説明

像担持体駆動装置、その制御方法、および制御プログラム、並びに画像形成装置

【課題】コストが増加することなく、しかもエネルギー損失を低減して、ランダムな外乱に像担持体を良好に追従させる。
【解決手段】ブラシレスDCモータ10によって感光体ドラム100などの像担持体が駆動される。エンコーダ113によって像担持体の駆動速度が検出され、制御器400、モータドライバIC300、および駆動回路200は駆動速度と予め設定された目標速度とに応じてブラシレスDCモータに流す駆動電流を制御する。また、制御器、モータドライバIC、および駆動回路は、ブラシレスDCモータを制動するためのショートブレーキ信号がオンであると、ブラシレスDCモータに流す駆動電流と逆向きの電流を生じさせてブラシレスDCモータ駆動モータの制動を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真プロセスを用いた複写機、プリンタ、ファクシミリ、又はこれらの複合機などの画像形成装置に関し、特に、画像形成装置に備えられた感光体ドラムなどの像担持体を駆動するための駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、画像形成装置で実行される電子写真プロセスは画像形成プロセスを有しており、画像形成プロセスには帯電工程、作像工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程、および徐電工程などが含まれる。
【0003】
帯電工程においては、像担持体である感光体ドラムの表面が帯電され、作像工程ではスキャナ又はパソコンなどの外部機器によって得た画像情報に応じて、感光体ドラムに静電潜像が形成される。現像工程ではトナーなどの現像剤によって静電潜像が現像されて、トナー像とされる。
【0004】
そして、転写工程では感光体ドラム上のトナー像が転写材に転写される。転写工程の後、クリーニング工程が実行されて感光体ドラム上の残留トナーが除去される。その後、徐電工程においてしている感光体ドラムが徐電されて、再び帯電工程が行われる。
【0005】
ところで、モノクロ印刷の場合には、転写工程においては転写材として記録媒体(記録用紙)が用いられ、感光体ドラム上のトナー像が直接記録用紙に転写される。
【0006】
一方、カラー印刷に対応した画像形成装置(以下カラー画像形成装置という)では、転写工程において転写材である中間転写ベルト(以下ITBという)に、各色の感光体ドラムからトナー像が重ね合わされて転写さてカラートナー像とされる。そして、このカラートナー像が中間転写ベルトから記録用紙に転写される。
【0007】
画像形成プロセスにおいては、感光体ドラムおよびITBの表面速度(以下プロセス速度という)を定速で回転駆動させているが、記録用紙に形成された画像には、例えば、色ずれおよびバンディングなどが生じる。
【0008】
色ずれおよびバンディングの原因として、感光体ドラムおよびITBのプロセス速度の変動、作像工程における露光装置の振動に起因する露光位置の変動などが挙げられる。
【0009】
特に、感光体ドラムおよびITBにおけるプロセス速度の変動は、画像形成プロセスにおける作像、現像、および転写(一次転写および二次転写)において色ずれおよびバンディングを生じる大きな原因となる。
【0010】
よって、色ずれおよびバンディングを改善するためには、感光体ドラムおよびITBのプロセス速度を一定速度に制御すること(以下定速制御という)が極めて重要である。
【0011】
ところが、カラー画像形成装置においては駆動系全体に様々な速度変動要因が存在している。このため、理想的に感光体ドラムを定速制御することは困難である。
【0012】
例えば、速度変動要因として、感光体ドラム軸の偏心成分、モータのトルク変動成分、ギヤなどの減速器による偏心、振動成分、およびランダムな負荷変動成分がある。ここで、ランダムな負荷変動成分とは、感光体ドラムとITBとの間の摩擦力の変動が一例として挙げられる。
【0013】
一方、感光体ドラムおよびITBの駆動源として用いられるモータとして、一般にブラシレスDCモータが用いられている。ブラシレスDCモータは容易に高速回転を行うことができ、ステッピングモータで生じる脱調がないなどの点で採用されている。
【0014】
ブラシレスDCモータを用いて定速制御を行う際には、所謂PLL(Phase Locked Loop)方式又は速度ディスクリミネータ方式が用いられる。速度ディスクリミネータ方式はFG信号(回転パルス信号)を用いた速度フィードバック制御(以下速度FB制御という)である。また、PLL方式は、FG信号を用いて速度および位相のフィードバック制御を行う方式である。そして、駆動回路では定速制御によって出力された制御量をモータの駆動電流に変換する。
【0015】
ここで、像担持体の駆動回路として、例えば、トランジスタ、又はFETをスイッチング素子として用いた所謂双方向駆動回路が用いられている。
【0016】
双方向駆動回路ではモータ巻線に流す電流の大きさがパルス幅変調方式(以下PWM方式という)によって制御され、スイッチング素子のゲート又はベースに与える電圧のオン時間およびオフ時間の比(以下デューティ比という)で決定される。つまり、双方向駆動回路は、フィードバック制御による制御量をデューティ比に応じて出力して定速制御を行っている。
【0017】
ところが、PWM方式による電流制御では、モータの加速応答と減速応答(目標速度に到達するまでの到達時間)との間に差がある。加速の際には、モータの電流を増加させて加速力を大きくすることができる。
