説明

分注装置

【課題】分注精度の向上を図ることができる分注装置を提供すること。
【解決手段】先端がプローブ19に接続してあり、内部を流体が移動する配管(13,16)と、出力された駆動信号に基づいて開閉動作することにより配管内の流体の移動を許容及び規制するバルブ25とを備え、配管内で流体を移動させることにより、プローブ19から液体試料を吸引し、吸引した液体試料を吐出して分注を行う分注装置において、駆動信号が出力されてから配管内の圧力が変化するまでの時間を計測することにより、バルブ25の動作遅延時間を算出する遅延時間算出手段(39,40)と、遅延時間算出手段によって算出された動作遅延時間に基づいてバルブ25の動作時間を制御するバルブ制御手段(41,32)とを備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分注装置に関し、より詳細には、例えば検体又は試薬を含む液体試料を吸引し、吸引した液体試料を吐出して分注を行う分注装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば検体又は試薬を含む液体試料を分注する際に使用する分注装置は、配管内を充填する洗浄水を一定圧力の下で移動させることによって該配管の先端に接続されたプローブから液体試料を吸引し、吸引した液体試料を所定位置に吐出して分注を行っている。
【0003】
そして、そのような分注装置では、配管の先端領域、すなわち配管におけるプローブの上流側に電磁弁を設け、この電磁弁を高速で開閉動作させ、若しくは一定時間通電させて電磁弁を開成させることにより、液体試料の分注量の制御を行っている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2004−61153号公報
【特許文献2】特開2004−89849号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、電磁弁は、開閉動作を指令する駆動信号が出力されると、該駆動信号の出力時点から遅れて開動作、あるいは閉動作するが、開動作するときの遅延時間(以下、開動作遅延時間ともいう。)と、閉動作するときの遅延時間(以下、閉動作遅延時間ともいう。)とは一般に異なる。そして、開動作遅延時間及び閉動作遅延時間は、それぞれ電磁弁の個体差や経時変化、周囲温度、制御回路等によって変動するものである。
【0006】
そのため、上述したような従来の分注装置のように、電磁弁を高速で開閉動作させ、若しくは一定時間通電させて電磁弁を開成させることにより、液体試料の分注量の制御を行っても、電磁弁の個体差や経時変化、周囲温度、制御回路等の影響により、電磁弁の実際の開時間が変動してしまい、これにより、分注量が変動し、その結果、分注精度が十分に高いものとならないという問題があった。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みて、分注精度の向上を図ることができる分注装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る分注装置は、先端がプローブに接続してあり、内部を流体が移動する流路と、前記流路の先端領域に設けてあり、出力された駆動信号に基づいて開閉動作することにより前記流路内の流体の移動を許容及び規制するバルブとを備え、前記流路内で流体を移動させることにより、前記プローブから液体試料を吸引し、吸引した液体試料を吐出して分注を行う分注装置において、前記駆動信号が出力されてから前記流路内の圧力が変化するまでの時間を計測することにより、前記バルブの動作遅延時間を算出する遅延時間算出手段と、前記遅延時間算出手段によって算出された動作遅延時間に基づいて前記バルブの動作時間を制御するバルブ制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項2に係る分注装置は、上述した請求項1において、前記遅延時間算出手段は、前記バルブを閉成させて前記流路内が正圧となる場合に、前記バルブを開成させる旨の駆動信号が出力されてから前記流路内の圧力が低下するまでの時間を計測することにより、前記バルブの開動作遅延時間を算出する一方、前記バルブを開成させて前記流路内が加圧される場合に、前記バルブを閉成させる旨の駆動信号が出力されてから前記流路内の圧力が上昇するまでの時間を計測することにより、前記バルブの閉動作遅延時間を算出することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項3に係る分注装置は、先端がプローブに接続してあり、内部を流体が移動する流路と、前記流路の先端領域に設けてあり、開閉動作することにより前記流路内の流体の移動を許容及び規制するバルブとを備え、前記流路内で流体を移動させることにより、前記プローブから液体試料を吸引し、吸引した液体試料を吐出して分注を行う分注装置において、前記流路内に空気を進入させて前記バルブを閉成させた場合に、該流路内の流体を吸引して該流路内を負圧状態にさせる流体吸引手段と、前記流体吸引手段により前記流路内を負圧状態にさせた場合に、所定時間前記バルブを開成させ、前記流路内に前記液体試料を流入させて該流路内の圧力を測定することにより、前記流路内の圧力と前記液体試料の流量との相関関係を算出する第1算出手段と、前記第1算出手段により