説明

凹版オフセット印刷方法を用いた印刷方法

【課題】凹版オフセット印刷による連続印刷において、パイリング現象の発生を低減し、かつパイリング現象が発生するまでの連続印刷回数を伸ばす。
【解決手段】印刷用インキ11を凹状のパターン10aを有する印刷板10に充填し、印刷板10から充填したインキ11を表面にシリコンゴムシート13aを有するロール状の印刷用ブランケット13へ転写した後、印刷用ブランケット13を回転して印刷用ブランケット13から被転写体16へインキ11を転写する凹版オフセット印刷法を用いた塗膜の印刷方法において、印刷用ブランケット13から被転写体16へ印刷用インキ11を転写した後、印刷用ブランケット13表面のシリコーンゴムシート13aにマイクロ波を照射することにより、印刷用ブランケット13の温度を70〜130℃にしてシリコーンゴムシート13aを乾燥させることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、凹版オフセット印刷法を用いてプラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel、以下、PDPという。)の基板上に電極パターンを印刷するのに優れた印刷方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、電極パターンを形成する方法として、フォトリソグラフィ法が用いられてきた。しかし、このフォトリソグラフィ法では、製造工程が煩雑で、電極パターン形成に必要な露光装置や材料等に莫大な費用がかかるため、製造コストが極めて高くなるという問題があった。更に、現像工程で生じる廃液を処理するためには高いコストが掛かり、この廃液については、環境保護の面からも問題が生じていた。そこで、フォトリソグラフィ法に代わる、低コストかつ有害な廃液なども生じることのないパターンの形成方法として、表面がシリコーンゴムシートからなる印刷用ブランケットを備えた凹版オフセット印刷法が注目されている。
しかし、上記従来の凹版オフセット印刷法においては、連続で印刷を行うにつれて、印刷用ブランケットからガラス基板のような被転写体に印刷用インキを塗布するときに、印刷用ブランケット上に印刷用インキが次第に残っていく、いわゆるパイリング(piling)という現象が生じる問題があった。パイリング現象が生じる一因としては、印刷用ブランケットを回転して、印刷用ブランケット表面のシリコーンゴムシートからガラス基板へ印刷用インキを転写する際に、印刷用インキが内部で分断して、印刷用インキの一部がシリコーンゴムシートに残留してしまうことが考えられる。このパイリング現象により、得られる塗膜において、膜厚の現象やばらつき、線幅のばらつきの原因になるという問題があった。
【0003】
これらの問題を解決すべく、印刷用ブランケットの表面、すなわち表面印刷層を加熱することで、表面印刷層中に浸透した溶剤を蒸発し、除去する方法が開示されている。(例えば、特許文献1参照。)。また、加熱する方法に関しては、印刷用ブランケット表面にシリコン系エラストマを用いたものを使用し、印刷用インキとして、インキ中に低分子料ポリシロキサンを含有させたものを使用し、かつ印刷用インキを印刷用ブランケットから被転写体へ転写した後、印刷用ブランケットの表面を赤外線の照射、温風の噴射又はヒータにより加熱して印刷用ブランケットに吸収された印刷用インキの溶剤を蒸散させ、次いで、印刷用ブランケットの表面を冷却する方法が開示されている。(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開2002−245931号公報(請求項1)
【特許文献2】特開2004−66804号公報(請求項1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献2に示される方法では、印刷用ブランケットの表面を加熱して印刷用ブランケットに吸収された印刷用インキの溶剤を蒸散させる方法として、赤外線の照射、温風の噴射又はヒータが使われていたため、印刷用ブランケットの表面印刷層の内部までの乾燥が十分ではなかった。また、これらの加熱方法は熱伝導による加熱であるため、印刷用ブランケットの表面印刷層の内部深くにまで浸透した溶剤成分を蒸散させるには時間が掛かっていた。更に、加熱・冷却に時間が掛かり、タクトタイムが長くなるため、生産性が低下するという問題があった。
【0005】
本発明の第1の目的は、凹版オフセット印刷による連続印刷において、パイリング現象の発生を低減し、かつパイリング現象が発生するまでの連続印刷回数を伸ばすことができる、凹版オフセット印刷法を用いた塗膜の印刷方法を提供することにある。
