説明

保護層転写シートおよび印画物

【課題】画像を保護する転写シートを提供する。
【解決手段】基材と、下記一般式(1)


で表される紫外線吸収性モノマーと、アクリル系モノマーとが共重合してなる紫外線吸収性共重合体を含有し、上記紫外線吸収性共重合体中に、上記紫外線吸収性モノマーが40mol%以上含有されることを特徴とする保護層転写シート。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保護層転写シートおよび印画物に関し、特に耐光性等に優れた保護層を付与することができる保護層転写シートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像を形成する種々プリント方式の一つとして、感熱により色材層中の染料が昇華拡散して受像シートに移行する感熱昇華転写がある。このような感熱昇華転写においては、加熱手段として、通常プリンタのサーマルヘッドが使用され、極めて短時間の加熱によって3色または4色の多数の加熱量が調整された色ドットを熱転写受像シートの受容層に転移させ、多色の色ドットにより原稿のフルカラーを再現するものである。この様に形成された画像は、使用する色材が染料であることから、非常に鮮明であり、かつ透明性に優れているため、得られる画像は中間色の再現性や階調性に優れ、従来のオフセット印刷やグラビア印刷による画像と同様であり、かつフルカラー写真画像に匹敵する高品質画像の形成が可能である。
【0003】
しかしながら、上記の感熱昇華転写方式は、印加するエネルギー量によってドット単位で染料の移行量を制御できるため、階調性画像の形成に優れているが、形成された画像は通常の印刷インキによるものとは異なり、色材が顔料でなく比較的低分子量の染料であり、且つビヒクルが存在しないため耐光性、耐候性、耐摩耗性等の耐久性に劣るという欠点がある。
【0004】
上記の欠点を改善する手段として、熱転写により色材層中の化合物と受容層中の化合物とを反応させることにより画像を形成する反応型の染料を用いた方法が提案されている。例えば、特許文献1〜4には、色材層側に含有させる化合物として熱拡散性染料を用い、受容層に含有させる化合物として金属イオン含有化合物を用い、熱転写後それらを反応させて熱拡散性染料−金属イオン含有化合物複合体を形成させることにより、画像を形成する方法(以下ポストキレート方式と呼ぶこともある。)が開示されている。
【0005】
上記ポストキレート方式により形成された画像は、高温及び高湿下に長時間放置しても、染料の褪色及び滲みが起こりにくく、耐光性についても従来の方法より得られる画像に比べて優れている。しかしながら、上記ポストキレート方式により形成された画像であっても、耐光性、耐候性、耐摩耗性等の耐久性が不十分な場合があった。
【0006】
上記耐久性を改善する手段として、近年、画像が形成された受容層上に、保護層を設ける方法が提案されている。上記受容層上に保護層を設けると、上述のような、耐光性、耐候性、耐摩耗性等の耐久性等の物理耐性を向上させることができる。また、保護層中に、紫外線吸収剤を添加することによって、染料の変質や分解を防止することができ、耐光性を向上させることができる。
【0007】
上述したポストキレート方式で形成された画像に保護層を設ける場合、上記画像は、通常の方式で形成された画像よりも耐光性に優れているため、保護層に紫外線吸収剤を含有させなくてもある程度十分な耐光性を実現することは可能であるが、耐光性の更なる向上を図る場合には紫外線吸収剤を含有させることが好ましい。この際、保護層を熱転写する時の熱エネルギーの強さによっては、保護層中の紫外線吸収剤と、受容層中の熱拡散性染料−金属イオン含有化合物複合体とが反応を起こす場合があり、紫外線吸収剤が金属イオンに配位することで、紫外線吸収剤の吸収領域が可視光領域までシフトし、その結果、黄色味を帯びてしまうという問題があった。
【0008】
【特許文献1】特開昭59−78893号公報
【特許文献2】特開昭59−109394号公報
【特許文献3】特開昭60−2398号公報
【特許文献4】特開2000−263828公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、ポストキレート方式等により得られた画像を保護する保護層を形成するために用いられる保護層転写シートであって、保護層を形成する際の熱エネルギー等によって、黄色味を帯びない保護層を得ることができる保護層転写シートを提供することを主目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明においては、キレート化可能な熱拡散性染料と反応し得る金属イオン含有化合物を含有する受容層を備えた熱転写受像シートに、上記熱拡散性染料を転写した後、上記受容層の表面を保護する保護層を形成するために用いられる保護層転写シートであって、基材と、上記基材上に形成された保護層形成用層とを備え、上記保護層形成用層が、下記一般式(1)
【0011】
【化1】

【0012】
で表される紫外線吸収性モノマーと、アクリル系モノマーとが共重合してなる紫外線吸収性共重合体を含有し、上記紫外線吸収性共重合体中に、上記紫外線吸収性モノマーが40mol%以上含有されることを特徴とする保護層転写シートを提供する。
【0013】
本発明によれば、上記一般式(1)で表される紫外線吸収性モノマーを多く含有する紫外線吸収性共重合体を用いることにより、本発明の保護層転写シートを用いて、保護層を形成した場合に、黄色味を帯びない保護層を得ることができる。また、更なる耐光性の向上を試みる場合、上記紫外線吸収性共重合体の他に、金属イオン含有化合物との反応性の低い共重合タイプではない紫外線吸収剤を選定し適量添加してもよい。好ましい紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系が挙げられる。
【0014】
また、上記発明においては、上記紫外線吸収性共重合体の吸収極大波長が310〜360nmの範囲内であることが好ましい。310nmに満たない場合は効果が小さく、360nmを超える場合は印画物の黄味が強くなり、印画物の見た目に不具合を生じるからである。
【0015】
また、上記発明においては、上記保護層形成用層が、分子量1500以上のヒンダードアミン系光安定化剤を含有することが好ましい。上記光安定化剤は、光の照射等によって生成するラジカルを捕捉し、保護層の耐光性をより向上させることができ、さらに高分子量タイプのヒンダードアミン系光安定化剤を用いることにより、保管時に保護層表面上にその安定化材のブリードも無く、保存性に優れているからである。
【0016】
また、本発明においては、上記保護層転写シートを用いたことを特徴とする印画物を提供する。本発明においては、上記保護層転写シートを用いることにより、上述した性質を有する保護層を備えた印画物を得ることができ、耐光性、耐候性、耐摩耗性等の耐久性にも優れた印画物を得ることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明においては、耐光性等に優れた保護層を付与することができる保護層転写シートを得ることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の保護層転写シートおよび印画物について説明する。
【0019】
A.保護層転写シート
本発明の保護層転写シートは、キレート化可能な熱拡散性染料と反応し得る金属イオン含有化合物を含有する受容層を備えた熱転写受像シートに、上記熱拡散性染料を転写した後、上記受容層の表面を保護する保護層を形成するために用いられる保護層転写シートであって、基材と、上記基材上に形成された保護層形成用層とを備え、上記保護層形成用層が、下記一般式(1)
【0020】
【化2】

