説明

分析装置

【課題】装置の大型化を抑制しつつ、多種類の成分の分析に対応可能な分析装置を提供する。
【解決手段】分析装置1は、発光部10と、透過型の分光フィルタ22と、光検出器23と、分析部31とを備える。分光フィルタ22は、光透過性の基板と、基板の一方の面上に第1の金属材料で形成された複数の凸部と、第1の金属材料よりも屈折率の高い第2の金属材料によって、凸部と共に一方の面を覆うように形成された金属膜とを備える。凸部は、凸部間に存在する金属膜が回折格子となり、凸部が導波路となるように配置される。回折格子の格子周期、凸部の高さ、金属膜の厚みは、分光フィルタの透過光の波長が部分毎に変化するよう、部分毎に異なる値に設定される。光検出器23は、各受光素子24が、分光フィルタの透過光を受光するように配置される。分析部31は、受光素子24の出力信号から対象物40のスペクトルを取得する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物に含まれる成分を光学的に分析する分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、対象物に含まれる成分の分析を非破壊によって行うため、光学的分析方法が提案されている。光学的分析方法では、先ず、対象物に光が照射される。次に、対象物を透過した透過光又は対象物で反射した反射光から、ターゲット成分に対応する波長の光が、分光フィルタによって取り出され、取り出された光が、受光素子によって受光される。そして、受光素子からの出力信号に基づいて、吸光度が求められ、更に、吸光度からターゲット成分の割合が算出される(例えば、特許文献1及び2参照。)。
【0003】
具体的には、特許文献1は、青果物に含まれるグルコースをターゲット成分として、光学的分析を行う分析装置を開示している。特許文献1に開示の分析装置では、ターゲット成分がグルコースであるため、光源からは、近赤外領域の波長を含む光が照射される。また、分光フィルタとしては、回折格子を用いた反射型の分光フィルタが用いられている。この分光フィルタは、波長が700nm〜1000nmの範囲の光のみが受光素子へと導かれるように形成されている。
【0004】
また、特許文献2も、青果物に含まれるグルコースをターゲット成分とする分析装置を開示している。但し、特許文献2に開示の分析装置では、特許文献1に開示の分析装置と異なり、設定波長の光のみを透過させる透過型の分光フィルタが複数個用いられている。各分光フィルタは、同一面上において、ビームの照射範囲内に配置されている。この構成により、被計測物からの光のうち、いずれかの分光フィルタの設定波長に適合する光のみが、分光フィルタを透過して、受光素子によって受光される。
【0005】
ところで、上述した光学的分析方法において、ターゲット成分が異なる場合は、分光フィルタによって取り出すべき光の波長(選択波長)も異なってしまう。従って、特許文献1及び特許文献2に開示の分析装置において、グルコース以外の成分をターゲットとする場合は、分光フィルタを取りかえる必要があり、実質的には、グルコース以外の成分をターゲットとすることは不可能である。
【0006】
一方、特許文献3は、選択波長を変更可能な反射型の分光フィルタを開示している。特許文献3に開示の分光フィルタは、共鳴格子と、それとの間に隙間が形成されるように配置された基板と、両者の間に電圧を印加する構成とを備えている。そして、この分光フィルタにおいて、共鳴格子と基板との間に印加される電圧の大きさを変化させると、これらの間の距離が変化し、結果、入射光に対する反射率も変化する。このため、特許文献3に開示の分光フィルタを用いれば、選択波長を変更することができ、多種類のターゲット成分に対応可能な分析装置を得ることができると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平06−213804号公報
【特許文献2】特開2000−356591号公報
【特許文献3】特開2005−331581号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献3に開示の分光フィルタは、反射型であるため、これを用いて分析装置を構成した場合は、光路が複雑化してしまう。また、特許文献3に開示の分光フィルタの設置に必要なスペースは、他の分光フィルタのそれよりも大きくなってしまう。これらの理由から、分析装置に、特許文献3に開示の分光フィルタを用いた場合は、分析装置が大型化するという問題が発生してしまう。
【0009】