本発明の第2の目的は、本発明の凹版オフセット印刷方法により、プラズマディスプレイパネル用基板上にライン形状が優れた白色の導電膜を形成することができるバス電極用導電膜の製造方法を提供することにある。
本発明の第3の目的は、本発明の凹版オフセット印刷方法により、プラズマディスプレイパネル用基板上にライン形状が優れた黒色膜を形成することができるバス電極用黒色膜の製造方法を提供することにある。
本発明の第4の目的は、本発明の凹版オフセット印刷方法により、プラズマディスプレイパネル用基板上にライン形状が優れたブラックストライプを形成することができるブラックストライプの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、図1に示すように、無機粉末又は有機粉末から構成される粉末成分、樹脂成分、溶剤成分及び分散剤をそれぞれ含有した印刷用インキ11を凹状のパターン10aを有する印刷板10に充填し、印刷板10から充填したインキを表面にシリコーンゴムシート13aを有するロール状の印刷用ブランケット13へ転写した後、印刷用ブランケット13を回転して印刷用ブランケット13から被転写体16へインキを転写する凹版オフセット印刷法を用いた塗膜の印刷方法の改良である。その特徴ある構成は、印刷用ブランケット13から被転写体16へ印刷用インキ11を転写した後、印刷用ブランケット13表面のシリコーンゴムシート13aにマイクロ波を照射することにより、印刷用ブランケットの表面を70〜130℃にしてシリコーンゴムシート13aを乾燥させるところにある。
請求項1に係る発明では、印刷用ブランケットから被転写体へ印刷用インキを転写した後、印刷用ブランケットの温度を70〜130℃にし、シリコーンゴムシートを乾燥させる手段としてマイクロ波照射を用いることにより、印刷用ブランケット表面のシリコーンゴムシートの内部まで十分に乾燥させることができる。マイクロ波による加熱は、赤外線による加熱等のような熱伝導による加熱ではないため、シリコーンゴムシートの内部深くにまで浸透している溶剤成分を十分にかつ短時間で加熱して揮発させ、除去することができる。これらの効果によって連続印刷におけるパイリング現象の発生を低減し、かつパイリング現象が発生するまでの連続印刷回数を延ばすことができる。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明であって、印刷用ブランケット表面のシリコーンゴムシートの乾燥を、マイクロ波の照射と赤外線の照射を併用することにより行う印刷方法である。
請求項2に係る発明では、印刷用ブランケット表面のシリコーンゴムシートの乾燥を、マイクロ波の照射と赤外線の照射を併用することで、シリコーンゴムシート内部についてはマイクロ波により、シリコーンゴムシート表面については赤外線によりシリコーンゴムシート全体を斑なくかつ短時間で乾燥させることができる。
【0008】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る発明であって、マイクロ波の周波数が900〜3000MHzである印刷方法である。
【0009】
請求項4に係る発明は、請求項1に係る発明であって、樹脂成分がスチレン−アクリル共重合体、ウレタン−アクリル共重合体、エポキシ−アクリル共重合体、ポリウレタンアクリレート、ポリエポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート及びポリブタジエンアクリレートからなる群より選ばれた1種又は2種以上の成分を含み、溶剤成分がジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、γ−ブチルラクトン、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、ポリエステルポリオール及び水酸基含有液状アクリル樹脂からなる群より選ばれた1種又は2種以上の成分を含む印刷方法である。
【0010】
請求項5に係る発明は印刷用インキが導電性粉末を含む白色系導電性ペーストであって請求項1ないし4いずれか1項に記載の印刷方法により、プラズマディスプレイパネル用基板に導電性インキを印刷して塗膜を形成する工程と、形成した塗膜を乾燥する工程と、乾燥した塗膜を焼成することにより基板上に白色の導電膜を形成する工程とを含むことを特徴とするバス電極用導電膜の製造方法である。
【0011】
