説明

入退出管理システム

【課題】入退出履歴情報を最適な期間でデータ収集を行う入退出管理システムを提供すること
【解決手段】ユーザが所持しているICカードに記憶されている認証データを読み取るカードリーダを制御して認証データを取得し、取得された認証データと、予め記憶されている識別情報との比較結果に基づき、電気錠の施錠状態を制御するコントローラ5と、電気錠の施錠/解錠の動作履歴の情報を記憶する履歴データ格納部11と、複数の建物において記憶された動作履歴の情報を収集する情報収集装置42と、収集された動作履歴の情報を記憶する情報格納部47と、収集された履歴情報における、所定期間の動作履歴の件数に基づき、動作履歴の情報を収集する周期を決定する履歴データ取込指令装置50とを含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入退出管理システムに関し、特に、夫々の建物において記憶された入退出履歴情報の収集周期の決定に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、戸建てや集合住宅における防犯性の高い施錠システムとして、鍵ではなくIC(Integrated Circuit)の内蔵されたタグやカード等により施錠や解錠を行う電気錠システムが用いられている。このような電気錠システムを用いた入退室管理システムにおいては、上記タグやカードに内蔵されたID(IDentification)情報に基づいて、入退室した個人の個人情報や入退出の履歴情報を記憶している。
【0003】
従来の入退出管理システムにおいて、入退室の個人情報及び入退出履歴情報を入退出管理装置(サイト)に設置したカードリーダや電気錠制御装置によって制御するとともに、入室者の識別番号や入室時刻などの入退出の個人情報及び入退出履歴情報に関するデータを入退出管理装置の記憶部に記憶させて、予め設定した所定期間が経過した場合コントローラから監視センターにデータを送信するようにしており、またその記憶部の記憶容量が満杯に近くなった場合には、予告通報がコントローラから監視センターに対して行われ、満杯通報がある前に履歴データのデータ収集を行うものが提案されている(例えば、特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−52350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した入退出管理システムでは、入居者の増加等により履歴データの件数が急激に増加した場合に、予め設定された所定期間が経過する前に満杯予告の通報がコントローラから送信され、上記所定の期間が経過する前に毎回履歴データの収集が発生する。このため、コントローラの記憶容量に余裕をもたせるため、データ収集期間の変更が必要となり、オペレータの操作負担となる問題があった。
【0006】
また、履歴データの件数が少ない場合においては、入退出管理装置の記憶部に余裕が十分に残っているうちにデータ収集期間になり、履歴データの送信が行われるため、余計な通信費用が発生してしまうという問題があった。
【0007】
本発明の目的は、入退出履歴情報を最適な期間でデータ収集を行う入退出管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、電気錠によってドアが施錠される建物の入退出を管理する入退出管理システムであって、前記建物への入退出を許可されたユーザが所持している記憶媒体に記憶されている識別情報を読み取る情報読取装置を制御して前記識別情報を取得する情報読取制御部と、前記取得された識別情報と、前記建物への入退出を許可する情報として予め記憶されている識別情報との比較結果に基づき、前記建物のドアを施錠する電気錠の施錠状態を制御する電気錠制御部と、前記情報読取装置制御部及び前記電気錠制御部の動作履歴の情報を記憶する動作履歴情報記憶部と、複数の前記建物において記憶された前記動作履歴の情報を収集する動作履歴情報収集部と、前記収集された動作履歴の情報を収集履歴情報として記憶する収集履歴情報記憶部と、前記建物毎について前記記憶された収集履歴情報における、所定期間の動作履歴の件数に基づき、前記動作履歴情報収集部が前記複数の建物から前記動作履歴の情報を収集する周期を決定する収集周期決定部とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、入退出履歴情報を最適な期間でデータ収集を行う入退出管理システムを提供することにより、履歴件数の急激なる増加の場合においても、オペレータが手動によりデータ収集周期を変更することなくデータ収集を行うことができる。