説明

分注方法、分注装置および自動分析装置

【課題】分注精度の高い分注方法、分注装置および分注精度の高い自動分析装置を提供すること。
【解決手段】分注方法は、分注ポンプ4の駆動前に検体の粘度を測定する粘度ステップと、測定した粘度に応じて個々の検体に対して分注条件を設定し、この分注条件に応じて分注の制御をおこなう制御ステップとを有する。分注装置は、分注ノズル2に備えた検体の粘度を測定する粘度測定手段と、測定した粘度に応じて分注条件を設定し、この分注条件に基づいて分注を制御する制御部211とを備える。自動分析装置は、検体および/または試薬を分注する装置として、上述の分注装置を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分注する液体の粘度に応じて、液体の吸引・吐出速度などの分注動作条件を自動的に設定して分注精度を高めることができる分注方法、分注装置およびこの分注装置を備えた自動分析装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、試薬を用いて血液等の検体中に含まれる物質の量を分析する自動分析装置は、液体試料を試料容器から吸引し反応容器に吐出する分注装置を備えている。この分注装置は、分注ノズルと分注ポンプとを管路によって連結された分注流路内に液が充填されており、分注ポンプを吸排動作させた際の液への圧力伝達によって分注ノズルを介して液体試料を試料容器から吸引し、反応容器に吐出する。
【0003】
この分注装置は、検体や試薬等の種々の液体試料毎に、この液体試料を所定量、精度高く吸引し吐出するために、液体試料の吸引・吐出速度などの分注動作条件(以下、「分注条件」という)を設定して制御することによって分注精度を高めている。
【0004】
ここで、この分注条件は、液体試料の粘度に応じて設定される。これは、液体試料の粘度が高い場合、液体試料の粘度が低い場合に比べて分注ポンプの駆動速度を遅くし、また分注ポンプ駆動終了時点から分注ノズルを上昇させるまでの時間(待機時間)を長くとらなければ、所定量の液体試料を正確に分注することができないからである(特許文献1,2参照)。よって、分注条件を設定するには、個々の液体試料の粘度についての情報が必要となる。
【0005】
なお、液体試料の粘度と、液体試料を管路内に吸引したときの分注流路内の圧力変化とには、相関関係がある(特許文献3)。そこで、従来の分注装置は、分注流路内に圧力センサを設け、液体試料の吸引中または吸引後の分注流路内の圧力変化を測定し、この圧力変化に応じて、分注条件を設定していた(特許文献1,2参照)。
【0006】
また、分注ノズルを液体試料の液面につけた後、液体試料を吸引せずに分注ノズルを液面から離した場合、液体試料の粘度が高ければ、液体試料は分注ノズル先端に付着し分注ノズルの開口部を閉塞する。従来の分注装置は、この点に着目し、分注ノズル開口部の閉塞状態を、分注ポンプを駆動させ分注ノズルから空気を吐出したときの分注流路内の圧力変化を測定することにより判断し、液体試料の粘度を推定し、分注条件を設定していた(特許文献4参照)。
【0007】
すなわち、従来の分注方法および分注装置では、分注精度向上のため、個々の液体試料に応じて分注条件を設定する場合、図10に示すように、分注流路3内に圧力センサ401を設ける必要があった。そして、この圧力センサ401を用いて、分注ポンプ4を駆動させたときの分注流路3内の圧力変化を測定し、測定した圧力変化に応じて分注条件を設定し、またはこの圧力変化を用いて液体試料の粘度を推定しその粘度に応じた分注条件を設定し、液体試料の分注を制御していた。
【0008】
【特許文献1】特開2001−221805号公報
【特許文献2】特開2003−28886号公報
【特許文献3】特開平7−198726号公報
【特許文献4】特開平10−90281号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来の分注装置において、図10に示すように、分注流路3内に介在物、たとえば圧力センサ401がある場合、なんらかの原因によって分注流路3内に空気が混入すると、圧力センサ401部分や、分注流路3から圧力センサ401までの導管部分に空気が貯留しやすくなり、この貯留した空気が除去されにくくなる。このようにして、分注流路3内に空気が混入すると、分注ポンプ4から分注ノズル2に正確な圧力が伝達されず、液体試料の吸引量および吐出量に誤差が生じ、分注精度が低下する場合が生じる。
【0010】
換言すれば、従来の分注装置では、分注精度向上のため、分注流路3内に圧力センサ401を設けていたが、逆に、この圧力センサ401の存在が分注精度を低下させる要因になる場合があるという問題点があった。
【0011】
また、従来の分注装置を備え、この分注装置を用いて検体および試薬の分注を行う自動分析装置は、上述のように検体または試薬の分注精度が低下し検体および試薬の分注量に誤差が生じると、検体の分析結果にも誤差が生じ分析精度が低下するという問題点があった。