本発明の目的は、上記問題を解消し、装置の大型化を抑制しつつ、多種類の成分の分析に対応可能な分析装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明における分析装置は、対象物に含まれる成分を分析する分析装置であって、前記対象物に光を照射する発光部と、透過型の分光フィルタと、複数の受光素子を有する光検出器と、分析部とを備え、前記分光フィルタは、前記対象物で反射された前記光又は前記対象物を透過した前記光の光路上に配置され、且つ、光透過性を有する基板と、前記基板の一方の面上に第1の金属材料で形成された複数の凸部と、前記第1の金属材料よりも屈折率の高い第2の金属材料によって、前記複数の凸部と共に前記基板の前記一方の面を覆うように形成された金属膜とを備え、記複数の凸部は、隣り合う凸部間に存在する前記金属膜が回折格子となり、前記凸部が導波路となるように配置され、前記回折格子の格子周期、前記凸部の高さ、及び前記金属膜の厚みの少なくとも一つは、前記分光フィルタを透過する光の波長が部分毎に変化するように、前記部分毎に異なる値に設定され、前記光検出器は、前記複数の受光素子それぞれが、前記分光フィルタを透過する光を受光するように配置され、前記分析部は、前記複数の受光素子それぞれの出力信号から、前記対象物のスペクトルを取得する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
以上の特徴により、本発明における分析装置によれば、装置の大型化を抑制しつつ、多種類の成分の分析に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1における分析装置の概略構成を示す構成図である。
【図2】図2は、図1に示した分光フィルタの構成を部分的に拡大して示す断面図である。
【図3】図3は、本発明の実施の形態1における分析装置の動作を示すフロー図である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態1における分析装置で実行される処理を説明する説明図である。
【図5】図5は、本発明の実施の形態1で用いられる検量線の一例を示す図であり、図5(a)〜図5(c)それぞれは異なる検量線を示している。
【図6】図6は、本発明の実施の形態2における分析装置の概略構成を示す構成図である。
【図7】図7は、本発明の実施の形態2における分析装置の動作を示すフロー図である。
【図8】図8は、本発明の実施の形態3における分析装置の概略構成を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1における分析装置について、図1〜図5を参照しながら説明する。最初に、図1及び図2を用いて、本実施の形態1における分析装置1の構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態1における分析装置の概略構成を示す構成図である。図2は、図1に示した分光フィルタの構成を部分的に拡大して示す断面図である。
【0014】
図1に示すように、分析装置1は、対象物40に含まれる成分を分析する装置である。分析装置1は、対象物40に光を照射する発光部10と、透過型の分光フィルタ22と、複数の受光素子24を有する光検出器23と、分析部31とを備えている。
【0015】
分光フィルタ22は、対象物40で反射された光の光路上に配置されており、分光フィルタ22を透過する光の波長が部分毎に変化するように構成されている。また、分光フィルタ22は、図1の例と異なり、対象物40を透過した光の光路上に配置されていても良い。
【0016】
本実施の形態1では、分光フィルタ22は、光検出器23と共に、対象物40からの光を検出するセンサユニット20を構成している。また、センサユニット20には、レンズ21が備えられている。レンズ21は、対象物40で反射された光を集光し、この光を効率良く分光フィルタ22に導くために用いられている。
【0017】
ここで、図2に基づいて、分光フィルタ22の構成及び機能について説明する。図2に示すように、分光フィルタ22は、光透過性を有する基板22aと、基板22aの一方の面上に形成された複数の凸部22bと、複数の凸部22bと共に基板22aの一方の面を覆う金属膜22cとを備えている。このうち、凸部22bは、第1の金属材料で形成され、金属膜22cは、第1の金属材料よりも屈折率の高い第2の金属材料によって形成されている。
【0018】
また、複数の凸部22bは、隣り合う凸部間に存在する金属膜22cが回折格子となるように配置されている。具体的には、各凸部22bは、角柱状に形成されており、更に、マトリクス状に配置されている。また、金属膜22cが回折格子として機能するようにするため、回折格子の格子周期pは、透過光の波長が異なる部分毎に、当該部分において透過することが求められている光の波長よりも短くなるように設定されている。
【0019】
このような構成により、凸部22bはサブ波長格子となり、導波路として機能するので、金属膜22c側から、凸部22bに入射した光は、凸部22bの中をエバネセント波として伝搬する。そして、凸部22bに入射した光は、その波長に応じて、凸部22b及び基板22aを透過するか、凸部22bを透過した後に基板22aで反射される。具体的には、凸部22bの高さhを高くすれば、透過光の波長は、長波長側へとシフトする傾向にある。同様に、回折格子の格子周期pを広くした場合、基板22aの屈折率を大きくした場合も、透過光の波長は、長波長側へとシフトする傾向にある。なお、実際には、部分毎に、各部材の屈折率を変えることは困難である。
【0020】
