説明

保護膜形成用薬液

【課題】半導体デバイス製造において、表面の微細な凹凸パターンの少なくとも一部にチタン、窒化チタン、タングステン、アルミニウム、銅、スズ、窒化タンタル、ルテニウム、及びシリコンからなる群から選ばれる少なくとも1種の物質を含むウェハのパターン倒れを誘発しやすい洗浄工程を改善するための、保護膜形成用薬液を提供することを課題とする。
【解決手段】表面に微細な凹凸パターンを形成されたウェハにおいて該凹凸パターンの少なくとも凹部表面の一部がチタン、窒化チタン、タングステン、アルミニウム、銅、スズ、窒化タンタル、ルテニウム、及びシリコンからなる群から選ばれる少なくとも1種の物質を含むウェハの洗浄時に、少なくとも前記凹部表面に撥水性保護膜を形成するための撥水性保護膜形成剤を含む薬液であり、該撥水性保護膜形成剤が非水溶性の界面活性剤であることを特徴とするウェハの撥水性保護膜形成用薬液。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に微細な凹凸パターンを形成されたウェハにおいて該凹凸パターンの少なくとも凹部表面の一部がチタン、窒化チタン、タングステン、アルミニウム、銅、スズ、窒化タンタル、ルテニウム、及びシリコンからなる群から選ばれる少なくとも1種の物質を含むウェハの洗浄時に、少なくとも前記凹部表面に撥水性保護膜を形成するための撥水性保護膜形成剤を含む薬液であり、該撥水性保護膜形成剤が非水溶性の界面活性剤であることを特徴とする、ウェハの撥水性保護膜形成用薬液。
【請求項2】
前記非水溶性の界面活性剤が、Griffin法によるHLB値で0.001乃至10であることを特徴とする、請求項1に記載のウェハの撥水性保護膜形成用薬液。
【請求項3】
前記非水溶性の界面活性剤が、以下の一般式[1]、一般式[2]及びその塩化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のウェハの撥水性保護膜形成用薬液。

(式[1]中、Rは、炭素数が1乃至18の炭化水素基を含む1価の有機基、または、炭素数が1乃至8のフルオロアルキル鎖を含む1価の有機基である。Uは、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、及び、ヨード基からなる群から選ばれる基を示す。)

(式[2]中、Rは、炭素数が1乃至18の炭化水素基を含む1価の有機基、または炭素数が1乃至8のフルオロアルキル鎖を含む1価の有機基である。Rは、水素原子、または炭素数が1乃至18の炭化水素基を含む1価の有機基、または炭素数が1乃至8のフルオロアルキル鎖を含む1価の有機基である。Rは、水素原子、または炭素数が1乃至18の炭化水素基を含む1価の有機基、または炭素数が1乃至8のフルオロアルキル鎖を含む1価の有機基である。)
【請求項4】
前記非水溶性の界面活性剤が、前記一般式[1]で表される非水溶性の界面活性剤において、Rが、炭素数が8乃至18の炭化水素基を含む1価の有機基である化合物、前記一般式[2]で表される非水溶性の界面活性剤において、Rが、炭素数が6乃至18の炭化水素基を含む1価の有機基であり、Rが水素原子、または炭素数が1乃至18の炭化水素基を含む1価の有機基であり、Rが水素原子、または炭素数が1乃至18の炭化水素基を含む1価の有機基である化合物、及びその塩化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のウェハの撥水性保護膜形成用薬液。
【請求項5】
前記非水溶性の界面活性剤が、以下の一般式[3]乃至[6]からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のウェハの撥水性保護膜形成用薬液。

(式[3]中、Rは、炭素数が1乃至18の炭化水素基を含む1価の有機基、または、炭素数が1乃至8のフルオロアルキル鎖を含む1価の有機基である。Vは、酸素原子、または硫黄原子を示し、Wは、水素原子、アルキル基、芳香族基、ピリジル基、キノリル基、スクシンイミド基、マレイミド基、ベンゾオキサゾール基、ベンゾチアゾール基、及び、ベンゾトリアゾール基からなる群から選ばれる基を示し、これらの基における水素原子は、有機基で置換されていても良い。)

(式[4]中、Xはイソシアネート基、メルカプト基、またはアルデヒド基であり、aは1乃至6の整数、Rは、炭素数が1乃至18の炭化水素基を含む有機基、または炭素数が1乃至8のフルオロアルキル鎖を含む有機基であり、前記のa個のイソシアネート基、メルカプト基、またはアルデヒド基で同数の水素原子が置換された化合物である。)

