光マトリックスデバイスの製造方法
【課題】故障箇所を確実に除去することができ、製造歩留まりを向上させることができる光マトリックスデバイスの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】ステップS1ではゲート線を形成し、そのステップS1で形成されたゲート線の断線もしくは短絡を、ステップS2では上述したステップS1の直後で検査するので、ステップS2で断線もしくは短絡である故障箇所を確実に発見することができる。ステップS5ではデータ線を形成し、そのステップS5で形成されたデータ線の断線もしくは短絡を、ステップS6では上述したステップS5の直後で検査するので、ステップS6で断線もしくは短絡である故障箇所を確実に発見することができる。その結果、発見された故障箇所をステップS3、S7で確実に修復することができる
【解決手段】ステップS1ではゲート線を形成し、そのステップS1で形成されたゲート線の断線もしくは短絡を、ステップS2では上述したステップS1の直後で検査するので、ステップS2で断線もしくは短絡である故障箇所を確実に発見することができる。ステップS5ではデータ線を形成し、そのステップS5で形成されたデータ線の断線もしくは短絡を、ステップS6では上述したステップS5の直後で検査するので、ステップS6で断線もしくは短絡である故障箇所を確実に発見することができる。その結果、発見された故障箇所をステップS3、S7で確実に修復することができる
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、医療分野、工業分野、さらには原子力分野などに用いられる光マトリックスデバイスの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光マトリックスデバイスとして、大別すると、受光素子で構成されたデバイスおよび発光素子で構成されたデバイスがある。受光素子としては、光撮像センサや、医療分野や、非破壊検査、RI(Radio Isotope)検査を含む産業分野などに用いられる放射線撮像センサなどがある。発光素子としては、テレビジョンやパーソナルコンピュータのモニタとして用いられる薄型画像ディスプレイなどがある。なお、本明細書中では、光は、広義に放射線も含んでいる。
【0003】
放射線撮像センサとしてX線検出器を例に採って説明する。X線検出器はX線感応型のX線変換層(変換層)を備えており、X線の入射によりX線変換層はキャリア(電荷情報)に変換し、その変換されたキャリアを読み出すことでX線を検出する。X線変換層としては非晶質のアモルファスセレン(a−Se)膜が用いられる。
【0004】
被検体にX線を照射して放射線撮像を行う場合には、被検体を透過した放射線像がアモルファスセレン膜上に投影されて、像の濃淡に比例したキャリアが膜内に発生する。その後、膜内で生成されたキャリアが、2次元マトリックス状に配列されたキャリア収集電極に収集されて、所定時間(『蓄積時間』とも呼ばれる)分だけ積分された後、薄膜トランジスタを経由して外部に読み出される。
【0005】
このようなX線検出器を製造するには、2次元マトリックス状に配列された薄膜トランジスタからなるスイッチング素子や上述したキャリア収集電極などをパターン形成したガラス基板(絶縁基板)上に、アモルファスセレン膜を蒸着することで得られる。
【0006】
ところで、X線検出器などに代表される光マトリックスデバイスには、縦横に走る細長い配線(アドレス信号線やデータ信号線)が必要である。これらは、その製造過程において、往々にして断線・短絡する場合がある。したがって、断線・短絡のような故障箇所を検査する検査工程が設けられており、その検査工程で故障箇所を発見した場合には、その故障箇所を修復する(例えば、特許文献1〜3参照)。検査としては、例えば顕微鏡による目視検査や、配線に接続された端子に電気信号を送り込むことによる電気的な検査などがあり、修復としては、例えばレーザ照射によって冗長回路を溶融・接続することによる断線配線の接続や、レーザ照射による短絡配線の切断や、電圧印加によって絶縁膜を導電性に変えることによる断線配線の接続などがある。
【0007】
一方、上述したように、X線検出器などに代表される光マトリックスデバイスは蒸着等によって主に製造され、通常は真空中などの環境下で製造される。そして、最終的には保護層によって配線やパターン等を覆うことで大気中に取り出すことができる。したがって、かかる検査を行う場合には、保護層を覆って最終的に製造した後でないと、その断線もしくは短絡を発見することができず、修復することができない。なお、保護層に開口部(コンタクト)を設け、その開口部を介して検査を行う。
【特許文献1】特開平11−233746号公報
【特許文献2】特開平09−311646号公報
【特許文献3】特開2002−100753号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、かかる従来方法では、全ての故障パターンが網羅されるわけでなく、製造歩留まり低下はさほど改善されない。例えば、上述した開口部を介して検査を行うと、開口部以外の箇所で故障がある場合には、その故障箇所を発見することができず、修復することもできない。
【0009】
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、故障箇所を確実に除去することができ、製造歩留まりを向上させることができる光マトリックスデバイスの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、光に関する素子を2次元マトリックス状に配列して構成された光マトリックスデバイスを製造する方法であって、前記各素子のアドレス位置を指定制御するアドレス信号線を形成する第1の配線形成工程と、その第1の配線形成工程で形成された前記アドレス信号線の断線もしくは短絡を前記第1の配線形成工程の直後で検査する第1の検査工程と、その第1の検査工程で発見された断線もしくは短絡である故障箇所を修復する第1の修復工程と、前記アドレス信号線の後に形成されるべき所定の形成部分を前記第1の修復工程の後で形成する第1の後形成工程とを備えることを特徴とするものである。
【0011】
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、第1の配線形成工程では、各素子のアドレス位置を指定制御するアドレス信号線を形成し、その第1の配線形成工程で形成されたアドレス信号線の断線もしくは短絡を、第1の検査工程では上述した第1の配線形成工程の直後で検査する。したがって、第1の検査工程で断線もしくは短絡である故障箇所を確実に発見することができる。そして、発見された故障箇所を第1の修復工程で確実に修復することができる。そして、アドレス信号線の後に形成されるべき所定の形成部分を、第1の後形成工程では上述した第1の修復工程の後で形成する。その結果、故障箇所を確実に除去することができ、製造歩留まりを向上させることができる。
【0012】
また、請求項2に記載の発明は、光に関する素子を2次元マトリックス状に配列して構成された光マトリックスデバイスを製造する方法であって、前記各素子のデータ位置を指定制御するデータ信号線を形成する第2の配線形成工程と、その第2の配線形成工程で形成された前記データ信号線の断線もしくは短絡を前記第2の配線形成工程の直後で検査する第2の検査工程と、その第2の検査工程で発見された断線もしくは短絡である故障箇所を修復する第2の修復工程と、前記データ信号線の後に形成されるべき所定の形成部分を前記第2の修復工程の後で形成する第2の後形成工程とを備えることを特徴とするものである。
【0013】
[作用・効果]請求項2に記載の発明によれば、第2の配線形成工程では、各素子のデータ位置を指定制御するデータ信号線を形成し、その第2の配線形成工程で形成されたデータ信号線の断線もしくは短絡を、第2の検査工程では上述した第2の配線形成工程の直後で検査する。したがって、第2の検査工程で断線もしくは短絡である故障箇所を確実に発見することができる。そして、発見された故障箇所を第2の修復工程で確実に修復することができる。そして、データ信号線の後に形成されるべき所定の形成部分を、第2の後形成工程では上述した第2の修復工程の後で形成する。その結果、故障箇所を確実に除去することができ、製造歩留まりを向上させることができる。
【0014】
上述したアドレス信号線の断線もしくは短絡を検査する前者の発明(請求項1に記載の発明)と、上述したデータ信号線の断線もしくは短絡を検査する後者の発明(請求項2に記載の発明)とを組み合わせてもよい。
すなわち、請求項1に記載の光マトリックスデバイスの製造方法において、前記各素子のデータ位置を指定制御するデータ信号線を形成する第2の配線形成工程と、その第2の配線形成工程で形成された前記データ信号線の断線もしくは短絡を前記第2の配線形成工程の直後で検査する第2の検査工程と、その第2の検査工程で発見された断線もしくは短絡である故障箇所を修復する第2の修復工程と、前記データ信号線の後に形成されるべき所定の形成部分を前記第2の修復工程の後で形成する第2の後形成工程とを備えることを特徴とするものである(請求項3に記載の発明)。
【0015】
[作用・効果]請求項3に記載の発明によれば、第1の配線形成工程では、各素子のアドレス位置を指定制御するアドレス信号線を形成し、その第1の配線形成工程で形成されたアドレス信号線の断線もしくは短絡を、第1の検査工程では上述した第1の配線形成工程の直後で検査する。したがって、第1の検査工程で断線もしくは短絡である故障箇所を確実に発見することができる。そして、発見された故障箇所を第1の修復工程で確実に修復することができる。そして、アドレス信号線の後に形成されるべき所定の形成部分を、第1の後形成工程では上述した第1の修復工程の後で形成する。
一方で、第2の配線形成工程では、各素子のデータ位置を指定制御するデータ信号線を形成し、その第2の配線形成工程で形成されたデータ信号線の断線もしくは短絡を、第2の検査工程では上述した第2の配線形成工程の直後で検査する。したがって、第2の検査工程で断線もしくは短絡である故障箇所を確実に発見することができる。そして、発見された故障箇所を第2の修復工程で確実に修復することができる。そして、データ信号線の後に形成されるべき所定の形成部分を、第2の後形成工程では上述した第2の修復工程の後で形成する。
その結果、故障箇所を確実に除去することができ、製造歩留まりを向上させることができる。
【0016】
上述した請求項3では、各アドレス信号線の断線もしくは短絡、各データ信号線の断線もしくは短絡を検査して修復する発明であったが、下記の請求項4のように、アドレス信号線・データ信号線にまたがる故障箇所を検査して修復する場合には、以下のようになる。
【0017】
請求項4に記載の発明は、光に関する素子を2次元マトリックス状に配列して構成された光マトリックスデバイスを製造する方法であって、前記各素子のアドレス位置を指定制御するアドレス信号線と前記各素子のデータ位置を指定制御するデータ信号線とを、絶縁膜を介してそれぞれ形成する第3の配線形成工程と、その第3の配線形成工程で形成された前記アドレス信号線・前記データ信号線間の絶縁もしくは短絡を前記第3の配線形成工程の直後で検査する第3の検査工程と、その第3の検査工程で発見された絶縁もしくは短絡である故障箇所を修復する第3の修復工程と、前記アドレス信号線・前記データ信号線の後に形成されるべき所定の形成部分を前記第3の修復工程の後で形成する第3の後形成工程とを備えることを特徴とするものである。
【0018】
[作用・効果]請求項4に記載の発明によれば、第3の配線形成工程では、各素子のアドレス位置を指定制御するアドレス信号線と各素子のデータ位置を指定制御するデータ信号線とを、絶縁膜を介してそれぞれ形成し、その第3の配線形成工程で形成されたアドレス信号線・前記データ信号線間の絶縁もしくは短絡を、第3の検査工程では上述した第3の配線形成工程の直後で検査する。したがって、第3の検査工程で絶縁もしくは短絡である故障箇所を確実に発見することができる。そして、発見された故障箇所を第3の修復工程で確実に修復することができる。そして、アドレス信号線・データ信号線の後に形成されるべき所定の形成部分を、第3の後形成工程では上述した第3の修復工程の後で形成する。その結果、故障箇所を確実に除去することができ、製造歩留まりを向上させることができる。
【0019】
上述したこれらの発明では、デバイスの少なくとも一部を印刷塗布製膜によって形成する場合に有用である(請求項5に記載の発明)。印刷塗布製膜の場合には大気中でデバイスの少なくとも一部を形成することが可能なので、第1の配線形成工程の直後で第1の検査工程での検査を、第2の配線形成工程の直後で第2の検査工程での検査を、あるいは第3の配線形成工程の直後で第3の検査工程での検査を行うことが可能で、光マトリックスデバイスを製造する工程で、その効果を発揮することができる。
【0020】
特に、請求項1や請求項3や請求項4のようにアドレス信号線を形成する場合には、アドレス信号線の少なくとも一部を印刷塗布製膜によって形成する(請求項6に記載の発明)と、大気中でアドレス信号線の少なくとも一部を形成することが可能なので、第1の配線形成工程の直後で第1の検査工程での検査を、あるいは第3の配線形成工程の直後で第3の検査工程での検査を行うことが可能で、光マトリックスデバイスを製造する工程で、その効果を発揮することができる。
【0021】
また、請求項2や請求項3や請求項4のようにデータ信号線を形成する場合には、データ信号線の少なくとも一部を印刷塗布製膜によって形成する(請求項7に記載の発明)と、大気中でデータ信号線の少なくとも一部を形成することが可能なので、第2の配線形成工程の直後で第2の検査工程での検査を、あるいは第3の配線形成工程の直後で第3の検査工程での検査を行うことが可能で、光マトリックスデバイスを製造する工程で、その効果を発揮することができる。
【0022】
また、請求項3や請求項4のようにアドレス信号線およびデータ信号線を形成する場合には、アドレス信号線、データ信号線のうちの少なくともいずれか一方の信号線の少なくとも一部を印刷塗布製膜によって形成する(請求項8に記載の発明)と、大気中でアドレス/データ信号線の少なくとも一部を形成することが可能なので、第1の配線形成工程の直後で第1の検査工程での検査を、第2の配線形成工程の直後で第2の検査工程での検査を、あるいは第3の配線形成工程の直後で第3の検査工程での検査を行うことが可能で、光マトリックスデバイスを製造する工程で、その効果を発揮することができる。
【0023】
上述したこれらの発明において、上述した光に関する素子の一例は受光素子である(請求項9に記載の発明)。受光素子の場合には、データ信号線は、受光によって検出された信号を読み出すための読み出し信号線となり、アドレス信号線は、その読み出しを制御するための読み出し制御線となる。上述したこれらの発明において、上述した光に関する素子の他の一例は発光素子である(請求項10に記載の発明)。
【0024】