従って、分光フィルタ22においては、分光フィルタ22を透過する光の波長を部分毎に変化させるため、回折格子の格子周期p、凸部22bの高さh、及び金属膜22cの厚みtの少なくとも一つが、部分毎に異なる値に設定されている。言い換えると、分光フィルタ22は、その部分毎に、透過光の波長が異なるように形成されている。なお、透過光は、実際には狭帯域の波長を持っており、透過光の波長の設定は、狭帯域における中心波長について行われる。また、回折格子の格子周期pは、実質的には、図2に示すように、隣り合う凸部22b間における一の凸部22bの一方側の側面から他の凸部22bの同じく一方側の側面までの距離である。
【0021】
本実施の形態1において、基板22a、凸部22b、及び金属膜22cの形成材料は、目的の波長の光が透過し易いように適宜設定すれば良い。例えば、透過光が赤外領域にある光の場合を例に挙げると、基板22aの形成材料としては、酸化シリコン(SiO)が挙げられる。この場合、基板22aは、いわゆる石英基板である。また、凸部22bを形成する第1の金属材料としては、金(Au)又は金(Au)を含む合金が挙げられる。更に、金属膜22cの形成材料としては、酸化チタン(TiO)が挙げられる。
【0022】
ここで、透過光が赤外領域にある光の場合において、例えば、透過光の中心波長を1.48μmに設定する例について説明する。金属膜22cを形成する酸化チタンの屈折率は「1.904」、基板22aを形成する酸化シリコンの屈折率は「1.465」、金の反射率は「0.944」である。また、凸部22bの高さhを「62μm」に設定するとする。そして、金の屈折率と消衰係数としては、無数の値が存在するが、上記の例では、金の屈折率が「0.50」、消衰計数が「7.1」であるとする。このような例では、回折格子の格子周期pを「1064.7μm」、及び金属膜22cの厚みtを「134μm」に設定すれば良い。
【0023】
また、図1に示すように、光検出器23は、各受光素子24が、分光フィルタ22を透過する光を受光するように配置されている。よって、分光フィルタ22を透過した光は、フィルタ部材1の部分毎に、異なる受光素子24によって受光されるので、上述した分光フィルタ22の機能により、各受光素子24の出力信号は、対応する部分の設定波長の光の強度を示すこととなる。従って、分析部31は、各受光素子24の出力信号から、対象物40のスペクトルを取得することができる。
【0024】
図1の例では、光検出器23としては、複数のフォトダイオードがマトリクス状に形成された半導体基板を有する固体撮像装置が用いられている。また、図1においては、説明のため、光検出器23は、断面によって示されている。なお、断面においてハッチングは省略されている。
【0025】
このように、本実施の形態1における分析装置1では、特許文献3に開示された分光フィルタのような反射型の分光フィルタは用いられないため、図1に示すように光路を単純化でき、装置の大型化が抑制される。また、対象物40の種類に限定されることなく、そのスペクトルを取得できるため、一台で他種類の成分の分析に対応することができる。
【0026】
また、本実施の形態1においては、分析部31は、取得したスペクトルから、対象物40に含まれる成分を同定することができる。更に、分析部31は、予め用意されている複数の検量線の中から、同定された成分に対応する検量線を選択し、選択した検量線を用いて、分析対象となる成分の含有量を算出することができる。具体的には、分析部31は、取得したスペクトルから吸光度を求め、求めた吸光度を、選択した検量線に当てはめることによって、分析対象となる成分の含有量を算出する。
【0027】
また、本実施の形態1では、複数の検量線は、記憶部32に格納されている。そして、記憶部32は、分析部31と共に、制御装置30を構成している。制御装置30は、更に、駆動部33も備えている。駆動部33は、分析部31の指示に応じて、発光部10を駆動し、光源11の点灯及び消灯を制御する。制御装置30の具体例としては、マイクロコンピュータ(マイコン)が挙げられる。
【0028】
また、本実施の形態1において、光源は、求められる範囲の波長の光を照射可能なものであれば良く、特に限定されるものではない。例えば、光源11としては、LED、ハロゲンランプ等が挙げられる。図1の例では、光源11は、赤外領域の光を照射可能なLEDである。また、光源11に求められる出射光の波長の範囲は、想定される対象物の種類に応じて適宜設定される。
【0029】
次に、本実施の形態1における分析装置1の動作について図3〜図5を用いて説明する。図3は、本発明の実施の形態1における分析装置の動作を示すフロー図である。図4は、本発明の実施の形態1における分析装置で実行される処理を説明する説明図である。図5は、本発明の実施の形態1で用いられる検量線の一例を示す図であり、図5(a)〜図5(c)それぞれは異なる検量線を示している。また、以下の説明においては、適宜図1及び図2を参酌する。
【0030】
図3に示すように、最初に、分析部31は、光検出器23の各受光素子24が出力する暗電流を測定する(ステップS1)。具体的には、分析部31は、駆動部33に光源11を消灯させた状態で、光検出器23の各受光素子24が出力した出力信号の出力値を測定する。なお、この場合の出力値とは、暗電流発生時に出力された信号の電圧値である。