【0018】
一方、減速の際には、その減速力が機械的な摩擦力によって限界が決まってしまうので、特に、イナーシャの大きな系である像担持体では減速応答が悪化してしまう。
【0019】
減速応答を向上させるため、例えば、機械的な摩擦ブレーキによって回転軸に制動力を与えるようにしたものがある(特許文献1参照)。ここでは、回転負荷測定部によって感光体ドラムの負荷変動を予め書き換え可能なメモリに記憶する。そして、当該負荷変動に応じてブレーキ制御を行って、減速応答を向上させている。
【0020】
さらに、制動力を向上させるため、例えば、ショートブレーキを用いるようにしたものがある(特許文献2参照)。ここでは、減速の際に誘導起電力による負電流(回転方向のトルクとは逆向きのトルクを発生させる電流)を用いて、モータ自体に制動力を発生させている。
【0021】
これによって、電流の減衰度が小さくても、減速応答を高めるようにしている。そして、特許文献2では、回転駆動動作区間とショートブレーキ動作区間とにおいてPWM周期を分けて定速制御を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0022】
【特許文献1】特開2003−195687号公報
【特許文献2】特開平11−27979号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
前述のように、像担持体を定速制御する際には、減速応答が加速応答に比べて小さく、このため、高周波の速度変動を良好に制御することが難しい。速度変動に対処するため、予め負荷変動を測定して、機械的な摩擦力を像担持体の回転軸に付与し、フィードフォワード制御を行うことが行われている。
【0024】
しかしながら、機械的摩擦力によって減速応答を良好にしようとすると、当該摩擦力付与のための機構によってコストが増加するばかりでなく、エネルギー損失が増加する。さらに、フィードフォワード制御によって画像形成プロセスにおいて生じるランダムな外乱に対応することが困難となってしまう。
【0025】
従って、本発明の目的は、コストが増加することなく、しかもエネルギー損失を低減して、ランダムな外乱に良好に追従することのできる像担持体駆動装置、その制御方法、および制御プログラム、並びに画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0026】
上記の目的を達成するため、本発明による像担持体駆動装置は、トナー像を担持する像担持体を駆動制御するための像担持体駆動装置であって、前記像担持体を駆動する駆動モータと、前記像担持体の駆動速度を検出する速度検出手段と、前記速度検出手段で検出された駆動速度と予め設定された目標速度とに応じて前記駆動モータに流す駆動電流を制御する第1の制御手段と、前記駆動モータを制動するためのショートブレーキ信号がオンであると、前記駆動モータに流す前記駆動電流と逆向きの電流を生じさせて前記駆動モータの制動を行う第2の制御手段とを有することを特徴とする。
【0027】
本発明による制御方法は、トナー像を担持する像担持体を駆動制御するための像担持体駆動装置の制御方法であって、駆動モータで駆動される前記像担持体の駆動速度を検出する速度検出ステップと、前記速度検出ステップで検出された駆動速度と予め設定された目標速度とに応じて前記駆動モータに流す駆動電流を制御する第1の制御ステップと、前記駆動モータを制動するためのショートブレーキ信号がオンであると、前記駆動モータに流す前記駆動電流と逆向きの電流を生じさせて前記駆動モータの制動を行う第2の制御ステップとを有することを特徴とする。
【0028】
本発明による制御プログラムは、トナー像を担持する像担持体を駆動制御するための像担持体駆動装置で用いられる制御プログラムであって、前記像担持体駆動装置が備えるコンピュータに、駆動モータで駆動される前記像担持体の駆動速度を検出する速度検出ステップと、前記速度検出ステップで検出された駆動速度と予め設定された目標速度とに応じて前記駆動モータに流す駆動電流を制御する第1の制御ステップと、前記駆動モータを制動するためのショートブレーキ信号がオンであると、前記駆動モータに流す前記駆動電流と逆向きの電流を生じさせて前記駆動モータの制動を行う第2の制御ステップとを実行させることを特徴とする。
【0029】
本発明による画像形成装置は、上記の像担持体駆動装置と、前記像担持体に形成された前記トナー像を記録用紙に転写する転写手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、コストを増加させることなく、しかもエネルギー損失を低減して、ランダムな外乱に良好に像担持体を追従させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施の形態による像担持体駆動装置が用いられる画像形成装置の一例の断面を概略的に示す図である。
【図2】図1に示す感光体ドラムを駆動制御する駆動装置の一例を示す図である。
【図3】図2に示すブラシレスDCモータの動作を説明するための構成図である。
【図4】図3に示す回路構成における通電切り替えの際の電圧および電流を説明するための図である。
【図5】速度FB制御における各制御信号および巻線電流の時間変化を説明するための図である。
