説明

内燃機関の制御装置

【課題】 コンプレッサのコンプレッサハウジング5の吸気ガス導入流路7の圧力とEGRガスパイプの入口部の圧力との圧力差が小さい条件であっても、エンジンの吸気ポートおよび燃焼室へ還流させるEGRガスの流量を増量することを課題とする。
【解決手段】 EGRガスパイプからEGRガスが導入されるEGRガス導入流路9が、コンプレッサハウジング5のシュラウド壁6の内面で開口するEGRガス導入ポート10を介して、インペラ4の表面とシュラウド壁6の内面との間に形成される子午面形状の吸気ガス流路8およびインペラ収容空間に連通している。EGRガス導入流路9は、EGRガス導入ポート10の形成位置を、シュラウド壁6の内面におけるインペラ先端位置Pからインペラ入口位置LE1までの間(特に位置B)に設定している。これにより、エンジンの各気筒毎の吸気ポートおよび燃焼室へより多くのEGRガスを導入できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の制御装置に関するもので、特により多くのEGRガスを、遠心圧縮機(コンプレッサ)内に導入できるようにした内燃機関の過給システムに係わる。
【背景技術】
【0002】
[従来の技術]
内燃機関(エンジン)には、ターボチャージャが搭載されている。
ターボチャージャは、タービンとコンプレッサを備え、圧縮空気をエンジンに強制的に送り込むターボ過給機である。
タービンは、排気管の途中に組み込まれるタービンハウジングを備えている。このタービンハウジング内には、タービンホイールが設置されている。
コンプレッサは、吸気管の途中に組み込まれるコンプレッサハウジングを備えている。このコンプレッサハウジング内には、コンプレッサインペラが設置されている。
また、タービンホイールとコンプレッサインペラは、ロータシャフトによって一体となって回転するように連結されている。なお、コンプレッサとしては、一般的に遠心圧縮機が使用されている。
ここで、エンジンより排出された排気ガスは、タービンハウジング入口から流入してタービンホイールを回転させ、タービンハウジング出口から排出される。
一方、コンプレッサハウジング入口から吸い込まれた吸入空気は、タービンホイールの回転により駆動されるコンプレッサインペラによって圧縮されて圧力が上昇し、流速が加速される。そして、圧力が上昇し、流速が加速された吸入空気は、エンジンに送り込まれる。
【0003】
ところが、このようなターボチャージャにおいては、コンプレッサハウジングの入口圧に対し、コンプレッサハウジングの出口圧が十分大きく、また流入する吸入空気の流量が少ない高過給少流量域側では、吸入空気の圧力や流量が大きく変動するサージングが発生する。このようなサージングが発生すると、コンプレッサが激しく振動してしまい、ターボチャージャを安定して運転することができない。
そこで、コンプレッサのサージングの発生をEGRシステムと協働して抑制するという目的で、エンジンの排気ガスの一部であるEGRガスをエンジンへ再循環させるEGRシステムを備え、この排気ガス循環装置によって還流されるコンプレッサインペラの迎え角が小さくなるように旋回させた状態で、コンプレッサインペラよりも上流側に導入する旋回流発生機構を備えた内燃機関の制御装置(システム)が公知である(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、コンプレッサは、コンプレッサインペラを通過するガス流量が、基準流量よりも少なくなればサージング現象を惹起して運転不能に陥り、コンプレッサインペラを通過するガス流量が、基準流量よりも多くなればチョーキング現象を惹起してその流量よりも多い流量を実現することができない。
そこで、サージ流量の低減とチョーク流量との増大を促進してコンプレッサの作動領域を拡大するという目的で、コンプレッサハウジングの入口部からコンプレッサインペラの外周部まで延びるシュラウド壁に、中空部である環状の空気室を設け、空気室とコンプレッサインペラの外周部との間に第1開口部を設け、空気室とコンプレッサインペラよりも上流側との間に第2開口部を設け、これらの第1開口部、空気室、第2開口部よりなる循環流路を設けたコンプレッサが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
その循環流路には、サージング現象の抑制時とチョーキング現象の抑制時とでは、向きが異なる循環流が形成される。
【0005】
[従来の技術の不具合]
ところが、特許文献1に記載のターボチャージャにおいて、吸入空気の流量が多い多流量域の時には、コンプレッサハウジングの入口部付近よりもコンプレッサインペラの中間部付近の方が、吸入空気の流路面積が小さい。このため、吸入空気の流速が上昇するので、吸入空気の流速の上昇に比例して動圧が大きくなる分、コンプレッサハウジングの入口部付近よりもコンプレッサインペラの中間部の方が、静圧が小さくなる。
そのため、仮にコンプレッサインペラの入口付近にEGRガスを導入すると、排気通路側の圧力と吸気通路側の圧力との差圧が大きくなる。したがって、従来の技術よりもEGRガスを増量できる効果が期待できるが、それを利用していない。
故に、特許文献1に記載のターボチャージャにおいて、コンプレッサハウジング入口部の圧力とEGRガスパイプ入口部の圧力との差圧が小さい条件では、十分なEGRガスの還流量を確保することができない。
【0006】
また、特許文献1に記載のターボチャージャにおいては、コンプレッサインペラの回転により吸入空気とEGRガスとの混合ガスである吸気ガスの流速が増速される。これにより、コンプレッサインペラ出口付近では、吸気ガスの流速が高速になる。
そのため、仮にコンプレッサインペラ出口付近にEGRガスを導入すると、剪断応力により低速のEGRガスが、高速の吸気ガスに引きずられて(吸引されて)加速される。したがって、従来の技術よりもEGRガスを増量できる効果が期待できるが、それを利用していない。
故に、特許文献1に記載のターボチャージャにおいて、コンプレッサハウジング入口部の圧力とEGRガスパイプ入口部の圧力との差圧が小さい条件では、十分なEGRガスの還流量を確保することができない。
【0007】
一方、特許文献2に記載のコンプレッサにおいて、コンプレッサの流れを改善し、サージング流量を低減することに活用しているが、コンプレッサハウジング内部の吸入空気の流れの変化をEGRガスの増量に活用していない。
故に、特許文献2に記載のコンプレッサにおいて、コンプレッサハウジング入口部の圧力とEGRガスパイプ入口部の圧力との圧力差が小さい条件では、十分なEGRガスの還流量を確保することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−154675号公報
【特許文献2】特開2004−190577号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、遠心圧縮機のハウジング入口部の圧力と排気ガス還流管入口部の圧力との圧力差が小さい条件であっても、内燃機関の吸気ポートへ還流させる排気ガスの流量を増量することのできる内燃機関の制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の発明(内燃機関の制御装置)は、内燃機関の排気ガスを内燃機関の吸気ポートへ還流させる排気ガス還流管を有する排気ガス循環装置と、内燃機関の吸気ガス(例えば新規吸入空気(新気)や吸入空気とEGRガスとの混合ガス)を遠心力を利用して圧縮して内燃機関の吸気ポートへ送り込むインペラ、およびこのインペラの周囲を取り囲むように設置されたハウジングを有する遠心圧縮機(コンプレッサ)とを備えている。 インペラの表面上には、(例えばシュラウド壁の内面に沿うように前縁から後縁まで延びる)複数のブレード(翼)が設置されている。
