説明

光変色(Photochromic)フィルムまたは板の製造方法

コーティング基材に凹凸を形成して光変色物質を凹凸の中に満たす方法でコーティングして単位凹凸に満たされた光変色物質を互いに隔離させることによって光変色物質の寿命を向上させる光変色フィルムまたは板の製造方法を提供する。コーティング基材の一部または全体に凹凸を形成する段階;凹凸が形成された基材の一部または全体に光変色物質をコーティングする段階;及び光変色物質を保護するために光変色物質がコーティングされた基材に保護層を形成する段階を含むことを特徴とする光変色フィルムまたは板の製造方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光変色フィルムまたは板の製造方法に関するものであって、より詳しくは、光変色物質を単位凹凸の中に満たす様にでコーティングした後、前記光変色物質がコーティングされた基材に保護層を形成して単位凹凸に満たされた光変色物質を互いに隔離させることにより、光変色物質の寿命を向上させる効果がある光変色フィルムまたは板の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光変色物質はガラスやプラスチックのような基材に幅広く適用され、メガネレンズ、光学用レンズ、サングラス、サンキャップ、スキーゴーグル、おもちゃ、鏡、ガラス、フィルム、建築用外装材、広告材、光ディスクなどに使用されている。
【0003】
有機光変色物質は多数の論文や特許により、公知とされている。これらは光変色性染料を含む重合体マトリックスを含む。これらの大部分の物質は光によって光変色染料が劣化され、あまりにも速く分解されて光変色の寿命が十分でないため、これらから商業的に有用な製品を製造することが難しいという短所がある。結果的に、何年にも亘り、安定な有機光変色物質に対する要求が続いている。
【0004】
このような製品を生産するために様々な方法が提示された。例えば、結果的に形成された重合体に光変色の特性を付与するため、重合可能な組成物に光変色染料を導入することが提案された。しかし、重合反応の間、光変色性染料が時々破壊されるという難点があった。米国特許出願番号第60/000,829号、第60/001,677号、及び第60/011,429号は前記のような問題を緩和するために幾つかの新しい提案を開示している。
【0005】
欧州特許第A0195898号及びこれに対応する米国特許第4,720,356号は、一般的にHAISと呼ばれる、光安定剤としての立体障害化されたアミンの、重合可能なマトリックスの組成物への導入を開示している。このような技術により、韓国公開特許公報第2000-0067988号には、イソシアネート基と反応できる機能化及び立体障害化されたアミン光安定剤を、共有結合によって重合体の骨格に連結しグラフト化構造を形成した、光変色化合物のためのマトリックスを用いることが、光変色染料、特にスピトキサジン(spirooxazine)に対する安定した効果を示すことを開示している。
【0006】
一方、韓国公開特許公報第1995-0009349号には、光変色物質の安定性を増加させるために、スピロ系光変色物質に添加剤、オイル、及びゼラチンを用いて製造したカプセル化された光変色組成物を開示している。なお、韓国公開特許公報第2003-0024335号には、ジアリールエテン系光変色化合物が高分子により囲まれた構造で、図1のようなコア−シェルタイプのナノカプセルを製造することによって熱安定性と光変色特性を向上させる方法を開示している。
【0007】
最近は、図2のように光変色溶液を二重のガラス基板の間に充填させて紫外線により変色される自動車用ガラスに対する発明が、韓国公開特許公報第2004-0073217号に記述された。
【0008】
しかし、前記のように光変色物質をカプセルで作る方法は、たとえ光変色染料の劣化に対する耐性を相当向上させても、大量生産の問題とその生産費用がかなり上昇することによって商業化が難しいという短所がある。なお、二重の基板間に光変色物質を充填させる方法は寿命を相当増加させることができるが、外部の水分や酸素が浸透したり内部に微量存在する水分、酸素、不純物により紫外線の照射時、光変色物質が分解または変質されることがあり、分解されたラジカル物質は隣接した光変色物質を再び分解するから、製品の寿命が急激に減少する問題点がある。
