説明

充填シリコーンゴム組成物を製造する方法

表面処理された充填材料を混和したポリシロキサン含有塊を製造する方法であって、材料を、材料が混合されるチェンジカンミキサーに供給することを含み、チェンジカンミキサーは、チェンジカンミキサーのカン内へ下向きに伸びる少なくとも2つの螺旋混合アームを備える着脱可能な混合ヘッド組立体と、螺旋混合アームをそれら自体の軸の周りに回転させる駆動手段と、カンの軸の周りに螺旋混合アームを一ユニットとして回転させる駆動手段とを備え、混合アームの形状が、混合される組成物に下向きの運動をもたらすものである、表面処理された充填材料を混和したポリシロキサン含有塊を製造する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金型製作(MM)シリコーンゴム、すなわち付加硬化型/白金硬化型等の室温加硫(RTV)シリコーンゴムと、高粘稠性ゴム(HCR)及び液状シリコーンゴム(LSR)等の高温加硫(HTV)シリコーンゴムとを含む熱加硫シリコーンゴム組成物を製造するバッチプロセスに関する。このようなシリコーンゴム組成物は、シリカのような充填材を含有する。このシリカは、シリコーンゴム組成物に用いられるポリシロキサンとの親和性をもたらすためのin situ処理を必要とする。
【背景技術】
【0002】
液状で適用又は成形され、その後硬化することができるシリコーンゴム組成物が既に知られている。このような組成物の中でも、保存及び適用中に低粘度を有するように、また機械強度の高い製品を提供するように意図されるものがある。このようなシリコーンゴム組成物は、様々な目的に用いることができ、特に、別個の加熱作業の有無に関わらず、シリコーンゴム組成物を硬化させる被覆作業又は成形作業における使用に好適である。一般に、このようなシリコーンゴム組成物は、硬化製品の機械特性を増強するために、補強用充填材を含有しており、最も一般的に使用されるものはシリカである。
【0003】
充填材表面の適当な処理によってシリカ等の補強用充填材を疎水性とすることが通例となっている。シリカ等の充填材の表面処理は、シリコーンゴム組成物に導入される前に、乾燥粉末形態のシリカを用いて行われることができるが、通常では組成物中のin situで行われる。したがって、ヘキサメチルジシラザン(HMDZ)、ヘキサメチルジシロキサン(HMDO)、及びジビニルテトラメチルジシラザン等の表面処理材(以降、疎水化剤と表す)は、通常、単独で又は任意に水と一緒に、ポリシロキサン及びシリカの組成物中に混和される。
【0004】
シリコーンゴム組成物は一般に、実質的に直鎖状の高分子量ポリシロキサンを、処理された充填材及び他の所望の添加剤と混合し、基剤又は未加工の材料を形成することによって調製される。使用前に、基剤は配合されて、架橋剤と、他の充填材と、顔料、粘着防止剤、可塑剤及び粘着増強剤のような添加剤と混和される。得られる組成物をその後、加圧加硫によって、又は連続して、押出加工、すなわち、射出成形及びトランスファー成形によって加硫し、最終シリコーンゴム製品を形成することができる。例えば、ケーブル絶縁体は、角型押出ヘッドを用いてシリコーンゴムをケーブルの芯に塗工する特殊技法によって押出加工される。このような組成物の別の一般的な用途としては織物の処理がある。
【0005】
シリコーンゴム組成物を混合して基剤又は原材料を形成することは、任意の適当なミキサー内で行ってもよい。様々な種類のミキサーが提案されているが、シリカ等の充填材は、最終製品を補強する上で助けとなる一方で、液状組成物中に存在するポリシロキサンと次第に結びつく(associate)傾向もあり、結果としてシリコーンゴム組成物の粘度が、対応して増大するため、得られる混合物の粘度により、多くのバッチ型ミキサーはこの目的に使用できない。粘度の増大は、シリコーンゴム組成物の均一な内部混合に有害な影響を与えることが多い。例えば、ミキサーアームのエッジとミキサー容器の壁との間の(約0.5〜1cmの)隙間が常に存在するため、ポリマー層は、ミキサーの壁に付着して混合されずに残ることもある。この場合、得られる層は、ミキサーを実質的に覆い、そのためミキサーの壁を介した熱の放出を妨げ、その結果、混合物が混合プロセス中に不必要に高温に晒されるというさらなる課題をもたらす。粘度の増大に関する従来技術の別の課題は、組成物中の充填材の割合が増大すると、材料を上方向に誘導する混合アーム形状のため、混合される組成物が徐々に混合アームの上方に移動して、混合プロセスを妨げ、その結果、混合されていない最終製品又は不均一に混合された製品が生じるということである。高粘度の材料は「塊」を形成することもあるので、混合器具の構成が許せば、その混合器具は、材料が混合及び/又は剪断されることなくミキサーが回転するのを回避する。
【0006】
シリコーンゴム組成物の混合においていくつかの他の重要な課題があり、特に、混合アーム(単数又は複数)等を駆動するのに非常に大きい力がミキサー内で必要とされるということであり、通常、工業規格は、混合される材料1リットル当たり少なくとも0.2kWの範囲であり、一般に1リットル当たり0.3〜0.7kWであることがミキサーの機能を保証するのに要求される。これは、シリコーンゴム用ミキサーが平均的なキッチン/パン用ミキサーよりも約10倍強力であることが必要であることに相当する。さらに、シリコーンゴム組成物を混合するのに好適なミキサーは、混合容器内での剪断により生じる最大約250℃の温度に耐える必要がある。剪断により生じる温度のために、通常、加熱装置は混合を補助するのに必要とされず、それどころか、シリコーンゴム組成物用のミキサーユニットの場合には冷却システムが使用される可能性が高いことも認識されるであろう。シリコーン用ミキサーに対する別の要件は、内部混合容器が、特に疎水化剤の可燃性のため、潜在的な発火源を有さないようにする必要があることである。例えば(HMDZは約−22℃の引火点を有する。
【0007】
それゆえ、現在の市販されているバッチ型ミキサーの大半は、シリコーンゴム組成物を混合する目的に全く適していないことを認識されたい。例えばUS4337000は、パン生地を混合するよう設計された遊星型(planetary:プラネタリー)キッチンミキサーを記載している。この遊星型キッチンミキサーは、パンの混合等に好適な「上昇防止(anti-climb:アンチクライム)パン生地用フック」を備えるが、シリコーンゴム組成物を混合又は必要な剪断を与える際に伴う粘性を有する組成物の混合に使用することは明らかに不可能である。GB761614は、パテ等の材料を製造するのに通常用いられる種類のミキサーである。このようなミキサーは強制練り(forced action)ミキサーではなく、これは、混合される材料が非常に容易に混合作用を逃がしてしまい、それゆえ混合されないままであるか又は不均一に混合される可能性があることを意味する。この場合、ミキサーは、固定かき取りブレードと定置回転混練ロールとを有する回転容器を備える。SU929186は、低粘度の流体を混合することができる一般的な縦型粉末ミキサーである。混合容器はミキサーの内蔵部材である。このタイプのミキサーを使用して生じる力の取り込み及び剪断はシリコーンゴム組成物が関わるプロセスにとって不適当であるため、材料は一般に、次のロットが加工可能となる前に、底面の排出口から放出される(流れ出る)。高粘性材料と混合する能力を有していない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
