説明

写真測量法による測定システム

【課題】オブジェクト上の点がカメラの視野から隠れている場合でも、この点の座標を取得することができる測定システムを提供する。
【解決手段】測定システムは、オブジェクトに対して位置決めされる任意の数のミラーユニットと、オブジェクト及び任意の数のミラーユニットの画像を生成する任意の数のカメラと、画像、オブジェクトに対する任意の数のカメラの複数の位置、画像内の任意の数の基準点、及び任意の数のミラーユニットの任意の数の位置を使用して、複数の点の複数の座標を特定する一の測定モジュールを備える。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、概して測定に関し、具体的にはオブジェクトを測定することに関する。更に具体的には、本発明は、画像内のオブジェクトの座標を特定するための方法と装置に関する。
【0002】
写真測量法は、三次元座標測定技術である。この技術は測定を行う媒体として写真を使用する。写真測量法では、三角測量を使用してオブジェクトの座標を特定する。少なくとも二つの異なる位置からオブジェクト上の点までのオブジェクトの画像が生成される。オブジェクト上の各点はオブジェクト上の一の位置である。これらの位置からオブジェクト上の点までの線は、見通し線又は射線とも呼ばれる。これらの見通し線を数学的に処理することにより、オブジェクト上の点の三次元座標を特定することができる。
【0003】
写真測量法では、カメラシステムを使用して画像が生成される。典型的には、カメラシステムは、異なる位置に二つ以上のカメラを有している。これらのカメラは、オブジェクト上の点へ見通し線が特定される位置に配置される。カメラによって生成された画像により、三次元情報(例えば、点の三次元の位置)が特定される。
【0004】
写真測量法における数学的処理には、画像中の点の三次元座標を特定するために三角測量を使用することが伴う。複数のカメラにより、空間内において一点に集まりうる複数の点までの見通し線が得られる。このような点を含むオブジェクトの画像により、各カメラからオブジェクト上の点までの見通し線が特定される。カメラの位置と照準の方向とが既知である場合、見通し線を使用して各点の三次元座標を特定することができる。
【0005】
オブジェクト上の点の座標を特定するための画像の生成において、カメラシステムは、オブジェクト上の任意の点がオブジェクトの画像の生成時点でカメラシステムの両方のカメラから見えるように配置される。更に、追加の画像を生成して、測定の精度を上げるために使用することができる。
【0006】
オブジェクト上の点がカメラシステムの視野から隠れているとき、これらの点の測定を行うことはできない。場合によっては、いずれの位置においても、カメラシステムからオブジェクト上の測定対象となるPOI(point of interest)の全てを見ることができない。
【0007】
一の解決法では、カメラシステムを別の位置に移動させて、第1の位置の視野から隠れていた点の画像を生成する位置にカメラを配置する。この種のプロセスにより所望の点の座標を取得することができるが、カメラシステムを一の位置から別の位置に移動させるときに余分な時間と計算を要する。
【0008】
したがって、上述の問題のうちの少なくとも一つ、並びにその他のありうる問題を解決する方法と装置を有することが有利である。
【発明の概要】
【0009】
有利な一実施形態では、装置は、任意の数のミラーユニットと、任意の数のカメラと、一の測定モジュールとを備えている。任意の数のミラーユニットは、オブジェクトに対して位置決めされる。任意の数のカメラは、オブジェクトと、任意の数のミラーユニットとの画像であって、オブジェクト上の複数の点をその中に有する画像を生成する。オブジェクト上の複数の点の第1の部分は、画像内においてオブジェクト上に位置している。オブジェクト上の複数の点の第2の部分は、画像内において任意の数のミラーユニット上に見えている。測定モジュールは、画像、オブジェクトに対する任意の数のカメラの複数の位置、画像内の任意の数の基準点、及び任意の数のミラーユニットの任意の数の位置を使用して、複数の点の複数の座標を特定する。オブジェクト上の複数の点の複数の座標を使用して、オブジェクトの空間的にほぼ正確なポイントクラウドが形成される。
【0010】
別の有利な実施形態では、測定を行うための方法が提供される。オブジェクトの画像が生成される。オブジェクト表面上の複数の点の複数の座標が、画像内の複数の基準点を使用して画像から特定される。オブジェクト上の複数の点の第1の部分は、画像内においてオブジェクト上に見ることができる。オブジェクト上の複数の点の第2の部分は、画像内において任意の数のミラーユニット上に見ることができる。
【0011】
装置は、任意の数のミラーユニット、任意の数のカメラ、及び一の測定モジュールを備えている。任意の数のミラーユニットはオブジェクトに対して位置決めされる。任意の数のカメラは、オブジェクトと任意の数のミラーユニットとの画像を生成する。オブジェクト上の複数の点が画像内に存在する。測定モジュールは、画像内の任意の数の基準点を使用して複数の点の複数の座標を特定する。オブジェクト上の複数の点の第1の部分は、画像内においてオブジェクト上に見えている。オブジェクト上の複数の点の第2の部分は、画像内において任意の数のミラーユニット上に見えている。
【0012】
本発明の機構、機能、利点は、種々の有利な実施形態において単独で達成可能であるか、又は他の有利な実施形態において組み合わせることができる。これらの実施形態の更に詳細な説明は、後述の説明と添付図面とに見ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
新規の機構と考えられる有利な実施形態の特徴が特許請求の範囲に規定される。しかしながら、有利な実施形態と、好ましい使用モード、更なる目的、及びその利点は、本発明の有利な実施形態に関する後述の詳細な説明を添付図面と併せて読むことにより最もよく理解されるであろう。
【0014】
【図1】図1は、有利な一実施形態による航空機の製造及び保守方法を示している。
【図2】図2は、有利な一実施形態を実施可能な航空機を示している。
【図3】図3は、有利な一実施形態による測定環境を示している。
【図4】図4は、有利な一実施形態による測定環境を示している。
【図5】図5は、有利な一実施形態による隠れた点の測定法を示している。
【図6】図6は、有利な一実施形態によるミラーユニットを示している。
【図7】図7は、有利な一実施形態によるミラーユニットの断面図である。
【図8】図8は、有利な一実施形態による測定環境のポイントクラウドを示している。
【図9】図9は、有利な一実施形態によるオブジェクト測定プロセスのフロー図である。
【図10】図10は、有利な一実施形態によるオブジェクト上の隠れた点の座標を特定するためのプロセスのフロー図である。
【図11】図11は、有利な一実施形態によるデータ処理システムを示している。
【発明を実施するための形態】
【0015】
添付図面に更に詳細に示すように、本発明の実施形態は、図1に示される航空機の製造及び保守方法100、及び図2に示される航空機200の観点から説明することができる。図1には、有利な一実施形態による航空機の製造及び保守方法が図解されている。製造前の段階では、航空機の製造及び保守方法100は、図2の航空機200の仕様及び設計102と、材料調達104とを含むことができる。
【0016】
製造段階では、図2の航空機200のコンポーネント及びサブアセンブリの製造106と、システムインテグレーション108とが行われる。その後、図2の航空機200は認可及び納品110を経て運航112される。顧客により運航112される間に、図2の航空機200は定期的な整備及び保守114(改造、再構成、改修、及びその他の整備又は保守も含みうる)を受ける。
【0017】
航空機の製造及び保守方法100の各プロセスは、システムインテグレーター、第三者、及び/又はオペレータによって実施又は実行されうる。このような例では、オペレータは顧客である。本明細書の目的のために、システムインテグレーターは、限定しないが、任意の数の航空機製造者、及び主要システムの下請業者を含むことができ、第三者は、限定しないが、任意の数のベンダー、下請業者、及び供給業者を含むことができ、オペレータは、航空会社、リース会社、軍事団体、サービス機関などでありうる。
【0018】
図2には、有利な実施形態を実施可能な航空機が図解されている。この実施例では、航空機200は、図1の航空機製造及び保守方法100によって製造されて、複数のシステム204と内装206とを有する機体202を含むことができる。システム204の例には、推進システム208、電気システム210、油圧システム212、及び環境システム214のうちの一又は複数が含まれる。任意の数の他のシステムが含まれてもよい。航空宇宙産業の実施例を示したが、種々の有利な実施形態を、自動車産業などの他の産業に適用することができる。
【0019】
本明細書に具現化される装置及び方法は、図1の航空機の製造及び保守方法100の少なくとも一つの段階で採用することができる。本明細書において、「少なくとも一つの」という語句がアイテムのリストと共に使用されるとき、列挙されたアイテムの一又は複数の様々な組み合わせが使用可能であり、且つリスト中のいずれかのアイテムが一つだけあればよいことを意味する。例えば、「アイテムA、アイテムB、及びアイテムCのうちの少なくとも一つ」には、例えば、限定しないが、「アイテムA」、又は「アイテムAとアイテムB」が含まれる。この例には、「アイテムAとアイテムBとアイテムC」、又は「アイテムBとアイテムC」も含まれる。
【0020】