また、履歴データの件数が少ない場合に、冗長なデータ収集処理を抑えて通信費用の低減化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る入退出管理システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係るコントローラの機能構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る履歴収集周期の決定動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態に係る定時処理グループ管理部に記憶される情報の例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る入退出管理システムに含まれる装置のハードウェア構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る入退出管理システムの一実施形態を、図1〜図3に基づいて説明する。
図1は本実施形態に係る入退出管理システム全体の機能ブロック図である。また、図2は本実施形態に係る入退出管理システムにおけるコントローラの機能ブロック図である、また、図3は本実施形態に係る入退出管理システムにおけるコントローラに格納された履歴データのデータ収集期間を算出する手順を示すフローチャートである。
【0012】
図1に示す本実施形態に係る入退出管理システムは、入退出管理の契約を管理会社と交わした顧客(以下、契約顧客と称する)の所有する複数個の建物(管理対象拠点)1a、1b・・・(以降、総じて建物1とする)にそれぞれ設置された入退出管理装置2a、2b・・・(以降、総じて入退室管理装置2とする)と、これら入退出管理装置2と通信回線3を介して接続された監視センター4とを含む。尚、通信回線3としては、電話回線や、高速データ回線、無線回線等あらゆる通信手段を用いることができる。
【0013】
入退出管理装置2は、図1に示すように、建物1の出入口扉若しくは建物1内における部屋の出入口扉(以下、入退出管理対象拠点の出入口扉と称する)の施錠及び解錠を行う電気錠71a、72a、71b、72b・・・(以降、総じて電気錠7とする)と、建物1の出入口若しくは建物1内に設けられた各部屋への入室可否の判断に必要な認証データが記憶されるICカードなどからなる認証記録媒体(図示せず)を読み込む読取装置(カードリーダ)61a、62a、61b、62b・・・(以降、総じてカードリーダ6とする)と、このカードリーダ6で読み込んだ前記認証記憶媒体の認証データと予め記憶したデータとを照合して両データが合致した場合に入室可若しくは退室可と判断して電気錠7へ解錠指令を出力するコントローラ5a、5b・・・(以降、総じてコントローラ5とする)を具備している。即ち、コントローラ5は、情報読取装置であるカードリーダ6を制御して認証データを取得する情報読取制御部として機能すると共に、読み取った認証データと予め記憶したデータとの比較に基づいて電気錠7の解錠/施錠を制御する電気錠制御部として機能する。
【0014】
ここで、認証記録媒体とは、建物1若しくは建物1内に設けられた各部屋を使用する利用客が携帯しており、本実施形態に係る電気錠7を用いた入退室管理システムにおいて、鍵の役割を果たす。入退出管理装置2は、コントローラ5によって電気錠7及び読取装置6の故障発生の有無及び入退出管理対象拠点の出入口扉のこじ開けなどの異常発生の有無を検出することができる。故障発生及び異常発生を検出すると、入退出管理装置2は、その故障発生及び異常発生の通報を、監視センター4に行う。電気錠7は、コントローラ5からの電気信号によって制御され、入退出管理対象拠点の出入口扉の施錠及び解錠を行う。
【0015】
監視センター4には、入退出管理装置2のコントローラ5に格納された入退出情報及び顧客情報を監視管理するためのデータ管理装置が設置されている。監視センター4に設置されたデータ管理装置は、図1に示すように、回線制御装置41、情報収集装置42、異常受信装置43、情報転送装置44、定時処理グループ管理部45、情報格納装置46、情報格納部47、情報公開装置48、履歴件数演算装置49及び履歴データ取込指令装置50を含む。