回転及び遊星様式で旋回する2つ以上の螺旋混合アームを有するチェンジカンミキサー(change can mixer)に特定の材料を供給することによって、ポリシロキサン及び補強用充填材の混合物をより一層効率的に調製できることが見出された。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、材料を独自のデザインのチェンジカンミキサー内で混合することによって、表面処理された充填材を含有するポリシロキサン塊を製造する方法に関する。チェンジカンミキサーは、チェンジカンミキサーのカン内へ下向きに伸びる少なくとも2つの螺旋混合アームを備える着脱可能な混合ヘッド組立体を備える。駆動手段は、螺旋混合アーム自体の軸の周りに螺旋混合アームを回転させ、駆動手段は、カンの軸の周りに螺旋混合アームを一ユニットとして回転させる。螺旋混合アームは、混合される組成物に下向きの運動をもたらすように設計される。チェンジカンミキサー内で混合されて混合物を形成する材料は、以下を含む。
(i)少なくとも20、好ましくは40個を超えるシロキサン単位を有するポリシロキサンであって、トリアルキルシリルで末端が封鎖されたポリシロキサンと、少なくとも1つのケイ素と結合されたアルケニル基、ヒドロキシル基及び/又は加水分解性基を有するポリシロキサンとから成る群から選択されるポリシロキサン。
(ii)補強用及び/又は非補強用充填材料であって、微細シリカと、表面処理された微細シリカと、炭酸カルシウムと、表面処理された微細炭酸カルシウムと、微細カオリン及び/若しくは表面処理された微細カオリンのようなクレイと、石英粉末と、水酸化アルミニウムと、ケイ酸ジルコニウムと、珪藻土と、珪灰石と、葉ろう石(pyrophylate)と、二酸化チタン、酸化セリウム及び酸化鉄のような金属酸化物とを1つ以上含む補強用及び/又は非補強用充填材料。これらは、ガラス繊維、タルク、アルミナイト、硫酸カルシウム(硬石膏)、石膏、硫酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム(ブルーサイト)、グラファイト、重晶石、硫酸バリウム、炭酸銅(例えば孔雀石)、炭酸ニッケル(例えばザラカイト(zarachite))、炭酸バリウム(例えば毒重石)及び/又は炭酸ストロンチウム(例えばストロンチアナイト)の形態を含んでいてもよい。最も好ましくは、充填材料は、微細シリカ、表面処理された微細シリカを含み、ここで、充填材はin situで疎水化処理される。
(iii)HMDZ及びジビニルテトラメチルジシラザンのようなジシラザンと、HMDOと、ケイ素と結合されたヒドロキシル基又はアミノ基、任意にアルケニル基を有する2〜40個のシロキサン単位を有するポリジオルガノシロキサン(例えば100〜1,000cst(すなわち1〜10×10−4−1)、好ましくは250〜500cst(すなわち2.5〜5×10−4−1)の粘度を有するトリメチルシリル末端ポリジメチルシロキサン)と、アルコキシシランとから成る群から選択される疎水化剤。
【0010】
チェンジカンミキサーは、粘性材料を配合するのに用いられる多種の装置の1つである。チェンジカンミキサーにおいて、1つ以上のブレード又は混合アームは、アームの遊星運動及び回転運動によって、又はカンの回転によってカンの全領域に及ぶように設計される。ミキサーは一般的に、混合アームがカン内で昇降できるように、又はカンが混合アームに対して昇降できるように設計される。本発明では、前者の方が好ましい。このような装置は一般に、別個のカンを使用して混合作業が開始される前に成分を入念に測定することができ、且つ別個のカンを使用して次のバッチを混合している間に終えたバッチを次の作業に搬送することができるシステムを備える。
【0011】
混合作業中、中央駆動機構は、混合アームのそれぞれをそれ自体の軸の周りに回転させると同時に、この中央駆動機構は、混合アームのシステム全体をカンの軸の周りに、すなわち遊星様式で、回転させることができる。このように、カンの全てのエリアが混合及び完全に配合されて、他の種類の混合装置において通常生じるいわゆるデッドスポットをなくすことができる。
【0012】
本発明によるプロセスで使用されるチェンジカンミキサーは、チェンジカンミキサーのカン内へ下向きに伸びる2〜5つの螺旋混合アーム、好ましくは2〜4つの螺旋混合アーム、最も好ましくは3つの螺旋混合アームを有する(この場合、チェンジカンミキサーのカンの中心線に対して円周方向に120度ずつ離れて配置されて使用される)。螺旋混合アームは一般に、全て、同じ寸法及び3−D形状を有する。それぞれの螺旋混合アームは好ましくは、0.5〜2旋回したもの(revolutions)を含む。混合アームの形状は、混合される組成物に下向きの運動をもたらすものである。この下向きの運動は、従来技術のミキサーにおいて不均質性をもたらす、アームの上に混合物が持ち上がるという問題を実質的に防止する。この形状は、充填材、一般に乾燥シリカがミキサー内に急速に導入される問題をも実質的に回避する。従来技術の主要なミキサーでは、これは一般的に、シリカが単に組成物の上部にあるだけで、ポリマーと均質に内部混合されていない粉末段階に導いてしまう。中央駆動機構を備え、且つ、螺旋混合アームの組立体の遊星運動をもたらしつつ、回転運動を個々の螺旋混合アーム自体に与える独立した速度を供給するように中央駆動機構を適合させることが好ましい。
【0013】
好ましくは、各混合アームの速度は、各アームに関して同じであり、15〜200rpmの範囲である。遊星型回転と器具の回転との間の任意の適当な変速比(gear ratio)を用いてもよいが、変速比は2〜10であることが好ましく、3〜6であることが最も好ましい。
【0014】
混合される高粘性材料は、他の種類のミキサーのように混合アームの周りに堆積するよりはむしろ、螺旋混合アームによってチェンジカンミキサーの底面に対して下向きに絶えず押されており、他のミキサーデザインに比べて、非常に速い遊星型回転速度を用いることができる。螺旋混合アームの動作による材料を下方向に押すこの運動は、カン内の材料を反転させるため、ゲルの形成をも回避する。当該技術分野で既知の他の混合装置と比べて、本明細書で用いられる独自のミキサーは、サイクル時間を約50%、場合によっては80%までも減少させて、高粘性材料を効率的に混合することができる。
【0015】
材料(i)〜(iii)は、個別に又は2つ以上の材料(i)〜(iii)を含有する混合物として、チェンジカンミキサーに供給されてもよい。微細充填材は、好ましくは、ヒュームドシリカ又は沈降シリカである。チェンジカンミキサーの生成物は一般的に、ペースト又は粉末から成るであろう。チェンジカンミキサー内で混合される材料の1つとして水も含まれていてもよい。チェンジカンミキサー内で調製される混合物を、硬化剤、触媒、阻害剤、可塑剤、増量剤及び/又は非補強用充填材のような他の材料と混合して、硬化生成物を提供してもよい。一般に、得られる混合物は、ポリマー/充填材マスターバッチ、例えばポリマーと充填材(例えばシリカ)と触媒との混合物、又はポリマーと阻害剤とX−リンカーと充填材との混合物のいずれかである。2成分系組成物を生成する場合、触媒、ポリマー及び架橋剤の全てが同一の硬化前混合物中に存在するわけではなく、すなわち一般に、いくらかのポリマー及び触媒が1つの成分中に存在し、残りのポリマー及び架橋剤が他方の成分に保持されるのであれば、任意の組み合わせが許容できる。
【0016】
好ましくは、本発明による方法は、以下の工程を含む。