ハウジングは、排気ガス還流管が接続すると共に、インペラの表面との間に子午面形状の吸気ガス流路を形成するシュラウド壁を有している。このシュラウド壁には、排気ガス還流管が接続されている。また、シュラウド壁には、排気ガス還流管から吸気ガス流路へ排気ガスを導く排気ガス流路が設けられている。この排気ガス流路は、シュラウド壁における吸気ガス流路の先端位置から複数のブレードの後縁位置までの間に形成されている。
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、子午面形状の吸気ガス流路の先端位置よりも吸気ガス流方向の上流側の位置(ハウジングの入口部)よりも、吸気ガス流路の先端位置から複数のブレードの後縁位置までの間の方が、吸気ガス流路の流路面積が小さい。これにより、吸気ガス流路を通過する吸気ガスの流速が上昇して吸気ガスの動圧が大きくなる分、吸気ガスの静圧が小さくなる。
一方、インペラの回転により吸気ガスの流速が増速されるため、複数のブレードの後縁付近では、吸気ガスの流速が高速になる。このため、剪断力によって、複数のブレードの後縁付近に導入された低速の排気ガスは、高速の吸気ガスに引きずられて加速される。
これによって、吸気ガスの静圧低減効果や排気ガスの加速効果(流速増大効果)を有効に利用できるので、遠心圧縮機のハウジング入口部の圧力と排気ガス還流管入口部の圧力との圧力差が小さい条件であっても、内燃機関の吸気ポートへ還流させる排気ガスの流量を増量することができる。したがって、内燃機関の吸気ポートへ多くの排気ガスを導入できるので、十分な排気ガスの還流量を確保することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、排気ガス還流管から排気ガスが導入される排気ガス流路が、ハウジングのシュラウド壁の内面で開口する開口部を介して、インペラの表面とシュラウド壁の内面との間に形成される子午面形状の吸気ガス流路に連通している。
排気ガス流路は、開口部の形成位置が、シュラウド壁の内面における吸気ガス流路の先端位置から複数のブレードの後縁位置までの間に設定されている。
これによって、吸気ガスの静圧低減効果や排気ガスの加速効果(流速増大効果)を有効に利用できるので、遠心圧縮機のハウジング入口部の圧力と排気ガス還流管入口部の圧力との圧力差が小さい条件であっても、内燃機関の吸気ポートへ還流させる排気ガスの流量を増量することができる。したがって、内燃機関の吸気ポートへ多くの排気ガスを導入できるので、十分な排気ガスの還流量を確保することができる。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、排気ガス還流管から排気ガスが導入される排気ガス流路が、ハウジングのシュラウド壁の内面で開口する開口部を介して、インペラの表面とシュラウド壁の内面との間に形成される子午面形状の吸気ガス流路に連通している。
排気ガス流路は、開口部の形成位置が、シュラウド壁の内面における吸気ガス流路の先端位置から複数のブレードの前縁位置までの間に設定されている。
ここで、子午面形状の吸気ガス流路の先端位置よりも吸気ガス流方向の上流側の位置(ハウジングの入口部)よりも、吸気ガス流路の先端位置から複数のブレードの後縁位置までの間の方が、吸気ガス流路の流路面積が小さい。これにより、吸気ガス流路を通過する吸気ガスの流速が上昇して吸気ガスの動圧が大きくなる分、吸気ガスの静圧が小さくなる。また、吸気ガス流速条件によっては、複数のブレードの前縁付近の吸気ガスの流れに乱れが生じて、更に吸気ガスの静圧が小さくなる。
これによって、吸気ガスの静圧低減効果を有効に利用できるので、遠心圧縮機のハウジング入口部の圧力と排気ガス還流管入口部の圧力との圧力差が小さい条件であっても、内燃機関の吸気ポートへ還流させる排気ガスの流量を増量することができる。したがって、内燃機関の吸気ポートへより多くの排気ガスを導入できるので、十分な排気ガスの還流量を確保することができる。
【0014】
請求項4および請求項8に記載の発明によれば、インペラの表面上に設置される複数のブレードは、子午面形状の吸気ガス流路の軸線に沿うように延長されている。これらのブレードは、インペラの回転軸方向の長さ(軸長)が異なる2種類の第1、第2ブレードを有している。複数のブレードは、第1ブレードの前縁位置が、第2ブレードの前縁位置よりも上流側(前方側)に設定されている。なお、2種類の第1、第2ブレードの後縁位置を、インペラの径方向の同じ位置に設置しても良い。
ここで、インペラの表面とは、インペラの回転軸方向の前方側(上流側)から吸入した吸入空気を、インペラの回転軸方向に対して垂直な径方向へ吐出するように案内する子午面のことである。
なお、複数のブレードを、インペラの子午面上において、前縁から後縁へ向かって子午面長さ方向に延びるように設置しても良い。また、複数のブレードを、インペラの子午面からシュラウド壁の内面側に向かって突出するように立設配置しても良い。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、排気ガス還流管から排気ガスが導入される排気ガス流路が、ハウジングのシュラウド壁の内面で開口する開口部を介して、インペラの表面とシュラウド壁の内面との間に形成される子午面形状の吸気ガス流路に連通している。
排気ガス流路は、開口部の形成位置が、シュラウド壁の内面における吸気ガス流路の先端位置から複数の第2ブレードの前縁位置までの間に設定されている。
ここで、子午面形状の吸気ガス流路の先端位置よりも吸気ガス流方向の上流側の位置(ハウジングの入口部)よりも、吸気ガス流路の先端位置から複数のブレードの後縁位置までの間の方が、吸気ガス流路の流路面積が小さい。これにより、吸気ガス流路を通過する吸気ガスの流速が上昇して吸気ガスの動圧が大きくなる分、吸気ガスの静圧が小さくなる。また、吸気ガス流速条件によっては、複数の第1ブレードの前縁付近の吸気ガスの流れに乱れが生じて、更に吸気ガスの静圧が小さくなる。
これによって、吸気ガスの静圧低減効果を有効に利用できるので、遠心圧縮機のハウジング入口部の圧力と排気ガス還流管入口部の圧力との圧力差が小さい条件であっても、内燃機関の吸気ポートへ還流させる排気ガスの流量を増量することができる。したがって、内燃機関の吸気ポートへより多くの排気ガスを導入できるので、十分な排気ガスの還流量を確保することができる。
【0016】
請求項6に記載の発明によれば、排気ガス還流管から排気ガスが導入される排気ガス流路が、ハウジングのシュラウド壁の内面で開口する開口部を介して、インペラの表面とシュラウド壁の内面との間に形成される子午面形状の吸気ガス流路に連通している。
排気ガス流路は、開口部の形成位置が、シュラウド壁の内面における第2ブレードの前縁位置から全ての第1、第2ブレードの後縁位置までの間に設定されている。
