説明

光トランシーバ及びその製造方法

【課題】 強度が確保された樹脂製のスリーブ部材を有し、且つ、規定のスペースに収容することが可能な光送信サブアセンブリ及び光受信サブアセンブリを備える光トランシーバであって、容易に組立可能な光トランシーバを提供する。
【解決手段】 光トランシーバは、光送信サブアセンブリと、光受信サブアセンブリと、光送信サブアセンブリと光受信サブアセンブリを搭載するレセプタクルと、を有する光トランシーバである。光送信サブアセンブリは、その光軸に平行に伸びる平坦面を備える樹脂製の第1のスリーブ部材を有している。光受信サブアセンブリは第1のスリーブ部材の平坦面に対向する平坦面を有する第2のスリーブ部材を有している。この光トランシーバは、更に、第1のスリーブ部材の平坦面と第2のスリーブ部材の平坦面との間に金属製板部材を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光トランシーバ及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光トランシーバとしては、例えば、下記の特許文献1〜5に記載されたものが知られている。また、光トランシーバには、所謂SFP(Small Form-factor Pluggable)型光トランシーバがある。
【0003】
SFP型光トランシーバに収容される光送信サブアセンブリ及び光受信サブアセンブリは、一般に、光デバイス、CANパッケージ、及び、スリーブ等の光結合部品を備えている。CANパッケージは、光デバイスを収容している。光結合部品は、CANパッケージの先端に装着されている。このような光送信サブアセンブリ及び光受信サブアセンブリは、同軸型と呼ばれる形状を有している。
【0004】
一般に、光結合部品は、金属製の円筒部材を組み合わせることによって形成されている。また、光結合部材及びCANパッケージは、金属製且つ円筒形状の結合スリーブをそれらの間に介在させて、YAG溶接によって相互に固定されている。
【特許文献1】特開2007−199137号公報
【特許文献2】特開2008−175881号公報
【特許文献3】特開2006−108684号公報
【特許文献4】特開2006−106751号公報
【特許文献5】特開2006−106752号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、光トランシーバには、低価格が求められている。このような背景の下、光結合部品及び結合スリーブを樹脂製のものに置き換えることが検討されている。金属製の部品を樹脂製の部品に置き換える場合には、その強度の低さのために、樹脂製の部品の壁厚を大きくする必要がある。
【0006】
しかしながら、SFP型光トランシーバといった光トランシーバでは、光送信サブアセンブリと光受信サブアセンブリとの間のピッチ及びこれらを並べた場合の外寸が、規格で定められている。したがって、光結合部品及び結合スリーブの壁厚を大きくすることには限界がある。
【0007】
本発明は、強度が確保された樹脂製のスリーブ部材を有し、且つ、規定のスペースに収容することが可能な光送信サブアセンブリ及び光受信サブアセンブリを備える光トランシーバであって、容易に組立可能な光トランシーバを提供することを目的としている。また、本発明は、このような光トランシーバの製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の光トランシーバは、光送信サブアセンブリと、光受信サブアセンブリと、光送信サブアセンブリと光受信サブアセンブリを搭載するレセプタクルと、を有する光トランシーバである。光送信サブアセンブリは、その光軸に平行に伸びる平坦面を備える樹脂製の第1のスリーブ部材を有している。光受信サブアセンブリは第1のスリーブ部材の平坦面に対向する平坦面を有する第2のスリーブ部材を有している。この光トランシーバは、更に、第1のスリーブ部材の平坦面と第2のスリーブ部材の平坦面との間に金属製板部材を備えている。
【0009】
この光トランシーバでは、第1のスリーブ部材及び第2のスリーブ部材の互いの対向部分が平坦面となっている。即ち、第1のスリーブ部材及び第2のスリーブ部材は、平坦面以外の部分で肉厚となっている。また、第1のスリーブ部材の平坦面と第2のスリーブ部材の平坦面とを対向させることにより、第1のスリーブ部材と第2のスリーブ部材の間のピッチ、更には、第1のスリーブ部材と第2のスリーブ部材を並べた場合の外寸が低減されている。したがって、この光トランシーバによれば、第1の第1のスリーブ部材及び第2のスリーブ部材の強度を確保しつつ、光送信サブアセンブリ及び光受信サブアセンブリを規定のスペースに配置することが可能となる。また、これら平坦面の間に板部材が設けられているので、光送信サブアセンブリ及び光受信サブアセンブリを、回転させることなく、レセプタクルに対して容易に組み立てることが可能である。
