凹部46bの内壁に突き当てるように差込部23dを挿入部46aに差し込んだときに、電子キー22の第1端子27と第2端子28にそれぞれ接触するように、各装着凹部46eに取り付けられている。
【0050】
ここで、第1及び第2リードライト端子47,48が接触式ICチップ26にデータを読み書きするリードライト回路の一例について、図5を参照して説明する。
第1及び第2リードライト端子47,48は、接触式ICチップ26に設けた第1及び第2端子27,28に接触して第1及び第2端子27,28の極性を切り替えることにより、接触式ICチップ26にデータを読み書きすることと、LED29に電流供給を供給することを交互に行う。
【0051】
第1及び第2リードライト端子47,48は、c接点がa接点又はb接点に切り替えて接続されるようになっている。第1及び第2リードライト端子47,48は、タグリードライト切替制御信号を受信しない間は、c接点がa接点に接続し、タグリードライト切替制御信号を受信すると、c接点がb接点に接続するように、接点切換が行われる。第1実施形態では、タグリードライト切替制御信号は、LED29が発光する光とする。
【0052】
第1リードライト端子47のa接点と第2リードライト端子48のb接点は、グランドに接続されている。一方、第2リードライト端子48のa接点は、制御装置7の電力供給ポート7aに接続されている。そして、第1リードライト端子47のb接点は、制御装置7の信号入力ポート7bに接続している。プルアップ抵抗R3は、第2端子のa接点と電源16との間の接続点P1と、第1リードライト端子47のb接点と信号入力ポート7bとの間の接続点P2とに接続し、電力供給ポート7aから第1リードライト端子47又は第2リードライト端子48へ印加する電圧を5Vに安定させている。従って、第1及び第2リードライト端子47,48は、接点切替を行うと、第1及び第2端子27,28を流れる電流の向きが逆転し、極性を切り替える。
【0053】
<第2保管庫用ユニットとCD−ROM>
図10は、図1に示す第2保管庫用ユニット14の外観斜視図である。図11は、図10に示す第2保管庫用ユニット14にCD−ROM13を収納した状態を示す。図12は、図10に示す第2保管庫用ユニット14の背面図である。
第2保管庫用ユニット14は、複数のCD−ROM13を収納するものである。CD−ROM13を収容するケース15には、電子キー51(「第1電子キー」の一例)が取り付けられている。電子キー51は、ケース15の形状に合わせて樹脂ケース52や差込体54の本体部(図示せず)の形状を変えていることを除き、電子キー22と同様の構成を有する。
【0054】
図13は、図1に示すCD−ROM13の電子キー取り付け構造を示す図である。
電子キー51は、樹脂ケース52が長い板状をなし、一端に突起52aが設けられている。ケース15のヒンジ側(図中手前側)を正面とした場合に、樹脂ケース52が、突起52aをケース15の縁に引っ掛けるようにしてケース15に接着材などで貼付され、ケース15の開閉を阻害しないように固定されている。樹脂ケース52は、他端がケース15の正面側へ突き出し、突き出した部分にLED53が視認可能に配設されている。樹脂ケース52には、間口番号を表示する間口番号表示部52bが設けられている。樹脂ケース52は、金属製の差込体54に設けた差込部23dが外部に突出し、その差込部23dの両側に第1及び第2端子27,28が配置されている。
【0055】
図10及び図11、図12に示すように、第2保管庫用ユニット14は、ユニット本体61の上面に取手62が取り付けられている。ユニット本体61は、剛性がある金属を材質とし、前面が開口する箱形状をなす。ユニット本体61の下面内壁には、複数の仕切板によってケース15を立てて収納する間口を複数備える収納プレート63が一体若しくは溶接等により設けられている。収納プレート63は、各間口毎に、間口番号を表示する間口番号表示部63aが設けられている。そして、ユニット本体61は、各収納間口に対応する位置に、照光式ボタンスイッチ64(「第1ロック解除制御手段」の一例)が設けられている。
【0056】
ユニット本体61は、収納プレート63の奥側に、上述したロック機構36を収容する収容部61aが設けられている。ロック機構36は、収納プレート63の各間口に対応するように収容部61aに配置されている。ロック機構36は、錠前46の挿入部46aが、CD−ROM13の収納時に電子キー51の差込部23dが移動する経路延長線上に配置されている。
【0057】
そして、ユニット本体61の背面側には、電子キー65(「第2電子キー」の一例)が取り付けられている。電子キー65は、LED29を備えない点を除き、上述した電子キー22と同様の構成である。電子キー65は、差込部23dを背面側に突出させ、差込部23dの両側に1端子27と第2端子28が配置されている。また、ユニット本体61の背面側には、電力供給用配線や通信用配線をまとめたコネクタ66が設けられている。
【0058】
<収納ボックス>
次に、収納ボックス2について説明する。図14は、図1に示す収納ボックス2の外観斜視図であって、第2保管庫用ユニット14を取り外した状態を示す。
収納ボックス2の各棚8には、第1保管庫用ユニット12が5個、第2保管庫用ユニット14が4個並べて配置される。各棚8には、上述したロック機構36と同一構造のロック機構75(「第2ロック手段」の一例)が収納段差部8aに内設されている。各ロック機構75は、プランジャ43を水平方向に摺動させるように配置され、錠前46の大径部46cが収納段差部8aから外部に露出している。収納段差部8aの上面には、第1又は第2保管庫用ユニット12,14のコネクタ39,66が接続する接続ポート71が、ロック機構75に対応して設けられている。各棚8には、第1又は第2保管庫用ユニット12,14にそれぞれ対応する位置に、ユニットロック解除スイッチ73(「第2ロック解除制御手段」の一例)が設けられている。ユニットロック解除スイッチ73も、照光式のボタンスイッチである。
【0059】
<制御装置の電気ブロック構成>
図15は、図1に示す制御装置7の電気ブロック構成を示す図である。
制御装置7は、周知のマイクロコンピュータであって、データの加工演算を行うCPU91と、プログラムを記憶するROM92と、プログラム実行時などにデータやプログラムを記憶するRAM93と、プログラムやデータを記憶するHDD94と、上位装置98との通信を制御する通信インターフェース95と、外部装置に接続されて信号の入出力を制御する外部インターフェース96とを備える。また、CPU91は、電源97に接続し、電力を供給される。
【0060】
