説明

全方位画像表示用ヘッドマウントディスプレイ装置

【課題】周囲360度のパノラマ画像を広い視野角の基で手軽に観賞することができるヘッドマウントディスプレイ装置を提供する。
【解決手段】観賞者60の頭部全周囲に設置され360度のパノラマ画像を表示する環状表示部54と、観賞者60の頭部の回転角を検出するジャイロセンサと、該ジャイロセンサが検出した前記頭部の回転角を打ち消す方向に環状表示部54を回転させる回転駆動手段(モータ)52とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、周囲360度の全方位撮像画像を表示するヘッドマウントディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数台のカメラ(撮像部)をリング状に配置して周囲360度の画像を撮影できる全方位撮像装置が、下記の特許文献1,2に記載されている。この様な全方位撮像装置により、周囲360度のパノラマ画像を撮影するのは容易であるが、このパノラマ画像を表示するのは容易でない。
【0003】
例えば、全方位撮像装置を監視カメラや定点カメラとして用い、周囲360度のパノラマ画像を撮影し、これを監視所設置の巨大な円筒状表示装置の内周面側に表示する構成にすれば、360度のパノラマ画像をそのまま表示することができる。しかし、これでは、個人が周囲360度のパノラマ画像を手軽に楽しむことはできない。
【0004】
そこで、下記の特許文献3では、ヘッドマウントディスプレイ装置に表示する技術を提案している。この特許文献3の全方位撮像装置は、特許文献1,2に示される全方位撮像装置と構成が異なり、複数台のカメラの各々が凸面鏡を用いた全方位撮像カメラとなっており、且つ、2台1組とし、各組がステレオカメラとなっている。
【0005】
そして、撮像された画像を表示するヘッドマウントディスプレイ装置の左目前に置かれた左目用表示部と、右目前に置かれた右目用表示部とに、各組のステレオカメラの映像を切り替えながら表示することとしている。しかし、この切り替えの詳細についての記載はない。
【0006】
ヘッドマウントディスプレイ装置に関しては、特許文献4にも記載がある。このヘッドマウントディスプレイ装置では、頭部にジャイロセンサを取り付け、使用者の頭部の動きに合わせて、全空間の360度の映像を実感できるようにしている。
【0007】
しかしながら、この特許文献4記載のヘッドマウントディスプレイ装置は、特許文献3と同様に表示部が目の直前部分にしかないため視界が狭く、周囲360度の雄大なパノラマ画像を観賞するには不十分である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平11―98342号公報
【特許文献2】特開2004―61808号公報
【特許文献3】特開2002―354505号公報
【特許文献4】特開平9―106322号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
人間の目は、両目だとその視野が200度程度と広いため、この広い視野を利用して周囲360度のパノラマ画像を観賞できる表示装置を提供できれば、全方位撮像装置の更なる普及が図れることになる。
【0010】
本発明の目的は、人間の視野を最大限利用することができる周囲360度のパノラマ画像を観賞するのに好適な全方位画像表示用ヘッドマウントディスプレイ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の全方位画像表示用ヘッドマウントディスプレイ装置は、観賞者の頭部全周囲に設置され360度のパノラマ画像を内周面に表示する環状表示部と、観賞者の頭部の回転角を検出するジャイロセンサと、該ジャイロセンサが検出した前記頭部の回転角を打ち消す方向に前記環状表示部を回転させる回転駆動手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、周囲360度のパノラマ画像を広い視界で手軽に観賞することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】全方位撮像装置の一例を示す上面図である。
【図2】図1に示す各カメラの機能ブロック図である。
【図3】図1に示す各カメラを統括制御する制御部の機能ブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る全方位画像表示用ヘッドマウントディスプレイ装置の外観斜視図である。
【図5】図4に示す全方位画像表示用ヘッドマウントディスプレイ装置の横断面図である。
【図6】図4に示す円盤状制御箱内に収納する制御部の機能図である。
【図7】全方位ステレオ画像撮像装置の一例を示す上面図である。