上述したこれらの発明において、上述したデバイスの一例はアクティブマトリックスデバイスである(請求項11に記載の発明)。上述したデバイスの他の一例はパッシブマトリックスデバイスである(請求項12に記載の発明)。
【0025】
光は上述したように放射線を含んでいる。したがって、光は放射線であってもよいし(請求項13に記載の発明)、放射線以外の赤外線、可視光線、紫外線であってもよい。光が放射線の場合には、請求項9のような受光素子を2次元マトリックス状に配列して構成された光マトリックスデバイスは、マトリックス放射線検出器となり、さらに請求項11のようなアクティブマトリックスデバイスでは、アクティブマトリックス放射線検出器となる。
【発明の効果】
【0026】
この発明に係る光マトリックスデバイスの製造方法によれば、第1の配線形成工程では、各素子のアドレス位置を指定制御するアドレス信号線を形成し、その第1の配線形成工程で形成されたアドレス信号線の断線もしくは短絡を、第1の検査工程では上述した第1の配線形成工程の直後で検査するので、第1の検査工程で断線もしくは短絡である故障箇所を確実に発見することができ、発見された故障箇所を第1の修復工程で確実に修復することができる(請求項1に記載の発明)。
あるいは、第2の配線形成工程では、各素子のデータ位置を指定制御するデータ信号線を形成し、その第2の配線形成工程で形成されたデータ信号線の断線もしくは短絡を、第2の検査工程では上述した第2の配線形成工程の直後で検査するので、第2の検査工程で断線もしくは短絡である故障箇所を確実に発見することができ、発見された故障箇所を第2の修復工程で確実に修復することができる(請求項2に記載の発明)。
あるいは、第3の配線形成工程では、各素子のアドレス位置を指定制御するアドレス信号線と各素子のデータ位置を指定制御するデータ信号線とを、絶縁膜を介してそれぞれ形成し、その第3の配線形成工程で形成されたアドレス信号線・前記データ信号線間の絶縁もしくは短絡を、第3の検査工程では上述した第3の配線形成工程の直後で検査するので、第3の検査工程で絶縁もしくは短絡である故障箇所を確実に発見することができ、発見された故障箇所を第3の修復工程で確実に修復することができる(請求項3に記載の発明)。
その結果、故障箇所を確実に除去することができ、製造歩留まりを向上させることができる。
【実施例】
【0027】
以下、図面を参照してこの発明の実施例を説明する。
図1は、実施例に係るX線透視撮影装置のブロック図であり、図2は、X線透視撮影装置に用いられている側面視したフラットパネル型X線検出器の等価回路であり、図3は、平面視したフラットパネル型X線検出器の等価回路である。本実施例では、光マトリックスデバイスとして受光素子で構成されたデバイスを例に採り、受光素子で構成されたデバイスとしてフラットパネル型X線検出器(以下、適宜「FPD」という)を例に採る。
【0028】
本実施例に係るX線透視撮影装置は、図1に示すように、被検体Mを載置する天板1と、その被検体Mに向けてX線を照射するX線管2と、被検体Mを透過したX線を検出するFPD3とを備えている。FPD3は、この発明における光マトリックスデバイスに相当する。
【0029】
X線透視撮影装置は、他に、天板1の昇降および水平移動を制御する天板制御部4や、FPD3の走査を制御するFPD制御部5や、X線管2の管電圧や管電流を発生させる高電圧発生部6を有するX線管制御部7や、FPD3から電荷信号であるX線検出信号をディジタル化して取り出すA/D変換器8や、A/D変換器8から出力されたX線検出信号に基づいて種々の処理を行う画像処理部9や、これらの各構成部を統括するコントローラ10や、処理された画像などを記憶するメモリ部11や、オペレータが入力設定を行う入力部12や、処理された画像などを表示するモニタ13などを備えている。
【0030】
天板制御部4は、天板1を水平移動させて被検体Mを撮像位置にまで収容したり、昇降、回転および水平移動させて被検体Mを所望の位置に設定したり、水平移動させながら撮像を行ったり、撮像終了後に水平移動させて撮像位置から退避させる制御などを行う。FPD制御部5は、FPD3を水平移動させたり、被検体Mの体軸の軸心周りに回転移動させることによる走査に関する制御などを行う。高電圧発生部6は、X線を照射させるための管電圧や管電流を発生してX線管2に与え、X線管制御部7は、X線管2を水平移動させたり、被検体Mの体軸の軸心周りに回転移動させることによる走査に関する制御や、X線管3側のコリメータ(図示省略)の照視野の設定の制御などを行う。なお、X線管2やFPD3の走査の際には、X線管2から照射されたX線をFPD3が検出できるようにX線管2およびFPD3が互いに対向しながらそれぞれの移動を行う。
【0031】
コントローラ10は、中央演算処理装置(CPU)などで構成されており、メモリ部11は、ROM(Read-only Memory)やRAM(Random-Access Memory)などに代表される記憶媒体などで構成されている。また、入力部12は、マウスやキーボードやジョイスティックやトラックボールやタッチパネルなどに代表されるポインティングデバイスで構成されている。X線透視撮影装置では、被検体Mを透過したX線をFPD3が検出して、検出されたX線に基づいて画像処理部9で画像処理を行うことで被検体Mの撮像を行う。
【0032】
FPD3は、図2に示すように、X線などの放射線が入射することによりキャリアが生成される放射線感応型の半導体厚膜31と、半導体厚膜31の表面に設けられた電圧印加電極32と、半導体厚膜31の放射線入射側とは反対側にある裏面に設けられたキャリア収集電極33と、キャリア収集電極33への収集キャリアを溜める電荷蓄積用のコンデンサCaと、コンデンサCaに蓄積された電荷を取り出すための通常時OFF(遮断)の電荷取り出し用のスイッチ素子である薄膜トランジスタ(TFT)Trとを備えている。本実施例では、半導体厚膜31は放射線の入射によりキャリアが生成される放射線感応型の物質、例えばアモルファスセレンで形成されているが、光の入射によりキャリアが生成される光感応型の物質であってもよい。
【0033】
この他に、本実施例では、薄膜トランジスタTrのソースに接続されているデータ線34と、薄膜トランジスタTrのゲートに接続されているゲート線35とを備えており、電圧印加電極32,半導体厚膜31,キャリア収集電極33,コンデンサCa,薄膜トランジスタTr,データ線34およびゲート線35が絶縁基板36の上に積層されて構成されている。キャリア収集電極33,コンデンサCa,薄膜トランジスタTr,データ線34およびゲート線35で、読み出しパターンを構成する。データ線34は、この発明におけるデータ信号線に相当し、ゲート線35は、この発明におけるアドレス信号線に相当する。
【0034】
図2、図3に示すように、縦・横式2次元マトリックス状配列で多数個(例えば、1024個×1024個や4096×4096個)形成されたキャリア収集電極33ごとに、上述した各々のコンデンサCaおよび薄膜トランジスタTrがそれぞれ接続されており、それらキャリア収集電極33,コンデンサCa,および薄膜トランジスタTrが各検出素子DUとしてそれぞれ分離形成されている。また、電圧印加電極32は、全検出素子DUの共通電極として全面にわたって形成されている。また、上述したデータ線34は、図3に示すように、横(X)方向に複数本に並列されているとともに、上述したゲート線35は、図3に示すように、縦(Y)方向に複数本に並列されており、各々のデータ線34およびゲート線35は各検出素子DUに接続されている。また、データ線34はアンプアレイ回路37に接続されており、ゲート線35はゲートドライバ回路38に接続されている。なお、2次元マトリックス状配列であれば、検出素子DUの配列個数は上述の1024個×1024個や4096×4096個だけでなく、実施形態に応じて配列個数を変更して使用することができる。検出素子DUは、この発明における光に関する素子に相当し、この発明における受光素子にも相当する。
【0035】
検出素子DUは2次元マトリックス状配列で絶縁基板36にパターン形成されており、検出素子DUがパターン形成された絶縁基板36は『アクティブ・マトリックス基板』とも呼ばれている。
【0036】
続いて、本実施例に係るX線透視撮影装置およびフラットパネル型X線検出器(FPD)の作用について説明する。電圧印加電極32に高電圧(例えば数100V〜数10kV程度)のバイアス電圧VAを印加した状態で、検出対象である放射線を入射させる。このバイアス電圧VAの印加の制御についてもFPD制御部5から行う。
【0037】
放射線の入射によってキャリアが生成されて、そのキャリアが電荷情報として電荷蓄積用のコンデンサCaに蓄積される。ゲートドライバ回路38の信号取り出し用の走査信号(すなわちゲート駆動信号)によって、ゲート線35が選択されて、さらに選択されたゲート線35に接続されている検出素子DUが選択指定される。その指定された検出素子DUのコンデンサCaに蓄積された電荷が、選択されたゲート線35の信号によってON状態に移行した薄膜トランジスタTrを経由して、データ線34に読み出される。
【0038】
また、各検出素子DUのアドレス(番地)指定は、データ線34およびゲート線35の信号取り出し用の走査信号(ゲート線35の場合にはゲート駆動信号、データ線34の場合にはアンプ駆動信号)に基づいて行われる。アンプアレイ回路37やゲートドライバ回路38に信号取り出し用の走査信号が送り込まれると、ゲートドライバ回路38から縦(Y)方向の走査信号(ゲート駆動信号)に従って各検出素子DUが選択される。そして、横(X)方向の走査信号(アンプ駆動信号)に従ってアンプアレイ回路37が切り換えられることによって、選択された検出素子DUのコンデンサCaに蓄積された電荷が、データ線34を介してアンプアレイ回路37に送り出される。そして、アンプアレイ回路37で増幅されて、X線検出信号としてアンプアレイ回路37から出力されてA/D変換器8に送り込まれる。A/D変換器8は、FPD3からの電荷信号であるX線検出信号をディジタル化して取り出す。
【0039】
上述の動作によって、例えばX線透視撮影装置の透視X線像の検出に本実施例に係るFPD3を用いた場合、データ線34を介して外部に読み出された電荷情報(X線検出信号)が画像情報に変換されて、X線透視画像として出力される。
【0040】
上述した説明から明らかなように、FPD3において、データ線34は、各素子のデータ位置を指定制御するデータ信号線であって、本実施例のように光に関する素子が検出素子DU(すなわち受光素子)の場合には、受光(本実施例では放射線の検出)によって検出された信号(本実施例ではX線検出信号)を読み出すための読み出し信号線となる。また、FPD3において、ゲート線35は、各素子のアドレス位置を指定制御するアドレス信号線であって、本実施例のように光に関する素子が検出素子DU(すなわち受光素子)の場合には、その読み出しを制御するための読み出し制御線となる。このような薄膜トランジスタTrなどの能動素子を備えることで、FPD3はアクティブマトリックスデバイスとなる。
【0041】
次に、FPD3の製造方法について、図4〜図13を参照して説明する。図4は、実施例に係る一連の製造工程の流れを示すフローチャートであり、図5(a)〜図10(a)は、実施例に係るフラットパネル型X線検出器(FPD)の製造工程を示す概略平面図であり、図5(b)〜図10(b)は、図5(a)〜図10(a)のA−A矢視断面図であり、図11、図12は、実施例に係るフラットパネル型X線検出器(FPD)の製造工程を示す概略断面図であり、図13は、図4とは別の一連の製造工程の流れを示すフローチャートである。
【0042】
図4に示すようにゲート線35を形成する(ステップS1)。具体的には、先ず、図5(a)および図5(b)に示すように、ガラスで形成された絶縁基板36に上述したゲート線35およびグランド線(接地線)41を積層形成する。なお、ゲート線35の形成は、ゲート線35のグランド線41やその他のバイアス線(例えば冗長回路)の形成も含む。このゲート線35およびグランド線41の形成は、この発明における第1の配線形成工程に相当する。
【0043】
形成されたゲート線35(グランド線41も含む)の断線もしくは短絡をステップS1の直後で検査する(ステップS2)。断線の検査はゲート線35の配線両端の抵抗値を直接に測定する、あるいはゲート線35に接続された端子に電気信号を送り込むことによる電気的なものであってもよいし、光学顕微鏡等により目視で画像認識を行うものであってもよい。短絡の検査も、互いに隣接するゲート線35の間/ゲート線35・グランド線41の間の抵抗値を直接に測定する、あるいはゲート線35・グランド線41に接続された端子に電気信号を送り込むことによる電気的なものであってもよいし、光学顕微鏡等により目視で画像認識を行うものであってもよい。なお、ゲート線35の検査も、ゲート線35の形成と同様に、ゲート線35のグランド線41やその他のバイアス線(例えば冗長回路)の検査も含む。このゲート線35の検査は、この発明における第1の検査工程に相当する。
【0044】
もし、ステップS2でゲート線35の断線もしくは短絡を発見したら、その発見された断線もしくは短絡である故障箇所を修復する(ステップS3)。修復は、レーザ照射によって冗長回路を溶融・接続することによる断線配線の接続であってもよいし、レーザ照射による短絡配線の切断であってもよいし、電圧印加によって絶縁膜を導電性に変えることによる断線配線の接続であってもよい。なお、ゲート線35の修復も、ゲート線35の形成や検査と同様に、ゲート線35のグランド線41やその他のバイアス線(例えば冗長回路)の修復も含む。このゲート線35の修復は、この発明における第1の修復工程に相当する。
【0045】
ゲート線35の形成(ステップS1)、検査(ステップS2)、修復(ステップS3)の後に、ゲート線35の後に形成されるべき所定の形成部分を形成する(ステップS4)。具体的には、図6(a)および図6(b)に示すように、ゲート線35およびグランド線41とともに、絶縁基板36に絶縁膜42を積層形成する。そして、図7(a)および図7(b)に示すように、絶縁膜42を挟んでゲート線35の対向位置の一部にゲートチャンネル43を形成する。
【0046】
図8(a)および図8(b)に示すように、水平面内においてこのゲートチャンネル43を挟んで上述したキャリア収集電極33および上述したデータ線34(ステップS5)を絶縁膜42に積層形成する。キャリア収集電極33は、絶縁膜42を挟んでグランド線41に対向するように積層形成する。データ線34を除く、絶縁膜42、ゲートチャンネル43およびキャリア収集電極33は、ゲート線35の後に形成されるべき所定の形成部分でもある。したがって、絶縁膜42、ゲートチャンネル43およびキャリア収集電極33は、この発明における形成されるべき所定の形成部分に相当する。これらの絶縁膜42、ゲートチャンネル43およびキャリア収集電極33の形成は、この発明における第1の後形成工程に相当する。なお、データ線34の形成は、データ線34のグランド線(接地線)(図示省略)やその他のバイアス線(例えば冗長回路)の形成も含む。このデータ線34の形成は、この発明における第2の配線形成工程に相当する。
【0047】
