説明

個人化カードへのパッチフィルムの熱転写によるラミネート

個人化カードのラミネート装置およびラミネート方法であって、個人化カードに、ウェブ上に配置されたパッチフィルムを供給するための繰出し軸を支持するフレームを備える。フレームは、繰出し軸から個人化カードにパッチフィルムが供給されると、個人化カードの一方の側の一部にパッチフィルムの一部を貼り付ける圧盤構造体を支持する。フレームは、個人化カードにパッチフィルムが供給された後、ウェブを受け取るための巻取り軸を支持する。フレームは、パッチフィルムが部分的に貼り付けられた後、個人化カードの一方の側の全体にパッチフィルムの全体をラミネートする積層アセンブリを支持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願のクロスリファレンス
本願は、データカード・コーポレイション(DataCard Corporation)の名においてPCT国際出願として出願されており、2005年11月10日に出願された米国仮出願第60/735,273号、「個人化カードへのパッチフィルムの熱転写によるラミネート(LAMINATION OF PATCH FILMS ON PERSONALIZED CARDS THROUGH HEAT TRANSFER)」および2005年12月9日に出願された米国仮出願第60/748,740号、「個人化カードへのパッチフィルムの熱転写によるラミネート(LAMINATION OF PATCH FILMS ON PERSONALIZED CARDS THROUGH HEAT TRANSFER)」に基づく優先権を主張する。
【0002】
本発明の技術的開示は、個人化された識別ドキュメント(personalized identity documents)の作成における、個人化された識別ドキュメントのラミネート加工に関する。このような個人化された識別ドキュメントは、例えば、金融カード(クレジットカード、デビットカード等)、運転免許証、国民IDカード、およびカード所持者に固有の個人データおよび/または他のカード情報またはドキュメント情報を記録するその他のカードを含むこともあるプラスチックカード等を含む。特に、本発明の技術的開示は、個人化カード(personalized card)の作成におけるパッチフィルムの熱転写ラミネートに関する。
【背景技術】
【0003】
個人化カードおよび他の個人化された識別ドキュメントを作成する際に用いられるカード個人化システムおよび方法は、これらのドキュメントを発行する機関により採用されている。上記システムおよび方法により個人化されることが多い識別ドキュメント(identity documents)は、プラスチックカードおよび複合カード(composite cards)を含み、例えば、金融カード(クレジットカード、デビットカード等)、運転免許証、国民IDカード、および指定されたドキュメント所持者に固有の情報によって個人化されたその他のカードおよびドキュメント等が挙げられる。
【0004】
カード個人化システムおよび方法は、小規模な個別のカード個人化および作成用に設計されることがある。このようなシステムでは、個人化される1枚のカードが、個人化装置(personalization machine)に投入されるが、個人化装置は、通常、熱転写による印刷およびラミネート加工等の1つまたは2つの個人化/作成機能を含む。
【0005】
カードを大量にバッチ生産する場合、機関では、同時に複数のカードを処理して、全体的なカード1枚当たりの処理時間を削減させる多重処理ステーションまたはモジュールを用いるシステムが利用されることが多い。このようなシステムの例は、米国ミネソタ州ミネアポリスのデータカード・コーポレイションの米国特許第4,825,054号、第5,266,781号およびその後継、ならびに第6,902,107号に開示されている。この種のシステムのそれぞれに共通しているのは、個人化/作成される比較的多数のカードを保持することができる投入部、個人化/作成動作が行なわれるように各カードが導かれる複数の個人化/作成ステーション、および個人化済カードを保持する出力部である。一般に、データ情報と、入力部、個人化/作成ステーションおよび出力部を動作させるための命令とを転送する制御部が用いられる。小規模のカード個人化装置と同様に、バッチ生産システムも熱転写による印刷機能およびラミネート加工機能を備える。
【特許文献1】米国特許第4825054号明細書
【特許文献2】米国特許第5266781号明細書
【特許文献3】米国特許第6902107号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
既存の個人化/作成ステーションに改良を加えることができる。特に、パッチフィルムの価格を低下させると同時に、スループットおよび効率を高めることが可能なパッチフィルム積層モジュール(patch film lamination modules)に改良を加えることができる。以下に述べる技術的開示は、個人化カードへのパッチフィルムの熱転写ラミネートにおける効率の向上を図るものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一般に、本発明の開示は、個人化ドキュメント(personalized documents)とパッチフィルムとの熱転写によるラミネートを提供する。特に、本発明の開示は、個人化カードの全体にラミネートを施す前に、個人化カードの一部にパッチフィルムの一部を貼り付けることにより、個人化カードとパッチフィルムとをラミネートする装置および方法を提供する。本発明の開示によれば、パッチフィルムのコストを削減すると同時に、ラミネートカードのスループットを高めることにより、効率的な個人化カードの作成を実現できる。
【0008】