算出された相関関係と、前記流路内の測定した圧力とから液体試料の流量を算出し、該液体試料の流量と、予め決められた所望の吐出量とから前記バルブの開時間を算出する第2算出手段と、前記第2算出手段により算出されたバルブ開時間にしたがって前記バルブの開動作を制御するバルブ開動作制御手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の請求項1に記載の発明によれば、遅延時間算出手段を通じて、駆動信号が出力されてから流路内の圧力が変化するまでの時間を計測することによりバルブの動作遅延時間を算出し、バルブ制御手段を通じて、遅延時間算出手段によって算出された動作遅延時間に基づいてバルブの動作時間を制御するので、所望量の液体試料を正確に吐出させることができ、バルブの個体差や経時変化、周囲温度、制御回路等の影響により分注量が変動してしまう虞れがない。したがって、分注精度の向上を図ることができるという効果を奏する。
【0012】
本発明の請求項3に記載の発明によれば、流路内に空気を進入させてバルブを閉成させた場合に、流体吸引手段を通じて該流路内の流体を吸引して該流路内を負圧状態にさせ、流体吸引手段により流路内を負圧状態にさせた場合に、所定時間前記バルブを開成させ、流路内に液体試料を流入させて該流路内の圧力を測定することにより、第1算出手段を通じて流路内の圧力と液体試料の流量との相関関係を算出し、第2算出手段を通じて、第1算出手段により算出された相関関係と流路内の測定した圧力とから液体試料の流量を算出し、該液体試料の流量と予め決められた所望の吐出量とからバルブの開時間を算出し、バルブ開動作制御手段が、算出されたバルブ開時間にしたがってバルブの開動作を制御するので、液体試料を正確に吐出させることができ、液体試料の粘度、プローブ径等の影響により分注量が変動してしまう虞れがない。したがって、分注精度の向上を図ることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る分注装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0014】
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1における分注装置の構成を模式的に示した模式図である。この図1における分注装置は、例えば検体又は試薬を含む液体試料を吸引し、吸引した液体試料を吐出して分注を行うものである。このような分注装置は、分注ユニット10と制御ユニット30とを備えて構成してある。
【0015】
分注ユニット10は、洗浄水タンク11、三方弁14、エアーポンプ20、第1圧力センサ22、第2圧力センサ24及びバルブ25を備えて構成してある。
【0016】
洗浄水タンク11は、洗浄水を貯留するタンクである。この洗浄水タンク11の開口部には、内部を気密にするための栓12がしてある。また、洗浄水タンク11には、洗浄水導入配管13が接続してある。より詳細には、洗浄水導入配管13は、洗浄水タンク11の内部を気密に保持する態様で栓12の貫通孔(図示せず)を貫通し、該洗浄水導入配管13の基端が貯留する洗浄水に浸漬した状態で洗浄水タンク11に接続してある。また、洗浄水導入配管13の先端は三方弁14に接続してある。
【0017】
三方弁14は、洗浄水導入配管13に接続してあるとともに、シリンジ配管15及びプローブ配管16のそれぞれに接続してある弁体である。より詳細には、三方弁14は、A端が洗浄水導入配管13の先端に、B端がシリンジ配管15の先端に、C端がプローブ配管16の基端にそれぞれ独立して接続してあり、制御ユニット30から信号が出力されることにより、これらの配管のうち選択された2つの配管を開通状態にするものである。シリンジ配管15は、基端にシリンジポンプ17が配設されてなる配管である。シリンジポンプ17は、内部にピストン18を収納してある。プローブ配管16は、先端に分注ノズルとなるプローブ19が配設されてなるものである。プローブ19は、図示しないプローブ駆動部により水平方向及び上下方向に沿って移動可能に配設してある。
【0018】
エアーポンプ20は、エアー供給配管21を通じて洗浄水タンク11の内部に空気を送出するためのものである。ここに、エアー供給配管21は、洗浄水タンク11の内部を気密に保持する態様で栓12の貫通孔(図示せず)を貫通し、一端が洗浄水タンク11の内部の気相領域を臨むよう洗浄水タンク11に接続してある。
【0019】
第1圧力センサ22は、検知配管23を通じて洗浄水タンク11の内部の圧力を検知するための検知手段である。ここに、検知配管23は、洗浄水タンク11の内部を気密に保持する態様で栓12の貫通孔(図示せず)を貫通し、一端が洗浄水タンク11の内部の気相領域を臨むよう洗浄水タンク11に接続してある。第2圧力センサ24は、プローブ配管16に配設してあり、プローブ配管16の内部の圧力を検知するための検知手段である。
【0020】
バルブ25は、プローブ配管16の先端領域、すなわちプローブ19と第2圧力センサ24との間に配設してあり、開閉動作することにより、プローブ配管16内の流体(洗浄水、液体試料等)の移動を許容及び規制するものである。
【0021】
