冊子状製品の製造装置及び冊子状製品の製造方法
【課題】中綴じ冊子あるいは平綴じ冊子を安価で簡易な装置構成で糊付け製本でき、また中綴じと平綴じの両製品の製造の切り替えを簡単にできるようにする。
【解決手段】製本マークを印刷した連続紙の走行路に、製本マークを読み取るマークセンサ18,19と、これの読み取り信号に基づく制御信号にて作動して中綴じ冊子用の連続紙には幅方向中央で、かつ交互の折り畳み片となる表側面と裏側面に、あるいは平綴じ冊子用の連続紙には幅方向一方側で、かつ交互の折り畳み片となる部分の表側面と裏側面の1片おきに線糊塗布する糊塗布装置22,23と、上記製本マークで指示される折り片数で切断する切断装置24と、切断された中綴じ冊子用あるいは平綴じ冊子用の連続紙を各折り畳み片にて折り畳んで中間製品とする第1の羽根折り装置2と、中綴じ冊子の中間製品を中折り加工し、平綴じ冊子の中間製品を素通しする第2の羽根折り装置4とからなる。
【解決手段】製本マークを印刷した連続紙の走行路に、製本マークを読み取るマークセンサ18,19と、これの読み取り信号に基づく制御信号にて作動して中綴じ冊子用の連続紙には幅方向中央で、かつ交互の折り畳み片となる表側面と裏側面に、あるいは平綴じ冊子用の連続紙には幅方向一方側で、かつ交互の折り畳み片となる部分の表側面と裏側面の1片おきに線糊塗布する糊塗布装置22,23と、上記製本マークで指示される折り片数で切断する切断装置24と、切断された中綴じ冊子用あるいは平綴じ冊子用の連続紙を各折り畳み片にて折り畳んで中間製品とする第1の羽根折り装置2と、中綴じ冊子の中間製品を中折り加工し、平綴じ冊子の中間製品を素通しする第2の羽根折り装置4とからなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続紙をジグザグ状に折り畳んで所定の数の折り片ずつセット出しし、ついで中綴じあるいは平綴じし、あるいはその後綴じ側部を除く三方の周縁を断裁して冊子状製品とするようにした冊子状製品の製造装置及び冊子状製品の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の冊子状製品の製造装置としては、少なくとも冊子の幅に相当する紙幅を有する連続紙を用い、印刷版により上記連続紙の各頁位置の表側と裏側に印刷し、印刷後の連続紙を所定の折り線に沿ってジグザグ状に折り畳むと共に、所要の断裁を行ない、一端部を綴じることにより製本するようにしている(特許文献1参照)。
【0003】
また他の従来の技術としては、一定の走行速度で走行している連続紙の折り畳み天地方向寸法間隔に切れ目を入れ、この切れ目に沿って首振りシュータにてジグザグ状に折り畳むと共に、所定の位置の上記切れ目にて切断して所定の折り片ごとにセット出しして製品とするようにしている(特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】特開昭62−158097号公報
【特許文献2】特開平11−106129号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した従来の技術にあってはいずれも平綴じ冊子を製造する平綴じ専用の装置であって中綴じ冊子を製造することができず、中綴じ冊子を製造する場合には、中綴じ冊子専用の製造装置を必要とし、またジグザグ状に折り畳んでセット出しした後に再度無線綴機にかけて糊付製本する必要があり不経済であった。
【0006】
本発明は上記のことにかんがみなされたもので、綴じ片がずれることがないようにした中綴じ及び平綴じのそれぞれの冊子状製品を、簡易な装置構成にて糊着け製本が可能であって経済的効果が得られると共に、中綴じ及び平綴じの両製品の製造にも簡単に対応することができるようにした冊子状製品の製造装置及び冊子状製品の製造方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る冊子状製品の製造装置は、折り畳み片に応じた製本マークを印刷した連続紙の走行路に、製本マークを読み取るマークセンサと、マークセンサの読み取り信号に基づく制御信号にて作動して中綴じ冊子用の連続紙には幅方向中央で、かつ交互の折り畳み片となる表側面と裏側面に、あるいは平綴じ冊子用の連続紙には幅方向一方側で、かつ交互の折り畳み片となる部分の表側面と裏側面のそれぞれの1片おきに線糊塗布を可能にした糊塗布装置と、上記制御信号にて作動して製本マークにより指示される折り片数で切断する切断装置と、切断装置にて切断された中綴じ冊子用あるいは平綴じ冊子用の連続紙を各折り畳み片にてジグザグ状に折り畳んで中間製品として折り出す第1の羽根折り装置と、中綴じ冊子の中間製品を中折り加工し、平綴じ冊子の中間製品を素通しする第2の羽根折り装置とを設けた構成になっている。そしてこの構成の装置において、第2の羽根折り装置の下流側に第2の羽根折り装置より排出される中間製品の綴じ側を除く三方を断裁する三方断裁装置を設け、さらに、第2の羽根折り装置と三方断裁装置の間の走行ラインに少なくとも1つのリジェクタを有するリジェクト装置を設けた。そしてさらに、マークセンサと糊塗布装置の間に、中綴じ冊子用の連続紙の幅方向中央で、かつ折り畳み片のそれぞれに、互いに1片おきに縦ミシン目加工を行う第1・第2の縦ミシン装置を設けた。
【0008】
また、上記冊子状製品の製造装置を用いた本発明に係る冊子状製品の製造方法は、中綴じする見開き幅を有し、製本マークが印刷されている連続紙を、製本マークを読み取るマークセンサの読み取り信号に基づいてマークにて指示される折り畳み片数にて切断し、ついでジグザグ状に折り畳んで中間製品とし、この中間製品を中折りしてこの中折り部にて中綴じしてから中綴じ部以外の三方を断裁するようにした冊子状製品の製造方法において、上記マークセンサからの製本マーク読み取り信号に基づいて連続紙の幅方向中央で、かつ折り畳み片のそれぞれに縦ミシン目を入れると共に、各折り畳み片の対向する表側面、裏側面に交互に線糊を塗布するようにした。
【0009】
そしてこの製造方法において、中綴じ冊子の連続紙の折り畳み片に加工される縦ミシン目の加工長さが三方断裁後の冊子の外縁にかからない長さにした。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る冊子状製品の製造装置によれば、あらかじめ印刷されてロール状に巻き取られている連続紙を給紙することにより、乱丁、落丁のない中綴じ冊子あるいは平綴じ冊子を、安価で簡易な装置構成で糊着け製本できる。そして中綴じと平綴じの両製品の製造の切り替えを簡単に行うことができる。また、ジグザグ折り出しに羽根折り装置を用いたことにより、連続紙にジグザグ折り出し用の横ミシン目加工を施す必要がなくなり、処理工程を削減できて設備及び生産コストの削減を図ることができる。
【0011】
そして第2の羽根折り装置を出た中間製品は三方断裁装置により、これの綴じ部以外の三方辺が断裁されて見栄えのよい冊子状製品を得ることができる。
【0012】
また、中間製品の搬送部にリジェクト装置を設けたことにより、稼動中に発生する半製品、不良品を不良原因ごとに区分け排除したり、後工程への製品搬送を一時中断して待機ストックすることができ、本機の稼動率を向上することができる。
【0013】
中綴じ冊子の製造時に、中綴じ部に縦ミシン目を施すことができることにより、この中綴じ部に塗布される線糊は、このミシン目に浸透して折り重なる各折り片の糊着けを良好に行うことができる。
【0014】
上記冊子状製品の製造装置を用いた冊子状製品の製造方法によれば、あらかじめ印刷されてロール状に巻き取られている連続紙から中綴じ冊子、あるいは平綴じ冊子が製造される際に、これらの綴じ部に塗布される線糊が、この部分に設けられる縦ミシン目にて折り体の両面に浸透し、これにより各折り片の糊着けを良好に行うことができる。
【0015】
そして中綴じ冊子の連続紙の折り畳み片に加工される縦ミシン目が三方断裁後の冊子の外縁にかからないことにより、この中綴じ冊子の折り位置における端部強度が縦ミシン目によって弱まることがなく、中綴じ冊子の綴じ部の強度を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1は中綴じ冊子の製造工程を概略的に示すものである。図中1は、例えば1セットの折り片が6枚の中綴じ用の折り畳み片1a,1b,1c,1d,1e,1fからなり、各片が表と裏とで4頁となる24頁の中綴じ冊子用の連続紙であり、この連続紙1は製造しようとする中綴じ冊子の見開き幅を有し、1セットずつ切断された状態となって走行されてくるようになっている。そしてこの連続紙1は、第1の羽根折り装置2にて各中綴じ片を仕切る折り畳み位置3にてジグザグ状に折り畳んで中間製品Aとし、ついで直角方向に方向を転換して、これを第2の羽根折り装置4にて2つ折りして中折り冊子Bとするようにしている。その後のこの中折り冊子Bは、中折り部である中綴じ部以外の三方を三方断裁装置5にて断裁して中綴じ冊子Cを得る。