一実施形態において、個人化カードのラミネート装置は、個人化カードに、ウェブ上に配置されたパッチフィルムを供給するための繰出し軸を支持するフレームを備える。フレームは、繰出し軸から個人化カードにパッチフィルムが供給されると、個人化カードの一方の側の一部にパッチフィルムの一部を貼り付ける圧盤構造体(platen structure)を支持する。フレームは、個人化カードにパッチフィルムが供給された後、ウェブを受け取るための巻取り軸を支持する。フレームは、圧盤構造体によってパッチフィルムが部分的に貼り付けられている個人化カードの一方の側の全体にパッチフィルムの残りの部分をラミネートする積層アセンブリ(lamination assembly)を支持する。
【0009】
このように、パッチフィルムは、個人化カードにパッチフィルム全体がラミネートされる前に、まず、圧盤構造体によって個人化カードの一方の側の一部に貼り付けられても良い。
【0010】
一実施形態において、圧盤構造体は、パッチフィルムと接触して、その一部を個人化カードに押しつけるための端面を有するヘッド部を含む。圧盤構造体は、この端面を加熱する加熱素子を含むので、パッチフィルムの一部は、個人化カードに押しつけられたときに、個人化カードの一部に貼り付けられる。圧盤構造体は、圧盤構造体の温度を測定して監視するための熱電対を含んでも良い。
【0011】
さらに別の実施形態において、ヘッド部は、端面の表面積が小さくなるように、端面に向かって先細りになっている複数の側面を有しても良い。
【0012】
一実施形態において、装置は、圧盤構造体の下流側に隣接して配置され、かつ端面に近接している剥離ピンをさらに含む。剥離ピンは、ウェブからのパッチフィルムの分離または剥離を容易にするために、圧盤構造体の端面によって個人化カードにパッチフィルムが貼り付けられる領域に直接隣接して配置されても良い。
【0013】
一実施形態において、積層アセンブリは、積層シュー(lamination shoe)と受けローラとを含み、積層シューと受けローラとの間に個人化カードが供給されると、積層シューが受けローラを押圧する。積層シューは、ラミネート準備位置においてバイアスがかかるように、ばね荷重式でも良い。個人化カードに積層シューを接触させて、受けローラに個人化カードを押しつけることができる。個人化カードの一方の側の全体に、貼り付けられたパッチフィルムをラミネートするために、受けローラが回転して個人化カードを動かすとともに積層シューを回転させることができる。
【0014】
実施形態によっては、積層シューは、弦長および高さが個人化カードよりも大きい弓形面を含むこともある。
【0015】
他の実施形態において、積層シューの弓形面は、弦長および高さが個人化カードよりも小さいが、ラミネートされるパッチフィルムの長さおよび高さよりも大きい。この構成では、積層シューは、個人化カードの全面よりも小さい部分をラミネートする(すなわち、運転免許証に写真をラミネートする)大きさに形成される。
【0016】
さらに別の実施形態において、積層シューは、個人化カードのラミネートの影響を受けやすい領域(lamination sensitive area)に対応可能な切欠き部を含む。一実施形態において、対応するラミネートの影響を受けやすい領域は、個人化カード上のスマートカードチップが配置される位置にあっても良い。このようにして、切欠き部を設けることにより、例えば、スマートカードチップ等のラミネートの影響を受けやすい領域を有するカードの処理が可能となるため、カード処理およびスループットを向上できる。積層シューは、ラミネート準備位置にバイアスされるので、前のカードを処理した直後には、次の個人化カードをラミネートする所定の位置につくことができ、ゆえにカード処理の遅れを低減できる。一実施形態において、装置は、積層シューの表面温度を監視する赤外線熱検出器をさらに備えても良い。
【0017】
さらに別の実施形態において、個人化カードのラミネート方法は、ウェブ材料上に配置されたパッチフィルムを供給源から個人化カードに供給することを含む。パッチフィルムは、その一部が圧盤構造体と接触する。圧盤構造体は、個人化カードにパッチフィルムの一部を押しつける。圧盤構造体が個人化カードにパッチフィルムの一部を押しつけるとき、個人化カードの一方の側の一部にパッチフィルムの一部を貼り付けることができるように、圧盤構造体は加熱されても良い。個人化カードにパッチフィルムの一部が貼り付けられた後、パッチフィルムの残りの部分は、剥離ピンによってウェブから分離される。次に、積層アセンブリにより、個人化カードの一方の側の全体にパッチフィルム全体がラミネートされる。
【0018】
さらに別の実施形態において、パッチフィルム供給部は、複数のパッチフィルムが配置されたウェブ材料を含む。ウェブ材料は、ロールとして配置することができる。一巻きのウェブ材料上の複数のパッチフィルムは、個人化カードのラミネート装置において、個人化カードにそれぞれのパッチフィルムを貼り付けるために構成されている。複数のパッチフィルムは、実質的に互いに接近するように、ウェブ材料上に配置される。このようにして、ウェブ材料上のパッチフィルム間隔を短くすることができる。さらに、ウェブ材料一巻きあたりのパッチフィルム枚数が増加するため、パッチフィルムのコストを低下させることができる。
【0019】
本発明の開示には、圧盤構造体がより速い剥離速度を可能にするため、より大きなスループットおよび効率の向上が実現できるという利点がある。圧盤構造体が細長いことから、剥離ピンが圧盤構造体に直接隣接するように、圧盤構造体による貼り付け領域に剥離ピンをより近づけることができる。このようにして、ウェブ材料上のパッチ間隔を減少させて、一巻きあたりのパッチフィルム枚数を増加させることができ、それによってパッチ価格が低下する。圧盤構造体に備えられた加熱素子は、費用効果がより高い手段となり得る。
【0020】
本願の発明概念を特徴付ける上記およびその他のさまざまな利点および新規な特徴は、以下の詳細な説明の中で指摘される。本発明の技術的開示、その利点、およびその使用により達成される目的を十分に理解するために、本願の発明概念の原理に従って具体例が示され説明されている、本明細書のさらなる一部をなす図面およびそれらに付随する記載事項も参照すべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1は、個人化カードにパッチフィルムをラミネートする装置10の例示的な一実施形態を示す斜視図である。