一実施例では、図1のコンポーネント及びサブアセンブリの製造106において製造されるコンポーネント又はサブアセンブリは、航空機200が図1の運航112段階にある間に製造されるコンポーネント又はサブアセンブリと同様の方法で作製又は製造することができる。これらのコンポーネントは、種々の有利な実施形態のうちの一又は複数を使用して測定することができる。また別の実施例では、任意の数の装置の実施形態、方法の実施形態、又はそれらの組み合わせをが、図1のコンポーネント及びサブアセンブリの製造106、及びシステムインテグレーション108といった製造段階において利用可能である。
【0021】
アイテムに言及して「任意の数の」というとき、それは、「一又は複数の」アイテムを意味する。例えば、任意の数の装置の実施形態は、一又は複数の装置の実施形態でありうる。任意の数の装置の実施形態、方法の実施形態、又はそれらの組み合わせは、航空機200が図1に示す運航112の段階、及び/又は整備及び保守114段階の間に利用することができる。任意の数の種々の有利な実施形態の使用は、航空機200の組み付けを実質的に効率化する、及び/又は航空機200の組み付けコストを削減することができる。
【0022】
例えば、オブジェクト上の点の測定は、種々の有利な実施形態を使用して、これらの段階のうちの一又は複数の間に行うことができる。オブジェクトは、航空機200、及び/又は航空機200の任意のコンポーネントとすることができる。有利な実施形態は、三次元においてオブジェクト上の点の位置を特定するために使用することができる。種々の有利な実施形態を使用してこれらの点を特定することにより、オブジェクト上の点を測定することができる。例えば、一のオブジェクトについてポイントクラウドが生成される。次に、このポイントクラウドを使用して、オブジェクト上の種々の点が、所望の製造及び/又は試験パラメータ、公差、又はその他の所望の値に適合しているどうかが決定される。
【0023】
種々の有利な実施形態は、一解決法が、部品及び/又はカメラシステムを様々な位置へ移動させることによりオブジェクト上の全ての点の画像を生成することであると認識し、考慮に入れている。しかしながら、この種の手順は、必要以上の時間及び/又は労力を要する。また別の解決法では、任意の数の測定プローブ及び/又はカメラシステムを部品の周囲で移動させることにより、オブジェクト上の点の測定値を生成する。この種の測定システムの使用にも、必要以上の時間、労力、及び演算を要する。
【0024】
種々の有利な実施形態は、カメラシステムの移動を必要としない一解決法が、オブジェクトの画像を生成するときにミラーを使用することであることを認識し、考慮に入れている。例えば、ミラーは、カメラが視野から隠れた点を含む画像を生成できるような位置に配置することができる。即ち、種々の有利な実施形態は、ミラーによって生成される画像にカメラからの直線の見通し線を有さないオブジェクト上の点が含まれるように、ミラーを位置決めできることを認識し、考慮に入れている。
【0025】
このように、有利な実施形態により、測定を行うための方法と装置とが提供される。測定を行う場合、オブジェクト上の点の座標が特定される。オブジェクト上のこれらの点の座標を特定することにより、オブジェクトの測定を行うことができる。これらの測定を使用して、オブジェクトが、オブジェクトの指針、或いは何らかの規則又は基準に適合しているかを決定することができる。
【0026】
有利な一実施形態では、装置は、任意の数のミラーユニットと、任意の数のカメラと、一の測定モジュールとを備えている。任意の数のミラーユニットは、オブジェクトに対して位置決めされる。任意の数のカメラは、オブジェクトと、任意の数のミラーユニットとの画像であって、オブジェクト上の複数の点をその中に有する画像を生成する。複数の点の第1の部分が画像内においてオブジェクト上に見えているのに対し、複数の点の第2の部分は画像内では隠れている。複数の点の第2の部分は、画像内において任意の数のミラーユニット内に見ることができる。測定モジュールは、この画像と、任意の数のカメラの複数の位置と、任意の数のミラーユニットの任意の数の位置とを使用して、複数の点の位置を特定する。
【0027】
図3は、有利な一実施形態による測定環境を図解している。この実施例では、測定環境300は測定システム302を含んでいる。測定システム302は、オブジェクト304の測定を行うために使用される。このような実施例では、測定システム302は写真測量システム306の形態をとっている。
【0028】
図示のように、写真測量システム306は、カメラシステム308、スキャナ310、及びミラーユニット312を備えている。カメラシステム308は、第1のカメラ314と第2のカメラ316とを含む。第1のカメラ314、第2のカメラ316、及びスキャナ310は、フレーム318に結合されている。
【0029】
第1のコンポーネント(例えば第1のカメラ314)を、第2のコンポーネント(例えばフレーム318)に、固定する、接着する、締め付ける、及び/又は他の何らかの方法で接続することにより、第2のコンポーネントに結合することが考慮可能である。第1のコンポーネントは、任意の数の他のコンポーネントを使用して第2のコンポーネントに接続してもよい。第1のコンポーネントは、第2のコンポーネントの一部及び/又は延長部として形成することにより、第2のコンポーネントに結合してもよい。
【0030】
このような実施例では、写真測量システム306は、オブジェクト304上の測定点320を測定するために使用される。スキャナ310は、測定対象であるオブジェクト304上の点320の位置にドット319を投射することができる。ドット319は、スキャナ310からのコヒーレント光を使用して形成されたドットである。ドット319は、写真測量システム306によって生成された画像内において、点320の位置を特定するために使用できるマーカーの一実施例にすぎない。
【0031】
即ち、測定対象であるオブジェクト304上の点の各位置にドットが投射される。このようにして、ドット319により、オブジェクト304上の点320がカメラシステム308に見えるようになる。
【0032】
このような実施例では、スキャナ310は、オブジェクト304上にドット319を投射するレーザー走査システムの形態をとることができる。
【0033】
この実施例では、オブジェクト304は、オブジェクト304上の点320に関して、カメラ308の現在の位置321から可視である部分323と、隠れている部分322とを有している。例えば、オブジェクト304上の点320の可視部分323は、カメラシステム308が現在の位置321にあるときにこのカメラシステム308に対して可視である。即ち、カメラシステム308は、オブジェクト304上の点320の可視部分323に含まれる各点に対し、直接の見通し線を有している。このようにして、第1のカメラ314及び第2のカメラ316は共に、オブジェクト304上の点320の可視部分323を含む画像を生成することができる。
【0034】
更に、オブジェクト304上の点320の隠れた部分322は、カメラシステム308が現在の位置321にあるときカメラシステム308からは隠れている。即ち、カメラシステム308は、オブジェクト304上の点320の隠れた部分322に含まれるいずれの点に対しても直接の見通し線を有さない。この実施例では、第1のカメラ314及び第2のカメラ316は共に、例えばカメラユニット312を使用することなく、オブジェクト304上の点320の隠れた部分322にドット319を示す画像を生成することはできない。
【0035】
このような実施例では、ミラーユニット312は、画像にミラーユニット312が含まれるように位置決めされる。ミラーユニット312による画像には、第1のカメラ314及び第2のカメラ316により生成された画像では隠れているオブジェクト304上の点320の部分322の反射が含まれる。種々の実施例において、ミラーユニット312は、反射能を有する任意のオブジェクトとすることができる。即ち、ミラーユニット312は、第1のカメラ314及び第2のカメラ316によって生成された画像に捕獲されうるオブジェクト304を反射させることができる任意のオブジェクトとすることができる。
【0036】
このようにすることで、オブジェクト304上の点320の隠れた部分322の画像を生成するために、カメラシステム308とスキャナ310とを有するフレーム318を移動又は再位置決めする必要がない。
【0037】
このような実施例では、カメラシステム308によって生成された画像はコンピュータ324に送られる。次いで、コンピュータ324は、画像を解析してオブジェクト304上の点320の座標を特定することができる。更に、コンピュータ324は、オブジェクト340上の様々な点の座標を解析することにより、オブジェクト304の測定を行うことができる。
【0038】
図4は、有利な一実施形態による測定環境の図解である。図3の測定環境300は、図4の測定環境400の一実装態様の一例である。この実施例では、測定環境400は測定システム402を備えている。測定システム402はオブジェクト406の測定404を行う。具体的には、測定システム402は、オブジェクト406上の複数の点408の測定404を行う。
【0039】
このような実施例では、複数の点408は、オブジェクト406の一表面410上に位置している。即ち、複数の点408の各点は、オブジェクト406の表面410上の特定の位置に位置している。
【0040】
具体的には、測定システム402は写真測量システム412の形態をとる。この実施例では、写真測量システム412は、カメラシステム414と、ミラーシステム416と、測定モジュールとを備えている。カメラシステム414は任意の数のカメラ420から構成される。測定モジュール418は、ハードウェア424、ソフトウェア426、又はこれら二つの組み合わせの形態をとる。ミラーシステム416は任意の数のミラーユニット422から構成される。
【0041】
