説明

光走査装置用揺動ミラー、揺動状態検出装置、及び、光走査装置

【課題】可動部の軽量化を十分に図ることが可能な光走査装置用揺動ミラー、及び、該光走査装置用揺動ミラーを備える光走査装置を提供することを課題とする。
【解決手段】固定部31a、31b、可動部32、及び、固定部31a、31bに対して可動部32を揺動可能に支持する支持部33a、33bを有する基板3と、可動部32の一方の面側に設けられるミラー部4と、可動部32とミラー部4との間に介装される平面コイル5とを備えることを特徴とする光走査装置用揺動ミラー2、及び、該光走査装置用揺動ミラー2を備える光走査装置1を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光走査装置に用いられる光走査装置用揺動ミラー、揺動状態検出装置、及び、光走査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光走査装置として、光源からの光を揺動するミラー部で反射させることによって、該光の出射方向を変化させる装置や、様々な方向から入射する光を揺動するミラー部で撮像装置に導く装置が知られている。このような光走査装置として、光走査装置用揺動ミラーと、交流電源と、磁界発生部とを備えたものが知られている。光走査装置用揺動ミラーは、例えば、特許文献1の図10に示すように、固定部、可動部、及び、固定部に対して可動部を揺動可能に支持する支持部を有する基板と、可動部の一方の面に設けられるミラー部と平面コイルとを備えている。平面コイルは、可動部の一方の面において、ミラー部を囲うように設けられている。交流電源は、平面コイルに交流電流を供給可能に構成されている。磁界発生部は、平面コイルに磁界を及ぼすように構成されている。このような構成の光走査装置において、ミラー部は、交流電源が平面コイルに供給する交流電流と磁界発生部が平面コイルに及ぼす磁界とによって生じる電磁力により、可動部が揺動することで揺動する。また、このような構成の光走査装置の中には、ミラー部の揺動状態を検出可能な光走査装置も存在する。該光走査装置においては、ミラー部の揺動が何らかの手段で行われ、ミラー部が揺動すると、平面コイルが磁界発生部の及ぼす磁界を横切るように移動し、ミラー部の揺動状態に応じた電圧が平面コイルに生じる。かかる光走査装置は、平面コイルに生じる電圧に基づいて、ミラー部の揺動状態を検出する。
【0003】
近年、光走査装置の走査速度の高速化及び走査範囲の拡大化が要請され、該要請に応えるためには、光走査装置用揺動ミラーに備えられるミラー部を、高速、且つ、大振幅で揺動させる必要がある。ミラー部を高速、且つ、大振幅で揺動させる手法として、可動部の軽量化が挙げられる。
【0004】
可動部の軽量化を図るための1つの構成として、可動部の一方の面にミラー部を設け、可動部の他方の面に平面コイルを設ける構成が特許文献1に開示されている(特許文献1の図2参照)。かかる構成においては、ミラー部と平面コイルとが異なる面上に設けられるため、例えば、可動部の法線方向から見た場合において、ミラー部と平面コイルとが重なるようにそれぞれを設けることができる。このため、可動部の面積(可動部の法線方向から見た場合の面積)をミラー部と略同じ大きさにまで小さくすることができる。従って、かかる構成によれば、可動部の小型化により可動部の軽量化を図ることができる。
【0005】
また、可動部の軽量化を図るための他の構成として、ミラー部が設けられる可動部の一方の面と反対側の他方の面に凹部を形成する構成が特許文献2及び3に開示されている。かかる構成においては、凹部の形成により可動部の軽量化を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−249964号
【特許文献2】特開2004−37886号
【特許文献3】米国特許出願公開第2005/0184351号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述の何れの構成においても、可動部の軽量化が十分でなく、上述の要請に応えることが困難である。可動部の軽量化を十分に図るための構成として、可動部の一方の面にミラー部を設け、可動部の他方の面に平面コイルを設けると共に、可動部の他方の面に凹部を形成する構成が考えられる。しかし、可動部の他方の面に凹部を形成すると、可動部の他方の面が平坦で無くなるため、該他方の面に平面コイルを設けることは技術的に困難になる。従って、かかる構成を採用することは技術的に困難である。
【0008】
本発明は、可動部の軽量化を十分に図ることが可能な光走査装置用揺動ミラー、該光走査装置用揺動ミラーが備えるミラー部の揺動状態を検出する揺動状態検出装置、及び、該光走査装置用揺動ミラーを備える光走査装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、固定部、可動部、及び、前記固定部に対して前記可動部を揺動可能に支持する支持部を有する基板と、前記可動部の一方の面側に設けられるミラー部と、前記可動部と前記ミラー部との間に介装される平面コイルとを備えることを特徴とする光走査装置用揺動ミラーを提供する。
