説明

光ファイバセンサ装置、光ファイバを用いたセンシング方法

【課題】温度、湿度、液体・蒸気の種類、濃度等の同一センサヘッドでの測定、複数のセンサヘッドでの同時測定が可能であり、センサヘッドが極めて小さく、耐久性が高く、且つ、安価な光ファイバセンサ装置を実現する。
【解決手段】向するテーパファイバ対11と、非テーパ部12と、反射器13とを具備したセンサ部1に光を入射し、反射光を受光する。反射光はモード間干渉、結合の結果、周期的スペクトルとなり、温度、周囲物質の屈折率によりスペクトルの位相、振幅が変化する。スペクトル変化に伴い反射光量も変化するので、光量変化を検出して所望の物理量を測定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバを使って温度、湿度、液体・蒸気の種類、濃度等を計測する光ファイバを用いたセンサ装置及びセンシング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバセンサは、防爆性、耐電磁ノイズ特性に優れ、遠隔、多点モニタリングが容易なことから各種のセンサが開発されている。
【0003】
特許文献1には、FBGを用いた温度センサが開示されている。
【0004】
特許文献2には、湿度により変色する物質をファイバ先端に塗布した湿度センサが開示されている。
【0005】
特許文献3には、クラッドの一部を感湿層とした湿度センサが開示されている。
【0006】
特許文献4には、膨潤材料を用いた液体センサが開示されている。
【0007】
特許文献5には、キトサン複合膜の膨潤収縮を利用して水中の有機溶媒濃度を測定するセンサが開示されている。
【0008】
特許文献6には、金属皮膜を設けたヘテロコアファイバの表面プラズモンを利用して液体濃度を測定するセンサが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平08−101078号公報
【特許文献2】特開平06−11448号公報
【特許文献3】特開平05−60689号公報
【特許文献4】特開2001−50855
【特許文献5】特開平5−19123
【特許文献6】特開2005−010025
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1に開示されているFBGを利用した温度センサは高価であり、特許文献2〜5に開示されているセンサは、特殊な感湿材や膨潤剤を用いるため構造が複雑で、大きさ、耐久性にも問題があり、特許文献6に開示されているセンサも、高価でセンサヘッドが大きいという問題がある。また、これらのセンサ装置では、温度、湿度、液体・蒸気の濃度等の同一センサヘッドでの測定、或いは、複数のセンサヘッドを用いた同時測定などは困難である。
【0011】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的としては、温度、湿度、液体・蒸気の種類、濃度等の同一センサヘッドでの測定、複数のセンサヘッドでの同時測定が可能であり、センサヘッドが極めて小さく、耐久性が高く、且つ、安価な光ファイバセンサ装置及び光ファイバを用いたセンシング方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
そのため、本発明の光ファイバセンサ装置は、対向するテーパファイバ対、当該テーパファイバ対の片側に連結した非テーパ部、当該非テーパ部の端面で測定光を反射する反射器を具備したセンサ部と、当該センサ部に供給すべき測定光を発生する発光手段、当該センサ部で強度変化を受けた反射光を受光する受光手段、測定光を当該センサ部に導き、当該センサ部からの反射光を当該受光手段に導く導光手段、当該受光手段の出力を温度、湿度、液体・蒸気の種類、濃度等の検出すべき物理量に変換する演算処理回路を具備した計測部と、当該センサ部と当該計測部の間の光伝送を行う伝送用光ファイバとを備えることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の光ファイバを用いたセンシング方法は、対向するテーパファイバ対、当該テーパファイバ対の片側に連結した非テーパ部、当該非テーパ部の端面で測定光を反射する反射器を具備したセンサ部に対して、伝送用光ファイバを用いて測定光を導入し、当該テーパファイバ対において、当該測定光の一部をコアからクラッド側へ漏洩させ、少なくとも当該非テーパ部において、当該漏洩光をクラッドモードで伝播させて当該反射器によって反射させ、当該センサ部の反射光の変化を、当該伝送用光ファイバを介して検出することにより、当該非テーパ部の周囲環境の屈折率変化、又は、温度に依存する当該非テーパ部自体の屈折率変化を検知することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明により、温度、湿度、液体・蒸気の種類、濃度等の同一センサヘッドでの測定、複数のセンサヘッドでの同時測定が可能で、極めて小型で、耐久性が高く、且つ、安価な光ファイバセンサ装置及びセンシング方法を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施例1である光ファイバセンサ装置の概略構成を示す図である。
