光源装置及び光学走査装置
【課題】光源と回路基板の組付け構成において、機械的および電気的な信頼性を向上、また構成や組立性の自由度を向上させ、簡易な構成で低コストで光学性能の高い装置を提供する。
【解決手段】半導体レーザ30を制御駆動する回路基板40にはシート部材42が一体的に形成されており、リードピン31はシート部材42を介し取付け孔41に挿入されて、回路基板40と組付けられる。これにより、リードピン31の挿入時、リードピン31が取付け孔41の内周面などに接触することがない。また、シート部材42により取付け孔41とリードピン31の隙間を略閉塞することができ、リードピン31との隙間からハンダ材45が洩れることがない。
【解決手段】半導体レーザ30を制御駆動する回路基板40にはシート部材42が一体的に形成されており、リードピン31はシート部材42を介し取付け孔41に挿入されて、回路基板40と組付けられる。これにより、リードピン31の挿入時、リードピン31が取付け孔41の内周面などに接触することがない。また、シート部材42により取付け孔41とリードピン31の隙間を略閉塞することができ、リードピン31との隙間からハンダ材45が洩れることがない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザビームプリンタ・複写機・レーザファクシミリ等の画像形成装置等に用いられる光学走査装置に関し、特に、これらの装置に備えられる光源装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のプリンタなどの画像形成装置において、光源からの出射されるレーザ光を集光して回転多面鏡に入射させて偏向走査した後、結像レンズ・反射ミラーを介し感光体上に走査線として形成する光学走査装置が構成される。
【0003】
この光学走査装置において、光源である半導体レーザは半導体レーザの制御回路基板によってレーザ光を集光レンズへ出射し、レーザ光が所定の焦点位置と照射位置になるように半導体レーザと集光レンズとの相対位置が調整された入射光学系が構成される。
【0004】
この入射光学系において、半導体レーザと制御回路基板の電気的接続の一般的な構成は、半導体レーザのリードピンを制御回路基板に設けられた取付け孔に挿入し、ハンダ付けにより制御回路基板上の配線パターンと電気的に接続部するものである。
【0005】
この半導体レーザと制御回路基板の電気的接続の構成として、様々な提案がなされている。例えばリードピンの取付け孔への挿入性能の向上を目的として、制御回路基板上の取付け孔にリードピンを挿入するための案内手段を構成する提案がされている(特許文献1参照)。あるいは、制御回路基板上に、半導体レーザの全てのリードピンが挿入可能な挿入孔と各リードピンの固定用孔が構成されている形態が提案されている(特許文献2参照)。また、複数の発光点を有するいわゆるマルチビームの半導体レーザを用いた光源装置において装置のコンパクト化を目的とし、半導体レーザのリードピンと制御回路基板とを柔軟性の高い接続手段で接続する構成が提案されている(特許文献3参照)。
【特許文献1】特開2002−6248号公報
【特許文献2】特開2004−325922号公報
【特許文献3】特開平11−125780号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら上記従来例では、半導体レーザのリードピンを制御回路基板の取付け孔位置に挿入する際にリードピンと取付け孔周囲が接触してリードピンに外力が加わる。あるいは、リードピンは取付け孔に接触した状態で、この外力がリードピンに加わった状態でハンダ付けされ固定される。この外力が半導体レーザを支持する固定部の強度を低下させたり、半導体レーザの位置や姿勢を変化させ、光学性能を低下させることが懸念される。
【0007】
複数の発光点を有する半導体レーザをレーザ光の光軸周りに回転させて各レーザ光の照射位置を調整する構成や、半導体レーザを光軸に直交する平面上に調整して照射位置を調整する構成では、半導体レーザの調整位置によりリードピンの位置は一定ではない。
【0008】
したがってリードピンを取付け孔に確実に挿入するためには、取付け孔の形状や配置・個数などの対応が必要となるが、回路基板のスペースや電気的制約、リードピンの形状などの機械的制約を受けることが懸念される。
【0009】
また、取付け孔とリードピンの隙間が大きいとハンダ材で隙間を埋めきれず、制御回路
基板との電気的接続が不安定になる。
【0010】
さらに、柔軟性の高い接続手段を用いてリードピンと回路基板を接続する構成は、組立時の取扱いの悪さにより、組立工数の悪化や自動組立化を困難にし高コスト化になる。加えて、半導体レーザと制御駆動ICとの距離が大きくレーザの応答性を劣化させるか、あるいは応答性を劣化させないために柔軟性の高い接続手段の材質や形状に制約を与えることとなる。
【0011】
本発明は上記したような事情に鑑みてなされたものであり、光源と回路基板の組付け構成において、機械的および電気的な信頼性を向上、また構成や組立性の自由度を向上させ、簡易な構成で低コストで光学性能の高い装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために本発明にあっては、
複数のリードピンを有する光源と、
前記リードピンの取付け孔を有し、前記光源を制御駆動する回路基板と、
を備えた光源装置において、
前記光源と前記回路基板との間に配置され、前記光源の前記リードピンが挿入される開口部を有する取付け補助部材を備え、
前記光源は、前記リードピンが前記取付け補助部材の前記開口部を介して前記回路基板の取付け孔に設けられることにより、前記回路基板と接続されることを特徴とする。