【図6】図3に示す巻線に流れる電流の経路を説明するための図であり、 (A)はトランジスタがオンされた際の電流経路の第1の例を示す図、(B)はトランジスタがオンされた際の電流経路の第2の例を示す図、(C)はトランジスタがオンされた際の電流経路の第3の例を示す図である。
【図7】速度FB制御にショートブレーキ制御を併用した際における各制御信号および巻線電流の時間変化を説明するための図である。
【図8】速度FB制御にショートブレーキ制御を併用した際のショートブレーキ制御を行うタイミングを説明するための図である。
【図9】図2に示す制御器のハードウェア構成の一例を説明するためのブロック図である。
【図10】図9に示すフィードバック制御部の構成の一例を示すブロック図である。
【図11】図9に示すBRK信号生成部の構成の一例を示すブロック図である。
【図12】図11に示すBRK信号生成部で行われるBRK信号の生成を説明するための図である。
【図13】図9に示す制御器の動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態による像担持体駆動装置の一例について図面を参照して説明する。
【0033】
図1は、本発明の実施の形態による像担持体駆動装置が用いられる画像形成装置の一例の断面を概略的に示す図である。
【0034】
図示の画像形成装置は、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、およびブラック(K)の4色について画像形成を行う所謂タンデム型のカラー画像形成装置である。つまり、カラー画像形成装置はY、M、C、およびKに対応する画像形成部1Y、1M、1C、および1Kを有している。
【0035】
画像形成装置に備えられたコントローラ(図示せず)は作像命令に応じて画像形成装置を制御する。画像形成部1Yにおいて、像担持体である感光体ドラム100Yが実線矢印方向に回転駆動される。帯電ローラ105Yは高圧電源(図示せず)に接続されている。帯電ローラ105Yには直流電圧又は直流電圧に正弦波電圧が重畳された高電圧が印加される。これによって、感光体100Yの表面は一様に直流電圧と同電位に帯電される。
【0036】
露光装置101Yは画像データに応じたレーザ光Laによって感光体ドラム100Yを露光して、感光体ドラム100Yの表面に静電潜像を形成する。現像器102Yでは、現像スリーブ103Yに高圧電源(図示せず)によって直流に矩形波電圧を重畳した高電圧が印加される。これによって、Yトナーによって正電位である静電潜像が現像されて、感光体ドラム100Y上にYトナー像が形成される。
【0037】
同様に、画像形成部1M〜1Kにおいて、帯電ローラ105M、105C、および105Kによって、感光体100M、100C、および100Kの表面が一様に帯電される。そして、露光装置101M、101C、および101Kは画像データに応じたレーザ光Lb、Lc、およびLdによって感光体ドラム100M、100C、および100Kを露光して、静電潜像を形成する。
【0038】
現像器102M、102C、および102Kは、現像スリーブ103M、103C、および103Kによって感光体ドラム100M、100C、および100K上にそれぞれMトナー像、Cトナー像、Kトナー像を形成する。
【0039】
感光体ドラム100Y〜100Kに形成されたトナー像は1次転写ローラ106Y〜106Kによって順次中間転写体である中間転写ベルト107に転写されて重ね合わされる。これによって、中間転写ベルト107上にカラートナー像が形成される。
【0040】
なお、1次転写ローラ106Y〜106Kの各々にはトナー像を転写するため直流高圧が高圧電源(図示せず)から印加される。
【0041】
中間転写ベルト107は、駆動ローラ107a、従動ローラ107b、およびテンションローラ109に張架され、駆動ローラ107aの駆動によって、実線矢印で示す方向に回転駆動される。中間転写ベルト107を挟んでテンションローラ109と対向して2次転写ローラ110が配置されている。
【0042】
記録用紙(以下単に用紙という)Pは搬送ローラ14によって搬送路11を搬送される。用紙の先端がレジストセンサ(図示せず)によって検知されると、レジストローラ13によって用紙が一旦保持される。
【0043】
中間転写ベルト107の回転駆動に同期してレジストローラ13によって用紙Pがテンションローラ109と2次転写ローラ110とのニップ部で規定される2次転写位置に搬送される。
【0044】
2次転写位置において、中間転写ベルト107上のカラートナー像は用紙Pに転写される。なお、2次転写ローラ110にはカラートナー像を転写するため直流高圧が高圧電源(図示せず)から印加される。
【0045】
カラートナー像が転写された用紙Pは搬送路12によって定着装置111に搬送される。そして、定着装置111においてカラートナー像は用紙P上に定着され、トナー像が定着された用紙Pは排紙トレイ(図示せず)などに排紙される。
【0046】
感光体ドラム100Y〜100K上に残った転写残トナーはそれぞれクリーナー104Y〜104Kによって掻き取られ回収される。中間転写ベルト107に残留する残トナーはベルトクリーナー108によって回収される。
【0047】
図2は、図1に示す感光体ドラムを駆動制御する駆動装置の一例を示す図である。なお、感光体ドラム100Y〜100Kを駆動する駆動装置は同様であるので、図2においては、感光体ドラムを参照番号”100”で示すことにする。
【0048】