【図2】センサ部の拡大切断面図である。
【図3】センサ部を透過した光、及び、反射した光のスペクトルを示す図である。
【図4】非テーパ部の長さと周期スペクトルの関係を示す図である。
【図5】ファイバ外径とMFDの関係を示す図である。
【図6】センサ部で得られる周期スペクトルの温度変化を示す図である。
【図7】温度測定の場合に、センサ部を周囲雰囲気から保護する構造を示す図である。
【図8】中空容器で保護したセンサ部の温度と反射光量の関係を測定した例である。
【図9】各種液体にセンサ部を浸漬したときに得られる反射スペクトルの測定例である。
【図10】各種液体にセンサ部を浸漬したときの反射光量の変化を測定した例である。
【図11】アセトンが蒸発していくプロセスに伴う反射スペクトルの変化を測定した例である。
【図12】アセトンが蒸発していくプロセスと光量変化の関係を測定した例である。
【図13】湿度変化に伴う反射光量の変化を測定した例である。
【図14】プロパノール濃度と光量変化の関係を測定した例である。
【図15】1300nm帯ASE光源で測定した反射光スペクトルの温度変化の例である。
【図16】1300nm帯ASE光源のスペクトルを示す図である。
【図17】1300nm帯ASE光源と1313nmLDで測定した反射光強度の温度変化の例である。
【図18】本発明の実施例2である光ファイバセンサ装置の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
【実施例1】
【0017】
図1は、本発明の実施例1である光ファイバセンサ装置の構成概略図を示し、図2は、センサ部1の拡大切断面図を示してある。図1における矢印は光が進行する様子を示している。
【0018】
実施例1は、センサ部1、計測部2、伝送用光ファイバ3から構成される。
【0019】
センサ部1は、テーパファイバ対11と、その片側に連結した非テーパ部12と、非テーパ部12の端面で測定光を反射する反射器13を具備する。テーパファイバ対11は、ウエスト部14に向かってファイバ外径が次第に細くなっており、また、外径に比例してコア径も細くなっている。非テーパ部12は被覆を施さずにクラッド102のガラス表面がむき出しになっているか、或いは、被覆を施す場合は、クラッド12を伝搬する光の浸み出しを完全に妨がない程度、つまり被膜の外側の被測定物の屈折率変化の影響を受ける程度の厚さとする。例えば、クラッド102のガラス表面をむき出しにする場合は、被測定物となる周囲雰囲気や液体にクラッド102を接触させることができる。この結果、クラッド102の外周側領域が、これに接触する物質に特有な屈折率となる。周囲雰囲気や液体の屈折率がクラッドより低い場合は、当然、クラッド102の外周側領域がクラッド12よりも低屈折率状態となる。この場合、非テーパ部12は、コア101からクラッド102側に漏洩する測定光の少なくとも一部を、外部に放出させずにクラッドモードとして伝播できる構造となる。なお、周囲雰囲気や液体の屈折率が、クラッド102より高い場合であっても、非テーパ部12の長さが短い場合には、少なくとも漏洩光の一部は外部に放出されずにクラッドモードとして伝搬できる。
【0020】
なお、また例えば、クラッド102のガラス表面を、クラッド102よりも高屈折率材料で被覆する場合は、その膜厚を薄くする(具体的には測定光の波長以下とする)ことが好ましい。高屈折率の被覆層を薄くすることにより、漏洩光が高屈折率被覆層に閉じこめられず、クラッドモードとして伝搬できるからである。また、被覆層を薄くすると、周囲雰囲気や液体との境界付近への光の浸み出しが強くなるため、センサの感度が上がる利点も有する。即ち、クラッド102に対して高屈折材料となる被膜層を形成することで、クラッド102から光を積極的に浸み出させて、被膜層外周の被測定物との境界で全反射させることで屈折率変化の影響を強く受けるようにし、更に、この被膜層の膜厚を薄くすることで、その全反射光をクラッド102側に積極的に戻して、その影響を高感度に検出できるようにする。この結果、実質的に、クラッド102の外周側領域を、クラッド102よりも低屈折率状態とすることができる。これは、被膜の外周に接する周囲雰囲気や液体との境界において、漏洩光が全反射してクラッド102側に戻るので、外部に放出させずにクラッドモードとして伝播できるからである。これは特に蒸気特性を検出する際に好適である。
【0021】
テーパファイバ対11の最も細い部分であるウエスト部14の外径は、70μm以下、好ましくは30〜50μm程度に設定される。また、テーパファイバ対11は、非テーパ部12の重量(自重)で曲がらない剛性を備えている。このように、30μm以上に設定することで剛性を確保する理由として、このセンサ部1は、外部からの付勢力を誤って検出しないように、原則、非テーパ部12側が自由端となるような片持ち状態で保持するからである。つまり、両持ち状態にすると、その保持部材側が温度変化で伸縮したり、何らかの要因で変形したりすると、センサ部1に応力が作用し、変形によって反射光量が変化してまうからである。なお、ウエスト部14の外形を70μm以下、好ましくは50μm以下とする理由は後述する。