【0012】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、分注精度の高い分注方法、分注装置および分析精度の高い自動分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる分注方法は、分注ノズルを分注ノズル搬送手段により搬送し、かつ、前記分注ノズルと分注ポンプとを管路で連結した分注流路内に液が充填してあり前記分注ポンプを吸排動作させた際の液への圧力伝達によって前記分注ノズルを介して、液体試料を吸引し、吐出する分注方法であって、前記分注ポンプを駆動する前に、前記液体試料の粘度を測定する粘度測定ステップと、前記粘度測定ステップによって測定した前記液体試料の粘度に応じて、前記分注ノズル搬送手段および前記分注ポンプの制御をおこなう制御ステップと、を含むことを特徴とする。
【0014】
また、本発明にかかる分注方法は、上記の発明において、前記粘度測定ステップは、前記分注ノズルが前記液体試料の液面に接した時から、前記分注ポンプを駆動する前までに、前記液体試料の粘度を測定することを特徴とする。
【0015】
また、本発明にかかる分注装置は、分注ノズルを分注ノズル搬送手段により搬送し、かつ、前記分注ノズルと分注ポンプとを管路で連結した分注流路内に液が充填してあり前記分注ポンプを吸排動作させた際の液への圧力伝達によって前記分注ノズルを介して、液体試料を吸引し、吐出する分注装置において、前記分注ノズルに設けられ、前記液体試料の粘度を測定する粘度測定手段と、前記粘度測定手段によって測定した前記液体試料の粘度に応じて、前記分注ノズル搬送手段と、前記分注ポンプとを制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明にかかる分注装置は、上記の発明において、前記粘度測定手段は、前記分注ノズルを振動させる振動発振手段と、前記分注ノズルが受信する振動を検知する振動受信手段と、を備えたことを特徴とする。
【0017】
また、本発明にかかる分注装置は、上記の発明において、前記粘度測定手段は、前記分注ノズルの外壁面に接合するひずみゲージを備え、該ひずみゲージの歪み量によって前記液体試料の粘度を測定することを特徴とする。
【0018】
また、本発明にかかる自動分析装置は、上記いずれかの発明に記載の分注装置を備え、前記分注装置を用いて、検体および/または試薬を反応容器に分注し該反応容器内で前記検体および前記試薬を反応させて前記検体を分析することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明にかかる分注方法および分注装置では、まず分注ポンプ駆動前に液体試料の粘度を測定し、その後、この測定した液体試料に応じて分注ノズル搬送手段および分注ポンプの制御を行うようにしている。このため、分注ポンプの駆動に伴う分注流路内の圧力変化を測定しないで粘度を測定することができるので、分注本来の精度を維持できる。さらに、この分注本来の精度に加え、粘度を用いた精度向上を図ることができるので、従来に比して一層精度の高い分注を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、この発明を実施するための最良の形態である分注装置について、図面を参照して説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一の部分には同一の符号を付している。
【0021】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1にかかる分注装置1の概略構成を示すブロック図である。分注装置1は、血液や尿等の液体の検体を分析する自動分析装置に備えられ、検体容器13から所定量の検体を反応容器16に分注するための装置である。図1に示すように分注装置1は、分注ノズル2と、分注ポンプ4と、これらを連結する管路3と、分注ポンプ4を駆動させる分注ポンプ駆動部5と、分注ノズル2を搬送する分注ノズル搬送部6と、検体の粘度を測定する粘度測定機構15とを有する。なお、ここでいう「液体」とは微量の固体成分を含有する液体も含まれる。
【0022】
分注ノズル2は、支持部材21を介して分注ノズル搬送部6によって、分注ノズル2に検体を吸引する位置である検体吸引位置II、および分注ノズル2から検体を吐出する位置である検体吐出位置III、などに水平移動可能に設けてあり、かつ、各位置で昇降移動可能に設けてある。
【0023】
管路3は、分注ノズル2の移動を妨げることのない可撓性を有したチューブからなる。管路3の内部、分注ノズル2および分注ポンプ4は洗浄水(液)が充填してある。洗浄水には、空気を除かれた脱気水が用いられている。管路3に充填された洗浄水は、タンク7に収容してある。タンク7は、分注ポンプ4と管路8とで連結してある。管路8は、管路3と同様のチューブである。この管路8には、電磁弁9およびポンプ10が設けてある。