【0021】
で表される紫外線吸収性モノマーと、アクリル系モノマーとが共重合してなる紫外線吸収性共重合体を含有し、上記紫外線吸収性共重合体中に、上記紫外線吸収性モノマーが40mol%以上含有されることを特徴とするものである。本発明においては、中でも、上記紫外線吸収性モノマーが上記紫外線吸収性共重合体中に、40〜90mol%の範囲内、特に50〜70mol%の範囲内で含有されることが好ましい。
【0022】
なお、本発明においては、上記紫外線吸収性モノマーの含有量は、1H−NMR(核磁気共鳴測定)分析及びGPC(ゲルパーメーションクロマトグラフィー)分析により共重合体の平均重量分子量、極大吸収波長における吸光度から求めることができる。
【0023】
また、本発明においては、上記紫外線吸収性共重合体の吸収極大波長が310〜360nmの範囲内、中でも330〜350nmの範囲内であることが好ましい。310nmに満たない場合は効果が小さく、360nmを超える場合は印画物の黄味が強くなり、印画物の見た目に不具合を生じるからである。また、更なる耐光性の向上を試みる場合、上記紫外線吸収性共重合体の他に、金属イオン含有化合物との反応性の低い共重合体タイプではない紫外線吸収剤を選定し適量添加しても良い。その紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系が好ましく、添加量としては、共重合体タイプの紫外線吸収剤(上記紫外線吸収性モノマー)に対し、50重量%以下が好ましい。
【0024】
本発明によれば、上記一般式(1)で表される紫外線吸収性モノマーを多く含有する紫外線吸収性共重合体を用いることにより、本発明の保護層転写シートを用いて、保護層を形成した場合に、黄色味を帯びない保護層を得ることができる。なお、本発明において「黄色味を帯びない」とは、後述する試験により求められる、色差(ΔE*ab)が、ΔE*ab<3を満たすことをいう。具体的には、金属イオン含有化合物を含む受像紙に保護層を転写後、その受像紙(印画物)を110℃のオーブンに3分間入れ、その前後の受像紙の色相変化(色差)を下記式から求め、目視との相関を図った。
色差ΔE*ab=((Δa*)+(Δb*)1/2
CIE1976 La*b*表色系(JIS Z8729 (1980))参照
Δa* = a*(オーブン保存後)−a*(オーブン保存前)
Δb* = b*(オーブン保存後)−b*(オーブン保存前)
【0025】
また、一般的に用いられる紫外線吸収剤を含有する保護層が黄色味を帯びる原因としては、保護層中の紫外線吸収剤と、受容相中の熱拡散性染料−金属イオン含有化合物複合体とが反応を起こし、紫外線吸収剤が金属イオンに配位することで、紫外線吸収剤の吸収領域が可視光領域までシフトするからであると考えられる。本発明においては、上記一般式(1)で表される紫外線吸収性モノマーは、N、OHを有することから、一般的な紫外線吸収剤と同様に、熱拡散性染料−金属イオン含有化合物複合体と反応し、黄色味を帯びた保護層が形成されると考えられ、さらに、本発明においては、上記一般式(1)で表される紫外線吸収性モノマーを多く含む紫外線吸収性共重合体を用いるため、より黄色味を帯びた保護層が形成されると考えられる。しかしながら、本発明においては、理由は未だ定かではないが、上記紫外線吸収性共重合体を用いることにより、黄色味を帯びない保護層を得ることができ、なおかつ、上記紫外線吸収性共重合体は紫外線吸収性モノマーを多く含有していることから耐光性に優れた保護層を得ることができる。なお、上記紫外線吸収性共重合体が耐光性に優れている理由の一つとしては、モノマーの紫外線吸収剤の場合、保護層転写時に受容層中に紫外線吸収剤の拡散が起き、表面部での紫外線をカットする能力が低下してしまうことが考えられる。
【0026】
次に、本発明の保護層転写シートについて図を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の保護層転写シートの一例を示す断面概略図である。本発明の保護層転写シートは、基材1と、基材1の一方の表面上に形成された保護層形成用層2とを備えたものである。また、本発明の保護層転写シートは、図2に示すように、基材1と保護層形成用層2との間に離型層3を備え、さらに、保護層形成用層2とは反対側の基材1の表面に背面層4を備えたものであっても良い。
以下、本発明の保護層転写シートについて詳細に説明する。
【0027】
1.保護層形成用層
本発明に用いられる保護層形成用層について説明する。本発明に用いられる保護層形成用層は、画像が印刷された受容層上に転写されることによって、保護層となる。上記保護層形成用層は、少なくとも後述する紫外線吸収性共重合体を含有するものである。
【0028】
(1)紫外線吸収性共重合体
本発明に用いられる紫外線吸収性共重合体は、下記一般式(1)
【0029】
【化3】

【0030】
で表される紫外線吸収性モノマーと、アクリル系モノマーとを共重合させてなるものである。
【0031】
本発明に用いられる紫外線吸収性共重合体は、上記紫外線吸収性モノマーと、上記アクリル系モノマーとを共重合させてなるものであれば、特に限定されるものではないが、具体的には、上記材料のランダム共重合体、グラフト共重合体等を挙げることができる。
【0032】
また、本発明に用いられる上記紫外線吸収性共重合体の重量平均分子量としては、所望の保護層形成用層を得ることができれば特に限定されるものではないが具体的には、5000〜250000の範囲内、中でも、9000〜40000の範囲内であることが好ましい。
【0033】
また、本発明に用いられる上記紫外線吸収性共重合体のガラス転移温度(Tg)としては、所望の保護層形成用層を得ることができれば特に限定されるものではないが具体的には40〜105℃の範囲内、中でも45〜95℃の範囲内であることが好ましい。
【0034】
次に、本発明に用いられるアクリル系モノマーについて説明する。本発明に用いられるアクリル系モノマーの分子量としては、所望の紫外線吸収性共重合体を得ることができるものであれば特に限定されるものではないが、具体的には5000〜250000の範囲内、中でも9000〜40000の範囲内であることが好ましい。
【0035】
このようなアクリル系モノマーとしては、具体的には、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタアクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシエチルメタアクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルメタアクリレート、メチルアクリレート、メチルメタアクリレート、エチルアクリレート、エチルメタアクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタアクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタアクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタアクリレート、ターシャリーブチルアクリレート、ターシャリーブチルメタアクリレート、イソデシルアクリレート、イソデシルメタアクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタアクリレート、ラウリルトリデシルアクリレート、ラウリルトリデシルメタアクリレート、トリデシルアクリレート、トリデシルメタアクリレート、セチルステアリルアクリレート、セチルステアリルメタアクリレート、ステアリルアクリレート、ステアリルメタアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタアクリレート、オクチルアクリレート、オクチルメタアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタアクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシエチルメタアクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルメタアクリレート、メタクリル酸、アクリル酸、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタアクリレート、ターシャリーブチルアミノエチルアクリレート、ターシャリーブチルアミノエチルメタアクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタアクリレート、エチレンジアクリレート、エチレンジメタアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタアクリレート、デカエチレングリコールジアクリレート、デカエチレングリコールジメタアクリレート、ペンタデカエチレングリコールジアクリレート、ペンタデカエチレングリコールジメタアクリレート、ペンタコンタヘクタエチレングリコールジアクリレート、ペンタコンタヘクタエチレングリコールジメタアクリレート、ブチレンジアクリレート、ブチレンジメタアクリレート、アリルアクリレート、アリルメタアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオ一ルジメタアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリピロピレングリコールジメタアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタアクリレート、ネオペンチルグリコールペンタアクリレート、ネオペンチルグリコールペンタメタアクリレート、ホスファゼンヘキサアクリレート、ホスファゼンヘキサメタアクリレート等を挙げることができる。
本発明においては、上記アクリル系モノマーの中でも、ベンジルメタアクリレート、フェノキシエチルメタアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、メチルメタアクリレート、アクリル酸、アクリロニトリルが好ましい。
【0036】
(2)その他の成分
本発明に用いられる保護層形成用層は、上記紫外線吸収性共重合体のほかに、上記一般式(1)で表される紫外線吸収性モノマー以外の紫外線吸収剤、光安定化剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、充填材等を含有していても良い。
上記紫外線吸収剤としては、黄色味を帯びない保護層を得ることができる限り特に限定されるものではないが、具体的には、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、置換アクリロニトリル系、ニッケルキレート系、ヒンダートアミン系等の紫外線吸収剤を挙げることができるが、中でも、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好ましい。このようなベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、特に限定されるものではないが、具体的には、下記一般式(2)および一般式(3)
【0037】
【化4】