このような実施例では、任意の数のカメラ420は、オブジェクト406の画像430を生成する。画像430は測定モジュール418に送られる。すると測定モジュール418は、オブジェクト406の表面410上の複数の点408の測定404値を生成する。
【0042】
複数の点408は、任意の数の様々な方法で特定することができる。例えば、複数の点408は、複数のマーカー432を使用して特定することができる。複数のマーカー432は、複数の点408上に配置される可視マーカーである。このようにして、複数のマーカー432は、画像430内で複数の点408を可視化することができる。
【0043】
このような実施例では、複数のマーカー432は、レーザーデバイス433を使用して複数の点408上に生成される。レーザーデバイス433は、レーザー投射システムとも呼ばれる。具体的には、レーザーデバイス433は、オブジェクト406の表面410上の複数の点408の上に、複数のマーカー432を投射する。例えば、レーザーデバイス433を使用して、オブジェクト406の表面410上の複数の点408の上に、ドットの形態の複数のマーカー432を投射することができる。
【0044】
他の実施例では、複数のマーカー432は、塗料、ステッカー、オブジェクト、又はオブジェクト406の表面410上に配置可能な他の適切な種類のアイテムといった物理的マーカーとすることができる。このようにして、オブジェクト406の表面410上の複数の点408は、カメラシステム414によって生成される画像430内において見ることができる。
【0045】
一実施例として、複数のマーカー432のうちの一のマーカー435を、オブジェクト406の表面410上の複数の点408のうちの一点434の上に投射することができる。点434上のマーカー435は、カメラシステム414によって生成される画像430内に存在する。
【0046】
このような実施例では、任意の数のカメラ420は、オブジェクト406に対して複数の位置440を有しうる。例えば、任意の数のカメラ420が一のカメラであるとき、このカメラを使用して、複数の位置440のうちの一の位置からオブジェクト406の画像430のうちの一つを生成することができる。次いで、複数の位置440に含まれるこの位置から、複数の位置440のうちの別の位置へとカメラを移動させることにより、オブジェクト406の、画像430に含まれる別の画像を生成することができる。このようにして、複数の位置440に含まれる様々な位置にカメラを移動させることにより、画像430を生成することができる。
【0047】
別の実施例として、カメラを複数の位置440のうちの一の位置に保持しながら、様々な位置へとオブジェクト406を移動させて画像430を生成する。例えば、オブジェクト406を、異なる位置へ回転させることができる、及び/又は一の位置から別の位置へ移動させることができる。このようにして、任意の数のカメラ420が一のカメラであるとき、カメラ及び/又はオブジェクト406を移動させると、このカメラはオブジェクト406に対して様々な位置を有する。
【0048】
加えて、任意の数のカメラ420が複数のカメラであるとき、これら複数のカメラを複数の位置440に配置して、複数の位置440から画像430を生成することができる。このようにすることで、複数のカメラ420を様々な位置へと移動させることが不要となる。
【0049】
このような実施例では、任意の数のカメラ420は、複数の位置440からオブジェクト406上の点434まで複数の見通し線436を有する。即ち、このような実施例では、複数の見通し線436の各々は、任意の数のカメラ420の複数の位置440のうちの一つから点434まで延びる直線である。
【0050】
このような実施例では、オブジェクト406上の複数の位置408の第1の部分442は、画像430内においてオブジェクト406上に見ることができる。複数の点408の第1の部分442は、オブジェクト406上の任意の数の可視点444である。任意の数の可視点444には、オブジェクト406上の、任意の数のカメラ420の直接の視野内に位置する点が含まれる。即ち、任意の数のカメラ420の各々は、複数の位置440のうちの一つに位置するとき、オブジェクト406上の任意の数の可視点444までの直接の見通し線を有している。このようにして、任意の数の可視点444は、画像430内においてオブジェクト406上に見ることができる。
【0051】
オブジェクト406上の複数の点408の第2の部分446は、画像430内において任意の数のミラーユニット422上に見ることができる。複数の点408の第2の部分446は、オブジェクト406上の任意の数の隠れた点448である。オブジェクト406上の任意の数の隠れた点448には、任意の数のカメラ420の直接の視野内に位置しない、オブジェクト406上の点が含まれる。即ち、複数の位置440のうちの一の位置にある任意の数のカメラ420のうちのいずれのカメラからも、任意の数の隠れた点448のうちのいずれかの隠れた点までの見通し線は存在しない。
【0052】
このように、オブジェクト406上の任意の数の隠れた点448は、画像430内においてオブジェクト406上に見えない。しかしながら、オブジェクト406上の任意の数の隠れた点448は、画像430内における任意の数のミラーユニット422上に見ることができる。具体的には、任意の数の隠れた点448の任意の数の反射454は、任意の数のミラーユニット422上と、画像430内とに見ることができる。
【0053】
即ち、複数の見通し線436は、任意の数のカメラ420の複数の位置440と、任意の数の可視点444との間にのみ存在する。複数の見通し線436は、存在しないか、又は任意の数のカメラ420の複数の位置440と任意の数の隠れた点448との間には存在しない。
【0054】
その代わり、任意の数のミラーユニット422は、任意の数の隠れた点448が画像430内において見えるような任意の数の位置452を有することができる。例えば、任意の数のカメラ420によって生成された画像430は、任意の数のミラーユニット422を含んでいる。画像430内において、任意の数のミラーユニット422は任意の数の反射454を示す。このような実施例では、任意の数の反射454は任意の数の隠れた点448を示している。その結果、任意の数の隠れた点448は、画像430内において直接見ることができる。
【0055】
このような実施例では、測定モジュール418はコンピュータシステム456の形態をとりうる。測定モジュール418は、オブジェクト406上の複数の点408の複数の座標458を特定する。測定モジュール418は、任意の数の可視点444に関する第1の数の座標460と、任意の数の隠れた点448に関する第2の数の座標462とを特定する。
【0056】
実装態様に応じて、複数の座標458の特定は、カメラシステム414又は写真測量システム412内の他の何らかのコンポーネント412を移動させる必要なく実行することができる。
【0057】
しかしながら、場合によっては、複数の点408の第3の部分463は、画像430内においてオブジェクト406上にも任意の数のミラーユニット422上にも見えない。このような場合に、オブジェクト406を移動及び/又は回転させて、オブジェクト406に対して任意の数のカメラ420の複数の位置444を変更することができる。オブジェクト406を移動及び/又は回転させることにより、任意の数のカメラ420によって生成された画像430内において、オブジェクト406及び任意の数のミラーユニット422の少なくとも一方の上に、複数の点408の第3の部分463を可視化することができる。
【0058】
このようにして、オブジェクト406上の複数の点408の第3の部分463の複数の座標458に含まれる座標を更に特定することができる。その結果、オブジェクト406の表面410のほぼ全ての部分に複数の座標458が特定される。
【0059】
このような実施例では、複数の座標458の各々は三次元座標である。複数の座標458は、デカルト座標系、極座標系、又はその他何らかの三次元座標系に基づいている。このような実施例では、x、y、及びzの座標軸を有するデカルト座標系が使用される。
【0060】
複数の座標458は、画像430内の任意の数の基準点455を使用して特定される。任意の数の基準点455により、任意の数の隠れた点448に関する第2の数の座標462を特定することができる。
【0061】
具体的には、任意の数のミラーユニット422のうちの一のミラーユニットに関する任意の数の基準点を使用して、ミラーユニットを通る一平面に関する座標を特定することができる。即ち、任意の数の基準点455により、オブジェクト406に対する任意の数のミラーユニット422の位置を特定することができ、それにより、任意の数のミラーユニット422について、任意の数の反射454の中に見える任意の数の隠れた点448に関する第2の数の座標462が特定される。
【0062】
場合によっては、ミラーユニットに関する任意の数の基準点455に含まれる基準点を使用して、ミラーユニットに関する平面を画定することができる。任意の数の基準点455には、任意の数のミラーユニット422上の点、任意の数のミラーユニット422周辺の構造体又はオブジェクト上の点、及び/又はその他適切な点が含まれる。
【0063】
例えば、このような実施例では、任意の数の基準点455は、任意の数のミラーユニット422の任意の数のフレーム上に位置している。他の実施例では、任意の数の基準点455は、任意の数のミラーユニット422周辺の任意の数の構造体上に位置している。一実施例として、任意の数の基準点455に含まれる基準点が任意の数のミラーユニット422のうちの一のミラーユニット周辺の任意の数の構造体上に位置しているとき、この任意の数の構造体は、このミラーユニットに対する既知の位置を有している。即ち、ミラーユニットを通る平面に対する任意の数の構造体の位置が既知である。