【0024】
分注ポンプ4は、例えばシリンジからなり、分注ポンプ駆動部5によってピストン41が往復動することにより、検体の吸排動作をする。
【0025】
制御部11は、制御機能を有するCPU等により構成され、検体の吸引および吐出を含む、分注装置1の各部の動作または処理を制御する。また、制御部11は、分注装置1の各部に入出力される情報に対して所定の入出力制御をおこない、かつ、この情報に対して所定の入出力処理をおこなう。
【0026】
記憶部12は、情報を磁気的に記憶するハードディスク、電気的に記憶するメモリ等を有し、分注条件テーブル121と粘度テーブル122とを含む諸情報を記憶している。記憶部12は、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM、フラッシュメモリ等の記録媒体に記録された情報を読み取る補助記憶装置を具備してもよく、そのような記録媒体に上述の諸情報を記録しておくことも可能である。
【0027】
ここで、記憶部12に記憶される分注条件テーブル121には、検体の吸排速度、つまり分注ポンプ4の駆動速度と、分注ポンプ駆動終了時点から分注ノズル2を上昇させるまでの時間、換言すれば分注ノズル2の引き上げのタイミングが、粘度に応じて記録されている。
【0028】
検体容器13には、収容する検体を識別する識別情報を所定の情報コード(バーコード、2次元コード等)にコード化して記録した情報コード記録媒体131が貼付されている。分注装置1は、検体容器13に貼付された情報コードを読み取る情報コード読取部CR1、および情報コード読取部CR2を有している。情報コード読取部CR1は、粘度測定位置Iに移送された検体容器13に貼付された情報コードを読み取り、情報コード読取部CR2は、検体吸引位置IIに移送された検体容器13に貼付された情報コードを読み取る。
【0029】
検体容器保持部14は、複数の検体容器13を保持しており、図示しない検体容器移送装置により、矢印の方向に移動する。この移動により、検体容器13は粘度測定位置I、または検体吸引位置IIに移送される。
【0030】
粘度測定機構15は、検体容器13に収容された検体の粘度を、分注ポンプ4を駆動する前に測定する機構である。以下、粘度測定機構15の一例を説明する。
【0031】
粘度測定機構15は、液面検知回路151と、液面検知電極152と、振動発振部153と、振動受信部154と、駆動回路155と、電力検出回路156とを有する。
【0032】
制御部11は、液面検知回路151と、液面検知電極152とを用いて、検体容器13内の検体の液面高さを測定する。液面検知回路151と液面検知電極152とは、電気的に接続している。制御部11は、液面検知電極152を所定位置から検体液面に接するまで下降する。そして、液面検知回路151は、液面検知電極152が検体の液面に接する瞬間の電気的変化を検出し、この電気的変化を電気信号に変換し、液面検知信号として制御部11へ入力する。制御部11は、液面検知電極152の下降を開始してから液面検知信号が入力するまでの液面検知電極152の移動量を用いて、検体容器13に収容されている検体の液面高さを算出する。
【0033】
振動発振部153と振動受信部154とは、ともに圧電素子を有し、対向するように検体容器13の壁面に設けられている。
【0034】
振動発振部153は、制御部11から駆動回路155に入力する電気信号に基づいて、駆動回路155が振動発振部153に入力する電力を振動に変換し、検体に振動を与える。
【0035】
振動受信部154は、振動発振部153が発生し、検体中を通過した振動を検知する。振動受信部154は、検知した振動を電力に変換する。電力検出回路156は、この電力を電気信号に変換し、制御部11に入力する。
【0036】
液体に振動を与えた場合、その液体のもつ粘性による抵抗を受け、その振動の振幅は減衰する。したがって、検体に振動を与え、検体中を通過した振動を測定し、検体通過前後の振幅の減衰量を測定することにより、検体の粘度が求められる。
【0037】
制御部11は、振動発振部153に入力した電力と、振動受信部154が変換した電力とを用いて、検体通過前後での振動の振幅の減衰量を算出する。制御部11は、検体の液面高さと、振幅の減衰量と、あらかじめ液面高さ毎に求めた振幅の減衰量と検体の粘度との関係を示す粘度テーブル122とを用いて、検体の粘度を特定する。
【0038】
次に、図2を参照して、分注装置1が検体容器13の収容する検体の粘度を測定し、この粘度に応じた分注条件に基づいて、検体を分注する手順を説明する。
【0039】
この手順は、粘度測定ステップ(ステップS101〜S103)と、検体分注ステップ(ステップS105〜S108)とを有する。
【0040】