(a)混合工程−ポリマー、充填材及び疎水化処理剤(充填材をin situで処理する場合)が処理剤と一緒に混合されて、混合中に充填材を疎水性とする(すなわち、疎水化剤は、in situで充填材と相互に作用する)。あるいは、ポリマーは、予め処理された充填材と混合されていてもよいが、概してこれは好ましくない。
(b)除去(stripping)工程−この工程は、充填材が十分に被覆された、すなわち十分疎水性であるとみなされると、例えば混合物からの残りの処理剤及び/又は水等の揮発物質を除くのに使用されるので、充填材のin situ処理を伴う方法において特に重要である。除去工程を促すために、チェンジカンミキサーは、使用時に揮発物質の沸点を低下させて揮発物質の除去をより容易にする真空手段を備えることが好ましい。チェンジカンを不活性ガス、一般に窒素でパージして上記揮発物質及び/又は残りの処理剤を除くことを促すガスパージ手段を備えていてもよい。
(c)希釈工程−低粘性オルガノポリシロキサンポリマーの添加によって、以下に記載されるように得られる混合物の全体的な粘度を減少させる。
【0017】
好ましくは、適用され得る真空は、混合容器内の圧力を150×10Nm−2(150mbar)以下まで減少させるであろう。パージ手段は、ミキサーの任意の適当な位置、例えばチェンジカンの本体又は基体に又はミキサーヘッドに設けられる。パージ手段の導入がチェンジカンの本体に形成される入口を通る場合、好ましくは、チェンジカンは、使用時にパージガスを提供するフレキシブルパイプ等を収容する容器を備えることができる。
【0018】
好ましくは、混合中、チェンジカンの混合チャンバは、不活性ガス雰囲気、一般に窒素雰囲気で維持される。混合される材料の温度は、工程(a)の間100℃未満に維持され、より好ましくは、約75℃と同温程度に維持される。充填材をポリマー中に首尾よく導入及び混合しながら、その一方でポリマーを疎水性にすると、混合される材料の温度は、剪断効果及び組成物の粘度の増大効果のため、最大200〜250℃に、工程(b)以前に且つ工程(b)中に上昇し、揮発物質及び水等の除去を促す。
【0019】
希釈工程(c)は、これらの高温で行ってもよいが、工程(c)中又は工程(c)後のいずれかで、冷却ジャケット等の冷却手段を、チェンジカンミキサーの周囲で又はチェンジカンミキサー上で利用して、混合チャンバ内の温度を約130℃未満に低下し得る。必要に応じ後の硬化時に機能させるために、架橋剤、触媒等の添加剤はこの温度未満で添加される必要があるので、それらを混合物中に添加する場合、この冷却手段は必要不可欠である。冷却手段を本方法の間中用いて、剪断により起こるミキサー内の温度の上昇を抑制することも可能で、これは、混合物の過熱を防止するために、混合段階を延長することを必要とする方法において重要となり得る。
【0020】
混合後の工程(c)において、得られる混合物は、低粘性シロキサンポリマーの添加によって希釈又は「カットバック」され、生成物の粘度を減少させてもよい。任意の適当なシロキサンポリマー、例えば高粘性ジメチルヒドロキシシリル末端ポリジメチルシロキサンを上記希釈プロセスに利用してもよい。本発明のミキサーは、シリカをシロキサンポリマー中に均質に混合するのが従来技術のミキサーよりもかなり速いことが分かった。
【0021】
混合アームの形状は、混合物の上昇及び壁上での層の形成に関する問題を有する溶解槽/遊星/壁スクレーパー(scraper:かき取り機)型ミキサーよりも著しい利点を有する非金属混合アームチップ以外に必要とされる、任意の実質的なかき取り器具の必要性を回避する。
【0022】
本発明の別の利点は、チェンジカンの基体が穿孔されて1つ以上の穴を有してもよいことである。これは、孔(perforations)を通してチェンジカン内に窒素を導入して混合中及び/又は混合後の揮発物質の除去を可能とし、且つ、チェンジカンミキサーによって行われる混合プロセスから得られた混合物を、ポットプレス等の適当な加圧を用いてチェンジカンミキサーの基体の孔(単数又は複数)に強制的に通すことによって、1つの塊から処理しやすいサイズに効率的に押し出すことで、得られた混合生成物を「小型化」する手段をさらに提供する。一般に、1分当たり40〜60kgの送出量、すなわち1つ以上の直径5〜10cmの孔(単数又は複数)を通る押出量が、ポットプレス等の適当な加圧を用いて達成され得る。上記孔(単数又は複数)を通る押出は、ポットプレス等を用いて行われ、且つ得られた混合物に十分な圧力を付与して、混合物を孔(単数又は複数)に通し、適当な次の段階の装置内に送る。
【0023】
さらに、本発明は、表面処理された充填材を混和したポリシロキサン含有塊を製造する方法におけるバッチミキサーとして、チェンジカンミキサーのカン内へ下向きに伸びる少なくとも2つの螺旋混合アームを備える着脱可能な混合ヘッド組立体と、螺旋混合アームをそれら自体の軸の周りに回転させる駆動手段と、カンの軸の周りに螺旋混合アームを一ユニットとして回転させる駆動手段とを備えるチェンジカンミキサーであって、混合アームの形状が、混合される組成物に下向きの運動をもたらすものであるチェンジカンミキサーを使用することに関する。
【0024】
任意の適当なシリコーンゴム混合物は、本発明のミキサーを用いて調製することができる。例えば、2成分系混合物は、別個のチェンジカンミキサーユニット内(例えば、1つのミキサーはポリマー、充填材、任意に疎水化剤及び触媒を混合してもよく、第2のミキサーはポリマー架橋剤、充填材及び阻害剤、又は他の添加剤を含む第2の混合物を調製してもよい)で生成することができる。あるいは、ミキサーを利用して、ポリマー及び充填材のみを実質的に含む高粘稠性ゴムマスターバッチを生成することもできる。
【0025】
本発明のこれらの特徴及び他の特徴は、詳細な説明に鑑みて明らかとなるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明は、以下の詳細な説明に鑑みてさらに明らかとなるであろう。
【0027】
図1を参照すると、着脱可能な混合ヘッド3が取り付けられる中央駆動機構2を有するチェンジカンミキサー1が示される。着脱可能な混合ヘッド3は、チェンジカン5内で成分を混合する4つの螺旋混合アーム4a、4b、4c及び4d(4a、4b及び4cのみが図1に図示されている)を収容する。着脱可能な混合ヘッド3は、水圧昇降システム7によりチェンジカン内を昇降することができる。中央駆動機構2は、螺旋混合アーム4a、4b、4c及び4dのそれぞれを、それら自体の軸の周囲に回転させる運動を提供すると同時に、螺旋混合アーム4a、4b、4c及び4dを一ユニットとしてチェンジカン5の軸又は中心線の周りに回転させる駆動モーター6により駆動される。水圧昇降システム7は、混合の前後で、螺旋混合アーム4a、4b、4c及び4dをチェンジカン5内に位置付けたりチェンジカン5の外側に取り出したり、且つ混合中、中央駆動機構2及び着脱可能な混合ヘッド3を支持するようになっている。
【0028】
水圧昇降システム7及び中央駆動機構2は、制御パネル18により制御される。着脱可能な混合ヘッド3は、混合作業中、チェンジカン5の内容物の目視観測を可能にするガラスのぞき窓20を備える。材料をチェンジカン5に直接入れずに、材料をチェンジカン5内に供給するために、着脱可能な混合ヘッド3に注入口22も備えられる。任意の適当なチェンジカン5を利用してもよいが、図1に図示する例は、ローラー10上に支持され、且つ混合プロセス前及び混合プロセス中、ロック可能なアーム11によって所定位置に固定される。ロック可能なアーム11は、カンの側面に取り付けられると共に、そのロック可能なアーム11を受容し且つ解放可能に噛み合うようになっている留め金12と係合している。ロック可能なアーム11自体は、混合サイクル中、チェンジカン5を所定位置に保持する。