図2は、図1における制御ユニットの構成を模式的に示したブロック図である。制御ユニット30は、主制御部31、バルブ駆動信号出力部32、エアーポンプ駆動処理部33、シリンジポンプ駆動処理部34、制御信号出力部35、第1圧力センサ検出処理部36、第2圧力センサ検出処理部37、時間計測部38、開動作遅延時間算出部39、閉動作遅延時間算出部40及びバルブ駆動補正部41を備えて構成してある。
【0022】
主制御部31は、例えばROMやRAM等のメモリ42に格納してあるデータやプログラムに基づいて制御ユニット30の動作を統括的に制御するものである。
【0023】
バルブ駆動信号出力部32は、バルブ25にバルブ駆動信号を出力するものであり、バルブ駆動信号をオン状態にした場合にはバルブ25を開成させる一方、バルブ駆動信号をオフ状態にした場合にはバルブ25を閉成させるものである。
【0024】
エアーポンプ駆動処理部33は、エアーポンプ20に各種信号を出力して該エアーポンプ20の駆動処理を行うものであり、エアーポンプ駆動信号を出力した場合にはエアーポンプ20を駆動させる一方、エアーポンプ停止信号を出力した場合にはエアーポンプ20の駆動を停止させるものである。
【0025】
シリンジポンプ駆動処理部34は、シリンジポンプ17に各種信号を出力して該シリンジポンプ17の駆動処理を行うものであり、シリンジポンプ駆動信号を出力した場合にはシリンジポンプ17を駆動させる一方、シリンジポンプ停止信号を出力した場合にはシリンジポンプ17の駆動を停止させるものである。
【0026】
制御信号出力部35は、三方弁14に各種制御信号を出力するものである。より詳細には、第1制御信号を出力した場合には、三方弁14に洗浄水導入配管13とプローブ配管16とを開通状態にさせる一方、第2制御信号を出力した場合には、三方弁14にシリンジ配管15とプローブ配管16とを開通状態にさせるものである。
【0027】
第1圧力センサ検出処理部36は、第1圧力センサ22で検知された圧力値を検出処理するものである。第2圧力センサ検出処理部37は、第2圧力センサ24で検知された圧力値を検出処理するものである。時間計測部38は、時間を計測するものである。
【0028】
開動作遅延時間算出部39は、詳細は後述するが、時間計測部38により計測された時間により、バルブ25の開動作の遅延時間を算出するものである。閉動作遅延時間算出部40は、詳細は後述するが、時間計測部38により計測された時間により、バルブ25の閉動作の遅延時間を算出するものである。
【0029】
バルブ駆動補正部41は、開動作遅延時間算出部39で算出された開動作遅延時間と、閉動作遅延時間算出部40で算出された閉動作遅延時間とにより、バルブ25を開成させる時間を補正するものである。より詳細には、開動作遅延時間算出部39で算出された開動作遅延時間と、閉動作遅延時間算出部40で算出された閉動作遅延時間とにより、バルブ駆動信号出力部32を通じてのバルブ駆動信号をオン状態にする時間を補正するものである。
【0030】
以上のような構成を有する分注装置は、次のような動作を行う。はじめに、分注装置は、バルブ25の動作遅延時間を測定する。図3は、図2における制御ユニットの主制御部の処理内容を示したフローチャートであり、図4は、バルブの動作遅延時間の測定について示したタイムチャートである。これら図3及び図4を適宜用いて、分注装置によるバルブ25の動作遅延時間の測定について説明する。説明の前提として、制御ユニット30の主制御部31は、制御信号出力部35を通じて三方弁14に第1制御信号を出力し、三方弁14を洗浄水導入配管13とプローブ配管16とが連通状態、すなわちA端とC端とが開通状態にしてあるものとする。
【0031】
制御ユニット30の主制御部31は、バルブ駆動信号出力部32を通じてバルブ駆動信号をオフ状態にするとともに、エアーポンプ駆動処理部33を通じてエアーポンプ駆動信号を出力する(ステップS101,ステップS102)。このようにバルブ駆動信号をオフ状態にすることによりバルブ25を閉成させ、またエアーポンプ駆動信号を出力することによりエアーポンプ20を駆動させる(時点t1)。
【0032】
主制御部31は、第1圧力センサ検出処理部36を通じて第1圧力センサ22で検知された圧力値を検出処理し、洗浄水タンク11の内部の圧力が予め決められた圧力状態、すなわち正圧状態であるか否かを判断する(ステップS103)。ここで、洗浄水タンク11の内部が正圧状態にあると、これに連通する洗浄水導入配管13及びプローブ配管16の内部は気密状態になっているために同様に正圧状態になる。そして、洗浄水タンク11の内部が正圧状態であると判断した場合には、主制御部31は、エアーポンプ駆動処理部33を通じてエアーポンプ停止信号を出力する(ステップS104)。これにより、エアーポンプ20の駆動を停止させる(時点t2)。
【0033】
時点t3において、主制御部31は、バルブ駆動信号出力部32を通じてバルブ駆動信号をオン状態にするとともに、時間計測部38を通じて時間の計測を開始する(ステップS105,ステップS106)。このとき、主制御部31は、第2圧力センサ検出処理部37を通じて第2圧力センサ24で検知された圧力値を検出処理し、配管内の圧力が低下したか否かを判断する(ステップS107)。そして、圧力が低下したと判断した場合には(時点t4)、主制御部31は、時間計測部38を通じて時間の計測を終了する(ステップS108)。
【0034】