外部インターフェース96には、各収納ボックス2に配置した電子錠5…と認証装置6が接続されている。また、外部インターフェース96には、保管庫1を構成する収納ボックス2の棚8に設けた各ユニットロック解除スイッチ73が接続されている。また、外部インターフェース96には、棚8に設けた各ロック機構75の第1及び第2リードライト回路47,48(「第2データ読み取り手段」の一例)とソレノイド42が接続している。また、外部インターフェース96には、収納ボックス2の接続ポート71にコネクタ66を介して接続する第1及び第2保管庫用ユニット12,14の各ロック機構36と各照光式ボタンスイッチ37,64が接続している。特に、ロック機構36は、第1及び第2リードライト回路47,48とソレノイド42が外部インターフェース96に接続されている。
【0061】
また、HDD94には、保管庫1を管理する管理権限を有する者の個人識別情報と管理権限を有する保管庫1の識別情報とを関連付けて記憶するデータベースと、保管庫用ユニットを着脱する着脱権限を有する者の個人識別情報と着脱権限を有する保管庫用ユニットのユニット識別IDとを関連付けて記憶するデータベースと、保管物を使用する使用権限を有する者の個人識別情報と使用権限を有する保管物の保管物識別IDとを関連付けて記憶するデータベースなどを備える。尚、これらの情報は、上位装置98に記憶させ、認証装置6が認証を行う度にネットワーク等を介して上位装置98に問い合わせるようにしても良い。さらに、HDD94には、保管物や保管庫用ユニットの使用履歴(貸出時間、返却時間、貸出又は返却した人の個人識別情報、扉4の開閉時間など)が記憶されている。
【0062】
第1実施形態では、制御装置7を上位装置98にネットワークなどを介して接続し、複数の保管庫を上位装置98で管理するようにしているが、安価且つ簡単に保管庫1を設置したい場合には、制御装置7を上位装置98に接続せずにスタンドアローンで設置すると良い。
【0063】
<載置台>
図16は、図1に示す第1又は第2保管庫用ユニット12,14を着脱可能な外部専用装置の一例を示す図である。
「外部専用装置」の一例であるデータ読み取り機能付き載置台81は、例えばデスク80上に固定されている。載置台81は、社員証のICチップなどから個人IDを読み取って個人認証する個人認証装置82(「個人認証手段」の一例)が設けられている。載置台81は、上述のロック機構36と同一構造のロック機構85(「第3ロック手段」の一例)を備える。ロック機構85は、錠前46の大径部46cが載置台81の外部に露出し、錠前46(「第3錠前」の一例)に差し込まれた保管庫用ユニット12,14の電子キー38,65をロックするよう構成されている。また、載置台81は、個人認証装置82によって保管庫用ユニット12,14の着脱権限を認証した場合にロック機構85のロックを解除するロック解除スイッチ83(「第3ロック解除制御手段」の一例)と、ユニットのコネクタ39,66に接続する接続ポート84を備える。
【0064】
載置台81は、図示しないコンセントを電源につなぎ、電力を供給される。載置台81は、図示しないマイクロコンピュータを内蔵し、保管物の利用履歴を管理している。
【0065】
<搬送ケース>
図17は、図1に示す第1又は第2保管庫用ユニット12,14を着脱可能な外部専用装置の一例を示す図である。
「外部専用装置」の一例である搬送ケース86は、1個又は2個以上の保管庫用ユニット12,14を収容するものである。搬送ケース86には、可搬性を高めるために、取手87を備える。搬送ケース86には、載置台81と同様、個人認証装置82、ロック機構85、ロック解除スイッチ83、接続ポート84が設けられている。
【0066】
<動作説明>
<保管庫の設置作業:保管庫用ユニットの取り付け>
例えば、保管庫1の管理責任者甲は、図1に示す保管庫1を設置する場合、制御装置7に上位装置98をネットワークを介して接続すると共に、制御装置7を電源97に接続する。そして、甲は、第1及び第2保管庫用ユニット12,14を収納ボックス2の各棚8に配置して、USBメモリ11とCD−ROM13を第1及び第2保管庫用ユニット12,14に収納する。
【0067】
具体的には、保管庫1の設置時には、甲は、認証装置6に社員証などのIDカードを近づける。認証装置6が、IDカードから読み取ったデータを制御装置7のデータベースに照合して管理権限を認証すると、制御装置7は、電子錠5を解錠し、収納ボックス2の開閉を許可する。制御装置7は、収納ボックス2の各ユニットロック解除スイッチ73を点灯し、ロック解除可能であることを甲に知らせる。この時点では、ロック機構75は、ソレノイド42に電圧が印加されておらず、図6、図7、図8に示すように、プランジャ43をソレノイド42から突出させている。そのため、可動体45は、逃げ部45bが錠前46の収納穴46dからずれた位置に配置され、開口部45aの縁がスライド部材49を錠前46の挿入部46a側に押し出している。よって、甲は、第1及び第2保管庫用ユニット12,14の電子キー38,65をロック機構75の錠前46に差し込み、第1及び第2保管庫用ユニット12,14を棚8に取り付けることができない。
【0068】
そこで、甲は、例えば図14に示すように、点灯しているユニットロック解除スイッチ73の一つを押下する。制御装置7は、押下されたユニットロック解除スイッチ73に対応するロック機構75のソレノイド42に電圧を印加する。すると、図9に示すように、ロック機構75は、プランジャ43がソレノイド42に吸引され。可動体45の逃げ部45bを錠前46の収納穴46dにそれぞれ位置合わせする。これにより、一対のスライド部材49は、可動体45に設けた開口部45aの縁によって押される力を解除され、挿入部46aから退避可能になる。
【0069】
例えば図14に示すように、甲が第2保管庫用ユニット14に設けた電子キー65の差込部23dを棚8に設けたロック機構75の錠前46に差し込むと、差込部23dの先端部が一対のスライド部材49,49を押し分けて、挿入部46aの奥まで挿入される。第2保管庫用ユニット14は、ストッパ部23bが錠前46に形成した係止凹部46bの内壁に突き当たるまで電子キー65の差込部23dを錠前46に差し込むと、電子キー65のロック係止部23cがスライド部材49,49の位置でちょうど停止する。またこのとき、電子キー65は、第1及び第2端子27,28がロック機構75の錠前46に設けた第1及び第2リードライト端子47,48に擦れて接触する。第1及び第2端子27,28は、差込部23dの両側においてICチップ用基板25の延設部25a,25bにバックアップされて変形を阻止されているので、第1及び第22リードライト端子47,48に確実に接触する。
【0070】