【0029】
必要に応じて、螺旋混合アーム4a、4b、4c及び4dは、非金属部を備えていてもよく、これによって、螺旋アームとチェンジカン5の壁との間に生じる間隙をより狭くすることができる。これにより、シリコーンゴム組成物等の非常に高い粘性の材料に対するかき取り動作を改良することができる。螺旋混合アームのこのような非金属部は、強化TEFLON(登録商標)及び/又は他の高温(250℃)の耐性材料から成り得る。非金属部(単数又は複数)の機能は、カンの壁までの約5mmの標準的な間隙を埋め(bridge)、それにより、壁の周囲での材料の堆積を避け且つ温度上昇を回避し、より良好な混合を保証することである。小さい非金属底面用スクレーパーを、一般に約200mm以下の全長を有する螺旋混合アームのそれぞれに備えることもできる。このため、チェンジカンミキサーのカンの底面全体はかき取られる。あるいは、別個の壁スクレーパーを追加してもよい。
【0030】
螺旋混合アームの形状に起因して、螺旋混合アームは、混合される混合物を下向きの運動で押し、それによって、混合される組成物の持ち上げ及び不混合を、防止又は少なくとも実質的に回避する傾向がある。チップ(tips)を利用してミキサーの壁に付着する混合物を除去し、良好な混合及びミキサーの壁を通した放熱を保証する。
【0031】
中央駆動機構2は、一ユニットとしての螺旋混合アームの遊星運動と、個々の螺旋混合アーム自体の回転との両方を、1:1〜1:5の一定比、好ましくは1:2.9の比、最も好ましくは1:1.9の比に設定する。中央駆動機構2は好ましくは、0〜100rpm、より好ましくは5〜50rpmの遊星運動の速度範囲を設定する手段(provision)を備える。5rpm未満の速度が選択されると、駆動モーターを冷却するための外部送風機が必要となる。遊星運動を設定する際の中央駆動機構の最大トルクは、約5〜30rpm、駆動機構では約30〜50rpmで発生し、トルクの減少は振動数制御駆動によってもたらされる。
【0032】
本発明により使用される装置で得られる混合動作は一般に、単に、かなりの高速で、付加的な遊星運動に関するより多くの混合アームを備えるシグマブレードミキサー及びZ−ブレードミキサーを用いて得られるものと類似の混練動作及び褶曲挙動であり、これによって、より早いエネルギーの取り込みを可能にする。例えば、温度上昇、すなわちエネルギーの取り込みは、シグマブレードミキサーを用いて得ることができるものより5〜10倍も早いことが例証されている。
【0033】
チェンジカン5を、ハンドル14を用いて手動で運んでもよく、コンベヤシステム(図示せず)のいくつかの形態で所定場所に自動で動かしてもよい。好ましくは、チェンジカン5の基体は穿孔されて1つ以上の穴を有する。一般に、1つの穴を備える。チェンジカンミキサー1は、揮発性副生成物を除去し且つ塊を移送する手段としての基体の孔を通して、窒素を混合物中に導入するようになっており、混合プロセスを向上させる。従来技術において、窒素をミキサーの上部から導入することは一般に知られているが、本発明者等は、チェンジカンミキサー5基体の基体の孔(単数又は複数)を通して窒素を導入することにより、必要な除去時間を最大3分の2まで減少させることを見出した。
【0034】
図2は、着脱可能な混合ヘッド3及び螺旋混合アーム4a〜4dをより詳細に、混合中にチェンジカンと相互係合するようになっているさらなる留め金手段14を加えて図示している。4つの螺旋混合アーム4a〜4dを備えるチェンジカンの断面図は、図3に図示される。図3において、螺旋混合アーム4a〜4dのそれぞれは、それ自体の軸(各螺旋混合アームは軸の周囲を回転する)を有し、チェンジカン5は、4つの螺旋混合アーム4a〜4dが1つの組立体として、チェンジカン5の軸の周りに遊星様式に回転する軸又は中心線を有することが分かる。混合作業中に、中央駆動機構は、混合アームのそれぞれをそれ自体の軸の周りに回転させることができると同時に、中央駆動機構は、カンの軸の周りに、すなわち、遊星型回転様式で4つ全ての螺旋混合アームを一ユニットとして回転させる。あるいは、遊星型混合は、2つの駆動機構を用いて、混合器具の回転と無関係としてもよい。4つ以下の混合アームを用いる場合、別個のスクレーパーアーム(図示せず)が、第5の混合アームに取って変わってもよい。スクレーパーアームを使用して、遊星動作を使用してポットの壁を拭う。
【0035】
混合工程が完了すると、得られた混合物を、さらなる混合、脱気/脱泡、又は例えば、触媒(チェンジカンの混合の段階で導入されない場合)、顔料及び/又は他の添加剤等の添加剤の導入を含む任意の他のプロセスのために、移してもよい。一例として、多地点システム、例えば3地点システムを提供してもよい。このコンベヤローラーシステムは、ミキサー1内で、チェンジカンが充填されるか又は部分的に充填される第1の地点から、チェンジカンの内容物が混合される第2の地点まで、その後、チェンジカン5のすでに混合された内容物をバケツ又はドラムに分配するために加工処理する第3の地点までのチェンジカン5の移動のために設けられる。第3の地点において、任意の適当な手段を利用してもよい。例えば、ブースターポンプはチェンジカン5に取り付けられて、十分な圧力を混合された材料に付与してもよく、それにより、材料がチェンジカン5の基体の孔(単数又は複数)を通して押し出されるか、又はブースターポンプは、高粘性材料をチェンジカン5から押出機、又は他の添加剤を添加でき且つ空気を最終生成物から除去することができる他の適切な混合手段/添加剤導入手段にポンプ輸送するように使用される。あるいは、ポットプレス等の適当な加圧を利用してもよい。
【0036】
添加剤を導入する手段は、任意の適当なミキサー又は二軸スクリュー押出機等であってもよい。例えば、添加剤を導入する手段は、WO03/024691に開示されるタイプの一軸スクリュー押出機であって、
a)細長い円筒であって、ポリマーを押出機に導入する注入口と、押し出されたポリマーを円筒から排出する排出口とを有する細長い円筒、
b)押出機中で注入口から排出口までポリマーを送る、円筒内に軸方向に配置される回転可能なスクリュー、及び
c)注入口と排出口との間の、一軸スクリュー押出機の円筒に沿う1つ以上の所定位置で、少なくとも1つの添加剤を導入する1つ以上の添加剤導入手段
を備える一軸スクリュー押出機を備え、
全ての添加剤導入手段又はそれぞれの添加剤導入手段のすぐ上流に、スクリュー上又はスクリューを囲むように、複数の開口を有するプラグを設け、このプラグは、使用中、ポリマー又はポリマー/添加剤混合物をプラグの下流に移動させる唯一の方法が開口を通過させることによるようにし、且つ、得られるポリマー添加剤混合物を排出口に搬送する前に、開口を通過させて、ポリマー又はポリマー/添加剤混合物が減圧されると同時に1つ以上の添加剤導入手段からの添加剤と混合させるようになっている。
【0037】
あるいは、添加剤を導入する手段は、添加剤を含有する粘性組成物を連続的に調製する装置であって、
(i)添加剤を均一に混合し且つ粘性流体中に分散させる混合機、
(ii)粘性流体を混合機に供給する1つ以上のサーボモーター駆動ポンプ、
(iii)添加剤を混合機に供給する1つ以上のサーボモーター駆動ポンプ、
(iv)粘性流体を粘性流体用サーボモーター駆動ポンプに供給する手段、
(v)添加剤を添加剤用サーボモーター駆動ポンプに供給する手段、