【0018】
なお、上記第1の羽根折り装置2の場合、連続紙1に横ミシン目等による折り畳み線を設ける必要はないが、図1において上記羽根折り装置2による折り畳み位置3を仮想線で示した。
【0019】
連続紙1の各中綴じ用の折り畳み片1a〜1fの表側面と裏側面に、中綴じ冊子Cとなったときに順次連続する頁となる絵柄が印刷されている。各片に示した数字は1セットにおける各頁の絵柄を示し、またカッコで示した数字は裏側であることを示している。この場合、例えば図1に示すように第1の折り畳み片1aの表側面が下方へ向くように折り畳まれるものとすると、この第1の折り畳み片1aの表側面が冊子の第1頁と第2頁となることになり、他の折り畳み片1b〜1fにはこれに準じた連続する絵柄が印刷されている。
【0020】
すなわち、図1に示すように、第1の折り畳み片1aの表側面には、上記したように1頁と24頁、裏側面に2頁と23頁が、第2の折り畳み片1bの表側面に4頁と21頁が、裏側面に3頁と22頁が、第3の折り畳み片1cの表側面に5頁と20頁、裏側面に6頁と19頁が、第4の折り畳み片1dの表側面に8頁と17頁、裏側面に7頁と18頁が、第5の折り畳み片1eの表側面に9頁と16頁、裏側面に10頁と15頁が、さらに第6の折り畳み片1fの表側面に12頁と13頁、裏側面に11頁と14頁がそれぞれ1片ごとに天地方向を変えて印刷されている。
【0021】
また、上記連続紙1の第1の折り畳み片1aと最後の折り畳み片1fを除く中間の折り畳み片1b〜1eの幅方向中央部、すなわち中折り位置に縦ミシン目6が連続紙1の各折り畳み片ごとに長手方向に設けてある。
【0022】
また、上記連続紙1の各折り畳み片の折り畳みの内側となって各対向する面で、いずれか一方の面の中折り位置に線糊7,7′が施されている。この実施例では、第1の折り畳み片1aの裏面から交互に塗布したこの各線糊7,7′は、上記中間の折り畳み片1b〜1eにおいて、これらに設けた縦ミシン目6の位置と同一位置になるので、この各線糊7,7′は縦ミシン目6を通って反対側面に滲み出して反対側面での接着にも作用される。
【0023】
図1において、縦ミシン目6と線糊7,7′は同一位置になるので、平面図での線糊7,7′は縦ミシン目6の両側に2重線及び2重点線にて示したが、これは実際には1本の線状に施されるものである。
【0024】
図2は平綴じ冊子の製造工程を概略的に示すものである。図中11は、例えば1セットが6枚の平綴じ用の折り畳み片11a,11b,11c,11d,11e,11fからなる12頁の平綴じ冊子用の連続紙であり、この連続紙11は製造しようとする平綴じ冊子の1頁分の幅を有し、1セットずつ切断された状態となって走行されてくるようになっている。そしてこの連続紙11は、第1の羽根折り装置2にて各平閉じ用の折り畳み片を仕切る折り畳み位置12にてジグザグ状に折り畳んで中間製品Dとし、ついで直角方向に方向を転換し、第2の羽根折り装置4を素通りし、ついで三方断裁装置5にて綴じ部を除く三方を断裁して平綴じ冊子Eを得る。
【0025】
なお、上記折り畳み位置12は、第1の羽根折り装置2にて折り畳まれる位置であり、これを上記した中綴じ冊子の場合と同様に仮想線で示した。
【0026】
連続紙11の各平綴じ用の折り畳み片11a〜11fの表側面と裏側面に、平綴じ冊子Eとなったときに順次連続する頁となる絵柄が印刷されている。各片に示した数字は1セットにおける頁の絵柄を示し、またカッコで示した数字は裏側であることを示している。この場合、例えば図2に示すように第1の折り畳み片11aの表側面が下方へ向くように折り畳まれるものとすると、この第1の折り畳み片11aの表側面が冊子の第1頁となることになり、他の折り畳み片11b〜11fにはこれに準じた連続する絵柄が印刷されている。
【0027】
また、この連続紙11の各折り畳み片の折り畳みの内側となって対向する面のいずれか一方の面の綴じ位置に線糊13,13′が施されている。
【0028】
図3から図5にて、上記中綴冊子C及び平綴じ冊子Eを製造する装置を説明する。
【0029】
図3において、15は上記両冊子C,Eの中間冊子A,Dを成形する中間製品成形部、16はこの中間製品成形部15にて成形された中間製品A,Dを中綴じ冊子C、平綴じ冊子Eに仕上げ成形する仕上げ成形部であり、この仕上げ成形部16は上記中間製品成形部15の走行方向終端部に対して直角方向に接続されている。そして上記中間製品成形部15の下流端部に第1の羽根折り装置2が設けてあり、仕上げ成形部16の上流側に第2の羽根折り装置4が設けてある。
【0030】
上記中間製品成形部15の構成を図3をX−X矢視にて示した図5にて説明する。
【0031】
図中17はロール状にした中綴じ用、平綴じ用の連続紙1,11を選択的に供給可能にした給紙部であり、この給紙部17から給紙される連続紙1,11において、例えば中綴じ冊子用の連続紙1で1セットの折り畳み片の枚数が6枚の場合には、図1に示すように所定の絵柄の6枚の折り畳み片1a〜1fを1セットとして繰り返し印刷されている。そしてこの印刷と共に、この各片の印刷ごとに製本マークが上記各片の絵柄と共にインクジェットプリンタ、もしくは印刷機にてプリプリントされている。
【0032】
また、上記平綴じ冊子用の連続紙11も同様に折り畳み片の枚数が6枚の場合には、この6枚の折り畳み片11a〜11fを1セットとして繰り返し印刷されており、各片の印刷ごとに製本マークが印刷されている。そしてこの製本マークの一例として図6に示すように、連続紙1,11の一側端部の所定の位置に、例えばタイミングマークM1、裏面糊マークM2、表面糊マークM3、切断マークM4等、必要なマークとしてプリプリントされている。
【0033】
上記連続紙1,11の走行経路には、各連続紙1,11のそれぞれの製本マークを個々に読み取る第1・第2のマークセンサ18,19と、中綴じ冊子用の連続紙1の中折れ線部に縦ミシン目6を第1と最終の中折り畳み片を除く各片ごとに交互に加工するための第1・第2の縦ミシン装置20,21と、連続紙1,11の裏側の線糊7′,13′を施す裏側糊塗布装置22及び表側の線糊7,13を施す表側糊塗布装置23と、各連続紙1,11を所定の折り畳み片の枚数で切断する切断装置24とが設けられている。そしてこの切断装置24の下流側は、第1の搬送ライン25となっており、これの下流端部に上記第1の羽根折り装置2が配置されている。
【0034】
上記両糊塗布装置22,23は連続紙1,11の幅方向に移動可能になっていて、中綴じ冊子の製造時には連続紙1の中央位置に、平綴じ冊子の製造時には連続紙11の一方側へ移動させてそれぞれ糊塗布位置にセットできるようになっている。なおこの場合において、糊塗布装置22,23を移動しないで、この糊塗布装置22,23の位置に綴じ部が位置するように用紙11を走行するようにしてもよい。
【0035】
次に上記中間製品成形部15の下流側に連設される仕上げ成形部16の構成を、図3、図4及び図5にて説明する。
【0036】
この仕上げ成形部16の上流部には、上記中間製品成形部15の第1の羽根折り装置2からジグザグ状に折り畳まれて排出される中間成形品A,Dが当接するストッパ26と、このストッパ26に当接した中間成形品A,Dを直角方向へ走行させて第2の羽根折り装置4へ移動させる搬送装置26aを有している。そして第2の羽根折り装置4の下流側が第2搬送ライン27となっており、この第2搬送ライン27に第2の羽根折り装置4を通過した中間製品A,Dを選択的に排出できるようにしたリジェクト装置28と、このリジェクト装置28を通過した中間製品の綴じ部以外の三方を断裁する三方断裁装置5と、排出装置29とが配設されている。
【0037】
上記第1・第2の羽根折り装置2,4は特許文献3,4に示された公知の装置であり、これの概略的な構成を図7、図8にて説明する。
【0038】
【特許文献3】特開2003−182931号公報
【特許文献4】特開平4−279395号公報
【0039】