【0022】
非テーパ部12の長さは、1〜5mm程度である。反射器13は、例えば、誘電体多層膜、金属膜などで構成する。
【0023】
計測部2は、測定光を発生する光源21と、測定光を伝送用光ファイバ3に導き、センサ部1で強度変化を受けた反射光を受光器24に導く光分岐カプラ22と、センサ部1からの反射光量を測定する受光器24と、受光器24の出力を温度、湿度、液体・蒸気の種類、濃度等の検出すべき物理量に変換する演算処理回路25を具備する。なお、図1には示されていないが、光源21の光強度が変動する場合には、光源21の光強度をモニターして、センサ部1から戻る反射光強度を補正する構成も可能である。
【0024】
伝送用光ファイバ3は、センサ部1と計測部2の間の光伝送を行うシングルモード光ファイバで、センサ部1に用いる光ファイバと同種の場合も、異種の場合もある。
【0025】
以下、本実施例のセンサ部1について詳細に説明する。
【0026】
図3は、本実施例1のセンサ部1に広帯域光源を入射し、反射光スペクトルを測定した例と、同様なテーパファイバ対11を透過した光のスペクトル測定例を示している。反射光のスペクトルは、正弦関数に近い、明瞭な周期的変化を示す。一方、透過光スペクトルでは、波長に対して若干の光量変化が見られるものの、明確な周期スペクトルを観察できない。即ち、本実施例1のセンサ部11は、反射光を周期的スペクトルに変換する機能を持つ。
【0027】
反射スペクトルの周期的な安定性は、非テーパ部12の長さに強く依存する。図4は非テーパ部12の長さを変えてスペクトルを測定した例を示す。非テーパ部12が短いほど周期が長くなり、且つ、15mm以下では規則的変化をする。一方、非テーパ部12が長くなると周期が短くなるのに加え、20mm以上では不規則な変化をする。従って、センサとして用いるには、規則的な変化をする20mm未満の長さが適している。特に、15mm以下が好ましく、更に好ましくは周期の長い5mm以下とする。
【0028】
このような周期的スペクトルが出現する理由として、テーパファイバ対11において、測定光の一部がコア101からクラッド102側へ漏洩し、更に非テーパ部12において、この漏洩光がクラッドモードとして伝搬して反射器13で反射し、この反射光がモード間干渉を起こす結果、周期スペクトルが反射光の一部として検出されると推測される。具体的には、クラッドモード同士の間、或いはクラッドモードとコアモード間の干渉、結合が考えられる。
【0029】
反射スペクトルの振幅の大きさは、ウエスト部14の径に依存し、ウエスト部14の径が小さいほど大きくなる。なお、既に述べたように、ウエスト部14の径が30μm以下になると、剛性が小さくなることから、ウエスト部14での曲げによるロスが発生し易くなったり、センサヘッドとしての実装が複雑になったりする。従って、ウエスト部14の径は約30μm以上が適している。
【0030】
図5に示すように、ウエスト部14を70μm以下にすると、MFD(モードフィールド径)が広がり始めると共に、反射スペクトルの振幅も広がり出すので好ましい。これは、コア101からクラッド102への漏洩光が発生し、非テーパ部12においてクラッドモードによる光伝搬が開始していると考えられる。なお、このMFD(モードフィールド径)は、伝搬モードの電界分布の広がり(光の通り道)の直径を意味している。
【0031】
更に、ウエスト部14を50μm以下にすると、MFDがクラッド径以上に急激に広がるようになり、コアモード、クラッドモード間の干渉、結合が更に起こり易い状態になっていると考えられる。従って、ウエスト部14を50μm以下にするのが、周期スペクトルを得るのにより適した状態となる。
【0032】
なお、非テーパ部12の長さが長いほど周期が短くなるのは、より高次のクラッドモードとの干渉、結合が起こるためと考えられる。また、不規則な周期となるのは複数のクラッドモードとの干渉、結合によるものと考えられる。
【0033】
以下、本実施例1のセンサ部1から戻る反射光の周期スペクトルが温度、液体への浸漬、蒸気への暴露等により変化し、それに伴う反射光強度の変化を測定することにより温度、湿度、液体・蒸気の種類、濃度等を検知できることを説明する。
【0034】
先ず、周期スペクトルの温度変化を説明する。周期スペクトルの温度変化を測定した例を図6に示す。使用したセンサ部1は、コア径が各々8.5μm、6μmと異なるシングルモード光ファイバの融着接続で作成し、ウエスト部14の外径は38μm、非テーパ部の長さは3.8mmである。温度上昇と共にスペクトルが長波長側にシフトすることが分かる。また、特定の波長に着目すると反射光量が単調に変化することが分かる。例えば、波長1500nmに着目すると、温度上昇に伴い反射光量は単調に増加する。一方、波長1550nmでは、温度上昇に伴い反射光量は単調に減少する。何れの波長をセンサ部1に入射したとしても、温度に対して単調な反射光量の変化が得られるので、反射光量を測定することにより温度を検知できる。
【0035】
