光学素子、照明装置および画像表示装置
【課題】光の利用効率に優れ、簡単な構成で小型化、薄型化、軽量化が図れる光学素子と、それを用いた照明装置及び画像表示装置を実現する。
【解決手段】複数の色光を発光可能で所望の素子を選択発光可能な複数色を一組とする発光デバイスから構成される光源22と、光源からの光に対して透明な部材からなり光源の面積と同等またはそれ以上の面積を持つ第一の面と該第一の面に対向する第二の面とを有し該2つの面を底面とするロッドレンズ31が2次元配列したロッドレンズアレイ3と、からなる光学素子1において、ロッドレンズアレイ3の各ロッドレンズ31の第一面側に、複数色を一組とする発光デバイスから構成される光源22が配置されている構成とした。これにより光源22からの出射光を各ロッドレンズ31で照度均一化することにより、ロッドレンズアレイ3の第二の面33で各色光毎に照度を均一化することができる。
【解決手段】複数の色光を発光可能で所望の素子を選択発光可能な複数色を一組とする発光デバイスから構成される光源22と、光源からの光に対して透明な部材からなり光源の面積と同等またはそれ以上の面積を持つ第一の面と該第一の面に対向する第二の面とを有し該2つの面を底面とするロッドレンズ31が2次元配列したロッドレンズアレイ3と、からなる光学素子1において、ロッドレンズアレイ3の各ロッドレンズ31の第一面側に、複数色を一組とする発光デバイスから構成される光源22が配置されている構成とした。これにより光源22からの出射光を各ロッドレンズ31で照度均一化することにより、ロッドレンズアレイ3の第二の面33で各色光毎に照度を均一化することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置の構成に関し、特に画像表示装置およびその照明系に用いられる光学素子と、その光学素子を用いた照明装置、および、前記光学素子または前記照明装置を備えた小型、軽量、薄型の画像表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶ライトバルブ等の光変調装置を用いて映像光を合成し、合成された映像光を投射レンズ等からなる投射光学系を通じてスクリーンに拡大投射する投射型画像表示装置が従来から知られている。
図11は、従来の投射型画像表示装置の一例を示す概略構成図である。図11において、図中の符号110は光源、113,114はダイクロイックミラー、115,116,117は反射ミラー、122,123,124は液晶ライトバルブ(光変調手段)、125はクロスダイクロイックプリズム、126は投射レンズを示している。光源110はメタルハライド等のランプ111とランプの光を反射するリフレクタ112とからなる。青色光・緑色光反射用のダイクロイックミラー113は、光源110からの光束のうちの赤色光LRを透過させるとともに、青色光LBと緑色光LGとを反射させる。透過した赤色光LRは反射ミラー115で反射されて、赤色光用液晶ライトバルブ122に入射する。一方、ダイクロイックミラー113で反射した色光のうち、緑色光LGは緑色光反射用のダイクロイックミラー114によって反射し、緑色光用液晶ライトバルブ123に入射する。一方、青色光LBはダイクロイックミラー114も透過して、反射ミラー116,117を経て青色光用液晶ライトバルブ124に入射する。
【0003】
各液晶ライトバルブ122,123,124によって変調された3つの色光は、クロスダイクロイックプリズム125に入射する。このクロスダイクロイックプリズム125は4つの直角プリズムが貼り合わされ、その内面に赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが十字状に形成されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成されてカラー画像を表す光が形成される。合成された光は投射光学系である投射レンズ126により投射スクリーン127上に投射され、拡大された画像が表示される。
【0004】
上述したように、従来の投射型画像表示装置においては、光源から出射された光をダイクロイックミラー113,114を用いて3つの色光に分離し、各々の色光を3つの液晶ライトバルブ122,123,124を用いてそれぞれ変調した後、ダイクロイックプリズム125により再度合成し、投射レンズ126でスクリーン127上に投射する構成を採用していた。そのため、多数の光学部品が必要であり、根本的に装置の小型化、軽量化、薄型化を図るのが困難であった。
【0005】
この問題を解決すべく、例えば特許文献1(特開2003−295315公報)には、赤色、緑色、青色(以下、赤色をR,緑色をG,青色をBと略記する)の各色光を出射可能な複数の発光ダイオード(Light Emitting Diode(以下、LEDと略記する))が平面状または曲面状に配列されたLEDアレイと、LEDアレイの各LEDから出射される各色光の照度を均一化するための複数のロッドレンズが平面状または曲面状に配列されたロッドレンズアレイと、ロッドレンズアレイから出射される光の偏光変換を行う偏光ビームスプリッタアレイ(以下、PBSアレイと略記する)と、PBSアレイから出射される各色光を変調して画像を合成する液晶ライトバルブと、液晶ライトバルブによって合成された画像をスクリーンに拡大投射する投射レンズとから構成されている投射型画像表示装置が提案されている。
また、特許文献2(特開2003−329978公報)には、光出射方向に対して後方側に反射板を備えたLEDアレイと、位相差板と、テーパロッドレンズアレイと、ロッドレンズアレイと、反射型偏光板とを備えて、偏光変換を行う薄型照明装置が提案されている。
【0006】
【特許文献1】特開2003−295315公報
【特許文献2】特開2003−329978公報
【非特許文献1】「プロジェクターの最新技術」(シーエムシー出版)、p77
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述の特許文献1に記載の従来技術では、各色光毎にロッドレンズで照度均一化を行っているので、ロッドレンズの出射端面では、そのロッドレンズを通ってきた1個または複数個のLEDチップから出射された色光については照度の均一化がなされているが、ロッドレンズ出射後のライトバルブ上において各色光が均一になっているとは限らないという課題がある。
また、特許文献2に記載の従来技術では、反射型偏光板として、アルミニウムなどの光反射性を有する金属からなる多数のリブが入射光の波長よりも小さいピッチでガラス基板25上に形成されたグリッド偏光子やフィルム多層積層型偏光板など、いわゆる反射型偏光板素子を必要としており薄型化の弊害となっている。
【0008】
本発明は、上記の従来技術の課題を解決するためになされたものであって、光の利用効率に優れ、簡単な構成で小型化、薄型化、軽量化が図れる光学素子と、この光学素子を用いた小型、薄型、軽量の画像表示装置もしくは照明装置、およびこの照明装置を備えた小型、薄型、軽量の画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するため、本発明では以下のような技術的手段を採っている。
本発明の第1の手段は、「複数の色光を発光可能で所望の素子を選択発光可能な、複数色を一組とする半導体発光デバイスから構成される光源」と、「前記光源からの光に対して透明な部材からなり、前記光源の面積と同等またはそれ以上の面積を持つ第一の面と、前記第一の面に対向する第二の面とを有し、その2つの面を底面とするロッドレンズが2次元配列したロッドレンズアレイ」と、からなる光学素子において、「前記ロッドレンズアレイの各ロッドレンズの第一面側に、前記複数色を一組とする半導体発光デバイスから構成される光源が配置されている」ことを特徴とする。
【0010】
本発明の第2の手段は、「複数の色光を発光可能で所望の素子を選択発光可能な、複数色を一組とする半導体発光デバイスから構成される光源」と、「前記光源からの光に対して透明な部材からなり、前記光源の発光部面積と同等またはそれ以上の面積を持つ第一の面と、前記第一の面よりも大きい面積を持ち前記第一の面に対向する第二の面とを有し、その2つの面を底面とするロッドレンズが2次元配列したロッドレンズアレイ」と、からなる光学素子において、「前記ロッドレンズアレイの各ロッドレンズの第一面側に、前記複数色を一組とする半導体発光デバイスから構成される光源が配置されている」ことを特徴とする。
【0011】
本発明の第3の手段は、「複数の色光を発光可能で所望の素子を選択発光可能な、複数色を一組とする半導体発光デバイスから構成される光源」と、「前記光源の発光部面積と同等またはそれ以上の面積を持つ第一の開口面と、前記第一の開口面よりも大きい面積を持ち前記第一の面に対向する第二の開口面とを有し、その2つの開口面を底面とする中空ロッドレンズの側面には光源光を反射する膜もしくは構造が形成されており、それらの中空ロッドレンズが2次元配列したロッドレンズアレイ」と、からなる光学素子において、「前記ロッドレンズアレイの各中空ロッドレンズの第一開口面側に、前記複数色を一組とする半導体発光デバイスから構成される光源が配置されている」ことを特徴とする。
【0012】
本発明の第4の手段は、第1乃至第3のいずれか1つの手段の光学素子において、「前記複数色を一組とする半導体発光デバイスから構成される光源は、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の少なくとも3色を一組とする半導体発光デバイスから構成される光源である」ことを特徴とする。
また、本発明の第5の手段は、第1または第2の手段の光学素子において、「前記光源と前記ロッドレンズの間が、前記光源からの光に対して透明な部材により充填または接着されている」ことを特徴とする。
さらに本発明の第6の手段は、第1乃至第3のいずれか1つの手段の光学素子において、「前記ロッドレンズの第一の面および第二の面を繋ぐ面であるロッドレンズの側面に、前記光源からの光を反射する膜もしくは構造が形成されている」ことを特徴とする。
【0013】
本発明の第7の手段は、第1乃至第6のいずれか1つの手段の光学素子において、「前記ロッドレンズアレイの第二面側に偏光子を設置した」ことを特徴とする。
また、本発明の第8の手段は、第7の手段の光学素子において、「前記偏光子が反射型偏光子である」ことを特徴とする。
さらに本発明の第9の手段は、第8の手段の光学素子において、「前記偏光子が、前記ロッドレンズアレイの第二の面に形成されている」ことを特徴とする。
【0014】
本発明の第10の手段は、第1乃至第9のいずれか1つの手段の光学素子において、「前記ロッドレンズアレイの各ロッドレンズが一体に成型されている」ことを特徴とする。
また、本発明の第11の手段は、第1乃至第10のいずれか1つの手段の光学素子において、「前記ロッドレンズアレイの各ロッドレンズの第一面側に配置される光源は、所望のホワイトバランスを得る光量比率になっている」ことを特徴とする。
さらに本発明の第12の手段は、第1乃至第11のいずれか1つの手段の光学素子において、「前記光源が単一基板に配置されている」ことを特徴とする。
【0015】
本発明の第13の手段は、第1乃至第12のいずれか1つの手段の光学素子において、「同一色を発光する光源の同一電極が結線されている」ことを特徴とする。
また、本発明の第14の手段は、第1乃至第13のいずれか1つの手段の光学素子において、「前記ロッドレンズアレイの各ロッドレンズの第一の面と第二の面、もしくは第一の開口と第二の開口を繋ぐ面が、曲面である」ことを特徴とする。
さらに本発明の第15の手段は、照明装置であって、第1乃至第14のいずれか1つの手段の光学素子を用いたことを特徴とする。
【0016】
本発明の第16の手段は、画像表示装置であって、第15の手段の照明装置と、該照明装置からの出射光を画像情報に応じて変調する光変調手段とを備えたことを特徴とする。
また、本発明の第17の手段は、投射型の画像表示装置であって、第15の手段の照明装置と、該照明装置からの出射光を画像情報に応じて変調する光変調手段と、前記変調された光を拡大投影するレンズとを備えたことを特徴とする。
さらに本発明の第18の手段は、画像表示装置であって、第1乃至第14のいずれか1つの手段の光学素子と、該光学素子の光源を画像情報に応じて変調発光させる変調発光手段を備え、前記光学素子のロッドレンズアレイの各ロッドレンズからの光出力を1画素の出力とすることを特徴とする。
また、本発明の第19の手段は、第18の手段の画像表示装置と、該画像表示装置の画像を拡大投影するレンズとを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
第1の手段の光学素子では、ロッドレンズが2次元配列したロッドレンズアレイの各ロッドレンズの第一面側に、複数色を一組とする半導体発光デバイスから構成される光源が配置されているので、それぞれの光源からの出射光をそれぞれ一つのロッドレンズで照度を均一化することにより、ロッドレンズアレイの第二の面(出射端面)で各色光ごとに照度を均一化することができる。