感光体ドラム100の回転軸にはカップリング112によってドラム軸116が連結されている。このドラム軸116には減速ギア114が嵌め込まれており、減速ギア114はモータ軸ギア115と噛み合っている。そして、モータ軸ギア115は駆動源であるブラシレスDCモータ(駆動モータ)10に連結されている。
【0049】
図示のように、ドラム軸116にはロータリーエンコーダ(以下単にエンコーダともいう)113が配置され、このエンコーダ(速度検出手段)113によって、ドラム軸116、つまり、感光体ドラム100の回転速度(駆動速度ともいう)が検出される。そして、エンコーダ113は制御器400に回転速度検出信号を送る。
【0050】
ブラシレスDCモータ10には回転位置検出器20が接続され、回転位置検出器20によってブラシレスDCモータ10のロータの回転位置が検出される。そして、回転位置検出器20はモータドライバIC300に回転位置検出信号を送る。
【0051】
なお、回転位置検出器20は、例えば、ホール素子であるが、磁束センサであればホール素子に限定されない。
【0052】
上位CPU500は、画像形成プロセスにおいて負荷系(感光体ドラムなど)の駆動タイミングとプロセス速度とを制御する。上位CPU500は用紙の種類に応じてプロセス速度を決定する。そして、上位CPU500は駆動タイミング信号およびプロセス速度信号を制御器400に与える。
【0053】
制御器400は駆動タイミング信号およびプロセス速度信号と回転速度検出信号とに応じて、速度フィードバック制御(以下速度FB制御という)を行って、モータドライバIC300に駆動制御信号を与える。
【0054】
なお、制御器400として、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)などの演算速度の速いCPUが用いられる。また、制御器400として、FPGA(Field Programmable Gate Array)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)を用いるようにしてもよく、演算速度およびコストなどに応じて選択するようにすればよい。
【0055】
モータドライバIC300は、駆動制御信号と回転位置検出信号とに基づいて駆動回路200を制御する。そして、駆動回路200はモータドライバIC300の制御下でブラシレスDCモータ10に与える駆動電流を調整する。
【0056】
ここで、駆動制御信号として、例えば、パルス幅変調信号(PWM_SIG)、ショートブレーキ信号(BRK_SIG)、およびイネーブル信号(ENABLE_SIG)がある。そして、モータドライバIC300はPWM_SIGおよびBRK_SIGに応じて駆動回路200を制御して、ブラシレスDCモータ10に与える駆動電流を調整する。
【0057】
図3は、図2に示すブラシレスDCモータ10の動作を説明するための図である。
【0058】
図示のように、モータドライバIC300はPWM端子、BRK端子、ENABLE端子、およびCW/CCW端子(回転方向制御端子)を備えている。そして、モータドライバICは、後述するようにして、スイッチング信号S1〜S6を出力する。
【0059】
駆動回路200は、スイッチング素子であるトランジスタ201A、201B、201C、201D、201E,および201Fを有する双方向駆動回路である。トランジスタ201A〜201Fにそれぞれ並列にダイオードが接続されている。これらトランジスタ201A〜201Fはそれぞれスイッチング信号S1〜S6によってオンオフ制御される。
【0060】
なお、トランジスタ201Aおよび201Bが直列に接続され、トランジスタ201Cおよび201Dが直列に接続されている。そして、トランジスタ201Eおよび201Fが直列に接続されている。
【0061】
ここでは、ブラシレスDCモータ10として、複数の相、例えば、三相のブラシレスDCモータが用いられており、ブラシレスDCモータ10は、モータドライバIC300によって制御される。
【0062】
ブラシレスDCモータ10は巻線11U、11V、11Wを有しており、ブラシレスDCモータ10にはホール素子20U、20V、および20Wが120度の間隔で配置されている。そして、これらホール素子20U、20V、および20Wによって回転位置検出器20が構成され、ブラシレスDCモータ20のロータの回転位置が検出される。
【0063】
図示のように、トランジスタ201Aおよび201Bの接続点が巻線11Uに接続され、トランジスタ201Cおよび201Dの接続点が巻線11Vに接続される。そして、トランジスタ201Eおよび201Fの接続点が巻線11Wに接続される。
【0064】
モータドライバIC300は、ホール素子20U、20V、および20Wからそれぞれ回転位置検出信号HU、HV、およびHWを受けて、スイッチング信号S1〜S6によって駆動回路20を制御し、巻線11U、11V、および11Wに流す駆動電流の通電タイミングを決定する。
【0065】
前述のように、ブラシレスDCモータ10には、120度の間隔でホール素子20V、20U、および20Wが配置されているので、これらホール素子20V、20U、および20Wによって周期的に変化するロータの位置を検出することができる。
【0066】
モータドライバIC300はロータの回転に応じてホール素子20V、20U、および20Wから6種類の検出信号パターンを得る。そして、モータドライバIC300は検出信号パターンに応じてスイッチング信号を切り替えて、巻線11V、11U、および11Wの通電の切り替えを行う。
【0067】
