説明

内燃機関の燃料噴射制御装置

【課題】内燃機関のストールを防止するとともに車両の燃費を向上させることができる内燃機関の燃料噴射制御装置を提供する。
【解決手段】エンジンECUのCPUは、緊急ブレーキが操作されていると判定し(ステップS2でYESの場合)、ロックアップクラッチが解放状態となったと判定した場合(ステップS3でYESの場合)には、制御経過時間Tcが予め定められた時間Ttとなるまで、追加噴射量Qaddを予め定められた噴射量Qupに決定して(ステップS7)、燃料噴射弁により噴射される燃料の噴射量を増加させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筒内に燃料を直接噴射する燃料噴射手段を備え、希薄燃焼が可能な内燃機関の燃料噴射制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ブレーキペダルの踏込み操作を検出するブレーキ操作検出手段と、予め定められた運転条件が成立した場合に、内燃機関と自動変速機とを連結可能なロックアップクラッチを係合させるためのロックアップ指令を自動変速機に行うとともに、ブレーキ操作検出手段によりブレーキペダルの踏込み操作が検出された場合に、ロックアップクラッチを解放するためのロックアップ解除指令を自動変速機に行うロックアップ制御手段と、ロックアップ制御手段によりロックアップ解除指令が行われてから予め定められた時間を経過するまでに、内燃機関のスロットルバルブ、スロットルバルブをバイパスするバイパス通路に設けられたアイドルスピード制御バルブ、燃料タンク内で発生した燃料蒸気ガスを内燃機関の吸気通路へ導入する導入通路に設けられたパージ制御バルブ、および内燃機関の排気ガスを空気通路へ還流させる還流通路に設けられたEGRバルブのうち、少なくとも一つを開閉制御することにより、内燃機関の吸入空気量や燃料混合気を増加させる車両の制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この構成により、上記車両の制御装置は、ロックアップクラッチを係合させているときに緊急ブレーキが操作された場合であっても、ロックアップ解除指令を行うとともに内燃機関の吸入空気量や燃料混合気を増加させて内燃機関の出力トルクを増加させることにより、ロックアップクラッチ解放時における内燃機関のストールを防止することができる。
【特許文献1】特開平7−223464号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された車両の制御装置においては、上述した各種バルブを開閉制御してから実際に所望の出力トルクを得るまでに時間がかかるため、実際にロックアップクラッチが解放される前から各種バルブを開閉制御して内燃機関に供給する燃料の量を増加させる必要があった。この結果、内燃機関のストールを防止するのに必要な量以上の燃料を消費するため、車両の燃費が悪化するという問題があった。
【0005】
本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、内燃機関のストールを防止するとともに車両の燃費を向上させることができる内燃機関の燃料噴射制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置は、上記目的を達成するため、(1)筒内に燃料を直接噴射する燃料噴射手段を備え、希薄燃焼が可能な内燃機関の燃料噴射制御装置であって、緊急ブレーキが操作されているか否かを判定する緊急ブレーキ操作判定手段と、前記緊急ブレーキ操作判定手段により緊急ブレーキが操作されていると判定された場合に、前記内燃機関と自動変速機とを直結可能なロックアップクラッチが解放されたか否かを判定するロックアップクラッチ解放判定手段と、前記ロックアップクラッチ解放判定手段により前記ロックアップクラッチが解放されたと判定された場合に、前記燃料噴射手段により噴射される燃料の量を増加させる燃料量増加手段と、を備えた構成を有している。
【0007】
この構成により、十分な空気量がある希薄燃焼可能な内燃機関において、緊急ブレーキが操作されてロックアップクラッチが解放された場合に、応答の早い直接噴射における燃料の量を増加させるため、ロックアップクラッチが解放された直後に内燃機関の出力トルクを増加させることができる。したがって、内燃機関のストールを防止するとともに車両の燃費を向上させることができる。
【0008】
また、本発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置は、上記(1)に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、(2)前記内燃機関のフリクショントルクを算出するフリクショントルク算出手段と、前記フリクショントルク算出手段により算出されたフリクショントルクに基づいて、前記燃料量増加手段により増加される燃料の量を算出する燃料増加量算出手段と、をさらに備えた構成を有している。
【0009】
この構成により、内燃機関のフリクショントルクに基づいて増加させる燃料の量を算出するため、内燃機関に供給する燃料の量を、フリクショントルクを打ち消して内燃機関のストールを防止するために必要な量とすることができる。したがって、車両の燃費をさらに向上させることができる。