【0022】
装置10は、通常、端部12a、12bを有するフレーム12を備える。フレーム12は、端部12aの近傍において、繰出し部品42および巻取り部品44を支持することができる。単なる一例として、フレーム12は、繰出し部品42および巻取り部品44を含むあらゆる部品を支持するための概ね平面状の複数の面を備えても良い。
【0023】
繰出し部品42は、複数のパッチフィルム46(図2A〜図2Dに示されている)が配置された一巻きのウェブ材料48を支持する繰出し軸アセンブリ42aを含んでも良い。繰出し軸アセンブリ42aは、装置10に挿入された個人化カード40に、ウェブ材料48およびパッチフィルム46を供給する。ガイドピンを用いれば、パッチフィルム46と個人化カード40との貼り付けが行なわれる所望の領域に、ウェブ材料48およびパッチフィルム46を容易に供給することが可能となる。「貼り付ける(affix)」という用語は、本明細書では、例えば、パッチフィルムの個人化カードへの一時的付着のような、一時的付着として定義される「仮留めする(tack)」という用語を含む場合もあることが理解されるだろう。また、「貼り付ける(affix)」という用語は、パッチフィルムの少なくとも一部が個人化ドキュメント上に配置されているかぎりは、限定されないことも理解されるだろう。
【0024】
他の実施形態において、ウェブ材料は、ミシン目が入れられた(perforated)複数のパッチフィルムの供給からなり、ラミネート加工の際に、個人化ドキュメントにラミネートされるパッチフィルムに対応するウェブ材料の部分が、ミシン目が施されたところから切り取られて、個人化ドキュメントにラミネートされるようになっていることが理解されるだろう。また、パッチフィルムは、個人化カードに転写またはラミネートされることが可能なウェブ材料の被膜またはオーバーレイ(overlay)であることも理解されるだろう。
【0025】
巻取り部品44は、個人化カード40にパッチフィルム46が供給された後のウェブ材料48を受け取る巻取り軸アセンブリ44aを含んでも良い。巻取り軸は、個人化カード40にパッチフィルム46が供給され、ウェブ材料48からパッチフィルム46が分離された後、ウェブ材料48を受け取る。
【0026】
フレームは、ラミネートの対象となる個人化カード40の出し入れを可能にするカード通路18を支持する。挿入ローラ36aおよび排出ローラ36bは、個人化カード40を下流側に搬送するために、個人化カード40の出し入れをさらに容易にする。フレーム12は、カード処理システム(図示せず)に装置10を取り付けるための複数のボルト孔を設けても良い。装置10は、当該技術分野において公知の手段を介して動力が供給されて制御されるとともに、多くのモータによって作動することができる。一例としては、フレームは、複数のローラを駆動する少なくとも1つのモータ11を支持する。モータ16は圧盤構造体20を駆動しても良く、モータ14は積層アセンブリを駆動しても良い。以下に、圧盤構造体20および積層アセンブリ30をさらに説明する。
【0027】
フレームは、繰出し部品42が個人化カード40にパッチフィルム46を供給すると、個人化カード40の一方の側の一部にパッチフィルム46の一部を貼り付ける圧盤構造体20を支持する。圧盤構造体20は、カード通路18に移動することも、カード通路18から離れることも可能であり、繰出し部品42から個人化カード40へのウェブ材料48およびパッチフィルム46の供給と、巻取り部品44によるウェブ材料48の巻き取りとの間に配置できる。「圧盤構造体」という用語は、例えば、個人化カードの表面等の平面に対する加圧または受圧を行う面を備えてさえいれば、どんな構造も含むと広く解釈できることが理解されるだろう。「パッチフィルムの一部」という用語は、パッチフィルムの全体に満たない部分を意味する場合があり、「個人化カードの一方の側の一部」という用語は、個人化カードの一方の側の全表面に満たない部分を意味する場合もあることが理解されるだろう。
【0028】
一実施形態において、圧盤構造体20は、パッチフィルム46と接触して、その一部を個人化カード40に押しつけるための端面20d(図2A〜図2Bに最もよく示されている)を有するヘッド部22を含む。圧盤構造体20は、繰出し部品42が、圧盤構造体20と個人化カード40との間に、パッチフィルムが配置されたウェブ材料48を供給するとき、個人化カードにパッチフィルム46を押しつけても良い。圧盤構造体20は、カード通路18に向かって移動することも、カード通路18から離れることもできる。以下に、圧盤構造体20の動作をさらに説明する。
【0029】
圧盤構造体20のヘッド部22は、端面20dを加熱する加熱素子21(図3に最もよく示されている)を支持するための隙間または孔20aを設けても良い。加熱素子21を用いて端面20dを加熱することにより、個人化カード40にパッチフィルム46が押しつけられたときに、個人化カード40の一部にパッチフィルム46の一部を貼り付けることができる。パッチフィルム46の個人化カード40に付着する部分は、リード部(図2B〜図2Cに最もよく示されている)となり得る。個人化カード40におけるパッチフィルムのリード部が付着する部分は、個人化カード40のリード部となり得る。個人化カード40のリード部は、例えば、約0.25インチ(約6.35mm)の個人化カード40の先端部でも良い。加熱素子21は、パッチフィルムのリード部を個人化カードのリード部に貼り付けるために、パッチフィルム46のリード部を華氏約300度(約148.89℃)に加熱することができる。
【0030】
圧盤構造体20は、熱電対素線23を支持するための隙間または孔20bを設けても良い。熱電対素線は、圧盤構造体20、特に端面20dの温度を測定できるので、圧盤構造体20の監視を容易にすることができる。
【0031】
