説明

内腔内の選択された位置へ医療用デバイスを移送するための方法およびシステム

患者の体の内腔内の選択された位置へ、カテーテルに結合された医療デバイスを移送するための方法であって、選択された位置を表す位置データを受信し、前記位置データが前記内腔の画像に関連付けられ、前記画像が座標系に関連付けられ、前記座標系が医療用位置決めシステム(MPS)にさらに関連付けられるステップと、前記座標系内で前記選択された位置の座標を決定するステップと、前記医療デバイスの近傍で前記カテーテルに取り付けられたMPSセンサの出力に従って、MPS座標系内での前記医療デバイスの現在位置を決定するステップと、前記選択された位置に対する前記現在位置に従って、前記選択された位置へ向かって、前記内腔を通って前記医療デバイスを操縦するステップと、前記現在位置が前記選択された位置と実質上一致したとき、通知出力を作成するステップとを含む方法。
【その他】 本願に係る特許出願人の国際段階での記載住所は「イスラエル国 31053 ハイファ ピー オーボツクス 15003 アドヴァンスト テクノロジー センター」ですが、識別番号503293189を付与された国内書面に記載の住所が適正な住所表記であります。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示された技術は、一般に医療手術、および特に患者の体内にステントを装着するための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
患者の体内の閉塞した血管は、たとえば、バルーンを膨張させること(すなわち、血管形成術)により、閉塞物質(たとえば血管の内膜)を切断することによってクリアされる。この切断動作は、新しい組織細胞の生成を生じさせ、それによって、血管を通る通路を再び収縮させる、血管内の治癒プロセスを開始する。組織細胞の成長は、手術の後2、3ヶ月の期間にわたって生じる。長期間通路を開いたままに保持し、かつ治療の結果として組織細胞が成長することを防止するために、その壁がワイヤメッシュの形態である剛性の薄壁チューブ(すなわちステント)が、血管内の、血管の切断された部分内に装着される。
【0003】
血管を切断した後、ステントカテーテルを血管内の所望の位置へ操縦するための方法およびシステムが、当技術分野で知られている。たとえば、1組の陽性造影マーカバンドが、ステントの近くのカテーテルに取り付けられ、それによって、医師が、血管の実時間X線画像内でマーカバンドを見ることによって、カテーテルをナビゲートすることが可能になる。別の場合、医師は、ステントの近くのカテーテルに取り付けられた、医療用位置決めシステム(MPS)センサによって得られる位置および方向データに従って、実時間X線画像上でステントの位置および方向の表現を見ることができる。
【0004】
Ackerに対して発行された、「Guided Deployment of Stent」という題名の米国特許第5,928,248号は、患者の管状構造内にステントを付加するための装置に関する。装置は、カテーテル、ハブ、圧力制御デバイス、バルーン、ステント、プローブフィールドトランスデューサ、複数の外部フィールドトランスデューサ、フィールド送受信デバイス、コンピュータ、入力デバイスおよび陰極線チューブを含む。カテーテルは、孔を備える。ハブが、カテーテルの近端部に固定されている。バルーンが、カテーテルの遠端部に固定されている。圧力制御デバイスが、ハブおよび孔を通ってバルーンに接続されている。ステントは、形状記憶合金製であり、バルーン上に配置されている。
【0005】
プローブフィールドトランスデューサは、カテーテル内に、その遠端部に配置されている。外部フィールドトランスデューサは、患者の外部に配置されている(たとえば、患者を支持しているベッドと接続されている)。フィールド送受信デバイスが、外部フィールドトランスデューサ、プローブフィールドトランスデューサおよびコンピュータと接続されている。コンピュータは、陰極線チューブと、および入力デバイスと接続されている。
【0006】
ユーザは、外部フィールドトランスデューサを採用することによって、基準の外部フィールド内でフィールド送受信デバイスを較正する。フィールド送受信デバイスはコンピュータとともに、基準の外部フィールド内でプローブフィールドトランスデューサの位置および方向を決定する。ユーザは、陰極線チューブ上で、患者の管状構造内に配置されたステントの表現の位置および方向を見る。ユーザが、遠端部が、管状構造内の所望の位置に配置されていることを判定したとき、ユーザは、圧力制御デバイスを操作し、バルーンを膨張させることによってステントを拡張させ、それによってステントを所望の位置に配置する。
【0007】
Makowerに対して発行された、「Device,System and Method for Interstitial Transvascular Intervention」という題名の米国特許第5,830,222号は、隣接する無傷の血管を通って病変した血管への経皮的なアクセスを得るための方法に関する。この方法を使用すると、心臓静脈などの無傷の血管を通って、冠状動脈などの病変した血管をバイパスすることが可能である。病変した血管は、流れを制限する閉塞部を含んでいることがある。ガイドカテーテルが、心臓の右心房内で、大静脈を通って冠状静脈洞内へ進行される。血管横断間質手術(TVIS)ガイドカテーテルが、ガイドカテーテルを通って挿入され、第1のガイドワイヤ上を、心臓静脈を通って冠状動脈に隣接する所望の位置まで進行される。
【0008】
TVISガイドカテーテルは、バルーンと、TVISプローブと、能動型方向検知手段および受動型方向検知手段のいずれか、または両方を備える。TVISプローブは、組織内に挿入されることが可能である剛性のワイヤ、アンテナ、光ガイドまたはエネルギーガイドである。受動型方向検知手段は、TVISプローブの位置および方向の、X線、蛍光透視法、磁気または超音波検知を可能にする。能動型方向検知手段は、送信器である。第2のガイドワイヤが、心臓静脈に隣接する冠状動脈内に挿入される。ここで、第2のガイドワイヤは、能動型方向検知手段によって放出された信号を受信するための小さい受信機を備える。第2のガイドワイヤは、受信機によって検知された信号をオペレータに戻すことが可能であるワイヤ束をさらに備え、それによって、オペレータがTVISプローブの配置および位置を決定することが可能になる。
【0009】
TVISガイドカテーテルの方向が確定されたとき、バルーンが、流れを遮断し、心臓静脈内でTVISガイドカテーテルを安定させ、通路を膨張させるために、心臓静脈の壁に接して膨張される。TVISプローブが次に、心臓静脈の壁を通って冠状動脈内へ進行され、それによって冠状動脈の病変した部画をバイパスする。
【0010】
「Method and Apparatus for Real Time Quantitative Three−Dimentional Image Reconstruction of a Moving Organ and Intra−Body Navigation」という題名の米国特許公開第20020049375号は、患者の心拍によって生じる内腔の運動を考慮しながら、外科用カテーテルが挿入される患者の内腔の画像を表示するためのシステムに関する。システムは、外科用カテーテル、撮像カテーテル、撮像システム、医療用位置決めシステム(MPS)、送信器、身体MPSセンサ、プロセッサ、複数の心電図(ECG)電極、ECGモニタ、データベースおよびディスプレイを備える。外科用カテーテルは、その先端に配置されたカテーテルMPSセンサを備える。撮像カテーテルは、撮像MPSセンサおよび撮像検知器を備え、両者は、撮像カテーテルの先端に配置されている。
【0011】
ECG電極が、患者の体に、およびECGモニタに取り付けられている。身体MPSセンサが、患者の体に、およびMPSに取り付けられている。プロセッサが、撮像システム、MPS、ECGモニタ、データベースおよびディスプレイに結合されている。MPSは、送信器に結合されている。走査手順中、MPSは、撮像MPSセンサに結合される。外科手順中、MPSは、カテーテルMPSセンサに結合される。撮像システムは、撮像検知器に結合される。撮像MPSセンサおよびカテーテルMPSセンサは、それぞれ撮像カテーテルおよび外科カテーテルの先端の位置および方向を表す信号をMPSへ送信する。
【0012】
走査手順中、オペレータが撮像カテーテルを内腔内へ挿入して、その中で進行させ、一方撮像検知器が、内腔の内壁を走査し、検知された2次元画像を撮像システムへ送信する。プロセッサが、2次元画像に従って、およびMPSによって決定された撮像カテーテルの先端の座標に従って複数の3次元画像を再構成し、一方、プロセッサが、各3次元画像を患者の心臓のそれぞれの活動状態と関連付ける。
【0013】
外科手順中、オペレータが、外科用カテーテルを内腔内へ挿入し、カテーテルMPSセンサが、外科用カテーテルの先端の位置および方向を表す位置信号をMPSへ送信する。オペレータが、外科用カテーテルを内腔内で移動させると、プロセッサが、データをデータベースから取り出すことによって、および外科用カテーテルの先端の現在位置および方向および患者の心臓の現在の活動状態に従って、内腔の3次元画像のシークエンスを決定する。ディスプレイが、プロセッサから受信されたビデオ信号に従って、3次元画像を次々に表示する。
【0014】
LaFontaine他に発行された、「Percutaneous Bypass with Branching Vessel」という題名の米国特許第6,035,856号は、大動脈の分岐血管の第1閉塞部にバイパスを行うための方法に関する。第1閉塞部を含む冠状動脈、および分岐血管が、大動脈から分岐している。標準的なガイドカテーテルが、大動脈を通って分岐血管の口まで進行される。閉塞形成デバイスが、分岐血管内に第2の閉塞部を作成するために、ガイドカテーテルを通って分岐血管内へ進行される。閉塞デバイスは、細長部分と加熱されたバルーンを備える。
【0015】
閉塞形成デバイスが、ガイドカテーテルを通って大動脈から取り外され、切断デバイスが、第2の閉塞部に対して近位のガイドカテーテルを通って進行される。切断デバイスは、細長い部材、操縦可能なガイドワイヤ、近位閉塞部バルーン、遠位バルーン、ステント、切断刃、磁気材料の第1部片および送信器を備える。切断刃が、遠位バルーンに対して遠位に配置され、磁気材料の第1部片が、切断刃と遠位バルーンの間に配置され、かつ送信器が、遠位バルーン内に配置される。遠位バルーンがステント内に配置される。送信器が無線周波数信号を放出する。
【0016】
分岐血管の壁が、切断刃を使用することによって切断される。遠位バルーンが、分岐血管の切断が完了した後、分岐血管を閉塞させるために、膨張された位置に保持される。分岐血管の切断された端部が、操縦可能なガイドワイヤを操縦することによって、または磁気材料の第2の部片によって磁気材料の第1の部片を操作することによって、第1の閉塞部に対して遠位の冠状動脈の領域に向かって操縦される。ここで磁気材料の第2の部片は、患者の体の外部に配置されている。
【0017】
送信器の真の位置および相対位置、およびしたがって分岐血管の切断された端部の位置が、三角測量座標マッピングシステムを採用することによって決定される。三角測量座標マッピングシステムは、患者の体の外部に配置された3つの基準電極を備える。基準電極のうちの2つが、心臓の両側に配置され、第3の電極が背中に配置される。3つの基準電極が、送信器上で三角測量するために使用される。
【0018】
分岐血管の切断された端部が正確に位置決めされたとき、切断刃を採用することによって第1の閉塞部に対して遠位の冠状動脈内に開口が形成される。分岐血管の切断された端部が、開口を通って冠状動脈内に挿入され、遠位バルーンを膨張させることによってステントが膨張され、それによって、分岐血管の切断された端部を冠状動脈の内腔に取り付ける。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
患者の体の内腔内の選択された位置へ医療デバイスを移送するための新規な方法およびシステムを提供することが、開示された技術の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0020】
開示された技術によると、患者の体の内腔内の選択された位置へ、カテーテルに結合された医療デバイスを移送するための方法がこのようにして提供される。前記方法は、前記選択された位置を表す位置データを受信し、前記位置データが前記内腔の画像に関連付けられ、前記画像が座標系に関連付けられ、前記座標系が医療用位置決めシステム(MPS)にさらに関連付けられるステップを含む。
【0021】
前記方法は、前記座標系内で前記選択された位置の座標を決定するステップと、前記医療デバイスの近傍で前記カテーテルに取り付けられたMPSセンサの出力に従って、MPS座標系内での前記医療デバイスの現在位置を決定するステップとをさらに含む。前記方法は、前記選択された位置に対する前記現在位置に従って、前記選択された位置へ向かって、前記内腔を通って前記医療デバイスを操縦するステップと、前記現在位置が前記選択された位置と実質上一致したとき、通知出力を作成するステップとをさらに含む。
【0022】
開示された技術の別の態様によると、患者の体の内腔内の選択された位置へ医療デバイスを移送するためのシステムであって、前記医療デバイスがカテーテルに取り付けられているシステムが、このようにして提供される。前記システムは、前記選択された位置を表す位置データを受信し、前記位置データが前記内腔の画像に関連付けられ、前記画像が座標系に関連付けられ、前記座標系が医療用位置決めシステム(MPS)にさらに関連付けられるユーザインターフェイスを備える。
【0023】