【0010】
また、本発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置は、上記(2)に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、(3)前記フリクショントルク算出手段が、予め定められた慣性モーメントと前記緊急ブレーキ操作判定手段により緊急ブレーキが操作されていると判定された後の前記内燃機関のクランクシャフトにおける角速度変化とに基づいて、前記フリクショントルクを算出する構成を有している。
【0011】
この構成により、車両が走行している場合のクランクシャフトの回転と逆方向に作用するトルクをフリクショントルクとして算出するため、内燃機関のストールを確実に防止することができる。
【0012】
また、本発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置は、上記(3)に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、(4)前記角速度変化が、前記緊急ブレーキ操作判定手段により緊急ブレーキが操作されていると判定された後の前記内燃機関のクランクシャフトにおける角速度変化の最小値である構成を有している。
【0013】
この構成により、フリクショントルク算出時の角速度変化値が大きい場合であっても、増加させる燃料の量が過少となることを回避することができる。したがって、内燃機関のストールを確実に防止することができる。
【0014】
また、本発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置は、上記(1)から(4)に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、(5)前記内燃機関がアイドル状態を維持するために必要なエネルギーと前記燃料量増加手段により増加した燃料の量で発生するトルクとに基づいて、前記燃料量増加手段により燃料の量を増加させる時間を算出する燃料量増加時間算出手段をさらに備え、前記燃料量増加手段が、前記ロックアップクラッチ解放判定手段により前記ロックアップクラッチが解放されたと判定された後に、前記緊急ブレーキ操作判定手段により緊急ブレーキが操作されていないと判定された場合、前記燃料量増加時間算出手段により算出された時間を経過するまで前記燃料噴射手段により噴射される燃料の量を増加させる構成を有している。
【0015】
この構成により、燃料の量を増加させたときの1回の燃焼により内燃機関がアイドル状態を維持できない場合であっても、内燃機関のストールを確実に防止することができる。さらに、内燃機関のストールを防止するために必要な時間だけ燃料の量を増加させるので、車両の燃費を向上させることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、内燃機関のストールを防止するとともに車両の燃費を向上させることができる内燃機関の燃料噴射制御装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る制御装置を搭載した車両を示す概略構成図である。
まず、構成について説明する。
【0018】
図1に示すように、車両1は、内燃機関を構成するディーゼルエンジン2と、ディーゼルエンジン2により出力された回転トルクをディファレンシャルギア5を介して後輪としての駆動輪6に伝達するための自動変速機3と、ディーゼルエンジン2および自動変速機3を制御するための電子制御装置4とを備えている。
【0019】
4気筒の一部を構成するディーゼルエンジン2の気筒2aには、ピストン7で仕切られた燃焼室8が形成されている。燃焼室8には、空気を取り込むための吸気通路9と、燃焼室8からの排気を所定の排気位置まで導くための排気通路10とが接続されている。また、燃焼室8には、吸気通路9との間を開閉する吸気バルブ11、燃焼室8と排気通路10との間を開閉する排気バルブ12および燃焼室8内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁13が設けられている。ピストン7の往復運動は、ピストン7に接続されているコネクティングロッド14を介してクランクシャフト15へ回転運動として伝達されるようになっている。なお、燃料噴射弁13は、本発明の燃料噴射手段を構成する。
【0020】
ディーゼルエンジン2は、希薄燃焼可能な内燃機関、すなわち運転条件に応じてリーン空燃比(理論空燃比より大きい空燃比)での運転を行うことができる内燃機関である。したがって、燃料噴射弁13から燃焼室8内に直接噴射される燃料の噴射量を増減させることによって、即座にクランクシャフト15への出力トルクを制御することができる。
【0021】
自動変速機3は、複数の変速段を有する変速機構16と、ディーゼルエンジン2から入力されたトルクを所定のトルク比で変速機構16に伝達するトルクコンバータ17とを備えている。