周期スペクトルの位相が温度上昇と共に長波長側にシフトする理由は、ファイバ屈折率の温度変化により、ファイバ内での光路長が変化するためと考えられる。このように、温度変化に基づくファイバ屈折率変化を、光の干渉・結合によって検出する為には、温度変化によって光ファイバに外力が作用しない状態、即ちセンサ部1における非テーパ部12側が自由端(軸方向に自由に伸縮できる状態)にしておくことが重要となる。
【0036】
しかしながら、後述するように、本実施例のセンサ部1におけるウエスト部14、非テーパ部12において、クラッド102のガラス表面がむき出しになっていると、光がファイバ外部に浸み出そうとしているため、このクラッド102の外表面に接触する周囲物質の屈折率変化の影響も同時に受ける。即ち、クラッド102に接触する周囲物質の屈折率が、温度変化によって変動すると、クラッドモードが変化してスペクトルに影響が出る。例えば、温度センサ部1への液体の付着、湿度(水蒸気量)変化などにより反射光量が変化してしまう。この問題を解決し、周囲物質に左右されることなく温度変化を測定するには、センサ部1のウエスト部14から非テーパ部12にかけて、液体、気体を遮断でき、且つ、光をファイバ内に閉じこめることができる材質で覆うのが有効である。例えば図7(a)は、温度センサ部1の外周に、液体、気体を遮断できる材質のコーティング層15を施した構造の切断面図を示す。この場合のコーティング層の厚さは、クラッド102を伝搬する光がコーティング層の外部に浸み出さないだけの厚みであることが必要である。コーティング材質としては、金、白金、ニッケル、ステンレスなどの金属、或いは、クラッドガラスより屈折率の低いMgF2、CaF2などの無機材料を利用できる。MgF2、CaF2などの絶縁材料をコーティングした場合は、温度センサ部1が電磁界の影響を受けないので、高周波環境下や強い電磁界の中での温度を測定できる利点がある。図7(b)は、温度センサ部1を液体、気体を遮断できる材質の中空容器16に封入した構造の切断面図を示す。この場合は、中空容器16内に封入された気体の屈折率が、クラッドの屈折率より大幅に低いため、光をァイバ内に簡単に閉じこめられる。従って、中空容器16の材質は、屈折率とは関係が無いので、液体、気体を遮断できればどんな材質でもよい。例えば、金属、ガラス、セラミックスなどを利用できる。
【0037】
図8は、センサ部1を中空容器16に封入して温度と反射光量の関係を測定した例を示す。中空容器16にはガラス細管を使用し、耐熱性接着剤を使ってセンサ部1を封入した。室温から220℃の範囲で単調な変化が得られており、また、温度上昇と温度下降も同等でヒステリシスがみられず、周囲雰囲気の影響を受けない正確な温度測定ができるのは明らかである。
【0038】
次に、液体への浸漬による変化を説明する。図9は、水、アセトン、エタノール、プロパノールの液体にセンサ部1を浸漬したとき得られる反射スペクトルの測定例である。図9では、空気中で測定したスペクトルを他より太い実線で描いてある。液体に浸漬して測定したスペクトルは、空気中で測定したスペクトルから大きく変化していることが分かる。また、変化には液体の屈折率と相関関係がみられる。例えば、スペクトルの山から短波長側に着目すると、屈折率の高い順にスペクトルがより短波長側にシフトしている。
【0039】
浸漬した液体の屈折率と相関してスペクトルが変化する理由は、以下のように考えられる。テーパファイバ対11の径がウエスト部14に向かって細くなっているため、コア101を伝搬してきた光の一部がクラッド102に漏洩する。この漏洩光(クラッドモード)がウエスト部14から非テーパ部12を伝搬する際、クラッド102の被覆がないため、光の一部がこれらの液体中に浸みだす。その結果、モード間の干渉、結合が液体の屈折率の影響を受けるため変化すると考えられる。つまり、クラッド102と液体の間の屈折率の違いが、スペクトルの変化に影響を与える。
【0040】
図10は、図9で測定中心波長と記されている1538nmを中心波長とするブロードバンド光源を用いて、水、アセトン、エタノール、プロパノールの順番にセンサ部1を浸漬したとき得られる、反射光量変化を測定した時間変化の例を示す。図9のスペクトルから予想される通り、空気中で測定された光量に比べ、水への浸漬では光量が減少、アセトン、エタノール、プロパノールへの浸漬では、液体の屈折率に応じて光量が増加した。この結果から明らかなように、本実施例1のセンサ装置は、屈折率の異なる液体を判別する液体判別センサ、或いは、漏水、液漏れセンサ、或いは、液体の変質、混合などのプロセスモニター等に利用できる。
【0041】
次に、蒸気への暴露による変化を説明する。図11は、ビーカーに入れたアセトンが蒸発していくプロセスに伴う、反射スペクトルの変化を測定した例を示す。使用したセンサ部1は、前記液体への浸漬で使用したものと同一である。ビーカー内にアセトン液体が存在する最もアセトン蒸気濃度が高い状態からアセトン蒸気がビーカー内から無くなる状態までスペクトルが連続的に変化するのが分かる。この変化は、クラッドモードが非テーパ部12を伝搬する際、クラッド102の被覆がないため、クラッド102の接触する蒸気の屈折率の影響を受けたためと考えられる。