【0010】
本発明に係る光走査装置用揺動ミラーにおいては、可動部とミラー部との間に平面コイルが介装されるので、ミラー部と平面コイルとを同一平面上に設ける必要がない。このため、例えば、可動部の法線方向から見た場合において、ミラー部と平面コイルとが重なるようにそれぞれを設けることができる。このようにミラー部と平面コイルとを設けることで、可動部の面積(可動部の法線方向から見た場合の面積)をミラー部と略同じ大きさにまで小さくすることができる。従って、本発明に係る光走査装置用揺動ミラーの可動部は、小型化により軽量化を図ることができる。また、平面コイルは、可動部の一方の面側に設けられるミラー部と可動部との間に介装されるので、可動部の他方の面側には平面コイルが設けられない。このため、可動部の他方の面を自由に加工することができ、可動部の他方の面に凹部を形成することで、可動部の軽量化を図ることができる。以上のように、可動部の小型化、及び、凹部の形成の双方によって可動部の軽量化を図ることができるので、本発明に係る光走査装置用揺動ミラーの可動部は、軽量化を十分に図ることができる。
【0011】
好ましくは、前記支持部に設けられる第1配線及び第2配線を備え、前記ミラー部は、前記平面コイルに対向する面が導電性材料で形成され、前記平面コイルは、渦状であり、外側の端部が前記第1配線に直接電気的に接続され、内側の端部が前記ミラー部の前記平面コイルに対向する面を介して前記第2配線に電気的に接続されている構成とされる。
【0012】
かかる好ましい構成においては、平面コイルの外側の端部が第1配線に直接電気的に接続されている。また、かかる好ましい構成においては、ミラー部の平面コイルに対向する面が導電性材料で形成されており、平面コイルの内側の端部と第2配線とが、ミラー部の平面コイルに対向する面を介して電気的に接続されている。従って、かかる好ましい構成においては、第1配線、平面コイルの外側の端部、平面コイルの内側の端部、ミラー部の平面コイルに対向する面、第2配線の順で又はその逆の順でこれらに交流電流を流すことが可能である。このため、第1配線及び第2配線を交流電源に接続すれば、交流電流を平面コイルに供給することができる。平面コイルの内側の端部と第2配線との電気的な接続は、ミラー部の平面コイルに対向する面を介して行われるため、平面コイルの内側の端部と第2配線とを接続するために、平面コイルを跨ぐ配線を設けることが不要である。このため、かかる好ましい構成の光走査装置用揺動ミラーは、製造が容易であると共に、構造が簡易である。
【0013】
さらに好ましくは、前記平面コイルと前記ミラー部との間に介装される絶縁層を備え、該絶縁層には、前記平面コイルの内側の端部と前記ミラー部の前記平面コイルに対向する面とを電気的に接続させる導通部が設けられている構成とされる。
【0014】
上述の構成においては、平面コイルが絶縁材料等で被覆されていない場合、該平面コイルと、導電性材料で形成されたミラー部の平面コイルに対向する面との間で電気的に短絡する可能性がある。かかる好ましい構成においては、平面コイルとミラー部との間に絶縁層が介装されているので、ミラー部と平面コイルとの間で電気的に短絡することを防止するために、ミラー部と平面コイルとの間に絶縁のための空間等を設けることが不要である。このため、かかる好ましい構成においては、ミラー部を可動部の一方の面側に容易に設けることができる。また、絶縁層には、平面コイルの内側の端部とミラー部の平面コイルに対向する面とを電気的に接続させる導通部が設けられている。このため、第1配線、平面コイルの外側の端部、平面コイルの内側の端部、ミラー部の平面コイルに対向する面、第2配線の順で又はその逆の順でこれらに交流電流を流すことができ、平面コイルの内側の端部と第2配線とを接続するために、平面コイルを跨ぐ配線を設けることが不要である。
【0015】
また、好ましくは、前記可動部の一方の面には、溝が形成され、前記平面コイルは、前記溝に導電性材料を埋め込むことによって形成され、前記平面コイルの表面と前記可動部の一方の面とが略同一面上に位置する構成とされる。
【0016】
かかる好ましい構成によれば、平面コイルは、可動部の一方の面に形成された溝に導電性材料を埋め込むことによって形成されている。これにより、溝の深さに応じた厚膜で、抵抗の低い平面コイルを容易に形成することができる。平面コイルの抵抗が低ければ小さな電力で該平面コイルに大電流を供給できる。このため、例えば、平面コイルに供給される交流電流と平面コイルに及ぶ磁界とによって生じる電磁力により可動部を揺動させる場合、平面コイルに供給される電力が小さくても、平面コイルに供給される電流が大きくなるため、大きな電磁力が得られ、ミラー部を大振幅で揺動させることができる。従って、かかる好ましい構成の光走査装置用揺動ミラーは、ミラー部を大振幅で揺動させ易く、且つ、製造が容易である。また、かかる好ましい構成によれば、平面コイルの表面と可動部の一方の面とが略同一面上に位置するため、ミラー部又は絶縁層が設けられる面が略平坦となる。このため、かかる好ましい構成によれば、光の干渉や散乱、光のビーム径の変化などを抑制することができる。