なお、図示の例では、ブラシレスDCモータ20は、そのロータ(図示せず)の磁極数が2の倍数(2N:Nは1以上の整数、)であり、通電切り替えによる機械的な回転角度は360°をNで除算した角度である。
【0068】
図4は、図3に示す回路構成における通電切り替えの際の電圧および電流を説明するための図である。
【0069】
図4において、横軸は電気角を示しており、回転位置検出信号HUは電気角が0度〜180度でハイ(H)レベルとなり、電気角が180度〜360度でロー(L)レベルとなる。また、回転位置検出信号HVは電気角が120度〜300度でHレベルとなり、電気角が300度〜120度でLレベルとなる。そして、回転位置検出信号HWは電気角が240度〜60度でHレベルとなり、電気角が60度〜240度でLレベルとなる。
【0070】
従って、モータドライバIC300には、前述のように、6種類の検出信号パターンが与えられることになり、この信号パターンに応じて、モータドライバIC300はブラシレスDCモータの電気角、つまり、ロータの回転位置を知る。
【0071】
モータドライバIC300は検出信号パターン、つまり、ロータの回転位置に応じて、電気角0度〜120度ではトランジスタ201Aをオンする。また、モータドライバIC300は電気角が180度〜300度ではトランジスタ201Bをオンし、電気角が120度〜240度ではトランジスタ201Cをオンする。
【0072】
さらに、モータドライバIC300は電気角が300度〜60度ではトランジスタ201Dをオンし、電気角が240度〜360度ではトランジスタ201Eをオンする。そして、モータドライバIC300は電気角が60度〜180度ではトランジスタ201Fをオンする。
【0073】
この結果、巻線11Uには電気角0度〜120度において第1の方向に電流が流れ、電気角180度〜300度において第1の方向と逆向きの第2の方向に電流が流れる。
【0074】
同様に、巻線11Vには電気角120度〜240度において第1の方向に電流が流れ、電気角300度〜60度において第2の方向に電流が流れる。また、巻線11Wには電気角240度〜360度において第1の方向に電流が流れ、電気角60度〜180度において第2の方向に電流が流れる。
【0075】
図2に示す制御器400は速度FB制御とショートブレーキ制御とを行う。ここで、速度FB制御のみによる定速制御について説明し、続いて速度FB制御にショートブレーキ制御を併用した制御について説明する。
【0076】
速度FB制御において、ロータリーエンコーダ113から出力される回転速度信号(ENC_V)とプロセス速度(PV)との差分に応じて制御量が決定される。図示の例では、PWM方式による電流制御によって定速制御が行われるため、制御量はデューティ比(PWM_Duty)に対応する。
【0077】
図5は速度FB制御における各制御信号および巻線電流の時間変化を説明するための図である。
【0078】
図5において、トランジスタ201A〜201Fをオンオフ制御するスイッチング信号をPWM_SIGで表し、巻線11U、11V、および11Wの各々に流れる電流をImで表す。また、時間T1〜T6の各々は制御器400におけるサンプリングのタイミングを示す。そして、図中ΔV1およびΔV2は時間T1およびT2におけるPVとENC_Vとの差分を表す。
【0079】
いま、ΔV1=ΔV2であるとすると、時間T1の際には、ENC_VはPVよりもΔV1だけ低い。このため、制御器400はPWM_Dutyを大きくするので、巻線電流Imは徐々に増加する。
【0080】
一方、時間T2では、ENC_VはPVよりもΔV2だけ大きいので、制御器400はPWM_Dutyを小さくして、巻線電流Imを徐々に小さくする。そして、他の時間T3〜T6においても制御器400は同様にして巻線電流Imを制御する。
【0081】
図6は、図3に示す巻線11U、11V、および11Wに流れる電流の経路を説明するための図である。そして、図6(A)はトランジスタ201Aおよび201Fがオンされた際の電流経路を示す図であり、図6(B)はトランジスタ201Fがオンされた際の電流経路を示す図である。また、図6(C)はトランジスタ201Bおよび201Fがオンされた際の電流経路を示す図である。
【0082】
図6(A)に示すように、トランジスタ201Aおよび201Fがオンされた際には、電源側から巻線電流Im=I1がトランジスタ201Aを介して巻線11Uおよび11Wに増加しつつ流れて、トランジスタ201Fを通ってGNDに至る。
【0083】
図6(B)に示すように、トランジスタ201Aがオフとされると、巻線11Uおよび11Vの自己誘導起電力と逆起電力とによって、巻線電流Im=I2Aがトランジスタ201Bに並列に配置されたダイオードから巻線11Uおよび11Wの方向に減衰しつつ流れて、トランジスタ201Fを通ってGNDに至る。
【0084】
図6(A)および図6(B)に示す例から容易に理解できるように、巻線電流Imを調整すればブラシレスDCモータ10における加速度を大きくすることができるが、減速力は摩擦力によってその最大値が決まってしまう。この結果、減速度は加速度に対して小さくなる。
【0085】
一方、速度FB制御にショートブレーキ制御を併用すると、図6(C)に示すように、トランジスタ201Bおよび201Fがオンされて、トランジスタ201Bおよび当該トランジスタ201Bに並列に配置されたダイオードを通って、電流I2Bが巻線11Uおよび11Wに流れる。
【0086】
