説明

分注装置、液面検出方法および培養処理装置

【課題】 異なる種類のチップがノズルの先端に取り付けられたとしても正確に液面を検出する。
【解決手段】 空気を吸引および排出するシリンジ2と、該シリンジ2に接続され、先端にチップ9を着脱可能に取り付けるノズル4と、該ノズル4を昇降させるノズル昇降機構5と、シリンジ2内の圧力を検出する圧力センサ6と、ノズル昇降機構5の動作を制御する制御装置7とを備え、シリンジ2の作動によりノズル4先端から空気を吐出させつつ、ノズル昇降機構5の作動によりノズル4を下降させて、圧力センサ6により検出される圧力に基づいて吸引すべき液体Aの液面を検出する分注装置1であって、制御装置7が、ノズル4の先端に取り付けたチップ9の種類に応じて、シリンジ2による空気の吐出速度およびノズル昇降機構5によるノズル4の下降速度を切り替える分注装置1を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分注装置、液面検出方法および培養処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、サンプルカップ内の検体試料(サンプル液)の液面を検知する方法として、例えば、特許文献1に示される方法が知られている。
この特許文献1の方法は、ノズルの先端から微量の空気を吐出させつつノズルを下降させ、ノズルの先端が液面に接したことを空気圧送ライン内の圧力上昇によって検出する方法である。
【特許文献1】特許第2775618号公報(段落0016等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、ノズルの先端にチップを取り付けてチップ内に液体を吸引し、吸引された液体を他の容器等に放出する分注装置においては、ノズルの先端に取り付けるチップの種類によって圧力変動の態様が変化する。特に、チップ内にフィルタを有するフィルタ付チップの場合には、フィルタを隔てた2つの空間の間で圧力変動がスムーズに伝達されないため、チップ内にフィルタを有しないフィルタなしチップの場合と比較して、圧力変動の態様が大きく変化するという不都合がある。
【0004】
すなわち、フィルタなしチップの場合には、空気圧送ラインの先端が大気開放されているために、加圧空気を吐出させても、さほどの圧力変動を生じさせることがない。一方、チップ付フィルタの場合には、空気圧送ラインの先端がフィルタを介して大気開放されているため、加圧空気を吐出する瞬間、空気圧送ラインの内部圧力が大きく変動する。
【0005】
また、フィルタなしチップの場合には、チップの先端に液面が接触した瞬間に、空気圧送ラインが閉じられることで、空気圧送ラインの内部圧力が大きく変動する。これに対して、フィルタ付チップの場合には、チップの先端に液面が接触した瞬間に、フィルタよりチップ先端側において発生する圧力変動は、フィルタによって鈍らされ、空気圧送ラインの急激な圧力変動としては現れない。
このため、従来の液面検出方法では、チップの種類が変更された場合に、液面を正確に検出することができないという問題がある。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、異なる種類のチップがノズルの先端に取り付けられたとしても正確に液面を検出することができる分注装置、液面検出方法および培養処理装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明は、
空気を吸引および排出するシリンジと、該シリンジに接続され、先端にチップを着脱可能に取り付けるノズルと、該ノズルを昇降させるノズル昇降機構と、前記シリンジ内の圧力を検出する圧力センサと、前記ノズル昇降機構の動作を制御する制御装置とを備え、シリンジの作動によりノズル先端から空気を吐出させつつ、ノズル昇降機構の作動によりノズルを下降させて、圧力センサにより検出される圧力に基づいて吸引すべき液体の液面を検出する分注装置であって、前記制御装置が、ノズルの先端に取り付けたチップの種類に応じて、シリンジによる空気の吐出速度またはノズル昇降機構によるノズルの下降速度の少なくともいずれかを切り替える分注装置を提供する。
【0008】