前記システムは、前記医療デバイスの近傍で前記カテーテルに取り付けられたMPSセンサの出力に従って、前記座標系内で、前記内腔内の前記医療デバイスの現在位置を決定するためのMPSをさらに備える。前記システムは、前記ユーザインターフェイスとおよびMPSに結合されたプロセッサをさらに備える。前記プロセッサは、前記位置データに従って前記座標系内で前記選択された位置の座標を決定する。前記プロセッサは、前記現在位置が前記選択された位置と実質上一致すると判定したとき通知出力を作成する。
【0024】
開示された技術は、図面と相まって行われる以下の詳細な説明からより完全に理解され、明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
開示された技術は、医療デバイス(たとえば、PCIデバイス、膨張バルーン、ステント移送システム)が移送されなければならない位置を内腔の画像上で図形的に表すこと、および医療デバイスが選択された位置に到達したときを示すことによって、従来技術の欠点を克服する。医療デバイスは、カテーテルの先端に取り付けられる。医療用位置決めシステム(MPS)センサが、選択された位置に対する医療デバイスの位置を常に検知する。この位置は、実時間画像(たとえばライブ蛍光透視法)、擬似実時間画像(たとえば、前に記録されたシネループ)または前に記録された内腔の静止画像フレーム上で表され、それによって、患者の検査される器官を繰返し照射する、もしくは患者の体に造影剤を繰返し注入する必要性を防ぐ。医療スタッフは、ディスプレイ、音声出力などの適切なユーザインターフェイスからのフィードバックに従って手動でカテーテルをガイドすること、またはカテーテルを選択された位置へ向かって自動的にガイドするカテーテルガイディングシステムを活動化させることのいずれかをすることができる。
【0026】
以下の本明細書での「位置」という用語は、空間内の点の位置、空間内の点の方向、またはそれらの組合せを称する。以下の本明細書での「内腔」という用語は、動脈、静脈、心臓血管、脳血管、泌尿生殖器系の一部、腎臓系、肝臓系、気管支系などの人間の患者または手術される動物の器官の管状構造を称する。以下の本明細書での「医療デバイス」という用語は、患者の体の内腔内で最小の侵襲手術を行うために採用されるものを称する。医療デバイスは、膨張バルーンなどの血管拡張ユニット、ステント移送システム、バルーン膨張ステント、自己膨張ステント、経皮的弁システム、経皮的冠状動脈形成(PCI)デバイス、レーザーなどの切除ユニット、低温流体ユニット、電気インパルスユニット、切断バルーン、回転式アテローム切除ユニット(すなわち、ロータブレータ)、指向性アテローム切除ユニット、経管吸引ユニット、被覆または薬剤溶出金属ステントなどの物質投与ユニット、生体吸収性ステント、薬剤投与バルーン、近接照射療法ユニット、ガイドワイヤなどであってよい。以下の本明細書での「ステント」および「PCIデバイス」という用語は、「医療デバイス」の2つの異なる例として提供されていることに注意されたい。
【0027】
以下の本明細書での「器官タイミング信号」という用語は、心臓の心臓サイクルまたは肺の呼吸サイクルを表す信号を称する。器官タイミング信号は、ECGモニタ、呼吸速度モニタなどの従来の方法を使用して抽出されることができ、以下の本明細書で「器官タイミング信号モニタ」と称される。別法として、器官タイミング信号は、心臓または呼吸サイクルによる内腔の運動を測定することによって得られることができる。心臓または呼吸サイクルによる内腔の運動は、カテーテルに取り付けられたMPSセンサによって測定されることができる。この場合、MPSが、図9と相まって以下の本明細書で説明される方法により、それぞれの器官タイミング信号を決定する。
【0028】
以下の本明細書での「シネループ」という用語は、患者の検査される器官の実時間器官タイミング信号と同調して何度も繰返し(すなわちループで)再生される、内腔の2次元画像の事前に記録されたシークエンスを称する。2次元画像は、X線蛍光透視、Cアームなどの2次元画像取得デバイスによって取得され、画像取得のときに検査される器官のそれぞれの活動状態に関連付けられながら個別に保管される。それぞれの場合、患者の体内に注入された造影剤が活動状態にある間に2次元画像を得ることによって血管造影図が作成される。以下の本明細書での「透視図」という用語は、異なる視角から取得された、異なるタイプの画像取得デバイスによって取得された、実質上同一のタイプの複数の画像取得デバイスによって取得された、またはそれらの組合せの内腔の画像を称する。
【0029】
以下の本明細書での「画像シークエンス」という用語は、プロセッサに結合された画像取得デバイスによって取得された患者の内腔の画像のシークエンスを称する。システムが複数の画像取得デバイスを備える場合、各画像取得デバイスが、異なる組の画像シークエンスを取得する。プロセッサは、画像シークエンスの1つの中から画像を選択することによって、内腔の静止画像を作成することができる。画像シークエンスは、2次元であってよい(すなわち、2次元画像取得デバイスによって取得されてよい)。以下の本明細書での「ナビゲーション画像」という用語は、カテーテルを内腔系内で操作するためにオペレータが見る画像を称する。ナビゲーション画像は、2次元または3次元のいずれかであってよい。ナビゲーション画像は、内腔系の静止画像、実時間画像、またはシネループのいずれかであってよい。
【0030】
別法として、画像シークエンスは3次元であってもよい。この場合、プロセッサが、検査される器官の器官タイミング信号に従って、およびMPSがMPSセンサの出力に従って決定する各2次元画像の座標を表す位置データに従って、複数の2次元画像を再構成することによって、3次元画像シークエンスを作成する。プロセッサは、画像シークエンスの1つの中から画像を選択することによって、内腔の静止画像(すなわち、2次元または3次元のいずれか)を作成することができる。
【0031】
図1A、1B、2A、2B、3Aおよび3Bをここで参照する。図1Aは、開示された技術の実施形態に従って構成され、かつ動作可能である、患者の体の内腔系の2次元画像上での医療デバイスの表現を表示している、全体が100で参照されるグラフィカルユーザインターフェイス(GUI)の概略図である。図1Bは、開示された技術の別の実施形態に従って構成され、かつ動作可能である、図1Aの内腔系の内腔の3次元画像上での医療デバイスの別の表現を表示している、全体が102で参照されるGUIの概略図である。図2Aは、図1Aの2次元画像上で、内腔系内の選択された位置を表す1組のマークと、選択された位置へ向かって進行している医療デバイスの現在位置の表現を表示している、図1AのGUIの概略図である。図2Bは、図1Bの3次元画像上で、図2Aの組のマークと等しいマークの別の組、および医療デバイスの現在位置の別の表現を表示している、図1BのGUIの概略図である。図3Aは、医療デバイスが選択された位置に到達したときの図1AのGUIの概略図である。図3Bは、医療デバイスが選択された位置に到達したときの図1BのGUIの概略図である。
【0032】
図1Aを参照すると、患者の体(図示せず)の内腔系(たとえば冠状動脈、図示せず)が、複数の2次元画像取得デバイス(図示せず)によって撮像され、オペレータ(すなわち医療スタッフ)がカテーテル(図示せず)を内腔系内に挿入する。GUI100は、それぞれの2次元画像取得デバイスによって検知されるような、内腔系の2次元画像104を含んでいる。
【0033】
2次元画像104は、X線蛍光透視図(すなわち、血管造影図)、超音波画像、光干渉断層検知器OCTによって検知された画像などであってよい。X線蛍光透視図すなわち血管造影図の場合、造影剤が内腔系内に存在する間に、内腔系から取得された2次元画像104は実時間画像である。超音波画像は、同じ内腔系内でのカテーテルの引戻し中に取得される。これは、バーチャル血管内超音波(すなわち、バーチャルIVUS)画像として当技術分野で知られている。バーチャルIVUS画像は、内腔系の実時間画像とともに表示されることができる。バーチャルIVUS画像は、内腔系の静止画像、またはそのシネループ(すなわち、画像シークエンス)のいずれかであってよい。内腔系のバーチャルIVUS画像は、カテーテルの先端に配置されたMPSセンサ(図示せず)によって検知されるような、内腔系内でのカテーテルの現在位置に対応する。このバーチャルIVUS画像は、患者の器官(図示せず)の器官タイミング信号の選択された位相で表示されてよい。このため、2次元画像104は、実時間画像、静止画像、またはシネループのいずれかであってよい。
【0034】
シネループは、実時間画像とは異なる視角から取得され、それによってオペレータに、内腔系の同じ部分の、ある視角からの内腔系の実時間画像と、異なる視角からのシネループ(すなわち、ナビゲーション画像)を提供してよい(すなわち、二平面モードオペレーション)。別法として、二平面モードが、2つの異なる視角からそれぞれ取得された2つのシネループを含み、それによって2つの異なる視角から取得された2つのシネループをオペレータに提供してもよい。2つ以上の異なる視角から2つ以上の異なる組の画像が採用され、それによって多平面オペレーションモードを可能にしてもよいことに注意されたい。
【0035】
2次元画像104は、内腔系の静止画像(すなわち、オペレータが選択するシネループ内の複数の画像の中の画像の1つ)であってよい。この場合、選択された2次元画像は、そのコントラストがたとえば他のすべてよりも良好であり(たとえば、画像内のダークピクセルおよびブライトピクセルの輝度の差が大きい)、医療デバイスが内腔系内でナビゲートされているとき、オペレータが、医療デバイスの選択された位置を示すことか、ステントの実時間表現を見ることのいずれかに十分であるようにして内腔系を描写する画像であってよい。
【0036】
図1Bを参照すると、GUI102は、それを通ってカテーテルが操縦されているGUI100に表示された内腔系の内腔(108で参照される)の3次元画像106を含む。3次元画像106が、当技術分野で知られている技術によって、画像取得段階中に2次元画像取得デバイスによって検知された複数の2次元画像から再構成される。
【0037】
3次元画像106は、検査される器官の実時間器官タイミング信号と同調された、ループで再生された内腔108の3次元シネループ(すなわちナビゲーション画像)である。別法として、3次元画像106は、シネループ内の複数の3次元画像の中から選択された、内腔108の静止画像である。オペレータは、シネループを前方および後方に再生することによって静止画像を選択することができる。さらに別法として、3次元画像106は、検査される器官の選択された活動状態でフリーズされた、内腔108の静止画像である。
【0038】
3次元画像106が、検査される器官(たとえば検査される内腔、図示せず)の運動を表す実時間器官タイミング信号(たとえば心臓サイクル)と同調される。器官タイミング信号は、たとえば、患者に結合されたECGモニタ(図示せず)によって、取得されることができる。別法として、器官タイミング信号(たとえば、患者の心拍または呼吸)は、図9、10Aおよび10Bと相まって以下で本明細書で説明されるように、MPS(図示せず)によって決定されることができる。
【0039】
開示された技術によるシステムは、事前に記録された画像シークエンスのリストから、患者の実時間期間タイミング信号と同調させて、選択された画像シークエンス(それぞれの2次元画像取得デバイスにより検知された2次元画像のシークエンスか、複数の2次元画像、すなわちシネループまたはビデオクリップから再構成された3次元画像のシークエンスのいずれか)を表示することができる。システムは、選択された画像シークエンスの中の静止画像を表示することができる。別法として、システムは、2次元画像取得デバイスの1つによって第1の視角から取得された、検査される器官の実時間2次元画像を、同じ2次元画像取得デバイスか、別の2次元画像取得デバイスのいずれかによって、第2の視角から前に取得され、かつ検査される器官の実時間器官タイミング信号と同調させて再生される、検査される器官のナビゲーション2次元画像シークエンス(すなわち2次元シネループ)と並べて、表示することができる。
【0040】
オペレータは、器官の実時間器官タイミング信号と同調された、前に記録された2次元画像シークエンス(たとえばX線蛍光透視)を見ることができ、それによって、造影剤を繰返し注入すること、および患者およびオペレータが不必要な照射を受けることの必要性をなくすことができる。別法として、システムは、図7と相まって以下で本明細書で説明されるように、器官の選択された活動状態に対する画像(すなわち、静止画像)を表示することができる。
【0041】
MPSセンサ(図示せず)が、カテーテルの先端にしっかりと取り付けられている。3次元画像106が、2次元画像104内の各点が、3次元画像106内のそれぞれの点と対応するように、2次元画像104と見当合わせされる。このようにして、3次元画像106内の各点の座標が、2次元画像104上に投影されることができる。別法として、2次元画像104内の各点が、(たとえば、異なる視角からの一連の2次元画像を取得することによって)3次元画像106に変換されることができる。MPSセンサの実時間表現110(図1A)が、図6Cと相まって以下で本明細書で説明されるように、内腔108に重ね合わされる。MPSセンサの実時間表現112(図1B)が、3次元画像106に重ね合わされる。
【0042】
実時間表現110に加えて、オペレータは、内腔108の実時間2次元画像上で、カテーテルに取り付けられた1つまたは複数の陽性マーカ(たとえば、金属バンド)を見てもよい。この特徴は、内腔108内に造影剤がほとんどまたは全く存在しないとき、または内腔108内の造影剤が気づかれないほどであるときでさえも、オペレータが実時間2次元画像を使用し続けることを可能にする。
【0043】