また、ステップS1でゲート線35を形成し、ステップS4で絶縁膜42を形成し、ステップS5でデータ線34を形成することで、データ線34とゲート線35とを絶縁膜51を介してそれぞれ形成することになる。したがって、ステップS1,S4,S5は、この発明における第3の配線形成工程に相当する。
【0048】
なお、ゲートチャンネル43に対向したゲート線35の一部分と、データ線34のゲートチャンネル43側の部分と、ゲートチャンネル43と、キャリア収集電極33のゲートチャンネル43側の部分と、ゲート線35/データ線34・ゲートチャンネル43・キャリア収集電極33間に介在する絶縁膜42とで、図9に示すように薄膜トランジスタTrを構成する。また、キャリア収集電極33と、それに対向したグランド線41、キャリア収集電極33/グランド線41間に介在する絶縁膜42とで、図9に示すようにコンデンサCaを構成する。
【0049】
形成されたデータ線34の断線もしくは短絡をステップS5の直後で検査するとともに、形成されたゲート線35・データ線34間の絶縁もしくは短絡をステップS5の直後で検査する(ステップS6)。断線の検査は、データ線34の配線両端の抵抗値を直接に測定する、あるいはデータ線34に接続された端子に電気信号を送り込むことによる電気的なものであってもよいし、光学顕微鏡等により目視で画像認識を行うものであってもよい。短絡の検査も、互いに隣接するデータ線34の間/データ線34・グランド線(図示省略)の間の抵抗値を直接に測定する、あるいはデータ線34・グランド線に接続された端子に電気信号を送り込むことによる電気的なものであってもよいし、光学顕微鏡等により目視で画像認識を行うものであってもよい。また、ゲート線35・データ線34間の絶縁もしくは短絡の検査は、ゲート線35・データ線34の抵抗値を直接に測定する、あるいはゲート線35・データ線34に接続された端子に電気信号を送り込むことによる電気的なものであってもよいし、光学顕微鏡により目視で画像認識を行うものであってもよい。通常、ゲート線35・データ線34間は絶縁されているが、特殊な構造によってゲート線35・データ線34間が電気的に接続されている場合において、ゲート線35・データ線34間の絶縁の検査を行ってもよい。なお、データ線34の検査も、データ線34の形成と同様に、データ線34のグランド線やその他のバイアス線(例えば冗長回路)の検査も含む。このデータ線34の検査は、この発明における第2の検査工程に相当し、ゲート線35・データ線34間の検査は、この発明における第3の検査工程に相当する。
【0050】
もし、ステップS6でデータ線34の断線もしくは短絡を発見したら、あるいはゲート線35・データ線34間の絶縁もしくは短絡を発見したら、その発見された断線もしくは短絡、あるいは絶縁もしくは短絡である故障箇所を修復する(ステップS7)。修復は、ゲート線35の修復と同様に、レーザ照射によって冗長回路を溶融・接続することによる断線配線の接続であってもよいし、レーザ照射による短絡配線の切断であってもよいし、電圧印加によって絶縁膜を導電性に変えることによる断線配線の接続であってもよい。なお、データ線34の修復も、データ線34の形成や検査と同様に、データ線34のグランド線やその他のバイアス線(例えば冗長回路)の修復も含む。このデータ線34の修復は、この発明における第2の修復工程に相当し、この発明における第3の修復工程にも相当する。
【0051】
データ線34の形成(ステップS5)、検査(ステップS6)、修復(ステップS7)の後に、データ線34の後に形成されるべき所定の形成部分を形成する(ステップS8)。具体的には、図10(a)および図10(b)に示すように、キャリア収集電極33、データ線34およびゲートチャンネル43とともに、絶縁膜42に絶縁膜44を積層形成する。上述した半導体厚膜31(図2や後述する図11、図12を参照)によって生成されたキャリアをキャリア収集電極33に収集するために、半導体厚膜31に直接に接触すべくキャリア収集電極33の大部分には絶縁膜44を積層形成せずに、キャリア収集電極33の周囲のみを絶縁膜44を積層形成する。すなわち、キャリア収集電極33の部分を開口するように絶縁膜44を積層形成する。そして、図11に示すように、キャリア収集電極33に直接に接触するように絶縁膜44に半導体厚膜31を積層形成する。
【0052】
図12に示すように、上述した電圧印加電極32を半導体厚膜31に積層形成する。絶縁膜44、半導体厚膜31および電圧印加電極32は、データ線34の後に形成されるべき所定の形成部分でもある。したがって、絶縁膜44、半導体厚膜31および電圧印加電極32は、この発明における形成されるべき所定の形成部分に相当する。これらの絶縁膜44、半導体厚膜31および電圧印加電極32の形成は、この発明における第2の後形成工程に相当し、第3の後形成工程にも相当する。
【0053】
保護層(図示省略)を電圧印加電極32に積層形成することで、キャリア収集電極33,コンデンサCa,薄膜トランジスタTr,データ線34およびゲート線35で構成された読み出しパターンを有したFPD3の一連の製造を終了する。
【0054】
これらの読み出しパターンの形成については、蒸着を採用してもよいが、大気中で積層形成して、簡易に、かつ薄く製造するのであれば印刷塗布製膜を採用するのがより好ましい。印刷塗布製膜は、転写であってもよいし、インクジェット法であってもよい。もちろん、印刷塗布製膜以外の手法として、蒸着やスピンコートや電解メッキやスパッタリングなどのフォトリソグラフィ法によるパターン技術を採用して積層形成してもよいし、印刷塗布製膜(転写やインクジェット法)を採用して積層形成してもよいし、印刷塗布製膜以外の手法と印刷塗布製膜とを組み合わせて積層形成してもよい。
【0055】
読み出しパターンを形成する絶縁基板36は、上述したガラスに限定されず、プラスチックなどであってもよい。また、読み出しパターンを形成する基板は、本実施例では絶縁基板36としたが、これに限定されない。例えば、ステンレス鋼などの金属であってもよい。絶縁膜42,44を形成する絶縁体については、ポリイミドやポリビニルフェノールなどの有機物であってもよいし、無機物であってもよい。
【0056】
ゲート線35、グランド線41、キャリア収集電極33、データ線34および電圧印加電極32を形成する導電体については、銀ペースト等の金属であってもよいし、無機物からなる薄膜(例えばITOなどの透明電極)や、PEDOT(ポリチオフェン系)やPPV(ポリフェニレンビニレン)などに代表される高導電性の有機物からなる薄膜であってもよい。ゲートチャンネル43を形成する半導体については、ペンタセンなどの有機物からなる有機半導体であってもよいし、低温ポリシリコンあるいは半導体厚膜31でも述べたようにアモルファスセレンなどの無機物からなる無機半導体であってもよい。逆に、半導体厚膜31を形成する半導体についても、上述したアモルファスセレン以外に、放射線の入射によりキャリアが生成される放射線感応型の物質、あるいは光の入射によりキャリアが生成される光感応型の物質であれば、有機半導体であってもよい。
【0057】
このように、キャリア収集電極33,コンデンサCa,薄膜トランジスタTr,データ線34およびゲート線35から構成される読み出しパターンについて、読み出しパターンの全てを有機薄膜で積層形成してもよいし、読み出しパターンの少なくとも一部を有機薄膜で積層形成してもよいし、読み出しパターンを無機物で積層形成してもよい。有機薄膜の中でも、ペンタセンやナフタセンなどの単結晶に代表される有機低分子(本実施例ではゲートチャンネル43をペンタセンで形成)と、有機高分子(本実施例ではPEDOT(ポリチオフェン系)やPPV(ポリフェニレンビニレン)など)とがあり、両者のうちのいずれかを選択することで具体的な積層形成方法が異なる。読み出しパターンとして有機低分子を選択した場合には蒸着によって積層形成を行い、読み出しパターンとして有機高分子を選択した場合には印刷塗布製膜(転写やインクジェット法)によって積層形成を行う。
【0058】
また、有機高分子以外を選択した場合でも、インクジェット法でナノサイズ(10−9mm程度)からなる導電性インクを吹き付けてゲート線35、グランド線41、キャリア収集電極33、データ線34あるいは電圧印加電極32を形成することが可能である。また、インクジェット法でナノサイズ(10−9mm程度)からなる半導体インクを吹き付けて、ゲートチャンネル43を吹き付けることが可能である。
【0059】
したがって、データ線34およびゲート線35の少なくとも一部を有機薄膜以外の無機薄膜や金属で積層形成する場合でも、印刷塗布製膜(転写やインクジェット法)によって積層形成を行うことが可能である。この場合には、好ましくは酸化し難い材料(例えば銀や金や白金などの貴金属)をナノサイズ(10−9mm程度)の粒子にして、吹き付けてデータ線34やゲート線35の積層形成を行う。また、データ線34やゲート線35のような配線を、上述した蒸着や印刷以外のフォトリソグラフィ法によるパターン技術(例えばスピンコートや電解メッキやスパッタリングなど)を利用して積層形成してもよい。
【0060】
図4のフローでは、第1の配線形成工程に相当するステップS1、第1の検査工程に相当するステップS2、第1の修復工程に相当するステップS3の後に、ステップS4の絶縁膜などを含んだゲート線35の後形成(第1の後形成工程)を経て、第2の配線形成工程に相当するステップS5、第2の検査工程に相当するステップS6(第3の検査工程も兼用)、第2の修復工程に相当するステップS7(第3の修復工程も兼用)を行っている。すなわち、アドレス信号線に相当するゲート線35の形成、検査、修復を先に行った後に、データ信号線に相当するデータ線34の形成、検査、修復を行っている。
【0061】
図4のフローのように、ゲート線35の形成、検査、修復(第1の配線形成工程、第1の検査工程、第1の修復工程)を先に行った後に、データ線34の形成、検査、修復(第2の配線形成工程、第2の検査工程、第2の修復工程)を行う必要はなく、データ線34の形成、検査、修復(第2の配線形成工程、第2の検査工程、第2の修復工程)を行った後に、ゲート線35の形成、検査、修復(第1の配線形成工程、第1の検査工程、第1の修復工程)を行ってもよい。図13では、図4のステップS1〜S4、S5〜S8の順序が入れ替わっている。各ステップの説明は図4と同じであるので、その説明を省略する。なお、図13では、ゲート線35に関するステップS1〜S4を後で行うことから、ステップS5,S8,S1は、この発明における第3の配線形成工程に相当し、ステップS2は、この発明における第1の検査工程・第3の検査工程に相当し、ステップS3は、この発明における第1の修復工程・第3の修復工程に相当する。
【0062】
上述した本実施例に係るフラットパネル型X線検出器(FPD)3の製造方法によれば、ステップS1ではゲート線35を形成し、そのステップS1で形成されたゲート線35の断線もしくは短絡を、ステップS2では上述したステップS1の直後で検査する。したがって、ステップS2で断線もしくは短絡である故障箇所を確実に発見することができる。そして、発見された故障箇所をステップS3で確実に修復することができる。そして、ゲート線35の後に形成されるべき所定の形成部分(本実施例では絶縁膜42、ゲートチャンネル43およびキャリア収集電極33)を、ステップS4では上述したステップS3の後で形成する。その結果、故障箇所を確実に除去することができ、製造歩留まりを向上させることができる。また、完成してからでは判別しにくい不良を事前に除去することができるので、高価な検査装置が不要となるという効果をも奏する。
【0063】
一方で、本実施例では、ステップS5ではデータ線34を形成し、そのステップS5で形成されたデータ線34の断線もしくは短絡を、ステップS6では上述したステップS5の直後で検査する。したがって、ステップS6で断線もしくは短絡である故障箇所を確実に発見することができる。そして、発見された故障箇所をステップS7で確実に修復することができる。そして、データ線34の後に形成されるべき所定の形成部分(本実施例では絶縁膜44、半導体厚膜31および電圧印加電極32)を、ステップS8では上述したステップS7の後で形成する。その結果、故障箇所を確実に除去することができ、製造歩留まりを向上させることができる。また、完成してからでは判別しにくい不良を事前に除去することができるので、高価な検査装置が不要となるという効果をも奏する。
【0064】
また、本実施例では、図4のフローでは、ステップS1,S4,S5ではゲート線35・データ線34を、絶縁膜51を介してそれぞれ形成し、ステップS1,S4,S5で形成されたゲート線35・データ線34間の絶縁もしくは短絡を、ステップS6では上述したステップS5の直後で検査する。したがって、ステップS6で絶縁もしくは短絡である故障箇所を確実に発見することができる。そして、発見された故障箇所をステップS7で確実に修復することができる。そして、ゲート線35・データ線34の後に形成されるべき所定の形成部分(本実施例では絶縁膜44、半導体厚膜31および電圧印加電極32)を、ステップS8では上述したステップS7の後で形成する。
【0065】
一方、本実施例では、図13のフローでは、ステップS5,S8,S1ではデータ線34・ゲート線35を、絶縁膜を介してそれぞれ形成し、ステップS5,S8,S1で形成されたデータ線34・ゲート線35間の絶縁もしくは短絡を、ステップS2では上述したステップS1の直後で検査する。したがって、ステップS2で絶縁もしくは短絡である故障箇所を確実に発見することができる。そして、発見された故障箇所をステップS3で確実に修復することができる。そして、データ線34・ゲート線35の後に形成されるべき所定の形成部分を、ステップS4では上述したステップS3で形成する。
【0066】
その結果、図4のフローや図13のフローにおいても、故障箇所を確実に除去することができ、製造歩留まりを向上させることができる。また、完成してからでは判別しにくい不良を事前に除去することができるので、高価な検査装置が不要となるという効果をも奏する。
【0067】
この発明では、FPD3の少なくとも一部を印刷塗布製膜によって形成する場合に有用である。上述したように、印刷塗布製膜の場合には大気中でFPD3の少なくとも一部を形成することが可能なので、ステップS1の直後でステップS2での検査を、ステップS5の直後でステップS6での検査を、図4のフローではステップS1,S4,S5のステップS5の直後でステップS6での検査を、図13のフローではステップS5,S8,S1のステップS1の直後でステップS2での検査を行うことが可能で、FPD3を製造する工程で、その効果を発揮することができる。
【0068】
特に、ゲート線35を形成する場合には、ゲート線35の少なくとも一部を印刷塗布製膜によって形成すると、大気中でゲート線35の少なくとも一部を形成することが可能なので、ステップS1の直後でステップS2での検査を、あるいは図13のフローではステップS5,S8,S1の直後でステップS2での検査を行うことが可能で、FPD3を製造する工程で、その効果を発揮することができる。特に、インクジェット法ならば、形成したい所定の部分にインクを滴下するのが可能であるので、例えば、ゲート線35の断線箇所のみを再接続するといった修復工程の挿入が可能となるという効果をも奏する。