【0016】
回線制御装置41は、管理対象拠点である建物1に含まれるコントローラ5と、通信回線3を介して情報通信を行う。情報収集装置42は、回線制御装置41を介して、建物1のコントローラ5から情報を収集する。異常受信装置43は、コントローラ5において異常が検知された場合に、コントローラ5が発信する異常検知信号を受信する。情報転送装置44は、記憶媒体である情報格納部49に記憶された情報を外部からの要求に応じて転送する。
【0017】
定時処理グループ管理部45は、入退出情報等のコントローラ5に格納された情報を監視センター4において収集する周期を、夫々のコントローラ5毎に記憶している。情報格納装置46は、コントローラ5から収集した情報を、記憶媒体である情報格納部47に格納する。本実施形態においては、コントローラ5に記憶された動作履歴の情報が、情報格納部47に格納される。即ち、情報格納装置46及び情報格納部47が連動して、収集履歴情報記憶部として機能する。
【0018】
情報公開装置48は、情報格納部47に格納された情報を表示し若しくは外部からの要求におうじて提供する。履歴件数演算装置49は、情報格納部47に格納された入退出情報等の履歴の件数を演算する。履歴データ取込指令装置50は、設定された情報の収集周期に応じてコントローラ5からの情報収集指令を出力する。
【0019】
コントローラ5は、図2に示すように、通信回線3を介して監視センター4に接続されて履歴件数通報手段を構成する発報部8、履歴件数カウント検出部9、履歴データ管理部10、履歴データ格納部11及び着信部12を含む。履歴データ格納部11には、読取装置6が読み込んだ認証記録媒体の認証データとその読み込んだ時間が、履歴データ管理部10によって履歴情報データ(以降、履歴データとする)として格納される。即ち、コントローラ5における履歴データ管理部10が、動作履歴情報記憶部として機能する。
【0020】
履歴件数カウント検出部9は、履歴データ格納部11に格納された履歴データの件数(以降、履歴件数とする)を計数するとともに、計測された履歴件数が、その履歴件数カウント検出部9に予め格納されている閾値を超えると、発報部8を作動させて、監視センター4に、計測された履歴件数が閾値を超えた旨の通報を行う。これにより、監視センター4に設けられている各装置が、履歴データ格納部11に記憶されている履歴データを収集する。即ち、履歴件数カウント検出部9及び発報部8が連動して、収集依頼送信部として機能する。
【0021】
履歴データ取込指令装置50は、本実施形態に係る要旨となる処理によって定められた履歴データ収集周期に基づき、各入退出管理装置2のコントローラ5に格納されている履歴データの収集を制御する。本実施形態に係る入退出管理システムにおいては、履歴データ取込指令装置50において履歴データ収集周期が複数個設定されている。そして、履歴データ取込指令装置50は、履歴件数演算装置49において算出された1日あたりの履歴件数平均値に基づき、複数の履歴データ収集周期から採用する履歴データ収集周期を決定する。本実施形態においては、履歴データの満杯予告通報が4000件とした場合に、満杯予告件数の75%にあたる3000件を超えない閾値となるように、履歴データ収集周期が決定される。即ち、本実施形態においては、履歴件数演算装置49及び履歴データ取込指令装置50が連動して、収集周期決定部として機能する。
【0022】
履歴データの収集周期を毎日、3日毎、7日毎の3個とし、履歴件数演算装置49によって算出された1日あたりの履歴データ件数が1000件以上の場合、3日間隔では閾値の3000件となり、急激な変化に対応できない可能性がある。従って、履歴データ取込指令装置50は、収集周期を毎日として定時処理グループ管理部45に設定する。また、履歴件数演算装置49によって算出された1日あたりの履歴データ件数が400件以上1000件未満の場合、7日間隔では閾値近似値となる2800件となる。従って、履歴データ取消指令装置50は、収集周期を3日間隔として定時処理グループ管理部45に設定する。
【0023】
更に、履歴件数演算装置49によって算出された1日あたりの履歴データ件数が400件未満の場合、履歴データ取消指令装置50は、収集周期を最長の7日間隔として定時処理グループ管理部45に設定する。定時処理グループ管理部45に設定された収集周期に至ると、履歴データ取込指令装置50が、回線制御装置41を介して履歴データの収集を行う。