内腔108を通って進行するときのカテーテルの軌跡114(図1B)が、図6Bおよび6Cと相まって以下で本明細書で説明されるように、GUI102内で構成され、表されている。軌跡114は、MPSセンサによって取得された位置データに従って、内腔108の運動と同調して常に更新される。さらに、このようにして、3次元画像106が、内腔108の座標系に対して表示される。内腔108の運動は、たとえば心拍、呼吸、患者の近くの筋肉の収縮などによって生じる可能性がある。
【0044】
オペレータは、ディスプレイ上にGUI100およびGUI102を交互に表示するようにユーザインターフェイス(図示せず)を介してシステムに命令することができる。ユーザインターフェイスは、図4(D)と相まって以下で本明細書で説明されるように、スイッチ、フットペダルなどであってよい。別法として、ディスプレイは、GUI100およびGUI102を、隣り合わせで同時に表示することができる。さらに別法として、システムは、プロセッサに結合された複数のディスプレイを備え、各ディスプレイが異なる画像シークエンスを表示してもよい。オペレータは、システムに、たとえば、フットペダルを押圧し、それによって各2次元画像取得デバイスを活動化させることによって、内腔系の実時間2次元画像を表示するように命令することができる。別法として、オペレータは、内腔系の実時間2次元画像の代わりに、内腔系の前の2次元シネループを表示するように、ユーザインターフェイスを介してシステムに命令することができる。この場合、システムは、最後に再生された2次元シネループを表示する。システムがシネループ(すなわち、前に記録された、時間タグ付き画像シークエンス)を備えない場合、システムは、最も最近の実時間2次元画像のシネループを表示する。さらに別法として、オペレータは、実時間2次元画像および選択されたシネループを、同じディスプレイ上で隣り合わせに表示するように、システムに命令することができる。
【0045】
GUI100およびGUI102によって、オペレータは、内腔系内の所定の領域に到達するために、カテーテルを手動で操縦する。別法として、図11および12と相まって以下で本明細書で説明されるように、オペレータは、カテーテルを所定の領域へ自動的に操縦するための自動システム(図示せず)を採用することができる。
【0046】
図2Aを参照すると、計画セッション中、オペレータは、医療デバイス(図示せず)が移送されることになる内腔108内の選択された位置として、2次元画像104上で、複数のマーク116、118および120を図形的に示す。オペレータは、内腔108のフリーズした2次元画像上か、内腔108のフリーズした再構成された3次元モデル上のいずれかでマーキングを行う。オペレータは、自動化された2次元または3次元定量的心臓評価(QCA)などに従い、手動でなど様々な方式でマーキングを行う。
【0047】
計画セッション中、複数のディスプレイ(図示せず)のそれぞれ1つが、内腔108の画像上で、内腔108を通って前に操縦されたカテーテルの軌跡の重なりを表示する。軌跡は、2次元画像104または3次元画像106(たとえば軌跡114)のいずれかで表示されることができる。
【0048】
この軌跡は、たとえば、計画セッションの前の撮像セッションに、ガイド式血管内超音波カテーテル(GIVUS、図示せず)を採用することによって、得られることができる。GIVUSは、画像検知器(たとえば、超音波トランスデューサ)をその先端に、およびMPSセンサを画像検知器の近傍に備えるカテーテルである。オペレータは、物理的に可能な限り遠くまで内腔内でGIVUSを操縦し、次に、内腔を通ってGIVUSを引き戻す。引戻し中、画像検知器が、内腔の内側の複数の2次元画像を検知する。
【0049】
システムは、2次元画像のそれぞれを、MPSによって決定された画像検知器のそれぞれの位置と、および検査される器官のそれぞれの活動状態と関連付ける。システムは、引戻し中の軌跡のシネループを決定することができ、オペレータは、計画セッション中に採用されるべきフリーズした軌跡を選択することができる。システムは、GIVUSによって取得された、時間タグを付けられた2次元画像に従って、3次元画像106をさらに再構成することができる。
【0050】
計画セッション中、ディスプレイのそれぞれ1つが、内腔108の画像上にユーザインターフェイスによって連結されたマーク116、118および120を表示する。オペレータは、軌跡(たとえば、図1Bの軌跡114)の全長に沿ってマーク116、118および120をともに移動させることができる。マーク118は、医療デバイスの中央を示し、一方、マーク116および120は、それぞれ、医療デバイスの後端部および前端部を示す。システムは、オペレータが選択したタイプ(たとえばステントのサイズ)に従って、マーク116と120の間の距離を決定する。マーク116、118および120はともに、軌跡上でロックされるが、軌跡に沿って移動するように動作可能である。オペレータは、医療デバイスが移送されることになる軌跡に沿ったマーク118の位置を示す。
【0051】
簡単にするために、図2A、2B、3Aおよび3Bで説明された例での医療デバイスはステントである。この場合、各マーク116、118および120は実質上、内腔108に対して実質上垂直である直線である。たとえば、マーク116および120は、ステントの2つの端部を示し、一方、マーク118はステントの中央を示す。マーク116、118および120は、内腔108内でのステントの位置、ならびにその方向を画定する。マーキングは、ジョイスティック、押しボタン、ポインティングデバイス(たとえば、マウス、スタイラスおよびデジタルタブレット、トラックボール、タッチパッド)などのユーザインターフェイス(図示せず)を介して行われる。
【0052】
マーク116、118および120の相手方である複数のマーク122、124および126がそれぞれ、GUI102の3次元画像106上で同時に表示される。マーキングを行う目的のために、2次元画像104および3次元画像106のそれぞれが、検査される器官(たとえば、心臓)の同じ活動状態でフリーズされる。このフリーズ形態は、内腔108の静止画像を提供し、それによって、画像の振動を防止し、オペレータによるマーキングの成功を可能にする。
【0053】
マークを手動で示す代わりに、(たとえば、内腔内でのプラークによる閉塞の選択された割合をアルゴリズムに入力することによって)選択された位置を自動的に識別し、かつマーク116、118、120、122、124および126を自動的に表示するためのアルゴリズムが採用されることができる。本発明のこの態様は、図8A、8Bおよび8Cと相まって以下で本明細書で説明される。システムは、閉塞データを3次元画像106と関連付け、マーク116、118および120を示す目的で、閉塞データを2次元画像104上に投影する。
【0054】
計画セッションに続く医療操作中、ステント(図示せず)を備えるカテーテルが、内腔108内でマーク116、118および120に向かって操縦される。MPSセンサ(図示せず)が、ステントの近傍でカテーテルに取り付けられている。図2Aおよび2Bを参照すると、ステントの前端部と後端部の位置が、2次元画像104上でそれぞれ形状128および130によって、3次元画像106上でそれぞれ形状132および134によって実時間で表される。図2Aおよび2Bで説明した例では、形状128および130のそれぞれは、各矩形を2つに分割する長手方向線136および138をそれぞれ備える矩形の形態である。カテーテルの実際の軌跡が、3次元画像106上に重ねられた形状140(図2B)によって表される。カテーテルの実際の軌跡は、2次元画像104上に重ねられた別の形状(図示せず)によって表されることができる。
【0055】
医療操作中、システムは、カテーテルが内腔108を通って操縦されている間、内腔108の実時間2次元画像(たとえば血管造影図)上、内腔108の2次元シネループ上、または内腔108のフリーズした2次元画像上のいずれかで、形状128および130をマーク116、118および120と重ね合わせる。また、システムは、カテーテルが内腔108を通って操縦されている間、内腔108の実時間3次元画像上、内腔108の3次元静止画像上、または内腔108のシネループ上のいずれかで、形状132および134をマーク122、124および126と重ね合わせる。さらにまた、システムは、内腔108の実時間2次元画像上、ならびに、実時間2次元画像とは異なる視角から取得された内腔108の1つまたは複数のナビゲーション画像(たとえば、バーチャルIVUS画像−静止画像またはシネループ)上で、形状132および134をマーク122、124および126と重ね合わせる。
【0056】
システムは、オペレータが内腔108内に装着するように選択したステントのタイプ(すなわち、サイズ)に従って、形状128および130の中心(図示せず)の間の距離を決定する。ディスプレイのそれぞれ1つの上に表示されたこの距離は、ステントが内腔108を通って操縦されるとき、実質上固定される。形状128および130は、ステントが内腔108を通って操縦されている間、画像104上で一緒に移動する。ディスプレイのそれぞれ1つは、カテーテル(図示せず)が内腔108を通って操縦されている間、または再生セッション中、患者に医療操作を行った後のいずれかで、軌跡140および142を表示することができる。
【0057】
システムが、検査される器官の実時間器官タイミング信号に従って、内腔108の各画像上で、形状128、130、132および134、およびマーク116、118、120、122、124および126を重ね合わせる(すなわち、システムが、カテーテルが内腔108を通って操縦されている間、検査される器官の運動による内腔108の運動を考慮に入れる)ことに、注意されたい。開示された技術のこの態様は、システムが、オペレータが内腔108に対して最初に示した実質上同じ位置で、内腔108の振動する画像上で、マーク116、118、120、122、124および126を表示することを可能にする。システムがこのように動作しなかった場合、マーク116、118、120、122、124および126は、内腔108の振動する画像に対して静止しないことになる。同様に、形状128、130、132および134は、内腔108の振動する画像に対して実質上静止している。
【0058】
オペレータが、ユーザインターフェイスを介して、マークのいずれかの重なり、ステントの位置の表現、軌跡、またはそれらの組合せの表示をオンまたはオフのいずれかにするようにシステムに命令することができることにさらに注意されたい。いずれかの特性が、色、形状、サイズなどが異なる限り、マークおよびステントの表現を表すように選択されることができる。しかし、マークおよびステントの表現は、2次元画像104および3次元画像106の両方で、同じ特性によって表示される。たとえば、マーク116、118、120、122、124および126は、緑で表され、形状128、130、132および134は、青で表され、軌道140は赤で表される。
【0059】
図3Aおよび3Bを参照すると、カテーテルが内腔108を通って操縦されている間、2次元画像104および3次元画像106のそれぞれが、内腔108の座標系に対して(すなわち、カテーテルに取り付けられ、内腔108と一緒に常に移動するMPSセンサに対して)表示される。ステントが選択された位置に到達した(すなわち、ステントの前端部がマーク120と実質上並び、かつその後端部がマーク116と実質上並んだ)とき、ユーザインターフェイス(たとえば、音声、視覚または触覚デバイス、図示せず)がオペレータに事象を告げる。
【0060】
図3Aで説明された例では、ステントが選択された位置と並んだとき、長手方向線およびマークの各ペアが十字になる(すなわち、長手方向線136とマーク120が1つの十字を形成し、長手方向線138とマーク116が1つの十字を形成する)。また、ユーザインターフェイスが、それぞれ、ステントが選択された位置から遠ざかるとき、または選択した位置に近づくとき、比較的弱い出力、または比較的強い出力を生成することができる。たとえば、ステントとマーク118の間の距離が減少すると、音声信号の音量が増加され、そうでない場合、音量が減少される。選択された位置へ向かって操縦されている間のカテーテルの軌跡が、3次元画像106上に重ねられた、142で参照される形状によって表される(図3B)。
【0061】
図4(A)、(B)、(C)および(D)をさらに参照する。(A)は検査される器官の活動状態Tでの、図1Aの内腔の、全体が144で参照される画像の概略図である。(B)は、活動状態Tでの、図1Aの内腔の、全体が146で参照される別の画像の概略図である。(C)は、活動状態Tでの、図1Aの内腔の、全体が148で参照される別の画像の概略図である。(D)は、(B)の内腔上に重ねられた、図1Aの内腔の内に配置されたカテーテルのMPSセンサの実時間の実質上安定した表現を含む、全体が150で参照されるGUIの概略図であり、GUIは、開示された技術のさらなる実施形態に従って構成され、かつ動作可能である。
【0062】
以下の本明細書の説明での画像144、146および148のそれぞれは、2次元画像または3次元画像のいずれかであってよい。画像144、146および148は、計画セッションの前に取得された、内腔108の画像の組(図1A)に所属する。図4(B)を参照すると、点152によって表された活動状態Tでの内腔108は、活動状態Tでのその位置に対して、負のY軸に沿って距離Sだけ移動している。図4(C)を参照すると、活動状態Tでの内腔は、活動状態Tでのその位置に対して、負のY軸に沿って距離Sだけ移動している。
【0063】