【0017】
また、本発明は、上述の光走査装置用揺動ミラーと、前記平面コイルに駆動電流を供給する駆動電源と、前記平面コイルに磁界を及ぼす磁界発生部とを備え、前記可動部は、前記駆動電源が供給する駆動電流と前記磁界発生部が及ぼす磁界とによって生じる電磁力により揺動するように構成されている光走査装置を提供することもできる。
【0018】
また、本発明は、上述の光走査装置用揺動ミラーが備える前記平面コイルに磁界を及ぼす磁界発生部と、前記磁界発生部が及ぼす磁界と前記平面コイルの揺動とによって前記平面コイルに生じる電圧に基づいて、前記光走査装置用揺動ミラーが備える前記ミラー部の揺動状態を検出する揺動状態検出部とを備えることを特徴とする揺動状態検出装置を提供することもできる。
【0019】
上述の光走査装置用揺動ミラーにおいては、ミラー部を何らかの手段で揺動させ、ミラー部の揺動によって平面コイルが磁界発生部の及ぼす磁界を横切るように移動すると、ミラー部の揺動状態に応じた電圧が平面コイルに生じる。よって、揺動状態検出装置が備える揺動状態検出部は、平面コイルに生じる電圧に基づいて、ミラー部の揺動状態を検出することができる。
【0020】
また、本発明は、上述の光走査装置用揺動ミラーと、上述の揺動状態検出装置と、前記光走査装置用揺動ミラーが備える前記可動部を揺動させる揺動部とを備えることを特徴とする光走査装置を提供することもできる。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、可動部の軽量化を十分に図ることが可能な光走査装置用揺動ミラー、該光走査装置用揺動ミラーが備えるミラー部の揺動状態を検出する揺動状態検出装置、及び、該光走査装置用揺動ミラーを備える光走査装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は実施形態1の光走査装置の外観図であり、図1(a)は平面図を示し、図1(b)は図1(a)のA―A断面図を示す。
【図2】図2は、実施形態1の光走査装置用揺動ミラーの分解図である
【図3】図3は、各製造状況における図1(a)のA―A断面図である。
【図4】図4は、実施形態1の光走査装置用揺動ミラーに第3配線を設けた場合の図1(a)のA―A断面図を示す。
【図5】図5は、実施形態2の光走査装置の外観図であり、図5(a)は平面図を示し、図5(b)は図5(a)のB−B断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
<実施形態1>
図1は本実施形態の光走査装置1の外観図であり、図1(a)は平面図を示し、図1(b)は図1(a)のA―A断面図を示す。図1に示すように、光走査装置1は、光走査装置用揺動ミラー2と、駆動電源8と、磁界発生部9とを備える。
【0024】
図2は、光走査装置用揺動ミラー2の分解図である。図2に示すように、光走査装置用揺動ミラー2は、基板3(以下、「第1基板3」という)と、ミラー部4と、平面コイル5(以下、「第1平面コイル5」という)とを備える。
【0025】
図2に示すように、第1基板3は、固定部31a、31b(以下、「第1固定部31a、31b」という)、可動部32(以下、「第1可動部32」という)、及び、支持部33a、33b(以下、「第1支持部33a、33b」という)を有する。第1固定部31a、31bは、第1可動部32を挟んで反対側に設けられている。第1支持部33aは、第1固定部31aと第1可動部32とを連結し、その軸線X(以下、「第1軸線X」という)周りに第1固定部31aに対して揺動可能になるように第1可動部32を支持している。一方、第1支持部33bは、第1固定部31bと第1可動部32とを連結し、その軸線(第1支持部33aと第1支持部33bとの軸線は一致している)周りに第1固定部31bに対して揺動可能になるように第1可動部32を支持している。第1基板3には、シリコン基板を用いることができ、第1固定部31a、31b、第1可動部32、及び、第1支持部33a、33bは、異方性エッチング等によって形成することができる。
【0026】
図1、及び、図2に示すように、ミラー部4は、第1可動部32の一方の面側に設けられている。ミラー部4は、アルミ等の導電性材料で形成されている。
【0027】
図1(b)、及び、図2に示すように、第1平面コイル5は、第1可動部32とミラー部4との間に介装されている。尚、本実施形態では、第1平面コイル5は、第1可動部32の一方の面に形成された渦状の溝に銅などの導電性材料を埋め込むことにより形成されている。図1(b)に示すように、第1平面コイル5の表面と、第1可動部32の一方の面とは、同一面上に位置している。また、図2に示すように、第1平面コイル5は、第1軸線Xを挟んで一方側の部位と他方側の部位とにおいて、第1軸線Xと平行な方向に互いに逆向きの成分を有する電流が流れるように設けられている。
【0028】