ここで、変速機構16の出力軸は、プロペラシャフト18を介してディファレンシャルギア5に接続されており、変速機構16から出力される動力が、プロペラシャフト18、ディファレンシャルギア5を介して駆動輪6に伝達されるようになっている。
【0022】
トルクコンバータ17は、ディーゼルエンジン2のクランクシャフト15と変速機構16の入力軸19とを直結可能なロックアップクラッチ20を備えている。ロックアップクラッチ20は、予め定められた運転条件に応じて、ロックアップリレーバルブ21による油圧制御に基づいて作動し、ディーゼルエンジン2のクランクシャフト15と変速機構16の入力軸19とを直接的に係合する直結状態と、この直結状態を解放する解放状態との間で作動状態が変化するようになっている。
【0023】
電子制御装置4は、ディーゼルエンジン2に関する制御を行うエンジンECU22と、自動変速機3に関する制御を行うトランスミッションECU23とを備えている。
【0024】
エンジンECU22は、CPU24を中心とするマイクロコンピュータとして構成されており、CPU24の他に、一時的にデータを記憶するRAM25、処理プログラムなどを記憶するROM26およびA/D変換器等を含む図示しない入出力インターフェース回路を備えており、燃料噴射弁13等を制御するようになっている。また、エンジンECU22には、クランク角センサ27、車速センサ28およびアクセル開度センサ29が接続されている。
【0025】
エンジンECU22のCPU24は、クランク角センサ27の検出結果により得られるディーゼルエンジン2の回転数(以下、「エンジン回転数」という。)およびアクセル開度センサ29の検出結果により得られるアクセルペダル開度により基本噴射量Qbを決定し、決定した基本噴射量Qbにディーゼルエンジン2のエンジンストールを防止するためのエンスト防止制御が行われているか否かにより変化する追加噴射量Qaddを加算するようになっている。そして、CPU24は、基本噴射量Qbに追加噴射量Qaddを加算して得られた量で燃料を噴射するよう燃料噴射弁13を制御するようになっている。
【0026】
エンジンECU22のRAM25には、エンスト防止制御が行われているか否かを示すエンスト防止制御フラグxescenstのオンまたはオフを表す情報が記憶されている。
【0027】
エンジンECU22のROM26には、エンスト防止制御を継続するか否かを判定するための予め定められた時間Ttが記憶されている。また、ROM26には、エンスト防止制御を行っている場合の追加噴射量Qaddである予め定められた噴射量Qupが記憶されている。ここで、噴射量Qupは、緊急ブレーキが操作された場合にディーゼルエンジン2のクランクシャフト15に作用するフリクショントルクを打ち消すことができる出力トルクを得るために必要な量である。また、本実施の形態において、フリクショントルクは、ディーゼルエンジン2の摩擦抵抗によるトルクのみならず、エアーコンプレッサやオルタネータ等の補機類の負荷によるトルク等が含まれる。
【0028】
クランク角センサ27は、図示しないクランクシャフトタイミングロータに設けられた複数の信号歯をクランクシャフト15が10度回転する毎に検出し、その信号歯の検出に応じたパルス信号をエンジンECU22に出力するようになっている。
車速センサ28は、車両1の車速Vを検出し、検出した車速Vに応じた車速信号をエンジンECU22に出力するようになっている。
アクセル開度センサ29は、車両1に設けられたアクセルペダル30の開度(以下、「アクセルペダル開度」という。)Accを検出し、検出したアクセルペダル開度Accに応じたアクセル信号をエンジンECU22に出力するようになっている。
【0029】
トランスミッションECU23は、CPU31を中心とするマイクロコンピュータとして構成されており、CPU31の他に、一時的にデータを記憶するRAM32、処理プログラムなどを記憶するROM33およびA/D変換器等を含む図示しない入出力インターフェース回路を備えており、変速機構16およびロックアップリレーバルブ21等を制御するようになっている。また、トランスミッションECU23には、ブレーキセンサ34が接続されている。
【0030】
ブレーキセンサ34は、車両1の運転者による図示しないブレーキペダルの操作の有無を検出し、検出したブレーキペダルの操作の有無に応じたブレーキ信号をトランスミッションECU23に出力するようになっている。
【0031】
以下、本発明の第1の実施の形態に係る特徴的な構成について説明する。
エンジンECU22のCPU24は、緊急ブレーキが操作されているか否かを判定するようになっている。具体的には、CPU24は、車速センサ28により検出された車速Vに基づいて車両1の減速度を算出し、算出した減速度が予め定められた値以上である場合、緊急ブレーキが操作されていると判定し、減速度が予め定められた値未満である場合には、緊急ブレーキが操作されていないと判定するようになっている。すなわち、CPU24は、本発明の緊急ブレーキ操作判定手段を構成する。
【0032】