(vi)流体及び添加剤を含有する粘性組成物を、混合機から容器に分配する手段、
(vii)粘性流体用サーボモーター駆動ポンプ及び添加剤用サーボモーター駆動ポンプの運転を制御するように構成及び配置されるプログラム可能論理コンピューターであって、それによって、粘性流体用サーボモーター駆動ポンプと添加剤用サーボモーター駆動ポンプとの間の所定のRPM比率が、粘性流体用供給手段及び添加剤用供給手段において圧力サージと関係なく維持されるプログラム可能論理コンピューター、及び
(viii)粘性流体の温度の変動を補償する温度補償アルゴリズム
を備える、添加剤を含有する粘性組成物を連続的に調製する装置であってもよい。
【0038】
ポリマー/充填材マスターバッチを生成するのに用いられるチェンジカンミキサーに供給される材料、及びこのマスターバッチを仕上げ加工するための第2のチェンジカンミキサー内に導入され得る材料は、例えば、以下の成分、
(i)トリアルキルシリルで末端を封鎖したポリシロキサンと、少なくとも1つのケイ素と結合されたアルケニル基、ヒドロキシル基又は加水分解性基を有するポリシロキサンとから成る群から選択される、少なくとも20個、好ましくは40個を超えるシロキサン単位を有するポリシロキサン、
(ii)微細シリカ、炭酸カルシウム、石英粉末、水酸化アルミニウム、ケイ酸ジルコニウム、珪藻土及び二酸化チタンの1種以上を含む補強用充填材を好ましくは含む、適当な充填材料、
(iii)ジシラザンと、ケイ素と結合されたヒドロキシル基又はアミノ基を有する2〜40個のシロキサン単位を有するポリジオルガノシロキサンとから成る群から選択される疎水化剤、並びに任意で
(iv)水、及び/又は
(v)任意の2つ以上の(i)〜(iv)を混合することによって形成される生成物
を含んでいてもよい。
【0039】
本発明による方法に用いられるポリシロキサンは、直鎖又は分枝鎖であってもよく、流体からゴムまでの様々な粘度を有する。これらの材料は、式XSiO4−(p+q)/2のシロキサン鎖単位、及び式XRSiO1/2の鎖末端単位(式中、各Rは、置換されていても非置換であってもよい、メチル又はフェニル等の、1〜12個の炭素原子を含有する一価炭化水素基を示し、Xは、R、アルケニル基、ヒドロキシル基又は加水分解性基を示し、pは、0、1又は2の値を有し、qは、0、1又は2の値を有し、且つp+qの合計は、0、1又は2の値を有する)を含む。好ましいポリシロキサン(a)は、式RSiO−(式中、Rは、メチル基を示す)の鎖単位から主に成る少なくとも実質的に直鎖型の材料である。適当な材料としては、350mPa・s以上の粘度を有するトリメチルシリル末端ポリジメチルシロキサン、2,000〜60,000mPa・sの粘度を有するメチルビニルポリシロキサン、5,000〜11,000mPa・sの粘度を有するα−ω−ジヒドロキシポリジオルガノシロキサン、及びフッ化ポリジオルガノシロキサンが挙げられる。
【0040】
充填材は、任意の適当な充填材、又は複数種の充填材の組み合わせであってもよいが、好ましくは、少なくとも1種の補強用充填材を含む。補強用充填材は、表面積の大きいシリカ又は炭酸カルシウム、石英粉末、水酸化アルミニウム、ケイ酸ジルコニウム、珪藻土及び二酸化チタン等のシリコーン組成物中に通常使用される任意の充填材であってもよい。必要に応じて、チェンジカンミキサーに供給される補強用充填材は、表面をシラン、シロキサン又はシラザンで処理することにより疎水性としたシリカ等の表面処理されたシリカ又は炭酸カルシウムの全て又は一部であってもよい。
【0041】
表面処理せずに疎水性とした補強用充填材を用いる場合、疎水化剤をチェンジカンミキサーにさらに供給することが好ましい。好ましくは、疎水化剤は、水を含むジシラザンと、好ましくはケイ素と結合されたヒドロキシル基又はアミノ基を有する、2〜40個のシロキサン単位を含むポリジオルガノシロキサンとから成る群から選択される1つ以上の作用物質である。適当なジシラザンは、ヘキサメチルジシラザン(HMDZ)、すなわち(CHSiNHSi(CH、及びテトラメチルジビニルジシラザン、すなわちHC=CH−(CHSiNHSi(CH−CH=CH等の組成物を含む。ポリジオルガノシロキサンは好ましくは、ヘキサメチルジシロキサン(HMDO)、すなわち(CHSiOSi(CH等の比較的短い鎖を有する直鎖ポリジオルガノシロキサンである。使用され得る短鎖シリコーンジオールのいくつかの例としては、式HO(SiCHO)H(式中、nは一般に3〜8の値を有し、通常平均して約3〜4である)を有する組成物が挙げられる。しかしながら、それらは多種のシリコーンジオールを含有する混合物として存在するため、短鎖シリコーンジオールは明確に定義できない。
【0042】
本発明による方法は、充填材を含有するポリシロキサン塊を加工するために一般的に有用であり、且つ1つ以上の硬化性成分を用いて最終生成物を提供する処方を得るためのさらなる加工に意図されるマスターバッチの調製に使用できる。これに関して、硬化性生成物へと加工するのに好適なマスターバッチを製造する方法は、材料をチェンジカンミキサーに供給し、ここで、材料を混合し且つ押出機を備える分配システムに運搬して、最終生成物をドラム及び/又はバケツ内に供給する前にガス状物質を除去することから成っていてもよい。
【0043】
チェンジカンミキサーの排出口から得られた物質は、例えば硬化剤、触媒、阻害剤、可塑剤、増量剤及び非補強用充填材を含む他の添加剤とさらに混合されてもよい。使用され得る硬化剤は、例えば、マスターバッチ中に存在するアルケニルポリシロキサンと反応する、ケイ素と結合された水素原子を組み入れたポリシロキサンと、ヒドロキシル基又は加水分解性基を有する、マスターバッチのポリシロキサンと反応する加水分解性シラン又はシロキサンとを含む。
【0044】
使用され得る触媒としては、例えば、白金、ロジウム、イリジウム、パラジウム、又はルテニウム触媒から選択される適当な架橋剤と併せて、ヒドロシリル化触媒が挙げられる。例えば、白金微粉末、白金黒、塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、オレフィンと塩化白金酸との錯体、塩化白金酸とアルケニルシロキサンとの錯体、又は先述の白金触媒を含有する熱可塑性樹脂粉末、塩化白金酸とビニルシロキサンとの配位錯体等の白金触媒;テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム又はパラジウム黒とトリフェニルフォスフィンとロジウムとの混合物;[Rh(OCCH、Rh(OCCH、Rh(C15、Rh(C、Rh(C)(CO)、Rh(CO)[PhP](C)、RhX[(R)S]、(RP)Rh(CO)X、(RP)Rh(CO)H、Rh、HRhオレフィンCl、Rh(O(CO)R)3−n(OH)(式中、Xは、水素、塩素、臭素又はヨウ素であり、Yは、メチル又はエチル等のアルキル基、CO、C14又は0.5C12であり、Rは、アルキルラジカル、シクロアルキルラジカル又はアリールラジカルであり、Rは、アルキルラジカル、アリールラジカル又は酸素置換ラジカルであり、aは0又は1であり、bは1又は2であり、cは1〜4(両端を含む)の整数であり、且つdは2、3、又は4であり、nは0又は1である)等のロジウム触媒を含む任意の適当なヒドロシリル化触媒を利用してもよい。Ir(OOCCH、Ir(C、[Ir(Z)(En)、[Ir(Z)(ジエン)](式中、Zは、塩素、臭素、ヨウ素又はアルコキシであり、Enはオレフィンであり、ジエンはシクロオクタジエンである)等の任意のイリジウム触媒を用いてもよい。