【0013】
また、複数のリードピンを有する光源と、
前記リードピンの取付け孔を有し、前記光源を制御駆動する回路基板と、
前記光源から出射されるレーザ光を集光し偏向走査手段に導く集光手段と、
前記偏向走査手段で偏向されたレーザ光を像担持体上に結像させる結像手段と、
を備えた光学走査装置において、
前記光源と前記回路基板との間に配置され、前記光源の前記リードピンが挿入される開口部を有する取付け補助部材を備え、
前記光源は、前記リードピンが前記取付け補助部材の前記開口部を介して前記回路基板の取付け孔に設けられることにより、前記回路基板と接続されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、光源と回路基板の組付け構成において、機械的および電気的な信頼性を向上、また構成や組立性の自由度を向上させ、簡易な構成で低コストで光学性能の高い装置を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
【実施例1】
【0016】
図1は、本発明の実施例1に係る光学走査装置の概略平面図である。図2は、本実施例に係る光学走査装置の外観斜視図である。図3は、本実施例に係る光源装置の外観斜視図である。図4(a),(b)は、本実施例に係る光源装置の調整・組立について説明するための図である。図5は、本実施例の回路基板の外観斜視図である。図6(a),(b)は、本実施例に係る光源装置の調整・組立について説明するための図である。
図7は、本実施例に係る光源装置の組立について説明するための図である。
【0017】
まず、図1,2を用いて光学走査装置Lの基本的な調整・組立方法について説明する。
【0018】
光源装置1は、予め光源としての半導体レーザ30とコリメータレンズ2の光学調整が完了した状態で、筐体20の側壁21(図4参照)に、シリンドリカルレンズ3は筐体20上に仮配置される。ここで、コリメータレンズ2、及びシリンドリカルレンズ3は、本発明に係る集光手段を構成している。
【0019】
ポリゴンミラー4を搭載する偏向走査手段としての偏向走査装置5、結像レンズ6,7、反射ミラー8、走査開始信号検出器9が筐体20上の所定位置に位置決めされ図示しないねじや固定具などにより固定される。半導体レーザ30から図示しないレーザ駆動治具によりレーザ光13が出射されシリンドリカルレンズ3をレーザ光13の光軸方向に移動させ焦点位置調整が行われる。ここで、結像レンズ6,7、及び反射ミラー8は、本発明に係る結像手段を構成している。
【0020】
光源装置1はレーザ光13の光軸周りに回転され複数の発光点の照射位置合わせが行われ筐体20に固定される(図4参照)。
【0021】
そして、回路基板40は筐体20にねじ固定されるとともに、半導体レーザ30と電気的に接続される。また、ポリゴンミラー4で偏向走査されたレーザ光を走査開始信号検出器9に入射されるように反射ミラー10を調整・固定する。
【0022】
以上により、光学走査装置Lの光学調整が完了し、フタ11により筐体20を密閉し光学走査装置Lが構成される。
【0023】
次に、光学走査装置Lの基本的な動作を説明する。
【0024】
半導体レーザ30から発生されたレーザ光13は、偏向走査装置5のポリゴンミラー4に照射し偏向走査される。ここで、レーザ光13は、コリメータレンズ2の移動によりドラム12上での照射位置が調整され、コリメータレンズ2とシリンドリカルレンズ3の移動により像担持体としてのドラム12上での焦点位置が調整されている。
【0025】
偏向走査されたレーザ光14は結像レンズ6,7を経て反射ミラー8によって反射され、筐体20に設けられた開口部(不図示)を通過しドラム12表面に結像される。ドラム12に結像されるレーザ光14はポリゴンミラー4の回転による主走査方向およびドラム12の回転による副走査方向に静電潜像を形成する。
【0026】
また、偏向走査装置5によって偏向走査されたレーザ光の一部は走査開始信号検出用のレーザ光15として、反射ミラー10によって走査開始信号検出器9へ導びかれ、走査開始信号検出器9の出力信号によって半導体レーザ30の書き込み変調が開始する。
【0027】
次に、図3〜5を用いて光源装置1について説明する。まず、図3,4を用いて光源装置1の調整・組立方法について説明する。
【0028】
図4(a)において、予め光学調整が完了している光源装置1は図示しない治具により把持され、ホルダ32の円筒部33を筐体20の取付け穴22に嵌合させ側壁21に当接させた状態である。
【0029】
そして、光源装置1をレーザ光13の光軸を中心としたθ方向に回転させ、ドラム12上における半導体レーザ30の複数の発光点の間隔を調整する。なお、光源装置1の調整
・組立は専用の治具上で行われ、その概要を以下に説明する。
【0030】
半導体レーザ30はホルダ32に圧入保持され専用治具上に装着され、コリメータレンズ2はホルダ32の固定部34に仮配置される。ホルダ32は、固定ねじ35により筐体20に固定される。
【0031】
半導体レーザ30は発光治具回路によりレーザ光13を出射し、コリメータレンズ2を矢印YZ方向(図4(a)参照)に移動して照射位置を、矢印X方向(図4(a)参照)に移動して焦点位置を調整する。その後にコリメータレンズ2は接着剤などで固定部34に固定され、光源装置1が完成する。
【0032】
次に、図5を用いて回路基板40について説明する。
【0033】
回路基板40には半導体レーザ30のリードピン31が挿入される取付け孔41が構成されている。取付け孔41の内径は前述したドラム12上での発光点間隔の調整のために光源装置1がθ方向に回転する範囲を含め、リードピン31が取付け孔41に接触しない寸法に設定されている。
【0034】