さらに、逆向きの電流I3がトランジスタ201Fおよび当該トランジスタ201Fに並列に配置されたダイオードを通って、巻線11Uおよび11Wに流れる。この結果、巻線電流Imの大きさは、(I2A−13)の絶対値となる。ここで、ショートブレーキ制御によって、上記の電流I3が生じる。
【0087】
いま、図6(A)に示す状態において、制御回路400からショートブレーキ信号(BRK_SIG)がモータドライバIC300に与えられと、モータドライバIC300はトランジスタ201Aに印加されていたPWM_SIGを強制的に停止する。そして、モータドライバIC300はトランジスタ201Aをオフした後、トランジスタ201Bをオンとする。
【0088】
この結果、図6(C)に示すように、巻線11Uおよび11Wには互いに逆向きの電流I2BおよびI3が流れる。ここで、トランジスタ201Bがオンしたことによって、電流I2Bトランジスタ201Bに並列にされたダイオードを流れるとともに、トランジスタ201Bのエミッタ−コレクタ間を流れる。そして、電流I2Bは自己誘導起電力のエネルギーがなくなると流れなくなる。一方、巻線11Uおよび11Wを鎖交する磁束による逆起電力によって電流I3が発生する。
【0089】
図7は速度FB制御にショートブレーキ制御を併用した際における各制御信号および巻線電流の時間変化を説明するための図である。ここでは、BRK_SIGがオフであるBRK−OFF期間においては、前述の速度FB制御による定速制御が行われる。
【0090】
いま、BRK_SIGがオンであるBRK−ON期間に入ると、制御器400はPWM_SIGをオフとして、ショートブレーキを掛けるように電流を減衰させる。
【0091】
これによって、前述したように、逆起電力によって、電流I3が流れて、結果的に負の電流(回転方向にトルクを発生させるために流れる電流を正とする)が巻線に流れる。その結果、ブラシレスDCモータ10には制動力が発生して、感光体ドラム100の減速度が大きくなる。
【0092】
このように、速度FB制御にショートブレーキ制御を併用して定速制御を行えば、速度FB制御のみによる定速制御における減速応答を改善することができる。
【0093】
図8は速度FB制御にショートブレーキ制御を併用した際のショートブレーキ制御を行うタイミングを説明するための図である。
【0094】
ショートブレーキ制御は、プロセス速度に応じて、所定の周期、又は、かつ、所定のデューティ比となる。ここでは、ショートブレーキ制御は、制御器400からモータドライバIC300に与えるBRK_SIGの周期およびデューティ比によって規定される。つまり、BRK_SIGがオンの場合に、ショートブレーキ制御が行われ、BRK_SIGがオフの場合に速度FB制御が行われる。
【0095】
なお、BRK_SIGの周期およびデューティ比は、上述したように、プロセス速度に応じて設定される。さらに、負荷に応じてBRK_SIGの周期およびデューティ比を設定するようにしてもよい。
【0096】
この場合、PWM_SIGの周波数(PWM周波数)は、BRK_SIGの周波数(BRK周波数)に対して十分に大きいものとする。例えば、PWM周波数は24kHzであり、BRK周波数は500Hzである。
【0097】
図9は、図2に示す制御器400のハードウェア構成の一例を説明するためのブロック図である。
【0098】
制御器400は、分周期410、回転速度検知部420、フィードバック制御部430、トリガ信号生成部440、PWM信号生成部450、およびBRK信号生成部460を備えている。
【0099】
分周器410は、基準クロック生成器600から与えられる基準クロック信号CLK1を分周して、分周クロック信号CLK2を回転速度検知部420に与える。分周器410は、上位CPU500から与えられるST/SP信号(スタート/ストップ信号)をトリガ信号として動作を行う。
【0100】
回転速度検知部420は、エンコーダ113から送られる回転速度検出信号(パルス信号)ENC_V_0のエッジ周期を、分周クロック信号CLK2に応じて計測して、回転速度を求める。そして回転速度検知部420は回転速度信号ENC_Vを出力する。
【0101】
フィードバック制御部430には、上位CPU500からのST/SP信号およびプロセス速度を示すPV信号が入力される。さらに、フィードバック制御部430には回転速度信号ENC_Vが入力される。そして、フィードバック制御部430はST/SP信号に応じて動作し、PV信号と回転速度信号ENC_Vとに基づいて制御量PWM_Dutyを生成して、この制御量PWM_DutyをPWM信号生成部450に出力する。
【0102】
トリガ信号生成部440にはPV信号および回転速度信号ENC_V信号が与えられる。そして、PV信号が示すプロセス速度に対する回転速度信号ENC_Vが示す回転速度の変動範囲が所定の変動範囲(例えば、±5%)内であると、トリガ信号生成部440はトリガ信号Trig1をBRK信号生成部460に出力する。
【0103】
PWM信号生成部450は、基準クロック生成器600から与えられる基準クロック信号CLK1と制御量PWM_Dutyとに応じたPWM信号を出力する。このPWM信号はD/A変換器700AによってD/A変換されて、PWM_SIGとしてモータドライバIC300に与えられる。
【0104】
BRK信号生成部460は、トリガ信号Trig1信号、PV信号、および基準クロック信号CLK1信号に応じて、ショートブレーキ信号を生成する。そして、このショートブレーキ信号はD/A変換器700BによってD/A変換されて、BRK_SIGとしてモータドライバIC300に出力される。