【0042】
図12は、図11中に測定中心波長と記されている、1538nmを中心波長とするブロードバンド光源を光源21に用いて、ビーカー内のアセトンが蒸発するプロセスと光量変化の関係を測定した時間変化の例を示す。アセトンの液体がビーカー内に存在している3分超までは光量は一定であるが、ビーカー内のアセトンの液体がなくなり、蒸気だけとなるとアセトン蒸気濃度の低下に応じて光量が増大し、アセトン蒸気が無くなると再び光量が一定となる。この結果から明らかなように、本実施例1の光ファイバセンサ装置は、液体だけでなく蒸気も感知するので、有機溶剤、石油類などの蒸留プロセスや気相反応プロセスなどをモニターするセンサとして利用できる。
【0043】
蒸気への暴露による変化の他の例として湿度による変化を説明する。使用したセンサ部1は、前記液体への浸漬及びアセトン蒸気の測定で使用したものと同一である。図13は、湿度変化に伴う反射光量の変化を測定した例である。温度は70℃で一定とした。湿度変化に対して単調な光量変化が得られており、本実施例1の光ファイバセンサ装置を湿度センサとして利用できるのは明らかである。
【0044】
次に、液体濃度による変化を説明する。図14は、プロパノールを水で希釈したときのプロパノール濃度と光量変化の関係を測定した例を示す。使用したセンサ部1は、前記液体への浸漬、アセトン蒸気の測定、湿度測定で使用したものと同一である。プロパノール濃度に対応した光量変化が得られており、本実施例1の光ファイバセンサ装置を液体濃度センサとして利用できるのは明らかである。
【0045】
本実施例1の光ファイバセンサ装置では、光源21として、ブロードバンド光源、或いはレーザを利用することができる。以下、ブロードバンド光源を用いた場合と、レーザを用いた場合の違いについて温度測定を例として説明する。
【0046】
図15は、ブロードバンド光源の1種である1300nm帯ASE光源の光をセンサ部1に入射させ、反射光スペクトルの温度変化を測定した例である。入射光のスペクトルは、図16に示すように、単峰性で、ピーク波長は1303nmである。反射スペクトルは、入射スペクトルに正弦関数を乗じた形状と予想されるが、実際に、予想通りの形状のスペクトル変化が得られている。
【0047】
図15では、スペクトルの面積が光量に相当する。図15から、スペクトル形状の変化と共に、スペクトル全体の光量が温度により変化していることが分かる。反射光量は、50℃から250℃まで単調に減少し、250℃と300℃の間で最小となり、更に高温では、逆に増加する様子が分かる。従って、この光源を用いた場合、反射光量を計測することにより、約250℃までの温度計測が可能であることが分かる。
【0048】
光源21をブロードバンド光源とする利点は、ノイズの少ない精度のよい測定が可能な点である。温度計測の例では基準温度に対して標準偏差0.4℃の精度で測定できた。精度のよい測定ができる主な理由は、ブロードバンド光源から発する光は位相が不揃いなインコヒーレント光であるので、干渉に起因するノイズが極めて小さいためと考えられる。本発明の光ファイバセンサ装置では、反射光を検出するので干渉に起因するノイズが発生しやすく、その防止対策として光源21をブロードバンド光源とするのは非常に有効である。
【0049】
図15で、波長1313nmの光に着目すると、50℃から300℃まで光強度が単調に減少している。従って、波長が1313nmのレーザ光を使用すれば、少なくとも300℃までの温度計測が可能と考えられる。
【0050】
図17は、1300nm帯ASE光源と波長1313nmの半導体レーザ(LD)を用いて、センサ部1からの反射光強度の温度変化を連続的に測定した例を示している。予想通り、1300nm帯ASE光源の場合には約250℃まで、1313nm半導体レーザの場合には約350℃まで、温度上昇に伴う単調な光強度変化が得られた。単調変化範囲内において、これら曲線は多項式で近似できるので、近似式を用いて受光器24の出力を演算処理回路25で温度に変換すれば、各々250℃、350℃まで測定できる温度センサ装置とすることができるのは明らかである。
1300nm帯ASE光源を使用した場合、光強度変化は約5.5dBで、1313nmLDを使用したときに得られる12dBの変化に比べれば変化量は小さいが、干渉に起因するノイズの少ない極めて高精度の測定ができるという利点がある。一方、1313nmLDを使用した場合、12dBもの大きな光強度変化が得られるのに加え、350℃の高温まで測定ができるという利点がある。ただし、コヒーレント光であるため干渉に起因するノイズの影響があり、温度測定精度は基準温度に対する標準偏差が±3℃とブロードバンド光源の場合に比較して劣る。また、これらの結果から、1310nm付近の光を、バンドパスフィルタによりASE光源から切り出して光源とすれば、大きな光強度変化が得られ、高温まで測定が可能で、且つ、干渉に起因するノイズの少ない高精度の測定ができると考えられる。
【実施例2】
【0051】