図7は第1の羽根折り装置2を示すものである。この羽根折り装置2は折り回数が6回まで行うことができる構成になっていて、互いに平行に配置された第1〜第8の折りローラ30,31,32,33,34,35,36,37を備えており、これらの折りローラは連続紙1,11の走行方向で相前後して順次転接させて配置されている。そして第1と第3の折りローラ30,32の間に、第2の折りローラ31に対向させる第1の羽根40が設けてあり、同様にして第3・第4・第5・第6・第7の各折りローラ32,33,34,35,36に対向させて第2・第3・第4・第5・第6の羽根41,42,43,44,45が設けてある。各羽根40〜45にはストッパ46が羽根の長さ方向にスライド可能に設けられていて、このストッパ46の位置により折り幅が設定されるようになっている。また、このストッパ46を羽根の入口まで移動することにより各羽根が閉じられて、この羽根により折り畳みがパスされるようになっている。
【0040】
図8は第2の羽根折り装置4であり、この羽根折り装置4は折り数が1回(2つ折り)のもので、これは基本的には上記第1の羽根折り装置2と同一構成であり、4個の折りローラ30′,31′,32′,33′と第1・第2の羽根40′,41′からなっている。
【0041】
次にリジェクト装置28の構成を図9にて説明する。
【0042】
このリジェクト装置28は、第2の羽根折り装置4から三方断裁装置5に至る上記した第2搬送ライン27に例えば3台のリジェクタ50,50,50が設けてある。
【0043】
この各リジェクタ50は、第2搬送ライン27に対して下側から出没して、この第2搬送ライン27に搬送されてくる中綴じ冊子の中折り冊子B、あるいは平綴じ冊子の中間製品Dのそれぞれを選択的に下方へ取り込む仕分け板51と、この取り込んだ冊子を下方へ案内する案内路52と、この案内路52にて案内されてきた冊子を集積する集積部53とからなっている。54はリジェクト装置28の上流側に設けられた不良品検出センサであり、この不良品検出センサ54は、第2搬送ライン50を搬送されてくる中折り冊子Bや中間製品Dのうちの不良品を検出して上記リジェクト装置28の各リジェクタ50に逐次、あるいは選択的に信号を出力するようになっている。そして、それぞれのリジェクタ50のそれぞれの仕分け板51を上記制御信号に基づいて作動させて、所定の冊子を所定のリジェクタ50に落下して取り込むようになっている。
【0044】
上記した冊子状製品の製造装置を用いて、まず図1に示したように1セットの折り片が6枚まで、第1の中綴じ片1aの表面が第1頁及び最終頁となる中綴じ冊子Cを製造する作用を説明する。
【0045】
図5において、給紙部17からは6枚の折り畳み片1a〜1fを1セットとして繰り返し印刷された連続紙1が給紙される。そしてこの連続紙1の各片に印刷されている製本マークをマークセンサ18,19にて読み取り、このマークセンサ18,19の読み取り信号に基づく制御信号にて第1・第2の縦ミシン装置20,21が交互に作動して、この両縦ミシン装置20,21にて第1(最上面)の折り畳み片1aと第6(最下面)の折り畳み片1fを除く中間の各中綴じ片1b〜1eのそれぞれの中折り線部に交互に縦ミシン目6を加工する。
【0046】
ついで、上記マークセンサ18,19の読み取り信号に基づく制御信号にて裏側面と表側面の両糊塗布装置22,23が作動して、この各糊塗布装置22,23にて各折り畳み片1a〜1fの中折り線部で、かつ折り畳みの内側となって対向する面のいずれか一方の面に線糊7,7′が施される。
【0047】
このときにおいて、上記縦ミシン目6が三方断裁装置5にて断裁されて製品となった中綴じ冊子Cの折り位置の端部まで続いていると、この縦ミシン目6により折り端部の強度が低下する。また、断裁されて廃棄される部分にまで線糊7,7′を施す必要はない。
【0048】
このことから図10に示すように、各折り畳み片の縦ミシン目6の相互の端間隔Sは、各縦ミシン目6の端が三方断裁機5による断裁線55より内側になる間隔にしてある。また線糊7,7′の端も上記断裁線30より内側、少なくとも一致する位置となるようにしている。
【0049】
上記のようにして縦ミシン目6と線糊7,7′が施された連続紙1は、上記マークセンサ18,19の読み取り信号に基づく制御信号によって、切断装置24にて6枚の折り畳み片1a〜1fを1セットにして切断される。そしてこの1セットずつの連続紙1は、第1の搬送ライン25にて第1の羽根折り装置2に搬送されて、ここでジグザグ状に折り畳まれる。
【0050】
このときにおいて、この実施例における中綴じ冊子が、図1に示すように第1の折り畳み片1aの表側面が下向きになるように折り畳むためには、図7に示すように第1の羽根折り装置2の第1の羽根40の入口をストッパ46にて閉じておく。
【0051】
このようにした第1の羽根折り装置2の第1・第2の折りローラ30,31間に送り込まれた連続紙1の先端は、第1の羽根40がストッパ46にて閉じられているので、第2・第3の折りローラ31,32にて第2の羽根41に入る。そしてこれの先端がストッパ46に突き当たり、第1と第2の折り畳み片1a,1bが、第1の折り畳み片1aが下向きになって第1の折り線にて折り畳まれる。その後、この第1の折り線にて折り畳まれた第1・第2の折り畳み片1a,1bは、第3・第4の折りローラ32,33にて第3の羽根42内に入り、第1の折り線がこれのストッパ46に突き当たることにより、第2と第3の折り畳み片1b,1cが第2の折り線にて折り畳まれ、第1・第2・第3の各折り畳み片1a,1b,1cが折り畳まれた状態で第4の羽根43に入り、以下順に後続の折り畳み片が折り畳まれて、第7・第8の折りローラ36,37から折り数が5回で、第1の折り畳み片1aの表側面が下側、第6の折り畳み片1fの表側面が上向きになった中間製品Aが排出される。そしてこのときの各折り畳み片は、各折りローラを通る間に圧接されて中折り位置にて糊着けされる。
【0052】
このときにおいて、第1の折り畳み片1aの裏側面を下側にしたい場合には、第1の羽根40のストッパ46を開けておき、この第1の羽根40から折り畳みを開始すればよい。
【0053】
第1の羽根折り装置2から排出された中間製品Aは、ストッパ26に当接して搬送装置26aにて第2の羽根折り装置4に送られる。この第2の羽根折り装置4では図8に示されるように、第1の羽根40′が開けられており、第2の羽根41′がストッパ46′にて閉じられている。中間製品Aは第1・第2の折りローラ30′,31′にて第1の羽根40′内に入り、これの先端が第1の羽根40′のストッパ46′に突き当たることにより、第1の折り畳み片1aの最終頁が表側になるように2つ折りされて第3・第4の折りローラ32′,33′から中折り冊子Bとなって排出される。
【0054】
ついでこの中折り冊子Bは、仕上げ成形部16の第2の搬送ライン27のリジェクト装置28を通過後、三方断裁装置5にて綴じ側を除く他の3方側を断裁して中綴じ冊子Cとする。
【0055】
そして上記第2の羽根折り装置4から仕上成形部16に送り込まれた中折り冊子Bは、図9に示されたリジェクト装置28の不良品検出センサ54にて検品され、ここで不良品として検出された冊子は、所定のリジェクタ50,50,50のいずれかの仕分け板51が選択的に開となって、これに取り込まれて分離される。
【0056】
このようにしてリジェクタ50に取り込まれた中折り冊子B′は集積部53にて集積され、後処理装置部へ搬送される。
【0057】
次に図2に示した平綴じ冊子Eを製造する作用を説明する。
【0058】
この平綴じ冊子Eの製造は、上記中綴じ冊子Cの製造に対して縦ミシン目加工がないことと、第2の羽根折り装置4の各羽根をストッパにて閉じて、これを素通りさせること以外は基本的には同一である、
【0059】
上記したように、例えば中綴じ冊子の製造方法において、中綴じ用の折り畳み片の枚数が偶数枚(6枚)、したがって折り回数が奇数回(5回)の場合で、かつ図1に示すように、三方断裁装置5から排出される中綴じ冊子Cの姿勢が、綴じ側を排出方向下流側へ向けると共に、最終頁が上向きになるように仕上げる場合は、偶数枚の枚数(折り回数)に関係なく、図1、図7で示すように、第1の折り畳み片1aの表側面が第1頁と最終頁となり、第1の羽根折り装置2では第1の羽根をパスして第2の羽根より折り畳みを開始する。これにより、上記第1の折り畳み片1aの表側面が下向きになるように折り畳まれる。
【0060】