【0031】
ここで、暗電流発生時の各受光素子24の出力信号の出力値(電圧)をD1〜D1とする。nは、受光素子の個数を示している。また、分析部31は、暗電流発生時の出力信号の出力値D1〜D1の平均値Dm1を求め、以降の計算において、平均値Dm1を用いることもできる。
【0032】
図4においてグラフ52は、ステップS1における暗電流発生時の出力信号の一例を示している。受光素子24毎に受光する光の波長が異なるため、ステップS1で得られた出力信号の出力値D1〜D1をプロットすると、図4に示すように、横軸を波長、縦軸を電圧とするグラフ52が得られる。
【0033】
次に、分析部31は、駆動部33に光源11を点灯させ、全反射スペクトルを取得する(ステップS2)。具体的には、分析部31は、対象物40の代わりに、全反射ミラーが配置されていることを条件として、駆動部33に光源11を点灯させ、そのときに各受光素子24が出力する出力信号の出力値を測定する。また、このときの各出力信号の出力値をD2〜D2とする。
【0034】
そして、分析部31は、得られた各受光素子24の出力信号の出力値D2〜D2それぞれから、ステップS1で得られた暗電流発生時の出力信号の出力値D1〜D1を減算し、得られた出力値から全反射スペクトルを求める。全反射スペクトルを構成する出力値をD3〜D3とすると、下記の(数1)が成立する。また、数1において、分析部31は、出力値D1の代わりに、出力値D1〜D1の平均値Dm1を減算しても良い。
【0035】
(数1)
D3=D2−D1
【0036】
また、「k」は、k番目の受光素子から得られた値であることを示しており、kについては、1≦k≦nが成立する。図4においてグラフ54は、全反射スペクトルを構成する各出力値D3〜D3をプロットすることによって得られており、ステップS2で得られた全反射スペクトルの一例を示している。
【0037】
なお、本実施の形態1では、ステップS2における出力値の測定後に、ステップS1が実行され、その後に、全反射スペクトルを構成する出力値の算出が実行されても良い。また、ステップS1及びステップS2は、以降に説明するステップS3と連続して実行されていなくても良い。更に、一度、ステップS1及びS2が実行された後は、ステップS3以降が繰り返し実行されても良い。つまり、ステップS1及びS2は、ステップS3の実行前に一度実行されていれば良い。また、ステップS1及びS2の実行時と、ステップS3以降の実行時との間に、時間的な隔たりが存在していても良い。
【0038】
次に、ステップS2の終了後、分析部31は、駆動部33に光源11を点灯させる(ステップS3)。ステップS12により、光源11から出射された光は、対象物40に入射し、そこで反射された後、センサユニット20に入射する。その後、分析部31は、各受光素子24が出力した出力信号の出力値を測定する(ステップS4)。
【0039】
ここで、ステップS4の実行時の各受光素子24の出力信号の出力値(電圧)をV1〜V1とする。また、図4においてグラフ51は、ステップS4で測定された出力信号の出力値V1〜V1をプロットすることによって得られており、ステップS4において受光素子24が出力した出力信号の一例を示している。
【0040】
また、本実施の形態1では、ステップS2及びS3における光源11の点灯は、間欠的に行われていても良い。即ち、駆動部33は、光源11をパルス発光させることができる。これは、光源11を連続発光させると、時間の経過と共に光量が徐々に低下し、後述するステップS5における吸光度の算出に誤差が生じる場合があるからである。
【0041】
また、光源11がパルス発光すると、分析部31は、点灯の回数だけ、各受光素子24から出力信号の出力値を測定する。この場合は、分析部31は、受光素子毎に出力値の平均値を算出し、算出した平均値をステップS4以降の処理で用いることができる。
【0042】
例えば、ステップS2において、パルス発光により、出力値D2〜D2が複数回得られた場合は、分析部31は、出力値毎に平均値Dm2〜Dn2を算出し、その値を用いることができる。また、ステップS3でのパルス発光により、ステップS4において、出力値V1〜V1が複数回得られた場合は、分析部31は、出力値毎に平均値Vm1〜Vm1を算出し、その値を用いることができる。
【0043】
次に、分析部31は、ステップS4で得られた出力信号に対して暗電流の補正を行う(ステップS5)。具体的には、ステップS4では、分析部31は、下記の(数2)を用いて、ステップS3で得られた出力信号(図4のグラフ51参照)の出力値V1〜V1から、暗電流(図4のグラフ52参照)の出力値D1〜D1を減算し、ベースライン補正を行う。下記の(数2)において、V2は補正後の出力値を示している。また、下記の(数2)においても、分析部31は、出力値D1の代わりに、出力値D1〜D1の平均値Dm1を減算しても良い。
【0044】
(数2)
V2=V1−D1
【0045】
また、図4においてグラフ53は、補正後の出力値V2〜V2をプロットすることによって得られており、ステップS5で得られたベースライン補正済の出力信号の一例を示している。