その後、主制御部31は、開動作遅延時間算出部39を通じて、時間計測部38により計測された時間によりバルブ25の開動作遅延時間(時点t4−時点t3)を算出する(ステップS109)。
【0035】
主制御部31は、エアーポンプ駆動処理部33を通じてエアーポンプ駆動信号を出力する(ステップS110)。このようにエアーポンプ駆動信号を出力することによりエアーポンプ20を駆動させる(時点t5)。
【0036】
エアーポンプ駆動信号を出力した後の時点t6において、主制御部31は、バルブ駆動信号出力部32を通じてバルブ駆動信号をオフ状態にするとともに、時間計測部38を通じて時間の計測を開始する(ステップS111,ステップS112)。このとき、主制御部31は、第2圧力センサ検出処理部37を通じて第2圧力センサ24で検知された圧力値を検出処理し、配管内の圧力が上昇したか否かを判断する(ステップS113)。そして、圧力が上昇したと判断した場合には(時点t7)、主制御部31は、時間計測部38を通じて時間の計測を終了する(ステップS114)。
【0037】
その後、主制御部31は、閉動作遅延時間算出部40を通じて、時間計測部38により計測された時間によりバルブ25の閉動作遅延時間(時点t7−時点t6)を算出し(ステップS115)、今回の処理を終了する。ここに、ステップS109で算出されたバルブ25の開動作遅延時間、並びにステップS115で算出されたバルブ25の閉動作遅延時間は、それぞれメモリ42に格納される。
【0038】
上述したようなバルブ25の動作遅延時間を測定した後、分注装置は、次のような分注動作を行う。まず、プローブ駆動部によってプローブ19を洗浄位置に移動させる。
【0039】
洗浄位置に移動させた後、制御ユニット30の主制御部31は、制御ユニット30の主制御部31が、バルブ駆動信号出力部32を通じてバルブ駆動信号をオン状態にするとともに、制御信号出力部35を通じて第1制御信号を出力する。これにより、バルブ25を開成させるとともに、三方弁14を洗浄水導入配管13とプローブ配管16とが連通した状態、すなわちA端とC端とが開通した状態にさせる。その後、制御ユニット30の主制御部31が、エアーポンプ駆動処理部33を通じてエアーポンプ駆動信号を出力することにより、エアーポンプ20を駆動させる。その結果、洗浄水タンク11の内部が加圧され、洗浄水が、洗浄水導入配管13及びプローブ配管16を移動してプローブ19から吐出される。このように洗浄水タンク11の洗浄水がプローブ19から吐出されることにより、プローブ19が洗浄されることになる。洗浄水をプローブ19から吐出させた後、制御ユニット30(主制御部31)が、プローブ19の先端に所定量の空気層を残した状態でバルブ駆動信号をオフ状態にしてバルブ25を閉成させる。これにより、プローブ19の先端に所定量の空気層を残して配管内を洗浄水で満たした状態にすることができる。
【0040】
次に、プローブ駆動部によってプローブ19を試料容器(サンプルカップ)が配置された位置に移動させ、移動させた後にプローブ19を下降移動させて、プローブ19の先端を試料容器の液体試料中に浸漬させる。プローブ19の先端を液体試料中に浸漬させた後、制御ユニット30の主制御部31は、バルブ駆動信号出力部32を通じてバルブ駆動信号をオン状態にするとともに、制御信号出力部35を通じて第2制御信号を出力する。これにより、バルブ25を開成させるとともに、三方弁14をシリンジ配管15とプローブ配管16とが連通した状態、すなわちB端とC端とが開通した状態にさせる。またこのとき、制御ユニット30(主制御部31)は、シリンジポンプ駆動処理部34を通じてシリンジポンプ駆動信号を出力する。これによりシリンジポンプ17を駆動させ、プローブ19内に液体試料を所定量吸引することができる。このとき、液体試料は、洗浄水との間に上記空気層が介在した状態で吸引されるため洗浄水と混ざり合うことがない。
【0041】
所定量の液体試料を吸引した後、プローブ駆動部によってプローブ19を上昇移動させ、反応容器が配置された位置に移動させる。その後、プローブ駆動部によってプローブ19を再び下降移動させる。
【0042】
プローブ19を再び下降移動させた後、制御ユニット30(主制御部31)は、制御信号出力部35を通じて第1制御信号を出力する。これにより、三方弁14を洗浄水導入配管13とプローブ配管16とが連通した状態にさせる。ところで、洗浄水タンク11の内部圧力は、第1圧力センサ22で常に検知してあり、検知される圧力が一定となるようにエアーポンプ20を必要に応じて駆動させている。つまり、制御ユニット30の主制御部31は、第1圧力センサ検出処理部36を通じて第1圧力センサ22で検知された圧力値を検出処理し、エアーポンプ駆動処理部33を通じてエアーポンプ駆動信号を出力、あるいはエアーポンプ停止信号を出力することにより、洗浄水タンク11内の圧力を一定にしている。
【0043】
一方、制御ユニット30の主制御部31は、バルブ駆動補正部41を通じて、開動作遅延時間算出部39で算出された開動作遅延時間と、閉動作遅延時間算出部40で算出された閉動作遅延時間とにより、バルブ駆動信号出力部32を通じてのバルブ駆動信号をオン状態にする時間を補正する。より詳細に説明すると、主制御部31は、バルブ駆動補正部41を通じて、メモリ42に予め格納してあるバルブ25の所望の開時間と、上述したようにメモリ42に格納してあるバルブ25の開動作遅延時間及び閉動作遅延時間とから、バルブ駆動信号出力部32を通じてのバルブ駆動信号をオン状態にする実際の時間を補正する。このようなバルブ駆動信号をオン状態にする実際の時間Tは、予め設定された所望の開時間s1、バルブ25の開動作遅延時間s2、並びにバルブ25の閉動作遅延時間s3を下記式(1)に代入することにより行う。