【0045】
他の触媒としては、チタネート及び/又はジルコネート系錯体、ジブチル−スズ−ジラウレート等のスズ錯体、及び過酸化物等の縮合硬化を促進する有機金属塩又は錯体が挙げられる。
【0046】
ケイ素と結合された水素をケイ素と結合されたアルケニル基に付加するのに有効な白金群触媒が、特に好ましい。触媒がヒドロシリル化触媒である場合、架橋剤も存在していなければならない。利用される架橋剤は、1分子当たり、ケイ素と結合された水素原子を少なくとも2個含有するポリシロキサンである。ポリシロキサンは、単官能性単位及び二官能性単位を主に含有する直鎖、環状又は分枝鎖ポリシロキサンであってもよいが、三官能性単位及び四官能性単位等の他の種類の単位を含有していてもよい。好ましくは、500〜2,000のDPを有する直鎖ホモポリマー又はコポリマーである。存在し得る他の基としては、メチル、エチル、n−プロピル、オクチル、シクロヘキシル及びフェニル等の一価の非置換炭化水素基;及びトリル、キシリル、ベンジル、p−クロロフェニル又はシアノエチル等の一価の置換炭化水素基が挙げられる。水素原子が存在することを除いて、基はメチルであることが好ましい。
【0047】
スズ触媒の場合には、テトラアルキルシラン、フェニルトリアルキルシラン及びテトラアルキルオルトシリケート等の架橋剤を用いてもよい。アルキル基は、メチル基又はエチル基であることが好ましい。
【0048】
過酸化物触媒は一般的に、架橋剤を必要としない。過酸化物触媒は一般的に、加熱されるとフリーラジカルを発生し、直鎖高分子量シリコーンポリマー上のメチル基及びビニル基と反応することによって架橋剤を形成することができる有機過酸化物を含む。いくつかの通常使用される有機過酸化物は、過酸化ベンゾイル、過酸化1,4−ジクロロベンゾイル、過酸化2,4−ジクロロベンゾイル、過酸化ジ−t−ブチル、過酸化ジクミル、第三ブチル−ペルベンゾエート及び過酸化モノクロロベンゾイル等の非ビニル特異性有機過酸化物(non-vinyl specific organic peroxides)、並びに過酸化ジ第三ブチル、2,5−ビス−(第三ブチル−ペルオキシ)−2,5−ジメチルへキサン、過酸化第三ブチル−トリメチル、過酸化第三ブチル−第三ブチル−第三トリフェニル及びt−ブチルペルベンゾエート等のビニル特異性有機過酸化物(vinyl specific organic peroxides)である。
【0049】
阻害剤を混和して硬化生成物における反応速度を変更してもよく、これらは特に、白金系硬化システムにとって重要であり、且つベンゾトリアゾール、2−エチニルイソプロパノール及びジメチルスルホキシドを含んでいてもよい。混和し得る可塑剤及び増量剤としては、例えば、トリメチルシリル末端ポリジメチルシロキサンが挙げられる。混和し得る非補強用充填材としては、例えば、石英(結晶質SiO)、酸化鉄、酸化亜鉛、カーボンブラック、ガラス微小中空球体、並びにカルシウム、マグネシウム、バリウム又は亜鉛の炭酸塩及び硫酸バリウムが挙げられる。
【0050】
本方法によれば、遊星型駆動を有し且つ2つ以上の螺旋形状の混合アームを備える特定のチェンジカンミキサーから利益が得られる。本発明の独自性は、シリコーンゴム組成物を製造するこのタイプの混合装置の使用にある。各螺旋混合アームはスクレーパーとして機能して、生成物を下向きに押すが、他のタイプのバッチ混合装置では、高粘性材料が常に上方向に移動してしまう傾向がある。
【0051】
必要に応じて、螺旋混合アームは、非金属部を備えていてもよく、これによって、螺旋アームとチェンジカンミキサーの壁との間に生じる間隙をより狭くすることができる。これにより、シリコーンゴム組成物等の非常に高い粘性の材料に対するかき取り動作を改良することができる。螺旋混合アームのこのような非金属部は、強化TEFLON(登録商標)及び/又は他の高温(250℃)の耐性材料から成り得る。非金属部(単数又は複数)の機能は、カンの壁までの約5mmの標準的な間隙を埋め、それにより、壁の周囲での材料の堆積を避け且つ温度上昇を回避し、より良好な混合を保証することである。小さい非金属底面用スクレーパーを、一般に約200mm以下の全長を有する螺旋混合アームのそれぞれに備えることもできる。このため、チェンジカンミキサーのカンの底面全体はかき取られる。
【0052】
一般に表面上に浮遊する傾向のあるシリカ等の非常に軽い充填材の混和は、高発生の乱流及びチェンジカンミキサーによってもたらされる表面変化のために、本発明では非常に急速に達成できる。他のミキサーの速度は一般的に、充填材をポリシロキサン中に効率的に混和すると同時に空気の取り込みを回避するために、遅くされるが、本発明のチェンジカンミキサー内における、充填材の混和時の高い速度の維持は悪影響を及ぼすものではない。
【実施例】
【0053】
以下の実施例は、本発明をより詳細に例示するために記載される。
【0054】
[実施例1]
60〜70重量部の、55,000mPa・sの粘度を有するビニル官能性ポリジオルガノシロキサン(a)を、9重量部のヘキサメチルジシラザン(b)、2重量部の水(c)及び0.3重量部のヘキサメチルジビニルジシラザン(d)と、1〜5分間、図1〜図4に示されるような一般的なデザインのチェンジカンミキサー内で混合した。遊星型チェンジカンミキサーは3つの螺旋混合アームを有し、均質な混合物を形成するために、相互に作用させた。380m/gの表面積を有する45〜50重量部のヒュームドシリカをチェンジカンミキサー内に移して、均質な混合物中に混和させた。この段階中に、中央駆動機構が、螺旋混合アームの遊星運動に関して30〜40rpmの速度を提供するように制御されると同時に、3つの螺旋混合アームは2のより速い比で回った。この混和段階は10分未満を要し、同時に、約70℃未満の温度を維持していた。混合物は、チェンジカンミキサー内に生じる自然的な混合摩擦により210〜230℃の温度に加熱され、水、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラノールHO−Si−(CH及び任意の他の副生成物を除去するために、−9.5×10Pa(−950mbar)に減圧された。この段階は約30〜40分を要した。さらに30〜40重量部のビニル官能性ポリジオルガノシロキサン(a)を8〜10重量部/分の供給速度で添加して、均質なペーストを形成した。定量は、ペーストが硬化性組成物中に処方するのに好適であるようにした。10rpmのより遅い遊星型混合速度でペーストを110℃未満の温度まで冷却した。ペーストをその後チェンジカンから除去し、押し出した。15kgのバッチに対する最大バッチサイクル時間は、90分であった。これを、他の標準的なミキサーにおいて示されることが知られている220〜260分のサイクル時間と比較した。ペーストの粘度を、ペーストの製造後、10s−1の剪断速度でコーンプレート粘度計を用いて24時間測定し、1,000Pa・sであると確認した。ペーストは、75℃で、100時間後に25%の後硬化挙動を示した。
【0055】
[実施例2]