請求項6に係る発明は印刷用インキが黒色酸化物粉末、ガラス粉末、樹脂成分、溶剤成分及び分散剤含む黒色ペースト組成物であって、請求項1ないし4いずれか1項に記載の印刷方法により、プラズマディスプレイパネル用基板に黒色ペースト組成物を印刷して塗膜を形成する工程と、形成した塗膜を乾燥する工程と、乾燥した塗膜を焼成することにより基板上に黒色膜を形成する工程とを含むことを特徴とするバス電極用の黒色膜の製造方法である。
【0012】
請求項7に係る発明は印刷用インキが黒色酸化物粉末、ガラス粉末、樹脂成分、溶剤成分及び分散剤含む黒色ペースト組成物であって、請求項1ないし4いずれか1項に記載の印刷方法により、プラズマディスプレイパネル用基板に黒色ペースト組成物を印刷して塗膜を形成する工程と、形成した塗膜を乾燥する工程と、乾燥した塗膜を焼成することにより基板上にブラックストライプを形成する工程とを含むことを特徴とするブラックストライプの製造方法である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の凹版オフセット印刷法を用いた塗膜の印刷方法は、印刷用ブランケットから被転写体へ印刷用インキを転写した後、印刷用ブランケットを乾燥させる手段としてマイクロ波を照射することにより印刷用ブランケット表面のシリコーンゴムシートの内部まで十分に乾燥することができる。マイクロ波による加熱は、赤外線による加熱等のような、加熱表面から徐々に熱が伝わっていく、いわゆる熱伝導による加熱ではなく、マイクロ波を照射することにより生じる分子相互間の摩擦による内部発熱であるため、シリコーンゴムシートの内部深くにまで浸透している溶剤成分まで十分にかつ短時間で加熱して揮発させ、除去することができる。これらの効果によって、従来技術よりも連続印刷におけるパイリング現象の発生を低減させ、かつパイリング現象が発生するまでの連続印刷回数を延ばすことができる。更に、パイリング現象の発生を低減できることから、パイリング現象に起因する膜厚の減少やばらつき、線幅のばらつき等が解消される。
本発明に係る製造方法により形成されるプラズマディスプレイパネル用、バス電極の黒色膜及びブラックストライプはそれぞれライン形状の点において優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
本発明で使用する印刷用インキは、粉末成分、樹脂成分、溶剤成分及び分散剤から構成される。
【0015】
本発明の印刷方法に使用する印刷用インキに含有する粉末成分は、無機粉末又は有機粉末である。具体的には有機顔料、無機顔料、光輝性顔料、有機染料が挙げられる。また金属粉末、金属酸化物、金属窒化物又はそれらの混合粉末は導電性パターンの印刷に使用できるため特に好適である。有機顔料としては、アゾ系、ポリアゾ系、アンスラキノン系、キナクリドン系、イソインドリン系、イソインドリノン系、フタロシアニン系、ペリレン系、DPP系、蛍光顔料等が挙げられる。無機顔料としては、アセチルカーボン、カーボンナノチューブ、フラーレン、グラファイトのような炭素粉末、合成シリカ、酸化クロム、酸化鉄、酸化チタン、チタンブラック、酸化コバルト、酸化銅、これらの複合酸化物、焼成顔料、硫化亜鉛等が挙げられる。光輝性顔料としては、パール顔料、フレーク顔料、アルミニウム顔料、ブロンズ顔料等が挙げられる。有機染料としては、アルコール可溶性染料、油溶性染料、蛍光染料、集光性染料等が挙げられる。金属粉末、金属酸化物、金属窒化物又はそれらの混合粉末の平均粒径は、印刷適性等を考慮すると、0.01〜5μmが好ましく、0.1〜1μmがより好ましい。
【0016】
本発明の印刷方法に使用する印刷用インキに含有する樹脂成分としては、ポリメチルアクリレート等のポリアクリル酸エステル、ポリメチルメタクリレート等のポリメタクリル酸エステルと、ポリスチレン、ポリウレタン、エポキシ樹脂とを共重合させたアクリル−スチレン系共重合体、アクリル−ウレタン系共重合体,アクリル−エポキシ系共重合体、ポリアクリル酸エステルやポリメタクリル酸エステルの一部をウレタン、エポキシで置換したポリウレタンアクリレート、ポリエポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート及びポリブタジエンアクリレートからなる群より選ばれた1種又は2種類以上の成分が挙げられる。印刷用インキ100重量%とするとき、樹脂成分5〜20重量%の割合で配合することが好ましい。また、これらの樹脂成分の分子量は、数百〜数百万のオリゴマーからポリマーの範囲で好適に用いられる。低分子量の樹脂成分はインキの乾燥抑制に有効であり、高分子量の樹脂成分はインキ内部での凝集破壊を抑制することができる。即ち転写性の向上に有効である。従って、インキ中に低分子量から高分子量と幅広い分子量の樹脂を含有させることにより、インキの乾燥抑制と転写性向上を同時に満たすことができる。上記種類の樹脂成分は、高い凝集力を有し、被転写体への転写時におけるインキ内部での凝集破壊を抑制することができる。