また、CPU24は、緊急ブレーキが操作されていると判定した場合に、ディーゼルエンジン2のクランクシャフト15と自動変速機3の入力軸19とを直結可能なロックアップクラッチ20が解放状態となったか否かを判定するようになっている。具体的には、トランスミッションECU23のCPU31は、ロックアップリレーバルブ21にロックアップクラッチ20を解放状態にするための信号を出力してからの経過時間が予め定められた時間以上であるか否かを判定する。そして、CPU31は、経過時間が予め定められた時間以上であると判定した場合に、ロックアップクラッチ20が解放状態であることを表すロックアップクラッチ解放信号をエンジンECU22のCPU24に出力する。CPU24は、このロックアップクラッチ解放信号を受信することによりロックアップクラッチ20が解放状態となったと判定する。すなわち、CPU24は、本発明のロックアップクラッチ解放判定手段を構成する。
【0033】
また、CPU24は、ロックアップクラッチ20が解放状態となったと判定した場合に、燃料噴射弁13により噴射される燃料の噴射量を増加させるようになっている。すなわち、CPU24は、本発明の燃料量増加手段を構成する。
【0034】
次に、動作について説明する。
図2は、本発明の第1の実施の形態に係るエンジンECUのCPUの動作を示すフロー図である。なお、以下に説明する処理は、予めROM26に記憶されているプログラムによって実現され、エンジンECU22のCPU24によって所定の時間間隔で行われる。
【0035】
図2に示すように、まず、CPU24は、ブレーキセンサ34からのブレーキ信号に基づいてブレーキペダルが操作されたか否かを判定し(ステップS1)、ブレーキペダルが操作されていないと判定した場合(ステップS1でNOの場合)、処理を終了する。
【0036】
一方、CPU24は、ブレーキペダルが操作されたと判定した場合(ステップS1でYESの場合)には、緊急ブレーキが操作されているか否かを判定する(ステップS2)。例えば、CPU24は、車速センサ28により検出された車速Vに基づいて車両1の減速度を算出し、算出した減速度が予め定められた値以上である場合、緊急ブレーキが操作されていると判定し、減速度が予め定められた値未満である場合には、緊急ブレーキが操作されていないと判定する。
【0037】
CPU24は、緊急ブレーキが操作されていると判定した場合(ステップS2でYESの場合)、ロックアップクラッチ20が解放状態となったか否かを判定する(ステップS3)。例えば、CPU24は、トランスミッションECU23のCPU31からロックアップクラッチ解放信号を受信した否かを判定することにより、ロックアップクラッチ20が解放状態となったか否かを判定する。ここで、CPU24は、ロックアップクラッチ20が解放状態となっていないと判定した場合(ステップS3でNOの場合)、処理を終了する。
【0038】
一方、CPU24は、ロックアップクラッチ20が解放状態となったと判定した場合(ステップS3でYESの場合)には、エンスト防止制御フラグxescenstをオンにしてエンスト防止制御を開始し(ステップS4)、ステップS6に移行する。
【0039】
また、CPU24は、ステップS2において、緊急ブレーキが操作されていないと判定した場合(ステップS2でNOの場合)、RAM25を参照してエンスト防止制御フラグxescenstがオンであるか否かを判定する(ステップS5)。
【0040】
ここで、CPU24は、エンスト防止制御フラグxescenstがオンであると判定した場合(ステップS5でYESの場合)、ステップS6に移行し、エンスト防止制御フラグxescenstがオフであると判定した場合(ステップS5でNOの場合)には、処理を終了する。
【0041】
次に、CPU24は、エンスト防止制御を開始してからの時間を表す制御経過時間Tcが予め定められた時間Tt未満であるか否かを判定する(ステップS6)。ここで、CPU24は、制御経過時間Tcが予め定められた時間Tt未満であると判定した場合(ステップS6でYESの場合)、追加噴射量Qaddを予め定められた噴射量Qupに決定する(ステップS7)。すなわち、CPU24は、燃料噴射弁13により噴射される燃料の噴射量を増加させる。
【0042】
次に、CPU24は、制御経過時間Tcを算出し(ステップS8)、処理を終了する。例えば、CPU24は、制御経過時間Tcに前回ステップS8を通過してからの時間tを加算することにより、新たな制御経過時間Tcを算出する。
【0043】
一方、CPU24は、制御経過時間Tcが予め定められた時間Tt以上である場合(ステップS6でNOの場合)には、追加噴射量Qaddを0に決定する(ステップS9)。
【0044】
次に、CPU24は、制御経過時間Tcを0にして初期化し(ステップS10)、エンスト防止制御フラグxescenstをオフにして(ステップS11)、処理を終了する。
【0045】
次に、ロックアップクラッチ20の解放時における各要素の挙動について説明する。
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る各要素のタイミングチャートである。
【0046】