【0038】
で表されるもの等を挙げることができる。上記紫外線吸収剤の使用量は、黄色味を帯びない保護層を得ることができれば特に限定されるものではなく、任意に選択することができる。
【0039】
また、本発明に用いられる光安定化剤は、光の照射等によって生成するラジカルを捕捉し、保護層の耐光性をより向上させるために用いられるものである。上記光安定化剤の分子量は、特に限定されるものではないが、具体的には1500以上であることが好ましく、中でも、1500〜4000の範囲内であることが好ましい。また、このような光安定化剤としては、特に限定されるものではないが、具体的には、ヒンダードアミン系、フェノール系、ホスファイト系等の光安定化剤を挙げることができ、中でも、ヒンダードアミン系光安定化剤が好ましい。上記光安定化剤の使用量は、上記紫外線吸収性共重合体等の機能を阻害しない限り特に限定されるものではなく、任意に選択することができる。
【0040】
(3)保護層形成用層
本発明に用いられる保護層形成用層の厚みは、所望の耐久性等を得ることができれば特に限定されるものではないが、具体的には0.1〜10μmの範囲内、中でも0.5〜5μmの範囲内であることが好ましい。
【0041】
また、本発明に用いられる保護層形成用層は、単層構造であっても良く、複層構造であっても良い。保護層形成用層が複層構造である場合、その層構成としては、2層以上であれば特に限定されるものではなく、任意の層構成をとることができる。また、保護層形成用層は、表面に接着層を有していても良い。この場合、保護層形成用層および接着層を含めて、本発明における保護層形成用層とみなすことができる。従って、保護層形成用層が表面に接着層を有する場合、上記の紫外線吸収性共重合体は、保護層形成用層および接着層の少なくとも一方に含まれていれば良い。なお保護層形成用樹脂としては、特に限定されるものではなく、一般的な保護層転写シートに用いる材料と同様の材料を用いることができる。具体的には、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、アセタール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂、ポリアミド樹脂、ノルボルネン樹脂等を挙げることができ、これらの各樹脂をシリコーン変性させた樹脂、これらの各樹脂の混合物等を必要に応じて加えることができる。
【0042】
また、本発明に用いられる保護層形成用層の製造方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、保護層形成用層を構成する材料を含有する塗工液を作製し、後述する基材に塗布する方法が挙げられる。この際の塗布方法としては、例えば、グラビアコート法、グラビアリバースコート法、ロールコート法等を挙げることができる。
【0043】
2.基材
次に本発明に用いられる基材について説明する。本発明においては、上記基材上に、上記保護層形成用層が形成される。このような基材の具体例としては、グラシン紙、コンデンサー紙、パラフィン紙等の薄紙、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレナフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン等の耐熱性の高いポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルペンテン、アイオノマー等のプラスチックの延伸或いは未延伸フィルムや、これらの材料を積層したものなどが挙げられ、中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレナフタレートが好ましい。
【0044】
上記基材の厚さは、強度、熱伝導性、耐熱性等が適切になるように材料に応じて適宜選択することが出来るが、通常は1〜100μm程度のものが好ましく用いられる。また、上記基材は、その表面にプライマー処理や、コロナ処理を施すことが好ましい。
【0045】
3.背面層および離型層
本発明の保護層転写シートは、背面層および離型層の少なくとも一方を備えるものであっても良い。例えば図2に示すように、背面層3は、保護層形成用層2とは反対側の基材1表面に設けられるものであり、サーマルヘッド等の加熱デバイスと基材との熱融着を防止し、また走行を滑らかに行う等の目的で設けられる。同じく図2に示すように、離型層4は、基材1と保護層形成用層2との間に設けられるものであり、保護層形成用層2の熱転写時の離型性を向上させるために設けられるものである。このような背面層および離型層は、特に限定されるものではなく、例えば、特開2001−347759号公報に記載されたもの等を挙げることができる。
【0046】
4.熱転写受像シート
次に、保護層転写シートの保護形成用層が転写される熱転写受像シートについて説明する。上記熱転写受像シートは、通常、支持体と、上記支持体上に形成された受容層とを有するものであり、上記受容層は、キレート化可能な熱拡散性染料と反応し得る金属イオン含有化合物を含有するものである。
【0047】
上記熱転写受像シートにおいては、上記受容層に上記熱拡散性染料が転写された際に、上記熱拡散性染料が、上記金属イオン含有化合物と反応し、熱拡散性染料−金属イオン含有化合物複合体となり、画像を形成する。このようにして形成された画像は、高温及び高湿下に長時間放置しても、染料の褪色及び滲みが起こりにくく、従来の感熱昇華転写に比べて優れた耐光性を示す。上記方法により形成された画像、および受容層の表面を保護する保護層を形成するために、本発明の保護層転写シートが用いられる。
【0048】
(1)受容層
上記熱転写受像シートに用いられる受容層は、通常、上記金属イオン含有化合物およびバインダー樹脂を含有するものである。
【0049】
(a)金属イオン含有化合物
上記熱転写受像シートの受容層に用いられる金属イオン含有化合物は、後述する熱拡散性染料と反応し、受容層中で熱拡散性染料−金属イオン含有化合物複合体を形成する。
上記金属イオン含有化合物の受容層における含有量としては、特に限定されるものではないが、後述するバインダー樹脂に対して5〜80重量%が好ましく、10〜70重量%がより好ましい。
【0050】
上記熱転写受像シートの受容層に用いられる金属イオン含有化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、金属イオンの無機または有機の塩、および金属錯体が挙げられ、中でも有機酸の塩および錯体が好ましい。金属としては、周期律表の第I〜VIII族に属する1価及び多価の金属が挙げられるが、中でもAl、Co、Cr、Cu、Fe、Mg、Mn、Mo、Ni、Sn、Ti及びZnが好ましく、Ni、Cu、Cr、Co及びZnがより好ましく、特にNiが好ましい。このような金属イオン含有化合物の具体例としては、Ni2+、Cu2+、Cr2+、Co2+およびZn2+と酢酸やステアリン酸等の脂肪族との塩、あるいは安息香酸、サルチル酸等の芳香族カルボン酸の塩等が挙げられる。また、下記一般式(5)で表される錯体は特に好ましく用いることができる。
【0051】
一般式(5) [M(Q)1(Q)m(Q)n]p+(Y)p
【0052】
但し、上記式中、Mは金属イオン、好ましくはNi2+、Cu2+、Cr2+、Co2+、Zn2+を表す。Q、Q、Qは各々Mで表される金属イオンと配位結合可能な配位化合物を表し、互いに同じであっても異なっていても良い。これらの配位化合物としては、例えばキレート科学5(上野景平著、南江堂、1975年)に記載されている配位化合物から選択することができる。Yは有機アニオン基を表し、具体的にはテトラフェニルホウ素アニオンやアルキルベンゼンスルホン酸アニオン等を挙げることができる。lは1、2又は3の整数を表し、mは1、2又は0を表し、nは1又は0を表すが、これらは上記一般式で表される錯体が4座配位か、6座配位かによって決定されるか、あるいはQ、Q、Qの配位子の数によって決定される。Pは0、1又は2を表す。P=0は、Qで表される配位化合物がアニオン性化合物であり、Qで表されるアニオン性化合物とMで表される金属カチオンとが電気的に中和された状態であることを意味する。
【0053】
アニオン性化合物としては下記一般式(6)で表される化合物が好ましい。
【0054】
【化5】