ここで、インペラの回転により吸気ガスの流速が増速されるため、2種類の第1、第2ブレードの後縁付近では、吸気ガスの流速が高速になる。このため、剪断力によって、2種類の第1、第2ブレードの後縁付近に導入された低速の排気ガスは、高速の吸気ガスに引きずられて加速される。
これによって、吸気ガスの静圧低減効果や排気ガスの加速効果(流速増大効果)を有効に利用できるので、遠心圧縮機のハウジング入口部の圧力と排気ガス還流管入口部の圧力との圧力差が小さい条件であっても、内燃機関の吸気ポートへ還流させる排気ガスの流量を増量することができる。したがって、内燃機関の吸気ポートへ多くの排気ガスを導入できるので、十分な排気ガスの還流量を確保することができる。
【0017】
請求項7に記載の発明によれば、排気ガス還流管から排気ガスが導入される排気ガス流路が、ハウジングのシュラウド壁の内面で開口する開口部を介して、インペラの表面とシュラウド壁の内面との間に形成される子午面形状の吸気ガス流路に連通している。
シュラウド壁には、(例えばハウジングの入口部から)吸気ガス流路に流入する吸気ガスの一部を循環させる循環流路が設けられている。
循環流路は、開口部に相当する第1開口部、シュラウド壁の内面における吸気ガス流路の先端位置よりも上流側で開口する第2開口部、および第1開口部と第2開口部とを連通する中空状の連通流路等により構成される。
そして、請求項1に記載の発明と同様な、排気ガスの増量効果に加えて、高過給圧で、且つ少流量のサージング発生条件であっても、第1開口部と第2開口部とを連通流路で連通し、吸気ガス流路に流入する吸気ガスの一部を循環流路内で循環させることによるサージング抑制効果を実現可能である。
したがって、遠心圧縮機のサージング現象の発生を十分に抑制できるので、遠心圧縮機の作動領域を拡大させることができる。
【0018】
請求項9に記載の発明によれば、排気ガス還流管から排気ガスが導入される排気ガス流路が、ハウジングのシュラウド壁の内面で開口する第1開口部を介して、インペラの表面とシュラウド壁の内面との間に形成される子午面形状の吸気ガス流路に連通している。
排気ガス流路は、第1開口部の形成位置が、シュラウド壁の内面における吸気ガス流路の先端位置から複数の第2ブレードの前縁位置までの間に設定されている。
これによって、吸気ガスの静圧低減効果を有効に利用できるので、遠心圧縮機のハウジング入口部の圧力と排気ガス還流管入口部の圧力との圧力差が小さい条件であっても、内燃機関の吸気ポートへ還流させる排気ガスの流量を増量することができる。したがって、内燃機関の吸気ポートへより多くの排気ガスを導入できるので、十分な排気ガスの還流量を確保することができる。
また、遠心圧縮機のサージング現象の発生を十分に抑制できるので、遠心圧縮機の作動領域を拡大させることができる。
【0019】
請求項10に記載の発明によれば、排気ガス還流管から排気ガスが導入される排気ガス流路が、ハウジングのシュラウド壁の内面で開口する第1開口部を介して、インペラの表面とシュラウド壁の内面との間に形成される子午面形状の吸気ガス流路に連通している。 排気ガス流路は、第1開口部の形成位置が、シュラウド壁の内面における第2ブレードの前縁位置から全ての第1、第2ブレードの後縁位置までの間に設定されている。
これによって、吸気ガスの静圧低減効果や排気ガスの加速効果(流速増大効果)を有効に利用できるので、ハウジングの入口部の圧力と出口部の圧力との圧力差(入口圧と出口圧との差圧)が小さい条件であっても、内燃機関の吸気ポートへ還流させる排気ガスの流量を増量することができる。したがって、内燃機関の吸気ポートへ多くの排気ガスを導入できるので、十分な排気ガスの還流量を確保することができる。
また、遠心圧縮機のサージング現象の発生を十分に抑制できるので、遠心圧縮機の作動領域を拡大させることができる。
【0020】
請求項11に記載の発明によれば、排気ガス循環装置は、排気ガス還流管を流れる排気ガスの流量を開閉動作により調整する排気ガス制御弁を有している。
請求項12に記載の発明によれば、遠心圧縮機のサージング発生条件を検出するサージング検出手段と、このサージング検出手段でサージング発生条件が検出された場合、排気ガス還流管内に形成される排気ガス還流路を閉じるように排気ガス制御弁を制御する。
これによって、サージング現象の発生を抑制する場合、排気ガス還流路から排気ガス流路への排気ガスの導入を停止することができるので、吸気ガス流路に流入する吸気ガスの一部が循環流路内を循環する循環流れ(吸気ガス流路→第1開口部→連通流路→第2開口部→吸気ガス流路のような循環流れ)を妨げることはない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】内燃機関の制御装置(エンジン制御システム)を示した模式図である(実施例1)。
【図2】コンプレッサのインペラ周辺構造を示した断面図である(実施例1)。
【図3】(a)〜(d)はコンプレッサのインペラの子午面長に対する吸気ガス流路面積、吸気ガス流速、吸気ガス動圧および吸気ガス静圧の変化を示した説明図である(実施例1)。
【図4】コンプレッサのインペラ周辺構造を示した断面図である(実施例2)。
【図5】コンプレッサのインペラ周辺構造を示した断面図である(実施例3)。
【図6】(a)、(b)はコンプレッサのインペラの子午面長に対する吸気ガス流速、吸気ガスによる剪断応力の変化を示したグラフで、(c)は吸気ガスによる剪断応力とEGRガスの流速上昇率との関係を示したグラフである(実施例3)。
【図7】コンプレッサのインペラ周辺構造を示した断面図である(実施例4)。
【図8】コンプレッサの通過ガス流量と圧力比との関係を示した性能線図である(実施例4)。
【図9】コンプレッサのインペラ周辺構造を示した断面図である(実施例5)。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
本発明は、遠心圧縮機のハウジング入口部の圧力と排気ガス還流管入口部の圧力との圧力差が小さい条件であっても、内燃機関へ還流させる排気ガスの流量を増量するという目的を、吸気ガスの静圧低減効果または排気ガスの加速効果(流速増大効果)を有効に利用することで実現した。
吸気ガスの静圧低減効果または排気ガスの加速効果を有効に利用するため、排気ガス流路は、開口部の形成位置を、シュラウド壁の内面における子午面形状の吸気ガス流路の先端位置から複数のブレードの後縁位置までの間に設定している。
【実施例1】
【0023】
[実施例1の構成]
図1ないし図3は本発明の実施例1を示したもので、図1はエンジン制御システムを示した図で、図2はコンプレッサの要部の断面構造を示した図である。
【0024】
本実施例の内燃機関の制御装置は、内燃機関(エンジン1)の排気ガスの一部であるEGRガスを吸気ポートおよび燃焼室へ再循環(還流)させる排気ガス還流管(EGRガスパイプ)を有するEGRシステム(内燃機関の排気ガス循環装置)と、エンジン1の排気ガスの圧力を利用して吸気ガス(吸入空気)を過給(圧縮)するターボチャージャを有する過給システム(内燃機関の過給装置)とを備え、ターボチャージャの過給圧を制御する過給圧制御装置(内燃機関の過給圧制御装置)として使用される。
【0025】