【0046】
次に、分析部31は、ベースライン補正済の出力値と、全反射スペクトル(図4のグラフ54参照)の出力値とを用いて、対象物40のスペクトルを取得する(ステップS6)。具体的には、分析部31は、下記の(数3)を用いて、ベースライン補正済の出力値と、全反射スペクトル(図4のグラフ54参照)の出力値との差分を算出する。算出された差分が、対象物40のスペクトルに相当する。下記の(数3)において、Vは差分値を示している。
【0047】
(数3)
=D3−V2
【0048】
図4においてグラフ55は、算出された差分値V〜Vをプロットすることによって得られており、対象物40のスペクトル(差分)の一例を示している。また、本実施の形態1では、上述したように、光源11は、赤外領域の光を照射することから、赤外領域におけるスペクトルが得られている。
【0049】
次に、分析部31は、ステップS4で得られたスペクトルに基づき、例えば、そこに現れているピーク波長を特定することにより、対象物40に含まれる成分を同定し、更に、ピーク波長の値から吸光度を算出する(ステップS7)。
【0050】
具体的には、本実施の形態1では、記憶部32には、予め、想定される成分毎に、ピークの発生パターンが格納されている。ステップS7において、分析部31は、特定したピーク波長を、格納されている発生パターンに当てはめ、その結果から、対象物40に含まれる成分を同定する。また、上述したように、本実施の形態1において得られるスペクトルは、赤外領域のスペクトルであることから、同定される成分としては、グルコース、スクロース、フラクトース、クエン酸、水等が挙げられる。
【0051】
また、ステップS7において、分析部31は、下記の(数4)から吸光度Αλを算出する。なお、下記の(数4)において、jは、ピーク値を出力している受光素子を表している。また、1≦j≦nが成立する。
【0052】
(数4)
Αλ=−log10(V2/D3
【0053】
次に、分析部31は、記憶部32にアクセスし、ステップS7での同定結果に基づき、対象物40に対応する検量線(図5(a)〜(c)参照)を選出する(ステップS8)。例えば、対象物40が血液であり、同定された成分がグルコース(血糖)であるならば、分析部31は、図5(a)に示す検量線を選出する。また、対象物40が、ミカン、イチゴ等の果実であり、同定された成分がグルコース、スクロース、及びフラクトースであるならば、分析部31は、図5(a)〜(c)に示す検量線を選出する。
【0054】
その後、分析部31は、ステップS8で選出された検量線に、ステップS7で算出された吸光度Αλを当てはめて、対象物40に含まれる成分の含有量(濃度)を算出する(ステップS9)。例えば、対象物40が血液である場合は、分析部40は、グルコース濃度(血糖値)を算出する。また、例えば、対象物40が、ミカン、イチゴ等の果実である場合は、分析部31は、グルコース濃度、スクロース濃度、及びフラクトース濃度を算出する。ステップS7の終了後、分析部31は、結果を外部に出力し、処理を終了する。
【0055】
以上のように、本実施の形態1における分析装置1によれば、対象物40に含まれる成分の特定と、適切な検量線の特定とを行うことができ、様々な対象物の成分分析を行うことができる。また、成分分析を行うために必要な光学系は単純であるため、装置の大型化が抑制される。
【0056】
なお、本実施の形態1では、分光フィルタ22は、受光素子毎に入射する光の波長が異なるように構成されているため、分析部31は、受光素子毎に出力値の演算を行っているが、この例に限定されるものではない。例えば、分光フィルタ22は、2以上の受光素子で構成されたグループ毎に、入射する光の波長が異なるように構成されていても良い。そして、この場合は、分析部31は、グループ毎に出力値の平均値を算出し、得られた平均値を用いて、上述の演算を実行する。
【0057】
また、本実施の形態1において、対象物40の種類は、特に限定されず、具体的には、上述した血液及び果物に加え、野菜、食品、化学物質、生物から採取した種々の体液等が挙げられる。
【0058】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2における分析装置について、図6及び図7を参照しながら説明する。最初に、図6を用いて、本実施の形態2における分析装置2の構成について説明する。図6は、本発明の実施の形態2における分析装置の概略構成を示す構成図である。
【0059】
図6に示すように、本実施の形態2において、分析装置2は、図1に示した実施の形態1における分析装置1と異なり、センサユニット(以下「メインセンサユニット」とする)20に加えて、リファレンスセンサユニット50を備えている。
【0060】
また、分析装置2は、分析装置1と異なり、発光部10から照射された光を分割するビームスプリッタ60、及び減光(ND:Neutral Density)フィルタ61も備えている。更に、このような構成の相違により、分析部34は、分析装置1における分析部31では実行されない処理も実行する。なお、上述の相違点以外については、分析装置2は、図1に示した実施の形態1における分析装置1と同様である。以下、主に、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0061】