【0055】
式中R、Rは各々同じであっても異なっていても良く、アルキル基又はアリール基を表し、Rはアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、水素原子を表す。R、R及びRは、後述する一般式(I)におけるR11で表される置換基と同様の置換基によって置換されていても良い。
【0056】
本発明においては、特に、上記金属イオン含有化合物が、下記構造式で表される化合物であることが好ましい。
【0057】
【化6】

【0058】
(b)バインダー樹脂
上記熱転写受像シートの受容層に用いられるバインダー樹脂としては、色素が染着しやすいものであれば特に限定されるものではなく、公知のものを使用することができる。具体的には、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのハロゲン化樹脂;塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂などのハロゲン化樹脂と他のビニル系モノマーとの共重合体;ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラールなどのビニル系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂;ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、フェノキシ樹脂、エチレンやプロピレンなどのオレフィンと他のビニル系モノマーとの共重合体;ポリウレタン;ポリカーボネート;アクリル樹脂;アイオノマー;セルロース誘導体等を用いることができ、これらの中でもハロゲン化樹脂と他のビニル系モノマーとの共重合樹脂、ポリエステル系樹脂およびビニル系樹脂が好ましい。なお、上記バインダー樹脂は、単体で用いても良く、混合物で用いても良い。
【0059】
(2)支持体
上記熱転写受像シートに用いられる支持体は、上記受容層を保持するという役割を有するとともに、熱転写時には熱が加えられるため、過熱された状態でも取り扱い上支障のない程度の機械的強度を有することが好ましい。
【0060】
このような支持体の材料としては特に限定されず、例えば、コンデンサーペーパー、グラシン紙、硫酸紙、またはサイズ度の高い紙、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系)、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、壁紙、裏打用紙、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、板紙等、セルロース繊維紙、あるいはポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン−エチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等のフィルムが挙げられ、また、これらの合成樹脂に白色顔料や充填剤を加えて成膜した白色不透明フィルムあるいは発泡させた発泡シートも使用できる。さらに、上記支持体の任意の組み合わせによる積層体も使用できる。
【0061】
上記支持体と上記受容層との接着強度を大きくする等の目的で、支持体の表面に各種プライマー処理やコロナ放電処理を施すのが好ましい。
【0062】
(3)熱拡散性染料
次に、上記金属イオン含有化合物と反応する熱拡散性染料について説明する。上記熱拡散性染料は通常、インクシートのインク層の中に含まれ、上記インク層と上記受容層とを対向するように重ね合わせ、サーマルヘッド等で加熱することによって、上記熱拡散性染料を上記熱転写受像シートの受容層に転写する。
本発明における、上記インクシートのインク層としては、色素が熱拡散しやすく、かつ、保存時色素がブリードしたり、熱転写時受像シートと熱融着する、等の不具合が発生するものでなければ、特に限定されるものではなく、公知のものを使用することができる。具体的には、アクリル系樹脂及びその誘導体、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂、ニトロセルロース、エチルセルロース、酢酸セルロース等のセルロース及びその誘導体が挙げられる。
【0063】
本発明における上記熱拡散性染料としては、上述した金属イオン含有化合物とキレート反応可能なものであれば、特に限定されるものではなく、一般的なシアン染料、マゼンダ染料、イエロー染料等を使用することができる。中でも、本発明においては、下記一般式(I)〜(V)で表される熱拡散性染料であることが好ましい。
【0064】
(a)一般式(I)で表される熱拡散性染料
【0065】
【化7】

【0066】
(式中、R11は置換基を表し、R12はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基またはシクロアルキル基を表し、R13及びR14は水素原子または置換基を表し、R15、R16、R17及びR18は水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。Z11は5又は6員の含窒素複素環を形成するために必要な非金属原子群を表す。)
【0067】
上記R11で表される置換基は、特に制限はないが、例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリフルオロメチル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)、アシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、アルケニル基(例えば、2−プロペニル基、3−ブテニル基、1−メチル−3−プロペニル基、3−ペンテニル基、1−メチル−3−ブテニル基、4−ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等)、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子等)、アルキニル基(例えば、プロパルギル基等)、ヘテロ環基(例えば、ピリジル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基等)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基等)、アリールスルホニル基(例えば、フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基等)、アルキルスルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基等)、アリールスルフィニル基(例えば、フェニルスルフィニル基等)、ホスホノ基、アシル基(アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、ブチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド基、ベンゼンスルホンアミド基等)、シアノ基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等)、複素環オキシ基、シロキシ基、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等)、スルホン酸基、スルホン酸の塩、アミノカルボニルオキシ基、アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基等)、アニリノ基(例えばフェニルアミノ基、クロロフェニルアミノ基、トルイジノ基、アニシジノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基等)、イミド基、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基、ナフチルウレイド基、2−ピリジルアミノウレイド基等)、アルコキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ基、フェノキシカルボニルアミノ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基等)、複素環チオ基、チオウレイド基、カルボキシル基、カルボン酸の塩、ヒドロキシル基、メルカプト基、ニトロ基等の各基が挙げられる。
【0068】
これらの置換基は、同様の置換基によって更に置換されていてもよい。
【0069】
11としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、シアノ基、アルコキシ基、アミノ基、及びアルコキシカルボニル基が好ましく、アルキル基が特に好ましい。一般式(I)において、R12はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基またはシクロアルキル基を表す。R12が表すアルキル基、アルケニル基、アルキニル基またはシクロアルキル基は、上記R11おけるアルキル基、アルケニル基、アルキニル基またはシクロアルキル基と同様の基を挙げることができる。
【0070】
12が表すアルキル基、アルケニル基、アルキニル基またはシクロアルキル基は、上記R11で表される置換基と同様の置換基によって置換されていてもよい。
12としては、アルキル基が好ましい。
【0071】
一般式(I)において、R13及びR14は水素原子または置換基を表す。R13及びR14が表す置換基としては、上記R11で表される置換基と同様の基を挙げることができ、これらの置換基は、さらに同様の置換基によって置換されていてもよい。R13及びR14としては、水素原子、アルキル基及びアリール基が好ましく、水素原子が特に好ましい。
【0072】
一般式(I)において、R15、R16、R17及びR18は水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。R15、R16、R17及びR18が表すアルキル基及びアリール基は、上記R11おけるアルキル基及びアリール基と同様の基を挙げることができる。
【0073】
15、R16、R17及びR18が表すアルキル基及びアリール基は、上記R11で表される置換基と同様の置換基によって置換されていてもよい。
15、R16、R17及びR18としては、水素原子が好ましい。
【0074】
一般式(I)において、Z11は5又は6員の含窒素複素環を形成するために必要な非金属原子群を表す。
【0075】
このような複素環の具体例として、ピリジン環、ピラゾール環、イミダゾール環、ピラジン環、ピリミジン環、トリアジン環、チアゾール環、オキサゾール環、キノリン環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環等の各環を挙げることができる。好ましくは、ピリジン環、ピラゾール環、イミダゾール環であり、特に好ましくは、ピリジン環である。これらの環は置換基を有していてもよく、置換基としては、上記R11で表される置換基と同様の基を挙げることができる。
【0076】
本発明においては、一般式(I)で表される熱拡散性染料の中でも、一般式(I−i)で表される熱拡散性染料が好ましい。
【0077】
【化8】