電子キー65の接触式ICチップ26には、当該第2保管庫用ユニット14を識別するためのユニット識別IDや、収納プレート63のレイアウト(間口番号など)などが記憶されている。制御装置7は、第2保管庫用ユニット14の第1及び第2リードライト端子47,48が電子キー65の接触式ICチップ26から読み取ったデータを、コネクタ66と接続ポート71を経由して取得し、保管庫1のどの棚8のどの位置に第2保管庫用ユニット14が収納されたかを自動的に認識する。
【0071】
ここで、制御装置7は、ソレノイド42への通電を開始してから所定時間(例えば30秒)が経過すると、ソレノイド42への通電を停止する。すると、ソレノイド42への通電を停止されたロック機構75は、プランジャ43がソレノイド42から突出する方向に移動し、可動体45の逃げ部45bをスライド部材49からずらし、開口部45aの縁でスライド部材49を錠前46の挿入部46aへ押し出し、電子キー65のロック係止部23cに嵌合させる。これにより、第2保管庫用ユニット14は、電子キー65がロック機構75にロックされ、収納ボックス2から取り出せなくなる。
【0072】
尚、第1保管庫用ユニット12は、第2保管庫用ユニット14と同様の手順で、電子キー38を棚8に設けたロック機構75にロックさせることにより、収納ボックス2に取り付けられ、保管庫1に収納されたことを制御装置7に自動認識される。
【0073】
従って、保管庫1は、第1及び第2保管庫用ユニット12,14の電子キー38,65を保管庫1のロック機構75にそれぞれ1個ずつ差し込み、各ロック機構75の第1及び第2データ読み取り端子47,48に電子キー38,65の接触式ICチップ26から第1及び第2保管庫用ユニット12,14のユニット識別IDを読み取らせるだけで、制御装置7のHDD94に、各棚8に設けた間口にどの保管庫用ユニット12,14が収納されているかを示すユニット配置情報を自動的に記憶させることができる。
【0074】
<CD−ROMの収納>
例えば、上記のように収納ボックス2に取り付けられた第2保管庫用ユニット14は、コネクタ66を介して保管庫1の制御装置7から電力を供給される。そのため、甲がCD−ROM13を収納する際には、制御装置7が、第2保管庫用ユニット14の照光式ボタンスイッチ64を全て点灯させている。甲が、点灯している照光式ボタンスイッチ64を押下すると、第2保管庫用ユニット14は、制御装置7から供給される電力を利用して、押下された照光式ボタンスイッチ64に対応するロック機構36のロックを解除する。ロック機構36のロック解除動作は、上述したロック機構75と同様であるので説明を省略する。
【0075】
そして、甲は、押下した照光式ボタンスイッチ64に対応する間口にCD−ROM13をケース15ごと挿入し、電子キー51の差込部23dをロック機構36の錠前46に差し込む。CD−ROM13は、ストッパ部23bを錠前46の係止凹部46bの内壁に突き当てるまで差込部23dを錠前46に差し込むと、第1及び第2端子27,28がロック機構36の第1及び第2リードライト端子47,48に接触し、接触式ICチップ26のデータを読み取られる。
【0076】
電子キー51の接触式ICチップ26には、CD−ROM13を識別するCD−ROM識別IDが記憶されている。第2保管庫用ユニット14は、電子キー51の接触式ICチップ26から読み取ったCD−ROM識別IDをコネクタ66を介して保管庫1の制御装置7に送信する。制御装置7は、CD−ROM識別IDを第2保管庫用ユニット14の間口や収納日時、甲の個人識別情報などと関連付けて記憶する。
【0077】
ここで、電子キー51は、接触式ICチップ26の第1端子27と第2端子28の間に電流を利用してLED53が点灯する。甲は、CD−ROM13の収納時に電子キー51の接触式ICチップ26が制御装置7にデータを読み取られないと、当該CD−ROM13が紛失した場合などに責任を負うことになる。そのため、甲は、LED53が点灯するようにCD−ROM13を第2保管庫用ユニット14に収納するようになり、接触式ICチップ26のデータ読み取り不良を未然に防止できる。
【0078】
尚、制御装置7は、照光式ボタンスイッチ64を押下してから所定時間(例えば30秒)が経過すると、ソレノイド42への通電を停止し、ロック機構36に電子キー51をロックさせる。このロック方法は、上記ロック機構75によるロックと同様であるので、説明を省略する。これにより、収納したCD−ROM13が第2保管庫用ユニット14から勝手に取り出せなくなる。
【0079】
<USBメモリの収納>
図3に示すように、USBメモリ11を第1保管庫用ユニット12に収納する場合には、照光式ボタンスイッチ37を押下してロック機構36のロックを解除した後、電子キー22の差込部23dをロックユニット33の差込部34からロック機構36の錠前46に差し込む。ロック機構36は、所定時間が経過すると、電子キー22をロックし、USBメモリ11を第1保管庫用ユニット12から勝手に取り出せないようにする。尚、電子キー22をロック機構36でロック又はロック解除する動作は、電子キー51,65をロック機構36,75でロック又はロック解除する場合と同様であるので、説明を省略する。
【0080】
USBメモリ11の収納時には、電子キー22は、ロック機構36の第1及び第2リードライト端子47,48に接触式ICチップ26のデータが読み取られる。電子キー22の接触式ICチップ26には、USBメモリ11を識別するUSB識別IDなどが記憶されている。制御装置7は、ロック機構36の第1及び第2リードライト端子47,48が電子キー22の接触式ICチップ26から読み取ったデータを第1保管庫用ユニット12のコネクタ39を介して取得し、甲の識別番号と、当該USBメモリ11の収納日時と、当該USBメモリのUSB識別IDとを、当該USBメモリ11を収納した第1保管庫用ユニット12の間口に関連付けて記憶する。
【0081】
従って、保管庫1は、USBユニット11及びCD−ROM13の電子キー22,51を第1及び第2保管庫用ユニット12,14に設けたロック機構36にそれぞれ1個ずつ差し込むことにより、各ロック機構36の第1及び第2データ読み取り端子47,48が電子キー22,51の接触式ICチップ26から読み取ったUSBメモリ11のUSB識別ID及びCD−ROM13のCD−ROM識別IDを、第1及び第2保管庫用ユニット12,14の電子キー38,65を介して制御装置7のHDD94に自動的に記憶する。制御装置7のHDD94には、第1及び第2保管庫用ユニット12,14に設けた各間口にどのUSBメモリ11又はCD−ROM13が収納されているかを示す保管物配置情報が記憶される。
【0082】
<保管物の貸出>