ビームスプリッタ60は、発光部10と対象物40との間に配置され、対象物40に入射する前の発光部10が照射した光を二つに分割する。分割された光のうち、一方の光は、対象物40に入射し、そこで反射されてメインセンサユニット20で受光される。他方の光は、対象物40に入射することなく、減光フィルタ61を介してリファレンスセンサユニット50で受光される。
【0062】
リファレンスセンサユニット50は、レンズ51と、分光フィルタ52と、複数の受光素子54を有する光検出器53とを備え、メインセンサユニット20と同様に構成されている。つまり、分光フィルタ52は、分光フィルタ22と同一であり、光検出器53は、検出器23と同一である。また、レンズ51は、レンズ21と同一である。また、減光フィルタ61は、それを通過した光の光量が、対象物40で反射された後の光の光量と同一となるように構成されている。
【0063】
このように、分析装置2においては、メインセンサユニット20と、リファレンスセンサユニット50との二つのセンサユニットが用いられる。よって、本実施の形態2では、実施の形態1と異なり、全反射スペクトルを取得する必要がない。また、リファレンスセンサユニットにより、光源11を連続発光させた場合の光量の劣化度を検出できるので、本実施の形態2では、光源11は連続発光される。
【0064】
次に、本実施の形態2における分析装置2の動作について図7を用いて説明する。図7は、本発明の実施の形態2における分析装置の動作を示すフロー図である。また、以下の説明においては、適宜図6を参酌する。
【0065】
図7に示すように、最初に、分析部34は、メインセンサユニット20における暗電流と、リファレンスセンサユニット50における暗電流とを測定する(ステップS11)。具体的には、分析部34は、駆動部33に光源11を消灯させた状態で、光検出器23が出力した出力信号の出力値E1〜E1と、光検出器53が出力した出力信号の出力値E0〜E0とを測定する。また、分析部31は、出力値E1〜E1の平均値Em1と、出力値E0〜E0の平均値Em0とを求め、以降の計算において、平均値Em1と平均値Em0とを用いることもできる。
【0066】
また、ステップS11は、以降に説明するステップ12と連続して実行されていなくても良いし、一度、ステップS11が実行された後は、ステップS12以降が繰り返し実行されても良い。つまり、ステップS11は、ステップS12の実行前に一度実行されていれば良い。また、ステップS11の実行時と、ステップS12以降の実行時との間に、時間的な隔たりが存在していても良い。
【0067】
次に、分析部34は、駆動部33に光源11を点灯させる(ステップS12)。このとき、本実施の形態2では、上述したように、駆動部33は、光源11を連続発光させる。ステップS12により、光源11から出射された光は、ビームスプリッタ61によって分割され、一方の光は、対象物40で反射された後、メインセンサユニット20に入射する。また、他方の光は、減光フィルタ61を介して、リファレンスセンサユニット50に入射する。
【0068】
次に、分析部34は、メインセンサユニット20からの出力信号と、リファレンスセンサユニット50からの出力信号とを取得する(ステップS13)。具体的には、分析部34は、光検出器23が出力した出力信号の出力値B1〜B1と、光検出器53が出力した出力信号の出力値B0〜B0とを測定する。
【0069】
次に、分析部34は、ステップS13で得られた、メインセンサユニット20からの出力信号と、リファレンスセンサユニット50からの出力信号とに対して、暗電流の補正を行う(ステップS14)。
【0070】
具体的には、ステップS14では、分析部31は、メインセンサユニット20について、下記の(数5)を用いて、ステップS13で測定した出力値B1〜B1から、暗電流の出力値E1〜E1を減算し、ベースライン補正を行う。下記の(数5)において、B2は、メインセンサユニット20における補正後の出力値を示している。「k」は、実施の形態1と同様に、k番目の受光素子から得られた値であることを示しており、kについては、1≦k≦nが成立する。
【0071】
(数5)
B2=B1−E1
【0072】
同様に、ステップS14では、分析部31は、リファレンスセンサユニット50について、下記の(数6)を用いて、ステップS13で測定した出力値B0〜B0から、暗電流の出力値E0〜E0を減算し、ベースライン補正を行う。下記の(数6)において、B3は、リファレンスセンサユニット50における補正後の出力値を示している。
【0073】
(数6)
B3=B0−E0
【0074】
次に、分析部34は、ベースライン補正済のメインセンサユニット20の出力値B2〜B2と、ベースライン補正済のリファレンスセンサユニット50の出力値B3〜B3とを用いて、対象物40のスペクトルを取得する(ステップS15)。具体的には、分析部34は、下記の(数7)を用いて、受光素子54毎(波長毎)に拡散強度B〜Bを算出する。下記の(数7)においてGは、光路等に応じて適宜設定される係数である。