また、本実施例の特徴的な構成として、取付け補助部材としてのシート部材42が耐熱フィルム材などの耐熱性を有する材料で構成されている。シート部材42にはリードピン31が挿入される開口部としてのスリット43が設けられている。なお、スリット43の形状は図に示すような十字状に限定されるものではない。
【0035】
シート部材42はスリット43と回路基板40の取付け孔41の位置を一致した状態で回路基板40の半導体レーザ30側の面に一体化される。そして、リードピン31がスリット43と取付け孔41を貫通した状態で、回路基板40は筐体20の突起部23の端面に当接し、ねじ44により固定される(図3,4参照)。
【0036】
次に、図6を用いて、リードピン31の回路基板40の挿入状態について説明する。
【0037】
リードピン31が回路基板40に矢印A方向から挿入されるに従い、シート部材42のスリット43の先端部43aは矢印B方向に押されながら弾性的に変形する。
【0038】
そして、リードピン31に接触して反った状態になり、取付け孔41はリードピン31とシート部材42により略閉塞され、空間部41aを形成する。そして、図7に示すように、リードピン31と回路基板40はハンダ材45がシート部材42で閉塞された空間部41aに充填・固着され、半導体レーザ30と回路基板40は電気的に接続される。
【0039】
以上により、光源装置1の筐体20上での調整・組立が完了し、シリンドリカルレンズ3および走査開始信号検出器9への入射レーザ光15の調整がされた後、所定の光学性能が達せられた光学走査装置Lが完成する。
【0040】
以下に、本実施例特有の効果について説明する。
【0041】
本実施例によれば、半導体レーザ30のリードピン31が回路基板40の取付け孔41に挿入された状態において、シート部材42により取付け孔41とリードピン31の隙間を略閉塞している。したがって、リードピン31との隙間からハンダ材45が洩れることがないのでハンダ工程の不良率の低減と電気的な信頼性が向上する。
【0042】
また、リードピン31の挿入時において、リードピン31が取付け孔41の内周面など
に接触せず、リードピン31が外力を受けることを防止するので、半導体レーザ30の固定強度の低下や組立不良の低減などの信頼性が向上する。
【0043】
光源装置1を光軸周りに回転させてドラム面上での発光点間隔を調整する形態においても、回路基板40自体を筐体20に固定した状態で、回路基板40とリードピン31とを電気的に接続することが可能となる。したがって、回路基板40の設置スペースを一定とすることができるので、光学走査装置の小型化が可能となる。
【0044】
また、回路基板40の取付け孔41の内径寸法による光源装置1の回転角度の制限を緩和することができるので、設計自由度の高い光学走査装置の実現が可能となる。
【実施例2】
【0045】
以下、本発明の実施例2について説明する。
【0046】
図8は、本実施例に係る光学走査装置の概略平面図である。図9は、本実施例の光源装置の外観斜視図である。図10は、本実施例の回路基板の詳細図である。図11(a),(b)は本実施例の光源装置の調整・組立について説明するための図である。
図12(a)は本実施例の光源装置の調整・組立について説明するための図、同図(b)は同図(a)の要部拡大図である。なお、実施例1と同様の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0047】
以下に、光源装置50の調整・組立方法を説明する。
【0048】
まず、図11に示すように、コリメータレンズ2は筐体60に設けられた固定部61で矢印XYZ方向に位置を規制されて、固定バネ62によって固定される。また、半導体レーザ30はホルダ51に保持される。
【0049】
ホルダ51は図示しない治具により把持され、半導体レーザ30は図示しないレーザ駆動治具によりレーザ光13を出射する。筐体60に固定されたコリメータレンズ2を基準として、ホルダ51を図中のYZ方向に移動しレーザ光13の照射位置を、X方向に移動しレーザ光13の焦点位置を調整する。
【0050】
その後に、ホルダ51のフランジ52と筐体60の固定部63とを接着剤53にて固定して、光源装置50は筐体60に一体化する。
【0051】
次に、図10を用いて回路基板70について説明する。
【0052】
回路基板70には半導体レーザ30のリードピン31が挿入される取付け孔71が構成されている。取付け孔71の内径は照射位置調整のための半導体レーザ30の可動範囲を含め、リードピン31が取付け孔71に接触しない寸法に設定されている。
【0053】
また、本実施例の特徴的な構成である取付け補助部材としてのフレキシブルプリント基板(以下、FPCという)73には、リードピン31が挿入される開口部としてのスリット74が設けられている。このスリット74にはリードピン31と回路基板70を電気接続する配線パターン75が構成さている。
【0054】
FPC73はスリット74と回路基板70の取付け孔71の位置を一致した状態で、回路基板70の半導体レーザ30側の面に当接し、配線パターン75の一端を回路基板70の配線パターン(不図示)と接続された状態で一体化される。半導体レーザ30のリードピン31と回路基板70との組立は、上述した実施例1と同様である(図6参照)。
【0055】
本実施例では焦点位置調整のために半導体レーザ30がX軸方向に移動するので、調整後のリードピン31の端部の位置は一定ではない。
【0056】
ここで、図12には、半導体レーザ30が最もコリメータレンズ2側に配置された時の状態が示されている。回路基板70は筐体60の突起部64の端面に当接し、ねじ76により固定されている。
【0057】