図3に示すように、ロックアップクラッチ20が直結状態となっている場合において、アクセルペダル30が離されてアクセルペダル開度が0になると(時刻t1)、車速およびエンジン回転数が緩やかに減少していく。ここで、緊急ブレーキが操作されると(時刻t2)、車速およびエンジン回転数が急激に減少していき、車速および図示しないスロットルバルブの開度によりロックアップクラッチ20を解放状態にするための運転条件が成立すると、ロックアップリレーバルブ21が作動してロックアップクラッチ20の解放が行われる。実際にロックアップクラッチ20が解放されると(時刻t3)、燃料噴射弁13により噴射される燃料の噴射量がQb+Qupとなり、即座にディーゼルエンジン2の出力トルクが増加する。これにより、ロックアップクラッチ20が解放されたときにエンジン回転数が急激に減少してエンジンストールしてしまうことを防止できる。そして、時刻t3から予め定められた時間Ttが経過するまで噴射量がQb+Qupとなり、エンジンストールする可能性がなくなると(時刻t4)、噴射量をQbとなってアイドル状態を維持することになる。
【0047】
以上のように、本実施の形態に係るCPU24によれば、十分な空気量がある希薄燃焼可能なディーゼルエンジン2において、緊急ブレーキが操作されてロックアップクラッチ20が解放された場合に、応答の速い直接噴射における噴射量をQb+Qupに増加させるため、ロックアップクラッチ20が解放された直後にディーゼルエンジン2の出力トルクを増加させることができる。したがって、エンジンストールを防止するとともに車両1の燃費を向上させることができる。
【0048】
また、本実施の形態に係るCPU24によれば、希薄燃焼可能なディーゼルエンジン2において、直接噴射の噴射量を増加させてディーゼルエンジン2の出力トルクを増加させるため、吸入空気量や燃料混合気を増加させる場合に比べてディーゼルエンジン2の出力トルクを正確に発生させることができる。したがって、エンジンストールを確実に防止することができる。
【0049】
なお、本実施の形態においては、車両1に搭載される内燃機関をディーゼルエンジン2としたが、これに限らず、燃焼室8内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁13を備え、希薄燃焼が可能な内燃機関であればガソリンエンジンであっても本発明を適用することができる。
【0050】
また、本実施の形態においては、CPU24は、車両1の減速度に基づいて緊急ブレーキが操作されているか否かを判定しているが、これに限らず、ブレーキペダルの操作量を検出するストロークセンサの検出結果に基づいて緊急ブレーキが操作されているか否かを判定するようになっていてもよい。この場合、例えば、CPU24は、ストロークセンサによって検出されたブレーキペダルの操作量と検出間隔とに基づいて単位時間当たりのブレーキペダルの操作量を算出し、算出した操作量が予め定められた値以上であるか否かを判定することにより、緊急ブレーキが操作されているか否かを判定する。
【0051】
また、本実施の形態においては、トランスミッションECU23のCPU31は、ロックアップリレーバルブ21にロックアップクラッチ20を解放状態にするための信号を出力してからの経過時間が予め定められた時間以上であると判定した場合に、ロックアップクラッチ解放信号をエンジンECU22のCPU24に出力するようにしているが、これに限らず、ロックアップリレーバルブ21に設けられた油圧センサによる検出結果に応じてロックアップクラッチ解放信号をエンジンECU22のCPU24に出力するようにしてもよい。この場合、例えば、トランスミッションECU23のCPU31は、油圧センサによって検出された油圧が予め定められた値以下となった場合に、ロックアップクラッチ解放信号をエンジンECU22のCPU24に出力する。
【0052】
また、本実施の形態においては、予め定められた運転条件に応じて、ロックアップクラッチ20が直結状態や解放状態となるようにしているが、これに限られず、運転者の操作によりロックアップクラッチ20が直結状態と直結状態や解放状態となるようにしてもよい。この場合、エンジン回転数が急激に減少したとしても、運転者の操作によりロックアップクラッチ20が直結状態を維持することもあり、エンジンストールが発生しやすくなる。そのため、ロックアップクラッチ20が解放された直後にディーゼルエンジン2の出力トルクを増加させることができる本発明を適用することにより、エンジンストールを確実に防止することができる。
【0053】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態に係る車両1は、第1の実施の形態に係る車両1とCPU24およびROM26以外は略同様な構成となっているため、CPU24およびROM26以外の構成の説明は省略する。以下、構成については、図1を用いて説明する。
【0054】
ROM26には、予め定められた慣性モーメントIが記憶されている。ここで、慣性モーメントIは、ディーゼルエンジン2の駆動部材等に応じて予め決定されるものである。また、ROM26には、予め定められた係数Kが記憶されている。ここで、係数Kは、ディーゼルエンジン2のフリクショントルクTfを打ち消すために必要な燃料の追加噴射量Qaddを求めるために用いられる。また、フリクショントルクTfが負の値であるため、この係数Kも負の値とする。
【0055】
以下、本発明の第2の実施の形態に係る特徴的な構成について説明する。