【0024】
本実施形態に係る入退出管理システムにおいて、建物1若しくは建物1内に設けられた各部屋を使用する利用客が入室する場合、その利用客が、携帯(所有)するICカードなどからなる認証記録媒体をカードリーダ6にセットする。すると、認証記録媒体に格納されている認証データ(識別情報)がカードリーダ6によって読み取られる。コントローラ5は、その読み取られた認証データ(識別情報)と、コントローラ5内に予め格納されている利用客を識別するデータとを照合する。照合の結果両データが一致すると、コントローラ5は、電気錠7を解除する。これにより、認証記録媒体を携帯(所有)する利用客の入室が可能となる。
【0025】
そして、認証記録媒体を携帯する利用客が入室して、出入口扉を閉めることによって、カードリーダ6が読み込んだ認証記憶媒体の認証データと読み込んだ時刻が履歴情報データとして、コントローラ5の履歴データ格納部11に格納される。尚、履歴情報データが格納されるタイミングは、上記のように出入口扉を閉めた後のタイミングの他、カードリーダ6によって認証データが読み取られたタイミングや、読み取られた認証データと予め格納されている識別データとの照合が完了したタイミング等でも良い。
【0026】
本実施形態に係る入退室管理システムにおいて、建物1若しくは建物1内に設けられた各部屋から利用客が退室する場合には、その利用客が、携帯(所有)する認証記録媒体をカードリーダ6にセットする。すると、認証記憶媒体に格納されている認証データ(識別情報)がカードリーダ6によって読み取られる。コントローラ5は、その読み取られた認証データと、コントローラ5内に予め格納されている利用客を識別するデータとを照合する。照合の結果、両データが一致すると、コントローラ5は、電気錠7を解除する。これにより、認証記録媒体を携帯(所有)する利用客の退室が可能となる。
【0027】
そして、認証記録媒体を携帯する利用客が退室して、出入口扉を閉めることによって、カードリーダ6が読み込んだ認証記録媒体の認証データと読み込んだ時刻が履歴データとして、コントローラ5の履歴データ格納部11に格納される。尚、上述した入室の場合と同様に、履歴データの格納タイミングは他のタイミングでも良い。
【0028】
このように、コントローラ5の履歴データ格納部15に格納された履歴情報データは、定時処理グループ管理部45に設定された所定期間が経過すると、履歴データ取込指令装置50の指令に基づいて情報収集装置42により回線制御装置41及び通信回線3を介して取得され、監視センター4の情報格納部47に格納される。
【0029】
次に、本実施形態に係る入退室管理システムにおいて、履歴データ取込指令装置50が履歴件数演算装置49にて算出された1日あたりの履歴件数により履歴データの収集周期を設定する手順を、図3に基づき説明する。尚、図3に示す動作は、例えば毎月の初日等、定期的に実行される。これにより、履歴データの収集周期が常に好適な周期に保たれる。
【0030】
図3に示すように、まず、情報格納装置46に格納されている履歴データについて、履歴件数演算装置49が1ヶ月分の履歴件数をカウントし(S301)、1日あたりの履歴件数を算出する(S302)。そして、履歴データ取込指令装置50が、S302において算出された1日あたりの履歴件数が1000件以上か否か判断する(S303)。S303の判断の結果、1日あたりの履歴件数が1000件以上であると判定した場合(S303/YES)、履歴データ取得指令装置50が、履歴収集周期を1日1回として設定情報を定時処理グループ管理部45に格納する(S304)。
【0031】
他方、1日あたりの履歴件数が1000件未満であり(S303/NO)、且つ400件以上であると判定した場合(S305/YES)、履歴データ取得指令装置50は、履歴収集周期を3日に1回として設定情報を定時処理グループ管理部45に格納する(S306)。更に、1日あたりの履歴件数が400件未満であると判定した場合(S305/NO)、履歴データ取得指令装置50は、履歴収集周期を7日に1回として設定情報を定時処理グループ管理部45に格納する(S307)。
【0032】