【0018】
第2の手段の光学素子では、テーパー付きのロッドレンズが2次元配列したロッドレンズアレイの各ロッドレンズの第一面側に、複数色を一組とする半導体発光デバイスから構成される光源が配置されているので、それぞれの光源からの出射光をそれぞれ一つのテーパー付きロッドレンズで照度を均一化することにより、ロッドレンズアレイの第二の面(出射端面)で各色光ごとに照度を均一化することができ、かつ光線の放射角を小さくすることができる。
【0019】
第3の手段の光学素子では、中空ロッドレンズが2次元配列したロッドレンズアレイの各中空ロッドレンズの第一開口面側に、複数色を一組とする半導体発光デバイスから構成される光源が配置されているので、それぞれの光源からの出射光をそれぞれ一つの中空ロッドレンズで照度を均一化することにより、ロッドレンズアレイ出射端面で各色光ごとに照度を均一化することができる。また、中空ロッドレンズにすることにより、成形型の作成を容易にすることができる。また、材質をガラスや樹脂などの透明部材以外に金属も使用できるようにすることにより、材質の選択性を広げることができる。
【0020】
第4の手段の光学素子では、第1乃至第3のいずれか1つの手段の構成および効果に加えて、複数色を一組とする光源として、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の少なくとも3色を一組とする半導体発光デバイスから構成される光源を用いることにより、フルカラー対応可能な光学素子を提供することができる。
また、第5の手段の光学素子では、第1または第2の手段の構成および効果に加えて、光源とロッドレンズの間が光源光に対し透明な部材により充填されることにより、半導体発光デバイス(例えば発光ダイオード(LED)チップ)と空気との界面を無くし、界面での全反射を抑制することによりLEDチップからの光の取り出し効率を向上させることができる。
さらに第6の手段の光学素子では、第1乃至第3のいずれか1つの手段の構成および効果に加えて、ロッドレンズの側面に光源光を反射する膜もしくは構造を形成することにより、小さい入射角でロッドレンズ側面に入射した光線をロッドレンズ内にとどめ、光利用効率を向上させることができる。
【0021】
第7の手段の光学素子では、第1乃至第6のいずれか1つの手段の構成および効果に加えて、ロッドレンズアレイの第二面側に偏光子を設置し、偏光を揃えることにより、液晶で構成されるライトバルブを用いた画像表示装置の照明光学系に適用することができる。
また、第8の手段の光学素子では、第7の手段の構成および効果に加えて、偏光子を反射型偏光子とすることにより、偏光子を通過しなかった光線を再びロッドレンズに戻し、再利用することができ、光利用効率を向上させることができる。
さらに第9の手段の光学素子では、第8の手段の構成および効果に加えて、偏光子が、ロッドレンズアレイの第二の面(出射端面)に形成されていることにより、より薄型化することができる。
【0022】
第10の手段の光学素子では、第1乃至第9のいずれか1つの手段の構成および効果に加えて、ロッドレンズアレイの各ロッドレンズが一体に成型されていることにより、生産性を高め低コスト化することができる。
また、第11の手段の光学素子では、第1乃至第10のいずれか1つの手段の構成および効果に加えて、ロッドレンズアレイの各ロッドレンズの第一面側に配置される光源は、所望のホワイトバランスを得る光量比率になっていることにより、良好なホワイトバランスを得ることができる。
さらに第12の手段の光学素子では、第1乃至第11のいずれか1つの手段の構成および効果に加えて、光源が単一基板に配置されていることにより、生産性を高め低コスト化することができる。
【0023】
第13の手段の光学素子では、第1乃至第12のいずれか1つの手段の構成および効果に加えて、同一色を発光する光源の同一電極が結線されていることにより、光源の配線を簡略化することができる。
また、第14の手段の光学素子では、第1乃至第13のいずれか1つの手段の構成および効果に加えて、ロッドレンズアレイの各ロッドレンズの第一の面と第二の面、もしくは第一の開口と第二の開口を繋ぐ面が、曲面であることにより、この曲面を適当な曲面にすることにより、発散角の大きな光線も全反射条件を満足させ、ロッドレンズの側面に反射膜または構造を形成せずに光利用効率を向上させることができる。また、ロッドレンズからの出射角度をより狭くすることができる。
さらに第15の手段の照明装置では、第1乃至第14のいずれか1つの手段の光学素子を用いたことにより、光の利用効率に優れ、簡単な構成で小型化、薄型化、軽量化が図れ、照度が均一の照明装置を得ることができる。
【0024】
第16の手段の画像表示装置では、第15の手段の照明装置と、該照明装置からの出射光を画像情報に応じて変調する光変調手段とを備えたことにより、小型、薄型、軽量の画像表示装置を実現することができる。
また、第17の手段の画像表示装置では、第15の手段の照明装置と、該照明装置からの出射光を画像情報に応じて変調する光変調手段と、前記変調された光を拡大投影するレンズとを備えたことにより、小型、薄型、軽量の投射型画像表示装置を実現することができる。
さらに第18の手段の画像表示装置では、第1乃至第14のいずれか1つの手段の光学素子と、該光学素子の光源を画像情報に応じて変調発光させる変調発光手段を備え、前記光学素子のロッドレンズアレイの各ロッドレンズからの光出力を1画素の出力とすることにより、光の利用効率に優れ、簡単な構成で小型化、薄型化、軽量化が図れ、画像形成が可能な画像表示装置を実現することができる。
また、第19の手段の画像表示装置では、第18の手段の画像表示装置と、前記変調された光により前記画像表示装置上に形成された画像を拡大投影するレンズとを備えたことにより、小型、薄型、軽量の投射型画像表示装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の構成、動作および作用効果を詳細に説明する。
本発明に係る光学素子は、1つの光源が赤,緑,青(以下、R,G,Bと略記する)を発光する発光部を少なくとも1個ずつ含み、R,G,Bの色光を時間順次に出射可能であり、その光源が平面状または曲面状に配列された面状光源と、前記面状光源から出射される色光の照度を均一化して出射する均一照明手段とから構成されている。そして、本発明に係る照明装置は、前記光学素子を備えた構成であり、さらに、本発明に係る画像表示装置は、前記照明装置と、該照明装置の前記光源から均一照明手段を経て時間順次に出射される各色光の出射タイミングに同期して時分割駆動されるライトバルブからなる光変調手段とを備えた構成となっている。また、画像表示装置が投射型の場合は、前記照明装置と、該照明装置の前記光源から均一照明手段を経て時間順次に出射される各色光の出射タイミングに同期して時分割駆動されるライトバルブからなる光変調手段と、該光変調手段によって変調された光を投射する投射手段とを備えた構成となっている。
【0026】
前記面状光源の具体的な形態としては、R,G,Bの複数の色光をそれぞれ出射可能な発光素子(例えば発光ダイオード(LED))を少なくとも1個ずつ含む半導体発光デバイス(LED群)を1つの光源単位とし、そのLED群を平面状または曲面状に配列したLEDアレイを用いることができる。現在、R,G,Bの各色光について高出力のLEDが提供されており、この種のLEDをアレイ状に平面的または曲面的に配列することによって、薄型で画像表示装置(特に投射型画像表示装置)に好適な面状光源を得ることができる。
【0027】
前記均一照明手段の具体的な形態としては、複数のロッドレンズが平面状または曲面状に配列されたロッドレンズアレイを用いることが望ましい。投射型画像表示装置に用いる均一照明手段としてはフライアイインテグレータがよく知られているが、フライアイインテグレータの場合、2つのフライアイレンズ間、もしくはフライアイインテグレータとライトバルブとの間に空間が必要であり、これが装置の小型化、薄型化の障害となる。それに比べて、複数のロッドレンズが平面状または曲面状に配列されたロッドレンズアレイの場合、フライアイインテグレータと照度均一化の原理が異なり、入射光がロッドレンズ内で内面反射を繰り返すことにより出射端面で既に照度が均一化された光が得られる。よって、フライアイインテグレータのような空間は必要なく、面状光源や後段のライトバルブ等に密着させることができ、小型化、薄型化により有利となる。
【0028】
さらに、前記面状光源から入射される光の偏光状態を一方向に揃える偏光変換手段を備えることが望ましい。具体的な形態としては、光源本体の光出射方向に対して後方側に設けられた反射板を備え、前記均一照明手段の出射端面に、所定の振動方向の偏光を透過させるとともに前記振動方向と異なる振動方向の偏光を反射させる反射型偏光子機能が重畳されている構成とするとよい。このように偏光変換手段を備えることにより、面状光源からの出射光をライトバルブで表示に寄与する一偏光方向の偏光に揃えることができるので、光の利用効率を高めることができる。
【実施例】
【0029】
[実施例1]
以下、本発明の第1の実施例を、図1〜図5を参照して説明する。本実施例では、色順次駆動方式の投射型画像表示装置の例を示す。図1は投射型画像表示装置の全体構成を示す概略構成図であって、図中の符号1は光学素子、2はLEDアレイ(面状光源)、3はロッドレンズアレイ(均一照明手段)、4は偏光子、5は液晶ライトバルブ(光変調手段)、6は投射レンズ(投射手段)、7はスクリーンである。
【0030】
図1の光源部分(照明装置)の詳細を図2に示す。なお、図2では基板21の図示を省略している。
一つのロッドレンズ31にカップリングされる半導体発光デバイスの発光素子(ここではLEDとする)は、R,G,Bの各色光を出射可能なLED(赤)23、LED(緑)24、LED(青)25からなり、具体的にはそれぞれ赤1個、緑2個、青1個のLEDチップを含むLED群22を1つの光源単位としている。そのLED群22を平面状または曲面状の単一基板21上に配列させたLEDアレイ(光源)2と、LED群22の各LED23,24,25から出射される各色光の照度を均一化するためのロッドレンズ31が複数個平面的に配列され、樹脂またはガラスにより一体に成型されたロッドレンズアレイ3とで、光学素子1が構成され、この光学素子1の出射端面側に偏光子4を配置して照明装置を構成している。そして、投射型画像表示装置は、この照明装置と、該照明装置のロッドレンズアレイ3から出射した各色光を変調して画像を合成する液晶ライトバルブ5と、液晶ライトバルブ5によって合成された画像をスクリーン7に拡大投射する投射レンズ6とから概略構成されている。
【0031】
ここで、LED群22のLEDチップを赤色1個、緑色2個、青色1個としたのは、非特許文献1(「プロジェクターの最新技術」(シーエムシー出版)のp77)を参考とした。色度座標(0.700,0.299)、(0.206,0.709)、(0.152,0.026)の3原色のLED光源を使った場合、色温度9000Kの白色を得るためには、その光束比が、
赤:緑:青=21:76:4
となるので、緑色を2個用いた。しかし、これはLEDの個数が問題ではなく、光束比が問題となるので、必要な光束比が得られるLEDの個数を設定すればよい。また、フルカラーを必要としない場合は、2色の光源を用いることも可能である。一方、より高精細な色表現を必要とする場合は4色以上の光源を用いることも可能である。
【0032】
LEDアレイ2は図示せぬ光源駆動回路(光源駆動手段)に接続されており、この光源駆動回路によってLED群22の各LED23,24,25が発光するタイミングが制御され、各LED23,24,25から例えばR,G,B、R,G,B、・・・というように時間順次に色光を発光可能な構成となっている。このとき、同色のLEDの同一端子は基板21上で結線することにより配線を簡略化することができる。
【0033】
ロッドレンズアレイ3は、LED基板21に透明樹脂性接着剤などにより接着されている。LEDアレイ2とロッドレンズアレイ3の接続部の詳細を図3に示す。図1、図3とも左側の面(光源側の面)が入射端面32、右側の面(ライトバルブ側)が出射端面33となっている。図3(a)に示すロッドレンズ31の入射端面32は平面であるが、平面である必要はなく、図3(b)に示すような円弧状の形態も考えられる。このとき、ロッドレンズ31とLED群22の間に透明樹脂34を封入することにより、LED群22内での全反射が抑制され、LED群22の各LED23,24,25からの光の取り出し効率を改善することができる。封入に用いる透明樹脂34は接着剤そのものでもよいが、シリコン樹脂など、光や熱による劣化の少ない透明媒質を充填することにより、長時間使用しても封止樹脂の劣化による透過率の低下を抑制することができる。