まず、制御部11は、情報コード読取部CR1を介して、粘度測定位置Iにある検体容器13に貼付された情報コードを読み取り、検体容器13が収容する検体の識別情報を取得する(ステップS101)。次に、制御部11は、粘度測定機構15を用いて、検粘度測定位置Iにある検体容器13が収容する検体の液面高さと、検体の粘度を測定する(ステップS102)。次いで、制御部11は、粘度測定機構15が測定した検体の液面高さと粘度とを、検体の識別情報とともに、記憶部12に記憶する(ステップS103)。
【0041】
上記ステップS101〜S103が終了すると、制御部11は、検体容器移送装置を用いて検体容器保持部14を移動させ、粘度測定済みの検体を収容する検体容器13を検体吸引位置IIまで移送する(ステップS104)。
【0042】
次いで、制御部11は、情報コード読取部CR2を介して検体分注位置IIにある検体容器13に貼付された情報コードを読み取り、検体容器13が収容する検体の識別情報を取得する(ステップS105)。次に、制御部11は、取得した検体の識別情報を用いて、記憶部12に検体の識別情報とともに記憶されている検体の液面高さと粘度とを取得する(ステップS106)。制御部11は、取得した検体の粘度と、分注条件テーブル121とを用いて、検体の分注条件を設定する(ステップS107)。そして、制御部11は、ステップS106で取得した検体の液面高さと、設定した分注条件に基づき、分注ポンプ駆動部5および分注ノズル搬送部6を駆動制御し、検体を分注する(ステップS108)。
【0043】
この実施の形態1では、分注ポンプ4を駆動する前に粘度測定機構15を用いて検体の粘度を測定し、この粘度を用いて分注条件を設定するので、分注条件を設定するために分注流路内に圧力センサを設ける必要がなく、精度良く所定量の検体を分注することができる。
【0044】
なお、この実施の形態1は、検体容器13に備えた振動発振部153と振動受信部154とを用いて、検体中を通過した振動の振幅の減衰量を測定し、検体の粘度を求めた。しかしながら、本発明の粘度測定機構は、分注ポンプ4を駆動する前に検体容器13が収容する検体の粘度が測定できれば、これに限定されるものではない。たとえば、粘度測定機構として、振動子(感応板)と、振動子駆動手段と、電力測定回路とを有し、検体中に振動子(感応板)をいれ、その振動子を一定の振幅で振動させるために必要な電力を測定し、これを用いて検体の粘度を求めてもよい。振動子は検体から粘度による抵抗を受けるので、一定の振幅で振動子を振動させるために必要な電力が検体の粘度に応じて変化することを利用して検体の粘度を測定できる。
【0045】
また、この実施の形態1では、情報コード記録媒体131と、情報コード読取部CR1、CR2とを用いて、検体の識別情報を取得した。しかしながら、本発明では検体の識別情報を取得できれば、これに限定されるものではない。例えば、RFIDを利用したような、検体の識別情報が無線により情報を読み出しまたは書き込みのできるICチップに記録され、このICチップが内蔵された無線ICタグが、検体容器13に貼付されており、情報コード読取部CR1、CR2に替えて無線ICタグのリーダーが情報を読み取るとしてもよい。
【0046】
(実施の形態2)
次に、この発明の実施の形態2について説明する。上述した実施の形態1では、分注ノズル2と粘度測定機構15とが完全に分離していたが、この実施の形態2では、検体の粘度を測定する手段を分注ノズル2に設けるようにしている。
【0047】
すなわち、図3に示すように、図1に示した粘度測定機構15にかえ、粘度測定機構として、分注ノズル2と、分注ノズル振動発振部201と、センサ202と、信号検出回路203と、液面検知回路204とを設けている。
【0048】
分注ノズル振動発振部201は、支持部材21を介して、分注ノズル2を振動させる。分注ノズル振動発振部201は、例えば、電磁コイルとフェライト磁石とを有し、所定の振動数および所定の振幅の振動を、分注ノズル2を介して検体に与える。
【0049】
センサ202は、例えば、圧電素子を有し、分注ノズル2が検体から受信する振動を検知する。信号検出回路203は、センサ202が検知した検体の振動を電気信号に変換し、制御部211に入力する。
【0050】
ここで、分注ノズル振動発振部201が分注ノズル2を介して検体に振動を与えると、この振動は、検体中を通過し検体容器17の壁面で反射し、再び分注ノズル2に到達する。分注ノズル2と、センサ202とは、この分注ノズル2に到達した振動を検知する。
【0051】
検体中を振動が通過する際、検体の粘性によってその振幅は減衰する。したがって、分注ノズル2を介して分注ノズル振動発振部201が検体に与えた振動の振幅と、検体中を通過し分注ノズル2が受信した振動の振幅とから、検体通過前後の振動の振幅の減衰量を求めれば、検体の粘度を求めることができる。
【0052】