【特許文献1】米国特許出願番号第60/000,829号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前記のような従来技術の問題点を解決するために、本発明はコーティング基材に凹凸を形成して、光変色物質を上記凹凸の中に満たす方法でコーティングして、単位凹凸に満たされた光変色物質を互いに隔離させることによって光変色物質の寿命を向上させる光変色フィルムまたは板の製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明の前記の製造方法により製造した光変色フィルムまたは板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するために、本発明はコーティング基材の一部または全体に凹凸を形成する段階;上記凹凸が形成された基材の一部または全体に光変色物質をコーティングする段階;及び光変色物質がコーティングされた基材に保護層を形成する段階;を含むことを特徴とする光変色フィルムまたは板の製造方法を提供する。
【0012】
また、本発明は前記の光変色フィルムまたは板の製造方法から製造した光変色フィルムまたは板を提供する。
【0013】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0014】
本発明の光変色フィルムまたは板の製造方法は、コーティング基材の一部または全体に凹凸を形成した後、上記凹凸に光変色物質をコーティングし、光変色物質がコーティングされた基材に保護層を形成して単位凹凸の中の光変色物質を互いに隔離させることを特徴とする。
【0015】
[コーティング基材に凹凸を形成する段階]
本段階は、光変色物質をコーティングするための基材の一部または全体に、凹凸を形成する段階である。
【0016】
前記光変色物質をコーティングするための基材としては、ガラス、各種プラスチック基材、無機膜、有機膜または有機/無機ハイブリッドコーティング膜がコーティングされた基材、セラミック、金属、繊維または紙などを使用することができる。
【0017】
図3では、本発明の光変色物質のコーティング方法及び光変色フィルムまたは板の製造方法により製造した光変色フィルムまたは板の一例を図示している。
【0018】
光変色物質がコーティングされる基材31に凹凸32を形成する段階において、コーティングされる基材に凹凸の表面を有する原板を重ねた後、圧力を加えて凹凸を転写する方法で凹凸を形成することができ、必要に応じて熱を加えることもできる。連続的に転写する場合には、ロール対ロール(roll to roll)転写方法を適用することができる。
【0019】
前記コーティング基材の表面に凹凸を形成するもう一つの方法としてはプラズマを使用することができる。プラズマは交流(AC)(例えば、無線周波数(Rf)、マイクロ波(microwave))、または直流(DC)によって生じるプラズマなどの非平衡プラズマが使用される。プラズマ処理は当該技術分野で公知である通り、大気圧またはサブ(sub)大気圧のいずれにおいても行なうことが可能であり、反応性イオンを使用する場合、プラズマ反応性イオンエッチング(RIE、Reactive Ion Etching)と呼称される。プラズマで反応性ラジカルイオンを形成させるために、酸素、窒素、アルゴン、空気、HF、BCl3、Cl2またはこれらの混合ガスを使用することができる。しかし、ガスはこれらのみに限られず、エッチングしようとする導膜の物質によってガスを適切に選択して使用することができる。
【0020】
前記コーティング基材の表面に凹凸を形成するもう一つの方法においては、ケミカル(chemical)エッチング方法を使用することができる。ケミカルエッチングとしては、HF基盤エッチング、硫酸及び過酸化水素基盤エッチング、塩酸及び過酸化水素基盤エッチング、ピラニア(piranha)エッチング、NaOHまたはKOH基盤エッチングまたは王水基盤エッチングなどが使用でき、これに限られずコーティングする基材の成分に応じて適切なケミカルを選定してエッチングすることができる。
【0021】
前記形成された凹凸32は図4に例示したように、半円形、三角形または四角形などの多様な形態において形成することができ、これに限られるものではない。
【0022】
前記形成された凹凸32は、使用用途及び凹凸の形態によって直径と深さを調節することができ、凹凸の直径または深さが5nm乃至1mmのものが望ましい。前記凹凸の直径または深さが5nm未満である場合には、サイズが小さ過ぎて凹凸の中に光変色物質が微量しか存在しない状態でコーティングされるため、光学密度が低く実用価値が低下するという問題点がある。一方、1mmを超える場合には、凹凸の中に光変色物質が過大な量で充填されてコーティングされるため、光変色コーティング液が多量に消費され過ぎるという短所があり、さらに、単位凹凸の欠陥があったり、単位凹凸の中の光変色物質が変質された場合、人の目に認識されるため、実用価値が落ちるという問題点があった。
【0023】
前記光変色物質は、熱硬化または光硬化形モノマー、オリゴマー及び開始剤を含んでもよいものが使用される。また、光変色物質は高分子と共に溶媒に溶解されたものや、適切な溶媒に単独に溶解されたものが使用される。
【0024】