また、ロッドレンズアレイ3の各ロッドレンズ31の出射面側も平面である必要はなく、図13に示すように、曲面(レンズ面)であってもよい。なお、図14は横軸にロッドレンズの長さ、縦軸に広がり角が15度以内にカップリングされる光線の割合を示したグラフである。出射面側が平面(R=∞)の場合と、レンズ面でその曲率半径RがR=3mmの場合とR=5mmの場合が示してある。ロッドレンズ31の出射面側をレンズ面にすることにより、ロッドレンズ31の長さを短くすることができる。
【0034】
LED群22の各LED23,24,25から出射された光は、充填材または透明樹脂性の接着剤を介してロッドレンズアレイ3の入射端面32に到達しロッドレンズ31にカップリングされる。カップリングされた光線は各ロッドレンズ31で内面反射を繰り返し、出射端面33から出射される時点では照度が均一化されている。ロッドレンズアレイ3から出射した光線は、偏光子4により偏光方向が一方向に揃えられ、液晶ライトバルブ5に入射する。このとき、第一の面(入射端面32)および第二の面(出射端面33)を繋ぐ面、つまりロッドレンズ31の側面に光源光の波長の光線を反射する反射膜または構造を形成することにより、光源からの出射光の光利用効率を向上させることができる。また、図5に示すように、ロッドレンズ31の側面を適当な曲面にすることにより、光軸に対し大きい角度で出射した光線に対しても側面が全反射条件を満たし、反射膜または反射構造が無くてもロッドレンズ31を透過してしまうロスを低減でき、光利用効率を向上させることができる。また、ロッドレンズ31の側面を曲面にすることにより、出射光の発散角を狭く抑えることもできる。
【0035】
液晶ライトバルブ5には、画素スイッチング用素子として薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下、TFTと略記する)を用いたTNモードのアクティブマトリクス方式の透過型の液晶セルが使用され、液晶セルの外面には入射側偏光板、出射側偏光板がその透過軸が互いに直交するように配置されて設けられている。例えば、オフ状態では液晶ライトバルブ5に入射されたs偏光がp偏光に変換されて出射される。一方、オン状態では光が遮断されるようになっている。以上のLEDアレイ2、ロッドレンズアレイ3、偏光子4、液晶ライトバルブ5は離間して配置しても良いが、装置の小型化、薄型化のためには全てを密着させて配置することが望ましい。
【0036】
液晶ライトバルブ5は図示せぬ液晶ライトバルブ駆動回路(光変調駆動手段)に接続されており、この液晶ライトバルブ駆動回路によって、入射される各色光に対応させて液晶ライトバルブ5を時間順次に駆動することが可能な構造になっている。また、本実施例の投射型画像表示装置においては、図示しない同期信号発生回路(同期信号発生手段)が備えられており、この同期信号発生回路により、同期信号を発生させ、光源駆動回路および液晶ライトバルブ駆動回路に入力することにより、LED群22の各LED23,24,25から色光を出射するタイミングと、その色光に対応して液晶ライトバルブ5を駆動するタイミングとを同期させることができる構造になっている。
【0037】
すなわち、本実施例の投射型画像表示装置では、1フレームを時分割し、LED群22の各LED23,24,25から時間順次にR,G,Bの各色光を出射させ、各LED23,24,25から色光を出射するタイミングと液晶ライトバルブ5を駆動するタイミングとを同期させることにより、各LED23,24,25から出射される色光に対応させて液晶ライトバルブ5を時間順次に駆動し、各LED23,24,25から出射される色光に対応する画像信号を出力することにより、カラー画像を合成することが可能な構成になっている。
【0038】
以下に具体的数値データを示す。図4はLED群22の発光部の一例を示す平面図であり、図4に示すように、上記LED群22内の各LED(LEDチップ)23,24,25の1辺を0.1mmとし、4個のLED(LED23(赤用)1個、LED24(緑用)2個、LED25(青用)1個)が集まって0.2mm角の発光部を有するとする。この光源に対し入射端面が0.2mm角、出射端面が1mm角、入射端面と出射端面の間隔が6mm、側面が平面で反射率が100%のテーパー状のロッドレンズ31にカップリングさせた場合、出射端面から出射する光線の約70%が発散角15度以下であるという計算結果が得られており、非常に薄型で指向性のよい照明装置が得られる。ここで、各ロッドレンズ31の側面の形状を図2に示すような単なるテーパー状ではなく、図5に示すような適当な曲面にすることにより、さらにカップリング効率を向上させ、指向性も改善できる。このロッドレンズ31を4×6のアレイ状に配置することで、約0.3インチの液晶ライトバルブ5に対する照明装置となる。これに適当な投射レンズ6を付けることにより、携帯電話やノートパソコンなどの携帯機器に組み込むことが可能な投影モジュールを提供することができる。
【0039】
また、上記のロッドレンズアレイ3のような微細アレイ構造の金型について、最近の精密加工機(例えば、ファナック社製:ロボナノα−0iB)を用いることにより、加工可能であることが確認されている。
【0040】
[実施例2]
次に、本発明の第2の実施例を、図6〜図8を参照して説明する。本実施例では、色順次駆動方式の投射型画像表示装置の別の例を示す。図6は投射型画像表示装置の全体構成を示す概略構成図であって、図中の符号1は光学素子、2はLEDアレイ(面状光源)、3はロッドレンズアレイ(均一照明手段)、5は液晶ライトバルブ(光変調手段)、6は投射レンズ(投射手段)、7はスクリーンである。本実施例と第一の実施例とでは、光学素子1のLEDアレイ2とロッドレンズアレイ3の出射端部の構成が異なる。LEDアレイ2とロッドレンズアレイ3の出射端部までの詳細を図7に示す。
【0041】
まず、図7に示すように、LEDアレイ2の各LED群22の背面には、反射面26が形成されている。これは、金属膜の蒸着や誘電体多層膜の蒸着により形成してもよいが、LED基板21自体を金属により形成し、LED群22の周辺部を鏡面加工したものでもかまわない。
【0042】
次に、ロッドレンズアレイ3の出射端面33の表面に反射型の偏光子41が形成されている。偏光子41の構造を図8に示す。ガラスで成型したロッドレンズアレイ3の出射端面33に、屈折率の高い誘電体膜42と屈折率の低い誘電体膜43を交互に積層し、エッチングによりストライプ状の周期構造を形成する。例えば、高屈折率材料をTaO5(屈折率:n≒2.2)、低屈折材料をSiO2(屈折率:n≒1.44)とし、ストライプ構造のピッチp、Filling Factor(ランド幅Δ/ピッチp)、層厚Lを最適化することにより、p偏光が透過しs偏光が反射する反射型偏光子として機能する。ここで、高屈折率材料の屈折率がさらに高いものを選び、層数を増やすことにより、より広い波長範囲で反射型偏光子の機能を有する構造を作成することができる。また、誘電体多層膜ではなく、アルミニウムなどの光反射性を有する金属からなる多数のリブ(光反射体)を入射光の波長よりも小さいピッチでロッドレンズアレイ3の出射端面33上に形成してもよい。この場合も誘電体膜のときと同様にして、金属薄膜をロッドレンズアレイ3の出射端面33に蒸着し、それをエッチングすることにより形成することができる。
【0043】
このような構成にすることにより、LED群22の各LED23,24,25から出射された光は、ロッドレンズアレイ3にカップリングされた後、各ロッドレンズ31で内面反射を繰り返して出射端面33に到達する。このとき、ロッドレンズアレイ3の出射端面33に形成された反射型偏光子41により、一方の偏光成分はそのまま反射型偏光子41を透過し、液晶ライトバルブ5に向かう。それと直交する方向の偏光成分は、反射型偏光子41により反射されLED群22方向に戻り、LED群22の背面および周辺の反射面26により反射され、再び各ロッドレンズ31で内面反射を繰り返して出射端面33に到達する。これらの光線は複数回のロッドレンズ内の反射により偏光方向が回転するため、反射型偏光子41により一部が透過して液晶ライトバルブ5に向かう。これが何度も繰り返され、偏光方向の揃った照明光を高い利用効率で得ることができる。なお、液晶ライトバルブ5以降の構成、動作は第一の実施例と同様である。
【0044】
[実施例3]
次に、本発明の第3の実施例を図9を参照して説明する。本実施例も色順次駆動方式の投射型表示装置であるが、ライトバルブとして液晶型ではなく、ミラー型を用いているところが異なる。図9は投射型画像表示装置の全体構成を示す概略構成図であって、図中の符号1は光学素子、2はLEDアレイ(面状光源)、3はロッドレンズアレイ(均一照明手段)、8は偏向プリズム、9はミラー型ライトバルブ(光変調手段)、6は投射レンズ(投射手段)である。
【0045】
LEDアレイ2からロッドレンズアレイ3までの光学素子1の部分(照明装置)の構成、動作は第一または第二の実施例と同様であるので、ここでは説明を省略する。
図9において、ロッドレンズアレイ3から出射した光線は、2個の三角プリズム81,82を空気層を有するように構成した偏向プリズム8に入射し、三角プリズム81の斜面84により全反射され、ミラー型ライトバルブ9に所定の角度で入射する。ミラー型ライトバルブ9には、画素スイッチング用素子として半導体プロセスにより形成されたミラーアレーを用いることができる。一般的にはテキサスインスツルメンツ社製のデジタルミラーデバイス(DMD)がよく知られている。例えば、オフ状態ではミラーの傾きはゼロ度で、投射レンズ6にカップリングされないが、オン状態では光線が投射レンズ6方向に反射されるようにミラーが所定の傾きを有するため、ミラー反射光は三角プリズム81の斜面83の全反射条件から外れ、偏向プリズム8を透過し、投射レンズ6で図示しないスクリーンに結像される。本実施例のように光変調手段としてミラー型ライトバルブ9を用いた場合、偏光を用いない構成を採れるため、必ずしも偏光変換の必要がなく、照明光を有効に投射レンズ6に導くことができるので、光利用効率の高い、明るい投射型画像表示装置を提供することができる。
【0046】
[実施例4]
次に、本発明の第4の実施例を図10を参照して説明する。図10は投射型画像表示装置の全体構成を示す概略構成図であって、図中の符号1は光学素子、2はLEDアレイ(面状光源)、3はロッドレンズアレイ(均一照明手段)、4は偏光子、5は液晶ライトバルブ(光変調手段)、6は投射レンズ(投射手段)である。本実施例の投射型画像表示装置の概略構成は図1と同様であるが、光学素子1のロッドレンズアレイ3の構成が異なる。LED群22の各LED23,24,25から出射された光は、ロッドレンズアレイ3の入射開口からロッドレンズ31にカップリングされる。カップリングされた光線は各ロッドレンズ31で内面反射を繰り返し、出射端面から出射される時点では照度が均一化されている。ロッドレンズアレイ3から出射した光線は、偏光子4により偏光方向が一方向に揃えられ液晶ライトバルブ5に入射する。以降は実施例1と同様である。
【0047】
これまでの実施例のロッドレンズ31は、導光部分が媒質で満たされていたが、本実施例のロッドレンズアレイ3は、各ロッドレンズ31の部分(導光部分)が中空である。したがって、ロッドレンズ31を透明樹脂だけでなく、金属で作ることも可能である。すなわち、図10のロッドレンズアレイ3の斜線部分を金属で形成し、テーパー状の中空部分をロッドレンズ31とすることができる。その場合、ロッドレンズ31の側面(金属面)35を鏡面加工することにより簡単に反射面ができるという利点が有る。また、樹脂で成型する場合も、前出の精密化工機を用いなくとも、金型の作成が容易にできるという利点がある。具体的には、テーパーの付いた刃物を作り、その刃物でさいの目に切削することにより金型を作成することができる。
【0048】
[実施例5]
次に、本発明の第5の実施例を図12を参照して説明する。図12は投射型画像表示装置の全体構成を示す概略構成図であって、図中の符号1は光学素子、2はLEDアレイ(面状光源)、3はロッドレンズアレイ(均一照明手段)、6は投射レンズ(投射手段)である。本実施例では、ロッドレンズ31およびLED群22は、画像を形成する画素数だけ存在する。例えば、VGA画像では約30万個(640×480)となる。各LED群22内の各LED素子(前述したR,G,Bの各色光を出射可能なLED(赤)23、LED(緑)24、LED(青)25)は、図示せぬ光源駆動回路(光源駆動手段)に接続されており、画像信号に対応して各LED23,24,25の発光量が制御され、各ロッドレンズ31内で混色され、対応した画素の色光を出射し、カラー画像を合成することが可能な構成になっている。つまり、光学素子1自体が光変調手段を有する構成となっている。そして、その画像が投射レンズ6で図示しないスクリーンに結像される。
本実施例のように、光学素子1の発光手段(LED群)22が光変調手段となっている構成では、別途光変調手段を必要とせず、また、偏光を用いない構成を採れるため、必ずしも偏光変換の必要がなく、さらに、時間順次発光をする必要がないため、部品点数が少なく、光利用効率の高い、明るい投射型画像表示装置を提供することができる。