なお、振動が分注ノズル2から発せられ、再び分注ノズル2に戻るまでの振動の通過距離は、検体の液面高さによって異なる。したがって、振幅の減衰量から粘度を求めるためには、振動の通過距離も考慮する必要がある。
【0053】
また、液面検知回路204は、分注ノズル2と電気的に接続されており、分注ノズル2が検体液面に接する瞬間の電気的変化を検出し、この電気的変化を電気信号に変換し、液面検知信号として制御部211に入力する。
【0054】
次に、図4を参照して、この実施の形態2にかかる分注装置200が、検体の粘度を特定し、この粘度に応じた分注条件に基づいて、検体を分注する手順を説明する。
【0055】
まず、制御部211は、分注ノズル搬送部6を用いて、分注ノズル2を検体容器17内に下降させる(ステップS201)。制御部211は、分注ノズル2の下降を開始してから液面検知信号が入力するまでの分注ノズル2の移動量を用いて、検体容器17内の検体液面高さを算出する(ステップS202)。
【0056】
次に、制御部211は、分注ノズル2を液面検知信号が入力してから所定距離下降させた後、停止する(ステップS203)。そこで、制御部211は、分注ノズル振動発振部201を駆動し、所定の振動数および所定の振幅で、分注ノズル2を振動させる(ステップS204)。次いで、制御部211は、所定時間後、分注ノズル振動発振部201の駆動を停止する(ステップS205)。
【0057】
さらに、制御部211は、センサ202を用いて、分注ノズル振動発振部201の駆動停止後であって所定時間経過後に、分注ノズル2が受信する振動を検知する。信号検出回路203は、この振動を電気信号に変換して、制御部211に入力する(ステップS206)。
【0058】
ここで、制御部211が、分注ノズル振動発振部201の駆動停止後であって、所定時間経過後の振動を検知するのは、分注ノズル2が発振した振動を直接検知するのではなく、検体容器17の壁面に反射し、分注ノズル2に到達した振動を検知するためである。
【0059】
制御部211は、信号検出回路203から入力した電気信号を用いて、分注ノズル2が受信した振動の振幅を算出する。さらに、この振幅と分注ノズル2が検体に与えた振動の振幅とを比較し、検体通過前後の振動の振幅の減衰量を算出する。制御部211は、検体の液面高さと、振幅の減衰量と、液面高さと振幅の減衰量と検体の粘度との関係を示す粘度テーブル123とを用いて、検体の粘度を特定する(ステップS207)。
【0060】
そして、制御部211は、検体の粘度と分注条件テーブル121とを用いて、分注条件を設定し(ステップS208)、この分注条件と検体の液面高さとに基づいて検体の分注を制御する(ステップS209)。
【0061】
このように、この実施の形態2では、分注ノズル2が検体の液面に接してから、分注ポンプ4を駆動する前までに検体の粘度を測定するため、分注直前の検体の粘度を測定することができ、分注に際し、粘度測定時と分注時との検体の状態の変化、たとえば、検体の温度変化による粘度変化の影響を受けない。
【0062】
また、この実施の形態2では、分注ノズル2を用いて検体の粘度を測定するため、粘度測定機構を小型化でき、分注装置を小型化できる。
【0063】
(変形例1)
次に、この発明の実施の形態2の変形例1を説明する。上述した実施の形態2では、粘度測定機構として、分注ノズル2を振動させる分注ノズル振動発振部201と、分注ノズル2を介して検体の振動を受信するセンサ202とを備えていたが、この実施の形態2の変形例1では、分注ノズル2に接合するひずみゲージを備える。
【0064】
すなわち、図5および図6に示すように、検体粘度測機構として、分注ノズル2と、分注ノズル2に接合するひずみゲージ30と、信号検出回路303とを備える。
【0065】
図5は、この実施の形態2の変形例1にかかる分注装置300の概略を示すブロック図である。また、図6は、ひずみゲージ30の構造の概略を示す図である。図5に示すようにひずみゲージ30は、分注ノズル2と支持部材21との間に設けられる。また、図6に示すように、ひずみゲージ30は、円形のゲージベース301とゲージリード302とを有する。ゲージリード302はゲージベース301の表面に這いまわされ、かつ、この表面に密着接合されている。なお、ゲージベース301は、ダイヤフラムのような薄膜の電気絶縁物質からなり、ゲージリード302は金属線の電気抵抗からなる。分注ノズル2は、このひずみゲージ30の中心を貫通しており、ひずみゲージ30の内周部と分注ノズル2の外壁面は密着接合している。また、ひずみゲージ30の外周部は、支持部材21と密着接合している。
【0066】
ここで、図7−1に示すように、分注ノズル2が下降し、分注ノズル2の先端が検体液面に接すると、分注ノズル2は検体の表面張力を受け、分注ノズル2が押し上げられる方向に力を受ける。
【0067】