エンジン1は、複数の気筒(シリンダボア)を有する多気筒ディーゼルエンジン(例えば直列4気筒エンジン)が採用されている。但し、多気筒ディーゼルエンジンに限定されず、多気筒ガソリンエンジンを適用しても構わない。
このエンジン1は、自動車等の車両のエンジンルーム内にターボチャージャとEGRシステムと共に設置されている。また、エンジンの各気筒には、燃焼室内に燃料を噴射供給するインジェクタが搭載されている。
【0026】
ターボチャージャは、エンジン1の吸気管の途中に設けられたコンプレッサと、エンジン1の排気管の途中に設けられたタービンとを備え、吸気管を流れる吸気ガスをコンプレッサで圧縮し、圧縮された圧縮空気(吸気ガス)をエンジンの各気筒毎の燃焼室へ送り込むターボ過給機である。
このターボチャージャは、タービンのホイール(タービンホイール)2が排気ガスにより回転駆動されると、ホイール2に連結したタービンシャフト3およびコンプレッサのインペラ(コンプレッサインペラ)4も回転し、このインペラ4が吸入空気を圧縮する。
【0027】
コンプレッサは、タービンシャフト3の回転軸を中心にして回転するインペラ4、およびこのインペラ4を回転自在に収容するコンプレッサハウジング5を備えている。このコンプレッサハウジング5には、インペラ4の周囲を取り囲むように設置されたシュラウド壁6が設けられている。このシュラウド壁6には、吸気ガス導入流路7、吸気ガス流路8およびEGRガス導入流路9が形成されている。
コンプレッサハウジング5の出口部には、吸気ガス導出流路が形成されている。この吸気ガス導出流路は、ディフューザ流路11およびスクロール流路12等により構成されている。
なお、ターボチャージャのコンプレッサの詳細は後述する。
【0028】
タービンは、ホイール2およびタービンハウジングを備えている。このホイール2は、円周方向に複数のタービンブレード(翼)を有し、エンジン1の排気圧力により回転駆動される。そして、ホイール2は、タービンシャフト3を介して、コンプレッサのインペラ4と直接的に連結してインペラ4を回転駆動(直結駆動)する。
タービンハウジングには、ホイール2の周囲を取り囲むように設置されたシュラウド壁が設けられている。このタービンハウジングの中央部には、ホイール2を回転自在に収容するホイール収容空間が形成されている。また、タービンハウジングには、タービン入口流路13に流入した排気ガスをホイール収容空間を迂回してタービン出口流路14へ導くバイパス流路(ウェイストゲート流路)15が形成されている。
また、タービンハウジングには、ウェイストゲート流路15を流れる排気ガスの流量を開閉動作により制御するウェイストゲートバルブ16が搭載されている。
【0029】
ウェイストゲートバルブ16は、コンプレッサの過給圧が設定値を越えた際に開弁して、コンプレッサの過給圧を設定値以下に抑える過給圧制御部品である。このウェイストゲートバルブ16のバルブ本体(弁体)を駆動するアクチュエータとしては、ウェイストゲートバルブ16を駆動するロッドを有し、このロッドをその軸線方向に往復移動させる電動アクチュエータが採用されている。この電動アクチュエータは、電動モータの駆動力を利用してロッドをその軸線方向(ストローク方向)に往復移動させることで、ウェイストゲートバルブ16を回転軸を中心にして回転駆動するように構成されている。
なお、電動モータは、ECU(エンジン制御ユニット)によって電子制御されるモータ駆動回路を介して、自動車等の車両に搭載されたバッテリに電気的に接続されている。
【0030】
エンジンの各気筒毎の燃焼室には、吸気ポートおよび排気ポートがそれぞれ連通している。そして、エンジン1の各気筒には、インテークマニホールドおよびエキゾーストマニホールドが接続されている。
インテークマニホールドの分岐部には、吸気管が接続されている。インテークマニホールドおよび吸気管の内部には、エンジンの吸気ポートに連通する吸気通路21が形成されている。
また、エキゾーストマニホールドの集合部には、排気管が接続されている。エキゾーストマニホールドおよび排気管の内部には、エンジンの排気ポートに連通する排気通路22が形成されている。
また、EGRガスパイプの内部には、EGRガスを排気通路22から吸気通路21へ再循環(還流)させるための排気ガス還流路(EGRガス流路23)が形成されている。つまりEGRガスパイプの入口部は、排気通路22に接続されている。
【0031】
インテークマニホールドに接続される吸気管には、エアクリーナ24、エアフローメータ(図示せず)、コンプレッサのインペラ4、インタークーラ25、スロットルバルブ26、吸気圧(過給圧)センサ27が設置されている。
エキゾーストマニホールドに接続される排気管には、タービンのホイール2、排気浄化装置(触媒28)が設置されている。
タービンまたは排気浄化装置(触媒28)よりも下流側の排気管とコンプレッサのコンプレッサハウジング5とは、EGRガスパイプにより接続されている。
EGRガスパイプには、EGRガス流路23を流れるEGRガスの流量(EGRガス量)を開閉動作により制御するためのEGRガス流量制御弁(排気ガス制御弁)、およびEGRガスを冷却水等を用いて冷却するEGRクーラ29が設置されている。
【0032】
なお、以上のように、EGRガスの取り出し口がタービンよりも下流側にあるEGR装置を「低圧ループ(LPL)EGRシステム」と呼ぶ。
また、EGRガス流量制御弁のバルブ本体(弁体)であるEGRバルブ31を駆動するアクチュエータとしては、EGRバルブ31の回転軸を電動モータの駆動力を利用して回転駆動する電動アクチュエータが採用されている。
なお、電動モータは、ECU(エンジン制御ユニット)によって電子制御されるモータ駆動回路を介して、自動車等の車両に搭載されたバッテリに電気的に接続されている。
【0033】
ここで、ウェイストゲートバルブ16を駆動する電動アクチュエータ、特に電動モータ、およびEGRバルブ31を駆動する電動アクチュエータ、特に電動モータは、ECUによって通電制御されるように構成されている。
そして、ECUには、CPU、ROM、RAM等の機能を含んで構成される周知の構造のマイクロコンピュータが設けられている。そして、ECUは、エアフローメータ、クランク角度センサ、アクセル開度センサ、スロットル開度センサ、過給圧センサ27および車速センサ等の各種センサのセンサ出力信号に基づいて、ウェイストゲートバルブ16の電動アクチュエータ、EGRバルブ31の電動アクチュエータを制御する。
【0034】
次に、ターボチャージャのコンプレッサの詳細を図1ないし図3に基づいて説明する。 コンプレッサは、インペラ4およびコンプレッサハウジング5を備え、タービンシャフト3を介して、ホイール2に連結して回転駆動(直結駆動)される。
インペラ4は、コンプレッサハウジング5のシュラウド壁6との間に子午面形状の吸気ガス流路8を形成するハブ33を有している。
インペラ4のハブ33は、タービンシャフト3の周囲を円周方向に取り囲むように形成されている。このハブ33は、タービンシャフト3の回転軸方向の先端側に形成される外周ねじに螺合する座付きナット34によりタービンシャフト3の外周に締め付け(締結)固定されている。
【0035】
また、ハブ33の表面には、インペラ4の回転軸方向の前方側(吸入空気の流れ方向の上流側)から吸入した吸入空気を、インペラ4の回転軸方向に対して垂直な半径方向外側(吸気ガスの流れ方向の下流側)へ吐出するように案内する円錐筒形状の子午面が形成されている。