エンジンECU22のCPU24は、ディーゼルエンジン2のフリクショントルクTfを算出するようになっている。具体的には、CPU24は、予め定められた慣性モーメントIと緊急ブレーキが操作されていると判定した後のディーゼルエンジン2のクランクシャフト15における角速度変化の最小値dω_tminとに基づいて、フリクショントルクTfを算出するようになっている。すなわち、CPU24は、本発明のフリクショントルク算出手段を構成する。
【0056】
次に、動作について説明する。
図4は、本発明の第2の実施の形態に係るエンジンECUのCPUの動作を示すフロー図である。なお、以下に説明する処理は、予めROM26に記憶されているプログラムによって実現され、エンジンECU22のCPU24によって所定の時間間隔で行われる。
【0057】
図4に示すように、まず、CPU24は、ブレーキセンサ34からのブレーキ信号に基づいてブレーキペダルが操作されたか否かを判定し(ステップS1)、ブレーキペダルが操作されていないと判定した場合(ステップS1でNOの場合)、処理を終了する。
【0058】
一方、CPU24は、ブレーキペダルが操作されたと判定した場合(ステップS1でYESの場合)には、緊急ブレーキが操作されているか否かを判定する(ステップS2)。
【0059】
CPU24は、緊急ブレーキが操作されていると判定した場合(ステップS2でYESの場合)、ディーゼルエンジン2のクランクシャフト15における最新の角速度変化の最小値dω_tminを算出する(ステップS21)。
【0060】
具体的には、まず、CPU24は、クランクシャフト15が10度回転する毎にクランク角センサ27から出力されるパルス信号により、クランクシャフト15が10度回転するのに要するパルス間の時間Δtを取得する。次に、CPU24は、パルス間の時間Δtを用いて、パルス間の角速度ω(rad/s)を以下の式(1)により算出する。
(式1)
ω=(10/360)×2π/Δt (1)
【0061】
次に、CPU24は、前回のパルス間の角速度ω0を用いて、角速度変化dω_t(rad/s)を以下の式(2)により算出する。
(式2)
dω_t=(ω−ω0)/Δt (2)
【0062】
次に、CPU24は、前回までの角速度変化の最小値dω_tmin0と算出した角速度変化dω_tとを比較することにより、最新の角速度変化の最小値dω_tminを決定する。
【0063】
次に、CPU24は、予め定められた慣性モーメントIと最新の角速度変化の最小値dω_tminとを用いて、次回噴射時におけるディーゼルエンジン2のフリクショントルクTfを以下の式(3)により算出する(ステップS22)。このとき、最小値dω_tminを最小値dω_tmin0に入力する。
(式3)
Tf=I×dω_tmin (3)
【0064】
次に、CPU24は、ロックアップクラッチ20が解放状態となったか否かを判定する(ステップS3)。ここで、CPU24は、ロックアップクラッチ20が解放状態となっていないと判定した場合(ステップS3でNOの場合)、処理を終了する。
【0065】
一方、CPU24は、ロックアップクラッチ20が解放状態となったと判定した場合(ステップS3でYESの場合)には、エンスト防止制御フラグxescenstをオンにしてエンスト防止制御を開始し(ステップS4)、ステップS6に移行する。
【0066】
また、CPU24は、ステップS2において、緊急ブレーキが操作されていないと判定した場合(ステップS2でNOの場合)、RAM25を参照してエンスト防止制御フラグxescenstがオンであるか否かを判定する(ステップS5)。
【0067】
ここで、CPU24は、エンスト防止制御フラグxescenstがオンであると判定した場合(ステップS5でYESの場合)、ステップS6に移行し、エンスト防止制御フラグxescenstがオフであると判定した場合(ステップS5でNOの場合)には、処理を終了する。
【0068】
次に、CPU24は、エンスト防止制御を開始してからの時間を表す制御経過時間Tcが予め定められた時間Tt未満であるか否かを判定する(ステップS6)。ここで、CPU24は、制御経過時間Tcが予め定められた時間Tt未満であると判定した場合(ステップS6でYESの場合)、予め定められた係数KとフリクショントルクTfとを用いて、追加噴射量Qaddを以下の式(4)により算出する(ステップS23)。
(式4)
Qadd=K×Tf (4)
【0069】
次に、CPU24は、制御経過時間Tcを算出し(ステップS8)、処理を終了する。一方、CPU24は、制御経過時間Tcが予め定められた時間Tt以上である場合(ステップS6でNOの場合)には、追加噴射量Qaddを0に決定する(ステップS9)。
【0070】
次に、CPU24は、制御経過時間Tcを0にして初期化し(ステップS10)、エンスト防止制御フラグxescenstをオフにして(ステップS11)、処理を終了する。このとき、CPU24は、角速度dωや角速度変化の最小値dω_tminも0にして初期化する。
【0071】
以上のように、本実施の形態に係るCPU24によれば、ディーゼルエンジン2のフリクショントルクTfに基づいて追加噴射量Qaddを算出するため、ディーゼルエンジン2に供給する噴射量を、フリクショントルクTfを打ち消してエンジンストールを防止するために必要な量とすることができる。したがって、車両1の燃費をさらに向上させることができる。