【0078】
本発明においては、下記構造式(I−1)で表される化合物が好適に用いられる。
【0079】
【化9】

【0080】
(b)一般式(II)で表される熱拡散性染料
【0081】
【化10】

【0082】
(式中、R21は、トリフルオロメチル基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、カルバモイル基、アミノ基、シアノ基を表し、R22は、アルキル基、アシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基を表し、R23は、アルキル基、アルケニル基、アリール基を表す。但し、R21とR22の炭素数の総和は3以上である。X21は、−CR2425−、−S−、−O−、−NR26−を表し、R24、R25は、水素原子、ハロゲン原子、置換基を表し、R26は、水素原子、置換基を表す。Y21は、5〜6員環を形成するのに必要な原子群を表す。)
【0083】
一般式(II)中、R21は、トリフルオロメチル基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、カルバモイル基、アミノ基、シアノ基を表す。
上記R21として、好ましくは、アルキル基、トリフルオロメチル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、カルバモイル基、シアノ基であり、更に好ましくはアルキル基である。アルキル基の中でも、更に好ましくは、分岐アルキル基であり、分岐アルキル基としては、例えば、イソプロピル基、tert−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、neo−ペンチル基、tert−アミル基などが挙げられるが、最も好ましくは、イソプロピル基、tert−ブチル基である。
本発明においては、R11が嵩高くなることにより、色素の耐光性が向上する。
【0084】
22は、アルキル基、アシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基を表す。
上記R22として、好ましくは、アルキル基、アシル基、カルバモイル基であり、更に好ましくは、アルキル基である。アルキル基の中でも特に好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基であるが、最も好ましくは、メチル基である。
【0085】
23は、アルキル基、アルケニル基、アリール基を表す。好ましくは、アルキル基であり、アルキル基の中でも好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基であるが、最も好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基である。
【0086】
上記X21は、−CR2425−、−S−、−O−、−NR26−を表し、好ましくは、−CR2425−、−S−、−O−である。
【0087】
24、R25は、水素原子、ハロゲン原子、置換基を表す。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられ、好ましくは、フッ素原子、塩素原子である。置換基としては、上述した一般式(I)における置換基と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0088】
上記置換基として、好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基である。より好ましくは、水素原子、アルキル基が好ましく、アルキル基の中で好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基であるが、最も好ましくは、メチル基である。
【0089】
26は、水素原子、置換基を表す。
置換基としては上記R24、R25の例として挙げたものと同様の置換基が挙げられる。
【0090】
好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基である。より好ましくは、水素原子、アルキル基が好ましく、アルキル基の中で好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基であるが、最も好ましくは、メチル基である。
【0091】
21は、5〜6員環を形成するのに必要な原子群を表す。好ましくは、6員環を形成するのに必要な原子群である。例えば、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、ベンゼン環、ピリジン環、ナフタレン環などが挙げられるが、好ましくは、ベンゼン環である。
【0092】
本発明においては、一般式(II)で表される熱拡散性染料の中でも、一般式(II−i)〜(II−iv)で表される熱拡散性染料が好ましい。
【0093】
【化11】

【0094】
本発明においては、下記構造式(II−1)で表される化合物が好適に用いられる。
【0095】
【化12】

【0096】
(c)一般式(III)で表される熱拡散性染料
【0097】
【化13】

【0098】
(式中、Y31は0.2≦σp≦0.9の置換基を表し、Z31、Z32は−CR32=または−N=を表し、L31は下記一般式(III-a)で表される基を表し、X31は、無置換または置換されたアルキルアミノ基を表し、R31は置換または無置換のアルキル基を表し、nは0以上の整数を表す。R32は水素原子または置換基を表す。)ここで、σpとは電子的パラメーターを示し、J.Med.Chem.16,1207(1973) 及びJ.Med.Chem.20,304(1977)に記載された方法により算出することができる。
【0099】
【化14】

(式中、B31は複素環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。)
【0100】
一般式(III)において、Y31は0.2≦σp≦0.9の置換基を表し、好ましくは0.3≦σp≦0.8、更に好ましくは0.4≦σp≦0.7の置換基を表す。σp<0.2の場合、吸収波長がブロードになり好ましくなく、σp>0.9の場合は製造時の色素化が低収率で好ましくない。具体的な置換基としてはアシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、シアノ基、パーフルオロアルキル基が好ましい。
【0101】
31は一般式(III-a)で表される基を表し、複素環を形成するのに必要な非金属原子群B31を含む。一般式(III-a)で表される基としては、2−ピロリル基、イミダゾリル基、イソチアゾリル基、イソオキサゾリル基、3−ピラゾリル基、ピラジニル基、トリアゾリル基、2−ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、3H−インドドリル基、1H−インダゾリル基、プリニル基、イソキノリル基、キノリル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノザリニル基、キナゾリニル基等を表す。これら複素環は更に置換基を有してもよく、該置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子等)、アルキル基(例えば、メチル、エチル、ブチル、ペンチル、2−メトキシエチル、トリフルオロメチル、2−エチルヘキシル等)、アリール基(例えば、フェニル、p−トリル、ナフチル等)、アシル基(例えば、アセチル、プロピオニル、ベンゾイル等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、ブトキシ等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、i−プロポキシカルボニル等)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ、エチルカルボニルオキシ等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、オクチルチオ等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、p−トリルチオ等)、アミノ基(例えば、メチルアミノ、ジエチルアミノ、メトキシエチルアミノ等)、シアノ基、ニトロ基、複素環基(例えば、ピリジル、ピラゾリル、イミダゾリル、フリル、チエニル等)が挙げられる。
【0102】
31は無置換または置換されたアルキルアミノ基を表し、置換基としては、アリール基(例えば、フェニル、p−トリル、ナフチル等)、アシル基(例えば、アセチル、プロピオニル、ベンゾイル等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、ブトキシ等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、i−プロポキシカルボニル等)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ、エチルカルボニルオキシ等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、オクチルチオ等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、p−トリルチオ等)、アミノ基(例えば、メチルアミノ、ジエチルアミノ等)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホン酸基、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド、エタンスルホンアミド等)、アシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ等)、カルバモイル基(メチルカルバモイル、フェニルカルバモイル等)、スルファモイル基(例えば、メチルスルファモイル、フェニルスルファモイル等)が挙げられる。
【0103】
31は置換または無置換のアルキル基を表す。R32は水素原子または置換基を表し、置換基としてはアルキル基(例えば、メチル、エチル、ブチル、ペンチル、2−メトキシエチル、トリフルオロメチル、2−エチルヘキシル等)、アリール基(例えば、フェニル、p−トリル、ナフチル等)、アシル基(例えば、アセチル、プロピオニル、ベンゾイル等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、ブトキシ等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、i−プロポキシカルボニル等)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ、エチルカルボニルオキシ等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、オクチルチオ等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、p−トリルチオ等)、アミノ基(例えば、メチルアミノ、ジエチルアミノ等)、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。
【0104】
本発明においては、一般式(III)で表される熱拡散性染料の中でも、一般式(III−i)〜(III−iii)で表される熱拡散性染料が好ましい。
【0105】
【化15】

【0106】
本発明においては、下記構造式(III−1)で表される化合物が好適に用いられる。
【0107】
【化16】

【0108】
(d)一般式(IV)で表される熱拡散性染料
【0109】
【化17】

【0110】
(式中、Y41は0.2≦σp≦0.9の置換基を表し、Z41、Z42は−CR43=または−N=を表し、L41は一般式(IV-a)、(IV-b)で表される基を表し、X41は、無置換または置換されたアルキルアミノ基を表し、R41は置換または無置換のアルキル基を表し、R43は水素原子または置換基を表し、nは0以上の整数を表す。)
【0111】
【化18】