【0064】
このような実施例では、任意の数の基準点455は画像430内に見ることができる。例えば、一組のマーカー467を任意の数の基準点455上に配置することにより、任意の数の基準点455を画像430内で可視化することができる。
【0065】
一組のマーカー467には、例えば、限定しないが、レーザーデバイス433により任意の数の基準点455の上に投射されたドット、任意の数のミラーユニットに適用されたテープ片、塗料、ツーリングボール、及び/又は画像430内で任意の数の基準点455を可視化するために使用できる他の適切な種類のマーカーが含まれる。場合によっては、レーザーデバイス433によってドットの形態で投射される複数のマーカー432は、一組のマーカー467を含む。このように、複数のマーカー432は、オブジェクト406上のマーカー、及び任意の数のミラーユニット422のマーカーを含みうる。
【0066】
複数の座標458により、測定モジュール418は追加の測定を行うことができる。例えば、測定モジュール418は、複数の座標458を指針464と比較することができる。指針464には任意の数の規則466が含まれる。
【0067】
加えて、指針464は、任意の数の規則466の適用に使用される任意の数のパラメータ468も含みうる。このような実施例では、測定モジュール418は、複数の座標458に指針464を適用する。任意の数の規則466は、例えば、限定しないが、複数の点408の位置の所望の範囲、複数の点408の選択された部分間の距離の所望の範囲、及び/又はその他適切な種類の規則である。
【0068】
更に、測定モジュール418は、複数の点408の複数の座標458を使用してポイントクラウド469を形成することができる。ポイントクラウド469は、空間的にほぼ正確なポイントクラウド469でありうる。複数の座標458は、オブジェクト406の表面の座標系に含まれる一組の頂点を形成しうる。
【0069】
ポイントクラウド469が空間的にほぼ正確である場合、ポイントクラウド469に含まれる点は、ポイントクラウド469に含まれる点をオブジェクト406上の複数の点408のうちの対応する点と整列させると、オブジェクト406上の複数の点408のうちの対応する点とほぼ同じ位置を有する。一実施例では、ポイントクラウド469に含まれる点は、複数の点408と重ね合わせることにより、オブジェクト406上の複数の点408のうちの対応する点と整列させることができる。
【0070】
即ち、ポイントクラウド469をオブジェクト406上の複数の点408を覆うように配置するか、又は複数の点408の上に被せると、ポイントクラウド469に含まれる点は、複数の点408に含まれる点とほぼ同じ位置にある。このように、オブジェクト406のポイントクラウド469内の各点は、空間的にほぼ正確に、オブジェクト406上の複数の点408のうちの一点に対応する。
【0071】
ポイントクラウド469により、オブジェクト406のモデル470を形成することができる。モデル470は、オブジェクト406の測定に使用することができる。例えば、指針464をモデル470に適用することができる。例えば、任意の数の規則466のうちの一の規則により、コンピュータを援用した設計モデル472を特定することができる。モデル470は、コンピュータを援用した設計モデル472と比較される。コンピュータを援用した設計モデル472とモデル470との相違点を特定して、オブジェクト406が指針464に適合するかどうかの判定に使用することができる。
【0072】
図4の測定環境400の図解は、物理的な限定又はアーキテクチャ的限定を意味するものではなく、種々の有利な実施形態を実施することができる。図示のコンポーネントに加えて、及び/又は図示のコンポーネントの代わりに、他のコンポーネントを使用してもよい。一部のコンポーネントは、幾つかの有利な実施形態では不要である。また、幾つかの機能的なコンポーネントを図示するために、ブロックが提示されている。このようなブロックの一又は複数は、他の有利な実施形態において実施されるとき、異なるブロックに統合及び/又は分割することができる。
【0073】
例えば、種々の有利な実施形態を、オブジェクトの測定に関して記載したが、他の目的のために異なる有利な実施形態を使用することもできる。例えば、複数の点408について測定を行うことによりオブジェクト406の表面410に関して複数の座標458を特定したら、これらの座標を使用して、測定によりオブジェクト406が指針464に合うかどうかを判定すること以外の、他の目的のためのモデル470を作成することができる。
【0074】
例えば、モデル470を使用してオブジェクト406から追加オブジェクトを生成することができる。即ち、オブジェクト406は、他のオブジェクトを作成するための物理的なモデルを形成することができる。別の実施例として、モデル470をアニメーションの作成に使用することができる。
【0075】
このような実施例では、オブジェクト406は様々な形態をとることができる。例えば、限定しないが、オブジェクト406は図2の航空機200、エンジン、翼、車輪、スパー、椅子、ツール、型、人、地面、又は他の何らかの適切な種類のオブジェクト406とすることができる。
【0076】
図5は、有利な一実施形態による隠れた点の測定を図解している。この実施例では、図3の第1のカメラ314及び第2のカメラ316がオブジェクト304に対して位置決めされている。
【0077】
オブジェクト304は表面500を有している。ミラーユニット312は、第1のカメラ314及び第2のカメラ316から見たとき、オブジェクト304の背後に配置されている。この実施例では、第1のカメラ314及び第2のカメラ316は、第1の点510の座標を特定するために第1の点510の画像を生成する。
【0078】
第1のカメラ314は、第1の点510までの第1の見通し線514を有し、第2のカメラ316は、第1の点510までの第1の見通し線516を有している。即ち、第1の点510は可視点である。
【0079】
このような実施例では、第2の点518の座標を特定することも求められる。しかしながら、第1のカメラ314及び第2のカメラ316は、第2の点518までの見通し線を有さない。この実施例では、第1のカメラ314及び第2のカメラ316から第2の点518がミラーユニット312上の反射の中に見えるように、ミラーユニット312が位置決めされる。
【0080】
この実施例では、第1のカメラ314は、第1のカメラ314からミラーユニット312上の点522までの第2の見通し線520を有しており、第2の点518の反射をミラーユニット312上に見ることができる。第2のカメラ316は、第2のカメラ316からミラーユニット312上の点525までの第2の見通し線524を有しており、第2の点518の反射をミラーユニット312上に見ることができる。
【0081】
第1のカメラ314の第2の見通し線520と第2のカメラ316の第2の見通し線524との交差点523は、点526において生じる。この点526は、このような実施例においては三次元空間内の点である。このような実施例では、点526は、ミラーユニット312の平面530を基準として180度回転させることができる。即ち、点526を、ミラーユニット312の平面530を挟んで反転させることにより、点526と新規の点(図示しない)とを通る直線がミラーユニット312の平面530に対してほぼ垂直となるような新規の点(図示しない)が形成される。
【0082】
ミラーユニット312の平面530を基準として180度回転させた点526の位置は、第2の点518の三次元座標とほぼ同じ三次元座標を有する。即ち、点526を回転させた後の位置は、第2の点518とほぼ同じ位置である。
【0083】
このように、第1の点510及び第2の点518は、写真測量システム306のいずれのコンポーネントも移動又は再配置する必要なく、カメラシステム308によって生成された画像を使用して測定することができる。
【0084】
図6は、有利な一実施形態によるミラーユニットを図解している。この実施例では、図3のミラーユニット312を示している。ミラーユニット312はミラー600とフレーム602とを含む。
【0085】
このような実施例では、ミラー600は表面601を有し、表面601は反射面603である。具体的には、ミラー600の反射面603は、ミラー600の最も外側の表面である。即ち、反射面603の上又は上方に他の層が存在しない。例えば、ガラス、アクリル、及び/又はその他の材料からなる層が、ミラー600のこの反射面603と環境との間に存在していない。ミラー600がこの種の構成を有するとき、ミラー600は表面鏡と呼ばれる。
【0086】
言うまでもなく、他の実施例では、他の種類のミラー600を使用することができる。例えば、ミラー600の表面601は反射面でなくともよい。特に、表面601はガラス及び/又はコーティング材とすることができる。ミラー600がこの種の構成を有するとき、ミラー600は裏面鏡と呼ばれる。ミラー600がこのような構成を有する場合、ミラー600の表面601からミラー600の反射材料を有する層までの厚みが特定され、図3のオブジェクト304上の点320の座標を特定する際に考慮される。
【0087】
図示のように、フレーム602はミラー600に結合されている。フレーム602は、ミラー600を取り囲んでおり、ミラー600を保持するように構成されている。この実施例では、フレーム602は第1の側604と第2の側606とを有する。フレーム602の第1の側604の表面608は、ミラー600とほぼ同一表面内に位置するように構成されている。即ち、ミラー600の表面601とフレーム602の第1の側604の表面608とは、ほぼ同一の平面(例えば、図5の平面530)内に位置している。
【0088】