このとき、分注ノズル2とゲージベース301の内周部は密着接合しているので、分注ノズル2が検体の表面張力を受けると、ゲージベース301の内周部も分注ノズル2が押し上げられる方向に力を受ける。一方、ゲージベース301の外周部は、支持部材21と密着接合しているので、支持部材21を介して分注ノズル搬送部6から分注ノズル2を下降させる力を受けている。したがって、分注ノズル2が検体液面に接すると、ゲージベース301の内周部と外周部とは相反する方向に力を受けることとなり、ゲージベース301はひずむ。
【0068】
また、図7−2に示すように、分注ノズル2が上昇し、分注ノズル2の先端と検体液面とが離れるとき、分注ノズル2は検体の表面張力を受け、分注ノズル2が引き下げられる方向に力を受ける。このとき、ゲージベース301の内周部も分注ノズル2が引き下げられる方向に力を受ける。一方、ゲージベース301の外周部は、支持部材21を介して分注ノズル搬送部6から分注ノズル2を引き上げる方向に力を受けている。したがって、上述と同様に、ゲージベース301はひずむ。
【0069】
このとき、ゲージリード302はゲージベース301に密着接合しているので、ゲージベース301のひずみに伴い、ゲージリード302が伸縮し、電気抵抗が変化する。
【0070】
信号検出回路303は、ホイーストンブリッジ回路を有し、ゲージリード302の電気抵抗の変化を検出し、電気信号に変換して制御部311に出力する。
【0071】
制御部311は、ゲージリード302の電気抵抗の変化量からひずみゲージ30のひずみ量を算出し、このひずみ量を用いて分注ノズル2が検体液面から受けた力、すなわち検体の表面張力を算出する。
【0072】
なお、記憶部312は、あらかじめ検体の表面張力と検体の粘度との関係を示す粘度テーブル124を記憶している。
【0073】
液体の表面張力と液体の粘度とは、ともに液体の物性値であり、各々の液体により固有の値を持つ。そのため、ひずみゲージ30を用いて測定した検体の表面張力と、あらかじめ求めた検体の表面張力と検体の粘度との関係とから、検体の粘度を特定できる。
【0074】
次に、図8を参照し、この実施の形態2の変形例1にかかる分注装置300が、検体の粘度を特定し、この粘度に応じた分注条件に基づいて、検体を分注する手順を説明する。
【0075】
まず、制御部311は、分注ノズル搬送部6を用いて分注ノズル2を、検体容器17内に下降させる(ステップS301)。
【0076】
信号検出回路303は、分注ノズル2と検体液面とが接する際に分注ノズル2が検体の表面張力を受け、ひずみゲージ30に生じる電気抵抗の変化を検出し、これを電気信号に変換して、制御部311に入力する。制御部311は、分注ノズル2の下降を開始してからこの電気信号を入力するまでの分注ノズル2の下降距離を用いて、検体容器17内の検体の液面高さを算出する(ステップS302)。なお、制御部311は、分注ノズル2を、電気信号を受信後、所定距離下降させ、停止する。
【0077】
次に、制御部311は、分注ノズル搬送部6を用いて分注ノズル2を上昇させる(ステップS303)。信号検出回路303は、分注ノズル2と検体液面とが離れる際に検体の表面張力を受けてひずみゲージ30に生じる電気抵抗の変化を検出し、これを電気信号に変換して、制御部311に入力する。制御部311は、この電気信号からひずみゲージ30のひずみ量を算出し、このひずみ量に基づいて検体の表面張力を算出する。制御部11は、この表面張力と、検体の表面張力と検体の粘度との関係を示す粘度テーブル124とを用いて、検体の粘度を特定する(ステップS305)。なお、制御部311は、電気信号を受信後、分注ノズル2を所定距離上昇させ停止する。
【0078】
次いで、制御部311は、検体の粘度と、分注条件テーブル124とを用いて、検体の分注条件を設定し(ステップS306)、この分注条件と検体の液面高さとに基づいて検体の分注を制御する(ステップS307)。
【0079】
このように、この実施の形態2の変形例1では、検体の粘度測定を分注ノズル2の外壁面に密着接合したひずみゲージ30を用いておこなうので、検体の粘度と検体の液面高とを、1つの測定機構で測定することができる。
【0080】
なお、ひずみゲージ30と分注ノズル2、またはひずみゲージ30と支持部材21とは、分注ノズル2が検体液面と離接する際に受ける表面張力を測定することができれば、密着接合していなくてもよく、たとえば、ばねなどの弾性体を介して接合していてもよい。
【0081】
また、分注ノズル2に連結する管路3は十分長く、分注ノズル2の昇降の妨げにはならない。したがって、実施の形態2およびその変形例1において、分注ノズル2による検体の振動受信時、および分注ノズル2およびひずみゲージ30による液面検知、または検体の表面張力測定時に影響を与えない。
【0082】
加えて、実施の形態2およびその変形例1では、検体の粘度を記憶部212、および312に記憶しなかったが、実施の形態1と同様に、検体識別情報とともに検体の粘度も記憶部212、312に記憶し、再度その検体が分注される際には、粘度測定をおこなわずに粘度の情報が得られるようにしてもよい。