【0112】
(式中、R42は水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基を表し、Rbは置換基を表し、pは0〜4の整数を表し、Bは−CR42=と共に複素環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。)
【0113】
一般式(IV)において、Y41は0.2≦σp≦0.9の置換基を表し、好ましくは0.3≦σp≦0.8、さらに好ましくは0.4≦σp≦0.7の置換基を表す。σp<0.2の場合、吸収波長がブロードになり好ましくなく、σp>0.9の場合は製造時の色素化が低収率で好ましくない。
【0114】
41は一般式(IV-a)、(IV-b)で表される基を表し、一般式(IV-a)で表される−CR42=およびB41と共に複素環を形成した基としては、ピロリル基、イミダゾリル基、イソチアゾリル基、イソオキサゾリル基、ピラゾリル基、ピラジニル基、トリアゾリル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、3H−インドドリル基、1H−インダゾリル基、プリニル基、イソキノリル基、キノリル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノザリニル基、キナゾリニル基等が挙げられる。R42は水酸基、アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ等)、アリールオキシ基、アミノ基(例えばメチルアミノ、ジエチルアミノ、メトキシエチルアミノ等)、メルカプト基、アルキルチオ基(例えばメチルチオ、エチルチオ、オクチルチオ等)、アリールチオ基(例えばフェニルチオ、p−トリルチオ等)を表す。これら複素環は更に置換基を有してもよく、該置換基としては、例えばハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子等)、アルキル基(例えばメチル、エチル、ブチル、ペンチル、2−メトキシエチル、トリフルオロメチル、2−エチルヘキシル等)、アリール基(例えばフェニル、p−トリル、ナフチル等)、アシル基(例えばアセチル、プロピオニル、ベンゾイル等)、アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ等)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ、ナフトキシ等)、アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル、i−プロポキシカルボニル等)、アシルオキシ基(例えばアセチルオキシ、エチルカルボニルオキシ等)、アルキルチオ基(例えばメチルチオ、エチルチオ、オクチルチオ等)、アリールチオ基(例えばフェニルチオ、p−トリルチオ等)、アミノ基(例えばメチルアミノ、ジエチルアミノ、メトキシエチルアミノ等)、シアノ基、ニトロ基、複素環基(例えばピリジル、ピラゾリル、イミダゾリル、フリル、チエニル等)が挙げられる。
【0115】
41は無置換または置換されたアルキルアミノ基を表し、置換基としては、アリール基(例えば、フェニル、p−トリル、ナフチル等)、アシル基(例えば、アセチル、プロピオニル、ベンゾイル等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、ブトキシ等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、i−プロポキシカルボニル等)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ、エチルカルボニルオキシ等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、オクチルチオ等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、p−トリルチオ等)、アミノ基(例えば、メチルアミノ、ジエチルアミノ等)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホン酸基、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド、エタンスルホンアミド等)、アシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ等)、カルバモイル基(メチルカルバモイル、フェニルカルバモイル等)、スルファモイル基(例えば、メチルスルファモイル、フェニルスルファモイル等)が挙げられる。
【0116】
41は置換または無置換のアルキル基を表す。R43は水素原子または置換基を表し、置換基としてはアルキル基(例えばメチル、エチル、ブチル、ペンチル、2−メトキシエチル、トリフルオロメチル、2−エチルヘキシル等)、アリール基(例えばフェニル、p−トリル、ナフチル等)、アシル基(例えばアセチル、プロピオニル、ベンゾイル等)、アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ等)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ、ナフトキシ等)、アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル、i−プロポキシカルボニル等)、アシルオキシ基(例えばアセチルオキシ、エチルカルボニルオキシ等)、アルキルチオ基(例えばメチルチオ、エチルチオ、オクチルチオ等)、アリールチオ基(例えばフェニルチオ、p−トリルチオ等)、アミノ基(例えばメチルアミノ、ジエチルアミノ等)、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。
【0117】
Rbで表される置換基としては、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子等)、アルキル基(例えばメチル、エチル、ブチル、ペンチル、2−メトキシエチル、トリフルオロメチル、2−エチルヘキシル等)、アリール基(例えばフェニル、p−トリル、ナフチル等)、アシル基(例えばアセチル、プロピオニル、ベンゾイル等)、アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ等)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ、ナフトキシ等)、アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル、i−プロポキシカルボニル等)、アシルオキシ基(例えばアセチルオキシ、エチルカルボニルオキシ等)、アルキルチオ基(例えばメチルチオ、エチルチオ、オクチルチオ等)、アリールチオ基(例えばフェニルチオ、p−トリルチオ等)、アミノ基(例えばメチルアミノ、ジエチルアミノ、メトキシエチルアミノ等)、シアノ基、ニトロ基、複素環基(例えばピリジル、ピラゾリル、イミダゾリル、フリル、チエニル等)等が挙げられる。
【0118】
本発明においては、一般式(IV)で表される熱拡散性染料の中でも、一般式(IV−i)〜(IV−iii)で表される熱拡散性染料が好ましい。
【0119】
【化19】