患者の内腔系内に注入される造影剤は、かなり短い時間内腔108内に残存する。この時間の間、画像の組のコントラストが、ピークに向かって徐々に増加し、その後、画像が完全に消滅するまで徐々に減少する。オペレータが、マーク116、118および120(図2A)を示すために、画像144、146および148のうちの1つ(たとえば146)を選択し、その後、画像146上に重ねられた、形状128および130によって表されたカテーテルの実時間の進行を観察する。オペレータは、そのコントラスト比が、画像144および148のコントラスト比よりも大きく、形状128および130が画像144および148においてよりも画像146において最も明確に見ることができるなどの理由で、たとえば画像146を選択する。画像146(図4(D))は、活動状態Tでの内腔108の画像である。
【0064】
別法として、システムは、医療デバイスの実質上静的な実時間表現を、これも実質上静的である内腔108の画像(図示せず)上に重ねるために、検査される器官のサイクル(たとえば心臓サイクル)による内腔108の運動を補償する。この場合、システムが、カテーテルに取り付けられたMPSセンサの座標系で画像を作成する。このため、オペレータは、検査される器官のサイクルによる内腔108の実際の運動にかかわらず、医療デバイスの実時間の実質上静止した表現とともに、内腔108の実質上静止した画像を見ることができる。この技術がないとき、オペレータは、医療デバイスの実時間表現とともに内腔108の不安定に速く振動する画像を見ることになることに注意されたい。これは目を撹乱する。
【0065】
図4(D)を参照すると、GUI150が、活動状態Tでフリーズされた内腔108の画像上に重ねられた医療デバイスの実時間表現154を表示するが、表現154は、活動状態TおよびTを含むすべての活動状態で実質上安定している。この場合、システムは、表示座標系で画像146を作成し、この中で、MPSセンサは実質上静止している(たとえば、ステントが内腔内で移動されるとき、その周囲の様子は変化するが、ステントが画像の中心で固定されている)。開示された技術のこの態様によると、システムは、心臓サイクルによる振動が実質上ない、医療デバイスの実質上静止した表現を表示することが可能であることに注意されたい。このようにして、システムは、カテーテルが内腔108を通って操縦されている間、内腔108の画像の境界内で、その画像上の表現154の重なりを維持する。心臓サイクルによる運動が補償されなかった場合、表現154は、(距離SおよびSにそれぞれ対応する)点156と158の間で不規則に前後に運動し、オペレータを混乱させる。
【0066】
別法として、システムは、内腔108のフリーズされた画像を表す活動状態に対応する医療デバイスの表現のみを重ね、かつ内腔108の他のすべての活動状態を無視することができる。図4(D)を参照すると、システムは、表現154が活動状態Tに対応するときにのみ、表現154を内腔108の画像上に重ねることができる。このタイプの表示は、たとえば、心臓サイクルのかなり速い速度でも、このデータの損失が人間の目には実質上感知できないため、オペレータにかなり満足な視界をさらに提供する。
【0067】
システムは、(たとえばGIVUSを採用することによって)内腔108の内部から取得された、内腔108の一連の時間タグの付いた2次元画像から再構成された3次元画像の組に従って、距離SおよびSを決定することができる。別法として、システムは内腔108の外部から取得された2次元画像の組(たとえば、画像144、146および148)を処理し、かつ比較することによって、距離SおよびSを決定することができる。
【0068】
オペレータは、ユーザインターフェイス(図示せず、たとえばフットペダル)を採用することによって、GUI150と内腔108の実時間2次元画像(たとえば血管造影図)の間で切り替えるようにシステムに命令することができる。オペレータがフットペダルを押圧するとき、2次元画像取得デバイスが、患者の体の一部分を照射し、システムが、GUI150の代わりに実時間2次元画像を表示する。別法として、システムは、GUI150上に実時間2次元画像を重ねることができる。さらに別法として、システムは、GUI150と並べて、実時間2次元画像を表示することができる。
【0069】
開示された技術の別の実施形態に従って動作可能である、患者の体の内腔内の選択された位置へ医療デバイスを移送するための方法の概略図である図5をここで参照する。手順160では、患者の体の内腔内の選択された位置を表す位置データが受信され、位置データが内腔の画像に関連付けられ、画像が座標系に関連付けられ、座標系が医療用位置決めシステム(MPS)にさらに関連付けられる。
【0070】
図2Aを参照すると、システムのプロセッサが、オペレータが2次元画像104上で示す、マーク116、118および120を表す位置データを、ユーザインターフェイスを介して受信する。マーク116、118および120は、医療デバイスが移送されることになる内腔内の選択された位置を示している。マーク116、118および120が、2次元画像104に関連付けられ、2次元画像104が座標系に関連付けられ、座標系がMPSにさらに関連付けられる。プロセッサが、MPS座標系内でのマーク116、118および120の座標を決定する(手順162)。プロセッサが、マーク116、118および120とそれぞれ等しい、MPS座標系内での3次元画像106上でのマーク122、124および126の座標をさらに決定する(手順162)。
【0071】
手順164では、少なくとも1つの画像シークエンスが複数の画像シークエンスから選択され、画像シークエンスのそれぞれが異なる透視図から取得される。プロセッサが、異なる画像取得デバイスによって、異なる視角から、またはその組合せでそれぞれ取得された、複数の画像シークエンスの中から画像シークエンスを選択する。
【0072】
手順166では、MPS座標系内での医療デバイスの現在位置が決定される。図1Aを参照すると、MPSが、MPSセンサの出力に従って、MPS座標系内での医療デバイスの現在位置を決定する。この現在位置が、実時間表現110によって表される。
【0073】
手順168では、選択された画像シークエンスに従って、および患者の器官を表す実時間器官タイミング信号に従って、内腔のナビゲーション画像が作成される。図2Aを参照すると、プロセッサが、手順164でプロセッサが選択する画像シークエンスに従って、および患者の器官(たとえば心臓)の実時間器官タイミング信号に従って、2次元画像104を作成する。別法として、図2Bを参照すると、プロセッサが、同様の方式で3次元画像106を作成する。
【0074】
手順170では、選択された位置を表すマーキング表現、および医療デバイスの現在位置を表す現在位置表現が、ナビゲーション画像上に重ねられ、それによって重ねられた画像を作成する。図2Aを参照すると、プロセッサが、手順168でプロセッサが作成するナビゲーション画像上に、マーク116、118および120を重ね、かつ医療デバイスの現在位置を表す形状128および130をさらに重ねることによって、2次元画像104を作成する。プロセッサは、同様の方式で3次元画像106を作成する。
【0075】
手順172では、カテーテルが、選択された位置に対する医療デバイスの現在位置に従って、選択された位置へ内腔を通って操縦される。図2Aを参照すると、オペレータが、ディスプレイ上の形状128および130、ならびにマーク116、118および120を見ることによって、選択された位置へ向かって、手動でカテーテルを操縦する。別法として、オペレータが、図11と相まって以下の本明細書で説明されるように、選択された位置へ向かって、自動的にまたは半自動的にカテーテルを操縦する。プロセッサが、医療デバイスの現在位置が、選択された位置と実質上一致すると判定したとき、プロセッサが通知出力を作成する(手順174)。
【0076】
開示された技術の別の実施形態によると、手順164が、上記で述べた方法から除去されることができる。この場合、手順168で、プロセッサが、単一の画像シークエンスに従ってナビゲーション画像を作成する。ここでは、オペレータが、異なる視角からまたは異なる画像取得デバイスによって取得された内腔108の異なる画像を見ることはない。開示された技術のさらなる実施形態によると、手順164、168および170がオプションであり、ここでは、手順172が、カテーテルが中で操縦される内腔を表すためのいかなる視覚的な助けもなしで行われる(すなわち、ゼロ視界の計器飛行と類似している)。
【0077】
システム(図示せず)は、2次元画像取得デバイスによって取得された複数の2次元画像に従って、および内腔108の器官タイミング信号に従って3次元画像106を作成し、かつ実時間器官タイミング信号と同調した3次元画像106の画像シークエンスを再生することができる。システムは、シネループのリストから選択された、実時間器官タイミング信号と同調した内腔108のシネループを再生することもできる。システムは、器官タイミング信号の選択された活動状態に対して、2次元画像104または3次元画像106のいずれかを表示することができる(すなわち、画像をフリーズさせる)。
【0078】
システムは、選択されたMPSセンサ(たとえば、カテーテルに取り付けられたMPSセンサ、患者の体に取り付けられたMPSセンサ、または手術台に取り付けられたMPS)の座標系に対して2次元画像104または3次元画像106のいずれかを表示することができる。システムは、シネループシークエンスから選択された静止画像を表示することができる。システムは、ECGモニタによって取得されたデータの代わりに、MPSデータを処理することによって器官タイミング信号を取得することができる。システムは、2次元画像104、または3次元画像106のいずれか、ならびに内腔内でのカテーテルの実際の軌跡上に重ねられた、カテーテルの位置の表現を表示することができる。システムは、選択された割合の閉塞を有する内腔108内のプラークを識別し、マーク116、118および120によってプラークの位置を自動的に示すことができる。
【0079】
2次元画像取得デバイスは、コンピュータ断層撮影(CT)、磁気共鳴映像法(MRI)、陽電子放出断層撮影(PET)、単光子放出コンピュータ断層撮影(SPECT)、蛍光透視法(すなわち、X線機)、Cアーム、ガイド式血管内超音波(GIVUS)、外部超音波、光干渉断層(OCT)検知器などの当技術分野で知られているいかなるタイプのものであってもよい。2次元画像取得デバイスのそれぞれは、患者の体の外部からの(たとえば、Cアーム、CT、MRIを使用することによる)内腔108の2次元画像(図1A)か、内腔108内からの(たとえばGIVUSを使用することによる)内腔108の2次元画像のいずれかを取得する。
【0080】
以下は、内腔の器官タイミング信号の選択された活動状態でのカテーテルの検知された位置に従って、内腔内でのカテーテルの軌跡を再構成することの説明である。このようにして、選択された活動状態に対応する軌跡が、同じ活動状態に対応する内腔の3次元画像とともに表示されることができる。別法として、内腔の実時間3次元画像シークエンスが、対応する軌跡とともに、内腔の器官タイミング信号に従って表示されることができる。
【0081】
図6A、6Bおよび6Cをさらに参照すると、図6Aは、全体が300で参照される、患者のECGの概略図である。図6Bは、開示された技術の別の実施形態に従って構成された、ECG6Aの異なる活動状態を表す、図1Aの内腔内に配置されたカテーテルの先端の軌跡の概略図である。図6Cは、2次元画像取得デバイス、MPSおよびECGモニタから受信された信号を処理することによって、3次元器官運動依存画像シークエンスを再構成し、かつ追加の視覚データをその上に重ねるプロセスの概略図である。追加の視覚データは、内腔内でのカテーテルの位置、内腔内でのカテーテル軌跡などを含んでもよい。
【0082】
ECG300は、複数の心臓サイクル302、304および306のそれぞれでの活動状態T、TおよびTなどの複数の活動状態(たとえばECGサイクル位相)を含む。出願人は、心臓サイクル302、304および306のそれぞれの間で、内腔108の位置(図1Aおよび1B)が活動状態によって異なることを見出した。
【0083】
たとえば、各心臓サイクル302、304および306のそれぞれの活動状態Tでは、内腔108の位置は、位置330での内腔画像によって表される(図6B)。各心臓サイクル302、304および306のそれぞれの活動状態Tでは、内腔108の位置は、位置332での内腔画像によって表される。各心臓サイクル302、304および306のそれぞれの活動状態Tでは、内腔108の位置は、位置334での内腔画像によって表される。位置330では、点336、338および340が、活動状態Tでのカテーテル(図示せず)の異なる位置を表す。位置332では、点342、344および346が、活動状態Tでのカテーテルの異なる位置を表す。位置334では、点348、350および352が、活動状態Tでのカテーテルの異なる位置を表す。
【0084】
プロセッサ(図示せず)が、ECG信号300のいずれかのサイクルでの活動状態T中に検知された2次元画像(すなわち、点336、338および340で取得された画像)のすべての間を関連付ける。同様に、プロセッサ192が、ECG信号300のいずれかのサイクルでの活動状態T中に検知された2次元画像(すなわち、点342、344および346で取得された画像)のすべての間を関連付け、かつECG信号300のいずれかのサイクルでの活動状態T中に検知された2次元画像(すなわち、点348、350および352で取得された画像)のすべての間を関連付ける。
【0085】
プロセッサが、所与の活動状態Tに対して関連付けられた、すべての2次元画像から3次元画像を再構成する。図6Bを参照すると、プロセッサが、活動状態T(図6A)での検査される器官の画像である、3次元画像330、および活動状態Tでの検査される器官の画像である、3次元画像332を再構成する。同様に、プロセッサが、活動状態Tでの検査される器官の画像である、3次元画像334を再構成する。