例えば、会社員乙のIDカードには、乙が使用権限を有するUSBメモリ11のUSB識別IDと乙の個人識別情報が記憶されている。乙が、保管庫1の認証装置6にIDカードを近づけると、認証装置6は、IDカードから乙の個人識別情報と使用権限とを読み出して権限認証を行う。制御装置7は、認証装置6が正当な使用権限が乙にあることを認証すると、乙が使用権限を有するUSBメモリ11を収納する収納ボックス2の電子錠5を解錠し、開閉を許可する。
【0083】
乙が電子錠5を解錠された収納ボックス2の扉4を開くと、乙が使用権限を有するUSBメモリ11を収納する間口の照光式ボタンスイッチ37が点灯し、取り出し可能なUSBメモリ11の所在を乙に明示している。乙は、点灯している照光式ボタンスイッチ37を押下し、ロック機構36によるロックを解除してから、USBメモリ11をロックユニット33の差込口34から引き抜いて持ち出す。尚、乙が、誤って消灯している照光式ボタンスイッチ37を押下しても、制御装置7は、押下された照光式ボタンスイッチ37に対応するロック機構37のロックを解除しない。
【0084】
制御装置7は、乙が扉4を閉じると、電子錠5を施錠し、扉4の開閉を制限する。そして、制御装置7は、それまで認識していたUSBメモリ11のUSB識別IDを認識できなくなったことに基づいて、USBメモリ11が取り出されたことを認識する。そこで、制御装置7は、乙の個人識別情報と、乙が扉4を開閉した日時、乙が持ち出したUSBメモリ11のUSB識別ID、USBメモリ11を持ち出した日時、USBメモリ11が収納されていた間口などをを互いに関連付けて記憶する。
【0085】
<保管物の返却>
乙は、持ち出したUSBメモリ11を返却する場合には、IDカードを認証装置6に近づけ、電子錠5を解錠する。乙が、保管庫1の扉4を開くと、乙が使用可能な間口に対応する照光式ボタンスイッチ37が点灯している。乙は、点灯している照光式ボタンスイッチ37を押下してロック機構36のロックを解除し、電子キー22をロックユニット33の差込口34からロック機構36の錠前46に差し込む。制御装置7は、ロック機構36の第1及び第2リードライト端子47,48が電子キー22の第1及び第2端子27,28に接触して読み取ったUSB識別IDや乙の個人識別情報を、USBメモリ11の返却日時、扉4の開閉時間、返却間口などに関連付けて記憶する。
【0086】
尚、制御装置7がUSBメモリ11の返却を認識しないと、当該USBメモリ11が盗まれた場合に乙が責任を負うことになる。よって、乙は、電子キー22のLED29が点灯するように、USBメモリ11を返却するようになり、電子キー22に設けた接触式ICチップ26のデータ読み取り不良を人為的に回避できる。
【0087】
<保管庫用ユニットの持ち出し利用>
例えば、社内会議の準備のために、ある部署の甲、乙、丙が、複数のCD−ROM13を使用する場合、共有するCD−ROM13が部署と別室の保管庫1に収納されたままだと、甲、乙、丙の間に行き違いが生じることがある。具体的には、例えば、乙が保管庫1にCD−ROM13を取り出しに行ったものの、その直前に甲が当該CD−ROM13を保管庫1から持ち出している場合には、乙は甲から当該CD−ROM13を受け取るために部署へ戻る。乙が部署へ戻ったときに、甲が乙とすれ違いに別室の保管庫1へCD−ROM13を返却した場合には、乙は再び別室の保管庫1へCD−ROM13を借りに行かなければならない。このように、同じ部署の甲、乙、丙が、CD−ROM13を一緒に使用する場合には、すれ違いによる無駄が生じやすい。そうかといって、CD−ROM13を部署へ持ってきたまま、甲、乙、丙が使用すると、CD−ROMが紛失した場合に責任の所在が不明確になる。
【0088】
この点、第1実施形態では、例えば、保管庫用ユニットの着脱権限を有する甲のデスク80に載置台81を固定しておく。甲のIDカードには、甲が着脱権限を有する保管庫用ユニットのユニット識別IDが記憶されている。甲がIDカードを認証装置6に近づけ、認証装置6が、甲のIDカードから読み取った甲の個人識別情報とユニット識別IDとに基づいて、甲が保管庫用ユニットの着脱権限を有することを認証すると、制御装置7は、甲が着脱権限を有する保管庫用ユニットを収納する収納ボックス2の電子錠5を解錠する。
【0089】
甲が電子錠5を解錠された扉4を開くと、甲が着脱権限を有する保管庫用ユニット12,14を収納する間口のユニットロック解除スイッチ73が点灯し、取り出し可能な保管庫用ユニット12,14の所在に明らかにしている。甲は、点灯しているユニット用ロック解除スイッチ73のうち、社内会議の準備に必要なCD−ROMが入った第2保管庫用ユニット14を収納する間口のユニット用ロック解除スイッチ73を押下し、ロック機構75のロックを解除する。そして、甲は、第2保管庫用ユニット14を手前にずらして電子キー65を第2保管庫用ユニット14のロック機構75から抜くと共に、コネクタ66を接続ポート71から取り外し、第2保管庫用ユニット14を保管庫1から持ち出す。
【0090】
甲が扉4を閉じると、制御装置7は、扉4を閉じた後にで読み取れなくなったユニット識別IDに基づいて、第2保管庫用ユニット14が持ち出されたことを認識する。そこで、制御装置7は、持ち出された第2保管庫用ユニット14のユニット識別IDと、持ち出し日時と、甲の個人識別情報と、扉4の開閉時間と、第2保管庫用ユニット14を収納していた間口などを互いに関連付けて記憶する。
【0091】
甲は、第2保管庫用ユニット14の取手62を持ち、保管庫1から載置台81へ第2保管庫用ユニット14を運ぶ。甲は、コネクタ66を載置台85の接続ポート84に接続し、電力を第2保管庫用ユニット14に供給する。これにより、第2保管庫用ユニット14は、認証装置82、ロック解除スイッチ83、ロック機構85が動作可能な状態になる。
【0092】
甲は、載置台81のロック解除スイッチ83を押下してロック機構85のロックを解除する。そして、甲は、電子キー65の差込部23dをロック機構85の錠前46に差し込む。ロック機構85は、所定時間経過後(例えばロック機構85への通電開始後から30秒後)に、第2保管庫用ユニット14の電子キー65をロックする。このロック方法は、ロック機構36,75と同様であるので説明を省略する。これにより、第2保管庫用ユニット14が、載置台81から他の場所へ勝手に持ち出せなくなる。載置台81は、ロック機構85の第1及び第2リードライト端子47,48が電子キー65の第1及び第2端子27,28に接触して電子キー65のICチップ26から読み取ったユニット識別IDや、第1保管庫用ユニット14に収納されているCD−ROM13のCD−ROM識別IDを取得し、第2保管庫用ユニット14にどのようなCD−ROM13が収納されているかを自動的に把握する。