【0049】
以上、実施例に基づいて説明したとおり、本発明では、図1〜9に示したように、半導体発光デバイス(LED)23,24,25からなる、複数色を一組とする光源(LED群)22をアレイ状に配置し、それぞれの光源からの出射光をそれぞれ一つのロッドレンズ31で照度を均一化することにより、ロッドレンズアレイ3の出射端面33で各色光ごとに照度を均一化することができ、小型、薄型、軽量でライトバルブ5(又は9)上で照度が均一の光学素子および照明装置を得ることができる。
また、本発明では、図1、図2に示したように、半導体発光デバイス(LED)23,24,25からなる、複数色を一組とする光源(LED群)22をアレイ状に配置し、それぞれの光源からの出射光をそれぞれ一つのテーパー付きロッドレンズ31で照度均一化することにより、ロッドレンズアレイ3の出射端面33で各色光ごとに照度が均一化し、小型薄型でかつ光線の放射角が小さく、ライトバルブ5(又は9)上で照度が均一の光学素子および照明装置を得ることができる。
さらに本発明では、図10に示したように、ロッドレンズアレイ3を中空ロッドレンズで構成することにより、型の作成を容易にすることができる。また、材質をガラスや樹脂などの透明部材以外に金属も使用できるようになり、材質の選択性を広げることができる。
【0050】
本発明では、上記の構成に加え、複数色を一組とする光源として、R,G,Bの少なくとも3個を一組とすることにより、フルカラー対応可能な照明装置を提供することができる。
また、本発明では、図3に示したように、光源(LED群)22とロッドレンズ31の間が光源光に対し透明な部材34により充填されることにより、LED郡22と空気との界面を無くし、界面での全反射を抑制することによりLED群22の各LED23,24,25からの光の取り出し効率を向上させることができる。
さらに本発明では、ロッドレンズ31の側面に光源光を反射する膜もしくは構造を形成することにより、小さい角度でロッドレンズの側面に入射した光線をロッドレンズ内にとどめ、光利用効率を向上させることができる。
【0051】
本発明では、光学素子のロッドレンズアレイ3の出射端面33側に偏光子4を設置し、偏光を揃えることにより、液晶で構成されるライトバルブ5を用いた画像表示装置用の照明装置として適用することができる。
また、本発明では、偏光子を反射型偏光子とすることにより、偏光子を通過しなかった光線を再びロッドレンズ内に戻し、再利用することができ、光利用効率を向上させることができる。
さらに本発明では、図6、図7に示したように、直接ロッドレンズアレイ3の出射端面33に偏光子41を形成することにより、光学素子および照明装置をより薄型化することができる。
【0052】
本発明では、上記の構成に加えて、ロッドレンズアレイ3の各ロッドレンズ31が一体に成型されていることにより、生産性を高め低コスト化することができる。
また、本発明では、ロッドレンズアレイ3の各ロッドレンズ31の第一面側に配置される光源は、所望のホワイトバランスを得る光量比率になっていることにより、良好なホワイトバランスを得ることができる。
さらに本発明では、光源(LED群22)が単一基板21に配置されていることにより、生産性を高め低コスト化することができる。
【0053】
本発明では、上記の構成に加えて、同一色を発光する光源の同一電極が基板21上で結線されていることにより、光源の配線を簡略化することができる。
また、本発明では、ロッドレンズアレイ3の各ロッドレンズ31の第一面と第二面、もしくは第一の開口と第二の開口を繋ぐ面を、図5に示すように曲面とすることにより、この曲面を適当な曲面にすることにより、発散角の大きな光線も全反射条件を満足させ、ロッドレンズの側面に反射膜または構造を形成せずに光利用効率を向上させることができる。また、ロッドレンズ31からの出射角度をより狭くすることができる。
さらに本発明では、以上の構成を備えることにより、光の利用効率に優れ、簡単な構成で小型化、薄型化、軽量化が図れ、照度が均一の照明装置を得ることができる。
【0054】
本発明では、以上の構成および効果を有する照明装置と、該照明装置からの出射光を画像情報に応じて変調する光変調手段(液晶ライトバルブ5又はミラー型ライトバルブ9等)とを備えたことにより、光の利用効率に優れ、小型、薄型、軽量の画像表示装置を実現することができ、さらに投射レンズを設けることにより、小型、薄型、軽量の投射型画像表示装置を実現することができる。
さらに本発明では、上記構成の光学素子と、該光学素子の光源を画像情報に応じて変調発光させる変調発光手段を備えることにより、光の利用効率に優れ、簡単な構成で小型化、薄型化、軽量化が図れ、画像形成が可能な画像表示装置を得ることができ、さらに投射レンズを設けることにより、小型、薄型、軽量の投射型画像表示装置を実現することができる。
また、本発明の画像表示装置は、プロジェクタ等に限らず、背面投射型の薄型、軽量のプロジェクションテレビ等に応用でき、また、投射型に限らず、ヘッドマウントディスプレイ等の画像表示装置にも応用することができる。さらに本発明の画像表示装置は、小型、薄型、軽量で、光の利用効率に優れているので、携帯電話、携帯ゲーム機、デジタルカメラ、電子手帳、電子書籍、ノートパソコンなどの携帯機器、小型機器等に内蔵することができる。
【0055】
なお、本発明の技術範囲は上記の実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば面状光源としてはLEDの他、半導体レーザー、有機EL素子、無機EL素子なども使用できる。
また、各光源内の各色の発光素子(LED等)の数も、赤1個、緑2個、青1個に限定されるものではなく、発光素子(LED等)の出射可能出力とホワイトバランスの関係から各色適当な素子数で構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の一実施例を示す投射型画像表示装置の概略構成図である。
【図2】図1に示す投射型画像表示装置の概略要部断面図である。
【図3】図1に示す投射型画像表示装置のLEDアレイとロッドレンズアレイの接続部の詳細を示す図である。
【図4】LED群の発光部の一例を示す平面図である。
【図5】ロッドレンズアレイの別の構成例を示す概略断面図である。
【図6】本発明の別の実施例を示す投射型画像表示装置の概略構成図である。
【図7】図6に示す投射型画像表示装置のLEDアレイとロッドレンズアレイの構成例を示す概略要部断面図である。
【図8】図7に示すロッドレンズアレイの出射端面に設けた偏光子の構造の一例を示す概略要部斜視図である。
【図9】本発明のさらに別の実施例を示す投射型画像表示装置の概略構成図である。
【図10】本発明のさらに別の実施例を示す投射型画像表示装置の概略構成図である。
【図11】従来技術の一例を示す投射型画像表示装置の概略構成図である。
【図12】本発明のさらに別の実施例を示す投射型画像表示装置の概略構成図である。
【図13】(a)はロッドレンズアレイの別の構成例を示す概略要部斜視図、(b)はロッドレンズアレイの一つのロッドレンズの形状例を示す断面図である。
【図14】横軸にロッドレンズの長さ、縦軸に広がり角が15度以内にカップリングされる光線の割合を示したグラフである。
【符号の説明】
【0057】
1:光学素子
2:LEDアレイ(面状光源)
3:ロッドレンズアレイ(均一照明手段)
4:偏光子
5:液晶ライトバルブ(光変調手段)
6:投射レンズ(投射手段)
7:スクリーン
8:偏向プリズム
9:ミラー型ライトバルブ
21:基板
22:LED群(光源)
23,24,25:LED(発光素子)
26:反射面
31:ロッドレンズ
32:入射端面(第一の面)
33:出射端面(第二の面)
34:透明樹脂
41:反射型の偏光子
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置の構成に関し、特に画像表示装置およびその照明系に用いられる光学素子と、その光学素子を用いた照明装置、および、前記光学素子または前記照明装置を備えた小型、軽量、薄型の画像表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶ライトバルブ等の光変調装置を用いて映像光を合成し、合成された映像光を投射レンズ等からなる投射光学系を通じてスクリーンに拡大投射する投射型画像表示装置が従来から知られている。
図11は、従来の投射型画像表示装置の一例を示す概略構成図である。図11において、図中の符号110は光源、113,114はダイクロイックミラー、115,116,117は反射ミラー、122,123,124は液晶ライトバルブ(光変調手段)、125はクロスダイクロイックプリズム、126は投射レンズを示している。光源110はメタルハライド等のランプ111とランプの光を反射するリフレクタ112とからなる。青色光・緑色光反射用のダイクロイックミラー113は、光源110からの光束のうちの赤色光LRを透過させるとともに、青色光LBと緑色光LGとを反射させる。透過した赤色光LRは反射ミラー115で反射されて、赤色光用液晶ライトバルブ122に入射する。一方、ダイクロイックミラー113で反射した色光のうち、緑色光LGは緑色光反射用のダイクロイックミラー114によって反射し、緑色光用液晶ライトバルブ123に入射する。一方、青色光LBはダイクロイックミラー114も透過して、反射ミラー116,117を経て青色光用液晶ライトバルブ124に入射する。
【0003】
各液晶ライトバルブ122,123,124によって変調された3つの色光は、クロスダイクロイックプリズム125に入射する。このクロスダイクロイックプリズム125は4つの直角プリズムが貼り合わされ、その内面に赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが十字状に形成されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成されてカラー画像を表す光が形成される。合成された光は投射光学系である投射レンズ126により投射スクリーン127上に投射され、拡大された画像が表示される。
【0004】
上述したように、従来の投射型画像表示装置においては、光源から出射された光をダイクロイックミラー113,114を用いて3つの色光に分離し、各々の色光を3つの液晶ライトバルブ122,123,124を用いてそれぞれ変調した後、ダイクロイックプリズム125により再度合成し、投射レンズ126でスクリーン127上に投射する構成を採用していた。そのため、多数の光学部品が必要であり、根本的に装置の小型化、軽量化、薄型化を図るのが困難であった。
【0005】
この問題を解決すべく、例えば特許文献1(特開2003−295315公報)には、赤色、緑色、青色(以下、赤色をR,緑色をG,青色をBと略記する)の各色光を出射可能な複数の発光ダイオード(Light Emitting Diode(以下、LEDと略記する))が平面状または曲面状に配列されたLEDアレイと、LEDアレイの各LEDから出射される各色光の照度を均一化するための複数のロッドレンズが平面状または曲面状に配列されたロッドレンズアレイと、ロッドレンズアレイから出射される光の偏光変換を行う偏光ビームスプリッタアレイ(以下、PBSアレイと略記する)と、PBSアレイから出射される各色光を変調して画像を合成する液晶ライトバルブと、液晶ライトバルブによって合成された画像をスクリーンに拡大投射する投射レンズとから構成されている投射型画像表示装置が提案されている。
また、特許文献2(特開2003−329978公報)には、光出射方向に対して後方側に反射板を備えたLEDアレイと、位相差板と、テーパロッドレンズアレイと、ロッドレンズアレイと、反射型偏光板とを備えて、偏光変換を行う薄型照明装置が提案されている。
【0006】
【特許文献1】特開2003−295315公報
【特許文献2】特開2003−329978公報
【非特許文献1】「プロジェクターの最新技術」(シーエムシー出版)、p77
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述の特許文献1に記載の従来技術では、各色光毎にロッドレンズで照度均一化を行っているので、ロッドレンズの出射端面では、そのロッドレンズを通ってきた1個または複数個のLEDチップから出射された色光については照度の均一化がなされているが、ロッドレンズ出射後のライトバルブ上において各色光が均一になっているとは限らないという課題がある。
また、特許文献2に記載の従来技術では、反射型偏光板として、アルミニウムなどの光反射性を有する金属からなる多数のリブが入射光の波長よりも小さいピッチでガラス基板25上に形成されたグリッド偏光子やフィルム多層積層型偏光板など、いわゆる反射型偏光板素子を必要としており薄型化の弊害となっている。
【0008】