[光変色物質を凹凸にコーティングする段階]
本段階は前記のように凹凸が形成された基材の一部または全体に、光変色物質をコーティングする段階である。
【0025】
前記光変色物質を凹凸が形成された基材にコーティングする段階は、ガスや水分の透過度を低下させるために、無機膜、有機膜、有機/無機ハイブリッドコーティング膜、またはそれらの多層膜をさらにコーティングする段階を、光変色物質をコーティングする前及び/または後にさらに含むことができる。
【0026】
前記無機膜は金属薄膜、金属酸化物(metal oxides)、金属窒化物(metal nitrides)または金属フルオロ化合物(metal florides)などを材料で使用することができ、有機膜はポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、フッ素を含有した有機物または炭素含有物質などを材料として使用できる。
【0027】
前記光変色物質をコーティングする方法では、当業界に知られたバー(bar)コーティング、ディップ(dip)コーティング、フロー(flow)コーティング、スプレー(spray)コーティング、インクジェット(ink jet)コーティング、スリット(slit)コーティング、またはロール(roll)コーティングなどが使用でき、単面コーティングのみならず両面コーティングも可能である。
【0028】
前記光変色物質を凹凸にコーティングする段階は、コーティングの直後の、硬化前に、凹凸の先端表面にある光変色物質コーティング液を、ナイフ(knife)で掻いてそぎ落とす段階をさらに含むことができる。
【0029】
[保護層を形成する段階]
本段階は前記のように凹凸が形成された基材にコーティングされた光変色物質を保護するために保護層を形成する段階である。
【0030】
前記保護層には、ガラス、各種プラスチック基材、無機膜、有機膜または有機/無機ハイブリッドコーティング膜がコーティングされた基材、セラミック、金属、繊維または紙などを使用することができる。
【0031】
前記保護層は、図3のようにコーティング液を直接にコーティングして硬化させ保護層34を形成する方法、図5のように保護フィルム53を粘着剤または接着剤52を使用して重貼する方法、または図6の61または62のように凹凸基材に光変色物質をコーティング前及び/または後において、ガスや水分の透過性が低い物質を追加的に薄膜61、62で蒸着またはコーティングする方法などを使用して形成することができる。
【0032】
なお、前記保護層は、湯気曇り防止コーティング、低反射コーティングまたは耐汚染コーティングなどの機能性コーティングの方法などを使用して形成することができる。
【0033】
前記コーティング液は、アクリル系ハードコーティング塗料またはシリコン系ハードコーティング塗料などを含む、熱硬化またはUV硬化形コーティング液を使用することができる。
【0034】
前記コーティング液を硬化する方法は、UV(Ultraviolet)硬化、EB(electron beam)硬化、熱硬化または自然乾燥硬化方法が使用できる。
【0035】
前記保護層は、その上に前記の機能性コーティング方法により形成されたコーティング層を追加的にさらに含んでもよい。
【0036】
本発明の光変色フィルムまたは板は前記のような製造方法から製造され、光変色物質が5nm乃至1mmのサイズの独立した凹凸単位でコーティングされて、互いに隔離されたことを特徴とする。
【0037】
前記光変色フィルムまたは板の製造方法によって製造された光変色フィルムまたは板は、メガネレンズ、光学用レンズ、サングラス、サンキャップ、スキーゴーグル、おもちゃ、鏡、ガラス、フィルム、建築用外装材、広告材、または光ディスクなどの用途に適用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、本発明の容易な理解のために、望ましい実施例を提示するが、前記実施例は本発明を例示するだけであって、本発明の範疇及び技術思想範囲内で当業者にとって多様な変形及び修正が可能であることは明らかであり、このような変形及び修正が添付された本発明の特許請求範囲に属することも当然である。
【0039】
実施例1
直径が10μmで高さが10μmである半円形の突起を有する原板をPETフィルムに転写して、凹凸を形成させたPETフィルム基材を得た。前記凹凸が形成された基材に熱硬化形光変色コーティング液(UT11PC、LG化学製造)をコーティングし、ナイフで表面をそぎ落として、凹凸の内部のみにコーティング液が満たされるようにした後、熱硬化した。前記コーティングされた基材について、その光変色コーティング液がコーティングされた面に、接着剤を用いてPETフィルムを取り付けて保護層を形成した。
【0040】