【図8】図4に示すヘッドマウントディスプレイ装置で全方位ステレオ画像を表示するときの動作説明図である。
【図9】図8に続く動作説明図である。
【図10】本発明の別実施形態に係る全方位画像表示用ヘッドマウントディスプレイ装置の説明図である。
【図11】本発明の更に別実施形態に係る全方位画像表示用ヘッドマウントディスプレイ装置の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、全方位撮像装置の平面図の一例である。この全方位撮像装置20は、円盤状筐体21の周壁部に等間隔に複数台のカメラ(撮像部)、この例では16台のカメラ1,2,3,…,16がリング状に固設されている。各カメラ1〜16は、その入射光軸が、円盤状筐体21の軸22を中心として放射状となるように取り付けられ、隣接する入射光軸間の角度が360度÷16=22.5度に設定される。
【0016】
そして、隣接するカメラ同士の撮影画角が、端部分で重複するように設けられ、このため周囲360度の画像を各カメラが略16分割して撮影し、各カメラ1〜16の各撮像画像16枚を貼り合わせ合成することで、周囲360度のパノラマ画像を得る様になっている。
【0017】
図2は、カメラ1(他のカメラ2〜16も同一構成)の機能ブロック図である。カメラ1は、固体撮像素子25を備える。この固体撮像素子25の前段に、絞り26が配置され、その前段に、撮影レンズ27が配置される。
【0018】
固体撮像素子25から出力される撮像画像信号は、CDSVGA部(CDS:相関二重サンプリング処理,VGA:可変利得増幅器)28、アナログ/デジタル(A/D)変換部29、ホワイトバランス(WB)演算部30を通って、カメラ1の外部に設けられた制御部40に入力される。
【0019】
また、カメラ1には、制御部40からの指示信号に基づいて各種タイミングパルスを生成するタイミングジェネレータ(TG)31と、制御部40からの指示信号に基づいて絞り26の開口量調整を行う絞り駆動回路32と、制御部40からの指示信号に基づいて撮影レンズ27の焦点位置調整等を行うレンズ駆動回路33と、タイミングジェネレータ31から出力される転送指示パルス等によって撮像素子25を駆動する撮像素子駆動回路34とを備える。また、CDSVGA部28,A/D変換部29,WB演算部30は、タイミングジェネレータ31から出力される各タイミングパルスに従って動作する。
【0020】
図3は、図2に示す制御部40のブロック構成図である。制御部40は、カメラ1〜16に対して指示信号を与えるCPU41と、カメラ1〜16から出力される各撮像画像信号を取り込むメモリ42と、メモリ42に取り込まれた各撮像画像信号に対して周知の画像処理(オフセット処理,ガンマ補正処理,RGB/YC変換処理,同時化処理等)を施すと共に16枚の画像を貼り合わせ合成して周囲360度のパノラマ画像を生成するデジタル信号処理部(DSP)43と、デジタル信号処理部43によって処理された画像データを例えばJPEG画像やMPEG画像等に圧縮する圧縮部44と、パノラマ合成されたJPEG画像,MPEG画像等の画像データを記録メディア45に格納するメディアインタフェース(I/F)46と、16台のカメラ1〜16によって撮像された個々の画像やパノラマ画像を表示したり操作メニュー画面を表示する液晶表示部(LCD)47と、これらを相互接続するバス48と、CPU41に対して操作員が指示を入力する操作部49とを備える。
【0021】
本発明の実施形態に係る全方位画像表示用ヘッドマウントディスプレイ装置50(以下、HMD装置50ともいう。)は、メディアインタフェース46を介してパノラマ画像が書き込まれた記録メディア45を装着することで、周囲360度のパノラマ画像を表示する。尚、HMD装置50を制御部40のバス48にインタフェース装置を介して直接接続し、パノラマ画像データを取り込む構成とすることも可能である。
【0022】
図4は、HMD装置50の外観斜視図であり、図5は、その横断面図である。HMD装置50は、全方位画像を観賞する観賞者60の頭頂部に帽子のように被り固定するお椀形状のヘッド部51と(図5)、ヘッド部51にモータ52によって回転可能に取り付けられた円盤状制御箱53と、環状のディスプレイ装置54と、このディスプレイ装置54を円盤状制御箱53に固定する支柱55とを備える。円盤状制御箱53の側面部には、記録メディア45の挿入口56が設けられている。
【0023】
円盤状制御箱53内には、後述の制御部57が設けられる。環状のディスプレイ装置54は、観賞者60の頭部全周を若干隙間を開けて囲む様に設けられた環状支持材58と、この環状支持材58の内周面に360度に渡って貼り付けられたフラットパネルディスプレイ(FPD)59とで構成される。
【0024】