図12に示すように、リードピン31の端部はFPC73のスリット74を通過するが、回路基板70の実装面72から突出しない位置にある。
【0058】
しかしながら、この状態で、リードピン31は回路基板70の取付け孔71に露出しているFPC73の配線パターン75とハンダ材77によって一体化することができる。これにより、半導体レーザ30と回路基板70とが電気接続される。
【0059】
以上により、光源装置50の筐体60上での調整・組立が完了する。
【0060】
なお、本実施例においては、回路基板70の取付け孔71は、各リードピン31のそれぞれに対応するように複数設けられているが、これに限るものではなく、例えば、全てのリードピン31が通過する1つの取付け孔が設けられるものであっても良い。
【0061】
以下に、本実施例特有の効果について説明する。
【0062】
本実施例によれば、半導体レーザ30は、リードピン31と回路基板70と一体化したFPC73を介し回路基板70との電気的接続が可能となる。これにより、半導体レーザ30を光軸方向に移動して光学調整を行う形態において、リードピン31と回路基板70の接続のために必要な半導体レーザ30と回路基板70との相対位置寸法の制約を緩和することができる。
【0063】
また、回路基板70上のリードピン31の取付け孔71の形状や配置などの制約も緩和されるので、組立や設計の自由度を向上することができる。
【0064】
また、半導体レーザ30と制御ICとの距離による応答性の劣化なく、半導体レーザ30のリードピン31と回路基板70を弾性的に接続することが可能となるので、機械的信頼性と電気性能を向上することができる。
【0065】
以上、実施例1,2を用いて説明したように、本発明によれば、光源のリードピンが回路基板の取付け孔に挿入された状態において、取付け補助部材により取付け孔とリードピンの隙間を略閉塞することができる。これにより、リードピンを固定するハンダ材を取付け孔とリードピンの隙間に確実に充填することができるので、取付け孔の内径を大きくすることが可能になる。
【0066】
したがって、回路基板への挿入や固定時にリードピンに印加される外力により、光源の位置や姿勢を変化させることを防止できる。
【0067】
また、リードピンの形状を取付け孔位置に合わせるための矯正の精度を緩和できる。
【0068】
さらに、光源と集光レンズの相対位置合わせを光源を調整することで可能となり、例えば集光レンズの調整スペースが小さい場合などの光学走査系の設計や構成および調整の自由度を向上する。
【0069】
また、取付け補助部材に電気的な配線パターンが形成されているので、リードピンと取付け補助部材とで電気的接続ができる。したがって、リードピンをハンダ固定のために回路基板の実装面から突出させる必要がなく、光源と回路基板の光軸方向の間隔の制約を緩和し、光学走査系の設計や構成の自由度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】実施例1の光学走査装置の概略平面図。
【図2】実施例1の光学走査装置の外観斜視図。
【図3】実施例1の光源装置の外観斜視図。
【図4】(a)は実施例1の光源装置の調整・組立について説明するための図、(b)は実施例1の光源装置の調整・組立について説明するための図。
【図5】実施例1の回路基板の外観斜視図。
【図6】(a)は実施例1の光源装置の調整・組立について説明するための図、(b)は実施例1の光源装置の調整・組立について説明するための図。
【図7】実施例1の光源装置の組立の説明図。
【図8】実施例2の光学走査装置の概略平面図。
【図9】実施例2の光源装置の外観斜視図。
【図10】実施例2の回路基板の外観斜視図。
【図11】(a)は実施例2の光源装置の調整・組立について説明するための図、(b)は実施例2の光源装置の調整・組立について説明するための図。
【図12】(a)は実施例2の光源装置の調整・組立について説明するための図、(b)は(a)の要部拡大図。
【符号の説明】
【0071】
1,50 光源装置
30 半導体レーザ
31 リードピン
32,52 ホルダ
40,70 回路基板
42 シート部材
43,74 スリット
45,77 ハンダ
73 フレキシブルプリント基板
75 配線パターン
L 光学走査装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザビームプリンタ・複写機・レーザファクシミリ等の画像形成装置等に用いられる光学走査装置に関し、特に、これらの装置に備えられる光源装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のプリンタなどの画像形成装置において、光源からの出射されるレーザ光を集光して回転多面鏡に入射させて偏向走査した後、結像レンズ・反射ミラーを介し感光体上に走査線として形成する光学走査装置が構成される。
【0003】
この光学走査装置において、光源である半導体レーザは半導体レーザの制御回路基板によってレーザ光を集光レンズへ出射し、レーザ光が所定の焦点位置と照射位置になるように半導体レーザと集光レンズとの相対位置が調整された入射光学系が構成される。
【0004】
この入射光学系において、半導体レーザと制御回路基板の電気的接続の一般的な構成は、半導体レーザのリードピンを制御回路基板に設けられた取付け孔に挿入し、ハンダ付けにより制御回路基板上の配線パターンと電気的に接続部するものである。
【0005】