【0010】
板部材は一端部及び他端部を有しており、当該一端部は、板部材の板面に対して互いに逆方向へ折り曲げられた二以上の部位を有しており、当該光トランシーバは、更に、光送信サブアセンブリと光受信サブアセンブリと電気的に接続する回路を搭載する回路基板と、当該回路基板を搭載しレセプタクルに係合する金属製フレームを備えており、上記二以上の部位がフレームの一面に接触している、ことが好適である。また、レセプタクルがフレームの上記一面に対向する庇部を有しており、板部材の他端部が庇部に沿う端面を含んでいることが好適である。このような板部材は、レセプタクルとフレームとの間に安定して保持される。
【0011】
また、板部材の他端部がレセプタクルの庇部に対向する突出部を含んでいることが好適である。この突出部は、板部材の誤った配置の防止に寄与し得る。
【0012】
板部材が一端部と他端部との間に突起を有しており、この突起が当該突起と一端部との間に第1のスリーブ部材及び第2のスリーブ部材のうち一方が位置するように設けられていることが好適である。この突起は、第1のスリーブ部材と第2のスリーブ部材の間に板部材を挟持後に、フレームにより上記一端部を保持するまでの間に、板部材の脱落を防止する。
【0013】
本発明の光トランシーバは以下の構成を有していてもよい。即ち、第1のスリーブ部材及び第2のスリーブ部材は、それぞれの光軸方向に沿って二つの大径部と当該二つの大径部の間に位置する小径部とを有する。レセプタクルは、第1のスリーブ部材の小径部及び第2のスリーブ部材の小径部を搭載する鞍部を含む壁を有している。鞍部を含む壁は、第1のスリーブ部材及び第2のスリーブ部材それぞれの二つの大径部によって狭持されている。板部材は、二つの大径部のうち一方に当接するタブを有している。大径部が鞍部を含む壁を狭持することにより、光送信サブアセンブリ及び光受信サブアセンブリは、レセプタクルに対してガタツキ無く保持される。また、タブによって、光送信サブアセンブリ及び光受信サブアセンブリの光軸方向における板部材の位置決めが達成される。
【0014】
本発明の別の側面は、樹脂製の第1スリーブ部材を有する光送信サブアセンブリと樹脂製の第2スリーブ部材を有する光受信サブアセンブリとを備える光トランシーバの製造方法である。第1スリーブ部材および第2スリーブ部材はそれぞれ、光送信サブアセンブリと光受信サブアセンブリの光軸に沿っており互いに対向する平坦面を有している。本製造方法は、(a)第1のスリーブ部材の平坦面と第2のスリーブ部材の平坦面との間に金属製の板部材を狭持する工程と、(b)第1のスリーブ部材と第2のスリーブ部材の間に板部材を狭持しつつ、第1のスリーブ部材及び第2のスリーブ部材をレセプタクルに搭載する工程と、を含んでいる。
【0015】
この方法によれば、上述した光トランシーバを、光送信サブアセンブリ及び光受信サブアセンブリの回転を抑止しつつ容易に組み立てることが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明によれば、強度が確保されたスリーブ部材を有し、且つ、規定のスペースに収容することが可能な光送信サブアセンブリ及び光受信サブアセンブリを備える光トランシーバであって、容易に組立可能な光トランシーバが提供される。また、このような光トランシーバの好適な製造方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る光トランシーバを分解して示す斜視図である。図2は、図1に示す光トランシーバを、カバーを取り除いて示した斜視図である。図3は、図2に示す光トランシーバを、図2の状態で上側から見た平面図である。図4は、図3のVI−VI線に沿う断面図である。図5は、図3のV−V線に沿う断面を一部拡大して示す図である。
【0018】
図1〜5に示す光トランシーバ10は、光送信サブアセンブリ(TOSA)12、光受信サブアセンブリ(ROSA)14、レセプタクル16、回路基板18、フレーム20、カバー22、及び、板部材24を備えている。また、光トランシーバ10は、更に、グランド部材26、サブベース28、及びベール30を備えることができる。以下、回路基板18に対してレセプタクル16が位置する方向を「前」、レセプタクル16に対して回路基板18が位置する方向を「後」として、説明を行う。