そして上記折り畳み前の連続紙1の第1と最後の折り畳み片を除く中間の折り畳み片の幅方向中央部に縦ミシン目加工し、またこの中間部での糊塗布は、裏側面は最後の折り畳み片を除いて、第1の折り畳み片から1枚おきに、また表側面は最後の折り畳み片を除いて第2の折り畳み片から1枚おきに行う。
【0061】
また、この中綴じ冊子Cの製造方法において、折り畳み片の枚数が奇数枚、したがって折り回数が偶数回の場合で、かつこの中綴じ冊子Cの三方断裁装置5から排出される姿勢が上記枚数が偶数の場合と同様になるように仕上る場合は、偶数枚の場合と同様に奇数枚の枚数(折り回数)に関係なく以下のようになる。
【0062】
すなわち、折り畳み片の枚数が奇数枚、折り回数が偶数回の場合で、例えば折り畳み片が7枚の場合には、これの表側面の印刷頁は図11の(a)のように、また裏側面の印刷頁は(b)のようになり、第1の折り畳み片の裏側面が第1頁と最終頁となる。そしてこの場合において、第1の羽根折り装置2では第1の羽根より折り畳みを開始する。これにより上記第1の折り畳み片の裏側面が下向きになるように折り畳まれる。
【0063】
そして上記折り畳み前の中綴じ冊子用の連続紙には、図11に示すように、第1と最後の綴じ片を除く中間の折り畳み片の幅方向中央部に縦ミシン目6を加工し、またこの中央部での糊塗布7,7′は、表側面は最後の折り畳み片を除いて第1の折り畳み片から1枚おきに、また裏側面は最後の折り畳み片を除いて第2の折り畳み片から1枚おきに行う。
【0064】
一方、平綴じ冊子の製造方法において、平綴じ用の折り畳み片の枚数が偶数枚(6枚)、したがって折り回数が奇数回(5回)の場合で、かつ図2に示すように、三方断裁機5から排出される平綴じ冊子Eの姿勢が閉じ冊子を排出方向下流側へ向けると共に、最終頁が上向きになるように仕上る場合は、偶数枚の枚数(折り回数)に関係なく、図2、図7に示すように、第1の折り畳み片11aの表側面が第1頁となり、第1の羽根折り装置2では第1の羽根をパスして第2の羽根より折り畳みを開始する。これにより上記第1の折り畳み片11aの表側面が下向きとなるように折り畳まれる。
【0065】
この場合の上記折り畳み前の連続紙11には、図2に示されるように表側面の最後の折り畳み片を除く第2の折り畳み片から1枚おきに、また裏側面の第1の折り畳み片から1枚おきに線糊7,7′が塗布されていて、第1の羽根折り装置2から排出するときに各片の糊着けが行われる。
【0066】
また、平綴じ冊子Eの製造方法において、平綴じ用の折り畳み片の枚数が奇数枚、したがって折り回数が偶数回の場合で、かつこの平綴じ冊子Eの三方断裁装置5から排出される姿勢が上記枚数が偶数の場合と同様になるように仕上げる場合には、偶数枚の場合と同様に奇数枚の枚数(折り回数)に関係なく以下のようになる。
【0067】
すなわち、折り畳み片の枚数が奇数枚、折り回数が偶数回の場合で、例えば折り畳み片が7枚の場合には、これの表側面と裏側面の印刷頁は図12の(a)のように、また裏側面の印刷頁は(b)のようになり、第1の折り畳み片の裏側面が第1頁となる。そしてこの場合において、第1の羽根折り装置2では第1の羽根から折り畳みを開始することにより上記第1の折り畳み片の裏側面が下向きになるように折り畳まれる。
【0068】
上記折り畳み前の平綴じ用の連続紙には、表側面の最後の折り畳み片を除く第1の折り畳み片より1枚おきに線糊が塗布されており、また裏側面の第2の折り畳み片より1枚おきに線糊が塗布されていて、第1の羽根折り装置2から排出されるときに各片の糊着けが行われる。
【0069】
上記実施の形態においての中綴じ冊子の製造工程において、第1の折り畳み片と最後の折り畳み片以外の各折り畳み片の中折り位置にミシン目6を施したことにより、第2の羽根折り装置4による中折り作業がスムーズに、かつ正確に行うことができると共に、中折り位置に施された線糊が、このミシン目6に浸透して折り畳み片相互の糊着けが良好に行うことができ、その上、中綴じ冊子として見開きとなる折り畳み片に縦ミシン目がないことにより、この中綴じ冊子の外観が上記縦ミシン目により損なうことをなくすことができる。
【0070】
なお上記外観上の考慮を無視するならば、全ての折り畳み片に縦ミシン目を入れてもよい。
【0071】
また、この縦ミシン目は上記したように中折りしやすくするためと糊の浸透をよくするためのものであるが、これらを考慮しない場合はこのミシン目を省略しても良い。
【0072】
また上記各実施の形態において、中綴じ冊子及び平綴じ冊子において、三方断裁しないで製品としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】中綴じ冊子の製造工程を概略的に示す説明図である。
【図2】平綴じ冊子の製造工程を概略的に示す説明図である。
【図3】冊子状製品の製造装置を示す平面図である。
【図4】冊子状製品の製造装置の仕上げ成形部を示す正面図である。
【図5】図3のX−X矢視図である。
【図6】製本マークの一例を示す平面図である。
【図7】第1の羽根折り装置を示す構成説明図である。
【図8】第2の羽根折り装置を示す構成説明図である。
【図9】リジェクト装置を示す正面図である。
【図10】中綴じ冊子の中折り部に設ける縦ミシン目加工及び線塗布の範囲を示す平面図である。
【図11】(a),(b)は中綴じ冊子用で、かつ折り畳み片の枚数が7枚の場合の連続紙の表側面と裏側面を示す平面図である。
【図12】(a),(b)は平綴じ冊子用で、かつ折り畳み片の枚数が7枚の場合の連続紙の表側面と裏側面を示す平面図である。
【符号の説明】
【0074】
A,D…中間製品、B,B′…中折り冊子、C…中綴じ冊子、E…平綴じ冊子、M1〜M4…タイミングマーク、S…端間隔、1,11…連続紙、1a〜1f…中綴じ用の折り畳み片、11a〜11f…平綴じ用の折り畳み片、2,4…第1・第2の羽根折り装置、3,12…折り畳み位置、5…三方断裁装置、6…縦ミシン目、7,7′,13,13′…線糊、15…中間製品成形部、16…仕上げ成形部、17…給紙部、18,19…マークセンサ、20,21…第1・第2の縦ミシン装置、22,23…裏側面、表側面の糊塗布装置、24…切断装置、25,27…第1・第2の搬送ライン、26…ストッパ、26a…搬送装置、28…リジェクト装置、29…排出装置、30〜37,30′〜37′…第1〜第8の折りローラ、40〜45及び40′,41′…第1〜第6及び第1、第2の羽根、46…ストッパ、50…リジェクタ、51…仕分け板、52…案内路、53…集積部、54…不良品検出センサ、55…断裁線。
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続紙をジグザグ状に折り畳んで所定の数の折り片ずつセット出しし、ついで中綴じあるいは平綴じし、あるいはその後綴じ側部を除く三方の周縁を断裁して冊子状製品とするようにした冊子状製品の製造装置及び冊子状製品の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の冊子状製品の製造装置としては、少なくとも冊子の幅に相当する紙幅を有する連続紙を用い、印刷版により上記連続紙の各頁位置の表側と裏側に印刷し、印刷後の連続紙を所定の折り線に沿ってジグザグ状に折り畳むと共に、所要の断裁を行ない、一端部を綴じることにより製本するようにしている(特許文献1参照)。
【0003】
また他の従来の技術としては、一定の走行速度で走行している連続紙の折り畳み天地方向寸法間隔に切れ目を入れ、この切れ目に沿って首振りシュータにてジグザグ状に折り畳むと共に、所定の位置の上記切れ目にて切断して所定の折り片ごとにセット出しして製品とするようにしている(特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】特開昭62−158097号公報
【特許文献2】特開平11−106129号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した従来の技術にあってはいずれも平綴じ冊子を製造する平綴じ専用の装置であって中綴じ冊子を製造することができず、中綴じ冊子を製造する場合には、中綴じ冊子専用の製造装置を必要とし、またジグザグ状に折り畳んでセット出しした後に再度無線綴機にかけて糊付製本する必要があり不経済であった。
【0006】