【0072】
また、本実施の形態に係るCPU24によれば、車両1が走行している場合のクランクシャフト15の回転と逆方向に作用するトルクをフリクショントルクTfとして算出するため、エンジンストールを確実に防止することができる。
【0073】
また、本実施の形態に係るCPU24によれば、フリクショントルク算出時の角速度変化dω_tが大きい場合であっても、増加させる噴射量が過少となることを回避することができる。したがって、エンジンストールを確実に防止することができる。
【0074】
なお、本実施の形態においては、CPU24は、追加噴射量Qaddを式(4)により算出するようにしているが、これに限らず、フリクショントルクTfと追加噴射量Qaddの算出直前の角速度ωとに基づいて追加噴射量Qaddを決定するようにしてもよい。
【0075】
この場合、ROM26には、フリクショントルクTfおよび角速度ωと追加噴射量Qupとが対応付けられた図5に示す追加噴射量決定マップが記憶されている。図5は、本発明の第2の実施の形態に係る追加噴射量決定マップを説明するための説明図である。図5に示すように、フリクショントルクTfと角速度ωとに基づいて追加噴射量Qupが一意に決まることになる。したがって、CPU24は、ROM26に記憶されている追加噴射量決定マップを参照して、フリクショントルクTfと角速度ωとに基づいて追加噴射量Qupを決定する。ここでは、追加噴射量Qupの算出直前の角速度ωを用いたが、一定区間の角速度ωの平均値を用いてもよい。
【0076】
また、本実施の形態においては、CPU24は、制御経過時間Tcが予め定められた時間Ttを超えるまでエンスト防止制御を継続させているが、これに限らず、ディーゼルエンジン2がアイドル状態を維持するために必要なエネルギーEaと噴射量を増加させた場合に得られるトルクTaとに基づいて時間Ttを算出し、制御経過時間Tcが算出した時間Tt以上となるまでエンスト防止制御を継続させるようにしてもよい。なお、この制御は、第2の実施の形態のみならず、第1の実施の形態においても適用することができる。
【0077】
これにより、噴射量を増加させたときの1回の燃焼によりディーゼルエンジン2がアイドル状態を維持できない場合であっても、エンジンストールを確実に防止することができる。さらに、エンジンストールを防止するために必要な時間だけ噴射量を増加させるので、車両1の燃費を向上させることができる。
【0078】
この場合、まず、CPU24は、算出した追加噴射量Qadd、基本噴射量Qbおよび予め定められた係数Kを用いて、以下の式(5)により、ディーゼルエンジン2に与えられるトルクTaを算出する。
(式5)
Ta=(Qb+Qadd)/K (5)
なお、CPU24は、噴射量(=Qb+Qadd)およびエンジン回転数とトルクTaとが対応付けられたマップを用いて、トルクTaを決定するようにしてもよい。
【0079】
次に、CPU24は、トルクTaを一定として、このトルクTaがt秒間に与えるエネルギーEを以下の式(6)により算出する。
(式6)
E=Ta×t (6)
次に、CPU24は、エンスト防止制御をしない場合の角速度ωnおよびアイドル状態時の角速度ωを用いて、以下の式(7)によりアイドル状態を維持するために必要なエネルギーEaを算出する。
(式7)
Ea=I×(ω−ωn) (7)
なお、角速度ωnは、エンスト防止制御前の角速度ω1、最新の角速度変化の最小値dω_tminおよびクランクシャフト15が180度回転するのに必要な時間t0を用いて以下の式(8)により算出することができる。ここで、時間t0は、角速度ω1でクランクシャフト15が180度回転すると仮定して、角速度ω1を用いて算出することができる。
(式8)
ωn=ω1+dω_tmin×t0 (8)
【0080】
E=Eaの場合に得られるtが時間Ttとなるため、CPU24は、以下の式(9)により時間Ttを算出する。
(式9)
Tt=(ω−ωn)×I/Ta (9)
なお、式(9)による算出結果が負である場合、CPU24は、アイドル状態を維持することができるため、エンスト防止制御を終了させるようにしてもよい。
【0081】
また、CPU24は、アイドル状態を維持するために必要なエネルギーEaから1回の爆発毎にエネルギーΔErを減算し、減算した結果が負となった場合にエンスト防止制御を終了させるようにしてもよい。
【0082】
この場合、まず、CPU24は、爆発間の時間Δt1およびトルクTaを用いて、式(10)により時間Δt1で与えられるエネルギーΔErを算出する。なお、時間Δt1は、エネルギーΔEr算出直前の角速度を用いて算出することができる。
(式10)
ΔEr=Ta×Δt1 (10)
ここで、トルクTaは、以下の式(11)により算出される。このトルクTaは、基本噴射量Qbがエンジン回転数の関数であるため、爆発毎に異なる。
(式11)
Ta=(Qb+Qadd)/K (11)
また、CPU24は、噴射量(=Qb+Qadd)およびエンジン回転数とトルクTaとが対応付けられたマップを用いて、トルクTaを決定するようにしてもよい。
【0083】