【0019】
TOSA12及びROSA14は、所謂同軸型の光サブアセンブリである。TOSA12は、CANパッケージ内にレーザといった発光素子を収容しており、光信号を送出する。ROSA14は、CANパッケージ内にフォトダイオードといった受光素子を収容しており、光信号を受信する。また、TOSA12及びROSA14は、その光軸方向に延びる筒状のスリーブ部材を有している。スリーブ部材については、後述する。
【0020】
レセプタクル16は、TOSA12及びROSA14を搭載し、その内孔において、TOSA12及びROSA14を光コネクタと光学的に結合するための部品である。レセプタクル16は、例えば、樹脂製又はダイカスト製である。
【0021】
回路基板18は、その一端、即ち前方端において、TOSA12及びROSA14に電気的に結合されている。また、回路基板18は、その他端、即ち後方端に電気コネクタを有しており、当該電気コネクタがホストシステムに電気的に結合される。
【0022】
フレーム20は、サブベース28との間に回路基板18を保持する部品である。フレーム20は、一枚の金属板に対する加工によって製造される部品である。フレーム20は、回路基板18の一方の面に対面する底面20a(図4参照)を有している。また、フレーム20は、底面20aに交差する一対の側壁を有している。この側壁に形成された開口にレセプタクル16の側壁の突起16g(図8参照)が係合することによって、フレーム20は、レセプタクル16に対して固定される。
【0023】
カバー22は、レセプタクル16の後方側の一部、回路基板18、フレーム20、サブベース28等の部品を覆う部品である。カバー22は、一枚の金属板に対する加工によって製造される部品であり、略角筒型の形状を有している。カバー22は、その一対の側壁に形成された開口22aにレセプタクル16の突起16aが係合することによって、レセプタクル16に対して固定される。
【0024】
グランド部材26は、ホストシステムへのグランドを提供する部品であり、また、電磁シールドとしての機能を有している。グランド部材26は、一枚の金属板に対する加工によって製造される部品である。グランド部材26は、レセプタクル16の外周面に沿って設けられている。
【0025】
ベール30は、レセプタクル16の上側と下側との間において当該レセプタクル16の前方を通ってピボット運動する。ベール30は、そのピボット運動によって、光トランシーバ10の底面に付属するアクチュエータ(図示せず)のヘッドを動作させる。光トランシーバ10は、当該ヘッドとホストシステムの係合状態を解除することによって、ホストシステムから取り出される。
【0026】
以下、TOSA12、ROSA14、レセプタクル16、及び、板部材24について詳細に説明する。
【0027】
まず、TOSA12及びROSA14について説明する。なお、TOSA12及びROSA14は略同一の外形を有するので、以下では、TOSA12についてのみ説明する。図6は、光送信サブアセンブリの斜視図である。図6において(a)には、前方側から見たTOSA12の斜視図が示されており、(b)には、後方側から見たTOSA12の斜視図が示されている。
【0028】
図6に示すように、TOSA12は、レーザを収容したCANパッケージ12a、及び、スリーブ部材12bを有している。スリーブ部材12bは、TOSA12の光軸X方向に延びる筒状の部材であり、樹脂製の部材である。
【0029】
スリーブ部材12bは、その光軸X方向に沿って二つの大径部12c及び12dを有しており、当該二つの大径部12c及び12dの間に小径部12eを有している。後方側の大径部12dは、その内孔にCANパッケージ12aを収容している。この大径部12dの周面は、軸線X方向に延びる平坦面を含んでいる。本実施形態では、大径部12dは、四つの平坦面12fを含んでいる。これら四つの平坦面12fは、互いに直交する面に沿って設けられている。
【0030】
TOSA12、及び当該TOSA12と同様の外形を有するROSA14は、上述したように、レセプタクル16に搭載される。図7は、グランド部材を組み付けた状態のレセプタクルを示す斜視図である。図8は、グランド部材を取り外した状態のレセプタクルの斜視図である。
【0031】