本実施形態においては、図1(b)、及び、図2に示すように、ミラー部4と第1平面コイル5との間に絶縁層6が介装されている。具体的には、第1平面コイル5及び第1可動部32の一方の面に絶縁層6が直接積層され、該絶縁層6にミラー部4が直接積層されている。絶縁層6が介装されることで、第1平面コイル5に沿って電流が流れるようにするために、第1平面コイル5と導電性材料で形成されたミラー部4との間に絶縁のための空間を設ける必要がない。このため、ミラー部4を第1可動部32の一方の面側に容易に設けることができる。
【0029】
絶縁層6は、絶縁材料で形成された絶縁部60、第1平面コイル5の内側の端部51とミラー部4とを電気的に接続させる導通部61(以下、「第1導通部61」という)、及び、ミラー部4と電気的に接続されている第2導通部62が設けられている。第1導通部61及び第2導通部62は、銅などの導電性部材によって形成されている。図1(b)に示すように、絶縁部60と第1導通部61と第2導通部62との上面は、同一の高さである。
【0030】
本実施形態においては、図1(a)、及び、図2に示すように、光走査装置用揺動ミラー2は、第1配線71と第2配線72とを備え、第1支持部33aの一方の面に第1配線71が、第1支持部33bの一方の面に第2配線72が設けられている。
【0031】
第1配線71は、第1支持部33aから第1可動部32まで延出され、一端部71aが第1平面コイル5の外側の端部52に直接電気的に接続されている。また、第1配線71は、第1支持部33aから第1固定部31aまで延出され、他端部71bが第1固定部31a上に位置している。
【0032】
一方、第2配線72は、ミラー部4と電気的に接続されている。具体的には、図2に示すように、第2配線72は、第1支持部33bから第1可動部32まで延出され、一端部72aが第1可動部32上に位置している。図1(b)に示すように、第2配線72の一端部72aは、上述の第2導通部62が上面に直接積層され、該第2導通部62と電気的に接続されている。上述のように、第2導通部62は、ミラー部4と電気的に接続されているため、第2配線72は、第2導通部62を介してミラー部4と電気的に接続されている。このように、第2配線72がミラー部4と電気的に接続されることで、第1配線71と第2配線72とは電気的に接続されている。具体的には、第1配線71と第2配線72とは、平面コイル5の外側の端部52と、平面コイル5の内側の端部51と、第1導通部61と、ミラー部4と、第2導通部62とを介して電気的に接続されている。尚、第2配線72は、第1支持部33bから第1固定部31bまで延出され、他端部72bが第1固定部31b上に位置している。
【0033】
本実施形態においては、第1配線71は第1支持部33aに、第2配線72は第1支持部33bに設けられており、第1配線71及び第2配線72が異なる第1支持部に設けられているが、第1配線71と第2配線72とは、同一の第1支持部に設けられてもよい。また、第1配線71、及び、第2配線72は、第1固定部31a、31b、第1可動部32、及び、第1支持部33a、33bの一方の面に形成された溝に銅などの導電性材料を埋め込むことにより形成されている。
【0034】
図1(a)に示すように、光走査装置用揺動ミラー2が備える駆動電源8(以下、「第1駆動電源8」という)は、第1配線71の他端部71bと第2配線72の他端部72bとに電気的に接続されている。第1配線71及び第2配線72のそれぞれの他端部71b、72bは、第1固定部31a、31b上に位置しているため、第1配線71及び第2配線72のそれぞれの他端部71b、72bと第1駆動電源8とを電気的に接続すれば、第1可動部32の揺動を阻害することなく第1駆動電源8と平面コイル5とを電気的に接続することができる。
【0035】
また、磁界発生部9(以下、「第1磁界発生部9」という)は、第1平面コイル5に磁界を及ぼす。本実施形態では、図1(a)に示すように、第1磁界発生部9は、第1基板3に平行で、且つ、第1軸線Xと直交する方向に第1可動部32を挟んだ両側に設けられた永久磁石によって構成されている。両側のそれぞれに設けられた永久磁石は、互いに対向する面の極性が反対となるように設けられている。このため、第1磁界発生部9は、第1基板3に平行で、第1軸線Xに対して直交する方向(図1(a)の矢印Y方向)の成分を有する磁界を、第1平面コイル5に及ぼす。尚、第1磁界発生部9は、電磁石で構成することもできる。
【0036】
尚、本実施形態では、第1基板3の第1固定部31a、31b、及び、第1磁界発生部9は図示しない同一の台座に固定されている。
【0037】
次に、以上において構成を説明した光走査装置用揺動ミラー2の製造方法について説明する。尚、図3は、各製造状況における図1(b)のA―A断面の状態を示す図である。
【0038】