【0017】
本発明の印刷方法に使用する印刷用インキに含有する溶剤成分としては、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、γ−ブチルラクトン、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、ポリエステルポリオール及び水酸基含有液状アクリル樹脂からなる群より選ばれた1種又は2種以上の成分が挙げられる。印刷用インキ100重量%とするとき、溶剤成分7.5〜30重量%の割合で配合することが好ましい。ポリエステルポリオール[炭素数が2〜12の脂肪族多塩基酸・炭素数が2〜12の脂肪族多価アルコール]としては、ポリ[(1,9−ノナンジオール)−o−(アジピン酸)]、ポリ[(3−メチル−1,5−ペンタンジオール;トリメチロールプロパン)−o−(アジピン酸)]、ポリ[(3−メチル−1,5−ペンタンジオール)−o−(セバシン酸)]が挙げられる。またポリエステルポリオール[炭素数が8〜15の芳香族多塩基酸・炭素数が2〜12の脂肪族多価アルコール]としては、ポリ[(3−メチル−1,5−ペンタンジオール)−o−(テレフタル酸)]、ポリ[(3−メチル−1,5−ペンタンジオール)−o−(イソフタル酸)]が挙げられる。更に水酸基含有液状アクリル樹脂としては、ポリ2−ヒドロキシエチルアクリレート、ポリ2−ヒドロキシブチルアクリレート、ポリ2−ヒドロキシメタクリレートが挙げられる。上記種類の溶剤成分は上記種類の樹脂成分を溶解することが可能であり、印刷用インキを印刷用ブランケットへ転写した際に溶剤成分の一部が印刷用ブランケット表面のシリコーンゴムシート中に吸収、浸透され、インキとシリコンゴムシートの間に溶剤成分に富んだ境界層(WBL)を形成するため、インキをブランケット上に残すことなく転写することができる。また、上記種類の溶剤成分は、揮発し易い成分であるため、従来の方法のように、溶剤成分が浸透しているブランケットを加熱することによって溶剤成分浸透前の状態に戻す必要がない。このような性能を有する溶剤成分を含む印刷用インキを使用することで、オフセット印刷による連続印刷において印刷パターンの形状変動を低減することができるという利点がある。
【0018】
本発明の印刷方法に使用する印刷用インキに分散剤を加えるのは、分散剤を含むことで塗工した層表面が平滑になる効果が得られるためである。印刷用インキ100重量%とするとき分散剤を1〜10重量%の割合で配合することが好ましい。また、形成するラインのエッジ部におけるシャープネスさが高くなる。分散剤としては、カルボン酸系やリン酸エステル系、ポリカルボン酸高分子アニオンアリルエーテルコポリマー、ポリアミン−脂肪酸縮合物、高分子界面活性剤、高分子脂肪酸、脂肪族エステル縮合体を使用することが好適である。
【0019】
本発明の凹版オフセット印刷法を用いた塗膜の印刷方法は、上記成分を含有した印刷用インキを凹状のパターンを有する印刷板に充填し、印刷板から充填したインキを表面にシリコーンゴムシートを有するロール状の印刷用ブランケットへ転写した後、印刷用ブランケットを回転して印刷用ブランケットから被転写体へインキを転写する凹版オフセット印刷法を用いた塗膜の印刷方法の改良である。
【0020】
その特徴ある構成は、印刷用ブランケットから被転写体へ印刷用インキを転写した後、印刷用ブランケット表面のシリコーンゴムシートにマイクロ波を照射することにより、印刷用ブランケットの温度を70〜130℃にしてシリコーンゴムシートを乾燥させるところにある。マイクロ波による加熱は、赤外線による加熱のような、加熱表面から徐々に熱が伝わっていく、いわゆる熱伝導による加熱ではなく、マイクロ波を照射することにより生じる分子相互間の摩擦による内部発熱である。そのため、シリコーンゴムシートの乾燥にマイクロ波を使用することで、赤外線を使用する場合よりも、シリコーンゴムシートの内部深くにまで浸透している溶剤成分を十分かつ短時間で加熱して揮発させ、除去することができる。本発明で使用するマイクロ波については、周波数が900〜3000MHzであるものを使用することが好ましい。周波数が900〜3000MHzの範囲のマイクロ波を照射すると、ブランケットのシリコーンゴムシート中の溶剤成分を十分に揮発させる効果が得られる。マイクロ波の照射強度及び照射時間については、乾燥時に設定する最高温度に応じて適宜調整すればよい。