図7及び図8に示すように、レセプタクル16は、その後側に、TOSA12及びROSA14の中心軸線に略直交する面に沿う壁16bを有している。この壁16bには、TOSA12の小径部12e及びROSA14の小径部を搭載するための二つの鞍部16cが形成されている。鞍部16cはU字形状を有しており、TOSA12の小径部12e及びROSA14の小径部を配置するための半開口16dを画成している。この半開口16dはTOSA12及びROSA14を光コネクタと光学的に結合するためのレセプタクル16内の空間に連続している。
【0032】
また、レセプタクル16は庇部16eを有している。この庇部16eは、壁16bに略直交する面に沿っており当該壁16bから後方へ延びている。この庇部16eの面16fは、フレーム20の底面20aと対向している。
【0033】
グランド部材26は、レセプタクル16の側壁、壁16b、及び、庇部16eを覆うように設けられている。また、グランド部材26は、軸線X方向において二つの鞍部16cに連続する二つの縁部26aを有している。縁部26aは、鞍部16cに沿う形状を有している。したがって、縁部26aによって画成される半開口は、レセプタクル16の半開口16dに連続している。
【0034】
縁部26aには、リブ26bが形成されている。このリブ26bの軸線X方向に延びる平面での断面形状は弧状である。また、リブ26bは、縁部26aの頂部を通る中心線に対して一方側と他方側に分離されている。
【0035】
TOSA12の小径部12e及びROSA14の小径部14e(図10参照)が鞍部16cに搭載されると、TOSA12のスリーブ部材12bの二つの大径部12c及び12dがそれらの間に鞍部16c及びリブ26bを狭持する。また、ROSA14のスリーブ部材14bの二つの大径部14c及び14d(図10参照)がそれらの間に鞍部16c及びリブ26bを狭持する。TOSA12及びROSA14の二つの大径部間の距離は、鞍部16cの厚みとリブ26bの厚みの合計値より僅かに小さくなっている。したがって、リブ26bは、TOSA12及びROSA14の大径部に反発力を付与する。これによって、TOSA12及びROSA14は、レセプタクルに対して安定して搭載される。
【0036】
また、光トランシーバ10では、TOSA12の大径部12dの平坦面12fと、この平坦面12fに対向するROSA14の大径部14dの平坦面14fとの間に、板部材24が設けられている。図9は、板部材の斜視図である。図9において(a)には、板部材24を一方の面側から見た斜視図が示されており、(b)には板部材24を他方の面側から見た斜視図が示されている。
【0037】
板部材24は、金属製の板を加工することによって得られる部品である。図9に示すように、板部材24は、一端部24a、他端部24b、突起24cを有している。一端部24aは、当該一端部24aから他端部24bに向かう方向へ延びるスリットによって二以上の部位に分割されている。本実施形態では、二つのスリット24dによって、一端部24aは、三つの部位24e、24f、及び24gに分割されている。三つの部位24e、24f、及び24gは、一端部24aと他端部24bとの間の板部材24の板面に対して交互に異なる方向へ曲げられている。即ち、三つの部位のうち隣り合う二つの部位は、板部材24の上記平面に対して、逆方向に曲げられている。この一端部24aは、図5に示すように、フレーム20の底面20aに接する。
【0038】
再び図9を参照する。板部材24の他端部24bは、端面24hを含んでいる。この端面24hは、図4に示すように、レセプタクル16の庇部16eの面16fに沿うように延びている。
【0039】
この板部材24は、フレーム20の底面20aとレセプタクル16の庇部16eの面16fとの間に配置された際に、一端部24aがフレーム20の底面20aに当接し(図5参照)、他端部24bの端面24hが、グランド部材26を介してレセプタクル16の庇部16eの面16fに当接する(図4参照)ことで、レセプタクル16とフレーム20によって狭持される。また、このときに、一端部24aは、異なる方向に曲げられた三つの部位24e、24f、及び24gによって、弾性的にフレーム20の底面20aに当接する。
【0040】
図9に示すように、板部材24の他端部24bは、更に、端面24hに対して突出した突出部24iを有している。この突出部24iは、図4に示すように、レセプタクル16の庇部16eの後部の端面に対向するように設けられている。この突出部24iによって、板部材24の誤った向きでの配置が防止される。
【0041】