【0086】
プロセッサが、活動状態Tに関連付けられた、点336、338および340から軌跡354を計算する。同様に、プロセッサが、活動状態Tに関連付けられた、点342、344および346から軌跡356を計算し、活動状態Tに関連付けられた、点348、350および352から軌跡358をさらに計算する。
【0087】
プロセッサが、計算された軌跡のそれぞれと、所与の器官活動状態を表す、再構成された3次元画像の1つの間を関連付ける。図6Bを参照すると、プロセッサが、軌跡354と、活動状態Tを表す、再構成された3次元画像330の間を関連付ける。同様に、プロセッサが、軌跡356と、活動状態Tを表す、再構成された3次元画像332の間を関連付け、軌跡358と、活動状態Tを表す、再構成された3次元画像334の間をさらに関連付ける。
【0088】
軌跡を計算するために使用される点336、338、340、342、344、346、348、350および352は、そのそれぞれの2次元画像が取得された点でもあるため、プロセッサが、計算された軌跡のそれぞれを、そのそれぞれの再構成された3次元画像の上に重ねることができる。たとえば、プロセッサは、軌跡354を3次元画像330上に、軌跡356を3次元画像332上に、および軌跡358を3次元画像334上に重ねる。
【0089】
図6Cを参照すると、プロセッサが、そのすべてが、ECGデータ384のサイクル内の選択された活動状態を表すMPS座標データ382に従って、複数の2次元画像380から内腔108の3次元画像106(図1B)を再構成する。プロセッサが、活動状態Tに所属するすべての2次元画像から3次元データ106を再構成する。また、プロセッサが、点342、344および346(図6B)から、活動状態Tに対応するカテーテルの軌跡114(図1B)を生成する。プロセッサが、カテーテルの先端390の軌跡114および実時間表現112(図1B)を3次元画像106上に重ねる。
【0090】
システム(図示せず)は、保管されたECGデータに従ってまたは事前に決定された時間間隔で、再構成された画像のシークエンスまたは最初に取得された2次元画像の選択されたサイクルを再生することができる。システムはまた、実時間検知されたECGデータと同調して、再構成された画像のシークエンスまたは最初に取得された2次元画像の選択されたサイクルを再生することができる。
【0091】
カテーテルが実時間で内腔108内を移動するため、この態様で器官タイミング信号に対する同調は必要とされないことに注意されたい。しかし、プロセッサが、画像が取得された座標系を、カテーテルのMPSセンサの座標系と見当合わせしなければならないこと、または、画像取得プロセスおよび再生外科手順に対して同じMPSシステムを使用しなければならないことに注意されたい。
【0092】
以下は、オペレータが、患者の器官の選択された活動状態で、内腔の3次元画像をフリーズさせることを可能にするGUIの説明である。GUIはまた、オペレータが、活動状態に関して前方または後方に移動できるようにする。
【0093】
開示された技術のさらなる実施形態に従って構成され、かつ動作可能である、全体が410で参照される、内腔のECG調整ディスプレイ(すなわち、GUI)の概略図である図7をさらに参照する。ECG調整ディスプレイ410は、ECGタイミング信号412、前進ボタン414、後進ボタン416、フリーズボタン418および3次元画像106を備える(図1B)。
【0094】
3次元画像106は、ECGタイミング信号412中の活動状態420に対応する。オペレータが前進ボタン414を押圧すると、内腔108の3次元画像のシークエンスが、ウィンドウ422内に表示される。ウィンドウ422内に表示された3次元画像のそれぞれは、あたかもECGタイミング信号412が矢印424によって示された方向に進行するかのように、ECGタイミング信号412中のそれぞれの活動状態に対応する。
【0095】
オペレータが後進ボタン416を押圧すると、内腔108の3次元画像のシークエンスが、ウィンドウ422内に連続的に表示される。ウィンドウ422内に表示された3次元画像のそれぞれは、あたかもECGタイミング信号412が矢印426によって示された方向に後退するかのように、ECGタイミング信号412中のそれぞれの活動状態に対応する。
【0096】
オペレータがフリーズボタン418を押圧すると、内腔108の3次元画像が、ウィンドウ422内に表示される。ここで、3次元画像は選択された活動状態428に対応する。このようにして、ウィンドウ422内の内腔108の3次元画像が、活動状態428で静止したままであり、その間に、医師が内腔108の3次元画像を調べることができる。
【0097】
ウィンドウ422内に表示された3次元画像のそれぞれが、走査プロセス中、システム(図示せず)によって取得される。したがって、オペレータが、時間の前方または後方のいずれかでの、患者の心臓が拍動するときの内腔108のアニメ化された3次元画像を見ることができる。オペレータは、選択された時点でフリーズボタン418を押圧することによって、患者の選択された心臓サイクル中の選択された活動状態に対応する内腔108の3次元画像を交互に見ることができる。基準実時間画像(すなわち、蛍光透視画像など、ナビゲーション中のロードマップとして供給されるもの)などの他のシークエンス化された画像も、フリーズされることができることに注意されたい。
【0098】
以下は、選択された閉塞の割合を有する内腔内のプラークを識別するためのGUIの説明である。アルゴリズムに従って、プロセッサが医療デバイスが移送されることになる選択された位置として、内腔の実時間画像上の必要なマークを自動的に示す。
【0099】
図8A、8Bおよび8Cを参照する。図8Aは、複数の閉塞した領域を有する、図1Aの内腔の図である。図8Bは、図8Aの内腔の選択された領域の断面図である。図8Cは、開示された技術の別の実施形態に従って動作可能である、全体が450で参照されるGUI内での図8Bの内腔の表現の概略図である。
【0100】
内腔108は、プラーク452、454および456を含む。プラーク452、454および456は、その場所に固定されていても、動的であってもよいことに注意されたい。プラーク452、454および456は、それぞれ75%、60%および80%内腔108を遮蔽する。図8Bを参照すると、網掛けされた領域が、内腔108内でのプラーク452による遮蔽を示しており、導管458は、血流に対して開いたままにされている。
【0101】
プロセッサ(図示せず)が、プラークタイプ、プラーク密度などのパラメータを考慮して、複数の方法に従って、閉塞の割合を決定することができる。以下は、このような方法についての簡単な例である。
【数1】

【0102】
ここで、SLUMENは、導管458の断面積を示し、かつSARTERYは内腔108の全内部面積を示す。
【0103】
GUI450は、グラフィカルウィンドウ460を備える。グラフィカルウィンドウ460は、3次元画像106および比率選択ウィンドウ462を備える。比率選択ウィンドウ462は、目盛バー464、ポインタ466および数値ボックス468を備える。オペレータは、ユーザインターフェイス(図示せず)を介して、目盛バー464に沿ってポインタ466をドラッグすることによって、閉塞割合閾値を動的に設定することができる。別法として、オペレータは、ユーザインターフェイスを通じて、数値ボックス468内に選択された閉塞割合閾値を入力することができる。図8Bで説明された例では、選択された割合の数値70%が、数値ボックス468内に示されている。
【0104】
システム(図示せず)は次に、選択された閉塞割合以上に閉塞されている3次元画像106上の領域のみをマークする。図8Bで説明された例では、70%以上閉塞されている内腔108の領域のみが、3次元画像106内でマークされる。70%を超えるプラーク452および456が、3次元画像106上で、それぞれマークされた領域470および472によって表される。マークされた領域470および472は、異なる色で着色されること、網掛けによってマークされること、アニメ化されることなどによって、3次元画像106の残りの部分から区別される。
【0105】
システムは、オペレータが、医学的な知識および経験に従って、たとえば、プラーク部分がシステムが示したものとは異なることを検知した場合、オペレータがスクリーン上のマークを手動で補正することを可能にすることに注意されたい。システムが、内腔の様々な層(すなわち、中膜、外膜および内膜)を、GUI450内で異なる色で示すことができることにさらに注意されたい。
【0106】
以下は、ECGモニタの代わりにMPSを使用することによって、心臓サイクルまたは呼吸サイクルのいずれかによる、内腔の器官タイミング信号を検知するための方法の説明である。以下の本明細書での「時間タグを付ける」という用語は、データ要素を、データ要素が得られた実際の時間と関連付ける(たとえば、MPS座標読取値を読取値が得られた実際の時間と関連付ける)プロセスを称する。複数のMPSセンサ(たとえば、カテーテルの先端に取り付けられたもの、2次元画像取得デバイスに取り付けられたもの、患者の体に取り付けられたもの、および手術台に取り付けられたもの)を介して得られたデータが、時間タグを付けられる。以下の本明細書で説明されるような、送信器590A(図11)、590Bおよび590Cと同様の複数の送信器が、2次元画像取得デバイスに取り付けられる場合、MPSセンサを2次元画像取得デバイスに取り付ける必要はないことに注意されたい。この場合の理由は、2次元画像取得デバイスの座標系がMPSの座標系と見当合わせされるからである。各2次元画像取得デバイス(図示せず)によって得られた2次元画像もまた、時間タグを付けられる。時間タグは、データベース(図示せず)内に保管されたデータ要素を処理するときに考慮される。
【0107】
待ち時間補償が、すべての時間タグを付けられたデータ要素に対して行われる。一般に、2次元画像取得デバイスによって取得された2次元(2D)画像の組からの画像フレームが、その時間タグが、対応するMPSデータセットの時間タグと一致するように移動される(すなわち、MPS座標系読取値と同時に取得された画像が互いに一致させられることになる)。
【0108】
以下の本明細書での「対応するデータセット」という用語は、同じ時間タグを有するデータセットのペアを称する。データセットの時間タグが、データセット内の要素の時間タグの組を称することに注意されたい。たとえば、MPSデータセット内の読取値が2次元画像データセット内の画像と同じ時間タグを有する場合、MPSデータセットは、2次元画像データセットと対応している。
【0109】
対応しているデータセットは、医療手順中の同じセッション中に生じるデータセットを表す。以下の本明細書での「対応していないデータセット」という用語は、異なる時間タグを有するデータセットのペアを称する。たとえば、MPSデータセット内の読取値が2次元画像データセット内のすべての画像と異なる時間タグを有する場合、MPSデータセットは、2次元画像データセットに対応していない。対応していないデータセットは、(同じまたは異なる医療手順内の)異なるセッション中に記録されたデータセットを表す。
【0110】
開示された技術のさらなる実施形態に従って動作可能である、器官の運動とともに運動するMPSセンサの位置データに従って、患者の器官の器官タイミング信号を決定するための方法の概略図である図9をさらに参照する。手順500では、データセットが、MPSから得られる。各データセットは、各MPSセンサから受信されるような、それぞれ、2次元画像取得デバイス、カテーテル、患者の体の選択された領域、または患者が横たわっている手術台の一連の位置座標読取値を含む。
【0111】
MPSは、データベース内に次に保管されるそれぞれの位置座標読取値を得るために、検知された電磁場を処理する。各MPSセンサの位置座標読取値が時間タグを付けられる、すなわち、読取値が得られた実際の時間に関連付けられることが想起される。このようにして、カテーテルの先端に取り付けられた、MPSセンサから受信された各MPSデータセットは、長い間にわたるカテーテルの正確な運動軌跡を示す座標読取値の集合を含む。
【0112】
手順502では、心臓位相情報が、心臓運動から得られる。特に、心臓位相情報が、カテーテル上に配置されたMPSセンサから発するデータストリームから得られる。手順502は、手順504、506、508、510および512から成る。
【0113】
手順504では、周期運動周波数が検知され、時間タグを付けられたMPSデータセット内で識別される。カテーテルが内腔108内で操縦されるとき、カテーテルの運動が、2つの追加の要素によって影響される。第1の要素は、心臓の活動、すなわち、収縮期および拡張期などの心臓運動に関連する。心臓運動は、様々な程度および周期的な間隔での収縮または拡張など、ある方式で内腔108に影響を与える。第2の要素は、呼吸活動、すなわち吸気および呼気などの呼吸運動に関連する。呼吸運動は、様々な程度および周期的な間隔での収縮または拡張など、ある方式で内腔108に影響を与える。総合すると、カテーテルの全体的な運動が、カテーテルの操縦に関連する運動に(内腔系のトポグラフィに対応する)重ね合わされた心臓運動および呼吸運動から成る。
【0114】
心臓運動および呼吸運動は本来周期的であるため、周期的な周波数が、カテーテルの全体軌跡で検知される。心臓運動に関連する特定の周波数は、呼吸運動に関連する特定の周波数とは異なる特徴を呈する。心臓運動に関連する特定の周波数が、検知された周期的な周波数から識別される。同様に、呼吸運動に関連する特定の周波数が、検知された周期的な周波数から識別される。プロセッサが、MPSデータセット上で解析を行い、かつ該当する周期的な運動周波数を識別する。
【0115】