本発明の印刷方法において、温度を70℃以上としたのは、温度が70℃未満では、溶剤成分を十分に揮発させることができないからである。また、温度を130℃以上としたのは、温度が130℃を越えると、シリコーンゴムシートが変形したり、また、そのことが原因となり印刷ラインの形状に乱れが生じる等の不具合が起きるからである。本発明の印刷方法では、マイクロ波の照射以外の加熱方法を併用することで更に高い効果が得られる。例えば、熱伝導による加熱方法と併用すれば、シリコーンゴムシート内部についてはマイクロ波の加熱により、表面については他の熱伝導による加熱によって、マイクロ波のみ用いる場合よりも十分にかつ短時間で乾燥させることができる。マイクロ波の照射と併用する他の加熱方法としては、互いに干渉しない事の理由により、赤外線の照射を用いることが好ましい。赤外線の照射については、マイクロ波の照射と同時に行ってもよく、またマイクロ波の照射前後に行ってもよい。マイクロ波の照射と同時に赤外線を照射する場合における赤外線の照射強度及び照射時間は、マイクロ波の照射強度及び照射時間を考慮して調整する必要がある。例えば、この時のマイクロ波の照射強度を100〜500W、照射時間を10〜60秒とした場合には、赤外線の照射強度を500〜1000W、照射時間を30〜60秒とすることが好ましい。マイクロ波の照射前後で赤外線を照射する場合は、赤外線の照射強度及び照射時間については、乾燥時に設定する最高温度に応じて適宜調整すればよい。
【0021】
次に、本発明の凹版オフセット印刷法を用いた塗膜の印刷方法を説明する。
図1は、本発明に係る凹版オフセット印刷方法の印刷工程の例を示す模式図である。図1に示す凹版オフセット印刷装置は、表面にシリコーンゴムシート13aを有する印刷用ブランケット13と、シリコーンゴムシート13aを加熱する装置としてマイクロ波照射装置14及び赤外線照装置15と、所望の凹状パターン10aを有する印刷板10とを備えている。
【0022】
先ず、図1(a)に示すように、この平面凹版10表面に印刷用インキ11を所定量供給する。供給した印刷用インキ11は、スキージ12を平面凹版10表面に当ててスライドさせることにより、凹状パターン10aに埋め込む。次に、図1(b)に示すように、ブランケットロール13をインキ11が埋め込まれた平面凹版10上に圧接し、この状態でブランケットロール13を回転させ、平面凹版10上をスライドさせることにより、凹状パターン10aに埋め込まれたインキ11の一部をブランケットロール13のシリコーンゴムシート13a表面に転写する。なお、ブランケットロール表面にはシリコーンゴムシートの代わりにシリコーン樹脂シートを取り付けても良い。このときの転写率は平面凹版の凹状パターンやインキに含まれる成分やその比率、ブランケットの圧接の強弱によっても異なるが、ほぼ20〜60%程度の割合である。最後に、図1(c)に示すように、印刷用インキ11を転写したブランケットロール13を、ガラス基板のような被転写体16に圧接し、この状態でブランケットロール13を被転写体16上で回転させて、被転写体16表面に所望のパターンが転写される。このとき、被転写体16に順次印刷用インキ11を転写し終えたシリコーンゴムシート13aは、図1(c)に示す位置に備えるマイクロ波照装置14により、マイクロ波が照射され、70〜130℃の温度でシリコーンゴムシート13aの乾燥が行われる。このシリコーンゴムシート13aの乾燥は、マイクロ波を照射すること、更にはマイクロ波の照射と赤外線の照射を併用することでシリコーンゴムシート内部についてはマイクロ波により、シリコーンゴムシート表面については赤外線によりシリコーンゴムシート全体を斑なくかつ短時間で乾燥することができる。
【0023】
このように、本発明の印刷方法では、1回の印刷につき、マイクロ波の照射、更にはマイクロ波の照射と赤外線の照射を併用することによるシリコーンゴムシートの短時間かつ十分な乾燥ができる。これらの効果により、連続印刷におけるパイリング現象の発生を低減し、かつパイリング現象が発生するまでの連続印刷回数を伸ばすことができる。
【0024】
次に、本発明の導電膜、黒色膜及びブラックストライプの製造方法を用いて、PDP用前面基板を作製する方法を説明する。
図2及び図3は、プラズマディスプレイパネル前面基板を作製する工程を模式的に表した図である。
先ず、図2(a)に示すような、フロントガラス基板16を用意し、図2(b)に示すように、フロントガラス基板16に透明電極23を形成する。ここで形成する透明電極23は、プラズマ放電に必要であり、かつ発光の妨げにならないように透明な材質で形成される。具体的には、透明電極23はITO(Indium Tin Oxide)やSnO2等の酸化膜が使用され、スパッタリング、蒸着等の真空成膜法やCVD(Chemical Vapor Deposition)法によって形成される。