【0069】
また、データ線34を形成する場合には、データ線34の少なくとも一部を印刷塗布製膜によって形成すると、大気中でデータ線34の少なくとも一部を形成することが可能なので、ステップS5の直後でステップS6での検査を、あるいは図4のフローではステップS1,S4,S5の直後でステップS6での検査を行うことが可能で、FPD3を製造する工程で、その効果を発揮することができる。特に、インクジェット法ならば、形成したい所定の部分にインクを滴下するのが可能であるので、例えば、データ線34の断線箇所のみを再接続するといった修復工程の挿入が可能となるという効果をも奏する。
【0070】
また、データ線34およびゲート線35を形成する場合には、ゲート線35、データ線34のうちの少なくともいずれか一方の信号線の少なくとも一部を印刷塗布製膜によって形成すると、大気中でデータ線34/ゲート線35の少なくとも一部を形成することが可能なので、ステップS1の直後でステップS2での検査を、ステップS5の直後でステップS6での検査を、図13のフローではステップS5,S8,S1の直後でステップS2での検査を行い、図4のフローではステップS1,S4,S5の直後でステップS6での検査を行うことが可能で、FPD3を製造する工程で、その効果を発揮することができる。特に、インクジェット法ならば、形成したい所定の部分にインクを滴下するのが可能であるので、例えば、データ線34/ゲート線35の断線箇所のみを再接続するといった修復工程の挿入が可能となるという効果をも奏する。
【0071】
本実施例では、光に関する素子は受光素子(検出素子DU)である。受光素子の場合には、データ信号線は、受光によって検出された信号を読み出すための読み出し信号線(データ線34)となり、アドレス信号線は、その読み出しを制御するための読み出し制御線(ゲート線35)となる。また、本実施例では、デバイスは薄膜トランジスタTrなどの能動素子を備えたアクティブマトリックスデバイスである。光が放射線の場合には、受光素子(検出素子DU)を、図3に示すように2次元マトリックス状に配列して構成された光マトリックスデバイスは、マトリックス放射線検出器(本実施例ではフラットパネル型X線検出器(FPD)3)となり、本実施例のようにアクティブマトリックスデバイスでは、アクティブマトリックス放射線検出器(本実施例ではフラットパネル型X線検出器(FPD)3)となる。
【0072】
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0073】
(1)上述した実施例では、図1に示すようなX線透視撮影装置を例に採って説明したが、この発明は、例えばC型アームに配設されたX線透視撮影装置にも適用してもよい。また、この発明は、X線CT装置にも適用してもよい。
【0074】
(2)上述した実施例では、入射した放射線を半導体厚膜31(変換層)によって電荷情報に直接に変換した、「直接変換型」の放射線検出器をこの発明は適用したが、入射した放射線をシンチレータなどの変換層によって光に変換し、光感応型の物質で形成された半導体層によってその光を電荷情報に変換する「間接変換型」の放射線検出器をこの発明は適用してもよい。光感応型の半導体層については、フォトダイオードで形成してもよい。
【0075】
(3)上述した実施例では、X線を検出するX線検出器を例に採って説明したが、この発明は、ECT(Emission Computed Tomography)装置のように放射性同位元素(RI)を投与された被検体から放射されるγ線を検出するγ線検出器に例示されるように、放射線を検出する放射線検出器であれば特に限定されない。同様に、この発明は、上述したECT装置に例示されるように、放射線を検出して撮像を行う装置であれば特に限定されない。
【0076】
(4)上述した実施例では、X線などに代表される放射線検出器を例に採って説明したが、この発明は、放射線以外の光(例えば赤外線、可視光線、紫外線など)を検出する光検出器のような受光素子で構成された光マトリックスデバイスにも適用できる。したがって、光を検出して撮像を行う装置であれば特に限定されない。
【0077】
(5)上述した実施例では、受光素子(実施例では検出素子DU)で構成された光マトリックスデバイスを例に採って説明したが、この発明は、図14に示すような発光素子(例えば発光ダイオードや有機エレクトロルミネセンス等)60で構成された光マトリックスデバイスにも適用できる。なお、上述した実施例では、アドレス信号線がゲート線35であるとともに、データ信号線がデータ線34であって、ゲート線35とデータ線34とが2次元マトリックス状に配列されているが、図14では、アドレス信号線61とデータ信号線62とをそれぞれ選択することで、選択された発光素子60を発光させる。したがって、上述した実施例における図2、図3でのデータ線34の流れと、この図14でのデータ信号線62の流れとは逆方向であることに留意されたい。
【0078】
(6)上述した実施例では、アクティブマトリックスデバイスを例に採って説明したが、この発明は、図14(a)に示す能動素子(薄膜トランジスタTr)を備えたアクティブマトリックス以外にも、図14(b)に示すようなパッシブマトリックスデバイスにも適用できる。
【0079】
(7)インクジェット法を適用した場合において、インクジェットプリンタのプリンタヘッドと、検査用のプローバが同じ製造装置内に併設されているのが好ましい。併設することで、検査を即座に行うことができ、故障箇所をより確実に発見することができ、発見された故障箇所をより確実に修復することができる。
【0080】
(8)上述した実施例では、図4のフローでは、第1の配線形成工程に相当するステップS1、第1の検査工程に相当するステップS2、第1の修復工程に相当するステップS3、ステップS4の絶縁膜などを含んだゲート線35の後形成(第1の後形成工程)を経て、第2の配線形成工程に相当するステップS5、第2の検査工程に相当するステップS6(第3の検査工程も兼用)、第2の修復工程に相当するステップS7(第3の修復工程も兼用)を行い、第3の配線形成工程に相当するステップS1,S4,S5を全て行ったが、必ずしも全部行う必要はない。データ信号線(実施例ではデータ線34)の検査・修復が必要なければ、図4のフローを参照すると、第2の検査工程に相当するステップS6、第2の修復工程に相当するステップS7を省いて、第1の配線形成工程に相当するステップS1、第1の検査工程に相当するステップS2、第1の修復工程に相当するステップS3、ステップS4の絶縁膜などを含んだゲート線35の後形成を経て、第2の配線形成工程に相当するステップS5のみを行えばよい。逆に、アドレス信号線(実施例ではゲート線35)の検査・修復が必要なければ、図4のフローを参照すると、第1の検査工程に相当するステップS2、第1の修復工程に相当するステップS3を省いて、第1の配線形成工程に相当するステップS1、ステップS4の絶縁膜などを含んだゲート線35の後形成を経て、第2の配線形成工程に相当するステップS5、第2の検査工程に相当するステップS6、第2の修復工程に相当するステップS7のみを行ってもよい。また、データ信号線(実施例ではデータ線34)の検査・修復、およびアドレス信号線(実施例ではゲート線35)の検査・修復が必要なければ、アドレス信号線・データ信号線間の絶縁もしくは短絡を検査・修復するために、図4のフローの場合には、第3の配線形成工程に相当するステップS1,S4,S5を行って、第3の検査工程に相当するステップS6、第3の修復工程に相当するステップS7のみを行ってもよい。図13のフローの場合も同様である。
【0081】
(9)上述した実施例では、データ線34やゲート線35などの各配線を全て形成してから検査・修復を行ったが、1本ごと、あるいは複数本ごとに形成した後に検査・修復を行うという工程を複数回繰り返してもよい。また、図15(検出素子等の図示を省略)に示すように、例えばデータ線34が中央を境界にして、上下に別れて延びている場合には、一方のデータ線34を形成した後に検査・修復を行った後に、他方のデータ線34を形成した後に検査・修復を行ってもよい。
【0082】
(10)形成されるべき所定の形成部分は構造によって適宜変更される。
【産業上の利用可能性】
【0083】
以上のように、この発明は、テレビジョンやパーソナルコンピュータのモニタとして用いられる薄型画像ディスプレイや、医療分野や、非破壊検査、RI(Radio Isotope)検査を含む産業分野などに用いられる放射線撮像センサなどに適している。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】実施例に係るX線透視撮影装置のブロック図である。
【図2】X線透視撮影装置に用いられている側面視したフラットパネル型X線検出器の等価回路である。
【図3】平面視したフラットパネル型X線検出器の等価回路である。
【図4】実施例に係る一連の製造工程の流れを示すフローチャートである。
【図5】(a)は、実施例に係るフラットパネル型X線検出器の製造工程を示す概略平面図、(b)は、(a)のA−A矢視断面図である。
【図6】(a)は、実施例に係るフラットパネル型X線検出器の製造工程を示す概略平面図、(b)は、(a)のA−A矢視断面図である。
【図7】(a)は、実施例に係るフラットパネル型X線検出器の製造工程を示す概略平面図、(b)は、(a)のA−A矢視断面図である。
【図8】(a)は、実施例に係るフラットパネル型X線検出器の製造工程を示す概略平面図、(b)は、(a)のA−A矢視断面図である。
【図9】(a)は、実施例に係るフラットパネル型X線検出器の製造工程を示す概略平面図、(b)は、(a)のA−A矢視断面図である。
【図10】(a)は、実施例に係るフラットパネル型X線検出器の製造工程を示す概略平面図、(b)は、(a)のA−A矢視断面図である。
【図11】実施例に係るフラットパネル型X線検出器の製造工程を示す概略断面図である。
【図12】実施例に係るフラットパネル型X線検出器の製造工程を示す概略断面図である。
【図13】図4とは別の一連の製造工程の流れを示すフローチャートである。
【図14】(a)、(b)は、発光素子で構成された光マトリックスデバイスの等価回路である。
【図15】データ線が中央を境界にして、上下に別れて延びている場合におけるフラットパネル型X線検出器の等価回路である。
【符号の説明】
【0085】
3 … フラットパネル型X線検出器(FPD)
34 … データ線
35 … ゲート線
DU … 検出素子
【技術分野】
【0001】
この発明は、医療分野、工業分野、さらには原子力分野などに用いられる光マトリックスデバイスの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光マトリックスデバイスとして、大別すると、受光素子で構成されたデバイスおよび発光素子で構成されたデバイスがある。受光素子としては、光撮像センサや、医療分野や、非破壊検査、RI(Radio Isotope)検査を含む産業分野などに用いられる放射線撮像センサなどがある。発光素子としては、テレビジョンやパーソナルコンピュータのモニタとして用いられる薄型画像ディスプレイなどがある。なお、本明細書中では、光は、広義に放射線も含んでいる。
【0003】
放射線撮像センサとしてX線検出器を例に採って説明する。X線検出器はX線感応型のX線変換層(変換層)を備えており、X線の入射によりX線変換層はキャリア(電荷情報)に変換し、その変換されたキャリアを読み出すことでX線を検出する。X線変換層としては非晶質のアモルファスセレン(a−Se)膜が用いられる。
【0004】
被検体にX線を照射して放射線撮像を行う場合には、被検体を透過した放射線像がアモルファスセレン膜上に投影されて、像の濃淡に比例したキャリアが膜内に発生する。その後、膜内で生成されたキャリアが、2次元マトリックス状に配列されたキャリア収集電極に収集されて、所定時間(『蓄積時間』とも呼ばれる)分だけ積分された後、薄膜トランジスタを経由して外部に読み出される。
【0005】
このようなX線検出器を製造するには、2次元マトリックス状に配列された薄膜トランジスタからなるスイッチング素子や上述したキャリア収集電極などをパターン形成したガラス基板(絶縁基板)上に、アモルファスセレン膜を蒸着することで得られる。
【0006】
ところで、X線検出器などに代表される光マトリックスデバイスには、縦横に走る細長い配線(アドレス信号線やデータ信号線)が必要である。これらは、その製造過程において、往々にして断線・短絡する場合がある。したがって、断線・短絡のような故障箇所を検査する検査工程が設けられており、その検査工程で故障箇所を発見した場合には、その故障箇所を修復する(例えば、特許文献1〜3参照)。検査としては、例えば顕微鏡による目視検査や、配線に接続された端子に電気信号を送り込むことによる電気的な検査などがあり、修復としては、例えばレーザ照射によって冗長回路を溶融・接続することによる断線配線の接続や、レーザ照射による短絡配線の切断や、電圧印加によって絶縁膜を導電性に変えることによる断線配線の接続などがある。
【0007】
一方、上述したように、X線検出器などに代表される光マトリックスデバイスは蒸着等によって主に製造され、通常は真空中などの環境下で製造される。そして、最終的には保護層によって配線やパターン等を覆うことで大気中に取り出すことができる。したがって、かかる検査を行う場合には、保護層を覆って最終的に製造した後でないと、その断線もしくは短絡を発見することができず、修復することができない。なお、保護層に開口部(コンタクト)を設け、その開口部を介して検査を行う。
【特許文献1】特開平11−233746号公報
【特許文献2】特開平09−311646号公報
【特許文献3】特開2002−100753号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、かかる従来方法では、全ての故障パターンが網羅されるわけでなく、製造歩留まり低下はさほど改善されない。例えば、上述した開口部を介して検査を行うと、開口部以外の箇所で故障がある場合には、その故障箇所を発見することができず、修復することもできない。
【0009】
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、故障箇所を確実に除去することができ、製造歩留まりを向上させることができる光マトリックスデバイスの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、光に関する素子を2次元マトリックス状に配列して構成された光マトリックスデバイスを製造する方法であって、前記各素子のアドレス位置を指定制御するアドレス信号線を形成する第1の配線形成工程と、その第1の配線形成工程で形成された前記アドレス信号線の断線もしくは短絡を前記第1の配線形成工程の直後で検査する第1の検査工程と、その第1の検査工程で発見された断線もしくは短絡である故障箇所を修復する第1の修復工程と、前記アドレス信号線の後に形成されるべき所定の形成部分を前記第1の修復工程の後で形成する第1の後形成工程とを備えることを特徴とするものである。
【0011】