インペラ4のハブ33の表面(子午面)上には、吸気ガス流路8の軸線(曲線)に沿うように延長された複数のコンプレッサブレード(翼)が設置されている。これらのコンプレッサブレード(翼)は、インペラ4の回転軸方向の長さ(軸長)が異なる2種類の第1、第2ブレード41、42により構成されている。
インペラ4のハブ33の表面(子午面)上には、複数の第1ブレード41および複数の第2ブレード42がハブ33の円周方向に所定の間隔をおいて交互に設置されている。
【0036】
第1ブレード41は、全てのコンプレッサブレードの中で最も上流側端縁である前縁から、全てのコンプレッサブレードの中で最も下流側端縁である後縁まで、吸気ガス流路8の軸線(曲線)に沿うように延びるフルブレード(全翼)により構成される。
複数の第1ブレード41は、複数の第2ブレード42よりも子午面長さおよび軸長が長くなっている。
第2ブレード42は、複数の第1ブレード41の前縁よりも下流側(後側)に位置する前縁から後縁まで、吸気ガス流路8の軸線(曲線)に沿うように延びる複数のスプリッタブレード(半翼)により構成される。
複数の第2ブレード42は、複数の第1ブレード41よりも子午面長さおよび軸長が短くなっている。
【0037】
ここで、複数の第1ブレード41の前縁位置は、複数の第2ブレード42の前縁位置よりも上流側(前方側)に設定されている。なお、複数の第1ブレード41の後縁位置および複数の第2ブレード42の後縁位置は、インペラ4の半径方向の同じ位置に設定されている。また、複数の第1ブレード41の各外縁および複数の第2ブレード42の各外縁は、コンプレッサハウジング5のシュラウド壁6の内面に沿うように延びている。
なお、軸長が異なる2種類の第1、第2コンプレッサブレードの代わりに、軸長が全て同一のコンプレッサブレードを用いても構わない。また、複数の第2ブレード42の代わりに、子午面長の50%に相当するハーフブレードを用いても構わない。
【0038】
コンプレッサハウジング5の内部には、吸気ガスをインペラ4へ導入する吸気ガス導入流路7、インペラ4を回転自在に収容するインペラ収容空間、圧縮した吸気ガスを減速させて流出させるディフューザ流路11、および圧縮した吸気ガスを外部へ吐出する渦巻き状のスクロール流路12等が形成されている。
吸気ガス導入流路7は、コンプレッサの吸入口(コンプレッサ入口流路)を形成している。この吸気ガス導入流路7には、吸気ガスとして、特にエアクリーナ24で濾過された清浄な外気(新気)である吸入空気が流れる。
【0039】
コンプレッサハウジング5は、インペラ4のハブ33の表面との間に、吸気ガス流路8を形成するシュラウド壁6を備えている。このシュラウド壁6は、コンプレッサハウジング5の入口部(吸気口)である吸気ガス導入流路7から、複数の第1、第2ブレード41、42の各外縁まで吸気ガス流路8の軸線に沿うように湾曲して延長されている。
また、シュラウド壁6の外面には、低圧ループEGRシステムに使用されるEGRガスパイプの出口部(EGRガス流方向の下流部)が接続されている。
また、シュラウド壁6の内部には、EGRガスパイプから吸気ガス流路8およびインペラ収容空間へEGRガスを導くためのEGRガス導入流路9(排気ガス流路)が形成されている。
【0040】
EGRガス導入流路9の入口部(EGRガス流方向の上流部)は、EGRガスパイプ内に形成されるEGRガス流路23に連通している。また、EGRガス導入流路9の入口部は、EGRガスパイプを介して、タービンまたは排気浄化装置(触媒28)よりも下流側の排気管に接続している。また、EGRガス導入流路9の出口部(EGRガス流方向の下流部)には、シュラウド壁6の内面で開口する開口部であるEGRガス導入ポート(排気ガス導入口)10が形成されている。
EGRガス導入流路9の途中には、EGRガスパイプからEGRガスが導入される中空状のチャンバ(ボリューム室)43が形成されている。このチャンバ43は、インペラ収容空間の側方に対応して、シュラウド壁6の内部に形成されている。EGRガス導入ポート10は、吸気ガス流路8およびインペラ収容空間とチャンバ43とをインペラ4の回転軸方向に対して垂直な半径方向に連通している。これにより、EGRガス導入流路9は、EGRガス導入ポート10を介して、吸気ガス流路8およびインペラ収容空間に連通している。
【0041】
本実施例のEGRガス導入流路9は、図2に示したように、EGRガス導入ポート10の形成位置が、シュラウド壁6の内面における吸気ガス流路8の先端位置から複数の第1ブレード41の前縁位置までの間に設定されている。
なお、吸気ガス流路8の先端位置を、コンプレッサ子午面のコンプレッサ先端位置(以下インペラ先端位置P)と表記する。また、複数の第1ブレード41の前縁位置を、コンプレッサ入口位置(以下インペラ入口位置LE1)と表記する。また、複数の第2ブレード42の前縁位置を、コンプレッサ半翼入口位置(以下インペラ入口位置LE2)と表記する。また、全ての第1、第2ブレード41、42の後縁位置を、コンプレッサ出口位置(以下インペラ出口位置TE)と表記する。
【0042】
ここで、図3は、実施例1、2及び4のコンプレッサの静圧低減効果を説明する図である。
図3(a)は、コンプレッサの子午面長に対する吸気ガス流路面積の変化を示した図である。また、図3(b)は、コンプレッサの子午面長に対する吸気ガス流速の変化を示した図である。また、図3(c)は、コンプレッサの子午面長に対する動圧の変化を示した図である。また、図3(d)は、コンプレッサの子午面長に対する静圧の変化を示した図である。
【0043】
なお、図2および図3に示した位置Aとは、インペラ先端位置Pよりも所定の回転軸方向距離分だけ上流側寄りの吸気ガス導入流路7の周囲を形成するシュラウド壁6の内面における測定位置のことである。
また、図2および図3に示した位置Bとは、インペラ先端位置Pからインペラ入口位置LE1までの間の、インペラ収容空間に対応したシュラウド壁6の内面における測定位置のことである。
また、図2および図3に示した位置Cとは、インペラ入口位置LE1からインペラ入口位置LE2までの間の、インペラ収容空間に対応したシュラウド壁6の内面における測定位置のことである。
また、図2および図3に示した位置Dとは、インペラ入口位置LE2からインペラ出口位置TEまでの間の、インペラ収容空間に対応したシュラウド壁6の内面における測定位置のことである。
【0044】
[実施例1の作用]
次に、本実施例のターボチャージャおよび低圧ループEGRシステムの作動を図1および図2に基づいて簡単に説明する。
【0045】
ECUは、過給圧センサにより検出される過給圧が設定値に満たない場合、ウェイストゲートバルブ16が全閉状態となるように、電動モータへの電力供給を制御する。
これによって、電動アクチュエータの構成部品が、全閉状態に止まるため、ウェイストゲートバルブ16が全閉状態を継続する。これにより、ウェイストゲート流路15は閉鎖される。この結果、エンジン1の各気筒毎の燃焼室より排気通路22へ排出された排気ガスの全量は、ターボチャージャのタービンハウジングの入口部であるタービン入口流路13からホイール収容空間内に流入してホイール2を回転させ、タービンハウジングの出口部であるタービン出口流路14から排出される。