【0093】
例えば、乙が、載置台81にセットした第2保管庫用ユニット14からCD−ROM13を取り出す場合には、個人認証装置82にIDカードをかざす。個人認証装置82が、CD−ROM13を使用する使用権限が乙にあると判断すると、載置台81は、乙が使用権限を有するCD−ROM13を収納する間口の照光式ボタンスイッチ64を点灯させる。乙は、点灯する照光式ボタンスイッチ64を押下してロック36を解除し、CD−ROM13を持ち出す。
【0094】
載置台81は、第2保管庫用ユニット14を介して読み取れなくなったCD−ROM識別IDに基づいてCD−ROM13の貸出を認識し、貸し出されたCD−ROM13のCD−ROM識別IDに乙の個人識別情報や、CD−ROM13の持ち出し日時、CD−ROM13が収納されていた間口などを関連付けて記憶する。
【0095】
乙は、CD−ROM13を使用し終わったら、甲のデスク80へ行ってIDカードを個人認証装置82にかざす。そして、点灯している照光式ボタンスイッチ64を押下してロック機構36のロックを解除し、CD−ROM13を第2保管庫用ユニット14に返却する。
【0096】
載置台81は、第2保管庫用ユニット14を介して読み取るCD−ROM識別IDが増えたことに基づいて、CD−ROM13が返却されたことを認識し、返却されたCD−ROM13のCD−ROM識別IDと、乙の個人識別情報と、返却日時と、返却された間口などを関連付けて記憶する。
【0097】
このように、載置台81は、保管庫1と同様、CD−ROM13の利用履歴を残しながら、就業時間の間、複数のCD−ROM13を部署内で利用することが可能である。尚、CD−ROM13の利用履歴は、第2保管庫用ユニット14に設けた電子キー65の接触式ICチップ26にも記憶している。
【0098】
尚、乙が使用しているCD−ROM13を丙が使用したい場合には、丙は、乙にCD−ROM13を載置台81の第2保管庫用ユニット14に返却してもらってから、そのCD−ROM13を載置台81の第2保管庫用ユニット14から取り出して使用する。この場合でも、乙と丙は、別室の保管庫1へ行く必要がないので、ロスが少なくて済む。
【0099】
甲は、退社時に、個人認証装置82で権限認証した後、載置台81のロック解除スイッチ83を押下してロック機構36のロックを解除し、第2保管庫用ユニット14を載置台81から取り外す。そして、第2保管庫用ユニット14の取手62を持って保管庫1へ第2保管庫用ユニット14を運ぶ。それから、甲は、保管庫1の認証装置6で個人認証を行う。保管庫1は、甲のユニット着脱権限を認証すると、持ち出した第2保管庫用ユニット14を返却する間口を備える収納ボックス2の電子錠5を解錠する。甲は、扉4を開いてユニットロック解除スイッチ73を押下し、ロック機構75のロックを解除する。そして、甲は、電子キー65をロック解除したロック機構75に差し込むと共に、コネクタ66を接続ポート71に接続し、第2保管庫用ユニット14を戻す。それから、甲は扉4を閉じる。
【0100】
保管庫1の制御装置7は、返却された第2保管庫用ユニット14に設けた電子キー65の接触式ICチップ26を介してユニット識別IDとCD−ROM識別IDを取得し、返却された第2保管庫用ユニット14とCD−ROM13を自動認識する。制御装置7は、返却された第2保管庫用ユニット14のユニット識別IDに甲の個人識別情報や、返却日時、扉4の開閉日時、返却間口などを関連付けて記憶する。
【0101】
また、制御装置7は、載置台81で第2保管庫用ユニット14を使用しているときに、電子キー65の接触式ICチップ26に記憶したCD−ROM13の利用履歴を、電子キー65の接触式ICチップ26から吸い上げる。これにより、保管庫1は、別の場所で第2保管庫用ユニット14を使用した場合でも、CD−ROM13の利用履歴を一元管理できる。
【0102】
ところで、例えば、第2保管庫用ユニット14を外部の子会社へ貸し出す場合には、図17に示すように、搬送ケース86に第2保管庫用ユニット14を収納し、持ち運べば良い。搬送ケース86を開くには権限認証を要するため、セキュリティが高くなる。また、搬送ケース86は、載置台81と同様の機能を持つので、子会社でもCD−ROM13を使用権限がある者にもに貸出し、CD−ROM13の使用履歴をとることができる。
【0103】
尚、第1及び第2保管庫用ユニット12,14は、それ自体に認証機能がない。そのため、第1及び第2保管庫用ユニット12,14は、保管庫1や載置台81、搬送ケース86など専用装置に接続されていなければ、使用権限の有無を問わず、電子キー22,51のロックを解除してUSBメモリ11やCD−ROM13を第1及び第2保管庫用ユニット12,14から持ち出すことができず、セキュリティが高い。
【0104】
<第1実施形態に係る保管庫の作用効果>
以上説明したように、第1実施形態の保管庫1は、第1又は第2保管庫用ユニット12,14の錠前46にUSBメモリ11の電子キー22又はCD−ROM13の電子キー51を差し込み、剛性がある差込部23dに沿って設けた接触式ICチップ26の2つの端子27,28をロック機構36の第1及び第2データ読み取り端子47,48に確実に接触させる。これにより、制御装置7は、USB識別IDとCD−ROM識別IDを確実に取得し、USBメモリ11やCD−ROM13を管理するので、保管物管理の信頼性が向上する。
【0105】
また、第1実施形態の保管庫1は、第1又は第2保管庫用ユニット12,14のロック機構36に設けた可動体45によって、USBメモリ11の電子キー22又はCD−ROM13の電子キー51の剛性がある差込部23dに設けたロック係止部23cにスライド部材49を嵌合させ、電子キー22,51をロックするため、電子キー22,51がロック時やロック解除時に損傷しない。よって、第1実施形態の保管庫1によれば、初期ロック状態が維持され、セキュリレベルを高めることができる。
【0106】
また、第1実施形態の保管庫1は、保管庫1の錠前46に保管庫用ユニット12,14の電子キー38,65を差し込み、電子キー38,65の差込部23dに沿って設けた接触式ICチップ26の2つの端子27,28を、保管庫1のロック機構75に設けた第1及び第2データ読み取り端子47,48に確実に接触させる。これにより、制御装置7は、ユニット識別IDを取得し、保管庫用ユニット12,14の配列を認識する。そして、各保管庫用ユニット12,14は、ロック機構57の可動体45によって、電子キー38,65に設けた差込部23dのロック係止部23cにスライド部材49を嵌合させ、ロックされる。このように、第1実施形態の保管庫1によれば、保管庫用ユニット12,14を正確に把握するとともに、各保管庫用ユニット12,14をロックして無断持ち出しを禁止するため、セキュリティレベルを向上させることができる。