次に、CPU24は、アイドル状態を維持するために必要なエネルギーEaから1回の爆発毎にエネルギーΔErを減算し、減算した結果を新たなエネルギーEaとする。そして、CPU24は、エネルギーEaが負となった場合にエンスト防止制御を終了させる。
【0084】
以上、説明したように、本発明は、内燃機関のストールを防止するとともに車両の燃費を向上させることができるという効果を有するものであり、筒内に燃料を直接噴射する燃料噴射手段を備え、希薄燃焼が可能な内燃機関の燃料噴射制御装置に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るエンジンおよびその制御装置を示す概略構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るCPUの動作を示すフロー図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る各要素のタイミングチャートである。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係るCPUの動作を示すフロー図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る追加噴射量決定マップを説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0086】
1 車両
2 ディーゼルエンジン(内燃機関)
3 自動変速機
4 電子制御装置
13 燃料噴射弁(燃料噴射手段)
20 ロックアップクラッチ
21 ロックアップリレーバルブ
22 エンジンECU
24 CPU(緊急ブレーキ操作判定手段、ロックアップクラッチ解放判定手段、燃料量増加手段、フリクショントルク算出手段、燃料増加量算出手段、燃料量増加時間算出手段)
25 RAM
26 ROM
27 クランク角センサ
28 車速センサ
29 アクセル開度センサ
30 アクセルペダル
34 ブレーキセンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒内に燃料を直接噴射する燃料噴射手段を備え、希薄燃焼が可能な内燃機関の燃料噴射制御装置であって、
緊急ブレーキが操作されているか否かを判定する緊急ブレーキ操作判定手段と、
前記緊急ブレーキ操作判定手段により緊急ブレーキが操作されていると判定された場合に、前記内燃機関と自動変速機とを直結可能なロックアップクラッチが解放されたか否かを判定するロックアップクラッチ解放判定手段と、
前記ロックアップクラッチ解放判定手段により前記ロックアップクラッチが解放されたと判定された場合に、前記燃料噴射手段により噴射される燃料の量を増加させる燃料量増加手段と、を備えたことを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
【請求項2】
前記内燃機関のフリクショントルクを算出するフリクショントルク算出手段と、
前記フリクショントルク算出手段により算出されたフリクショントルクに基づいて、前記燃料量増加手段により増加される燃料の量を算出する燃料増加量算出手段と、をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
【請求項3】
前記フリクショントルク算出手段が、予め定められた慣性モーメントと前記緊急ブレーキ操作判定手段により緊急ブレーキが操作されていると判定された後の前記内燃機関のクランクシャフトにおける角速度変化とに基づいて、前記フリクショントルクを算出することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
【請求項4】
前記角速度変化が、前記緊急ブレーキ操作判定手段により緊急ブレーキが操作されていると判定された後の前記内燃機関のクランクシャフトにおける角速度変化の最小値であることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
【請求項5】
前記内燃機関がアイドル状態を維持するために必要なエネルギーと前記燃料量増加手段により増加した燃料の量で発生するトルクとに基づいて、前記燃料量増加手段により燃料の量を増加させる時間を算出する燃料量増加時間算出手段をさらに備え、
前記燃料量増加手段が、前記ロックアップクラッチ解放判定手段により前記ロックアップクラッチが解放されたと判定された後に、前記緊急ブレーキ操作判定手段により緊急ブレーキが操作されていないと判定された場合、前記燃料量増加時間算出手段により算出された時間を経過するまで前記燃料噴射手段により噴射される燃料の量を増加させることを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れか1の請求項に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−138670(P2009−138670A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−317263(P2007−317263)
【出願日】平成19年12月7日(2007.12.7)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】