【0025】
次いで、図2(c)に示すように、形成した透明電極23上に、黒色ペースト組成物を本発明の凹版オフセット印刷法により塗膜した後、乾燥し、焼成することにより、黒色膜17bを形成する。本発明の製造方法で使用する黒色ペースト組成物は黒色酸化物粉末、ガラス粉末、樹脂成分、溶剤成分及び分散剤を含む。黒色ペースト組成物に含まれる黒色酸化物粉末はCo、Cr、Cu、Mn、Fe及びNiからなる群より選ばれた1種又は2種以上の金属元素を含む金属酸化物又はこれらの複合酸化物であることが好ましい。ガラス粉末は、酸化鉛、酸化ビスマス、酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化リン、酸化カルシウム及び酸化チタンからなる群より選ばれた1種又は2種以上の酸化物を含む400〜550℃の軟化点を有するフリットガラスであることが好ましい。続いて、図2(d)に示すように、形成した黒色膜17b上に、AgやAu、Pt、Pd等の導電性粉末を含有する導電性の高い白色系導電性ペーストを塗布、焼成することにより白色の導電膜17aを形成する。これにより黒色膜17b及び白色の導電膜17aから構成されるバス電極17が形成される。本発明の凹版オフセット印刷法を使用することにより、連続印刷におけるパイリング現象の発生を低減し、かつパイリング現象が発生するまでの連続印刷回数を伸ばすことができる。
次に、図2(e)に示すように、透明電極23及びバス電極17を覆うように、フロントガラス基板16の全面に透明誘電体層21を形成する。
【0026】
次に、図3(a)に示すように、形成した透明誘電体層21の上に、黒色ペースト組成物を本発明の凹版オフセット印刷法により塗膜した後、乾燥し、焼成することにより、ブラックストライプ24を形成する。ブラックストライプ24を形成することで、外光反射率が低下し、コントラストが改善される。本発明の凹版オフセット印刷法を使用することにより、黒色ペースト組成物の連続印刷におけるパイリング現象の発生を低減し、かつパイリング現象が発生するまでの連続印刷回数を伸ばすことができる。
【0027】
次に、図3(b)に示すように、透明誘電体層21の上に、ブラックストライプ24と同じ高さになるように、カラーフィルタ22を形成する。続いて、図3(c)に示すように、カラーフィルタ22及びブラックストライプ24の上に、透明誘電体層21を形成する。更に、図3(d)に示すように、透明誘電体層21の上に、保護膜19を形成する。
保護膜19を形成するのは、放電によるイオン衝撃で誘電体層がダメージを受け、パネル寿命が短くなるのと、プラズマ放電に必要な二次電子放出の効率が悪いため、放電電圧が高くなるのを防ぐためである。保護膜19はMgOが使用され、電子ビーム蒸着、イオンプレーティング、スパッタリングによって形成することができる。
【0028】
以上、図2(a)〜図3(d)の各工程を経ることにより、PDP用の前面基板が得られる。
【実施例】
【0029】
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1>
以下の表1に示す粉末成分、樹脂成分、溶剤成分及び分散剤を混合し、この混合物をプラネタリーミキサーで30分間分散した後に、3本ロールミルで3分間分散して、ペースト状の印刷用インキを調製した。
【0030】
一方、図1に示すように、凹版オフセット印刷法に用いる印刷版として、ライン幅70μm、深さ20μm、ピッチ200μmの複数の凹状パターン10aを有する平面凹版10を用意し、被転写体として厚さ2.8mm、対角50インチのガラス基板(旭ガラス株式会社製の前面側の電極基板:PD200)16を用意した。また、印刷用ブランケットとして表面に厚さが700μmであって硬さが40(JIS−K6253 タイプA)のシリコーンゴムシート(常温硬化型シリコーンゴム(付加型))13aが取り付けられたブランケットロール13を用いた。また、ブランケットのシリコーンゴムシートの乾燥用装置として、マイクロ波照射装置14を取り付けた。
【0031】
先ず、平面凹版10の表面に上記印刷用インキ11を所定量供給し、SUS製スキージ12を用いて平面凹版10の表面に上記印刷用インキ11を埋め込んだ。次いでブランケットロール13を平面凹版10上に圧接した状態で回転させ、ガラス基板16上を転動させることにより、ガラス基板16の表面に所定のパターンを有する印刷用インキ11を転写し、所定のパターンをガラス基板に転写し終えた箇所のブランケットロール13にマイクロ波を照射してブランケット表面を乾燥させた。