実施例1の構成で、温度、湿度、液体・蒸気の種類、濃度等を測定できることを説明したが、実施例1の構成では、温度以外の物理量を測定する際、温度変動よる光量変化が重畳するため正しい測定ができない。実施例2は、温度変化があっても温度以外の物理量を正しく測定できる構成を示す。
【0052】
図18は、本願発明の実施例2の光ファイバセンサ装置の構成概略図を示す。
【0053】
本実施例2は、温度測定のためのセンサ部1−1と、温度以外の物理量を測定するためのセンサ部1−2と、計測部2と、センサ部1−1、1−2と計測部2の間の伝送を行う伝送用ファイバ3−1、3−2から構成される。温度測定用のセンサ部1−1は、周囲物質の影響を受けないように金属、セラミックス等のコーティング層15で覆われるか、中空容器16に封入されている。一方、センサ部1−2における非テーパ部のクラッドガラスは被膜されていない状態で、周囲物質と接触できるようになっている。計測部2は、光源21、光分岐カプラ22−1〜22−3と、受光器24−1、24−2と、演算処理回路25から構成される。
【0054】
以下、本実施例2の動作を、図18を用いて説明する。光源21から発した測定光は、光分岐カプラ22−1により分岐され、光分岐カプラ22−2、22−3に入射される。光分岐カプラ22−2、22−3を出射した光は、伝送用光ファイバ3−1、3−2を経て、温度測定用のセンサ部1−1、温度以外の物理量を測定するためのセンサ部1−2に入射した後、反射器13で反射される。センサ部1−1、センサ部1−2からの反射光は、周期的スペクトルに変調され、かつ、温度、測定対象物理量の変化に応じた光強度となっている。反射光は、再度、伝送用光ファイバ3−1、3−2を経て、光カプラ22−2、22−3に入射し、受光器24−1、24−2で光量測定され、演算処理回路25へ光量データが送られる。演算処理回路25には、センサ部1−1の温度と反射光量の関係式及びセンサ部1−2の温度及び測定対象となる物理量変化と反射光量の関係式を予め入力しておく。そして、センサ部1−1で測定された温度により、センサ部1−2で発生した温度変化による光量変化の重畳分を補正する。このようにすれば、測定対象となる物理量変化を温度の影響を受けずにセンサ部1−2で正確に測定できる。
【0055】
本実施例2の構成は、センサ部1−2の温度補正機能だけでなく、新たなセンサ機能を生じる効果がある。以下、センサ部1−2を湿度センサとした場合について説明する。
【0056】
図18において、センサ部1−1の温度と反射光量の関係式及びセンサ部1−2の温度、湿度と反射光量変化の関係式を予め演算処理25に入力しておき、センサ部1−2の温度補正を行えば、当然、正確な湿度センサとなる。更に、センサ部1−2に水分が付着すると、既に図10で示したように、センサ部1−2は急激な光量変化を起こす。この変化を起こす温度をセンサ部1−1で測定すれば結露を検知できる。更に、付着した水分が凍結して氷となれば、センサ部1−2は、より低温で再度急激な光量変化を起こすので凍結を検知できる。即ち、本実施例2の構成とすることにより、湿度だけでなく、結露、凍結も検知できる従来にないセンサとなる。
【0057】
図18では、2個のセンサ部1−1、1−2を備えた構成を示したが、更に多くのセンサヘッドを備えた構成も当然可能である。この場合は、温度、湿度、液体・蒸気濃度などの同時モニター、或いは、複数箇所の同時モニターが可能な光ファイバセンサ装置となる。
【0058】
以上説明したように、本実施例の光ファイバセンサ装置では、センサ部1から戻る反射光が周期的スペクトルに変調され、この周期的スペクトルが温度、湿度、液体・蒸気の種類、濃度等よって変化する。そして、このスペクトル変化に伴い反射光の強度が変化するので、受光器24の出力を演算処理回路25により温度、湿度、液体・蒸気の種類、濃度等の検出すべき物理量に変換すれば検出対象を測定することができる。
【0059】
同一のセンサ部1で温度、湿度、液体・蒸気の種類、濃度等を検知できるため、演算処理回路25にこれら物理量に変換するデータを入力しておけば、1台の装置で温度、湿度、液体・蒸気の種類、濃度等を測定できる。
【0060】
テーパファイバ対11を市販の光ファイバ、融着接続器を用いて製造でき、計測も市販の光検出器を用いた光量測定であるため、安価な光ファイバセンサ装置となる。
【0061】
センサ部1が光ファイバと反射器13のみの簡易な構造であり、反射光測定のため入出力が1本の光ファイバでよく、極めて小型の光ファイバセンサヘッドとすることができる。温度センサ部1が小さいので、応答が早く、狭い部分の測定ができる。
【0062】
センサ部1を光ファイバと反射器13のみで構成できるため、反射器13の材質を、誘電体多層膜の場合には最外層が石英となるように、金属膜の場合には金、白金のような耐食性に優れた金属とすれば、ファイバ材質である石英と共に化学的、熱的安定性が非常に高い材質のみで構成でき、耐久性に優れたセンサヘッドとなる。
【0063】
テーパファイバ対11を異種ファイバの融着接続で作製することも可能で、この場合、同じファイバの接続より振幅の大きなスペクトルを得られる場合がある。
【0064】
反射器13を誘電体多層膜とすれば、センサ部1を全て非導電性材質で構成できるため、高周波環境下でも使用できるセンサとなる。