【0046】
一方、エアクリーナ24から吸気通路21内に吸い込まれた吸入空気は、コンプレッサのコンプレッサハウジング5の入口部である吸気ガス導入流路7からインペラ収容空間内(特に吸気ガス流路8内)に流入する。そして、ホイール2の回転に伴い回転するインペラ4のハブ33の表面上に設置された複数の第1ブレード41および複数の第2ブレード42によって吸気ガス流路8を通過する際に圧縮されて圧力(過給圧)が上昇する。そして、圧力が上昇した圧縮空気(吸気ガス)は、コンプレッサのコンプレッサハウジング5の出口部であるディフューザ流路11を通ってスクロール流路12から、エンジン1の各気筒毎の燃焼室に吸い込まれる。
【0047】
ECUは、過給圧センサにより検出される過給圧が設定値以上に上昇した場合、つまり予め設定された最大過給圧を越える場合、ウェイストゲートバルブ16が全開状態となるように、電動モータへの電力供給を制御する。
これによって、電動アクチュエータの構成部品が全開方向へ動作するため、ウェイストゲートバルブ16が全開状態となる。
この結果、エンジン1の各気筒毎の燃焼室より排気通路22へ排出された排気ガスの一部が、ターボチャージャのホイール2をバイパスするウェイストゲート流路15を通ってタービン出口流路14へ排出される。これにより、ホイール2に作用する排気エネルギーが減少し、ホイール2の回転速度が低下するので、ターボチャージャの過回転が防止される。また、過給圧または排気圧が過大とならないようになる。
【0048】
ECUは、EGRバルブ31の開弁条件が成立しない場合、EGRバルブ31が全閉状態となるように、電動モータへの電力供給を制御する。
これによって、電動アクチュエータの構成部品が、全閉状態に止まるため、EGRバルブ31が全閉状態を継続する。これにより、EGRガス流路23は閉鎖される。この結果、EGRガスが新気(エアクリーナ24で濾過された清浄な吸入空気)に混入しない。
【0049】
また、ECUは、EGRバルブ31の開弁条件が成立した場合、EGRバルブ31が開弁状態となるように、電動モータへの電力供給を制御する。
これによって、電動アクチュエータの構成部品が開弁方向へ動作するため、EGRバルブ31が開弁状態となる。これにより、EGRガス流路23が開放される。
この結果、ターボチャージャのホイール2または排気浄化装置(触媒28)よりも下流側の排気通路22からEGRガス流路23に取り込まれたEGRガスは、コンプレッサのコンプレッサハウジング5のシュラウド壁6の内部(チャンバ43)に流入し、チャンバ43の出口部であるEGRガス導入流路9からインペラ収容空間内(特に吸気ガス流路8内)に導入される。
【0050】
そして、インペラ収容空間内(特に吸気ガス流路8内)で、EGRガスと吸入空気とが混合されて混合ガス(吸気ガス)となり、コンプレッサのコンプレッサハウジング5の出口部であるディフューザ流路11を通ってスクロール流路12から、エンジン1の各気筒毎の燃焼室に吸い込まれる。
これによって、エンジン1の排気ガス中に含まれる有害物質(例えばNOx)の低減が図られる。
【0051】
[実施例1の効果]
以上のように、本実施例のターボチャージャのコンプレッサにおいては、図2に示したように、低圧ループEGRシステムのEGRガスパイプからEGRガスが導入されるEGRガス導入流路9が、コンプレッサハウジング5のシュラウド壁6の内面で開口するEGRガス導入ポート10を介して、インペラ4の表面(子午面)とシュラウド壁6の内面との間に形成される子午面形状の吸気ガス流路8およびインペラ収容空間に連通している。 本実施例のEGRガス導入流路9は、EGRガス導入ポート10の形成位置が、図2に示したように、シュラウド壁6の内面におけるインペラ先端位置Pからインペラ入口位置LE1までの間(特に位置B)に設定されている。
【0052】
この結果、図2および図3に示したように、インペラ先端位置Pよりも吸気ガス流方向の上流側に位置する位置Aよりも、インペラ先端位置Pからインペラ出口位置TE付近(位置D)までの間の方が、吸気ガス流路面積(吸気ガス流路8の流路断面積)が小さい。これにより、図3に示したように、吸気ガス流路8を通過する吸気ガスの流速(吸気ガス流速)が位置Aよりも上昇して吸気ガスの動圧が大きくなる分、吸気ガスの静圧が位置Aよりも小さくなる。
【0053】
これによって、吸気ガスの静圧低減効果を有効に利用できるので、コンプレッサのコンプレッサハウジング5の入口部(吸気ガス導入流路7)の圧力とEGRガスパイプの入口部(排気通路22)の圧力との圧力差が小さい条件であっても、エンジン1の各気筒毎の吸気ポートおよび燃焼室へ還流させるEGRガス量を増量することができる。
したがって、インペラ入口位置LE1付近にEGRガス導入ポート10を設けることで、エンジン1の各気筒毎の吸気ポートおよび燃焼室へより多くのEGRガスを導入できるので、十分なEGRガスの還流量を確保することができる。
【実施例2】
【0054】
図4は本発明の実施例2を示したもので、ターボチャージャのコンプレッサのインペラ周辺構造を示した図である。
【0055】
本実施例のターボチャージャのコンプレッサにおいては、実施例1と同様に、低圧ループEGRシステムのEGRガスパイプからEGRガスが導入されるEGRガス導入流路9が、コンプレッサハウジング5のシュラウド壁6の内面で開口するEGRガス導入ポート10を介して、インペラ4の表面(子午面)とシュラウド壁6の内面との間に形成される子午面形状の吸気ガス流路8およびインペラ収容空間に連通している。
本実施例のEGRガス導入流路9は、EGRガス導入ポート10の形成位置が、図4に示したように、シュラウド壁6の内面におけるインペラ入口位置LE1からインペラ入口位置LE2までの間(特に位置C)に設定されている。
【0056】
この結果、実施例1と同様に、インペラ先端位置Pよりも吸気ガス流方向の上流側に位置する位置Aよりも、インペラ先端位置Pからインペラ出口位置TE付近(位置D)までの間の方が、吸気ガス流路面積が小さい。これにより、吸気ガス流路8を通過する吸気ガスの流速が位置Aよりも上昇して吸気ガスの動圧が大きくなる分、吸気ガスの静圧が位置Aよりも小さくなる。
また、吸気ガス流速条件によっては、複数の第1ブレード41の各前縁付近の吸気ガス(特に吸入空気)の流れに乱れが生じて、更に静圧が小さくなる。
【0057】
これによって、吸気ガスの静圧低減効果を有効に利用できるので、コンプレッサのコンプレッサハウジング5の入口部(吸気ガス導入流路7)の圧力とEGRガスパイプの入口部(排気通路22)の圧力との圧力差が小さい条件であっても、エンジン1の各気筒毎の吸気ポートおよび燃焼室へ還流させるEGRガス量を増量することができる。
したがって、インペラ入口位置LE2付近(位置C)にEGRガス導入ポート10を設けることで、より多くのEGRガスを吸気通路21へ導入できるので、十分なEGRガスの還流量を確保することができる。
【実施例3】
【0058】
図5および図6は本発明の実施例3を示したもので、図5はターボチャージャのコンプレッサのインペラ周辺構造を示した図である。
【0059】