【0107】
また、第1実施形態の保管庫1は、第1及び第2保管庫用ユニット14のUSBメモリ11及びCD−ROM13を収納する間口毎にロック機構36を設け、保管庫1の認証装置6で使用権限を認証されたUSBメモリ11又はCD−ROM13を収納する間口に対応するロック機構36についてのみ照光式ボタンスイッチ37,64によるロック解除を許可するので、扉4を開いたときに使用権限のないUSBメモリ11やCD−ROM13が持ち出されることを防止できる。
【0108】
また、第1実施形態の保管庫1は、保管庫1の保管庫用ユニット12,14を収納する間口毎にロック機構75を設け、保管庫1の認証装置6で着脱権限を認証された保管庫用ユニット12,14を収納する間口に対応するロック機構75についてのみ照光式ボタンスイッチ74によるロック解除を許可するので、扉4を開いたときに着脱権限のない保管庫用ユニット12,14が持ち出されることを防止できる。
【0109】
また、第1実施形態の保管庫1は、例えば図16及び図17に示すように、第1又は第2保管庫用ユニット12,14の電子キー38,65を、載置台81や搬送ケース86の錠前46に差し込み、ロック機構85で電子キー65をロックして第1又は第2保管庫用ユニット12,14を載置台81や搬送ケース86に取り付ける。第1又は第2保管庫用ユニット12,14は、USBメモリ11の電子キー22又はCD−ROM13の電子キー51をロック機構36でロックしてUSBメモリ11又はCD−ROM13を持ち出せない状態にしている。載置台81や搬送ケース86は、個人認証装置82でUSBメモリ11又はCD−ROM13の使用権限が認証されると、権限認証されたUSBメモリ11又はCD−ROM13に対応するロック機構85のロックを解除し、USBメモリ11又はCD−ROM13を持ち出せる状態にする。第1又は第2保管庫用ユニット12,14を載置台81又は搬送ケース86から取り外す場合には、個人認証手段82で個人認証した後、ロック解除スイッチ83を押下してロック機構85のロックを解除し、電子キー38,65をロック機構85から抜き出して保管庫用ユニット12,14を載置台81又は搬送ケース86から取り外す。よって、第1実施形態の保管庫1によれば、保管庫用ユニット12,14を保管庫1と別の場所でも、セキュリティを確保しながらUSBメモリ11やCD−ROM13を使用することができるので、利便性が良い。
【0110】
(第2実施形態)
次に、本発明の保管庫に係る第2実施形態について説明する。図18は、本発明の第2実施形態に係る保管庫1Aに設けた制御装置2Aの電気ブロック図である。
第2実施形態の保管庫1Aは、「配置表示手段」の一例である配置表示用パソコン90が外付けされている点を除き、第1実施形態と同様の構成を有する。ここでは、第1実施形態と相違する点を中心に説明し、共通する点は図面に同一符号を付し、説明を適宜省略する。
【0111】
第2実施形態の保管庫1Aは、制御装置7Aに配置表示用パソコン90が接続されている。制御装置7AのHDD94には、保管庫1を構成する収納ボックス2の配置や、各収納ボックス2に収納される保管庫用ユニット12,14の配列を示すユニット配置情報、各保管庫用ユニット12,14に収納される保管物11,13の配列を示す保管物配置情報、各保管物の内容に関する情報、各保管物の利用履歴等が記憶されている。制御装置7Aは、配置表示用パソコン90からの要求に従って、配置表示用パソコン90に表示させる画面の画データを生成し、配置表示用パソコン90に送信する。
【0112】
図19は、図18に示す配置表示用パソコン90に表示される画面の一例を示す図である。
例えば、配置表示用パソコン90には、保管庫1Aの外観図を表示する外観表示部91と、外観表示部91で選択された収納ボックス2の内部を表示する内部表示部92が表示される。
【0113】
内部表示部92には、例えば、第1及び第2保管庫用ユニット12,14と、USBメモリ11と、CD−ROM13が、間口に対応して表示される。保管庫用ユニット12,14や保管物11,13は、貸出中のものと、収納中のものとが識別可能に表示される。例えば、内部表示部92には、例えば、貸出中の保管庫用ユニット12,14とUSBメモリ11は、収納中の保管庫用ユニット12,14とUSBメモリ11より薄く表示される。また例えば、内部表示部92には、収納中のCD−ROM13を赤色で表示し、貸出中のCD−ROM13を白色で表示する。
【0114】
更に、配置表示用パソコン90は、内部表示部92に表示される保管庫用ユニット又は保管物を収納する間口がクリックされると、その間口に収納されている又は貸出前まで収納されていた保管物の利用履歴を制御装置7Aに問い合わせ、問い合わせ結果を表示する。
【0115】
<第2実施形態に係る保管庫の作用効果>
例えば、甲は、保管庫1Aの認証装置6にIDカードをかざして扉4を開く前に、配置表示用パソコン90の外観表示部91に表示される保管庫1Aの外観図のうち、開きたい収納ボックス2をクリックする。すると、配置表示用パソコン90は、クリックされた収納ボックス2のユニット配置情報と保管物配置情報を制御装置7に問い合わせる。制御装置7は、問い合わせがあったユニット配置情報と保管物配置情報をHDD94から読み出して、収納ボックス2の内部レイアウトに対応した画データを生成し、配置表示用パソコン90へ送信する。
【0116】
これにより、配置表示用パソコン90の内部表示部92には、収納ボックス2に収納された保管庫用ユニットと保管物の配列が表示される。例えば、内部表示部92には、保管庫1Aに設けた保管庫用ユニット12、14の間口毎に保管庫用ユニットが個別に表示され、また、保管庫用ユニット12,14に設けた保管物11,13の間口毎に、USBメモリ11,CD−ROM13が個別に表示される。
【0117】
制御装置7Aは、第1及び第2保管庫用ユニット12、14とUSBメモリ11,CD−ROM13の配列を個別に認識してHDD94に記憶しているため、例えば図19に示すように、「間口12,16」に収納される「CDユニット7,11」の配置が反対であっても、配置表示用パソコン90には、現実の配置状態に従って収納ボックス2の内部配列が表示される。
【0118】
内部表示部92には、図19に示すように、貸出中のUSBユニットとCDユニットが薄く表示されている。そのため、甲は、例えば「USBユニット12」と「CDユニット1」を借りたい場合には、内部表示部92の表示内容から、「USBユニット4」が貸出中で保管庫1Aになく、「CDユニット1」が保管庫1A内にあることを、保管庫1Aを開かなくても確認できる。