まず、予め、エッチングや成膜など公知のMEMS技術等を用いて第1基板3を加工し、該第1基板3に第1固定部31a、31b、第1可動部32、第1支持部33a、33bを作製する。次に、図3(a)に示すように、第1平面コイル5、第1配線71、及び、第2配線72を埋め込むための溝30を第1固定部31a、31b、第1可動部32、及び、第1支持部33a、33bの一方の面に形成する。尚、図3(a)では、溝30の断面形状が矩形状に表されているが、溝30の断面形状は特に限定されるものでない。次に、図3(a)に示されていないが、溝30の表面に絶縁膜を形成する。
【0039】
次に、図3(b)に示すように、導電性材料の膜53を第1固定部31a、31b、第1可動部32、及び、第1支持部33a、33bの一方の面に形成して、溝30に導電性材料を埋め込む。次に、図3(c)に示すように、導電性材料の膜53を研磨して、該膜53の上面を第1固定部31a、31b、第1可動部32、及び、第1支持部33a、33bの一方の面と同一の高さにする。これにより、溝30に埋め込まれた第1平面コイル5、第1配線71、及び、第2配線72が形成される。
【0040】
次に、図3(d)に示すように、第1可動部32の一方の面、第1平面コイル5(但し、内側の端部51を除く)、及び、第1配線71の一端部71aに絶縁材料を成膜し、これらの上面に絶縁部60を直接積層する。次に、図3(e)に示すように、第1平面コイル5の内側の端部51、及び、第2配線の一端部72aに、導電性材料の層を形成することで、第1平面コイル5の内側の端部51の上面に第1導通部61を直接積層し、第2配線の一端部72aの上面に第2導通部62を直接積層する。これにより、絶縁部60、第1導通部61、及び、第2導通部62からなる絶縁層6が形成される。次に、図3(f)に示すように、第1導通部61及び第2導通部62を研磨して、第1導通部61及び第2導通部62の上面を絶縁部60の上面と同一の高さにする。次に、図1(b)に示すように、絶縁層6に導電性材料の層を形成することによって、絶縁層6の上面にミラー部4を直接積層する。以上により、光走査装置用揺動ミラー2が完成する。
【0041】
次に、以上に説明した光走査装置用揺動ミラー2が備えるミラー部4の揺動について説明する。第1駆動電源8が、駆動電流としての交流電流を第1配線71及び第2配線72を介して第1平面コイル5に供給すると、該第1平面コイル5に供給された交流電流と、第1磁界発生部9が第1平面コイル5に及ぼす磁界とによって、第1基板3の法線方向の電磁力が第1平面コイル5に生じる。上述のように、第1平面コイル5は、第1軸線Xを挟んで一方側の部位と他方側の部位とで、第1軸線Xと平行な方向に互いに逆向きの成分を有する電流が流れるように設けられている。このため、第1軸線Xを挟んで第1平面コイル5の一方側の部位に生じる電磁力と、他方側の部位に生じる電磁力とは、向きが反対である。向きが反対の電磁力が生じることで、第1可動部32は、第1軸線X周りに回動する。第1平面コイル5に供給される電流は交流電流であるため、第1平面コイル5に供給される電流の向きは周期的に変化し、電磁力の向きも周期的に変化する。よって、第1駆動電源8が交流電流を平面コイル5に供給することで、第1可動部32は、第1軸線X周りに揺動する。第1可動部32が揺動することで、ミラー部4も揺動する。尚、以上においては、駆動電流として交流電流を用いた場合について説明したが、駆動電流には、直流パルス電流を用いることもできる。例えば、間欠的に直流成分が生じる直流パルス電流を駆動電流に用いた場合において、直流成分が第1平面コイル5に供給されているときは、該直流成分と第1磁界発生手段9が及ぼす磁界とによって第1平面コイル5に電磁力が生じ、該電磁力によって、第1可動部32は、第1軸線X周りの一方向に回動する。一方、直流成分が第1平面コイル5に供給されなくなると、第1平面コイル5に生じていた電磁力が消滅する。そして、第1可動部32が第1軸線X周りの一方向に回動したことより捩れた第1支持部33a、33bが元に戻ろうとし、これにより、第1可動部32は第1軸線X周りの他方向に回動する。このように、第1可動部32が第1軸線X周りの一方向及び他方向に回動するため、駆動電流に直流パルス電流を用いた場合でも、ミラー部4を揺動させることができる。
【0042】
以上のように、光走査装置用揺動ミラー2においては、第1可動部32とミラー部4との間に第1平面コイル5が介装されるので、ミラー部4と第1平面コイル5とを同一平面上に設ける必要がない。このため、例えば、第1可動部32の法線方向から見た場合において、ミラー部4と第1平面コイル5とが重なるようにそれぞれを設けることができる。このようにミラー部4と第1平面コイル5とを設ければ、第1可動部32の面積(第1可動部32の法線方向から見た場合の面積)をミラー部4と略同じ大きさにまで小さくすることができる。従って、光走査装置用揺動ミラー2の第1可動部32は、小型化により軽量化を図ることができる。また、第1平面コイル5は、第1可動部32の一方の面側に設けられるミラー部4と第1可動部32との間に介装されるので、第1可動部32の他方の面側には第1平面コイル5が設けられない。このため、第1可動部32の他方の面を自由に加工することができ、第1可動部32の他方の面に凹部を形成することで、第1可動部32の軽量化を図ることができる。以上のように、第1可動部32の小型化、及び、凹部の形成の双方によって第1可動部32の軽量化を図ることができるので、光走査装置用揺動ミラー2の第1可動部32は、軽量化を十分に図ることが可能である。