【0065】
センサ部1−1で温度、センサ部1−2で他の物理量を測定する構成により、センサ部1−2の温度補正を行えば、温度の影響を受けることのない正確な測定を行うことができる。
【0066】
センサ部1−1で温度、センサ部1−2で湿度を測定する構成にすることにより、湿度だけでなく、結露、凍結も検知できる従来にないセンサとなる。
【0067】
複数のセンサヘッドを備えた構成にすることにより、温度、湿度、液体・蒸気の種類、濃度等の同時モニター、或いは、複数箇所の同時モニターが可能な光ファイバセンサ装置となる。
【0068】
特定の実施例を参照して本発明を説明したが、特許請求の範囲に規定される本発明の技術的範囲を逸脱しないで、上述の実施例に種々の変更を加えることは、本発明の属する分野の技術者にとって自明であり、このような変更・修正も本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、温度、湿度、液体・蒸気の種類、濃度等を測定する様々なセンシング用途に用いることが出来る。
【符号の説明】
【0070】
1,1−1,1−2:センサ部
2:計測部
3,3−1,3−2:伝送用光ファイバ
11:テーパファイバ対
12:非テーパ部
13:反射器
14:ウエスト部
15:コーティング層
16:中空容器
21:光源
22,22−1〜22−3:光分岐カプラ
24,24−1,24−2:受光器
25:演算処理回路
101:コア
102:クラッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向するテーパファイバ対(11)、当該テーパファイバ対(11)の片側に連結した非テーパ部(12)、当該非テーパ部(12)の端面で測定光を反射する反射器(13)を具備したセンサ部(1)と、
当該センサ部(1)に供給すべき測定光を発生する発光手段(21)、当該センサ部(1)で強度変化を受けた反射光を受光する受光手段(24)、測定光を当該センサ部(1)に導き、当該センサ部(1)からの反射光を当該受光手段(24)に導く導光手段(22)、当該受光手段(24)の出力を検出すべき物理量に変換する演算処理回路(25)を具備した計測部(2)と、
当該センサ部(1)と当該計測部(2)の間の光伝送を行う伝送用光ファイバ(3)と、
を備えたことを特徴とする光ファイバセンサ装置。
【請求項2】
少なくとも当該非テーパ部(12)は、当該発光手段(21)の測定光をクラッドモードで伝播することを特徴とする請求項1記載の光ファイバセンサ装置。
【請求項3】
少なくとも当該非テーパ部(12)におけるクラッドの外周領域は、当該クラッドの屈折率よりも低屈折率状態となっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光ファイバセンサ装置。
【請求項4】
少なくとも当該非テーパ部(12)におけるクラッドの外周面は、周囲雰囲気に接するように露出していることを特徴とする請求項3に記載の光ファイバセンサ装置。
【請求項5】
少なくとも当該非テーパ部(12)におけるクラッドの外周面は、当該クラッドの屈折率よりも高屈折率となる材料によって被覆されていることを特徴とする請求項3に記載の光ファイバセンサ装置。
【請求項6】
当該テーパファイバ対(11)は、測定中の常時にて、当該発光手段(21)の測定光をコアからクラッドへ漏洩させることを特徴とする請求項1乃5のいずれかに記載の光ファイバセンサ装置。
【請求項7】
当該テーパファイバ対(11)の最も細い部分であるウエスト部(14)の外径が70μm以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の光ファイバセンサ装置。
【請求項8】
当該テーパファイバ対(11)の最も細い部分であるウエスト部(14)の外径が50μm以下であることを特徴とする請求項7に記載の光ファイバセンサ装置。
【請求項9】
当該テーパファイバ対(11)の最も細い部分であるウエスト部(14)の外径が30μm以上であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の光ファイバセンサ装置。
【請求項10】
当該非テーパファイバ部(12)の長さが20mm未満であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の光ファイバセンサ装置。
【請求項11】
当該センサ部(1)は、当該非テーパファイバ部(12)側が自由端となるように保持されることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の光ファイバセンサ装置。
【請求項12】
当該反射器(13)が誘電体多層膜であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の光ファイバセンサ装置。
【請求項13】
当該テーパファイバ対(11)が異種ファイバからなることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の光ファイバセンサ装置。
【請求項14】