【0044】
式(1) T=s1+s2−s3
【0045】
バルブ駆動補正部41を通じてバルブ駆動信号をオン状態にする実際の時間を補正した後、主制御部31は、バルブ駆動補正部41での補正した時間だけバルブ駆動信号出力部32を通じてバルブ駆動信号をオン状態にする。これにより、開動作遅延時間及び閉動作遅延時間が考慮された所望の時間だけバルブ25を開成させることができる。
【0046】
上述したように洗浄水タンク11の内部圧力は一定に保持してあるため、バルブ25を開成させると液体試料は一定流量でプローブ19から吐出される。したがって、バルブ25を所望の時間だけ開成させると、所望量の液体試料を正確に吐出させることができる。
【0047】
上記反応容器への液体試料の吐出終了後、プローブ駆動部によりプローブ19を他の反応容器が配置された位置に移動させ、上述した液体試料の吐出を繰り返すことにより、分注動作を行う。
【0048】
以上説明したように、本発明の実施の形態1における分注装置では、主制御部31、開動作遅延時間算出部39及び閉動作遅延時間算出部40が遅延時間算出手段を構成し、主制御部31、バルブ駆動信号出力部32及びバルブ駆動補正部41がバルブ制御手段を構成する。そして、このような分注装置によれば、バルブ駆動信号が出力されてからの配管内の圧力が変化するまでの時間を計測することにより、バルブ25の開動作遅延時間及び閉動作遅延時間を算出し、算出した開動作遅延時間及び閉動作遅延時間に基づいてバルブ25の実際の開成時間を補正することによりバルブ25の動作時間を制御するので、所望量の液体試料を正確に吐出させることができ、バルブ25の個体差や経時変化、周囲温度、制御回路等の影響により分注量が変動してしまう虞れがない。したがって、分注精度の向上を図ることができる。
【0049】
<実施の形態2>
図5は、本発明の実施の形態2における分注装置の構成を模式的に示した模式図である。尚、上述した実施の形態1に係る分注装置と同一の構成を有するものには同一の符号を付してその説明を省略する。
【0050】
この図5における分注装置は、例えば検体又は試薬を含む液体試料を吸引し、吸引した液体試料を吐出して分注を行うものである。このような分注装置は、分注ユニット10′と制御ユニット50とを備えて構成してある。
【0051】
分注ユニット10′は、上述した実施の形態1の分注ユニット10と略同一の構成を有しており、ファン26を有している点が異なるだけである。ファン26は、プローブ配管16の内部の流体を加温して温度を一定に保持するためのものである。
【0052】
図6は、図5における制御ユニットの構成を模式的に示したブロック図である。制御ユニット50は、主制御部51、バルブ駆動信号出力部52、エアーポンプ駆動処理部53、シリンジポンプ駆動処理部54、制御信号出力部55、第1圧力センサ検出処理部56、第2圧力センサ検出処理部57、時間計測部58、圧力−流量算出部(第1算出手段)59及びバルブ開時間算出部(第2算出手段)60を備えて構成してある。
【0053】
主制御部51は、例えばROMやRAM等のメモリ61に格納してあるデータやプログラムに基づいて制御ユニット50の動作を統括的に制御するものである。
【0054】
バルブ駆動信号出力部52は、バルブ25にバルブ駆動信号を出力するものであり、バルブ駆動信号をオン状態にした場合にはバルブ25を開成させる一方、バルブ駆動信号をオフ状態にした場合にはバルブ25を閉成させるものである。
【0055】
エアーポンプ駆動処理部53は、エアーポンプ20に各種信号を出力して該エアーポンプ20の駆動処理を行うものであり、エアーポンプ駆動信号を出力した場合にはエアーポンプ20を駆動させる一方、エアーポンプ停止信号を出力した場合にはエアーポンプ20の駆動を停止させるものである。
【0056】
シリンジポンプ駆動処理部54は、シリンジポンプ17に各種信号を出力して該シリンジポンプ17の駆動処理を行うものであり、シリンジポンプ駆動信号を出力した場合にはシリンジポンプ17を駆動させる一方、シリンジポンプ停止信号を出力した場合にはシリンジポンプ17の駆動を停止させるものである。
【0057】
制御信号出力部55は、三方弁14に各種制御信号を出力するものである。より詳細には、第1制御信号を出力した場合には、三方弁14に洗浄水導入配管13とプローブ配管16とを開通状態にさせる一方、第2制御信号を出力した場合には、三方弁14にシリンジ配管15とプローブ配管16とを開通状態にさせるものである。
【0058】
第1圧力センサ検出処理部56は、第1圧力センサ22で検知された圧力値を検出処理するものである。第2圧力センサ検出処理部57は、第2圧力センサ24で検知された圧力値を検出処理するものである。時間計測部58は、時間を計測するものである。
【0059】
圧力−流量算出部59は、詳細は後述するが、配管内の圧力と液体試料の流量との相関関係を算出するものである。
【0060】
バルブ開時間算出部60は、詳細は後述するが、圧力−流量算出部59により算出された相関関係と、配管内の測定した圧力とから液体試料の流量を算出し、該液体試料の流量と、メモリ61に格納してある予め決められた所望の吐出量とからバルブ25の開時間を算出するものである。