この半導体レーザと制御回路基板の電気的接続の構成として、様々な提案がなされている。例えばリードピンの取付け孔への挿入性能の向上を目的として、制御回路基板上の取付け孔にリードピンを挿入するための案内手段を構成する提案がされている(特許文献1参照)。あるいは、制御回路基板上に、半導体レーザの全てのリードピンが挿入可能な挿入孔と各リードピンの固定用孔が構成されている形態が提案されている(特許文献2参照)。また、複数の発光点を有するいわゆるマルチビームの半導体レーザを用いた光源装置において装置のコンパクト化を目的とし、半導体レーザのリードピンと制御回路基板とを柔軟性の高い接続手段で接続する構成が提案されている(特許文献3参照)。
【特許文献1】特開2002−6248号公報
【特許文献2】特開2004−325922号公報
【特許文献3】特開平11−125780号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら上記従来例では、半導体レーザのリードピンを制御回路基板の取付け孔位置に挿入する際にリードピンと取付け孔周囲が接触してリードピンに外力が加わる。あるいは、リードピンは取付け孔に接触した状態で、この外力がリードピンに加わった状態でハンダ付けされ固定される。この外力が半導体レーザを支持する固定部の強度を低下させたり、半導体レーザの位置や姿勢を変化させ、光学性能を低下させることが懸念される。
【0007】
複数の発光点を有する半導体レーザをレーザ光の光軸周りに回転させて各レーザ光の照射位置を調整する構成や、半導体レーザを光軸に直交する平面上に調整して照射位置を調整する構成では、半導体レーザの調整位置によりリードピンの位置は一定ではない。
【0008】
したがってリードピンを取付け孔に確実に挿入するためには、取付け孔の形状や配置・個数などの対応が必要となるが、回路基板のスペースや電気的制約、リードピンの形状などの機械的制約を受けることが懸念される。
【0009】
また、取付け孔とリードピンの隙間が大きいとハンダ材で隙間を埋めきれず、制御回路
基板との電気的接続が不安定になる。
【0010】
さらに、柔軟性の高い接続手段を用いてリードピンと回路基板を接続する構成は、組立時の取扱いの悪さにより、組立工数の悪化や自動組立化を困難にし高コスト化になる。加えて、半導体レーザと制御駆動ICとの距離が大きくレーザの応答性を劣化させるか、あるいは応答性を劣化させないために柔軟性の高い接続手段の材質や形状に制約を与えることとなる。
【0011】
本発明は上記したような事情に鑑みてなされたものであり、光源と回路基板の組付け構成において、機械的および電気的な信頼性を向上、また構成や組立性の自由度を向上させ、簡易な構成で低コストで光学性能の高い装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために本発明にあっては、
複数のリードピンを有する光源と、
前記リードピンの取付け孔を有し、前記光源を制御駆動する回路基板と、
を備えた光源装置において、
前記光源と前記回路基板との間に配置され、前記光源の前記リードピンが挿入される開口部を有する取付け補助部材を備え、
前記光源は、前記リードピンが前記取付け補助部材の前記開口部を介して前記回路基板の取付け孔に設けられることにより、前記回路基板と接続されることを特徴とする。
【0013】
また、複数のリードピンを有する光源と、
前記リードピンの取付け孔を有し、前記光源を制御駆動する回路基板と、
前記光源から出射されるレーザ光を集光し偏向走査手段に導く集光手段と、
前記偏向走査手段で偏向されたレーザ光を像担持体上に結像させる結像手段と、
を備えた光学走査装置において、
前記光源と前記回路基板との間に配置され、前記光源の前記リードピンが挿入される開口部を有する取付け補助部材を備え、
前記光源は、前記リードピンが前記取付け補助部材の前記開口部を介して前記回路基板の取付け孔に設けられることにより、前記回路基板と接続されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、光源と回路基板の組付け構成において、機械的および電気的な信頼性を向上、また構成や組立性の自由度を向上させ、簡易な構成で低コストで光学性能の高い装置を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
【実施例1】
【0016】
図1は、本発明の実施例1に係る光学走査装置の概略平面図である。図2は、本実施例に係る光学走査装置の外観斜視図である。図3は、本実施例に係る光源装置の外観斜視図である。図4(a),(b)は、本実施例に係る光源装置の調整・組立について説明するための図である。図5は、本実施例の回路基板の外観斜視図である。図6(a),(b)は、本実施例に係る光源装置の調整・組立について説明するための図である。
図7は、本実施例に係る光源装置の組立について説明するための図である。
【0017】
まず、図1,2を用いて光学走査装置Lの基本的な調整・組立方法について説明する。
【0018】
光源装置1は、予め光源としての半導体レーザ30とコリメータレンズ2の光学調整が完了した状態で、筐体20の側壁21(図4参照)に、シリンドリカルレンズ3は筐体20上に仮配置される。ここで、コリメータレンズ2、及びシリンドリカルレンズ3は、本発明に係る集光手段を構成している。
【0019】
ポリゴンミラー4を搭載する偏向走査手段としての偏向走査装置5、結像レンズ6,7、反射ミラー8、走査開始信号検出器9が筐体20上の所定位置に位置決めされ図示しないねじや固定具などにより固定される。半導体レーザ30から図示しないレーザ駆動治具によりレーザ光13が出射されシリンドリカルレンズ3をレーザ光13の光軸方向に移動させ焦点位置調整が行われる。ここで、結像レンズ6,7、及び反射ミラー8は、本発明に係る結像手段を構成している。
【0020】
光源装置1はレーザ光13の光軸周りに回転され複数の発光点の照射位置合わせが行われ筐体20に固定される(図4参照)。