【0032】
上記工程を本発明の印刷方法に係る印刷工程の1サイクルとし、パイリングが発生するまでの連続印刷を行った。また、パイリングが発生する直前の印刷済みガラス基板を、空気中で150℃の温度で保持しながら乾燥させた後、空気中で560℃の温度で10分間保持して焼成し、ガラス基板上に導電膜を形成した。
【0033】
【表1】

【0034】
【表2】

<実施例2,3>
ブランケットのシリコーンゴムシートの乾燥用装置として、図1(c)に示すように、マイクロ波照射装置14と赤外線照射器15を取り付け、上記表2に示す条件で、マイクロ波及び赤外線を照射したこと以外は実施例1と同じ条件で印刷を行った。また、印刷用インキは実施例1と同じものを使用した。
【0035】
<実施例4>
上記表1に示すように、印刷用インキの粉末成分として銀粉末の代わりに、平均粒子径が0.1μmであって球状のMn、Cu及びFeの複合系酸化物である黒色顔料(組成比、Mn:Cu:Fe=35:25:8.3)を75重量部混合し調製した印刷用インキを使用した。また、印刷条件は実施例1と同じとした。
【0036】
<実施例5>
上記表1に示すように、マイクロ波の照射条件のうち、周波数及び照射時間を別条件としたこと以外は実施例1と同じ条件で印刷を行った。また、印刷用インキは実施例1と同じものを使用した。
【0037】
<比較例1>
上記表2に示すように、マイクロ波の照射を行わなかったこと以外は実施例1と同じ条件で印刷を行った。また、印刷用インキは実施例1と同じものを使用した。
【0038】
<比較例2>
マイクロ波の照射について、上記表2に示す条件で、マイクロ波を照射したこと以外は実施例1と同じ条件で印刷を行った。また、印刷用インキは実施例1と同じものを使用した。
【0039】
<比較例3>
ブランケットのシリコーンゴムシートの乾燥用装置として、マイクロ波照射装置14の代わりに、赤外線照射器15を取り付け、上記表2に示す条件で、赤外線を照射したこと以外は実施例1と同じ条件で印刷を行った。また、印刷用インキは実施例1と同じものを使用した。
【0040】
<比較例4>
上記表1に示すように、粉末成分として銀粉末の代わりに、平均粒子径が0.1μmであって球状のMn、Cu及びFeの複合系酸化物である黒色顔料(組成比、Mn:Cu:Fe=35:25:8.3)を75重量部混合し調製した印刷用インキを使用した。こと以外は比較例1と同じ条件で印刷を行った。また、印刷条件は実施例1と同じとした。
【0041】
<比較試験及び評価>
実施例1〜5及び比較例1〜4で調べたブランケットの表面温度、パイリングが発生するまでの印刷枚数及び形成された導電膜又は黒色膜のラインの線幅を評価した。その結果を次の表3に示す。
(1)パイリング開始回数:ブランケットロールからガラス基板に印刷用インキが転写された後に、ブランケットロール上に印刷用インキが次第に残っていく不具合、いわゆるパイリング現象が発生するまで本発明の印刷を連続で行い、パイリングが発生するまでの印刷枚数を調べた。この印刷枚数をパイリング開始回数とした。
(2)ブランケット表面温度:実施例1,比較例2ではマイクロ波、実施例2では赤外線、実施例3ではマイクロ波及び赤外線の照射後のブランケットの表面温度を評価した。比較例1については、マイクロ波と赤外線ともに照射しなかったため、印刷工程の1サイクル後の表面温度を評価した。
(3)印刷性:焼成後のガラス基板の表面に形成された導電膜又は黒色膜の印刷ラインについて、各基板の所定位置における、9箇所の印刷ラインの線幅をそれぞれ測定し、平面凹版の凹状パターンのライン幅に対して上記測定値の最大値及び最小値が±2μm以内であるときを「良好」の評価とし、±2μmを越えかつ±5μm以内であるときを「不良」の評価とし、±5μmを越えたときを「極めて不良」の評価とした。
【0042】
【表3】

表3から明らかなように、マイクロ波を照射してブランケットのシリコーンゴムシートを乾燥させた実施例1,4,5と、乾燥させていない比較例1を比較すると、実施例1,4,5の方がパイリング開始回数が延びており、マイクロ波を照射してブランケットのシリコーンゴムシートを乾燥させることが効果的であることが確認された。更に、マイクロ波を照射した実施例1,5と赤外線を照射した比較例3を比較すると、実施例1の方がパイリング開始回数が延びており、また、印刷性においても実施例1の方が優れた結果となったことから、赤外線を使用するよりもマイクロ波を使用する方がより効果的であることが確認された。また、実施例2,3では実施例1,5よりも優れた結果が得られたことから、マイクロ波の照射に赤外線の照射を併用することで、本発明の更に高い効果が得られることが確認された。実施例1,5と比較例1,2,4を比較すると、比較例1,4では、パイリング開始回数、印刷性ともに優れた結果が得られず、また、比較例2では、パイリング開始回数においては優れた結果が得られたものの、印刷性において不具合が生じた。このことから、ブランケットの表面温度は、70℃〜130℃の範囲にすることが効果的であることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明における凹版オフセット印刷法を用いた印刷工程を示す説明図。