また、板部材24は、図9に示すように、二つの突起24cを有している。突起24cは、一端部24aと他端部24bとの間に設けられている。突起24cは、図5に示すように、一端部24aと当該突起24cとの間にROSA14のスリーブ部材が位置するように設けられている。このような突起24cが、ROSA14のスリーブ部材に引っ掛かることで板部材24がフレーム20で保持されるまでの間の脱落が防止されている。なお、突起24cは、TOSA12側に突出していてもよい。
【0042】
また、図9に示すように、板部材24は、タブ24jを有している。本実施形態では、タブ24jは、一端部24aの部位24gから連続しており、当該24gに交差する方向に延びている。タブ24jは、ROSA14の後方側の大径部14dの前面に対向する面を有している(図11参照)。タブ24jは、板部材24がTOSA12の平坦面12f及びROSA14の平坦面14fの間に狭持された際に、ROSA14の後方側の大径部14dの前面に当接する。これによって、タブ24jが、TOSA12及びROSA14の光軸方向において、位置決めされる。
【0043】
以上のような構成を有する光トランシーバ10では、TOSA12及びROSA14のスリーブ部材の外周面に平坦面を設けることによって、TOSA12及びROSA14を所定のピッチで配置することを可能としている。また、TOSA12及びROSA14を並べたときの外寸も低減されている。また、平坦面以外の部分でスリーブ部材の強度が確保されている。さらに、TOSA12及びROSA14の間に板部材24を設けることによって、TOSA12及びROSA14の回転が防止されている。
【0044】
以下、このような光トランシーバ10を製造するための方法について説明する。図10〜図12は、本発明の一実施形態に係る光トランシーバを製図する方法を説明するための斜視図である。以下、図10〜図12に従って説明を行う。
【0045】
図10に示すように、本製造方法では、まず、回路基板18にソルダリングされたTOSA12及びROSA14、グランド部材26を組み付けたレセプタクル16、及び、板部材24が、準備される。
【0046】
次いで、図11に示すように、板部材24が、TOSA12のスリーブ部材12bの大径部12dの平坦面12fと、ROSA14のスリーブ部材14bの大径部14dの平坦面14fとの間に配置される。このとき、タブ24jが、ROSA14のスリーブ部材14bの大径部14dの前面に当接されることによって、TOSA12及びROSA14の光軸方向における板部材24の位置決めが成される。この状態で、TOSA12及びROSA14が、それらが並んだ方向における両側から治具によって挟持される。
【0047】
次いで、図12に示すように、TOSA12のスリーブ部材12bの小径部12e及びROSA14のスリーブ部材14bの小径部14eが、レセプタクル16の鞍部16cに搭載されることによって、TOSA12及びROSA14がレセプタクル16に搭載される。
【0048】
そして、フレーム20及びサブベース28によって回路基板を保持し、フレーム20をレセプタクルに係合し、カバー22によって各種部品を覆い、当該カバー22をレセプタクル16に係合することによって、光トランシーバ10の製造が完了する。
【0049】
以上説明した製造方法によれば、板部材24が用いられているので、TOSA12及びROSA14を回転させずに、当該TOSA12及びROSA14を容易にレセプタクル16に対して組み付けることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の一実施形態に係る光トランシーバを分解して示す斜視図である。
【図2】図1に示す光トランシーバを、カバーを取り除いて示した斜視図である。
【図3】図2に示す光トランシーバを、図2の状態で上側から見た平面図である。
【図4】図3のVI−VI線に沿う断面図である。
【図5】図3のV−V線に沿う断面を一部拡大して示す図である。
【図6】光送信サブアセンブリの斜視図である。
【図7】グランド部材を組み付けた状態のレセプタクルの斜視図である。
【図8】グランド部材を取り外した状態のレセプタクルの斜視図である。
【図9】板部材の斜視図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る光トランシーバを製図する方法を説明するための斜視図である。
【図11】本発明の一実施形態に係る光トランシーバを製図する方法を説明するための斜視図である。