【0119】
この場合、甲は、「USBユニット4」が収納されていた「間口4」をクリックすると、配置表示用パソコン90に「USBユニット4」の利用履歴が表示される。よって、甲は、最後に「USBユニット4」を持ち出した者を特定し、「USBユニット4」を簡単に探すことができる。
【0120】
また、甲は、例えば、図19に示すように「USBユニット1」の「間口1」に収容されているUSBメモリ11と、「USBユニット5」の「間口50」に収容されているUSBメモリ11を借りたい場合にも、内部表示部92を見れば、「USBユニット1」の「間口1」に収容されているUSBメモリ11が貸し出し中で、「USBユニット5」の「間口50」に収容されているUSBメモリ11が保管庫1Aに収容されていることを、保管庫1Aを開かなくても確認できる。この場合にも、甲は、「USBユニット1」の「間口1」をクリックすると、貸出中のUSBメモリ11の利用履歴を確認し、USBメモリ11を使用している者を簡単に特定できる。
【0121】
従って、第2実施形態に係る保管庫1Aによれば、甲が扉4を開かなくても、第1及び第2保管庫用ユニット12,14のユニット収納状況や、USBメモリ11やCD−ROM13などの保管物の収納状況を確認することができ、便利である。
しかも、第2実施携帯に係る保管庫1Aによれば、貸出中の保管庫用ユニット12,14や保管物11,13の利用履歴を配置表示用パソコン90で確認し、保管庫用ユニット12,14や保管物11,13の貸出先を簡単に特定できるので、保管庫用ユニット121,14や保管物11,13を探す手間を軽減することができる。
【0122】
尚、本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、色々な応用が可能である。
上記実施形態では、第1及び第2保管庫用ユニット12,14に電力供給や通信を行うための配線を纏めたコネクタ39,66を設けたが、そのコネクタを電子キーの構造にしても良い。
上記実施形態では、ロック係止部23cを貫通孔で構成したが、溝であっても良い。
上記実施形態では、ロック機構36,75の駆動手段としてソレノイドを使用したが、モータを駆動手段として使用しても良い。
【0123】
上記実施形態では、スイッチ回路式の第1及び第2リードライト端子47,48を第1及び第2データ読み取り手段の一例としたが、スイッチ機能を有しない端子で第1及び第2データ読み取り手段を構成しても良い。この場合、電子キー22,38,51,65の回路は、第1端子27と第2端子28との間を同一方向に流れる電流によって接触式ICチップ26の読み取りとLED29,53の点灯を行うようにすると良い。
上記実施形態の搬送ケース86に車輪を設け、台車のように使用しても良い。
【0124】
上記実施形態では、保管庫1に外付けする配置表示用パソコン90を配置表示手段の一例としたが、保管庫1にもうけたディスプレイや、保管庫1と通信する携帯電話等の携帯端末装置のディスプレイを、配置表示手段としてもよい。
上記実施形態では、USBメモリ11を電子キー22にワイヤ21を介して連結したが、鍵を電子キー22にワイヤ等で分離できないように連結してもよい。例えば、ビルの内装工事では、不特定の業者が各部屋の鍵を持ち出して利用する。従来、鍵は、保管庫から貸し出された時間と、保管庫に返却された時間しか把握されておらず、貸し出し時から返却時までの間、どのように使用されていたか把握できなかった。しかし、本発明によれば、各作業員は、鍵ユニット12を保管庫1から借りて作業現場へ持ち出したり、搬送ケース86に入れて作業現場に持ち出す。このとき、鍵ユニット12の電子キー38や搬送ケース86は、どの部屋の鍵が何時に取り出されて何時に返却されたかの利用履歴を記憶する。保管庫1は、鍵ユニット12の電子キー38や搬送ケース86に記憶された各鍵の利用履歴を吸い上げ、鍵の貸出時から返却時までの利用履歴を認識するので、保管庫用ユニットや保管庫のセキュリティレベルが向上する。
【0125】
上記実施形態では、保管庫1に収納する第1及び第2保管庫用ユニット12,14に保管物11,13を収納したが、保管庫用ユニットの一つを持ち出し専用ユニットとするとよい。この場合、ユーザは、種類が異なる保管物を持ち出し専用ユニットに収納して保管庫から持ち出し、載置台81や搬送ケース81で保管物の利用履歴をとりながら利用することが可能になるので、使用しない保管物まで保管庫から持ち出す必要がなくなり、保管物や保管庫用ユニットが取り扱いやすくなる。
また例えば、載置台81をスタンドアローンにしたが、載置台81をネットワークを介して上位装置23に接続し、保管庫1から持ち出された保管庫用ユニット12,14や保管物11,13の所在を明らかにしてもよい。この場合、保管庫1やユーザのパソコンなどから貸し出された保管庫用ユニット12,14や保管物11,13の所在を確認できるようにすれば、ユーザが保管庫用ユニット12,14や保管物11,13の貸し出し先を探す手間を軽減できる。特に、ビルのロケーションと載置台81の設置場所を制御装置7や上位装置23に把握させれば、保管庫用ユニット12,14や保管物11,13の所在を画面上で一目瞭然に表示することが可能になる。
【0126】
また、上記実施形態では、例えば、搬送ケース86に保管庫用ユニット12,14を収納したが、搬送ケース86のロック機構85にUSBメモリ11やCD−ROM13の電子キー22,51を差し込んでロックするようにしてもよい。この場合も、個人認証装置82で個人認証し、ロック解除スイッチ83を押下すれば、電子キー22,51のロックを解除してUSBメモリ11やCD−ROM13を搬送ケース86から取り外すことができる。
【0127】
また例えば、搬送ケース86にワイヤレスLANを設け、制御装置7が、搬送ケース86に保管庫用ユニット12,14や保管物11,13を収納したことを確認することによって、搬送ケース86に収納された保管庫用ユニット12,14や保管物11,13が社外へ持ち出される可能性を把握するようにしてもよい。これによれば、保管庫用ユニット12,14や保管物11,13が、社内よりも盗難の危険にさらされやすい社外へ持ち出されることを制御装置7が把握し、盗難に遭ったときに盗難場所などを限定しやすい。また、搬送ケース86に記憶した利用履歴をワイヤレスLANを介して制御装置7に吸い上げれば、配線の手間を省くことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】本発明の第1実施形態に係り、保管庫の外観斜視図であって、扉を開いた状態を示す。
【図2】図1に示す保管庫の外観斜視図であって、扉を閉じた状態を示す。