【0021】
そして、回路基板40は筐体20にねじ固定されるとともに、半導体レーザ30と電気的に接続される。また、ポリゴンミラー4で偏向走査されたレーザ光を走査開始信号検出器9に入射されるように反射ミラー10を調整・固定する。
【0022】
以上により、光学走査装置Lの光学調整が完了し、フタ11により筐体20を密閉し光学走査装置Lが構成される。
【0023】
次に、光学走査装置Lの基本的な動作を説明する。
【0024】
半導体レーザ30から発生されたレーザ光13は、偏向走査装置5のポリゴンミラー4に照射し偏向走査される。ここで、レーザ光13は、コリメータレンズ2の移動によりドラム12上での照射位置が調整され、コリメータレンズ2とシリンドリカルレンズ3の移動により像担持体としてのドラム12上での焦点位置が調整されている。
【0025】
偏向走査されたレーザ光14は結像レンズ6,7を経て反射ミラー8によって反射され、筐体20に設けられた開口部(不図示)を通過しドラム12表面に結像される。ドラム12に結像されるレーザ光14はポリゴンミラー4の回転による主走査方向およびドラム12の回転による副走査方向に静電潜像を形成する。
【0026】
また、偏向走査装置5によって偏向走査されたレーザ光の一部は走査開始信号検出用のレーザ光15として、反射ミラー10によって走査開始信号検出器9へ導びかれ、走査開始信号検出器9の出力信号によって半導体レーザ30の書き込み変調が開始する。
【0027】
次に、図3〜5を用いて光源装置1について説明する。まず、図3,4を用いて光源装置1の調整・組立方法について説明する。
【0028】
図4(a)において、予め光学調整が完了している光源装置1は図示しない治具により把持され、ホルダ32の円筒部33を筐体20の取付け穴22に嵌合させ側壁21に当接させた状態である。
【0029】
そして、光源装置1をレーザ光13の光軸を中心としたθ方向に回転させ、ドラム12上における半導体レーザ30の複数の発光点の間隔を調整する。なお、光源装置1の調整
・組立は専用の治具上で行われ、その概要を以下に説明する。
【0030】
半導体レーザ30はホルダ32に圧入保持され専用治具上に装着され、コリメータレンズ2はホルダ32の固定部34に仮配置される。ホルダ32は、固定ねじ35により筐体20に固定される。
【0031】
半導体レーザ30は発光治具回路によりレーザ光13を出射し、コリメータレンズ2を矢印YZ方向(図4(a)参照)に移動して照射位置を、矢印X方向(図4(a)参照)に移動して焦点位置を調整する。その後にコリメータレンズ2は接着剤などで固定部34に固定され、光源装置1が完成する。
【0032】
次に、図5を用いて回路基板40について説明する。
【0033】
回路基板40には半導体レーザ30のリードピン31が挿入される取付け孔41が構成されている。取付け孔41の内径は前述したドラム12上での発光点間隔の調整のために光源装置1がθ方向に回転する範囲を含め、リードピン31が取付け孔41に接触しない寸法に設定されている。
【0034】
また、本実施例の特徴的な構成として、取付け補助部材としてのシート部材42が耐熱フィルム材などの耐熱性を有する材料で構成されている。シート部材42にはリードピン31が挿入される開口部としてのスリット43が設けられている。なお、スリット43の形状は図に示すような十字状に限定されるものではない。
【0035】
シート部材42はスリット43と回路基板40の取付け孔41の位置を一致した状態で回路基板40の半導体レーザ30側の面に一体化される。そして、リードピン31がスリット43と取付け孔41を貫通した状態で、回路基板40は筐体20の突起部23の端面に当接し、ねじ44により固定される(図3,4参照)。
【0036】
次に、図6を用いて、リードピン31の回路基板40の挿入状態について説明する。
【0037】
リードピン31が回路基板40に矢印A方向から挿入されるに従い、シート部材42のスリット43の先端部43aは矢印B方向に押されながら弾性的に変形する。
【0038】
そして、リードピン31に接触して反った状態になり、取付け孔41はリードピン31とシート部材42により略閉塞され、空間部41aを形成する。そして、図7に示すように、リードピン31と回路基板40はハンダ材45がシート部材42で閉塞された空間部41aに充填・固着され、半導体レーザ30と回路基板40は電気的に接続される。
【0039】
以上により、光源装置1の筐体20上での調整・組立が完了し、シリンドリカルレンズ3および走査開始信号検出器9への入射レーザ光15の調整がされた後、所定の光学性能が達せられた光学走査装置Lが完成する。
【0040】
以下に、本実施例特有の効果について説明する。
【0041】
本実施例によれば、半導体レーザ30のリードピン31が回路基板40の取付け孔41に挿入された状態において、シート部材42により取付け孔41とリードピン31の隙間を略閉塞している。したがって、リードピン31との隙間からハンダ材45が洩れることがないのでハンダ工程の不良率の低減と電気的な信頼性が向上する。
【0042】
また、リードピン31の挿入時において、リードピン31が取付け孔41の内周面など
に接触せず、リードピン31が外力を受けることを防止するので、半導体レーザ30の固定強度の低下や組立不良の低減などの信頼性が向上する。
【0043】
光源装置1を光軸周りに回転させてドラム面上での発光点間隔を調整する形態においても、回路基板40自体を筐体20に固定した状態で、回路基板40とリードピン31とを電気的に接続することが可能となる。したがって、回路基板40の設置スペースを一定とすることができるので、光学走査装置の小型化が可能となる。
【0044】