さらに別の実施形態において、ヘッド部22は、その側面に沿ってテーパー部20cを含んでも良い。テーパー部20cは、端面20dの表面積が小さくなるように、端面20dに向かって先細りになっている(図2A〜図2Bに最もよく示されている)。この構成では、小さくまたは狭くなった表面積に圧盤構造体20の力を集中できるため、個人化カード40にパッチフィルム46の一部をさらに容易に貼り付けられる。端面20dの表面積が減少したことにより、後述する剥離ピンを圧盤貼り付け処理(platen affixing process)により近づけて配置することも可能となる。この構成は、一巻きのウェブ材料上のパッチフィルム間隔を短くするのに役立つので、一巻きのウェブ材料に保持され得るパッチフィルム枚数を増加させ、パッチフィルムのコストを低下させることができる。
【0032】
端面20dは、実質的に平面状の面でも良い。端面20dは、例えば、個人化カードの表面等の平面に対する加圧または受圧に適したいかなる面も含むと広く解釈できることが理解されるだろう。端面は、わずかに湾曲した(radiused)面として構成されても良い。図2A〜図2Bに最もよく示されているように、端面20dは、先端/下流側から後端/上流側へ湾曲していても良く、それによって先端は実質的に平面であるが、後端はわずかに弓形または曲線状となる。このようにして、貼り付け時に、端面20dが個人化カードにかける圧力を、カードの最先端部から徐々に減少するように分散させることができる。
【0033】
上述のように、装置10は、圧盤構造体20の下流側に隣接して配置された剥離ピン26をさらに含んでも良い。剥離ピン26は、圧盤構造体20に直接隣接して配置できるように、端面20dおよびテーパー部20eに近接している。この構成では、ウェブ材料48からのパッチフィルム46の分離を容易にすることができる。
【0034】
圧盤構造体20は、圧盤支持体(platen support)28によってカード通路18に向かって移動することも、カード通路18から離れることも可能である。圧盤支持体28は、圧盤構造体に動作を与えるものであり、当該技術分野において公知の好適な手段を用いて動かすことができる。一例としては、電動制御によって圧盤構造体20を移動させても良い。図1に示すように、圧盤構造体20は、モータ16と動作可能(operatively)に接続され、モータ16によって電気駆動される。
【0035】
図6Aおよび図6Bは、圧盤構造体20の圧盤支持体28を示しており、圧盤支持体28は、パッチフィルム46と個人化カード40との貼り付け前および貼り付け時に、圧盤構造体20を移動させる駆動圧縮機構(drive and compression mechanism)50を含む。この機構50は、駆動機能と荷重圧縮(load compression)機能とを備え、貼り付け時に両機能を同時に果たすことができる(図6B参照)。機構50は、支持ブロック52を含む。支持ブロック52は、支持ブロック52に挿通されるボールねじ54を支持する。ボールねじナット58を用いて、ボールねじ54を支持ブロック52に固定しても良い。ボールねじ54のまわりに圧縮ばね56を配置することもできる。図示のように、圧縮ばね56は、ボールねじ54の一部のまわりに、長手方向に配置されても良い。
【0036】
動作時には、ボールねじ54が回転して、圧盤構造体20を個人化カード40の方へ前進させることができる。圧盤構造体20が前進している間、圧縮ばね56は、所望の圧力に圧縮される。圧縮ばね56の圧縮荷重を調整するために、回転防止(anti-rotate)軸受51および荷重スラスト軸受53を用いても良い。スラスト荷重軸受53は、例えば、公知の玉軸受である。ボールねじ54は、荷重がかかると、その荷重をスラスト荷重軸受の内輪に伝達する肩部(shoulder)を含んでも良い。荷重スラスト軸受53の外輪は、荷重を機構50に伝達する軸受ブロック内の肩部に対して取り付けることができる。ボールねじ54を回転させることにより荷重がかかるにつれて、ボールナットがボールねじと共に回転する傾向があるため、ばねに荷重をかけることができなくなる。この傾向を排除するために、ボールナット取付部(ball nut mount)および捕捉ねじ(capture screw)を含む回転防止軸受51を追加しても良い。また、回転防止軸受51およびボールナット取付部が、ボールねじ54に平行な軸に沿って移動できるものの、側面で固定されるように隙間を設けることにより、ボールナット、ボールナット取付部および回転防止軸受が同軸のまわりを回転するのを防ぐことができる。このような構成では、ボールナットの逆回転の傾向による損失を生じることなく、荷重ばねの圧縮が可能となる。捕捉ねじは、荷重を逆にする際に回転防止部品が外れないように、回転防止部品を保持するのに用いることもできる。
【0037】
機構50は例示的なものに過ぎず、圧盤構造体20を前進させ、圧縮荷重をかける他の構成が、同等またはより適している場合もあることが理解されるだろう。
【0038】
一実施形態において、図3は、ジンバル構成を有する圧盤構造体20の一実施形態を示す部分斜視図である。すなわち、圧盤構造体20は、圧盤支持体28に対して旋回可能である。圧盤支持体28は転心(pivot point)25を含み、それによって圧盤支持体28の本体および圧盤構造体20のヘッド部22にシャフトが挿通される。転心25により、圧盤構造体20を圧盤支持体28上で旋回可能に支持できる。この構成では、圧盤構造体20は、個人化カード40にパッチフィルム46をさらに容易に押し付けられるように、水平軸に沿って(図示された矢印の方向)旋回しても良い。ジンバル構成は、圧盤構造体20を、旋回方向に自由に傾斜させる構成を含むと広く解釈できることが理解されるだろう。
【0039】
図示された圧盤構造体の上記ピボット構成は、例示的なものに過ぎないことが理解されるだろう。圧盤構造体は、当該技術分野において公知の好適な手段によって旋回可能である。好ましくは、圧盤支持体28および転心25は、単にパッチフィルム46および個人化カード40に対して圧盤構造体20を旋回させるために必要な手段であると広く解釈されるべきである。
【0040】
フレーム12は、さらに受け板24を支持しても良い。受け板は、例えば、圧盤構造体20に対向して配置されるガセットまたは好適な補強構造体(reinforcement structure)である。すなわち、受け板24は、カード通路18の反対側に配置されても良い。受け板は、圧盤構造体が個人化カード40にパッチフィルム46の一部を押しつけるとき、支持面を提供できる。