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、第1の配線形成工程では、各素子のアドレス位置を指定制御するアドレス信号線を形成し、その第1の配線形成工程で形成されたアドレス信号線の断線もしくは短絡を、第1の検査工程では上述した第1の配線形成工程の直後で検査する。したがって、第1の検査工程で断線もしくは短絡である故障箇所を確実に発見することができる。そして、発見された故障箇所を第1の修復工程で確実に修復することができる。そして、アドレス信号線の後に形成されるべき所定の形成部分を、第1の後形成工程では上述した第1の修復工程の後で形成する。その結果、故障箇所を確実に除去することができ、製造歩留まりを向上させることができる。
【0012】
また、請求項2に記載の発明は、光に関する素子を2次元マトリックス状に配列して構成された光マトリックスデバイスを製造する方法であって、前記各素子のデータ位置を指定制御するデータ信号線を形成する第2の配線形成工程と、その第2の配線形成工程で形成された前記データ信号線の断線もしくは短絡を前記第2の配線形成工程の直後で検査する第2の検査工程と、その第2の検査工程で発見された断線もしくは短絡である故障箇所を修復する第2の修復工程と、前記データ信号線の後に形成されるべき所定の形成部分を前記第2の修復工程の後で形成する第2の後形成工程とを備えることを特徴とするものである。
【0013】
[作用・効果]請求項2に記載の発明によれば、第2の配線形成工程では、各素子のデータ位置を指定制御するデータ信号線を形成し、その第2の配線形成工程で形成されたデータ信号線の断線もしくは短絡を、第2の検査工程では上述した第2の配線形成工程の直後で検査する。したがって、第2の検査工程で断線もしくは短絡である故障箇所を確実に発見することができる。そして、発見された故障箇所を第2の修復工程で確実に修復することができる。そして、データ信号線の後に形成されるべき所定の形成部分を、第2の後形成工程では上述した第2の修復工程の後で形成する。その結果、故障箇所を確実に除去することができ、製造歩留まりを向上させることができる。
【0014】
上述したアドレス信号線の断線もしくは短絡を検査する前者の発明(請求項1に記載の発明)と、上述したデータ信号線の断線もしくは短絡を検査する後者の発明(請求項2に記載の発明)とを組み合わせてもよい。
すなわち、請求項1に記載の光マトリックスデバイスの製造方法において、前記各素子のデータ位置を指定制御するデータ信号線を形成する第2の配線形成工程と、その第2の配線形成工程で形成された前記データ信号線の断線もしくは短絡を前記第2の配線形成工程の直後で検査する第2の検査工程と、その第2の検査工程で発見された断線もしくは短絡である故障箇所を修復する第2の修復工程と、前記データ信号線の後に形成されるべき所定の形成部分を前記第2の修復工程の後で形成する第2の後形成工程とを備えることを特徴とするものである(請求項3に記載の発明)。
【0015】
[作用・効果]請求項3に記載の発明によれば、第1の配線形成工程では、各素子のアドレス位置を指定制御するアドレス信号線を形成し、その第1の配線形成工程で形成されたアドレス信号線の断線もしくは短絡を、第1の検査工程では上述した第1の配線形成工程の直後で検査する。したがって、第1の検査工程で断線もしくは短絡である故障箇所を確実に発見することができる。そして、発見された故障箇所を第1の修復工程で確実に修復することができる。そして、アドレス信号線の後に形成されるべき所定の形成部分を、第1の後形成工程では上述した第1の修復工程の後で形成する。
一方で、第2の配線形成工程では、各素子のデータ位置を指定制御するデータ信号線を形成し、その第2の配線形成工程で形成されたデータ信号線の断線もしくは短絡を、第2の検査工程では上述した第2の配線形成工程の直後で検査する。したがって、第2の検査工程で断線もしくは短絡である故障箇所を確実に発見することができる。そして、発見された故障箇所を第2の修復工程で確実に修復することができる。そして、データ信号線の後に形成されるべき所定の形成部分を、第2の後形成工程では上述した第2の修復工程の後で形成する。
その結果、故障箇所を確実に除去することができ、製造歩留まりを向上させることができる。
【0016】
上述した請求項3では、各アドレス信号線の断線もしくは短絡、各データ信号線の断線もしくは短絡を検査して修復する発明であったが、下記の請求項4のように、アドレス信号線・データ信号線にまたがる故障箇所を検査して修復する場合には、以下のようになる。
【0017】
請求項4に記載の発明は、光に関する素子を2次元マトリックス状に配列して構成された光マトリックスデバイスを製造する方法であって、前記各素子のアドレス位置を指定制御するアドレス信号線と前記各素子のデータ位置を指定制御するデータ信号線とを、絶縁膜を介してそれぞれ形成する第3の配線形成工程と、その第3の配線形成工程で形成された前記アドレス信号線・前記データ信号線間の絶縁もしくは短絡を前記第3の配線形成工程の直後で検査する第3の検査工程と、その第3の検査工程で発見された絶縁もしくは短絡である故障箇所を修復する第3の修復工程と、前記アドレス信号線・前記データ信号線の後に形成されるべき所定の形成部分を前記第3の修復工程の後で形成する第3の後形成工程とを備えることを特徴とするものである。
【0018】
[作用・効果]請求項4に記載の発明によれば、第3の配線形成工程では、各素子のアドレス位置を指定制御するアドレス信号線と各素子のデータ位置を指定制御するデータ信号線とを、絶縁膜を介してそれぞれ形成し、その第3の配線形成工程で形成されたアドレス信号線・前記データ信号線間の絶縁もしくは短絡を、第3の検査工程では上述した第3の配線形成工程の直後で検査する。したがって、第3の検査工程で絶縁もしくは短絡である故障箇所を確実に発見することができる。そして、発見された故障箇所を第3の修復工程で確実に修復することができる。そして、アドレス信号線・データ信号線の後に形成されるべき所定の形成部分を、第3の後形成工程では上述した第3の修復工程の後で形成する。その結果、故障箇所を確実に除去することができ、製造歩留まりを向上させることができる。
【0019】
上述したこれらの発明では、デバイスの少なくとも一部を印刷塗布製膜によって形成する場合に有用である(請求項5に記載の発明)。印刷塗布製膜の場合には大気中でデバイスの少なくとも一部を形成することが可能なので、第1の配線形成工程の直後で第1の検査工程での検査を、第2の配線形成工程の直後で第2の検査工程での検査を、あるいは第3の配線形成工程の直後で第3の検査工程での検査を行うことが可能で、光マトリックスデバイスを製造する工程で、その効果を発揮することができる。
【0020】
特に、請求項1や請求項3や請求項4のようにアドレス信号線を形成する場合には、アドレス信号線の少なくとも一部を印刷塗布製膜によって形成する(請求項6に記載の発明)と、大気中でアドレス信号線の少なくとも一部を形成することが可能なので、第1の配線形成工程の直後で第1の検査工程での検査を、あるいは第3の配線形成工程の直後で第3の検査工程での検査を行うことが可能で、光マトリックスデバイスを製造する工程で、その効果を発揮することができる。
【0021】
また、請求項2や請求項3や請求項4のようにデータ信号線を形成する場合には、データ信号線の少なくとも一部を印刷塗布製膜によって形成する(請求項7に記載の発明)と、大気中でデータ信号線の少なくとも一部を形成することが可能なので、第2の配線形成工程の直後で第2の検査工程での検査を、あるいは第3の配線形成工程の直後で第3の検査工程での検査を行うことが可能で、光マトリックスデバイスを製造する工程で、その効果を発揮することができる。
【0022】
また、請求項3や請求項4のようにアドレス信号線およびデータ信号線を形成する場合には、アドレス信号線、データ信号線のうちの少なくともいずれか一方の信号線の少なくとも一部を印刷塗布製膜によって形成する(請求項8に記載の発明)と、大気中でアドレス/データ信号線の少なくとも一部を形成することが可能なので、第1の配線形成工程の直後で第1の検査工程での検査を、第2の配線形成工程の直後で第2の検査工程での検査を、あるいは第3の配線形成工程の直後で第3の検査工程での検査を行うことが可能で、光マトリックスデバイスを製造する工程で、その効果を発揮することができる。
【0023】
上述したこれらの発明において、上述した光に関する素子の一例は受光素子である(請求項9に記載の発明)。受光素子の場合には、データ信号線は、受光によって検出された信号を読み出すための読み出し信号線となり、アドレス信号線は、その読み出しを制御するための読み出し制御線となる。上述したこれらの発明において、上述した光に関する素子の他の一例は発光素子である(請求項10に記載の発明)。
【0024】
上述したこれらの発明において、上述したデバイスの一例はアクティブマトリックスデバイスである(請求項11に記載の発明)。上述したデバイスの他の一例はパッシブマトリックスデバイスである(請求項12に記載の発明)。
【0025】
光は上述したように放射線を含んでいる。したがって、光は放射線であってもよいし(請求項13に記載の発明)、放射線以外の赤外線、可視光線、紫外線であってもよい。光が放射線の場合には、請求項9のような受光素子を2次元マトリックス状に配列して構成された光マトリックスデバイスは、マトリックス放射線検出器となり、さらに請求項11のようなアクティブマトリックスデバイスでは、アクティブマトリックス放射線検出器となる。
【発明の効果】
【0026】
この発明に係る光マトリックスデバイスの製造方法によれば、第1の配線形成工程では、各素子のアドレス位置を指定制御するアドレス信号線を形成し、その第1の配線形成工程で形成されたアドレス信号線の断線もしくは短絡を、第1の検査工程では上述した第1の配線形成工程の直後で検査するので、第1の検査工程で断線もしくは短絡である故障箇所を確実に発見することができ、発見された故障箇所を第1の修復工程で確実に修復することができる(請求項1に記載の発明)。
あるいは、第2の配線形成工程では、各素子のデータ位置を指定制御するデータ信号線を形成し、その第2の配線形成工程で形成されたデータ信号線の断線もしくは短絡を、第2の検査工程では上述した第2の配線形成工程の直後で検査するので、第2の検査工程で断線もしくは短絡である故障箇所を確実に発見することができ、発見された故障箇所を第2の修復工程で確実に修復することができる(請求項2に記載の発明)。
あるいは、第3の配線形成工程では、各素子のアドレス位置を指定制御するアドレス信号線と各素子のデータ位置を指定制御するデータ信号線とを、絶縁膜を介してそれぞれ形成し、その第3の配線形成工程で形成されたアドレス信号線・前記データ信号線間の絶縁もしくは短絡を、第3の検査工程では上述した第3の配線形成工程の直後で検査するので、第3の検査工程で絶縁もしくは短絡である故障箇所を確実に発見することができ、発見された故障箇所を第3の修復工程で確実に修復することができる(請求項3に記載の発明)。
その結果、故障箇所を確実に除去することができ、製造歩留まりを向上させることができる。
【実施例】
【0027】
以下、図面を参照してこの発明の実施例を説明する。
図1は、実施例に係るX線透視撮影装置のブロック図であり、図2は、X線透視撮影装置に用いられている側面視したフラットパネル型X線検出器の等価回路であり、図3は、平面視したフラットパネル型X線検出器の等価回路である。本実施例では、光マトリックスデバイスとして受光素子で構成されたデバイスを例に採り、受光素子で構成されたデバイスとしてフラットパネル型X線検出器(以下、適宜「FPD」という)を例に採る。
【0028】
本実施例に係るX線透視撮影装置は、図1に示すように、被検体Mを載置する天板1と、その被検体Mに向けてX線を照射するX線管2と、被検体Mを透過したX線を検出するFPD3とを備えている。FPD3は、この発明における光マトリックスデバイスに相当する。
【0029】
X線透視撮影装置は、他に、天板1の昇降および水平移動を制御する天板制御部4や、FPD3の走査を制御するFPD制御部5や、X線管2の管電圧や管電流を発生させる高電圧発生部6を有するX線管制御部7や、FPD3から電荷信号であるX線検出信号をディジタル化して取り出すA/D変換器8や、A/D変換器8から出力されたX線検出信号に基づいて種々の処理を行う画像処理部9や、これらの各構成部を統括するコントローラ10や、処理された画像などを記憶するメモリ部11や、オペレータが入力設定を行う入力部12や、処理された画像などを表示するモニタ13などを備えている。
【0030】
天板制御部4は、天板1を水平移動させて被検体Mを撮像位置にまで収容したり、昇降、回転および水平移動させて被検体Mを所望の位置に設定したり、水平移動させながら撮像を行ったり、撮像終了後に水平移動させて撮像位置から退避させる制御などを行う。FPD制御部5は、FPD3を水平移動させたり、被検体Mの体軸の軸心周りに回転移動させることによる走査に関する制御などを行う。高電圧発生部6は、X線を照射させるための管電圧や管電流を発生してX線管2に与え、X線管制御部7は、X線管2を水平移動させたり、被検体Mの体軸の軸心周りに回転移動させることによる走査に関する制御や、X線管3側のコリメータ(図示省略)の照視野の設定の制御などを行う。なお、X線管2やFPD3の走査の際には、X線管2から照射されたX線をFPD3が検出できるようにX線管2およびFPD3が互いに対向しながらそれぞれの移動を行う。
【0031】
コントローラ10は、中央演算処理装置(CPU)などで構成されており、メモリ部11は、ROM(Read-only Memory)やRAM(Random-Access Memory)などに代表される記憶媒体などで構成されている。また、入力部12は、マウスやキーボードやジョイスティックやトラックボールやタッチパネルなどに代表されるポインティングデバイスで構成されている。X線透視撮影装置では、被検体Mを透過したX線をFPD3が検出して、検出されたX線に基づいて画像処理部9で画像処理を行うことで被検体Mの撮像を行う。
【0032】
FPD3は、図2に示すように、X線などの放射線が入射することによりキャリアが生成される放射線感応型の半導体厚膜31と、半導体厚膜31の表面に設けられた電圧印加電極32と、半導体厚膜31の放射線入射側とは反対側にある裏面に設けられたキャリア収集電極33と、キャリア収集電極33への収集キャリアを溜める電荷蓄積用のコンデンサCaと、コンデンサCaに蓄積された電荷を取り出すための通常時OFF(遮断)の電荷取り出し用のスイッチ素子である薄膜トランジスタ(TFT)Trとを備えている。本実施例では、半導体厚膜31は放射線の入射によりキャリアが生成される放射線感応型の物質、例えばアモルファスセレンで形成されているが、光の入射によりキャリアが生成される光感応型の物質であってもよい。
【0033】