図4は、図3の動作によって定時処理グループ管理部45に格納される情報の例を示す図である。図4に示すように、定時処理グループ管理部45には、管理対象拠点である建物1に設置されているコントローラ5を示す情報と夫々のコントローラ5から履歴データを収集する履歴収集周期とが関連付けられて格納される。毎日一定の時間になると、履歴データ取込指令装置50が、定時処理グループ管理部45に格納された履歴収集対象となるコントローラ5を検索する。そして、各コントローラ5に関連付けられた履歴収集周期に従い、履歴データの収集指令を、通信回線3を介してコントローラ5に送信する。これにより、コントローラ5は通信回線3を介して監視センター4に履歴データを送信し、監視センター4の情報収集装置42によって収集される。即ち、回線制御装置41、情報収集装置42及び履歴データ取込指令装置50が連動して、動作履歴情報収集部として機能する。
【0033】
以上説明したように、本実施形態の入退出管理システムによれば、1日平均の履歴件数に基づいて履歴データを収集する周期を決定するため、入居者の増加等により履歴データの件数が急激に増加した場合においても、自動的に履歴収集期間が短く変更され、毎回所定期間が経過する前に建物側のコントローラの記憶容量不足となり、監視センター側による履歴データの収集処理が発生してしまうことを防止することができる。
【0034】
さらに、本実施形態の入退出管理システムによれば、履歴データの件数が少ない場合においては、履歴収集期間が長く設定されるため、通信費用を削減することが可能となる。
【0035】
尚、上記実施形態では、ICカードを認証記録媒体の例として説明したが、これに限定されるものではなく、バーコード、無線タグなどを用いた識別手段、または、指紋や虹彩若しくは静脈パターンなどに整体情報を利用した識別手段であっても良い。
【0036】
また、上記実施形態においては、履歴データを収集する周期を1日、3日、7日のいずれかから選択する場合を例として説明した。これに限らず、例えば、S302において求めた1日あたりの履歴件数を整数倍することにより、2日、3日、4日・・・夫々の場合の履歴件数を求め、3000件という閾値と履歴件数の整数倍とを比較することにより、1日あたりの履歴件数の整数倍が上記閾値に達する前の日数を収集周期としても良い。
【0037】
同様に、上記実施形態においては、図3のS302において、1日あたりの平均履歴件数を求めたうえで、その件数と1000件、400件のような閾値とを比較する場合を例として説明した。これは計算方法の一例であり、上記実施形態の要旨は、定時処理グループ管理部45に記憶された履歴データにおける履歴の件数に基づいて履歴データの収集周期を決定することにある。従って、他の計算方法を用いることも可能である。例えば、定時処理グループ管理部45に記憶された履歴データにおける履歴の件数に基づき、履歴の件数が3000件のような閾値に達する日数を求め、求められた日数よりも小さい整数の日数を収集周期としても良い。
【0038】
また、1日あたりの平均履歴件数を用いることは上述したように計算方法の一例であるため、平均履歴件数を求める単位期間は1日に限らず、例えば半日や1週間等でも良い。この単位期間は、予測され得る収集周期の決定結果に応じて定められることが好ましい。
【0039】
本実施形態においては、上述したように監視センター4に設けられた各装置によって要旨となる処理が実行される。監視センター4に設けられた各装置の機能は、ハードウェアとソフトウェアとが連動して構成される機能により実現される。以下、本実施形態に係る監視センター4に設けられた各装置(以降、センター側装置とする)のハードウェア構成について説明する。
【0040】
図5は、本実施形態に係るセンター側装置のハードウェア構成を示すブロック図である。図5に示すように、本実施形態に係るセンター側装置は、一般的なサーバやPC等と同様の構成を含む。即ち、本実施形態に係るセンター側装置は、CPU(Central Processing Unit)101、RAM(Random Access Memory)102、ROM(Read Only Memory)103、HDD(Hard Disk Drive)104及びI/F105がバス108を介して接続されている。また、I/F105にはLCD(Liquid Crystal Display)106及び操作部107が接続されている。
【0041】