手順506では、周期的な運動周波数が、時間タグを付けられたMPSデータセットからフィルタリングされる。手順504で検知された周期的な運動周波数が、カテーテルの全体的な軌跡から分離される。残りの運動成分は、カテーテルのマヌーバの中心軸に対応し、血管のトポグラフィ、すなわち「中心線軌跡」を表す(手順514参照)。MPSデータセットに関連する時間タグが、フィルタリングされた周期的な運動周波数のそれぞれに対して保持される。プロセッサは、該当する周期的な運動周波数をMPSデータセットからフィルタリングする。
【0116】
手順508では、心臓運動による内腔108の機械的な運動、すなわち「心臓軌跡」が、MPSデータセットから、およびフィルタリングされた周期的な運動周波数から再構成される。特に、心臓軌跡が、心臓運動に関連する前に識別された特定の周波数に従って再構成される。再構成された心臓軌跡が、たとえば、ある時間にわたって心臓運動による内腔108の軌跡を示すグラフによって反映されてもよい。プロセッサが、該当する周期的な運動周波数を解析し、心臓軌跡の再構成を作成する。
【0117】
手順516では、呼吸運動による内腔108の機械的な運動、すなわち「呼吸軌跡」が、MPSデータセットから、およびフィルタリングされた周期的な運動周波数から再構成される。特に、呼吸軌跡が、呼吸運動に関連する前に識別された特定の周波数に従って再構成される。再構成された呼吸軌跡が、たとえば、ある時間にわたって呼吸運動による内腔108の軌跡を示すグラフによって反映されてもよい。プロセッサが、該当する周期的な運動周波数を解析し、呼吸軌跡の再構成を作成する。
【0118】
呼吸軌跡の再構成は、外部基準センサ(すなわち、患者の体におよび手術台に取り付けられたMPSセンサ)から得られた座標読取値に単に基づいてもよい。追加の基準センサ(またはその複数形)が、呼吸パターンなどを監視するために、患者の体に(すなわち、外部または内部に)取り付けられてもよいことに注意されたい。たとえば、血管内センサがこの目的のために使用されてもよい。
【0119】
このセンサは、呼吸運動を考慮する補助データを提供し、呼吸運動に関連する周期的な運動周波数をより正確に決定するための確認機構として機能する。同じまたは追加のセンサ(またはその複数形)が、確認機構として、または心臓位相検知のための補助データを供給するため、のいずれかで追加の心臓データを集めるために使用されてもよいことに注意されたい。
【0120】
手順510では、位相検知が、再構成された心臓軌跡上で行われる。心臓軌跡は、心臓サイクル内の異なる点に対応する心臓の異なる位相または活動状態から成る。位相は、各サイクル内でそれ自体周期的に繰返す。複数の心臓活動状態が、位相検知の間、再構成された心臓軌跡上で識別される。プロセッサが、心臓軌跡の解析を行い、異なる心臓サイクル位相を識別する。
【0121】
電気的信号表現および機械的信号表現での心臓軌跡の概略図である、図10Aをさらに参照する。全体が550で参照される、心臓軌跡の機械的信号表現は、複数の心臓サイクル552、554および556のそれぞれでの活動状態T、TおよびTなどの、複数の心臓活動状態(すなわち心臓サイクル位相)を含む。心臓軌跡の機械的表現は、MPSデータセットおよびフィルタリングされた周期的な運動周波数から再構成された、心臓軌跡と等しい(手順506および508)。全体が558で参照される心臓軌跡の電気的信号表現が、心臓サイクル552、554および556のそれぞれでの同じ活動状態T、TおよびTを示す。
【0122】
しかし、これらの活動状態が起こる正確な時間は、機械的表現に対して電気的表現でわずかな遅れがあるため、2つの表現で異なってもよい。たとえば、心臓サイクル554の活動状態Tが、心臓軌跡550内の時間tでおよび心臓軌跡558内の時間tで起こることが示されている。したがって、位相検知のために電気的表現からの情報を使用するとき、活動状態の間の位置合わせを行うことが必要である。心臓軌跡の電気的表現558は、ECGモニタ(図示せず)によって得られる電気的タイミング信号と等しい。
【0123】
心臓位相の検知は、少なくともカテーテルに取り付けられたMPSセンサから、およびおそらく患者の体および手術台に取り付けられた基準センサからも発するデータセットのみに基づいて行われることに注意されたい。これらのデータセットは、心臓軌跡の機械的表現を提供する。心臓位相情報を得るために、外部監視デバイスは必要とされない。
【0124】
呼吸運動に関連する周期的な運動成分もまた、心臓位相検知のための補助データとして使用されてもよいことに注意されたい。位相検知が、検知されかつフィルタリングされた周期的な運動周波数を使用して再構成された心臓軌跡上ではなく、元のMPSデータセット上で行われてもよいことにさらに注意されたい。心臓の異なる位相または活動状態が、手順500で得られたMPSデータセット上で直接識別される。
【0125】
手順512では、心臓位相情報が、MPSデータセットに関連付けられる。カテーテルの位置に関連する、カテーテルに取り付けられたMPSセンサから得られた各データセットが、それらの対応する時間要素(すなわち時間タグ)に従って、複数の活動状態T、TおよびTの1つと一致させられる。内腔108の位置、およびしたがってカテーテルの位置は、内腔108の異なる活動状態中で異なる。プロセッサが、座標読取値とその一致する位相の間を関連付け、データベース内に情報を保管する。
【0126】
呼吸位相情報が、心臓位相情報が心臓運動から得られたのと同様の方式で、呼吸運動から得られてもよい。呼吸活動状態が、呼吸運動に関連する周期的な運動成分を使用して再構成された呼吸軌跡から識別されてもよい。呼吸運動に関連する周期的な運動成分もまた、対応しないデータセットと相関させて使用されてもよい。
【0127】
呼吸位相情報が、オプションの手順518での呼吸運動から得られる。手順518は、手順516、520および522から成る。手順516では、呼吸軌跡が、手順504、506、および508に関連して上記で本明細書で説明されたように、MPSデータセットおよびフィルタリングされた周期的な運動周波数から再構成される。
【0128】
手順520では、再構成された呼吸軌跡上で位相検知が行われる。心臓軌跡と同様に、呼吸軌跡は、呼吸サイクル内の異なる点に対応する、肺の異なる移送または活動状態から成る。肺の呼吸活動状態が、呼吸軌跡の位相から識別されることができる。位相は、各サイクルでそれ自体周期的に繰返す。呼吸活動状態が、位相検知中再構成された呼吸軌跡上で識別される。プロセッサが、呼吸軌跡の解析を行い、異なる呼吸サイクル位相を識別する。
【0129】
全体が560で参照される、機械的信号表現での呼吸軌跡の概略図である、図10Bをさらに参照する。機械的信号表現560は、活動状態T、T、およびTなどの複数の呼吸活動状態(すなわち、呼吸サイクル位相)を含む。機械的表現560は、MPSデータセットから、および手順508でフィルタリングされた周期的な運動周波数から再構成された呼吸軌跡に等しい。
【0130】
呼吸位相の検知が、カテーテルに取り付けられたMPSセンサによって、および患者の体におよび手術台に取り付けられたMPSセンサから検知されたデータセットのみに基づいて行われることに注意されたい。これらのデータセットは、呼吸軌跡の機械的表現を提供する。呼吸位相情報を得るために、外部監視デバイスは必要とされない。位相検知が、検知されかつフィルタリングされた周期的な運動周波数を使用して再構成された呼吸軌跡上ではなく、元のMPSデータセット上で行われてもよいことにさらに注意されたい。肺の異なる位相または活動状態が、手順500で得られたMPSデータセット上で直接識別される。
【0131】
患者の心拍数または呼吸数の実際の値が、いかなる外部監視デバイス(ECGモニタなど、図示せず)も使用することなく得られることができることに注意されたい。患者の心拍数または呼吸数は、別個にまたは一緒にのいずれかで、カテーテル、患者の体および手術台に取り付けられたMPSセンサのみから得られることができる。
【0132】
手順522では、呼吸位相情報が、MPSデータセットに関連付けられる。カテーテルに取り付けられたMPSセンサから得られた各データセットが、それらの対応する時間タグに従って、複数の活動状態T、TおよびTの1つと一致させられる。手順522は、上記で本明細書で議論された手順512と類似している。
【0133】
以下は、内腔108内でのカテーテルの自動的な操縦の説明である(図1A)。以下の本明細書での「トポロジー表現」という用語は、起点から終点までカテーテルを操縦するために、開示された技術によるシステムが採用される、患者の体の内腔系(循環器、気管支、泌尿生殖器系、腎臓系)のマッピングを称する。マッピングは、2次元または3次元のいずれかであってよい。別法として、「トポロジー表現」という用語は、内腔系内で追従されるべき経路を含んでもよいことに注意されたい。
【0134】
図11および12を参照すると、図11は、開示された技術の別の実施形態に従って構成され、かつ動作可能である、患者の体の内腔内でカテーテルを自動的に操縦するための、全体が580で参照されている、システムの概略図である。図12は、図11のシステムの撮像システムが、3次元で内腔内の経路の座標を決定する方法の概略図である。
【0135】
図11を参照すると、システム580は、ジョイスティック582、コントローラ584、移動機構586、MPS588、複数の送信器590A、590Bおよび590C、撮像システム592、MPSセンサ594、カテーテル596およびディスプレイ598を備える。撮像システム592は、放射線発生器600および放射線検知器602を備える。撮像システム592は、X線システム、蛍光透視鏡、Cアームイメージャ、CT、PET、超音波システム、MRIなどであってよい。
【0136】
移動機構586は、1対の角運動ローラ604Aおよび604B、および1対の直線運動ローラ606Aおよび606B、および電気モータ、アクチュエータなどのそれぞれの運動要素(図示せず)を備えることができる。しかし、移動機構586は、以下の本明細書で説明される必要な運動をカテーテル596に及ぼす限り、他の、代替となるまたは追加の要素(たとえば、摩擦を通じて直線運動を伝達する圧電モータ)を備えることができる。場合により、移動機構586は、無菌を保持するために使い捨てであってよい。コントローラ584は、プロセッサ(図示せず)および、カテーテル596が内腔108内でそれに従って移動することになる経路608を表す情報を保管する保管ユニット(図示せず)を備える(図1A)。
【0137】
移動機構586は、ジョイスティック582とおよびコントローラ584に結合されている。コントローラ584は、撮像システム592に結合されている。MPS588は、コントローラ584と、および送信器590A、590Bおよび590Cに結合されている。MPSセンサ594が、導体610(すなわち、導電性の結合部)によってMPSに結合されている。ディスプレイ598が、MPS588とおよび撮像システム592に結合されている。MPSセンサ594が、カテーテル596の遠位部分に配置されている。
【0138】
医療操作中、患者の体(図示せず)が、放射線発生器600と放射線検知器602の間に配置される。撮像システム592は、少なくとも1つの自由度を有し、それによって、異なる方向から、患者の体の複数の画像を取得することが可能である。撮像システム592は、ディスプレイ598が2次元画像104を表示するために、2次元画像104(図1A)を表す信号をディスプレイ598に供給する。
【0139】
経路608は、内腔108に対するカテーテル596の遠位部分(図示せず)の起点612と終点614の間の3次元曲線である。起点612と終点614の両方は、撮像システム592の視野内にある。経路608は、医療操作の前の撮像セッション中に決定され、保管ユニット内に保管される。
【0140】
コントローラ584が、たとえば、Cアームイメージャによって内腔108から得られた複数の2次元画像に従って、経路608を計算し、かつ構成する。たとえば、Cアームは、2つの異なる平行でないECGゲート画像平面で内腔108の2つの2次元ECGゲート画像を得ることができる。オペレータが起点612と終点614を示したとき、Cアームが、経路608を3次元で構成する。コントローラ584が、背景に対する内腔108のコントラスト変動に従って、1つまたは複数の画像処理アルゴリズムに基づいて経路608を計算することに注意されたい。
【0141】
図12をさらに参照すると、撮像システム592が、3次元座標系620内の画像平面618上での内腔108の画像616、および3次元座標系620内の画像平面624上での内腔108の別の画像622を捕捉する。撮像システム592は、画像平面618および624の間の方向(すなわち、それらの間の角度)を知っている。撮像システム592が、画像616内での内腔108の形状626および画像622内での対応する形状628を識別する。撮像システム592が、点634での、それぞれ画像平面618および624に対する、それぞれ形状626および628からの法線630および632の交線を決定することによって、3次元座標系620での形状626(または形状628)の3次元座標を決定する。撮像システム592が、内腔108の他の形状に対して上記の手順を行い、それによって3次元で経路608を構成する。
【0142】
Cアームが患者の体から得る2次元画像は、内腔108に加えて、内腔108の平面と異なる平面に配置された他の内腔(図示せず)を含むことができる(すなわち、これらの追加の内腔が、捕捉された画像内で内腔108と重なる)。この場合、オペレータが、起点612と終点614を示すとき、オペレータが内腔108を通る経路に興味があることはCアームに対して明らかではなく、Cアームが、2次元画像で内腔108と重なる別の内腔を通る経路(図示せず)を構成する可能性がある。このため、Cアームが、新しい2次元画像内で、内腔108が他のいずれかの内腔と重ならないように、別の画像平面で内腔108の別の2次元画像を得る。