本実施例のターボチャージャのコンプレッサにおいては、実施例1及び2と同様に、低圧ループEGRシステムのEGRガスパイプからEGRガスが導入されるEGRガス導入流路9が、コンプレッサハウジング5のシュラウド壁6の内面で開口するEGRガス導入ポート10を介して、インペラ4の表面(子午面)とシュラウド壁6の内面との間に形成される子午面形状の吸気ガス流路8およびインペラ収容空間に連通している。
本実施例のEGRガス導入流路9は、EGRガス導入ポート10の形成位置が、図5に示したように、シュラウド壁6の内面におけるインペラ入口位置LE2からインペラ出口位置TEまでの間(特に位置D)に設定されている。
【0060】
ここで、図6は、実施例3及び5のEGRガスの増速効果を説明する図である。
図6(a)は、コンプレッサのインペラの子午面長に対する吸気ガス流速の変化を示した図である。また、図6(b)は、コンプレッサのインペラの子午面長に対する吸気ガスによる剪断応力の変化を示した図である。また、図6(c)は、吸気ガスによる剪断応力とEGRガスの流速上昇率との関係を示したグラフである。
この結果、インペラ4の回転により吸気ガスの流速が増速されるため、インペラ入口位置LE2付近(位置D)では、吸気ガスの流速が高速になる。このため、剪断力によって、インペラ入口位置LE2付近(位置D)に導入された低速のEGRガスは、高速の吸気ガスに引きずられて加速される。
【0061】
これによって、吸気ガスの静圧低減効果およびEGRガスの加速効果を有効に利用できるので、コンプレッサのコンプレッサハウジング5の入口部(吸気ガス導入流路7)の圧力とEGRガスパイプの入口部(排気通路22)の圧力との圧力差が小さい条件であっても、エンジン1の各気筒毎の吸気ポートおよび燃焼室へ還流させるEGRガス量を増量することができる。
したがって、インペラ入口位置LE2付近(位置D)にEGRガス導入ポート10を設けることで、より多くのEGRガスを吸気通路21へ導入できるので、十分なEGRガスの還流量を確保することができる。
【実施例4】
【0062】
図7および図8は本発明の実施例4を示したもので、図7はターボチャージャのコンプレッサのインペラ周辺構造を示した図である。
【0063】
本実施例のターボチャージャのコンプレッサにおいては、実施例1〜3と同様に、低圧ループEGRシステムのEGRガスパイプからEGRガスが導入されるEGRガス導入流路9が、コンプレッサハウジング5のシュラウド壁6の内面で開口するEGRガス導入ポート10を介して、インペラ4の表面(子午面)とシュラウド壁6の内面との間に形成される子午面形状の吸気ガス流路8およびインペラ収容空間に連通している。
本実施例のEGRガス導入流路9は、実施例2と同様に、EGRガス導入ポート10の形成位置が、図7に示したように、シュラウド壁6の内面におけるインペラ入口位置LE1からインペラ入口位置LE2までの間(特に位置C)に設定されている。
これによって、実施例2と同様なEGRガスの増量効果を得ることができるので、より多くのEGRガスを吸気通路21へ導入できる。これにより、十分なEGRガスの還流量を確保することができる。
【0064】
本実施例のシュラウド壁6には、コンプレッサのコンプレッサハウジング5の入口部である吸気ガス導入流路7から吸気ガス流路8およびインペラ収容空間に吸引される吸気ガス(主に吸入空気)の一部を循環させる空気循環流路が形成されている。
この空気循環流路は、EGRガス導入ポート10に相当する第1開口部51、シュラウド壁6の内面におけるインペラ先端位置Pよりも所定の回転軸方向距離分だけ上流側寄りの位置Aで開口する第2開口部52、および第1開口部51と第2開口部52とを連通する中空筒状の連通流路(環状空気室)53等により構成されている。なお、第1開口部51は、EGRガス導入ポート10と同様に、シュラウド壁6の内面における位置Cで開口している。
これによって、高過給圧で、且つ少流量のサージング発生条件であっても、第1開口部51と第2開口部52とを連通流路53で連通し、吸気ガス導入流路7から吸気ガス流路8およびインペラ収容空間に吸引される吸気ガスの一部を循環流路内で循環させることによるサージング抑制効果を実現することができる。
したがって、コンプレッサのサージング現象の発生を十分に抑制できるので、コンプレッサの作動領域を拡大させることができる。
【0065】
ここで、EGRガス導入流路9へEGRガスパイプからEGRガスを導入することが、サージング現象の発生を抑制する空気循環流路内の循環流れを妨げる場合が考えられる。 そこで、本実施例のECUは、サージング発生条件(例えば図8のグラフに示したようなサージングライン(図示実線))を検出するサージング検出手段と、このサージング検出手段でサージング発生条件が検出された場合、EGRガスパイプ内に形成されるEGRガス流路23を閉じるようにEGRバルブ31を制御するサージング防止手段とを備えている。
【0066】
ここで、図8は、コンプレッサの通過ガス流量(吸気ガス流路8を通過する吸気ガス流量)とコンプレッサの圧力比(ハウジング5の入口部の圧力と出口部の圧力との比率)との関係を示した図である。図8のサージングラインよりも流量が多い場合には、EGRバルブ31を開弁制御し、また、図8のサージングラインよりも流量が少ない場合には、EGRバルブ31を全閉する。
これによって、コンプレッサのサージング現象の発生を抑制する場合、EGRバルブ31を全閉することで、EGRガスパイプからEGRガス導入流路9へのEGRガスの導入を停止することができる。これにより、吸気ガス導入流路7から吸気ガス流路8およびインペラ収容空間に吸引される吸気ガスの一部が循環流路内を循環する循環流れ(吸気ガス流路8→第1開口部51→連通流路53→第2開口部52→吸気ガス流路8のような循環流れ)を妨げることはない。
【実施例5】
【0067】
図9は本発明の実施例5を示したもので、コンプレッサの要部の断面構造を示した図である。
【0068】
本実施例のターボチャージャのコンプレッサにおいては、実施例1〜4と同様に、低圧ループEGRシステムのEGRガスパイプからEGRガスが導入されるEGRガス導入流路9が、コンプレッサハウジング5のシュラウド壁6の内面で開口するEGRガス導入ポート10を介して、インペラ4の表面(子午面)とシュラウド壁6の内面との間に形成される子午面形状の吸気ガス流路8およびインペラ収容空間に連通している。
本実施例のEGRガス導入流路9は、EGRガス導入ポート10の形成位置が、図9に示したように、シュラウド壁6の内面におけるインペラ入口位置LE2からインペラ出口位置TEまでの間(特に位置D)に設定されている。
これによって、実施例3と同様なEGRガスの増量効果を得ることができるので、より多くのEGRガスを吸気通路21へ導入できる。これにより、十分なEGRガスの還流量を確保することができる。
【0069】
また、本実施例のシュラウド壁6には、実施例4と同様に、コンプレッサのコンプレッサハウジング5の入口部である吸気ガス導入流路7から吸気ガス流路8およびインペラ収容空間に吸引される吸気ガス(主に吸入空気)の一部を循環させる空気循環流路が形成されている。この空気循環流路は、第1開口部51、第2開口部52および連通流路53等により構成されている。なお、第1開口部51は、EGRガス導入ポート10と同様に、シュラウド壁6の内面における位置Dで開口している。
これによって、実施例4と同様なサージング抑制効果を得ることができる。