【0061】
以上のような構成を有する分注装置は、次のような動作を行う。まず、プローブ駆動部によってプローブ19を洗浄位置に移動させる。
【0062】
洗浄位置に移動させた後、制御ユニット50の主制御部51は、制御ユニット50の主制御部51が、バルブ駆動信号出力部52を通じてバルブ駆動信号をオン状態にするとともに、制御信号出力部55を通じて第1制御信号を出力する。これにより、バルブ25を開成させるとともに、三方弁14を洗浄水導入配管13とプローブ配管16とが連通した状態、すなわちA端とC端とが開通した状態にさせる。その後、制御ユニット50の主制御部51が、エアーポンプ駆動処理部53を通じてエアーポンプ駆動信号を出力することにより、エアーポンプ20を駆動させる。その結果、洗浄水タンク11の内部が加圧され、洗浄水が、洗浄水導入配管13及びプローブ配管16を移動してプローブ19から吐出される。このように洗浄水タンク11の洗浄水がプローブ19から吐出されることにより、プローブ19が洗浄されることになる。洗浄水をプローブ19から吐出させた後、制御ユニット50(主制御部51)が、バルブ駆動信号をオフ状態にしてバルブ25を閉成させる。これにより、配管内を洗浄水で満たした状態にすることができる。
【0063】
次に、プローブ駆動部によってプローブ19を試料容器(サンプルカップ)が配置された位置に移動させる。ここに、図7は、図6における制御ユニットの主制御部の処理内容を示したフローチャートである。この図7を適宜用いて、分注装置による試料容器配置位置における動作について説明する。
【0064】
試料容器配置位置に移動させた後に、制御ユニット50の主制御部51は、バルブ駆動信号出力部52を通じてバルブ駆動信号をオン状態にするとともに、制御信号出力部55を通じて第2制御信号を出力する(ステップS201,ステップS202)。これにより、バルブ25を開成させるとともに、三方弁14をシリンジ配管15とプローブ配管16とが連通した状態、すなわちB端とC端とが開通した状態にさせる。またこのとき、制御ユニット50(主制御部51)は、シリンジポンプ駆動処理部54を通じてシリンジポンプ駆動信号を出力する(ステップS203)。これによりシリンジポンプ17を駆動させ、プローブ19を通じて配管内に空気を所定量吸引することができる。この結果、プローブ19の先端に所定量の空気層が形成される。
【0065】
このように所定量の空気を吸引した後、主制御部51は、バルブ駆動信号出力部52を通じてバルブ駆動信号をオフ状態にし(ステップS204)、バルブ25を閉成させる。このとき、プローブ駆動部によってプローブ19を下降移動させ、プローブ19の先端を試料容器の液体試料中に浸漬させる。
【0066】
制御ユニット50の主制御部51は、第2圧力センサ検出処理部57を通じて第2圧力センサ24で検知された圧力値を検出処理し、配管内(プローブ配管16内及びシリンジ配管15内)がメモリ61に格納された予め決められた圧力状態、すなわち負圧状態であるか否かを判断する(ステップS205)。ここで、配管内を負圧状態にさせるためには、シリンジポンプ17に、全吐出量に余剰分を加えた量に相当する分だけ吸引動作を行わせていることになる。そして、配管内が負圧状態であると判断した場合には、主制御部51は、シリンジポンプ駆動処理部54を通じてシリンジポンプ停止信号を出力して(ステップS206)、シリンジポンプ17の駆動を停止させる。
【0067】
その後、主制御部51は、バルブ駆動信号出力部52を通じてバルブ駆動信号をオン状態にするとともに、時間計測部58を通じて時間の計測を開始する(ステップS207,ステップS208)。このとき、主制御部51は、第2圧力センサ検出処理部57を通じて第2圧力センサ24で検知された圧力値(配管内の圧力値)の検出処理を行う(ステップS209)。そして、主制御部51は、予め決められた所定時間が経過したか否かを判断し(ステップS210)、所定時間が経過した場合には、時間計測部58を通じての時間の計測を終了するとともに、第2圧力センサ検出処理部57を通じての圧力値の検出処理を終了する(ステップS211,ステップS212)。
【0068】
このように時間の計測及び圧力の検出処理を行った後、主制御部51は、圧力−流量算出部59を通じて、次のようにして配管内の圧力と液体試料の流量との相関関係を算出し(ステップS213)、今回の処理を終了する。ここでは、説明の便宜上、上述したステップS203により形成された空気層が1μlであり、シリンジポンプ17による吸引動作が2μlである場合についての上記相関関係の算出について説明する。
【0069】
空気層が1μlであり、シリンジポンプ17による吸引動作が2μlである場合において、、上述したステップS208及びステップS209において測定等された配管内の圧力変化は、図8の破線のように示される。そして、配管内は、ファン26により温度が一定に保持されているものと考えられるのでボイルの法則が成立し、圧力と体積との積が一定となり、空気層の体積は、下記式(2)により求められる。
【0070】
式(2) V(t)=V0×(P0/P(t))
ここで、P0は初期圧力、V0は初期体積を示し、P(t)は任意時刻tにおける圧力、V(t)は任意時刻tにおける体積を示している。