本発明は上記のことにかんがみなされたもので、綴じ片がずれることがないようにした中綴じ及び平綴じのそれぞれの冊子状製品を、簡易な装置構成にて糊着け製本が可能であって経済的効果が得られると共に、中綴じ及び平綴じの両製品の製造にも簡単に対応することができるようにした冊子状製品の製造装置及び冊子状製品の製造方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る冊子状製品の製造装置は、折り畳み片に応じた製本マークを印刷した連続紙の走行路に、製本マークを読み取るマークセンサと、マークセンサの読み取り信号に基づく制御信号にて作動して中綴じ冊子用の連続紙には幅方向中央で、かつ交互の折り畳み片となる表側面と裏側面に、あるいは平綴じ冊子用の連続紙には幅方向一方側で、かつ交互の折り畳み片となる部分の表側面と裏側面のそれぞれの1片おきに線糊塗布を可能にした糊塗布装置と、上記制御信号にて作動して製本マークにより指示される折り片数で切断する切断装置と、切断装置にて切断された中綴じ冊子用あるいは平綴じ冊子用の連続紙を各折り畳み片にてジグザグ状に折り畳んで中間製品として折り出す第1の羽根折り装置と、中綴じ冊子の中間製品を中折り加工し、平綴じ冊子の中間製品を素通しする第2の羽根折り装置とを設けた構成になっている。そしてこの構成の装置において、第2の羽根折り装置の下流側に第2の羽根折り装置より排出される中間製品の綴じ側を除く三方を断裁する三方断裁装置を設け、さらに、第2の羽根折り装置と三方断裁装置の間の走行ラインに少なくとも1つのリジェクタを有するリジェクト装置を設けた。そしてさらに、マークセンサと糊塗布装置の間に、中綴じ冊子用の連続紙の幅方向中央で、かつ折り畳み片のそれぞれに、互いに1片おきに縦ミシン目加工を行う第1・第2の縦ミシン装置を設けた。
【0008】
また、上記冊子状製品の製造装置を用いた本発明に係る冊子状製品の製造方法は、中綴じする見開き幅を有し、製本マークが印刷されている連続紙を、製本マークを読み取るマークセンサの読み取り信号に基づいてマークにて指示される折り畳み片数にて切断し、ついでジグザグ状に折り畳んで中間製品とし、この中間製品を中折りしてこの中折り部にて中綴じしてから中綴じ部以外の三方を断裁するようにした冊子状製品の製造方法において、上記マークセンサからの製本マーク読み取り信号に基づいて連続紙の幅方向中央で、かつ折り畳み片のそれぞれに縦ミシン目を入れると共に、各折り畳み片の対向する表側面、裏側面に交互に線糊を塗布するようにした。
【0009】
そしてこの製造方法において、中綴じ冊子の連続紙の折り畳み片に加工される縦ミシン目の加工長さが三方断裁後の冊子の外縁にかからない長さにした。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る冊子状製品の製造装置によれば、あらかじめ印刷されてロール状に巻き取られている連続紙を給紙することにより、乱丁、落丁のない中綴じ冊子あるいは平綴じ冊子を、安価で簡易な装置構成で糊着け製本できる。そして中綴じと平綴じの両製品の製造の切り替えを簡単に行うことができる。また、ジグザグ折り出しに羽根折り装置を用いたことにより、連続紙にジグザグ折り出し用の横ミシン目加工を施す必要がなくなり、処理工程を削減できて設備及び生産コストの削減を図ることができる。
【0011】
そして第2の羽根折り装置を出た中間製品は三方断裁装置により、これの綴じ部以外の三方辺が断裁されて見栄えのよい冊子状製品を得ることができる。
【0012】
また、中間製品の搬送部にリジェクト装置を設けたことにより、稼動中に発生する半製品、不良品を不良原因ごとに区分け排除したり、後工程への製品搬送を一時中断して待機ストックすることができ、本機の稼動率を向上することができる。
【0013】
中綴じ冊子の製造時に、中綴じ部に縦ミシン目を施すことができることにより、この中綴じ部に塗布される線糊は、このミシン目に浸透して折り重なる各折り片の糊着けを良好に行うことができる。
【0014】
上記冊子状製品の製造装置を用いた冊子状製品の製造方法によれば、あらかじめ印刷されてロール状に巻き取られている連続紙から中綴じ冊子、あるいは平綴じ冊子が製造される際に、これらの綴じ部に塗布される線糊が、この部分に設けられる縦ミシン目にて折り体の両面に浸透し、これにより各折り片の糊着けを良好に行うことができる。
【0015】
そして中綴じ冊子の連続紙の折り畳み片に加工される縦ミシン目が三方断裁後の冊子の外縁にかからないことにより、この中綴じ冊子の折り位置における端部強度が縦ミシン目によって弱まることがなく、中綴じ冊子の綴じ部の強度を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1は中綴じ冊子の製造工程を概略的に示すものである。図中1は、例えば1セットの折り片が6枚の中綴じ用の折り畳み片1a,1b,1c,1d,1e,1fからなり、各片が表と裏とで4頁となる24頁の中綴じ冊子用の連続紙であり、この連続紙1は製造しようとする中綴じ冊子の見開き幅を有し、1セットずつ切断された状態となって走行されてくるようになっている。そしてこの連続紙1は、第1の羽根折り装置2にて各中綴じ片を仕切る折り畳み位置3にてジグザグ状に折り畳んで中間製品Aとし、ついで直角方向に方向を転換して、これを第2の羽根折り装置4にて2つ折りして中折り冊子Bとするようにしている。その後のこの中折り冊子Bは、中折り部である中綴じ部以外の三方を三方断裁装置5にて断裁して中綴じ冊子Cを得る。
【0018】
なお、上記第1の羽根折り装置2の場合、連続紙1に横ミシン目等による折り畳み線を設ける必要はないが、図1において上記羽根折り装置2による折り畳み位置3を仮想線で示した。
【0019】
連続紙1の各中綴じ用の折り畳み片1a〜1fの表側面と裏側面に、中綴じ冊子Cとなったときに順次連続する頁となる絵柄が印刷されている。各片に示した数字は1セットにおける各頁の絵柄を示し、またカッコで示した数字は裏側であることを示している。この場合、例えば図1に示すように第1の折り畳み片1aの表側面が下方へ向くように折り畳まれるものとすると、この第1の折り畳み片1aの表側面が冊子の第1頁と第2頁となることになり、他の折り畳み片1b〜1fにはこれに準じた連続する絵柄が印刷されている。
【0020】
すなわち、図1に示すように、第1の折り畳み片1aの表側面には、上記したように1頁と24頁、裏側面に2頁と23頁が、第2の折り畳み片1bの表側面に4頁と21頁が、裏側面に3頁と22頁が、第3の折り畳み片1cの表側面に5頁と20頁、裏側面に6頁と19頁が、第4の折り畳み片1dの表側面に8頁と17頁、裏側面に7頁と18頁が、第5の折り畳み片1eの表側面に9頁と16頁、裏側面に10頁と15頁が、さらに第6の折り畳み片1fの表側面に12頁と13頁、裏側面に11頁と14頁がそれぞれ1片ごとに天地方向を変えて印刷されている。
【0021】
また、上記連続紙1の第1の折り畳み片1aと最後の折り畳み片1fを除く中間の折り畳み片1b〜1eの幅方向中央部、すなわち中折り位置に縦ミシン目6が連続紙1の各折り畳み片ごとに長手方向に設けてある。
【0022】
また、上記連続紙1の各折り畳み片の折り畳みの内側となって各対向する面で、いずれか一方の面の中折り位置に線糊7,7′が施されている。この実施例では、第1の折り畳み片1aの裏面から交互に塗布したこの各線糊7,7′は、上記中間の折り畳み片1b〜1eにおいて、これらに設けた縦ミシン目6の位置と同一位置になるので、この各線糊7,7′は縦ミシン目6を通って反対側面に滲み出して反対側面での接着にも作用される。
【0023】
図1において、縦ミシン目6と線糊7,7′は同一位置になるので、平面図での線糊7,7′は縦ミシン目6の両側に2重線及び2重点線にて示したが、これは実際には1本の線状に施されるものである。
【0024】
図2は平綴じ冊子の製造工程を概略的に示すものである。図中11は、例えば1セットが6枚の平綴じ用の折り畳み片11a,11b,11c,11d,11e,11fからなる12頁の平綴じ冊子用の連続紙であり、この連続紙11は製造しようとする平綴じ冊子の1頁分の幅を有し、1セットずつ切断された状態となって走行されてくるようになっている。そしてこの連続紙11は、第1の羽根折り装置2にて各平閉じ用の折り畳み片を仕切る折り畳み位置12にてジグザグ状に折り畳んで中間製品Dとし、ついで直角方向に方向を転換し、第2の羽根折り装置4を素通りし、ついで三方断裁装置5にて綴じ部を除く三方を断裁して平綴じ冊子Eを得る。
【0025】
なお、上記折り畳み位置12は、第1の羽根折り装置2にて折り畳まれる位置であり、これを上記した中綴じ冊子の場合と同様に仮想線で示した。
【0026】