このHMD装置50のヘッド部51を観賞者60が被ったとき、観賞者60の目の位置がフラットパネルディスプレイ59の上下の中央位置に対面するように位置調整が可能になっており、また、モータ52が回転することで、円盤状制御箱53と共に環状のフラットパネルディスプレイ59が観賞者60の目の位置で回転する様になっている。
【0025】
図6は、HMD装置50の制御部57の機能構成図である。制御部57は、中央演算処理装置(CPU)61と、モータ52の駆動信号生成部62と、ジャイロセンサ(角速度検出センサ)63と、CPU61がプログラム処理するときに使用するメモリ64と、フラットパネルディスプレイ59の表示制御を行う表示制御部65と、記録メディア45を装着する装着部66とを備える。
【0026】
斯かるHMD装置50に、パノラマ画像データを格納した記録メディア45を装着すると、周囲360度のパノラマ画像データが読み出され、表示制御部65により、環状のフラットパネルディスプレイ59に360度の画像が表示される。
【0027】
観賞者60が少し右方向の画像を見ようとして頭部を少し右方向に回転させると、ジャイロセンサ63がこの動きを感知してCPU61に通知する。CPU61は、この通知により観賞者60が右側の画像を見ようとしていると判断してモータ駆動信号生成部62に環状ディスプレイ装置54を左方向(反時計方向)に回転させる信号を生成させてモータ52を駆動させる。
【0028】
もし、モータ52が回転しないと、頭部の回転動作に従って環状ディスプレイ装置54も同じ方向に回転してしまい、観賞者60は右方向の画像を見ることはできない。しかし、モータ52が頭部の回転方向を相殺する方向に回転するため、環状ディスプレイ装置54の対地位置は一定で動かないことになる。この結果、観賞者60はフラットパネルディスプレイ59上の右方向の画像を見ることが可能となる。
【0029】
人間の目の視野は、両目で200度程度あり、目に正対する位置の画像はハッキリ見え、横方向の位置の画像はぼんやりとしか見えないが、横方向に画像があることで、パノラマ画像の広大さを感じることが可能となる。頭部を回転させて横方向の画像を見た場合でも、本実施形態の全方位画像表示用ヘッドマウントディスプレイ装置50は周囲360度に渡ってパノラマ画像が表示されているため、観賞者60の両目の視野200度の範囲内に全てパノラマ画像が存在することになり、視野の広大さを感じることができる。
【0030】
この様に、観賞者60の目を中心とした頭部全周囲に表示部を設けることにより、パノラマ画像の観賞に適したディスプレイ装置を提供可能となる。また、観賞者60は、本能的に見たいと思う方向に頭部を動かすだけで、ジャイロセンサ63が頭部の回転角速度を感知し、この回転角を打ち消す方向に環状ディスプレイ装置54を逆回転させるため、操作が容易となる。
【0031】
上記説明では、モータ52は頭部の回転角を打ち消す方向に回転して環状ディスプレイ装置54の対地位置を不動となるように制御している。人間の頭部は、通常、真後ろを見れるまで回転させることはできないので、周囲360度のパノラマ画像のうち真後ろの画像まで見ることはできない。
【0032】
真後ろの画像まで見たい場合には、別の手段で環状ディスプレイ装置54を対地位置不動の位置から更に回転させる必要が生じる。例えばHMD装置50に操作指示入力を行う操作部を取り付け、ここから回転指示を入力する構成としてもよい。また、ジャイロセンサ63が感知する回転角速度の時間変化を算出し、ある程度以上の回転加速度を検出したとき、モータ52を過回転させる様にしておけば、頭部の回転動作だけで真後ろの画像まで見ることが可能となる。
【0033】
図7は、図1と異なる実施形態の全方位撮像装置の平面図である。この全方位撮像装置70は、図1の全方位撮像装置20を構成する各カメラ1〜16のうち、隣接する2台のカメラ(1,2)(3,4)(5,6)(7,8)(9,10)(11,12)(13,14)(15,16)をステレオカメラとしている点が図1と異なり、他の構成は図1〜図3と同じである。
【0034】
即ち、図7の全方位撮像装置70では、ステレオカメラを構成する各2台のカメラの入射光軸は並行となっており、各カメラ対の入射光軸が、軸22の周りに360度÷8=45度毎に放射状に配置される。
【0035】
各組カメラの左目用カメラ1,3,5,7,9,11,13,15の各撮影視野画像をL1,L3,L5,L7,L9,L11,L13,L15とし、右目用カメラ2,4,6,8,10,12,14,16の各撮影視野画像をR2,R4,R6,R8,R10,R12,R14,R16としたとき、左目用カメラだけで周囲360度の画像が撮影できるように各撮影画角の端部分が重なるように設置され、右目用カメラだけで周囲360度の画像が撮影できるように各撮影画角の端部分が重なるように設置される。
【0036】