また、回路基板40の取付け孔41の内径寸法による光源装置1の回転角度の制限を緩和することができるので、設計自由度の高い光学走査装置の実現が可能となる。
【実施例2】
【0045】
以下、本発明の実施例2について説明する。
【0046】
図8は、本実施例に係る光学走査装置の概略平面図である。図9は、本実施例の光源装置の外観斜視図である。図10は、本実施例の回路基板の詳細図である。図11(a),(b)は本実施例の光源装置の調整・組立について説明するための図である。
図12(a)は本実施例の光源装置の調整・組立について説明するための図、同図(b)は同図(a)の要部拡大図である。なお、実施例1と同様の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0047】
以下に、光源装置50の調整・組立方法を説明する。
【0048】
まず、図11に示すように、コリメータレンズ2は筐体60に設けられた固定部61で矢印XYZ方向に位置を規制されて、固定バネ62によって固定される。また、半導体レーザ30はホルダ51に保持される。
【0049】
ホルダ51は図示しない治具により把持され、半導体レーザ30は図示しないレーザ駆動治具によりレーザ光13を出射する。筐体60に固定されたコリメータレンズ2を基準として、ホルダ51を図中のYZ方向に移動しレーザ光13の照射位置を、X方向に移動しレーザ光13の焦点位置を調整する。
【0050】
その後に、ホルダ51のフランジ52と筐体60の固定部63とを接着剤53にて固定して、光源装置50は筐体60に一体化する。
【0051】
次に、図10を用いて回路基板70について説明する。
【0052】
回路基板70には半導体レーザ30のリードピン31が挿入される取付け孔71が構成されている。取付け孔71の内径は照射位置調整のための半導体レーザ30の可動範囲を含め、リードピン31が取付け孔71に接触しない寸法に設定されている。
【0053】
また、本実施例の特徴的な構成である取付け補助部材としてのフレキシブルプリント基板(以下、FPCという)73には、リードピン31が挿入される開口部としてのスリット74が設けられている。このスリット74にはリードピン31と回路基板70を電気接続する配線パターン75が構成さている。
【0054】
FPC73はスリット74と回路基板70の取付け孔71の位置を一致した状態で、回路基板70の半導体レーザ30側の面に当接し、配線パターン75の一端を回路基板70の配線パターン(不図示)と接続された状態で一体化される。半導体レーザ30のリードピン31と回路基板70との組立は、上述した実施例1と同様である(図6参照)。
【0055】
本実施例では焦点位置調整のために半導体レーザ30がX軸方向に移動するので、調整後のリードピン31の端部の位置は一定ではない。
【0056】
ここで、図12には、半導体レーザ30が最もコリメータレンズ2側に配置された時の状態が示されている。回路基板70は筐体60の突起部64の端面に当接し、ねじ76により固定されている。
【0057】
図12に示すように、リードピン31の端部はFPC73のスリット74を通過するが、回路基板70の実装面72から突出しない位置にある。
【0058】
しかしながら、この状態で、リードピン31は回路基板70の取付け孔71に露出しているFPC73の配線パターン75とハンダ材77によって一体化することができる。これにより、半導体レーザ30と回路基板70とが電気接続される。
【0059】
以上により、光源装置50の筐体60上での調整・組立が完了する。
【0060】
なお、本実施例においては、回路基板70の取付け孔71は、各リードピン31のそれぞれに対応するように複数設けられているが、これに限るものではなく、例えば、全てのリードピン31が通過する1つの取付け孔が設けられるものであっても良い。
【0061】
以下に、本実施例特有の効果について説明する。
【0062】
本実施例によれば、半導体レーザ30は、リードピン31と回路基板70と一体化したFPC73を介し回路基板70との電気的接続が可能となる。これにより、半導体レーザ30を光軸方向に移動して光学調整を行う形態において、リードピン31と回路基板70の接続のために必要な半導体レーザ30と回路基板70との相対位置寸法の制約を緩和することができる。
【0063】
また、回路基板70上のリードピン31の取付け孔71の形状や配置などの制約も緩和されるので、組立や設計の自由度を向上することができる。
【0064】
また、半導体レーザ30と制御ICとの距離による応答性の劣化なく、半導体レーザ30のリードピン31と回路基板70を弾性的に接続することが可能となるので、機械的信頼性と電気性能を向上することができる。
【0065】
以上、実施例1,2を用いて説明したように、本発明によれば、光源のリードピンが回路基板の取付け孔に挿入された状態において、取付け補助部材により取付け孔とリードピンの隙間を略閉塞することができる。これにより、リードピンを固定するハンダ材を取付け孔とリードピンの隙間に確実に充填することができるので、取付け孔の内径を大きくすることが可能になる。
【0066】
したがって、回路基板への挿入や固定時にリードピンに印加される外力により、光源の位置や姿勢を変化させることを防止できる。
【0067】
また、リードピンの形状を取付け孔位置に合わせるための矯正の精度を緩和できる。
【0068】
さらに、光源と集光レンズの相対位置合わせを光源を調整することで可能となり、例えば集光レンズの調整スペースが小さい場合などの光学走査系の設計や構成および調整の自由度を向上する。
【0069】