【0043】
また、光走査装置用揺動ミラー2においては、第1平面コイル5の内側の端部51がミラー部4の第1平面コイル5に対向する面を介して第2配線72に電気的に接続されている。このため、第1平面コイル5の内側の端部51と第2配線72とを接続するために、第1平面コイル5を跨ぐ配線を設けることが不要である。よって、光走査装置用揺動ミラー2は、製造が容易であると共に、構造が簡易である。
【0044】
また、光走査装置用揺動ミラー2においては、ミラー部4と第1平面コイル5との間に絶縁層6が介装されている。従って、仮に、第1平面コイル5が絶縁材料等で被覆されていない場合であっても、第1平面コイル5とミラー部4との間の電気的な短絡を防ぐために、ミラー部4と第1平面コイル5との間に絶縁のための空間等を設ける必要がない。このため、ミラー部4を第1可動部32の一方の面側に容易に設けることができる。また、絶縁層6には、第1平面コイル5の内側の端部51とミラー部4の第1平面コイル5に対向する面とを電気的に接続させる第1導通部61が設けられているため、絶縁層6を設けても、第1平面コイル5の内側の端部51と第2配線72とを接続するために、第1平面コイル5を跨ぐ配線を設けることが不要である。
【0045】
また、光走査装置用揺動ミラー2においては、第1平面コイル5、第1配線71、及び、第2配線72は、第1固定部31a、31b、第1可動部32、及び、第1支持部33a、33bの一方の面に形成された溝30に導電性材料を埋め込むことによって形成されている。これによれば、溝30の深さに応じた厚膜で、抵抗の低い第1平面コイル5、第1配線71、及び、第2配線72を容易に形成することができる。第1平面コイル5、第1配線71、及び、第2配線72の抵抗が低ければ、小さな電力で第1平面コイル5に大電流を供給できるので、第1駆動電源8が第1平面コイル5に供給する交流電流と、第1磁界発生部9が第1平面コイル5に及ぼす磁界とによって大きな電磁力を得ることができ、第1可動部32を大振幅で揺動させることができる。よって、光走査装置用揺動ミラー2は、第1可動部32を大振幅で揺動させ易く、且つ、製造が容易である。
【0046】
また、光走査装置用揺動ミラー2は、第1平面コイル5の表面と第1可動部32の一方の面とが同一面上に位置するため、絶縁層6が直接積層される面が平坦化されている。このため、絶縁層6の平坦化が容易であり、ひいては、平坦なミラー部4を容易に設けることができる。このため、光走査装置用揺動ミラー2は、光の干渉や散乱、光のビーム径の変化などを抑制することができる。また、本実施形態においては、絶縁層6の絶縁部60、第1導通部61、及び、第2導通部62の上面が同一の高さであるので、平坦なミラー部4を設けることが一層容易である。
【0047】
本実施形態では、図3(e)〜図3(f)に示すように、第1導通部61、及び、第2導通部62を形成してから、ミラー部4を形成している。しかしながら、第1導通部61、第2導通部62、及び、ミラー部4は、例えば、図3(d)に示すように、絶縁部60を形成した後に、絶縁部60の上面、第1平面コイル5の内側の端部51の上面、及び、第2配線の一端部72aの上面に、導電性材料の層を形成することで同時に形成してもよい。
【0048】
本実施形態では、ミラー部4は、導電性材料で形成されているが、ミラー部4全体が導電性材料で形成されている必要はない。例えば、ミラー部4のうち、第1平面コイル5と対向する面のみが導電性材料で形成されてもよい。上述のように、ミラー部4のうち、第1平面コイル5と対向する面のみが、第1平面コイル5の内側の端部51と第2配線とに電気的に接続されている。このため、ミラー部4のうち、第1平面コイル5と対向する面のみさえ導電性を有していれば、第1平面コイル5の内側の端部51と第2配線72とを電気的に接続することが可能となる。
【0049】
また、光走査装置用揺動ミラー2は、ミラー部4全体が導電性材料で形成されていない構成とすることもできる。この構成においては、第1平面コイル5の内側の端部51と第2配線72との電気的な接続は、例えば、図4に示すように、第1平面コイル5を跨ぐように、第1平面コイル5の内側の端部51と第2配線72とを電気的に接続する第3配線73を介して行うことができる。尚、第1平面コイル5の内側の端部51と第2配線72との電気的な接続を第3配線73で行う場合は、第3配線73と第1平面コイル5(内側の端部51を除く)との導通を防ぐための絶縁膜73aを第3配線73と第1平面コイル5(内側の端部51を除く)との間に設けることが必要である。
【0050】