この様な全方位撮像装置70で撮影した画像は、図3の信号処理部43でパノラマ合成されるが、このとき、右目用カメラの8枚の撮像画像から周囲360度のパノラマ画像が合成され、左目用カメラの8枚の撮像画像から周囲360度のパノラマ画像が合成され、記録メディア45に夫々保存される。
【0037】
このステレオカメラによる撮像画像を、HMD装置50に表示する場合、図8に示す様に、観賞者の正対中心位置Pから右側180度の範囲75に渡って、360度の右目用パノラマ画像のうち右側180度分の画像を表示する。そして、残りの左側180度分の画像は、HMD装置50には表示しないが、図6の表示制御部65内のVRAM上に画像データを展開しておき、必要時には直ちに表示可能な状態にしておく。
【0038】
同様に、正対中心位置Pから左側180度の範囲76に渡って、360度の左目用パノラマ画像のうち左側180度分の画像を表示する。そして、残りの右側180度分の画像は、HMD装置50には表示しないが、図6の表示制御部65内のVRAM上に画像データを展開しておき、必要時には直ちに表示可能な状態にしておく。
【0039】
図8に示す状態では、観賞者の右目直前の画像はカメラ2の撮像視野画像R2となっており、左目直前の画像は、カメラ1の撮像視野画像L1になっており、観賞者60は被写体のステレオ画像(立体画像)を見ることができる状態になっている。
【0040】
そして、前述した実施形態と同様にして、観賞者60が左方向の画像を見たいとして頭部を左方向に回転させると、これをジャイロセンサ63が感知してモータ52を逆方向に回転させ、図9の状態となる。
【0041】
即ち、右目用として表示されている360度のパノラマ画像から切り出された180度の画像部分が回転角に応じて回転移動し、左目用として表示されている360のパノラマ画像から切り出された180度の画像部分が回転角に応じて回転移動する。
【0042】
この結果、観賞者60の右目直前にはカメラ16の撮像視野画像R16が表示され、左目直前にはカメラ15の撮像視野画像L15が来る。この様にして、観賞者60は、全方位のステレオ画像を容易に本能的な頭部(首)の動作によって見ることが可能となる。
【0043】
図9に示す撮像視野画像R16は、図8の状態ではHMD装置50に表示されていないが、上述した様に、VRAM上に画像データが展開されているため、図9の状態に移行するとき、環状ディスプレイ装置54の回転に従って、正対中心位置Pから右側に移動してくるように表示される。
【0044】
図10は、本発明の別実施形態に係るHMD装置80の説明図である。この実施形態のHMD装置80は、図4,図5に示すHMD装置50に、図1〜図3に示す全方位撮像装置20を一体に組み込んだ構成となっている。
【0045】
即ち、図4,図5の環状ディスプレイ装置54の外周部に、複数、図示する例では計16台のカメラ1〜16を等間隔に設け、図10では図示していないが、図5の円盤状制御箱53内に図3に示す制御部40(この場合、図3のLCD47は不要で、フラットパネルディスプレイ59で代用される。)も収納している。
【0046】
各カメラ1〜16内の構成は、図2と同様であるが、図2に示すCDSVGA28,A/D29,WB演算部30,TG31,絞り駆動回路32,レンズ駆動回路33を、16台のカメラの共通部品として制御部40内に設けても良い。これにより、各カメラ1〜16の小型化を図ると同時に、部品コストの軽減を図ることが可能となる。
【0047】
図11は、本発明の更に別実施形態に係るHMD装置90の説明図である。本実施形態は、図4,図5に示すHMD装置50に、図2,図3,図7に示す全方位撮像装置を一体に組み込んだことを特徴としている。
【0048】
図10,図11の実施形態に示す様に、HMD装置に全方位撮像装置を一体に組み込むことで、例えば歩行者がこのHMD装置80,90を装着して歩行するときに、前方ばかりでなく、側方や後方の画像も見ることが可能となる。
【0049】
以上述べた実施形態によれば、全方位撮像装置が撮影した周囲360度のパノラマ画像を、複雑な指示操作を行うことなく手軽に観賞することが可能となる。
【0050】
以上述べた様に、本実施形態の全方位画像表示用ヘッドマウントディスプレイ装置は、観賞者の頭部全周囲に設置され360度のパノラマ画像を内周面に表示する環状表示部と、観賞者の頭部の回転角を検出するジャイロセンサと、該ジャイロセンサが検出した前記頭部の回転角を打ち消す方向に前記環状表示部を回転させる回転駆動手段とを備えることを特徴とする。
【0051】
また、実施形態の全方位画像表示用ヘッドマウントディスプレイ装置の前記回転駆動手段は、前記環状表示部の対地位置を一定に保つように前記頭部の回転に合わせて前記環状表示部を回転させることを特徴とする。
【0052】