フレーム602を使用して、オブジェクト(例えば、図3及び図5のオブジェクト304)に対するミラー600の位置を特定することができる。例えば、ドット319が図3及び図5のオブジェクト304上に投射されると同時に、図3のスキャナ310はフレーム602の表面608の上にドット319を投射する。このような実施例では、フレーム602の表面608上のドット319を使用して、三次元空間においてフレーム602を通る平面の位置を特定する。このように使用されるとき、フレーム602の表面608上のドット319は、生成される画像内においてフレーム602の表面608上の基準点を可視化する。
【0089】
フレーム602の第1の側604の表面608とミラー600の表面601とはほぼ同じ平面内に位置しているため、このようにすることでミラー600の表面601の位置も特定される。ミラー600は光を反射するので、ミラー600の表面601上に投射されたドット319は、ミラー600の位置を特定するために使用することはできない。
【0090】
言うまでもなく、他の実施例では、他の技術を使用してミラー600の表面601の位置を特定するための基準点を可視化することができる。例えば、フレーム602はミラーユニット312に含まれなくともよい。その代わり、ミラーユニット312は、ミラー600と、ミラー600上の任意の数のテープ片とを含むことができる。
【0091】
テープ片は、ミラー600上のテープ片の位置において光の反射を防ぐ。このようにして、テープ片の上に投射されたドット319は基準点となり、ミラー600の表面601の位置を特定するために使用することができる。幾つかの実施例では、塗料、ラベル、タグ、及び/又はその他適切な種類のマーカーをミラー600の基準点の上に配置することができる。
【0092】
また別の実施例では、ツーリングボール上の基準点をミラー600に使用することができる。ツーリングボール上に投射されたドット319は、基準点を可視化することができる。例えば、ミラー600が位置する基部又は台からツーリングボールの中心までの、ツーリングボールの高さが既知である。具体的には、ツーリングボールの半径に沿ったこのような高さと、ツーリングボール上に投射されたドット319とを使用して、ミラーの表面601の位置を特定することができる。
【0093】
このように、ミラー600に接続又は装着された何らかのアイテムの寸法及び/又は座標が既知であるとき、このようなアイテムを使用して、ミラーの表面601の位置を特定するために、ミラー600上の基準点の上にマーカーを付与することができる。
【0094】
図7は、有利な一実施形態によるミラーユニット312の断面図を示している。この実施例では、ミラーユニット312の断面図は図6の線7−7に沿った図である。
【0095】
図8は、有利な一実施形態による測定環境のポイントクラウドを図解している。この実施例では、ポイントクラウド800は、図4のポイントクラウド469の一実装態様の一例である。ポイントクラウド800は、測定モジュール(例えば、図3の測定環境にある図4の測定モジュール418)によって生成される。
【0096】
図示されたこの実施例では、ポイントクラウド800は、三次元座標系において、オブジェクト304の表面と、図3の測定環境300内の他の機構とを表わす一組の頂点である。これらの他の機構には、カメラシステム308によって生成される画像内の、図3のオブジェクト304以外のあらゆる構造、オブジェクト、及び/又はその他コンポーネントが含まれる。
【0097】
図示のように、ポイントクラウド800には、円形の点802と矩形の点804とが含まれる。この実施例では、円形の点802は、図3のオブジェクト304上の点320の可視部分323について生成されている。円形の点802は、ポイントクラウド800の三次元座標系において、図3のオブジェクト304上の点320の可視部分323の位置に対応する位置にある。
【0098】
更に、矩形の点804は、図3のオブジェクト304上の点320の隠れた部分322について生成されている。矩形の点804の一部は、ポイントクラウド800内において第1組の点806を形成している。ポイントクラウド800内の第1組の点806は、三次元座標系において、第1のカメラ314の第2の見通し線と、第2のカメラ316の第2の見通し線との交差点に対応する位置にある。第1のカメラ314の第2の見通し線は、第1のカメラ314と、オブジェクト304上の点320の隠れた部分322の反射がミラーユニット312上に見える点との間の見通し線である。第2のカメラ316の第2の見通し線は、第2のカメラ316と、オブジェクト304上の点320の隠れた部分322の反射がミラーユニット312上に見える点との間の見通し線である。
【0099】
一実施例として、第1組の点806に含まれる矩形の点810は、ポイントクラウド800内において、図5の点526の位置に対応する位置にある。即ち、この矩形の点810は、図5の第1のカメラ314の第2の見通し線520と、図5の第2のカメラ316の第2の見通し線との交差点に位置している。
【0100】
この実施例では、ライン812によって形成された平面は、図5のミラーユニット312の平面530を表わしている。ポイントクラウド800内の第2組の点814は、ライン812によって形成された平面を基準として第1組の点806を約180度回転させることにより形成されている。第2組の点814は、ポイントクラウド800の三次元座標系において、図3のオブジェクト304上の点320の隠れた部分322の位置に対応する位置にある。
【0101】
このように、図3のオブジェクト304上の点320の可視部分323及び隠れた部分322の両方について、三次元座標が生成される。
【0102】
図9は、有利な一実施形態によりオブジェクトの測定を行うプロセスのフロー図である。図9に示されるプロセスは、図4の測定システム402を使用して実施することができる。
【0103】
このプロセスは、カメラシステム414の任意の数のカメラ420を、オブジェクト406に対して複数の位置440に配置することにより開始される(工程900)。カメラシステム414は測定システム402の一部であり、このような実施例においてこの測定システムは写真測量システム412である。この実施例では、任意の数のカメラ420は二つのカメラである。しかしながら、他の実施例では、任意の数のカメラ420は、一つ、三つ、又はその他何らかの適切な数のカメラとすることができる。
【0104】
オブジェクト406の表面410の複数の点408の第1の部分442は、カメラシステム414から見ることができる。複数の点408のうちのこの第1の部分442は、任意の数の可視点444である。カメラシステム414によって生成されたオブジェクト406の画像430には、任意の数の可視点444が含まれている。
【0105】
その後、任意の数のミラーユニット422を、オブジェクト406に対して任意の数の位置452に配置する(工程902)。この実施例では、オブジェクト406に対して一のミラーユニットが配置される。任意の数のミラーユニット422の任意の数の位置452は、オブジェクト406の表面410上の複数の点408のうちの、カメラシステム414からは見えない第2の部分446が、任意の数のミラーユニット422上に、カメラシステム414によって生成された画像430内に見える任意の数の反射454を有するように、選択される。オブジェクト406の表面410上の複数の点408のうちの、カメラシステム414からは見えないこの第2の部分446は、任意の数の隠れた点448である。
【0106】
次に、複数のマーカー432を、レーザーデバイス433を使用してオブジェクト406の表面410上の複数の点408の上に投射する(工程904)。この実施例では、複数のマーカー432はドット(例えば、図3のドット319)である。次いで、カメラシステム414はオブジェクト406の画像430を生成する(工程906)。このような画像430は、任意の数の可視点444と、任意の数のミラーユニット422上の任意の数の隠れた点448の任意の数の反射454とを含んでいる。
【0107】
測定モジュール418は、画像430に基づいて、オブジェクト406の表面410上の複数の点408の複数の座標458を特定する(工程908)。オブジェクト406の表面410上の任意の数の可視点444、及びオブジェクト406の表面410上の任意の数の隠れた点448の両方について、複数の座標が特定される。この実施例では、複数の座標はデカルト座標系に基づく三次元座標である。
【0108】
工程908は、任意の数のミラーユニット422の任意の数の基準点455を使用して実行される。任意の数の基準点455は画像430において可視である。
【0109】
その後、測定モジュール418は、オブジェクト406上の複数の点408について特定された複数の座標458に指針464を適用する(工程910)。工程910では、測定モジュール418は、複数の座標458を、任意の数の規則466、及び/又は指針464において指定された判定基準と比較する。
【0110】
測定モジュール418は、次いで、複数の座標458と指針464との比較に基づいてオブジェクト406の測定404を行い(工程912)、その後プロセスは終了する。このような測定404には、例えば、オブジェクト406が公差内で指針464に適合しているか否か、オブジェクト406上の複数の点408の位置はオブジェクト406上の複数の点408の所望の範囲にどの程度近いか、及び/又はその他適切な種類の測定が含まれる。
【0111】
図10は、有利な一実施形態によりオブジェクト上の隠れた点の座標を特定するプロセスのフロー図である。図10に示されるプロセスを使用して図9の工程908を実施することにより、オブジェクト406の表面410上の複数の点408の座標を特定することができる。更に、このプロセスは、図4の測定モジュール418を使用して実施することができる。