前記製造された光変色フィルムの耐久性をQuick UV tester(Atlas UV2000)を用いて測定した。テストの直前に光変色フィルムが着色された時の光透過度を基準にしてQuick UVテスト後、着色が初期値の50%に減少する時の時間(t1/2)を測定して下記表1に示した。
【0041】
実施例2
前記実施例1において、保護層の形成時、光硬化形ハードコーティング液(AU104GN、LG化学製造)をコーティングし硬化したことを除いては、前記実施例1と同一の方法で光変色フィルムを製造し、製造された光変色フィルムの耐久性を前記実施例1に記述した方法で測定した。
【0042】
実施例3
前記実施例1において、下面の一辺の長さが10μmで高さが15μmであるピラミッド形の突起を有する原板をPETフィルムに転写して、凹凸を形成させたPETフィルム基材を使用したことを除いては、前記実施例1と同一の方法で光変色フィルムを製造し、製造された光変色フィルムの耐久性を前記実施例1に記述した方法で測定した。
【0043】
実施例4
前記実施例1において、直径が10μmで高さが10μmである半円形の突起を有する原板をPCフィルムに転写して、凹凸を形成させたPCフィルム基材を使用したことを除いては、前記実施例1と同一の方法で光変色フィルムを製造し、製造された光変色フィルムの耐久性を前記実施例1に記述した方法で測定した。
【0044】
実施例5
前記実施例1において、厚さ2mmのガラス板にHFでエッチングして凹凸を形成させたガラス板の基材をコーティング基材として使用し、保護層として、その光変色のコーティングされた面に、厚さ2mmのガラス板を、接着剤を用いて取り付けて形成したことを除いては、前記実施例1と同一の方法で光変色板を製造し、このような方法により得られた光変色板の耐久性を前記実施例1に記述した方法で測定し、表1に示した。
【0045】
実施例6
前記実施例1において、光変色のコーティング液をコーティングする前に、凹凸が形成された基材にSiO2をスパッタリングして厚さ20nmでコーティングし、光変色コーティングをした後、再びSiO2をスパッタリングして厚さ20nmでコーティングしたことを除いては、前記実施例1と同一の方法で光変色フィルムを製造し、製造された光変色フィルムの耐久性を前記実施例1に記述した方法で測定した。
【0046】
比較例1
前記実施例1において、PETフィルム基材に凹凸を形成させないで連続した薄膜でコーティングしたことを除いては、前記実施例1と同一の方法で光変色フィルムを製造し、製造された光変色フィルムの耐久性を前記実施例1に記述した方法で測定した。
【0047】
【表1】

【0048】
前記表1からわかるように、比較例1における実施態様において、耐久性は著しく低かった。これは、光変色層がコーティング基材に凹凸の形成なしで連続したコーティング層からなり、いずれかの一部分において水分や酸素により不活性化される領域が発生すれば、その領域がその周辺に直ちに影響を与えることとなり、フィルムの全領域が不活性化されるからである。しかし、本発明の光変色フィルムまたは板の製造方法によって製造された実施例1乃至6の実施態様においては、コーティング基材に凹凸を形成させた後に光変色物質をコーティングするため、単位凹凸に満たされた光変色物質がお互いに隔離されており、近隣の不活性化される領域の影響を受けることが比較的少ない。このことにより、比較例1と比べて、耐久性が2倍以上向上することを確認することができた。
【0049】
また、フィルム基材よりガラス基材の方が空気や水分の透過性が低いため、ガラス基材はさらに良好な耐久性を有する。空気やガスの透過性を低下させるSiO2薄膜を光変色物質のコーティング前後にコーティングする場合、耐久性がさらに向上することを確認することができた。
【産業上の利用可能性】
【0050】
以上に述べたように、本発明の光変色フィルムまたは板の製造方法は、既存の方法により製造した場合より光変色物質の寿命が向上し、耐久性を著しく向上させることができる光変色フィルムまたは板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】従来のコア−シェルタイプのナノカプセルをTEMから観察した写真である。
【図2】従来の光変色ガラスを図示した断面図である。
【図3】本発明の光変色フィルムまたは板の構造の一例を図示した断面図である。
【図4】本発明の凹凸の多様な模様を図示した断面図である。
【図5】本発明の光変色フィルムまたは板の構造のさらなる一例を図示した断面図である。
【図6】本発明の光変色フィルムまたは板の構造のさらなる一例を図示した断面図である。
【符号の説明】
【0052】
20 ガラス
21 光変色溶液
31、51 コーティング基材
32 凹凸
33 光変色物質
34、53、63 保護層または保護フィルム
52 粘着剤または接着剤