【0105】
図10は、図9に示すフィードバック制御部430の構成の一例を示すブロック図である。
【0106】
図10において、フィードバック制御部430は、目標速度/ゲイン設定部431を備えており、目標速度/ゲイン設定部431には、上位CPU500からPV信号が与えられる。そして、目標速度/ゲイン設定部431はPV信号に応じて目標速度を出力するとともに、比例制御、微分制御、および積分制御用のゲイン設定値を演算器432に出力する。
【0107】
演算器432は、比例制御演算器432a、微分制御演算器432b、および積分制御演算器432cを有している。比例制御演算器432aは回転速度検知部420から出力される回転速度信号ENC_Vと目標速度および比例制御用ゲイン設定値とに基づいて比例制御を行う。
【0108】
また、微分制御演算器432bは回転速度信号ENC_Vと目標速度および微分制御用ゲイン設定値とに基づいて微分制御を行う。そして、積分制御演算器432cは回転速度信号ENC_Vと目標速度および積分制御用ゲイン設定値とに基づいて積分制御を行う。
【0109】
演算器432はこれら比例制御、微分制御、および積分制御によって得られた演算結果をPWM_DutyとしてPWM信号生成部450に出力する。
【0110】
図11は、図9に示すBRK信号生成部460の構成の一例を示すブロック図である。
【0111】
BRK信号生成部460は、分周器461、三角波生成部462、およびパルス発生部463を有している。分周器461は、PV信号によって基準クロック生成器600から与えられる基準クロック信号CLK1を分周して生成するカウント周波数を決定する。そして、分周器461はカウント周波数に応じた分周クロック信号CLK2を三角波生成部462に出力する。
【0112】
三角波生成部462は、PV信号がプロセス速度を閾値として分周クロック信号CLK2に応じて所定の時間カウントを行った後リセットして三角波を生成する。そして、三角波生成部462はこの三角波をパルス波生成部463に出力する。
【0113】
パルス波生成部463は、PV信号と三角波とに応じてプロセス速度に応じた周波数でかつデューティ比のBRK_SIGを生成して、モータドライバIC300に出力する。
【0114】
図12は、図11に示すBRK信号生成部460で行われるBRK信号(BRK_SIG)の生成を説明するための図である。
【0115】
前述のように、三角波発生部462にはPV信号および分周クロック信号CLK2が与えられる。三角波発生部462は、分周クロック信号CLK2を所定の時間TBRKカウントして、時間TBRKが経過するとリセットして三角波を生成する。
【0116】
パルス波発生部463ではPV信号に応じた閾値によってプロセス速度に応じた所定のデューティ比のBRK_SIGを発生する。
【0117】
図13は、図9に示す制御器400の動作を説明するためのフローチャートである。
【0118】
図9および図13を参照して、いま上位CPU500からSTART信号およびPV信号が入力されると(ステップS100)、制御器400は制御を開始する。そして、フィードバック制御部430はPV信号に応じて速度FB制御による定速制御を行う(ステップS101)。
【0119】
トリガ信号発生部440は回転検出信号ENC_Vが示す回転速度が目標プロセス速度に対して所定の範囲(例えば、±5%)以内に入っているか否かを判定する(ステップS102)。回転速度が所定の範囲内でないと(ステップS102において、NO)、フィードバック制御部430による定速制御が継続される。
【0120】
一方、回転速度が所定の範囲内であると(ステップS102において、YES)、トリガ信号生成部440は前述したようにBRK信号生成部460にトリガ信号Trig1を出力する(ステップS103)。そして、BRK信号生成部460は、トリガ信号Trig1に応答して、PV信号に応じたショートブレーキ信号(BRK_SIG)をモータドライバIC300に出力する(ステップS104)。
【0121】
続いて、制御器400は上位CPU500からSTOP信号が送出されたか否かを判定する(ステップS105)。STOP信号が入力されないと(ステップS105において、NO)、制御器400ではショートブレーキ信号の送出を継続する。
【0122】
STOP信号が入力されると(ステップS105において、YES)、制御器400では分周器410を停止して、フィードバック制御部430の出力を初期値にリセットする。そして、制御器400は制御を終了する。
【0123】
以上のように、本発明の実施の形態では、ブラシレスDCモータによって感光体ドラムなどの像担持体を定速制御する際に、ブラシレスDCモータに制動力を周期的に発生させるようにしたので、ブラシレスDCモータの減速応答を向上させることができる。
【0124】
よって、画像形成装置においては色ずれおよびバンディングを起こす速度変動周波数を抑制することができる。そして、コストを増加させることなく、エネルギー損失を低減して、ランダムな外乱に良好に追従することができる。
【0125】
上述の説明から明らかなように、図1において、制御器400、モータドライバIC300、および駆動回路200が第1の制御手段および第2の制御手段として機能する。さらに、制御器400は判定手段として機能するとともに、生成手段として機能する。
【0126】
なお、図2において、ブラシレスDCモータ10、回転位置検出器20、ロータリーエンコーダ113、駆動回路200、モータドライバIC300、および制御器400によって像担持体駆動装置が構成される。