当該センサ部(1)が金属で被覆されていることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の光ファイバセンサ装置。
【請求項15】
当該センサ部(1)が中空容器に封入されていることを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の光ファイバセンサ装置。
【請求項16】
当該発光手段(21)がブロードバンド光源であることを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載の光ファイバセンサ装置。
【請求項17】
当該発光手段(21)がブロードバンド光源から一部の波長帯を切り出した光であることを特徴とする請求項1乃至16のいずれかに記載の光ファイバセンサ装置。
【請求項18】
当該発光手段(21)が半導体レーザであることを特徴とする請求項1乃至17のいずれかに記載の光ファイバセンサ装置。
【請求項19】
当該センサ部(1)を液体に浸漬させたときの、反射光量と液体の種類の関係を当該演算処理回路(25)に入力しておき、浸漬させた液体の種類を判別するようにしたことを特徴とする請求項1乃至18のいずれかに記載の光ファイバセンサ装置。
【請求項20】
当該センサ部(1)を液体に浸漬させたときの、反射光量の急峻な変化を演算処理回路(25)で検出して、漏水、液漏れを検知するようにしたことを特徴とする請求項1乃至19のいずれかに記載の光ファイバセンサ装置。
【請求項21】
当該センサ部(1)を蒸気に暴露したときの、蒸気濃度と反射光量変化の関係を当該演算処理回路(25)に入力しておき、蒸気濃度を測定するようにしたことを特徴とする請求項1乃至20のいずれかに記載の光ファイバセンサ装置。
【請求項22】
当該センサ部(1)の湿度と反射光量変化の関係を当該演算処理回路(25)に入力しておき、湿度を測定するようにしたことを特徴とする請求項1乃至21のいずれかに記載の光ファイバセンサ装置。
【請求項23】
当該センサ部(1)の液体濃度と反射光量変化の関係を当該演算処理回路(25)に入力しておき、液体濃度を測定するようにしたことを特徴とする請求項1乃至22のいずれかに記載の光ファイバセンサ装置。
【請求項24】
当該センサ部(1)の温度、湿度、浸漬させた液体の種類、浸漬させた液体の濃度、蒸気濃度等と反射光量変化の関係のうち、複数の関係を当該演算処理回路(25)に入力しておき、複数の物理量を1本の当該センサ部(1)で測定するようにしたことを特徴とする請求項1乃至23のいずれかに記載の光ファイバセンサ装置。
【請求項25】
温度を測定する少なくとも1個のセンサ部(1−1)と、温度以外の物理量を測定する複数のセンサ部(1−2)と、当該複数のセンサ部(1−2)の温度特性データを予め入力しておいた当該演算処理回路(25)とを備え、当該複数のセンサ部(1−2)から戻る反射光量の温度変化相当分を補正するようにしたことを特徴とする請求項1乃至24のいずれかに記載の光ファイバセンサ装置。
【請求項26】
当該センサ部(1−1)の温度と反射光量の関係、当該センサ部(1−2)の湿度と反射光量の関係、水滴付着及び付着水の凍結に伴う反射光量の急激な変化のデータを当該演算処理回路(25)に入力しておき、温度、湿度、露点、凍結を測定するようにしたことを特徴とする請求項1乃至25のいずれかに記載の光ファイバセンサ装置。
【請求項27】
複数のセンサ部(1)を備えることにより、温度、湿度、液体・蒸気の種類、濃度等の同時モニター、或いは、複数箇所の同時モニターをするようにしたことを特徴とする請求項1乃至26のいずれかに記載の光ファイバセンサ装置。
【請求項28】
対向するテーパファイバ対(11)、当該テーパファイバ対(11)の片側に連結した非テーパ部(12)、当該非テーパ部(12)の端面で測定光を反射する反射器(13)を具備したセンサ部(1)に対して、伝送用光ファイバ(3)を用いて測定光を導入し、
当該テーパファイバ対(11)において、当該測定光の一部をコアからクラッド側へ漏洩させ、
少なくとも当該非テーパ部(12)において、当該漏洩光をクラッドモードで伝播させて当該反射器(13)によって反射させ、
当該センサ部(1)反射光の変化を、当該伝送用光ファイバ(3)を介して検出することにより、当該非テーパ部(12)の周囲環境の屈折率変化、又は、温度に依存する当該非テーパ部(12)自体の屈折率変化を検知することを特徴とする光ファイバを用いたセンシング方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−7767(P2011−7767A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−191569(P2009−191569)
【出願日】平成21年8月21日(2009.8.21)
【特許番号】特許第4597251号(P4597251)
【特許公報発行日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【出願人】(707001768)ファイバーラボ株式会社 (10)
【Fターム(参考)】