この他に、本実施例では、薄膜トランジスタTrのソースに接続されているデータ線34と、薄膜トランジスタTrのゲートに接続されているゲート線35とを備えており、電圧印加電極32,半導体厚膜31,キャリア収集電極33,コンデンサCa,薄膜トランジスタTr,データ線34およびゲート線35が絶縁基板36の上に積層されて構成されている。キャリア収集電極33,コンデンサCa,薄膜トランジスタTr,データ線34およびゲート線35で、読み出しパターンを構成する。データ線34は、この発明におけるデータ信号線に相当し、ゲート線35は、この発明におけるアドレス信号線に相当する。
【0034】
図2、図3に示すように、縦・横式2次元マトリックス状配列で多数個(例えば、1024個×1024個や4096×4096個)形成されたキャリア収集電極33ごとに、上述した各々のコンデンサCaおよび薄膜トランジスタTrがそれぞれ接続されており、それらキャリア収集電極33,コンデンサCa,および薄膜トランジスタTrが各検出素子DUとしてそれぞれ分離形成されている。また、電圧印加電極32は、全検出素子DUの共通電極として全面にわたって形成されている。また、上述したデータ線34は、図3に示すように、横(X)方向に複数本に並列されているとともに、上述したゲート線35は、図3に示すように、縦(Y)方向に複数本に並列されており、各々のデータ線34およびゲート線35は各検出素子DUに接続されている。また、データ線34はアンプアレイ回路37に接続されており、ゲート線35はゲートドライバ回路38に接続されている。なお、2次元マトリックス状配列であれば、検出素子DUの配列個数は上述の1024個×1024個や4096×4096個だけでなく、実施形態に応じて配列個数を変更して使用することができる。検出素子DUは、この発明における光に関する素子に相当し、この発明における受光素子にも相当する。
【0035】
検出素子DUは2次元マトリックス状配列で絶縁基板36にパターン形成されており、検出素子DUがパターン形成された絶縁基板36は『アクティブ・マトリックス基板』とも呼ばれている。
【0036】
続いて、本実施例に係るX線透視撮影装置およびフラットパネル型X線検出器(FPD)の作用について説明する。電圧印加電極32に高電圧(例えば数100V〜数10kV程度)のバイアス電圧VAを印加した状態で、検出対象である放射線を入射させる。このバイアス電圧VAの印加の制御についてもFPD制御部5から行う。
【0037】
放射線の入射によってキャリアが生成されて、そのキャリアが電荷情報として電荷蓄積用のコンデンサCaに蓄積される。ゲートドライバ回路38の信号取り出し用の走査信号(すなわちゲート駆動信号)によって、ゲート線35が選択されて、さらに選択されたゲート線35に接続されている検出素子DUが選択指定される。その指定された検出素子DUのコンデンサCaに蓄積された電荷が、選択されたゲート線35の信号によってON状態に移行した薄膜トランジスタTrを経由して、データ線34に読み出される。
【0038】
また、各検出素子DUのアドレス(番地)指定は、データ線34およびゲート線35の信号取り出し用の走査信号(ゲート線35の場合にはゲート駆動信号、データ線34の場合にはアンプ駆動信号)に基づいて行われる。アンプアレイ回路37やゲートドライバ回路38に信号取り出し用の走査信号が送り込まれると、ゲートドライバ回路38から縦(Y)方向の走査信号(ゲート駆動信号)に従って各検出素子DUが選択される。そして、横(X)方向の走査信号(アンプ駆動信号)に従ってアンプアレイ回路37が切り換えられることによって、選択された検出素子DUのコンデンサCaに蓄積された電荷が、データ線34を介してアンプアレイ回路37に送り出される。そして、アンプアレイ回路37で増幅されて、X線検出信号としてアンプアレイ回路37から出力されてA/D変換器8に送り込まれる。A/D変換器8は、FPD3からの電荷信号であるX線検出信号をディジタル化して取り出す。
【0039】
上述の動作によって、例えばX線透視撮影装置の透視X線像の検出に本実施例に係るFPD3を用いた場合、データ線34を介して外部に読み出された電荷情報(X線検出信号)が画像情報に変換されて、X線透視画像として出力される。
【0040】
上述した説明から明らかなように、FPD3において、データ線34は、各素子のデータ位置を指定制御するデータ信号線であって、本実施例のように光に関する素子が検出素子DU(すなわち受光素子)の場合には、受光(本実施例では放射線の検出)によって検出された信号(本実施例ではX線検出信号)を読み出すための読み出し信号線となる。また、FPD3において、ゲート線35は、各素子のアドレス位置を指定制御するアドレス信号線であって、本実施例のように光に関する素子が検出素子DU(すなわち受光素子)の場合には、その読み出しを制御するための読み出し制御線となる。このような薄膜トランジスタTrなどの能動素子を備えることで、FPD3はアクティブマトリックスデバイスとなる。
【0041】
次に、FPD3の製造方法について、図4〜図13を参照して説明する。図4は、実施例に係る一連の製造工程の流れを示すフローチャートであり、図5(a)〜図10(a)は、実施例に係るフラットパネル型X線検出器(FPD)の製造工程を示す概略平面図であり、図5(b)〜図10(b)は、図5(a)〜図10(a)のA−A矢視断面図であり、図11、図12は、実施例に係るフラットパネル型X線検出器(FPD)の製造工程を示す概略断面図であり、図13は、図4とは別の一連の製造工程の流れを示すフローチャートである。
【0042】
図4に示すようにゲート線35を形成する(ステップS1)。具体的には、先ず、図5(a)および図5(b)に示すように、ガラスで形成された絶縁基板36に上述したゲート線35およびグランド線(接地線)41を積層形成する。なお、ゲート線35の形成は、ゲート線35のグランド線41やその他のバイアス線(例えば冗長回路)の形成も含む。このゲート線35およびグランド線41の形成は、この発明における第1の配線形成工程に相当する。
【0043】
形成されたゲート線35(グランド線41も含む)の断線もしくは短絡をステップS1の直後で検査する(ステップS2)。断線の検査はゲート線35の配線両端の抵抗値を直接に測定する、あるいはゲート線35に接続された端子に電気信号を送り込むことによる電気的なものであってもよいし、光学顕微鏡等により目視で画像認識を行うものであってもよい。短絡の検査も、互いに隣接するゲート線35の間/ゲート線35・グランド線41の間の抵抗値を直接に測定する、あるいはゲート線35・グランド線41に接続された端子に電気信号を送り込むことによる電気的なものであってもよいし、光学顕微鏡等により目視で画像認識を行うものであってもよい。なお、ゲート線35の検査も、ゲート線35の形成と同様に、ゲート線35のグランド線41やその他のバイアス線(例えば冗長回路)の検査も含む。このゲート線35の検査は、この発明における第1の検査工程に相当する。
【0044】
もし、ステップS2でゲート線35の断線もしくは短絡を発見したら、その発見された断線もしくは短絡である故障箇所を修復する(ステップS3)。修復は、レーザ照射によって冗長回路を溶融・接続することによる断線配線の接続であってもよいし、レーザ照射による短絡配線の切断であってもよいし、電圧印加によって絶縁膜を導電性に変えることによる断線配線の接続であってもよい。なお、ゲート線35の修復も、ゲート線35の形成や検査と同様に、ゲート線35のグランド線41やその他のバイアス線(例えば冗長回路)の修復も含む。このゲート線35の修復は、この発明における第1の修復工程に相当する。
【0045】
ゲート線35の形成(ステップS1)、検査(ステップS2)、修復(ステップS3)の後に、ゲート線35の後に形成されるべき所定の形成部分を形成する(ステップS4)。具体的には、図6(a)および図6(b)に示すように、ゲート線35およびグランド線41とともに、絶縁基板36に絶縁膜42を積層形成する。そして、図7(a)および図7(b)に示すように、絶縁膜42を挟んでゲート線35の対向位置の一部にゲートチャンネル43を形成する。
【0046】
図8(a)および図8(b)に示すように、水平面内においてこのゲートチャンネル43を挟んで上述したキャリア収集電極33および上述したデータ線34(ステップS5)を絶縁膜42に積層形成する。キャリア収集電極33は、絶縁膜42を挟んでグランド線41に対向するように積層形成する。データ線34を除く、絶縁膜42、ゲートチャンネル43およびキャリア収集電極33は、ゲート線35の後に形成されるべき所定の形成部分でもある。したがって、絶縁膜42、ゲートチャンネル43およびキャリア収集電極33は、この発明における形成されるべき所定の形成部分に相当する。これらの絶縁膜42、ゲートチャンネル43およびキャリア収集電極33の形成は、この発明における第1の後形成工程に相当する。なお、データ線34の形成は、データ線34のグランド線(接地線)(図示省略)やその他のバイアス線(例えば冗長回路)の形成も含む。このデータ線34の形成は、この発明における第2の配線形成工程に相当する。
【0047】
また、ステップS1でゲート線35を形成し、ステップS4で絶縁膜42を形成し、ステップS5でデータ線34を形成することで、データ線34とゲート線35とを絶縁膜51を介してそれぞれ形成することになる。したがって、ステップS1,S4,S5は、この発明における第3の配線形成工程に相当する。
【0048】
なお、ゲートチャンネル43に対向したゲート線35の一部分と、データ線34のゲートチャンネル43側の部分と、ゲートチャンネル43と、キャリア収集電極33のゲートチャンネル43側の部分と、ゲート線35/データ線34・ゲートチャンネル43・キャリア収集電極33間に介在する絶縁膜42とで、図9に示すように薄膜トランジスタTrを構成する。また、キャリア収集電極33と、それに対向したグランド線41、キャリア収集電極33/グランド線41間に介在する絶縁膜42とで、図9に示すようにコンデンサCaを構成する。
【0049】
形成されたデータ線34の断線もしくは短絡をステップS5の直後で検査するとともに、形成されたゲート線35・データ線34間の絶縁もしくは短絡をステップS5の直後で検査する(ステップS6)。断線の検査は、データ線34の配線両端の抵抗値を直接に測定する、あるいはデータ線34に接続された端子に電気信号を送り込むことによる電気的なものであってもよいし、光学顕微鏡等により目視で画像認識を行うものであってもよい。短絡の検査も、互いに隣接するデータ線34の間/データ線34・グランド線(図示省略)の間の抵抗値を直接に測定する、あるいはデータ線34・グランド線に接続された端子に電気信号を送り込むことによる電気的なものであってもよいし、光学顕微鏡等により目視で画像認識を行うものであってもよい。また、ゲート線35・データ線34間の絶縁もしくは短絡の検査は、ゲート線35・データ線34の抵抗値を直接に測定する、あるいはゲート線35・データ線34に接続された端子に電気信号を送り込むことによる電気的なものであってもよいし、光学顕微鏡により目視で画像認識を行うものであってもよい。通常、ゲート線35・データ線34間は絶縁されているが、特殊な構造によってゲート線35・データ線34間が電気的に接続されている場合において、ゲート線35・データ線34間の絶縁の検査を行ってもよい。なお、データ線34の検査も、データ線34の形成と同様に、データ線34のグランド線やその他のバイアス線(例えば冗長回路)の検査も含む。このデータ線34の検査は、この発明における第2の検査工程に相当し、ゲート線35・データ線34間の検査は、この発明における第3の検査工程に相当する。
【0050】
もし、ステップS6でデータ線34の断線もしくは短絡を発見したら、あるいはゲート線35・データ線34間の絶縁もしくは短絡を発見したら、その発見された断線もしくは短絡、あるいは絶縁もしくは短絡である故障箇所を修復する(ステップS7)。修復は、ゲート線35の修復と同様に、レーザ照射によって冗長回路を溶融・接続することによる断線配線の接続であってもよいし、レーザ照射による短絡配線の切断であってもよいし、電圧印加によって絶縁膜を導電性に変えることによる断線配線の接続であってもよい。なお、データ線34の修復も、データ線34の形成や検査と同様に、データ線34のグランド線やその他のバイアス線(例えば冗長回路)の修復も含む。このデータ線34の修復は、この発明における第2の修復工程に相当し、この発明における第3の修復工程にも相当する。
【0051】
データ線34の形成(ステップS5)、検査(ステップS6)、修復(ステップS7)の後に、データ線34の後に形成されるべき所定の形成部分を形成する(ステップS8)。具体的には、図10(a)および図10(b)に示すように、キャリア収集電極33、データ線34およびゲートチャンネル43とともに、絶縁膜42に絶縁膜44を積層形成する。上述した半導体厚膜31(図2や後述する図11、図12を参照)によって生成されたキャリアをキャリア収集電極33に収集するために、半導体厚膜31に直接に接触すべくキャリア収集電極33の大部分には絶縁膜44を積層形成せずに、キャリア収集電極33の周囲のみを絶縁膜44を積層形成する。すなわち、キャリア収集電極33の部分を開口するように絶縁膜44を積層形成する。そして、図11に示すように、キャリア収集電極33に直接に接触するように絶縁膜44に半導体厚膜31を積層形成する。
【0052】
図12に示すように、上述した電圧印加電極32を半導体厚膜31に積層形成する。絶縁膜44、半導体厚膜31および電圧印加電極32は、データ線34の後に形成されるべき所定の形成部分でもある。したがって、絶縁膜44、半導体厚膜31および電圧印加電極32は、この発明における形成されるべき所定の形成部分に相当する。これらの絶縁膜44、半導体厚膜31および電圧印加電極32の形成は、この発明における第2の後形成工程に相当し、第3の後形成工程にも相当する。
【0053】
保護層(図示省略)を電圧印加電極32に積層形成することで、キャリア収集電極33,コンデンサCa,薄膜トランジスタTr,データ線34およびゲート線35で構成された読み出しパターンを有したFPD3の一連の製造を終了する。
【0054】
これらの読み出しパターンの形成については、蒸着を採用してもよいが、大気中で積層形成して、簡易に、かつ薄く製造するのであれば印刷塗布製膜を採用するのがより好ましい。印刷塗布製膜は、転写であってもよいし、インクジェット法であってもよい。もちろん、印刷塗布製膜以外の手法として、蒸着やスピンコートや電解メッキやスパッタリングなどのフォトリソグラフィ法によるパターン技術を採用して積層形成してもよいし、印刷塗布製膜(転写やインクジェット法)を採用して積層形成してもよいし、印刷塗布製膜以外の手法と印刷塗布製膜とを組み合わせて積層形成してもよい。
【0055】
読み出しパターンを形成する絶縁基板36は、上述したガラスに限定されず、プラスチックなどであってもよい。また、読み出しパターンを形成する基板は、本実施例では絶縁基板36としたが、これに限定されない。例えば、ステンレス鋼などの金属であってもよい。絶縁膜42,44を形成する絶縁体については、ポリイミドやポリビニルフェノールなどの有機物であってもよいし、無機物であってもよい。
【0056】