【0041】
フレーム12は、複数の中間ローラ38を支持する。中間ローラ38は、パッチフィルム46と個人化カード40とを、後述する積層アセンブリ30に搬送する間、重ね合わせておくのに役立つアイドリングローラでも良い。すなわち、個人化カード40の一部にパッチフィルム46の一部が貼り付けられた後、積層アセンブリ30によってラミネートされることになるパッチフィルム46の残りの部分は、ラミネート加工が完了するまで付着させておく必要があるかも知れない。中間ローラ38は、ラミネート加工前にパッチフィルム46と個人化カード40とを重ね合わせる働きをすることにより、この効果を実現できる。
【0042】
図4A〜図4Dは、積層アセンブリ30の例示的な一実施形態を示す。積層アセンブリは、フレーム12に支持された積層シュー32と受けローラ34とを含み、積層シュー32と受けローラ34との間に個人化カード40が供給されると、積層シュー32が受けローラ34を押圧する。積層シュー32は、支持体35によってフレーム12に支持されていても良く、支持体35およびフレーム12に対して回転可能である。積層シュー32は、ラミネート準備位置(図4Aに示されている)にバイアスがかかるように、ばね荷重式でも良い。動作時には、個人化カード40に積層シュー32を接触させて、受けローラ34に個人化カード40を押しつけることができる。個人化カード40の一方の側の全体に、貼り付けられたパッチフィルムをラミネートするために、受けローラ34が回転して個人化カード40を動かし、積層シュー32に回転を与える。すなわち、積層シューが個人化カード40上のパッチフィルムと接触して、受けローラ34に押しつけるとき、受けローラ34は、積層シュー32をさらに回転駆動させることができる。
【0043】
この構成において、積層アセンブリ30は、積層シュー32を回転駆動させて、個人化カード40にパッチフィルム46を押しつける。ラミネート加工時の接触および圧力は、ボールねじが回転して、積層シュー32を個人化カード40の方へ前進させて受けローラに押し付けることにより得られる(後述する図7A〜図7Bに最もよく示されている)。積層シュー32が前進し続けると、ばねは、所望の圧力に圧縮される。そのとき、受けローラ34が回転して個人化カード40を動かすとともに個人化カード40にパッチフィルム46全体がラミネートされるまで積層シュー32を回転させても良い。この構成において、個人化カード40の一方の側の全体に対するパッチフィルム46全体のラミネートを完了できる。
【0044】
一実施形態において、積層アセンブリ30は、個人化カード40へのパッチフィルム46全体のラミネートを容易にする熱転写機能を含む。積層シュー32は、加熱されても良い。積層シュー32は、積層シュー32を加熱する加熱素子31を支持するための隙間または孔32aを設けても良い。加熱素子31を用いて積層シュー32を加熱することにより、個人化カード40にパッチフィルム46をラミネートできる。加熱素子31は、積層シュー32を華氏約410度(210℃)に加熱することができる。
【0045】
実施形態によっては、積層アセンブリは、積層シューの表面温度を監視するように構成された赤外線熱検出器70をさらに含むこともある(図4C参照)。積層アセンブリの温度を監視するために、熱電対ではなく赤外線熱検出器70を用いる一つの利点は、赤外線熱検出器70は、アセンブリ内の移動配線(moving wires)が少なくてすむことである。
【0046】
積層シュー32は、熱電対素線33を支持するための隙間または孔32bを設けても良い。熱電対素線は、積層シュー32の温度を測定できるので、積層シュー32の監視を容易にすることができる。
【0047】
図4Aは、ラミネート開始時の状態の積層シュー32を示す。図4Bは、ラミネート終了時の状態の積層シュー32を示す。一実施形態において、積層シュー32は、個人化カード40の長さよりも長い弦長を有する弓形面を含む。このようにして、積層シュー32は、個人化カード40にパッチフィルム46を押しつけてラミネートする際に、個人化カード40全体との接触を確実にすることができる。一実施形態において、積層シュー32は、通常、カードにラミネートを施そうとするたびに、バイアスがかかって準備位置に戻る半円形を含む。このようにして、積層シューは、例えば、スマートカードチップに合わせた正確な位置に配置される。
【0048】
図2A〜図2Bは、動作時の装置10を示す。同一の参照符号は、既に説明した同じ特徴を表す。図2Aは、圧盤構造体20およびパッチフィルム46が貼り付けられる前の状態の個人化カード40を示す。図2Bは、パッチフィルム46が貼り付けられている状態の個人化カード40を示す。図2Cは、パッチフィルム46が貼り付けられた後、ウェブ材料48からパッチフィルム46が剥離されているときの個人化カード40を示す。図2Dは、ウェブ材料48からパッチフィルム46が剥離された後、中間ローラ38によって固定されて搬送される個人化カード40を示す。
【0049】
図4Dは、別の実施形態である積層アセンブリ30Aを示す。個人化カード40は、中間ローラ38および可動ローラ72によって固定されて搬送される。可動ローラ72は、矢印74の方向へ移動するように単独で駆動される。可動ローラ72を調整することにより、積層アセンブリは、個人化カード40と、さまざまな厚さのパッチフィルム46(図2Aおよび図2Bに最もよく示されている)とのラミネートを行なうことができる。可動ローラ72の調整によって、可動ローラ72がパッチフィルム46の表面に接触することで生じる表面の拘束(surface restriction)を除去して、個人化カード40にパッチフィルム46をラミネートする際のしわの形成を防ぐこともできる。その結果、パッチフィルム46は、ラミネート加工時に、自由に動きやすく、かつ曲がりやすくなる。
【0050】