(式[5]中、Yは硫黄元素を含む環構造であり、Rは、水素原子、炭素数が1乃至18の炭化水素基を含む1価の有機基、及び、炭素数が1乃至8のフルオロアルキル鎖を含む1価の有機基からなる群から選ばれる基である。)

(式[6]中、Rは、炭素数が1乃至18の炭化水素基を含む1価の有機基、または、炭素数が1乃至8のフルオロアルキル鎖を含む1価の有機基である。Rは、炭素数が1乃至18の炭化水素基を含む1価の有機基、または、炭素数が1乃至8のフルオロアルキル鎖を含む1価の有機基である。Zは、酸素原子、または硫黄原子を示す。)
【請求項6】
前記撥水性保護膜形成用薬液中に希釈溶媒が含有されることを特徴とする、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のウェハの撥水性保護膜形成用薬液。
【請求項7】
表面に微細な凹凸パターンを形成されたウェハにおいて該凹凸パターンの少なくとも凹部表面の一部がチタン、窒化チタン、タングステン、アルミニウム、銅、スズ、窒化タンタル、ルテニウム、及びシリコンからなる群から選ばれる少なくとも1種の物質を含むウェハの洗浄時に、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のウェハの撥水性保護膜形成用薬液を少なくとも該凹部に保持することにより、前記凹部表面に形成された撥水性保護膜であり、該撥水性保護膜が、撥水性保護膜形成剤である非水溶性の界面活性剤から形成されたものであることを特徴とする、撥水性保護膜。
【請求項8】
表面に微細な凹凸パターンを形成されたウェハにおいて該凹凸パターンの少なくとも凹部表面の一部がチタン、窒化チタン、タングステン、アルミニウム、銅、スズ、窒化タンタル、ルテニウム、及びシリコンからなる群から選ばれる少なくとも1種の物質を含むウェハの洗浄方法であって、該方法は、少なくとも、
凹凸パターンの少なくとも凹部に保護膜形成用薬液を保持する保護膜形成工程、
乾燥により凹凸パターンから液体を除去する乾燥工程、
ウェハ表面を光照射すること、ウェハを加熱すること、及び、ウェハをオゾン曝露することから選ばれる少なくとも1つの処理を行うことにより保護膜を除去する膜除去工程
を有し、前記保護膜形成用薬液が、少なくとも前記凹部表面に撥水性保護膜を形成するための撥水性保護膜形成剤を含む薬液であり、該撥水性保護膜形成剤が非水溶性の界面活性剤であることを特徴とする、前記洗浄方法。
【請求項9】
前記非水溶性の界面活性剤が、Griffin法によるHLB値で0.001乃至10であることを特徴とする、請求項8に記載の洗浄方法。
【請求項10】
前記非水溶性の界面活性剤が、以下の一般式[1]、一般式[2]及びその塩化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、請求項8または請求項9に記載の洗浄方法。

(式[1]中、Rは、炭素数が1乃至18の炭化水素基を含む1価の有機基、または、炭素数が1乃至8のフルオロアルキル鎖を含む1価の有機基である。Uは、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、及び、ヨード基からなる群から選ばれる基を示す。)

(式[2]中、Rは、炭素数が1乃至18の炭化水素基を含む1価の有機基、または炭素数が1乃至8のフルオロアルキル鎖を含む1価の有機基である。Rは、水素原子、または炭素数が1乃至18の炭化水素基を含む1価の有機基、または炭素数が1乃至8のフルオロアルキル鎖を含む1価の有機基である。Rは、水素原子、または炭素数が1乃至18の炭化水素基を含む1価の有機基、または炭素数が1乃至8のフルオロアルキル鎖を含む1価の有機基である。)
【請求項11】
前記非水溶性の界面活性剤が、前記一般式[1]で表される非水溶性の界面活性剤において、Rが、炭素数が8乃至18の炭化水素基を含む1価の有機基である化合物、前記一般式[2]で表される非水溶性の界面活性剤において、Rが、炭素数が6乃至18の炭化水素基を含む1価の有機基であり、Rが水素原子、または炭素数が1乃至18の炭化水素基を含む1価の有機基であり、Rが水素原子、または炭素数が1乃至18の炭化水素基を含む1価の有機基である化合物、及びその塩化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、請求項8乃至請求項10のいずれかに記載の洗浄方法。
【請求項12】
前記非水溶性の界面活性剤が、以下の一般式[3]乃至[6]からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、請求項8または請求項9に記載の洗浄方法。