また、光走査装置用揺動ミラー2は、第1基板3が絶縁材料で形成されていない場合は、第1配線71と第1基板3とに第1駆動電源8を電気的に接続することで、第1平面コイル5に交流電流を供給する構成を採用することも可能である。具体的には、第1平面コイル5の内側の端部51と第1可動部32とを電気的に接続する。第1平面コイル5の内側の端部51と第1可動部32とが電気的に接続されることで、第1平面コイル5の内側の端部51と第1基板3全体とが電気的に接続される。このように、第1平面コイル5の内側の端部51と第1基板3全体とが電気的に接続されることで、第1配線71と第1基板3とに第1駆動電源8を電気的に接続することで、第1平面コイル5に交流電流を供給することができる。尚、第1平面コイル5の内側の端部51と第1可動部32との電気的な接続は、例えば、図3(a)に示すように、溝30を形成した後に溝30の表面に形成される絶縁膜を、溝30の表面のうち、第1平面コイル5の内側の端部51が形成される部分には形成しないことで行うことができる。
【0051】
<実施形態2>
図5は、実施形態2の光走査装置1Aの外観図であり、図5(a)は平面図を示し、図5(b)はB−B断面図を示す。本実施形態に係る光走査装置1Aは、光走査装置用揺動ミラー2Aと、揺動状態検出装置と、揺動部10Aとを備える。
【0052】
光走査装置用揺動ミラー2Aは、実施形態1の光走査装置用揺動ミラー2と同様の構成である。
【0053】
揺動状態検出装置は、第1磁界発生部9A、及び、揺動状態検出部21Aを備える。第1磁界発生部9Aは、実施形態1の第1磁界発生部9と同様の構成である。揺動状態検出部21Aは、光走査装置用揺動ミラー2Aに備えられる第1平面コイル5Aに生じる電圧に基づいて、ミラー部4Aの揺動状態を検出する。この揺動状態検出部21Aは、第1配線71Aと第2配線72Aとを介して第1平面コイル5に電気的に接続されている。
【0054】
揺動部10Aは、第2固定部12Aa、12Ab、第2可動部13A、及び、第2支持部14Aa、14Abを有する第2基板11Aと、第2平面コイル15Aと、第2駆動電源(図示しない)と、第2磁界発生部16Aとを備える。第2固定部12Aa、12Abは、第2可動部13Aを挟んで反対側に設けられている。第2支持部14Aaは、第2固定部12Aaと第2可動部13Aとを連結し、その軸線Z(以下、「第2軸線Z」という)周りに第2固定部12Aaに対して揺動可能になるように第2可動部13Aを支持している。一方、第2支持部14Abは、第2固定部12Abと第2可動部13Aとを連結し、その軸線(第2支持部14Aaと第2支持部14Abとの軸線は一致している)周りに第2固定部12Abに対して揺動可能になるように第2可動部13Aを支持している。第2基板11Aには、シリコン基板を用いることができ、第2固定部12Aa、12Ab、第2可動部13A、及び、第2支持部14Aa、14Abは、異方性エッチング等によって形成することができる。
【0055】
第2可動部13Aの一方の面には、図示しないスペーサ等を介して光走査装置用揺動ミラー2Aの第1固定部31Aa、31Abが第2軸線Zに沿って載置されている。尚、第1軸線Xと第2軸線Zとは互い平行であり、第1軸線Xと第2軸線Zとは、図5(a)に示すように、平面視において一致している。
【0056】
第2平面コイル15Aは、第2可動部13Aの片方の面に設けられている。第2平面コイル15Aは、第2軸線Zを挟んで一方側の部位と他方側の部位とにおいて、第2軸線Zと平行な方向に互いに逆向きの成分を有する電流が流れるように設けられている。
【0057】
第2駆動電源は、第2平面コイル15Aの両端部と電気的に接続されている。
【0058】
第2磁界発生部16Aは、第2平面コイル15Aに磁界を及ぼす。本実施形態では、第2磁界発生部16Aは、第2基板11Aに平行で、且つ、第2軸線Zと直交する方向に第2可動部13Aを挟んだ両側に設けられた永久磁石によって構成されている。両側のそれぞれに設けられた永久磁石は、互いに対向する面の極性が反対となるように配置されている。このため、第2磁界発生部16Aは、第2基板11Aに平行で、第2軸線Zに対して直交する方向(図5(a)の矢印Y方向)の成分を有する磁界を、第2平面コイル15Aに及ぼすことができる。尚、第1磁界発生部9Aと第2磁界発生部16Aとは同一の永久磁石によって構成されてもよい。
【0059】
次に、以上に説明した光走査装置用揺動ミラー2Aが備えるミラー部4Aの揺動について説明する。第2駆動電源が交流電流を第2平面コイル15Aに供給すると、第2平面コイル15Aに供給された交流電流と、第2磁界発生部16Aが第2平面コイル15Aに及ぼす磁界とによって、第2基板11Aの法線方向の電磁力が第2平面コイル15Aに生じる。上述のように、第2平面コイル15Aは、第2軸線Zを挟んで一方側の部位と他方側の部位とで、第2軸線Zと平行な方向に互いに逆向きの成分を有する電流が流れるように設けられている。このため、第2軸線Zを挟んで第2平面コイル15Aの一方側の部位に生じる電磁力と、第2軸線Zを挟んで他方側の部位に生じる電磁力とは、向きが反対である。このように、向きが反対の電磁力が生じることで、第2可動部13A、及び、第2可動部13Aに載置された第1基板3Aが第1軸線X及び第2軸線Yと平行な軸周りに回動する。第2平面コイル15Aに供給される電流は交流電流であるため、第2平面コイル15Aに供給される電流の向きは周期的に変化し、電磁力の向きも周期的に変化する。よって、第2駆動電源が交流電流を第2平面コイル15Aに供給することで、第2可動部13A、及び、第1基板3Aは、第1軸線X及び第2軸線Yと平行な軸周りに揺動する。第1基板3Aが揺動することで、第1基板3Aの第1可動部32Aに設けられたミラー部4Aも揺動する。