図5は、別の実施形態である積層アセンブリ30Aを示す。積層アセンブリは、積層シュー32Aを含んでも良い。同一の参照符号は、既に説明した同じ特徴を表す。積層シュー32Aは、個人化カード40のラミネートの影響を受けやすい領域40Bに対応可能な切欠き部32Bを含む。一実施形態において、対応するラミネートの影響を受けやすい領域は、個人化カード40Aに配置されたスマートカードチップでも良い。切欠き部32Aを設けることにより、例えば、スマートカードチップ等のラミネートの影響を受けやすい領域40Bを損なわずに、このような領域40Bを有する個人化カード40Aを搬送できる。
【0051】
図7Aおよび図7Bは、個人化カード40へのパッチフィルム46全体のラミネート前およびラミネート時に、積層シュー32Aを移動させる機構60を含む、図5の積層アセンブリ30Aを示す。図6A〜図6Bに示された圧盤構造体の機構50と同様に、機構60は、駆動機能と荷重圧縮機能とを備え、ラミネート時に両機能を同時に果たすことができる。機構60は、支持ブロック62を含む。支持ブロック62は、支持ブロック62に挿通されるボールねじ64を支持する。ボールねじナット68を用いて、ボールねじ64を支持ブロック62に固定してもよい。ボールねじ64のまわりに圧縮ばね66を配置することもできる。図示のように、圧縮ばね66は、ボールねじ64の一部のまわりに、長手方向に配置されても良い。
【0052】
動作時には、ボールねじ64が回転して、積層シュー32Aを個人化カード40の方へ前進させて受けローラ34に押しつける。積層シュー32Aが前進し続けると、圧縮ばね66は、所望の圧力に圧縮される。そのとき、受けローラ34が回転して個人化カード40を動かすとともに個人化カード40にパッチフィルム46全体がラミネートされるまで積層シュー32Aを回転させても良い。この構成において、個人化カード40の一方の側の全体に対するパッチフィルム46全体のラミネートを完了できる。上述した圧盤構造体を移動させる機構50と同様に、圧縮ばね66の圧縮荷重を調整するために、回転防止軸受61および荷重スラスト軸受63を用いても良い。
【0053】
機構60は例示的なものに過ぎず、圧縮構造体20を前進させ、圧縮荷重をかける他の構成が、同等またはより適している場合もあることが理解されるだろう。
【0054】
個人化カードのラミネート方法は、ウェブ材料上に配置されたパッチフィルムを供給源から個人化カードに供給することを含む。パッチフィルムは、その一部が圧盤構造体と接触する。圧盤構造体は、個人化カードにパッチフィルムの一部を押しつける。圧盤構造体が個人化カードにパッチフィルムの一部を押しつけるとき、個人化カードの一方の側の一部にパッチフィルムの一部を貼り付けることができるように、圧盤構造体は加熱されても良い。個人化カードにパッチフィルムが部分的に貼り付けられた後、パッチフィルムの残りの部分は、剥離ピンによってウェブから分離される。次に、積層アセンブリにより、個人化カードの一方の側の全体にパッチフィルム全体がラミネートされる。図8は、ウェブ材料上のパッチフィルムの例示的な構成を示す。
【0055】
さらに別の実施形態において、パッチフィルム供給部は、複数のパッチフィルムが配置されたウェブ材料を含む。上述したパッチフィルム46は、個人化カードにラミネートされることが可能であり、かつ個人化カードにラミネートされる前に詳細を印刷することが可能であれば、どんな材料でもよいことが理解されるだろう。また、パッチフィルムは、その上にスマートカードチップを含むように構成されても良い。ウェブは、一巻きのウェブ材料として配置することができる。一巻きのウェブ材料上の複数のパッチフィルムは、個人化カードのラミネート装置において、個人化カードにそれぞれのパッチフィルムをラミネートするために構成されている。複数のパッチフィルムは、実質的に互いに接近するように、ウェブ材料上に配置される。
【0056】
実施形態によっては、積層シューは、弦長および高さが個人化カードよりも大きい弓形面を含むこともある。
【0057】
別の実施形態において、積層シューの弓形面は、弦長および高さが個人化カードよりも小さいが、ラミネートされるパッチフィルムの長さおよび高さよりも大きい。この構成では、積層シューは、個人化カードの全面よりも小さい部分をラミネートする(すなわち、運転免許証に写真をラミネートする)大きさに形成される。
【0058】
パッチフィルム46は、例えば、装置10のような、ウェブ材料48からそれぞれのパッチフィルム46を剥離する機構が、貼り付け機構によって個人化カードにパッチフィルムの一部が貼り付けられる領域に直接隣接している装置において、個人化カードに供給されるためにウェブ材料48上に構成されている。図8は、ウェブ材料48上に配置された複数のパッチフィルム46の一実施形態を示す。複数のパッチフィルム46は、1枚のパッチフィルムの先端から次のパッチフィルムの先端までの距離(図中A)が約4.0インチ(約101.6mm)の間隔で配置することができる。1枚のパッチフィルム46の長さ(図中B)は、約3.31インチ(約84.074mm)とすることができ、従来の3.375インチ(約85.725mm)の個人化カードよりも、長手方向の両端部をそれぞれ約0.030インチ(約0.762mm)だけ短くできる。このように、ウェブ材料48上において、パッチフィルム間隔をわずか0.69インチ(約17.526mm)以下(図中C)に減少させることができる。さらに、ウェブ材料48一巻きあたりのパッチフィルム枚数が増加するため、パッチフィルムのコストを低下させることができる。個人化カードの一部のみがラミネートされる(すなわち、運転免許証に写真をラミネートする)その他の実施形態では、パッチフィルムは、例えば、高さが約1.42インチ(約36.068mm)、長さが約1.09インチ(約27.686mm)である。
【0059】
実施形態によっては、個人化カード40は、カード通路18に従い、装置10に向かってその中を通過する一方向に搬送されることもある。このような実施形態では、1枚のパッチフィルムの後端から次のパッチフィルムの先端までの間隔は、圧盤構造体の平面状の端面の幅によってのみ限定されることが理解されるだろう。
【0060】