CPU101は演算手段であり、センター側装置全体の動作を制御する。RAM102は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU10が情報を処理する際の作業領域として用いられる。ROM103は、読み出し専用の不揮発性記憶媒体であり、ファームウェアや各種の制御プログラム等のプログラムが格納されている。HDD104は、情報の読み書きが可能な不揮発性の記憶媒体であり、OS(Operating System)や各種の制御プログラム、アプリケーション・プログラム等が格納される。また、本実施形態に係る情報格納部47、定時処理グループ管理部45及び履歴データ格納部11等は、HDD104によって実現される。
【0042】
I/F105は、バス108と各種のハードウェアやネットワーク等を接続し制御する。LCD106は、ユーザがセンター側装置の状態を確認するための視覚的ユーザインタフェースである。操作部107は、キーボードやマウス等、ユーザがセンター側装置に情報を入力するためのユーザインタフェースである。
【0043】
このようなハードウェア構成において、ROM103やHDD104若しくは図示しない光学ディスク等の記憶媒体に格納されたプログラムがRAM102に読み出され、CPU101の制御に従って動作することにより、ソフトウェア制御部が構成される。このようにして構成されたソフトウェア制御部と、ハードウェアとの組み合わせによって、本実施形態に係るセンター側装置の機能が実現される。
【符号の説明】
【0044】
1、1a、1b 建物、
2、2a、2b 入退出管理装置、
3 通信回線、
4 監視センター、
41 回線制御装置、
42 情報収集装置、
43 異常受信装置、
44 情報転送装置、
45 定時処理グループ管理部、
46 情報格納装置、
47 情報格納部、
48 情報公開装置、
49 履歴件数演算装置、
50 履歴データ取込指令装置、
5、5a、5b コントローラ、
6、61a、61b、62a、62b カードリーダ、
7、71a、71b、72a、72b 電気錠、
8 発報部、
9 履歴件数カウント検出部、
10 履歴データ管理部、
11 履歴データ格納部、
12 着信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気錠によってドアが施錠される建物の入退出を管理する入退出管理システムであって、
前記建物への入退出を許可されたユーザが所持している記憶媒体に記憶されている識別情報を読み取る情報読取装置を制御して前記識別情報を取得する情報読取制御部と、
前記取得された識別情報と、前記建物への入退出を許可する情報として予め記憶されている識別情報との比較結果に基づき、前記建物のドアを施錠する電気錠の施錠状態を制御する電気錠制御部と、
前記情報読取装置制御部及び前記電気錠制御部の動作履歴の情報を記憶する動作履歴情報記憶部と、
複数の前記建物において記憶された前記動作履歴の情報を収集する動作履歴情報収集部と、
前記収集された動作履歴の情報を収集履歴情報として記憶する収集履歴情報記憶部と、
前記建物毎について前記記憶された収集履歴情報における、所定期間の動作履歴の件数に基づき、前記動作履歴情報収集部が前記複数の建物から前記動作履歴の情報を収集する周期を決定する収集周期決定部とを含み、
前記動作履歴情報収集部は、前記決定された周期に従って前記動作履歴の情報を収集することを特徴とする入退出管理システム。
【請求項2】
前記動作履歴情報記憶部に所定数の動作履歴の情報が記憶された場合に、前記動作履歴情報収集部に対して動作履歴の情報の収集依頼を送信する収集依頼送信部を更に含み、
前記収集周期決定部は、前記動作履歴情報記憶部に記憶される動作履歴の情報における動作履歴の件数が、前記所定数に達する前に前記収集周期に到達するように前記周期を決定することを特徴とする請求項1に記載の入退出管理システム。
【請求項3】
前記収集周期決定部は、前記所定期間の動作履歴の件数に基づいて単位時間あたりの動作履歴の件数を求め、前記単位時間あたりの動作履歴の件数と前記所定数とを比較することにより、前記単位時間の整数倍の期間を前記周期として決定することを特徴とする請求項2に記載の入退出管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−221907(P2011−221907A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−92326(P2010−92326)
【出願日】平成22年4月13日(2010.4.13)
【出願人】(000232955)株式会社日立ビルシステム (895)
【Fターム(参考)】