【0083】
なお、液体の粘度および表面張力は、液体の温度に依存した物性値である。したがって、検体の表面張力と粘度との関係を示す粘度テーブル124は、検体の温度ごとに作成しなければならない。あわせて、粘度テーブル122〜124参照の際には、検体の温度も考慮しなければならない。
【0084】
(変形例2)
次に、実施の形態2の変形例2として、上述した実施の形態2の変形例1に係る分注装置300を備えた自動分析装置について説明する。分注装置300を備えた自動分析装置の概略を図9に示す。自動分析装置3000は、血液や体液等の検体(試料)とその検体の検査項目に応じた試薬とを所定の反応容器にそれぞれ分注し、その反応容器内で反応した液体に対して光学的な測定を行う測定機構3101と、測定機構3101を含む自動分析装置3000の制御を行うとともに測定機構3101における測定結果の分析を行う制御機構3201とを有し、これら二つの機構が連携することによって複数の検体の生化学的な分析を自動的かつ連続的に行う装置である。
【0085】
まず、測定機構3101について説明する。測定機構3101は、検体が収容された検体容器51を保持する複数の検体容器保持部52を順次移送する検体移送部3102と、試薬容器61を保持する試薬容器保持部3103と、検体と試薬とを反応させる反応容器71を保持する反応容器保持部3104とを備える。また、測定機構3101は、検体移送部3102上の検体容器51に収容された検体を反応容器71に分注する検体分注部3105と、試薬容器保持部3103上の試薬容器61に収容された試薬を反応容器71に分注する試薬分注部3106と、反応容器71の内部に収容された液体を攪拌する攪拌部3107と、光源から照射されて反応容器71内を通過した光を受光して所定の波長成分の強度等を測定する測光部3108と、洗浄液を用いて反応容器71の洗浄を行う反応容器洗浄部3109とを備える。なお、検体分注部3105および試薬分注部3106は、上述した実施の形態2の変形例1に係る分注装置300を備える。
【0086】
試薬容器保持部3103および反応容器保持部3104は、試薬容器61および反応容器71をそれぞれ収容保持するホイールと、このホイールの底面中心に取り付けられ、その中心を通る鉛直線を回転軸としてホイールを回転させる駆動手段とを有する。
【0087】
次に、制御機構3201について説明する。制御機構3201は、CPU,ROM,RAM等を具備したコンピュータによって実現される。制御機構3201は、キーボードやマウスなどを有し、検体の分析に必要な情報や自動分析装置3000の動作指示信号などを含む情報等の入力を受ける入力部3202と、液晶等のディスプレイ装置を有し、検体の分析に関する情報等を表示出力する出力部3203と、自動分析装置3000が有する各機能または各手段の制御を行う制御部3204と、検体の分析に関する各種情報を記憶する記憶部3205とを備える。
【0088】
制御部3204は、測定機構3101の測定結果に基づいた分析演算を行い、検体の分析データを生成する演算部3241を有する。演算部3241は、具体的な分析演算として、記憶部3205で記憶する検量線を用いることにより、測光部3108で測定した吸光度を濃度に変換する演算を行う。なお、制御部3204は、検体分注部3105や試薬分注部3106として使用される分注装置300の制御部311の機能を兼備している。
【0089】
記憶部3205は、分注装置300の記憶部312の機能を兼務し、粘度テーブル3124および分注条件テーブル3121を記憶している。この粘度テーブル3124および分注条件テーブル3121は、分注装置300の粘度テーブル124および分注条件テーブル121と同様のテーブルである。
【0090】
以上の各部を有する自動分析装置3000によれば、上述した実施の形態2の変形例1に係る分注装置300を検体分注部3105および試薬分注部3106として備えたため、精度良く検体および試薬を分注できる。したがって、検体を精度良く分析することができる。
【0091】
なお、上述の実施の形態2の変形例2では検体および試薬を分注する手段として、実施の形態2の変形例1にかかる分注装置300を備えたが、実施の形態1にかかる分注装置1または実施の形態2にかかる分注装置200を備えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】この発明の実施の形態1にかかる分注装置の概略を示すブロック図である。
【図2】図1に示す分注装置が検体を分注するまでの手順を示すフローチャートである。
【図3】この発明の実施の形態2にかかる分注装置の概略を示すブロック図である。
【図4】図3に示す分注装置が検体を分注するまでの手順を示すフローチャートである。
【図5】この発明の実施の形態2の変形例にかかる分注装置の概略を示すブロック図である。
【図6】図5に示す分注装置が有するひずみゲージの概略を示す図である。