本発明は、上記の従来技術の課題を解決するためになされたものであって、光の利用効率に優れ、簡単な構成で小型化、薄型化、軽量化が図れる光学素子と、この光学素子を用いた小型、薄型、軽量の画像表示装置もしくは照明装置、およびこの照明装置を備えた小型、薄型、軽量の画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するため、本発明では以下のような技術的手段を採っている。
本発明の第1の手段は、「複数の色光を発光可能で所望の素子を選択発光可能な、複数色を一組とする半導体発光デバイスから構成される光源」と、「前記光源からの光に対して透明な部材からなり、前記光源の面積と同等またはそれ以上の面積を持つ第一の面と、前記第一の面に対向する第二の面とを有し、その2つの面を底面とするロッドレンズが2次元配列したロッドレンズアレイ」と、からなる光学素子において、「前記ロッドレンズアレイの各ロッドレンズの第一面側に、前記複数色を一組とする半導体発光デバイスから構成される光源が配置されている」ことを特徴とする。
【0010】
本発明の第2の手段は、「複数の色光を発光可能で所望の素子を選択発光可能な、複数色を一組とする半導体発光デバイスから構成される光源」と、「前記光源からの光に対して透明な部材からなり、前記光源の発光部面積と同等またはそれ以上の面積を持つ第一の面と、前記第一の面よりも大きい面積を持ち前記第一の面に対向する第二の面とを有し、その2つの面を底面とするロッドレンズが2次元配列したロッドレンズアレイ」と、からなる光学素子において、「前記ロッドレンズアレイの各ロッドレンズの第一面側に、前記複数色を一組とする半導体発光デバイスから構成される光源が配置されている」ことを特徴とする。
【0011】
本発明の第3の手段は、「複数の色光を発光可能で所望の素子を選択発光可能な、複数色を一組とする半導体発光デバイスから構成される光源」と、「前記光源の発光部面積と同等またはそれ以上の面積を持つ第一の開口面と、前記第一の開口面よりも大きい面積を持ち前記第一の面に対向する第二の開口面とを有し、その2つの開口面を底面とする中空ロッドレンズの側面には光源光を反射する膜もしくは構造が形成されており、それらの中空ロッドレンズが2次元配列したロッドレンズアレイ」と、からなる光学素子において、「前記ロッドレンズアレイの各中空ロッドレンズの第一開口面側に、前記複数色を一組とする半導体発光デバイスから構成される光源が配置されている」ことを特徴とする。
【0012】
本発明の第4の手段は、第1乃至第3のいずれか1つの手段の光学素子において、「前記複数色を一組とする半導体発光デバイスから構成される光源は、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の少なくとも3色を一組とする半導体発光デバイスから構成される光源である」ことを特徴とする。
また、本発明の第5の手段は、第1または第2の手段の光学素子において、「前記光源と前記ロッドレンズの間が、前記光源からの光に対して透明な部材により充填または接着されている」ことを特徴とする。
さらに本発明の第6の手段は、第1乃至第3のいずれか1つの手段の光学素子において、「前記ロッドレンズの第一の面および第二の面を繋ぐ面であるロッドレンズの側面に、前記光源からの光を反射する膜もしくは構造が形成されている」ことを特徴とする。
【0013】
本発明の第7の手段は、第1乃至第6のいずれか1つの手段の光学素子において、「前記ロッドレンズアレイの第二面側に偏光子を設置した」ことを特徴とする。
また、本発明の第8の手段は、第7の手段の光学素子において、「前記偏光子が反射型偏光子である」ことを特徴とする。
さらに本発明の第9の手段は、第8の手段の光学素子において、「前記偏光子が、前記ロッドレンズアレイの第二の面に形成されている」ことを特徴とする。
【0014】
本発明の第10の手段は、第1乃至第9のいずれか1つの手段の光学素子において、「前記ロッドレンズアレイの各ロッドレンズが一体に成型されている」ことを特徴とする。
また、本発明の第11の手段は、第1乃至第10のいずれか1つの手段の光学素子において、「前記ロッドレンズアレイの各ロッドレンズの第一面側に配置される光源は、所望のホワイトバランスを得る光量比率になっている」ことを特徴とする。
さらに本発明の第12の手段は、第1乃至第11のいずれか1つの手段の光学素子において、「前記光源が単一基板に配置されている」ことを特徴とする。
【0015】
本発明の第13の手段は、第1乃至第12のいずれか1つの手段の光学素子において、「同一色を発光する光源の同一電極が結線されている」ことを特徴とする。
また、本発明の第14の手段は、第1乃至第13のいずれか1つの手段の光学素子において、「前記ロッドレンズアレイの各ロッドレンズの第一の面と第二の面、もしくは第一の開口と第二の開口を繋ぐ面が、曲面である」ことを特徴とする。
さらに本発明の第15の手段は、照明装置であって、第1乃至第14のいずれか1つの手段の光学素子を用いたことを特徴とする。
【0016】
本発明の第16の手段は、画像表示装置であって、第15の手段の照明装置と、該照明装置からの出射光を画像情報に応じて変調する光変調手段とを備えたことを特徴とする。
また、本発明の第17の手段は、投射型の画像表示装置であって、第15の手段の照明装置と、該照明装置からの出射光を画像情報に応じて変調する光変調手段と、前記変調された光を拡大投影するレンズとを備えたことを特徴とする。
さらに本発明の第18の手段は、画像表示装置であって、第1乃至第14のいずれか1つの手段の光学素子と、該光学素子の光源を画像情報に応じて変調発光させる変調発光手段を備え、前記光学素子のロッドレンズアレイの各ロッドレンズからの光出力を1画素の出力とすることを特徴とする。
また、本発明の第19の手段は、第18の手段の画像表示装置と、該画像表示装置の画像を拡大投影するレンズとを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
第1の手段の光学素子では、ロッドレンズが2次元配列したロッドレンズアレイの各ロッドレンズの第一面側に、複数色を一組とする半導体発光デバイスから構成される光源が配置されているので、それぞれの光源からの出射光をそれぞれ一つのロッドレンズで照度を均一化することにより、ロッドレンズアレイの第二の面(出射端面)で各色光ごとに照度を均一化することができる。
【0018】
第2の手段の光学素子では、テーパー付きのロッドレンズが2次元配列したロッドレンズアレイの各ロッドレンズの第一面側に、複数色を一組とする半導体発光デバイスから構成される光源が配置されているので、それぞれの光源からの出射光をそれぞれ一つのテーパー付きロッドレンズで照度を均一化することにより、ロッドレンズアレイの第二の面(出射端面)で各色光ごとに照度を均一化することができ、かつ光線の放射角を小さくすることができる。
【0019】
第3の手段の光学素子では、中空ロッドレンズが2次元配列したロッドレンズアレイの各中空ロッドレンズの第一開口面側に、複数色を一組とする半導体発光デバイスから構成される光源が配置されているので、それぞれの光源からの出射光をそれぞれ一つの中空ロッドレンズで照度を均一化することにより、ロッドレンズアレイ出射端面で各色光ごとに照度を均一化することができる。また、中空ロッドレンズにすることにより、成形型の作成を容易にすることができる。また、材質をガラスや樹脂などの透明部材以外に金属も使用できるようにすることにより、材質の選択性を広げることができる。
【0020】
第4の手段の光学素子では、第1乃至第3のいずれか1つの手段の構成および効果に加えて、複数色を一組とする光源として、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の少なくとも3色を一組とする半導体発光デバイスから構成される光源を用いることにより、フルカラー対応可能な光学素子を提供することができる。
また、第5の手段の光学素子では、第1または第2の手段の構成および効果に加えて、光源とロッドレンズの間が光源光に対し透明な部材により充填されることにより、半導体発光デバイス(例えば発光ダイオード(LED)チップ)と空気との界面を無くし、界面での全反射を抑制することによりLEDチップからの光の取り出し効率を向上させることができる。
さらに第6の手段の光学素子では、第1乃至第3のいずれか1つの手段の構成および効果に加えて、ロッドレンズの側面に光源光を反射する膜もしくは構造を形成することにより、小さい入射角でロッドレンズ側面に入射した光線をロッドレンズ内にとどめ、光利用効率を向上させることができる。
【0021】
第7の手段の光学素子では、第1乃至第6のいずれか1つの手段の構成および効果に加えて、ロッドレンズアレイの第二面側に偏光子を設置し、偏光を揃えることにより、液晶で構成されるライトバルブを用いた画像表示装置の照明光学系に適用することができる。
また、第8の手段の光学素子では、第7の手段の構成および効果に加えて、偏光子を反射型偏光子とすることにより、偏光子を通過しなかった光線を再びロッドレンズに戻し、再利用することができ、光利用効率を向上させることができる。
さらに第9の手段の光学素子では、第8の手段の構成および効果に加えて、偏光子が、ロッドレンズアレイの第二の面(出射端面)に形成されていることにより、より薄型化することができる。
【0022】
第10の手段の光学素子では、第1乃至第9のいずれか1つの手段の構成および効果に加えて、ロッドレンズアレイの各ロッドレンズが一体に成型されていることにより、生産性を高め低コスト化することができる。
また、第11の手段の光学素子では、第1乃至第10のいずれか1つの手段の構成および効果に加えて、ロッドレンズアレイの各ロッドレンズの第一面側に配置される光源は、所望のホワイトバランスを得る光量比率になっていることにより、良好なホワイトバランスを得ることができる。
さらに第12の手段の光学素子では、第1乃至第11のいずれか1つの手段の構成および効果に加えて、光源が単一基板に配置されていることにより、生産性を高め低コスト化することができる。
【0023】
第13の手段の光学素子では、第1乃至第12のいずれか1つの手段の構成および効果に加えて、同一色を発光する光源の同一電極が結線されていることにより、光源の配線を簡略化することができる。
また、第14の手段の光学素子では、第1乃至第13のいずれか1つの手段の構成および効果に加えて、ロッドレンズアレイの各ロッドレンズの第一の面と第二の面、もしくは第一の開口と第二の開口を繋ぐ面が、曲面であることにより、この曲面を適当な曲面にすることにより、発散角の大きな光線も全反射条件を満足させ、ロッドレンズの側面に反射膜または構造を形成せずに光利用効率を向上させることができる。また、ロッドレンズからの出射角度をより狭くすることができる。
さらに第15の手段の照明装置では、第1乃至第14のいずれか1つの手段の光学素子を用いたことにより、光の利用効率に優れ、簡単な構成で小型化、薄型化、軽量化が図れ、照度が均一の照明装置を得ることができる。
【0024】
第16の手段の画像表示装置では、第15の手段の照明装置と、該照明装置からの出射光を画像情報に応じて変調する光変調手段とを備えたことにより、小型、薄型、軽量の画像表示装置を実現することができる。
また、第17の手段の画像表示装置では、第15の手段の照明装置と、該照明装置からの出射光を画像情報に応じて変調する光変調手段と、前記変調された光を拡大投影するレンズとを備えたことにより、小型、薄型、軽量の投射型画像表示装置を実現することができる。
さらに第18の手段の画像表示装置では、第1乃至第14のいずれか1つの手段の光学素子と、該光学素子の光源を画像情報に応じて変調発光させる変調発光手段を備え、前記光学素子のロッドレンズアレイの各ロッドレンズからの光出力を1画素の出力とすることにより、光の利用効率に優れ、簡単な構成で小型化、薄型化、軽量化が図れ、画像形成が可能な画像表示装置を実現することができる。
また、第19の手段の画像表示装置では、第18の手段の画像表示装置と、前記変調された光により前記画像表示装置上に形成された画像を拡大投影するレンズとを備えたことにより、小型、薄型、軽量の投射型画像表示装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の構成、動作および作用効果を詳細に説明する。
本発明に係る光学素子は、1つの光源が赤,緑,青(以下、R,G,Bと略記する)を発光する発光部を少なくとも1個ずつ含み、R,G,Bの色光を時間順次に出射可能であり、その光源が平面状または曲面状に配列された面状光源と、前記面状光源から出射される色光の照度を均一化して出射する均一照明手段とから構成されている。そして、本発明に係る照明装置は、前記光学素子を備えた構成であり、さらに、本発明に係る画像表示装置は、前記照明装置と、該照明装置の前記光源から均一照明手段を経て時間順次に出射される各色光の出射タイミングに同期して時分割駆動されるライトバルブからなる光変調手段とを備えた構成となっている。また、画像表示装置が投射型の場合は、前記照明装置と、該照明装置の前記光源から均一照明手段を経て時間順次に出射される各色光の出射タイミングに同期して時分割駆動されるライトバルブからなる光変調手段と、該光変調手段によって変調された光を投射する投射手段とを備えた構成となっている。