【0112】
このプロセスは、任意の数のカメラ420の各々によって生成された画像430中において、任意の数のミラーユニット422のうちの一のミラーユニット上の、任意の数の隠れた点448のうちの一の隠れた点の、任意の数の反射454のうちの一の反射を特定することにより開始される(工程1000)。
【0113】
このプロセスでは、任意の数のカメラ420の各々と、ミラーユニット上の隠れた点に対応する反射との間の見通し線を特定する(工程1002)。一実施例として、工程1002において特定された見通し線は、例えば、図5におけるカメラ314の第2の見通し線520と、カメラ316の第2の見通し線524でありうる。工程1002は、任意の数のカメラ420の複数の位置440と、ミラーユニットの任意の数の位置452のうちの該当位置との特定に基づいて実行される。
【0114】
次に、このプロセスでは、任意の数のカメラ420とミラーユニット上の隠れた点に対応する反射との間の見通し線同士の交差点を特定する(工程1004)。このような交差点は、例えば、図5の交差点523である。
【0115】
次に、このプロセスでは、ミラーユニットを通る平面を基準として、見通し線が交差する点を約180度回転させることにより、新規の点を形成する(工程1006)。この交差点は、例えば、図5の点526である。
【0116】
その後、このプロセスでは、新規の点の座標を特定し(工程1008)、その後プロセスは終了する。新規の点の座標は、オブジェクト406上の隠れた点の位置に対応する。即ち、工程1008では、プロセスは、オブジェクト406の表面410上の隠れた点の座標を特定する。
【0117】
図示された種々の実施形態のフロー図及びブロック図は、種々の有利な実施形態における装置及び方法に可能な幾つかの実装態様のアーキテクチャ、機能性、及び工程を説明している。これに関して、フロー図又はブロック図の各ブロックは、一の工程又はステップの、モジュール、セグメント、機能、及び/又は一部分を表わしている。例えば、ブロックの一又は複数は、ハードウェアにおいてプログラムコードとして実施できるか、又はプログラムコードとハードウェアとの組み合わせとして実施できる。ハードウェアにおいて実施されるとき、ハードウェアは、例えば、フロー図又はブロック図における一又は複数の工程を実行するように製造又は構成された集積回路の形態をとることができる。
【0118】
他の幾つかの実装態様では、ブロックに記された一又は複数の機能は、図示の順序で生じなくともよい。例えば、場合によっては、関連する機能性に応じて、連続して示された二つのブロックをほぼ同時に実行してもよく、或いはこれらのブロックを逆の順序で実行してよい場合もある。また、フロー図又はブロック図に示されたブロックに加えて、他のブロックを追加することができる。
【0119】
例えば、幾つかの実施例では、図9の工程900に使用される任意の数のカメラ420を一のカメラとすることができる。カメラを一つだけ使用するとき、図9の工程900は、工程904の後で工程906と一緒に実行される。例えば、工程904の後で、工程900においてカメラを複数の位置440のうちの一の位置に配置し、次いで工程906においてオブジェクト406の画像430のうちの一の画像を生成することができる。その後、複数の位置440の別の位置にカメラを移動させて、オブジェクト406の別の画像を生成することができる。
【0120】
このようにして、図9の工程900及び906において、複数の位置440に含まれる様々な位置へカメラを移動させることにより、オブジェクトの画像430を生成することができる。
【0121】
このように、種々の有利な実施形態により、オブジェクト406の測定を行うための方法と装置が提供される。有利な一実施形態では、装置は、任意の数のミラーユニット422と、任意の数のカメラ420と、一の測定モジュール418とを備えている。任意の数のミラーユニット422は、オブジェクト406に対して位置決めされる。任意の数のカメラ420は、オブジェクト406と、任意の数のミラーユニット422との画像430であって、オブジェクト406上の複数の点408をその中に有する画像430を生成する。
【0122】
オブジェクト406上において、複数の点408の第1の部分442は、任意の数のカメラ420から見ることができる。複数の点408の第2の部分446は、任意の数のカメラ420からは隠れている。複数の点408の第2の部分446の任意の数の反射454は、画像430内において任意の数のミラーユニット422上に見ることができる。測定モジュール418は、画像430、オブジェクト406に対する任意の数のカメラ420の複数の位置440、及び任意の数のミラーユニット422の任意の数の位置452を使用して、複数の点408の複数の座標458を特定する。
【0123】
このようにして、種々の有利な実施形態により、オブジェクト406の画像430を生成するカメラシステム414を移動させる必要なく、又は測定システム402のその他いかなるコンポーネントも移動させる必要なく、オブジェクト406の表面410上の任意の数の可視点444及び任意の数の隠れた点448の両方の複数の座標458特定する測定システム402が提供される。この種の測定システム402は、オブジェクトの測定に必要な全体の時間と労力とを低減させる。
【0124】
図11は、有利な一実施形態によるデータ処理システムを図解している。この実施例では、データ処理システム1100は、図4のコンピュータシステム456の実装に使用できる。図示のように、データ処理システム1100は通信ファブリック1102を含み、この通信ファブリックは、プロセッサユニット1104、メモリ1106、固定記憶域1108、通信ユニット1110、入力/出力(I/O)ユニット1112、及びディスプレイ1114の間の通信を行う。
【0125】
プロセッサユニット1104は、メモリ1106にローディング可能なソフトウェアに関する命令を実行する。このプロセッサユニット1104は、特定の実装態様に応じて、任意の数のプロセッサ、マルチプロセッサコア、又は他の何らかの種類のプロセッサとすることができる。あるアイテムに関して本明細書で「任意の数の」という場合、一又は複数のアイテムを意味する。更に、プロセッサユニット1104は、単一のチップ上に一次プロセッサと二次プロセッサとが共存する任意の数の異種プロセッサシステムを使用して実装してもよい。
【0126】
メモリ1106及び固定記憶域1108は、記憶装置1116の実施例である。記憶装置は、例えば、限定しないが、一時的及び/又は恒久的な性質の、データ、機能的な形態のプログラムコード、及び/又はその他適切な情報といった情報を記憶することができる何らかのハードウェア部分である。このような実施例では、記憶装置1116は、コンピュータで読み取り可能な記憶装置と呼ぶこともできる。このような実施例のメモリ1106は、例えば、ランダムアクセスメモリか、或いは、揮発性又は不揮発性のその他の適切な記憶装置である。固定記憶域1108は、特定の実装態様に応じて種々の形態をとることができる。
【0127】
例えば、固定記憶域1108は、一又は複数のコンポーネント又はデバイスを含むことができる。例えば、固定記憶域1108は、ハードドライブ、フラッシュメモリ、再書き込み可能な光ディスク、再書き込み可能な磁気テープ、又はそれらの何らかの組み合わせである。固定記憶域1108によって使用される媒体は取り外し可能なものでもよい。例えば、取り外し可能なハードドライブを固定記憶域1108として使用することができる。
【0128】
このような実施例では、通信ユニット1110は、他のデータ処理システム又はデバイスと通信を行う。このような実施例では、通信ユニット1110はネットワークインターフェースカードである。通信ユニット1110は、物理的通信リンク及び無線通信リンクの一方又は両方を使用して通信を行なうことができる。
【0129】
入力/出力ユニット1112は、データ処理システム1100に接続される他のデバイスとのデータの入出力を可能にする。例えば、入力/出力ユニット1112は、キーボード、マウス、及び/又はその他何らかの適切な入力デバイスによるユーザ入力のための接続部となる。ディスプレイ1114は、ユーザに対して情報を表示する機構となる。
【0130】
オペレーティングシステム、アプリケーション、及び/又はプログラムのための命令は、通信ファブリック1102によってプロセッサユニット1104と通信する記憶装置1116に位置させることができる。このような実施例では、命令は、固定記憶域1108において機能的な形態を有している。このような命令はメモリ1106にローディングしてプロセッサユニット1104により実行することができる。種々の有利な実施形態のプロセッサは、コンピュータで実施される命令を使用してプロセッサ1104によって実行される。このような命令はメモリ(例えば、メモリ1106)に位置させることができる。
【0131】
このような命令は、プログラムコード、コンピュータで使用可能なプログラムコード、又はコンピュータで読み取り可能なプログラムコードと呼ばれ、プロセッサユニット1104内のプロセッサによって読み取られて実行される。種々の有利な実施形態のプログラムコードは、メモリ1106又は固定記憶域1108などの、異なる物理的記憶媒体又はコンピュータで読み取り可能な記憶媒体上において具現化されてもよい。
【0132】