【0120】
本発明においては、下記構造式(IV−1)で表される化合物が好適に用いられる。
【0121】
【化20】

【0122】
(e)一般式(V)で表される熱拡散性染料
【0123】
【化21】

【0124】
(式中、R51及びR52はそれぞれ、置換又は無置換の脂肪族基を表し、R53は置換基を表す。nは0〜4の整数を表し、nが2以上の時、複数のR53は同じでも異なってもよい。R55、R56はアルキル基を表す。但し、R55、R56の少なくとも1つは2級アルキル基を表す。)
【0125】
一般式(V)において、R51およびR52は置換または無置換の脂肪族基を表し、R51およびR52は同じでも異なっていてもよい。脂肪族基の例としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基等が挙げられる。アルキル基の例としてはメチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基などを挙げることができ、これらのアルキル基を置換しうる基としては、直鎖あるいは分岐のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、i−プロピル基、t−ブチル基、n−ドデシル基、および1−ヘキシルノニル基等)、シクロアルキル基(例えばシクロプロピル基、シクロヘキシル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、およびアダマンチル基等)、およびアルケニル基(例えば2−プロピレン基、オレイル基等)、アリール基(例えばフェニル基、オルト−トリル基、オルト−アニシル基、1−ナフチル基、9−アントラニル基等)、複素環基(例えば2−テトラヒドロフリル基、2−チオフェニル基、4−イミダゾリル基、および2−ピリジル基等)、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、カルボニル基(例えばアセチル基、トリフルオロアセチル基、ピバロイル基等のアルキルカルボニル基、ベンゾイル基、ペンタフルオロベンゾイル基、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾイル基等のアリールカルボニル基等)、オキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、n−ドデシルオキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、2,4−ジ−t−アミルフェノキシカルボニル基、1−ナフチルオキシカルボニル基等のアリールオキシカルボニル基、および2−ピリジルオキシカルボニル基、1−フェニルピラゾリル−5−オキシカルボニル基などの複素環オキシカルボニル基等)、カルバモイル基(例えばジメチルカルバモイル基、4−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)ブチルアミノカルボニル基等のアルキルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基、1−ナフチルカルバモイル基等のアリールカルバモイル基)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、2−エトキシエトキシ基等)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ基、2,4−ジ−t−アミルフェノキシ基、4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ基等)、複素環オキシ基(例えば4−ピリジルオキシ基、2−ヘキサヒドロピラニルオキシ基等)、カルボニルオキシ基(例えばアセチルオキシ基、トリフルオロアセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基等のアルキルカルボニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、ペンタフルオロベンゾイルオキシ基等のアリールオキシ基等)、ウレタン基(例えばN,N−ジメチルウレタン基等のアルキルウレタン基、N−フェニルウレタン基、N−(p−シアノフェニル)ウレタン基等のアリールウレタン基)、スルホニルオキシ基(例えばメタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、n−ドデカンスルホニルオキシ基等のアルキルスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基等のアリールスルホニルオキシ基)、アミノ基(例えばジメチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、n−ドデシルアミノ基等のアルキルアミノ基、アニリノ基、p−t−オクチルアニリノ基等のアリールアミノ基等)、スルホニルアミノ基(例えばメタンスルホニルアミノ基、ヘプタフルオロプロパンスルホニルアミノ基、n−ヘキサデシルスルホニルアミノ基等のアルキルスルホニルアミノ基、p−トルエンスルホニルアミノ基、ペンタフルオロベンゼンスルホニルアミノ等のアリールスルホニルアミノ基)、スルファモイルアミノ基(例えばN,N−ジメチルスルファモイルアミノ基等のアルキルスルファモイルアミノ基、N−フェニルスルファモイルアミノ基等のアリールスルファモイルアミノ基)、アシルアミノ基(例えばアセチルアミノ基、ミリストイルアミノ基等のアルキルカルボニルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等アリールカルボニルアミノ基)、ウレイド基(例えばN,N−ジメチルアミノウレイド基等のアルキルウレイド基、N−フェニルウレイド基、N−(p−シアノフェニル)ウレイド基等のアリールウレイド基)、スルホニル基(例えばメタンスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基等のアルキルスルホニル基、およびp−トルエンスルホニル基等のアリールスルホニル基)、スルファモイル基(例えばジメチルスルファモイル基、4−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)ブチルアミノスルホニル基等のアルキルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基等のアリールスルファモイル基)、アルキルチオ基(例えばメチルチオ基、t−オクチルチオ基等)、アリールチオ基(例えばフェニルチオ基等)、および複素環チオ基(例えば1−フェニルテトラゾール−5−チオ基、5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−チオ基等)等が挙げられる。
【0126】
シクロアルキル基、アルケニル基の例としては、上記置換基と同様である。また、アルキニル基の例としては、1−プロピン、2−ブチン、1−ヘキシン等が挙げられる。
【0127】
51、R52で非芳香族性の環状構造(例えばピロリジン環、ピペリジン環、モルホリン環等)を形成するのも好ましい。
【0128】
53は置換基を表し、置換基の例としては、上記R51、R52の置換基の例が挙げられる。上記置換基の中でもアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アシルアミノ基が好ましい。nは0〜4の整数を表し、nが2以上の場合、複数のR53は同じでも異なっていてもよい。
【0129】
55およびR56はアルキル基を表し、その例としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−へプチル基、イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、3−ヘプチル基、2−エチルヘキシル基などが挙げられる。R55、R56の少なくとも1つは2級アルキル基を表し、2級のアルキル基の例としてはイソプロピル基、sec−ブチル基、3−ヘプチル基、2−エチルヘキシル基、などが挙げられる。R55、R56の2級アルキル基として最も好ましい置換基はイソプロピル基である。R56の2級アルキル基は、置換されていても良いが、すべて炭素原子と水素原子からなる置換基で置換されており、その他の原子を含む置換基で置換されるものではない。R55とR56は同じでも良いし、異なっていても良い。
【0130】
本発明においては、一般式(V)で表される熱拡散性染料の中でも、一般式(V−i)〜(V−iii)で表される熱拡散性染料が好ましい。
【0131】
【化22】

【0132】
本発明においては、下記構造式(V−1)で表される化合物が好適に用いられる。
【0133】
【化23】

【0134】
B.印画物
次に、本発明の印画物について説明する。本発明の印画物は、上記保護層転写シートを用いたことを特徴とするものである。すなわち、本発明の印画物は、キレート化可能な熱拡散性染料と反応し得る金属イオン含有化合物を含有する受容層を備えた熱転写受像シートに、熱拡散性染料を転写し、熱拡散性染料−金属イオン含有化合物複合体を形成し、その後、上記保護層転写シートを用いて保護層を形成してなるものである。
【0135】
本発明においては、上記保護層転写シートを用いることにより、上述した性質を有する保護層を備えた印画物を得ることができ、耐光性、耐候性、耐摩耗性等の耐久性にも優れた印画物を得ることができる。
【0136】
本発明の印画物における保護層、熱転写受像シート、熱拡散性染料については、上記「A.保護層転写シート」における記載と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0137】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【実施例】
【0138】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、本実施例において、「部」とは、特に断りがない限り重量部を意味するものである。
[実施例1〜11および比較例1〜17]
実施例1〜11および比較例1〜17においては、図3に示すように、基材1と、基材1の一方の表面に形成された背面層4と、基材1の他方の表面に形成された保護層形成用層2とを有し、さらに、保護層形成用層2は、表面に接着層5を有する。なお、実施例1〜11および比較例1〜17においては、接着層5に紫外線吸収性重合体が含有される。
【0139】
基材シートとして、厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)を用い、この表面上に、予め下記組成に調製した背面層塗工液をグラビアコーティングにより、乾燥塗布量が1.0g/mになるように塗布し、背面層を形成した。
(背面層塗工液)
ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBX−1 積水化学工業(株)製)13.6部
ポリイソシアネート硬化剤(タケネートD218 武田薬品工業(株)製) 0.6部
リン酸エステル(プライサーフA208S 第一工業製薬(株)製) 0.8部
メチルエチルケトン 42.5部
トルエン 42.5部
【0140】
次に、上記背面層が形成された表面とは逆の基材シート表面に、下記組成に調製した保護層形成用層塗工液を、バーコーターにより乾燥後膜厚が1.0μmとなるように塗布し保護層形成用層を形成した。なお、上記保護層形成用層の乾燥に際しては、ドライヤーによる乾燥を行い、さらに、温度100℃のオーブン中に1分間静置した。
(保護層形成用層塗工液)
アクリル樹脂(三菱レイヨン(株)製BR−87) 20部
トルエン 40部
メチルエチルケトン 40部
【0141】
次に、上記の保護層形成用層上に、下記表1〜3に示す組成に調製した接着層塗工液を、バーコーターにより乾燥後膜厚が1.0μmとなるように塗布し接着層を形成した。上記接着層の乾燥に際しては、ドライヤーによる乾燥を行い、さらに、温度100℃のオーブン中に1分間静置した。上記のような操作を行うことにより、保護層転写シートを得た。
なお、表中の値は、各成分の重量部を示すものである。また、下記表1〜表3に示される「樹脂1」とは、下記の酸成分とジオール成分から定法により合成したガラス転移温度92℃であるポリエステル樹脂である。
(樹脂1)
酸成分 :テレフタル酸 50mol%
イソフタル酸 50mol%
ジオール成分:エチレングリコール 10mol%
テトラシクロデカングリコール 90mol%
【0142】
【表1】

【0143】
【表2】

【0144】
【表3】

【0145】
また、上記の表1〜表3における紫外線吸収性共重合体UVA1ないしUVA8、および光安定化剤HALS−AないしHALS−Eの構造式を下記に示す。
【0146】
【化24】

【0147】
【化25】

【0148】
[実施例12〜15および比較例18]
実施例12〜15および比較例18においては、図4に示すように、基材1と、基材1の一方の表面に形成された背面層4と、基材1の他方の表面に形成された保護層形成用層2とを有する。なお、実施例12〜15および比較例18においては、保護層形成用層2に紫外線吸収性重合体が含有される。
【0149】
まず、上記の実施例1〜11および比較例1〜17と同様に、基材上に背面層を形成した。次に、上記背面層が形成された表面とは逆の基材シート表面に、下記表4および表5に示す組成に調製した保護層形成用層塗工液を、バーコーターにより乾燥後膜厚が1.0μmとなるように塗布し接着層を形成した。上記接着層の乾燥に際しては、ドライヤーによる乾燥を行い、さらに、温度100℃のオーブン中に1分間静置した。上記のような操作を行うことにより、保護層転写シートを得た。
なお、表中の値は、各成分の重量部を示すものである。また、下記表4および表5に示される「BR−87」とは、アクリル樹脂(三菱レイヨン(株)製BR−87)である。
【0150】
【表4】