【0075】
(数7)
=(B2/G)/B3
【0076】
そして、上記(数7)によって算出される拡散強度B〜Bが、横軸を波長、縦軸を電圧とする座標系にプロットされると、この場合も図4に示したグラフ55と同様のグラフが得られる。つまり、上記(数7)によって算出された拡散強度B〜Bは、対象物40のスペクトルを表している。また、本実施の形態2においても、上述したように、光源11は、赤外領域の光を照射することから、赤外領域におけるスペクトルが得られる。
【0077】
次に、分析部34は、光源11の光量の劣化度の算出する(ステップS16)。具体的には、本実施の形態2では、分析部34は、先ず、ステップS13で測定した、リファレンスセンサユニット50の出力値B0〜B0の平均値を求める。そして、分析部34は、例えば、求めた平均値と、予め設定されている基準値Sとの比α(平均値/基準値)を劣化度として算出する。なお、基準値Sとしては、例えば、新品の光源11を初めて点灯させたときに、リファレンスセンサユニット50の各受光素子54が出力した信号の出力値の平均値、最大値、又は最小値を用いることができる。
【0078】
次に、分析部34は、ステップS15で得られたスペクトルに基づき、例えば、そこに現れているピーク波長を特定することにより、対象物40に含まれる成分を同定し、更に、ピーク波長の値から吸光度Αλを算出する(ステップS17)。ステップS17において、対象物40に含まれる成分の同定は、実施の形態1において図3に示したステップS7と同様に行われる。即ち、分析部34は、特定したピーク波長を、記憶部32に格納されている発生パターンに当てはめ、その結果から、対象物40に含まれる成分を同定する。
【0079】
また、ステップS17において、分析部34は、下記の(数8)から吸光度Αλを算出する。なお、下記の(数8)において、jは、ピーク値を出力している受光素子を表している。また、1≦j≦nが成立する。
【0080】
(数8)
Αλ=−log10(B/α)
【0081】
次に、分析部34は、記憶部32にアクセスし、ステップS17での同定結果に基づき、対象物40に対応する検量線(図5(a)〜(c)参照)を選出する(ステップS18)。ステップS18は、実施の形態1において図3に示したステップS8と同様のステップである。
【0082】
その後、分析部34は、ステップS18で選出された検量線に、ステップS17で算出された吸光度Αλを当てはめて、対象物40に含まれる成分の含有量(濃度)を算出する(ステップS19)。ステップS19は、実施の形態1において図3に示したステップS9と同様のステップである。
【0083】
以上のように、本実施の形態2における分析装置2によれば、実施の形態1と異なり、全反射スペクトルの取得を行うことなく、対象物40の成分含有量を算出できる。更に、光源11を連続発光させた場合の誤差の発生も抑制できる。
【0084】
また、本実施の形態2においても、実施の形態1と同様に、対象物40に含まれる成分の特定と、適切な検量線の特定とを行うことができ、様々な対象物の成分分析を行うことができる。また、成分分析を行うために必要な光学系は単純であるため、装置の大型化は抑制される。
【0085】
なお、本実施の形態2において、分光フィルタ22及び分光フィルタ52は、受光素子毎に入射する光の波長が異なるように構成されているため、分析部34は、受光素子毎に出力値の演算を行っているが、この例に限定されるものではない。例えば、分光フィルタ22及び分光フィルタ52は、2以上の受光素子で構成されたグループ毎に、入射する光の波長が異なるように構成されていても良い。そして、この場合は、分析部34は、グループ毎に出力値の平均値を算出し、得られた平均値を用いて、上述の演算を実行する。
【0086】
(実施の形態3)
次に本発明の実施の形態2における分析装置について、図8を参照しながら説明する。図8は、本発明の実施の形態3における分析装置の概略構成を示す構成図である。図8に示すように、本実施の形態3において、分析装置3は、発光部12及び駆動部35を除き、図6に示した実施の形態2における分析装置2と同様に構成されている。以下においては、実施の形態2との相違点を中心に説明する。
【0087】
図8に示すように、本実施の形態3では、発光部12は、図1及び図6に示した発光部10と異なり、複数個の光源11を備えている。また、本実施の形態3では、制御装置30の駆動部35は、光源11を点灯する際に、各光源11を交互に点灯させ、発光部12から連続して光を出射させる。
【0088】
このように、本実施の形態3では、各光源11を連続点灯させることなく、擬似的に、発光部12から連続して光を出射させることができる。このため、分析装置3は、図7に示したステップS16を除く、ステップS11〜S15、S17〜S19に沿って動作する。本実施の形態3では、各光源11について劣化度を算出する必要がないため、分析部34における負荷が軽減される。また、連続してメインセンサユニット20及びリファレンスセンサユニット50に光を入射させることができるので、パルス光を入射させる場合に比べて、算出精度の向上も図られる。