プログラムコード1118は、選択的に取り外すことが可能なコンピュータで読み取り可能な媒体1120上に機能的な形態で位置させ、データ処理システム1100にローディング又は転送して、プロセッサユニット1104によって実行される。このような実施例では、プログラムコード1118及びコンピュータで読み取り可能な媒体1120は、コンピュータプログラム製品1122を形成する。一実施例では、コンピュータで読み取り可能な媒体1120は、コンピュータで読み取り可能な媒体1124、又はコンピュータで読み取り可能な信号媒体1126である。コンピュータで読み取り可能な記憶媒体1124には、例えば、ドライブ、又は記憶装置への転送のための固定記憶域1108の一部であるその他のデバイス(例えば、固定記憶域1108の一部であるハードドライブ)内に挿入、又は配置される光ディスク又は磁気ディスクが含まれる。コンピュータで読み取り可能な記憶媒体1124は、データ処理システム1100に接続されるハードドライブ、サムドライブ、又はフラッシュメモリといった固定記憶域の形態をとることもできる。
【0133】
或いは、プログラムコード1118は、コンピュータで読み取り可能な信号媒体1126を使用して、データ処理システム1100に転送される。コンピュータで読み取り可能な信号媒体1126は、例えば、プログラムコード1118を含む伝播データ信号である。例えば、コンピュータで読み取り可能な信号媒体1126は、電磁信号、光信号、及び/又はその他何らかの適切な種類の信号である。このような信号は、無線通信リンク、光ファイバケーブル、同軸ケーブル、ワイヤ、及び/又はその他何らかの適切な種類の通信リンクといった通信リンクを介して転送されうる。
【0134】
データ処理システム1100について図示された種々のコンポーネントは、アーキテクチャ的な限定を行うことを意図しておらず、他の有利な実施形態が実施可能である。データ処理システム1100について図示されたコンポーネント以外のコンポーネント、又はこれらのコンポーネントの代わりとなるコンポーネントを含むデータ処理システムにおいて、他の有利な実施形態を実施することができる。
【0135】
図11に示される他のコンポーネントは、図示の実施例から変更することができる。プログラムコードを実行できる任意のハードウェアデバイス又はシステムを使用して、種々の実施形態を実施することができる。一実施例として、データ処理システムは、無機のコンポーネントと統合させた有機コンポーネントを含むことができる、及び/又は全体を、人を除く有機のコンポーネントから構成することができる。例えば、記憶装置は、有機半導体から構成することができる。
【0136】
別の実施例では、プロセッサユニット1104は、特定の用途向けに製造又は構成された回路を有するハードウェアユニットの形態をとることができる。この種のハードウェアは、工程を実行するように構成された記憶装置からメモリへとプログラムコードをローディングする必要なく、工程を実行することができる。
【0137】
例えば、プロセッサユニット1104がハードウェアユニットの形態をとるとき、プロセッサユニット1104は、回路システム、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス、或いは任意の数の工程を実行するように構成された他の何らかの種類のハードウェアとすることができる。プログラマブルロジックデバイスの場合、このデバイスは任意の数の工程を実行するように構成される。デバイスは、後で再構成してもよく、又は任意の数の工程を実行するように恒久的に構成してもよい。
【0138】
プログラマブルロジックデバイスの実施例には、例えば、プログラマブルロジックアレイ、プログラマブルアレイロジック、フィールドプログラマブルロジックアレイ、フィールドプログラマブルゲートアレイ、及びその他の適切なハードウェアデバイスが含まれる。この種の実施形態では、種々の有利な実施形態のプロセスはハードウェアユニットにおいて実施されるため、プログラムコード1118を省略することができる。
【0139】
また別の実施例では、プロセッサユニット1104は、コンピュータ及びハードウェアユニットに見られるプロセッサの組み合わせを使用して実施することができる。プロセッサユニット1104は、プログラムコード1118を実行するように構成された任意の数のプロセッサと任意の数のハードウェアユニットとを有することができる。図示されたこの実施例では、プロセッサの一部を任意の数のハードウェアユニットで、他の一部を任意の数のプロセッサで、それぞれ実装することができる。
【0140】
別の実施例では、バスシステムは、通信ファブリック1102を実装するために使用することができ、システムバス又は入力/出力バスといった一又は複数のバスから構成することができる。言うまでもなく、バスシステムは、このバスシステムに取り付けられた種々のコンポーネント又はデバイス間でデータの伝送を行う任意の適切な種類のアーキテクチャを使用して実装することができる。
【0141】
上述の実施形態において記載される装置は、オブジェクトに対して位置決めされる任意の数のミラーユニットと、オブジェクト及び任意の数のミラーユニットの、オブジェクト上の複数の点をその中に有する画像を生成する任意の数のカメラであって、オブジェクト上の複数の点の第1の部分が画像内のオブジェクト上に見えており、オブジェクト上の複数の点の第2の部分が画像内の任意の数のミラーユニット上に見えているカメラと、画像、オブジェクトに対する任意の数のカメラの複数の位置、画像内の任意の数の基準点、及び任意の数のミラーユニットの任意の数の位置を使用して複数の点の複数の座標を特定する一の測定モジュールであって、オブジェクト上の複数の点のこれらの複数の座標を使用して、オブジェクトの空間的にほぼ正確なポイントクラウドが形成される測定モジュールとを含んでいる。
【0142】
幾つかの実施形態では、このような装置は、複数の点の上に複数のマーカーを生成するレーザーデバイスを含み、このような複数の点の上の複数のマーカーは画像内で可視である。
【0143】
幾つかの実施形態では、任意の数のミラーユニットのうちの一のミラーユニットは、第1の面を有するミラーと、ミラーを取り囲み、且つ第2の面を有するフレームとを含み、このフレームは、第1の面が第2の面とほぼ同一平面内に位置するようにミラーを保持し、また任意の数の基準点の少なくとも一部が画像内でフレーム上に位置する。
【0144】
画像を使用した複数の点の複数の座標の特定において、測定モジュールは、各々が、任意の数のカメラのうちの一のカメラと、任意の数のミラーユニットのうちの一のミラーユニット上の複数の点の第2の部分に含まれる一点の反射との間の見通し線である任意の数のカメラの見通し線同士の交差点を特定し、この交差点を、ミラーユニットの平面を基準として約180度回転させることにより新規の点を形成し、そしてこの新規の点の座標を特定する。
【0145】
上述のように、幾つかの実施形態では、測定モジュールは、複数の点の複数の座標に指針を適用する。特定の実施形態では、空間的にほぼ正確なポイントクラウド中の点は、オブジェクト上の複数の点のうちの対応する点と整列させると、オブジェクト上の複数の点のうちの対応する点とほぼ同じ位置を有する。幾つかの実施形態では、測定モジュールは、空間的にほぼ正確なポイントクラウドを使用してオブジェクトのモデルを生成し、特定の実施形態では、測定モジュールは、オブジェクトのモデルをオブジェクトの別のモデルと比較し、オブジェクトのモデルとオブジェクトの別のモデルとの任意の数の相違点を特定する。
【0146】
特定の装置の実施形態では、任意の数のカメラのうちの一のカメラについて、このカメラと、複数の点の第2の部分に含まれる一点との間に見通し線が存在しない。更に、複数の点の第1の部分は任意の数の可視点であり、複数の点の第2の部分は任意の数の隠れた点であって、任意の数の隠れた点は任意の数のカメラの直接の視野からは隠れている。
【0147】
上記の記載により、更に測定方法が提供され、この方法は、オブジェクトの画像を生成することと、画像内の任意の数の基準点を使用して、画像に基づいて、オブジェクト表面上の複数の点の複数の座標を特定することとを含み、オブジェクト上の複数の点の第1の部分は、画像内においてオブジェクト上に見ることができ、オブジェクト上の複数の点の第2の部分は、画像内において任意の数のミラーユニット上に見ることができる。
【0148】
この方法は、更に、レーザーデバイスを使用して、オブジェクト表面上の複数の点の上に複数のマーカーを生成することを含むことができる。この方法の特定の実施形態では、生成するステップは任意の数のカメラを使用して実行され、画像に基づいてオブジェクト表面上の複数の点の複数の座標を特定するステップは、各々が、任意の数のカメラのうちの一のカメラと、任意の数のミラーユニットのうちの一のミラーユニット上の複数の点の第2の部分に含まれる一点の反射との間の見通し線である任意の数のカメラの見通し線同士の交差点を特定することと、この交差点を、ミラーユニットの平面を基準として約180度回転させることにより新規の点を形成することと、この新規の点の座標を特定することとを含む。
【0149】
この方法は、更に、複数の点の複数の座標を使用して、空間的にほぼ正確な、オブジェクトのポイントクラウドを生成することを含み、空間的にほぼ正確なオブジェクトのポイントクラウド中の点は、オブジェクト上の複数の点のうちの対応する点と整列させると、オブジェクト上の複数の点のうちの対応する点とほぼ同じ位置を有しうる。加えて、このような一実施形態は、更に、空間的にほぼ正確なポイントクラウドを使用してオブジェクトのモデルを生成することと、このオブジェクトのモデルを、オブジェクトの別のモデルと比較することと、オブジェクトのモデルとオブジェクトの別のモデルとの任意の数の相違点を特定することとを含むことができる。
【0150】
特定の一実施形態では、本方法は、複数の点の第2の部分が画像内において任意の数のミラーユニット上に見えるように、任意の数の位置に任意の数のミラーユニットを配置することを含み、任意の数のミラーユニットのうちの一のミラーユニットは、第1の面を有するミラーと、ミラーを取り囲み、且つ第2の面を有するフレームとを含んでおり、このフレームは、第1の面が第2の面とほぼ同じ平面内に位置するようにミラーを保持するように構成されており、且つ任意の数の基準点のうちの少なくとも一部は画像内においてフレーム上に位置している。