連続紙11の各平綴じ用の折り畳み片11a〜11fの表側面と裏側面に、平綴じ冊子Eとなったときに順次連続する頁となる絵柄が印刷されている。各片に示した数字は1セットにおける頁の絵柄を示し、またカッコで示した数字は裏側であることを示している。この場合、例えば図2に示すように第1の折り畳み片11aの表側面が下方へ向くように折り畳まれるものとすると、この第1の折り畳み片11aの表側面が冊子の第1頁となることになり、他の折り畳み片11b〜11fにはこれに準じた連続する絵柄が印刷されている。
【0027】
また、この連続紙11の各折り畳み片の折り畳みの内側となって対向する面のいずれか一方の面の綴じ位置に線糊13,13′が施されている。
【0028】
図3から図5にて、上記中綴冊子C及び平綴じ冊子Eを製造する装置を説明する。
【0029】
図3において、15は上記両冊子C,Eの中間冊子A,Dを成形する中間製品成形部、16はこの中間製品成形部15にて成形された中間製品A,Dを中綴じ冊子C、平綴じ冊子Eに仕上げ成形する仕上げ成形部であり、この仕上げ成形部16は上記中間製品成形部15の走行方向終端部に対して直角方向に接続されている。そして上記中間製品成形部15の下流端部に第1の羽根折り装置2が設けてあり、仕上げ成形部16の上流側に第2の羽根折り装置4が設けてある。
【0030】
上記中間製品成形部15の構成を図3をX−X矢視にて示した図5にて説明する。
【0031】
図中17はロール状にした中綴じ用、平綴じ用の連続紙1,11を選択的に供給可能にした給紙部であり、この給紙部17から給紙される連続紙1,11において、例えば中綴じ冊子用の連続紙1で1セットの折り畳み片の枚数が6枚の場合には、図1に示すように所定の絵柄の6枚の折り畳み片1a〜1fを1セットとして繰り返し印刷されている。そしてこの印刷と共に、この各片の印刷ごとに製本マークが上記各片の絵柄と共にインクジェットプリンタ、もしくは印刷機にてプリプリントされている。
【0032】
また、上記平綴じ冊子用の連続紙11も同様に折り畳み片の枚数が6枚の場合には、この6枚の折り畳み片11a〜11fを1セットとして繰り返し印刷されており、各片の印刷ごとに製本マークが印刷されている。そしてこの製本マークの一例として図6に示すように、連続紙1,11の一側端部の所定の位置に、例えばタイミングマークM1、裏面糊マークM2、表面糊マークM3、切断マークM4等、必要なマークとしてプリプリントされている。
【0033】
上記連続紙1,11の走行経路には、各連続紙1,11のそれぞれの製本マークを個々に読み取る第1・第2のマークセンサ18,19と、中綴じ冊子用の連続紙1の中折れ線部に縦ミシン目6を第1と最終の中折り畳み片を除く各片ごとに交互に加工するための第1・第2の縦ミシン装置20,21と、連続紙1,11の裏側の線糊7′,13′を施す裏側糊塗布装置22及び表側の線糊7,13を施す表側糊塗布装置23と、各連続紙1,11を所定の折り畳み片の枚数で切断する切断装置24とが設けられている。そしてこの切断装置24の下流側は、第1の搬送ライン25となっており、これの下流端部に上記第1の羽根折り装置2が配置されている。
【0034】
上記両糊塗布装置22,23は連続紙1,11の幅方向に移動可能になっていて、中綴じ冊子の製造時には連続紙1の中央位置に、平綴じ冊子の製造時には連続紙11の一方側へ移動させてそれぞれ糊塗布位置にセットできるようになっている。なおこの場合において、糊塗布装置22,23を移動しないで、この糊塗布装置22,23の位置に綴じ部が位置するように用紙11を走行するようにしてもよい。
【0035】
次に上記中間製品成形部15の下流側に連設される仕上げ成形部16の構成を、図3、図4及び図5にて説明する。
【0036】
この仕上げ成形部16の上流部には、上記中間製品成形部15の第1の羽根折り装置2からジグザグ状に折り畳まれて排出される中間成形品A,Dが当接するストッパ26と、このストッパ26に当接した中間成形品A,Dを直角方向へ走行させて第2の羽根折り装置4へ移動させる搬送装置26aを有している。そして第2の羽根折り装置4の下流側が第2搬送ライン27となっており、この第2搬送ライン27に第2の羽根折り装置4を通過した中間製品A,Dを選択的に排出できるようにしたリジェクト装置28と、このリジェクト装置28を通過した中間製品の綴じ部以外の三方を断裁する三方断裁装置5と、排出装置29とが配設されている。
【0037】
上記第1・第2の羽根折り装置2,4は特許文献3,4に示された公知の装置であり、これの概略的な構成を図7、図8にて説明する。
【0038】
【特許文献3】特開2003−182931号公報
【特許文献4】特開平4−279395号公報
【0039】
図7は第1の羽根折り装置2を示すものである。この羽根折り装置2は折り回数が6回まで行うことができる構成になっていて、互いに平行に配置された第1〜第8の折りローラ30,31,32,33,34,35,36,37を備えており、これらの折りローラは連続紙1,11の走行方向で相前後して順次転接させて配置されている。そして第1と第3の折りローラ30,32の間に、第2の折りローラ31に対向させる第1の羽根40が設けてあり、同様にして第3・第4・第5・第6・第7の各折りローラ32,33,34,35,36に対向させて第2・第3・第4・第5・第6の羽根41,42,43,44,45が設けてある。各羽根40〜45にはストッパ46が羽根の長さ方向にスライド可能に設けられていて、このストッパ46の位置により折り幅が設定されるようになっている。また、このストッパ46を羽根の入口まで移動することにより各羽根が閉じられて、この羽根により折り畳みがパスされるようになっている。
【0040】
図8は第2の羽根折り装置4であり、この羽根折り装置4は折り数が1回(2つ折り)のもので、これは基本的には上記第1の羽根折り装置2と同一構成であり、4個の折りローラ30′,31′,32′,33′と第1・第2の羽根40′,41′からなっている。
【0041】
次にリジェクト装置28の構成を図9にて説明する。
【0042】
このリジェクト装置28は、第2の羽根折り装置4から三方断裁装置5に至る上記した第2搬送ライン27に例えば3台のリジェクタ50,50,50が設けてある。
【0043】
この各リジェクタ50は、第2搬送ライン27に対して下側から出没して、この第2搬送ライン27に搬送されてくる中綴じ冊子の中折り冊子B、あるいは平綴じ冊子の中間製品Dのそれぞれを選択的に下方へ取り込む仕分け板51と、この取り込んだ冊子を下方へ案内する案内路52と、この案内路52にて案内されてきた冊子を集積する集積部53とからなっている。54はリジェクト装置28の上流側に設けられた不良品検出センサであり、この不良品検出センサ54は、第2搬送ライン50を搬送されてくる中折り冊子Bや中間製品Dのうちの不良品を検出して上記リジェクト装置28の各リジェクタ50に逐次、あるいは選択的に信号を出力するようになっている。そして、それぞれのリジェクタ50のそれぞれの仕分け板51を上記制御信号に基づいて作動させて、所定の冊子を所定のリジェクタ50に落下して取り込むようになっている。
【0044】
上記した冊子状製品の製造装置を用いて、まず図1に示したように1セットの折り片が6枚まで、第1の中綴じ片1aの表面が第1頁及び最終頁となる中綴じ冊子Cを製造する作用を説明する。
【0045】
図5において、給紙部17からは6枚の折り畳み片1a〜1fを1セットとして繰り返し印刷された連続紙1が給紙される。そしてこの連続紙1の各片に印刷されている製本マークをマークセンサ18,19にて読み取り、このマークセンサ18,19の読み取り信号に基づく制御信号にて第1・第2の縦ミシン装置20,21が交互に作動して、この両縦ミシン装置20,21にて第1(最上面)の折り畳み片1aと第6(最下面)の折り畳み片1fを除く中間の各中綴じ片1b〜1eのそれぞれの中折り線部に交互に縦ミシン目6を加工する。
【0046】
ついで、上記マークセンサ18,19の読み取り信号に基づく制御信号にて裏側面と表側面の両糊塗布装置22,23が作動して、この各糊塗布装置22,23にて各折り畳み片1a〜1fの中折り線部で、かつ折り畳みの内側となって対向する面のいずれか一方の面に線糊7,7′が施される。
【0047】
このときにおいて、上記縦ミシン目6が三方断裁装置5にて断裁されて製品となった中綴じ冊子Cの折り位置の端部まで続いていると、この縦ミシン目6により折り端部の強度が低下する。また、断裁されて廃棄される部分にまで線糊7,7′を施す必要はない。
【0048】