本発明によれば、ノズルの先端にチップを取り付けて、シリンジを作動させることによりチップの先端から空気を吐出させ、同時に、ノズル昇降機構を作動させることによりチップを下降させ、吸引すべき液体の液面にチップが接触したときに発生するシリンジ内の圧力変動に応じて液体の液面を検出する。この場合において、チップの種類が異なると、その種類に応じて空気抵抗が変動する。
【0009】
そこで、シリンジによる空気の吐出速度を調節することで、吐出開始時におけるシリンジ内の圧力変動を調節することができる。
例えば、空気抵抗が大きいチップを取り付けた場合には、空気抵抗が小さいチップを取り付けた場合よりも、シリンジによる空気の吐出速度を下げることで、吐出開始時におけるシリンジ内の圧力変動を低減できる。
【0010】
一方、シリンジによる空気の吐出速度を下げると、チップ先端が液面に接触したときの圧力変動も低下してしまうので、ノズル昇降機構によるノズルの下降速度を増加させるように切り替えることにより、チップ先端が液面に接触したときの圧力変動を増大させることができる。したがって、吐出開始時の圧力変動よりも液面検出時の圧力変動を増大させて、液面を精度よく検出することができる。
【0011】
上記発明においては、前記チップが、内部にフィルタを有するフィルタ付チップの場合に、前記制御装置が、フィルタなしチップの場合よりもシリンジによる空気の吐出速度を下げ、ノズル昇降機構によるノズルの下降速度を上げることが好ましい。
フィルタ付きチップの場合、フィルタなしチップと比較して空気抵抗が大幅に大きくなる。このため、フィルタなしチップと同様に制御したのでは、チップ先端が液面に接触したときの圧力変動が、シリンジによる吐出開始時の圧力変動よりも小さくなってしまう。
【0012】
そこで、シリンジによる空気の吐出速度を低下させることで、吐出開始時の圧力変動を抑え、ノズル昇降機構によるノズルの下降速度を増加させることで、ノズルが液面に接触したときの圧力変動を増加させることができる。一方、フィルタなしチップの場合には、吐出開始時の圧力変動がほとんどないので、シリンジによる空気の吐出速度を上げることで、液面検出時の圧力変動を大きくして、より安定した液面検出を可能とする一方で、ノズル昇降機構によるノズルの下降速度を下げることで、液面位置にチップの先端を簡易かつ精度よく停止させることが可能となる。
【0013】
また、本発明は、先端に取り付けたチップを、先端から空気を吐出させつつ液面に近接させ、内部の圧力変動に応じて、チップの先端と液面との接触を検出する液面検出方法であって、チップの種類に応じて空気の吐出速度およびチップの液面への近接速度を切り替える液面検出方法を提供する。
本発明によれば、チップの種類を変更した場合に、その種類に応じて空気抵抗が変動するが、空気の吐出速度を調節することで、吐出開始時における内部の圧力変動を調節し、近接速度を調節することで、チップの液面接触時における圧力変動を調節することができる。したがって、チップの種類を変更しても、液面を精度よく検出できる。
【0014】
また、上記発明においては、前記チップが、内部にフィルタを有するフィルタ付チップの場合に、フィルタなしチップの場合よりも空気の吐出速度を下げ、ノズルの液面への近接速度を上げることが好ましい。
フィルタ付きチップの場合、フィルタなしチップと比較して空気抵抗が大幅に大きくなるので、空気の吐出速度を下げることで、吐出開始時の圧力変動を抑制し、ノズルの液面への近接速度を上げることで液面検出時の圧力変動を増大させ、液面を精度よく検出できる。
【0015】
また、本発明は、上記分注装置と、薬液を貯留した薬液容器とを備え、薬液容器から薬液を吸引して培養容器内に分注する培養処理装置を提供する。
単に薬液を培養容器に供給する際にはフィルタなしチップを使用し、チップを介して不純物を取り除きたい場合にはフィルタ付チップを使用する。これらの場合に、薬液容器内の薬液を吸引する際に、液面位置にチップの先端を簡易かつ精度よく停止させることができ、チップの先端が必要以上に薬液内に進入してしまうことを防止し、薬液容器から分注先の培養容器までの間にチップ先端から薬液が垂れてしまうことを防止することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ノズルの種類が異なることにより、空気抵抗が変化しても、液面を精度よく検出することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の一実施形態に係る分注装置、液面検出方法および培養処理装置について、図1〜図6を参照して、以下に説明する。