他の実施形態において、装置10は、圧盤構造体に対してパッチフィルム46を位置決めするために、繰出し部品42および/または巻取り部品44が、装置10の中でウェブ材料48を前後に動かすように構成されていても良く、それによって個人化カード40にパッチフィルム46の一部が貼り付けられる。この実施形態では、パッチフィルム間隔が必要ない場合もあることが理解されるだろう。
【0061】
本発明の開示には、圧盤構造体がより速い剥離速度を可能にするため、より大きなスループットが達成できるという利点がある。圧盤構造体が細長いことから、剥離ピンが圧盤構造体に直接隣接するように、圧盤構造体による貼り付け領域に剥離ピンをより近づけることができる。このようにして、ウェブ材料上のパッチ間隔を減少させて、一巻きあたりのパッチフィルム枚数を増加させることができ、それによってパッチ価格が低下する。
【0062】
本発明の開示によれば、ラミネート準備位置にバイアスされる積層シューを備えることもできる。このように、積層シューは、前のカードを処理した直後には、既に次の個人化カードをラミネートする所定の位置につくことができるため、カード処理の遅れを低減できる。積層シューに切欠き部を設けても良く、それによって、例えば、スマートカードチップ等のラミネートの影響を受けやすい領域を有するカードを含む、カードのスループットを向上できる。圧盤構造体内の加熱素子により、コストを節約することもできる。
【0063】
以上の説明に関して、特に、用いられた構成材料および部品の形状、大きさ、配列等の細部にわたる変更を、本発明の範囲から逸脱することなく実行できることが理解されるだろう。明細書および記載された実施形態は例示的なものにとどまり、本発明の真の範囲および精神は、特許請求の範囲において広義に示されている。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】図1は、個人化カードにパッチフィルムをラミネートする装置の一実施形態を示す斜視図である。
【図2A】図2Aは、パッチフィルムが貼り付けられる前の状態の個人化カードおよび圧盤構造体の一実施形態を示す、図1の装置の部分上面図である。
【図2B】図2Bは、パッチフィルムの一部が貼り付けられている状態の個人化カードを示す、図1の装置の部分上面図である。
【図2C】図2Cは、個人化カードにパッチフィルムの一部が貼り付けられた後、供給ウェブからパッチフィルムが剥離されているときの個人化カードを示す、図1の装置の部分上面図である。
【図2D】図2Dは、供給ウェブからパッチフィルムが剥離された後の個人化カードを示す、図1の装置の部分上面図である。
【図3】図3は、ジンバル構成を有する圧盤構造体の一実施形態を示す、図1の装置の部分斜視図である。
【図4A】図4Aは、個人化カードにパッチフィルムをラミネートする装置に用いられる積層シューの一実施形態であり、ラミネート開始時の状態を示す。
【図4B】図4Bは、図4Aの積層シューのラミネート終了時の状態を示す。
【図4C】図4Cは、赤外線熱検出器を備えた、個人化カードにパッチフィルムをラミネートする装置の一実施形態を示す。
【図4D】図4Dは、可動ローラを備えた、個人化カードにパッチフィルムをラミネートする装置の一実施形態を示す。
【図5】図5は、個人化カードにパッチフィルムをラミネートする装置に用いられる積層シューの一実施形態であり、積層シューに設けられた切欠き部の一実施形態を示す。
【図6A】図6Aは、個人化カードにパッチフィルムを貼り付ける前の、圧盤構造体を駆動する駆動圧縮機構の一実施形態を示す、図1の装置の部分側断面図である。
【図6B】図6Bは、個人化カードにパッチフィルムを貼り付けるときの、圧盤構造体を駆動する駆動圧縮機構の一実施形態を示す、図1の装置の部分側断面図である。
【図7A】図7Aは、ラミネート前の、図5の積層シューを駆動する駆動圧縮機構の一実施形態を示す、図1の装置の部分側断面図である。
【図7B】図7Bは、ラミネート時の、図5の積層シューを駆動する駆動圧縮機構の一実施形態を示す、図1の装置の部分側断面図である。
【図8】図8は、上記装置に用いられる複数のパッチフィルムの供給からなるウェブ材料の部分側面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
個人化ドキュメント(personalized document)にパッチフィルムを供給するように構成されたウェブ材料を含む繰出し部品と、
端面を有するヘッド部を含み、前記個人化ドキュメントの一方の側の全体に満たない部分に、前記繰出し部品により供給された前記パッチフィルムの全体に満たない部分を貼り付けるように構成された圧盤構造体(platen structure)と、
前記個人化ドキュメントに前記パッチフィルムが供給された後に、前記ウェブ材料を受け取るように構成された巻取り部品と、
前記圧盤構造体により、前記個人化ドキュメントに前記パッチフィルムを部分的に貼り付けた後、前記個人化ドキュメントの前記一方の側の全体に前記パッチフィルムの全体をラミネートするように構成された積層アセンブリ(lamination assembly)とを備えた個人化ドキュメントのラミネート装置。
【請求項2】
前記圧盤構造体は、前記個人化ドキュメントの前記一方の側の前記部分に前記パッチフィルムの前記部分を貼り付けるために、前記ヘッド部の前記端面を加熱する加熱素子を含む請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記端面は、先端(leading end)および後端(trailing end)を有する実質的に平面状の端面を含み、前記平面状の端面は、前記後端に向かってわずかに湾曲している請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記ヘッド部は、前記端面に向かって先細りになっている複数の側面をさらに含む請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記圧盤構造体に熱電対を、または前記積層アセンブリ内の温度を監視する赤外線熱検出器をさらに備えた請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記ウェブ材料からの前記パッチフィルムの分離を容易にするように構成された剥離ピンを備え、前記剥離ピンは、前記圧盤構造体の下流側に隣接して配置され、かつ前記端面に近接している請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記圧盤構造体は、前記個人化ドキュメントの前記一方の側の一部に、繰出し軸によって供給された前記パッチフィルムの一部を仮留めするように構成されている請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記積層アセンブリは、