【図12】本発明の一実施形態に係る光トランシーバを製図する方法を説明するための斜視図である。
【符号の説明】
【0051】
10…光トランシーバ、12…光送信サブアセンブリ(TOSA)、12a…パッケージ、12b…スリーブ部材、12c,12d…大径部、12e…小径部、12f…平坦面、14…光受信サブアセンブリ(ROSA)、14bスリーブ部材、14c,14d…大径部、14e…小径部、14f…平坦面、16…レセプタクル、16a…突起、16b…壁、16c…鞍部、16d…半開口、16e…庇部、16f…面(庇部16eの面)、18…回路基板、20…フレーム、20a…底面、22…カバー、24…板部材、24a…一端部、24b…他端部、24c…突起、24d…スリット、24e,24f,24g…一端部の部位、24h…端面、24i…突出部、24j…タブ、26…グランド部材、26a…縁部26b…リブ、28…サブベース。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
光送信サブアセンブリと、光受信サブアセンブリと、該光送信サブアセンブリと該光受信サブアセンブリを搭載するレセプタクルと、を有する光トランシーバであって、
前記光送信サブアセンブリは、その光軸に平行に伸びる平坦面を備える樹脂製の第1のスリーブ部材を有し、
前記光受信サブアセンブリは前記第1のスリーブ部材の平坦面に対向する平坦面を有する第2のスリーブ部材を有し、
該光トランシーバは、更に、該第1のスリーブ部材の平坦面と該第2のスリーブ部材の平坦面との間に金属製板部材を備える、
光トランシーバ。
【請求項2】
前記板部材は、一端部及び他端部を有しており、
前記一端部は、該板部材の板面に対して互いに逆方向へ折り曲げられた二以上の部位を有しており、
該光トランシーバは、更に、前記光送信サブアセンブリと前記光受信サブアセンブリと電気的に接続する回路を搭載する回路基板と、該回路基板を搭載し前記レセプタクルに係合する金属製フレームを備え、
前記二以上の部位は、前記フレームの一面に接触している、
請求項1に記載の光トランシーバ。
【請求項3】
前記レセプタクルは、前記フレームの前記一面に対向する庇部を有しており、
前記板部材の他端部は、前記庇部に沿う端面を含んでいる、
請求項2に記載の光トランシーバ。
【請求項4】
前記板部材の他端部は、前記庇部に対向する突出部を含んでいる、請求項3に記載の光トランシーバ。
【請求項5】
前記板部材は、前記一端部と前記他端部との間に突起を有しており、
該突起と前記一端部との間に前記第1のスリーブ部材及び前記第2のスリーブ部材のうち一方が位置するように設けられている、
請求項2〜4の何れか一項に記載の光トランシーバ。
【請求項6】
前記第1のスリーブ部材及び前記第2のスリーブ部材は、それぞれの光軸方向に沿って二つの大径部と該二つの大径部の間に位置する小径部とを有しており、
前記レセプタクルは、前記第1のスリーブ部材の小径部及び前記第2のスリーブ部材の小径部を搭載する鞍部を含む壁を有しており、
前記壁は、前記第1のスリーブ部材及び前記第2のスリーブ部材それぞれの二つの大径部によって狭持されており、
前記板部材は、前記二つの大径部のうち一方に当接するタブを有している、
請求項1〜5の何れか一項に記載の光トランシーバ。
【請求項7】
樹脂製の第1スリーブ部材を有する光送信サブアセンブリと樹脂製の第2スリーブ部材を有する光受信サブアセンブリとを備える光トランシーバの製造方法であって、該第1スリーブ部材および該第2スリーブ部材はそれぞれ該光送信サブアセンブリと該光受信サブアセンブリの光軸方向に沿っており互いに対向する平坦面を有しており、該製造方法は、
前記第1のスリーブ部材の平坦面と前記第2のスリーブ部材の平坦面との間に金属製の板部材を狭持する工程と、
前記第1のスリーブ部材と前記第2のスリーブ部材の間に前記板部材を狭持しつつ、前記第1のスリーブ部材及び前記第2のスリーブ部材をレセプタクルに搭載する工程と、
を含む、光トランシーバの製造方法。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2010−160401(P2010−160401A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−3401(P2009−3401)
【出願日】平成21年1月9日(2009.1.9)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】