【0143】
医療操作の前に、MPS588および撮像システム592の座標系が、ディスプレイ598が、医療操作中2次元画像104上でMPSセンサ594の実時間表現110(図1A)と重なるように、共通の2次元座標系に対して設定される。この方法が、図6Cと相まって上記で本明細書で説明されている。ディスプレイ598によって表示された情報が、医療スタッフが、医療操作全体を通して、内腔108に対するカテーテル596の遠位部分の位置を観察するのを助ける。この2次元座標系は、たとえば以下の方法に従って決定されることができる。
【0144】
MPS588の3次元座標系と撮像システム592の3次元座標系との間の第1の変換モデルが、決定される。撮像システム592の3次元座標系と撮像システム592の2次元座標系との間の第2の変換モデルが、決定される。MPS588の3次元座標系が、MPS588の3次元座標系に第1の変換モデルを適用することによって、撮像システム592の3次元座標系に変換される。撮像システム592の3次元変換された座標系が、撮像システム592の3次元変換された座標系に対して第2変換モデルを適用することによって、撮像システム592の2次元座標系に変換される。
【0145】
第1の変換モデルは、MPS588の3次元座標系内の1組の点および撮像システム592の3次元座標系内の別の組の点に従って決定される。第2の変換モデルは、撮像システム592の外部パラメータ(すなわち、撮像システム592の3次元座標系内の1組の点)および撮像システム592の内部パラメータ(たとえば、レンズ角、焦点距離、倍率)に従って決定される。
【0146】
以下は、患者の首領域の血管の手術を行うための、システム580の操作の説明である。この場合、経路608は、第1肋骨(すなわち、起点612)の領域から、甲状頸動脈(すなわち、終点614)までの経路をマークする腋窩動脈(内腔108によって表される)内の3次元曲線である。医療操作の段階で、医療スタッフが、右上腕動脈(図示せず)を通ってカテーテル596を患者の体へ挿入し、起点612に到達するようにカテーテル596を手動で操縦する。
【0147】
この点で、カテーテル596を終点614へ自動的に操縦するために、システム580が引き継ぐ。送信器590A、590Bおよび590Cによって作成された電磁場に応答して、MPSセンサ594が、MPSセンサ594の3次元位置を表す信号を、導体610を介してMPS588へ送信する。別法として、MPSセンサ594が、MPS588と無線でかつ導体610なしで結合される。この場合、MPSセンサ594がこの位置信号をMPS588へ無線で送信する。
【0148】
MPS588が、MPSセンサ594から受信された信号に従って、MPSセンサ594の座標を決定する。MPS588が、MPS588の3次元座標系内で、MPSセンサ594の座標を表す信号をコントローラ584へ送信する。MPS588が、上記で本明細書で説明したように、撮像システム592の2次元座標系内で、MPSセンサ594の座標を表す信号をディスプレイ598へ送信する。
【0149】
医療操作全体を通して、ディスプレイ598が、撮像システム592から受信された信号に従って、内腔108の動作可能領域(すなわち、起点612と終点614の間のセクション)の2次元画像104を表示する。ディスプレイ598はまた、MPS588から受信された信号に従って、2次元画像104上に重ねられた、MPSセンサ594(すなわち、カテーテル596の遠位部分)の現在位置の表現110を表示する。別法として、MPSセンサの現在位置が、内腔(たとえば、冠状動脈)の3次元画像上に重ねられることができる。
【0150】
経路608の代わりに、コントローラは、内腔系内の起点から終点まで、内腔系を通ってカテーテルを操縦するために移動機構を制御するために、患者の内腔系のトポグラフィ的表現を採用することができる。この場合、コントローラは、カテーテルが終点に到達するための最良の経路を決定する。コントローラが、ナビゲーションプロセス中の所見(たとえば、遮蔽された通路、予想したよりも狭い内腔)に応じて、経路を即時に変更してもよいことに注意されたい。コントローラは、MPSセンサによって実時間で提供されるフィードバックに従って、およびMPSセンサの実際の位置および方向を、予想された位置および方向と比較することによって、経路を修正する。さらに、コントローラは、計画プロセスのための3次元ロードマップとして使用される所定の3次元経路を修正する。
【0151】
システムは、MPSおよびディスプレイに結合されたプロセッサ(図示せず)、およびプロセッサに結合されたECGなどの器官モニタ(図示せず)をさらに備えることができる。器官モニタは、監視される器官の器官タイミング信号を監視し、それぞれの信号をプロセッサに送信する。プロセッサは、器官モニタによって検知された監視される器官の現在の活動状態に対応する内腔の画像を表すビデオ信号を、ディスプレイに送信する。ディスプレイは、現在の活動状態に従い内腔の画像を表示する。このようにして、ディスプレイが、監視される器官のタイミング信号(たとえば患者の心拍)による内腔の運動を考慮して、内腔の再構成された画像上にMPSセンサの表現の重なりを表示する。ディスプレイは、内腔の3次元の再構成された画像を表示することができる。この3次元の再構成された画像が、患者の体の座標系に対して表示される。
【0152】
別法として、医療用位置決めシステムが、患者の体の座標系内で、MPSセンサの複数の位置から、器官タイミング信号および内腔の座標系内でのMPSセンサの現在位置をフィルタリングする(すなわち、フィルタリングされたMPS読取値を作成する)。この場合、コントローラが、フィルタリングされたMPS読取値に従って、トポロジー表現およびカテーテルの先端の位置を更新する。コントローラが、更新されたトポロジー表現およびカテーテルの更新された位置に従って、移動機構を制御する。さらに、ディスプレイが、実質上静止している3次元で再構成された内腔の画像に重ねて、更新されたトポロジー表現およびカテーテルの遠位部分の更新された表現を表示することができる。
【0153】
移動機構586が、カテーテル596を起点612から終点614まで経路608に沿って操縦するために、コントローラ584から受信される命令に従って動作する。この目的のために、1対の角運動ローラ604Aおよび604Bが、カテーテル596を、カテーテル596の長手方向軸(図示せず)に対して時計方向および反時計方向に捩じり、1対の直線運動ローラ606Aおよび606Bが、カテーテル596を前方および後方に運動させる。コントローラ584は、いずれかの所与の時間のMPSセンサ594の3次元座標を表すMPS588からの信号(すなわち、フィードバック)を常に受信し、それによって移動機構586が、経路608に沿った運動の、起こり得る誤差に対して補正を付加することを可能にする。これらの補正は、以下の方式で付加される。
【0154】
コントローラ584が、カテーテル596を所定の変位増分だけ進行させるために、移動機構586へ所定の時間増分で信号を送信する。コントローラ584が、(MPS588から受信された位置信号に従って)各時間増分でのカテーテル596の遠位部分の進行を決定し、この進行が、カテーテル596が進行することになっていた所定の変位に実質上一致しているかどうかをチェックする。実際に検知された進行が所定の変位増分と一致しない場合、コントローラ584は、カテーテル596が、カテーテル596が経路608に従って進行するのを妨害する障害物(図示せず)と接触したと判定する(たとえば、カテーテル596の遠位部分が、分岐636で詰まることがある)。
【0155】
この場合、コントローラ584が、内腔108内で選択された増分だけ後方へカテーテル596を引き戻すため、またカテーテル596の遠位部分を選択された量だけ捩じるための信号を移動機構586へ送信する。この捩じりの後、コントローラ584が、所定の変位増分だけカテーテル596を進行させるための信号を移動機構586へ送信する。このようにして、移動機構586が、障害物を克服するように、および所定の分岐(この場合分岐636での甲状頸動脈)へ入るように、カテーテル596を操縦することができる。
【0156】
コントローラ584が、MPS588から実時間フィードバックとして受信する3次元位置情報により、コントローラ584が、カテーテル596を3次元で操縦するように移動機構586の動作を制御することができる。このようにして、システム580は、医療スタッフが、2次元のみで2次元表示に従ってカテーテルを操縦することができる従来技術でのシステムに対する利点を提供する。システム580は、内腔108内の終点614へ到達するために、フィードバック指向性実時間補正を行いながら、3次元での内腔108を通るカテーテル596の自動的な操縦を提供する。
【0157】
撮像システム592(たとえば、Cアーム)が、ディスプレイ598が2次元画像104を表示するために必要な情報を提供するために、異なる方向から内腔108を検知することができる。撮像システム592は、経路608の画像平面(図示せず)からの平均距離が最小である、ある特定の撮像方向を選択する。Xが、画像平面に対して垂直な経路608上の点iからの距離であり、ここでi=1、2、3…Nである場合、
最小平均距離は、
【数2】

である。経路608が、空間内で多くの曲線を追従し、2次元経路からかなり逸脱している場合、撮像システム592が、経路608を異なる部分に分割し、式1を満たしながら、各部分に対して異なる画像平面を選択することによって、2次元画像104のための情報を準備することができる。
【0158】
1つ以上のMPSセンサが、カテーテルの遠位部分に配置されることができることに注意されたい。この配置は、カテーテルの遠位部分が、「カーブバック」機能を備える場合重要である。「カーブバック」運動は、たとえば、電気活性ポリマー(EAP)を採用することによって提供されることができる。移動機構は、遠位部分を曲げるために、カテーテルの遠位部分に適切なトルクを付加するために必要な要素を同様に備える。さらに、複数のMPSセンサによって、ディスプレイが、遠位部分の現在の幾何形状を表示することができる。
【0159】
さらに、コントローラは、カテーテルが障害物によって遮蔽されているとき、カテーテルの遠位部分の幾何形状を表す、より完全な情報を得ることができ、したがって操縦動作を促進する。たとえば、コントローラが、カテーテルの遠位部分が予期せずに曲がってしまったことを検知した場合、コントローラが、カテーテルの先端が内腔内の障害物と接触したことを判定する。コントローラは、たとえば、内腔内の所与の点でのMPSセンサの検知された方向を、内腔内の同じ点での経路の計算された傾斜と比較することによって、この閉塞部に到達することができる。検知された方向と計算された傾斜が一致しない場合、コントローラは、カテーテルが障害物に出会ったことを判定し、それによって、移動機構に、カテーテルを障害物から戻すように動作するように指令する。
【0160】
医療スタッフが、移動機構586の自動的な動作に不満足である場合、コントローラ584を無効にし、ジョイスティック582を介して移動機構586を手動で操作することができる。オペレータは、ジョイスティック582を使用して、システム580の動作のいずれかの段階に介入することができる。これは、システム580の操作の半自動モードであり、コントローラ584が、移動機構586が、経路608の普通の部分を通ってカテーテル596を操縦することを可能にし、オペレータが、経路608のより複雑な部分でのシステム580の制御を取得する。手動の介入の場合、ジョイスティック582がいかなる自動化された動作も圧倒する。自動モードおよび手動モードの両方で、オペレータが、ディスプレイ598上でのカテーテル596の先端の表現110を見ることによって、内腔108内でのカテーテル596の進行の視覚的なフィードバックを受信することに注意されたい。
【0161】
開示された技術が、上記で特に示され、説明されたものに限定されないことは、当業者なら明らかであろう。むしろ、開示された技術の範囲は、頭記の特許請求の範囲によってのみ定義される。
【図面の簡単な説明】
【0162】
【図1A】開示された技術の実施形態に従って構成され、かつ動作可能である、患者の体の内腔系の2次元画像上での医療デバイスの表現を表示しているグラフィカルユーザインターフェイス(GUI)の概略図である。
【図1B】開示された技術の別の実施形態に従って構成され、かつ動作可能である、図1Aの内腔系の内腔の3次元画像上での医療デバイスの別の表現を表示しているGUIの概略図である。
【図2A】図1Aの2次元画像上で、内腔系内の選択された位置を表すマークの組と、選択された位置へ向かって進行している医療デバイスの現在位置の表現を表示している図1AのGUIの概略図である。
【図2B】図1Bの3次元画像上で、図2Aのマークの組と等しいマークの別の組と、医療デバイスの現在位置の別の表現を表示している図1BのGUIの概略図である。
【図3A】医療デバイスが選択された位置に到達したときの図1AのGUIの概略図である。
【図3B】医療デバイスが選択された位置に到達したときの図1BのGUIの概略図である。
【図4】(A)検査される器官の活動状態Tでの、図1Aの内腔の2次元画像の概略図である。(B)活動状態Tでの、図1Aの内腔の2次元画像の概略図である。(C)活動状態Tでの、図1Aの内腔の2次元画像の概略図である。(D)(B)の内腔上に重ねられた、図1Aの内腔内に配置されたカテーテルのMPSセンサの実時間の実質上安定した表現を含み、開示された技術のさらなる実施形態に従って構成され、かつ動作可能である、GUIの概略図である。
【図5】開示された技術のさらなる実施形態に従って動作可能である、患者の体の内腔内の選択された位置へ医療デバイスを移送するための方法の概略図である。