また、取付け補助部材に電気的な配線パターンが形成されているので、リードピンと取付け補助部材とで電気的接続ができる。したがって、リードピンをハンダ固定のために回路基板の実装面から突出させる必要がなく、光源と回路基板の光軸方向の間隔の制約を緩和し、光学走査系の設計や構成の自由度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】実施例1の光学走査装置の概略平面図。
【図2】実施例1の光学走査装置の外観斜視図。
【図3】実施例1の光源装置の外観斜視図。
【図4】(a)は実施例1の光源装置の調整・組立について説明するための図、(b)は実施例1の光源装置の調整・組立について説明するための図。
【図5】実施例1の回路基板の外観斜視図。
【図6】(a)は実施例1の光源装置の調整・組立について説明するための図、(b)は実施例1の光源装置の調整・組立について説明するための図。
【図7】実施例1の光源装置の組立の説明図。
【図8】実施例2の光学走査装置の概略平面図。
【図9】実施例2の光源装置の外観斜視図。
【図10】実施例2の回路基板の外観斜視図。
【図11】(a)は実施例2の光源装置の調整・組立について説明するための図、(b)は実施例2の光源装置の調整・組立について説明するための図。
【図12】(a)は実施例2の光源装置の調整・組立について説明するための図、(b)は(a)の要部拡大図。
【符号の説明】
【0071】
1,50 光源装置
30 半導体レーザ
31 リードピン
32,52 ホルダ
40,70 回路基板
42 シート部材
43,74 スリット
45,77 ハンダ
73 フレキシブルプリント基板
75 配線パターン
L 光学走査装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のリードピンを有する光源と、
前記リードピンの取付け孔を有し、前記光源を制御駆動する回路基板と、
を備えた光源装置において、
前記光源と前記回路基板との間に配置され、前記光源の前記リードピンが挿入される開口部を有する取付け補助部材を備え、
前記光源は、前記リードピンが前記取付け補助部材の前記開口部を介して前記回路基板の取付け孔に設けられることにより、前記回路基板と接続されることを特徴とする光源装置。
【請求項2】
前記開口部はスリット状であることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項3】
前記取付け補助部材には電気的接続を可能とする配線パターンが形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光源装置。
【請求項4】
前記光源の前記リードピンが前記回路基板の実装面から突出しないように設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の光源装置。
【請求項5】
複数のリードピンを有する光源と、
前記リードピンの取付け孔を有し、前記光源を制御駆動する回路基板と、
前記光源から出射されるレーザ光を集光し偏向走査手段に導く集光手段と、
前記偏向走査手段で偏向されたレーザ光を像担持体上に結像させる結像手段と、
を備えた光学走査装置において、
前記光源と前記回路基板との間に配置され、前記光源の前記リードピンが挿入される開口部を有する取付け補助部材を備え、
前記光源は、前記リードピンが前記取付け補助部材の前記開口部を介して前記回路基板の取付け孔に設けられることにより、前記回路基板と接続されることを特徴とする光学走査装置。
【請求項1】
複数のリードピンを有する光源と、
前記リードピンの取付け孔を有し、前記光源を制御駆動する回路基板と、
を備えた光源装置において、
前記光源と前記回路基板との間に配置され、前記光源の前記リードピンが挿入される開口部を有する取付け補助部材を備え、
前記光源は、前記リードピンが前記取付け補助部材の前記開口部を介して前記回路基板の取付け孔に設けられることにより、前記回路基板と接続されることを特徴とする光源装置。
【請求項2】
前記開口部はスリット状であることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項3】
前記取付け補助部材には電気的接続を可能とする配線パターンが形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光源装置。
【請求項4】
前記光源の前記リードピンが前記回路基板の実装面から突出しないように設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の光源装置。
【請求項5】
複数のリードピンを有する光源と、
前記リードピンの取付け孔を有し、前記光源を制御駆動する回路基板と、
前記光源から出射されるレーザ光を集光し偏向走査手段に導く集光手段と、
前記偏向走査手段で偏向されたレーザ光を像担持体上に結像させる結像手段と、
を備えた光学走査装置において、
前記光源と前記回路基板との間に配置され、前記光源の前記リードピンが挿入される開口部を有する取付け補助部材を備え、
前記光源は、前記リードピンが前記取付け補助部材の前記開口部を介して前記回路基板の取付け孔に設けられることにより、前記回路基板と接続されることを特徴とする光学走査装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−227610(P2007−227610A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−46534(P2006−46534)
【出願日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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