【図2】PDP用前面基板の製造工程の前段を示す図。
【図3】PDP用前面基板の製造工程の後段を示す図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無機粉末又は有機粉末から構成される粉末成分、樹脂成分、溶剤成分及び分散剤をそれぞれ含有した印刷用インキを凹状のパターンを有する印刷板に充填し、前記印刷板から前記充填したインキを表面にシリコンゴムシートを有するロール状の印刷用ブランケットへ転写した後、前記印刷用ブランケットを回転して前記印刷用ブランケットから被転写体へインキを転写する凹版オフセット印刷法を用いた塗膜の印刷方法において、
前記印刷用ブランケットから被転写体へ印刷用インキを転写した後、前記印刷用ブランケット表面のシリコーンゴムシートにマイクロ波を照射することにより、印刷用ブランケットの温度を70〜130℃にしてシリコーンゴムシートを乾燥させることを特徴とする凹版オフセット印刷法を用いた塗膜の印刷方法。
【請求項2】
印刷用ブランケット表面のシリコーンゴムシートの乾燥を、マイクロ波の照射と赤外線の照射を併用することにより行う請求項1記載の印刷方法。
【請求項3】
マイクロ波の周波数が900〜3000MHzである請求項1又は2記載の印刷方法。
【請求項4】
樹脂成分がスチレン−アクリル共重合体、ウレタン−アクリル共重合体、エポキシ−アクリル共重合体、ポリウレタンアクリレート、ポリエポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート及びポリブタジエンアクリレートからなる群より選ばれた1種又は2種以上の成分を含み、
溶剤成分がジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、γ−ブチルラクトン、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、ポリエステルポリオール及び水酸基含有液状アクリル樹脂からなる群より選ばれた1種又は2種以上の成分を含む請求項1記載の印刷方法。
【請求項5】
印刷用インキが導電性粉末を含む白色系導電性ペーストであって、
請求項1ないし4いずれか1項に記載の印刷方法により、プラズマディスプレイパネル用基板に前記導電性インキを印刷して塗膜を形成する工程と、
前記形成した塗膜を乾燥する工程と、
前記乾燥した塗膜を焼成することにより前記基板上に白色の導電膜を形成する工程と
を含むことを特徴とするバス電極用導電膜の製造方法。
【請求項6】
印刷用インキが黒色酸化物粉末、ガラス粉末、樹脂成分、溶剤成分及び分散剤含む黒色ペースト組成物であって、
請求項1ないし4いずれか1項に記載の印刷方法により、プラズマディスプレイパネル用基板に前記黒色ペースト組成物を印刷して塗膜を形成する工程と、
前記形成した塗膜を乾燥する工程と、
前記乾燥した塗膜を焼成することにより前記基板上に黒色膜を形成する工程と
を含むことを特徴とするバス電極用の黒色膜の製造方法。
【請求項7】
印刷用インキが黒色酸化物粉末、ガラス粉末、樹脂成分、溶剤成分及び分散剤含む黒色ペースト組成物であって、
請求項1ないし4いずれか1項に記載の印刷方法により、プラズマディスプレイパネル用基板に前記黒色ペースト組成物を印刷して塗膜を形成する工程と、
前記形成した塗膜を乾燥する工程と、
前記乾燥した塗膜を焼成することにより前記基板上にブラックストライプを形成する工程と
を含むことを特徴とするブラックストライプの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−179028(P2008−179028A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−13306(P2007−13306)
【出願日】平成19年1月24日(2007.1.24)
【出願人】(000006264)三菱マテリアル株式会社 (4,417)
【Fターム(参考)】