【図3】図1に示す第1保管庫用ユニットの外観斜視図である。
【図4】図3に示す電子キーの内部構造を示す図である。
【図5】図3に示す電子キーのICチップからデータを読み取る回路を示す図である。
【図6】図3に示すロック機構の外観斜視図であって、ロック状態を示す。
【図7】図6に示すロック機構の側面図である。
【図8】図7に示すロック機構のA−B−C−D断面図である。
【図9】図8に示すロック機構であって、ロック解除状態を示す。
【図10】図1に示す第2保管庫用ユニットの外観斜視図である。
【図11】図10に示す第2保管庫用ユニットにCD−ROMを収納した状態を示す。
【図12】図10に示す第2保管庫用ユニットの背面図である。
【図13】図1に示すCD−ROMの電子キー取り付け構造を示す図である。
【図14】図1に示す収納ボックスの外観斜視図であって、第2保管庫用ユニットを取り外した状態を示す。
【図15】図1に示す制御装置の電気ブロック構成を示す図である。
【図16】図1に示す第1又は第2保管庫用ユニットを着脱可能な外部専用装置の一例を示す図である。
【図17】図1に示す第1又は第2保管庫用ユニットを着脱可能な外部専用装置の一例を示す図である。
【図18】本発明の第2実施形態に係る保管庫に設けた制御装置の電気ブロック図である。
【図19】図18に示す配置表示用パソコンに表示される画面の一例を示す図である。
【図20】特許文献1に記載する鍵保管庫の外観斜視図である。
【図21】図20に示すロックユニットの内部構造を示す図である。
【符号の説明】
【0129】
1 保管庫
2 収納ボックス
5 電子錠(開閉許可手段)
6 認証装置(認証手段)
7 制御装置(開閉許可制御手段、管理手段)
26 接触式ICチップ(第1、第2接触式ICチップ)
27 第1端子
28 第2端子
36 ロック機構(第1ロック手段)
46 錠前(第1、第2、第3錠前)
47 第1リードライト端子(第1、第2データ読み取り手段)
48 第2リードライト端子(第1、第2データ読み取り手段)
37、64 照光式ボタンスイッチ(第1ロック解除手段)
73 ユニットロック解除スイッチ(第2ロック解除手段)
75 ロック機構(第2ロック手段)
81 載置台(外部専用装置)
82 個人認証装置(個人認証手段)
85 ロック機構(第3ロック手段)
83 ロック解除スイッチ(第3ロック解除手段)
86 搬送ケース(外部専用装置)
90 配置表示用パソコン(配置表示手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
保管物を収納する複数の保管庫用ユニットが内部に配列されたものであって、扉の開閉を許可する開閉許可手段と、権限認証を行う認証手段と、前記認証手段が正当な権限を認証した場合に前記扉の開閉を前記開閉許可手段に許可させる開閉許可制御手段と、が備えられた保管庫において、
前記保管物は、
前記保管物を識別する保管物識別IDを記憶する第1接触式ICチップの2つの端子が外部に露出する第1電子キーを有し、
前記保管庫用ユニットは、
前記第1電子キーが差し込まれる第1錠前と、
前記第1錠前に差し込まれた前記第1電子キーをロックする第1ロック手段と、
前記第1錠前に差し込まれた前記第1電子キーの前記2つの端子に接触して前記第1接触式ICチップからデータを読み取る第1データ読み取り手段と、
前記第1データ読み取り手段が前記第1接触式ICチップから読み取った前記保管物識別IDを取得し、前記保管物を管理する保管物管理手段と、を有する
ことを特徴とする保管庫。
【請求項2】
請求項1に記載する保管庫において、
前記保管庫用ユニットは、
前記保管庫用ユニットを識別するユニット識別IDを記憶する第2接触式ICチップの2つの端子が外部に露出する第2電子キーを有し、
前記保管庫は、
前記第2電子キーが差し込まれる第2錠前と、
前記第2錠前に差し込まれた前記第2電子キーをロックする第2ロック手段と、
前記第2錠前に差し込まれた前記第2電子キーの前記2つの端子に接触して前記第2接触式ICチップから前記ユニット識別IDを読み取ると共に、前記第1データ読み取り手段が読み取った前記保管物識別IDを読み取る第2データ読み取り手段と、
前記第2データ読み取り手段が読み取った前記ユニット識別IDを取得し、前記保管庫用ユニットを管理するユニット管理手段と、を有する
ことを特徴とする保管庫。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載する保管庫において、
前記保管庫用ユニットは、
前記保管物を収納する間口毎に前記第1ロック手段を設け、
前記保管庫は、
前記認証手段が前記保管物の正当な使用権限を認証した場合に、権限認証された前記保管物を収納する間口に対応する前記第1ロック手段のロック解除を許可する第1ロック解除制御手段を有する
ことを特徴とする保管庫。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載する保管庫において、
前記保管庫用ユニットを収納する間口毎に前記第2ロック手段を設け、
前記認証手段が前記保管庫用ユニットの正当な着脱権限を認証した場合に、権限認証された前記保管庫用ユニットを収納する間口に対応する前記第2ロック手段のロック解除を許可する第2ロック解除制御手段を有する
ことを特徴とする保管庫。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4の何れか一つに記載する保管庫において、
前記保管庫用ユニットは、
前記第1電子キー又は前記第2電子キーが差し込まれる第3錠前と、前記第3錠前に差し込まれた前記第1電子キー又は前記第2電子キーをロックする第3ロック手段と、個人認証を行う個人認証手段と、前記個人認証手段が権限認証した場合に第1ロック手段による第1電子キーのロック、又は、前記第3ロック手段による前記第2電子キーのロックを解除する第3ロック解除制御手段と、を有する外部専用装置に接続されるものである
ことを特徴とする保管庫。
【請求項6】
請求項2乃至請求項5の何れか一つに記載する保管庫において、
前記保管物及び前記保管庫用ユニットの配置を画面表示する配置表示手段を有する
ことを特徴とする保管庫。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2009−108596(P2009−108596A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−281915(P2007−281915)
【出願日】平成19年10月30日(2007.10.30)
【出願人】(391020322)東海理研株式会社 (42)
【Fターム(参考)】