【図7−1】分注ノズルが検体表面と接した際の検体液面の状態を示す図である。
【図7−2】分注ノズルが検体表面から離れる際の検体液面の状態を示す図である。
【図8】図5に示す分注装置が検体を分注するまでの手順を示すフローチャートである。
【図9】この発明の実施の形態2の変形例2に係る自動分析装置の概略を示すブロック図である。
【図10】従来の分注装置の概略を示す図である。
【符号の説明】
【0093】
1、200、300、400 分注装置
2 分注ノズル
3 管路
4 分注ポンプ
5 分注ポンプ駆動部
6 分注ノズル搬送部
7 タンク
8 管路
9 電磁弁
10 ポンプ
11、211、311、411、3204 制御部
12、212、312、412、3205 記憶部
13、17、51 検体容器
14、52 検体容器保持部
15 粘度測定機構
16、71 反応容器
21 支持部材
30 ひずみゲージ
41 シリンジ
61 試薬容器
121、3121 分注条件テーブル
122〜125、3124 粘度テーブル
131 情報コード記録媒体
151 液面検知回路
152 液面検知電極
153 振動発振部
154 振動受信部
155 駆動回路
156 電力検出回路
201 分注ノズル振動発振部
202 センサ
203 信号検出回路
204 液面検知回路
301 ゲージベース
302 ゲージリード
303 信号検出回路
401 圧力センサ
402 センサ信号出力回路
3000 自動分析装置
3101 測定機構
3102 検体移送部
3103 試薬容器保持部
3104 反応容器保持部
3105 検体分注部
3106 試薬分注部
3107 攪拌部
3108 測光部
3109 反応容器洗浄部
3201 制御機構
3202 入力部
3203 出力部
3241 演算部
I 粘度測定位置
II 検体吸引位置
III 検体吐出位置
CR1、CR2 情報コード読取部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分注ノズルを分注ノズル搬送手段により搬送し、かつ、前記分注ノズルと分注ポンプとを管路で連結した分注流路内に液が充填してあり前記分注ポンプを吸排動作させた際の液への圧力伝達によって前記分注ノズルを介して、液体試料を吸引し、吐出する分注方法であって、
前記分注ポンプを駆動する前に、前記液体試料の粘度を測定する粘度測定ステップと、
前記粘度測定ステップによって測定した前記液体試料の粘度に応じて、前記分注ノズル搬送手段および前記分注ポンプの制御をおこなう制御ステップと、
を含むことを特徴とする分注方法。
【請求項2】
前記粘度測定ステップは、前記分注ノズルが前記液体試料の液面に接した時から、前記分注ポンプを駆動する前までに、前記液体試料の粘度を測定することを特徴とする請求項1に記載の分注方法。
【請求項3】
分注ノズルを分注ノズル搬送手段により搬送し、かつ、前記分注ノズルと分注ポンプとを管路で連結した分注流路内に液が充填してあり前記分注ポンプを吸排動作させた際の液への圧力伝達によって前記分注ノズルを介して、液体試料を吸引し、吐出する分注装置において、
前記分注ノズルに設けられ、前記液体試料の粘度を測定する粘度測定手段と、
前記粘度測定手段によって測定した前記液体試料の粘度に応じて前記分注ノズル搬送手段と前記分注ポンプとを制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする分注装置。
【請求項4】
前記粘度測定手段は、
前記分注ノズルを振動させる振動発振手段と、
前記分注ノズルが受信する振動を検知する振動受信手段と、
を備えたことを特徴とする請求項3に記載の分注装置。
【請求項5】
前記粘度測定手段は、前記分注ノズルの外壁面に接合するひずみゲージを備え、該ひずみゲージの歪み量によって前記液体試料の粘度を測定することを特徴とする請求項3に記載の分注装置。
【請求項6】
請求項3〜5のいずれか一つに記載の分注装置を備え、
前記分注装置を用いて、検体および/または試薬を反応容器に分注し該反応容器内で前記検体および前記試薬を反応させて前記検体を分析することを特徴とする自動分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7−1】
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【図7−2】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−224386(P2008−224386A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−62251(P2007−62251)
【出願日】平成19年3月12日(2007.3.12)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】