ゲート線35、グランド線41、キャリア収集電極33、データ線34および電圧印加電極32を形成する導電体については、銀ペースト等の金属であってもよいし、無機物からなる薄膜(例えばITOなどの透明電極)や、PEDOT(ポリチオフェン系)やPPV(ポリフェニレンビニレン)などに代表される高導電性の有機物からなる薄膜であってもよい。ゲートチャンネル43を形成する半導体については、ペンタセンなどの有機物からなる有機半導体であってもよいし、低温ポリシリコンあるいは半導体厚膜31でも述べたようにアモルファスセレンなどの無機物からなる無機半導体であってもよい。逆に、半導体厚膜31を形成する半導体についても、上述したアモルファスセレン以外に、放射線の入射によりキャリアが生成される放射線感応型の物質、あるいは光の入射によりキャリアが生成される光感応型の物質であれば、有機半導体であってもよい。
【0057】
このように、キャリア収集電極33,コンデンサCa,薄膜トランジスタTr,データ線34およびゲート線35から構成される読み出しパターンについて、読み出しパターンの全てを有機薄膜で積層形成してもよいし、読み出しパターンの少なくとも一部を有機薄膜で積層形成してもよいし、読み出しパターンを無機物で積層形成してもよい。有機薄膜の中でも、ペンタセンやナフタセンなどの単結晶に代表される有機低分子(本実施例ではゲートチャンネル43をペンタセンで形成)と、有機高分子(本実施例ではPEDOT(ポリチオフェン系)やPPV(ポリフェニレンビニレン)など)とがあり、両者のうちのいずれかを選択することで具体的な積層形成方法が異なる。読み出しパターンとして有機低分子を選択した場合には蒸着によって積層形成を行い、読み出しパターンとして有機高分子を選択した場合には印刷塗布製膜(転写やインクジェット法)によって積層形成を行う。
【0058】
また、有機高分子以外を選択した場合でも、インクジェット法でナノサイズ(10−9mm程度)からなる導電性インクを吹き付けてゲート線35、グランド線41、キャリア収集電極33、データ線34あるいは電圧印加電極32を形成することが可能である。また、インクジェット法でナノサイズ(10−9mm程度)からなる半導体インクを吹き付けて、ゲートチャンネル43を吹き付けることが可能である。
【0059】
したがって、データ線34およびゲート線35の少なくとも一部を有機薄膜以外の無機薄膜や金属で積層形成する場合でも、印刷塗布製膜(転写やインクジェット法)によって積層形成を行うことが可能である。この場合には、好ましくは酸化し難い材料(例えば銀や金や白金などの貴金属)をナノサイズ(10−9mm程度)の粒子にして、吹き付けてデータ線34やゲート線35の積層形成を行う。また、データ線34やゲート線35のような配線を、上述した蒸着や印刷以外のフォトリソグラフィ法によるパターン技術(例えばスピンコートや電解メッキやスパッタリングなど)を利用して積層形成してもよい。
【0060】
図4のフローでは、第1の配線形成工程に相当するステップS1、第1の検査工程に相当するステップS2、第1の修復工程に相当するステップS3の後に、ステップS4の絶縁膜などを含んだゲート線35の後形成(第1の後形成工程)を経て、第2の配線形成工程に相当するステップS5、第2の検査工程に相当するステップS6(第3の検査工程も兼用)、第2の修復工程に相当するステップS7(第3の修復工程も兼用)を行っている。すなわち、アドレス信号線に相当するゲート線35の形成、検査、修復を先に行った後に、データ信号線に相当するデータ線34の形成、検査、修復を行っている。
【0061】
図4のフローのように、ゲート線35の形成、検査、修復(第1の配線形成工程、第1の検査工程、第1の修復工程)を先に行った後に、データ線34の形成、検査、修復(第2の配線形成工程、第2の検査工程、第2の修復工程)を行う必要はなく、データ線34の形成、検査、修復(第2の配線形成工程、第2の検査工程、第2の修復工程)を行った後に、ゲート線35の形成、検査、修復(第1の配線形成工程、第1の検査工程、第1の修復工程)を行ってもよい。図13では、図4のステップS1〜S4、S5〜S8の順序が入れ替わっている。各ステップの説明は図4と同じであるので、その説明を省略する。なお、図13では、ゲート線35に関するステップS1〜S4を後で行うことから、ステップS5,S8,S1は、この発明における第3の配線形成工程に相当し、ステップS2は、この発明における第1の検査工程・第3の検査工程に相当し、ステップS3は、この発明における第1の修復工程・第3の修復工程に相当する。
【0062】
上述した本実施例に係るフラットパネル型X線検出器(FPD)3の製造方法によれば、ステップS1ではゲート線35を形成し、そのステップS1で形成されたゲート線35の断線もしくは短絡を、ステップS2では上述したステップS1の直後で検査する。したがって、ステップS2で断線もしくは短絡である故障箇所を確実に発見することができる。そして、発見された故障箇所をステップS3で確実に修復することができる。そして、ゲート線35の後に形成されるべき所定の形成部分(本実施例では絶縁膜42、ゲートチャンネル43およびキャリア収集電極33)を、ステップS4では上述したステップS3の後で形成する。その結果、故障箇所を確実に除去することができ、製造歩留まりを向上させることができる。また、完成してからでは判別しにくい不良を事前に除去することができるので、高価な検査装置が不要となるという効果をも奏する。
【0063】
一方で、本実施例では、ステップS5ではデータ線34を形成し、そのステップS5で形成されたデータ線34の断線もしくは短絡を、ステップS6では上述したステップS5の直後で検査する。したがって、ステップS6で断線もしくは短絡である故障箇所を確実に発見することができる。そして、発見された故障箇所をステップS7で確実に修復することができる。そして、データ線34の後に形成されるべき所定の形成部分(本実施例では絶縁膜44、半導体厚膜31および電圧印加電極32)を、ステップS8では上述したステップS7の後で形成する。その結果、故障箇所を確実に除去することができ、製造歩留まりを向上させることができる。また、完成してからでは判別しにくい不良を事前に除去することができるので、高価な検査装置が不要となるという効果をも奏する。
【0064】
また、本実施例では、図4のフローでは、ステップS1,S4,S5ではゲート線35・データ線34を、絶縁膜51を介してそれぞれ形成し、ステップS1,S4,S5で形成されたゲート線35・データ線34間の絶縁もしくは短絡を、ステップS6では上述したステップS5の直後で検査する。したがって、ステップS6で絶縁もしくは短絡である故障箇所を確実に発見することができる。そして、発見された故障箇所をステップS7で確実に修復することができる。そして、ゲート線35・データ線34の後に形成されるべき所定の形成部分(本実施例では絶縁膜44、半導体厚膜31および電圧印加電極32)を、ステップS8では上述したステップS7の後で形成する。
【0065】
一方、本実施例では、図13のフローでは、ステップS5,S8,S1ではデータ線34・ゲート線35を、絶縁膜を介してそれぞれ形成し、ステップS5,S8,S1で形成されたデータ線34・ゲート線35間の絶縁もしくは短絡を、ステップS2では上述したステップS1の直後で検査する。したがって、ステップS2で絶縁もしくは短絡である故障箇所を確実に発見することができる。そして、発見された故障箇所をステップS3で確実に修復することができる。そして、データ線34・ゲート線35の後に形成されるべき所定の形成部分を、ステップS4では上述したステップS3で形成する。
【0066】
その結果、図4のフローや図13のフローにおいても、故障箇所を確実に除去することができ、製造歩留まりを向上させることができる。また、完成してからでは判別しにくい不良を事前に除去することができるので、高価な検査装置が不要となるという効果をも奏する。
【0067】
この発明では、FPD3の少なくとも一部を印刷塗布製膜によって形成する場合に有用である。上述したように、印刷塗布製膜の場合には大気中でFPD3の少なくとも一部を形成することが可能なので、ステップS1の直後でステップS2での検査を、ステップS5の直後でステップS6での検査を、図4のフローではステップS1,S4,S5のステップS5の直後でステップS6での検査を、図13のフローではステップS5,S8,S1のステップS1の直後でステップS2での検査を行うことが可能で、FPD3を製造する工程で、その効果を発揮することができる。
【0068】
特に、ゲート線35を形成する場合には、ゲート線35の少なくとも一部を印刷塗布製膜によって形成すると、大気中でゲート線35の少なくとも一部を形成することが可能なので、ステップS1の直後でステップS2での検査を、あるいは図13のフローではステップS5,S8,S1の直後でステップS2での検査を行うことが可能で、FPD3を製造する工程で、その効果を発揮することができる。特に、インクジェット法ならば、形成したい所定の部分にインクを滴下するのが可能であるので、例えば、ゲート線35の断線箇所のみを再接続するといった修復工程の挿入が可能となるという効果をも奏する。
【0069】
また、データ線34を形成する場合には、データ線34の少なくとも一部を印刷塗布製膜によって形成すると、大気中でデータ線34の少なくとも一部を形成することが可能なので、ステップS5の直後でステップS6での検査を、あるいは図4のフローではステップS1,S4,S5の直後でステップS6での検査を行うことが可能で、FPD3を製造する工程で、その効果を発揮することができる。特に、インクジェット法ならば、形成したい所定の部分にインクを滴下するのが可能であるので、例えば、データ線34の断線箇所のみを再接続するといった修復工程の挿入が可能となるという効果をも奏する。
【0070】
また、データ線34およびゲート線35を形成する場合には、ゲート線35、データ線34のうちの少なくともいずれか一方の信号線の少なくとも一部を印刷塗布製膜によって形成すると、大気中でデータ線34/ゲート線35の少なくとも一部を形成することが可能なので、ステップS1の直後でステップS2での検査を、ステップS5の直後でステップS6での検査を、図13のフローではステップS5,S8,S1の直後でステップS2での検査を行い、図4のフローではステップS1,S4,S5の直後でステップS6での検査を行うことが可能で、FPD3を製造する工程で、その効果を発揮することができる。特に、インクジェット法ならば、形成したい所定の部分にインクを滴下するのが可能であるので、例えば、データ線34/ゲート線35の断線箇所のみを再接続するといった修復工程の挿入が可能となるという効果をも奏する。
【0071】
本実施例では、光に関する素子は受光素子(検出素子DU)である。受光素子の場合には、データ信号線は、受光によって検出された信号を読み出すための読み出し信号線(データ線34)となり、アドレス信号線は、その読み出しを制御するための読み出し制御線(ゲート線35)となる。また、本実施例では、デバイスは薄膜トランジスタTrなどの能動素子を備えたアクティブマトリックスデバイスである。光が放射線の場合には、受光素子(検出素子DU)を、図3に示すように2次元マトリックス状に配列して構成された光マトリックスデバイスは、マトリックス放射線検出器(本実施例ではフラットパネル型X線検出器(FPD)3)となり、本実施例のようにアクティブマトリックスデバイスでは、アクティブマトリックス放射線検出器(本実施例ではフラットパネル型X線検出器(FPD)3)となる。
【0072】
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0073】
(1)上述した実施例では、図1に示すようなX線透視撮影装置を例に採って説明したが、この発明は、例えばC型アームに配設されたX線透視撮影装置にも適用してもよい。また、この発明は、X線CT装置にも適用してもよい。
【0074】
(2)上述した実施例では、入射した放射線を半導体厚膜31(変換層)によって電荷情報に直接に変換した、「直接変換型」の放射線検出器をこの発明は適用したが、入射した放射線をシンチレータなどの変換層によって光に変換し、光感応型の物質で形成された半導体層によってその光を電荷情報に変換する「間接変換型」の放射線検出器をこの発明は適用してもよい。光感応型の半導体層については、フォトダイオードで形成してもよい。
【0075】
(3)上述した実施例では、X線を検出するX線検出器を例に採って説明したが、この発明は、ECT(Emission Computed Tomography)装置のように放射性同位元素(RI)を投与された被検体から放射されるγ線を検出するγ線検出器に例示されるように、放射線を検出する放射線検出器であれば特に限定されない。同様に、この発明は、上述したECT装置に例示されるように、放射線を検出して撮像を行う装置であれば特に限定されない。
【0076】
(4)上述した実施例では、X線などに代表される放射線検出器を例に採って説明したが、この発明は、放射線以外の光(例えば赤外線、可視光線、紫外線など)を検出する光検出器のような受光素子で構成された光マトリックスデバイスにも適用できる。したがって、光を検出して撮像を行う装置であれば特に限定されない。
【0077】
(5)上述した実施例では、受光素子(実施例では検出素子DU)で構成された光マトリックスデバイスを例に採って説明したが、この発明は、図14に示すような発光素子(例えば発光ダイオードや有機エレクトロルミネセンス等)60で構成された光マトリックスデバイスにも適用できる。なお、上述した実施例では、アドレス信号線がゲート線35であるとともに、データ信号線がデータ線34であって、ゲート線35とデータ線34とが2次元マトリックス状に配列されているが、図14では、アドレス信号線61とデータ信号線62とをそれぞれ選択することで、選択された発光素子60を発光させる。したがって、上述した実施例における図2、図3でのデータ線34の流れと、この図14でのデータ信号線62の流れとは逆方向であることに留意されたい。
【0078】
(6)上述した実施例では、アクティブマトリックスデバイスを例に採って説明したが、この発明は、図14(a)に示す能動素子(薄膜トランジスタTr)を備えたアクティブマトリックス以外にも、図14(b)に示すようなパッシブマトリックスデバイスにも適用できる。
【0079】
(7)インクジェット法を適用した場合において、インクジェットプリンタのプリンタヘッドと、検査用のプローバが同じ製造装置内に併設されているのが好ましい。併設することで、検査を即座に行うことができ、故障箇所をより確実に発見することができ、発見された故障箇所をより確実に修復することができる。
【0080】