(式[3]中、Rは、炭素数が1乃至18の炭化水素基を含む1価の有機基、または、炭素数が1乃至8のフルオロアルキル鎖を含む1価の有機基である。Vは、酸素原子、または硫黄原子を示し、Wは、水素原子、アルキル基、芳香族基、ピリジル基、キノリル基、スクシンイミド基、マレイミド基、ベンゾオキサゾール基、ベンゾチアゾール基、及び、ベンゾトリアゾール基からなる群から選ばれる基を示し、これらの基における水素原子は、有機基で置換されていても良い。)

(式[4]中、Xはイソシアネート基、メルカプト基、またはアルデヒド基であり、aは1乃至6の整数、Rは、炭素数が1乃至18の炭化水素基を含む有機基、または炭素数が1乃至8のフルオロアルキル鎖を含む有機基であり、前記のa個のイソシアネート基、メルカプト基、またはアルデヒド基で同数の水素原子が置換された化合物である。)

(式[5]中、Yは硫黄元素を含む環構造であり、Rは、水素原子、炭素数が1乃至18の炭化水素基を含む1価の有機基、及び、炭素数が1乃至8のフルオロアルキル鎖を含む1価の有機基からなる群から選ばれる基である。)

(式[6]中、Rは、炭素数が1乃至18の炭化水素基を含む1価の有機基、または、炭素数が1乃至8のフルオロアルキル鎖を含む1価の有機基である。Rは、炭素数が1乃至18の炭化水素基を含む1価の有機基、または、炭素数が1乃至8のフルオロアルキル鎖を含む1価の有機基である。Zは、酸素原子、または硫黄原子を示す。)
【請求項13】
前記撥水性保護膜形成用薬液中に希釈溶媒が含有されることを特徴とする、請求項8乃至請求項12のいずれかに記載の洗浄方法。
【請求項14】
前記膜除去工程において、前記撥水性保護膜の除去を、ウェハを加熱することによって行うことを特徴とする、請求項8乃至請求項13のいずれかに記載の洗浄方法。
【請求項15】
前記膜除去工程において、前記撥水性保護膜の除去を、300℃以下でウェハを加熱することによって行うことを特徴とする、請求項8乃至請求項14のいずれかに記載の洗浄方法。
【請求項16】
前記保護膜形成工程と乾燥工程の間に、
前記保護膜形成用薬液を該薬液とは異なる洗浄液に置換する後洗浄工程
を有する洗浄方法であって、前記洗浄液が、水系洗浄液、有機溶媒、及び、水系洗浄液と有機溶媒の混合物、並びに、それらに保護膜形成用薬液に用いられる非水溶性の界面活性剤が該薬液よりも低濃度に含有されたものからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、請求項8乃至請求項15のいずれかに記載の洗浄方法。
【請求項17】
前記薬液に、非水溶性の界面活性剤として、以下の一般式[1]で表される化合物が含有されることを特徴とする、請求項8乃至請求項16のいずれかに記載の洗浄方法。

(式[1]中、Rは、炭素数が1乃至18の炭化水素基を含む1価の有機基、または、炭素数が1乃至8のフルオロアルキル鎖を含む1価の有機基である。Uは、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、及び、ヨード基からなる群から選ばれる基を示す。)
【請求項18】
前記一般式[1]で表される非水溶性の界面活性剤において、Rが、炭素数が8乃至18の炭化水素基を含む1価の有機基である化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、請求項17に記載の洗浄方法。
【請求項19】
前記後洗浄工程で用いる洗浄液が、水系洗浄液、有機溶媒、及び、水系洗浄液と有機溶媒の混合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、請求項17または請求項18に記載の洗浄方法。
【請求項20】
前記後洗浄工程において、置換された洗浄液を10秒間以上保持することを特徴とする、請求項17乃至請求項19のいずれかに記載の洗浄方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−9802(P2012−9802A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−228652(P2010−228652)
【出願日】平成22年10月8日(2010.10.8)
【特許番号】特許第4743340号(P4743340)
【特許公報発行日】平成23年8月10日(2011.8.10)
【出願人】(000002200)セントラル硝子株式会社 (1,198)
【Fターム(参考)】