【0151】
【表5】

【0152】
なお、上記の表4および表5における紫外線吸収性共重合体UVA1ないしUVA8、および光安定化剤HALS−AないしHALS−Eの構造式は、上記に記載したものと同様である。
[評価]
実施例1〜15および比較例1〜18により得られた保護層転写シートの性能を確認するために、保護層が転写形成された印画物を作製した。
(Y、M、C印画)
まず、コニカミノルタフォトイメージング社製のフォトキレートプリンターRC602に用いられる、熱転写受像シートと、熱拡散性染料を有するインク層リボンとを用意した。次に、上記熱転写受像シートの受容層と、上記インク層リボンとを対向させて重ね合わせ、Y,M,Cの順番で、サーマルヘッドを用い下記条件で熱転写記録を行い、グラデーション画像を形成した。
【0153】
(Y、M、C印画条件)
・サーマルヘッド
・発熱体平均抵抗値:3195(Ω)
・主走査方向印字密度:300dpi・副走査方向印字密度:300dpi・印加電力:0.12(w/dot)
・1ライン周期:5(msec.)
・印字開始温度:40(℃)
・階調制御方法:1ライン周期中に、1ライン周期を256に等分割したパルス長を持つ分割パルスの数を0から255個まで可変できるマルチパルス方式のテストプリンターを用い、各分割パルスのDuty比を60%固定とし、階調によって、ライン周期あたりのパルス数を0ステップでは0個、1ステップでは17個、2ステップでは34個と0から255個まで17個毎に順次増加させることにより、0ステップから15ステップまでの16階調を制御した。
【0154】
(保護層印画)
次いで、上記のように形成したグラデーション画像上に保護層を転写形成した。上記の熱転写記録を行った印画物について、実施例および比較例の保護層転写シートを、保護層形成用層面と受像面とを対向させて重ね合わせ、下記印字条件でサーマルヘッドにより、印画面全面に保護層を形成した。
【0155】
(保護層印画条件)
・サーマルヘッド
・発熱体平均抵抗値:3195(Ω)
・主走査方向印字密度:300dpi・副走査方向印字密度:300dpi・印字電力:0.12(W/dot)
・1ライン周期:5(msec.)
・印字開始温度:40(℃)
・印加パルス:1ライン周期中に、1ライン周期を256に等分割したパルス長をもつ分割パルスの数を0から255個まで可変できるマルチパルス方式のテストプリンターを用い、各分割パルスのDuty比を70%固定、ライン周期あたりのパルス数を200個固定とし、ベタ印画を行い、受容層全面に保護層を形成した。
【0156】
上記の操作により、保護層を備える印画物を得た。本発明においては、上記印画物に対して、耐光性評価および発色性評価を行った。
【0157】
(耐光性評価)
耐光性評価の条件は以下の通りである。
・照射試験器:アトラス社製Ci35
・光源:キセノンランプ
・フィルター:内側=IRフィルター
外側=ソーダライムガラス
・ブラックパネル温度:45(℃)
・照射強度:1.2(W/m)―420(nm)での測定値
・照射エネルギー:400(kJ/m)−420(nm)での積算値
【0158】
上記耐光性条件の照射前後の画像の色相変化を色彩色差計(CR321、コニカミノルタ株式会社製)により測定し、照射前の光学反射濃度が1.0近傍のステップについて、下記式により色差を算出し、これを基に下記評価基準で耐光性を評価した。
色差ΔE*ab=((Δa*)+(Δb*)1/2
CIE1976 La*b*表色系(JIS Z8729 (1980))参照
Δa*=a*(照射後)−a*(照射前)
Δb*=b*(照射後)−b*(照射前)
(耐光性の評価基準)
○:色差ΔE*ab<5
△:5≦色差ΔE*ab<10
×:色差ΔE*ab≧10
(発色性評価)
上記印画物を110℃のオーブンに3分間入れ、発色性について、その前後の色相変化(色差)を測定することにより評価した。色差の算出方法は、上述の通りである。
(発色性の評価基準)
○:色差ΔE*ab<3
×:色差ΔE*ab≧3
【0159】
(染料汚染性)
一方、実施例1〜15および比較例1〜18により得られた保護層転写シートの染料汚染性を評価するために、以下の操作を行った。
まず、M染料を含有する染料層と、背面層とを備えた染料リボンを2個用意し、一方の染料リボンの染料層と、他方の染料リボンの背面層とを重ね合わせ、20Kg/cmの荷重を加え、さらに、この状態のまま40℃・90%RH環境で3日間保存した。これにより、染料層中のM染料を、接触する背面層に移行させた。
次に、上記M染料が移行した背面層と、実施例および比較例で得られた保護層転写シートの接着層とを重ね合わせ、60℃の環境で2日間保存した。その後、上記背面層と上記接着層とを剥離し、保護層の地汚れについて評価を行った。具体的には、上記接着層を重ね合わせる前後における保護層の色相変化(色差)を測定することにより評価した。
(汚染性の評価基準)
○:色差ΔE*ab<3
△:3≦色差ΔE*ab<5
×:色差ΔEab≧5
【0160】
上記の耐光性評価、汚染性評価および発色性評価の結果を、表6および表7に示す。
【0161】
【表6】

【0162】
【表7】

【0163】
表6および表7より明らかなように、実施例で作製された保護層転写シートは、耐光性評価、汚染性評価および発色性評価の全てにおいて、良好な結果が得られた。これに対して、比較例で作製された保護層転写シートは、耐光性評価、汚染性評価および発色性評価のいずれかにおいて、良好な結果が得られなかった。従って、本発明の保護層転写シートは、耐光性、汚染性および発色性について、総合的に優れていることが明らかになった。
【図面の簡単な説明】
【0164】
【図1】本発明の保護層転写シートの一例を示す断面概略図である。
【図2】本発明の保護層転写シートの他の例を示す断面概略図である。
【図3】実施例1〜11および比較例1〜17における保護層転写シートの構造を説明する説明図である。
【図4】実施例12〜15および比較例18における保護層転写シートの構造を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0165】
1 … 基板
2 … 保護層形成用層
3 … 背面層
4 … 離型層
5 … 接着層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キレート化可能な熱拡散性染料と反応し得る金属イオン含有化合物を含有する受容層を備えた熱転写受像シートに、前記熱拡散性染料を転写した後、前記受容層の表面を保護する保護層を形成するために用いられる保護層転写シートであって、
基材と、前記基材上に形成された保護層形成用層とを備え、前記保護層形成用層が、下記一般式(1)
【化1】

で表される紫外線吸収性モノマーと、アクリル系モノマーとが共重合してなる紫外線吸収性共重合体を含有し、
前記紫外線吸収性共重合体中に、前記紫外線吸収性モノマーが40mol%以上含有されることを特徴とする保護層転写シート。
【請求項2】
前記紫外線吸収性共重合体の吸収極大波長が310〜360nmの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の保護層転写シート。
【請求項3】
前記保護層形成用層が、分子量1500以上のヒンダードアミン系光安定化剤を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の保護層転写シート。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の保護層転写シートを用いたことを特徴とする印画物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−90782(P2007−90782A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−285686(P2005−285686)
【出願日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【出願人】(303050159)コニカミノルタフォトイメージング株式会社 (1,066)
【Fターム(参考)】