本実施形態に係る分注装置1は、図1に示されるように、空気を吸引および排出するシリンジ2と、該シリンジ2に接続されたチューブからなる空気圧送ライン3と、該空気圧送ライン3を介してシリンジ2に接続されたノズル4と、このノズル4を下向きに維持したまま昇降させるノズル昇降機構5と、空気圧送ライン3に設けられた圧力センサ6と、ノズル昇降機構5を制御する制御装置7とを備えている。
【0018】
シリンジ2は、例えば、ステッピングモータ8によって駆動され、シリンダ2a内のピストン2bを押し込むことで、空気圧送ライン3を介してノズル4の先端に取り付けたチップ9先端から空気を吐出させるようになっている。また、シリンジ2は、チップ9先端を容器10内の液体Aに接触させた状態で、シリンダ2a内のピストン2bを引くことにより、チップ9先端からチップ9内に液体Aを吸引することができるようになっている。
【0019】
前記ノズル4は、先端に、例えば、使い捨てのチップ9を着脱可能に取り付けるようになっている。チップ9には、種々の種類のものが存在するが、ここでは、チップ9内部にフィルタを有するフィルタ付チップと、フィルタを有しないフィルタなしチップとを択一的に使用する場合について説明する。
【0020】
ノズル昇降機構5は、例えば、ノズル4を支持するブラケット11を上下方向に移動可能に支持するリニアガイド12と、該リニアガイド12に支持されたブラケット11を上下方向に駆動するモータ13およびボールネジ14とから構成されている。
圧力センサ6は、空気圧送ライン3の途中位置に設けられ、空気圧送ライン3に接続するシリンジ2内の圧力を常時監視している。圧力センサ6により検出された圧力信号は、制御装置7に送られるようになっている。
【0021】
制御装置7は、第1に液面検出工程を実施し、次いで、液体Aの吸引工程を実施するようになっている。
液面検出工程においては、予め設定されたチップ9の情報と、圧力センサ6から送られてくるシリンジ2内の圧力信号とに基づいて、ノズル昇降機構5を制御するように構成されている。制御装置7内には、チップ9の種類を示す情報と、各チップ9に対応する圧力変動のしきい値αとが関連づけて記憶されている。そして、予めチップ9の種類が指定されることで、シリンジ2による空気吐出速度および圧力変動のしきい値αが選択され、圧力センサ6から送られてくる圧力信号がそのしきい値αを超えたときに、液面を検出したこととして、空気の吐出およびノズル4の下降動作を停止するように構成されている。
【0022】
さらに具体的には、液面検出工程は、図2に示されるように、まず、チップ9の種類により設定を変更する(ステップS1)。チップ9がフィルタ付の場合、空気抵抗が大きくなるため、シリンジ2による空気吐出速度を小さく設定し(ステップS2)、ノズル昇降機構5によるノズル4の下降速度を大きく設定する(ステップS3)。チップ9がフィルタなしの場合、空気抵抗が小さいため、シリンジ2による空気吐出速度を大きく設定し(ステップS4)、ノズル昇降機構5によるノズル4の下降速度を小さく設定する(ステップS5)。また、圧力変動のしきい値αをそれぞれの場合について予め定められている値に設定する(ステップS6,S7)。
【0023】
この状態で、設定された空気吐出速度およびノズル4の下降速度となるようにシリンジ2およびノズル昇降機構5を作動させ、圧力センサ6により検出される圧力を監視する(ステップS8)。
そして、圧力センサ6により検出された圧力が、設定されたしきい値αを超えた場合には、液面が検出されたものとして、シリンジ2による空気の吐出およびノズル昇降機構5によるノズル4の下降動作を停止する(ステップS9)。
【0024】
また、液面検出工程が終了した後には、シリンジ2の作動によるチップ9内への液体Aの吸引と、ノズル昇降機構5による液面の下降に追随したノズル4の下降動作とが行われる。シリンジ2による吸引量と液体Aを貯留している容器10の断面積とに基づいて、液面の下降速度が予め決定できるので、ノズル昇降機構5が、その液面の下降速度に一致する速度でノズル4を下降させることにより、チップ9の先端を液面から離すことなく、最低限の接触状態を維持したまま液体Aを吸引することができる。