【0127】
以上、本発明について実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。
【0128】
例えば、上記の実施の形態の機能を制御方法として、この制御方法を像担持体駆動装置に実行させるようにすればよい。また、上述の実施の形態の機能を有するプログラムを制御プログラムとして、この制御プログラムを像担持体駆動装置が備えるコンピュータに実行させるようにしてもよい。なお、制御プログラムは、例えば、コンピュータに読み取り可能な記録媒体に記録される。
【0129】
この際、制御方法および制御プログラムの各々は、少なくとも速度検出ステップ、第1の制御ステップ、および第2の制御ステップを有することになる。
【0130】
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記録媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【符号の説明】
【0131】
10 ブラシレスDCモータ
20 回転位置検出器
100 感光体ドラム
113 ロータリーエンコーダ
200 駆動回路
300 モータドライバIC
400 制御器
430 フィードバック制御部
440 トリガ信号生成部
460 BRK信号生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像を担持する像担持体を駆動制御するための像担持体駆動装置であって、
前記像担持体を駆動する駆動モータと、
前記像担持体の駆動速度を検出する速度検出手段と、
前記速度検出手段で検出された駆動速度と予め設定された目標速度とに応じて前記駆動モータに流す駆動電流を制御する第1の制御手段と、
前記駆動モータを制動するためのショートブレーキ信号がオンであると、前記駆動モータに流す前記駆動電流と逆向きの電流を生じさせて前記駆動モータの制動を行う第2の制御手段とを有することを特徴とする像担持体駆動装置。
【請求項2】
前記駆動モータは、複数の相を備えるブラシレスDCモータであり、
前記駆動モータのロータの回転位置を検出する位置検出手段を有し、
前記第1の制御手段は、前記位置検出手段で検知された前記回転位置に応じて前記駆動モータの相に流す駆動電流の通電タイミングを制御することを特徴とする請求項1に記載の像担持体駆動装置。
【請求項3】
前記第1の制御手段は前記駆動速度と前記目標速度との差分に応じた周期およびデューティ比に応じて前記駆動電流を制御することを特徴とする請求項1に記載の像担持体駆動装置。
【請求項4】
前記回転速度が前記目標速度に対して所定の範囲内であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって前記回転速度が前記目標速度に対して所定の範囲内であるとされると、前記目標速度に応じて所定の周期、又は、かつ、所定のデューティ比でオンおよびオフを繰り返す前記ショートブレーキ信号を生成する生成手段とを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の像担持体駆動装置。
【請求項5】
前記第1の制御手段は、前記ショートブレーキ信号がオフである際、前記駆動速度と前記目標速度とに応じて前記駆動モータに流す駆動電流を制御することを特徴とする請求項4に記載の像担持体駆動装置。
【請求項6】
トナー像を担持する像担持体を駆動制御するための像担持体駆動装置の制御方法であって、
駆動モータで駆動される前記像担持体の駆動速度を検出する速度検出ステップと、
前記速度検出ステップで検出された駆動速度と予め設定された目標速度とに応じて前記駆動モータに流す駆動電流を制御する第1の制御ステップと、
前記駆動モータを制動するためのショートブレーキ信号がオンであると、前記駆動モータに流す前記駆動電流と逆向きの電流を生じさせて前記駆動モータの制動を行う第2の制御ステップとを有することを特徴とする制御方法。
【請求項7】
トナー像を担持する像担持体を駆動制御するための像担持体駆動装置で用いられる制御プログラムであって、
前記像担持体駆動装置が備えるコンピュータに、
駆動モータで駆動される前記像担持体の駆動速度を検出する速度検出ステップと、
前記速度検出ステップで検出された駆動速度と予め設定された目標速度とに応じて前記駆動モータに流す駆動電流を制御する第1の制御ステップと、
前記駆動モータを制動するためのショートブレーキ信号がオンであると、前記駆動モータに流す前記駆動電流と逆向きの電流を生じさせて前記駆動モータの制動を行う第2の制御ステップとを実行させることを特徴とする制御プログラム。
【請求項8】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の像担持体駆動装置と、
前記像担持体に形成された前記トナー像を記録用紙に転写する転写手段とを有することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−54244(P2013−54244A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−193131(P2011−193131)
【出願日】平成23年9月5日(2011.9.5)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】