また、コンプレッサのサージング現象の発生を抑制する場合、実施例4と同様に、EGRバルブ31を全閉することで、EGRガスパイプからEGRガス導入流路9へのEGRガスの導入を停止するようにしても良い。
【0070】
[変形例]
本実施例では、過給機として、内燃機関(エンジン)の排気エネルギーを利用して、内燃機関(エンジン)の各気筒毎の燃焼室内に供給される吸入空気を圧縮して過給するターボチャージャ(ターボチャージャ)を採用した例を説明をしたが、過給機として、電動モータの駆動力を利用して、遠心圧縮機(コンプレッサ)のみでチャージャを構成した電動コンプレッサを用いても良い。
また、内燃機関(エンジン)として、ディーゼルエンジンだけでなく、ガソリンエンジンを用いても良い。また、内燃機関(エンジン)として、多気筒エンジンだけでなく、単気筒エンジンを用いても良い。
【符号の説明】
【0071】
1 エンジン
2 タービンのホイール
3 タービンシャフト
4 コンプレッサのインペラ
5 コンプレッサハウジング
6 シュラウド壁
7 吸気ガス導入流路
8 吸気ガス流路
9 排気ガス流路
10 EGRガス導入ポート(開口部)
11 ディフューザ流路
12 スクロール流路
21 吸気通路
22 排気通路
23 EGRガス流路(排気ガス還流路)
29 EGRクーラ
31 EGRバルブ(排気制御弁の弁体)
33 ハブ
41 第1ブレード
42 第2ブレード
51 第1開口部
52 第2開口部
53 連通流路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)内燃機関の排気ガスを吸気ポートへ還流させる排気ガス還流管を有する排気ガス循環装置と、
(b)前記内燃機関の吸気ガスを遠心力を利用して圧縮して前記吸気ポートへ送り込むインペラ、およびこのインペラの周囲を取り囲むように設置されたハウジングを有する遠心圧縮機と
を備えた内燃機関の制御装置において、
前記インペラは、その表面上に設置された複数のブレードを有し、
前記ハウジングは、前記排気ガス還流管が接続すると共に、前記インペラの表面との間に子午面形状の吸気ガス流路を形成するシュラウド壁を有し、
前記シュラウド壁は、前記排気ガス還流管から前記吸気ガス流路へ排気ガスを導く排気ガス流路を有し、
前記排気ガス流路は、前記シュラウド壁における前記吸気ガス流路の先端位置から前記複数のブレードの後縁位置までの間に形成されていることを特徴とする内燃機関の制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、
前記排気ガス流路は、前記シュラウド壁の内面で開口する開口部を介して、前記吸気ガス流路に連通しており、
前記排気ガス流路は、前記開口部の形成位置が、前記シュラウド壁の内面における前記吸気ガス流路の先端位置から前記複数のブレードの後縁位置までの間に設定されていることを特徴とする内燃機関の制御装置。
【請求項3】
請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、
前記排気ガス流路は、前記シュラウド壁の内面で開口する開口部を介して、前記吸気ガス流路に連通しており、
前記排気ガス流路は、前記開口部の形成位置が、前記シュラウド壁の内面における前記吸気ガス流路の先端位置から前記複数のブレードの前縁位置までの間に設定されていることを特徴とする内燃機関の制御装置。
【請求項4】
請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、
前記複数のブレードは、前記吸気ガス流路の軸線に沿うように延長されて、前記インペラの回転軸方向の長さが異なる2種類の第1、第2ブレードを有し、前記第1ブレードの前縁位置が、前記第2ブレードの前縁位置よりも上流側に設定されていることを特徴とする内燃機関の制御装置。
【請求項5】
請求項4に記載の内燃機関の制御装置において、
前記排気ガス流路は、前記シュラウド壁の内面で開口する開口部を介して、前記吸気ガス流路に連通しており、
前記排気ガス流路は、前記開口部の形成位置が、前記シュラウド壁の内面における前記吸気ガス流路の先端位置から前記第2ブレードの前縁位置までの間に設定されていることを特徴とする内燃機関の制御装置。
【請求項6】
請求項4に記載の内燃機関の制御装置において、
前記排気ガス流路は、前記シュラウド壁の内面で開口する開口部を介して、前記吸気ガス流路に連通しており、
前記排気ガス流路は、前記開口部の形成位置が、前記シュラウド壁の内面における前記第2ブレードの前縁位置から全ての第1、第2ブレードの後縁位置までの間に設定されていることを特徴とする内燃機関の制御装置。
【請求項7】
請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、
前記排気ガス流路は、前記シュラウド壁の内面で開口する開口部を介して、前記吸気ガス流路に連通しており、
前記シュラウド壁は、前記吸気ガス流路に流入する吸気ガスの一部を循環させる循環流路を有し、
前記循環流路は、前記開口部に相当する第1開口部、前記シュラウド壁の内面における前記吸気ガス流路の先端位置よりも上流側で開口する第2開口部、および前記第1開口部と前記第2開口部とを連通する中空状の連通流路を有していることを特徴とする内燃機関の制御装置。
【請求項8】
請求項7に記載の内燃機関の制御装置において、
前記複数のブレードは、前記吸気ガス流路の軸線に沿うように延長されて、前記インペラの回転軸方向の長さが異なる2種類の第1、第2ブレードを有し、前記第1ブレードの前縁位置が、前記第2ブレードの前縁位置よりも上流側に設定されていることを特徴とする内燃機関の制御装置。
【請求項9】
請求項8に記載の内燃機関の制御装置において、
前記排気ガス流路は、前記第1開口部の形成位置が、前記シュラウド壁の内面における前記吸気ガス流路の先端位置から前記第2ブレードの前縁位置までの間に設定されていることを特徴とする内燃機関の制御装置。
【請求項10】
請求項8に記載の内燃機関の制御装置において、
前記排気ガス流路は、前記第1開口部の形成位置が、前記シュラウド壁の内面における前記第2ブレードの前縁位置から全ての第1、第2ブレードの後縁位置までの間に設定されていることを特徴とする内燃機関の制御装置。
【請求項11】
請求項1ないし請求項10のうちのいずれか1つに記載の内燃機関の制御装置において、
前記排気ガス循環装置は、前記排気ガス還流管を流れる排気ガスの流量を開閉動作により調整する排気ガス制御弁を有していることを特徴とする内燃機関の制御装置。
【請求項12】
請求項11に記載の内燃機関の制御装置において、
前記遠心圧縮機のサージング発生条件を検出するサージング検出手段と、
このサージング検出手段で前記サージング発生条件が検出された場合、前記排気ガス還流管内に形成される排気ガス還流路を閉じるように前記排気ガス制御弁を制御するサージング防止手段と
を備えたことを特徴とする内燃機関の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−149588(P2012−149588A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−9918(P2011−9918)
【出願日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】