また、実施形態の全方位画像表示用ヘッドマウントディスプレイ装置は、前記環状表示部のうち前記観賞者が正対する位置から右側180度の範囲には右目用の360度のパノラマ画像のうち右側180度の画像を表示し前記正対する位置から左側180度の範囲には左目用の360度のパノラマ画像のうち左側180度の画像を表示することを特徴とする。
【0053】
また、実施形態の全方位画像表示用ヘッドマウントディスプレイ装置は、前記頭部の回転に従って前記観賞者の右目直前に来る画像部分と左目直前に来る画像部分とが1対のステレオ画像となる様に前記環状表示部に表示する右目用のパノラマ画像と左目用のパノラマ画像の表示位置を移動させることを特徴とする。
【0054】
また、実施形態の全方位画像表示用ヘッドマウントディスプレイ装置は、前記環状表示部の外周面側に全方位撮像装置が設けられ該全方位撮像装置が撮影した周囲360度のパノラマ画像を該環状表示部に表示することを特徴とする。
【0055】
また、実施形態の全方位画像表示用ヘッドマウントディスプレイ装置は、2台1組のステレオカメラが複数組等間隔に前記環状表示部の外周面側に設けられた前記全方位撮像装置を搭載することを特徴とする。
【0056】
実施形態の全方位画像表示用ヘッドマウントディスプレイ装置によれば、手軽な操作により広い視野角で360度のパノラマ画像を観賞することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明に係る全方位画像表示用ヘッドマウントディスプレイ装置は、全方位撮像装置が撮影した周囲360度のパノラマ画像を手軽に観賞することができ、全方位撮像装置を普及させる機器として有用である。
【符号の説明】
【0058】
1〜16 撮像部(カメラ)
20,70 全方位撮像装置
21 円盤状筐体
25 固体撮像素子
27 撮影レンズ
40 制御部
43 信号処理部
45 記録メディア
50,80,90 ヘッドマウントディスプレイ(HMD)装置
51 ヘッド部
52 モータ
53 円盤状制御箱
54 環状ディスプレイ装置
55 支柱
58 環状支持材
59 フラットパネルディスプレイ
63 ジャイロセンサ(角速度センサ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
観賞者の頭部全周囲に設置され360度のパノラマ画像を内周面に表示する環状表示部と、観賞者の頭部の回転角を検出するジャイロセンサと、該ジャイロセンサが検出した前記頭部の回転角を打ち消す方向に前記環状表示部を回転させる回転駆動手段とを備える全方位画像表示用ヘッドマウントディスプレイ装置。
【請求項2】
請求項1に記載の全方位画像表示用ヘッドマウントディスプレイ装置であって、前記回転駆動手段は、前記環状表示部の対地位置を一定に保つように前記頭部の回転に合わせて前記環状表示部を回転させる全方位画像表示用ヘッドマウントディスプレイ装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の全方位画像表示用ヘッドマウントディスプレイ装置であって、前記環状表示部のうち前記観賞者が正対する位置から右側180度の範囲には右目用の360度のパノラマ画像のうち右側180度の画像を表示し前記正対する位置から左側180度の範囲には左目用の360度のパノラマ画像のうち左側180度の画像を表示する全方位画像表示用ヘッドマウントディスプレイ装置。
【請求項4】
請求項3に記載の全方位画像表示用ヘッドマウントディスプレイ装置であって、前記頭部の回転に従って前記観賞者の右目直前に来る画像部分と左目直前に来る画像部分とが1対のステレオ画像となる様に前記環状表示部に表示する右目用のパノラマ画像と左目用のパノラマ画像の表示位置を移動させる全方位画像表示用ヘッドマウントディスプレイ装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の全方位画像表示用ヘッドマウントディスプレイ装置であって、前記環状表示部の外周面側に全方位撮像装置が設けられ該全方位撮像装置が撮影した周囲360度のパノラマ画像を該環状表示部に表示する全方位画像表示用ヘッドマウントディスプレイ装置。
【請求項6】
請求項5に記載の全方位画像表示用ヘッドマウントディスプレイ装置であって、2台1組のステレオカメラが複数組等間隔に前記環状表示部の外周面側に設けられた前記全方位撮像装置を搭載する全方位画像表示用ヘッドマウントディスプレイ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−256534(P2010−256534A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−105134(P2009−105134)
【出願日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】