60〜65重量部の、2,100mPa・sの粘度を有するビニル官能性ポリジオルガノシロキサン(a)を、8重量部のヘキサメチルジシラザン(b)及び2.5重量部の水(c)と1〜3分間、チェンジカンミキサー内で混合させた以外は、実施例1を繰り返した。50〜55重量部の255m/gの表面積を有するヒュームドシリカは、チェンジカンミキサー内に移され、且つ均質な混合物中に混和された。この混和段階は15分未満を要した。混合物は、チェンジカンミキサー内に生じる自然的な混合摩擦により180〜200℃の温度まで加熱された。水、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラノール及び任意の他の副生成物の除去後、さらに35〜40重量部のビニル官能性ポリジオルガノシロキサン(a)を6〜10重量部/分の供給速度で添加して、均質なペーストを形成した。15kgのバッチに対する最大バッチサイクル時間は、90分であった。これを、他の標準的なミキサーにおいて示されることが知られている200〜210分のサイクル時間と比較した。ペーストの粘度は、700Pa・sであり、ペーストは、75℃で、100時間後に30%の後硬化挙動を示した。
【0056】
[実施例3]
55〜60重量部の、450mPa・sの粘度を有するビニル官能性ポリジオルガノシロキサン(a)を、8重量部のヘキサメチルジシラザン(b)及び2.1重量部の水(c)と、チェンジカンミキサー内で混合させた以外は、実施例2を繰り返した。ヒュームドシリカは、380m/gの表面積を有していた。水、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラノール及び任意の他の副生成物の除去後、さらに40〜45重量部のビニル官能性ポリジオルガノシロキサン(a)を5〜10重量部/分の供給速度で添加して、均質なペーストを形成した。15kgのバッチに対する最大バッチサイクル時間は、80分であった。これを、他の標準的なミキサーにおいて示されることが知られている210〜230分のサイクル時間と比較した。ペーストの粘度は、600Pa・sであり、ペーストは、75℃で、100時間後に20%の後硬化挙動を示した。
【0057】
[実施例4]
45〜50重量部の、55,000mPa・sの粘度を有するビニル官能性ポリジオルガノシロキサン(a)を、10重量部のヘキサメチルジシラザン(b)及び4重量部の水(c)と、チェンジカンミキサー内で混合させた以外は、実施例3を繰り返した。ヒュームドシリカは、190m/gの表面積を有していた。混合物の混和中、混合物は、チェンジカンミキサー中の自然的な混合摩擦により190〜210℃の温度まで加熱された。これには、約50〜60分を要した。水、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラノール及び任意の他の副生成物の除去後、さらに50〜55重量部のビニル官能性ポリジオルガノシロキサン(a)を8〜10重量部/分の供給速度で添加して、均質なペーストを形成した。15kgのバッチに対する最大バッチサイクル時間は、120分であった。これを、他の標準的なミキサーにおいて示されることが知られている380〜420分のサイクル時間と比較した。ペーストの粘度は、1,400Pa・sであり、ペーストは、75℃で、100時間後に35%の後硬化挙動を示した。
【0058】
[実施例5]
40〜45重量部の、2,100mPa・sの粘度を有するビニル官能性ポリジオルガノシロキサン(a)を、6.5重量部のヘキサメチルジシラザン(b)及び2重量部の水(c)と、チェンジカンミキサー内で混合させた以外は、実施例4を繰り返した。水、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラノール及び任意の他の副生成物の除去後、さらに55〜60重量部のビニル官能性ポリジオルガノシロキサン(a)を6〜10重量部/分の供給速度で添加して、均質なペーストを形成した。ペーストの粘度は、1,100Pa・sであった。
【0059】
[実施例6]
本実施例において、非常に高い粘度は実質的にポアズで表すことができないため、粘度は可塑度で表している。可塑度は、貫入試験(Penetration Test)によって得られる数値であり、高粘性材料の貫入は、高粘性材料中に貫入する重りによって成される。重りの貫入の深さを記録して、粘度の測定結果として用いるが、それは可塑度として表される。数値は、重りの高粘性材料中への変形/貫入をミリメートルで表わす。本実施例で用いられる短鎖シリコーンジオールは、式HO(SiCHO)H(式中、nは平均して3〜4である)のシリコーンジオールの混合物であった。
【0060】
100重量部の1.6の可塑度を有するビニル官能性ポリジオルガノシロキサンガム(i)を、7〜9重量部の短鎖シリコーンジオールと、3〜5分間、図1〜図4に示されるチェンジカン遊星ミキサー内で混合した。図3に示されるような、着脱可能な混合ヘッドは、均質な混合物を形成するために相互に作用する4つの螺旋混合アームを収容している。190m/gの表面積を有する50〜55重量部の沈降シリカをミキサーのチェンジカン内に移して、均質な混合物中に混和させた。この段階中に、中央駆動機構が、1つの組立体である4つの螺旋混合アームの遊星運動に関して20〜30rpmの速度を提供するように制御されると同時に、4つの螺旋混合アームは2のより速い比でそれらの軸の周りを回る。この混和段階は10分未満を要し、同時に、約100℃未満の温度を維持していた。混合物は、チェンジカンミキサー内に生じる自然的な混合摩擦により160〜170℃の温度に加熱され、低速混合動作下で15分間その温度を維持した。最後の5分間は、溶解された空気を除去するために、−8×10Pa(−800mbar)に減圧された。得られたペーストを1rpmの遅い遊星型混合速度で110℃未満まで冷却した。ペーストをその後チェンジカンから除去し、押し出した。15kgのバッチに対する最大バッチサイクル時間は、60分であった。これを、標準的なミキサーにおいて示されることが知られている120〜150分のサイクル時間と比較した。ペーストの可塑度を、ペーストの製造後、24時間測定した結果、2.8であると分かった。
【0061】
他の変形形態は、本発明の本質を成す特徴を逸脱しない範囲で、本明細書に記載される化合物、組成物及び方法において成され得る。本明細書に特に例示される本発明の実施形態は、単なる例示的なものであり、添付の特許請求の範囲に規定される場合を除いて、これらの範囲を限定するよう意図されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明による使用に好ましいチェンジカンミキサーの絵画図及び正面図である。
【図2】図1のチェンジカンミキサーの一部の絵画図及び正面図であり、回転及び遊星様式に旋回する4つの螺旋混合アームをより詳細に示す図である。
【図3】混合カン内に配置される4つの螺旋混合アームの機能図及び上断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面処理された充填材料を混和したポリシロキサン含有塊を製造する方法であって、材料が混合されるチェンジカンミキサーに該材料を供給することを含み、該チェンジカンミキサーが、該チェンジカンミキサーの該カン内へ下向きに伸びる少なくとも2つの螺旋混合アームを備える着脱可能な混合ヘッド組立体と、該螺旋混合アーム自体の軸の周りに該螺旋混合アームを回転させる駆動手段と、該カンの軸の周りに該螺旋混合アームを一ユニットとして回転させる駆動手段とを備え、該混合アームの形状は、混合される該組成物に該混合アームが下向きの運動をもたらすものであり、該チェンジカンミキサー内で混合されて混合物を形成する該材料が、
(i)40個を超えるシロキサン単位を有するポリシロキサンであって、トリアルキルシリルで末端が封鎖されたポリシロキサンと、少なくとも1つのケイ素と結合されたアルケニル基、ヒドロキシル基及び加水分解性基を有するポリシロキサンとから成る群から選択される40個を超えるシロキサン単位を有するポリシロキサン、