(8)上述した実施例では、図4のフローでは、第1の配線形成工程に相当するステップS1、第1の検査工程に相当するステップS2、第1の修復工程に相当するステップS3、ステップS4の絶縁膜などを含んだゲート線35の後形成(第1の後形成工程)を経て、第2の配線形成工程に相当するステップS5、第2の検査工程に相当するステップS6(第3の検査工程も兼用)、第2の修復工程に相当するステップS7(第3の修復工程も兼用)を行い、第3の配線形成工程に相当するステップS1,S4,S5を全て行ったが、必ずしも全部行う必要はない。データ信号線(実施例ではデータ線34)の検査・修復が必要なければ、図4のフローを参照すると、第2の検査工程に相当するステップS6、第2の修復工程に相当するステップS7を省いて、第1の配線形成工程に相当するステップS1、第1の検査工程に相当するステップS2、第1の修復工程に相当するステップS3、ステップS4の絶縁膜などを含んだゲート線35の後形成を経て、第2の配線形成工程に相当するステップS5のみを行えばよい。逆に、アドレス信号線(実施例ではゲート線35)の検査・修復が必要なければ、図4のフローを参照すると、第1の検査工程に相当するステップS2、第1の修復工程に相当するステップS3を省いて、第1の配線形成工程に相当するステップS1、ステップS4の絶縁膜などを含んだゲート線35の後形成を経て、第2の配線形成工程に相当するステップS5、第2の検査工程に相当するステップS6、第2の修復工程に相当するステップS7のみを行ってもよい。また、データ信号線(実施例ではデータ線34)の検査・修復、およびアドレス信号線(実施例ではゲート線35)の検査・修復が必要なければ、アドレス信号線・データ信号線間の絶縁もしくは短絡を検査・修復するために、図4のフローの場合には、第3の配線形成工程に相当するステップS1,S4,S5を行って、第3の検査工程に相当するステップS6、第3の修復工程に相当するステップS7のみを行ってもよい。図13のフローの場合も同様である。
【0081】
(9)上述した実施例では、データ線34やゲート線35などの各配線を全て形成してから検査・修復を行ったが、1本ごと、あるいは複数本ごとに形成した後に検査・修復を行うという工程を複数回繰り返してもよい。また、図15(検出素子等の図示を省略)に示すように、例えばデータ線34が中央を境界にして、上下に別れて延びている場合には、一方のデータ線34を形成した後に検査・修復を行った後に、他方のデータ線34を形成した後に検査・修復を行ってもよい。
【0082】
(10)形成されるべき所定の形成部分は構造によって適宜変更される。
【産業上の利用可能性】
【0083】
以上のように、この発明は、テレビジョンやパーソナルコンピュータのモニタとして用いられる薄型画像ディスプレイや、医療分野や、非破壊検査、RI(Radio Isotope)検査を含む産業分野などに用いられる放射線撮像センサなどに適している。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】実施例に係るX線透視撮影装置のブロック図である。
【図2】X線透視撮影装置に用いられている側面視したフラットパネル型X線検出器の等価回路である。
【図3】平面視したフラットパネル型X線検出器の等価回路である。
【図4】実施例に係る一連の製造工程の流れを示すフローチャートである。
【図5】(a)は、実施例に係るフラットパネル型X線検出器の製造工程を示す概略平面図、(b)は、(a)のA−A矢視断面図である。
【図6】(a)は、実施例に係るフラットパネル型X線検出器の製造工程を示す概略平面図、(b)は、(a)のA−A矢視断面図である。
【図7】(a)は、実施例に係るフラットパネル型X線検出器の製造工程を示す概略平面図、(b)は、(a)のA−A矢視断面図である。
【図8】(a)は、実施例に係るフラットパネル型X線検出器の製造工程を示す概略平面図、(b)は、(a)のA−A矢視断面図である。
【図9】(a)は、実施例に係るフラットパネル型X線検出器の製造工程を示す概略平面図、(b)は、(a)のA−A矢視断面図である。
【図10】(a)は、実施例に係るフラットパネル型X線検出器の製造工程を示す概略平面図、(b)は、(a)のA−A矢視断面図である。
【図11】実施例に係るフラットパネル型X線検出器の製造工程を示す概略断面図である。
【図12】実施例に係るフラットパネル型X線検出器の製造工程を示す概略断面図である。
【図13】図4とは別の一連の製造工程の流れを示すフローチャートである。
【図14】(a)、(b)は、発光素子で構成された光マトリックスデバイスの等価回路である。
【図15】データ線が中央を境界にして、上下に別れて延びている場合におけるフラットパネル型X線検出器の等価回路である。
【符号の説明】
【0085】
3 … フラットパネル型X線検出器(FPD)
34 … データ線
35 … ゲート線
DU … 検出素子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光に関する素子を2次元マトリックス状に配列して構成された光マトリックスデバイスを製造する方法であって、前記各素子のアドレス位置を指定制御するアドレス信号線を形成する第1の配線形成工程と、その第1の配線形成工程で形成された前記アドレス信号線の断線もしくは短絡を前記第1の配線形成工程の直後で検査する第1の検査工程と、その第1の検査工程で発見された断線もしくは短絡である故障箇所を修復する第1の修復工程と、前記アドレス信号線の後に形成されるべき所定の形成部分を前記第1の修復工程の後で形成する第1の後形成工程とを備えることを特徴とする光マトリックスデバイスの製造方法。
【請求項2】
光に関する素子を2次元マトリックス状に配列して構成された光マトリックスデバイスを製造する方法であって、前記各素子のデータ位置を指定制御するデータ信号線を形成する第2の配線形成工程と、その第2の配線形成工程で形成された前記データ信号線の断線もしくは短絡を前記第2の配線形成工程の直後で検査する第2の検査工程と、その第2の検査工程で発見された断線もしくは短絡である故障箇所を修復する第2の修復工程と、前記データ信号線の後に形成されるべき所定の形成部分を前記第2の修復工程の後で形成する第2の後形成工程とを備えることを特徴とする光マトリックスデバイスの製造方法。
【請求項3】
請求項1に記載の光マトリックスデバイスの製造方法において、前記各素子のデータ位置を指定制御するデータ信号線を形成する第2の配線形成工程と、その第2の配線形成工程で形成された前記データ信号線の断線もしくは短絡を前記第2の配線形成工程の直後で検査する第2の検査工程と、その第2の検査工程で発見された断線もしくは短絡である故障箇所を修復する第2の修復工程と、前記データ信号線の後に形成されるべき所定の形成部分を前記第2の修復工程の後で形成する第2の後形成工程とを備えることを特徴とする光マトリックスデバイスの製造方法。
【請求項4】
光に関する素子を2次元マトリックス状に配列して構成された光マトリックスデバイスを製造する方法であって、前記各素子のアドレス位置を指定制御するアドレス信号線と前記各素子のデータ位置を指定制御するデータ信号線とを、絶縁膜を介してそれぞれ形成する第3の配線形成工程と、その第3の配線形成工程で形成された前記アドレス信号線・前記データ信号線間の絶縁もしくは短絡を前記第3の配線形成工程の直後で検査する第3の検査工程と、その第3の検査工程で発見された絶縁もしくは短絡である故障箇所を修復する第3の修復工程と、前記アドレス信号線・前記データ信号線の後に形成されるべき所定の形成部分を前記第3の修復工程の後で形成する第3の後形成工程とを備えることを特徴とする光マトリックスデバイスの製造方法。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の光マトリックスデバイスの製造方法において、前記デバイスの少なくとも一部を印刷塗布製膜によって形成することを特徴とする光マトリックスデバイスの製造方法。
【請求項6】
請求項1、請求項3または請求項4のいずれかに記載の光マトリックスデバイスの製造方法において、前記アドレス信号線の少なくとも一部を印刷塗布製膜によって形成することを特徴とする光マトリックスデバイスの製造方法。
【請求項7】
請求項2から請求項4のいずれかに記載の光マトリックスデバイスの製造方法において、前記データ信号線の少なくとも一部を印刷塗布製膜によって形成することを特徴とする光マトリックスデバイスの製造方法。
【請求項8】
請求項3または請求項4に記載の記載の光マトリックスデバイスの製造方法において、前記アドレス信号線、前記データ信号線のうちの少なくともいずれか一方の信号線の少なくとも一部を印刷塗布製膜によって形成することを特徴とする光マトリックスデバイスの製造方法。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれかに記載の光マトリックスデバイスの製造方法において、前記光に関する素子は受光素子であることを特徴とする光マトリックスデバイスの製造方法。
【請求項10】
請求項1から請求項8のいずれかに記載の光マトリックスデバイスの製造方法において、前記光に関する素子は発光素子であることを特徴とする光マトリックスデバイスの製造方法。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれかに記載の光マトリックスデバイスの製造方法において、前記デバイスは、アクティブマトリックスデバイスであることを特徴とする光マトリックスデバイスの製造方法。
【請求項12】
請求項1から請求項10のいずれかに記載の光マトリックスデバイスの製造方法において、前記デバイスは、パッシブマトリックスデバイスであることを特徴とする光マトリックスデバイスの製造方法。
【請求項13】
請求項1から請求項12のいずれかに記載の光マトリックスデバイスの製造方法において、前記光は放射線であることを特徴とする光マトリックスデバイスの製造方法。
【請求項1】
光に関する素子を2次元マトリックス状に配列して構成された光マトリックスデバイスを製造する方法であって、前記各素子のアドレス位置を指定制御するアドレス信号線を形成する第1の配線形成工程と、その第1の配線形成工程で形成された前記アドレス信号線の断線もしくは短絡を前記第1の配線形成工程の直後で検査する第1の検査工程と、その第1の検査工程で発見された断線もしくは短絡である故障箇所を修復する第1の修復工程と、前記アドレス信号線の後に形成されるべき所定の形成部分を前記第1の修復工程の後で形成する第1の後形成工程とを備えることを特徴とする光マトリックスデバイスの製造方法。
【請求項2】
光に関する素子を2次元マトリックス状に配列して構成された光マトリックスデバイスを製造する方法であって、前記各素子のデータ位置を指定制御するデータ信号線を形成する第2の配線形成工程と、その第2の配線形成工程で形成された前記データ信号線の断線もしくは短絡を前記第2の配線形成工程の直後で検査する第2の検査工程と、その第2の検査工程で発見された断線もしくは短絡である故障箇所を修復する第2の修復工程と、前記データ信号線の後に形成されるべき所定の形成部分を前記第2の修復工程の後で形成する第2の後形成工程とを備えることを特徴とする光マトリックスデバイスの製造方法。
【請求項3】
請求項1に記載の光マトリックスデバイスの製造方法において、前記各素子のデータ位置を指定制御するデータ信号線を形成する第2の配線形成工程と、その第2の配線形成工程で形成された前記データ信号線の断線もしくは短絡を前記第2の配線形成工程の直後で検査する第2の検査工程と、その第2の検査工程で発見された断線もしくは短絡である故障箇所を修復する第2の修復工程と、前記データ信号線の後に形成されるべき所定の形成部分を前記第2の修復工程の後で形成する第2の後形成工程とを備えることを特徴とする光マトリックスデバイスの製造方法。
【請求項4】
光に関する素子を2次元マトリックス状に配列して構成された光マトリックスデバイスを製造する方法であって、前記各素子のアドレス位置を指定制御するアドレス信号線と前記各素子のデータ位置を指定制御するデータ信号線とを、絶縁膜を介してそれぞれ形成する第3の配線形成工程と、その第3の配線形成工程で形成された前記アドレス信号線・前記データ信号線間の絶縁もしくは短絡を前記第3の配線形成工程の直後で検査する第3の検査工程と、その第3の検査工程で発見された絶縁もしくは短絡である故障箇所を修復する第3の修復工程と、前記アドレス信号線・前記データ信号線の後に形成されるべき所定の形成部分を前記第3の修復工程の後で形成する第3の後形成工程とを備えることを特徴とする光マトリックスデバイスの製造方法。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の光マトリックスデバイスの製造方法において、前記デバイスの少なくとも一部を印刷塗布製膜によって形成することを特徴とする光マトリックスデバイスの製造方法。
【請求項6】
請求項1、請求項3または請求項4のいずれかに記載の光マトリックスデバイスの製造方法において、前記アドレス信号線の少なくとも一部を印刷塗布製膜によって形成することを特徴とする光マトリックスデバイスの製造方法。
【請求項7】
請求項2から請求項4のいずれかに記載の光マトリックスデバイスの製造方法において、前記データ信号線の少なくとも一部を印刷塗布製膜によって形成することを特徴とする光マトリックスデバイスの製造方法。
【請求項8】
請求項3または請求項4に記載の記載の光マトリックスデバイスの製造方法において、前記アドレス信号線、前記データ信号線のうちの少なくともいずれか一方の信号線の少なくとも一部を印刷塗布製膜によって形成することを特徴とする光マトリックスデバイスの製造方法。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれかに記載の光マトリックスデバイスの製造方法において、前記光に関する素子は受光素子であることを特徴とする光マトリックスデバイスの製造方法。
【請求項10】
請求項1から請求項8のいずれかに記載の光マトリックスデバイスの製造方法において、前記光に関する素子は発光素子であることを特徴とする光マトリックスデバイスの製造方法。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれかに記載の光マトリックスデバイスの製造方法において、前記デバイスは、アクティブマトリックスデバイスであることを特徴とする光マトリックスデバイスの製造方法。
【請求項12】
請求項1から請求項10のいずれかに記載の光マトリックスデバイスの製造方法において、前記デバイスは、パッシブマトリックスデバイスであることを特徴とする光マトリックスデバイスの製造方法。
【請求項13】
請求項1から請求項12のいずれかに記載の光マトリックスデバイスの製造方法において、前記光は放射線であることを特徴とする光マトリックスデバイスの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2009−49048(P2009−49048A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−210995(P2007−210995)
【出願日】平成19年8月13日(2007.8.13)
【出願人】(000001993)株式会社島津製作所 (3,708)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年8月13日(2007.8.13)
【出願人】(000001993)株式会社島津製作所 (3,708)
【Fターム(参考)】
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