【0025】
そして、チップ9内に所定量の液体Aが吸引された後には、シリンジ2による吸引動作およびノズル昇降機構5によるノズル4の下降動作を停止し、ノズル昇降機構5によってノズル4を上昇させる。チップ9が液面から十分に離れた状態で、ノズル4側あるいは容器10側を移動させて、ノズル4を分注先の容器(図示略)の上方に配置し、シリンジ2を作動させてチップ9内の液体Aを分注先の容器内に注入することができる。
【0026】
このように、本実施形態に係る分注装置1によれば、ノズル4の先端に取り付けるチップ9の種類にかかわらず、確実に液面を検出することができる。この場合に、チップ9の種類に応じて液面の検出方式を変更せずに済むので、装置を簡易に構成することができる。また、チップ9先端が液面に接触したことを正確に検出するので、チップ9の先端が液面下に深く入らないようにすることができる。これにより、チップ9の先端外面に付着する液体Aの量を低減でき、したがって、液体Aの吸引後、チップ9を分注先の容器上に移動するまでの間に、チップ9の外面から液だれしてしまうことをより確実に防止することができる。
【0027】
なお、本実施形態においては、チップ9の種類と、そのチップ9がノズル4に装着されたときのシリンジ2による空気の吐出速度と、圧力変動のしきい値αとを予め登録しておき、チップ9の種類が指定されることで空気の吐出速度としきい値αとが選択されることとしたが、これに代えて、チップ9の種類を自動検出することにしてもよい。自動検出方法としては、例えば、所定の吐出速度でシリンジ2から空気を吐出したときの空気圧送ライン3内の圧力変動の大きさによりチップ9の種類を決定することが挙げられる。
【0028】
また、本発明の一実施形態に係る培養処理装置は、上記分注装置1と、薬液を貯留した薬液容器とを備え、薬液容器から薬液を吸引して培養容器内に分注する。
単に薬液を培養容器に供給する際にはフィルタなしのチップ9を使用し、チップ9を介して不純物を取り除きたい場合にはフィルタ付きのチップ9を使用する。これらの場合に、薬液容器内の薬液を吸引する際に、液面位置にチップ9の先端を簡易かつ精度よく停止させることができ、チップ9の先端が必要以上に薬液内に進入してしまうことを防止し、薬液容器から分注先の培養容器までの間にチップ9先端から薬液が垂れてしまうことを防止することができる。
【0029】
図3〜図6に、各種のチップ9を装着したときの本実施形態に係る液面検出方法の実施例を示す。
図3は、フィルタなしの0.2mLチップをノズル4に装着した場合の圧力変動を示している。図中符号Xは、シリンジ2による吐出開始時の圧力変動である。この場合には、フィルタを有しないため吐出開始時の圧力変動が小さく、比較的大きな空気吐出速度としても、符号Yで示されるチップ9先端の液面接触時の圧力変動を明確に区別してしきい値αにより検出することができる。
シリンジ2による空気吐出速度は、約560μL/sであり、ノズル4の下降速度は、94.5mm/sである。
【0030】
図4(a)は、フィルタ付きの0.2mLチップをノズル4に装着した場合の圧力変動を示している。図中符号Xで示されるように、シリンジ2による吐出開始時の圧力変動は比較的大きいが、シリンジ2による空気吐出速度を低減し、ノズル4の下降速度を増加させているために、符号Yで示されるチップ9先端の液面接触時の圧力変動を大きく確保し、しきい値αの選定によって、液面を正確に検出することができる。
シリンジ2による空気吐出速度は、約140μL/sであり、ノズル4の下降速度は、約5〜10mm/sである。
【0031】
これに対して、図4(b)に示される比較例は、同じフィルタ付きの0.2mLのチップをノズル4に装着して図3と同じ空気吐出速度(約560μL/s)およびノズル4の下降速度(94.5mm/s)による場合の圧力変動を示している。これによれば、シリンジ2による空気吐出速度が大きく、液面接触時の圧力変動が極めて小さいため、チップ9の先端が液面に接触したことを正確に検出できない。
【0032】