(ii)微細シリカ、表面処理された微細シリカ、炭酸カルシウム、表面処理された微細炭酸カルシウム、石英粉末、水酸化アルミニウム、ケイ酸ジルコニウム、珪藻土及び二酸化チタンから成る群から選択される補強用充填材料、及び
(iii)ジシラザンと、ケイ素と結合されたヒドロキシル基又はアミノ基を有する2〜40個のシロキサン単位を有するポリジオルガノシロキサンとから成る群から選択される疎水化剤
を含み、ただし、該材料(i)〜(iii)のそれぞれが、該材料自体として又は材料(i)〜(iii)の1つ以上を含有する混合物として、該チェンジカンミキサー内へ供給される、表面処理された充填材料を混和したポリシロキサン含有塊を製造する方法。
【請求項2】
前記チェンジカンが、内部に1つ以上の孔を含むことができる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
得られた混合物が、前記混合プロセス中及び/又は前記混合プロセスの後に、前記孔を通して不活性ガスを前記混合物中に通過させることで取り除かれる請求項2に記載の方法。
【請求項4】
混合に続いて、得られた混合物が、適当な加圧によって前記孔を通して押し出される請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記加圧がポットプレスである請求項4に記載の方法。
【請求項6】
混合した後、前記混合物が、前記混合物からガス状物質を除去する脱気ユニットに運搬される請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
混合した後、前記得られた混合物が、添加剤を前記混合物中に導入する手段に運搬され、且つ該手段を通って運搬される請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
添加剤を前記混合物中に導入する前記手段が、一軸スクリュー押出機であって、
a)細長い円筒であって、ポリマーを該押出機に導入する注入口と、押し出されたポリマーを該円筒から排出する排出口とを有する細長い円筒、
b)該押出機中で該注入口から該排出口までポリマーを送る、該円筒内に軸方向に配置される回転可能なスクリュー、及び
c)該注入口と該排出口との間の、該一軸スクリュー押出機の該円筒に沿う1つ以上の所定の位置で、少なくとも1つの添加剤を導入する添加剤導入手段を1つ以上備える一軸スクリュー押出機を備え、
全ての該添加剤導入手段又はそれぞれの該添加剤導入手段のすぐ上流に、該スクリュー上又は該スクリューを囲むように、複数の開口を有するプラグを設け、該プラグは、使用中、ポリマー又はポリマー/添加剤混合物を該プラグの下流に移動させる唯一の方法が該開口を通過させることによるようにし、且つ、得られるポリマー添加剤混合物を該排出口に搬送する前に、該開口を通過させて、該ポリマー又は該ポリマー/添加剤混合物が減圧されると同時に該1つ以上の添加剤導入手段からの添加剤と混合させるようになっている請求項7に記載の方法。
【請求項9】
添加剤を前記混合物中に導入する前記手段が、添加剤を含有する粘性組成物を連続的に調製する装置であって、
(i)添加剤を均一に混合し且つ粘性流体中に分散させる混合機、
(ii)該粘性流体を該混合機に供給する1つ以上のサーボモーター駆動ポンプ、
(iii)該添加剤を該混合機に供給する1つ以上のサーボモーター駆動ポンプ、
(iv)該粘性流体を該粘性流体用サーボモーター駆動ポンプに供給する手段、
(v)該添加剤を該添加剤用サーボモーター駆動ポンプに供給する手段、
(vi)該流体及び該添加剤を含有する粘性組成物を、該混合機から容器に分配する手段、
(vii)該粘性流体用サーボモーター駆動ポンプ及び該添加剤用サーボモーター駆動ポンプの運転を制御するように構成及び配置されるプログラム可能論理コンピューターであって、それによって、該粘性流体用サーボモーター駆動ポンプと該添加剤用サーボモーター駆動ポンプとの間の所定のRPM比率が、該粘性流体用供給手段及び該添加剤用供給手段において圧力サージと関係なく維持されるプログラム可能論理コンピューター、及び
(viii)該粘性流体の温度の変動を補償する温度補償アルゴリズム
を備える、添加剤を含有する粘性組成物を連続的に調製する装置である請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記微細充填材が、ヒュームドシリカ又は沈降シリカを含む請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記混合物が、ペースト又は粉末の形態である請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記チェンジカンミキサー内で混合されて前記混合物を形成する前記材料が、水を含む請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記混合物が、硬化剤、触媒、阻害剤、可塑剤、増量剤及び非補強用充填材を含む1つ以上の他の材料とさらに混合されて、硬化性生成物を提供する請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記チェンジカンミキサーが、前記チェンジカンミキサーの前記カン内へ下向きに伸びる2〜5つの螺旋混合アームを備える請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記チェンジカンミキサーが、該チェンジカンミキサーの前記カンの中心線に対して円周方向に120度ずつ離れて配置される3つの螺旋混合アームを備える請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記混合器具類が、前記ポットの壁上の材料の堆積を回避するための非金属エッジを備える請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
チェンジカンミキサーの使用であって、該チェンジカンミキサーの該カン内へ下向きに伸びる少なくとも2つの螺旋混合アームを備える着脱可能な混合ヘッド組立体と、該螺旋混合アーム自体の軸の周りに該螺旋混合アームを回転させる駆動手段と、前記カンの軸の周りに該螺旋混合アームを一ユニットとして回転させる駆動手段とを備え、該混合アームの形状は、混合される該組成物に下向きの運動をもたらすものであるチェンジカンミキサーの、表面処理された充填材を混和したポリシロキサン含有塊を製造する方法におけるバッチミキサーとしての使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−525338(P2007−525338A)
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−552682(P2006−552682)
【出願日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【国際出願番号】PCT/GB2005/000460
【国際公開番号】WO2005/077509
【国際公開日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【出願人】(590001418)ダウ・コ−ニング・コ−ポレ−ション (166)
【氏名又は名称原語表記】DOW CORNING CORPORATION
【Fターム(参考)】