【0026】
前記面状光源の具体的な形態としては、R,G,Bの複数の色光をそれぞれ出射可能な発光素子(例えば発光ダイオード(LED))を少なくとも1個ずつ含む半導体発光デバイス(LED群)を1つの光源単位とし、そのLED群を平面状または曲面状に配列したLEDアレイを用いることができる。現在、R,G,Bの各色光について高出力のLEDが提供されており、この種のLEDをアレイ状に平面的または曲面的に配列することによって、薄型で画像表示装置(特に投射型画像表示装置)に好適な面状光源を得ることができる。
【0027】
前記均一照明手段の具体的な形態としては、複数のロッドレンズが平面状または曲面状に配列されたロッドレンズアレイを用いることが望ましい。投射型画像表示装置に用いる均一照明手段としてはフライアイインテグレータがよく知られているが、フライアイインテグレータの場合、2つのフライアイレンズ間、もしくはフライアイインテグレータとライトバルブとの間に空間が必要であり、これが装置の小型化、薄型化の障害となる。それに比べて、複数のロッドレンズが平面状または曲面状に配列されたロッドレンズアレイの場合、フライアイインテグレータと照度均一化の原理が異なり、入射光がロッドレンズ内で内面反射を繰り返すことにより出射端面で既に照度が均一化された光が得られる。よって、フライアイインテグレータのような空間は必要なく、面状光源や後段のライトバルブ等に密着させることができ、小型化、薄型化により有利となる。
【0028】
さらに、前記面状光源から入射される光の偏光状態を一方向に揃える偏光変換手段を備えることが望ましい。具体的な形態としては、光源本体の光出射方向に対して後方側に設けられた反射板を備え、前記均一照明手段の出射端面に、所定の振動方向の偏光を透過させるとともに前記振動方向と異なる振動方向の偏光を反射させる反射型偏光子機能が重畳されている構成とするとよい。このように偏光変換手段を備えることにより、面状光源からの出射光をライトバルブで表示に寄与する一偏光方向の偏光に揃えることができるので、光の利用効率を高めることができる。
【実施例】
【0029】
[実施例1]
以下、本発明の第1の実施例を、図1〜図5を参照して説明する。本実施例では、色順次駆動方式の投射型画像表示装置の例を示す。図1は投射型画像表示装置の全体構成を示す概略構成図であって、図中の符号1は光学素子、2はLEDアレイ(面状光源)、3はロッドレンズアレイ(均一照明手段)、4は偏光子、5は液晶ライトバルブ(光変調手段)、6は投射レンズ(投射手段)、7はスクリーンである。
【0030】
図1の光源部分(照明装置)の詳細を図2に示す。なお、図2では基板21の図示を省略している。
一つのロッドレンズ31にカップリングされる半導体発光デバイスの発光素子(ここではLEDとする)は、R,G,Bの各色光を出射可能なLED(赤)23、LED(緑)24、LED(青)25からなり、具体的にはそれぞれ赤1個、緑2個、青1個のLEDチップを含むLED群22を1つの光源単位としている。そのLED群22を平面状または曲面状の単一基板21上に配列させたLEDアレイ(光源)2と、LED群22の各LED23,24,25から出射される各色光の照度を均一化するためのロッドレンズ31が複数個平面的に配列され、樹脂またはガラスにより一体に成型されたロッドレンズアレイ3とで、光学素子1が構成され、この光学素子1の出射端面側に偏光子4を配置して照明装置を構成している。そして、投射型画像表示装置は、この照明装置と、該照明装置のロッドレンズアレイ3から出射した各色光を変調して画像を合成する液晶ライトバルブ5と、液晶ライトバルブ5によって合成された画像をスクリーン7に拡大投射する投射レンズ6とから概略構成されている。
【0031】
ここで、LED群22のLEDチップを赤色1個、緑色2個、青色1個としたのは、非特許文献1(「プロジェクターの最新技術」(シーエムシー出版)のp77)を参考とした。色度座標(0.700,0.299)、(0.206,0.709)、(0.152,0.026)の3原色のLED光源を使った場合、色温度9000Kの白色を得るためには、その光束比が、
赤:緑:青=21:76:4
となるので、緑色を2個用いた。しかし、これはLEDの個数が問題ではなく、光束比が問題となるので、必要な光束比が得られるLEDの個数を設定すればよい。また、フルカラーを必要としない場合は、2色の光源を用いることも可能である。一方、より高精細な色表現を必要とする場合は4色以上の光源を用いることも可能である。
【0032】
LEDアレイ2は図示せぬ光源駆動回路(光源駆動手段)に接続されており、この光源駆動回路によってLED群22の各LED23,24,25が発光するタイミングが制御され、各LED23,24,25から例えばR,G,B、R,G,B、・・・というように時間順次に色光を発光可能な構成となっている。このとき、同色のLEDの同一端子は基板21上で結線することにより配線を簡略化することができる。
【0033】
ロッドレンズアレイ3は、LED基板21に透明樹脂性接着剤などにより接着されている。LEDアレイ2とロッドレンズアレイ3の接続部の詳細を図3に示す。図1、図3とも左側の面(光源側の面)が入射端面32、右側の面(ライトバルブ側)が出射端面33となっている。図3(a)に示すロッドレンズ31の入射端面32は平面であるが、平面である必要はなく、図3(b)に示すような円弧状の形態も考えられる。このとき、ロッドレンズ31とLED群22の間に透明樹脂34を封入することにより、LED群22内での全反射が抑制され、LED群22の各LED23,24,25からの光の取り出し効率を改善することができる。封入に用いる透明樹脂34は接着剤そのものでもよいが、シリコン樹脂など、光や熱による劣化の少ない透明媒質を充填することにより、長時間使用しても封止樹脂の劣化による透過率の低下を抑制することができる。
また、ロッドレンズアレイ3の各ロッドレンズ31の出射面側も平面である必要はなく、図13に示すように、曲面(レンズ面)であってもよい。なお、図14は横軸にロッドレンズの長さ、縦軸に広がり角が15度以内にカップリングされる光線の割合を示したグラフである。出射面側が平面(R=∞)の場合と、レンズ面でその曲率半径RがR=3mmの場合とR=5mmの場合が示してある。ロッドレンズ31の出射面側をレンズ面にすることにより、ロッドレンズ31の長さを短くすることができる。
【0034】
LED群22の各LED23,24,25から出射された光は、充填材または透明樹脂性の接着剤を介してロッドレンズアレイ3の入射端面32に到達しロッドレンズ31にカップリングされる。カップリングされた光線は各ロッドレンズ31で内面反射を繰り返し、出射端面33から出射される時点では照度が均一化されている。ロッドレンズアレイ3から出射した光線は、偏光子4により偏光方向が一方向に揃えられ、液晶ライトバルブ5に入射する。このとき、第一の面(入射端面32)および第二の面(出射端面33)を繋ぐ面、つまりロッドレンズ31の側面に光源光の波長の光線を反射する反射膜または構造を形成することにより、光源からの出射光の光利用効率を向上させることができる。また、図5に示すように、ロッドレンズ31の側面を適当な曲面にすることにより、光軸に対し大きい角度で出射した光線に対しても側面が全反射条件を満たし、反射膜または反射構造が無くてもロッドレンズ31を透過してしまうロスを低減でき、光利用効率を向上させることができる。また、ロッドレンズ31の側面を曲面にすることにより、出射光の発散角を狭く抑えることもできる。
【0035】
液晶ライトバルブ5には、画素スイッチング用素子として薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下、TFTと略記する)を用いたTNモードのアクティブマトリクス方式の透過型の液晶セルが使用され、液晶セルの外面には入射側偏光板、出射側偏光板がその透過軸が互いに直交するように配置されて設けられている。例えば、オフ状態では液晶ライトバルブ5に入射されたs偏光がp偏光に変換されて出射される。一方、オン状態では光が遮断されるようになっている。以上のLEDアレイ2、ロッドレンズアレイ3、偏光子4、液晶ライトバルブ5は離間して配置しても良いが、装置の小型化、薄型化のためには全てを密着させて配置することが望ましい。
【0036】
液晶ライトバルブ5は図示せぬ液晶ライトバルブ駆動回路(光変調駆動手段)に接続されており、この液晶ライトバルブ駆動回路によって、入射される各色光に対応させて液晶ライトバルブ5を時間順次に駆動することが可能な構造になっている。また、本実施例の投射型画像表示装置においては、図示しない同期信号発生回路(同期信号発生手段)が備えられており、この同期信号発生回路により、同期信号を発生させ、光源駆動回路および液晶ライトバルブ駆動回路に入力することにより、LED群22の各LED23,24,25から色光を出射するタイミングと、その色光に対応して液晶ライトバルブ5を駆動するタイミングとを同期させることができる構造になっている。
【0037】
すなわち、本実施例の投射型画像表示装置では、1フレームを時分割し、LED群22の各LED23,24,25から時間順次にR,G,Bの各色光を出射させ、各LED23,24,25から色光を出射するタイミングと液晶ライトバルブ5を駆動するタイミングとを同期させることにより、各LED23,24,25から出射される色光に対応させて液晶ライトバルブ5を時間順次に駆動し、各LED23,24,25から出射される色光に対応する画像信号を出力することにより、カラー画像を合成することが可能な構成になっている。
【0038】
以下に具体的数値データを示す。図4はLED群22の発光部の一例を示す平面図であり、図4に示すように、上記LED群22内の各LED(LEDチップ)23,24,25の1辺を0.1mmとし、4個のLED(LED23(赤用)1個、LED24(緑用)2個、LED25(青用)1個)が集まって0.2mm角の発光部を有するとする。この光源に対し入射端面が0.2mm角、出射端面が1mm角、入射端面と出射端面の間隔が6mm、側面が平面で反射率が100%のテーパー状のロッドレンズ31にカップリングさせた場合、出射端面から出射する光線の約70%が発散角15度以下であるという計算結果が得られており、非常に薄型で指向性のよい照明装置が得られる。ここで、各ロッドレンズ31の側面の形状を図2に示すような単なるテーパー状ではなく、図5に示すような適当な曲面にすることにより、さらにカップリング効率を向上させ、指向性も改善できる。このロッドレンズ31を4×6のアレイ状に配置することで、約0.3インチの液晶ライトバルブ5に対する照明装置となる。これに適当な投射レンズ6を付けることにより、携帯電話やノートパソコンなどの携帯機器に組み込むことが可能な投影モジュールを提供することができる。
【0039】
また、上記のロッドレンズアレイ3のような微細アレイ構造の金型について、最近の精密加工機(例えば、ファナック社製:ロボナノα−0iB)を用いることにより、加工可能であることが確認されている。
【0040】
[実施例2]
次に、本発明の第2の実施例を、図6〜図8を参照して説明する。本実施例では、色順次駆動方式の投射型画像表示装置の別の例を示す。図6は投射型画像表示装置の全体構成を示す概略構成図であって、図中の符号1は光学素子、2はLEDアレイ(面状光源)、3はロッドレンズアレイ(均一照明手段)、5は液晶ライトバルブ(光変調手段)、6は投射レンズ(投射手段)、7はスクリーンである。本実施例と第一の実施例とでは、光学素子1のLEDアレイ2とロッドレンズアレイ3の出射端部の構成が異なる。LEDアレイ2とロッドレンズアレイ3の出射端部までの詳細を図7に示す。
【0041】
まず、図7に示すように、LEDアレイ2の各LED群22の背面には、反射面26が形成されている。これは、金属膜の蒸着や誘電体多層膜の蒸着により形成してもよいが、LED基板21自体を金属により形成し、LED群22の周辺部を鏡面加工したものでもかまわない。
【0042】
次に、ロッドレンズアレイ3の出射端面33の表面に反射型の偏光子41が形成されている。偏光子41の構造を図8に示す。ガラスで成型したロッドレンズアレイ3の出射端面33に、屈折率の高い誘電体膜42と屈折率の低い誘電体膜43を交互に積層し、エッチングによりストライプ状の周期構造を形成する。例えば、高屈折率材料をTaO5(屈折率:n≒2.2)、低屈折材料をSiO2(屈折率:n≒1.44)とし、ストライプ構造のピッチp、Filling Factor(ランド幅Δ/ピッチp)、層厚Lを最適化することにより、p偏光が透過しs偏光が反射する反射型偏光子として機能する。ここで、高屈折率材料の屈折率がさらに高いものを選び、層数を増やすことにより、より広い波長範囲で反射型偏光子の機能を有する構造を作成することができる。また、誘電体多層膜ではなく、アルミニウムなどの光反射性を有する金属からなる多数のリブ(光反射体)を入射光の波長よりも小さいピッチでロッドレンズアレイ3の出射端面33上に形成してもよい。この場合も誘電体膜のときと同様にして、金属薄膜をロッドレンズアレイ3の出射端面33に蒸着し、それをエッチングすることにより形成することができる。