【0071】
上記式(2)で求めた空気層の体積を図8の実線で示す。ここに、空気層の体積の減少分は吸引した液体試料の量に等しいので、ある圧力で空気層の体積の変化率(傾き)を算出することにより、分注装置における圧力差と液体試料の流量との関係(以下、圧力差−流量関係ともいう)を求めることができ、これを図9に示す。そして、配管内の圧力を測定して、図9を用いることにより、圧力と流量との相関関係を算出することができる。
【0072】
つまり、主制御部51は、圧力−流量算出部59を通じて、上記ステップS208及びステップS209で測定等された圧力変化から空気層の体積変化を求め、求めた体積変化から決められた圧力での体積の変化率を算出することにより、圧力差−流量関係を求める。そして、第2圧力センサ検出処理部57を通じて検出処理した配管内の圧力と、圧力差−流量関係とから、配管内の圧力と液体試料の流量との相関関係を算出する。算出された相関関係はメモリ61に格納される。
【0073】
プローブ駆動部によってプローブ19を上昇移動させ、反応容器が配置された位置に移動させる。その後、プローブ駆動部によってプローブ19を再び下降移動させる。
【0074】
プローブ19を再び下降移動させた後、制御ユニット50(主制御部51)は、制御信号出力部55を通じて第1制御信号を出力する。これにより、三方弁14を洗浄水導入配管13とプローブ配管16とが連通した状態にさせる。ところで、洗浄水タンク11の内部圧力は、第1圧力センサ22で常に検知してあり、検知される圧力が一定となるようにエアーポンプ20を必要に応じて駆動させている。つまり、制御ユニット50の主制御部51は、第1圧力センサ検出処理部56を通じて第1圧力センサ22で検知された圧力値を検出処理し、エアーポンプ駆動処理部53を通じてエアーポンプ駆動信号を出力、あるいはエアーポンプ停止信号を出力することにより、洗浄水タンク11内の圧力を一定にしている。
【0075】
一方、制御ユニット50の主制御部51は、バルブ開時間算出部60を通じて、メモリ61に格納してある圧力−流量算出部59により算出された相関関係と、第2圧力センサ検出処理部57を通じて検出処理された配管内の圧力とから液体試料の流量を算出し、算出した液体試料の流量と、メモリ61に格納してある予め決められた所望の吐出量とからバルブ25の開時間を算出する。
【0076】
バルブ開時間算出部60を通じてバルブ25の開時間を算出した後、主制御部51は、算出したバルブ25の開時間だけバルブ駆動信号出力部52を通じてバルブ駆動信号をオン状態にして、バルブ25を開成させる。
【0077】
上述したように洗浄水タンク11の内部圧力は一定に保持してあるため、バルブ25が開成されると液体試料は一定流量でプローブ19から吐出される。したがって、バルブ25を所望の時間だけ開成させると、所望量の液体試料を正確に吐出させることができる。
【0078】
上記反応容器への液体試料の吐出終了後、プローブ駆動部によりプローブ19を他の反応容器が配置された位置に移動させ、上述した液体試料の吐出を繰り返すことにより、分注動作を行う。
【0079】
以上説明したように、本発明の実施の形態2における分注装置では、主制御部51及び圧力−流量算出部59が第1算出手段を構成し、主制御部51及びバルブ開時間算出部60が第2算出手段を構成し、主制御部51及びバルブ駆動信号出力部52がバルブ開動作制御手段を構成する。このような分注装置によれば、配管内を負圧状態にさせた場合に、所定時間バルブ25を開成させ、配管内に液体試料を流入させて該配管内の圧力を測定することにより、配管内の圧力と液体試料の流量との相関関係を算出し、算出された相関関係と、配管内の測定した圧力とから液体試料の流量を算出し、該液体試料の流量と予め決められた所望の吐出量とからバルブ25の開時間を算出し、算出したバルブ25の開時間だけバルブ25を開成させるので、液体試料を正確に吐出させることができ、液体試料の粘度、プローブ19径等の影響により分注量が変動してしまう虞れがない。したがって、分注精度の向上を図ることができる。
【0080】
以上、本発明の好適な実施の形態1及び実施の形態2について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
【0081】
例えば、上述した実施の形態1では、バルブ駆動信号がオン状態の場合にバルブ25が開成状態となる、すなわちバルブ駆動信号のオンオフによりバルブ25が開閉するものについて説明したが、本発明では、予め決められた時刻にバルブ開信号を出力することによりバルブを開成させ、予め決められた時刻にバルブ閉信号を出力することによりバルブを閉成させる構成であっても構わない。このような構成の場合には、開動作遅延時間算出部を通じて算出されたバルブの開動作遅延時間分だけ早くにバルブ開信号を出力し、閉動作遅延時間算出部を通じて算出されたバルブの閉動作遅延時間だけ早くにバルブ閉信号を出力すれば、所望量の液体試料を正確に吐出させることができ、バルブの個体差や経時変化、周囲温度、制御回路等の影響により分注量が変動してしまう虞れがない。したがって、分注精度の向上を図ることができる。
【0082】