【0151】
本方法の特定の一実施形態では、生成するステップは任意の数のカメラを使用して実行され、任意の数のカメラのうちの一のカメラについて、このカメラと、複数の点の第2の部分に含まれる一点との間に見通し線が存在しない。
【0152】
本方法の一実施形態では、複数の点の第1の部分は任意の数の可視点であり、複数の点の第2の部分は任意の数の隠れた点であり、任意の数の隠れた点は、オブジェクトの画像を生成するように構成された任意の数のカメラの直接の視野から隠れている。
【0153】
一実施形態において記載される別の構成の装置は、オブジェクトに対して位置決めされる任意の数のミラーユニットと、オブジェクト及び任意の数のミラーユニットの画像であって、オブジェクト上の複数の点をその中に有する画像を生成する任意の数のカメラと、画像内の任意の数の基準点、画像内においてオブジェクト上に見えるオブジェクト上の複数の点の第1の部分、及び画像内において任意の数のミラーユニット上に見えるオブジェクト上の複数の点の第2の部分を使用して、複数の点の複数の座標を特定する一の測定モジュールとを含んでいる。
【0154】
種々の有利な実施形態の記載は、例示及び説明を目的として提示されたのであって、包括的なものであること、又は有利な実施形態を開示された形態に限定することを意図していない。当業者には、多数の修正及び変形例が明らかであろう。更に、種々の有利な実施形態は、他の有利な実施形態とは異なる利点を提供しうる。選択された一又は複数の有利な実施形態は、有利な実施形態と実用的な用途を最もよく説明するために、及び他の当業者が、考慮される特定の用途に適した様々な修正と共に種々の実施形態の開示内容を理解できるように、選ばれて記載されている。
【符号の説明】
【0155】
200 航空機
202 機体
204 システム
206 内装
208 推進システム
210 電気システム
212 油圧システム
214 環境システム
300 測定環境
302 測定システム
304 オブジェクト
306 写真測量システム
308 カメラシステム
310 スキャナ
312 ミラーユニット
314 第1のカメラユニット
316 第2のカメラユニット
318 フレーム
319 ドット
320 オブジェクト上の点
321 カメラシステムの現在の位置
322 点の隠れた部分
323 点の可視部分
324 コンピュータ
400 測定環境
402 測定システム
404 測定
408 複数の点
410 表面
412 写真測量システム
414 カメラシステム
416 ミラーシステム
418 測定モジュール
420 任意の数のカメラ
422 任意の数のミラーユニット
424 ハードウェア
426 ソフトウェア
430 画像
432 複数のマーカー
433 レーザーデバイス
434 点
435 マーカー
436 複数の見通し線
440 複数の位置
442 第1の部分
444 任意の数の可視点
446 第2の部分
448 任意の数の隠れた点
452 任意の数の位置
454 任意の数の反射
455 任意の数の基準点
456 コンピュータシステム
458 複数の座標
460 第1の数の座標
462 第2の数の座標
463 第3の部分
464 指針
466 任意の数の規則
467 一組のマーカー
468 任意の数のパラメータ
469 ポイントクラウド
470 モデル
472 コンピュータを援用した設計モジュール
500 オブジェクト表面
510 第1の点
514 第1のカメラの第1の見通し線
516 第2のカメラの第1の見通し線
518 第2の点
520 第1のカメラの第2の見通し線
522、525 ミラーユニット上の点
523 第2の見通し線同士の交差点
524 第2のカメラの第2の見通し線
526 点
530 ミラーユニットの平面
600 ミラー
601 ミラー表面
602 フレーム
603 反射面
604 フレームの第1の側
606 フレームの第2の側
608 フレームの第1の側の表面
800 ポイントクラウド
802 円形の点
804 矩形の点
806 第1組の点
810 第1組の点に含まれる矩形の点
812 ライン
814 第2組の点
1100 データ処理システム
1102 通信ファブリック
1104 プロセッサユニット
1106 メモリ
1108 固定記憶域
1110 通信ユニット
1112 入力/出力ユニット
1114 ディスプレイ
1116 記憶装置
1118 プログラムコード
1120 コンピュータで読み取り可能な媒体
1122 コンピュータプログラム製品
1124 コンピュータで読み取り可能な記憶媒体
1126 コンピュータで読み取り可能な信号媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オブジェクトに対して位置決めされる任意の数のミラーユニットと、
オブジェクト上の複数の点をその中に有する、オブジェクト及び任意の数のミラーユニットの画像を生成する任意の数のカメラであって、オブジェクト上の複数の点の第1の部分が画像内においてオブジェクト上に見えており、オブジェクト上の複数の点の第2の部分が画像内において任意の数のミラーユニットの上に見えている任意の数のカメラと、
画像、オブジェクトに対する任意の数のカメラの複数の位置、画像内の任意の数の基準点、及び任意の数のミラーユニットの任意の数の位置を使用して、複数の点の複数の座標を特定する一の測定モジュールであって、オブジェクト上の複数の点の複数の座標が、オブジェクトの空間的に略正確なポイントクラウドを形成するために使用される、一の測定モジュールと
を備えた装置。
【請求項2】
複数の点の上に複数のマーカーを生成するレーザーデバイス
を更に備え、複数の点の上の複数のマーカーが画像内において可視である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
任意の数のミラーユニットのうちの一のミラーユニットが、
第1の面を有するミラーと、
ミラーを取り囲み、且つ第2の面を有するフレームであって、第1の面が第2の面と略同一の面内に位置するようにミラーを保持し、任意の数の基準点の少なくとも一部が画像内においてフレーム上に位置するフレームと
を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
空間的に略正確なポイントクラウドに含まれる点が、オブジェクト上の複数の点のうちの対応する点と整列させると、オブジェクト上の複数の点のうちの対応する点と略同じ位置を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
測定モジュールが、空間的に略正確なポイントクラウドを使用してオブジェクトのモデルを生成するように構成されており、且つ
測定モジュールが、オブジェクトのモデルをオブジェクトの別のモデルと比較して、オブジェクトのモデルとオブジェクトの別のモデルとの任意の数の相違点を特定するように構成されている、
請求項4に記載の装置。
【請求項6】
オブジェクトの画像を生成するステップと、
画像内の任意の数の基準点を使用して、画像に基づいてオブジェクト表面上の複数の点の複数の座標を特定するステップであって、オブジェクト上の複数の点の第1の部分が画像内においてオブジェクト上に見えており、オブジェクト上の複数の点の第2の部分が画像内において任意の数のミラーユニット上に見えている、特定するステップと
を含む測定方法。
【請求項7】
レーザーデバイスを使用して、オブジェクト表面上の複数の点の上に複数のマーカーを生成するステップ
を更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
生成するステップが、任意の数のカメラを使用して実行され、且つ
画像に基づいてオブジェクト表面上の複数の点の複数の座標を特定するステップが、
各々が、任意の数のカメラのうちの一のカメラと、任意の数のミラーユニットのうちの一のミラーユニット上の複数の点の第2の部分に含まれる一点の反射との間の見通し線である、任意の数のカメラの見通し線同士の交差点を特定することと、
交差点を、ミラーユニットの平面を基準として約180度回転させることにより、新規の点を形成することと、
新規の点の座標を特定することと
を含む、
請求項6に記載の方法。
【請求項9】
複数の点の複数の座標を使用して、オブジェクトの空間的に略正確なポイントクラウドを生成するステップであって、空間的に略正確なポイントクラウド中の点が、オブジェクト上の複数の点のうちの対応する点と整列させると、オブジェクト上の複数の点のうちの対応する点と略同じ位置を有する、生成するステップ
を更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
空間的に略正確なポイントクラウドを使用してオブジェクトのモデルを生成するステップと、
オブジェクトのモデルをオブジェクトの別のモデルと比較するステップと、
オブジェクトのモデルとオブジェクトの別のモデルとの任意の数の相違点を特定するステップと
を更に含む、請求項9に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−185158(P2012−185158A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−36575(P2012−36575)
【出願日】平成24年2月22日(2012.2.22)
【出願人】(500520743)ザ・ボーイング・カンパニー (773)
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
【Fターム(参考)】