【産業上の利用可能性】
【0089】
以上のように、本発明における分析装置によれば、装置の大型化を抑制しつつ、多種類の成分の分析に対応することができる。本発明の分析装置は、果物、野菜、その他の食品、化学物質、生物から採取された血液に代表される種々の体液等を対象とした、各種分析に有用である。
【符号の説明】
【0090】
1 分析装置(実施の形態1)
2 分析装置(実施の形態2)
3 分析装置(実施の形態3)
10 発光部
11 光源
12 発光部
20 メインセンサユニット
21 レンズ
22 分光フィルタ
22a 基板
22b 凸部
22c 金属膜
23 光検出器
24 受光素子
30 制御装置
31 分析部
32 記憶部
33 駆動部
34 分析部
35 駆動部
40 対象物
50 リファレンスセンサユニット
51 レンズ
52 分光フィルタ
53 光検出器
54 受光素子
60 ビームスプリッタ
61 減光フィルタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物に含まれる成分を分析する分析装置であって、
前記対象物に光を照射する発光部と、透過型の分光フィルタと、複数の受光素子を有する光検出器と、分析部とを備え、
前記分光フィルタは、前記対象物で反射された前記光又は前記対象物を透過した前記光の光路上に配置され、且つ、光透過性を有する基板と、前記基板の一方の面上に第1の金属材料で形成された複数の凸部と、前記第1の金属材料よりも屈折率の高い第2の金属材料によって、前記複数の凸部と共に前記基板の前記一方の面を覆うように形成された金属膜とを備え、
前記複数の凸部は、隣り合う凸部間に存在する前記金属膜が回折格子となり、前記凸部が導波路となるように配置され、
前記回折格子の格子周期、前記凸部の高さ、及び前記金属膜の厚みの少なくとも一つは、前記分光フィルタを透過する光の波長が部分毎に変化するように、前記部分毎に異なる値に設定され、
前記光検出器は、前記複数の受光素子それぞれが、前記分光フィルタを透過する光を受光するように配置され、
前記分析部は、前記複数の受光素子それぞれの出力信号から、前記対象物のスペクトルを取得する、ことを特徴とする分析装置。
【請求項2】
前記分析部が、取得した前記スペクトルから、前記対象物に含まれる成分を同定し、そして、予め用意されている複数の検量線の中から、同定された前記成分に対応する検量線を選択し、選択した前記検量線を用いて、前記成分の含有量を算出する、請求項1に記載の分析装置。
【請求項3】
前記発光部が、前記対象物に対して、間欠的に光を照射する、請求項1または2に記載の分析装置。
【請求項4】
前記発光部が、複数の発光素子を備え、且つ、1又は2以上の前記発光素子毎に交互に発光させて、前記対象物に対して、連続的に光を照射する、請求項1または2に記載の分析装置。
【請求項5】
当該分析装置が、更に、前記発光部が照射した光を分割するビームスプリッタと、前記ビームスプリッタで分割された光を受光してリファレンス信号を出力するリファレンスセンサユニットとを備え、
前記ビームスプリッタは、前記発光部と前記対象物との間に配置され、
前記リファレンスセンサユニットは、減衰フィルタと、前記分光フィルタと同一の第2の分光フィルタと、前記光検出器と同一の第2の光検出器とを備え、
前記減衰フィルタ、前記第2の分光フィルタ、及び前記第2の光検出器は、前記ビームスプリッタで分割された光が、前記減衰フィルタ、前記第2の分光フィルタ及び前記第2の光検出器に順に入射するように配置され、
前記第2の光検出器の複数の受光素子は、入射した光に応じた信号を出力し、
前記分析部が、前記第2の光検出器からの信号に基づいて、前記光検出器の前記複数の受光素子それぞれの出力信号を補正する、請求項1から4のいずれかに記載の分析装置。
【請求項6】
前記回折格子の格子周期が、前記部分毎に、当該部分において透過することが求められている光の波長よりも短くなるように形成されている、請求項1から5のいずれかに記載の分析装置。
【請求項7】
前記基板の形成材料が酸化シリコンを含み、前記第1の金属材料が金(Au)を含み、前記第2の金属材料が酸化チタンを含む、請求項1から6のいずれかに記載の分析装置。
【請求項8】
前記複数の凸部が、角柱状に形成され、且つ、マトリクス状に配置されている、請求項1から7のいずれかに記載の分析装置。
【請求項9】
前記光検出器が、複数の受光素子がマトリクス状に形成された半導体基板を有する固体撮像装置である、請求項1〜8のいずれかに記載の分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−202971(P2011−202971A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−67808(P2010−67808)
【出願日】平成22年3月24日(2010.3.24)
【出願人】(390001395)NECシステムテクノロジー株式会社 (438)
【Fターム(参考)】