【0043】
このような構成にすることにより、LED群22の各LED23,24,25から出射された光は、ロッドレンズアレイ3にカップリングされた後、各ロッドレンズ31で内面反射を繰り返して出射端面33に到達する。このとき、ロッドレンズアレイ3の出射端面33に形成された反射型偏光子41により、一方の偏光成分はそのまま反射型偏光子41を透過し、液晶ライトバルブ5に向かう。それと直交する方向の偏光成分は、反射型偏光子41により反射されLED群22方向に戻り、LED群22の背面および周辺の反射面26により反射され、再び各ロッドレンズ31で内面反射を繰り返して出射端面33に到達する。これらの光線は複数回のロッドレンズ内の反射により偏光方向が回転するため、反射型偏光子41により一部が透過して液晶ライトバルブ5に向かう。これが何度も繰り返され、偏光方向の揃った照明光を高い利用効率で得ることができる。なお、液晶ライトバルブ5以降の構成、動作は第一の実施例と同様である。
【0044】
[実施例3]
次に、本発明の第3の実施例を図9を参照して説明する。本実施例も色順次駆動方式の投射型表示装置であるが、ライトバルブとして液晶型ではなく、ミラー型を用いているところが異なる。図9は投射型画像表示装置の全体構成を示す概略構成図であって、図中の符号1は光学素子、2はLEDアレイ(面状光源)、3はロッドレンズアレイ(均一照明手段)、8は偏向プリズム、9はミラー型ライトバルブ(光変調手段)、6は投射レンズ(投射手段)である。
【0045】
LEDアレイ2からロッドレンズアレイ3までの光学素子1の部分(照明装置)の構成、動作は第一または第二の実施例と同様であるので、ここでは説明を省略する。
図9において、ロッドレンズアレイ3から出射した光線は、2個の三角プリズム81,82を空気層を有するように構成した偏向プリズム8に入射し、三角プリズム81の斜面84により全反射され、ミラー型ライトバルブ9に所定の角度で入射する。ミラー型ライトバルブ9には、画素スイッチング用素子として半導体プロセスにより形成されたミラーアレーを用いることができる。一般的にはテキサスインスツルメンツ社製のデジタルミラーデバイス(DMD)がよく知られている。例えば、オフ状態ではミラーの傾きはゼロ度で、投射レンズ6にカップリングされないが、オン状態では光線が投射レンズ6方向に反射されるようにミラーが所定の傾きを有するため、ミラー反射光は三角プリズム81の斜面83の全反射条件から外れ、偏向プリズム8を透過し、投射レンズ6で図示しないスクリーンに結像される。本実施例のように光変調手段としてミラー型ライトバルブ9を用いた場合、偏光を用いない構成を採れるため、必ずしも偏光変換の必要がなく、照明光を有効に投射レンズ6に導くことができるので、光利用効率の高い、明るい投射型画像表示装置を提供することができる。
【0046】
[実施例4]
次に、本発明の第4の実施例を図10を参照して説明する。図10は投射型画像表示装置の全体構成を示す概略構成図であって、図中の符号1は光学素子、2はLEDアレイ(面状光源)、3はロッドレンズアレイ(均一照明手段)、4は偏光子、5は液晶ライトバルブ(光変調手段)、6は投射レンズ(投射手段)である。本実施例の投射型画像表示装置の概略構成は図1と同様であるが、光学素子1のロッドレンズアレイ3の構成が異なる。LED群22の各LED23,24,25から出射された光は、ロッドレンズアレイ3の入射開口からロッドレンズ31にカップリングされる。カップリングされた光線は各ロッドレンズ31で内面反射を繰り返し、出射端面から出射される時点では照度が均一化されている。ロッドレンズアレイ3から出射した光線は、偏光子4により偏光方向が一方向に揃えられ液晶ライトバルブ5に入射する。以降は実施例1と同様である。
【0047】
これまでの実施例のロッドレンズ31は、導光部分が媒質で満たされていたが、本実施例のロッドレンズアレイ3は、各ロッドレンズ31の部分(導光部分)が中空である。したがって、ロッドレンズ31を透明樹脂だけでなく、金属で作ることも可能である。すなわち、図10のロッドレンズアレイ3の斜線部分を金属で形成し、テーパー状の中空部分をロッドレンズ31とすることができる。その場合、ロッドレンズ31の側面(金属面)35を鏡面加工することにより簡単に反射面ができるという利点が有る。また、樹脂で成型する場合も、前出の精密化工機を用いなくとも、金型の作成が容易にできるという利点がある。具体的には、テーパーの付いた刃物を作り、その刃物でさいの目に切削することにより金型を作成することができる。
【0048】
[実施例5]
次に、本発明の第5の実施例を図12を参照して説明する。図12は投射型画像表示装置の全体構成を示す概略構成図であって、図中の符号1は光学素子、2はLEDアレイ(面状光源)、3はロッドレンズアレイ(均一照明手段)、6は投射レンズ(投射手段)である。本実施例では、ロッドレンズ31およびLED群22は、画像を形成する画素数だけ存在する。例えば、VGA画像では約30万個(640×480)となる。各LED群22内の各LED素子(前述したR,G,Bの各色光を出射可能なLED(赤)23、LED(緑)24、LED(青)25)は、図示せぬ光源駆動回路(光源駆動手段)に接続されており、画像信号に対応して各LED23,24,25の発光量が制御され、各ロッドレンズ31内で混色され、対応した画素の色光を出射し、カラー画像を合成することが可能な構成になっている。つまり、光学素子1自体が光変調手段を有する構成となっている。そして、その画像が投射レンズ6で図示しないスクリーンに結像される。
本実施例のように、光学素子1の発光手段(LED群)22が光変調手段となっている構成では、別途光変調手段を必要とせず、また、偏光を用いない構成を採れるため、必ずしも偏光変換の必要がなく、さらに、時間順次発光をする必要がないため、部品点数が少なく、光利用効率の高い、明るい投射型画像表示装置を提供することができる。
【0049】
以上、実施例に基づいて説明したとおり、本発明では、図1〜9に示したように、半導体発光デバイス(LED)23,24,25からなる、複数色を一組とする光源(LED群)22をアレイ状に配置し、それぞれの光源からの出射光をそれぞれ一つのロッドレンズ31で照度を均一化することにより、ロッドレンズアレイ3の出射端面33で各色光ごとに照度を均一化することができ、小型、薄型、軽量でライトバルブ5(又は9)上で照度が均一の光学素子および照明装置を得ることができる。
また、本発明では、図1、図2に示したように、半導体発光デバイス(LED)23,24,25からなる、複数色を一組とする光源(LED群)22をアレイ状に配置し、それぞれの光源からの出射光をそれぞれ一つのテーパー付きロッドレンズ31で照度均一化することにより、ロッドレンズアレイ3の出射端面33で各色光ごとに照度が均一化し、小型薄型でかつ光線の放射角が小さく、ライトバルブ5(又は9)上で照度が均一の光学素子および照明装置を得ることができる。
さらに本発明では、図10に示したように、ロッドレンズアレイ3を中空ロッドレンズで構成することにより、型の作成を容易にすることができる。また、材質をガラスや樹脂などの透明部材以外に金属も使用できるようになり、材質の選択性を広げることができる。
【0050】
本発明では、上記の構成に加え、複数色を一組とする光源として、R,G,Bの少なくとも3個を一組とすることにより、フルカラー対応可能な照明装置を提供することができる。
また、本発明では、図3に示したように、光源(LED群)22とロッドレンズ31の間が光源光に対し透明な部材34により充填されることにより、LED郡22と空気との界面を無くし、界面での全反射を抑制することによりLED群22の各LED23,24,25からの光の取り出し効率を向上させることができる。
さらに本発明では、ロッドレンズ31の側面に光源光を反射する膜もしくは構造を形成することにより、小さい角度でロッドレンズの側面に入射した光線をロッドレンズ内にとどめ、光利用効率を向上させることができる。
【0051】
本発明では、光学素子のロッドレンズアレイ3の出射端面33側に偏光子4を設置し、偏光を揃えることにより、液晶で構成されるライトバルブ5を用いた画像表示装置用の照明装置として適用することができる。
また、本発明では、偏光子を反射型偏光子とすることにより、偏光子を通過しなかった光線を再びロッドレンズ内に戻し、再利用することができ、光利用効率を向上させることができる。
さらに本発明では、図6、図7に示したように、直接ロッドレンズアレイ3の出射端面33に偏光子41を形成することにより、光学素子および照明装置をより薄型化することができる。
【0052】
本発明では、上記の構成に加えて、ロッドレンズアレイ3の各ロッドレンズ31が一体に成型されていることにより、生産性を高め低コスト化することができる。
また、本発明では、ロッドレンズアレイ3の各ロッドレンズ31の第一面側に配置される光源は、所望のホワイトバランスを得る光量比率になっていることにより、良好なホワイトバランスを得ることができる。
さらに本発明では、光源(LED群22)が単一基板21に配置されていることにより、生産性を高め低コスト化することができる。
【0053】
本発明では、上記の構成に加えて、同一色を発光する光源の同一電極が基板21上で結線されていることにより、光源の配線を簡略化することができる。
また、本発明では、ロッドレンズアレイ3の各ロッドレンズ31の第一面と第二面、もしくは第一の開口と第二の開口を繋ぐ面を、図5に示すように曲面とすることにより、この曲面を適当な曲面にすることにより、発散角の大きな光線も全反射条件を満足させ、ロッドレンズの側面に反射膜または構造を形成せずに光利用効率を向上させることができる。また、ロッドレンズ31からの出射角度をより狭くすることができる。
さらに本発明では、以上の構成を備えることにより、光の利用効率に優れ、簡単な構成で小型化、薄型化、軽量化が図れ、照度が均一の照明装置を得ることができる。
【0054】
本発明では、以上の構成および効果を有する照明装置と、該照明装置からの出射光を画像情報に応じて変調する光変調手段(液晶ライトバルブ5又はミラー型ライトバルブ9等)とを備えたことにより、光の利用効率に優れ、小型、薄型、軽量の画像表示装置を実現することができ、さらに投射レンズを設けることにより、小型、薄型、軽量の投射型画像表示装置を実現することができる。
さらに本発明では、上記構成の光学素子と、該光学素子の光源を画像情報に応じて変調発光させる変調発光手段を備えることにより、光の利用効率に優れ、簡単な構成で小型化、薄型化、軽量化が図れ、画像形成が可能な画像表示装置を得ることができ、さらに投射レンズを設けることにより、小型、薄型、軽量の投射型画像表示装置を実現することができる。
また、本発明の画像表示装置は、プロジェクタ等に限らず、背面投射型の薄型、軽量のプロジェクションテレビ等に応用でき、また、投射型に限らず、ヘッドマウントディスプレイ等の画像表示装置にも応用することができる。さらに本発明の画像表示装置は、小型、薄型、軽量で、光の利用効率に優れているので、携帯電話、携帯ゲーム機、デジタルカメラ、電子手帳、電子書籍、ノートパソコンなどの携帯機器、小型機器等に内蔵することができる。
【0055】
なお、本発明の技術範囲は上記の実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば面状光源としてはLEDの他、半導体レーザー、有機EL素子、無機EL素子なども使用できる。
また、各光源内の各色の発光素子(LED等)の数も、赤1個、緑2個、青1個に限定されるものではなく、発光素子(LED等)の出射可能出力とホワイトバランスの関係から各色適当な素子数で構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の一実施例を示す投射型画像表示装置の概略構成図である。
【図2】図1に示す投射型画像表示装置の概略要部断面図である。
【図3】図1に示す投射型画像表示装置のLEDアレイとロッドレンズアレイの接続部の詳細を示す図である。
【図4】LED群の発光部の一例を示す平面図である。
【図5】ロッドレンズアレイの別の構成例を示す概略断面図である。
【図6】本発明の別の実施例を示す投射型画像表示装置の概略構成図である。
【図7】図6に示す投射型画像表示装置のLEDアレイとロッドレンズアレイの構成例を示す概略要部断面図である。
【図8】図7に示すロッドレンズアレイの出射端面に設けた偏光子の構造の一例を示す概略要部斜視図である。
【図9】本発明のさらに別の実施例を示す投射型画像表示装置の概略構成図である。
【図10】本発明のさらに別の実施例を示す投射型画像表示装置の概略構成図である。
【図11】従来技術の一例を示す投射型画像表示装置の概略構成図である。