このことから図10に示すように、各折り畳み片の縦ミシン目6の相互の端間隔Sは、各縦ミシン目6の端が三方断裁機5による断裁線55より内側になる間隔にしてある。また線糊7,7′の端も上記断裁線30より内側、少なくとも一致する位置となるようにしている。
【0049】
上記のようにして縦ミシン目6と線糊7,7′が施された連続紙1は、上記マークセンサ18,19の読み取り信号に基づく制御信号によって、切断装置24にて6枚の折り畳み片1a〜1fを1セットにして切断される。そしてこの1セットずつの連続紙1は、第1の搬送ライン25にて第1の羽根折り装置2に搬送されて、ここでジグザグ状に折り畳まれる。
【0050】
このときにおいて、この実施例における中綴じ冊子が、図1に示すように第1の折り畳み片1aの表側面が下向きになるように折り畳むためには、図7に示すように第1の羽根折り装置2の第1の羽根40の入口をストッパ46にて閉じておく。
【0051】
このようにした第1の羽根折り装置2の第1・第2の折りローラ30,31間に送り込まれた連続紙1の先端は、第1の羽根40がストッパ46にて閉じられているので、第2・第3の折りローラ31,32にて第2の羽根41に入る。そしてこれの先端がストッパ46に突き当たり、第1と第2の折り畳み片1a,1bが、第1の折り畳み片1aが下向きになって第1の折り線にて折り畳まれる。その後、この第1の折り線にて折り畳まれた第1・第2の折り畳み片1a,1bは、第3・第4の折りローラ32,33にて第3の羽根42内に入り、第1の折り線がこれのストッパ46に突き当たることにより、第2と第3の折り畳み片1b,1cが第2の折り線にて折り畳まれ、第1・第2・第3の各折り畳み片1a,1b,1cが折り畳まれた状態で第4の羽根43に入り、以下順に後続の折り畳み片が折り畳まれて、第7・第8の折りローラ36,37から折り数が5回で、第1の折り畳み片1aの表側面が下側、第6の折り畳み片1fの表側面が上向きになった中間製品Aが排出される。そしてこのときの各折り畳み片は、各折りローラを通る間に圧接されて中折り位置にて糊着けされる。
【0052】
このときにおいて、第1の折り畳み片1aの裏側面を下側にしたい場合には、第1の羽根40のストッパ46を開けておき、この第1の羽根40から折り畳みを開始すればよい。
【0053】
第1の羽根折り装置2から排出された中間製品Aは、ストッパ26に当接して搬送装置26aにて第2の羽根折り装置4に送られる。この第2の羽根折り装置4では図8に示されるように、第1の羽根40′が開けられており、第2の羽根41′がストッパ46′にて閉じられている。中間製品Aは第1・第2の折りローラ30′,31′にて第1の羽根40′内に入り、これの先端が第1の羽根40′のストッパ46′に突き当たることにより、第1の折り畳み片1aの最終頁が表側になるように2つ折りされて第3・第4の折りローラ32′,33′から中折り冊子Bとなって排出される。
【0054】
ついでこの中折り冊子Bは、仕上げ成形部16の第2の搬送ライン27のリジェクト装置28を通過後、三方断裁装置5にて綴じ側を除く他の3方側を断裁して中綴じ冊子Cとする。
【0055】
そして上記第2の羽根折り装置4から仕上成形部16に送り込まれた中折り冊子Bは、図9に示されたリジェクト装置28の不良品検出センサ54にて検品され、ここで不良品として検出された冊子は、所定のリジェクタ50,50,50のいずれかの仕分け板51が選択的に開となって、これに取り込まれて分離される。
【0056】
このようにしてリジェクタ50に取り込まれた中折り冊子B′は集積部53にて集積され、後処理装置部へ搬送される。
【0057】
次に図2に示した平綴じ冊子Eを製造する作用を説明する。
【0058】
この平綴じ冊子Eの製造は、上記中綴じ冊子Cの製造に対して縦ミシン目加工がないことと、第2の羽根折り装置4の各羽根をストッパにて閉じて、これを素通りさせること以外は基本的には同一である、
【0059】
上記したように、例えば中綴じ冊子の製造方法において、中綴じ用の折り畳み片の枚数が偶数枚(6枚)、したがって折り回数が奇数回(5回)の場合で、かつ図1に示すように、三方断裁装置5から排出される中綴じ冊子Cの姿勢が、綴じ側を排出方向下流側へ向けると共に、最終頁が上向きになるように仕上げる場合は、偶数枚の枚数(折り回数)に関係なく、図1、図7で示すように、第1の折り畳み片1aの表側面が第1頁と最終頁となり、第1の羽根折り装置2では第1の羽根をパスして第2の羽根より折り畳みを開始する。これにより、上記第1の折り畳み片1aの表側面が下向きになるように折り畳まれる。
【0060】
そして上記折り畳み前の連続紙1の第1と最後の折り畳み片を除く中間の折り畳み片の幅方向中央部に縦ミシン目加工し、またこの中間部での糊塗布は、裏側面は最後の折り畳み片を除いて、第1の折り畳み片から1枚おきに、また表側面は最後の折り畳み片を除いて第2の折り畳み片から1枚おきに行う。
【0061】
また、この中綴じ冊子Cの製造方法において、折り畳み片の枚数が奇数枚、したがって折り回数が偶数回の場合で、かつこの中綴じ冊子Cの三方断裁装置5から排出される姿勢が上記枚数が偶数の場合と同様になるように仕上る場合は、偶数枚の場合と同様に奇数枚の枚数(折り回数)に関係なく以下のようになる。
【0062】
すなわち、折り畳み片の枚数が奇数枚、折り回数が偶数回の場合で、例えば折り畳み片が7枚の場合には、これの表側面の印刷頁は図11の(a)のように、また裏側面の印刷頁は(b)のようになり、第1の折り畳み片の裏側面が第1頁と最終頁となる。そしてこの場合において、第1の羽根折り装置2では第1の羽根より折り畳みを開始する。これにより上記第1の折り畳み片の裏側面が下向きになるように折り畳まれる。
【0063】
そして上記折り畳み前の中綴じ冊子用の連続紙には、図11に示すように、第1と最後の綴じ片を除く中間の折り畳み片の幅方向中央部に縦ミシン目6を加工し、またこの中央部での糊塗布7,7′は、表側面は最後の折り畳み片を除いて第1の折り畳み片から1枚おきに、また裏側面は最後の折り畳み片を除いて第2の折り畳み片から1枚おきに行う。
【0064】
一方、平綴じ冊子の製造方法において、平綴じ用の折り畳み片の枚数が偶数枚(6枚)、したがって折り回数が奇数回(5回)の場合で、かつ図2に示すように、三方断裁機5から排出される平綴じ冊子Eの姿勢が閉じ冊子を排出方向下流側へ向けると共に、最終頁が上向きになるように仕上る場合は、偶数枚の枚数(折り回数)に関係なく、図2、図7に示すように、第1の折り畳み片11aの表側面が第1頁となり、第1の羽根折り装置2では第1の羽根をパスして第2の羽根より折り畳みを開始する。これにより上記第1の折り畳み片11aの表側面が下向きとなるように折り畳まれる。
【0065】
この場合の上記折り畳み前の連続紙11には、図2に示されるように表側面の最後の折り畳み片を除く第2の折り畳み片から1枚おきに、また裏側面の第1の折り畳み片から1枚おきに線糊7,7′が塗布されていて、第1の羽根折り装置2から排出するときに各片の糊着けが行われる。
【0066】
また、平綴じ冊子Eの製造方法において、平綴じ用の折り畳み片の枚数が奇数枚、したがって折り回数が偶数回の場合で、かつこの平綴じ冊子Eの三方断裁装置5から排出される姿勢が上記枚数が偶数の場合と同様になるように仕上げる場合には、偶数枚の場合と同様に奇数枚の枚数(折り回数)に関係なく以下のようになる。
【0067】
すなわち、折り畳み片の枚数が奇数枚、折り回数が偶数回の場合で、例えば折り畳み片が7枚の場合には、これの表側面と裏側面の印刷頁は図12の(a)のように、また裏側面の印刷頁は(b)のようになり、第1の折り畳み片の裏側面が第1頁となる。そしてこの場合において、第1の羽根折り装置2では第1の羽根から折り畳みを開始することにより上記第1の折り畳み片の裏側面が下向きになるように折り畳まれる。
【0068】
上記折り畳み前の平綴じ用の連続紙には、表側面の最後の折り畳み片を除く第1の折り畳み片より1枚おきに線糊が塗布されており、また裏側面の第2の折り畳み片より1枚おきに線糊が塗布されていて、第1の羽根折り装置2から排出されるときに各片の糊着けが行われる。
【0069】
上記実施の形態においての中綴じ冊子の製造工程において、第1の折り畳み片と最後の折り畳み片以外の各折り畳み片の中折り位置にミシン目6を施したことにより、第2の羽根折り装置4による中折り作業がスムーズに、かつ正確に行うことができると共に、中折り位置に施された線糊が、このミシン目6に浸透して折り畳み片相互の糊着けが良好に行うことができ、その上、中綴じ冊子として見開きとなる折り畳み片に縦ミシン目がないことにより、この中綴じ冊子の外観が上記縦ミシン目により損なうことをなくすことができる。