【図6A】患者のECGの概略図である。
【図6B】開示された技術の別の実施形態に従って構成された、図6AのECGの異なる活動状態を表す、図1Aの内腔内に配置されたカテーテルの先端の軌道の概略図である。
【図6C】2次元画像取得デバイス、MPSおよびECGモニタから受信された信号を処理することによって、3次元器官運動依存画像シークエンスを再構成し、かつ追加の視覚データをその上に重ねるプロセスの概略図である。
【図7】開示された技術のさらなる実施形態に従って構成され、かつ動作可能である、内腔のECG調整ディスプレイ(すなわち、GUI)の概略図である。
【図8A】複数の閉塞した領域を有する、図1Aの内腔の図である。
【図8B】図8Aの内腔の選択された領域の断面図である。
【図8C】開示された技術の別の実施形態に従って動作可能である、GUI内での図8Bの内腔の表現の概略図である。
【図9】開示された技術のさらなる実施形態に従って動作可能である、器官の運動とともに運動するMPSセンサの位置データに従って、患者の器官の器官タイミング信号を決定するための方法の概略図である。
【図10A】電気的信号表現および機械的信号表現での、心臓軌跡の概略図である。
【図10B】機械的信号表現での呼吸軌跡の概略図である。
【図11】開示された技術の別の実施形態に従って構成され、かつ動作可能である、患者の体の内腔内でカテーテルを自動的に操縦するためのシステムの概略図である。
【図12】図11のシステムの撮像システムが、3次元で、内腔内の経路の座標を決定する方法の概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の体の内腔内の選択された位置へ、カテーテルに結合された医療デバイスを移送するための方法であって、
前記選択された位置を表す位置データを受信し、前記位置データが前記内腔の画像に関連付けられ、前記画像が座標系に関連付けられ、前記座標系が医療用位置決めシステム(MPS)にさらに関連付けられるステップと、
前記座標系内で前記選択された位置の座標を決定するステップと、
前記医療デバイスの近傍で前記カテーテルに取り付けられたMPSセンサの出力に従って、MPS座標系内での前記医療デバイスの現在位置を決定するステップと、
前記選択された位置に対する前記現在位置に従って、前記選択された位置へ向かって、前記内腔を通って前記医療デバイスを操縦するステップと、
前記現在位置が前記選択された位置と実質上一致したとき、通知出力を作成するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記画像を取得する準備のステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも1つの画像シークエンスを含むグループから、前記内腔の少なくとも1つの画像シークエンスを選択し、前記グループ内の前記画像シークエンスのそれぞれが、前記座標を決定する前記ステップを行った後、異なる透視図から取得されるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも1つの画像シークエンスの前記グループを取得するステップをさらに備える、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記取得するステップが、異なるタイプの複数の取得デバイスによって行われる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記取得するステップが、実質上同一のタイプの複数の画像取得デバイスによって行われる、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記取得するステップが、異なる視角から行われる、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1つの画像シークエンスの前記グループが、2次元である、請求項3に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも1つの画像シークエンスの前記グループが、3次元である、請求項3に記載の方法。
【請求項10】
前記選択された少なくとも1つの画像シークエンスのコントラスト比が、少なくとも1つの画像シークエンスの前記グループ内の他のもののコントラス比よりも大きい、請求項3に記載の方法。
【請求項11】
前記選択された少なくとも1つの画像シークエンスに従って、および前記患者の器官を表す実時間器官タイミング信号に従って、前記内腔のナビゲーション画像を作成するステップをさらに備える、請求項3に記載の方法。
【請求項12】
前記ナビゲーション画像が、前記器官の特定の活動状態に関連付けられる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ナビゲーション画像が、前記MPSセンサが実質上静止している表示座標系で作成される、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記ナビゲーション画像が、実時間画像である、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記ナビゲーション画像が、前記実時間器官タイミング信号と同調された、前に取得されたシネループ画像である、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記ナビゲーション画像が、前に取得された静止画像フレームである、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記ナビゲーション画像上に、前記選択された位置を表すマーキング表現を重ね、かつ前記現在位置を表す現在位置表現をさらに重ね、それによって重ねられた画像を作成するステップをさらに備える、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記受信するステップが、ユーザから手動で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記受信するステップが、自動化された2次元定量的心臓評価手順に従って行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記受信するステップが、自動化された3次元定量的心臓評価手順に従って行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記操縦するステップが、手動で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記操縦するステップが、自動的に行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記実時間器官タイミング信号を取得するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記実時間器官タイミング信号を取得する前記ステップが、器官タイミング信号モニタによって行われる、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記実時間器官タイミング信号を取得する前記ステップが、
前記患者の少なくとも1つの器官の器官サイクルによる前記内腔の運動を、前記MPSセンサによって測定するステップと、
前記実時間器官タイミング信号を前記MPSによって決定するステップと
を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記現在位置が前記選択された位置に近づくとき、前記通告出力の振幅を増加させ、かつ前記現在位置が前記選択された位置から遠ざかるとき、前記振幅を減少させるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
患者の体の内腔内の選択された位置へ医療デバイスを移送するためのシステムであって、医療用デバイスはカテーテルに取り付けられ、
前記選択された位置を表す位置データを受信し、前記位置データが前記内腔の画像に関連付けられ、前記画像が座標系に関連付けられ、前記座標系が医療用位置決めシステム(MPS)にさらに関連付けられるユーザインターフェイスと、
前記医療デバイスの近傍で前記カテーテルに取り付けられたMPSセンサの出力に従って、前記座標系内で、前記内腔の前記医療デバイスの現在位置を決定するためのMPSと、
前記ユーザインターフェイスに結合されたプロセッサであって、前記位置データに従って前記座標系内で前記選択された位置の座標を決定し、前記現在位置が前記選択された位置と実質上一致したことを判定したとき通知出力を作成するプロセッサと
を備えるシステム。
【請求項28】
前記プロセッサが、少なくとも1つの画像シークエンスのグループから前記内腔の少なくとも1つの画像シークエンスを選択し、前記画像シークエンスのそれぞれが異なる透視図から取得される、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記プロセッサが、前記少なくとも1つの画像シークエンスに従って、および前記患者の器官を表す実時間器官タイミング信号に従って前記内腔のナビゲーション画像を作成する、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記ナビゲーション画像が、実時間画像である、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
前記ナビゲーション画像が、シネループ画像である、請求項29に記載のシステム。
【請求項32】
前記ナビゲーション画像が、静止画像である、請求項29に記載のシステム。
【請求項33】
前記器官が、前記患者の心臓である、請求項29に記載のシステム。
【請求項34】
前記器官が、前記患者の少なくとも1つの筋肉である、請求項29に記載のシステム。
【請求項35】
前記器官が、前記患者の肺である、請求項29に記載のシステム。
【請求項36】
前記プロセッサが、前記ナビゲーション画像上に前記選択された位置を表すマーキング表現を重ね、かつ前記ナビゲーション画像上に、前記現在位置を表す現在位置表現を重ね、それによって重ねられた画像を作成する、請求項29に記載のシステム。
【請求項37】
前記プロセッサに結合されたディスプレイをさらに備え、前記ディスプレイが前記重ねられた画像を表示する、請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
前記プロセッサに結合された少なくとも1つの画像取得デバイスをさらに備え、前記少なくとも1つの画像取得デバイスが、少なくとも1つの画像シークエンスの前記グループを取得する、請求項28に記載のシステム。
【請求項39】
前記少なくとも1つの画像取得デバイスが、複数の画像取得デバイスを備え、かつ、
前記画像取得デバイスのそれぞれが、異なる視角から前記画像シークエンスを取得する、請求項38に記載のシステム。
【請求項40】
前記少なくとも1つの画像取得デバイスが、
コンピュータ断層撮影、
磁気共鳴映像法、
陽電子放出断層撮影、
単光子放出コンピュータ断層撮影、
X線機、
Cアーム、
ガイド式血管内超音波、
外部超音波、および
光干渉断層検知器
から成るリストから選択される、請求項38に記載のシステム。
【請求項41】
前記プロセッサに結合された画像取得デバイスであって、前記少なくとも1つの画像シークエンスを取得する画像取得デバイスと、
前記医療デバイスの近傍で前記カテーテルに取り付けられた陽性マーカと、
前記プロセッサに結合されたディスプレイであって、前記少なくとも1つの画像シークエンスで前記陽性マーカのマーカ画像を表示するディスプレイと
をさらに備える、請求項28に記載のシステム。
【請求項42】
前記少なくとも1つの画像シークエンスが、2次元である、請求項28に記載のシステム。
【請求項43】
前記少なくとも1つの画像シークエンスが、3次元である、請求項28に記載のシステム。
【請求項44】
前記プロセッサと、および前記患者の体に結合された器官タイミング信号モニタをさらに備え、前記器官タイミング信号モニタが、前記器官タイミング信号を監視し、前記プロセッサが、前記器官タイミング信号モニタの出力に従って、前記実時間器官タイミング信号を決定する、請求項1に記載のシステム。
【請求項45】
実質上上記で説明されたような請求項1から26のいずれかに記載の、患者の体の内腔内の選択された位置へ医療デバイスを移送するための方法。
【請求項46】
実質上図面のいずれかで示されたような請求項1から26のいずれかに記載の、患者の体の内腔内の選択された位置へ医療デバイスを移送するための方法。
【請求項47】
実質上上記で説明されたような請求項27から44のいずれかに記載の、患者の体の内腔内の選択された位置へ医療デバイスを移送するためのシステム。
【請求項48】
実質上図面のいずれかで示されたような請求項27から44のいずれかに記載の、患者の体の内腔内の選択された位置へ医療デバイスを移送するためのシステム。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2008−512171(P2008−512171A)
【公表日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−530847(P2007−530847)
【出願日】平成17年9月8日(2005.9.8)
【国際出願番号】PCT/IL2005/000955
【国際公開番号】WO2006/027781
【国際公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【出願人】(501448314)メディガイド リミテッド (13)
【Fターム(参考)】