【図12】本発明のさらに別の実施例を示す投射型画像表示装置の概略構成図である。
【図13】(a)はロッドレンズアレイの別の構成例を示す概略要部斜視図、(b)はロッドレンズアレイの一つのロッドレンズの形状例を示す断面図である。
【図14】横軸にロッドレンズの長さ、縦軸に広がり角が15度以内にカップリングされる光線の割合を示したグラフである。
【符号の説明】
【0057】
1:光学素子
2:LEDアレイ(面状光源)
3:ロッドレンズアレイ(均一照明手段)
4:偏光子
5:液晶ライトバルブ(光変調手段)
6:投射レンズ(投射手段)
7:スクリーン
8:偏向プリズム
9:ミラー型ライトバルブ
21:基板
22:LED群(光源)
23,24,25:LED(発光素子)
26:反射面
31:ロッドレンズ
32:入射端面(第一の面)
33:出射端面(第二の面)
34:透明樹脂
41:反射型の偏光子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の色光を発光可能で所望の素子を選択発光可能な、複数色を一組とする半導体発光デバイスから構成される光源と、
前記光源からの光に対して透明な部材からなり、前記光源の発光部面積と同等またはそれ以上の面積を持つ第一の面と、前記第一の面に対向する第二の面とを有し、その2つの面を底面とするロッドレンズが2次元配列したロッドレンズアレイと、
からなる光学素子において、
前記ロッドレンズアレイの各ロッドレンズの第一面側に、前記複数色を一組とする半導体発光デバイスから構成される光源が配置されていることを特徴とする光学素子。
【請求項2】
複数の色光を発光可能で所望の素子を選択発光可能な、複数色を一組とする半導体発光デバイスから構成される光源と、
前記光源からの光に対して透明な部材からなり、前記光源の発光部面積と同等またはそれ以上の面積を持つ第一の面と、前記第一の面よりも大きい面積を持ち前記第一の面に対向する第二の面とを有し、その2つの面を底面とするロッドレンズが2次元配列したロッドレンズアレイと、
からなる光学素子において、
前記ロッドレンズアレイの各ロッドレンズの第一面側に、前記複数色を一組とする半導体発光デバイスから構成される光源が配置されていることを特徴とする光学素子。
【請求項3】
複数の色光を発光可能で所望の素子を選択発光可能な、複数色を一組とする半導体発光デバイスから構成される光源と、
前記光源の面積と同等またはそれ以上の面積を持つ第一の開口面と、前記第一の開口面よりも大きい面積を持ち前記第一の面に対向する第二の開口面とを有し、その2つの開口面を底面とする中空ロッドレンズの側面には光源光を反射する膜もしくは構造が形成されており、それらの中空ロッドレンズが2次元配列したロッドレンズアレイと、
からなる光学素子において、
前記ロッドレンズアレイの各中空ロッドレンズの第一開口面側に、前記複数色を一組とする半導体発光デバイスから構成される光源が配置されていることを特徴とする光学素子。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の光学素子において、
前記複数色を一組とする半導体発光デバイスから構成される光源は、赤色、緑色、青色の少なくとも3色を一組とする半導体発光デバイスから構成される光源であることを特徴とする光学素子。
【請求項5】
請求項1または請求項2記載の光学素子において、
前記光源と前記ロッドレンズの間が、前記光源からの光に対して透明な部材により充填または接着されていることを特徴とする光学素子。
【請求項6】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の光学素子において、
前記ロッドレンズの第一の面および第二の面を繋ぐ面であるロッドレンズの側面に、前記光源からの光を反射する膜もしくは構造が形成されていることを特徴とする光学素子。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の光学素子において、
前記ロッドレンズアレイの第二面側に偏光子を設置したことを特徴とする光学素子。
【請求項8】
請求項7記載の光学素子において、
前記偏光子が反射型偏光子であることを特徴とする光学素子。
【請求項9】
請求項8記載の光学素子において、
前記偏光子が、前記ロッドレンズアレイの第二の面に形成されていることを特徴とする光学素子。
【請求項10】
請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の光学素子において、
前記ロッドレンズアレイの各ロッドレンズが一体に成型されていることを特徴とする光学素子。
【請求項11】
請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の光学素子において、
前記ロッドレンズアレイの各ロッドレンズの第一面側に配置される光源は、所望のホワイトバランスを得る光量比率になっていることを特徴とする光学素子。
【請求項12】
請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の光学素子において、
前記光源が単一基板に配置されていることを特徴とする光学素子。
【請求項13】
請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の光学素子において、
同一色を発光する光源の同一電極が結線されていることを特徴とする光学素子。
【請求項14】
請求項1乃至請求項13のいずれか1項に記載の光学素子において、
前記ロッドレンズアレイの各ロッドレンズの第一の面と第二の面、もしくは第一の開口と第二の開口を繋ぐ面が、曲面であることを特徴とする光学素子。
【請求項15】
請求項1乃至請求項14のいずれか1項に記載の光学素子を用いたことを特徴とする照明装置。
【請求項16】
請求項15に記載の照明装置と、該照明装置からの出射光を画像情報に応じて変調する光変調手段とを備えたことを特徴とする画像表示装置。
【請求項17】
請求項15に記載の照明装置と、該照明装置からの出射光を画像情報に応じて変調する光変調手段と、前記変調された光を拡大投影するレンズとを備えたことを特徴とする画像表示装置。
【請求項18】
請求項1乃至請求項14のいずれか1項に記載の光学素子と、該光学素子の光源を画像情報に応じて変調発光させる変調発光手段を備え、前記光学素子のロッドレンズアレイの各ロッドレンズからの光出力を1画素の出力とすることを特徴とする画像表示装置。
【請求項19】
請求項18記載の画像表示装置と、該画像表示装置の画像を拡大投影するレンズとを備えたことを特徴とする画像表示装置。
【請求項1】
複数の色光を発光可能で所望の素子を選択発光可能な、複数色を一組とする半導体発光デバイスから構成される光源と、
前記光源からの光に対して透明な部材からなり、前記光源の発光部面積と同等またはそれ以上の面積を持つ第一の面と、前記第一の面に対向する第二の面とを有し、その2つの面を底面とするロッドレンズが2次元配列したロッドレンズアレイと、
からなる光学素子において、
前記ロッドレンズアレイの各ロッドレンズの第一面側に、前記複数色を一組とする半導体発光デバイスから構成される光源が配置されていることを特徴とする光学素子。
【請求項2】
複数の色光を発光可能で所望の素子を選択発光可能な、複数色を一組とする半導体発光デバイスから構成される光源と、
前記光源からの光に対して透明な部材からなり、前記光源の発光部面積と同等またはそれ以上の面積を持つ第一の面と、前記第一の面よりも大きい面積を持ち前記第一の面に対向する第二の面とを有し、その2つの面を底面とするロッドレンズが2次元配列したロッドレンズアレイと、
からなる光学素子において、
前記ロッドレンズアレイの各ロッドレンズの第一面側に、前記複数色を一組とする半導体発光デバイスから構成される光源が配置されていることを特徴とする光学素子。
【請求項3】
複数の色光を発光可能で所望の素子を選択発光可能な、複数色を一組とする半導体発光デバイスから構成される光源と、
前記光源の面積と同等またはそれ以上の面積を持つ第一の開口面と、前記第一の開口面よりも大きい面積を持ち前記第一の面に対向する第二の開口面とを有し、その2つの開口面を底面とする中空ロッドレンズの側面には光源光を反射する膜もしくは構造が形成されており、それらの中空ロッドレンズが2次元配列したロッドレンズアレイと、
からなる光学素子において、
前記ロッドレンズアレイの各中空ロッドレンズの第一開口面側に、前記複数色を一組とする半導体発光デバイスから構成される光源が配置されていることを特徴とする光学素子。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の光学素子において、
前記複数色を一組とする半導体発光デバイスから構成される光源は、赤色、緑色、青色の少なくとも3色を一組とする半導体発光デバイスから構成される光源であることを特徴とする光学素子。
【請求項5】
請求項1または請求項2記載の光学素子において、
前記光源と前記ロッドレンズの間が、前記光源からの光に対して透明な部材により充填または接着されていることを特徴とする光学素子。
【請求項6】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の光学素子において、
前記ロッドレンズの第一の面および第二の面を繋ぐ面であるロッドレンズの側面に、前記光源からの光を反射する膜もしくは構造が形成されていることを特徴とする光学素子。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の光学素子において、
前記ロッドレンズアレイの第二面側に偏光子を設置したことを特徴とする光学素子。
【請求項8】
請求項7記載の光学素子において、
前記偏光子が反射型偏光子であることを特徴とする光学素子。
【請求項9】
請求項8記載の光学素子において、
前記偏光子が、前記ロッドレンズアレイの第二の面に形成されていることを特徴とする光学素子。
【請求項10】
請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の光学素子において、
前記ロッドレンズアレイの各ロッドレンズが一体に成型されていることを特徴とする光学素子。
【請求項11】
請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の光学素子において、
前記ロッドレンズアレイの各ロッドレンズの第一面側に配置される光源は、所望のホワイトバランスを得る光量比率になっていることを特徴とする光学素子。
【請求項12】
請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の光学素子において、
前記光源が単一基板に配置されていることを特徴とする光学素子。
【請求項13】
請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の光学素子において、
同一色を発光する光源の同一電極が結線されていることを特徴とする光学素子。
【請求項14】
請求項1乃至請求項13のいずれか1項に記載の光学素子において、
前記ロッドレンズアレイの各ロッドレンズの第一の面と第二の面、もしくは第一の開口と第二の開口を繋ぐ面が、曲面であることを特徴とする光学素子。
【請求項15】
請求項1乃至請求項14のいずれか1項に記載の光学素子を用いたことを特徴とする照明装置。
【請求項16】
請求項15に記載の照明装置と、該照明装置からの出射光を画像情報に応じて変調する光変調手段とを備えたことを特徴とする画像表示装置。
【請求項17】
請求項15に記載の照明装置と、該照明装置からの出射光を画像情報に応じて変調する光変調手段と、前記変調された光を拡大投影するレンズとを備えたことを特徴とする画像表示装置。
【請求項18】
請求項1乃至請求項14のいずれか1項に記載の光学素子と、該光学素子の光源を画像情報に応じて変調発光させる変調発光手段を備え、前記光学素子のロッドレンズアレイの各ロッドレンズからの光出力を1画素の出力とすることを特徴とする画像表示装置。
【請求項19】
請求項18記載の画像表示装置と、該画像表示装置の画像を拡大投影するレンズとを備えたことを特徴とする画像表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2007−288169(P2007−288169A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−69257(P2007−69257)
【出願日】平成19年3月16日(2007.3.16)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月16日(2007.3.16)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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