【0070】
なお上記外観上の考慮を無視するならば、全ての折り畳み片に縦ミシン目を入れてもよい。
【0071】
また、この縦ミシン目は上記したように中折りしやすくするためと糊の浸透をよくするためのものであるが、これらを考慮しない場合はこのミシン目を省略しても良い。
【0072】
また上記各実施の形態において、中綴じ冊子及び平綴じ冊子において、三方断裁しないで製品としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】中綴じ冊子の製造工程を概略的に示す説明図である。
【図2】平綴じ冊子の製造工程を概略的に示す説明図である。
【図3】冊子状製品の製造装置を示す平面図である。
【図4】冊子状製品の製造装置の仕上げ成形部を示す正面図である。
【図5】図3のX−X矢視図である。
【図6】製本マークの一例を示す平面図である。
【図7】第1の羽根折り装置を示す構成説明図である。
【図8】第2の羽根折り装置を示す構成説明図である。
【図9】リジェクト装置を示す正面図である。
【図10】中綴じ冊子の中折り部に設ける縦ミシン目加工及び線塗布の範囲を示す平面図である。
【図11】(a),(b)は中綴じ冊子用で、かつ折り畳み片の枚数が7枚の場合の連続紙の表側面と裏側面を示す平面図である。
【図12】(a),(b)は平綴じ冊子用で、かつ折り畳み片の枚数が7枚の場合の連続紙の表側面と裏側面を示す平面図である。
【符号の説明】
【0074】
A,D…中間製品、B,B′…中折り冊子、C…中綴じ冊子、E…平綴じ冊子、M1〜M4…タイミングマーク、S…端間隔、1,11…連続紙、1a〜1f…中綴じ用の折り畳み片、11a〜11f…平綴じ用の折り畳み片、2,4…第1・第2の羽根折り装置、3,12…折り畳み位置、5…三方断裁装置、6…縦ミシン目、7,7′,13,13′…線糊、15…中間製品成形部、16…仕上げ成形部、17…給紙部、18,19…マークセンサ、20,21…第1・第2の縦ミシン装置、22,23…裏側面、表側面の糊塗布装置、24…切断装置、25,27…第1・第2の搬送ライン、26…ストッパ、26a…搬送装置、28…リジェクト装置、29…排出装置、30〜37,30′〜37′…第1〜第8の折りローラ、40〜45及び40′,41′…第1〜第6及び第1、第2の羽根、46…ストッパ、50…リジェクタ、51…仕分け板、52…案内路、53…集積部、54…不良品検出センサ、55…断裁線。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り畳み片に応じた製本マークを印刷した連続紙の走行路に、
製本マークを読み取るマークセンサと、マークセンサの読み取り信号に基づく制御信号にて作動して中綴じ冊子用の連続紙には幅方向中央で、かつ交互の折り畳み片となる表側面と裏側面に、あるいは平綴じ冊子用の連続紙には幅方向一方側で、かつ交互の折り畳み片となる部分の表側面と裏側面のそれぞれの1片おきに線糊塗布を可能にした糊塗布装置と、
上記制御信号にて作動して製本マークにより指示される折り片数で切断する切断装置と、
切断装置にて切断された中綴じ冊子用あるいは平綴じ冊子用の連続紙を各折り畳み片にてジグザグ状に折り畳んで中間製品として折り出す第1の羽根折り装置と、
中綴じ冊子の中間製品を中折り加工し、平綴じ冊子の中間製品を素通しする第2の羽根折り装置とを設けた
ことを特徴とする冊子状製品の製造装置。
【請求項2】
第2の羽根折り装置の下流側に第2の羽根折り装置より排出される中間製品の綴じ側を除く三方を断裁する三方断裁装置を設けたことを特徴とする請求項1記載の冊子状製品の製造装置。
【請求項3】
第2の羽根折り装置と三方断裁装置の間の走行ラインに少なくとも1つのリジェクタを有するリジェクト装置を設けたことを特徴とする請求項2記載の冊子状製品の製造装置。
【請求項4】
マークセンサと糊塗布装置の間に、中綴じ冊子用の連続紙の幅方向中央で、かつ折り畳み片のそれぞれに、互いに1片おきに縦ミシン目加工を行う第1・第2の縦ミシン装置を設けたことを特徴とする請求項1,2,3のいずれか1項記載の冊子状製品の製造装置。
【請求項5】
中綴じする見開き幅を有し、製本マークが印刷されている連続紙を、製本マークを読み取るマークセンサの読み取り信号に基づいてマークにて指示される折り畳み片数にて切断し、ついでジグザグ状に折り畳んで中間製品とし、この中間製品を中折りしてこの中折り部にて中綴じしてから中綴じ部以外の三方を断裁するようにした冊子状製品の製造方法において、
上記マークセンサからの製本マーク読み取り信号に基づいて連続紙の幅方向中央で、かつ折り畳み片のそれぞれに縦ミシン目を入れると共に、各折り畳み片の対向する表側面、裏側面に交互に線糊を塗布するようにしたことを特徴とする冊子状製品の製造方法。
【請求項6】
中綴じ冊子の連続紙の折り畳み片に加工される縦ミシン目の加工長さが三方断裁後の冊子の外縁にかからない長さにしたことを特徴とする請求項5記載の冊子状製品の製造方法。
【請求項1】
折り畳み片に応じた製本マークを印刷した連続紙の走行路に、
製本マークを読み取るマークセンサと、マークセンサの読み取り信号に基づく制御信号にて作動して中綴じ冊子用の連続紙には幅方向中央で、かつ交互の折り畳み片となる表側面と裏側面に、あるいは平綴じ冊子用の連続紙には幅方向一方側で、かつ交互の折り畳み片となる部分の表側面と裏側面のそれぞれの1片おきに線糊塗布を可能にした糊塗布装置と、
上記制御信号にて作動して製本マークにより指示される折り片数で切断する切断装置と、
切断装置にて切断された中綴じ冊子用あるいは平綴じ冊子用の連続紙を各折り畳み片にてジグザグ状に折り畳んで中間製品として折り出す第1の羽根折り装置と、
中綴じ冊子の中間製品を中折り加工し、平綴じ冊子の中間製品を素通しする第2の羽根折り装置とを設けた
ことを特徴とする冊子状製品の製造装置。
【請求項2】
第2の羽根折り装置の下流側に第2の羽根折り装置より排出される中間製品の綴じ側を除く三方を断裁する三方断裁装置を設けたことを特徴とする請求項1記載の冊子状製品の製造装置。
【請求項3】
第2の羽根折り装置と三方断裁装置の間の走行ラインに少なくとも1つのリジェクタを有するリジェクト装置を設けたことを特徴とする請求項2記載の冊子状製品の製造装置。
【請求項4】
マークセンサと糊塗布装置の間に、中綴じ冊子用の連続紙の幅方向中央で、かつ折り畳み片のそれぞれに、互いに1片おきに縦ミシン目加工を行う第1・第2の縦ミシン装置を設けたことを特徴とする請求項1,2,3のいずれか1項記載の冊子状製品の製造装置。
【請求項5】
中綴じする見開き幅を有し、製本マークが印刷されている連続紙を、製本マークを読み取るマークセンサの読み取り信号に基づいてマークにて指示される折り畳み片数にて切断し、ついでジグザグ状に折り畳んで中間製品とし、この中間製品を中折りしてこの中折り部にて中綴じしてから中綴じ部以外の三方を断裁するようにした冊子状製品の製造方法において、
上記マークセンサからの製本マーク読み取り信号に基づいて連続紙の幅方向中央で、かつ折り畳み片のそれぞれに縦ミシン目を入れると共に、各折り畳み片の対向する表側面、裏側面に交互に線糊を塗布するようにしたことを特徴とする冊子状製品の製造方法。
【請求項6】
中綴じ冊子の連続紙の折り畳み片に加工される縦ミシン目の加工長さが三方断裁後の冊子の外縁にかからない長さにしたことを特徴とする請求項5記載の冊子状製品の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−111471(P2010−111471A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−285274(P2008−285274)
【出願日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【出願人】(000161057)株式会社ミヤコシ (122)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【出願人】(000161057)株式会社ミヤコシ (122)
【Fターム(参考)】
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