61、62 ガス及び水分遮断薄膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーティング基材の一部または全体に凹凸を形成する段階;
前記凹凸が形成された基材の一部または全体に光変色物質をコーティングする段階;及び
光変色物質がコーティングされた基材に保護層を形成する段階;を含むことを特徴とする光変色フィルムまたは板の製造方法。
【請求項2】
前記光変色フィルムまたは板の製造方法は、前記凹凸が形成された基材の一部または全体に光変色物質をコーティングする段階前及び/または後に、無機膜、有機膜、有機/無機ハイブリッドコーティング膜、またはそれらの多層膜をさらにコーティングする段階を、含むことを特徴とする請求項1に記載の光変色フィルムまたは板の製造方法。
【請求項3】
前記基材は、ガラス、各種プラスチック基材、無機膜、有機膜または有機/無機ハイブリッドコーティング膜がコーティングされた基材、セラミック、金属、繊維または紙であることを特徴とする請求項1に記載の光変色フィルムまたは板の製造方法。
【請求項4】
前記凹凸は、コーティング基材に凹凸の表面を有する原板を重ねた後に圧力を加えて凹凸を転写する方法、大気圧またはサブ大気圧の下でプラズマを照射する方法、プラズマ反応性イオンエッチング方法またはケミカルエッチング方法で形成することを特徴とする請求項1に記載の光変色フィルムまたは板の製造方法。
【請求項5】
前記凹凸は、直径または深さが5nm乃至1mmであることを特徴とする請求項1に記載の光変色フィルムまたは板の製造方法。
【請求項6】
前記光変色物質をコーティングする方法は、バー(bar)コーティング、ディップ(dip)コーティング、フロー(flow)コーティング、スプレー(spray)コーティング、インクジェット(ink jet)コーティング、スリット(slit)コーティング、またはロール(roll)コーティングの方法であることを特徴とする請求項1に記載の光変色フィルムまたは板の製造方法。
【請求項7】
前記保護層は、ガラス、各種プラスチック基材、無機膜、有機膜または有機/無機ハイブリッドコーティング膜がコーティングされた基材、セラミック、金属、繊維または紙であることを特徴とする請求項1に記載の光変色フィルムまたは板の製造方法。
【請求項8】
前記保護層は、光変色物質がコーティングされた基材にコーティング液を直接塗布した後、硬化する方法、保護フィルムを粘着剤または接着剤を使用して重貼する方法、またはガスや水分透過性の低い物質を、追加的に薄膜として蒸着またはコーティングする方法により形成されることを特徴とする請求項1に記載の光変色フィルムまたは板の製造方法。
【請求項9】
前記コーティング液は、アクリル系ハードコーティング塗料またはシリコンハードコーティング塗料であることを特徴とする請求項8に記載の光変色フィルムまたは板の製造方法。
【請求項10】
前記コーティング液を硬化する方法は、UV硬化、EB硬化、熱硬化、または自然乾燥硬化の方法であることを特徴とする請求項8に記載の光変色フィルムまたは板の製造方法。
【請求項11】
前記保護層は、湯気曇り防止コーティング、低反射コーティング、耐汚染コーティングなどの機能性コーティングをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の光変色フィルムまたは板の製造方法。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか1項に記載の光変色フィルムまたは板の製造方法によって製造された光変色フィルムまたは板であって、光変色物質が単位凹凸に満たされて、互いに隔離されたことを特徴とする光変色フィルムまたは板。
【請求項13】
前記光変色物質が満たされた単位凹凸は、直径または高さが5nm乃至1mmであることを特徴とする請求項12に記載の光変色フィルムまたは板。
【請求項14】
請求項12に記載の光変色フィルムまたは板の、メガネレンズ、光学用レンズ、サングラス、サンキャップ、スキーゴーグル、おもちゃ、鏡、ガラス、フィルム、建築用外装材、広告材、または光ディスクの製造のための使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−513258(P2008−513258A)
【公表日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−534526(P2007−534526)
【出願日】平成18年9月4日(2006.9.4)
【国際出願番号】PCT/KR2006/003491
【国際公開番号】WO2007/029944
【国際公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【出願人】(500239823)エルジー・ケム・リミテッド (1,221)
【Fターム(参考)】