また、図5は、フィルタ付き1.5mLチップをノズル4に装着した場合の圧力変動であり、シリンジ2による空気吐出速度は、約140μL/sであり、ノズル4の下降速度は、約5〜10mm/sである。また、図6は、フィルタなしの2.5mLチップをノズル4に装着した場合の圧力変動であり、シリンジ2による空気吐出速度は、約140μL/sであり、ノズル4の下降速度は、約5〜10mm/sである。これらの図によれば、本実施形態に係る分注装置1および液面検出方法を用いることで、チップ9の先端が液面に接触したことを示す圧力変動を、シリンジ2による空気吐出開始を示す圧力変動から区別して検出するためのしきい値αを設定することができ、チップ9の種類が変化しても液面を正確に検出することができるという利点がある。
【0033】
なお、上記実施形態においては、しきい値αの設定により、チップ9の先端の液面接触時を検出することとしたが、本実施形態に係る液面検出方法によれば、図4(a)、(b)に示されるように、チップ9の先端が液面に接触した際の圧力変動を際立たせることができるので、シリンジ2による空気吐出後から圧力変動の検出を開始して、最初に発生する圧力変動においてチップ9先端の液面への接触を検出することにしても、より正確な検出を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の一実施形態に係る分注装置を模式的に示す全体構成図である。
【図2】図1の分注装置における液面検出方法を示すフローチャートである。
【図3】図1の分注装置のノズルにフィルタなし0.2mLチップを装着した場合の圧力変動を示す図である。
【図4】図1の分注装置のノズルにフィルタ付0.2mLチップを装着した場合の圧力変動を示す図であり、(a)は、本実施形態の液面検出方法を採用した場合の図であり、(b)はフィルタなしの場合と同じ方法で液面検出を行った場合の比較例を示す図である。
【図5】図1の分注装置のノズルにフィルタ付1.5mLチップを装着した場合の圧力変動を示す図である。
【図6】図1の分注装置のノズルにフィルタなし2.5mLチップを装着した場合の圧力変動を示す図である。
【符号の説明】
【0035】
1 分注装置
2 シリンジ
4 ノズル
5 ノズル昇降機構
6 圧力センサ
7 制御装置
9 チップ
A 液体
S3,S5 近接速度を切り替えるステップ
S2,S4 空気の吐出速度を切り替えるステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気を吸引および排出するシリンジと、
該シリンジに接続され、先端にチップを着脱可能に取り付けるノズルと、
該ノズルを昇降させるノズル昇降機構と、
前記シリンジ内の圧力を検出する圧力センサと、
前記ノズル昇降機構の動作を制御する制御装置とを備え、
シリンジの作動によりノズル先端から空気を吐出させつつ、ノズル昇降機構の作動によりノズルを下降させて、圧力センサにより検出される圧力に基づいて吸引すべき液体の液面を検出する分注装置であって、
前記制御装置が、ノズルの先端に取り付けたチップの種類に応じて、シリンジによる空気の吐出速度およびノズル昇降機構によるノズルの下降速度を切り替える分注装置。
【請求項2】
前記チップが、内部にフィルタを有するフィルタ付チップの場合に、前記制御装置が、フィルタなしチップの場合よりもシリンジによる空気の吐出速度を下げ、ノズル昇降機構によるノズルの下降速度を上げる請求項1に記載の分注装置。
【請求項3】
先端に取り付けたチップを、先端から空気を吐出させつつ液面に近接させ、内部の圧力変動に応じて、チップの先端と液面との接触を検出する液面検出方法であって、
チップの種類に応じて空気の吐出速度およびチップの液面への近接速度を切り替える液面検出方法。
【請求項4】
前記チップが、内部にフィルタを有するフィルタ付チップの場合に、フィルタなしチップの場合よりも空気の吐出速度を下げ、ノズルの液面への近接速度を上げる請求項3に記載の液面検出方法。
【請求項5】
請求項2に記載の分注装置と、薬液を貯留した薬液容器とを備え、
薬液容器から薬液を吸引して培養容器内に分注する培養処理装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2006−194689(P2006−194689A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−5408(P2005−5408)
【出願日】平成17年1月12日(2005.1.12)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】