また、上述した実施の形態2では、分注ユニット10′がエアーポンプ20や第1圧力センサ22を備えていたが、本発明では、図10に示すように、エアーポンプや第1圧力センサを有しない分注ユニット100であっても構わない。このような構成では、シリンジポンプ17で配管内の圧力を調整すれば良く、エアーポンプや第1圧力センサを必要としないので、コストの低減化を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0083】
以上のように、本発明に係る分注装置は、例えば検体又は試薬を含む液体試料を吸引し、吸引した液体試料を吐出して分注を行うのに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の実施の形態1における分注装置の構成を模式的に示した模式図である。
【図2】図1における制御ユニットの構成を模式的に示したブロック図である。
【図3】図2における制御ユニットの主制御部の処理内容を示したフローチャートである。
【図4】バルブ25の動作遅延時間の測定について示したタイムチャートである。
【図5】本発明の実施の形態2における分注装置の構成を模式的に示した模式図である。
【図6】図5における制御ユニットの構成を模式的に示したブロック図である。
【図7】図6における制御ユニットの主制御部の処理内容を示したフローチャートである。
【図8】測定時間における圧力変化を示した図表である。
【図9】圧力差と流量との関係を示した図表である。
【図10】本発明の実施の形態2における分注装置の変形例の構成を模式的に示した模式図である。
【符号の説明】
【0085】
10,10′,100 分注ユニット
11 洗浄水タンク
12 栓
13 洗浄水導入配管
14 三方弁
15 シリンジ配管
16 プローブ配管
17 シリンジポンプ
18 ピストン
19 プローブ
20 エアーポンプ
21 エアー供給配管
22 第1圧力センサ
23 検知配管
24 第2圧力センサ
25 バルブ
26 ファン
30,50 制御ユニット
31,51 主制御部
32,52 バルブ駆動信号出力部
33,53 エアーポンプ駆動処理部
34,54 シリンジポンプ駆動処理部
35,55 制御信号出力部
36,56 第1圧力センサ検出処理部
37,57 第2圧力センサ検出処理部
38,58 時間計測部
39 開動作遅延時間算出部
40 閉動作遅延時間算出部
41 バルブ駆動補正部
42,61 メモリ
59 圧力−流量算出部
60 バルブ開時間算出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端がプローブに接続してあり、内部を流体が移動する流路と、
前記流路の先端領域に設けてあり、出力された駆動信号に基づいて開閉動作することにより前記流路内の流体の移動を許容及び規制するバルブと
を備え、
前記流路内で流体を移動させることにより、前記プローブから液体試料を吸引し、吸引した液体試料を吐出して分注を行う分注装置において、
前記駆動信号が出力されてから前記流路内の圧力が変化するまでの時間を計測することにより、前記バルブの動作遅延時間を算出する遅延時間算出手段と、
前記遅延時間算出手段によって算出された動作遅延時間に基づいて前記バルブの動作時間を制御するバルブ制御手段と
を備えたことを特徴とする分注装置。
【請求項2】
前記遅延時間算出手段は、前記バルブを閉成させて前記流路内が正圧となる場合に、前記バルブを開成させる旨の駆動信号が出力されてから前記流路内の圧力が低下するまでの時間を計測することにより、前記バルブの開動作遅延時間を算出する一方、前記バルブを開成させて前記流路内が加圧される場合に、前記バルブを閉成させる旨の駆動信号が出力されてから前記流路内の圧力が上昇するまでの時間を計測することにより、前記バルブの閉動作遅延時間を算出することを特徴とする請求項1に記載の分注装置。
【請求項3】
先端がプローブに接続してあり、内部を流体が移動する流路と、
前記流路の先端領域に設けてあり、開閉動作することにより前記流路内の流体の移動を許容及び規制するバルブと
を備え、
前記流路内で流体を移動させることにより、前記プローブから液体試料を吸引し、吸引した液体試料を吐出して分注を行う分注装置において、
前記流路内に空気を進入させて前記バルブを閉成させた場合に、該流路内の流体を吸引して該流路内を負圧状態にさせる流体吸引手段と、
前記流体吸引手段により前記流路内を負圧状態にさせた場合に、所定時間前記バルブを開成させ、前記流路内に前記液体試料を流入させて該流路内の圧力を測定することにより、前記流路内の圧力と前記液体試料の流量との相関関係を算出する第1算出手段と、
前記第1算出手段により算出された相関関係と、前記流路内の測定した圧力とから液体試料の流量を算出し、該液体試料の流量と、予め決められた所望の吐出量とから前記バルブの開時間を算出する第2算出手段と、
前記第2算出手段により算出されたバルブ開時間にしたがって前記バルブの開動作を制御するバルブ開動作制御手段と
を備えたことを特徴とする分注装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−278978(P2007−278978A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−108658(P2006−108658)
【出願日】平成18年4月11日(2006.4.11)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】