熱積層シュー(heated lamination shoe)と、
前記積層シューを押圧する受けローラとを含み、
前記積層シューと前記受けローラとの間に前記個人化ドキュメントが供給されると、前記個人化ドキュメントの前記一方の側の全体に前記パッチフィルムの全体をラミネートするように構成されている請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記積層シューは、ラミネート準備位置の方向にバイアスがかかっている請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記積層シューは、前記個人化ドキュメントの長さよりも長い弦長を有する弓形面を含む請求項7に記載の装置。
【請求項11】
前記積層シューは、前記個人化ドキュメントの長さよりも短い弦長を有する弓形面を含み、前記個人化ドキュメントの一部のみをラミネートするように構成されている請求項7に記載の装置。
【請求項12】
前記積層シューは、前記個人化ドキュメントのラミネートの影響を受けやすい面(laminate sensitive surface)に対応する切欠き部を含み、それによって前記積層シューにおける前記ラミネートの影響を受けやすい面に対応する部分が前記個人化ドキュメントを押圧しないようにする請求項7に記載の装置。
【請求項13】
ウェブ材料上に配置されたパッチフィルムを繰出し部品から個人化ドキュメント(personalized document)に供給し、
前記パッチフィルムの一方の側の全体に満たない部分に圧盤構造体(platen structure)を接触させ、
前記圧盤構造体を用いて、前記個人化ドキュメントの一方の側の全体に満たない部分に、前記パッチフィルムの前記全体に満たない部分を貼り付け、
積層アセンブリ(lamination assembly)を用いて、前記個人化ドキュメントの前記一方の側の全体に前記パッチフィルムの残りの部分をラミネートすることを含む、個人化ドキュメントのラミネート方法。
【請求項14】
前記圧盤構造体が、前記個人化ドキュメントに前記パッチフィルムの前記部分を押しつけるとき、前記個人化ドキュメントの前記一方の側の前記部分に前記パッチフィルムが貼り付けられるように、前記圧盤構造体の端面を加熱することをさらに含む請求項12に記載の方法。
【請求項15】
剥離ピンによって、前記ウェブ材料から前記パッチフィルムの残りの部分を分離することをさらに含む請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記個人化ドキュメントの前記一方の側の全体に一つのパッチフィルムをラミネートした後、次のパッチフィルムをラミネートするために、ラミネート準備位置の方向に積層シューにバイアスをかけることをさらに含む請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記個人化ドキュメントの前記一方の側のラミネートの影響をうけやすい面を除いた全体に、前記パッチフィルムの全体をラミネートすることをさらに含む請求項12に記載の方法。
【請求項18】
個人化ドキュメント(personalized document)のラミネート装置に用いられるパッチフィルム供給部であって、
ウェブ材料と、
前記ウェブ材料上に配置された複数のパッチフィルムとを備え、
前記複数のパッチフィルムは、実質的に互いに接近するように、前記ウェブ材料上に配置されて構成されているパッチフィルム供給部。
【請求項19】
前記複数のパッチフィルムは、前記個人化ドキュメントに前記パッチフィルムの一部を貼り付ける機構と、前記ウェブ材料からそれぞれの前記パッチフィルムを剥離するために前記機構に直接隣接して配置された剥離部品とを備えた個人化ドキュメントのラミネート装置において、前記個人化ドキュメントに供給されることが可能なように、前記ウェブ材料上に配置されて構成されている請求項17に記載のパッチフィルム供給部。
【請求項20】
前記ウェブ材料は、一巻きのウェブ材料として配置されている請求項17に記載のパッチフィルム供給部。
【請求項21】
1枚のパッチフィルムの長さは約3.31インチ(約84.074mm)であり、1枚のパッチフィルムの先端から次のパッチフィルムの先端まで約4.0インチ(約101.6mm)離れている請求項17に記載のパッチフィルム供給部。
【請求項22】
1枚のパッチフィルムの後端と次のパッチフィルムの先端との間の距離は0.69インチ(約17.526mm)以下である請求項17に記載のパッチフィルム供給部。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【公表番号】特表2009−515736(P2009−515736A)
【公表日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−540346(P2008−540346)
【出願日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際出願番号】PCT/US2006/060735
【国際公開番号】WO2007/059412
【国際公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(504012756)データカード・コーポレイシヨン (15)
【Fターム(参考)】