【0060】
ミラー部4Aが揺動すると、第1平面コイル5Aは第1磁界発生部9Aが及ぼす磁界を横切るように移動するため、ミラー部4Aの揺動状態に応じた第1平面コイル5Aに電圧が生じる。揺動状態検出部21Aは、このように生じた電圧の大きさに基づいてミラー部4Aの揺動状態を検出する。以上のように、光走査装置用揺動ミラー2Aは、ミラー部4Aの揺動状態を検出することができる。このため、例えば、揺動状態検出部21Aの検出結果に基づいて、ミラー部4Aが正常に揺動しているか否かを確認することができる。また、実施形態1の光走査装置用揺動ミラー2と同様に、光走査装置用揺動ミラー2Aにおいては、ミラー部4Aの揺動状態に応じた電圧が生じる第1平面コイル5Aが、第1可動部32Aとミラー部4Aとの間に介装されている。このため、第1可動部32Aの小型化と、及び、第1可動部32Aの他方の面への凹部の形成との双方によって、第1可動部32Aの軽量化を図ることができ、第1可動部32Aは、軽量化を十分に図ることが可能である。
【符号の説明】
【0061】
1、1A…光走査装置、2、2A…光走査装置用揺動ミラー、21…第2磁界発生部、22…揺動状態検出部、3…第1基板、30…溝、31a、31b…第1固定部、32…第1可動部、33a、33b…第1支持部、4…ミラー部、5…第1平面コイル、51…第1平面コイルの内側の端部、52…第1平面コイルの外側の端部、6…絶縁層、71…第1配線、72…第2配線、8…駆動電源、9…第1磁界発生部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定部、可動部、及び、前記固定部に対して前記可動部を揺動可能に支持する支持部を有する基板と、
前記可動部の一方の面側に設けられるミラー部と、
前記可動部と前記ミラー部との間に介装される平面コイルとを備えることを特徴とする光走査装置用揺動ミラー。
【請求項2】
前記支持部に設けられる第1配線及び第2配線を備え、
前記ミラー部は、前記平面コイルに対向する面が導電性材料で形成され、
前記平面コイルは、渦状であり、外側の端部が前記第1配線に直接電気的に接続され、内側の端部が前記ミラー部の前記平面コイルに対向する面を介して前記第2配線に電気的に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の光走査装置用揺動ミラー。
【請求項3】
前記平面コイルと前記ミラー部との間に介装される絶縁層を備え、
該絶縁層には、前記平面コイルの内側の端部と前記ミラー部の前記平面コイルに対向する面とを電気的に接続させる導通部が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の光走査装置用揺動ミラー。
【請求項4】
前記可動部の一方の面には、溝が形成され、
前記平面コイルは、前記溝に導電性材料を埋め込むことによって形成され、
前記平面コイルの表面と前記可動部の一方の面とが略同一面上に位置することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の光走査装置用揺動ミラー。
【請求項5】
請求項1から4の何れか1項に記載の光走査装置用揺動ミラーと、
前記平面コイルに駆動電流を供給する駆動電源と、
前記平面コイルに磁界を及ぼす磁界発生部とを備え、
前記可動部は、前記駆動電源が供給する駆動電流と前記磁界発生部が及ぼす磁界とによって生じる電磁力により揺動するように構成されていることを特徴とする光走査装置。
【請求項6】
請求項1から4の何れか1項に記載の光走査装置用揺動ミラーが備える前記平面コイルに磁界を及ぼす磁界発生部と、
前記磁界発生部が及ぼす磁界と前記平面コイルの揺動とによって前記平面コイルに生じる電圧に基づいて、前記光走査装置用揺動ミラーが備える前記ミラー部の揺動状態を検出する揺動状態検出部とを備えることを特徴とする揺動状態検出装置。
【請求項7】
請求項1から4の何れか1項に記載の光走査装置用揺動ミラーと、
請求項6に記載の揺動状態検出装置と、
前記光走査装置用揺動ミラーが備える前記可動部を揺動させる揺動部とを備えることを特徴とする光走査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−169948(P2010−169948A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−13079(P2009−13079)
【出願日】平成21年1月23日(2009.1.23)
【出願人】(000183369)住友精密工業株式会社 (336)
【Fターム(参考)】